第1回ワクチンの流通情報の基盤整備に向けた検討会(議事録)

健康局健康課予防接種室

日時

令和3年12月20日(月)10:00~12:00

場所

オンライン

議題

  1. (1)本事業の概要
  2. (2)ワクチンの安定供給に関する主な事例とワクチン流通情報モニタリングの必要性 等
  3. (3)その他

議事

議事内容
  1. (1)厚生労働省 挨拶
    ○事務局 おはようございます。厚生労働省予防接種室の稲角と申します。 室長の鶴田は公務で本日参加できませんので、代わりにご挨拶をさせていただきます。師走のお忙しい中お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。本日は、ワクチン流通情報の基盤整備に向けた検討会ということでございます。これまで、後ほどご説明させていただきますけれども、ワクチンの欠品で医療現場の皆様ですとか、メーカーの方、卸の方、色々な関係者の方にご迷惑をおかけしてきたことがございます。その解決に向けまして、まず流通情報を、どういう状況なのかということを見える化していけないかということを考えて、この検討会を開催させていただきたいと考えております。皆様のご意見をいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
    ○事務局 ありがとうございます。なお、本検討会については、議事内容等について原則公開という予定にしております。あとですね、機材をセットさせていただきましたが、厚生労働省様のYouTubeチャンネルにてライブ配信をしております。配信については、当日の会議中のみとなりますのでご了承ください。URLはこちらになります。(ZoomでYoutubeライブ配信画面を共有)こちらのほうで、皆様との会議はライブ配信させていただいております。また、今回の検討会の要項は資料3に記載がございますので、ご確認いただければと思います。
  2. (2)構成員・参考人紹介、座長挨拶
    ○事務局 ではですね、本日ご参画いただいている委員の皆様をご紹介させていただきます。名簿はお手元にあるかと思いますので、それをご覧いただきながら、最初ですので一人ずつご紹介させていただければと思います。お名前を申し上げますので、一言ずつ委員の皆様方にご挨拶等お願いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。では、あいうえお順でご紹介いたします。千葉県市原市総務部情報政策課デジタル推進室、安藤様。
    ○安藤委員 安藤です。千葉県市原市総務部情報政策課デジタル推進室で、IT部門でシステム管理の仕事をしております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
    ○事務局 よろしくお願いいたします。お二人目、日本医薬品卸売業連合会副会長、一條様。
    ○一條委員 日本医薬品卸売業連合会副会長の一條でございます。今コロナの3回目のワクチンが始まりまして、そちらの方でも皆様と色々な情報共有をしていきたいと思っております。本日はよろしくお願いいたします。
    ○事務局 ありがとうございます。続きまして、日本ワクチン産業協会理事長の今川様。
    ○今川委員 皆様おはようございます。日本ワクチン産業協会の今川でございます。本日は、日本ワクチン産業協会に加えまして、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会、日本製薬工業協会、合わせて4つの業界団体を代表して参加させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
    ○事務局 ありがとうございます。続きまして、福岡県保健医療介護部薬務課監視係長今村様。
    ○今村委員 福岡県保健医療介護部薬務課の今村と申します。流通関係のほうを担当しております。よろしくお願いいたします。
    ○事務局 ありがとうございます。続きまして、日本大学薬学部病院薬学研究室教授の大場様。
    ○大場委員 日本大学薬学部の大場と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
    ○事務局 ありがとうございます。続きまして、日本医師会常任理事の釜萢様。
    ○釜萢委員 釜萢でございます。日本医師会で感染症危機管理の部門、それからワクチンの部門を担当しておりまして、今日は出席させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
    ○事務局 ありがとうございます。続きまして、福岡県保健医療介護部がん感染症疾病対策課感染症対策係長の佐藤様。
    ○佐藤委員 福岡県保健医療介護部がん感染症疾病対策課の佐藤と申します。感染症関係、ワクチン関係を担当しております。よろしくお願いいたします。
    ○事務局 ありがとうございます。続きまして、日本病院薬剤師会副会長の林様。
    ○林委員 おはようございます。日本病院薬剤師会副会長の林でございます。虎の門病院に勤務しておりまして、色々な各方面の皆様にお世話になっております。今回の会議どうぞよろしくお願いいたします。
    ○事務局 ありがとうございます。続きまして、大阪市立大学大学院医学研究科公衆衛生学教授の福島様。
    ○福島委員 大阪市立大学の福島と申します。本日はよろしくお願いいたします。アカデミアの立場で参加させていただきます。
    ○続きまして、参考人にうつります。第一三共株式会社ワクチン企画部業務推進グループの出羽様。
    ○出羽参考人 第一三共株式会社の出羽と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。ワクチンのマーケティング関係を十数年やっておりまして、本日参加させていただいております。
    ○事務局 ありがとうございます。続きまして、JD-NET運営委員会運営委員長の近江様。
    ○近江参考人 EAファーマ株式会社の近江でございます。原籍はエーザイ株式会社でございまして、JD-NET運営委員会の運営委員長を務めさせていただいております。よろしくお願いいたします。
    ○事務局 ありがとうございます。続きまして、エンサイス株式会社取締役の木村様の代理として、滝沢様にご出席いただいております。
    ○滝沢参考人 おはようございます。エンサイス株式会社の滝沢と申します。本日代表の木村でございますけれども、すでに予定が入っておりまして、私が代表して出席させていただきました。よろしくお願いいたします。
    ○事務局中西 ありがとうございます。最後になりますが、日本ワクチン産業協会の今川様の随行人として、植村様にもご出席いただいております。
    ○植村随行人 植村でございます。よろしくお願いいたします。
    ○事務局 ありがとうございます。なお、今川様はご都合上11:45頃に退席する旨ご連絡いただいております。
    本検討会の座長につきまして、先ほどご紹介いたしました、日本大学薬学部病院薬学研究室の大場様にお願いしたいと考えております。今日ご出席の方で異議等ございましたら、ご発言いただければと思いますがいかがでしょうか。 (全員発言なし)
    異議等無いようでございますので、座長として大場先生にご進行をお願いしたいと思います。大場先生よろしくお願いいたします。
    ○大場委員 よろしくお願いいたします。
  3. (3)本事業の概要
    ○大場委員 それでは早速ですけれども、議題のほうを進めさせていただきたいと思います。議題の(3)、本事業の概要について事務局の厚生労働省の担当者様からご説明よろしくお願いいたします。資料3本事業の概要をご覧ください。
    ○事務局 厚生労働省予防接種室の賀登でございます。よろしくお願いいたします。まず、資料3の1頁目をご覧ください。本事業概要の背景でございます。これまでに定期接種で用いるワクチン、任意接種等ではなく定期接種で用いるワクチンについて、不足や偏在の事例が繰り返されているのが実態と思っております。その場合に、現状では実態の把握や分析能力というところに課題があると認識しております。具体的には、そのことによって具体的に偏在是正の対応をとることが、正直にいってなかなか難しい状況ではないかなと思っております。一方で、エビデンスを今よりも充実させることができたとした場合には、関係者に実効性のある対応を求めるということ、また、過剰な対応による不要なコストだったり、機会損失を低減するということを含めまして、過不足のない真の意味での適切な対応ということが実現することができるのではないかと思っております。また、改善効果を確認できるというような、PDCAサイクルを回すことができるという点でもメリットがあるかと期待しております。そういったことがございまして、本事業では、まず関係者の皆様、メーカー様など様々なステークホルダーが保有するデータとか、種々ありますマスタ情報などを組み合わせることによって、集計方法の標準化だとか、偏在や不足の実態をモニタリングする方法というものを整理・確立するということを目的とした会議を開催させていただきたいなと思っております。具体的には、4回ほど年度内に開かせていただきまして、今言いました、このモニタリングの方法について一定の成果を出せたらいいなと思っておりますので、建設的なご意見どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
    ○大場委員 この後、議題の(6)でもご協議いただくわけですけれども、今ご説明いただきました資料3に関してご質問やご意見等ございますでしょうか。(全員コメントなし)
    それでは先に進めさせていただきたいと思います。
  4. (4)ワクチンの安定供給に関する主な事例とワクチン流通情報モニタリングの必要性
  5. (5)関係者が保有している情報
    ○大場委員 資料4ワクチンの安定供給に関する主な事例とワクチン流通情報モニタリングの必要性と、資料5関係者が保有している情報をご覧ください。こちらについては、事務局のアクセンチュアのご担当者からご説明をお願いいたします。
    ○事務局 資料4と資料5、続けてご説明をさせていただきます。まず資料4でございます。こちら、ワクチンの安定供給に関する主な事例とワクチン流通情報モニタリングの必要性ということで、ワクチンの流通に関する主な事例をまとめております。今お示ししております2頁目でございますけれども、古くは2000年代以前からワクチンの供給に関しては課題が発生していたというところでございます。2つ目の枠が2000年から2014年、2015年、2016年と、各年ワクチン流通に関する課題が生じてきているというところをお示ししております。こちら個別の情報に関しましては、本日時間の都合もございまして割愛させていただきますけれども、次もページをおめくりいただきまして、2017年から2021年まで各年生じている事例といったところを掲載させていただいております。こちらが、資料4という形になりまして、ワクチンの安定供給に関する主な事例となっております。
    次の資料にうつらせていただきます。次に資料5のご説明をさせていただきます。こちらは今回ワクチンの流通に関する検討というところで、関係者の皆様が保有している情報をまとめた資料となっております。資料の1頁目でございます。こちらにワクチンの流通情報の全体概要ということで、ワクチンの流通にかかわる関係者の皆様とワクチンの流れ、そして関係者の皆様が持っていらっしゃる情報の概要をお示ししている資料でございます。それぞれ業務に関係するデータをお持ちになっていらっしゃいまして、業務の流れによってやり取りをされていらっしゃるという概要を示した資料になっております。2頁目以降でございますけれども、こちらの資料の内容でお示しした各関係者の方が持っていらっしゃる主なデータといったところの内容を少し詳しく記載したのが2頁目以降の資料となっております。まず2頁目ですけれども、製薬企業(ワクチンメーカー)様がお持ちになっている情報といったところでまとめております。こちら以降の資料でございますけれども、表の中で各関係者の方がお持ちの情報と、それにまつわる標準化ですとかデータクリーニングの情報などをまとめまして、上のピンクの枠に全体まとめたに内容のほうを記載しております。まずワクチンメーカー様ですけれども、保有データとしては表の一番上の行になりますが、自社管理している主なデータとしては生産量ですとか卸売販売業者様への出荷量、メーカーごとの在庫量といった情報をお持ちでいらっしゃるということを記載しております。また、これらの情報に関してどういったコードやマスタで管理されているかといったところも表の中にお示ししておりますが、商品コードですとかマスタに関しては、統一商品コードマスタといったもので管理をされていらっしゃるというところ、また、卸売販売事業者様のマスタに関しては各社独自のコードで管理されていること、納品先の医療機関に関しましても独自のコードで管理されていらっしゃるというようなところを記載しております。また、外部から入手して管理している主なデータとしましては、自社製品の医療機関への販売実績のデータということで、こちらに関しましては、卸売販売業者様から各メーカーのほうに契約に基づき情報提供がされているというといったところを書かせていただいております。これらに関しましては後ほどの資料にも掲載してございますが、JD-NETなどのデータ交換のインフラを通して提供されていらっしゃるといったところですとか、商品コードやマスタなどについてはそのインフラで使われる統一商品コードマスタが使われていること、また医療機関のデータに関しましては、各卸売販売業者様で設定している医療機関コードをそれぞれのワクチンメーカーが自社システムで各自社コードに変換して管理されていることなどをお示ししております。2番のところになりますと、自社製品の卸売販売業者の在庫量というところで記載をしております。こちらについてもJD-NETなどを通して報告を受けているといったケースがあるということで記載をさせていただいております。なお、今後の資料はすべて共通ですけれども、各関係者の方からのヒアリング情報に基づきましてまとめさせていただいた情報でして、詳細については各社・各組織によって状況は多少異なるといったことをご承知いただければと思います。といったところで、標準化ですとかデータクリーニングの状況などについては、情報のやり取りをJD-NETという機関でやり取りされていますので、業界標準マニュアルに基づいて入力されるといったところでデータ項目が統一されているということ、また商品のコードには統一商品コードが用いられている場合が多いが例外も存在するということ、納入先の医療機関のデータに関しましては各社独自のコードが多くなっていること、管理している情報はIR情報等の公表情報の根拠データとして活用されるため一定の信頼性が認められるといったところをまとめております。こういったところをまとめますと、上のピンクの枠になりますが、ワクチンメーカーでは生産量、出荷量の自社データを管理するだけではなく、卸業者から医療機関への販売実績を日々卸業者から入手し自社システムで管理していること、各社のシステム内で必要な業務に支障は生じないが独自マスタで運用しており、各社のデータを統合することは容易でないといいたところを記載させていただいております。
    同じような形で、3頁以降は卸売販売業者様がお持ちの情報をまとめております。次の頁をめくっていただきまして、同じように表のほうで各会社様のほうで管理されているデータについてまとめております。まず一番上はワクチンメーカーからの入荷データ、こちら入荷のデータなどもJD-NETなどでやり取りされていらっしゃるというところで統一商品コードを使われているということを記載しております。また、医療機関別の販売実績につきましては先ほどのワクチンメーカーのところでご説明いたしました通りでございます。商品コードについては統一商品コードが使われており、医療機関のマスタデータに関しては、各社独自のコードが使われているといったところでございます。また、こういった情報に関しましては、ワクチンメーカーに報告されるとともに、エンサイス社様等の調査会社に契約に基づき提供されているといったところの記載をしております。また、各社、卸売販売業者様がお持ちの在庫量につきましても、ワクチンメーカーの資料にて記載させていただいておりますが、契約によってメーカーに報告をされているといったところでございます。標準化・データクリーニングの状況についても、先ほどのワクチンメーカーと共通の内容で記載させていただいております。まとめのピンクの枠になりますが、卸売販売業者は入荷量、出荷量等の自社データを管理するとともにワクチンメーカーに対して医療機関への販売実績を日々提供しているということ、また、各社のシステム内で必要な業務に支障は生じないが独自マスタで運用しており、各社のデータを統合することは容易でないということになっております。
    次に4頁目にうつります。4頁目でございますけれども、参考情報としてJD-NETについてご紹介を掲載しております。こちらですが、先ほど1頁目にもございましたが、ワクチンメーカー・卸売販売業者の間で情報のやり取りをするための基盤として用いられているシステムというところでご紹介をさせていただいております。内容等につきましては掲載のとおりでございますが、かつてはそれぞれの製薬メーカーと卸売販売業者がやり取りをしなければならなかった情報を、JD-NETが存在することで情報伝達の業務を単純化・効率化することができているということでございます。活用の典型例としましては、表の2行目にございますけれども、ワクチンメーカーと医薬品卸売販売業者との間で発生する受発注データ等を、ネットワークを介して安全かつ確実にやりとりすることができるという特徴がございます。こちらでやり取りされる情報に関しましては、こちらの表の活用実態の典型例の下に掲載してございますが、あくまでデータ交換のプラットフォームであってやり取りされたデータの蓄積ですとか保管、あるいは提供等のサービスは実施されていないということでございます。また、通信内容につきましては、当事者以外は閲覧できない規約になっているといったようなこともございます。以上、簡単ではございますけれどもJD-NETについてご紹介をさせていただきました。
    5頁目、6頁目に関しましては、こういったやりとりで使われております業界標準マニュアルの抜粋と、医薬品統一商品コードの仕様になっております。参考情報としてみていただければと思います。
    次に7頁目にうつります。7頁目でございますけれども、エンサイス株式会社が保有している情報ということで、エンサイス様の事業の概要ですとか保有データについて記載をさせていただいております。こちらですけれども、会社概要でございますが、設立経緯といたしましては医薬品卸売販売業者19社が中心となって2012年に設立されたというところでございます。こちらのエンサイス様のデータをどのように活用されているかというところと、保有データはどういったものをお持ちかといったところをご紹介させていただきます。先に表の保有データのところでございますけれども、保有データにつきましては、外部から入手しているデータということで、卸売販売業者からこちらのエンサイス社のほうに情報が提供されているという形になっております。内容は卸売販売業者から医療機関への販売実績ということになりまして、医療機関のマスタはメディコードやアルトマークなどを、医薬品マスタはメディコードを使い、卸売販売業者から情報が提供されているという形になっております。これらの情報につきまして、上の活用実態の典型例というところになりますが、整理された地域別、医薬品別の医療機関への納入実績等を製薬企業等が医薬品の情報提供ですとかトレーサビリティなどに活用されています。また、医薬品の需要予測ですとか生産計画に関しても活用されているということを記載しております。こういったデータに関しましては、制約事項のところにございますけれども、事業者別のデータですとか納入価格データなどのデータは取扱していないことですとか、医療機関別のデータについては処方医が特定出来ないように配慮されているということでございます。簡単ではございますが、エンサイス社様のご紹介でした。
    続きまして、こういったワクチンが卸売販売業者様から医療機関に流通していくといった過程のところで、次は医療機関が所有している情報について8頁に掲載しております。医療機関が所有している情報というところなんですが、こちらの下の表のほうに注記を書かせていただいておりますが、実際に納品を受ける医療機関の規模ですとか、診療所なのか病院なのかといったところでも、かなりデータとしての取り扱い状況には差異が大きいため留意が必要というところを書かせていただいております。こちらの表に関しましては、ある程度システムを導入されている中規模から大規模の病院の事例をもとに記載したものでございますので、病院によって差があるといったところをご留意いただければと存じます。まず、病院に関しましては自施設で管理している主なデータということで、まずは医薬品としてのワクチンそのものに関する管理データ、もう一つは接種の実績に関するデータというところがございます。前者に関しましては、医薬品購買・使用・在庫管理に関するデータというところでまとめさせていただいております。受発注などに関します取引先の卸売販売業者のリストですとか、発注・入荷量といったところを把握されているということになります。こういったところは、医療機関が導入しているSPDのシステムなどによっても使用しているコードが異なるところでございますが、GTINコードなどが使われているといったことをまとめております。入荷ですとか使用、廃棄、在庫、返品等といった物の管理に関しましては、こちらもSPDシステムで設定されているGTINコードなどを通して管理がされているということを記載しております。また、接種の実績に関しましては、接種実績データということで実際に接種しましたという記録に係るデータとなります。こちらについては、電子カルテを導入していれば電子カルテ、あるいは紙媒体であれば紙のカルテなどに記録がされているということになります。こういったところで記録される内容につきましては、ワクチンのコードとしては医薬品HOTコードなどが使われているということでございます。これらの接種実績に関しましては、保有データの一番下の行になりますが、接種費用の請求を行うために、紙媒体の予診票を市町村に提出するというやりとりが市町村と発生するという形になっております。こういった状況を上のピンクの枠でまとめさせていただいておりますが、医療機関は、病院・診療所の規模、運営体制、電子化状況等の違いにより、データの保管管理の方法が異なるですとか、導入システムの種類やその範囲などが異なり様々な運用形態が存在しているということ、また、接種実績や院内の在庫量の集計をしようとすると運用形態の多様性がございまして、そういったところを含め多くの課題を解決する必要があるということも記載させていただいております。
    市区町村に関する資料にうつります、9頁でございます。こちらですが、市区町村が所有している情報ということで自治体がお持ちの情報についてまとめております。こちらにつきましては、保有データというところに関しましては基本的に接種を実施する対象者の方に関する情報と、接種を実施する医療機関に関する情報をお持ちというところで下の表にまとめております。接種予定者数、こちらに関しては住民基本台帳の年齢に基づくデータをもって管理をされていらっしゃるということを掲載しておりまして、定期の予防接種を実施する医療機関に関しては自治体により多少管理方法が異なるところかと思いますけれども、医療機関に関するコード共通のコードですとか、あるいは自治体独自のコードで管理をされているというところを記載しております。また、接種の実績に関しましては、先ほどの医療機関の資料にも掲載しておりますが、こういったコードを使いつつ実際に各医療機関からの請求、予診票の提出数でカウントをして管理をされているというところでございます。また、この接種実績に関しましては、予防接種台帳の作成という業務がございまして、接種者のどなたが接種をしたか、住所・氏名・生年月日や、予防接種の種類、接種量といったところをですね、医療機関から提出された予診票から転記する形で予防接種台帳を作成されているということになります。こちらについては、主に取りまとめが月次になりますので、月末締での取りまとめということになります。こういったところをまとめますと、上のピンクの枠になりますが、定期接種の実施主体である市町村では定期接種を実施する医療機関リスト、対象者、接種実績等を管理しています。医療機関リストは、自治体ごとで管理方法が違い、医療機関コードと独自コードで管理しています。接種実績等は予防接種台帳で個人毎に管理しているが、現在の運用では、紙媒体の予診票を台帳にパンチ入力する方法が主流である。また、ワクチン不足が生じた場合でも、基本的にワクチンの流通情報を入手できる立場ではないため、情報収集や対応は困難というところを記載させていただいております。以上が、市町村が所有している情報となります。
    最後に10頁でございますけれども、日本医師会様の方で作成しているワクチン納入状況報告システムのご紹介し料を添付しております。こちらにつきましては、経緯のところをご説明いたしますと、ワクチン需給状況と医療機関の不足感とのギャップが生じていること受け、日本医師会で作られたシステムというところでございます。こちらについては、2019年7月から運用を開始されています。システムの特徴でございますが、ワクチン不足を感じた医療機関がワクチンの種類等をシステムに入力する形となっております。そういった入力を受けまして、入力があった医療機関数を日本医師会にて都道府県別で集計をし、ホームページで公表をされています。こちら、2週間に一度の更新ということでございます。このシステムなんですが、不足を感じた場合に限って会員医療機関が任意のタイミングで入力をされるものですので、情報の網羅性はないということですが、下の方にイメージをお付けしておりますけれども、想定としましては需給バランスが落ち着いているときは青でマップが表示されて比較的落ち着いているという状況、報告数が多くなってきますと報告数に応じて赤がついてきまして、需給バランスが乱れているといったところが見て取れるようなことを想定してシステムが作られているという形になっております。入力項目に関しましては、下の表に掲載のような情報を入力していただいているということでございます。以上で、資料5として関係者の方がお持ちの情報のところをまとめた資料のご説明は以上となります。
    ○大場委員 ありがとうございました。それでは、資料4と5に関して、厚生労働省のご担当者様、特に補足や追加等ありますでしょうか。
    ○事務局 大丈夫です。
    ○大場委員 ありがとうございます。では、資料4・5に関しまして、構成委員の皆様方よりご質問ご意見を伺いたいと思います。特に、資料5に関しては、関係者の皆様からヒアリングされた情報ということですので、補足説明等がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
    ○釜萢委員 皆様何もなければ私から話をさせていただければ。医療現場においてワクチンの供給が円滑に実施されるということは極めて重要で、メーカーの方、また、卸の業者の方の日々の大変なご努力の中で、医療機関にワクチンが提供されるわけです。今の直近の話題としては、新型コロナのワクチンについて3回目の接種のワクチンがどういう風に供給されるのかというところは非常に関心を集めておりますが、定期の予防接種というものについては、基本的には、接種医療機関による個別接種で行われる場合がほとんどで、したがって、医療機関にワクチンが配られて適宜希望者に接種するという形になっていますが、今回の新型コロナについては、急いで短期間の間にワクチン接種を大幅に進めなければいけないという強い要請がありましたので、地域における大規模の接種施設、また自治体の集団の接種施設、医療機関の個別の接種、それらの役割が幸いに大変うまく機能して、当初の予想よりは1・2回目の接種については実施できたわけですけれども、通常の定期の予防接種はほとんどが個別接種で現状は行われておりますので、それぞれの接種医療機関に円滑にワクチンが供給されることは極めて重要です。今日おまとめいただいた資料4に過去の経緯がありますけれども、色々なやむを得ない事情等によって、ワクチンの供給が残念ながら滞るという事例が、ここに書かれているようにたくさんあるわけですね。その都度、厚労省、特に予防接種室では、大変なご苦労いただいているわけですけれども、医療現場でワクチンが不足しますと、これはどういう状況なのかという問い合わせを、地元の医師会あるいは都道府県の医師会に照会をするという風に医療機関は対応します。しかし、それではなかなか状況はわからないということで、日本医師会に対してこのワクチンがこの地域で不足しているということを、当初は電話で連絡、あるいはメールで連絡してくるという体制だったわけです。特にあちこちでワクチン不足が深刻になりますと、とてもその対応を事務局でも十分できないということになり、そういう情報をなるべく一元管理しやすいように、そして早期に情報収集したいという思いから、資料5の10頁でご説明いただいた仕組みを整備いたしました。現状でもワクチンの不足の訴えはあがってきますが、直近のところでは、情報提供も国から円滑に、また迅速にしていただいていることもあって、現場がすごく混乱するという状況はかなり回避されていますけれども、今後も色々な、例えば、ワクチンの製造を中心的に担っておられるような工場が建っている場所で大きな災害が生じたような場合に、急にワクチンが全然供給されないという事態は、今後も大いに予想されることなので、今回の取り組み、またこういう仕組みを構築していただけることは非常に重要であります。本日は、それぞれのお立場の皆様から、色々ご意見伺えることを期待して出てまいりましたけれども、私からのお願いといたしましては、情報の共有化に関してですね、情報の流れを今ご説明いただいた通り、大体この辺りは皆様共通の認識だと思いますが、この情報の共有化あるいは情報の流れについて、もう一度確認して、脆弱な部分がないかどうか、あるいは大きな問題点がないかというところをぜひ大場先生に取りまとめていただきたいなと願っております。よく問題になる頻度が高いものとしては、インフルエンザのワクチンがあります。インフルエンザのワクチンは、これまでの経験からしますと、大体10月1日から打ち始めるわけですけれども、提供される時期がどの時期に集中するのか、例えば、去年の2020年を振り返りますと、わりあい早い時期にこれまでにない量のワクチンが供給されました。今年の2021年については、新型コロナワクチンの製造との関連もあると伺っていますが、当初10月初めに使える季節性インフルエンザワクチンの量が少し足りないということが情報としては、早い時期にお知らせいただいていたわけですけれども、そこで医療機関としては、予約を取る時期を通常よりも遅らせて対応しなければいけないというようなことをしてきました。もう12月末でありますが、ここまでの状況を踏まえますと、その後の供給についてはある程度円滑にやっていただいているので、大きな混乱は起こっていませんけれども、多分12月末までには打ち終わらないで、1月に一部回るであろうと思います。そこへ今度は、新型コロナの3回目の追加のワクチンの接種をどうするかという問題は注視していかなければいけない、インフルエンザのワクチンは、1月中くらいは接種の需要があると思っていますので、リアルタイムの情報をしっかり関係者が共有してくことが必要だろうと思います。長くなって恐縮ですが、ご説明いただいた中で1点、明らかにしておきたいなと思っておりますのは、卸さんからワクチンが納入されたという情報は、すぐにメーカーのほうにご報告されるということは承知しておりますし、それは適切だと思うのですけれども、卸さんから医療機関に納入した情報を、情報収集する会社に提供されるということについて、どのような内容がそちらに提供されているのか、医師の名前は入っていないという説明がありましたけれども、医療機関名と納入されたワクチン量についての情報が提供されているということは、医療機関がそこのところをしっかり認識しているかというと、私としては、十分認識されていないんじゃないかというふうに思っておりまして、このことは不適切な運用だとは感じませんけれども、その辺りはきちっとそういう風に運用されているんだということについては、理解あるいは合意をしたうえで対応したほうがいいように感じておりまして、そのあたりのところの経緯と現状について教えていただきたいと思っております。
    ○大場委員 すでに議事(6)のフリーディスカッションに近い形で進んでおりますけれども、今先生がおっしゃられたように、情報の共有の流れを確認して、どこに問題があるのかというのは、まさに今回その点を明確にして次のプロセスへということですけれども、今ご指摘のあったことに関してまずは、エンサイス社様、ご補足等の説明をいただけますか。
    ○滝沢参考人 医療機関様が、弊社が出している情報を認識しているかという点でございますけれども、それに関してはご認識がないかと感じております。ですので、弊社がデータをご提供させていただいている先でございますけれども、メーカー様と卸様に対してデータを主に出しております。
    ○大場委員 一條先生からもコメントいただけますでしょうか。
    ○一條委員 卸としては毎日販売データを出しています。そして、卸の在庫データはJD-NETでは1ヶ月に1回しか出していないので、偏在その他を調整するというのは、エンサイス様と一緒に、需要の予測やコスト削減のために共同開発をしております。先生方に迷惑をかけないように安定供給と、コスト削減と、それによって医療費の削減ができないかということでちょうど共同研究をしている最中でございますし、釜萢先生からご意見いただいたのは確かにその通りで、その点きっちりやっていきたいと思っております。やはり、インフルエンザも、今回も、最初に足らないという意識がちょっとあったんですが、そんなに現場は混乱していなかったです。ですが、そういう情報がはしることによって、現場で大きく注文が来たり、色々なことが起きています。それを、偏在をなくす共同研究をやらせていただいていまして、そういう意味でデータを使わせていただいています。確かに先生がおっしゃる通りで、しっかり医療機関の方々と情報伝達をしていきたいと思っています。でも、今特に、どちらかというと調剤薬局のデータ、こちらのほうのやり取りで、迷惑をかけないようにやっているのが中心になっています。
    ○釜萢委員 ありがとうございます。今の点についてはわかりました。
  6. (6)上記を踏まえたワクチンの偏在・不足の実態モニタリングの方法に係る協議
    ○大場委員 それでは、他に何かご意見等ありますでしょうか。本日はフリーディスカッションという形で、自由にご発言・ご議論いただければと思っておりますけれども。
    ○今川委員 日本ワクチン産業協会の今川でございます。我々メーカーとしても、ぜひしっかり取り組まないといけないということは重々理解しております。我々が持っている情報につきましては、先ほどアクセンチュアの方からご説明があったところでありますけれども、質問というか、何を課題だと思っているのかということを共有させていただきたいなと思っているのですけど、まずこの、ワクチンの偏在ということなのですけれども、それが偏在なのかどうかということをどうやって確認するのかということがあるかなと。具体的に言いますと、例えば過去の納入実績が低いけれども、現時点で過去の2倍になっていますといっても、それが本当に偏在なのかあるいは過剰の発注しているのかということまではわからないと。本当にそういう予約が入っているのかもしれないしということもあります。そうなりますと、実際には予約状況だとか、あるいは接種実績だとか、あるいは医療機関における在庫量だとか、ちゃんと捌けていってますよ、というのをしっかりわかってますと、それは偏在ではないということになるんですけれども、そういったところがハッキリしないというのは、この問題を解決するための一つ課題ではないのかなと思っています。
    ○大場委員 確かに、製薬企業、卸、医療現場、行政の中でおそらく管理する目的が違っていると思いますので、その中でうまく共有できるものを共有しながら、また、医療現場と行政の中での実績をきちんと管理していくことで偏在化というものが少し見えてくるような気がしますけれども、その辺については、今後さらに詰めていきたいなと思います。
    ○今川委員 我々としましては、注文がありましたらお届けするというのが我々の仕事でありますので、その後の偏在かどうかというところはもう少し紐解けるところがあるのかもしれないかと思っております。
    ○事務局 事務局から少しよろしいでしょうか。今川先生からのご発言について、過去の事例を踏まえて少しコメントさせていただきます。ワクチンが不足の疑いとか偏在がというようなニュースが出たときに、真に困る方々というのは、定期接種を受けたいのに受けられなかったというところが、真のアウトカムのポイントかなというふうに思っております。そう意味でいうと、毎年約100万人の子どもが生まれていて、その生まれている時期はだいたい去年と今だったら一緒だという風に前提を置くと、接種スケジュールというのはだいたい決まっておりますので、需要の波というのは、対前年度で大体同じになるだろうと思っております。そういう意味で、対前年度と比べたときの接種実績というものが、従来であれば100%が想定されるところ、それが80%、60%になっているということであれば、何かしらの理由、おそらく、ワクチンが届かないということによる弊害が出ているんだというふうなモニタリング指標になろうかと思います。そういう意味で申し上げますと、資料5の1頁のところですね、接種実績が実際にわかるのは医療機関さんの方で、それを取りまとめるのは市町村になるわけですけれども、そこのところに、今の所だと予診票を紙で郵送するという運用が行われていますので、その把握ができるのに1、2ヶ月かかるとすれば、その情報があがってきても、少し遅い情報というようなものになるのかなと思いました。ではその、医療機関から接種を希望される方への接種実績というのが見られないとすると、もう一段前に戻ると、卸さんから医療機関への納入実績というものが、対前年度比で同じだけ流れているのか、それともそうでないのかというようなところが一つのモニタリングの代替指標になるのではないかと思います。その時に、全国でいうと対前年度比100%が担保されているのか、47の都道府県によってどうなのか、市町村によってどうなのか、医療機関によってどうなのかというところを見ていくと、偏在なのか不足なのかというのが、絶対的な切れ目はないような気がしますけれども、だいぶ状況が見えてくるのではないかと考えます。
    ○今川委員 ありがとうございます。
    ○大場委員 その他、ご質問・ご発言等ございますでしょうか。
    ○釜萢委員 今偏在という話が出ましたけれども、偏在というのは、地域によって、ある県では不足感がないけれども、ある県では非常に不足しているというのが過去の事例でもありまして、足りないのが全国同じように起こっているわけでは必ずしもない場合もあると。その場合に、ある程度国のリーダーシップの下で実際に配られた事例があるということは承知していますけれども、これまでの経験を踏まえますと、なかなか不足県に対して地域ごとの細かい調整というのは実際には難しかったなという気がします。この地域における偏在がひとつあります。それから、医療機関間のものは、不適切に注文をしてたくさん抱え込んでしまっているというところが過去には確かにありました。そして、この問題は、私が申しあげるのも恐縮な気がしますけど、やっぱり返品ということを、私どもは返品は絶対あってはいけないと強く認識をしていますけれども、それが医療機関の中で共通の認識になっていないということもまた事実でありまして、多く発注して余ったらばまた引き取ってもらうというようなことが、本来生物学的製剤ではそうあってはならないと思うのですけれども、実際にまだそういうことが行われている面があることも事実だと思いますので、それは是正をしなければならない、きちっと処理できる、接種できる量を卸さんに発注をして、速やかに納入していただくということ。沢山いっぺんにということでなくて、必要に応じてとるということ。また、医療機関の側からしますと、予めちゃんと確保しておかないと不安だとかですね、いざというときに足りなくなるのではないかというような意識もあるのですけど、それは卸さんとの信頼関係とか、あるいは情報の共通化を図ることによって、そういう無駄をなくすということは非常に大事だろうと思います。また、最近は卸さんからも不足しそうだとか、あるいは非常に供給がタイトになりそうだという情報は、いち早く教えていただいていると認識をしておりますので、そういうところは非常にありがたく感じますが、適正に発注させていただいて、そして迅速に接種ができるようにするというところについて、医療機関側の心構えやあるいは努力を、もう一段図らなければいけないなというふうに私自身は強く認識をしているところです。ですから、不足には、そういう医療機関において不適切にたくさん抱え込んでしまっているというようなものがもし仮にあるとすればですね、そこは最終的にしっかり公表して、そして不適切を是正していかないと、貴重な資源ですから最終的に無駄になるということは何としてでも避けないといけないと思うので、そのあたりのところも最終的に、もちろん私たちの中での合意を形成しなければならないけれども、公表によってそこのところは大いに改善できるのではないかというふうに期待をしております。
    ○大場委員 モニタリングとは直接関係ないかもしれませんけども、一方で医療機関側のそういった部分もあるということですね。そのほかに何か、ご意見等ございますでしょうか。
    ○林委員 皆様のご議論、ごもっともなご解説やご指摘というふうに伺っておりました。先ほど資料4でもご説明いただきましたように、ここ数年のワクチンの供給の不安定さの出発点になっているのは、地震であったり、ある種の感染症の流行であったり、会社さん側での製造ラインの問題であったり、針の不具合です。医療現場に勤務して医薬品の在庫管理や供給を扱っている病院勤務薬剤師の認識としては、昔は確かにそういうご施設があったかもしれないのですが、どこかの病院がたくさんの在庫を抱え込んでということは、今むしろ、ほとんど、必ずしも生じていなくて、ディーラーさんとメーカーの皆さんと今年の供給量はどのくらいですかというような情報を予めいただいていますので、もしそれに問題が生じそうな可能性があるときには、院内で医師・薬剤師・事務が相談をしまして、接種のスケジュールなどを患者さんへ案内もしつつ、調節をしているところと認識しています。私が見聞きする範囲で、知りうる範囲では、買いこみというほどのものではないのだろうと思います。ただ、私もすべての施設のことを把握しているわけではないので、もし多めに買ってしまって返品などという状況が生じている施設があるとすれば、そこは改める方向でさらなる周知をしていかなければならないと思いますが、実際には、先ほどの資料4でお示しいただいているように、大きな流通の問題が発生するときは、上流の方でなにがしかの一定の要因もあって、それをご周知いただいて、医療現場もそれに対処すべく接種スケジュールや購入スケジュールを現実的には調整しているという実感がございますので発言させていただきました。また、一方で、医療現場で、接種した履歴がうまく電子的に、すべての施設で把握できていれば納入実績と接種実績の差からある意味在庫が割り出せますし、在庫管理を電子的にしていればそれももちろんできるわけなのですが、私どもの調査や厚生労働省の方の提示されている資料を見ても、接種履歴を把握するためには、電子カルテとかオーダリングのなかで接種したという電子データが発生して、それを在庫マスタ、在庫管理システムのほうにフィードバックして、それから引き落として在庫減を見るようなことが必要です。例えば私どもの病院では、今一般の医薬品についてはできているのですが、ワクチンについては薬価請求するような仕組みになっていないもので、そこが完全にシステムデータ上にはのっていないというのがワクチン特有の問題としてございます。また、日本全国での電子カルテの普及率というのを見ると、大規模施設や診療所の先生方の中にも、かなり電子カルテが入ってらっしゃる施設が増えているということは承知しているところですが、大規模施設に限ると8割、9割というような数字も認識はしておりますが、病院・診療所全体ということになりますと、むしろおそらく50~60%くらいなのではないでしょうか。そうなってくると、そこから使用実績を電子的に求めるということが、先ほどの資料5にもありました通り、少し難しい現実があると思っています。昨今の状況を見ると医療現場にこれ以上急激な負担をかけるというのも、医療の継続性ということから考えると、なかなか無理はできないんじゃないかなと感じております。そうすると、先ほどのご議論にありました通り、基本は前年度比実績で、納入実績が大きく突出しているご施設をデータ上把握していただくということだとお話から認識しておりました。ワクチン外来を新たに開設したとかですね、そういう必然性のある理由のフィードバックがない場合には、在庫の確認等のコミュニケーションをしていくという方法によらないと、在庫の状況の確保を、すべてを電子的にするというのは、現実的にまだ難しいわが国の現実があるのかなという風には感じております。しかし、長期的に見れば、こういう会議を通じてそういったものがより電子的に把握できる体制整備がされていくように、厚労省の皆さんのご指導をいただいたり、業界の皆さんと一緒に前へ進んでいくということについては、是非日本病院薬剤師会としても取り組むべきだろうという風に認識してお話を伺っていました。
    ○今川委員 林先生ありがとうございます。日本ワクチン産業協会の今川です。安定供給に不安を生じさせる要因は様々でございまして、ご迷惑をおかけして大変申し訳ないと思っております。ただ、自然災害でありますとか、新型コロナが流行したことによって資材が手に入らないという場合もあるんですね。世界中で新型コロナのワクチン製造に集中してしまって、いつもでしたら発注したら一定の期間で入手できるフィルターだったりとかシリンジがありますけれども、それが半年かかっても来ないですとか、そういうことも出てきてしまうのが現実でございます。我々ができうることは、そういう様々な事象が起こるあるいは起こりそうだということがわかり次第、タイムリーに早く情報を出して先生方に共有するということかなと思っております。メーカーの責任で品質上の問題でとめる場合もありますけれども、できうることはしっかりやっていきます。
    ○林委員 日頃より早めに早めに情報提供をいただいて、我々に体制を整備する機会を頂戴していたり、今回の新型コロナのワクチンの件では、本当に関係者の皆様が最大限の努力をした、皆様の力の集約のなかで現在の接種率の状況が達成されていることを承知しておりますので、基本的に関係の製薬企業の皆様、医薬品卸の皆様、またそれをご指導いただいている厚労省の皆様に、大変感謝しておりますし、これからもよろしくお願いしますという状況です。今日の趣旨は、さらに偏在とか供給をよりよくしようというお話でしたので、原因がどの辺にあるだろうかとか、現在短期的に手ごたえを得るためにどういうデータが使えるだろうかというご議論なのかなと思ったので、わたくしの立場からコメントをさせていただきました。引き続き、供給や情報提供については、皆様のお力添えをいただければと思います。
    ○大場委員 ありがとうございます。そのほか行政の方など、ご意見はよろしいでしょうか。
    ○福島委員 大阪市立大学の福島と申します。私、アカデミアの立場ですので、素人的な質問をさせていただくかもしれませんが、この検討会の目的は、ワクチンのより良い流通に向けて情報の基盤整備をすることだと認識しておりまして、確かに究極のエンドユーザーである接種者の方が不足感を感じないようにするということは大変重要なんですけれども、私も医師免許を持つ一人の医師として、一人一人のニーズにこたえるところまでの情報整備をするのは大変難しいことだなというのは認識しております。今回資料5におきまして、JD-NETというプラットフォームがあって、そちらでメーカーさんと卸さんの情報共有の基盤も整備されているということ、各社さんのデータを統合することは容易でないということが課題として示されていますけれど、既に統合したデータをエンサイス社でお持ちであることも示されています。今共同研究という位置付けでありながらも医療機関の需要予測、これはおそらく対前年度比でみたときの納入実績であるとかそういう情報を使われるとは思うのですけど、そういうこともできるような開発を行われているということでした。これが先ほど林委員が言われました、上流でのよりよい需要予測というところにつながるのかなと思うのですけども、私はエンサイス社さんのお仕事を初めて拝見しまして、皆様委員の方々の中では共通認識なのかもしれませんが、釜萢先生によると医療機関レベルではあまり認識されていないのではないかというお話もありました。資料5の7頁のエンサイス社さんが所有している情報によりますと、卸さんが中心となって設立されたもので、今主な利用者としては製薬メーカーは60社ということで、JD-NETさんのユーザーの5分の1程度ですが、究極この情報を使用可能な状況にあるのかどうかということと、使用することを国としては推奨しておられるのか、あるいは本日ご出席の委員の皆様の中でもエンサイス社さんが所有している情報を積極的に活用すべきという方向性なのか、ちょっとその辺りを確認させていただきたいのですがいかがでしょうか。
    ○事務局 事務局でございます。まず、国の立場から申し上げさせていただきます。エンサイス社さんの情報について国がこれまで関与したことはなくて、仮に例えばエンサイス社さんがこういうことが良ければ、あるいは国の予算が付いたらということが前提になりますけれども、そういったデータを購入させていただいて状況を把握するというような方法も、一つのモニタリングという意味で方法としてはあり得るのかなと認識しております。
    ○福島委員 事務局からどうもありがとうございました。JD-NETというプラットフォームでお持ちの情報をどうやって名寄せするかだとか、どうやって連結していくかということがこの検討会の焦点なのかなと思ったのですけど、すでに結合されているわけですよね。ということで、ひとつ利用可能なリソースということにはなるのかと思うのですけども、そういう認識でよろしいですか。
    ○滝沢参考人 データとしてでございますけれども、まず卸様の持っている個別の納入実績をまとめるということは弊社で行ってございます。これに対して、どこまで見えるのかというお話でございますけれども、クリニックですとか医院ですとか先生を特定できる形でデータは一切公開していない状態でございます。
    ○福島委員 その点は承知しております。
    ○大場委員 おそらく、製薬企業と卸のところでは少しリンクと言いますかそういったものが成り立っているのかもしれませんけれども、各医療機関での使用実績、接種実績等に関してはまだ難しい状況であるということだと。
    ○一條委員 JD-NETに当社としては販売データを出してはいません。JD-NET等と書いてあります。いろんな会社がありますので、うちはNHIを通して出しているという形になります。ですので、JD-NET がすべて把握して、全部の卸からすべての販売データがいっているわけではないということです。ですから、全部がここで一律管理されているわけではないんですね。いろいろなパターンがあって、それによって動いているという形になりますから、一概にここがすべてを管理しているという形ではありません。
    ○事務局 事務局の賀登でございます。製薬メーカーさん、ワクチンメーカーさんの方と卸の業者さんの方にできればご確認をお願いしたいのですけれども、こちらの資料5の2、3頁目の赤枠で書かせていただいている内容でございます。私コロナワクチンの中ではV-SYSという新規システムを立ち上げまして、そういったところで情報管理など様々させていただいている経験がございまして、その裏での苦労についても、現場の方々に近い目線で理解しているのかなという風に思っておりますけれども、そこで非常に重要になるのが、何処の医療機関に納入するのかというところの医療機関の番号管理、情報管理をどのようにしているのかということと、何の商品を取り扱うのか、コロナワクチンであれば比較的単純でしたけれども、定期接種のワクチンになると数が増えますし、規格も大きい規格のものや小さい規格のものがございますので、そういった情報管理というところが非常に重要になるかなと思っております。総じて言えることとしまして、卸の自社の中、また、ワクチンメーカーの自社の中では、その情報管理はしっかりシステム的にできている、実現しているのですけれども、一方で、その複数社の情報を統合するとなると、管理している方法なりコードが違うので、くっつけたくてもくっつかない、そのものをくっつけようとすると、各社のシステム改修や多大な労力が必要になってきて、かなりのコストが生じるのかなと思うのですけれども、そのあたりの感覚いかがでしょうか。
    ○今川委員 ご質問ありがとうございます。ご理解のとおりですね、各社、例えば同じコードだとかで管理をしているわけではないので、複数社それぞれ違いますので、それをくっつけるということになりますと全部見直さないといけなくなってしまいます。例えば、ワクチンだけに特別にあてられているコードだとかですね、医療機関のマスタデータとかがあるのですけど、結局それって他の医薬品にも全部使われていますので、そこを見直すということは全部見直さないといけなくなってしまうんですね、ワクチンだけではなくて。そこがひとつ問題というか、大きな問題になると認識しております。
    ○事務局 卸業者さんの方はいかがでしょうか。
    ○一條委員 今お話のあった通りです。各卸もそういう意味では、製品的なものはメディコードを使っておりますが、その他のコードはすべて自社コードで出しておりますので、それを全部統一するときには大変、労力と時間がかかるということです。ですから、V-SYSが大変よくできた仕組みでございまして、それだからできたと。今すべてのワクチンでやっていくと、その数の多さと、得意先情報は全部自社管理のコードにしておりますので、統一するのは大変難しいと思われます。
    ○事務局 事務局でございます。その認識で、これまで予防接種室のほうではそういった情報をなんとか統合できないかということを試行錯誤した経験もございますけれども、今回V-SYSを作ってみてわかったこととして、ものすごい労力とコスト、特に維持管理の点でもマスタ管理を統一的にし続けるというのはすごくコストがかかりますし、そのマスタを各社に統一的に導入してくださいということについても各社さんに対してご負担がある、そして今川先生からもありました、ワクチンに限らず医薬品全体に影響するのだというご指摘については、システムを想像するとそのとおり不可避なのだろうなと感じました。そうした時に、なぜエンサイスさんという会社があるのかということが、創設の経緯など資料5の7頁にご紹介させていただいておりますけれども、医薬品卸の19社が中心となって作ったというふうに聞いております。もしかすると、今私が申しあげたような課題を1社で解決することの困難性や合理性のなさというところを踏まえて、卸業者さんの方で協力して今の課題を全体解決したほうが最適化に近いんじゃないかという発想で作られたのかなと思いましたけれども、そのあたりいかがでしょうか。
    ○滝沢参考人 ありがとうございます。弊社は設立が2012年となってございます。これは東日本大震災の後でございますけれども、当時卸様のご尽力によって薬が届くというのを目にさせていただいてその重要性ということを特に感じまして、その設立においてでございますけれども、卸様が持っている情報に関して異なる形となっております。それを使ってということになりますと、今言われた多大なる投資が必要ということで弊社がやらせていただいたということでございます。また、設立にあたっても公正取引委員会にご相談させていただいて設立をしてございます。また、この資料に書かせていただいている通り、透明性・説明責任を重要視して運営していることを自負しております。
    ○事務局 事務局でございます。今後の2回目以降の議論なんですけれども、おそらく医療機関への納入実績というのを対前年度比で見ると面白いモニタリング指標になるのではないかという点については、他の指標についても検討はさせていただきたいなという風に思うんですけれども、まずそこのところに仮説を置きながら検討を進めるというような話がよさそうかなという風に思いましたけれども、先ほどエンサイスさんのほうがおっしゃっていたこと、情報をどの単位で把握するかということ、例えば医療機関単位ということと、それをまとめて集計をした後に見えるようにするときにある程度集約化させるというような工夫、例えばNDBの医療保険のデータですと個人情報が漏れないように小さな単位になるとまとめて集計するように、市町村単位でも、というような運用の工夫をさせていただいていることが厚労省の中でもございます。そういった工夫が必要なのかどうなのかといった点も、今後の論点のポイントになるかと思いますし、また、どういったときにその情報を誰に見せていいのかという点についても、是非関係者が今回おられますので、ご議論いただきたいなと思っております。具体的には、厚労省からかつて都道府県に限って、ワクチンメーカーさんから頂いた情報を少しご提供することで安定供給の混乱を是正するというような取り組みをさせていただいたこともありますけれども、そのように基本的には国が持っていて、非常時の場合だけ都道府県や市町村の行政に限って提供するというようなことをするのか、それとも、ある程度ぼやかした情報で、HP上で全国民の方が見られる状態にするのかといった、その何の情報をどういった形で見える化するのかという点についても、是非ご議論いただきたいなという風に思っております。
    ○大場委員 その他にご意見ありますでしょうか。
    ○釜萢委員 今、賀登さんが整理していただいたところは非常に大事だと思いますが、今日も皆様と議論をさせていただいて、確認できたと思います事は、医療機関で接種をして、そして、最終的に自治体にその情報がいって、予防接種台帳にのるまでの間にはかなり時間的なずれがあるので、そこの情報はリアルタイムに取れないから、薬剤の卸さんから医療機関に納入した実績をもって、いろいろな評価・判断を行うということは非常に大事だということは先ほど賀登さんの説明もいただきましたけれども、その通りだと思います。その中で、医療機関ごとにですね、本来は色々な卸さんから、また、色々な種類のワクチンを、定期予防接種の場合一つの疾患に対して何種類もワクチンがあって、そしてそれを医療機関は複数の卸さんから納入しているということはしばしばありますから、それを統合するというのは、先々はできるかもしれないけれども、すぐに実現するのは難しいように思います。代替手段として、地域においてその地域で活動しておられる卸さんから、この種類のワクチンがどういう風に地域に収められたかという情報は非常に集計が可能だなという風に感じますから、それがはっきり出てくることは非常に意味があるのではないかと。それが、今度はしっかり接種につながったかどうかということをどういう風に把握するかというのはちょっと課題としてあるだろうと思います。ただ、納入実績が非常に即時性のある大事なデータであるということは確かなので、それをしっかり見えるようにして、それは地域の住民の方々にも公開されてしかるべきではないかなという風に感じました。これを今後次回以降しっかり議論していくということは、私も大賛成でありまして、是非そういう方向で進めていただければありがたいと思います。それから、せっかく自治体の方がおられるのでお話を伺いたいのですけれども、先ほどから出ているVRSというシステムがコロナの場合に使われました。いろいろ不具合もあって、読取などに接種現場では苦労したところもあったけれども、だいぶ改善されてずいぶん使いやすくなったとの声をきいています。しかし一方で、接種の確認あるいは予防接種台帳への登録、そして接種した医療機関への接種料の支払い等については、やはり紙でやらないとなかなか現状では回っていってないんだろうと思いますが、そのあたりの自治体現場のご認識について少し将来の見通し、例えば、VRSに登録したことでもって予診票の内容等もすべて共通になるので、そこで支払いまでの作業が進む、あるいは、接種台帳に登録というところまで済ませることができるのか、それとも、やはり紙媒体をしっかり手元にとりよせてひとつひとつ最終チェックをしないと予防接種台帳への登録というのは完了しないというのが当面続くというようなご認識なのか、そのあたりをぜひ自治体のご担当の方から教えていただきたいと思います。
    ○大場委員 行政の方、何かコメントやご意見等ありますでしょうか。
    ○安藤委員 市原市の安藤でございます。ご質問ありがとうございます。本日すぐにお答えできないので、実際にVRS、V-SYSで接種確認や接種料の支払いまで一連をデジタル化できるかというところと、もう一つのご質問である、自治体の基幹情報として予防接種台帳を管理しているシステムへの登録を、デジタルで取り込みができるかというところは、お調べして後日回答という形でもよろしいでしょうか。
    ○釜萢委員 結構です、どうぞよろしくお願いいたします。
    ○安藤委員 ありがとうございます。念のためこちら補足なんですけれども、市原市の場合ですと、別にお子さん向けの定期予防接種のデジタル化をしておりまして、支払いデータを近々電子化で処理するという動きをしております。おそらく多くの自治体では、医療機関様へのお支払いに関しては、請求書の押印が必要になるところが、医療機関様へのお支払いに関するデジタル化のボトルネックとなっているのかと考えております。ただその辺もだいぶ話が進んでいますので、多くの自治体が請求書の押印を廃止すれば、接種した医療機関への接種料の支払いがデジタルで処理できると思います。
    ○今村委員 福岡県です。システムのことについてはあまり知見がないので、申し訳ないのですけれども、先ほど厚労省様からもご説明ありました通り、どのぐらいの単位で情報を把握して、公表していくのかというところは非常に重要かなと思っております。というのは、やはり、新聞報道等でなにかワクチンが足りないとか予約できないとかの情報が流れるたびに住民の方非常に不安に思われてですね、医療機関に問い合わせがあったりですとか、県の方にも問い合わせがあったりします。そういったときにですね、今はマスコミの情報ですとか、口コミの情報ですとかで皆さん動かれている、動かざるを得ない状況にあると思うんですけれども、それが一定公表されることでですね、少し安心感を得られる方もいらっしゃると思います。かといってすべての情報が公表されますと、例えば医療機関別とか、そこまで公表されてしまいますと逆に殺到するだとか、そういった混乱もあると思いますので、例えば地域別、都道府県単位とかですね、そういった情報がですね、見える化されるというのは非常に重要かなと思っております。
    ○大場委員 公表する範囲は考えなければいけないけれども、そういったようなモニタリングのシステムがうまく機能するようになれば、役に立つ情報を提供することができるようになるのかなということですね。
    ○福島委員 先ほど事務局の方からV-SYSの話が出まして、確かにコロナワクチンの接種について新しく導入されたシステムで皆様慣れてきてらっしゃるころだと思うんですけれども、今回の検討会で議論する資料の中にV-SYSの言葉は入っていましたかね、というのが気になりまして。予防接種室としては、頑張って立ち上げたんだけども、なかなかこれを全ワクチンについて、すべてのメーカーさんと卸さんもそしてゆくゆくは市町村も使えるようなプラットフォームにするのは、予算的にも技術的にも非常に難しいという話でありました。私もお話聞く限りはたぶんそうだろうなとは思うんですけれども、この検討会が一般に公開されているということも考えるとですね、後で振り返ったときに、V-SYSの話はどこに行ったのかなということになりそうな気がしまして。そこはもしかしたら他の検討会や審議会で論点整理済みなのかもしれませんけれども、私、厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会の委員もさせていただいておりまして、多分そこでもまだあがっていない話だと思います。現在すでにメーカーさん卸さんで共有されているプラットフォームであるとか、それを外部委託して連結もしていますとかですね。もちろん他にも、日本医師会さんとしてワクチン納入情報報告システムを整備してこれだけエンドユーザーとしての不足感をマッピング化してますという情報も示していただいていますので、次回で結構ですので、V-SYSの論点も併せてまとめられて議論してはいかがでしょうかというのが提案です。
    ○事務局 仕事に手を抜いたつもりはないのですけれども、今回の議論については定期接種用のワクチンというような意味でさせていただきました。コロナが入ると議論が発散しそうだなというのと、あちらが一応法律上は臨時接種という建付けになっておりまして、国で買い上げて医療機関に納入するというような、通常商流とはきわめて形が違うようなものでしたので、その話を入れてしまうのはいかがかなと思いましたので、入れなかったのですけれども、そちらについても、入れさせてもらいたいと思います。一元的に情報を管理しながら、物流のところをコントロールすると何がいいことがあったかというと、象徴的なところは、8月に武田/モデルナワクチンで異物混入が起こったときに、それを使わないで下さいとなると接種の予定が、リスケを大幅にしないといけなかったはずなんですけれども、そこの情報がわかっていたので、またそれと卸さんや武田さんの厚い協力があったおかげで、翌日以降すぐに代替ワクチンを交換するというようなことができた、そういったところが情報管理の利点なのかなという風に、象徴事例として思っております。そこまでの大きなシステムを作るとなると、それは国としても組織的にも予算的にも大きなもので、実際にしんどい思いをしたからこそ、システムを新規に大きなものを作るんですというのを軽々しく言うことは無責任な発言だなということは自覚しているつもりです。ただ、新規のシステムを作るとかの可能性を狭めたいというわけではなくて、ただ、関係者の皆様がある程度のコストの中で維持管理できるということもひとつ重要な点だと思いますので、そういった方法を広く探らせていただきたいなという風に思っております。資料には次回必ず入れさせていただきます。
    ○大場委員 そういったところでご苦労された、マスタの管理だとか、どういった情報でリンクして情報をとっていくかというそのご苦労は、今後の定期接種ワクチンのモニタリングにもかなり、システムを作るうえで重要ではないかなとおもいますので、是非よろしくお願いします。
    ○釜萢委員 たびたびで恐縮なんですけれども、せっかくの会でありますので、先ほど申し上げました、行政においてどうしても予防接種台帳と接種券あるいは予診票とのつなげ方でですね、どうしてもこの部分は今の形でないとうまくいかないとか、あるいは、どういう改善をすればもう少し効率的にできるというようなところをぜひ行政の現場から、市原市のご担当の方から後でまた教えていただけるという話がありましたけれども、ぜひ福岡県は先進県でありますので、福岡県のご認識を次回以降伺いたいなと思っておりまして、僭越ながらお願い申し上げます。
    ○大場委員 福岡県の方、次回以降あるいは今何かコメントすることができるのであればよろしくお願いいたします。
    ○佐藤委員 福岡県のほうではですね、一応県内状況を市町村に確認をとってやっている状況なので、次回報告したいと思っております。
    ○大場委員 その他何か追加コメント等よろしいでしょうか。(全員コメントなし)
  7. (7)協議内容のまとめ、次回議題本事業全体の認識合わせ
    ○大場委員 それでは、少し時間も残っておりますけれどもご意見沢山いただきましてありがとうございます。まずは、ワクチンメーカー、卸、医療機関、市町村、自治体の皆様、モニタリングの必要性に関してはかなり異論ないところなのかなと認識しておりますけれども、それに実際のモニタリングを行うにあたっては各々が持っているデータをどのようにして、まあ新たなシステムを作るとなると膨大な労力とコストがかかるということかと思いますので、既存のあるいは新規に追加することも必要なのかもしれませんけれども、その中で効率的にうまくモニタリングできるような仕組みを考えていきたいと思っております。また、メーカーや卸、医療機関、自治体のなかでですね、今できていることとできていないことのご説明がありましたので、それについては共通の認識として確認できたのではないかなと思います。今後、流通のモニタリングを実現するためには、エンサイス社さんの例もありましたけども、そういった民間のデータの活用も今後検討する事項としていきたいと思います。次回以降はですね、厚生労働省のご担当者様からご説明ありましたけれども、情報をどのような単位で把握していくのかとか、公開をどのような見せ方なら許容可能かということも含めて検討していきたいと思います。さらに、今回の検討会を踏まえて、次回以降明確化するような形で進めていきたいと思いますけれども、そのような形でよろしいでしょうか。(全員コメントなし)
    ありがとうございます。それでは、事務局は次回以降の検討に向けてご準備いただければと思います。
    ○事務局 本日はお忙しい中ご参加いただきありがとうございます。先生方の貴重なご意見、ありがとうございます。次回の検討会は1月中を予定しております。開催日時等については後日また調整のうえご案内をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。本日はどうもありがとうございました。

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健康局健康課予防接種室

代表 03-5253-1111(内線2923)