2021年8月4日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録

日時

令和3年8月4日(水)18:00~

場所

厚生労働省 仮設第二会議室

出席者

出席委員(20名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理
 
 他参考人5名
 

欠席委員(3名)五十音順

行政機関出席者
  •  鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
  •  河野典厚(医療機器審査管理課長)
  •  新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事・審査センター長事務取扱)
  •  山本晴子(独立行政法人医薬品医療機器総合機構医務管理監)
  •  高橋未明(独立行政法人医薬品医療機器総合機構執行役員(機器審査等部門担当)) 他

議事

○医療機器審査管理課長 医療機器審査管理課長の河野でございます。定刻になりましたので「薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会」を開催いたします。委員の先生方におかれましては、御多用の中、御出席いただき誠にありがとうございます。本会議は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、Web会議形式を併用して開催いたします。
 本日の委員の出欠状況について御報告いたします。現時点で医療機器・体外診断薬部会委員23名のうち、19名の先生方に御出席いただいております。後ほどWebで、久保庭委員が御参加の予定と伺っておりますが、薬事・食品衛生審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを御報告いたします。
 次に、本日の審議に参考人としてお越しいただいている先生を御紹介いたします。議題2につきまして、地方独立行政法人静岡県立病院機構静岡県立こども病院循環器科医長の金成海先生、京都府立医科大学小児心臓血管外科病院教授の山岸正明先生にWebシステムを用いて御参加いただいております。議題3につきまして、東京都リハビリテーション病院診療部泌尿器科副院長の鈴木康之先生にお越しいただく予定です。また、議題1につきまして、一般社団法人日本臨床検査薬協会の繁田様、日本OTC医薬品協会の櫻井様にお越しいただいております。
 機構の人事異動に伴いまして、高橋医療機器担当執行役員が就任しておりますので、御紹介いたします。
○執行役員 よろしくお願いします。
○医療機器審査管理課長 また、田宮執行役員が審査マネジメント部長に併任で就任しておりますので、御報告いたします。
 続きまして部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告いたします。薬事分科会規程第11条におきましては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。先生方におかれましては、会議の都度書面の御提出を頂きまして御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。次に本日の議題の公開・非公開の取扱いについて事務局より御説明いたします。
○事務局 事務局でございます。本日の議題の公開・非公開の取扱いについて、御説明いたします。平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づき、部会の議題1について会議を公開で行い、議題2以降の議題については、医療機器の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容などが含まれるため、非公開といたします。これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでといたします。
 それでは、続きまして配布資料の確認をさせていただきます。本日、公開で行います議題1については資料1-1~1-3があります。また、非公開で行う議題2~議題6については、資料2~資料6及び当日配布資料1~3を各委員にお配りしておりますので、お手元に御用意ください。
 次に、Web会議で御参加される委員、参考人の皆様へ、注意事項を御説明いたします。審議中はマイクミュートでお願いいたします。御発言される際には、画面右下の顔のマークのアイコンをクリックして、手のマークを押して挙手いただき、部会長から指名された後にマイクミュートを解除し、お名前を言っていただいた後に発言をお願いいたします。また、接続トラブル等が発生した場合は、チャット欄を御利用いただくか、事前にお送りしました事務局連絡先まで御一報いただければと思います。
 また、会場の皆様におかれましては、中央に設置しておりますマイクに向かって、お話していただければと思います。それでは、以降の進行について、荒井部会長、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 それでは、ただいままでの事務局からの説明につきまして、何か御質問、御意見ありますでしょうか。よろしいですか。よろしければ議題に入らせていただきます。それでは議題1、一般用検査薬の導入に関する一般原則を始めさせていただきます。本議題につきましては、先ほどお話にありましたように、参考人に準ずる形で、日本臨床検査薬協会の繁田様、日本OTC医薬品協会の櫻井様に御出席いただいております。それでは、事務局の方から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは事務局より説明させていただきます。資料1-1、体外診断用医薬品の一般用検査薬への転用についてです。体外診断用医薬品の一般用検査薬への転用については、薬事食品衛生審議会における議論を踏まえて、平成26年12月25日に一般原則の改正を行ったところです。その後、令和3年2月に入りまして、当部会におきまして、血液検体における体外診断用医薬品のOTC化の検討について経緯などを報告させていただきまして御意見を頂いたところです。その部会後、令和3年6月1日に規制改革推進会議にて取りまとめられた答申では、一般用医薬品及び検査薬のスイッチOTC化の実績が向上するよう、今後とも規制改革実施計画に沿った取組について、引き続きフォローアップを行っていくとされております。
 また、6月18日に閣議決定された成長戦略実行計画では、「薬局で市販されるOTC診断薬等の使用推進については、安全性等を確保することが必要であり、個別品目ごとにOTC化の検討を進めるなどセルフケア・セルフメディケーションを推進する」とされております。
 これらの答申などを踏まえて、体外診断用医薬品のOTC化の検討について、引き続き本部会にて御議論をお願いしたいと思います。今回の本部会では、体外診断用医薬品のOTC化に関する課題など、論点の整理をするために、製造販売業者様を代表して、日本臨床検査薬協会の常務理事である繁田様、日本OTC医薬品協会の薬制常任委員長である櫻井様に御出席いただきまして、一般用検査薬の導入の必要性や一般原則の見直しの必要性、特に穿刺血検体などの侵襲性のある検体の取扱いに関する課題検討などについてお考えを説明いただきます。資料1-2を御覧いただいて、御説明をよろしくお願いします。
○日本臨床検査薬協会 私は日本臨床検査薬協会の繁田と申します。よろしくお願いいたします。資料1-2、一般用検査薬の導入の背景の資料から説明させていただきます。現状の一般用検査薬の位置付けとしては、医療機関への受診機会や、自覚症状に乏しい方々が一般用検査薬を購入してお使いになることによって、健康意識が高まるという結果、健康診断や、特に自覚症状による受診勧奨につながり、普及や啓発につながるものという位置付けということです。
 その結果、排卵日予測検査薬においては生活習慣の改善、尿糖・尿蛋白・妊娠検査薬などにおいては医療機関への受診勧奨につながっているという位置付けになっております。
 こういった位置付けの一般用検査薬の現状の課題ですが、潜在的に治療を必要とする生活者の方々に早期に医療に結び付けるという必要がありますので、そういった意味では現状、既に一般用検査薬になっている項目を見直すことで、医療機関への受診につながる機会を増やすということが一つの課題になっているかと思います。
 次のページ、そのような観点で血糖や血中脂質、そういった生活習慣病や腎機能を検査するような一般用検査薬とか、一般的な健康診断に含まれない項目としては、アレルゲンなどの項目の導入が必要であると考えております。
 資料の9ページです。私どもが先日実施した一般生活者への調査の結果ですが、自宅でできる検査薬があった場合どういった項目について知りたいかという調査です。新型コロナやがんに引き続いて、赤枠で囲っている血糖とかコレステロール、生活習慣病の項目の関心が高いという結果が得られております。また、健診に含まれない項目としては、図の下段のアレルギー関係が比較的高い水準にあるということが見込まれます。戻っていただきまして、先ほど御説明させていただいた、こういった項目を一般用検査薬としてカバーしていくのは、非常に意義が高いものと考えております。ただ、こういった項目については、血液検体を用いることで実現が可能だという項目となっております。
 次のページ、このページも私どもが実施した調査の結果から出てきているものです。定期的な健康診断等を受けていない方、20歳代から60歳代に関する調査の結果は42%で、そういった方々であっても、自宅でできる検査があればということで調査しますと、73%という非常に高い人たちが使用してみたいという回答を頂いております。また、検査薬を使用して異常が見つかった場合においては、医者の対面やオンラインを含めて医療機関の医師への相談については、67%の方々がそういったことを実施したいと回答を頂いております。そういった観点からも一般用検査薬を導入していくことによって、医療機関に受診するきっかけ作りとして、非常に重要な役割を果たせていけるのかと考えております。
 次のページ、以上の観点から、私どもとしては一般用検査薬の一般原則について、まずは検体としては血液検体、穿刺血、そういった低侵襲性の検体の使用を可能とすることや、穿刺血を採取するためのランセットや簡易な測定の医療機器を使用可能とすること。さらに、血糖やコレステロール等の測定で必要な定量による判定を可とすること、この3点を要望させていただきたいと考えております。
 平成26年の体外診断用医薬品の一般用検査薬の転用については、大きく八つの課題が見い出されたということですが、それらの課題については基本的には添付文書や様々なメディアを使用して情報提供をさせていただいて周知活動に努めていきたいと考えております。マル5のような製品間の精度の差については、ガイドラインを作成して精度を規定する。血液検体に使うということへのリスクについてはマル6、マル7辺りで、針刺し事故防止用の機能を持った製品に限定してランセットを使用することや、使用後のランセットの廃棄についても、都道府県の指針に従った廃棄の方法を周知徹底して、問題ないような廃棄の仕方を皆さんにしていただくということを考えております。
 こういった対応を実施した結果、これらの課題に対しても解決できていけるものだと考えております。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございました。議題1については、今、説明していただいた一般用検査薬への転用について、「この部会としての意見を伺う」という認識でよろしいですか。
○医療機器審査管理課長 先ほど冒頭で事務局から説明がありましたように、規制改革その他でこの件について取り上げられているということもありますが、平成26年に当部会におきまして、一般用検査薬導入に関する一般原則についてまとめていただいております。これに関することということで、今回業界の方からのヒアリングを行っておりますが、今の業界の御説明に対して御意見があれば、先生方からお伺いできればと思います。
○荒井部会長 ここで何かを決定するとか、承認するということではなくて、あくまでも説明いただいた内容に関して、この部会としての質問をさせていただくというものであることを確認させていただきました。ありがとうございます。それでは、委員の方々から御意見、御質問はいかがですか。
○宮川委員 日本医師会の宮川です。まず前提として、厚労省の方にお伺いしたいのですが、健診の資料1-1、「体外診断用医薬品の」と書いてありますが、「診断」という言葉ですが、この定義をどのように考えるかです。つまり、診断というのは、診断を行って健康状態や病状を判断することが診断の定義なのです。ですから、その中に付随したことだとして、診断の途中には推論をする段階があって、誤診を生じることがあるということなのです。これはそのところまできちんと私たち医療者は読み込んで、いつも日常診療を行っているという形なのです。ですから、一般用検査薬はもともと診断をするものではないという考え方をしないと、医療者としては失格なはずなのです。そこのところから考えますと、例えばLDLコレステロールに数値としては男女でも違うものがあるということまで知らないといけないのだということをきちんと周知させないといけません。ここでは直接関係ないですが、例えば、鉄のFe値は感染症になったときは数値が変わってくるわけです。これは医療者にとっては当然なわけです。そういうことを医療者であれば知っている中で考えて判断していかなければいけないのです。そういうことからしますと、これは受診につなげることが重要であることは当たり前のことなのです。ここに書いてあることに関しては、一番下段の所に「セルフケア・セルフメディケーションを推進する」とありますが、これは決定をしているわけですが、これはもともとセルフメディケーションにつなげるという発想でなければ同意できません。セルフケアに関してはそういう診断ということからすれば理解できますが、セルフメディケーションにつなげるという乱暴な考え方ではいけないのではないかと考えます。これは厳密に考えていかないと医療者としてはおかしな話になるので、まず一言、それは原則として申し上げなければいけないという形で、厚労省の方に前段の言葉としてどういうふうに考えるのかということを是非教えていただければと思います。
○荒井部会長 どなたかお答えいただけますか。
○事務局 事務局よりお答えさせていただきます。ここで言う体外診断用医薬品の診断に関しては、診断そのものというよりは、診断の補助という形での位置付けと考えております。
○宮川委員 それは診断という言葉は使えないということですか。
○事務局 診断に供する。
○宮川委員 いじめているわけではなくて、言葉の定義として、そのまま野放図にしてしまいますと独り歩きしてしまいますので、先生方は困るのではないかと思ってお聞きしたわけです。
○医療機器審査管理課長 御質問いただきましてありがとうございます。体外診断用医薬品の薬規法上における定義としては、人の疾病の診断に用いるという目的性を有する、そこがポイントだと思っております。これまでこの部会でも様々な医療機器、体外診断用医薬品の診断に関する御審議を頂いている事例はあろうかと思いますが、これについては、診断も御審議いただいた品目もありますし、より広い範囲について言いますと、医師が行う診断の補助に用いるものも診断というカテゴリーに含めて承認に関しての御審議を頂いている実態はあろうかと思います。それは先ほど事務局が申し上げたことだと思います。
 これを踏まえて、一般用の検査薬を考えるときにどうするか。そこは宮川委員がおっしゃったところは大事なポイントだと思いますし、これまで一般原則を御検討いただくこの部会の中でも、そこの部分についてどこまでの範囲を一般用検査薬として認めるのか、どういう課題になるのかという観点でおまとめいただいているという理解でおります。
○宮川委員 ありがとうございます。ですから、それはセルフケアであって、セルフメディケーションまでつなげるということはおかしなことだということで、「・」という所がセルフケアを推進することによってセルフメディケーションがあるということでしょうが、その辺のことはしっかりとこれからの閣議決定の中にあっても、言葉というものはしっかりと作り込んでいかないと誤解を与えるということではないかと考えます。勝手に薬を飲んでもいいということにはならないと思いますので、是非とも今後何らか文章を作られるときには御配慮いただければ幸いです。
○荒井部会長 ありがとうございます。その他の委員の方々から御意見、御質問等いかがですか。Webで御参加いただいている先生方、いかがですか。よろしいですか。
○高松委員 日本薬剤師会の高松です。今の説明を聞いたところ、平成26年の一般用検査薬の導入に関する一般原則については、侵襲性があるものについては適当ではないという判断を1回されていると思います。本日の提案では、低侵襲性のものを認めてほしいという依頼だったと思いますが、低侵襲性については、要は危険性や安全性の線引きをどう判断するかがすごく重要になるのではないかと思います。それは恐らく私たち専門家の中できちんと議論して定めておかないと、侵襲性があるものは全く駄目でいくのか、それとも低侵襲性であればいいのか、まずそこを決めていかないとその先の製品についてはいろいろと議論ができないのではないかと思います。
○荒井部会長 ありがとうございます。今の低侵襲性か、侵襲があるなしと言いますか、そこの所の線引きに関して、現時点での基準についてお答えを頂けますか。
○事務局 事務局よりお答えします。今のところ、低侵襲性に関する基準は特に設定はされておりません。
○医療機器審査管理課長 お手元の1-3、参考資料を御覧ください。ここに平成26年に当部会でおまとめいただいている一般用検査薬の導入に関する一般原則の見直しに関する骨子を含めた局長通知を収載させていただいております。その中で基本的な考え方をまとめていただいておりますが、9/26ページ、現状の課題で「侵襲性のある検体の採取については」ということで、平成26年当時のお考えとしては、特に血液については「血液に起因する感染症を防止するための対応が必須であり」、こういったような所で当時の部会としての考えをまとめていただいております。
 今回、業界の資料を拝見しますと、特に血液検体の取扱いについて御要望されているという理解をしております。
○荒井部会長 ありがとうございます。高松委員、今の回答でいかがですか。
○高松委員 低侵襲性という言葉自体が、例えば血液の量であればどれぐらいだったら危険なのか、どれぐらいなら安全なのか。普段、糖尿病の方のSMBGは皆さんやっていらっしゃいますよね。それは指導をしっかりされているので、取扱いも十分できると感じてはいるのです。比較するとすれば、その辺りかなという感触は持っているのですが、もし一般用検査薬として承認された場合でも、必ずその指導をもとにいろいろな確認をした上で販売するという流れを作ることは可能と思います。しかし、根本的にはどれぐらいの量の血液で、どういう扱いの場合に感染リスクがあるのか、そこを具体的に示す必要があります。また、駄目な場合はこういう理由で駄目ということも示さなければならないと思います。その辺のところは何か整理をしておいたほうがいいのかなという気はします。
○荒井部会長 ありがとうございます。ここは、あくまで個別に詰めていくのか、それとも侵襲の程度の大前提、例えば血液の場合なら量とか回数とかをざっくり定めておいて、実際に品目が出てきたところで詰めの議論をしていくのか、この辺はどうでしょうか。一定の雛形といったものを出す方向で進めていくわけですか。
○医療機器審査管理課長 御質問ありがとうございます。今の資料1-3、参考資料9/26ページの所に現状の課題があって、「侵襲性のある検体の採取については、継続的に医療従事者からの指導・管理を受けていない人であっても安全に、検査に必要な量、かつ、検査の質に適した検体を採取できる必要がある」とした上で、特に血液についてはということでおまとめいただいております。
 今回の業界の御提案というのは、ランセットを用いた場合の血液検体を活用することについて、という御提案ですが、今、高松委員からお話があったように、そこを基点としたときに、どこまで侵襲性のある検体の採取について検討し得るのか、平成26年当時の考え方について何か考えを変える必要があるのかどうかということを、今後御検討していただく必要があるのではないかと考えております。
○荒井部会長 高松委員、今の御説明でよろしいですか。
○高松委員 はい。やはり、どこかで基準を作っておかないと、新しい提案があった場合に、それが基準に満たしているかどうか。そういう判断をしなければならないと思いますので、そこはやはり大事な所かなと思います。
○荒井部会長 ありがとうございます。
○宮川委員 今、高松委員がおっしゃった所は、出発点がどこだったかということが大事で、低侵襲性であるかどうのこうのというのは、それが保障される医療下の中で何回かトレーニングして、それで許可されるということです。それで医療下でなくても、継続的にできる範囲であるから、お家でできるよということになり、何か問題があったら、すぐに医療機関にかかれるということが、そのような低侵襲性として認めて良いということがこの議論の中身だったはずです。しかしながら、ここで大前提となっている今回の問題は、今、臨床検査薬協会とOTC医薬品協会が出された2/10ページですが、「医療機関への受診機会、自覚症状に乏しい等」と太字で書いてあって配慮されたのだろうと思いますが、普及・啓発というもので太い矢印ですが、緑で薬局、薬店で説明を受けて購入と細い矢印で書いてあるのですが、そこの所は出発点がもともと違うと考えます。「受診機会、自覚症状に乏しい等」と書いてある人が、実際に最初からそれを使っていいのだろうかということです。それは定義として全く違った話になってしまうことが懸念されます。定義から外れている所から説明が始まっているのだということは、今、課長がおっしゃったということで、議論に値しないのかなと思います。高松委員がおっしゃった所はそこの所をついているのではないかと考えます。侵襲がどうのこうのというよりも、大前提がそういう話だったのだろうと、出発点だろうと思います。
○荒井部会長 宮川委員、貴重な御意見をありがとうございます。
○蓜島委員 協会さんの方でいろいろ調査されて、健康診断を受けていない方が43%でしたので、半分のうちの3/4の方々にニーズがあるということですね。こういったシステムを導入していくこと自体、個人的にはありなのかなとは思いますが、お伺いしたいのは、やはり一般人が使うものなので、超えるべきハードルがあるのは、今の議論でも明らかです。それに対して、こういった検査を普及させる選択肢の一つとして、薬局を活用するという方法もあるかとは思います。
 お伺いしたいことが幾つかあります。まず一つが、今ねらっている方向性の、薬局で売って一般の方が使うシステムを導入している国はどのくらいあるのか。あと海外では、薬局で2千数百円ぐらいで血糖や脂質をパッケージで検査してくれるサービスがあるのです。日本でも薬局の業務のマンネリ化を解消するために、随分前からその場診断を薬局でやるというプロジェクトも動いているとは思うのです。そういったアプローチはお考えにはならなかったのですか。そうしますと、薬局でやると、扱えるのは一応医療人なので、一般の方々が抱えるようなリスクはある程度は回避されるのかなとは思うのです。
○日本OTC医薬品協会 今のお話の中で、検体測定室のことかと思いますが、実際に年々検体測定室を設置されている薬局は増えておりまして、その中で血糖値等の測定が実際できるような所は確かにあります。ただ、今回御説明させていただいた中で一つ考えているのは、自宅でそういうものを測定したいという希望を持たれている方がどうしても中にはいるということで、生活者の方が自分の体を知りたいという要望の中で、実際に機会を増やすことによって、逆に健康管理という形につながって、その数値を実際に見ることによって、それに異常があることを確認できたところで薬剤師に相談するとか、または医者に診断に行くとか、そういう機会を増やすことが目的ですので、家のそばに検体測定室などがない場合は、自宅でそういうことができるというのは一つのメリットであると考えております。
○蓜島委員 ありがとうございます。高松委員にお伺いしたほうがいいのかもしれません。薬剤師会の方で薬局診断の業務の導入について議論はされているのですか。
○高松委員 診断自体はできないので、検査のデータを見ながら異常値か正常値であるか、ある程度の説明はしますが、患者ごとに様々な背景もあります。それに合わせて、私たちでは判断ができないところについては受診を勧奨します。これは健康診断を含めた受診勧奨という意味になります。
 実際問題、健診の受診率がもっと上がらなければいけないというところでは、一般用検査薬でデータを取ることで受診勧奨のきっかけにはなると思いますが、そういう機会がないとどうしても放置してしまう。私たちは健診をきちんと受診してくださいと言う義務はあるのですが、国民に対しては健診の受診は努力義務なのですか。医療者は健診を受けなさいと言うのは割と義務になっていると思うのですが。
○医療機器審査管理課長 基本的に事業者は雇用主として従業員に対して健診の機会を設ける必要があることになっていると思います。受ける側がどこまでの義務があるかというところは、すぐには分かりかねます。
○高松委員 そういう意味では、やはり意識啓発をするためには、そういうきっかけも有用かなとは感じます。
○宮川委員 今、蓜島委員がおっしゃった前提として、諸外国と比べるのは多少乱暴なことがたくさんあると考えます。日本の場合には、国民皆保険でこれだけ医療に対するアクセスが良いところはありません。薬局に対しても非常にアクセスが良い、相談しやすいと考えます。かかりつけ薬局のような形で、健康相談に乗ってくれるという薬局が非常に多いわけです。そういうことをこれからも推進しようと薬剤師協会の先生たちは一生懸命頑張っておられます。ところが、諸外国の場合は、医療に対してもフリーアクセスではないのです。薬局に対してもそのようなことはないわけです。ですから、セルフケアという中で自己診断というところから自分の啓発という中でいろいろなものが出ているわけです。諸外国ではこういうことをやられていると言うのですが、それが日本では当てはまらないことが非常に多いということは、私たちもしっかり見ていかないと、すぐ乱暴な議論になってしまうというところがあるのではないかと思います。4/10ページの42%~73%といういろいろな結果ですが、期待される効果ということで出しているのですが、大体、設問自体が分からないのです。ここに答えだけでなく、設問そのものを本当は提示しないといけません。フェアではないという気もします。具体的にどのような設問の文言の組み立て方でこのような答えが出たのかということが分からない限り、意図的に誘導するような形になりかねません。その設問も載せていただけると今後、非常に有り難いと思いますので、是非ともそれは今後御配慮いただければと思います。
○荒井部会長 ありがとうございます。多分、この話は始め出したら終わりがないように思われます。ただ、ここで私が申し上げておきたいのは、この部会は、規制改革推進会議や閣議決定などで示された方向性のもとで、それで使われるものについてのジャッジを行う立ち位置にあるという点です。宮川委員がおっしゃるように、特に臨床をやっておられる先生方は御存じだと思いますが、国民と言いますか、一般の方々は本当に千差万別です。神経質に、データにわずかな異常値が出ただけで病院に飛んで行く人もいれば、病院には行かないでやたらと心配だけが膨らんでしまうという方もおられます。また、本来なら健診を受けるべき状況であるにもかかわらず、自分でチェックして調べたから大丈夫と勝手に解釈してしまう人が増えてしまう可能性もあるかもしれません。宮川委員は、海外と単純な比較は乱暴で、日本の状況は別なのではないかと指摘されましたが、私も、本件は、最終的に日本の医療全体、あるいは日本の医療に影響する「文化」と言いますか、そういったところに影響してくるように思います。閣議決定や規制改革推進会議で方向性が出たものについて、この部会が日本の医療風土といったところにまで言及すべきかは私にも分かりませんが、それでは誰が、これをやるのかという点です。5年、10年たった時に、日本の医療風土にどんな変化がもたらされるのか、もしそれがよからぬ方向である可能性があるならば、それについて誰かが議論しなければいけません。多分、今の位置付けでいきますと、この部会はそういったことに関して、少なくとも意見を出し、あるいは議論をすべき責務のある部会であると認識しています。冒頭で申し上げたように、今日でこの議論はもちろん終わるわけではなく、ここで結論を出すわけではありませんが、結構、影響の大きい課題という認識をお持ちいただきたいと思います。今日御意見がなければ次の議題もありますので、ある程度まとめてしまいたいと思います。そのほか何か御意見、Webの先生方よろしいですか。Webではお聞き苦しいとか、きちんと議論は聞こえておりますか。大丈夫ですか。何かありましたらチャット等で御連絡いただきたいと思います。最初の議題1、一般用検査薬の導入に関する一般原則についての議論というか、御意見を出していただくということについてはよろしいですか。ありがとうございます。それでは、これで議題1を終了させていただきます。ここまでの御議論は公開ですが、以後は非公開となりますので、傍聴の方々は、恐れ入りますが、御退席をお願いします。どうもありがとうございました。
○医療機器審査管理課長 それでは、準備が整いましたので、部会の再開をお願いしたいと思います。
○事務局 続いて、本部会の利益相反について御報告します。資料7、競合品目・競合企業リスト等一覧をお開きください。まず1ページに「Harmony経カテーテル肺動脈弁システム」について、2ページに「Rezumシステム」について、3ページに「トレミキシン」について、そのほか、一般的名称に係る影響企業リストが4ページにありますので、必要に応じて御覧ください。本日の審議事項に関する競合企業として、資料7にお示ししました企業について、委員の皆様から、寄附金・契約金等の実施状況をお伺いしたところ、薬事分科会審議参加規程第13条により、議題2に関し、議決に御参加できない委員は松宮委員、議題4に関し、議決に御参加できない委員は三村委員です。以上、御報告します。以降の進行についても、荒井部会長、よろしくお願いします。
○荒井部会長 ありがとうございます。ただいまの事務局からの説明について、御意見、御質問はよろしいでしょうか。よろしければ、これから議題2を始めます。議題2、医療機器Harmony経カテーテル肺動脈弁システムの生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否並びに使用成績評価の要否について始めます。本議題については、先ほど冒頭で御紹介いただきましたように、金成海先生、山岸正明先生にWebで御参加いただいております。それでは、機構から説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 よろしくお願いします。医薬品医療機器総合機構より御説明します。資料2、通し番号1/781ページ、専門競議委員一覧を御覧ください。本審査に当たりまして、こちらにお示ししております6名の専門医員から御意見を頂きました。以降の説明は、次の通し番号2/781ページ、審査報告書に基づいて御説明します。以降、ページの番号なのですが、黒色で記載しております審査報告書のページ番号で御説明します。
 はじめに、本品の概要を御説明します。審査報告書の7ページ、1.審議品目の概要を御覧ください。審査報告書は7ページで、通し番号ですと8/781ページになります。よろしいでしょうか。本品、Harmony経カテーテル肺動脈弁システムは、先天性心疾患患者を対象に開発された医療機器でして、右室流出路への外科的修復又は経カテーテル的インターベンションの既往があり、肺動脈弁置換が臨床上必要とされる重度肺動脈弁逆流症の患者に使用します。図1に示しますように、本品は、経カテーテル肺動脈弁、デリバリーカテーテル、ローディングシステムから構成されます。以降、本品の経カテーテル肺動脈弁をTPVと呼びます。TPVは、図にお示ししておりますように、弁のサイズによりTPV22とTPV25の二つのサイズがあります。本品の使用に当たっては、TPVをローディングシステムを介してデリバリーカテーテルに装填して使用します。図2に本品を留置する様子を示しています。カテーテルを主に大腿静脈を介して挿入して、右室流出路、肺動脈弁位まで送達し、目的位置にてカテーテルを操作してTPVを展開、留置します。
 次に、開発の経緯を御説明します。審査報告書の8ページの開発の経緯を御覧ください。ファロー四徴症や肺動脈弁狭窄症等の先天性心疾患患者は、右室流出路及び肺動脈弁の異常が最も多く認められ、早期に外科的手術などが行われます。ここでの介入は、患者の状態により様々ではありますが、パッチ修復術等の外科的手術やバルーン弁形成術等が行われます。しかしながら、これらの右室流出路及び肺動脈弁の修復は、成長に伴い、肺動脈弁逆流症を発症する頻度が高いことが知られています。肺動脈弁逆流症では、右心室に慢性的に負荷が掛かり、患者の運動耐性の低下、不整脈や突然死のリスクがあります。現在、これらの肺動脈弁逆流症患者に対しては、開胸下での右室肺動脈コンデュイット又は人工生体弁の留置による治療が主に行われております。しかしながら、心肺バイパス使用の体外循環によるリスクや、手術を繰り返すことによる合併症のリスクが高くなることが臨床上の課題となっております。本品は、このような臨床上の課題に対して、経カテーテルによる侵襲性の低い治療法を提供し、生涯にわたって必要となる外科的手術回数を減らすことを期待して開発されました。
 審査報告書の9ページの上段を御覧ください。本品の開発に当たり、20○○年に米国及びカナダにて、フィージビリティ試験、「NativeEFS試験」が開始され、その後、製品改良を行い、本邦、米国及びカナダでHarmonyTPV試験が開始されました。本品の開発過程においては、表1に概要をお示ししますように種々の改良が行われております。本品の外国における使用状況について、同ページの下段に記載しております。本品は、現在、米国でのみ承認を取得しておりまして、販売が開始されている状況です。
 続いて、本品の非臨床試験についてですが、特段の問題は認められませんでしたので、臨床試験成績について御説明します。審査報告書の17ページを御覧ください。本品に関する臨床試験成績として、先ほども申し上げましたNativeEFS試験及びHarmonyTPV試験に関する試験成績が提出されました。なお、本邦及び米国の承認申請に当たり、これら二つの臨床試験のデータを統合した解析結果が提出されました。試験結果について御説明します。審査報告書の21ページの中段を御覧ください。まず、患者背景についてです。臨床試験において、患者の年齢中央値は27歳で、12歳~59歳の範囲でした。被験者71例のうち63例の初期診断にはファロー四徴症が含まれており、そのほかは主に肺動脈弁狭窄症でした。なお、静脈アクセスは大腿静脈67例、内頸静脈4例で、全被験者に全身麻酔下で手技が施行されました。
 続いて、主要評価項目の結果について御説明します。審査報告書の24ページを御覧ください。主要評価項目は、「6か月時点で好ましい血行動態機能を有する被験者の割合」でした。好ましい血行動態とは、同ページのマル1~マル3に記載しております、圧較差、弁逆流、再インターベンションから定義されます。主要評価項目の結果は89.2%で、達成目標である75%以上でした。なお、未達成の症例においては、TPVの摘出や再インターベンション、弁逆流が報告されております。主要安全性評価項目について25ページにて御説明します。主要安全性評価項目は植込み後30日時点で、手技又は機器に関連する死亡がないことで、臨床試験においては植込み後30日時点で死亡はありませんでした。
 続いて、長期成績について御説明します。審査報告書の28ページを御覧ください。(4)長期成績についてです。カプラン・マイヤー法を用いて算出したデバイス不具合の回避率について、全体の成績として、術後5年におけるデバイス不具合の回避率は69.4%でした。次の審査報告書の29ページにカプラン・マイヤーの図を示しております。なお、臨床試験において展開不良が確認された、本申請には含まれないTPV25の先行モデルを除いた解析については、30ページの図となります。30ページの図6の青字がNativeEFS試験を含む成績、赤字は、NativeEFS試験を除いたものです。術後1年におけるデバイス不具合の回避率は、それぞれ90%、93.1%でした。
 以上の臨床成績を踏まえて、機構における審査の概要について御説明します。審査報告書の38ページ上段の「総合機構は」から始まる段落を御覧ください。本品の有効性・安全性に関してです。機構は、本申請には含まれない展開不良が生じたTPV25先行モデルを除外した場合の技術的成功が100%であったこと。全ての症例において、30日時点の死亡例はなかったことなどを踏まえ、本品の留置後、比較的早期における本品の有効性と安全性は一定程度示されていると考えます。一方、本品の長期耐久性については、本品の非臨床試験成績を踏まえた評価は行われておりますが、臨床上の長期耐久性は十分に確立していません。これに対しては、市販後においても長期成績を収集するとともに、添付文書にて、これまでに得られている臨床試験成績の周知と注意喚起を行うこととしております。
 続いて、同ページの(3)本品の臨床的位置付けについてを御覧ください。機構は、本品の臨床的位置付けについては、本邦における外科手術成績及び本品の潜在的リスクを踏まえ、本品のリスクベネフィットバランスが最適となるよう十分考慮する必要があると考えました。まず、本邦における外科手術成績です。本邦で多く実施されているPTFE製弁付き心外導管による治療成績を確認しました。文献において、本品のサイズと比較的類似するサイズの成績が報告されております。長期を含め良好な成績が報告されておりました。
 続いて、39ページの上段を御覧ください。本品の潜在的リスクについて。本品は経カテーテル肺動脈弁留置デバイスであり、患者の解剖学的要件が非常に多様であることに鑑みると、常に最適な留置が行われるとは限らず、現時点で提出された臨床試験成績も踏まえると、本品の植込み後、術後早期又は数年経過してからの再置換や逆流、弁周囲漏出等のリスクが懸念されます。また、本品の留置部位は右室流出路から肺動脈分岐部まで広範囲に及び、遠隔期には癒着が生じ得ることから、その後の外科的再建には相当のリスクと困難を伴うことも懸念されます。さらに、長期的な有効性と安全性を評価できるデータは乏しく、実臨床下での耐久性への懸念も残ります。これらのことから、総合的に評価しますと、本品は既存の外科的治療では対処できず、本品による治療が最善と考えられる患者を対象とすることが妥当と判断しました。
 このような背景を踏まえて、製造販売後の安全対策について御説明します。審査報告書の44ページを御覧ください。本品による治療の実施は、申請者が設定しますトレーニングプログラムの受講が必要となります。また、実施医にはプロクター医師による技術的指導が行われます。さらに、一定期間はスクリーニング委員会を設置し、解剖学的要件に加え、外科的手術の適否も踏まえた本品の適応について、第三者的に適応を判定する体制をとります。加えて、現在、関連学会で組織された経カテーテル的心臓弁治療関連学会協議会との協働の下で、施設基準、術者基準、適応基準を含む適正使用基準を策定中です。
 最後に、本品の使用成績評価について御説明します。審査報告書の45ページを御覧ください。表14に使用成績調査計画案の概要をお示しします。症例数について、本品の対象は希少疾病であり、患者数は少数と予想されるため、承認日から2年の全例調査としました。また、観察期間については、耐久性を含む長期成績を確認する必要があることから5年としました。解析期間と合わせ、調査期間は7年6か月となります。以上の審査を踏まえて、機構は審査報告書の47ページの中段に記載しております使用目的にて、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断しました。本品は、原材料としてブタ心のう膜が用いられているため、生物由来製品に該当します。また、使用成績評価の調査期間は7年6か月とすることが妥当と判断しました。薬事分科会では報告を予定しております。機構からの御報告は以上です。御審議のほどよろしくお願いします。
○荒井部会長 どうもありがとうございました。それでは、まず参考人の金先生から追加の御説明を頂けますか。金先生、お願いできますか。
○金参考人 静岡こども病院の金です。私のコメント資料は、配布資料に含まれていますか。もしなければ、口頭で今から説明申し上げます。
○事務局 含まれておりませんので、先生から御発言いただけますと幸いです。
○金参考人 分かりました。それでは、口頭にて数分掛けて説明いたします。よろしくお願いいたします。まず、本品に対する医療ニーズ、医療実態について、小児・先天性心疾患を専門とし、また、日本先天性心疾患カテーテル治療学会の包括的レジストリーを統括する医師の立場から御説明いたします。先ほどからの説明にありますように、今回審査の医療機器は、先天性心疾患の術後の右室流出路肺動脈弁の機能不全を対象としています。これまで我が国では、その機能不全に対して人工心肺を使用した外科的開心術が行われてきました。その手術実施数については、日本心臓血管外科手術データベース(JCVSD)によると、2016年の1年間を抽出しますと、その1年間で代表的な基礎疾患であるファロー四徴症に対する機能的修復術が115件行われています。この手術は、自己の狭窄した肺動脈弁を拡大し温存する、あるいは補填的なパッチで拡大するといった手法が取られていて、そのため、将来的にはその部分の機能不全による再手術等の対象となり得ます。
 また、自己の肺動脈弁が全く使用できない、より複雑な心疾患もあり、そういった肺動脈が閉鎖しているような心疾患に対しては、右室流出路導管を設置して機能的根治手術を行ういわゆるラステリ手術というものが行われます。これは同年に、新規に143件行われています。これらラステリ術も、患者の体格的成長や、あるいは導管そのものの機能不全により、数年ないし10年といった単位で再手術の対象となります。すなわち、こういった疾患は、長期的で再手術の対象となる運命にある疾患群であると御認識いただければと思います。
 このような新規の手術においては、できる限り再手術を避けるような、あるいは1年でも長く待機できるように、日本の心臓外科医により様々な術式の工夫がなされてきたのですが、やはり長期的には再建術が避けられないことが大部分で、同じ2016年の1年間では、539件の再手術が施行されています。再手術というのはある程度のリスクがあり、同手術の死亡数はそのうち年間で7例、また開胸が、人工心肺を要するという再手術の性質上、疼痛を伴うある程度の大きな侵襲や合併症発生率が生じます。このような右室流出路の再建術が施行された患者の年代については、1歳~17歳が303例と最も多く、18歳以上の成人例になっての再手術も44例行われて、基本的には成人体格に見合った人工導管あるいは生体由来の人工弁が設置されるのが実状となっています。そういった成人例の中には、3回目、4回目の再手術といった患者も含まれて、再手術回数が多いほど合併症リスクが高いことが知られています。
 また、先ほどの機構の説明にもありましたように、今回審査のHarmonyを利用した経カテーテル的肺動脈弁留置術については、右室流出路導管あるいは人工生体弁での手術の患者は対象ではありません。これは、自己右室流出路あるいは自己の肺動脈を温存、あるいはパッチ拡大して拡張した患者、あるいはバルーン拡大術を受けた患者が対象となります。すなわち、修復後に右室流出路あるいは肺動脈が経年的に著明に拡大して、重度の肺動脈弁の逆流を呈した患者、長期的に右室への容量過負荷が生じた患者が対象となります。小児循環器学会によるこういった心疾患の実態調査、実際の発生調査が行われていて、2019年の1年間では日本の子供の出生数86万5,000に対して、こういった先天性心疾患は1万2,000例、すなわち1.4%がそういった何らかの先天性疾患を持って生まれてくるわけですが、そのうち1,447人、すなわち12%にこのような今話題としているファロー四徴症をはじめとする右室流出路に異常を持つ疾患群があると。先天性疾患の中に12%ぐらいが含まれているので、患者の群としては少なくはないと考えられます。
 その中で、先ほど述べました右室流出路導管を使うラステリ術の対象となる患者、すなわち肺動脈閉鎖症や総動脈幹症といった重症なラステリ術の対象となる患者は、右室流出路以上の12%のうち20%、残りの8割は先ほどから述べている自己右室流出路温存した方の修復になっています。すなわち、Harmonyの対象となり得る解剖学的形態となっているということです。先行して承認されているバルーン拡張型経カテーテル的肺動脈弁がありますが、それよりも3倍~4倍ぐらいの対象患者が存在すると考えられます。いずれの経カテーテル的肺動脈弁留置術においても、全例が対象となるわけではありません。先ほどの機構の説明からもありましたように、再三にわたる右室流出路再建術患者のうち年代及び解剖学的要件を十分に勘案し、かつ開心術が非常に確立されていますので、リスクが非常に高い患者、限られた患者が対象となり得ます。
 最後に、このような本品の対象となる患者層については、治療の低侵襲性と合併症発生数の低さが患者の生活の質並びに生存率の向上に大きく寄与すると考えられます。それに当たっては、症例選択や安全な手技の普及のために、先天性心疾患カテーテル治療を専門とする認定医師が中心となり、本疾患群の豊富な治療経験を持つ小児心臓血管外科の医師を含めた専門医療チームとの協働の下、先ほども説明がありましたような施行基準作りと使用成績調査が不可欠と考えられます。実際にその準備が綿密に進められていることも、承認の妥当性を裏付けるものと考えます。以上です。
○荒井部会長 金先生、ありがとうございました。それでは、引き続き参考人の山岸先生から追加の御発言を頂けますか。
○山岸参考人 ありがとうございます。音声は大丈夫でしょうか。
○荒井部会長 聞こえております。
○山岸参考人 ありがとうございます。京都府立医科大学の山岸と申します。よろしくお願いいたします。小児心臓外科医の立場から発言させていただきたいと思います。金先生がおっしゃいましたように、ファロー四徴症などの先天性心疾患における右室流出路術後の遠隔期の再狭窄、肺動脈弁の逆流による右心不全というのは重症な病態となります。現在のところ、このような患者に対して、我々外科医は外科手術による弁置換若しくは弁付き導管による右室流出路再建術を適応としておりますが、再手術となりますので、全身に対するリスクが初回手術に比べて大きくなることは否定できません。これに対して、本品は手術を回避することが可能であり、重症心不全や肝腎障害などを伴うハイリスク患者には有用な治療デバイスであると考えます。
 ただし、本邦の外科治療成績は非常に良好で、決して手術が危険と内科医が言うようなものではありません。また、右室流出路の手術は心停止を行わなくても可能ですので、外科手術自体のリスクは高いものではありません。また、本邦の外科手術で採用されている弁付き導管は、本品よりも明らかに良好な長期遠隔成績が報告されております。再手術回避率は15年で95%以上です。本品が耐用年数の短い異種心膜を使用していること、デバイスの遠位端が左右肺動脈開口部に掛かってしまうこと、また本品が不具合を起こした場合、肺動脈を損傷せずに外科的に摘出することは絶対的に不可能であること、摘出手術のリスクが大きくなることから、適応外症例使用した場合は本品のリスクはベネフィットを大きく上回る可能性があります。
 本品添付文書案の警告事項に記載されておりますように、形態的適応のみならず、若年者など将来の外科的摘出の可能性のあるような症例は絶対的適応外とするなど、本品の適応を厳格にすることは非常に重要であり、警告事項を遵守しない場合には患者に大きな不利益を及ぼす可能性があります。これらを勘案した上で、右室流出路狭窄に対する手術経験が豊富な心臓血管外科専門医、修練指導者レベルの外科医が常勤する施設において、高度心不全や全身状態不良などの理由により外科手術が不能若しくは非常にハイリスクであり、本品以外に有効かつ治療選択肢がない患者に限定して本品を承認することは妥当であると考えます。以上です。ありがとうございました。
○荒井部会長 山岸先生、ありがとうございました。お二人の参考人の先生から、相当詳細な御説明を頂けたと思います。それでは、委員の方々から御質問、御意見はいかがでしょうか。梅津委員、どうぞ。
○梅津委員 今の循環器内科の先生と小児心臓外科の先生のコメントは、相当、温度差があるような気がいたしました。一つお聞きしたいのは、絶対に外科手術ができないという症例は、何%ぐらい今まで経験されているのでしょうか。山岸先生にお聞きします。
○山岸参考人 京都府立医大の山岸です。右室流出路の再手術が患者の全身状態が不良でありできないといった方は、私自身、経験しておりません。
○梅津委員 ありがとうございました。
○荒井部会長 どうぞ。
○松宮委員 松宮です。非常にニーズが高いということも分かりますし、内科、外科の先生それぞれの懸念ももちろん理解いたします。今おっしゃったところは非常に問題というか、一番重要なところで、外科的手術を施行できないというのは、TAVIのときに適応がinoperableというのが始まってハイリスク、ミディアムリスクとだんだん広がっていったので、最初のinoperableからまず始めるということかもしれないのですが、TAVIの場合は非常に高齢の方がたくさん入ってきて、合併症もあるし本当に手術できないというのはたくさんおられるわけですけれども、このデバイスの場合は、先ほど山岸先生がおっしゃったように、そんなにすごい高齢の方もおられないので、かなり少ないと考えられます。inoperableと言ってしまうとほとんど適応がないということになってしまいます。
 先ほどおっしゃったように、ハイリスクというのを少なくとも入れないと、ここだけ「外科的手術を施行することができず」と書いてしまうと、実際に使うと保険で切られたりすることもTAVIの場合は出ているわけで、実際に使うことがほとんどできなくなってしまうのではないかという懸念があると思うので、ここにハイリスクと入れるのはいかがでしょうか。できないというのと、ハイリスクの差も微妙ですが、少なくともハイリスクという言葉を入れずに、外科的手術を施行できない方に限るとなると、ほとんど対象がないということになってしまうのではないかというのは私も懸念するところです。
○荒井部会長 いかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 御意見ありがとうございます。使用目的の「外科的手術が施行できず」という文言に係る御質問の背景と考えております。こちらの御意見を頂きましたように、TAVIから同様に使用しているもので、外科的手術が施行できず、本品による治療が最善であると判断された患者を対象ということで、内科の先生と外科の先生のハートチームディスカッションによる患者選択というのを最も重視しております。そういった観点で、ハイリスクというと一定の明確なスコア等もありませんので、実際のところは学会の適応基準にもありますように、TPVIのハートチームによる総合議論によってHarmonyによる治療が最善であるという患者が対象になると考えております。
○松宮委員 「外科的手術が施行できず」というのが最初に来て、その後にこの治療が最善であるというのを皆さんで協議して決めると出てくるので、まず大前提として外科的手術ができないということが入ってくるように読めてしまうので、総合的に考えてこの治療が最善であると考えられる症例に使うということですね。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○松宮委員 ですから、そこは外すなり書き様を変えるなり、順番を変えるなりしていただいたほうがいいかと思います。でないと、手術が施行できないということが前提にあって、その上で相談してこれが適応になる人を選びましょうというように読めてしまうのですが、どうでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 先生、御指摘ありがとうございます。やはり同じような意見が出されて、私たちもかなり議論させていただいたのですが、ハイリスクという言葉自体が少し曖昧というところがあって、本品による治療が最善だと判断されたというようなことをまずはメインに考えております。今、関連学会とお話合いをさせていただいているのですが、そこのところはハートチームでの話合いを特にきちんとするというようなニュアンスを出しましょうということで、そういうような形で進めさせていただいているところです。ちょっとハイリスクと申しますのがTAVIのときもそうだったのですが、STSスコアでピッピと切ってくる欧米と違って、日本はSTSスコアだけではなくて、全身状態とかそういったこともよく見てハイリスクというような判断をしているというお話も伺っておりますので、ハイリスクという言葉が独り歩きするよりも、ハートチームでというようなことを。
○松宮委員 これだと絶対に手術が施行できないことが独り歩きしてしまうので、この文章だと。
○医薬品医療機器総合機構 なるほど。
○松宮委員 手術ができないというのはもっと悪いということですよね。ハイリスクよりも。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○松宮委員 しかし、それも明らかな基準がないのです。外科的手術が施行できないという基準もないわけですよね。
○医療機器審査第一部長 よろしいですか。御意見ありがとうございます。当日配布資料1にHarmonyの適正使用指針案というものを御用意させていただいています。これは心臓血管外科の先生方も入られた本品の適正使用指針案を、今、作成中です。今日頂いた意見をこの中に反映していきたいと思います。現状、施設基準とか実施医の基準とか、御議論がありましたようにハートチームで検討して外科手術が最善の選択でないと判断される患者を対象とすることは記載されているのですが、松宮委員が御指摘された点を協議会にフィードバックしたいと思っております。
○松宮委員 今おっしゃったことは非常にいいと思うのですが、チームで協議して外科的手術が最善の選択肢でないと判断される患者、これは非常にいい言い方というか、これはアグリーですけれども、その上に相変わらず「外科的手術を施行できず」と書いてあるので、そこを外してもらうかですね。というのは、とにかく皆さんで協議して、この治療が一番適すると、外科的手術よりも最善であると総合的に判断されたために使うということが重要だということですよね。それは私もそう思います。
○事務局 永井委員が手を挙げられています。
○荒井部会長 永井委員、どうぞ。
○永井委員 京大の永井です。聞こえていますか。
○荒井部会長 聞こえております。どうぞ。
○永井委員 お二人の参考人の先生の御意見、コメント、それから会場内の御意見を伺ってなるほどと思いました。私の立場から少々コメントさせていただきます。御意見を伺って、ますます市販後にきちんと安全性をモニタリングしていく必要があると強く思った次第です。そこで、今回資料に出されている臨床試験成績は、実はフィージビリティスタディとピボタル試験の統合解析という形で、非常にアンユージュアルな形での試験成績の提示になっています。フィージビリティスタディの結果もまとめてしまっているので、後付けの解析で、当初はエンドポイントに指定されていなかったものも一緒にしているという問題、それをもって統計的な評価をしているという限界があります。症例数が少ないので、それはやむを得ないとは思います。
 それを踏まえても、ピボタル試験に日本人が2例しか入っていないのです。これまでの意見を踏まえると市販後調査でも一体何例入るのかと素朴に思いますし、もし3、4例しか入らないのならば余り意味がなくなってしまいます。それであれば、海外のデータも含めて収集するというようなことはできないのか。長期的に見ていく必要があると思いますので、その辺を御検討いただけたらと思います。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 機構です。永井委員、御意見ありがとうございます。統合解析の件は永井委員の御指摘の点もございますが、ピボタル試験開始前に統合解析の計画自体はしていたところでした。おっしゃっていただいたように、本品は希少疾病ですので、評価については記述統計による評価ではありましたが、審査においては一例一例を丁寧に見ていきました。市販後調査についてなのですが、今回実施しております海外も含む臨床試験成績の長期成績も報告していただく予定ですので、日本のPMSと加えて、今、進行中の臨床試験成績の経年報告も確認して、それに応じて必要なリスク低減措置を図りたいと考えております。
○永井委員 ありがとうございます。
○宮川委員 よろしいですか。
○荒井部会長 宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 専門外ですが、こういうのは切られてしまうという前提を避けなければいけないと考えます。もちろん保険的にもです。3行目の「外科的手術を施行できず」というそこが問題なのです。ですから、配慮するも本品による治療が最善であると判断された患者を対象とすると表現すべきです。それで、段を変えて適応については、と更にそこに書いてあるわけですから、そこで最善の選択肢でないと判断されたものを対象とすると書き加えるべきです。そこで二段構えで「配慮するも」ぐらいの感覚でいかないとそこまで到達できないということ、門前払いのような形になってしまうのではないでしょうか。松宮委員が懸念されたのはそこなのです。ですから、きちんと配慮されて最善の選択肢であるということが分かるところまで表現していくようにしないといけないので、「施行できず」という言葉がすごく強すぎるのではないでしょうか。「配慮するも」とかそういう文言に変えることができれば、次の※の所まで議論がいくのではないかなと考えます。
○荒井部会長 ちょっと国語の授業になってしまうので。
○宮川委員 考えていただければ。
○荒井部会長 おっしゃっていることはそのとおりで、宮川委員と松宮委員からの御指摘で、この文言についてはちょっと検討していただけるということで承知していいですかね。
○医療機器審査第一部長 もちろんです。ありがとうございます。
○荒井部会長 フィックスではないということですので、「手術不能が独り歩きしてしまって、門前払いになっては困る」ということに関しては、委員の方々から御指摘いただきましたので、この表現については御検討いただきたいと思います。それから、先ほど梅津委員から御指摘がありましたが、確かに内科側の先生方とカテーテルを使う先生方と、温度差があるのは事実だと思いますが、ハートチームがやった場合にも、実際に施設ごとで行う患者の基準にぶれが生じるような可能性はあるのでしょうか。もちろん、すごく技術的な部分が大きいので、技術レベルを無視してというわけでもないと思いますが。この辺についてはどのような情報というか、認識をお持ちでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 荒井部会長、御質問ありがとうございます。機構より御説明いたします。施設間の基準のばらつきの件についてなのですが、先ほど審査報告でも申し上げたように、導入後、一定期間は第三者のスクリーニング委員会を設置し、そこで適応判定については第三者的に判定するというような体制を取る予定です。ですので、そういったところの経験を通じてフィードバックをしていくことで、ある程度患者の選択の基準については平仄が取れていくのかなと考えております。
○荒井部会長 揚げ足を取るつもりはないですが、その話は、この機器を使った患者の場合の話ですよね。「使わない」という判断を下した症例は含まれませんよね。要するに、Harmonyを使った患者だけを拾ってきてディスカッションの過程を評価しても、別の観点から見れば、Harmonyを使ったほうがいいのではないのかと判断される患者が最初から分母から漏れてしまうわけで、それで本当にフェアな判断ができるだろうかという話です。全体の判断の基準をある程度のところで均一化させていく上で、そこの作業はやり方がとても大事だと思います。その辺も含めて検討していただけたら有り難いなと思います。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 ですから、そういう意味では最初の二つのハードルというのがあると思うのです。先ほど山岸参考人が御指摘したように、最初のハードルは外科なのです。そこでハードルをしっかり作って、これは最善の方法か否かという、審議あるいは適応を考えるという、そういう段階的なことがこの中に書き込まれていればよいかと考えます。それで今、部会長がおっしゃったように、どれぐらいの症例数をどうやって見ていくのかというのは、あとは技術論の話になるのではないでしょうか。そういう意味では二段階のハードルを、山岸参考人が言ったように外科の適応として考えるというところで、※マークの所がものすごく大事だということが前提であれば、先ほど言った議論は全て収まるのではないかなと思うのです。
○荒井部会長 ありがとうございます。よろしいですか。
○医薬品医療機器総合機構 御意見ありがとうございます。ここの体制作りは、今、申請者も関連学会と協議中ですので、本日頂いた御意見を伝えて、適切な体制作りをしていただけるようにお伝えしたいと思います。ありがとうございます。
○荒井部会長 よろしくお願いいたします。そのほか、委員の方々から御意見、御質問はよろしいでしょうか。よろしいですか。それでは、幾つか宿題というか、検討のところの御指摘を頂きました。そこを踏まえて、全体として他に意見がなければ議決に進ませていただきたいと思います。医療機器Harmony(経カテーテル肺動脈弁システム)について、本部会として承認を与えて差し支えないものとし、生物由来製品として指定するということでよろしいでしょうか。また、使用成績評価は必要ということでよろしいでしょうか。御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。本件は分科会にて報告させていただく予定となっております。それでは、これをもちまして、議題2を終了いたします。参考人として御出席いただきました金先生、山岸先生、どうもありがとうございました。
○金参考人 ありがとうございました。失礼いたします。
○山岸参考人 ありがとうございました。失礼いたします。
○荒井部会長 ありがとうございました。続いて議題3、医療機器「Rezumシステム」の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定、特定保守管理医療機器の指定の要否、生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否並びに使用成績評価の指定の要否について始めます。本議題については参考人として、鈴木康之先生にお越しいただいております。お待たせしました。よろしくお願いいたします。それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料3のファイルをお開きください。本議題では医療機器Rezumの高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定の要否、特定保守管理医療機器の指定の要否、生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否並びに使用成績評価の指定の要否について御審議をお願いいたします。まずファイルの1ページを御覧ください。既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器に対しては、部会の御意見を聞いて、新たに一般的名称を新設することとなります。今回、Rezumシステムに対応して新設を予定する一般的名称は「前立腺組織用水蒸気デリバリーシステム」です。定義は、高周波電流により発生させた水蒸気を用いて、肥大した前立腺組織の治療を行うシステムで、水蒸気デリバリーデバイスと高周波電流を発生する装置及び附属品からなるとしております。本品はクラスIII、高度管理医療機器に指定されるべきものと考えております。また、本品は保守点検を行う必要のある医療機器であり、特定保守管理医療機器の指定が必要と考えております。一般的名称の新設に関する説明は以上です。
 次に、審議品目及び審査の概要について、機構から説明をいたします。
○医薬品医療機器総合機構 資料3、通し番号3/409ページ、専門協議委員一覧を御覧ください。本審査に当たり、3名の専門委員から御意見を頂戴いたしました。それでは通し番号4/409ページの審査報告書を用いて御説明いたします。以降、ページ番号は黒色で記載している審査報告書のページ番号でお伝えいたします。
 初めに、本品の概要について御説明いたします。審査報告書の7ページの図2を御覧ください。本品は前立腺肥大症のうち、肥大した前立腺組織が尿道や膀胱を圧迫することにより生じる頻尿や尿閉といった排尿障害の改善に使用される医療機器です。本品は経尿道的アプローチにより、前立腺に水蒸気を噴射するデリバリーデバイス、及び水蒸気を発生させるための高周波電流を供給するジェネレータなどから構成されます。本品を用いた治療の概要を御説明いたします。
 審査報告書8ページの図3を御覧ください。まず、こちらにデリバリーデバイスの実機を御用意いたしました。ジェネレータの方はないのですけれども、このような形となっております。まずデリバリーデバイスを経尿道的に挿入し、デリバリーデバイス内のニードルを前立腺肥大部に穿刺し、約105℃の水蒸気を注入します。水蒸気が液化する際に放出されるエネルギーによりタンパク質の変性が引き起こされ、肥大組織を経時的に壊死させます。ここまでの操作を1処理とし、治療領域の長さに応じて同様の処理を繰り返し行うことにより、術後3~6か月で排尿障害が改善します。
 次に、本品の開発の経緯について御説明いたします。審査報告書の8ページの下段、(1)開発の経緯を御覧ください。本邦における前立腺肥大症治療については、関連学会より治療ガイドラインが定められております。主な治療法は経過観察、行動療法、薬物療法、手術療法及びその他に分けられます。積極的な治療が必要となる場合には、薬物療法が第一選択となりますが、これらが効果不十分である場合には外科的治療が選択されます。
 審査報告書の9ページ、上段を御覧ください。本邦における標準的な外科的治療としては、高周波電流により前立腺組織自体を取り除く「TURP」と呼ばれる経尿道的前立腺切除術があります。本品は、薬物治療の効果が不十分な患者に対する新たな外科的治療の選択肢の一つとして長期的に有効性があり、かつ、TURPよりも治療に伴う有害事象の発現率が低い治療を可能とする医療機器として開発されました。
 続いて、審査報告書の10ページ、表2を御覧ください。本品は、米国において2015年に承認を取得しており、2021年4月までにジェネレータが○○○台、デリバリーデバイスセットが○○○○○○本以上販売されています。本品の非臨床試験については、審査報告書の11~14ページにお示ししておりますが、特段の問題は認められませんでしたので、詳細説明は割愛させていただき、以降、臨床試験成績について御説明いたします。
 それでは、審査報告書の17ページの上段の(1)RezumII試験を御覧ください。RezumII試験は前立腺肥大症197例を対象に、米国15施設で実施された多施設共同単盲検比較対照試験です。本品による治療を受けた症例については、手技後最大5年までの追加評価が行われました。患者は本品を用いた治療を行う被験群136例と、硬性膀胱鏡を用いて本品による手技を模倣した、シャム治療を行う対照群61例に割り付けられました。
 次に、RezumII試験の短期成績について御説明いたします。審査報告書の19ページの下段、マル1有効性評価を御覧ください。有効性主要評価項目は、「被験群及び対照群におけるベースラインから、手技後3か月のIPSSの変化量の差の比較」と設定されました。IPSSとは国際前立腺症状スコアのことであり、尿路症状に関する質問項目に対して、患者自身が回答することで得られるスコアです。合計点数がより高いほうが前立腺肥大症の重症度が高くなり、最大で35点になります。次のページの上段の表7でお示ししているとおり、被験群では平均11.2点、対照群では平均4.3点のIPSSの改善が認められ、対照群に比べ被験群において有意に症状が改善することが示されました。
 次に、安全性について御説明いたします。審査報告書の22ページの中段、マル2安全性評価を御覧ください。安全性主要評価項目は、「手技後3か月の被験群における被験機器関連の重篤な複合合併症の発現率が12%以下であること」と設定されました。試験の結果、被験群において発現した被験機器関連の重篤な複合合併症は尿閉1件であり、発現率0.7%でした。
 続いて審査報告書の23~25ページにかけて記載している、RezumII試験の手技後1~5年までの長期成績について御説明いたします。有効性については、審査報告書の24ページの表17でお示ししているとおり、被験群において手技後3か月時に認められたIPSSの改善が、手技後5年までおおむね維持されていることが確認されました。安全性については、審査報告書の25ページの中段のマル2安全性評価でお示ししているとおり、手技後5年までに新たに発現した被験機器又は手技に関連する重篤な有害事象は報告されませんでした。また、手技後4年までに尿道カテーテルの再留置を行った被験者の割合は11%でした。
 次に、機構における審査の概要を御説明いたします。本品の審査における主な論点は4点あります。一つ目の論点は、本品の臨床的位置付けについてです。審査報告書の25ページの下段、(1)本品の臨床的位置付けについてを御覧ください。審査報告書の26ページの上段にあるように、本品は本邦ガイドライン上の推奨グレードが保留とされておりますが、標準的外科治療は長期的な治療効果も含め、良好な成績である一方、出血や射精障害などの発生頻度が高い傾向にあるとされております。本品は、効果の即時性は既存治療ほどないものの、文献上の比較においては既存の外科的治療よりも手術時間が短く、出血リスクも低くなることが示唆されております。以上を踏まえて機構は、本品を薬物療法の効果が不十分な患者に対する外科的治療の選択肢の一つとすることが妥当であると判断いたしました。
 二つ目の論点として、審査報告書の26ページの下段より記載している、海外臨床試験成績の本邦への外挿性について御説明いたします。審査報告書の27ページの中段を御覧ください。前立腺肥大症に対する治療アルゴリズムは、日本国内と海外のガイドラインにおいて大きな差はないこと、本邦にて想定される本品の対象患者の前立腺体積は、欧米集団に包含されていることに加え、本品の使用方法を考慮すると、解剖学的な人種差は本品の有効性及び安全性に影響を与えないこと、そしてRezumII試験で実施された治療手順は、手技時の疼痛管理や膀胱鏡の挿入などの周辺の処置も含め、本邦の医療環境で実施されている外科的治療手順と同等の手技であることを踏まえ、機構は海外臨床試験の成績を、本邦における評価に用いることは可能と判断いたしました。
 三つ目の論点は、本品の有効性及び安全性についてです。まず、有効性について御説明いたします。審査報告書の28ページの上段、1)有効性についてを御覧ください。本品の有効性についてはRezumII試験の結果より、手技後5年時までのIPSS及び前立腺肥大症の各種関連スコアの改善又は維持が示され、本品による再手術が安全に実施されていたことが確認されました。また、審査報告書の29ページの中段にお示ししたとおり、本治療は標準的外科治療よりも手技時間が50分ほど短く、再手術率についてもTURPが13.9~16.8%であるのに対し、本治療では4.4%と低い傾向が認められたことから、臨床使用上問題ないと判断いたしました。以上を踏まえて臨床使用に当たっては、本邦ガイドライン及び患者の状態を考慮の上、初回治療及び再手術において各患者に適した術式が適応されるよう、慎重に対応する必要があると考えました。
 次に、本品の安全性についてです。審査報告書の29ページの下段の2)安全性についてを御覧ください。RezumII試験で発現した有害事象は、全て既存の経尿道的外科治療でも認められるものでした。続いて、審査報告書の31ページの上段を御覧ください。RezumII試験では肉眼的血尿が11.8%と、標準的外科治療よりも高い発現率となっておりましたが、標準的外科治療で見られるような、輸血を伴う出血は観察されませんでした。また、逆行性射精が本治療では5.9%であったのに対し、TURPでは66.1%と高い発現率であることが本邦ガイドラインでも報告されていることから、本邦の臨床使用下において標準的外科治療を行うに当たり、これらの合併症を含む何らかのリスクを有する患者に対し、本品による治療を検討することは問題ないと判断いたしました。
 一方で、審査報告書の32ページの上段にお示ししているように、RezumII試験では尿道カテーテルの再留置患者の割合が、比較的高頻度で認められましたが、尿道カテーテルの再留置は術後症状の改善を目的に行われたものであり、再留置後に新たな有害事象が発生していないこと、本品の本邦導入の際には海外の術後ケアガイドラインも参考に、尿道カテーテルの留置が検討されることから、適切なリスク低減化措置が取られていると判断いたしました。
 四つ目の論点は、製造販売後の安全対策についてです。審査報告書の32ページの中段を御覧ください。RezumII試験の結果を踏まえ、尿道カテーテルの留置期間については、本品による治療回数と患者の状態を考慮して留置期間を検討し、本治療の実施に当たっては、臨床試験における患者の選択基準及び除外基準に加え、本邦ガイドラインに鑑みた適切な患者選択を行う必要があると考えます。以上のことから、機構は関連学会と連携し、本治療の適応基準や術者要件等を含めた適正使用指針を策定の上、トレーニング等により本品の適正な使用に関する情報提供を行う必要があると判断しました。そのため、適正使用指針の遵守を義務付けるため、承認条件を付すことといたしました。
 最後に、本品の使用成績評価について御説明いたします。審査報告書の33ページの表18を御覧ください。こちらが申請者が計画している使用成績調査案です。同ページの下段を御覧ください。機構は、本邦における本品の使用実績がないことから、国内での臨床使用実態下において期待する有効性が得られること、及び想定されていない本品特有の有害事象の有無を確認し、必要に応じて追加のリスク低減化措置を講ずる必要があると判断いたしました。使用成績調査案としては、症例数を100例としてRezumII試験の成績を踏まえ、調査期間はフォローアップ期間3年を含む計6年が妥当と判断いたしました。以上の審査を踏まえ、機構は審査報告書の36ページに記載している使用目的にて、本品を承認して差し支えないと判断し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。本品は、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。なお、薬事分科会では報告を予定しております。機構からの報告は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございました。それでは早速、参考人として御出席いただいている鈴木先生の方から、追加の御発言を頂けますか。
○鈴木参考人 東京都リハビリテーション病院泌尿器科の鈴木でございます。排尿障害の専門医として、Rezumの意義についてお話をさせていただきます。前立腺肥大症というのは、もう皆さんもよく御存じで、かつ、一般の方々にも非常に広く知られた病名です。ただ、前立腺肥大症というのは定義が余りはっきりしない、しかし年齢とともに間違いなく増えていく疾患なので、今後とも注目していかなければいけない疾患であると思います。この前立腺肥大症というのは、排尿機能障害です。排尿機能障害には、蓄尿障害と尿の排出障害があります。蓄尿障害というのは、どちらかと言うと臨床的な意義は余りありません。もちろん尿意切迫や尿失禁で困ることはあるのですけれども、困るで済むものです。一方、尿の排出障害があった場合には、しっかり介入していかなければならないということで、治療意義は非常にあるものです。
 尿の排出障害の代表疾患が前立腺肥大症です。尿の排出障害がありますと、軽症であれば問題はないのですけれども、これがどんどん進行していきますと、膀胱尿管逆流から水腎症を来し、いずれ腎不全になるとか、大量の残尿により難治性の尿路感染症を起こして、腎盂腎炎から敗血症になるということで、排尿障害ではありますけれども、進行・悪化することによって命に関わることがあります。
 尿の排出障害には、二つの要素があります。一つ目は下部尿路閉塞、つまり前立腺が肥大して尿道を圧迫して狭くしてしまうものです。もう一つは、排尿筋の収縮力が低下するものです。排尿筋というのは膀胱の筋肉です。膀胱の筋肉の収縮力が低下するというのは、ちょうど四肢のフレイルやサルコペニアに匹敵するもので、これを治すということは、現時点においてはなかなか難しいのです。ですから尿の排出障害を治療するということは、下部尿路閉塞を取ることが現状ではキーになってくるわけです。この下部尿路閉塞をいかに取るかということに関して、軽症であれば薬物療法などが行われます。しかし薬物療法の治療効果は限られております。
 一方で、手術療法というのは非常に優れたもので、手術ができればこんなにいいことはありません。特に基本術式である経尿道的前立腺切除術、いわゆるTURPというのがベストです。しかし近年の高齢化によって、いわゆる合併症が多いということになると、誰しもTURPができるわけではありません。もちろんTURPができるのが一番いいわけですが、ものすごい高齢化によって腎機能も悪いし、いろいろなものが悪い、到底TURPは怖くてできないということがあります。一方でRezumなら、短時間で侵襲が非常に少なくできるということは、非常に意味のあることです。外科系の先生だったらよくお分かりのように、手術時間によって術後の合併症は相当変わってきます。短時間に低侵襲でできるということになると、非常に簡単にできるということがあります。
 実は、私は大学病院にいた頃は余り意識してなかったのですけれども、今の病院に行ったら脳卒中の患者がいて、いかにカテーテルを抜くかということに、かなり力を入れてやっております。また、平成28年から診療報酬の中に、排尿自立指導料というものが設けられました。この排尿自立指導料というのは、いかにカテーテルを抜くかということを新しく示したものです。留置カテーテルがいけないということは、非常によく言われておりますし、これは間違いなくいけないものです。抜かなければいけないカテーテルは、抜くことが非常に大事です。生体内にある異物、特に尿路カテーテルは100%難治性の尿路感染症を起こしてきます。ですから難治性の尿路感染症を起こさないように、カテーテルを抜くことが大事です。
 一方で、尿というのは体の中の排出経路の唯一の道です。尿流をしっかりするということは、人間が生きていくためには大事なことですから、しっかり尿が出ていなかったら、カテーテルを留置せざるを得ないのです。しかし、いかにカテーテルを抜くかという中で、下部尿路閉塞があるかないかというのが、非常にキーになってきます。現実に私が診ている患者の中で、早めに手術をして下部尿路閉塞を取っておいて下部尿路閉塞がないと、簡単に薬物療法などで尿を出すことができる。つまり、留置カテーテルから解放されるのです。
 ですから、Rezumが実際に出てくると下部尿路閉塞を持っていない、要するに取った患者、物理的に下部尿路閉塞がない患者が増えてくれば、必然的にカテーテル留置症例が減ってくるということです。特に私が今勤務している病院においては、脳卒中になって排尿筋の収縮度が低下し、尿が出せないという状況になって「さあ、薬を使おう」と言っても下部尿路閉塞、つまり前立腺が大きいとどうしようもなくて、カテーテルを入れなければいけないということになるわけです。カテーテルを入れるということは、複雑性尿路感染症を起こしてきますし、定期的に交換しなければいけませんし、患者御本人にとっては非常に臭いということもあって、QOLの低下が甚だしいのです。それを少しでも予防できるという点において、Rezumは大変意義のあることだと思いますし、これを導入することは、いわゆる国民生活の向上に寄与するものに当たると私は考えております。以上です。
○荒井部会長 鈴木先生、ありがとうございました。それでは委員の方々から御質問、御意見等はいかがでしょうか。永井委員、どうぞ。
○永井委員 京大の永井です。例によって使用成績調査についてです。日本人ではまだ使用経験が全くないわけですよね。日本で実地診療下で行って、ちゃんと有効性が得られて、有害事象が発生しないことを評価するためにやるはずです。しかし、先ほど御説明いただいた、申請者から出てきた表18の計画は、安全性ばかりにフォーカスを当てたデザインになっていて、有効性を評価するデザインにはなっていないのです。既にTURPを始めとする標準治療があるわけであり、それに対して非劣性マージンをどれだけ取るかは別の問題だとしても、有効性にフォーカスを当てたデザインでないと、機構が書いているように、実臨床下で予定する有効性が得られることは証明できないので、ここはメーカーに御指導いただいたほうがいいかと思います。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 永井委員、御質問を頂きましてありがとうございます。機構より回答させていただきます。今、有効性評価についての項目がないと御指摘いただきましたが。
○永井委員 いや、項目はあります。
○医薬品医療機器総合機構 調査項目の中にIPSS、キューマックス、PVRという項目があります。
○永井委員 その中にはありますが、例数設計の方法、目的がそこにフォーカスされていないので、目的を達せられないということです。
○荒井部会長 今の永井委員の御指摘は、症例数の設定が安全性の方をベースにして症例数を算定しているという点ですよね。
○永井委員 はい、そうです。
○荒井部会長 ですから普通の治療と比べると非劣性なのか優越性があるのか、そこの設定によって当然少しずつ変わってくるわけで、安全性の方にだけ着目した症例数設定ではまずいのではないかというのが、永井委員の御指摘です。先生、そういう理解でよろしいですね。
○永井委員 はい、正にそうです。
○医薬品医療機器総合機構 有効性については、先ほど海外臨床試験成績の外挿性のところでもお話しましたが、前立腺に関して、日本人と欧米で解剖学的な人種差というのはないと考えられております。ですから今回のRezumII試験の結果から、有効性についてはある程度担保ができていると考えております。
○永井委員 それはそうですけれども、実臨床下でちゃんと有効性が得られることを評価すると、市販後調査の目的の所にも書いてあるじゃないですか。この申請者からのデザインのそのまま採用したのでは、その目的が達せられないのではないかということです。
○医薬品医療機器総合機構 機構からお答えします。委員のおっしゃるとおり、今お見せしているのは安全性がメインですけれども、有効性も含めた形で症例数がちゃんと対応できていることも確認させていただきます。そこは少し調整させていただこうかと思います。ありがとうございます。
○永井委員 ありがとうございます。
○荒井部会長 では、今の永井委員の御指摘の部分は検討していただいて、必要に応じて企業の方にも指示をしていただくということでよろしいですか。そのほか御質問、御意見はありますか。よろしいでしょうか。それでは、他に御意見がなければ、議決に入らせていただきたいと思います。一般的名称「前立腺組織用水蒸気デリバリーシステム」を高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定することとしてよろしいでしょうか。また、医療機器のRezumシステムについて、本部会として承認を与えて差し支えないものとし、生物由来製品並びに特定生物由来製品としては指定しないということでよろしいでしょうか。また、使用成績評価は必要としてよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。御異議がないようなので、このように議決させていただきます。本件も分科会にて報告させていただきます。これで議題3を終了いたします。鈴木先生、どうもありがとうございました。
○鈴木参考人 ありがとうございました。
○荒井部会長 それでは若干進行が遅れてしまって申し訳ありません、引き続き議題4に入らせていただきます。医療機器トレミキシンの希少疾病用医療機器指定の要否について始めさせていただきます。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より御説明させていただきます。はじめに希少疾病用医療機器の指定制度について、概要を御説明します。本制度は医療上の必要性が特に高いにも関わらず、患者数が少ないことにより本邦での開発が進んでいないものについて、その開発を促進することを目的とした制度です。希少疾病用医療機器の指定基準は三つあり、1.対象患者数が本邦において5万人未満であること、ただし、その用途が指定難病の場合は人口のおおむね1,000分の1程度であること。2.代替する適切な医療機器等又は治療方法がない、又は既存の医療機器等と比較して著しく高い有効性又は安全性が期待されるなど、医療上の必要性が高いこと。3.対象疾病に対して当該医療機器を使用する理論的根拠があり、開発計画の妥当性が高いこととしています。なお、この指定が直ちに製造販売承認に結び付くものではありません。
 続いて、希少疾病用医療機器該当性事前評価報告書に2点誤記がありましたので、当日配布資料2にてお示ししています。おわびして訂正します。
 それでは、事前評価報告書にしたがって御説明しますので、資料4を御覧ください。本品は、血中エンドトキシンを吸着除去することを目的とした血液浄化器であり、グラム陰性桿菌による重症感染症に対して既に適応を取得しています。今回、特発性肺線維症の急性増悪症例に対する病態改善を使用目的に追加するため、希少疾病用医療機器の指定申請がなされました。
 機構による事前評価結果概要を御説明します。1.対象患者数についてです。特発性間質性肺炎の一つである特発性肺線維症(IPF)は、難病の患者に対する医療等に関する法律に基づく指定難病であり、その患者数は人口10万人当たり10人程度と報告されていることから、全国で約1万5,000人と推計され、その中で急性増悪の頻度は年間5~15%程度であることから、本品の使用対象となる症例数は年間最大2,250例程度と推定されます。したがって、指定基準を満たしていると判断しています。
 2.医療上の必要性について、IPFの発生機序は明らかではないものの、種々の刺激により肺胞上皮が繰り返し障害されることで、肺胞隔壁の線維化が進行し、呼吸機能障害が進行する難治性疾患です。診断後の生存期間は、約2~3年と報告されており、経過中に急性増悪を来すと、近年においても死亡率50%程度の予後不良な病態です。現在、本邦においてIPF急性増悪に適応を持つ医薬品及び医療機器は存在せず、高容量ステロイドや免疫抑制剤等が経験的に使用されている状況です。よって、IPFに対する治療法の医療上の必要性は高く、日本呼吸器学会からも本品の早期承認を求める要望書が提出されています。以上より、本品は医療上の必要性に係る指定基準も満たすと判断しています。
 3.開発の可能性について、本品のIPF急性増悪に対する作用機序は明らかではありませんが、肺組織障害や血管透過性亢進を引き起こす活性化好中球や炎症性メディエーターの除去が病態改善に関与していると推定する報告がなされています。本品に関する臨床試験としては、IPF急性増悪患者を対象とした探索的試験が先進Bとして実施されました。こちらは平成25年12月27日の初回告示番号54で指定されています。主要評価項目である4週生存率は、65.0%と文献的に報告されている生存率と比較し良好な成績が得られており、副次評価項目である呼吸機能の指標の改善傾向が見られ、またバイオマーカーの改善傾向も認められました。よって、本品の開発の可能性は高く、指定基準を満たすと判断しています。以上より、本品は希少疾病用医療機器の指定基準を満たすものと判断しています。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございました。ただいま説明いただきました、トレミキシンについて委員の方々から御意見、御質問はよろしいでしょうか。これは先進Bで20例を集めるのに3年以上掛かっていますね。多分、皆さん御存じのように結構悲惨な病気なので、情報もないですし、御質問はよろしいですか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 これは部会長がお話になったように、先進Bのところですが、評価の所がありますが、20例の登録症例のうち9例が適格の基準に抵触していて、本試験結果のみで薬事承認申請に十分であるとは言いがたいと考えます。そこで報告があって機構の藤原理事長が参加した会議でも評価されています。これで企業の主張どおりに、先進Bの結果が申請に足るものと考えているのかということで、それに対して確認をしたいと考えます。こういうものを先進Bで、例えば今お話になったように20例しかない、100例を目標にしていたが20例にとどまった。こういうことが同じように繰り返されるということがおかしな話です。例えばそういうことを先進Bで100例でやりました、でも集まらなくて20例しかできませんでしたと報告されます。それで駄目ですよという形になって、それでその後に決まり文句のごとく評価をずっとし続けないといけませんと、また言い訳されます。そもそもの段階が駄目だったと言われているのに、申請の後の試験をずっと長々とやりますなど、いうことが延々と行われています。そういう注釈を付けて許していくというか、許可をしていくという体制がこういう例を多くしてきています。大変なことは分かっています。希少疾病というのは、そもそも例数が集まらないからです。ですが、100例を集めますからそれで許してくださいと、先進Bをやって、駄目でしたと、ではそこでその後に長々とそういったいろいろな注釈を付けてやりますので、これを通してくださいということが、この頃非常に多いのです。そういったものを本当に許していいのかどうか、先進Bは何だったのかということを真剣に考えなければなりません。先進Bの結果というものが、ここに反映していないのではないかと、つまり3ページには先進Bでやったが、それを通しますと非常に淡々と書いてあるのです。それは先進Bのことを読んでいるのか、読んでいないのか分からなくて、申請者は先進医療Bで得られた成績を踏まえと書いてあります。本品に適応を追加する、そのような申請を計画しているということを書いてしまっているので、そこは非常に問題だろうと、成績等を踏まえということを書いてしまってはいけないのではないかと考えます。できなかったら、できなかったでいいのです。でも、そういうことがちゃんとしていかないといけないので、委員会で言うのも嫌なのですが、そういうことをちゃんとしていかないといけません。このような同じことを繰り返していって、果たしていいのだろうかという思いがあったので、思わず質問させていただきました。
○荒井部会長 今、宮川委員からこのトレミキシンについてということよりも、これも最近ある一つの事例という形で、失礼ながら宮川委員にしては、珍しく奥歯にものが挟まったような発言があったのですが、先進Bのあり方について、なかなかこの部会でコメントを課長から頂くのも大変難しいところがありますが、御指摘に関しての御意見をお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 御指摘ありがとうございます。まだいろいろな課題があるのだとは思います。今回、いわゆる希少疾病用医療機器としての指定の可否ということですので、まず要件の該当性というところで御判断いただければ有り難いと思っています。将来的には企業からの申請という形で、先進Bに限らずいろいろな臨床に関するデータに基づいて申請が行われると思います。その前提においては機構との事前の相談など、そういったようなこともあるかと思いますので、そういったところも通じて申請者に適切な説明ができるようにということについては、指導していきたいと思っています。
○宮川委員 是非ともそうしていただきたい。これに対して全面的に否定するというわけではないのですが、この品目に対して疑念を抱きます。こういったことが起こってくると非常に問題なので、毅然とした対応が望まれます。患者申出療養でも同様な問題が起こっているのです。患者申出のところも形骸化してしまっているのです。本当は先進Bでやるべきなのに、患者さんが大変だからと理由をつけて制度を乱用することもあります。患者さんを救うという様々な試みがだんだん形骸化して、何か利用されてしまって、ものが進んでしまうことに危惧します。そこで審議している先生たちが何のために審議しているのかということが起こってしまうので、厚労省それから機構の人みんなで、何かきちっとした建て付けを今後考えていったほうがいいのかなと考えます。そうでないと審議される先生に非常に申し訳ないような気がするので、考えていただければと思います。私の発言の議事録などは部会長にお預けしますので、お取り計らいよろしくお願いします。
○荒井部会長 ありがとうございます。希少疾患に関しては、本当にデータを集めるのが難しくて、逆にそのために3年も4年も掛かるということがあっては、それを何とか改善したいということで早期の導入制度が出てきました。ただ、今、宮川委員の御指摘のように、少々言葉が悪いのですが、最初に上げた花火に比べるとどこか中途半端なものになってしまっている印象はあります。「集まらないけれど、進めざるを得ない」といったところでしょうか。内容的にはとても理解ができるのですが、制度としてはちょっと検討しなくてはいけないのではないかと。
○宮川委員 確信犯のようにやられてしまうのは、本当に困るのです。
○荒井部会長 これは大変重要な御指摘ということで、ここで部会として何か議決をするわけではありませんが、そういった重要な御指摘があったことは事実ですし、ある種そういうふうな見方をされてもやむを得ないといった流れがあることも事実だと思います。大変貴重な御意見を頂いたということで、ここは議事録には載せさせていただきますが、そのほか御意見はいかがでしょうか。よろしいですか。
○医薬品医療機器総合機構 すみません、先進Bについて1点御報告させていただきます。もともとこの実施計画の中で、同意取得例として100例を目標にしていて、その中から実際IPF急性増悪を起こした患者を登録するというデザインで、解析の目標としては20症例が目標になっていました。
○荒井部会長 最初から。
○宮川委員 症例数だけではなくて、その内容が問題です。そこを言っているわけです。
○医薬品医療機器総合機構 はい、ありがとうございます。
○宮川委員 そこはちゃんとしたほうがいいと思います。
○医療機器審査第二部長 この試験に関しては緊急を要するもので、必ずしも事前に調査ができない項目もあったということで、仮にこれが申請されれば、その点も含めてしっかり審査をさせていただきたいと考えています。
○荒井部会長 ありがとうございます。そのほか御意見はよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、御異議がないようですので議決に入らせていただきます。医療機器トレミキシンを希少疾病用医療機器として指定することとしてよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。御異議がないようですので、このように議決させていただきます。本件は分科会にて報告させていただきます。
 これで議題の4を終了し、続きまして5に入らせていただきます。議題5は、医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否についてです。それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料5を御覧ください。新設予定の一般的名称は「内視鏡用組織診断情報処理ユニット」です。定義は「ビデオ内視鏡又は内視鏡ビデオカメラから得られた画像情報を処理し、診断等のために使用する装置をいう。内視鏡画像から組織酸素飽和度等の組織診断情報を算出し表示する機能を有する」となります。本品は、クラスIIの管理医療機器に指定されるべきものと考えています。また、保守点検を行う必要がある医療機器ですので、特定保守管理医療機器の指定が必要と考えています。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。本品の今の説明について、御質問、御意見はよろしいでしょうか。だんだんこういった組織診断の情報処理ユニット的なものが、最近増えてきていますが、特にありませんか、よろしいですか。
 それでは、議決に入らせていただきたいと思います。内視鏡用組織診断情報処理ユニットを管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定するということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。御異議がないようですので、そのように指定させていただきます。本件については、分科会には文書で報告させていただきます。これで議題の5を終了します。
 議題6は、部会の報告品目です。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料6、横向きの資料を御覧ください。令和3年3月1日から令和3年6月末までの4か月間に承認された品目のうち、クラスIVの医療機器、臨床評価が必要なクラスIIIの医療機器、承認基準外の体外診断用医療品など、本部会への報告対象となっている品目の概要を記載しています。今回、医療機器は67品目が該当し、30ページ以降に体外診断用医薬品34品目を記載しています。
 新規検査項目、コンパニオン診断薬、新規の使用目的の追加等に該当するものについては、販売名欄にそれらの別を記載しています。これらの報告品目については、事前送付をもって報告とさせていただき、詳細な説明は割愛させていただきます。
 また、本年4月16日に開催されました本部会の議題5で、同様に報告させていただきました品目について、本来対象ではないはずのクラスIIIで臨床評価が不要な1品目を誤って報告してしまったことを御報告させていただきます。本件について、おわび申し上げます。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。ただいまの事務局からの報告について、御質問、御意見はいかがでしょうか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 直接そのことではなくて、申し訳ないのですが、例えば34/36の所です。品目数としては20~25という所なのですが、21からなのですが、キットがすごく増えています。そこを見ると、承認時のデータが極めて限られていることからうんぬんと書いてあります。これは承認後どうなったのかということが不明ではっきりしません。特にコロナ関連に関してはすごくこういった記載しかないので、製造販売後に臨床性能を評価可能な適切な試験を実施することとなっているわけですが、その辺りのところは明確に事後の報告などをさせていかないといけないのではないでしょうか。何かなしくずし的になっていくので検証していかないと、ただ私たちが報告にめくら判を押している感じになってしまうので、是非どこかで歯止めはお願いいたします。以上です。
○事務局 事務局です。先生のおっしゃる御指摘ごもっともです。これは確かにおっしゃるとおり、今回この場で御説明するのは難しいところですので、次回か次回以降で。
○宮川委員 全然それで。今回のことを言っていることではなくて、このまま多くなってしまうと大変だなと思って。
○事務局 どうもありがとうございます。
○荒井部会長 貴重な御意見ありがとうございます。その他の委員の方々からはよろしいですか。部会報告品目の内容は御指摘のとおり多いのですが。特に御意見がないようでしたら、よろしければ議題6を終了させていただきます。
 本日の議題は以上なのですが、事務局から報告があると伺っていますが、お願いいたします。
○事務局 事務局より現在発出の準備を行っています通知の概要について御報告させていただきます。当日配布資料3を御覧ください。
 通知の標題は、「追加的な侵襲・介入を伴わない既存の医療画像データ等を用いた診断用医療機器の性能評価試験の取扱いについて」です。本通知については、本年6月18日に閣議決定されました「規制改革実施計画」において、取扱いを明確化するとされたことを踏まえて、発出を予定しているものです。
 1ページ、対象となる性能評価試験ですが、AIを利用した医用画像診断支援システムやDNAシークエンサーを利用した遺伝子変異解析システム等の診断用医療機器を対象とし、追加的な侵襲・介入、これには診断結果の伝達を含みますが、こういったことを伴うことなく既存の医用画像データ又は生体試料及びこれらに関連する既存の診療情報等を収集して実施する性能評価試験としています。
 具体的な取扱いについては、赤字で示していますが、まずここに示す試験は治験には当たらないため、医療機器GCP省令は適用されないということを明確化したいと考えています。なお、GCPは適用されませんが、倫理性及び信頼性確保の観点から一定程度の対応は必要と考えていまして、それについても通知案に記載する予定です。
 なお、既存の医用画像データ等を用いた性能評価試験だけで、当該医療機器の評価が可能か否かということは、別途個別に判断されるべきものであるため、承認申請前に機構とよく相談するようにということを記載しています。
 今後の予定についてですが、この後、業界団体を含む関係者との調整を行いまして、近日中に課長通知として発出を予定しています。事務局からの報告は以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。
○医療機器審査管理課長 本日の議題は以上です。委員の先生方におかれましては、本日御多忙の中、医療機器・体外診断薬部会に御参加いただきまして、本当にありがとうございました。また事務局の説明が長くて、時間をオーバーしてしまったことを大変申し訳なく思っています。申し訳ありません。
 次回の部会については、9月1日を予定していますが、詳細については後日メールにて御連絡差し上げたいと思います。連絡事項は以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。私の進行が悪くて、今日は遅くなってしまいました。申し訳ありません。コロナの状況で、早く元の姿に戻りたいと思いつつも、今日こういった形になりました。本当にやりにくいところで、いろいろWebで参加の先生方にも御協力をいただきありがとうございました。それでは、これをもちまして本日の医療機器・体外診断薬部会を閉会させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から一部非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医療機器審査管理課 再生医療等製品審査管理室長 大原(内線4226)