2022年1月20日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

日時

令和4年1月20日(木)18:00~

出席者

出席委員(20名)五十音順
(注)◎部会長 ○部会長代理
 
欠席委員(1名)

行政機関出席者
  •  鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  吉田易範(医薬品審査管理課長)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事・審査センター長事務取扱)
  •  池田三恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他

議事

○医薬品審査管理課長 それでは、「薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会」のウェブ会議を開催させていただきます。
 本日もお忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 この度の医薬品部会につきましても、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、ウェブでの審議とさせていただきます。
 まずは、本日のウェブ会議におけます委員の出席状況でございますけれども、小崎委員より御欠席との御連絡をいただいております。このほか、松下委員からは遅れての御参加、それから、川上委員、南委員も後ほど御出席いただけるのではないかなと思っております。
 したがいまして、本日は、現在のところ当部会委員数21名のうち17名の委員が現時点でこのウェブ会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告をさせていただきます。
 薬事分科会規程第11条におきましては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。
 今回、全ての委員の皆様から、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告をさせていただきます。
 委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、清田部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○清田部会長 清田でございます。
 それでは、本日の審議に入ります。
 まず、事務局から資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、本日のウェブ会議に係る資料の確認をさせていただきます。
 本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料として、資料No.1~資料No.3を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。
 このほか、資料No.4として「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」を、資料No.5として「専門委員リスト」を、資料No.6として「競合品目・競合企業リスト」を、また、その他資料として「『コミナティRTU筋注』の取扱いについて」を、事前に電子メールにてお送りさせていただいております。
 なお、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申しつけください。
 続きまして、本日のウェブ会議における審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告させていただきます。
 資料No.6の1ページを御覧ください。
 「コミナティ筋注5~11歳用」でございますが、本品目は「SARS-CoV-2による感染症の予防」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございます。
 ただいまの事務局からの御説明に特段の御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本ウェブ会議の審議事項に関する競合品目・競合企業リストにつきましては、皆様の御了解をいただいたものといたします。
 それでは、委員からの申出状況について御報告をお願いいたします。
○事務局 薬事分科会審議参加規程第11条に基づく各委員からの申出状況及び第5条に基づく取扱いについては、次のとおりでございます。
 議題1「コミナティ」、退室委員、なし、議決に参加しない委員、亀田委員、川上委員、松下委員、南委員、宮川委員でございます。
 以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございます。
 今の事務局からの御説明に特段の御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 よろしければ、皆様に御確認いただいたものといたします。
 本日は、審議事項1議題、報告事項2議題、その他事項となっております。
 それでは、審議事項の議題に移ります。
 議題1につきまして、機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 機構より説明させていただきます。
 議題1、資料No.1、医薬品コミナティ筋注5~11歳用の製造販売承認の可否等について機構より御説明いたします。
 「特例承認に係る報告書」のファイルをお開きください。
 本説明中にお示しするページ数は、各ページの下段に青字で記載の31分の幾つの数字を使用いたします。
 コミナティは、「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とするワクチンで、2021年2月に本邦で承認され、現時点で12歳以上が初回免疫の接種対象とされております。
 本申請は、5~11歳の小児における用法・用量の追加及び5~11歳用製剤の剤形追加に係る製造販売承認申請です。本剤は、2021年12月8日時点で米国、欧州等の15の国または地域で、5~11歳の小児に対して製造販売承認または使用許可がなされております。
 本品目は、医薬品医療機器等法第14条の3に規定される特例承認に該当する品目として取り扱いました。
 本品目の専門委員として、資料No.5に記載の5名の委員を指名いたしました。
 主な審査内容について、御説明いたします。
 本薬の5~11歳用の小児における有効性について、13ページ一番下の段落から御覧ください。
 本申請に当たり、小児を対象とした海外臨床試験C4591007試験(以下、007試験といいます)が実施されました。また、本薬のCOVID-19発症予防効果は、16歳以上を対象とした海外臨床試験C4591001試験(以下、001試験といいます)において既に確認されております。001試験でCOVID-19発症予防効果が確認されていることを踏まえ、007試験で得られた5~11歳の集団の免疫原性を、001試験の16~25歳の集団の免疫原性と比較することにより、5~11歳の小児における有効性を説明するとの開発方針が取られました。
 免疫原性の結果について、8ページの一番下の段落を御覧ください。
 007試験では、過去にSARS-CoV-2感染歴がない被験者における治験薬2回目接種後1か月時点のSARS-CoV-2の中和抗体価が評価され、5~11歳と16~25歳の集団の幾何平均抗体価の比であるGMRと両集団の抗体応答率の差が検討されました。
 結果は、9ページを御覧ください。
 GMRは、表4の一番右の列、1.04であり、事前に設定された成功基準である両側95%CIの下限値が0.67を上回り、かつ、点推定値は0.8以上であり、成功基準が達成されました。
 抗体応答率の差は、表5の一番右の列、0.0%であり、事前に設定された成功基準である両側95%CIの下限値がマイナス10%を上回り、こちらも成功基準が達成されました。
 以上の結果より、機構は、5~11歳の小児における本薬の有効性は期待できると判断いたしました。
 本薬の安全性について、10ページ表6に治験薬各回接種後7日間における局所及び全身の反応原性事象、表7に治験薬最終接種後1か月後までの主な有害事象及び副反応を示しております。反応原性事象及び有害事象は、ほとんどが軽度または中等度で、回復性が認められていることを確認しました。機構は、5~11歳の小児における本薬の安全性について現時点で重大な懸念は認められていないものの、安全性情報は限られていることから、引き続き情報収集する必要があると判断しております。
 続いて、本剤の有効期間について御説明いたします。
 28ページ、1.6.1、製剤の有効期間についての項を御覧ください。
 本剤の有効期間は、本剤と同一組成で充てん量が異なる製剤における6か月までの長期保存試験結果等に加え、既承認製剤と本剤の同等性/同質性が確認されていることを根拠として9か月と設定されております。現在実施中の本剤を用いた長期保存試験の結果については、得られ次第速やかに機構に提出していただき、本剤の安定性について改めて確認する必要があると考えております。
 なお、本品目は5~11歳用の製剤であり、12歳以上に使用する既承認製剤の「コミナティ筋注」とは、希釈方法、接種量、希釈後に保存できる期間等が異なります。このため、本剤の導入に際しては、接種過誤や取り違えの防止策として、バイアルのキャップ及びラベルの色による識別性の向上、薬液採取後のシリンジに貼付可能な識別シールが配布され、また、情報提供資材や医療従事者向けの説明会において両製剤の違いについて情報提供される予定です。
 以上の審査を踏まえ、機構は、2ページに記載した承認条件を付した上で、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。本申請は新用量医薬品としての申請ですが、既に付与されている再審査期間の残余期間が4年以上あることから、再審査期間は残余期間である令和11年2月13日までと設定することが適切と判断いたしました。また、本剤は生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、製剤は劇薬に該当すると判断いたしました。
 薬事分科会は報告を予定しております。
 説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。
 この件に関しましては既に日本小児科学会から声明が出ておりますけれども、中野先生、追加する御説明等はございますでしょうか。
○中野委員 中野でございます。御指名ありがとうございます。
 追加事項は特にないのですが、一応確認させてください。今、清田部会長から御紹介いただいたように昨日時点で、5~11歳に対するメッセンジャーRNAワクチンの小児に対する接種の考え方というのを日本小児科学会は公開しております。そして、その公開文書の中では、先ほど御説明いただきました免疫原性のことと併せて、90%を超える発病予防効果のこともうたっております。成人とほぼ同等、もちろん、現在流行しているオミクロン株ではなくてそれ以前の流行株で行った発病予防効果の試験だと思います。
 今日の特例承認に関わる報告書の御報告を今、拝聴しておりますと、これは16~25歳と比べた免疫原性で承認、有効性に関しては評価されたという理解でよろしいのでしょうか。一応確認させてください。
○清田部会長 機構からお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 機構からお答えいたします。
 ご理解のとおりです。
○中野委員 ありがとうございます。
○清田部会長 ありがとうございます。
 小児に対するワクチンということで、親御さんたちも心配されているかと思いますけれども、この対応につきまして、事務局の方から何かございますでしょうか。
○事務局 事務局から説明させていただきます。
 本部会で本製品について承認を可と判断された場合には承認の手続を進めることとなりますが、特例臨時接種に位置づけるかどうかについては、別途、厚生科学審議会での議論が必要となります。その場合には、企業が用意する説明資材だけではなく、予防接種担当部局が接種に当たっての注意事項として有効性や安全性に関する情報などをまとめた情報提供資材等を用意する予定となっております。そういった資材を用いた説明やSNSによる情報発信などにより、ワクチン接種について検討、判断するために必要な情報が国民にきちんと伝わるよう、厚生労働省として一丸となって対応する予定です。
○清田部会長 ありがとうございます。
 ぜひ分かりやすい御説明をお願いしたいと思います。
 それでは、委員の先生方からの御質問、御意見がございましたら承りますが、いかがでしょうか。
○渡辺委員 渡辺です。
○清田部会長 どうぞ。
○渡辺委員 一つだけ、言わずもがなの確認でありますけれども、しばしばこういう薬剤の場合に、欧米人と日本人は非常に異なる対応を示すというか反応を示すということを根拠なく言われることがあるので確認ですが、本剤に関して、代謝などに関して、欧米人とアジア人、あるいは日本人との間に差がないということはもう間違いないということでよろしいでしょうか。
○清田部会長 機構よりお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えいたします。
 初回承認時に欧米人と日本人で免疫原性の差はないという結果が得られておりますが、代謝に関して現在説明できる情報は持ち合わせておりません。
 以上になります。
○清田部会長 よろしいでしょうか。
○渡辺委員 本剤の本質からいって、その免疫原性に関しての差がないということを伺いましたので納得いたしました。ありがとうございます。
○清田部会長 ありがとうございます。
 宗林先生から御質問があるようです。
○宗林委員 宗林です。質問させてください。
 5~11歳という年齢でありますと、体重が倍以上違うということで差が相当大きいのですが、この5~11歳の健常な人たちということの一言ですが、年齢分布みたいなものはあるのでしょうか。
○清田部会長 機構からお答えできますか。
○医薬品医療機器総合機構 少々お待ちください。
○清田部会長 宮川委員からその情報があるようですのでお答えいただきます。
○宮川委員 宮川でございます。
 小児のいろいろな薬剤の投与量に関してなのですが、通常のいろいろな抗生剤や鎮痛解熱剤等を含めてですけれども、そのような用量設定、これは体表面積や体重で決めるのですけれども、ワクチンに関してはそのような決め方を今までしてこなかったということです。普通のワクチンというのは、当初小児に使うような形で設定し、それを大人に転用してきたものが多かったようです。その場合にも同じように、体重設定というよりは年齢でそのような分け方を従来から今まで行ってきました。体表面積や体重による設定という、そのような概念ではないというように考えていただけるのが良いと思います。私もそういうふうに疑問を持っていろいろ調べたのですが、歴史的背景を含め、海外においても、ワクチンに関してはそのような用量設定という形になっているようでございます。
○清田部会長 宮川先生、ありがとうございます。
 宗林先生、いかがでしょう。
○宗林委員 先生、ありがとうございます。
 ただ、お聞きしたかったのは、体重設定にするほうがいいのではないかという意見ではなくて、この健康な5~11歳の健康小児という。こういうふうに書いてある、49例と書いてあるものの中に5歳とか小さい子たちがどのぐらい入っているのかという実際の年齢分布が分かれば教えてほしいというだけのことでございます。
○清田部会長 機構、これは分かりますか。
○医薬品医療機器総合機構 確認中ですのでもうしばらくお待ちください。
○清田部会長 では、ちょっとお待ちください。
○宗林委員 すみません。後からでも結構です。
 私が気になりましたのは、体重がやはりこの年齢は大体、5歳ですと平均で18kgぐらいで、11歳ですと37kgとか38kgぐらいなのです。そうなりますと、若い5歳ぐらいの幼い子たちのデータもきちんと均等で入っているのかどうか、健康な小児というところに入っているのかだけをちょっと気になったものですからお聞きしたまでです。後からでも結構です。
○医薬品医療機器総合機構 お待たせいたしました。機構よりお答えいたします。
 年齢別の分布の情報はありません。年齢の平均値としては8.3歳、中央値として8.0歳で、最小値と最大値は5~11歳ということになっておりまして、大体8歳ぐらいの子供が多いという情報はございます。
○宗林委員 一応承知しました。ありがとうございました。
○清田部会長 ほかに御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
○宮川委員 すみません、よろしいでしょうか。
○清田部会長 どうぞ。
○宮川委員 9/31の中和抗体価の表4ですけれども、それと添付文書の3ページです。そちらも表の4という所なのですが、この中和抗体価の量は添付文書のデータと、それから、こちらの申請書のデータで、添付文書の方はどこから持ってきたデータなのでしょうか。ちょっとよく分からなかったものでお聞きしたいと思います。
○清田部会長 機構からお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 機構より1点確認させてください。先生のご指摘は、添付文書の表4でしょうか。
○宮川委員 はい。
○医薬品医療機器総合機構 表4のデータについては、こちらは今回の報告書には記載していないもので、コミナティ筋注の初回の承認のときのフェーズII/IIIの試験でございます。
○宮川委員 そうですよね。
○医薬品医療機器総合機構 はい。そちらの有効性のデータを参考として載せております。
○宮川委員 そうなのですよね。これは令和2年の12月のときの初回の承認申請のときの001試験の第II相第IIIパートの所でのデータというふうに理解してよろしいのですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。御理解のとおりでございます。
○宮川委員 そうすると、今回の申請書の方のデータが入らなかったのは何か意味があるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 今回の抗体価のデータ、報告書の9ページの表4と表5のデータは、添付文書の表1と表2が該当するものでございます。
○宮川委員 分かりました。了解しました。既承認製剤の添付文書を見て話してしまっておりましたが、初回のII相/III相のパートに載っている海外のものが小児用製剤の表4に該当するという形ですね。理解しました。
○清田部会長 浦野先生から御質問があるようです。
○浦野委員 浦野でございます。
 全員が多分聞きたいと思っていることで誰も聞かないので聞きますが、今のオミクロンに対する効果というのは、多分データが全くないと思うのですけれども、これを現状打つメリットというのを多分国民の人に説明しないとなかなか打ってもらえないのではないかなというふうに思うのですが、その辺に関してはこの部会では議論する必要はないということなのでしょうか。これは承認だけして使える人が使えるようになればいいというふうな議論でよろしいのかどうかを一応確認させてください。
○清田部会長 機構、どうぞ。
○医薬品医療機器総合機構 現状得られておりますオミクロン株に対する免疫原性及び有効性について説明させていただきます。
 まず、免疫原性ですが、本申請の対象年齢である5~11歳での検討結果は得られておりませんが、18~55歳において30µgを2回接種された人での血清の検討におきまして、本薬2回接種後のオミクロン株に対する中和抗体価は、参照株に対する中和抗体価よりも顕著に低いことが報告されております。
 続けて、有効性についても説明させていただきます。
 オミクロン株に対する有効性につきまして、臨床試験データは、小児、成人とも得られておりませんが、英国において16歳以上を対象とした症例対象研究のプレプリントでは、本薬のオミクロン株に対する有効性、発症予防効果はデルタ株よりは低下するものの、2回接種直後は一定の有効性があるという報告もあります。また、ブースター接種で有効性が回復するという報告もあります。現在、申請者は、まずは成人を対象としてオミクロン株に対応した改変ワクチンの開発を行っており、今後、臨床試験データが得られる予定となっております。
 以上になります。
○清田部会長 浦野先生、限られたデータしかないのですが、お答えできることは以上のようです。よろしいでしょうか。
○浦野委員 私自身はこれを打つことには意味があるというか、実際に打ちたい、重症化するリスクが高い小児の人が打てるようにするということはすごく意味があると思うのでよいと思うのですけれども、小児ですとやはりほとんどの人が重症化しないというふうに言われているそういう状況で打つメリットというのがどこにあるのだろうかという議論というのはやはり常にどこでも起こっていることなので、それに対してこの部会で全く何も議論しないのはまずいのかなと思って私は聞いてみました。
○清田部会長 ありがとうございます。
○浦野委員 そこに対して打てるという環境をつくるということに関しては、私は全く反対いたしません。
 以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。
 中野先生、この点につきまして何かございますか。
○中野委員 浦野先生御指摘のとおりだと思うのですけれども、まずはとにかく浦野先生も御指摘になられた基礎疾患のある子とか、やはり重症化する子供たちも患者数が増えれば、その免疫原性というか、従来のワクチンでついた免疫能をエスケープするというオミクロン株の特徴があることはもちろんなのですけれども、オミクロン株の特徴としてもう一つ、非常に感染性が強いという特徴がございますので、コロナのワクチンとしてこの年齢層に使えるワクチンが承認されるということは、やはり現時点では私は必要なことであると考えております。
 以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございます。
 浦野先生、よろしいでしょうか。
○浦野委員 中野先生の御説明どおりで、感染予防という観点からいうとそれは厳しいかなという結果が多いとは思うのですけれども、発症予防あるいは重症化に至らないようにするというために、打てる人が、打ちたい人が打つという、そういった感覚での承認は絶対必要だと私は思っているので、中野先生の御説明で了解いたしました。
 以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。
○宮川委員 宮川ですけれども、よろしいでしょうか。
○清田部会長 どうぞ。
○宮川委員 宮川です。
 やはり小児と言ってひとくくりにして考えるということはやはり危険です。小児にも基礎疾患や重症化リスクを持っているお子さんたちはたくさんいらっしゃいます。その方をどのように救う手だての一つがあるのかどうかという議論というのは私は必要だろうと思いますので、中野先生、それから浦野先生の御意見に賛同いたします。誰もが打つということではなく、そういう目的を持ったこのワクチンの承認であるべきだということは私も了解しております。
 以上です。
○清田部会長 よろしいでしょうか。
 宗林先生、どうぞ。
○宗林委員 すみません、もう一点だけ。
 添付文書の方で、機構に具体的に聞いたほうがいいかなと思うのですが、これは生食を1.3mL入れて、それでもともとのものが0.130で薬剤が入っているわけですけれども、それを入れたときに0.2mLを10回分採取できると書いてあるので、全体で2mLにぎりぎりなるという、デッドボリュームがなければ2mLぎりぎりになるということなのでしょうか。解凍して、それから後、添加剤もあるので、それと合わせると、1.3mLを超えるとちょうどジャスト2mLになるという感じの薬剤になるのでしょうか。
○清田部会長 機構、どうぞ。
○医薬品医療機器総合機構 機構から回答させていただきます。
 バイアルにはもともと1.3mLの薬剤が入っておりまして、それからさらに生理食塩水を1.3mL入れますので、合計としては2.6mLになります。
○宗林委員 分かりました。もともと1.3mLの中に0.13mgトジナメランが入っているということですね。
 そうすると、後ろの方の希釈方法の所で、デッドボリュームがない場合しか10回分を採取できないような書き方をされていますが、おおむね10回は採取できるということになるということですか。
○医薬品医療機器総合機構 そうですね。デッドボリュームの少ない注射針または注射のシリンジを使用した場合は10回分採取できますが、それができない場合は9回分となる可能性もあります。これは既承認製剤だと、希釈後6回分として使えるのですけれども、場合によっては5回となるというところと同じと考えております。
○宗林委員 分かりました。書き方としてこう書いているということですね。
 すみません、失礼しました。
○清田部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、ほかに御質問はないようですので、議決に入ります。
 亀田委員、川上委員、松下委員、南委員、宮川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 御異議がないようですので、承認を可として、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 続きまして、説明の都合上、本議題と関係するその他事項に移りたいと思います。
 事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局から御説明させていただきます。
 資料についてですが、「『コミナティRTU筋注』の取扱いについて」を御覧ください。
 昨年(2021年)2月から使用されている「コミナティ筋注」については、現在12歳以上の者の接種に用いられていますが、解凍後、使用する前に生理食塩水を用いた希釈が必要となっております。
 一方、ファイザー社は、解凍後に生理食塩水による希釈が不要な製剤を開発しており、2021年10月26日に承認申請が行われているところです。
 本剤の有効期間についてですが、先ほど御審議いただきました「コミナティ筋注5~11歳用」と同様に、本剤と同一組成で充てん量が異なる製剤も含めた6か月時点の長期保存試験結果等に加え、既承認製剤と本剤の同等性/同質性が確認されていることを根拠として9か月と設定されております。したがって、本剤の長期保存試験結果について結果が得られ次第速やかに機構に提出いただき、当該試験結果を確認する必要があると考えております。
 したがって、「コミナティ筋注5~11歳用」と同様の承認条件を課したいと考えております。また、今後、製剤がRTU製剤に切り替わっていく可能性を考え、これまでの製剤と同一の取扱いとするために特例承認としたいと考えております。
 なお、12歳以上用の製剤について、現行の製剤から希釈不要製剤への切替え時期については、供給スケジュールが現時点で明確に固まっていないと聞いておりまして、承認した後すぐに供給が開始されるわけではないことを念のため申し添えさせていただきます。
 以上、御報告申し上げます。
○清田部会長 ありがとうございました。
 委員の先生方から御質問等がございましたら承りますが、いかがでしょう。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、その他事項につきましては御確認いただいたものといたします。
 続きまして、説明の都合上、審議事項と関連する報告事項議題2に移ります。
 報告事項議題2につきまして事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局から御説明させていただきます。
 資料についてですが、「『コミナティ筋注』の安定性試験報告書等に関する評価について」を御覧ください。
 先ほどの御説明と重複する部分があり恐縮ですが、「コミナティ筋注」については、昨年(2021年)2月に承認され、使用されております。承認時点で、長期安定性試験の結果等について一部承認後に提出することとしておりましたが、機構においてこれまで提出された品質に係るデータを確認したところ、特段の問題はないと判断されております。そのため、承認条件の一部、(2)(6)については対応されたものと判断しております。
 なお、(6)の2行目「上記(2)、(3)又は(4)に基づいて」から始まる部分については、条件というよりは注意事項的な文言を合わせて書いてしまっておりまして、今回の御報告後、(2)(6)と合わせて添付文書において承認条件から削除することとさせていただきますが、(3)や(4)に記載のあるような有効性・安全性について特段対応の必要があることが発生した場合には、引き続き適切に対応させていただきます。
 以上、御報告申し上げます。
○清田部会長 ありがとうございました。
 委員の先生方から御質問等がございましたら承りますが、いかがでしょう。よろしいでしょうか。
 それでは、報告事項議題2につきまして御確認いただいたものといたします。
 続きまして、報告事項議題1に移ります。
 報告事項議題1につきまして事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項議題1、医薬品アクテムラ点滴静注用の製造販売承認事項一部変更承認について御説明いたします。資料No.2を御覧ください。
 本剤の有効成分であるトシリズマブ(遺伝子組換え)は、抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体であり、既に関節リウマチ等の効能・効果で承認されております。
 今般、中外製薬株式会社より実施された国内外の臨床試験成績等に基づき本剤の臨床的有用性が確認されたとして、SARS-CoV-2による肺炎に係る効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。令和3年12月末時点において、本剤はSARS-CoV-2による肺炎に係る効能・効果でEUを含む5つの国または地域で承認されております。
 有効性につきましては、全死亡の評価に対して一定の検出力を有すると考えられる症例数で実施された海外医師主導臨床試験であるRECOVERY試験におきまして、副腎皮質ステロイド薬併用下で本剤投与により全死亡割合が低下する結果が得られております。安全性につきましては、本剤投与時の安全性プロファイルが既承認の効能・効果に対する使用時と明らかに異なる傾向は認められませんでした。
 機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。
 以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございました。
 委員の先生方から御質問はございますでしょうか。
○宮川委員 宮川ですけれども、よろしいでしょうか。
○清田部会長 どうぞ。
○宮川委員 RECOVERYは分かるのですけれども、それ以外のCOVACTAを含めての三つの臨床試験とあまりにも乖離しているような気がするので、実際にはステロイドというものの存在下でなければ、この薬の存在価値はないように思えるような試験結果なのですが、それに対してはどのように考えたらよろしいのでしょうか。
○清田部会長 機構からお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 機構より御説明申し上げます。
 全死亡の結果を20ページの表18でお示ししており、御指摘いただきましたように、RECOVERY試験以外の試験では一貫した結果が得られていないのですが、副腎皮質ステロイド薬併用なしよりも併用ありで結果が良好であるということはある程度確認されているところです。御指摘のステロイド薬併用なしで効果がない理由について明らかにはされていないのですが、ステロイド薬併用下であれば一定の効果が認められていることは確認できたと考えております。
 説明は以上になります。
○清田部会長 宮川先生、よろしいでしょうか。
○宮川委員 宮川です。
 どうしても患者さんをお救いしたいときの最後のところの一つのパートとして認識するということでは、このような薬剤選択の方法が今のところ残っていないので仕方ないと思うのですが、そういうふうに理解するしかないかなと思ったので、確認のためお聞きしました。ありがとうございます。
○清田部会長 よろしいでしょうか。ほかに御質問はございますでしょうか。
 ないようでございます。
 それでは、報告事項議題1につきましては御確認いただいたものといたします。
 本日の議題は以上ですが、事務局から何か御報告はございますでしょうか。
○事務局 次回の部会は2月4日金曜日午後6時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。お疲れさまでございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 柳沼(内線2746)