第334回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

日時

2021年(令和3年)12月24日(金) 14時00分~

場所

東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館
職業安定局第1会議室(12階)

出席者

(公益代表委員)
  • 小野 晶子
  • 原 昌登
  • 松浦 民恵
  • 山川 隆一(部会長)
(労働者代表委員)
  • 相羽 迅人
  • 冨髙 裕子
  • 永井 幸子
  • 奈良 統一
(使用者代表委員)
  • 佐久間 一浩
  • 田尻 久美子
  • 平田 充

議題

  1. (1)ワクチン接種に係る人材確保等について(公開)
  2. (2)その他(公開)
  3. (3)労働者派遣事業の許可等について(非公開)
  4. (4)有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)

議事

議事内容

○山川部会長 ただいまから、第334回労働力需給制度部会を開催いたします。本日は使用者代表の佐藤委員が所用により御欠席とのことです。本部会は新型コロナウイルス感染防止の観点から、オンライン会議として開催いたします。
 本日は、議事次第にありますようにワクチン接種に係る人材確保等について御議論いただき、その後、労使協定書の賃金等の記載状況について報告があります。その後、許可の諮問に係る審査を行います。許可の諮問に係る審査につきましては、資産の状況等個別の事業主に関する事項を扱うことから、「公開することにより、特定の者に不当な利益を与え又は不利益を及ぼすおそれがある」という場合に該当するため、非公開といたします。
 それでは議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。まず、議題(1)「ワクチン接種に係る人材確保等について」、事務局から説明をお願いいたします。

○野澤企画官 健康局予防接種室の野澤です。いつもお世話になっております。資料1の「ワクチン接種に係る人材確保について」、御説明いたします。
 1ページを御覧ください。最新の新型コロナワクチンの接種状況です。1、2回目接種ですが、2回接種完了した方が約8割となっております。12月1日から3回目接種が始まっており、3回目接種を受けられた方の数が現状で34万回程度となっております。
 2ページ目を御覧ください。自治体における接種体制の構築状況(9月末現在)です。特設会場を設置している自治体ですが、へき地では65%、へき地以外だと74%となっております。集団接種を行う自治体ですが、へき地で31.5%、へき地以外でも3割程度となっております。個別接種を行う自治体は、へき地も、へき地以外も7割程度で、へき地とへき地以外でそれほど大きな傾向の違いはないのかなと思っております。
 3ページ目を御覧ください。9月末現在の看護師の確保状況です。一番左を御覧いただくと、(1)自治体又は委託業者が直接雇用するというところですが、へき地でもへき地以外でも、約7割の自治体が直接雇用で確保しています。それから、(2)医師会や管内医療機関等から看護師を出してもらっている自治体の割合ですが、へき地が7割程度、へき地以外が77.6%と、へき地以外のほうが高くなっております。(3)ですが、人材派遣会社から人材派遣を受けている自治体ですが、へき地の場合は8.8%、へき地以外が19.5%と2割近くになっております。一番下、自治体の保健師や退職した保健師を活用している自治体ですが、これはへき地とへき地以外であまり大きな傾向の違いはないと思っております。多くの自治体が複数のルートで看護師の確保を図っているところですが、へき地以外の自治体のほうがより多く多様なルートで看護師の確保を図ったのかなと思っております。
 4ページ目を御覧ください。これは先ほどの資料で看護師を直接雇用したと回答した1,183自治体の採用ルートです。ハローワークやナースセンターなども大分活用されているようです。
 5ページ目を御覧ください。労働者派遣により接種会場で勤務する看護師から、何か困ったことの相談があったかどうか、300人以上の看護師を労働者派遣で確保していると回答した12の自治体に聞き取りをしました。2つの事例が上がってきております。1つ目は、前日までに予約が埋まらなかったり、当日急なキャンセルが生じたことで、やむを得ず、前日又は当日に勤務時間を変更せざるを得ない状況が生じた。その場合に、自治体から派遣会社に連絡をしたのですが、派遣会社から勤務予定の看護師に伝わらないケースがあったそうです。これは、その後改善しております。2つ目は、休憩時間や人員配置について、どこまで現場で細かく指示すべきかについて、自治体側の認識に不十分な面があったということで、これも、その後改善しております。
 それから、同じ12自治体に、12月上旬現在の労働者派遣での看護師の確保の有無と今後の活用の状況について、選択式で回答を求めましたところ、「現在人材派遣を受けており、今後も受ける予定がある」という自治体が9自治体で、「現在人材派遣を受けていないが、今後受ける予定がある」という自治体が3自治体でした。「今後も受ける予定がない」と回答した自治体は0です。
 6ページ目を御覧ください。12月1日から追加接種が開始されているところです。追加接種の概要について簡単に御説明させていただきます。対象者ですが、1つ目の黒ポツは少し細かいので飛ばさせていただき、2つ目の黒ポツですが、18歳以上の者に対する追加接種としてファイザー社ワクチン及びモデルナ社ワクチンが薬事承認されていることを踏まえ、まずは18歳以上の者を予防接種法上の特例臨時接種に位置づけております。使用するワクチンですが、1回目、2回目に用いたワクチンの種類にかかわらず、mRNAワクチン、具体的にはファイザー社かモデルナ社のワクチンを用いることが適当とされております。それから接種間隔ですが、こちらは2回目接種完了から原則8か月以上ということになっております。接種の期間は、11月15日の予防接種・ワクチン分科会での議論を経まして、令和4年2月末までとなっていたのですが、延長となり、令和4年9月30日までとすることになったところです。
 続いて7ページを御覧ください。追加接種の対象となる人数です。へき地の自治体数は1,125市町村で、18歳以上人口が4,500万人程度です。人口を市町村数で割ると1自治体当たり接種対象者数が4万人程度となっております。へき地以外ですが、市町村数は616市町村で、18歳以上人口が6,109万人です。同じように計算すると1自治体当たり10万人近くとなっており、約2倍以上の者に追加接種を行う必要があります。
 続いて8ページを御覧ください。追加接種の対象者数です。原則8か月後に追加接種が行われることになっておりますので、8か月後という前提でVRSからはじき出した数字を並べたものです。令和4年2月や3月には、1,400万人、2,300万人に接種が必要な状況です。12月17日に、医療従事者や重症化リスクの高い高齢者について前倒しできることになったところです。この前倒しを前提に、同じように人数を試算しますと、12月が約900万人で、1月が600万人、2月は2,200万人と、今書かせていただいている数字よりかなり多くの人数に接種する必要がある状況です。
 9ページを御覧ください。令和3年11月21日、先月ですが、全国知事会からも、1、2回目と同様に人材確保が課題となるため、へき地以外への看護師、准看護師の労働者派遣を可能とする省令の期間延長を検討してほしい、という御要望を頂いております。以上です。

○草野看護職員確保対策官 続きまして、資料2について御説明いたします。医政局看護職員確保対策官の草野と申します。よろしくお願いいたします。本日の議論に先立ちまして、12月9日に社会保障審議会医療部会におきまして、本件についての議論が行われましたので、医療部会における議論について御報告いたします。なお、資料2については、資料1、資料3と重複する部分が多いので、要点に絞って御説明をいたします。
 1ページ目は現状ですので、省略いたします。2ページ目です。2ページ目の上段は、健康局から今御説明したとおりです。その下段に対応方針(案)とございますが、この方針(案)に基づいて、御議論をいただいたものです。ここにありますように、ワクチン接種会場の人員確保のための選択肢の1つとして、コロナ禍の特例措置として、従事者(看護師、准看護師)、場所(ワクチン接種会場)、期間(現行は令和4年2月28日まで)を限定した上で可能とされている、へき地以外のワクチン接種会場への労働者派遣について、コロナワクチンの追加接種(3回目接種)の実施に対応するために、期間を令和4年9月30日まで延長してはどうかということで、医療部会でこの案で御説明いたしました。なお、その右下にありますけれども、ワクチン接種業務の適切な実施を確保するための措置として、へき地のワクチン接種会場への派遣に当たって事前研修を実施しており、これと同じように、へき地以外のワクチン接種会場への派遣に当たっても事前研修を求めていますが、引き続き適正な実施という観点から事前研修を求めるという案で御説明いたしました。
 3ページです。本件については労働政策審議会の御意見を聴く必要がありますので、今後は、労働政策審議会で議論するということで、医療部会での検討の報告を行った上で、労働力需給制度部会において御議論いただくということで、医療部会ではお話をいたしました。
 今御説明した資料を受けまして、医療部会において議論が行われましたけれども、その概要について御説明いたします。なお、議事録は作成中ですので、口頭にて、どういう意見があったかを御説明いたします。まず、御意見として、全国知事会による要望を踏まえた対応に感謝するという意見がありました。それから、ワクチン接種の本格化から10か月近くが経過したが、接種人員の確保や、接種の効率化のために、各自治体でどのような取組がなされていたのか、また、ワクチン接種会場など、現場での課題があれば伺いたいという御意見がございました。また、看護師確保などの医療人材の確保は、直接雇用などの取組を進めるべきであり、安易に派遣期間を延長するのではなく、しっかりと人員確保を行っていただきたいという御意見もございました。また、ワクチン接種会場への看護師派遣を可能とする措置は、特例措置・時限措置だが、延長の必要性は現時点では理解できるので、反対ではないが、あくまで時限措置としていただきたいという御意見がございました。それから、派遣される看護師には、適切な労務管理や事前研修等が行われることが必要、また、今後、へき地の医療機関への派遣について、派遣実績や、労務管理、事前研修等に問題が生じていないかについての把握をきちんとお願いしたいという御意見がございました。最後に、ワクチン接種会場への看護師派遣は、あくまでも特例的、期間を限定しての措置であるべき、なるべく人材派遣に頼らない形でも、必要な人材が確保できる方向に、更に力を尽くす必要があるという御意見があったところです。以上です。

○高橋補佐 職業安定局需給調整事業課の高橋です。資料3を御覧ください。先ほどの資料1と資料2の説明を踏まえた上での対応案をお示ししたものです。
 表紙をめくっていただき、2ページです。上段に制度の現状をまとめております。まず、医療機関への看護師等の派遣については、原則禁止となっております。今年4月から、へき地の医療機関への看護師等の労働者派遣は可能となっており、へき地にあるワクチン接種会場への看護師の労働者派遣は可能となっております。その上で、本年4月、へき地以外の地域のワクチン接種会場への看護師の派遣について、予防接種法に基づき厚生労働大臣が指定する期間に限り、可能とするとしたところです。この予防接種法に基づき厚生労働大臣が指定する期間については、当初、令和4年2月28日までとされておりましたが、今般、新型コロナワクチンの3回目接種が行われることとなり、予防接種法に基づき厚生労働大臣が指定する期間、正に今説明がありましたとおり、令和4年9月30日までに延長されたところです。その上で、全国知事会からも、へき地以外の地域におけるワクチン接種会場への引き続きの看護師派遣に関する要望が出されております。
 以上を踏まえて、へき地以外のワクチン接種会場への看護師等の労働者派遣が認められる期間を、引き続き期間を限定した上で、令和4年9月30日まで延長するというのが対応案でございます。残りのページにつきましては重複する部分ですので、説明については省略いたします。
 続きまして、資料4を御覧ください。こちらは、今年4月に、へき地における看護師等の労働者派遣と、社会福祉施設等への看護師の日雇い派遣を可能とした際に、本部会において、その施行状況について報告すべきという御議論があったため、各労働局において指導監督を実施し、その状況を報告するものです。併せて、へき地以外のワクチン接種会場への看護師派遣の状況についても、指導監督を実施しておりましたので、それについても御報告いたします。
 今申し上げた該当の労働者派遣を行っている派遣元事業所、合計96事業所に対し、通知等で求めている事項について適正に実施されているかを確認した結果です。2ページを御覧ください。こちらは、へき地への看護師派遣の指導監督の状況をお示ししたものです。8事業所に対し指導監督を実施し、事前研修の取扱いが適正にされていなかったものが1件確認されております。本件は、書類の交付が適切にされていなかった事案であり、研修の実施そのものに何か問題があった事案ではないと承知しております。
 3ページを御覧ください。3ページは、社会福祉施設等への看護師の日雇い派遣の指導監督の状況をお示ししたものです。25事業所に対し指導監督を実施し、労働者派遣契約における業務内容を具体的に明示できていなかったものが12件確認されております。例えば、単に看護師業務とだけ書いており、具体的内容が定められていないといった事案だと承知しております。そのほか、緊急時の対応について説明を受けていない、第三者に損害を与えた場合の責任の所在について明確にしていない、契約更新時に待遇に関する情報提供を受けずに労働者派遣契約を締結しているといった事案も確認されております。特に、労働者派遣契約における業務内容を具体的に明示できていない事案などは、非常に多く確認されておりますため、改めて全国の労働局に対して徹底を求めてまいりたいと考えております。
 4ページを御覧ください。こちらは、ワクチン接種会場への看護師派遣の指導監督の状況をお示ししたものです。合計で86事業所に対し指導監督を実施し、特段の指摘事項は確認されなかったと報告を受けております。
 事務局からの本議題に対する資料の御説明は、以上でございます。

○山川部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に対する御質問等がございましたら、ZOOM内の「手を挙げる」ボタンを使っていただくか、あるいは画面上で挙手をお願いいたします。冨髙委員どうぞ。

○冨髙委員 ありがとうございます。意見なのですが、よろしいでしょうか。

○山川部会長 どうぞ、お願いします。

○冨髙委員 ありがとうございます。ただ今、御提案がありましたが、今年4月にワクチン接種会場への看護師派遣を認めたのは、感染状況が非常に厳しい状況の中で、限られた期間で多数回の接種を行う必要があることを踏まえ、あくまで緊急措置として認めたものと捉えております。今回、3回目の接種を理由とした延長の議論が当たり前のようにされることには、我々としては違和感を持っています。
 資料1の全国知事会からの緊急提言に、「1・2回目と同様に人材確保が課題となる」とありますが、ワクチン接種が本格的に始まってから既に10か月以上が経過し、接種人員の確保や接種の効率化など工夫をされているのではないかと思いますので、自治体における工夫や効率化の取り組みなど、何か把握されていれば教えていただきたいと思います。
 6ページに現在の状況と今後の方針が記載されています。ここについては、現在人材派遣を受けていて、今後も受ける予定がある自治体は減っているのではないかと思っていたところ、むしろ、今受けていないが、今後受ける予定があると回答した自治体が増えているというのは、本来緊急措置としてやむを得ず認めた趣旨がきちんと受け取られているのか懸念しています。
 前回、派遣を認めたときに、看護師確保を含めた医療人材の確保は、本来、医療政策において直接雇用にて確保を図るべき課題であると申し上げており、安易な派遣期間の延長はすべきではないと考えています。あくまで緊急的な措置であることを踏まえ、自治体には、接種の効率化をはじめ、必要な人材を派遣に頼らずとも確保できる体制整備に取り組んでいただく必要がありますし、厚労省にはそのことを促していただきたいと思います。また、延長ありきではないことについて、厚労省としてしっかり周知していただきたいと思います。
 変異株の感染状況等も踏まえれば、早急なワクチン接種の体制整備が必要なのは理解しますが、仮に、今後再び同様の状況になった場合にも、延長ありきとならないよう、先ほど申し上げた医療政策上の対応や、自治体への周知、働き掛けを徹底していただくよう、強く申し上げておきたいと思います。以上です。

○山川部会長 ありがとうございました。御要望も含めた御意見としてお伺いします。相羽委員、お願いします。

○相羽委員 ありがとうございます。資料4の関係で、1点要望させていただきます。今年4月から、へき地の医療機関への看護師派遣及び社会福祉施設等への看護師の日雇い派遣が可能となりました。前段の今年1月の本部会において、研修の確実な実施、業務内容や責任の所在の明確化などは、派遣される労働者の保護及び医療の安全性確保の観点から重要であり、確実に実施されるべきであると発言してきたところです。
 資料4の指導事項を見ると、事前研修や業務内容の明示、緊急時の対応にかかる事前説明、責任の所在の明確化などに関して、労働局による指導が行われたということですが、引き続き適正な運用が行われるように指導いただきたいと思っております。
 併せて、ワクチン会場への派遣に関しては、特に指導事項はなかったということですが、引き続き適正な運用が行われるように指導いただきたいという要望です。以上です。

○山川部会長 ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。田尻委員、お願いします。

○田尻委員 御説明ありがとうございます。2点、意見を申し上げます。1点目は、コロナウイルスの第6波とも言われる感染の再拡大が懸念されている現状で、3回目の接種を計画的、かつ迅速に進めていくことは重要な課題と考えます。また資料4の御説明において、ワクチン接種会場への看護師派遣に係る指導監督では大きな指摘事項がなかったことからも、へき地以外の看護師・准看護師の労働者派遣を可能とする期間を延長するという措置は妥当と考えます。
 2点目は、社会福祉施設等での看護師の確保についてです。私は介護福祉事業者なのですが、そういう介護関係の事業者からは、ワクチン接種のほうに看護師のマンパワーがかなり取られてしまっていて、人材確保がより一層困難な状況であったという声が聞こえてきております。こうした中で、日雇い派遣が看護師確保の1つの選択肢として機能していたものと思います。ただ一方で、資料4の3ページの指導監督の結果を見ますと、社会福祉施設等での複数の指摘事項があることからも、派遣元事業者や派遣先事業者への指導、そして制度の周知ということをより強化していくことが必要ではないかと考えます。
 本件の措置が今年4月から施行されたということもあり、制度の詳細を十分に把握できていないことも要因の1つに考えられるので、業界団体との連携などにより、具体的に何をしなければならないのかを、改めて丁寧に周知いただくことが重要と思います。以上です。

○山川部会長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。平田委員、お願いします。

○平田委員 ありがとうございます。今回の接種期間の延長に伴い、労働者派遣をできる期間も併せて延長されるということについては異論はありません。医政局にお伺いしたいのですが、こういった看護師、准看護師の人員確保をする責務はどこかにあるのか、国なのか都道府県なのかを、お答えいただければと思います。

○山川部会長 ありがとうございました。医政局から、いかがでしょうか。

○野澤企画官 すみません。健康局です。

○山川部会長 お願いします。

○野澤企画官 ワクチン接種会場でということかと思いますので、私からお答えいたします。実施主体は市町村ですので、確保の責務を負うのは市町村です。以上です。

○山川部会長 ありがとうございます。平田委員、よろしいでしょうか。

○平田委員 承知しましたが、こういう事態ですのでなかなか難しいのかもしれませんが、その確保のための努力は何かされているのかどうか、もし把握しているようであれば教えていただければと思います。

○山川部会長 もし何かありましたらお願いします。

○野澤企画官 健康局です。私どもから、まず高齢者接種を7月に終えてほしいとお願いをしていたところです。その他の方については11月に完了を目指して接種を進めてほしいと自治体にお願いしていたところです。それに向けて、自治体が接種を進めるために、人材の確保が必要になってくるのですが、そのために、1つは直接雇用で、自治体のホームページなどで募集して看護師の確保を図っております。それから、医師会とも、聞いている範囲でも何度も連絡を取りながら、医師、看護師を接種会場に出していただいております。
 それから、既に退職した保健師や、かつて自治体で別の事業で協力いただいた看護師などに声掛けして、またこの事業でも協力してもらうといった形での確保も図っております。さらに、どうしても足りない場合は、人材派遣を活用している、そういう努力をしていると承知しております。以上です。

○山川部会長 ありがとうございます。平田委員、よろしいでしょうか。

○平田委員 承知しました。最後に1つだけ意見を申し上げておきたいと思います。これは回答は不要です。今年の1月29日のこの部会でも申し上げましたが、経団連の考えとしては、時代の変化等に対応しつつ、派遣労働者や派遣先等のニーズをしっかりと制度に反映させていくことは、引き続き重要だと考えておりますので、改めて申し上げておきます。以上です。ありがとうございました。

○山川部会長 ありがとうございます。今の話は、恐らくワクチン接種会場にとどまらないお話かと思ってお伺いしましたが、そういう理解でよろしいでしょうか。

○平田委員 ワクチン接種会場も含めて、状況が変わったのであれば柔軟に対応の検討はしていくべきだという趣旨で、これまでと同じ意見です。念のため繰り返し申し上げた次第です。

○山川部会長 ありがとうございます。ほかに、何かございますでしょうか。特段ないようでしたら、対応案については、特段、そのものについては御異存はなかったように思います。要望等、あるいは御意見は複数出されましたが、事務局からこの点について何かございますか。

○野澤企画官 健康局です。冨髙委員から、3点ほど御指摘いただいたと承知しております。1つは、効率化の事例があれば提供をということですが、これは正直申し上げて、あらゆるツールを使い、可能な限り早く接種を完了するように自治体にお願いしてきたというのが、今の現状です。看護師を労働者派遣で受け入れている複数の自治体にも聞いてみたのですが、高齢者は7月、一般の方は11月に完了できるように接種を進めることで手一杯で、現時点では、御指摘のそういった実績はまだないという状況です。看護師の労働者派遣を利用する自治体の実態を引き続きよく聴取してまいりたいと思います。
 それから、私どもの資料の5ページで、「現在人材派遣を受けていないが、今後受ける予定がある」と回答した自治体が3自治体となっておりますが、これは、すみません事実関係だけなのですが、12月上旬現在の状況を聞いております。もともとたくさん打っているタイミングが高齢者は6月、7月、一般の方が8月、9月辺りがピークで、その後10月以降は、徐々に集団接種会場の数を減らすといった形でダウンサイズしております。ですので、これは、たまたま聞いたのが12月上旬だったので、そのタイミングでは自治体は利用していなかったのですが、もともとたくさん打っているタイミングでは労働者派遣を利用していて、今後、追加接種でもたくさん打たなければならないタイミングでは、また利用したいというお答えです。
 期限があることの周知をという御要望もしっかり受け止めて、自治体向けの説明会を2か月に1回程度開催しておりますので、こうした場で、特例措置だということと、時限で措置しているのだということを、改めてしっかり周知してまいりたいと思います。ありがとうございます。

○山川部会長 ありがとうございました。事務局からは、特にほかにはよろしいでしょうか。

○篠崎課長 需給調整事業課長です。様々な御意見を頂き、また指導監督も引き続きしっかり見ていくべきという御指摘も頂きましたので、既存の今回のワクチン会場のみならず、指導監督を御報告させていただきましたが、引き続き、適正な履行が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。以上です。

○山川部会長 ありがとうございます。佐久間委員どうぞ。

○佐久間委員 佐久間です。御説明を賜り、特にこのへき地の医療機関の関係については、資料4に入ってしまうのですが、アンケート調査等も実施していただきました。 前回当部会で、へき地にある診療施設への看護師の派遣を認めていって、そのときの議論では、きちんとしたフォローアップとか、派遣された看護師に対する指導、研修などについて意見が出ていたわけです。この点について、厚生労働省事務局では今回、比較的早く、このアンケート調査というか、どういう傾向にあるのかというのをまとめていただいたところだと思います。取りまとめについては、本当にありがとうございます。
 この調査の対象先、実際にこの派遣元の事業所数は96事業所となっていますが、本来はもう少し多い数の対象先があるのではないかと思っておりました。多分、その中から96事業所を抽出、選定したのかもしれませんが、また調査を行う際には、全数というか、把握できるところは把握していただきたいと考えます。
 それから指導事項のところでは、事前の研修の取扱いが適正になされていなかった、それから緊急の場合の対応、件数は少ないのですが、この指導事項で出ている項目は、私たちがこの部会で心配したところ、指摘したところが正に数値や傾向として出ているのではないかと思います。今、派遣された方々は、重要な職務に携わっていただいていますので、引き続き、是非またフォローアップ、そして、違法性のないような指導をフォローアップしていただきたいと思っております。以上です。

○山川部会長 ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。種々、御意見を頂きまして、臨時の取扱いであるということの周知、状況の把握、もし問題が生じた場合には対応するといった御要望を頂き、これらを受け止めていただければと思います。その上で、対応案のとおりにしていただく、対応のとおりとするということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、この点については特段、御異論がありませんでしたので、議題1についてはここまでといたします。健康局、医政局の皆様、御退席いただいて差し支えありません。大変ありがとうございました。
 続きまして、労働者派遣事業報告書に添付される労使協定書の賃金等の記載状況について、事務局から説明をお願いいたします。

○吉村補佐 事務局から説明いたします。よろしくお願いいたします。まず資料5を御覧ください。これについては、本年7月の部会においても、一般的なスケジュールとしてお示しさせていただいたものですが、今回、この赤囲みの部分を御報告させていただくものです。
 資料6を御覧ください。これが御報告させていただくものですが、令和2年度の集計結果については、本年1月にも御報告させていただいたところ、今回は令和3年度の集計結果の御報告という形になります。また、この集計結果については、当部会の資料として厚生労働省のホームページに掲載され、公表されます。
 では、資料6の1ページから説明します。【集計の概要】です。囲みの部分ですが、本集計については、労働者派遣法第23条によりまして、派遣元事業主に提出を求めています「労働者派遣事業報告書」及び当該報告書に添付された労使協定書から、一部事業所を抽出して集計したものです。抽出方法については、〔抽出方法〕に記載のとおりです。昨年と同じ形になっていますが、「・職業(業務)別集計」の部分、項目としては2の部分のみについては、令和3年度の一般賃金を用いる労使協定書の状況を集計するために、令和2年度の一般賃金の額となる、いわゆる例外的取扱いを用いている労使協定書については集計から除外していますので、ここは若干異なるところです。それ以外については、昨年と同じ形になっています。
 資料の説明に入らせていただきます。まず、1ページ目です。、「1 選択している待遇決定方式」です。これについては、派遣先均等・均衡方式が7.8%、労使協定方式が88.2%、併用が4.0%となっているところです。先ほど申し上げました、いわゆる例外的取扱いを用いている事業所という部分については、4.4%です。均等・均衡方式を含めた全体としては4.0%が例外的取扱いとなっているところです。
 続きまして2ページです。この2ページから8ページまでが、「2 労使協定書の賃金(基準値0年)の記載状況(令和3年度)(全国計100.0)」です。これについては、昨年と同様に抽出された事業所の各労使協定書上に記載される基準値0年目の下限額の集計を行ったものです。例えば労使協定書に「1,000円~」などと幅を持った書き方の場合については、これを1,000円として集計しています。このために実際に派遣労働者に支払われている賃金額ではないということについては、御留意いただきたいと思います。抽出した一部事業所の地域性を除去するために、地域指数を全国の100に換算した集計となっています。また集計に関して、職業分類については厚生労働省編職業分類に基づく中分類の区分で整理しています。賃金構造基本統計調査の職種が記載されている労使協定については、対応していると考えられる職業分類の中分類で集計しています。この職業分類について、平均額、最大値、中央値、一般賃金水準との差額の平均値、賃金構造基本統計調査と職業安定業務統計等の使用割合を記載しているところです。なお、集計において必要なサンプルサイズを満たしていない職業分類等については、「-」という表示にさせていただいています。この集計結果については8ページまでありますが、個々の職業分類の数値については、大変恐縮ですが割愛させていただきたいと思います。
 続きまして、9ページです。上段は、「3 能力・経験調整指数の選択状況」です。能力・経験調整指数の「0年」が94.5%、「3年」が68.4%、「10年」が77.7%と割合が高くなっているところです。
 次に中段です。「4 地域指数の選択状況」です。これについては、今回から集計したものです。地域指数については、地域性を反映するために地域指数という形で、一般基本給・賞与等の額に乗じる形で算出する指数になっているところですが、都道府県別を選択しているものが78.8%、公共職業安定所の管轄別が15.5%、併用しているものが3.0%となっているところです。
 続きまして、下段です。「5 通勤手当の支給状況」です。これについては、実費支給が88.2%、定額支給が4.4%、時給等に合算して支給しているものが5.1%となっているところです。
 続きまして、10ページです。上段の「6 退職金の支給状況」です。退職金の支給について、退職金制度の方法によるものが34.7%、退職金の前払いや時給などと合算をして支払うものが54.9%、中小企業退職金共済制度等への加入の方法によるものが2.7%となっているところです。
 続きまして、中段の「7 賃金の改善(法第30条の4第1項第2号ロ)の状況」です。この賃金の改善の状況については、高度な就業機会の提供というものが76.7%、昇給の方法によるものが52.6%、別手当の支給という形が38.7%となっているところです。
 最後、下段ですが、「8 締結主体・有効期間」です。労使協定の締結主体は、「労働組合」が6.4%、「過半数代表者」が93.6%となっています。有効期間については、「1年」が71.7%、「2年」が25.6%となっているところです。この有効期間については、画一的な基準を設けることはしていませんが、当初の業務取扱要領上は目安として2年以内にすることが望ましいとしているところです。
 簡単ですが、以上、御報告をさせていただきます。ありがとうございました。

○山川部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について、御質問等がありましたら、先ほどと同様にお願いいたします。永井委員、どうぞ。

○永井委員 ありがとうございます。私からは労使協定書の賃金等の記載状況等について意見を申し上げたいと思います。派遣労働者の同一労働同一賃金に関して、職業分類ごとの賃金が示されるのはこれで2回目ですが、1回目と同様、職業安定業務統計と中央値の間にほとんど差異がない状況となっています。これは、多くの派遣会社が労使協定方式において職業安定業務統計の数字を採用しており、職業安定業務統計が、労使協定方式における派遣労働者の最低賃金のような形になっているのではないかと考えるところです。また、労使協定方式が多数を占める中、派遣先均等・均衡方式の場合と比べて、賃金水準が大きく下回る例もあると聞いているところです。
 我々労働組合としても、この業務統計を上回る金額で労使協定を結ぶよう取組を進めていく所存ですが、行政においても、一般賃金水準を示す際には、あわせて集計結果の最大値を参考として示すなどの工夫をしていただき、少しでも派遣労働者の処遇改善がはかられるよう取組を促していただきたいと思います。以上です。

○山川部会長 ありがとうございます。ほかに御質問、あるいは今のような御意見ももちろん結構ですが、ありますか。よろしいでしょうか。それでは、御意見を頂いた点は踏まえていただくようにお願いいたします。ほかに御意見が特にないようでしたら、以上の点については、ここまでとさせていただければと思います。研究者的な観点かもしれませんが、これは悉皆調査ではないのですが、非常に貴重なデータになるのではないかという感じがしています。
 それでは、公開の議題はここまでですが、ここまでで何か特段ございますか。なければ、公開の議題はここまでとさせていただきます。