第9回薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会 議事録

健康局 結核感染症課

日時

令和4年1月17日(月)
14:00~16:00

場所

厚生労働省 共用第9会議室(17階)

議題

  1. 1.座長の選任について
  2. 2.薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書(2021年度版)について
  3. 3.その他

議事

議事内容
○長江結核感染症課長補佐 定刻となりましたので、ただいまより、第9回「薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会」を開催いたします。
私、厚生労働省健康局結核感染症課の長江と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、検討会に先立ちまして、厚生労働省健康局結核感染症課長の江浪のほうから御挨拶申し上げます。
○江浪結核感染症課長 健康局結核感染症課長の江浪でございます。
会議の開催に当たりまして、健康局長に代わりまして御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙の中、本会議に御出席いただきまして、ありがとうございます。また、日頃から感染症対策をはじめとする厚生労働行政に御理解と御協力をいただき、厚く、改めて御礼申し上げたいと思います。
抗菌薬などの抗微生物薬に対する薬剤耐性(AMR)の問題は、感染者による死亡患者の増加や医療費の増大などの問題を引き起こしておりまして、引き続き公衆衛生上の喫緊の課題ということでございます。
我が国におきましては、2016年に関係省庁や関係機関などが協働し、集中的に取り組むべき対策をまとめたナショナルアクションプランを策定いたしました。このアクションプランに基づいて、公衆衛生と動物衛生の分野の共同努力としてのいわゆる“ワンヘルス・アプローチ”による入念な薬剤耐性菌サーベイランスを実施することとして、各分野の垣根を取り除いた横断的な取組として「薬剤耐性ワンヘルス動向調査」を行っております。
2017年から発行しております「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書」は、今年度で5回目の発行となり、回を重ねるごとに、ヒト、動物、環境分野におけるそれぞれのデータが充実してきております。改めて御礼を申し上げたいと思います。
抗菌薬の使用量に関しましては、2020年までに抗菌薬の販売量全体を2013年と比較して33%減少させることを目標としておりましたが、本日御議論いただきます本年度の報告書におきましては、新型コロナ対策の影響もあることと思いますけれども、2020年の全抗菌薬の人口1000人当たりの一日販売量は、2013年と比較して、約29%減少しているということが記載されております。
本検討会におきます検討事項は、抗菌薬の使用量だけではなく、各分野におきます薬剤耐性菌の発生状況等、多岐にわたりますけれども、委員の皆様方には活発な御議論をいただきますようお願い申し上げたいと思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
○長江結核感染症課長補佐 それでは、本日の構成員の出席状況を御報告いたします。
本日は、勝田構成員、田中構成員より欠席の御連絡を、浅井構成員より、45分ほど遅れて参加する旨の御連絡をいただいております。
また、田村構成員が任期満了により本検討会の構成員を辞任することとなったために、今回は参考人として御出席いただいております。
続きまして、事務局より配付資料の確認をさせていただきます。
議事次第のほか、資料1を御用意しております。こちらの参考資料は、資料1の106ページからになります。このほか、参考資料としまして開催要綱及び2020年度版の報告書を送付させていただいております。
不足している資料がございましたら、事務局にお申しつけください。
続きまして、任期の更新を行いましたので、開催要綱に基づき座長の選任を行いたいと思います。
構成員全員が再任となりましたので、事務局からは引き続き渡邉構成員を座長に推薦したいと思いますが、いかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○長江結核感染症課長補佐 異議がないということでありましたら、渡邉構成員を本検討会の座長に選出いたします。
以降の議事運営につきましては、渡邉座長にお願いいたします。
○渡邉座長 座長に指名されました渡邉です。よろしくお願いいたします。
まずは、資料構成について、事務局から説明をお願いいたします。
○長江結核感染症課長補佐 事務局でございます。
まず資料1の文字のページ数等の最終的な体裁の調整は、最終報告書の公開までに行いますことを御了承いただけますと幸いです。また、特に校閲する際には、各担当箇所におきまして、文書全体ですね。例えばバンコマイシン(VCM)のように、片仮名、略語で記載し、2回目以降は略語にするということを今回からさせていただきたいと思っております。
まず、目次を御覧いただきまして、こちらは例年どおり、前文、略称、抗菌薬の種類と略号、要旨に始まり、6に日本の耐性菌の現状、7に日本における抗菌薬の使用量の現状、8に日本における薬剤耐性に関する国民意識、9に今後の展望と続き、各調査に関しての詳細は、巻末の参考資料に掲載しております。
また、この後、各項目ごとに御意見をいただきますので、各担当の先生、補足等があれば適宜御発言をお願いいたします。
また、要旨にはアクションプランの成果指標の表が載せてありますが、今回御意見をいただき、さらに修正などを行っていきたいと考えております。
御説明は以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。皆さんはもうこの資料は御覧になっているということと、あと、このメンバーの方々はこの動向調査はもう5年ぐらい経験されているということですので、話のほうはどんどん進めさせていただきたいと思います。
今、事務局から説明がありましたように、この構成はほぼ去年と同じような構成になっていると思いますけれども、全体の構成について、皆さんのほうから、ここをこのように変更したほうがいいだろうというような何かサゼッションがありましたらお願いいたします。
全体の顔が見えないので、名前を述べて発言していただければと思います。
特によろしいでしょうか。構成に関しては。
例年の構成とほぼ変化がないということですので、構成についてはこのような形でということで進めさせていただきます。
まず、幾つかに分けてこれから詳細について議論していきたいと思いますけれども、最初に、前文からアクションプランの成果指標までについて、全体の概要について皆さんから御意見を伺いたいと思います。
まずは前文について、何かコメントありますでしょうか。ほとんど昨年と変わっていないと思いますけれども、よろしいでしょうか。
続きまして、前文の次に、抗菌薬の抗生剤の種類と略語と略称ですね。ここ辺りは、事務局、何かつけ加えた点、変更点はありますか。
○長江結核感染症課長補佐 臨床リファレンスセンターのほうから、DDITの抗菌薬使用量の略語の部分を少しつけ加えたというところぐらいでして、ほかは、修正はありません。
○渡邉座長 この変更点についての説明というのは、11ページに書いてある点でしょうか。
○長江結核感染症課長補佐 そうですね。11ページのところになります。
○渡邉座長 これについては、村木先生、何か説明というか、変えた要点等、何かコメントがありましたらお願いいたします。
○村木構成員 ありがとうございます。恐らく、新しい抗菌薬等も販売されていることから追加等が行われたぐらいで、根幹に関わるようなところを修正したわけではございませんので、特に問題ないかと考えております。
○渡邉座長 ありがとうございます。ほかの先生方、何か。
○藤本構成員 藤本です。
細かいことで恐縮ですけれども、NDBのところで、これの日本語名に匿名レセプト情報、匿名特定健診等情報データベースと「匿名」が入っているのですが、確かに公開されているNDBのほうではこの「匿名」というのは最近使われているようですが、厚生労働省としてNDBに対して全部この「匿名」をつけたものを使うということでよろしいでしょうか。
○渡邉座長 厚労省のほう、お願いいたします。
○長江結核感染症課長補佐 こちらの記載は、多分、前年度の。
○渡邉座長 6ページ目ですね。
○藤本構成員 はい、6ページ目です。
○長江結核感染症課長補佐 「匿名」をつけるかどうか、また確認させていただきます。
○渡邉座長 では、後で確認したら、最後の辺りでも述べていただければと思います。ほかにありますか。
○藤本構成員 申し訳ないのですけれども、昨年もちょっとお願いしていたのですが、RICSSの名前が残っておりまして、これも同じページですが、RICSSは、ほかのところ、本文でどこでも使われていないのですね。これはJ-SIPHEのほうに吸収していただいたシステムなので、ただ、この名前はアクションプランに入っているということがあって残されていると思いますけれども、もしあれでしたらば、J-SIPHEのほうに、RICSSを吸収してできたということを一言述べていただいて、ここは本文に出てこない略称を載せてもいかがなものかなということで、省いていただいてもいいのではないかと思っています。
○渡邉座長 ありがとうございます。そうすると、J-SIPHEが112ページですかね、説明が出ているのが。ここのところにその今の経過等をもうちょっと入れていただくのがいいですか。
○藤本構成員 ええ。大幅な改編を加えてJ-SIPHEに組み込んだというようなことを、今までも一部の発表の文章でありますので、そんなことを書いていただけたらと思います。
○渡邉座長 その辺の修正というか、それの文章を藤本先生のほうから後で厚労省のほうに。
○藤本構成員 松永先生のところで書かれていると思うので、私でいいかどうか、ちょっと。どうしましょうか、松永先生。
○松永構成員 アクションプランのほうに記載されているのでそのまま使われているので、先生の御意見に賛同いたします。
○藤本構成員 では、文章加えることについては松永先生のほう。
○松永構成員 私、担当いたします。ありがとうございます。
○藤本構成員 ではお願いいたします。
○渡邉座長 分かりました。では、6ページ目のRICSSは省いてよろしいということですね。
○藤本構成員 省いたほうが自然かと思います。
○渡邉座長 分かりました。ではこれは省くということで、あと、先ほどのNDBは「匿名」を入れるかどうか、厚労省のほうから後でコメントをもう一度いただくということで。ほかは何かありますでしょうか。
○藤本構成員 あと、これは村木先生のところが担当になると思いますけれども、原末換算量のことが10ページに詳しく述べられていて、その中で最後のほうに「ヒトにおける力価換算した重量ベースの抗菌薬消費量」というのが出てくるのですけれども、これが13ページのDIDの説明のところで、「一定期間における力価総量」という言葉が出てくるのですね。それで、この力価総量というのがこのヒトにおける力価換算した重量ベースの抗菌薬消費量のことであれば、ここはちょっと用語を統一されたほうがいいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○渡邉座長 村木先生、お願いします。
○村木構成員 ありがとうございます。13ページのどちらの。
○藤本構成員 11ページです。ごめんなさい。11ページのDIDの説明で。
○村木構成員 ここの部分は、「力価総量をDDDで除し」というのはそのままでして。
○藤本構成員 この力価量というのとヒトにおける力価換算した重量ベースの抗菌薬の消費量というのは違うものを指しているのですか。
○村木構成員 違うものを指しています。ここの10ページの部分というのは、実際、DDDとかで補正せずに、その力価総量のみをトンに集計したもので、ほかの動物とかと一緒に合わせているという。
○藤本構成員 ごめんなさい。そうでなくて、ここのDIDの説明に出てくる「一定期間における力価総量」、もっと簡単に言ってしまうと、力価総量というものとヒトにおける力価換算した重量ベースの抗菌薬消費量というのは別なものなのでしょうか。
この薬のところはすごく言葉が難しいので、なるべく用語を統一したほうがいいかと思って、ちょっと細かいことを伺っているのですけれども。
○村木構成員 ニュアンス的には、10ページのほうは、ほかの動物とかとやり方を合わせていますという説明になるので、むしろ私としては違和感ないのですけれども、松永先生、どうですかね。
○松永構成員 私もこのまま、言葉統一したほうがいいというのは分かるのですけれども、逆にしっかりと正確な言葉で表すのも大事かなとは思いました。
○村木構成員 結構無理に合わせてしまう感じがするのですね。ここを無理にそろえると。動物とかほかのところで使われているトン表示と同じように、ヒトで使われた薬の量を力価で計算して、それを単純にトンで示したものですよみたいなのが10ページで説明していまして、実際、11ページのほうは、それぞれ病院とか地域だとか、そういうところで一定期間に使われたものをWHOの基準に従って計算していますという説明になるので、恐らく、これを読むのは、一般の方というよりは、専門家というか、実際、これのことがよく分かる方がそれぞれの場所を読むと思いますので、こちらでもちょっと混乱がないかなあと。むしろ簡略化して言葉を合わせることによって分かりにくくなるかなという印象がありますので、できましたら、ここのままで生かしていただければ助かります。
○藤本構成員 分かりました。
○渡邉座長 ほかによろしいでしょうか。
○菅井構成員 感染研の菅井です。
しょうもないことですけれども、8ページですが、抗菌剤の種類と略語が書いてあって、左側にずっとカバーした形で、βラクタム系と書いてあるのですけれども、βラクタム系のβラクタムは、普通、ハイフン、「‐」を入れると思いますけれども、そこの右下のβラクタマーゼ阻害薬というところも「‐」がないので、中の本文のほうでは「‐」を一応書いてあるようですので、そろえられたほうがいいかなと思いました。
以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。では「‐」を入れていただきたいと思います。修正のほうは厚労省のほうでまとめてやるということですよね。
○長江結核感染症課長補佐 はい。厚労省のほうでまとめてやらせていただきます。
○渡邉座長 では、今のβのところに「‐」を入れていただく。8ページのβとラクタムの間に「‐」、あと、セファロスポリン系の第3、第4世代、その後、βラクタマーゼ阻害薬配合セファロスポリンのβとラクタマーゼの間に「‐」を入れる。お願いいたします。
ほかはよろしいでしょうか。
では続いて要旨のところですけれども、ここは前回に比べて少し説明が加わって長くなっていると思いますけれども、何かコメントありましたらお願いいたします。
○藤本構成員 藤本です。
細かいことで恐縮ですけれども、ちょっと全体に関わるので、渡邉先生が御専門なので伺いたいのですけれども、結果のところで腸内細菌科細菌という言葉が使われていて、これは最近、腸内細菌目という言葉の使い方もあるようですけれども、これについては、渡邉先生、いかがでしょうか。
○渡邉座長 腸内科細菌ということで腸内細菌目ということですか。
○藤本構成員 そうです。一部、腸内細菌科から外れた菌があって、それも含めて今まで扱っていたので、腸内細菌目という言葉でまとめて使うようなことが行われているようなのです。これはだから、結構いろんなところに関わってしまう。
○渡邉座長 そうですよね。全体に使われて、腸内細菌科細菌という言葉でずうっといろいろなところに出てきているので。
○藤本構成員 ええ。全部そうなっています。ただ、JANISでどう扱っているかとか、それぞれのところでどう扱っているかで決めていただければいいと思いますけれども。
○渡邉座長 どうぞ。
○菅井構成員 感染研の菅井です。
JANISのほうでは、2020年度の年報を出すときにそのことで話をしまして、JANISの年報の1ページ目というか、5ページ目が1ページ目ですけれども、そこのところに「腸内細菌科細菌の表記について」という項目を設けました。そこでは、今、藤本先生がおっしゃられたことがありますので、一応学問的には腸内細菌目細菌の使用が停止されているが、混乱を避けるために、JANISでは、当面、旧来どおりに腸内細菌科細菌と記載するという形で、2020年はそれで逃げております。一応御報告です。
○藤本構成員 ありがとうございます。
○渡邉座長 どうしますかね。全部見て、変えていくと、この2020年の報告書、ちょっと大変になるので、今、菅井先生が言われたJANISに書かれている内容をどこか注釈で入れてもらいましょうか。それで、続いての2021年の新しいやつのときには、2021年の新しくなったというか、JANISはいつから変更する予定なのですか。
○菅井構成員 まだそこは議論していませんけれども、2020年はもう出ていますので、それはそのような形になっています。
○渡邉座長 分かりました。そうすると、2021年度の報告書では変える予定ですか。
○菅井構成員 ちょっとチームで聞いてみて。
○渡邉座長 これ、大変ですよね。プログラムのほうも全部いじらないといけないでしょう。
○菅井構成員 いや、そうでもないと思います。
○藤本構成員 ただ問題が1つあるのは、CLSIの古い基準をJANISではまだ使っていて、CLSIもそのときは腸内細菌科細菌なのですね。なので、そことの整合性をどうするかというのもあるので、JANISのほうでそういったことが片づくまでは、菅井先生がおっしゃったようなことをこちらの報告書のほうにもつけていただくのがいいのではないかと思います。
○渡邉座長 そうですね。それで、どこにつけ加えればいいですか。最初に出てくるところで、例えば「結果」のところに腸内細菌科細菌と書いて、括弧して、そこに今の注釈を、注とか何かに書いていただいて、例えば「考察」の14ページの一番最後辺りにその注についての説明を入れていただく。今の藤本先生みたいに疑問を持たれる方もいらっしゃると思うので、初めのところで注釈を入れておいたほうが、皆さん見ていただけますよね。後のほうで巻末かなんかに入れるよりは、最初のところのほうがいいかなと思いますが。
では、菅井先生、ちょっとお願いで、今の12ページ目の腸内細菌科細菌のところに「*」か何かで注を入れていただいて、その注について14ページの下辺りに、今、JANISで使われている文言みたいのを入れておいていただけますか。それで、JANISとこちらが、変更するときは同時変更というような形にしたほうが、この報告書もJANISのデータ使って報告書を出していますので、そのほうが混乱ないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
○菅井構成員 承知いたしました。
○渡邉座長 では、要旨、ほかに何かございますか。
○藤本構成員 藤本です。
14ページの、考察の2つ目の段落になりますが、この中でフルオロキノロンの使用とフルオロキノロン耐性大腸菌の頻度は相関しているという報告がある。それから、その次にも、MRSAと抗菌薬の使用が関連するという報告があるということで、考察ですので、当然ほかの、この報告書にある結果以外のものが入れられて考察が書かれるのは適当だし、これも現在形になっていますのでその辺は明らかだと思いますが、読む人に対してどんな文献にそう書いてあるのかというのが、全体に、これは報告書ですので細かく文献を述べる必要はないと思いますけれども、これは大事なところなので、ちょっと文献を記していただけたらなと思いますが、いかがでしょうか。
○渡邉座長 これは誰が書かれたのですか。
○松永構成員 AMRCRCのほうで記述させていただきました。必要があれば引用をつけますが、この要旨に関して特に引用がついていなかったと思うので、どうしようかなと。全体の整合性合わせる意味ではどちらがよいでしょうか。
○渡邉座長 これで見ると、各項目ごとに見たときに、最後のほうは引用文献ついている項目がありましたよね。環境とかこの辺のところは引用文献がずらっと書いてありますが、引用文献があるところとないところが確かにあるのですけれども、どうしますかね。
○藤本構成員 結果については、もちろん全部ここに述べられていることなので、全然何もつける必要はないと思います。また、考察は、ここにあることと、それから既に分かっている文献による情報で考察されているので、その分かっている文献について、大事なものについては、ちょっとこういう論文に出ているんだよというのがあったほうがよろしいかなと考えました。
○渡邉座長 そうですね。
○村木構成員 村木です。
なかなか記述もないところもあると思いますので、次年度の対応策みたいなのでも1つかなあと思いますけれども、基本的にここの要旨に書かれている部分というのはこのワンヘルス動向調査全体をサマリーした要旨になっていると思いますので、基本的にはここの後ろを見れば引用文献も書かれているような内容がここにサマリーされているものとして考えるのであれば、個人的には、ここに引用文献をつけるかどうかというのは決めていただければいいかなと思いますけれども、今日ある程度決めてしまわないといけない部分だと思いますので、いろいろな各省庁とかがここに書いてある考察に文献をつけるという作業を今からするのはちょっとどうかなと思ったのが私の意見ですけれども、いかがでしょうか。
○渡邉座長 ありがとうございます。確かに、ほかのところでも、今のようなことで言うと、文献を入れたほうがいいようなところがたくさんまた出てくるかもしれませんので、2020年度のこの報告書はこのままということで、今後、新しい、次の報告書については文献のあり方を、もう一度皆さんの意見を伺った上でどういう形で文献を入れていくかということをちょっと検討するということで、藤本先生、よろしいですか。
○藤本構成員 はい、ありがとうございます。
○渡邉座長 ではそのようにさせていただきます。ほかに何かありますか。
今のところですけれども、言葉で、MRSAと何々の使用に関連する報告があるということは、MRSAの耐性率ですか。
○松永構成員 はい。
○渡邉座長 ですよね。MRSAの耐性率と、ちょっと言葉を入れていただいたほうがいかなと思います。
あともう一つ、その下のほうで、第3世代セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライドの不必要な使用を引き続き削減していく必要があると。「状況を把握するためには」、これはさらに詳細に状況を把握するためにはということですか。内容としては。
○松永構成員 はい。
○渡邉座長 各診療所等の外来抗菌薬使用状況についてもモニタリングするシステムの構築が望まれると、「も」をちょっと入れておいたほうがいいかなという気がしましたので。
○松永構成員 ありがとうございます。
○渡邉座長 ほかはよろしいでしょうか。
○松永構成員 すみません。あと、いただいた質問で、その下の「地域ごとの耐性菌の情報や抗菌薬使用状況の情報を活用し」という文章ですけれども、具体的にJ-SIPHEと薬剤耐性ワンヘルスプラットフォーム、名称を入れさせていただいたのです。JVARMや、JANISの名称がほかの部分で入っていないのですけれども、本文では具体的に何を使うかというのも大事かと思いましたので、御了承いただければと思います。
○渡邉座長 よろしいでしょうか。
ではよろしくお願いいたします。
続いて、動物分野について何か、ここの変更点というのはありますでしょうか。
関谷先生、田村先生、あと浅井先生、何かコメントよろしいでしょうか。
○関谷構成員 内容に応じて改訂させていただいてはおりますが、特にコメントはないですが、非常に細かいところで恐縮ですけれども、14ページの下から2段落目、「アクションプランの成果指標である」というところの一部のフォントがちょっと違うフォントになっているようなので、修正をお願いします。
例えば、「一方」とか「引き続き適正かつ」というところのフォントが明朝風なフォントになっていますので。細かいところですみません。
○渡邉座長 分かりました。最終的な報告書は、どこか会社に依頼するのですか。それとも厚労省が最終的な。
○長江結核感染症課長補佐 事務局です。
最終的には会社のほうに、企業のほうに校閲をお願いしますので、フォントの調整などはやってもらう予定になっています。本日の報告書では、フォント、表に多少ずれがあると思うのですが、その辺りは最終的には直っているという御理解で進めていただけるとありがたいです。
○渡邉座長 分かりました。よろしいでしょうか。アクションプランの成果指標等。
もしまた何かありましたら、最後のほうでもよろしいですし、事務局に、こういう点を改定したほうがよろしいというようなコメントをお願いしたいと思います。
○藤本構成員 申し訳ないです。1つ、成果指標のところで、動物に関するアクションプランの成果指標ですね。15ページになります。ここにG7各国の数値と同水準という言葉が出てくるのですけれども、このG7の各国の数値と同水準というのはどんなことを調べたらそれにたどり着けるのかということがちょっと分かるといいなと思ったので、簡単にできることでしたら、ちょっと一言加えてもらえたらなと考えます。
○渡邉座長 動物に対するアクションプランの成果指標ですね。これは農林水産省の。
○関谷構成員 関谷ですが、ご指摘はこの表の中にG7の状況を記載するとか、そのようなことでしょうか。
○藤本構成員 そうではなくて、G7の各国の数値というのは、我々がどこを調べにいったら、あるいはどんなものを調べたら分かるかということをどこか注釈でつけてもらえたらと思いますが。
○関谷構成員 分かりました。引用文献というか、どこを見たら分かるかということですね。検討させていただきます。
○渡邉座長 これはG7の各国で大体みんな同じなのですか。それとも少しは違いがあるのですか。
○関谷構成員 多少の変動があったり、例えばG7の国でもモニタリングを動物種によってはやっていなかったりというところもあるので、そういうのはありますけれども、大体おおむね各国低く抑えられていて、多少違いありますけれども、大体同じぐらいと考えています。
○渡邉座長 分かりました。では何か参考になるような資料等があったらここに、引用文献等というところなんかに入れていただければと思いますが、よろしくお願いいたします。
○関谷構成員 承知しました。
○渡邉座長 では、よろしいでしょうか。
続いて、「日本における耐性菌の現状」で、まず、ヒトのところ、グラム陰性菌、グラム陽性菌、薬剤耐性感染症、1、2、3ですが、ここについて、まず、これを出されたJANISの菅井先生、何かさらなるコメント等がありましたら、何か強調したい点がありましたら説明をちょっとお願いいたします。
○菅井構成員 特にはないですが、今気がついたのですけれども、16ページの2段落目で、Enterobacter cloacae及びKlebsiella aerogenesとなっていますが、(Enterobacter)aerogenesというのが、括弧までイタリックになってしまっていますので、そこは修正していただければと思います。すみません。
内容については、2020年のデータを追記していますので、特に私のほうからさらに追加のコメントはありませんが、柴山先生、何かありますでしょうか。
○柴山構成員 柴山です。
JANISのラボのほうに2020年のデータを追加していただいて、ありがとうございました。2020年、菌種によっては、例えば大腸菌なんかですと、これまでいろんな薬剤で上昇傾向にあったのが、2020年、一見して頭打ちというか、あるいは若干減っている薬剤も、耐性率が低くなっている薬剤もあるのですけれども、これは先ほど概要のところで出てきたように、コロナの関係で細菌検査に出された検体数がすごく減ったということがかなり影響しているようで、これが大腸菌で耐性率が本当に頭打ち、あるいは減少に転じたかどうかというのは、もうちょっとしっかりと経過を見ないとなかなか難しいところだと思います。
17ページの例えばKlebsiellaなんかで見ますと、こちらのほうは逆に上昇傾向になっておりますし、菌種によって結構いろんな、今までとはちょっと違う傾向が、ちょっと傾向が変わっていますので、引き続きこれはJANISのほうで研究班等でも見ていければと思っております。
それから、私も非常に気になったのが24ページ、「Enterococcus faeciumの耐性率の推移」で、これは2020年も、バンコマイシン耐性、非常に高い、2019年に耐性率が急に上がって、2020年もほぼほぼ同じような状況になっているので、これは日本ではVREというのはちょっと増えているのかなと感じたのですけれども、この辺、菅井先生、調査などされていると思うのですが、いかがでしょうか。
○菅井構成員 柴山先生、ありがとうございます。JANISのデータが、柴山先生、最初のほうでおっしゃられたように、頭打ちになっていたり、あるいは上がっていたりという、菌種によってそれぞれ違いがあるというデータが出てきています。これはJANISのほうでここには注目していて、2019年から2020年にかけての四半期報のデータを全部解析していただいて、その結果、それぞれ菌種によって異なる特徴が見えてきているということをつかみまして、それは別途論文で報告しています。コロナとの影響がやはりあるだろうということです。それについては、多分、今回の内容に詳しいディスカッションはちょっと間に合わなかったのですけれども、次年度のものには、例えば後のほうで少し考察を入れた形で追記をしてもいいのかなと考えています。
それが1点と、後半のVREの話ですが、これはまさにAMRセンターが関わっているところでして、全国的に新しい変異株で、オミクロンに相当するわけではないですけれども、ST1421という、オーストラリアから入ってきたと考えられる株があちらこちらで今アウトブレイクを起こしていまして、それを反映しているのではないかと考えています。今後さらにこれについてはフォローアップしていく必要があるかと思っています。
以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。昔、VREがタイから入ってきている株が、レギュレーターのところにポイントミューテーションがあるような株が入ってきたというのが群馬大学かなんかで報告された事例があるのですけれども、今回のオーストラリアから入っている株というのは何か特徴があるのですか。
○菅井構成員 実はST1421というのはMLST、マルチ・ローカス・シークエンス・タイピングといって、染色体上、7つの遺伝子のシークエンスによって菌を分類するわけですけれども、そのうちの一つの遺伝子が欠損しているということが特徴で、そういう特徴を持っている株が、最初はオーストラリアで見つかって、その後、ヨーロッパでも見つかってきていますが、その生物学的特徴は実は余り今までよく分かっていませんが、総じて言えることは、単にVREが病院内ではなくて、病院から病院へ、その施設を越えて、地域を越えて広がるという特性があります。オーストラリアでは、クイーンズランド州を越えて広がったというすごい大きなアウトブレイクだったのですけれども、同じようなことがヨーロッパでも報告されていて、日本でも、皆さん御記憶にあると思いますけれども、青森の事例のように、病院を越えて、青森の場合は県境を越えましたけれども、広がりを見せるということで、それが今日本のあちらこちらで実は起こっているということです。
以上です。
○渡邉座長 これは前、タイの株というのは鶏肉かなんかから。
○菅井構成員 あの株はレギュレーターが壊れているというか、それによって、一見、感受性に見られるという株だったのですけれども、あの株については、実は1カ所、小倉ではステルス型の株が見つかっていますけれども、その他の地域では一応最初からちゃんとVREとして判断される株です。ですので、性格としてはちょっと違うと思います。鶏肉とは関係はありません。今のところ、富田先生のほうでフォローアップしていただいている株の中には、そのSTは見つかっておりません。
○渡邉座長 分かりました。これは農水省のほうでも家畜等でこのVRE等を調査していると思いますけれども、日本ではそういう家畜等からは、VCMでほとんどゼロという形になっているのですけれども、現在のところは、今報告があったような兆候というのはないということでよろしいのでしょうか。
○関谷構成員 そうですね。分離株の中では耐性率はゼロになっておりますし、相当以前に使っていたバンコマイシンと交差耐性を生じるものは既に、20年以上前にですけれども、使用を中止しておりますので、今のところそういう状況ではないと考えております。
○渡邉座長 ありがとうございます。ほかに何か御質問ありますか。
○藤本構成員 細かいことで恐縮ですけれども、22ページのMRSAの耐性率の推移の脚注に当たる部分に、「2019年の時点で、VRSAの報告はない」と書いてあるのです。これは2020年にアップデートしていいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○菅井構成員 そのとおりです。1件、実は報告がありましたけれども、取り下げられましたので、ありません。
○藤本構成員 あともう一つ、これは毎年同じようなことを言って申し訳ないですけれども、大きな病院と小さな病院のMRSAの検出率の違いというのが本文のほうにも今回も述べられているのですけれども、このMRSAの数というのは、JANISの定義どおり、MICをはかったものと、あと選択培地を両方含めたものと考えてよろしいでしょうか。
○菅井構成員 それでよろしいと思います。
○藤本構成員 そうなると、選択培地でしたものは陰性のほうには検出されなかったものとMSSAが含まれてしまうので、母数が変わってしまうという問題がやはり残っていると思うのですね。ですので、この辺、要するに、選択培地で検査が多く行われていると、MRSAの比率が高く出てしまう。もちろん、選択培地が感度がいいということもありますが、どうしても母数の問題もあって、要するに、MSSAという結果が返ってこないわけですね、選択培地の場合には。ですので、この辺を今後、今年はもうこれでしようがないと思いますけれども、例えばMICで報告されているものだけをMRSAとして集計してみるとか、あるいはもう少しあるところを詳しく調べて、本当に中小病院で多いのかどうなのかというのを確かめていく必要があるかと思います。
○菅井構成員 ありがとうございます。
○渡邉座長 その辺は今のシステムでは分別できるのですか。
○菅井構成員 多分できると思います。
○渡邉座長 分かりました。ではちょっと検討をお願いいたします。
ほか、よろしいでしょうか。
○柴山構成員 名古屋大学の柴山です。
肺炎球菌に関してですけれども、これは前回の委員会で髄液検体以外から分離された肺炎球菌で、ペニシリンの感受性のブレイクポイントを、今のこの基準だと耐性率がすごく低く出てしまってトレンドが非常に見にくいので、髄液検体と同じ基準で見ることができないかというコメントを前回いただいていたと思います。これについては、その後検討いたしまして、技術的には可能だということが分かりましたので、今後、JANIS室のほうでデータを集計して、もう少しまたしっかり検討したいと思います。
○渡邉座長 ありがとうございます。ほかはよろしいでしょうか。
○菅井構成員 柴山先生、どうもありがとうございました。
○渡邉座長 では、NESIDの項目についてはこれ以上はよろしいですか。3、26ページですね。これと、NESIDで報告される、例えばVREとかCREとかのこの数と、さっきのJANISで報告されてくる数との比較というか、どのぐらい、どのように違うか、どっちのほうが多いとか。NESIDのほうは全数把握ですよね。だから、当然、数が多いのかなと思うのだけど、実際問題としてはどうなのでしょうか。
○菅井構成員 NESIDは感染症を起こしたケースですので、JANISのほうは感染症を起こしているかどうかと関係なしで、いわゆる菌で検出されたものを把握していますので、そっちのほうが多くなると思います。
○渡邉座長 JANISのほうが当然多いということですね。
○菅井構成員 はい。
○渡邉座長 NESIDのこのデータというのは、全数で報告されていて、母数が何を基準として云々というのがよく分からないと前からあれだと思うけれども、これはどのような利用を今後していく予定になっていますか。
○菅井構成員 今のNESIDは、患者情報と、それから病原体の情報というのが、ネット上というか、ITシステムの問題で突合できていないのですけれども、今ちょうどNESID改定を行っているところと聞いています。次世代のNESIDではそれが突合できて、さらには、病態に関するもっと詳しい情報ですね。将来的にはGPCデータとか、そういったものまで含めるようになると、きちっとした死亡率とか、そういった重要な問題、あるいは経済効果とかそこまで評価できるようなシステムになっていくだろうという希望のもとに、今改訂が行われていると聞いています。
○渡邉座長 ありがとうございます。そうすると、予後とかその辺のところまで、このデータの中には組み込まれていく、将来はいくと。
○菅井構成員 将来はそうなっていくのではないかと。今の時点ではまだ、病原体情報は病原体情報で、患者情報は患者情報で別々に入っていますので、それを目で見てどれがどれと突合させていくという作業をしていますけれども、それは早晩なくなるのではないかと思われます。
○渡邉座長 ありがとうございます。NESIDのこのデータとJANISのデータ、JANISは、先ほどだと、必ずしも感染を起こしていない、定着しているとか、そういうヒトのデータも含まれているということになると思うのですけれども、こういう感染症を起こしている人のデータというのがJANISに集まるシステムというのは、構築は。
○菅井構成員 今はありません。
○渡邉座長 難しいですかね。
○菅井構成員 理想的にはそうなると一番いいと思いますけれども、多分、言うは易しで、行うのは結構、先がまだ長いような気がしています。でも、将来的には希望を持ってそういう方向へいけたらと。
○渡邉座長 JANISとNESIDがどういう形でコンバインしていくかというか、その辺のところは昔からの課題だと思うのだけれども、別個に開発されてきた問題なので、すぐにというのはなかなか難しいと思うのですけれども、検討課題としてよろしくお願いします。
続いて、その他の細菌から療養病棟の9、まで、何かコメント等ありましたらお願いします。まず、その他のカンピロバクターに関しては、これは都衛研の方、いらっしゃいますか。
今日はいらっしゃらないのですね。カンピロバクターについて報告されていて、全体としては毎年それほど変わった兆候ではないというような結果だと思います。それと、サルモネラに関して、地方衛生研究所のデータ、今日は、四宮先生いらっしゃいますか。
○四宮構成員 はい、出席しております。
○渡邉座長 コメント等がありましたら、この辺、追加とか強調点がありましたらお願いいたします。
○四宮構成員 表19から表33について、昨年と同じような体裁で本文中に表記しております。2020年は、新型コロナの影響で、医療機関とか保健所とか、かなり業務が逼迫したこともあり、ヒト由来のサルモネラ属菌の収集株数が例年より少ない傾向がありました。一方で食品のほうはほぼ例年どおりの株数が取られましたので、その血清型別のデータを示しております。
これで日本のグローバルアクションプランの2020年までのデータがそろったので、過去6年間のデータ、経年的変化というものを見ているのですけれども、細かいところを見ると変化があるのですけれども、全体的には似たような傾向と思いますので、日本の現在のサルモネラ属菌のヒト由来、食品由来のアンチバイオグラムのデータの資料になると思います。
それから、本文の下から9行目のところは、感受性検査のアンチバイオグラムの結果に加えて、昨年から、ESBL産生遺伝子とAmpC産生遺伝子をPCRで検出しまして、その遺伝子型のヒトと食品由来株との間の共通点、あるいは異なる点、そういうところも記載しております。
私からは以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。御質問等ありましたらお願いいたします。
○藤本構成員 1つは、すごく細かいことで、この本文のほうの上から3行目の「1剤以上の抗菌薬に耐性を示し」と。これは結局、調べられた17薬剤のうち1薬剤以上にということだと思うので、ちょっと具体的に書いていただけたらば読みやすいかなということです。
それからもう一つ、今ちょうど四宮先生から御説明のあった最後のパラグラフの上のところに、今までのアンチバイオグラムでヒト由来の耐性菌と食品由来の耐性菌の間の関連が強く示されたという文章があるのですけれども、これは一生懸命数字を見ても類似性がよく分からなくて、一方で、表58というところに食品と食鳥処理場の鳥とヒト由来のInfantisとSchwarzengrundの耐性率をヒストグラムで比べたものがあって、これはすごく分かりやすいのですね。ただ、そちらのほうは前年の報告書を引いてグラフを書かれているので前年までしかないのですけれども、それとここがうまくリンクするようにするとすごく、確かに耐性のパターンも似ているよね、それで、遺伝子で見るとこうなんだよねというところで分かりやすくなるかと思うので御検討いただければと思います。
○四宮構成員 ありがとうございます。最初の「1剤以上」というのは本文に使用した薬剤を書き込むということでしょうか。
○藤本構成員 そうでなくて、ただ単に調査した17薬剤中1剤ということでいいかと思いますけれども、具体的に17薬剤を述べる必要はないと思います。
○四宮構成員 承知しました。それと、表かグラフかということですが、JVARMの方が食品のデータと比較しているヒストグラムというのは、厚生労働省の我々の研究班の報告書では一部グラフにしているので、それを比較のオリジナルのデータとして使っていただいているのですけれども、動向調査年次報告書のほうは表のみとなっています。要点になるような表についてはグラフ化したほうがよろしいということでしょうか。
○藤本構成員 いや、表58にほぼ同じ内容でグラフ化されていますので、そちらのほうを参照できるようにしておけばいいのではないかと思います。
○四宮構成員 分かりました。どうもありがとうございます。
○渡邉座長 56ページの表58ですね。では、28ページのところに表58を参照ということでよろしいですか。それを、四宮先生、どこか適当なところに、表58参照とかと入れておいていただけますか。
○四宮構成員 承知しました。
○渡邉座長 あと、使用薬剤の件数は、例えば122ページ、ここに薬剤耐性状況の調査ということで概要は書かれていますので、どういう薬剤を使っているかということが分かれば、ここのところに追加記載をお願いできればいいかなと思いますが。
○四宮構成員 承知しました。
○浅井構成員 すみません。浅井です。
表20の中で、MEPMに対する耐性が0.5%と2020年出ているのですけれども、これは血清型とかが分かるようでしたら教えていただきたいのと、あと、その点については本文の中に言及したほうがいいのかなとちょっと思いました。
以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。29ページの表20ですね。このMEPMのところの2020年の0.5%ですね。これは何か分かりますか。
○四宮構成員 今すぐはちょっと分からないので、後で血清型別のデータを見て、そこの説明を一言述べたほうがよろしいということでしょうか。
○浅井構成員 多分、とてもまれな報告になるかと思いますので、ぜひ記載していただけると、あと動物のほうとかでもその血清型に着目して調査できると思いますので、よろしくお願いいたします。
○四宮構成員 承知しました。
○渡邉座長 そうすると、28ページの説明の一番下辺りに、サルモネラのこれは、何々の型からMEPM株が分離されたというような一つのセンテンスを入れていただければと思います。これは、0.5%というとnが211ですから、1株ぐらいですか。
○四宮構成員 そうですね。データを確認します。
○渡邉座長 お願いいたします。ほかはよろしいでしょうか。
もしなければ、続いて34ページの淋菌ですけれども、淋菌を担当された方は、今日はいらっしゃらないですかね。
もしいらっしゃらなければ、続いて、Typhiも感染研でやられたデータだと思いますけれども、今日はよろしいですかね。いらっしゃらないとすれば、特にコメント等がありましたら。
なければ、続いて結核菌のデータに関して、御手洗先生、いらっしゃいますか。
○御手洗構成員 御手洗です。
結核菌については、2020年のデータを追加しています。あえて強調しなければいけないかどうか、ちょっとあれですが、見ていただくと分かるとおり、2019から2020にかけて、培養陽性患者数が激減しているのですね。それまで大体9000とか8000とかいるのですが、いきなり6000台になっていまして、実のところ、これはCOVIDの影響で受診控えが起こっているらしくて、結核の総数としても十数%、例年になく低下しています。ですので、このデータが果たして本当に正確に耐性を反映しているかどうかというのは実は怪しいという背景があります。
ただ、さすがにそれを書くことはできないのですけれども、先生方には理解していただいておくといいのかなと思いました。
○渡邉座長 多分、ほかの耐性に関しても同じようなことが言えて、COVIDの影響がどの程度かというのは、2021年も同じような結果になるので、その後を見ないとなかなか分からないかもしれないですね。ありがとうございます。
ほかはよろしいでしょうか。
では続いて、Clostridioides difficile感染症、これについて。
○松永構成員 AMRから報告いたしました。J-ISPHEでの集計を載せさせていただきました。Clostridiodes difficileに名称を統一させていただきました。2019年は、1万人患者当たり1.38、2020年は1.20とやや低下傾向にあるということ。ただ、J-SIPHEの参加施設が増加してきて、加算2の施設が増えてきていますので、その辺を考慮していかなければいけないのかなと考えております。
あと、欧米に比して1万人当たりの数は低いのですけれども、いわゆる入院基準が海外と違いますので、日本は日本として記述を経過を追っていくのが大事かなと思っております。
以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。御質問等ありましたらお願いいたします。
○藤本構成員 これは本文のところでIQRが出てきていて、これは同じ松永先生の担当されているところの表38では四分位範囲と注釈がついているのですね。なので、どっちかというとこっちが先に出てきてしまうので、ここで注釈をつけておいていただいたらいいのではないかと考えました。
○松永構成員 ありがとうございます。修正いたします。
○渡邉座長 ほかはよろしいでしょうか。
では、続いて院内感染の発生状況で、これはJANISのデータですね。菅井先生でよろしいですか。何かコメントがありましたら。
○菅井構成員 私からは特に。柴山先生、何かありましたらお願いします。
○柴山構成員 特に傾向としては、SSIも若干の減少傾向が続いているというのと、ICUに関しても、人工呼吸器関連肺炎、尿路感染症、カテーテル関連の血流感染症を見ているのですが、こちらもほぼ横ばいという状況になって、これはCOVIDの影響があるのかどうか、よく分からないですけれども、傾向としてはこれまでの傾向が続いているという感じだと思います。
以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。特に手術件数はそんなに変わっていないのですね。
○柴山構成員 集計対象医療機関での手術の合計は、そうですね、ほとんど変わっていないですね。
○渡邉座長 ただ、手術が下がっているということは、実際に本当に下がっているかもしれないということですかね。もちろん分からないということですね。
○柴山構成員 そうですね。
○渡邉座長 よろしいでしょうか。
続いて、39ページ、ここはいかがでしょうか。
○松永構成員 AMRCRCから報告いたします。
こちらは、J-SIPHEのデータを基本に用いさせていただきました。表38はJ-SIPHEの参加施設の基本情報となります。2019年580施設から、2020年778施設まで増えております。加算2のほうが127から232と大きく増えております。それに伴って病床数のほうも、中央値が340から308と中小病院が少しずつ入ってきているという現状ではあります。
表39にいきますと、血液培養のセット率は変わらず、成人においては高い状況が続いているということ。また、病院による血流感染症発生状況は、JANISの血流感染症のデータを用いて、分母は各病院の延べ患者日数を使って算出しております。こちら、2019年から20年にかけてブドウ球菌のほうは低下しています。ただ、MRSAのほうは横ばいという結果で、率でいくと、MRSAの率、耐性率というのは若干上昇するのではないかなと考えます。
全体的には、一番多いのが大腸菌、2番目がブドウ球菌、3番目がKlebsiella pneumoniaeの順になっております。
表41、42につきましては、手指衛生遵守率及び手指消毒剤使用量につきましては、2019年から20年にかけて少し上昇してきているという現状になります。
また、表43、血流感染症の患者における推定死亡率となります。こちらはJANISの血液検体のデータを使わせていただいて、各人口及び病床数などをもとに推定させていただきました。こちらも、ブドウ球菌は若干低下傾向、大腸菌は徐々に増加傾向という形になっております。こちらは、まだまだ、死亡数であったり死亡率であったり、外挿のデータが多いので、毎年データが新しく出て更新されるたびに信頼区間が広い現状況から少しずつ狭くなったり数値が少しずつ変わりますので、新しいものを毎年公開していければいけないと考えております。
以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。御質問等お願いいたします。
○藤本構成員 藤本です。
表42なのですけれども、私、見落としていて本当に申し訳なかったと思いますけれども、これは全在院患者延べ数なので、分子側の単位がmLでなくてLだったのではないかと思ったのですが、どうでしょうか。
○松永構成員 ちょっとそれは確認します。
○藤本構成員 ちょっと確認してください。これは私もずっとほかのところでも見落とした気がするので、申し訳なかったです。すみません。
○菅井構成員 またしようがないことですみません。表43で、上から5つ目のE.coliだけがイタリックになっていませんので、イタリックにしてください。
○松永構成員 失礼しました。ありがとうございます。
○柴山構成員 柴山です。
表43ですけれども、これは非常に大事なデータだと思いますけれども、これは例えば黄色ブドウ球菌ですと、S.aureus、その下にMRSAがあって、だから、例えばMRSAというのは、S.aureusというのはMRSAも含めた数字になるわけですよね、多分。
○松永構成員 おっしゃるとおりです。
○柴山構成員 だから、それぞれ肺炎球菌もあってPRSPがあるので、肺炎球菌の数字はPRSPも含むということになりますよね。
○松永構成員 はい。
○柴山構成員 普通の方、見られて分かりますかね、その辺は。私、あれ、これはどうなのかなと一瞬ちょっと思ったのですけれども。
○松永構成員 確かに分かるようにしたほうが親切だと思いますので、何か一言記載するようにいたします。
○柴山構成員 何か書かれるとちょっと親切かなあと思いました。
○松永構成員 ありがとうございます。
○菅井構成員 すみません。また見つけてしまった。脚注のE.ColiのCが大文字になっています。
○渡邉座長 小文字で、かつ、イタリックにしないといけないですね。
○藤本構成員 aureusもイタリックにしてください。
○松永構成員 ありがとうございます。
○渡邉座長 基本的な質問ですが、SRSの死亡の患者数が8700で、MRSAが3900ということですけれども、このMRSAが原因で亡くなっただろうというのは何をもって判断される、最終的に死んだ方の血液からMRSAが分離されたということで判断されるのですか。
○松永構成員 こちらは、まずはJANISの血液検体を用い血流感染症のデータをとってきます。その中で、死亡率は日本のデータを用いて、掛け合わせるということをしております。それを各都道府県ごとに集計しますが、JANISも全ての医療施設が入っているわけではないので、各県の病床数に合わせてモディファイして、それを全て足し合わせたデータになります。死亡率、一番重要なところではあるのですけれども、そこの細かいデータがまだまだない。それがより細かく、何歳ごとの死亡率、何の感染症の死亡率というのが出てくればより信頼区間が狭まって、きれいなデータになってくるかなと思っております。非常に粗いデータで、信頼区間が広いのですけれども、やはり示していくことが大事かなということで出させていただきました。
○渡邉座長 これは、将来は原疾患というか、例えばがんとか、そういうものによってもどのように違うかとかいう検討はできる。
○松永構成員 そこは、研究の中で何のデータを使ってやるかだと思いますけれども、先ほど菅井先生がおっしゃったようなレセプトデータの中には基礎疾患が入っていることもありますので、それで出すことは可能だと思います。一方で、あとはレセプトデータのレセプト病名との闘いになってくるのかなと思います。
○渡邉座長 ありがとうございました。ほかに何か御質問ありますか。
○菅井構成員 表43の脚注には、例えばCRPAとか3GCRKPとかの説明はないのですけれども、それはいいですか。表40のほうには一度出てきているのもあるので、この辺は。
○松永構成員 そうですね。40と同じように、全てにおいて加えさせていただきます。恐らく、その表だけを引用する方もいらっしゃるので、一つずつにつけさせていただきます。ありがとうございます。
○菅井構成員 よろしくお願いします。
○渡邉座長 ほか、よろしいでしょうか。
では続いて、9、の療養病床及び高齢者施設ですけれども、これも。
○松永構成員 こちらは、AMRCRCで行ったPoint Prevalence Surveyの結果となります。病院である医療療養病床、高齢者施設の介護老人保健施設、介護老人福祉施設についての結果となります。
医療療養病床は、抗菌薬使用率が、やはり病院だけあって、9.4%使用されていて、疾病は肺炎が一番多くて、尿路感染症という順番です。抗菌薬も、注射の第3世代セファロスポリンやキノロンやカルバペネムなど、かなり広域な抗菌薬が使われているような現状がありました。
一方、介護老人保健施設、介護老人福祉施設に関しましては、抗菌薬使用率は1.7%、1.0%と、恐らく、換算すると外来で受診されているような方と同等くらいかなと考えております。疾病としては尿路感染症が多くて、次に肺炎という形でした。
ただ、抗菌薬としては第3世代セファロスポリンやキノロンといった抗菌薬がメインで使用されているという現状は把握できました。こちらはそれぞれ3年ごとにPoint Prevalence Survey、継続して続けていく予定となっております。
以上です。
○渡邉座長 これは、施設の数は[82]と書いてあるのですけれども、抗菌薬使用率というのは、分母は入院患者数ですか。
○松永構成員 はい。当日の入院患者数分の抗菌薬使用されていた患者数になります。
○渡邉座長 これは分母は出すことができるのですか。括弧内に。
○松永構成員 なるほど。承知しました。
○渡邉座長 9.4%というと、何に対してなのか、施設に対してなのかとか、ちょっと分からなかったので。
○松永構成員 承知しました。
○渡邉座長 ほかに何か御質問ありますか。
○藤本構成員 藤本です。
とても細かいことですが、44の表は、注意して見れば大体どこで区切れるか分かるのですが、一番右側の抗菌薬の表のところがずうっと続いてしまっているので、できればそれぞれのところに横線を引いて、第3世代セファロスポリンの上のところに線を全体に引いてもらうとどこで切れる表か分かりやすいかと思いますので、よろしくお願いします。
○松永構成員 ありがとうございます。修正いたします。
○渡邉座長 これは、主な抗菌薬種類というのは、肺炎に対しては第3世代とキノロンということですか。でなくて、全部。
○松永構成員 表が細かくなってしまうので、全体としてまとめさせていただきました。
○渡邉座長 そうすると、例えば肺炎、尿路感染、気管支炎に関して、第3世代はこれのどれかが使われているという意味ですね。
○松永構成員 はい。データはあるのですけれども、どうしようかなと。
○渡邉座長 では、今、藤本先生の言われたような形の、どこかに線を入れていただければいいかなと思います。
ほかに何か御質問ありますか。
では、ヒト全体に関して何か御質問ありましたら。今までの1から9まで全体に関して。
もしなければ、先に動物のほうに進ませていただいて、また後で時間があれば戻りたいと思います。では、動物のほうに関しての御説明をJVARMのほうで。
○関谷構成員 動物医薬品検査所の関谷です。よろしくお願いします。
43ページから動物ということで、表45、まず病畜由来ということで、病性鑑定に持ち込まれたものですので、いろな抗菌剤も治療に使われている状況の中でということなので、ある程度選択圧がかかっているようなものですけれども、2019年のデータを表45、それから表46は累計ですけれども、2019年のものも加えた形になっております。
表47も2019年を加えておりまして、次、46ページに大腸菌がございますけれども、47ページの表48に、2019年で、下から3番目、CLというのはコリスチンですが、豚のところを見ていただきますと、2019年で27.7ということで、若干低下傾向にはあるということで、いろいろとコリスチンについてはリスク管理措置を強化したりしているので、そういったものが反映されているのかなという印象を受けております。
それから、48ページ以降は健康な家畜のものでございますが、49ページ、2019年のデータを加えております。メロペネムの耐性率はゼロということで、昨年同様になっています。それから、次のページがカンピロバクターになっておりまして、これも2019年を表50、51で追記しております。
それから、50ページのほうで腸球菌がありまして、表52、51ページですね。腸球菌に関しては、2018年のデータと2019年のデータを追加させていただいております。表53も同様です。それから表54も同様です。faecalisとfaeciumを別々に出しております。
それから、サルモネラですが、54ページの表55、こちら、2019年のデータを追記させていただいております。
また、55、56ページ、先ほどちょっとお話が出ましたけれども、サルモネラの血清型についてですね。これもデータを新しく更新させていただいております。状況というか、傾向に関しては特に変わりはないと考えております。
57ページは水産分野ということで、水産分野は、アクションプランに基づいて魚種を増やしてモニタリングをしておりますけれども、これも2019年のデータを追加しております。後ほど出てきますけれども、一部、水産動物に使うマクロライドですね、エリスロマイシンの使用が増えているという状況もありますが、一方で耐性率としては、この表59に書いてありますように、2019年で3.1ということで、耐性率は上昇しているということはない状況になっています。
また、表60は、ちょっと新しいデータがないので昨年と同じですね。それから、ビブリオに関しては、表61で2019のデータを追加しております。
それから、59ページは愛玩動物になります。こちらは2020年のデータを追加しております。まず、疾病に罹患した、病気の犬猫のデータが表62からありますけれども、これは検査機関に臨床検査材料が送付されたものについての、そこから分離されたものということで、これも抗菌剤による治療の影響もありまして、健康動物に比べると耐性率が高いというような状況になっております。
61ページの表63、64、65、こちらにも2020年のデータを追加させていただきました。
それから63ページのほうも、腸球菌のほうが2020年のデータを追記させていただいております。分離株の中にはバンコマイシンの耐性はなかったということで、0%となっております。
それから、63ページの下のところからは健康な犬猫、これは動物病院のほうにワクチン接種とか健康診断で連れてこられた犬猫から分離してあります。こちらはようやく3年目のデータということで、2020年のデータを表67、68につけ加えております。大腸菌と腸球菌ですね。指標菌としてのデータを追記しております。
JVARMについては以上になります。よろしくお願いいたします。
○渡邉座長 ありがとうございます。御質問等、また追加発言として何かありましたら、浅井先生、田村先生、何か追加発言ありますか。
○浅井構成員 浅井です。
46ページの表47とかですけれども、せっかくStaphylococcus aureusの耐性率を出していますので、MPIPCを入れるようにしたほうが、全体的な調和を考えるといいのではないのかなという気がいたします。あと、サルモネラに関しても、健康のほうのサルモネラとかはメロペネムを調べていますので、こちらも併せて調べていただくようにしたほうが、先ほど四宮先生のデータのほうからも、ヒトのほうでメロペネムの耐性が見つかっているようですので、そういうことはちょっと併せていただくといいのかなあという気がいたしました。
以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。今の点について、いかがでしょうか。
○関谷構成員 ちょっと今フォローできなかった部分があって、表47ですね。
○渡邉座長 MPIPCか何かを入れたほうがいいと。もう一つは、これは表54でいいのですか。
○関谷構成員 表45をイメージしてしゃべっていました。
○渡邉座長 ここのところにMEPMのデータですね。もしデータがあるようでしたら入れ込んでいただければと思います。
○関谷構成員 はい。可能かどうか確認をして。承知いたしました。
○渡邉座長 田村先生、何か。
○田村参考人 表46ですけれども、病畜由来のSalmonellaentericaの血清型別の分離株数があるのですけれども、これについての薬剤耐性のパターンというのは出ていないのです。主立った血清型を出したほうがいいのではないかと思ったのですが。表45にサルモネラ全体の耐性率が出ているのですけれども、血清型の数が出てくるのですけれども、血清型の耐性率が出ていません。全部とは言いませんけれども、主立ったところの薬剤感受性のパターンはどうかというのが知りたいと思います。これはデータあると思います。
○渡邉座長 いかがですか。
○関谷構成員 56ページに若干の、2つだけですけれども。
○田村参考人 それは健康でしょう。
○関谷構成員 そうですね。病畜のほうですね。
○田村参考人 はい。それと比較できるためにはその2つの血清型はぜひ示して欲しいと思いました。
以上です。
○関谷構成員 分かりました。ちょっとデータも確認をさせていただきます。ありがとうございます。
○渡邉座長 55ページの図1に、これは、どのぐらいの血清型を入れればよいですか。病畜だとすると。
○田村参考人 少なくともこちらで健康な家畜からのデータは2つの血清型の薬剤耐性のパターンが出ているのですけれども、これの2つは必要だと思っています。あとはTyphimuriumですかね。
○関谷構成員 そうですね。血清型の多いものが健康と病気のもので少し違う傾向なので、余り株数が少ないとあれですけれども。
○田村参考人 そうですね。それも含めて検討してください。
○関谷構成員 主なものをという御趣旨で理解いたしましたので、検討させていただきます。
○渡邉座長 出せるようなデータがあるようでしたら、出していただければと思います。
ほかはよろしいでしょうか。
矢野先生、何かコメントありますか。
○矢野構成員 ありがとうございます。矢野です。
細かいことについては特にコメントするようなことはないです。ただ、アクションプランの成果指標中で、耐性率が下がっているものがあるということは、特記事項だと思います。これもアクションプランに携わったそれぞれの部署での活動の成果だと思っております。引き続き課題を整理して、今後の動向調査なり次のアクションプランに反映していただければと思っております。
以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。ほかに追加の点とかコメント、御質問等ありましたらお願いいたします。
もしないようでしたら、次に食品と環境。食品のほうは68ページで、サルモネラ等について、カンピロバクター等についても先ほどの項目のところで説明がありましたので、ここは省いて、この項目ではコリスチンについて、MCRの耐性の、MCR1から10までの耐性を調べたところの記載が1つと、あと健康者の糞便中の大腸菌の薬剤耐性を調べた結果、健康な人で約5%の割合でセファロスポリン系の薬剤耐性菌が分離されているということが記載されているところです。
続いて環境のところは、黒田先生いらっしゃいますか。
○黒田構成員 こんにちは。感染研ゲノムセンター、黒田です。
環境のほうでは、69ページのところで、39自治体から御提供いただいている下水処理場の放流する前の処理水で、今回、2020年夏、2021年冬、ちょうどコロナの2波、3波にぶち当たっているところの2つ合わせて6検体の評価を次の72ページのところで表記させていただいています。概要ですが、マクロライド、キノロン耐性等が少し経済活動の影響あるかと思いますが、一時的に下がっている様子が読み取れるかと思います。全般的には耐性因子の推移が五分五分というか、平行線かなあと思われます。
以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。御質問等がありましたらお願いします。
○長江結核感染症課長補佐 すみません。事務局になります。
本日欠席の京都大学の田中先生から、この環境の部分について意見書が届いております。A4一枚になっています。要点だけ御説明させていただきます。
先生から、環境の記載をもっと充実させてほしいというところで、環境省の環境安全課が実施している化学物質環境実態調査、環境省の研究の中で薬剤耐性菌の調査を実施しているので、調査結果をこの報告書に記載してはどうかというような御提案が書いてあります。
内容としては以上になります。もし環境省のほう、この辺り、コメントなどありましたら、御発言いただけるとありがたいです。
○渡邉座長 お願いいたします。
○環境省 すみません。環境省の小沼と申します。お世話になっております。
田中先生の御意見、資料で拝見させていただきました。環境に関する知見はいろいろと不足しているところでございますけれども、先生から御指摘いただいていますとおり、一部の調査でそういった知見が出ている部分がございますので、定量的な話と定性的な話といろいろありますけれども、どういう形で報告書に盛り込むことができるか、今日御意見いただいたものを踏まえて少し検討させていただければと思います。ありがとうございます。
○渡邉座長 よろしくお願いします。検討した結果を厚労省の事務局のほうと、あと黒田先生のほう、両方に投げてもらえますか。よろしくお願いいたします。
○環境省 承知しました。
○渡邉座長 ほかに御質問等ありますか。
○藤本構成員 藤本です。
70ページの下から2つ目の段落のところに、Klebsiella pneumoniaeが分離されて、これがKPC-2産生というか、その遺伝子を持っていたということが書かれていますけれども、これのリスクを評価する上では、Klebsiella pneumoniae自体、その後のアエロモナスもそうですけれども、自然界に広く存在している細菌ですので、せっかくゲノムを見ておられるのでしたらば、これがヒトに病原性を持つようなタイプなのか、あるいは自然界によくあるようなタイプなのか、そういったことを一緒に検討して述べていただけると、直接人間、人間から出たものなのかどうなのかというのもありますけれども、これらがソースとして大事なものなのか、あるいは、我々がそちら、自然界に戻してしまったものなのかとか、そういったことがある程度見えてくると思うので、これだけ書くと、直接人間にリスクがあるような印象がありますので、ここはもう少し、恐らく検討されていると思うので書き足していただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
○黒田構成員 ありがとうございます。まさにそのとおりで、ゲノム情報的には、院内分離で見つかるMLSTのSTタイプ、ゲノムタイプと同じであるということで、恐らく出元は病院等の院内感染が主体となっているのではないのかなと思われますが、その証拠もあるはずもないということで、淡々と事実だけ記述しているということになります。少し検討させてください。
○藤本構成員 はい。遺伝型としてヒトから出たぐらい、ヒト型と考えられたみたいなことは書いてもいいのではないかと思います。
○黒田構成員 ありがとうございます。承知しました。
○藤本構成員 それともう一点、申し訳ございません。71ページの最初のところですけれども、環境AMR対策重要事項ということで5点述べられていて、その中で、科学的根拠として抗菌薬や薬剤耐性因子が環境に拡散し、環境水中の耐性菌の曝露によって感染リスクが高まるということがあるのですけれども、ここのところも、今の話と関連して、どっちからどっちがいくのかということが、どちらを問題としているのかというのはちょっとこの文脈から読みづらかったので、一般的な書き方であるとは思いますけれども、少し検討していただければと思いました。
○黒田構成員 ありがとうございます。承知いたしました。早急に対応いたします。
○渡邉座長 ありがとうございます。よろしくお願いします。ほかはよろしいでしょうか。
では、また後でさらに質問ありましたらお願いいたします。続いて、「日本における抗菌薬使用の現状」で、ヒト用抗菌薬の1番と2番のところ、これは村木先生でよろしいですか。
○村木構成員 はい。私と、AMRCRCの大野先生とか小泉先生で御担当させていただいておりますけれども、特に例年どおり変わらずで、新しい値に更新されましたので、そこを修正いただき、付随して、表71以降、修正させていただいております。
何か松永先生、AMRCRCのほうから御追加とかあるでしょうか。特に大きな変更はないですけれども。
○松永構成員 大きな変更はありません。解釈とか、先生、どうしますか。述べていただいたりしますか。簡単なものとか。
○村木構成員 こちらに書いてあるとおりですけれども、新型コロナウイルスの感染症の流行の影響も少なからずあるとは思いますけれども、AMR対策アクションプラン2016をつくって、実際に継続的にモニタリングできる環境を整えて、このワンヘルスでもいろいろな分野の抗菌薬使用状況を合算できるこういう報告書をつくることで、これまでWHOがグローバルアクションプランをやると言ってからどのように動いてきたかというのがこうした形で表現できたことと、あと、WHOが推奨しているアウェア分類というところも、実際日本はどのような形で使われているかというのも具体的に示しましたし、今やっていく中でそれぞれ問題点も明らかになってきましたし、次期のアクションプランでは、これも大切なことですけれども、やはり適切性を評価するサーベイランスというところも継続してやっていくことが重要であるという形でまとめさせていただいております。
以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。松永先生、よろしいですか。
○松永構成員 ありがとうございます。あと加えて、院内の注射、抗菌薬の使用状況をJ-SIPHEのほうから報告させていただきます。
販売量だったりNDBは人口が分母になっておりまして、J-SIPHEは延べ入院患者数が分母となっているデータとなっております。全体としては、NDBで販売量の抗菌薬の使用データと変わらない、同じような傾向になっております。
以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。臨床の感覚としては、実際にコロナ以外の入院患者が減ってきているということの影響というのはあるのですか。コロナの発生によって。
○村木構成員 多分、入院中だと主に注射になってくると思いますけれども、今回、2020年は注射薬が1.1%でも減少していたというところはコロナの影響かなあと。一方で、経口薬につきましては、受診控えというか、そういうところの影響もあって、内服薬も減っているというような状況かなあと思っております。松永先生、いかがですか。
○松永構成員 同じです。J-SIPHEは変わりがなくて、経口抗菌薬が大きく減ったという傾向でした。
○渡邉座長 実際に、例えば感染症の外来とか何かも含めて、コロナ以外の細菌感染症の患者数というのは減っているのですか。臨床の現場として、感覚として。
○松永構成員 私は現場に出ていないですけれども、動向調査とかを見ると、溶連菌などの感染症というのが激減していますので、大きな影響があるのではないかと思います。
○渡邉座長 2022年になるのかどうか分からないけれども、上がってくる可能性って当然あるということを考えておかないといけないということですね。
○松永構成員 はい。おっしゃるとおりです。
○渡邉座長 ほかに御質問等ありましたらお願いいたします。
○藤本構成員 表72ですけれども、ここの脚注が、単位はというところで、単位はDIDを使用したということが書かれているのです。これでちょっと気になることが2つありまして、1つは、DDDとDIDがどちらも括弧に入っているので、後ろ側のDIDがこの全体を指しているというのがうまく見えないのですね。なので、この全体がDIDだと思うのですけれども、それをブランケットか何かで大きくくくって、その後に(DID)と書くとか、ちょっとここは書き方を検討していただけたらと思います。
それと、ここのDIDの定義の仕方ですけれども、(DDD)s perと書いてあるのと、11ページのDIDの定義のところを大体合わせておいてもらうともう少し読みやすいかなと思いますので、よろしくお願いします。とにかく、この辺は用語がすごく難しいので、なるべく合わせてもらえたらなと思いますので、御検討よろしくお願いいたします。
○村木構成員 了解しました。
○渡邉座長 これは先にDIDを持ってきてもらって、「;」か何かであと書いてもらうと、全体を表していることが多分分かると思うので、ちょっと書き方の検討をお願いいたします。ほかはよろしいでしょうか。
続いて動物のほうをお願いいたします。
○関谷構成員 動物医薬品検査所、関谷です。
83ページから動物分野の2019年のデータを追加しております。ポイントだけ御説明いたしますけれども、全体としては、表78にありますように、若干、2017年よりは少ないですけれども、18年に比べると増えている。それは、先ほどちょっと言いましたけれども、水産のマクロライドが増えているというものが影響しているのではないか。
表79のほうで見ていただきたいところは、豚のところでございます。Pigですが、動物種の中で一番多く抗菌剤が使われているわけですけれども、こちらは減少傾向になっています。
それから、その上に書いてある本文にありますけれども、OIEのほうで各国の抗菌剤の使用量を集計したりしていますけれども、その中で地域ごとにデータを公表されているのですが、バイオマス重量、各国にどういうバイオマスをOIEが算定しているかというのが示されるということになっておりますので、今後は、地域、例えばアジア地域での日本の状況というのも評価できるだろうと考えております。
それから、85ページが畜産のほうの系統別のものです。
それから、表81、先ほど水産動物ですけれども、表81ではやはりマクロライドが増えておりまして、これはレンサ球菌症というものがあって、これは非常にワクチンが効いていて抗菌剤が減っていたのですけれども、現在、従来型と違う血清型のものがはやってきているということで、こちらについては新しいワクチンとかそういった検討を行っているところです。
それから、87ページが愛玩動物のほうで、愛玩動物は国際的にもヒト用の抗菌剤が適応外使用されている現状がございまして、そのデータが、今まで2016年まで出ていたのですが、今回、17、18、19年ということで追加しております。傾向としては2016と変わらないような状況ですね。使われているのはペニシリンとか、あるいは第1世代のセファロスポリンということになっております。
それから、88ページの表83は飼料添加物ということで、こちらは食品安全委員会のリスク評価に基づいて、ヒトへの影響が無視できるというもの以外は飼料添加物としては使わないということで、コリスチンとか、あるいはマクロライド系、テトラサイクリン系について使用が取り消されておりますので、それらは流通しないということになってきております。
それから、農薬については89ページで、2019年のデータを追加しているところです。
以上でございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。御質問等、またコメントをお願いいたします。
○藤本構成員 申し訳ございません。藤本です。
表79のところが、この本文、いろんなところ、全体で唯一、動物の名前に日本語がついていないので、場所が許せば、Ornamental fishって何かなあと私なんか思ってしまうので、観賞魚とか、入れていただければと思います。
○関谷構成員 ありがとうございます。追記させていただきます。
○藤本構成員 それともう一つ、表83、これは多分、全体の校正のときに直していただけると思うのですけれども、抗菌薬の名前が、私のPDFでは途中で行変えが起きているように見えますので、これは最終的なチェックで引っかけてもらえばと思います。
○関谷構成員 承知しました。二重になってございます。修正させていただきます。
○渡邉座長 ほかにございますか。
○浅井構成員 浅井です。
表82の愛玩動物の推定販売量のところですけれども、カルバペネムとかバンコマイシンも、すごく少ない量ですけれども、使っているのは普通に公表している話なので、入れておいたほうが、何かほかのところとのバランスを考えるといいのではないかなと思いました。以上です。
○渡邉座長 これは、データは、関谷先生、ありますね。
○関谷構成員 確認させていただきますが、動物用としての承認はないので、ヒト用のものを一部適応外使用していると。非常に量は少ないのですけれども、そのデータを確認させていただきます。
○渡邉座長 ほかはどうでしょうか。
次、(5)の「日本における抗菌薬使用の現状」、これは今までのヒト、動物をまとめた表だと思いますので、これは、数値は間違いないのですね。大丈夫ですね。これは厚労省でまとめたのですか。
○村木構成員 これは私がまとめておりますというか、AMRCRCの先生方とダブルチェックして、例年まとめております。特に変更はありません。
○渡邉座長 ありがとうございます。
では続いて93ページ、「抗菌薬適正使用についての研究」ということで、これは松永先生ですか。
○松永構成員 村木先生、いけそうですか。僕のほうがいいですかね。
気道感染症や下痢症への抗菌薬が問題になっているということと、あと、小児適正使用加算が導入されて、その効果が少しずつ見られていると、それを拡大したほうがいいというような考察の論文が出てきているということがメインとなっております。また、小児において下痢症に使われる抗菌薬はホスホマイシンが多くて、成人ではキノロン系が多い。この状況を改善していく必要があると、そういうところが主な研究かなと思っております。
村木先生、お願いします。
○村木構成員 そちらで大丈夫です。それ以外にございません。
○渡邉座長 ありがとうございます。御質問等お願いします。
○藤本構成員 藤本です。手短に。
表87の抗菌薬処方術について、分母、分子を明らかにしていただいたほうがいいのではないかということが1つと、文章は%で表されていますが、率のほうは珍しく本当の率で表してあるので、ここはちょっと何か工夫が要るかなというところです。よろしくお願いします。
○松永構成員 ありがとうございます。
○渡邉座長 データはありますか。大丈夫ですか。
○松永構成員 はい。
○渡邉座長 それではお願いいたします。ほかに御質問ありますか。
続いて、96ページの環境のところは、誰が書かれたのですか。
よろしいですか、これ。もし御質問等がありましたら。
○藤本構成員 すみません。藤本です。
この環境の一番最後のところに、「ヒト等の健康に影響を与えていることを示す研究成果は報告されていない」ということで、環境中で低濃度の抗菌薬が検出されるけれども、それの影響については報告されていないということが書かれているのですけれども、薬剤のヒトに対する直接の薬理効果を示しているのか。その影響ということがですね。あるいは低濃度薬剤による選択を示しているのかというのはちょっとはっきりしないので、両方の意味でないのかどうなのかということをきちんと述べていただくのがいいのではないかと思います。
○渡邉座長 ありがとうございます。これは環境省の方が書かれたのですか、それとも田中先生なのか、黒田先生なのか。
○黒田構成員 黒田ですけれども、私が書いた記憶はないと思います。すみません。
○渡邉座長 では、環境省の方ですか。
○長江結核感染症課長補佐 今日いらっしゃらない金森先生かもしれないので、一度確認します。
○渡邉座長 今、環境中の抗菌薬のヒト等の影響というのがどういう影響なのかということをもうちょっと具体的にということですけれども、よろしくお願いします。
○松永構成員 先生、一言コメントよろしいですか。
○渡邉座長 どうぞ。
○松永構成員 本当に動物系もヒトもしかり、かなり抗菌薬適正使用が進んできている中で、やはり出口ですね。下水にどれだけ抗菌薬の負荷がかかっているかというのは非常に重要で、その規制レベルを算出する上で研究がさらに進むのが必要かなと思っております。
以上、コメントさせていただきます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
では続いて、「日本における薬剤耐性に関する国民意識」ということで、これは松永先生でよろしいですか。
○松永構成員 はい。国民の調査をさせていただきました。2020年は、表88にあるように、今まで抗菌薬を内服することになった理由が、風邪というのがずっと変わらなかったのですけれども、2020年は29.8%と下がってきているということがあります。また一方で、抗菌薬はウイルスをやっつけるということで正しい知識があるという方はまだ40%しかおらず、その辺りはまだまだ変わっていないので、効果的な普及活動、啓発活動が必要ではないかということが考えられます。
また、100ページ、2、20-30歳代の抗菌薬の捉え方ということで、NDBで見て、20代、30代の女性の方が抗菌薬使用量が非常に多かったので、それをより詳細に調査させていただきました。一回当たりの受診で抗菌薬を処方された割合は男女差ないのですけれども、受診回数が、女性が多いという結果でありました。ターゲットを絞って啓発活動をしていくのが大事ではないかということです。
以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
続いて獣医関係のところ。これは関谷先生でよろしいですか。獣医学生の調査。
○農林水産省 農林水産省の川西です。お世話になります。
獣医学生の意識調査について、このアンケートというのは獣医学部生に対してAMRの普及啓発の講義と併せて実施したアンケートになっております。本来でしたら、講義の影響を受けないよう、講義の前にアンケートするべきというご指摘を昨年度委員の先生から頂きました。今年度からは講義の前に影響受けない形でアンケートをとっておりますが、今回掲載させていただいているのは、ご指摘より以前に実施していた調査結果です。そのため、3行目に、「なお、本調査の結果について併せて実施した講義の影響を受けている可能性がある」と、昨年度と同様の記載をさせていただいているところです。来年度以降は、その講義の影響のない調査を掲載させていただく予定です。
以上です。よろしくお願いします。
○渡邉座長 では両方の国民意識の調査について御質問をお願いいたします。
○藤本構成員 手短に。松永先生のところで、100ページ、「抗菌薬の使用量(DDD/1000住民/日)」とありますけれども、これはDIDのことだと思うので、ほかのところのDIDと書き方を合わせてもらって、DDDにSがついたりつかなかったり、すごく難しいのでよろしくお願いします。
それともう一つは、表92、93が%であるということがどこにも書いていないので、%だということを書くようにお願いいたします。
○松永構成員 承知いたしました。ありがとうございます。
○渡邉座長 よろしくお願いします。103ページの獣医の学生に対するアンケートで、野菜などに使う農薬に抗菌薬が使われているというのが、5年生が0.0というのは、これ、使われているのですよね。違うのですか。
○農林水産省 実際にこちらの抗菌薬の使用量調査のほうの結果にもございますように、農薬として抗菌薬は数種類使われております。
○渡邉座長 4年生では10.1%認識率で、5年生になると0.0というのは、誰も知らなかったということですか。
○農林水産省 結果としてはそういった形になっておりますが、ただ、申し訳ございません。この調査は、実は17大学ございまして、各大学ごとに講義を受けている学年が違うということもありますので、その同じ大学の4年生と5年生で比較していないということのバイアスも入っているかと思います。
○渡邉座長 分かりました。ほかに御質問等お願いします。
最後に、「今後の展望」のところでのコメントをお願いいたします。
○柴山構成員 柴山です。
非常に細かいところですけれども、108ページのJANISの「3、今後の展望」というところで、JANISは、「検査部門のデータは入院検体のみであり、外来検体は含まれていない」となっていたのですけれども、今、外来検体をやっていますので、ここのところ、ちょっと文章は修正させていただきたいと思います。
○渡邉座長 多分、前のがそのまま使われているのですね。修正、全体も含めてお願いいたします。
○柴山構成員 はい。申し訳ありません。
○渡邉座長 今、参考資料のところに入っていますけれども、参考資料も多分、昔のをそのままカット&ペイストで載せているのではないかと思いますが、この辺ももう一回、関係者の方々、チェックしてもらえますか。
112ページで、J-SIPHEの概要のところに、参加施設が778施設で、加算1、これは「;」か何かですね。538施設と。
○松永構成員 はい。入れさせていただきます。ありがとうございます。
○渡邉座長 次の加算2もそうですね。お願いします。
ほかに。
○藤本構成員 藤本です。すみません。時間が迫っているのに。
11番の薬剤耐性AMRワンヘルスプラットフォームのところですけれども、ここにはぜひスクリーンショットを入れていただけたらと思います。百聞は一見に如かずですので。
○渡邉座長 何ページ目ですか。
○藤本構成員 126ページです。
○松永構成員 AMRCRCで作成しておりますので、もし文章に入れてもよければ入れますので。
○藤本構成員 ほかのところで結構スクリーンショットが入っていますから、入れたほうがいいのではないかと思います。
あともう一点、申し訳ないですけれども、107ページにGLASSの抗菌薬のセットという検査セット、薬剤セットのことについて述べていて、統一するのが、JANISの場合には困難であるということが書かれているのですけれども、この議論の前に、そのGLASSの薬剤セットが適切かどうかということが1つ述べられなければいけないと思いますし、それから、日本でGLASSの薬剤セットを採用することが適当かどうかということがあって、なおかつ、GLASSの薬剤セットを採用することの障害は何かということを少し分かるように書いていただかないと先につながらないと思うのですね。実際にこれを日本で使うことが適当であるということになれば、これは基本的に検査会社のパネルの問題ですので、検査会社さんを呼んで説明して、あるいはそういうことに対して学会がきちんと検討を加えてすればいいと思うので、これは、今の、ただ無理だと言っている感じがちょっとして、先につなげるような議論がここにあったらば、特に展望ですので、いいのではないかと考えました。
○渡邉座長 ありがとうございます。ここは藤本先生と菅井先生と柴山先生で、JANISの概要、参考資料の概要のところの全体をちょっと見直してもらえますか。よろしくお願いいたします。
ほかはよろしいでしょうか。
○松永構成員 ワンヘルスプラットフォームですけれども、動向調査報告書をもとにつくらせていただいています。ここにいらっしゃる先生方が確認していただいたり、データを提供いただいたことで成り立っておりますので、改めて感謝申し上げます。
以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
では、最後、総括的に、釜萢先生と境先生のほうからコメントをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○釜萢構成員 釜萢です。
大変細かいところまで御議論いただきましたが、この動向調査が年を重ねるごとに非常に充実してきていることに感謝を申し上げます。そして、20代、30代の方の調査、また診療所の医師に対する調査も加わって、非常に示唆に富む内容になったと感じておりまして、感謝申し上げます。引き続きこの取組はずっと続けていく必要があるだろうと感じました。
以上でございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
○境構成員 日本獣医師会の境です。
私どもも、このモニタリング調査によるデータは大変貴重なものと考えておりまして、日本獣医師会としましてもいろんな調査に積極的に協力してまいりたいと考えております。
実は2点お願いがあるのですけれども、1つは、アジア獣医師会連合という、アジア・オセアニア地域23か国の獣医師会からなる組織がございます。現在、日本獣医師会の蔵内会長がそのアジア獣医師会連合の副会長で、今年の11月から会長になられるということもあって、積極的にこのアジア獣医師会連合の活動に日本獣医師会も参画しております。特に薬剤耐性菌につきましては田村先生にも御協力いただいて、日本が耐性菌対策をリードすることになっておりますので、引き続き技術的な御指導、あるいは対策についての御支援をお願いしたいと思います。
もう一点は、今月28日からEUの動物用医薬品規則の改正規制が施行されることになっております。大きなところは、ヒトで重要な抗菌剤は家畜、家禽には使用を禁止する、愛玩動物には条件付きで使用を認めるというものになっているわけでございます。これ自体は非常にいいことだと思うのですけれども、問題は、EUで禁止された抗菌剤を使用した国の畜産物とか動物は輸入を禁止するという取組がなされるやに聞いております。これは非常に我々として大きな問題でございます。
この資料の118ページと119ページにヒト由来の大腸菌と家畜由来大腸菌の第3世代セファロスポリンとフルオロキノロンの耐性の動向が書いてありまして、ここではヒトと家畜では異なる傾向が認められたと書いてあるわけですけれども、傾向が違うということと、それから、一部、ゲノム解析も行われていて、両者は別物ということは分かっていると聞いておりますので、ぜひ可能であればそういったことも記入していただいて、いずれ、EUと科学的な根拠に基づき勝負をしていかなければならないかと思いますので、その点ぜひ日本としての立場を主張できるような資料としていただきたいと思います。
以上でございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。今、日本がリードして耐性菌の問題をこれから特に獣医師会含めて検討していくということは重要なことで、この報告書がそういうところでも利用されるようになればと思います。
今、境先生の最後のところで、ヒトと家畜等での例えばセファロスポリンの耐性が非常に異なってきているという、これは非常に重要なデータで、これを裏づけるデータが薬剤耐性センターの菅井先生のところで、ゲノムサーベイという形で行われていると思いますけれども、何かコメントありますか。
○菅井構成員 ありがとうございます。今年から厚労科研で食品班のほう、渡邉先生のを引き継ぎまして、そこで各食品から分離されてきたAMRの耐性菌ですね、大腸菌をはじめサルモネラ、そういったものの今年度の分離菌、そして、それぞれの施設でお持ちの過去の分離菌についても遡って、全部の菌に関してゲノム解析を行って、その結果を比較するということを始めていますので、今おっしゃったことについてのゲノムレベルでの比較検討の結果を今後出せるのではないかと思っています。ありがとうございます。
○渡邉座長 どうもありがとうございます。非常に期待される結果が出ると思いますが、よろしくお願いいたします。
ほかに何か、全体通してのコメント等がありましたらお願いいたします。
よろしいでしょうか。
もしないようでしたら、先ほどから述べられましたいろんなコメントに関しての修正を厚労省のほうに送っていただければ、それをもとにして、またこれの全体の改定がされて、その改定されたやつを多分皆さんにもう一回回覧して見ていただくことになると思いますので、よろしくお願いいたします。
では、厚労省のほうに返しますので、次のステップ、お願いいたします。
○長江結核感染症課長補佐 事務局となります。
今、渡邉先生が言われたとおり、先生方に修正されたものを厚労省のほうでまとめて反映させて、委員の皆様方にもう一度御確認していただき、完成とさせていただきたいと思っております。引き続きの御協力のほどよろしくお願いいたします。
本日は、長時間にわたり御議論いただき、誠にありがとうございます。これをもちまして終了といたします。ありがとうございました。