2022年1月26日 第2回目安制度の在り方に関する全員協議会 議事録

日時

令和4年1月26日(水) 11:22~11:57
 

場所

厚生労働省労働基準局第1会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館16階)
 

出席者

  
公益代表委員
 藤村会長、鹿住委員、権丈委員、小西委員、松浦委員
労働者代表委員
 伊藤委員、古賀委員、小原委員、冨田委員、永井委員、平野委員
使用者代表委員
 大下委員、佐久間委員、志賀委員、高原委員、新田委員、堀内委員
事務局
 青山大臣官房審議官、佐藤賃金課長、小城主任中央賃金指導官、
 長山賃金課長補佐、尾崎賃金課長補佐
 

議題

(1)目安制度の在り方に関する全員協議会の今後の進め方について
(2)検討事項について
 

議事

○藤村会長
 こちらの準備もできておりますので、始めたいと思います。これから第2回目安制度の在り方に関する全員協議会を開催いたします。
 まず議題1「目安制度に関する全員協議会の今後の進め方について」、事務局から説明をお願いいたします。
 
○佐藤賃金課長
 それでは、私から資料№1について御説明させていただきます。資料№1を御覧ください。目安制度の在り方に関する全員協議会ですが、昨年5月に第1回を開催させていただいたところです。そこでは、今後の進め方についてということで、まずは昨年夏の審議に間に合うための必要な議論をいただいた上で、全体としては令和3年度中をめどに取りまとめを実施することについて合意をいただいたところです。一応、今年の3月をめどに取りまとめとなっておりますけれども、再開がこの時期になったこともありまして、このスケジュール感について皆様に御議論をいただければと思っております。
 この資料№1の最後の所に書いてありますが、これから再開させていただくことを踏まえますと、取りまとめの時期につきまして1年後ろ倒しをさせていただいて、令和4年度中をめどに取りまとめを実施させていただくというスケジュールでいかがかと思っておりますけれども、皆様から御意見をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 
○藤村会長
 ありがとうございます。ただいまの説明につきまして皆さんからの御意見、御質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。1年延ばして令和4年度末をめどに、4年度中に取りまとめを実施するという、スケジュールを少し変えるということです。いかがでしょう。大下委員、どうぞ。
 
○大下委員
 御指名ありがとうございます。また、御説明ありがとうございます。本来であれば、今年度中に取りまとめ、令和4年度の中賃審議への反映が望ましいところですが、雇用・労働を取り巻く環境が大きく変化し、検討すべき事項が多々あるかと思います。協議を急ぐよりは、十分時間を掛けて見直しを行うべきであり、今回お示しいただいた令和4年度中での取りまとめ、令和5年度の中賃審議への反映ということで、異論はございません。協議の途中で、令和4年度の中賃審議が挟まる形になりますが、この審議に混乱を来たさぬよう留意をしながら、できる限り全員協議会の開催頻度を高くすることが望ましいと考えます。私からは以上です。ありがとうございます。
 
○藤村会長
 ありがとうございます。続いて佐久間委員、手が上がっております、どうぞ。
 
○佐久間委員
 ありがとうございます。当初、令和3年度中での報告ということでしたけれども、私もですね、やはり拙速に行うべきではなく、4年度中、年度末に向けて取り組んでいくのが必要だろうと考えております。この間、夏の中賃、目安小委員会の審議が、開催までもう5か月ぐらいに迫ってきておりますけども、そこで、もし本会合で意思決定し、導入できること、決められることがあれば、それを盛り込んでいってもよろしいと思うのですが、いかんせん、現段階でこういう議論をしている中ですから、やはり拙速に行うのではなく、十分議論を尽くして行っていきたいと考えております。以上です。
 
○藤村会長
 ありがとうございます。労働者側委員から御発言はございますでしょうか。冨田委員、どうぞ。
 
○冨田委員
 会長からご指名いただきましたので、一言申し上げたいと思います。前回の平成29年の目安全協の取りまとめの引継事項からすれば、本来であれば令和3年度中の取りまとめに向けた努力が必要であるという認識は変わりございません。しかし、今使用者側の委員の皆様方からからもありましたとおり、夏の中賃を挟むこと、更には検討事項をしっかりと深掘りした上で、拙速な議論ではなく、丁寧な議論を進めていくことも大変大事だと思いますので、労働者側としても、令和4年度中の取りまとめについては異論がないことを申し上げておきたいと思います。
 
○藤村会長
 どうもありがとうございました。では、今後の進め方につきまして、合意をしていただいたということですので、今後は、令和4年度中の取りまとめに向けて、議論を行ってまいりたいと思います。
 続きまして、議題3「検討事項について」、事務局から説明をお願いいたします。
 
○佐藤賃金課長
 ありがとうございます。それでは、資料№2について、また私から説明をいたします。先ほどスケジュールについて御議論いただきましたが、これから具体的にどのような事項について検討すべきかについて、事務局から、主な項目についてとりあえず挙げているものです。そういった意味で、4つほど挙げています。まず1つ目として、目安審議の在り方に関して、皆様から議論したいと思っているものはどのようなものがあるか御意見いただければと思っております。この中で、議事の公開ということだけ書いておりますが、これについては、昨年5月の全協の際に、審議が再開した秋以降に議論をしましょうということで合意いただいていたことを踏まえて、とりあえず事務局として書いているものです。これに限らず、皆様としてどのようなことを議論したいかというのを、本日御意見いただければと思っております。
 2つ目のランク制度の在り方については、正にランクをどうするのかとか、区分をどうするのか、ランクを分類するに当たってどのようにしていくのかといった辺りも含めて、御意見をいただければと思っております。それから、参考資料の在り方についても、参考資料は、目安小委での審議にあたっての参考資料ということですが、どのような参考資料を用いるべきか等々、皆様としてどのようなことを検討すべきかをお考えかというのを御意見をいただければと思っております。
 最後、その他としておりますが、この3つに限らず、何かありましたら、(4)その他の所で、何か御意見をいただければと思っております。皆様、いろいろと検討してほしいと思っていらっしゃることがあると思いますので、この場で、正に御議論をいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。
 
○藤村会長
 どうもありがとうございます。ただいまの説明に対して、御意見、御質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。では、大下委員、どうぞ。
 
○大下委員
 御説明並びに御指名ありがとうございます。今後の審議の進め方、検討事項について、私から2つ申し上げます。まず1点目です。昨年の中賃で、私から採決を求めた際に問題提起をしました、最低賃金決定プロセスにおける政府方針の位置づけについてです。近年、経済財政諮問会議での議論を経て取りまとめられる骨太の方針で、賃上げあるいは最賃について、政府方針が示されることが慣例になっております。また、新たに設置された新しい資本主義実現会議でも、賃上げの議論が行われています。我々として、政府がこうした会議を通じて、賃金水準あるいは最低賃金の在り方について、広く意見を聞いて一定の方向性を示す、この事自体は否定しませんが、その内容が中央および地方の最低賃金審議会における審議を実質的に縛るようなことがあってはならないと思います。また、政府方針を検討・提示するのであれば、議論の場には、雇用の7割を占める中小企業の代表を含め、労使の代表がきちんと参画をして、その意見を踏まえた上で政府方針を決定すべきと考えます。
 この問題意識については、昨年の中賃以降、日商として様々な場で、後藤厚生労働大臣、山際新しい資本主義担当大臣、あるいは、坂口厚生労働審議官はじめ厚生労働省幹部の皆様にも、直接、繰り返しお伝えしております。
 ただこの問題は、最低賃金の決定プロセス全体を見た際の問題であって、これからこの協議会で議論する目安審議の在り方そのものの問題とは異なると理解をしております。したがって、今回の全員協議会で協議をして結論を得られるもの、あるいは得るべきものではないと私どもは認識しております。しかしながら、今後の中央および地方の最低賃金審議会における議論が労使双方にとって納得感のあるものになるために、あるいは、これからスタートするこの協議会での議論が意義あるものとなるためにも、押さえておくべき大変重要なポイントと考えておりますので、この場で、問題意識だけ改めて表明をしておきたいと思います。
 もう1点は、検討すべきものとして挙げられている事項のうちの参考資料の在り方についてです。基本的には、法で定める3要素を総合的に示している、賃金改定状況調査第4表を重視した協議を基本とすべきという考え方は変わりませんが、昨年のコロナ禍での中賃では、飲食、宿泊など特定業種の雇用に大きな影響が著しく出ている、この状態をどう捉えるのかということで公労使の意見が相違する部分が見られたと思っております。この点をどう考えるのか。また、雇用の4割が非正規雇用になっています。加えて、兼業・副業といった多様な働き方も徐々に広まっています。こうした雇用・労働の大きな変化も踏まえて、今後の最賃審議に当たって、より的確に、かつ速やかに実態を把握するために、どういうデータを参照し重視すべきか、しっかりこの協議会で検討すべきだと思っています。
 加えて、デジタル化の進展、あるいはビッグデータの活用といったものが進んでいく中で、これまでの統計資料データに留まらず、より的確かつタイムリー、更には簡便かつ正確に雇用や賃金の実態を捉えるデータの収集・活用といった視点も含めて、是非、議論をしてみたいと思っております。協議は5年に一度です。日本の経済社会、雇用、労働は大きく変化をしていますので、協議した内容の全てを令和5年度の中賃審議に反映しなければならないというわけではなく、例えば、今後の労政審等での継続的な検討など、様々な出口も考えられます。議論が散漫にならないように留意をしながら、考え得る問題点について、是非、幅広な議論を行うべきと申し上げておきたいと思います。
 その他検討事項として挙げられている、議事の公開やランク制度の在り方を議論すべきという点については、特段の異論はありません。私からは以上です。ありがとうございます。
 
○藤村会長
 どうもありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。佐久間委員、手が挙がりました。どうぞ。
 
○佐久間委員
 ありがとうございます。それでは、私からも意見を申し上げたいと思います。やはり、先ほどの坂口審議官の総括にもありましたとおり、公労使の三者構成の枠組みを維持していくという点については、もう皆さん一致をしている、重要だということを一致しているところだと思います。今年の最低賃金決定のように、方針が示されランク全体まで金額が決定されるという、今までのルールからちょっと外れた方式では、やはり納得はできません。次回の交渉までもう5か月となってきました。次回の金額の提示についても、本来なら、決め方、ルールを話し合い、それで設けていく必要があるのではないかと思っています。
 先ほどの大下委員の発言でもありましたとおり、政府の新しい資本主義会議とか、それから「骨太の方針」を取りまとめるに当たっても、そういう方針があるのであれば、それは、政府方針、または事務局案ということで、出て来たものをそれに沿った形で審議していくというのも、もちろん一つの方法かもしれません。それを、今後、審議会の方針として、中賃、目安小委員会で検討していくとなれば、賃上げ率、そして消費者物価といった、やはりデータを根拠に算出した、今まで以上に納得できるような数字に基づいて決定すべきではないかと思っています。時々の事情というのはもう外していただいて、明確な計算根拠を示しながら、労使双方で話し合っていく必要があります。それにより、都道府県の地賃に対して、また、私ども中小企業の経営者に対しても、説明をしていくことにつながっていくのではないかなと思います。また、現在の方式で三者合意というのを目指すのであれば、従来の最賃決定のルールを守っていく、これからも守っていきながら、丁寧に合意のプロセスを踏むこと。最初からゴールを決めて審議をしないことというのも、両面として、ルール決めをしていくべきだと考えております。以上です。
 
○藤村会長
 どうもありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。冨田委員、お願いします。
 
○冨田委員
 ありがとうございます。私からは、改めて、今回の全員協議会に臨む労側としての基本的なスタンスを申し上げた上で、検討すべき課題について2点、1点は私から、1点は小原委員から申し上げたいと思います。
まず労働者側委員として、この全員協議会は、目安審議の円滑な運営について検討する大変大事な場であると認識しております。最近は、地方審議会から目安審議に対する様々な意見書なども提出されており、目安に対する信頼感を維持、若しくは回復させていくためにも、今回も労使で率直な意見交換を行うとともに、合意できる点については、少しでも前進させるための議論を尽くしていくべきというスタンスで臨ませていただきたいと存じます。
 その上で、検討すべき課題についてですが、私からは、最低賃金のあるべき水準について提起をしたいと思います。労働者側としては、これまでも、最低賃金法の目的や諸外国の状況などを参考に、ナショナルミニマムとしてふさわしい水準はいかにあるべきかの議論を行うべきだと発言してきました。その意図は2点あります。まず1点目は、絶対額を重視した議論が重要であると考えている点です。ここ数年、今ほども様々な御意見がありましたが、政府方針によって、全体の引上げ率が加重平均で3%を超える水準というものが展望されてきたわけですが、この結果、絶対水準が引上がる一方で、ランク間格差の抜本的な改善はできなかったと認識しております。地方審議会からも、地域間格差の改善を求める声が年々大きくなっていることも踏まえれば、ランク間の配分の在り方を検討する上でも、最低賃金のあるべき水準を労使で議論した上で、年々の審議の中では、最低賃金決定の3要素を踏まえながら、到達年数と引き上げ額を議論するといったような方法もあるのではないかと考えております。
 2点目は、経営の予見性の確保になります。最低賃金の引上げは、少なからず、中小企業経営者の皆様方の経営に影響があることは、労働者側としても認識しており、賃上げしやすい環境を整備するのは当然のことでありますが、それに加えて、今後どのような水準が目標となるのかが明確になれば、それに合わせた経営の対処も、予見性をもって対処することも可能になるのではないかと考えております。いずれにしても、労使で最低賃金水準目標を見定めた上で、その到達に向けて、各年度でどのような歩みを進めていくのかといった議論プロセスを経ることが、労使にとって必要な時期に来ているのではないかと考えておりますので、課題提起をさせていただきたいと思います。2点目は小原委員、よろしくお願いします。
 
○藤村会長
 どうぞ、小原さん。
 
○小原委員
 会長、ありがとうございます。私からは、賃金改定状況調査、先ほどもありましたが、とりわけ、第4表の位置づけについてお願いしたいと思います。賃金改定状況調査は目安審議の重要な参考資料とされてきております。しかし、今一度、その位置付け、それから、数字の解釈について意識合わせをする必要があると考えております。
 近年、審議に出席しまして、特に第4表の解釈について、労使間で大きな隔たりがあると感じております。労働者側としても、賃金改定状況調査が、目安審議の重要な参考資料の1つであることについて否定はしませんが、それだけをもって目安を決めるという認識には立っておりません。また第4表、これは平均賃金の比較ということですので、昨年と今年の労務構成の変化に大きな影響を受ける、このような課題認識を持っております。
 先ほどの中賃の審議で、会長から、労使双方がやむなしという段階まで十分な審議を尽くすというおまとめをしていただきましたが、賃金改定状況調査の位置付け、それから数字の解釈について、全協として共通の認識を持つことが、労使双方やむなしという段階まで十分な審議を尽くすことにつながると考えておりますので、是非、よろしくお願いします。私からは以上です。ありがとうございました。
 
○藤村会長
 ありがとうございました。そのほかございますでしょうか。新田委員、どうぞ。
 
○新田委員
 経団連の新田でございます。使用者側の、大下委員、佐久間委員並びに労働者側の冨田委員、小原委員のご発言を聞いてみて、やはり我々、労使双方は、いろいろと見解が異なる部分はありますが、根底としては、公益委員を含めた三者できちんと議論をして適切な合致点を見出そうと努め、この審議会を非常に大事にしていこうという思いが強いことを、改めて共感、共通認識として確認したところです。したがって、来年の夏の目安審議においても、できれば適切な着地点、あるいは、先ほど坂口厚労審からもお話がありましたように、これまで同様、労使双方が少なくともやむなしと思える状況に至るまできちんと審議を尽くしていくことは、非常に大事と感じた次第です。そうした認識に立った上で、今後再開される目安全協において、我々使用者側、そして労働者側の先生方、そして公益委員の先生方の全員で審議を行って、そこで進めていける部分があれば進めていくというスタンスで臨んでいきたいと思ったところです。
 そうしたバックボーン的なお話をした上で、今、議題になっております検討すべき事項について、私から2点、申し上げたいと思います。1点目は、発効日に関してです。目安審議のスケジュールを変更するということまで言うつもりはありません。ただ、従前、8月中に各地賃で答申がなされて、10月1日の発効日を目指すというスキームで行っておりますが、以前のように、数円単位の引上げではなくて、今は、20円、30円という引上げが行われています。その中で、地方の中小企業の経営者の方々からは、従前に比べて金額が非常に上がっている中で、対応時間としては短すぎるといった、悲鳴に近い声が数多く寄せられているところです。したがって、発効日については、それぞれ地賃で合意できれば、柔軟な対応も可能と認識しておりますので、その点についても、課題認識として、今回どこかのタイミングで検討させていただければと考えております。
 もう1点は、これは、言わずもがななのですが、目安というものの位置づけについて問題提起をさせていただければと思います。目安が地方に示されて、地方の審議会の場において、時々、残念ながら、目安は下回ってはならないという間違った認識を示されるケースが、各地方から報告されています。目安は目安であって、そのとおりでなければいけないわけでもありませんし、それよりも下がるケース、若しくはプラスするケース双方あると思っています。改めて、目安というものはあくまで目安、それを十分参考にしていただきながら、各地方で自主性を発揮して、実態に即した形での答申をまとめていただくという点についても、御議論いただければ幸いと考えているところです。私からは以上です。
 
○藤村会長
 どうもありがとうございました。そのほか、委員の方からございますでしょうか。よろしいでしょうか。この検討事項については、第3回以降に引き続き議論をしていきたいと考えております。次回の開催日程については、事務局で別途調整をお願いしたいと思っております。では、以上をもちまして、本日の目安全協、全員協議会を終了したいと思います。よろしいですかね。どうもありがとうございました。