令和4年1月21日 第75回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第26回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和4年1月21日(金) 13:00~16:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第75回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和3年度第26回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。現在、副反応検討部会委員9名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
長谷川委員より御欠席となる旨の御連絡を、伊藤澄信委員、永井委員、宮川委員、柿崎委員より途中退席する旨の御連絡をそれぞれいただいております。
また、永井委員が少々遅れているようです。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
本日御出席された委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、帯状疱疹、23価肺炎球菌、HPV、百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、13価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルス、新型コロナウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、サノフィ株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社、アストラゼネカ株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。
各委員からの申告内容については事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、宮川委員は第一三共株式会社及び武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜ、新型コロナウイルスの各ワクチンについて、石井委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜの各ワクチンについて、意見を述べることはできますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
柿崎委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も御確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
次に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-9、資料2-1から2-30、参考資料1から9になります。
不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○森尾座長 それでは、審議を始めたいと思います。
議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等」について、まずは資料1-1-1から1-6-2について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1-1から1-6-2を用いまして、今回の集計対象期間における副反応疑い事例の動向や集計方針などに変化があった点を中心に御説明したいと思います。
まず、資料1-1-1をご覧ください。
36ページでございます。コミナティ筋注の3回目接種後に報告された症状を集計したものとなります。前回の集計期間からコミナティの3回目接種は始まっておりましたが、その時点で副反応疑い事例の報告はございませんでした。今回から副反応疑い事例の報告がありましたので、3回目接種後に報告された症状を集計しております。
続きまして、39ページをご覧ください。
3回目接種後の報告状況を総括しております。一番上の表の最後の行の合計の部分でございます。まずコミナティですが、集計期間までの接種回数が53万1296回接種、副反応疑い事例の報告が147件、頻度としては0.03%でございました。うち重篤なものが9件、死亡事例が1件でございました。
死亡事例の1件については、後ほど別の資料で御説明いたします。
右のスパイクバックスについては、今回の集計対象期間中はまだ3回目接種が行われておりませんでしたので、以降の説明では省略させていただきます。
ただし、死亡事例につきましては接種対象期間後も約2週間追加で確認することとしておりまして、この追加期間中の部分で3回目接種の死亡例が1件報告されておりますので、後ほど別の資料で御報告いたします。
続いての資料が1-2-1になります。
54ページでございます。1点補足となります。コミナティ筋注の3回目接種後の症状別の報告件数を集計したものでございます。表の上のほうの「外科および内科処置」の「免疫」の項目をご覧ください。注を付与しておりますが、この「免疫」は追加免疫の意味でございまして、ファイザー社からの追加免疫に係る副反応疑い事例の報告におきましては、症状に加えまして、追加免疫であるということを明確化するために「免疫」という言葉が付与されております。海外の規制当局からの要望でこのような扱いになっているということでございました。したがいまして、この「免疫」というのは副反応疑い事例ではないので、今後資料を参照する際は御注意いただきますようお願いいたします。
続いての資料は1-2-2-4でございます。
1-2-2-4は今回から追加したラインリストでございます。副反応疑い事例のうち、交互接種事例であったことが分かったものをまとめたものとなります。項目としましては、表の左から、報告の通し番号、年齢、性別、次のくくりとして、交互接種の状況としまして、具体的にいつどのワクチンが接種されたかという情報をまとめております。以降は各症状の発生日など、ほかのラインリストと同等の情報を付与しております。
各症例の詳細についても、資料1-2-3-4という形で御用意しておりますが、本日説明は省略いたします。
次に、用いたデータになりますが、こちらの表の作成には製造販売業者の調査が必要となりますので、製造販売業者からの報告内容を用いて作成しております。
また、今後、資料は当面累積でお示ししようと考えておりまして、ほかのラインリストにつきましては、前回の御議論を踏まえまして、モニタリングのしやすさを考慮しまして、新規症例のみ今回からお示しする形としております。一方、交互接種につきましては、今後どう集計していくべきかという議論が必要という結論でございましたので、集計方針が見えてくるまでは取りあえず累積でお示ししていこうと考えております。
また、本資料に関連しまして、前回まで資料1-2-2-4としていた資料を廃止しております。前回までの1-2-2-4としていたものは、ファイザー社、武田社、アストラゼネカ社以外の製造販売業者からコロナワクチン以外の医薬品の副作用報告を行う際に、コロナワクチンも接種されていたとして報告されていたもので、かつワクチンの詳細が不明であったというものをまとめておりました。今後、こういった事例につきましては、ファイザー社に御協力いただきまして、まずファイザー社のほうで代表してワクチンの詳細を調べていただきまして、分かり次第各ワクチンメーカーに情報提供をしていただく体制としております。
ついては、このような事例は今後1-2-2-1~1-2-2-3の中で含めて報告されますので、前回までの資料は廃止しまして、今回からこちらの交互接種事例のラインリストをおつけしております。
その他、1-1、1-2に関しまして、副反応疑い事例の報告状況については資料での説明は省略いたしますが、ロット別の報告件数などの状況についても、3ワクチンとも何か顕著な報告状況があったというわけではございませんので、1-1と1-2の説明は以上とさせていただきます。
続いて、死亡事例でございます。
1-3-1をご覧ください。
コミナティの死亡事例をまとめたものでございます。
1ページ、「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、コミナティ筋注の副反応疑い報告におきまして、死亡として報告された事例が新たに34件ありまして、接種開始以降1月2日までに報告された事例が1,372件となっています。
また、今回3回目接種の死亡事例の報告も1件ございました。詳細は後ほど御報告いたします。
2つ目の○の部分でございます。上記に加えまして、集計期間対象外の部分ですが、3日から14日までに死亡として報告された事例が5件ございました。なお、これらの期間中に3回目接種後の死亡事例の報告はございませんでした。
「2.専門家の評価」でございまして、1月2日までに報告された事例を対象に因果関係評価を実施しておりまして、結果を表としておまとめしております。
次のページでございます。今回から接種回数別の集計も行っておりますので、こちらも適宜御参照いただければと思います。
次に、先ほど御説明しました3回目接種後の死亡事例について御説明いたします。
189ページの1,406番でございまして、57歳女性の事例でございます。予診票の留意点については特に記載はなかったと報告されております。報告医療機関としましても、家族から亡くなった旨の連絡を聞いたのみであり、事例の詳細は不明として報告されております。また、報告医療機関によりますと、警察案件でもありまして、医療機関から遺族に事例の詳細を聞くのは難しかったという事情があると聞いております。専門家による評価も行っておりまして、γと評価されております。
続きまして、資料1-3-2をご覧ください。
スパイクバックスの死亡事例でございます。
1ページ、「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに6件ありまして、1月2日までに報告された事例が65件となっております。なお、先ほど御説明しましたとおり、1月2日までスパイクバックスの3回目接種は行われておりませんでしたので、死亡事例も0件になります。
なお、集計期間対象外となりますが、3日から14日までに死亡として報告された事例が1件ありまして、3回目接種後の事例でございました。この事例につきまして、後ほど御説明いたします。
「2.専門家評価」でございまして、1月2日までに報告された65事例を対象にしまして専門家の評価を実施しております。結果は表のとおりとなっております。
次のページをご覧ください。
一番上の○でございますが、3回目接種後の事例については、専門家の評価期間後の事例でございましたが、初の3回目の事例ということですので、専門家の評価を実施いたしました。
具体的には15ページの67番になります。70歳男性の事例でございます。予診票での留意点はなし、既往歴、内服薬もなしと報告されております。朝起きてこないことから、自室を家族が尋ねると、鍵がかかっており反応がないため救急要請。ベッド上で左側臥位で心肺停止状態で発見されたと報告されております。専門家の評価結果はγでございます。
続いてはバキスゼブリアになりますが、新規の事例の報告はございませんでしたので、資料の説明は省略いたします。
続いて、アナフィラキシー疑い事例でございます。
資料1-4-1をご覧ください。
コミナティのアナフィラキシー事例をまとめた資料でございます。
今回から3回目接種後のアナフィラキシー疑い事例の報告がございましたので、御報告いたします。
「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、製造販売業者からアナフィラキシー疑いとして報告された事例が新たに32件あり、うち3回目接種後の事例が3件ございました。令和4年1月2日までに報告された疑い事例は計3,114件、うち3回目接種後の事例が3件となっております。
次のページをご覧ください。
(3)3回目接種という表でございます。3回目接種の3事例のうち、1件がブライトン分類2、因果関係αとして報告されております。
さらに、次のページをご覧ください。
参考3の項目でございます。この資料につきましても、接種回数別の評価がしやすいように今回から様式を見直しております。レベル1~3の件数について接種回数別で分かるようにしております。3回目接種の頻度につきましては1件でございますが、100万回当たり1.9件となっております。
アナフィラキシー事例に関しまして、その他大きな動向の変化は今回ございませんでしたので、以降のページやスパイクバックス、バキスゼブリアの説明は省略いたします。
続いて、TTS疑い事例でございます。
1-5-1をご覧ください。
コミナティにおきまして、今回から3回目接種後のTTS疑い事例の報告がございますので、御報告いたします。
「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、TTS疑い事例として報告されたものが新たに4件ありまして、うち1件が3回目接種後の事例でございました。1月2日までに報告された疑い事例が計41件、うち3回目接種後の事例が1件となっております。
次のページをご覧ください。
(3)3回目接種のところでございます。3回目接種後の1事例については、専門家評価においてブライトン分類4、因果関係γとされております。
次のページにつきましては、先ほどと同様、今回から接種回数別のレベル1~3の頻度をお示ししておりますが、3回目接種につきましては0件となっております。
TTS疑い事例につきまして、バキスゼブリアの新規症例の報告もございませんでした。また、その他大きな動向の変化もございませんでしたので、1-5-1の以降のページやスパイクバックス、バキスゼブリアの資料説明は本日は省略いたします。
続いての資料は1-6-1でございます。コミナティの心筋炎・心膜炎疑い事例の報告状況でございます。心筋炎・心膜炎につきましては、12月6日に報告基準に追加しておりまして、ブライトン分類による評価を行うこととしておりました。今回の集計期間からブライトン分類による評価を始めておりますので、結果について報告いたします。
「1.報告状況」でございます。12月6日から1月2日までに製造販売業者から心筋炎疑い事例として報告された事例が52件、心膜炎疑い事例として報告された事例が15件ございました。
なお、コミナティは当該期間中に3回目接種が行われておりますが、3回目接種後の事例の報告はございませんでした。
「2.専門家の評価」の部分に(1)心筋炎疑い事例、(2)心膜炎疑い事例という形で評価結果をお示ししております。
次のページでは接種回数別に集計したものを掲載しておりまして、6ページ目に参考2という形でブライトン分類1~3の報告件数を接種回数別に集計しております。
1点補足させていただきます。100万回当たりの頻度の算出方針についてですが、アナフィラキシーとTTSにつきましては、先ほど資料の中で御説明しましたとおり、各接種回数での頻度の算出を行っておりますが、今後、心筋炎・心膜炎につきましては3回目で頻度の算出を行っていこうと思っております。
理由としましては、分母の接種回数と分子の報告数ともに適切な値にはなっていないためです。分母の接種回数につきましては、12月6日に報告基準に追加したため、その時点ではほぼ1~2回目の接種が終わっておりましたので、分母が今後大きく増えていくということはございません。一方、分子の報告件数につきましては、接種日問わず12月6日以降に報告されたものが対象となっておりますので、今回、結果としましてほとんどのものが12月6日以前に接種されていたものでございました。そう考えますと、12月6日以降の分子としては適切ではございませんでした。そのため、1回目、2回目につきましては適切な頻度の算出ができませんので、分母と分子の接種日がそろいます3回目で算出したいと考えております。
なお、今回、3回目接種後の事例はまだ0件でしたので、今後報告がございましたら頻度の算出を行っていきたいと思っております。
次に、その下の「【参考】ブライトン分類レベル1~5の報告頻度の推移」と付した部分をご覧ください。
今回、ブライトン分類による評価の初回でございまして、1~3の頻度の推移が分かりませんでしたので、参考としまして1~5の頻度の推移を集計しております。
マル1の心筋炎疑い事例について、前回と今回の1~5になりますが、集計対象期間の報告状況を、マル2の心膜炎疑い事例としまして心膜炎疑い事例の推移をお示ししております。
8ページ目、9ページ目が、年齢階級別、性別でブライトン分類1~3に該当するものを集計したものでございまして、11ページ目以降にほかの集計様式同様、症例一覧をおつけしております。
続いて、1-6-2でございます。
スパイクバックスの心筋炎・心膜炎事例でございます。
「1.報告状況」でございまして、1月2日までにスパイクバックス筋注の心筋炎疑い事例として報告されたものが17件、心膜炎疑い事例と報告されたものが2件ございました。
なお、当該期間においてはスパイクバックス筋注の3回目接種は行われておりませんでしたので、3回目接種後の事例はございません。
「2.専門家の評価」の部分で、(1)としまして心筋炎疑い事例を、(2)としまして心膜炎疑い事例のブライトン分類評価の結果をおつけしております。
次に、バキスゼブリアでございますが、現時点で心筋炎・心膜炎の疑い事例の報告はございませんでしたので、資料としては御用意しておりません。
資料の説明は以上となります。
○森尾座長 ありがとうございました。
引き続いて、資料1-7について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料1-7「副反応疑い報告の状況について」をご覧ください。
まず、3ページ目をご覧ください。
3ページ目、4ページ目につきましては、副反応疑い報告全体の概要ということで資料1-1-1及び1-2-1を抜粋したものでございまして、4ページ目におきましては、特にファイザー社ワクチンの3回目接種が53万接種程度行われてございますので、1、2、3回目と一望できるように資料を準備させていただいております。また、武田/モデルナ社ワクチンにつきましては、現時点では3回目接種の推定接種回数は0接種、また、報告もございませんでしたけれども、次回以降も踏まえてこちらは掲載させていただいておりますので、順次こちらの資料としてアップデートしていきたいと考えております。
続きまして、5ページ目、6ページ目をご覧ください。
こちらは資料1-3で御説明いたしましたけれども、新型コロナワクチンにおいて死亡として報告された事例の概要ということで全体をまとめさせていただいております。
ファイザー社ワクチンにおきましては、3回目接種後の事例として1件報告があったというところが新規の事例でございます。また、武田/モデルナ社ワクチンにつきましては、データロック外でございますけれども、こちらも1件の3回目接種後の事例として報告があったという状況でございます。
続きまして、7ページ目以降をご覧ください。
8ページ目につきましては、心筋炎及び心膜炎を副反応疑い報告基準として定めました2021年12月6日から1月2日までの報告状況ということで、それぞれ3製剤につきましてまとめさせていただいております。
先ほども御説明申し上げましたけれども、心筋炎・心膜炎につきましては現時点で3回目接種の報告はないという状況でございました。よって、こちらに挙げております数字につきましては、1回目接種あるいは2回目接種のものでございまして、製造販売業者から報告された事例のうち、およそ3分の1から4分の1程度がブライトン分類1~3に付されたということが見てとれるかと存じます。
続きまして、9ページ目、10ページ目、11ページ目をご覧ください。
こちらは、最上段に前回審議会時点までの報告件数及び推定接種回数に基づく報告頻度につきまして心筋炎・心膜炎それぞれを載せております。最新のファイザー社ワクチンの報告状況につきましては2段目に推定接種回数が記載しておりますところ、報告件数は0件であり、海外事例とも比較できるように載せているものでございます。
また、10ページ目におきましては同様に武田/モデルナ社ワクチンについて前回分と今回分を見てとれるように載せているものでございます。
アストラゼネカ社ワクチン、11ページにつきましては、現時点で心筋炎・心膜炎の報告ございませんので0件となっております。
今後もこのような形でのアップデートを図っていきたいと考えてございます。
続きまして、12ページ目、13ページ目、14ページ目をご覧ください。
こちらは米国、英国、欧州の主要当局におけます心筋炎・心膜炎に係る報告状況等についてということでまとめてございますけれども、現時点でこちらは前回の審議会から大きな変化はないと考えてございます。御参照いただければと存じます。
また、15ページ目をご覧ください。
こちらは海外における新型コロナワクチン接種の心筋炎・心膜炎に係る報告状況等について、のうち、特に3回目接種後の心筋炎・心膜炎に係る報告あるいは対応状況といったところをまとめさせていただいております。現時点では海外でも情報が限られてございますので、こちらにつきまして御参照いただきつつ、事務局といたしましても引き続き情報をアップデートしてまいりたいと考えてございます。
また、16ページ目におきましては、毎回の審議会でも御紹介申し上げておりますけれども、御審議いただいた内容を踏まえまして、引き続き若年男性において注視されている心筋炎・心膜炎に係る報告状況等についてということで、厚生労働省のホームページサイトでその更新を行うことによって、周知及び注意喚起を行っているものでございます。今回も、今回の審議会を受けまして、また3回目接種等についても含め、注意喚起を行っていきたいと考えてございます。
17ページ目以降が論点でございます。
18ページ目におきましては、死亡例に関する考え方ということでまとめさせていただいております。
上段青囲みは割愛させていただきますけれども、論点のまとめといたしましては下段、現時点においては個々の死亡事例について新型コロナワクチンとの因果関係があると結論づけることのできた事例は認めない。引き続き3回目接種後の事例についても集積する事例に関する情報を収集し、丁寧に評価を行っていくことによって集団としてのデータを見ていく。
また、死亡例の報告に関しては、現時点においては、3回目接種後の事例も含め、引き続きワクチン接種の体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしてよいかということで御審議いただきたいと考えてございます。
19ページ目に関しましては、心筋炎及び心膜炎に関する考え方ということで、論点のスライドでございます。
今回は3回目接種の御報告がありませんでしたけれども、今後、3回目接種後の事例も含めまして、国内外における報告状況を注視していくともに、調査票に基づくブライトン分類の評価も踏まえ、引き続き評価・分析を行っていく。引き続き最新の情報を周知するとともに、注意喚起等も行っていく。心筋炎・心膜炎に係るこれまでの検討結果を踏まえても、引き続きワクチン接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えてよいか、ということで御審議いただきたいと考えてございます。
また、20ページ目につきましては、3回目接種ということでまとめております。
ファイザー社ワクチンの3回目接種については、接種後より、今回の審議会までにおいて、医療機関より147件、パーセントとしては3回目推定接種回数のうち0.03%、製造販売業者より10件、3回目推定接種回数のうち0.00%の報告があり、1~2回目の接種と大きな変化はなかった。また、3回目接種後の死亡として1件、3回目推定接種回数100万回当たりとしては1.9件の報告があった。武田/モデルナ社ワクチンの3回目接種については、今回審議会までにおいて副反応疑い報告はなかった。
こうしたことを踏まえまして、3回目に関する論点といたしましては、国内の3回目接種に係る副反応疑い報告の状況については、現時点では重大な懸念は認められず、国内外の3回目接種後に係る副反応疑い報告の状況についても引き続き注視していくということで、まとめさせていただいております。
以上を踏まえまして、全体といたしましては、死亡、アナフィラキシー、血小板減少を伴う血栓症、心筋炎、心膜炎、3回目接種、また、後ほど御説明いただきます伊藤先生の健康状況調査等も踏まえて、ワクチンの接種体制に対しての懸念がないかということで御審議いただきたいと考えてございます。
また、参考資料でございます。
冒頭の4ページの資料にて性・年齢別の推定接種回数について最新の値を更新してございます。
26ページ目におきましては心筋炎・心膜炎、年末の審議会におきまして初回免疫についてのまとめということでお諮りさせていただきましたので、こちらを再掲させていただいてございます。
27ページ目、28ページにつきましては、海外での3回目接種後の副反応に係る海外の報告状況等について参考として載せておりますので、こちらも御参照いただければと存じます。
また、後ほど資料1-9として御紹介申し上げますけれども、29ページにおきましては、新型コロナワクチンの接種後の健康状況調査をオンラインのアンケートにて実施しておりまして、今回初めて御報告させていただきます。
調査の概要につきましてご覧ください。
主要な質問項目でございますけれども、基本的には定期接種の健康状況調査と同様の内容で行ってございますが、今回、新型コロナワクチンにつきましては心筋炎・心膜炎が新たに副反応として認められたことから、この質問項目につきまして、2ポツ目の一番最後のところでございますけれども、胸の痛みについての情報も収集するようにしてございます。
内容につきましては資料1-9をご覧いただければと考えてございます。
また、今回公表しておりますのは初回免疫、1回目、2回目接種についてのデータのみでございますけれども、3回目の接種後についても本調査の対象として予定するところでございまして、現在準備中の状況でございます。
資料1-7の説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
続いて、資料1-8について、伊藤澄信委員から御説明をよろしくお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
今回は、ファイザー社のコミナティ筋注を昨年2月17日から初回接種し、3月に2回目を接種した医療従事者を対象とし、先月の12月1日からコミナティ筋注の3回目接種をした接種後1か月までの副反応などの情報と接種28日後の抗スパイクタンパク質抗体の結果を提示させていただきます。
12月17日に開始いたしましたスパイクバックス筋注については、年末年始を挟んでおりまして、今年に入ってから接種される方が多く、数が十分集まっておりませんでしたので、次の機会に集計報告をさせていただきます。
対象者は国立病院機構7施設とJCHOの4施設の11施設です。1月14日現在で2,826人の方が接種され、うち450人の方が抗体価採血に協力していただいております。
基本的な表示は今までのコホート調査と同じです。
7ページ目に最初の1週間のときの発熱の状況を示しています。上の段は今回の3回目接種で、下の段はコホート調査と今回の3回目接種の両方に参加していただいた2,141人です。すなわち、3回目接種のデータをいただいた方のうちの98.3%の方のデータを初回コホートから抽出して集計しております。ですから、上下はほぼ同じ人のデータです。2回目接種から8か月半後に3回目接種をした際の副反応の状況を見ているとお考えいただいてよいかと思います。
7ページの発熱の頻度やパターンを見ると、ほとんど同じであることが分かります。
8ページ、9ページは局所反応ですが、これもほぼ同じであることが分かります。局所の熱感は3回目のほうが少し強いかもしれません。
10ページは全身倦怠感ですが、これもほぼ同じということが分かります。
11ページは年齢階級別の発熱の発現率、12ページが接種部位の疼痛なのですが、これも上下でほとんど同じになっています。
13ページが全身倦怠感で14ページが頭痛なのですが、これを見ますと、年齢の高いほうが少し頻度が増加して、若い人は少し頻度が減っているかもしれません。全体の頻度は変わらないのですが、年齢の低い人は頻度が少なくなって、年齢の高い人が頻度が高くなっているということと、実際に接種された人たちに聞いても、年齢が高い人たちのほうが2回目よりひどかったとおっしゃられていますので、そういったことが反映されているのではないかと思います。
15ページは8日目以降の状況ですが、数の問題かもしれませんが、モデルナアームのときのような遅延性の皮膚反応ははっきりしておりません。以前、初回接種で遅延性の皮膚反応が発現した後の2回目の状況を報告させていただいております。2回目の皮膚反応は接種直後から出ておりましたので、それと同様なのだろうと思っています。
16ページは、同じ人に2回目と3回目の発熱の頻度に違いがあるかどうかというMcNemar検定をしています。McNemar検定は、最初の判定結果が次の判定結果と違っているかを確かめる検定方法で、例えて言うと模擬試験の結果と合否判定が同じかどうかを見るときの検定ですが、有意差がありませんので、2回目と3回目は同じという結果が得られております。
次のページですが、重篤な有害事象として心筋炎が報告されておりますが、今回の調査では胸痛に関しては詳細な情報を取るということで、詳細報告を求めていますが、結果としてこの報告をいただいています。50歳代の男性で、接種1週間後に「9時35分から右の胸痛から胸部全体に広がり、その状態が10分ほど続く」と日誌に記載があって、接種から11日目にはこういった症状がなくなったことを確認したということの報告がありました。担当医は、受診されているわけではないし、心筋逸脱酵素を測っているわけではないので、詳細は不明なのだけれども、心筋炎は否定できないということで報告されています。
18ページにMedDRAでコーディングした結果としてSOCで並べたものを入れておりますが、さっきの症例は日誌上は胸痛としてコーディングしております。
19ページに2回目接種のMedDRAコーディング結果を参考として入れておりますが比べていただくと、一般・全身のところにある腋窩痛の5.28%というのが目立ちます。また、リンパ節腫大も少し多いようです。これが2回目と3回目の違いかと思いますが、薬剤の使用については2回目が8.22%、3回目が7.57%とほぼ変わらずで、2回目のときの病休が7.06%、3回目は9.27%。これも同じ人たちがこのような感じでお休みになられておりますが、もともと職場の配慮で休みとなっている人や休日の人などは入っておりませんので、少なくとも1割ぐらいの方が予定外でお休みになられたということだと思っております。
21ページからが抗体価です。21ページは抗N抗体陽性、すなわち血清学的にCOVID-19に感染された可能性がある12人の人を除いております。その人を除いた438人の抗S抗体の結果を表示しています。この抗S抗体なのですけれども、解析の結果で検体測定時の希釈の誤差がありそうだということが分かっておりますので、今、メーカーが調整中ですので、最終結果としては変更があるかもしれません。
図の縦軸は対数軸で表示しております。横軸は年齢階層で示した箱ひげ図です。男性と女性で区別して表示しておりますが、線形回帰モデルで解析をしましたけれども、性別では差がありませんでした。副反応では差があると報告させていただいておりますが、抗体価には性差がなかったです。
年齢が上がると、ご覧いただいて分かるとおり、抗体価が少しずつ低下することが分かりますが、年齢の決定係数が9.8%しかないのですが、すなわち相関係数で見ますと0.31ですので、年齢がそれほど強い要素ではないということが分かります。ひげをご覧いただいて分かるとおりで、個人のばらつきが相当大きいということです。
22ページが皆さんの興味が一番大きいところだと思いますが、接種1か月後の血清抗体価の変化です。接種前、接種1か月後の抗S抗体の両者が測定され、かつ抗N抗体陽性、感染がなかった人の252人で解析をしています。
上の段からですが、接種1か月後、真ん中が接種前の状態を示しておりまして、左側の縦軸は対数軸の抗体価で、一番下の箱ひげ図が幾何平均抗体価倍率でスケールは右側の対数軸です。
WHOは、スライド中の文献で記載しておりますように、幾何平均抗体価で表現するように指定しておりますので、それに従って計算しますと、接種前の幾何平均抗体価は414U/mLで、接種後は何と2万563です。幾何平均抗体価倍率は49.6倍になります。これは従来株に対する抗体ですから、オミクロン株にそのまま当てはめられるか分かりませんが、追加接種の効果を示唆するものだと思います。
ちなみに、この幾何平均抗体価倍率は年齢とともに高くなっておりまして、結果として3回目接種後は年齢、性別で抗体価の絶対値に差はありませんでした。
23ページは少し衝撃的なスライドなのですけれども、この252人の方の幾何平均抗体価倍率と副反応して記録された最高体温との相関図です。ご覧いただいて分かるとおりで、発熱の程度と抗体価の上昇には相関がございませんでした。数値にすると相関係数が0.013という状況でしたので、熱が出る方のほうが抗体価が高くなるとは言えないという結果で、多少予想が違っておりました。
24ページは3回目接種と1~2回目の接種の比較表で、25ページにまとめを書かせていただいております。
報告は以上でございます。
○森尾座長 伊藤澄信先生、どうもありがとうございます。
続きまして、資料1-9について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
資料1-9につきましては、先ほど資料1-7の最後の資料で基本的には御説明させていただきました。
概要といたしましては、資料1-9をご覧いただきますと、こちらはかなり膨大な資料になっており、内容の詳細な説明については割愛させていただきますけれども、4ページ目にアンケートの回答及び医師の相談手順ということで、具体的にどのようなスケジュールでこのアンケートが行われているかというところを載せてございますので、こちらをご覧いただければと思います。
9ページ目に、接種1回目の接種日のアンケートの有効回答数2,960ということで載せてございますけれども、その該当の方々、こちらは先ほども御紹介しましたが、初回接種の方について、どのような経時的な推移をたどったのかという情報を載せております。
その後、年齢、性別についての情報、ワクチンメーカー別の情報等を載せておりまして、資料といたしましては、23ページ目以降に具体的に接種1回目1週間後のアンケートの結果を症状別等で載せておりまして、さらに、資料の62ページ目以降に接種1回目の2週目に関してどのような症状が出たかということを載せております。全体としては前半部分に接種1回目についてまず載せた上で、その後、資料の後半に接種2回目の1週後のアンケート、接種2回目の2週後のアンケートという形で順次載せさせていただいております。
また、資料の一番最後のページもご覧いただきたいのですけれども、182ページ及び183ページ目につきましては、定期で受診されている以外の用件でワクチン接種後に受診がありましたか、あるいはそれに関連して入院がありましたかといった質問に対する回答も載せてございます。現時点では数が限られておりますけれども、こうしたアンケート結果も含め今後も公表してまいりたいと考えてございます。
なお、同様の設計で、3回目接種についても調査を準備中ですので、今後、資料として審議会で御報告させていただきたいと考えております。
内容の詳細につきましては割愛させていただきますけれども、以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
これまでの副反応疑い報告の状況について今まで説明いただきました。今回、約53万回の3回目の接種についての報告もございましたし、伊藤澄信委員から中間報告、コホート調査、そして、今、健康状況調査ということで資料1-9の御説明を簡単にいただいた状況でございます。前回の部会において御議論いただき、接種開始から相当期間が経過して一定の傾向が明らかになってきているということから、資料についても論点を明確化して要点を絞った形で事務局にまとめていただいている状況でございます。
また、この場の議論におきましても、死亡事例に加えまして、発生動向や評価方法などに変化があった副反応疑い事例に焦点を絞って効率的に議論を行っていくということにしております。
そのような観点から、本日の新型コロナワクチンの安全性評価につきましては、1コホート調査の結果も含めて、3回目の接種について、2に死亡事例について、3に心筋炎・心膜炎について、4その他という順で議論を進めていきたいと思っております。
それでは、3回目の接種についてでございます。資料1-7の20ページをご覧いただけますでしょうか。
こちらに事務局から論点が挙げられておりますが、今回の集計対象期間から3回目接種後の副反応疑い事例の報告もございました。
また、伊藤澄信委員から3回目接種におけるコホート調査の進捗状況を御報告いただいております。
この資料を基にしまして、3回目接種に関連しまして御意見、御質問がありましたら承りたいと思います。委員の皆様からいかがでしょうか。伊藤澄信委員の御発表に対しても御質問等を承りたいと思います。
それでは、多屋委員からお願いいたします。
○多屋委員 伊藤先生、いつも本当に貴重な御報告をありがとうございます。とても興味深い結果でした。
抗体価のところで教えてもらいたいのですけれども、若い方のほうが2回目接種後から3回目接種後までの下がりはそんなに大きくないけれども、ブースターをかけることで、その後の抗体価はある程度下がった方も若い方も同じぐらい上がるのだと解釈させていただいてよかったでしょうか。
○伊藤(澄)委員 おっしゃるとおりだと思います。
○多屋委員 とても興味深い結果です。ありがとうございました。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、次に佐藤委員、その後に伊藤清美委員から御質問を承ります。
○佐藤委員 ありがとうございました。
2点確認させていただきたいと存じます。
まず、資料1-3-2の死亡例のことを、大事なことなので確認させてください。
15ページ目の67番の症例の方はほとんど基礎疾患がないのですけれども、今後、死因等に関する情報は出てくるのでしょうか。
○森尾座長 それでは、お願いします。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
3回目接種は開始されたばかりですので、情報の収集に特に努めたいとこちらとしても考えております。
今回は2事例ございまして、コミナティのほうは先ほど事情も御説明しましたが、どこまで情報が入手できるかというのは不明な部分がございますけれども、今御指摘いただきましたスパイクバックスのほうにつきましては、少なくとも追加情報を収集しまして、改めて本部会でお示ししたいと考えております。
○佐藤委員 分かりました。ぜひよろしくお願いいたします。
あと、2つ目の質問は伊藤先生のデータについてお伺いしたかったのですけれども、非常に科学的なエビデンスを示していただいてありがとうございます。3回打つと、熱が出るとか出ないとかと関係なく、抗体価は皆さんほとんどそろってくるというのは非常にびっくりしたとともに、がっかりされる方もいるのかなと思いながら伺っていたのですけれども、ちなみにこれは男女差というのはあるのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 説明させていただきましたけれども、男女差はございません。
○佐藤委員 分かりました。聞き漏らしました、すみません。ありがとうございました。
○森尾座長 ありがとうございました。
次に伊藤清美委員、その後は柿崎委員、石井委員、舟越委員の順で承ります。
伊藤清美委員、お願いします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
今回、3回目の接種ということで、時期的にまだ全てコミナティの3回目だったと思うのですけれども、伊藤澄信先生のおまとめは恐らく1回目、2回目もコミナティの方々ばかりかと思うのですが、厚労省のほうでまとめていただいている資料も1回目、2回目もコミナティの方だけなのでしょうか、モデルナの方が含まれているということはないのでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
事務局、お願いいたします。
○事務局 今回、交互接種のラインリストを示させていただいておりまして、1-2-2-4でございますけれども、ここでの定義は2回なり3回のうち、異なるワクチンを打った者を交互接種の定義としておりますので、例えば今後3回目を打った場合に、コミナティ、モデルナ、バキスゼブリアにかかわらず、副反応疑い事例の報告があったものはここでお示ししていくこととなります。
○伊藤(清)委員 そうしますと、1回目、2回目がどちらのワクチンだったかということは区別されずにパーセントが出てくるということになりますでしょうか。
○事務局 資料1-1-1や1-2-1の頻度の部分でございますが、これは3回目に何を打ったかという観点になりますので、3回目を起点にしまして1回目、2回目に何を打ったかにかかわらず、3回目接種後の副反応疑い事例については集計されることになります。
○伊藤(清)委員 心筋炎とか心膜炎といった注目すべき副反応に関して、1回目、2回目と3回目で違うワクチンを打った場合の頻度とかが区別して集計されてくると、少し情報として有用なのかなと思ったのですけれども、難しいものでしょうか。
○事務局 アナフィラキシー以降でそれぞれの報告基準別の症状の資料を作っておりまして、こちらの頻度というのは、おっしゃるとおり、3回目なり2回目、最後に打ったところで集計するということになります。一方で、1-2-2-4として今回御用意したものは累計で全てお示ししておりますので、こちらのほうにひっかかってくるということになると思います。
○森尾座長 交互接種はまた別に出てくるということですね。1、2と3が違うワクチンであった場合にはそちらに出てくるということですね。
○伊藤(清)委員 パーセンテージとしてはなかなか難しいということですね。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 伊藤先生、ありがとうございます。貴重な御指摘かと存じます。
事務局といたしましても、交互接種の頻度を出せるかについては現在検討中でございまして、こちらについてはもちろん出せるようになりましたら出してまいりたいという状況でございます。現時点でお示しできるのは資料1-2-4にお示ししているようなラインリストのみという状況になってございます。
○伊藤(清)委員 承知いたしました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
伊藤先生、いつも詳細な検討をありがとうございます。
抗体価を測定された方の中で、抗N抗体陽性の方が8人で、陰性の方が252名いらっしゃるということになりますと、大体3%ぐらいの病院職員の方がこの期間の間に不顕性感染ないし顕性感染を起こしていたというような解釈でよろしいのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 まだ抗N抗体価と日誌の記載をぶつけてございません。ただ、抗N抗体価は1がカットオフなのですけれども、1を超える人、1.1とかの人も外しておりますので、そういう方に関しては不顕性感染と言っていいかもしれませんがよく分からない部分があります。またnの数が増えてまいりましたら抗N抗体が陽性の方についてまとめたいと思います。
ちなみに、抗N抗体が陽性の方は、接種前の段階でも少し抗体価が高かったので、幾何平均抗体価倍率を計算するときにずれると思ったので外しております。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○森尾座長 それでは、石井委員、お願いいたします。
○石井委員 ありがとうございます。
2つ質問があるのですけれども、1つ目は、3回目のワクチン接種で今回死亡例や大きな副反応が出ているのですけれども、そういった方は1回目、2回目のときは何かしら重篤でなくても副反応みたいなものが出ているようなことはあるのでしょうか。これが1つ目の質問でございます。
○森尾座長 事務局、こちらはいかがでしょうか。
事務局、お願いします。
○事務局 申し訳ありません。過去のものまでは調査しておりませんで、今回集計したものはあくまでも3回目を打ったときの症状をおまとめしております。
○石井委員 連動するデータは今のところないということなのですね。
○事務局 ありません。すみません。
○石井委員 それからもう一つ、2つ目は伊藤澄信先生のデータですが、大変ありがとうございます。発熱と抗体価が相関しないというのは、いいのか悪いのか分からないのですけれども、例えば若い方は抗体をつくる能力が高いと推察されますし、発熱も高いというようなイメージがありましたので、年代別に集計すると相関が変わってくるということはないのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 これは年代別というかよりは年齢と体温を入れた線形回帰分析ですので、これ以上精密にはしにくいと思います。最大500までは増やしますので、nの数が増えると、もしかすると出方が変わるかもしれません。ただ、普通から考えると、この数で出てこないものはなかなか出にくいのではないかと思います。
○石井委員 ありがとうございます。ある意味非常に興味深く拝見いたしました。
○森尾座長 ありがとうございます。
では、舟越委員、濱田委員、倉根委員と伺います。
舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
事務局に確認なのですが、資料1-7の23枚目のスライドで、年齢、性別の投与接種回数について、10歳から14歳と15歳から19歳の中で、10歳から14歳で3回目の接種が2名とか、15から19歳は、19歳、18歳は対象だと思いますけれども、ここは今、18歳以上が3回目接種は対象だと思うのですが、このデータというのは投与過誤みたいなものが含まれてしまっているのでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 先生、御指摘ありがとうございます。
基本的にはこちらはデジタル庁からもらったデータをそのまま載せているというところであり、入力エラーの可能性等はあると思います。担当といたしましても、こちらは本来的には3回目接種の対象ではないので、打たれていないはず、ただし、データとしてはこのようになっているという状況でございます。
○舟越委員 あと2つあるのですが、10月15日のときに心筋炎関係でスウェーデンがモデルナのワクチンの一時停止、それ以降ファイザーワクチンのほうを推奨するという、その決定は12月1日までを有効とするという宣言がたしかあったと思うのですが、スウェーデンのその後のコロナワクチンの推奨度の部分というのは何か指針は出ているのでしょうか。
○森尾座長 お願いいたします。
○事務局 事務局より回答いたします。
先生の御指摘のとおり、当初スウェーデン当局は2021年12月1日までとしておりましたけれども、その後、12月1日以降もこの措置を継続するという発表がされておりまして、今のところ期限は明記されていないものと承知しております。
以上でございます。
○舟越委員 ありがとうございます。
最後なのですが、今、千葉県でもそうなのですが、各地域で状況は差があると思うのですが、1回目、2回目はファイザー製品で行っていた地域も、当院のエリアもファイザー製品50%にモデルナ製品50%を供給されている地域があります。今、若年の男性の方で1回目モデルナ、2回目はファイザーを選択できるとありますが、3回目については特段追加免疫として何か患者さん、接種者に対するお知らせというものは、特に心筋炎リスクに対して選択できるとかということをどう考えればいいのかという質問を現場から受けることがあるのですが、どう考えていけばよろしいでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 先生、ありがとうございます。
まず状況の推移も含めて御説明さしあげたいと思います。
1回目、2回目のワクチン接種につきましては、原則として同一のワクチンを接種することとしておりますが、御指摘のとおり、10代、20代の男性については、審議会の御意見等も踏まえ、1回目にモデルナを接種した方についても、2回目はファイザーを選択することができるとしたところでございます。
一方で、3回目に使用するワクチンについては、18歳以上の全ての対象者について、1回目に接種したワクチンの種類にかかわらずmRNAワクチンを使用できることとしております。
3回目接種については、ファイザー社ワクチンは1回目、2回目の接種と同用量の使用が承認されている一方で、武田/モデルナ社ワクチンについては1回目、2回目接種の半量が使用されることとなっており、若年男性に係る両ワクチンの3回目接種後の心筋炎の発症頻度については、海外も含め、現時点では明らかになってございません。こうした状況も踏まえまして、現時点においては若年男性も含め、3回目に使用するワクチンについては18歳以上の全ての対象者について1回目に接種したワクチンの種類にかかわらず、mRNAワクチン両者を使用できることとしてございます。
3回目接種に係る安全対策につきましては、審議会で適切にお諮りいただけるよう、3回目接種の両ワクチンにおける性、年齢別の心筋炎の発症頻度についても引き続き情報収集に努めてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○舟越委員 ありがとうございます。
先ほど1-2-2-4の集計方法を含めて今後議論していくという話がありましたように、モデルナの接種量が0.5ではなくて0.25になったことで、今後そういった3回目の部分を実際にモデルナ、モデルナ、ファイザーだったり、ファイザー、ファイザー、モデルナがあったり、いろいろ打っていくときに、直接比較はできないものの、これまで副反応について傾向的な比較はこれまでしてきたと思うので、0.25の半量になったことで、今日モデルナの3回目も少しデータが出てくるのかなと思っていましたが、今回まだ副反応の報告は0件ということで、次回のこの検討会の中でまたデータを確認しながら意見を述べていきたいと思います。ありがとうございました。
○森尾座長 重大な御指摘、ありがとうございました。これからのデータ解析が非常に重要なポイントかと思っております。どうもありがとうございます。
今、伊藤澄信委員が退席されましたので、残念ながら伊藤澄信委員の解析に対する御回答は難しい状況でございます。
では、濱田委員、よろしくお願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
3回目の接種の件で2点だけお伺いしたいのですけれども、今の舟越委員とも重なるのかもしれませんが、日本ではファイザーとモデルナが18歳以上ということになっています。ということは、今後、3回目の副反応のデータが増してくると、心筋炎の発生数、頻度というのは落ちると考えていっていいのでしょうか。というのは、10代で高かったわけなのですけれども、今後心筋炎の頻度自体、日本のデータだと落ちる可能性があるとお考えなのか。私もそうなるのかなと思うので、それが一点です。
もう一点、これは私のほうでも詳しく調べておかなければいけないのですが、アメリカやイギリスなどほかの国で18歳以下に3回目は、ファイザーを打っているのですよね。その辺、他国の状況と、他国で10代世代で3回目を打った場合の心筋炎の発生頻度等、御存じでしたら教えてください。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、まず1点目についていかがでしょうか。
事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
報告頻度はもろもろの因子が絡みますので、なかなか予測は難しいと思いますが、一つ御参考としまして、今回、資料1-6-1というものを新たに御用意しまして、集計を開始しておるところでして、先ほど少し御説明したのですけれども、8ページ目、9ページ目に接種年齢を0~4、5~9ということで5歳刻みにして、さらに性別、年齢ごとに集計を行っておりますので、こちらのほうでモニタリングしていくのかなと考えております。
○森尾座長 この点、濱田委員、よろしいでしょうか。
○濱田委員 どうもありがとうございます。これは分かりました。
○森尾座長 ありがとうございます。
多屋委員、関連してのことでしょうか。よろしくお願いします。
○多屋委員 今の濱田委員の御質問についてなのですけれども、イスラエルから論文が出ておりまして、イスラエルで3回目の追加接種を行った後、10万接種当たりの心筋炎発生頻度ですけれども、男性では16~19歳で5.2、20~24歳で3.6、25~29歳で0.7、30歳以上0.4という発表がなされていますので、もし参考になりましたらと思いまして紹介させていただきました。
以上です。
○濱田委員 ありがとうございます。
先生、これはもちろんイスラエルですから、ファイザーで3回目ということでよろしいですね。
○多屋委員 はい。追加接種という記載がされていました。
感染研のホームページに「新型コロナワクチンについて」という文章を載せているのですけれども、そこに記載していますので、もしよかったら御参照いただければと思います。○濱田委員 どうもありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、18歳以下の3回目接種で何か情報がありましたら。
事務局、お願いします。
○事務局 御質問の3回目接種に関して、12歳から18歳ということだと思いますけれども、諸外国の状況でございます。こちらは日々アップデートされておりますので、次回のワクチン分科会に向けて今精査しているところでございますが、具体的にはイスラエルであったり、あるいは米国といったところでは認められていると認識しております。
○森尾座長 次回以降に恐らくデータを提出ということだと承りました。
よろしいでしょうか。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、倉根委員、よろしくお願いいたします。
○倉根委員 伊藤先生に質問だったのですが、伊藤先生は退席されたということですが、また直接伺うというのもあれなので、質問の記録としてという形でもよろしいですか。
○森尾座長 お願いいたします。
○倉根委員 何人かの委員も既に御質問されたところなのですが、23ページのY軸はあくまでも幾何平均の抗体価の倍率なので、体温が違っていても増える倍率は変わらないということなのだけれども、実際に増えて到達する絶対値というか抗体価というのは体温によって変わらないのでしょうかというのが質問でございました。
でありますので、これはどういうふうにお願いしていいのか。もしも事務局でこの質問を伊藤先生に差し上げることができれば、また聞いていただきたいと思うのですが、これが私の質問でした。
○森尾座長 ありがとうございます。
事務局、お願いいたします。
○事務局 倉根先生、ありがとうございます。いただいた御質問については伊藤先生に伝えさせていただきます。
○倉根委員 ありがとうございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
3回目の接種についてというところの議論でございますけれども、ほかに委員の皆様から質問、コメント等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、死亡報告についてという点に移りたいと思います。資料1-7の18ページにおいて事務局から論点が挙げられてございます。こちらについてどう考えるか、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
よろしいですか。トレンド等、特に大きな変わりはないという認識でよろしいでしょうか。
どうもありがとうございます。
それでは、次に心筋炎・心膜炎についてでございます。今回から心筋炎・心膜炎の疑い事例についてはブライトン分類により評価が開始されております。こちらは初出のデータが出てございますけれども、御意見、御質問等ありましたらぜひよろしくお願いいたします。
岡委員、お願いいたします。
○岡委員 ありがとうございます。
今回のブライトン分類はPMDAの方や多屋先生など皆さんが御協力いただいて、非常に迅速に基準の策定と調査票の策定をしていただいてどうもありがとうございます。
やはり今回出していただいて、報告されたうち実際にブライトンの1~3は3分の1から4分の1ぐらいということで、こういうふうに情報を収集していくことの重要さを改めて感じました。
ただ、その中で、いただいている因果関係評価のほうが、例えば1-6-1の最初のページ、ブライトンの1のファイザーのものについても全例がγということになっています。これは副反応として添付文書で記載していて、あの調査票は私も拝見しましたけれども、かなり詳細な情報を書いていただいて、ブライトンのクライテリアで1とされたものがγというのは少し違和感があるのかなと感じました。ただ、これは外部委員の方が評価をされているのだと思うので、それにどうこう言えるのかどうか分かりませんけれども、評価ができないというのはなかなか厳しいのかなと感じます。
あと、逆に言うとどういう情報があれば評価できるのかなと思っています。もちろんこの心筋炎という副反応の一つの問題点というのは、生物学的な説明が十分できていないということで、その点が難しい問題だなというのはグローバルに研究者の方も皆さん考えられていると思うのですけれども、それを解決してからワクチンを使うわけにもいかないので、使いながら研究するということで進んでいるわけですが、やはり全例がγだというのはちょっと難しいので、こちらとしては、ある意味ではこのワクチンの副反応を評価する上で、ブライトン分類を尊重しながら見ていく必要があるのかなと感じます。
質問としては、ブライトン分類は接種からの日数を基準の中にあえて入れていないというところがあります。この報告基準はたしか28日で切ろうということで決めたかと思うのですけれども、実際に臨床の現場でいうと、子供の心筋炎は接種後1週間以内、ピークは2日目から3日目と言われていますので、その辺りの日数のところでの数字も出していただけると、そういう意味で判断がしやすいかなと思っています。
ですので、例えば1-6-1の8ページ目に年齢と性別を分けた詳細の表を書いていただいていて、この8ページ目で言うと、ブライトンレベル1~3はやはり10代から24歳までの男性の方が多いという傾向がかなりはっきりしています。ただ、その中で、接種後7日以内に発症しているとなると、やはりワクチンとの関連が非常に考えられるのではないかなと思いますので、ぜひ次回はその中でどういう例が7日以内かということを付け加えていただけると判断しやすいかなと思います。
以上です。
○森尾座長 岡委員、重要な御指摘をありがとうございました。
今回からブライトン分類がなされておりまして、1、2、3の方が3割ぐらいいらっしゃる中で、α、β、γという評価のところではγ。これは専門家の方々の御評価ということでございますけれども、今の岡委員からの御提言は、この合同部会としてリスクゾーンの方々、そして、接種後1週間以内の方々のところは注視して見ていくべきだということで、例えば先ほどの資料1-6の8ページ、9ページに1週間以内のところでの発症のデータを入れていただけると、私たちもフォローしていけるようになるのではないかという御意見でございます。
この点について委員の皆様からいかがでしょうか。
宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 宮川です。
臨床医の立場からすると、医療資源が十分あるところとないところでは、今後、接種に関しては非常に問題が起こるだろうということが想定されます。そうすると、接種後に心筋炎・心膜炎がどのくらいの時期に出現することが想定できていれば、接種後1週間程度フォローできる体制をどのように組むかということが今後重要になると考えます。例えば島嶼部や過疎地域というところに小児科医が、接種時ならびに接種後、どのように配置ができるのか、それから、フォローする体制をどうやって取るかの検討を、地方自治体などに警鐘を鳴らすことができます。ぜひそのような体制を組んでいただければありがたいと考えます。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
先ほど岡委員から御指摘がありました、ブラインド分類は日数のことが加味されていないという中で、ある期間の中にどのくらいの症例があるか、これは多屋委員が帳票で詳しいものをいつも出してくださっていまして、これはブライトンと交差させるような形のデータになってくるかと思いますけれども、いかがでしょうか。委員の皆様から御意見、コメントをいただければと思いますが、よろしいですか。
それでは、今回いただいたようなブライトン分類の中に年齢での区分がございますので、これは1週間以内という形でまとめさせていただいて、この合同部会の中でも注視していくという形で対応していきたいと思います。
よろしいでしょうか。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 1回目と2回目と3回目という形で分けることはできていないのですけれども、資料1-1-1の45ページのファイザーのワクチン、46ページのモデルナのワクチンの心筋炎と心膜炎は今、法に基づく届出義務になりましたので、上から3行目と4行目に何日目に発症したかというのは表としては出しております。回数別には出せてはいないのですけれども、やはり接種から2日目をピークに4日目までに多いということがここから分かります。
あと、今回初めてなのですが、43ページ目には1回目、2回目、3回目を色分けして、何回目の報告が届いているかというのは分かるような工夫はしていますので、また少し検討はしてみたいと思いますけれども、参考になりましたら幸いです。
以上です。
○森尾座長 貴重な情報といつも取りまとめをありがとうございます。
恐らくいろいろな縦糸、横糸で解析ができるような状況になってきていると思いますので、それを基に議論を進めていければと思っております。
ほかに心筋炎・心膜炎について委員の皆様からいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、事務局のほうはお手数をおかけしますが、7日以内ということでの取りまとめをお願いできればと思います。
では、そのほかの論点に移りたいと思います。今回から交互接種事例における副反応疑い報告の状況や接種後健康状況調査の結果も新たに資料として御用意いただきました。これらの資料も含めまして、新型コロナワクチンの安全性に関して、そのほか質問、意見をいただければ承りたいと思います。いかがでしょうか。
では、多屋委員が先で、その後岡委員からお願いします。
○多屋委員 健康状況調査のことについてもよろしかったのでしょうか。
○森尾座長 こちらで承ります。お願いします。
○多屋委員 この結果を大変楽しみにしておりました。まとめるのはすごく大変だったと思います。ありがとうございました。
先ほどは実施していただけるという話だったのですけれども、接種から0、1、2、3、4と28日目ぐらいまでフォローされていると思うのですが、もし今後、いつぐらいにどんな症状が出たのかというのが一目で見られるような図が出てくると、接種前の被接種者への説明にすごく役立つかなと思いました。
それから、2つ目なのですけれども、どうしても回答率、回収率が低めということもあるので、症状がなかった人が回答されないという傾向が高いのではないかという報告バイアスを考えると、伊藤先生がいつもされているコホートよりは若干高めに症状の出現割合が出ているような気もしますので、パーセントを見るときにその点も加味しながら見ていけるといいのかなと思いました。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
事務局から何かコメントはありますか。
事務局、お願いします。
○事務局 多屋先生、ありがとうございます。
御指摘の接種後からの日数の情報については、今、ページが少しばらついてお載せしている状況でございますので、より見やすい資料に変更を含めて進めてまいりたいと思いますので、引き続き御意見を頂戴できればと思います。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、岡委員、お願いいたします。
○岡委員 多屋委員の御質問とかなりかぶるのですけれども、今、これに協力いただいているのは、例えば一般の方が多いのか、例えば医療従事者の方が多いのでしょうか。
どういう点でそういうことを伺っているかというと、回答率をどうやって上げるかという意味での質問なのですけれども、これは一般の方が主にということですか。
○森尾座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
このアンケートは、先ほどの9ページにありますように、去年の11月2日あたりからのエントリーということになっていて、接種のタイミングとしては、医療従事者はやはり最初のほうにボリュームゾーンがありましたので、そういう意味では一般の方が多いと考えられます。
○岡委員 ありがとうございます。
医療従事者だともう少し回答してもらってもいいのかなと思ったのですけれども、一般の方だとなかなか難しいのかなと思って、また解釈の仕方で工夫をすればというのは私も多屋委員と同じ意見です。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、舟越委員、お願いします。
○舟越委員 舟越です。
資料1-9の健康状況調査なのですが、先ほどの岡委員を含めてなのですが、10枚目のスライドに全体特性で70歳以上は著しく参加していないのですが、やはり先ほどのように1回目、2回目の接種を終えている状態なのか、それともスマホアプリのダウンロードとかデバイス操作ができなかった人なのかというところは事務局のほうで何か把握されているのでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 先生、御質問ありがとうございます。
事務局といたしまして、属性の回答率がどうなのかということ自体を調査の目的にしていないので、この調査の結果から直接的に読み取ることは難しいのですけれども、VRSを元にしました推定接種回数の傾向を踏まえますと、基本的にはこの調査が始まったのが高齢者の方が接種を終えていた時期であったことが主な理由であると考えられます。
また、高齢者については、御指摘のように、若年層に比べましてスマートフォンの操作が不得手等であることも想定されますけれども、そこはオンラインでアンケートを行う以上、このような一定の傾向はやむを得ないところもあるのかなということで、そういったことも踏まえて御議論いただきたいと考えております。ただ一方で、この調査のシステムに関しましては、被接種者の本人でなくても、保護者等が代理で回答することも可能なようには設計してございますので、操作が難しい方についてはどなたか助けを借りて回答することも可能となってございます。
以上でございます。
○舟越委員 ありがとうございます。
あと、アンケート自体、今回1回目が3,000名程度で、98ページ目の2回目になると600名程度で、中間解析等になってくるのだと思いますけれども、規模的に3回目接種を含めて、各50万人程度を目標とするという目標設定が去年の2月の資料のときにはあったのですが、今回、3回目接種以降の場合はどれぐらいの規模の人にこれを回答してもらうということを考えていらっしゃるのでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
まず、本調査については、現時点においてはエントリー数について上限を設けてございませんので、回答数が何百万回単位となった場合でも対応可能な設計にしてはございます。現在リリースを準備している追加免疫に係る調査につきましても、一定数のリーフレットの配付やウェブサイトでの告知を予定しておりまして、より多くの方にエントリーいただけるものと期待しているところでございます。
以上でございます。
○舟越委員 ありがとうございます。
あと、最後にコメントなのですが、4ページ目のアプリの概要を確認したのですが、7日目にアンケートの回答か何かのアラートが鳴るかと思うのですが、9日目までに回答とありますけれども、例えばアプリには7日目、8日目、9日目と、入力していない場合、何か入力してくださいみたいな報告バイアスを少しでも減らすようなリマインダー機能みたいな設定は何かあるのですか。システムの質問になってしまいましたが、すみません。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
例えば今御指摘の1週間後の回答の場合につきましては、回答が可能なのは現時点では8日目と9日目と設定してございます。両日とも1日1回のアラートが鳴るようなシステムにはなってございます。
以上でございます。
○舟越委員 ありがとうございました。
それでも未回答がこれだけ多いのですね。状況だけ確認させていただきました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
健康状況調査の利用方法について、山縣委員、何かコメントをいただければ。いかがでしょうか。
○山縣委員 山縣です。
皆さんおっしゃっているように、やはりレポーティングバイアスというか、母集団をこれがどの程度反映しているのかというのは、伊藤澄信先生らの調査などとの比較がやはり必要だと思います。ぱっと見た感じだと発熱が少ないような気がしたりとか、いろいろと違いあるようですので、これを出すときに、母集団の違いだとか、登録していただく方の特性の違いというものを、今、舟越委員等が言われたようなことを踏まえて解釈するといったことは、報告書の最初辺りのところかどこかにきちんと記載してオープンにしたほうがいいと思いました。
以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
事務局、どうぞ。
○事務局 山縣先生、ありがとうございます。
御指摘を踏まえまして、このスライドの冒頭等に解釈についての注釈ということで次回また案として加えさせていただきますので、またその記載ぶりについても御意見をいただければと思います。ありがとうございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
そのほかの論点でいかがでしょうか。交互接種事例における副反応の高い報告の状況というのは、現在は非常に少ない症例数になっておりますけれども、これからいろいろと複雑になってまいります。もしこの場で御意見をいただければ承りたいと思いますが、よろしいですか。データを出しながらまたまとめ方を検討して進めていくという形になるかなという気がします。
ほかによろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
それでは、今まで議論された内容についてまとめさせていただきたいと思います。
これまで確認できた内容といたしましては、副反応疑い報告の全体の傾向としては、今回の集計対象期間から、コミナティについて3回目接種後の副反応疑い事例の報告がありました。コミナティ3回目接種後の副反応疑い事例の報告状況については、医療機関からの報告によれば、集計期間中に147件の報告があり、頻度としては0.03%でした。うち重篤な事例は9件でございました。また、報告された症状としては、初回免疫でも報告されている事象でありました。
死亡事例については、集計対象期間中に1件の報告があり、専門家による評価ではγとされました。
報告基準となっている症状については、製造販売業者からの報告に基づき、ブライトン分類での評価を実施しました。その結果、アナフィラキシーについては、報告のあった3件のうち1件がブライトン分類2とされました。
TTSについては、報告のあった1件はブライトン分類4とされました。
心筋炎関連事象では事例の報告はありませんでした。
スパイクバックスにつきましては、集計対象期間中に3回目接種は行われておらず、副反応疑い事例の報告もありませんでした。なお、集計対象期間後に死亡事例1件の報告があり、専門家評価においてはγとされました。
3回目接種後の副反応疑い事例の報告状況につきましては、現時点では重大な懸念が認められないが、引き続き国内外の報告状況を注視していく必要があると考えられます。
また、1回目、2回目接種に関しては、3ワクチンとも副反応疑い事例全体の報告状況やロット別の報告状況、報告基準に定められた副反応の報告状況に動向の大きな変化はございませんでした。
ほとんどのところが3回目接種を中心にしたような傾向の解析ということでございますが、1回目、2回目接種に関しても大きな変更はないという形のまとめ方でございます。
次に、死亡事例の報告状況を整理いたしますと、コミナティについては前回の集計対象期間から1月2日までに新たに34件の死亡事例の報告があり、うち1件は3回目接種後の事例でありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された1,372件については、9件がβ、その他の事例はγと評価されました。また、1月3日から1月14日までにさらに5件の報告がありました。
スパイクバックスについては、前回の集計対象期間から1月2日までに新たに6件の死亡事例の報告がありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された59件については、1件がβ、その他の事例はγとされました。また、1月3日から1月14日までにはさらに3回目接種後の事例1件の報告があり、専門家評価ではγとされました。
バキスゼブリアについては、対象期間中の新規事例の報告はありませんでした。
死亡例の報告に関しては、現時点においては、3回目接種の事例も含め、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとまとめました。
心筋炎・心膜炎についてでございます。心筋炎関連事象につきましては、今回の集計対象期間からブライトン分類による評価を開始いたしました。
3回目接種後の事例を含め、海外における報告状況も注視していくとともに、ブライトン分類の評価も踏まえ、引き続き評価・分析を行っていくとさせていただきたいと思います。
また、今回、議論がございましたように、ブライトン分類が始まる中、1~3の事例があり、一方、α、β、γの評価ではγということになってございます。こちら、専門家の評価がある中、この合同部会といたしましては、ブライトン分類に日数という項目が加味されていないという点もあり、7日までのブライトン分類1、2、3というものを、今回の資料だと1-6の8ページ目、9ページ目でございますが、その中に加えて、委員会として注視をしていくという形でまとめさせていただけたらと思います。
また、多屋委員のいつもまとめてくださっている資料も横で見ながらという形にさせていただけたらと思っております。
これまでの検討結果を踏まえても、引き続きワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えるという形でまとめさせていただいておりますが、このようなことでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○森尾座長 皆様に首肯していただいたと認識いたしました。
以上、今回報告のあった具体的な事例を踏まえ、3種類の新型コロナワクチンについて現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見がありましたら承りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性に重大な懸念は認められないという評価でまとめさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、新型コロナウイルスワクチンに関する審議は以上でございます。
では、議題2「コロナワクチン以外の各ワクチンの安全性評価について」でございますが、事務局からまず資料2-1から資料2-29までの説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
コロナワクチン以外の審議対象の全てのワクチンについて、2021年7月1日から9月末までの3か月間における副反応が疑われる症例の報告の状況について御説明いたします。
それでは、資料2-1から2-29について説明いたします。
まずは資料2-1、MRワクチンでございます。
1ページ目をご覧ください。
MRワクチンの対象期間内の接種可能延べ人数は約51万人、製造販売業者からの報告は9件、医療機関からの報告は5件、うち重篤なものが4件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.002%、医療機関からの報告頻度は0.001%となっております。
今回、集計対象期間内での死亡症例の報告はございませんでした。
8ページ目がアナフィラキシーのまとめになります。報告された2症例のうち、専門家の評価によりブライトン分類が3以上とされた症例が1件ございました。詳細は2-28に示しております。
資料2-1は以上でございます。
続きまして、資料2-2、麻しんワクチンでございます。
接種可能延べ人数が約1万7000人、製造販売業者からの報告が2件、医療機関からの報告はございませんでした。
製造販売業者からの報告頻度が0.01%となっております。
また、今回、集計対象期間内での後遺症症例、死亡症例の報告はございませんでした。
資料2-2は以上でございます。
資料2-3が風しんワクチンでございます。
風しんワクチンに関しましては、医療機関、製造販売業者からの報告はございませんでしたので、説明は省略いたします。
続きまして資料2-4、おたふくかぜワクチンになります。
接種可能延べ人数が約19万人、製造販売業者からの報告が6件、医療機関からの報告は8件、うち重篤なものが8件でございました。
製造販売業者の報告頻度が0.003%、医療機関からの報告頻度が0.004%となっております。
今回の集計対象期間内での後遺症症例、死亡症例の報告はございませんでした。
7ページ目にアナフィラキシーのまとめを示しておりまして、1件アナフィラキシー疑い報告がございましたが、専門家の評価によりブライトン分類2とされた症例がございました。
また、今回、医療機関からADEMの可能性のある症例が1件報告されてございまして、専門家の評価に基づきまして、ADEMと判断できない、因果関係評価はγとされております。
資料2-4は以上となります。
資料2-5、水痘ワクチンでございます。
接種可能延べ人数が約46万人、製造販売業者から報告は5件、医療機関からの報告は4件ございました。うち重篤なものが3件でございました。
製造販売業者からの報告頻度、医療機関から報告頻度はともに0.001%でございました。
集計対象期間内の死亡症例の報告はございませんでした。
資料2-5は以上となります。
資料2-6、帯状疱疹ワクチンでございます。
接種可能延べ人数が約2万人、製造販売業者からの報告が9件、医療機関からの報告はございませんでした。
今回、集計対象期間内での後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。
資料の5ページ目をご覧ください。
今回、医療機関からADEMの可能性のある報告が1件ございまして、専門家の評価に基づいてADEMとは判断できない、因果関係評価はγとなっております。
資料2-6は以上となります。
資料2-7をご覧ください。23価肺炎球菌ワクチンでございます。
接種可能延べ人数が21万人、製造販売業者からの報告は7件、医療機関からの報告は8件、うち重篤なものは4件でございました。
製造販売業者の報告頻度が0.003%、医療機関から報告頻度が0.004%となっております。
今回、集計対象期間内での死亡症例が1件ございました。
資料2-29、No.5をご覧ください。
専門家の評価により、情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は評価できないとされております。
資料2-7は以上となります。
続きまして、資料2-8、サーバリックスでございます。
接種可能延べ人数が515人でございまして、製造販売業者からの報告が1件、医療機関からの報告はございませんでした。
製造販売業者からの報告頻度は0.19%となっております。
今回、対象期間内に後遺症症例、死亡症例の報告はございませんでした。
資料2-8は以上となります。
資料2-9はガーダシルとなります。
接種可能延べ人数が約17万人、製造販売業者からの報告は21件、医療機関からの報告は11件ございました。うち重篤なものは4件でございました。
製造販売業者からの報告頻度は0.013%、医療機関からの報告頻度は0.007%となっております。
こちらも死亡症例、後遺症症例はありませんでした。
11ページ目がアナフィラキシーのまとめとなっております。2件のアナフィラキシー疑い報告がございまして、専門家の評価によりブライトン分類3以上とされた症例はございませんでした。
12ページ目が、GBS/ADEMの症例の評価になります。GBS/ADEMの可能性がある再評価の症例が1件報告ございました。GBSについては、専門家の評価に基づき、ブライトン分類は3でしたが、ワクチンとの因果関係評価はγでございました。
資料2-9は以上となります。
続きまして、資料2-10がシルガード9でございます。
接種可能延べ人数が約1万3000人、製造販売業者からの報告が4件、医療機関からの報告はございませんでした。
製造販売業者からからの報告頻度が0.031%でございます。
後遺症症例、死亡症例の報告はございませんでした。
資料2-10は以上となります。
続きまして資料2-11、DPTワクチンでございます。
接種可能延べ人数が約1万7000人、製造販売業者からの報告はございませんでした。医療機関からの報告は1件、うち重篤なものはなしでございます。
医療機関からの報告頻度は0.01%、また、後遺症症例、死亡症例の報告はございませんでした。
資料2-11は以上となります。
続きまして資料2-12、DTワクチンでございます。
接種可能延べ人数が約28万人、製造販売業者からの報告が1件、医療機関からの報告が1件、うち重篤なものはありませんでした。
製造販売業者及び医療機関からの報告頻度は、ともに0.0004%でございました。
後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。
資料2-12は以上となります。
続きまして資料2-13、ジフテリアトキソイドになります。
こちらは対象期間内に報告がございませんでしたので、説明は省略いたします。
2-14、破傷風トキソイドになります。
接種可能延べ人数が18万人、製造販売業者からの報告は1件、医療機関からの報告はありませんでした。
今回、集計対象期間内の死亡症例の報告はございませんでした。
続きまして資料2-15、不活化ポリオワクチンとなります。
こちらも報告がございませんでしたので、説明は省略いたします。
資料2-16、4種混合ワクチンでございます。
接種可能延べ人数が79万人、製造販売業者からの報告は2件、医療機関からの報告は14件、うち重篤なものは7件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.0003%、医療機関からの報告頻度が0.002%となっております。
今回の集計対象期間の死亡症例の報告はございませんでした。
資料2-16は以上となります。
資料2-17をご覧ください。13価肺炎球菌ワクチンでございます。
接種可能延べ人数が83万人、製造販売業者からの報告は11件、医療機関からの報告が17件、うち重篤なものは13件でございました。
今回、集計対象期間内での後遺症症例、死亡症例はございませんでした。また、6か月の死亡症例の報告頻度は10万接種あたり0.06から0.18となっており、この数値は急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っておりました。
資料2-17は以上となります。
資料2-18、Hibワクチンでございます。
接種可能延べ人数が82万人、製造販売業者からの報告は7件、医療機関からの報告は16件、重篤なものが13件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.001%、医療機関からの報告頻度が0.002%となっております。
今回、集計対象期間内での後遺症症例、死亡症例はありませんでした。また、6か月間の死亡症例の報告頻度が10万接種あたり0.06から0.19となり、急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っておりました。
資料2-18は以上でございます。
資料2-19をご覧ください。BCGワクチンでございます。
接種可能延べ人数が約19万人、製造販売業者からの報告が1件、医療機関からの報告が19件、うち重篤なものが6件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.001%、医療機関からの報告頻度が0.01%となっております。
また、今回の集計対象期間内での死亡症例の報告はありませんでした。
資料2-19は以上となります。
資料2-20は日本脳炎ワクチンとなります。
接種可能延べ人数が57万人、製造販売業者からの報告が1件、医療機関からの報告が6件、うち重篤なものは4件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.0002%、医療機関からの報告頻度が0.001%となっております。
9ページ目、医療機関からADEMの可能性のある症例が対象期間内に1件、対象期間前に1件報告されてございます。いずれの症例も、専門家の評価に基づき、ADEMとは判断できない、因果関係評価はγとなっております。
資料2-20は以上となります。
資料2-21はB型肝炎ワクチンとなります。
接種可能延べ人数が117万人、製造販売業者からの報告が4件、医療機関からの報告が12件、うち重篤なものが10件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.0003%、医療機関からの報告頻度が0.001%となっております。
今回、集計対象期間内での後遺症症例、死亡症例の報告はございませんでした。
11ページ目、アナフィラキシーのまとめでございまして、アナフィラキシー疑いとして6件が報告されましたが、ブライトン分類3以上とされた症例が1件ございました。
資料2-21は以上となります。
資料2-22はロタウイルスワクチン1価となります。
接種可能延べ人数が27万人、製造販売業者からの報告が8件、医療機関からの報告が10件、うち重篤なものが9件ございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.003%、医療機関からの報告頻度が0.004%となっております。
今回、集計対象期間内での死亡症例の報告はございませんでした。
資料2-22は以上となります。
資料2-23は5価のロタウイルスワクチンとなります。
接種可能延べ人数が20万人、製造販売業者からの報告は6件、医療機関からの報告が5件、うち重篤なものが5件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.003%、医療機関からの報告頻度が0.002%となっております。
今回の集計対象期間内での死亡症例はございませんでした。
資料2-23は以上となります。
資料2-24をご覧ください。
こちらは、ロタウイルスワクチンによる腸重積の発生頻度の状況につきまして、これまでの会議と同様に製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン社、MSD社より資料の提供を受けております。
資料ですが、2020年10月にロタウイルスワクチンが定期接種化されましたので、その前後で比較を行っており、報告頻度に変化はなく、また、ブライトン分類1であった症例の転帰についても、VAERSに基づく海外との比較においても腸切除や死亡に至った事例は低いことが示されております。
資料2-24は以上となります。
資料2-25から資料2-28につきましては各ワクチンで説明しておりますので、省略させていただきます。
資料2-29をご覧ください。死亡事例の一覧となります。
No.1からNo.4までが対象期間前の事例になりまして、調査がいずれも終了しまして、専門家の評価によりワクチンとの因果関係は不明とされております。
No.8につきましては、データロック後に製造販売業者から報告対象外である旨が報告されましたので、今後は審議の対象外として取り扱います。
No.6、No.7、No.9に関しましては、報告対象期間後から12月24日までに報告された事例でございまして、現在調査中のため、調査結果等は次回以降報告させていただきます。
資料2-29は以上となります。
新型コロナワクチン以外の各ワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森尾座長 事務局、どうもありがとうございました。
この説明につきましての質問と御意見は後ほどまたまとめて頂戴しようと思います。
先に、HPVワクチンの安全性評価に関連してでございます。こちらにつきましては、11月12日の合同部会におきまして、HPVワクチンの積極的勧奨再開直後においては、よりタイムリーに安全性評価を行っていくべきではないかという議論をいただいておりまして、事務局のほうで検討を行うという宿題を頂戴しておりました。
こちらにつきまして、事務局のほうから検討状況について説明をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○事務局 資料2-30「積極的勧奨再開後のHPVワクチンの安全性評価スケジュールについて」をご覧ください。
「1.経緯」でございます。ただいま御説明いただきましたが、11月12日の審議におきまして、HPVワクチンの安全性につきましては、積極的勧奨再開後の当面は頻度を上げて評価を行うということとなっておりました。
参考としまして、新型コロナワクチン以外のワクチンの今後の審議予定の表というものをおつけしておりますが、通常の評価スケジュールにのっとりますと、各会議の開催間隔が3か月でありまして、また、各回でお出しする資料の集計期間の終わりについても開催日の4か月前となっておりますので、10月の部分に※を付与しておりますが、令和4年4月以降に報告された疑い事例の最初の評価日につきましては半年後の10月となっておりました。
この状況を踏まえまして、「2.HPVワクチンの今後の審議予定案」でございまして、1つ目の○の部分でございます。本合同部会におけるHPVワクチンの安全性につきましては、積極的勧奨再開直後の6か月間については、通常3か月に1回の評価スケジュールをおおむね1か月に1回としまして、頻度を上げて評価を行うこととしてはどうかと考えております。
次の○の部分でございます。当該期間におきましては、各開催日における集計期間の終わりも2か月間延長したいと考えております。また、評価の迅速性を重視しまして、先ほど資料としてお示ししましたが、新型コロナワクチンの副反応疑い事例の評価同様、医療機関報告と製造販売業者との症例の名寄せ作業は実施しないこととしまして、ついては、当該期間における会議資料の構成としましては、今回のように医療機関からの報告の資料と製造販売業者からの報告の資料の両方をお示しするということになりますので、委員におかれましては、この性質の異なる2つの報告を見つつ評価をお願いしたいと考えております。
下の表は、この方針で評価を行った場合の今後の予定でございまして、6月のところに※を付与しておりますが、4月末までに報告されました疑い事例につきましては、6月めどの部会において資料としてお示しできるスケジュールとしております。
資料の説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、質問に移りたいと思いますけれども、まず2-1から2-29の新型コロナワクチン以外のワクチンについてということで御意見、質問がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
委員の皆様、よろしいでしょうか。
どうもありがとうございます。
続きまして、資料2-30に基づいて御説明いただきました積極的勧奨再開後のHPVワクチンの安全性評価スケジュールについて質問、コメント等いただけたらと思います。いかがでしょうか。
では、まず倉根委員、続いて、舟越委員からお願いいたします。
○倉根委員 私は、まずこうやって最初、4月以降は毎月議論するということに賛成です。ですから、この提案は賛成です。
1つ伺いたいのは、「2.HPVワクチンの今後の審査予定案」の2つ目の○の副反応疑い事案の集計対象期間を2か月延長するというのは、通常の集計期間から後2か月間のデータを、まずはそこまで延長して評価するということですが、2か月間延長したものは今度どういう形で出てきますでしょうか。
○森尾座長 ちょっと分かりにくい表現ですね。直近まで評価するという主旨だと思います。
事務局のほうからお願いいたします。
○事務局 具体的に御説明いたします。
例えば下の表の令和4年6月というところに下線を引いておりますけれども、ここでは4月末までに報告された資料を6月のタイミングで出したいと考えているということになります。以下、続いていきますが、5月末までの報告を取りまとめまして7月の部会に、6月末のデータを取りまとめまして8月の部会にという形で出していこうと考えています。
○倉根委員 2か月延長というのは、通常だと4月までのものを6月まで集めるということですよね。そういうふうに読んでいいのですか。
○事務局 通常合同部会開催月の4か月前までに報告された副反応疑い事例をとりまとめて会議資料としておりますが、HPVワクチンについては、当該期間は開催月の2か月前までに報告された事例をとりまとめて会議資料としたいと考えております。
○森尾座長 倉根委員、よろしいでしょうか。
○倉根委員 はい。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、舟越委員、続いて山縣委員から承ります。
○舟越委員 舟越です。
まず1つ目、評価なのですが、今まで定例の評価をしているものを、頻度を上げて単に評価をしていくのか、以前議論があったように、連携協力医療機関との部分とかといった状況まで評価をしていくことを想定されているのでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
ここでの安全性評価スケジュールは副反応疑い事例のスケジュールになりますので、先ほど資料2の中で御説明しましたような資料を用いての副反応疑い報告のお話になります。
○舟越委員 分かりました。
あと、コメントですが、
積極的勧奨再開の4月からというのを、資料2-30を拝見したときに、その前の資料2-8、2-9、2-10のサーバリックス、ガーダシル、シルガードを見ていると、既にガーダシルを中心で使っていると思うのですが、発売当初の平成23年は3か月で17万人使っていて、直近の7月から9月は既に17万人、発売当初の積極的勧奨というか制限がかかる前の販売量と同じぐらいに上がっているので、実質積極的勧奨状態になっているのかなと思うと、これから数か月間、本来10月以降のデータも頻度を上げて早めに評価していったほうがいいのかなと感じたところです。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
よろしいですか。
それでは、山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 舟越委員とほぼ同じ意見でした。私も見ていると、3か月ごとの接種可能延べ人数が10万人、12万人、18万人とずっと上がってきていて、積極的な勧奨を取りやめる前の二十数万人にかなり近づいてきて、かなり皆さん接種されるようになったのかなと。なので、接種可能人数の推移も3か月に1回ぐらい出していただけると、その中での頻度と全体の行きわたりも含めた対応とかということも議論できるのかなと思いましたので、HPVの場合は接種延べ人数に関しての推移があったほうがいいかなと思いました。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。接種延べ人数の推移ということで、宿題というかコメントを頂戴いたしました。
宮川委員、ございますでしょうか。
○宮川委員 接種の延べ人数だけの問題ではなくて、現場としては非常に落ち着いているという印象があります。これは小児科、婦人科等を含めてですけれども、接種を受けられる方々、接種する医療機関は非常に落ち着いた対応の中で行われております。接種が始まったときのようなイメージとかなりかけ離れた状況であると思われます。適切で的確な副反応の取り上げ方が現場では行われているのが現状と思います。もちろんその中で問題な事象があれば、速やかにそれを上げて検討していくというのはこれから必要なことであろうと思っております。
以上です。
○森尾座長 宮川委員、貴重なコメントをありがとうございました。
これからキャッチアップ接種も行われますので、恐らく年齢的な違いのところとかを含めて評価が必要かと思います。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、コロナワクチン以外のワクチンの安全性についてということで、これまで議論された内容をまとめさせていただきたいと思います。
これまで確認された内容といたしましては、副反応疑いの報告頻度は、これまで検討したワクチンに比べて特段高いことはない。
2、後遺症の報告は、対象期間前の再評価の事例として3例報告され、うち1件はワクチン接種との因果関係は否定できないとされました。
3、ADEMの可能性のある症例は、報告対象期間内に4例、対象期間前の再評価の事例として2例報告され、いずれもワクチン接種との因果関係は評価されないとされました。
4、GBSの可能性のある症例は、対象期間前の再評価の事例として2例報告されました。うち1件はワクチン接種との因果関係は否定できないとされました。
5、ブライトン分類3以上のアナフィラキシーと評価された症例は、報告対象期間内にMRワクチン、おたふくワクチンの同時接種事例で1例、また、報告対象期間前の再評価事例としてB型肝炎ワクチン、狂犬病ワクチンの同時接種事例で1例でありました。
6、死亡症例は、報告対象期間前に報告された4事例及び対象期間内に報告された23価肺炎球菌ワクチン1事例があり、いずれも因果関係が評価できないとされました。また、報告対象期間後に報告された23価肺炎球菌ワクチン単独接種以外の3例について、詳細情報を調査中であり、次回以降に改めて報告される予定でございます。
7、なお、13価肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度は、いずれのワクチンも急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っておりました。
このような形のまとめでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
この内容を踏まえまして、新型コロナワクチン以外の各ワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見がありましたら承りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、御審議いただいたワクチンにつきましては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でまとめたいと思います。よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
審議事項は以上でございますが、そのほか、全体を通じて御意見、御質問等はございますでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、本日の議事は以上で終了でございます。
そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は、長時間にわたり、活発に御議論いただきましてありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○森尾座長 それでは、本日の会議をこれで終了させていただきます。
活発な御議論、どうもありがとうございました。