2021年12月17日 第4回毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループ 議事録

政策統括官付参事官付統計企画調整室

日時

令和3年12月17日(金)13:57~14:54

場所

オンライン会議

出席者

構成員(五十音順、敬称略、◎:主査)
  •  稲葉 由之
  •  風神 佐知子
  • ◎加藤 久和
  •  高橋 陽子
  •  樋田 勉
構成員以外の関係者
  •  西郷 浩(早稲田大学政治経済学術院教授)
事務局
  •  鈴木政策統括官
  •  田中政策立案総括審議官
  •  古舘参事官(企画調整担当)
  •  野口統計管理官
  •  井嶋労働施策情報分析官
  •  奥垣統計企画調整室長
  •  渡邉審査解析室長
  •  高田雇用・賃金福祉統計室長補佐

議題

  1. 1 毎月勤労統計調査におけるベンチマークの更新等について(報告案)
  2. 2 本ワーキンググループの今後の進め方について
  3. 3 その他

議事

議事内容
○奥垣統計企画調整室長
 ただいまから第4回毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループを開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、年末お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。本日の御出席状況ですが、全ての委員が御出席です。また、本日は審議協力者としまして早稲田大学政治経済学術院教授の西郷先生に御出席いただいております。それでは以降の進行につきましては加藤主査にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○加藤主査
 皆様、本日はお忙しい中お集まりいただきましてどうもありがとうございます。それでは早速議事を進めてまいりたいと思います。本日の議題ですが、1.毎月勤労統計調査におけるベンチマークの更新等について(報告案)、2.本ワーキンググループの今後の進め方について、3.その他となっております。なお、本日のワーキンググループは15時30分までを予定しておりますが、予定時間を若干過ぎる可能性もあるかと思います。そのような場合、予定がある方は御退席いただいても結構です。それではよろしくお願いいたします。
 まず、議事1の毎月勤労統計調査におけるベンチマークの更新等について(報告案)です。前回までのワーキンググループでベンチマーク更新の方法につきまして、一定の方向性を得ることができました。今回のワーキンググループでは厚生労働統計の整備に関する検討会への報告案をまとめたいと考えております。それでは事務局から御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○野口統計管理官
 厚生労働省の野口です。お世話になります。前回第3回のベンチマーク更新の議論の終わりのところで、厚生労働統計の整備に関する検討会への報告の案をまとめるようにという御指示をいただきまして、今回資料を御用意させていただいております。まず、資料1と資料2ですが、資料1が前回の御指示に従いましてまとめました報告の案です。それから、その参考資料として活用できるようにさせていただいておりますのが資料2です。それでは資料をそれぞれ御説明させていただきます。
 資料1、2ページですが、こちらに今回のベンチマーク更新の対応で御議論いただきました検討結果を整理させていただいております。まず3点ありまして、1つがベンチマーク更新の時期をどの時期に実施するかということを御議論いただいております。ベンチマーク更新に利用可能なデータとして平成28年経済センサス‐活動調査、令和元年経済センサス‐基礎調査を基にした事業所母集団DBの令和元年次フレーム、令和3年経済センサス‐活動調査、これらを候補として御検討いただきまして、令和3年経済センサス‐活動調査については、利活用ができるのがまだ先ということでして、ベンチマーク更新をいつやるかという論点に合わせまして、2つのデータを基にベンチマークへの利用の可否について御議論いただいております。
 内容といたしましては、母集団労働者数の推計と実績との乖離を早期に是正するため、令和3年経済センサス‐活動調査の公表を待たず、毎月勤労統計調査の令和4年1月分調査からベンチマーク更新を行うとおまとめいただいたところです。
 項目の2番目といたしまして、ベンチマーク更新に用いるデータについてですが、令和元年次フレーム、平成28年経済センサス‐活動調査のそれぞれを使った場合の留意点なり、課題を整理して御議論いただいております。
 まず、令和元年次フレームの場合ですが、平成28年経済センサス‐活動調査から労働者数が十分に更新されていない事業所がある。更新されている場合でも、更新時点が事業所によって異なるという特徴がありました。平成28年経済センサスをベンチマークのデータとして活用する場合には、公営事業所の労働者数を把握していないというところが課題として上げられておりました。これらについて後ほど御紹介させていただきます資料で御議論をいただきまして、令和元年次フレームについては、労働者が令和元年6月時点に更新されたというところではありませんので、産業規模別の労働者の更新状況が異なっている、それから過小に評価されている可能性があるということで、公営事業所の労働者を推定するということを前提に、平成28年経済センサス‐活動調査のデータを使ってベンチマーク更新をやるという結論をいただいているところです。
 項目の3番です。公営事業所の労働者数推計についてです。平成28年経済センサスを用いる場合に、公営事業所の労働者数が必要というところですが、これについては後ほど御覧いただきます5、6ページにあります5つの案を事務局として御提案させていただきました。1事業所当たりの労働者数が変化しないということを前提として、平成26年から令和元年の公営事業所の増減率を用いて推計を行うということで、皆様の御了解をいただいたところです。ただし、※といたしまして、労働者数を把握している事業所については、可能な限り情報を活用するというところです。この※が後ほど御覧いただきます前回までの議論の中での案4と案5の違いのところです。
 議論の過程におきまして、2つ課題をいただいていると認識しております。1つが令和3年経済センサス‐活動調査の利用ができるようになった場合には、速やかにベンチマーク更新を実施するということ、母集団労働者数の推計について改善を図るということ、この2つを今後検討しながら進める必要があるという留意をいただいたところです。
 それぞれ今の3つの項目についてどういう議論が行われたかということを3ページ以降にまとめさせていただいております。ベンチマーク更新の時期につきましては、候補として上げられました平成28年経済センサス‐活動調査等のデータの名称や特徴を明記させていただいて、上に今回御議論いただいた結論を記載させていただいております。記載の内容は2ページで申し上げたのとほぼ同じものを記載させていただいております。
 4ページですが、ベンチマーク更新に用いるデータにつきまして、第3回において御議論いただいて方向性を決めていただいた際に、活用いたしました事業所母集団DB、令和元年次フレームと平成28年経済センサス‐活動調査について、調査、データの時点、それから事業所の把握、労働者数の更新状況とデータの利用に当たっての課題という一覧、特徴を整理させていただきまして、これに基づいて御結論をいただいたところです。
 5、6ページです。先ほど御説明させた中でも触れさせていただきました、平成28年経済センサス‐活動調査を用いる場合の公営事業所の推計方法について、事務局で案1~案5を御提案させていただきまして、それぞれについてデータを交えながら結果といたしまして、6ページにあります推計方法の特徴を整理いただきまして、結果といたしまして案4若しくは案5が、1事業所当たりの労働者数が変化しないものとして、平成26年~令和元年の事業所の増減率を用いて推計するというものです。以上のような結果で2ページを整理させていただいております。
 報告の参考として添付するものといたしまして、資料2を御覧ください。こちらに資料案を整理させていただいております。資料2の2ページですが、毎月勤労統計調査の概要といたしまして、調査の目的、調査の概要といたしまして、調査が第一種事業所の調査、第二種事業所の調査、特別調査と申します常用労働者を1人から5人未満雇用する事業所の調査があるということ。対象事業所数、調査の周期や調査事項、抽出方法、調査系統等を整理させていただいて一覧を御用意させていただいております。
 3ページを御覧ください。こうした毎月勤労統計調査の現状について整理した資料です。調査の概要、利活用の事例、直近の令和2年の結果の代表的な数値を御紹介した資料として、毎月勤労統計調査の現状をお示しする資料を御用意させていただいております。
 4ページを御覧ください。毎月勤労統計調査のベンチマーク更新について御議論いただきましたが、ベンチマーク更新とは何かということを、今まで資料としてお付けさせていただいたものを御用意させていただいております。今回※を2つ追加させていただいております、ベンチマーク更新に伴い、今回常用雇用指数を過去に遡って改訂するということで記載させていただいております。
 5、6ページですが、5ページが今回のこのワーキンググループで本日まで4回、本日のものを含めさせていただいておりますが、本日までの議論の議事のポイントを整理させていただいた資料を御用意させていただいております。
 最後に6ページですが、毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループについて、構成員、御参画いただいた先生方の名前等々を整理したものを資料として御用意させていただいております。これを基礎に報告の取りまとめについて御議論をいただきたいと思っております。一方でこの資料だけではなく、1回目から3回目までの審議で活用、御審議いただいた資料で代表的なものを参考資料1という形で御用意させていただいております。
 参考資料1を御覧ください。6つの項目に分けて、毎月勤労統計調査の推計方法、ベンチマーク更新の実施時期、令和4年1月のベンチマーク更新に用いるデータ、公営事業所の労働者数推計のときに用いていただいたデータ、ベンチマーク更新の毎月勤労統計調査の影響についても実態を御覧いただいております。その他過去に第1回のワーキンググループなどで提示させていただいた資料などをおまとめしております。
 どのような資料を御用意したかを御説明いたします。3ページ、毎月勤労統計調査の推計方法についてです。第1回のワーキンググループで御説明した毎月勤労統計調査が、産業・規模別に母集団労働者数を用いて、比推定で統計を作成している。常用労働者の比推定の比率が、賃金や労働時間を推計するときのウエイトになっていることを御説明したときの資料を御用意しました。資料につきましては、若干お化粧直しております。
 4ページです。毎月勤労統計調査では、母集団労働者数の推計方法といたしまして、毎月の調査結果による母集団労働者数の補正、事業所の新設・廃止等に伴う労働者数の増減を雇用保険データを活用して推計している特徴があります。そのときに御説明した資料です。
 5ページ以降が、ベンチマーク更新の実施時期について御議論いただいたものです。
 6ページを御覧ください。毎月勤労統計調査のベンチマーク更新がどのような頻度で、どのくらいの期間で実施しているかを御説明したものです。事業所の全数調査である経済センサスや事業所・企業統計調査の実施時期の間隔に合わせて、おおむね3年~6年でベンチマーク更新を行っていたものを御説明したときのものです。
 8ページ以降です。8ページにおきましては、令和元年次フレームにおける労働者数の産業別更新状況をお示しした資料です。令和元年次フレームが、平成28年経済センサス‐活動調査から事業所の更新が約17%の事業所で行われていた。労働者数については、約25%の割合で労働者数が更新されているところをお示しして、議論に御活用いただいたものです。
 9ページ、10ページにつきましては類似の資料で規模別、産業別にデータを御覧いただいて御審議に御活用いただいたものです。
 11ページです。令和元年次フレームの数字データの状況を見るために、製造業について、工業統計調査と比較をしてみることで数字の評価ができるのではないかと御示唆を頂き、工業統計と比較したときの資料です。工業統計と、令和元年次フレーム又は経済センサスの調査対象の定義に若干の差がありますが、全体といたしまして工業統計のほうが変化率、伸び率につきましては大きい結果が出ていたことを御紹介したものです。
 12ページです。ベンチマーク更新による常用雇用指数の変化を試算したものです。御判断いただくために御活用いただいたところは、グラフの緑の線があります。ここに令和元年次フレームの労働者の更新ですが、緑の線の期間に他の統計調査の結果等によりデータが入ったものが更新の形で令和元年次フレームに反映されている実態があります。結論といたしまして、いつの時点の労働者が反映されているかは、事業所により異なることを御説明したものです。
 14ページ以降に、公営事業所の労働者数の推計について御議論いただいたものです。まず14ページですが、平成28年の推計労働者数を試算したものです。
 15ページは、公営事業所の推計について、平成26年からの増減率を産業別に案1~案5について試算をし、御議論いただいたものです。
 16ページは、御議論の中で御示唆をいただき、平成21年の経済センサスから、平成26年の経済センサス、両方とも公営事業所の調査が行われ、実態が分かっているこの2点について代表的なものとして案1、案2、案4について試算をして、どういう状況になるかと御示唆をいただき御議論いただいたものです。
 18ページ以降が、ベンチマーク更新の影響について御議論いただいたときの論点をまとめたものです。18ページですが、令和4年1月のベンチマーク更新に伴う常用雇用指数の改訂イメージです。第1回のワーキンググループで、類似の図表を示しておりますが、もう少し分かりやすく加工して、常用雇用指数がベンチマーク更新により、どう移り変わるか。常用労働者数がどう動くかを第1回の資料などを参照しながら作成したものです。具体的には、赤い点線が現在の常用雇用指数です。これが令和4年1月時点でベンチマーク更新により、青い実線に移っていくものですが、その際に赤い点線と青い点線の間で指数が変わる部分もあり、これが指数の改定になります。併せて、令和4年1月に2020年の毎月勤労統計調査の年平均の結果を100とし、指数の基準改訂を行うことを第1回で御説明しており、そのことを併せて記載しております。
 19ページです。ベンチマーク更新を令和元年次フレーム、平成28年6月の経済センサスを使って更新をした場合に、毎月勤労統計調査にどう影響が出るかを試算し、整理し、御審議いただいたものです。
 この影響、こうした実態を見るために20ページ、21ページにそれぞれ特に平成28年の経済センサス‐活動調査を使った場合には案1~案5の公営事業所の推計部分がありますので、その5パターンと令和元年次フレームの結果について経済センサスの労働者数と毎月勤労統計調査の労働者数の比率、いわゆるギャップ率を試算し、どの程度の動きが出るかを御審議いただいた資料です。
 22ページは、ベンチマークの関係です。ベンチマーク更新が賃金に与える影響については、産業別に異なる状況があるのではないかという御示唆で作成し、御審議いただいた資料です。その他につきましては、第1回のワーキンググループで、資料として御提示したものを幾つか抜粋しております。
 まず24ページが、調査客体の変更若しくは調査客体の変更に伴うベンチマーク更新により、過去の実績によりどのくらい変更による影響が出ているかを過去に評価したもので、影響実績をお示したものです。
 25ページです。令和3年1月、ここで、ローテーションサンプリングによる調査客体の一部入替えがありましたが、これにより調査にどう影響が出たかを過去に評価しているものを御紹介した資料です。
 26ページです。毎月勤労統計調査のベンチマーク更新により、常用労働者数については断層が生じて、大体2%ぐらいの断層が生じているというのがあり、御説明した資料です。
 27ページ、28ページにつきましては経済センサスの見直し、事業所母集団データベースの年次フレームというものが、どういうデータかを御理解いただくためにお示しした資料です。
 29ページ以降は、毎月勤労統計調査のベンチマーク更新の概要です。計算式の方式でお示ししたものです。
 30ページから32ページは、毎月勤労統計調査の集計・推計方法を、数式化したものを御紹介したものです。
 33ページに、先ほど申し上げた末尾が0又は5の年のデータがそろった段階で、指数の基準時改定をしており、過去の事例を踏まえて基準時改定がどういうものかを御説明した資料です。
 34ページ、35ページは、指数の作成方法等について御紹介したときに使用した資料です。これらを参考資料とし、今回御参照いただきながら資料1、資料2を御議論いただければと思い資料を用意しました。事務局からの説明は以上です。

○加藤主査
 御説明どうもありがとうございました。それでは、委員の皆様に報告案及び参考案の内容について御議論いただきたいと考えております。また、参考資料集1から報告案又は参考案に含めることが適当なものがあれば、併せて御意見をいただきたいと思います。
 すみません、先にまず私から意見を提出させていただければと思っております。資料2の4ページで、ベンチマーク更新の説明があり、常用雇用指数の取扱いも含めて触れておりますが、文字だけを見てすぐに理解するのは難しいと思います。厚生労働統計の整備に関する検討会への報告に当たっては、先ほど御説明いただきましたが、参考資料1の18ページに掲載されているイメージ図を4ページと5ページの間に挿入すると良いのではないかと考えております。
 これについて委員の皆様、何か御意見等がありましたらお願いいたします。あるいはそれも含めて今の事務局からの御説明について御質問、御意見等があれば、併せてお願いできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。もし御発言があればミュートを外してお話いただければと思います。よろしくお願いいたします。特によろしいでしょうか。

○稲葉委員
 稲葉です。よろしいでしょうか。

○加藤主査
 稲葉先生、よろしくお願いいたします。

○稲葉委員
 私から1点だけ申し上げます。意見として申し上げるのは、参考資料から資料1に含める内容についてです。資料1を御覧ください。今回の検討結果につきましては、ベンチマーク更新に用いるデータと公営事業所の労働者数の推計方法を提案することが主な内容であると思います。その際に、判断材料となる数値を含めたほうがよいのではないかと思い、発言いたします。
 まず、母集団情報として何のデータを選定するのかということについては、資料1の4ページの中に事業所母集団データベース(令和元年次フレーム)の労働者数の更新というところにおきまして、労働者数が更新された事業所は全体の約17%、労働者数は全体の約25%という部分で示されております。この数値により、事業所母集団データベース(令和元年次フレーム)というのは労働者数の更新度合いが低いということが分かりまして、これが判断材料になるかと思います。
 一方、公営事業所の案1~5までの判断材料といったものを考えると、資料1の中に含まれていないのではないかと考えました。参考資料1の14ページを御覧ください。参考資料1の14ページですけれども、案1~5までの労働者数の推計値が示されています。この表の右側に示された部分ですが、案2の推計値が他の案に比べて違っているということを見ることができます。
 例えば1つの産業に着目して、教育,学習支援業を見ます。下から4行目の部分ですが、この部分を見ますと、他の案では128万人程度のところ、案2では140万人と、差が生じているということが分かります。
 また、16ページを御覧ください。この16ページでは過去のデータに基づいてシミュレーション結果を示して、案4の推定値の乖離が小さいことを示しています。この表の一番上の行を御覧ください。右側の乖離率です。この乖離率を見ますと、案1の乖離率は1.5%、案2の乖離率は16.1%、そして案4の乖離率が-0.1%と、案4の乖離が最も小さいということがこの数値を見ることによって判明します。
 これらの分析結果といったものは、公営事業所の案1~5までを判断する材料として必要ではないかと考えました。そこで資料1にこのスライドを含めるのではなくて、14ページと16ページから分かる内容につきまして、資料1の最後の部分、スライドの6ページの特徴、又はその下の欄に文章として簡単に含めるのがよろしいのではないかというように考えました。少々長くなりまして申し訳ありません。私の意見は以上です。

○加藤主査
 ありがとうございます。確かに先生のおっしゃるように、一言申し添えるということは非常に重要かと考えております。ありがとうございます。

○風神委員
 では、風神も今のについて。

○加藤主査
 お願いいたします。

○風神委員
 私も一番最初に事前の御説明を受ける前に、今回の公営事業所で我々が何でそこに至ったのかということを文章で拝見させていただいたときに、報告資料の一番最初、冒頭の2ページの3のところに太線で、「1事業所当たりの労働者数が変化しないものとして、平成26年から令和元年の公営事業所数の増減率を用いた推計を行う」というものが、パッと見で案4、5を我々が選んだということが分かりにくいのではないかという印象を受けました。
 もちろんじっくり読めば分かるものですけれども、今の御発言を受けて、もし資料1で根拠を明確にするならば、平成28年と令和元年のほうは報告書にも平成28年のほうを使うと明記されていますから、その資料の根拠とともに案4、5を選択するということをもう少し明記してもいいのかと思いました。以上です。

○加藤主査
 風神先生、ありがとうございます。いかがでしょうか。今、稲葉先生からの御提案の公営事業所の判定材料を含めると、風神先生の案4、5が分かるようにということ、それと先ほど私のほうで提案させていただいた参考資料の18ページをそのまま載せるというようなことで、今後少し調整をさせていただきたいと思っておりますが、ほかに何か委員の先生方から、ここをもう少し見直したほうがよいのではないかというものがございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 これまでの稲葉先生の御提案、風神先生の御提案、それと先ほど私のほうで申し上げた参考資料1の18ページを報告書に掲載すると、この3点について少し見直しをさせていただきたいと思います。
 ただ、内容についてそれほど大きな変更ということではありませんので、再度担当のほうで整理をしていただいて、その後の取扱いについては先生方の御意見が通っているかどうか私のほうで判断させていただきますので、主査である私に御一任いただければと思いますがよろしいでしょうか。

(異議なし)

○加藤主査
 どうもありがとうございます。それでは、基本的に報告案については御意見をいただいたものを踏まえてということにさせていただきたいと思います。最終的な報告案及び参考案については、まとまり次第各委員の先生方にお送りして、再度御確認いただくこととしたいと思っておりますが、それについてもよろしいでしょうか。

(異議なし)

○加藤主査
 ありがとうございます。その後、厚生労働統計の整備に関する検討会開催要綱により、次回の厚生労働統計の整備に関する検討会にて報告させていただくことになりますので、御了解のほどお願い申し上げます。
 本当にどうもありがとうございました。貴重な御意見、御提案いただきましてありがとうございました。
 それでは続いて、議事2、本ワーキンググループの今後の進め方についてに移りたいと思います。これは前回のワーキンググループに引き続き議論を行うということになります。それでは、事務局から御説明をお願いします。よろしくお願いいたします。

○野口統計管理官
 厚生労働省の野口です。議題2.本ワーキンググループの今後の進め方を御議論いただくに当たり、今回は資料3と、後ほど御説明させていただく参考資料2を御用意させていただいております。まず資料3から御説明させていただきます。
 資料3の3ページを御覧ください。前回、第3回のワーキンググループにおいて、毎月勤労統計調査における指摘されている主な課題、検討事項ということで大きな3つのくくり、調査方法・標本設計について、推計方法について、公表関係についてということで3ページの資料を示させていただき、委員の先生方の御議論、フリーディスカッションという形で御意見を頂いたところです。
 いただいた御意見の概要を事務局でまとめさせていただいたものが、4ページです。まず、調査方法・標本設計については、かいつまんで言いますと、調査環境が悪化している、こういった中に対応していく方策というのを検討していく必要があるのではないか。オンライン調査によって、回収率の変化や異常値の発生状況を分析をしたり、オンライン調査により、調査員に依存しない調査方法や回収率の向上を検討する必要があるのではないかということが御意見としていただいております。
 推計方法については、雇用保険データによる補正、先ほど参考資料1の4ページだったと記憶しておりますが、雇用保険データにより毎月の母集団労働者数を補正させていただいておりますが、この補正について検討・検証が必要ではないかという御意見を頂いております。調査対象事業所の規模が調査期間中に変わった場合に、その事業所に反映する抽出率逆数の取扱いについても併せて検討してはどうかという御意見を頂いております。現状、毎月勤労統計調査の集計における層、産業規模の層区分が細か過ぎるのではないか。層の併合や集計用乗率の取扱いも含めて、推計方法全般を検討することが必要ではないか。幾つか代表的なものを御説明させていただきましたが、もろもろの推計方法について、多くの意見を頂いております。
 また、公表の関係については、結果表章の統計表の様式が分かりにくい、地方調査は都道府県ごとにフォーマットがそろっていない、さらに毎月勤労統計調査は、訂正が多く、訂正によって数字が変わったことが利用者に分かりづらいなどの御示唆を頂いたものと認識しております。
 こういった意見を踏まえて、前回から事務局で整理をさせていただいております。2、本ワーキンググループの今後の進め方の案として整理させていただいた資料が2ページです。
 今後の進め方として、事務局としては、御意見のあった母集団労働者数の推計について、毎月勤労統計調査の母集団労働者数が賃金・労働時間の集計値を積み上げる際のウエイトになっている。本ワーキンググループでも見直しについて指摘をされていることなどから、ワーキンググループで母集団労働者数の推計方法について検討を進めるということを御検討いただければと思っております。また、季節調整値の見直しや、毎月勤労統計調査の公表方法についてというのも併せて検討いただければということで、御提案させていただいております。大きな検討の枠組みとして、標本設計についてですが、これは中身が多岐にわたることも勘案して、まずは厚生労働省で論点や実態を整理して検討を進めた後に、改めて検討課題として取り上げていくことを考えております。これらのスケジュールを2ページの下段の今後の検討の予定として整理をさせていただいております。
 来年に入り、第1四半期の終わりぐらいから来年の第4四半期、暦年の第4四半期の後半に向け、母集団労働者数の推計方法の見直し、季節調整法の見直し等を御検討いただきながら令和4年の第4四半期から令和5年の第1四半期に掛けて、このワーキンググループの報告書を作成させていただいて、御審議を頂き、今後順次、いただいた結論を見直すという運びにさせていただければと考えております。
 一方で、公表方法の見直しについては、順次見直しが可能なものから対応していくことを考えております。標本設計の見直し等の検討については先ほど申し上げたとおり、スケジュールの一番下に点線でありますが、まずは、厚生労働省の中で、課題の整理や検討の方法などを改めて検討した上で、その方法についていろいろな形で御検討いただければと考えております。
 御参考まで、スケジュールの左端です。今後、ベンチマーク更新の結果について厚生労働統計の整備に関する検討会に報告し、令和4年1月分の毎月勤労統計調査の結果に反映をさせた上で、改めてその影響や実態を整理した上で、このワーキンググループにも御報告をさせていただくということも考えておりますので、併せてスケジュール案の中に入れさせていただいています。
 今回、御議論いただいて、まとめていただいて、ワーキンググループで引き続き課題について御検討いただける場合には、現在、毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループの設置要綱を参考資料2のような形で御用意させていただいております。現行のものが2ポツにあります。ワーキンググループは、令和4年3月までに検討を行い、検討結果を検討会に報告するというところを、令和4年を令和5年に改めて改正をさせていただくことを併せて御審議、御了解いただければ幸いです。私からの説明は以上です。

○加藤主査
 御説明どうもありがとうございました。事務局からは、本ワーキンググループを1年延長した上で、各先生方の御助力をもう1年お願いした上で、母集団労働者数の推計方法などの課題を、検討していきたいという御説明がありました。
 また、標本設計の見直し等については、まずは厚生労働省において、課題の整理等を行い、ある程度整理が付いてから改めて進め方を検討したいということでした。
 それでは、ただいまの御説明について、御質問を含めて委員の皆様方、どうぞ御自由に御発言をいただければと思います。もし、御発言があればミュートを外して御自由に御発言いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○高橋委員
 お話しさせていただければと思います。

○加藤主査
 よろしくお願いします。

○高橋委員
 集計方法について、まずは母集団労働者数について、検討しなければいけないというのは全くそのとおりだと思っていて、私からは公表関係で私は以前、地方調査について公表の仕方を統一してほしいという話をしたのですが、もう一度、趣旨をお話しさせていただければと思います。現在、厚労省のホームページに、全産業と製造業についての水準のデータが掲載されているのですが、可能であれば非製造業のデータや、指数についても掲載していただけないかと思っております。現状ですと、各県の産業別の各指数のデータがほしい場合には、各県のホームページに47回取りに行かなくてはいけないのですが、取っている途中で、データがない県が4、5県あったりして、すごく悲しい思いをすることが多くて、また、県によっては水準しかデータが公表されていなかったり、産業がバラバラだったり、指数の基準年が異なっていたりします。県ごとに、公開している産業が異なるのは事業所数が少なくて公表できない事情があることは承知しているんですが、どの県であっても卸売業、宿泊,飲食サービス業、運輸業、医療,福祉、また、それらを集約して、非製造業とするのでも良いですが、もう少し公表できるのではないかと思っています。
 事業所規模30人以上の公開は難しいのであれば、5人以上だけでも構いません。私が個人的に使いづらいというだけではなく、例えば内閣府のESRIが県民経済計算において、各県の付加価値のデータを作るために、毎勤の地方調査を使っていますが、産業別のデータが時系列で取れなかったり、動きがおかしい場合には全産業のデータを使っているとおっしゃっています。本当は全産業ではなく、少しでも産業をブレイクダウンしたデータを利用したいのだろうと思うのですが、そのほうが正確ですし、私が言うまでもないことですが、地方調査は重要な統計に使われております。
 各県の御担当の方には御負担をお掛けすることとなりますが、自分の県のことは例えば産業構成が似ている隣の県と比較をするとか、ほかの県と比較をして、初めて分かるものですから、各県にとってもメリットがあることだと思いますので、御検討いただければと考えております。以上です。

○加藤主査
 ありがとうございます。確かに、大変大事な御指摘かと思っております。ほかに、いかがでしょうか。

○樋田委員
 今後の進め方についてですが、事務局の案に私は賛成です。調査においては母集団サイズの把握というのは非常に重要なテーマですから、今回そこから取り掛かるというのは順番としては適当なのではないかなと思います。その一方で、標本設計や調査方法についても非常に重要な課題がたくさんあると思いますし、また、現実の現場でもいろんな問題が起きていると思います。こちらも大変重要な内容なので、内部で検討を進めていただければと思います。以上です。

○加藤主査
 ありがとうございます。本当に見ただけでも大変な課題が目の前にあると感じております。

○風神委員
 私も事務局案に賛成です。やはり、母集団について、0.5というのを慣例として使われてきたということなのですが、実際に例えば雇用保険データの事業所の出入りと、毎勤のほうの抽出している企業がどのぐらい反映されているかとかというものは、今回のように何らかの形で、今回のほかのことで議論のときに、いろいろ推計していただいたデータを見させていただいたみたいに、できる範囲で実際はどのぐらいの値になっているのかみたいなことを是非これから議論していけたらと思います。すみません、うまく説明できなくて。以上です。

○加藤主査
 ありがとうございます。大変重要な御指摘だと思います。ほかにありますでしょうか。個人的には母集団労働者数の推計方法の見直しは、いつかはやらなければいけないことで、ちょうど、その機が熟したのではないかなと考えております。
 委員の先生方には、またもう1年、引き続きいろいろと御助力を賜るということになりますが、そのためによろしくお願いできればと思います。
 今日、先生方から頂いた意見については再度担当のほうで整理をさせていただいて、そして先生方の御意見も取り入れるような形で、また御意見というか、今の進め方について御承諾を頂いたということで、この後の方法についても、また私のほうでも少し一任を頂いて、進めさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、参考資料2にあります要綱についても、次回の厚生労働統計の整備に関する検討会で報告した上で、改正の手続を取らせていただきたいと考えておりますので、併せてどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最後に議事3として、その他となっておりますが、事務局から何かありますでしょうか。

○奥垣統計企画調整室長
 事務局です。議事1、議事2に共通することを1点を補足説明をさせていただきたいと思います。お手数ですが、再度資料3の2ページを御覧ください。今後の検討予定と書いていますが、この中で、1月~3月にかけて、ベンチマーク更新の検討結果、整備検へ報告となっています。これについては本日、お示しした資料1、資料2、いわゆるパワーポイント形式に沿った形で、もちろん本日先生が御指示いただいた点は修正した上で、この形で送らせていただきたいと思います。一方、ワーキングの報告書は、一般的に、ドキュメント、いわゆるワード形式になっています。こちらについては本日1年間の延長ということを、ワーキングのほうではお認めいただきました。令和5年のスケジュールを御覧いただきたいですが、報告書の作成というのがありまして、こちらについては他と同様、今回のベンチマーク形式を含めてワード形式の形で報告書を作成した上で、また皆様に御議論いただきたいと考えています。御承知置きいただければと思います。私からの説明は以上です。

○加藤主査
 ありがとうございました。それでは本日、予定しておりました議題は以上となりますが、全体を通して御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。ありがとうございました。本日の議題はこれで全て終了となります。それでは、事務局にお返しさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○奥垣統計企画調整室長
 事務局です。先生方、本日はお忙しい中、御出席いただきありがとうございました。これをもちまして、第4回毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループを閉会させていただきます。本当にありがとうございました。

(了)

照会先

政策統括官付参事官付統計企画調整室

電話:03-5253-1111(内線7373)