第156回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録

日時

令和3年10月13日(水) 9:30~11:00
 

場所

 オンラインによる開催
 厚生労働省 職業安定局第1会議室
 

議事

議事内容
○伏木雇用保険課長補佐 委員の皆様、おはようございます。雇用保険課の伏木です。
開催に先立ちまして、オンライン開催の御案内をいたします。
本日も、新型コロナウイルス蔓延防止の観点から、部会長以外の委員の皆様はZoomを利用して御出席いただいております。部会の進行中、委員の皆様のマイクはオフとさせていただいておりますけれども、事前にZoomの参加方法を送付しておりますが、発言なさる際は挙手をしていただき、部会長から指名があった後にマイクをオンにして御発言いただくようにお願いいたします。
また、会議進行中に通信トラブルで接続が途切れた、ないしは音声が聞こえなくなった等ございましたら、チャットないし御案内しております電話番号まで御連絡ください。
また、通信遮断が大きい場合には、部会を一時休憩とする場合もございますので、御容赦くださいますようお願いいたします。
なお、傍聴につきましても、本日も蔓延防止の観点から、別会場にてオンラインで行わせていただいております。傍聴の皆様におかれましても、御理解いただきますよう重ねてお願い申し上げます。
オンライン開催に係る説明は以上となります。
それでは、部会長、進行をお願いいたします。
○守島部会長 それでは、ただいまより、第156回「雇用保険部会」を開催いたしたいと思います。今日もよろしくお願いいたします。
初めに、委員の交代がございましたので、御紹介いたします。
使用者代表として、パナソニック株式会社インダストリアルソリューションズ社人事センターエナジーデバイス人事・総務部長の段理恵様に委員に御就任いただいております。よろしくお願いいたします。
本日の委員の出欠状況ですけれども、全員御出席ということになっております。
事務局につきまして、山口調査官がちょっと遅れて来られるということなので、後でまた到着されると思います。
それでは、議事に入りたいと思います。
なお、マスコミの方々は、頭撮りはここまでとさせていただきたいと思います。
それでは、議事に入ります。本日の議題は「雇用保険制度について」及び「その他」でございます。
それでは、事務局から資料について御説明いただき、その後、委員の皆様に御議論いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○伏木雇用保険課長補佐 それでは、私から資料1「教育訓練給付について」御説明をさしあげます。
まず、1ページからお開きいただけますでしょうか。教育訓練給付につきまして、資料の1ページのとおり、大きく3つの類型がございます。
右から御説明しますけれども、一般教育訓練給付、特定一般教育訓練給付、専門実践教育訓練給付というふうに、制度の開始時期を見ていただければですが、順次、拡充してきているところでございます。
講座の内容につきまして、訓練の期間とかレベルに応じて、それぞれ認定をしておりまして、給付の内容につきましても、一般教育訓練給付であれば受講費用の20%、特定一般であれば40%、専門実践であれば、まず50%を支給した上で、資格取得かつ就職等いただいた場合には、プラスで20%と合計70%を支給するというように、内容に応じて給付の率も変えているということでございます。
おめくりいただきまして、2ページ、3ページは支給の状況ということで、こちらは最初のキックオフの会でもお出ししておった資料でございます。
一般教育訓練給付については、受講者数がだんだん減少してきており、女性が若干減ってきているかなというところであります。
特定一般教育訓練給付については、令和元年10月からスタートしておりますので、令和2年度から平年度化して、順次、増えてきているところという状況でございます。
3ページの専門実践教育訓練給付は、順次、受講者が増えてきておりまして、特に女性に多く御利用いただいているということでございます。
続きまして、4ページ以降ですが、特に暫定措置となっております専門実践教育訓練給付及び教育訓練支援給付金について御説明さし上げます。
5ページが「専門実践教育訓練給付等の概要」ということで、内容については、先ほど御説明したとおりですが、四角い箱の3つ目のところに「教育訓練支援給付金の概要」がございます。
記載のとおり、専門実践教育訓練を受講し、修了見込みがある45歳未満の若年離職者に対して、訓練期間中の受講支援、生活支援ということで、基本手当日額の80%水準の支援金をお支払いしているというものでございます。こちらは令和3年度末までの暫定措置となってございますので、今後の取扱いについて検討が必要という状況でございます。
6ページをおめくりいただきまして、制度変遷についてでございます。
専門実践教育訓練給付は、平成26年10月から施行ということで、当初は60%の給付率としておりました。教育訓練支援給付金は、基本手当の50%水準ということでスタートしておりました。
ただ、利用状況を見て、もう少し利用を促進する必要があるだろうというところで、平成29年の改正によりまして拡充を図り、給付率は、70%というのは先ほど申し上げた50%と後からお支払いする20%で合計70%ということと、教育訓練支援給付金については、基本手当の80%水準としてございます。
7ページは、専門実践教育訓練給付の支給状況ということで、再掲の資料でございます。平成29年度に改正を行いまして、順次、その受給者が増えてきているということでございます。
また、8ページに教育訓練支援給付金の支給状況がございます。こちらも順次、増えてきております。
初回受給者数を見ると、令和2年度は令和元年度とそう変わらない水準ではございますが、だんだん伸びてきているということであります。
9ページ以降は、受給状況のもう少し詳細の状況を御説明いたします。
まず、9ページは、男女別と年齢別でお出ししております。
左側の箱が専門実践教育訓練給付ということで、おおむね60歳未満の方々で大宗を占めており、かつ、45歳未満、教育訓練支援給付金の対象となる層の方々が6割程度ということであります。
この表にはないですが、上の箱の※に書いていますけれども、45歳未満で受けている方のうち、教育訓練支援給付金を受けている方は大体2割程度ということでございます。こちらは後ほどもう少し御説明します。
右側に教育訓練支援給付金について掲載してございますが、女性が多いということは専門実践も同じことです。
教育訓練支援給付金は、年齢層につきまして、若い層が若干多いかなというところはありますが、おおむね満遍なく各年代層で受けていただいているかなと考えております。
10ページをお開きいただけますでしょうか。こちらは雇用状態ということなのですが、もともと教育訓練給付が制度の成り立ちとして、労働者の方々の自発的なスキルアップを支援するものとして創設されたという経緯もございまして、左側のグラフのとおり、75%と多くが在職者です。在職中にスキルアップを目指すということで受けていただいております。
先ほど来申し上げております教育訓練支援給付金は、離職者の方に対する給付でありまして、離職者は全体から見ると25%で、その25%のうち、6割程度の方が教育訓練支援給付金を受けているということでございます。前のページで2割程度と申し上げましたけれども、多くは在職者であり、離職者の中の一部の方が支援給付金を受けているということで御理解ください。
11ページに参りまして「専門実践教育訓練給付の講座類型別支給状況」ということで、おおむね9割方が1番の「業務独占資格・名称独占資格」資格を取るというところでございます。
また、在職者が受けるというところもございまして、3番の「専門職学位」のようなところも割合としては若干多いかなと思います。
12ページに参りまして、教育訓練支援給付金のほうです。こちらも、9割程度が業務独占・名称独占資格ということでありますが「専門職学位」なんかは先ほどの専門実践教育訓練給付よりは割合は低い。離職者の方ですので、資格を取ったり、そういうところをより多く受けていただいております。
13ページからは、もう少し具体的な講座別の受講内容です。
上位を見ますと、介護福祉士や社会福祉士のような福祉系の職種、それからキャリアコンサルタントといった講座が多くございます。
介護福祉士については、実務経験、介護施設で働きながら3年程度働いた上で、一定の研修を受けたところで受験資格を得られるということで、その働いていらっしゃる方が受験資格を得るためにこういう講座を受けているというケースが多かろうと考えております。
また、5つ目とか7つ目ですけれども、専門職学位とか第四次産業革命スキル習得講座、こちらはデジタル人材の育成という中で、最近強化しているところでありますけれども、そういったところは順次、受講者が伸びてきているかなと考えてございます。
14ページに参ります。教育訓練支援給付金の受給者でございます。こちらは離職者の方々が受けているということでありまして、また講座の内容は変わってきております。上位は看護師、准看護師で大体全体の4割、また、医療関係職種が多かろうかと思います。
また、訓練期間ですけれども、3年ないし2年といった長期の訓練を受けていらっしゃる方が特に多いです。
15ページにも、訓練期間別の支給状況を記載してございます。9割方が、訓練期間が24か月以上、2年以上ということで受けていただいています。さらに、半分ぐらいが訓練期間36か月以上ということで、3年以上の長期の訓練を受講していただいているということでございます。
16ページ以降は、これまでの議論の経過のおさらいということになります。
16ページは、制度創設時の雇用保険部会の報告であります。このとき、社会人の学び直しを推進していこうということで、日本再興戦略でそういう方針が示されていたところでありますけれども、当面の措置として、離職前の賃金に応じた一定の額を支給するという制度も創設すべきだと。
ただ、そのときに労使委員からは、雇用保険制度のみならず、一般会計でも支援すべきでないかとの声があったとか、使用者代表委員からは、安易な複数回受講を防ぐ仕組みを設けるべきではないかという御意見がございました。
17ページは、日本再興戦略で、御参考です。
右下にありますとおり、各項目について、5年程度のスパンでKPIを設定してやっておったということで、制度創設当初は、こういうことで5年間の暫定措置として創設したという経緯がございます。
18ページであります。こちらはその制度を拡充したときの雇用保険部会の報告です。
2つ目の○にありますとおり、いまだ受給者が少ない状況にあるというところで制度を拡充すべきであるとおまとめいただいております。
最後のなお書きですが、雇用保険制度の本来的な役割は、再就職に向けた支援を行うことが最も基本的な目的であるということを併せてまとめていただいておりますが、当時、良好な雇用失業情勢や安定した雇用保険財政といった環境の中で拡充を行うことは考え得るというのが当時の取りまとめでございます。
19ページ以降は参考ということで、最近の閣議決定でございます。骨太の方針を載せております。
学び直しを行えるようリカレント教育の抜本的な拡充を図るとか、下にありますとおり、デジタル分野等の新たなスキルの習得に向けた職業訓練の強化等を通じて自立を支援するということが各所でまとめられております。
20~22ページは、説明は割愛いたします。
そうしたことを踏まえまして、23ページに論点をお示ししております。教育訓練給付制度全体につきまして、労働者が主体的に能力開発に取り組むことを支援するというのが本来の趣旨でございますということで、これまでの制度の経過とか支給状況を踏まえて、全体的に御意見がございましたら、御議論いただければと思います。
2つ目の○ですが、教育訓練支援給付金は、今年度末で期限を迎えますので、制度創設の経緯や支給状況等々、また、雇用情勢、財政状況等を踏まえ、制度の在り方について御意見を賜れればと思っております。
私からの説明は以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御意見、御質問を受けたいと思います。よろしくお願いいたします。
仁平委員が手を挙げていらっしゃいます。仁平委員、お願いいたします。
○仁平委員 どうもありがとうございます。
2013年に専門実践教育訓練給付と教育訓練支援給付金を議論した際、パート、有期、派遣などで働く方々などがキャリアアップに進む面があると判断いたしまして、制度の趣旨には賛同してきた経緯があるわけですが、同時に、支援対象の訓練については、失業の予防とか早期再就職を目的としたものに限定すべきなのではないかと申し上げた経緯がございます。
その後の人材開発分科会などにおいても、支援の措置がどうしても保険のみを財源としているという性格も踏まえ、支援対象の訓練による失業の予防や早期再就職の効果などの検証や、将来的な賃金の上昇とか雇用の安定などにつながる訓練メニューの開発と講座の設定を求めてきました。しかしながら、現状はそうした意見が十分に反映された講座の設定になっていないのではないかということで、改めてここは見直しをお願いしたいと思っております。
制度の効果が提示されないままに、今後の制度の在り方を議論することは適当と言えないと思いますし、訓練の内容によっては、厚労省の予算のみならず、文科省や経産省などの他の省庁の予算も活用するなど、各省横断的に連携することも含めて検討していくべきなのではないかと思っています。意見として申し上げます。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
続きまして、杉崎委員、お願いいたします。
○杉崎委員 ありがとうございます。商工会議所の杉崎でございます。
まず、1つ目の論点につきまして申し上げます。平成29年の部会報告には、労働力人口が減少する中、我が国が成長するためには、労働者の職業能力の開発・向上に取り組むことが重要と記載されております。この記載のとおり、教育訓練給付は、労働者の自己啓発を支援する仕組みとして、また、特に近年ではリカレント教育やリスキリングを支える施策として重要性が増しているものと認識しております。
一方で、一般教育訓練給付につきましては、2014年に専門実践教育訓練給付が創設されたこともあり、受給者の減少が続いております。一般教育訓練給付の指定講座は、簿記やプログラミングなどビジネスの実務で役に立つスキルから、輸送・機械運転関係、技術関係など現場を支えるスキルまで1万1000余りの講座が幅広く指定されております。したがいまして、リカレント教育やリスキリングに資するように、オンラインや土日・夜間の講座の充実を図ることや対象講座に関する情報発信、周知を強化することで利用を促進していく必要性があるかと思います。
また、デジタル分野の指定講座を増やすなど、産業界とか労働市場のニーズを基に制度を充実・強化していくといったことも重要かと思います。
なお、一般に加えまして、専門、特定が創設され、給付内容が拡充されてきたということを踏まえますと、教育訓練給付は給付内容の拡充を施行するのではなく、雇用や定着、さらには労働生産性の向上、働きがいの向上に係る課題・効果をしっかりと検証して、さらなる制度改善につなげていくということが重要であるかと思います。
加えまして、本制度は骨太の方針や成長戦略に位置づけられているということを踏まえまして、財源につきましては、平成25年の部会報告に記載のとおり、雇用保険のみならず、一般会計によっても支援すべきでありますし、安易な複数回受講を防ぐ措置を講じるということも重要だと思います。
次に、専門実践教育訓練給付につきましては、労働者の中長期のキャリア形成に資する重要な制度でありますが、指定講座や講座類型別支給状況が偏っているということが課題であるかと思います。指定講座に係る7類型のうち、4番目の子育て女性のリカレント課程等「大学等の職業実践力育成プログラム」とか、6番目のAI、IoT等の「第四次産業革命スキル習得講座」は、社会的な要請があるにもかかわらず、指定講座数が非常に少ないので、これらの分野の指定講座数を増やしていく必要があるのではないかと思います。
また、講座類型別支給状況につきましては、1つ目の業務独占資格、名称独占資格が約9割を占めており、資料の13ページを見ますと、福祉系やキャリアコンサルタントの受講者が非常に多くなっております。これ自体は否定すべきものではありませんが、一般、特定に比べて1受給者に対する支給金額が大きいこと、さらには財源である雇用保険の業種別の拠出割合や産業界のニーズを踏まえると、偏りの解消とそのための具体策が必要であるかと思います。
次に、2つ目の論点であります教育訓練支援給付金につきまして申し上げます。
まずもって、教育訓練支援給付金につきましても、給付金受給者の受講内容に偏りがあることから、偏りの解消とそのための具体策が必要であるかと思います。
また、基本手当日額の80%を支給する令和3年度までの暫定措置につきましては、平成29年の部会報告において、良好な雇用失業情勢、安定した雇用保険財政といった環境の中で教育訓練給付の拡充を行うことは考え得るとされ、延長された経緯がございます。
この暫定措置につきましては、コロナ禍で予断を許さない雇用情勢が続いている中でも受給者数はさほど多くないということや、現在の雇用保険財政は、平成29年当時の状況と全く異なるということを踏まえると、恒久化はすべきではなく、効果検証をしっかりと行い、措置の内容や延長の是非を検証していく必要があるのではないかと考えおります。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
続きまして、水島委員、お願いいたします。
○水島委員 水島でございます。ありがとうございます。
仁平委員、杉崎委員の御意見とも共通するものでございますが、教育訓練給付のうち、特に専門実践教育訓練給付の指定講座について意見と質問を述べさせていただきます。
専門実践教育訓練給付の指定講座については、私も有意義なものと考えますが、指定講座には、特に人材を必要としている分野と、人材難とは必ずしも言えないけれども、被保険者の転職・再就職に有為な資格があるように思います。雇用政策の観点からは、中長期的に人材が不足する分野により重点を置くべきではないかと思います。これは意見です。
次に、経済財政運営と改革の基本方針2021、20ページで示されているところですけれども、教育訓練給付のデジタル人材育成への重点化を図るとのことですので、今後は指定講座が充実するのではないかと期待するところでございます。
もっとも、人材育成には、失業を回避するという目的と産業の発展に貢献できる人材を育成するという目的があると考えます。雇用保険の本来の役割は前者と思います。
デジタル人材育成には、両方の性格があると考えますが、後者の性格がより強いということであれば、雇用保険財源だけで行うことには違和感があります。
そこで、質問ですけれども、そもそも教育訓練給付ではどのような人材育成を考えているのか、教育訓練給付の趣旨について教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
○長良雇用保険課長 雇用保険課長でございます。
ただいまの御質問でございますけれども、十分なお答えになっているか分かりませんが、制度創設の経緯を申し上げます。
教育訓練給付は、平成10年の雇用保険法改正で新設されましたけれども、その際、問題になっていたことに関していうと、能力開発政策全体といたしまして、いわゆる企業内の人材育成、公共職業訓練を軸にこれまで展開してきたところ、個人の主体的な能力開発というところの支援が不十分であるという問題意識の下で創設されております。
その際、この給付を雇用保険財源で行うということでございまして、基本的には委員も言及されたように、職業の能力の開発の向上に資するもの、例えば趣味的・教養のような性質のものは除くとか、最近では専門実践、特定一般などは、より資格取得を趣向いたしまして、雇用・就職に直結するような資格に重点を置いて指定してきたというところでございまして、委員のおっしゃる問題意識に関しては、現在の指定講座におきましてもそのような点に留意しながら指定の手続を行っているという状況かと思います。
現在の指定講座全体の資料は、今日お出しした資料だけでは少し不足しているかもしれませんけれども、全体の構成としては、これまで委員の皆様から御指摘があったように、講座指定に関して少し偏りがあるのではないかという御意見があろうかと思います。
その点に関しましては、人材開発の施策とも絡むわけでございますので、そちらとも少し情報の共有を図りながら、講座指定に関してどのような形で今後、方針を固めていくかということを検討していきたいと思っております。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
では、続きまして。
○伏木雇用保険課長補佐 部会長。人材開発の担当から。
○守島部会長 では、どうぞ。
○辻野職業能力開発指導官 人材開発統括官付で教育訓練給付の講座指定を担当しております辻野と申します。
最近の教育訓練給付、特に専門実践教育訓練給付の拡充の経緯について御説明させていただきたいと思います。
1ページの資料を御覧いただければ、概要が御覧いただけると思いますが、一番左側の専門実践教育訓練給付の下の部分が講座指定要件、講座指定でどういったものを指定しているかというものになります。
制度が始まったのは平成26年からなのですが、初めから1~7番までの類型があったわけではなくて、社会のニーズを踏まえて、例えばマル6の「第四次産業革命スキル習得講座」は平成30年度に追加するということにしておりますし、そういった形でデジタル関係とかそういったものの指定講座を充実させているところでございます。
指定講座をどのようにしていくかについては、人材開発分科会においても議論していただき、また、雇用保険部会の皆様の御意見もいただきながら拡充してきた経緯がございまして、今後、デジタル講座についてはより必要だという認識は持っておりますので、経済産業省であったり文部科学省と連携しながらプログラムの開発を各省に促しつつ、我々としても指定講座の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
それでは、続きまして、小林委員にお願いしたいと思います。
○小林委員 ありがとうございます。私は、専門実践教育訓練給付について御意見させていただきたいと思います。
支給の金額の大半を占めているのは専門実践教育訓練給付であり、データを見てもそのように取れるところでございますし、また、設定されている講座の関係から、受給者は女性が多いとデータでも出ていると思っております。
この給付によって、女性の労働者や雇用保険の被保険者の増加、賃金等の上昇などの効果については、あまり示されていないような気がしておりますので、実態はどうなのかなと思っているところでございます。
こうした支援が重要であるのは重々承知しておりますが、また、今後も必要な取組であるとも思っておりますが、仮に雇用の安定や賃金の上昇など、受講の効果が十分に発揮されていないという実態が出てきているのであれば、これまで委員の皆様も御発言されておりますが、雇用保険以外での支援を行うことも検討する必要があるのではないかと思っております。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
よろしいですね。
では、続きまして、菱沼委員、お願いいたします。
○菱沼委員 ありがとうございます。中央会の菱沼です。
先ほど来から、各委員から申し上げられたことと重なる部分がありますけれども、何点か意見を申し上げたいのと、質問を1点申し上げたいと思います。
事務局から御説明があったとおり、教育訓練給付はもともと労働者が主体的という御説明があったかと思いますけれども、そういうところもありますが、訓練のメニューの関係とか、先ほど20ページの骨太方針の話があったと思います。やはり政府の方針との兼ね合いも考えなければいけないのかなと思っています。
したがいまして、政府がこうやって方針を示しているということは、これまで教育訓練給付についての財源は、国の責任も一つあるのではないかというのは、平成25年の部会報告もありましたけれども、それは考えるべきかと思っているところでございます。
また、今回、資料とかは特になかったのですけれども、この会議に臨む前に、厚労省が作った教育訓練給付のパンフレットとかリーフレットを読んできたところでございます。一般教育訓練以外は、たしかキャリアコンサルタントの活用とかジョブ・カードをつくるということがある方だと思います。人材開発分科会のカテゴリーかと思いますけれども、皆さん申し上げていますが、そういったキャリアコンを受講してどうだったのか。あと、最近はあまりジョブ・カードの枚数の話が出てきませんけれども、そういったところも効果検証をしていかなければいけないのかなと思っているところでございます。
あと、確認なのですけれども、こういったパンフレット、リーフレットを見ますと、注意書きということで、部会の中でも繰り返し受講や不正受給とかそういう形で過去に議論はされてきたかと思うのですが、不正受給はどれぐらい出ているのかなというのを分かる数字で結構でございます。もし分からないことであれば、また後日ということでいいのですけれども、その辺を教えていただけたらと思います。
あと、もう一点あったと思います。教育支援給付金につきましては、先ほど杉崎委員からもお話があったと思いますけれども、やはり雇用保険の財政を見ながらということを重々考えていかなければいけないかなと思いましたので、意見として申し上げます。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
どうなさいますか。
○長良雇用保険課長 雇用保険課でございます。
不正受給は、件数などは資料としては持ち合わせておりませんが、現在、それほど目立った不正受給があったと我々は認識してございません。
不正受給が雇用保険部会でもいろいろと問題になったのは、平成10年代の後半だったと思います。その不正受給のやり方が、いわゆる架空口座の設定、あるいは受講生の募集ということを行って、組織的に少し犯罪的行為がなされたという経緯がございますので、そのときは新聞などでも大きく報道をされたことはございますが、近年はそのような件については確認しておりません。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
よろしいですね。
では、続いて、平田充委員、お願いいたします。
○平田充委員 ありがとうございます。
御説明ありがとうございました。
3点ほど意見を申し上げたいと思いますけれども、1つ目ですが、御存じのとおり、人口が減少していく中、我が国の成長力を高めていくためには、労働生産性の向上が必要であると考えております。その実現のためには、成長事業に向けて、社内で配転とか起業を促したり、そういったものに加えて、産業をまたいだ労働移動も推進していくことが不可避だと考えております。こうした中、働き手の自発的な能力開発を支援する教育訓練給付は、円滑な労働移動にも資するということから、今後も必要だと考えております。
ただし、財源が限られている中で、その在り方については慎重な検討が必要だと考えております。
2点目でございますけれども、教育訓練給付はどの講座に対しても一定率の援助というふうになっていると理解しております。中期的な視点から考えると、人生100年時代と言われていて、職業人生も長くなっていく中、成長産業に必要な人材を確保するという観点からは、講座によって給付率とか給付額の上限を引き上げたり、場合によっては引き下げたりということでメリハリをつけた制度という方向で検討をすることも一案なのではないかと思っております。
それから、支援給付金についてですけれども、基本手当に類似するような性格の給付であると理解しておりますので、そうした給付に対して今、一般財源が投入されていないというのは、整合性に欠けるのではないかと考えております。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
続きまして、中窪委員、お願いいたします。
○中窪委員 ありがとうございます。
感想みたいなものになりますけれども、先ほど水島委員がおっしゃっていた、そもそもこれができたときの経緯について、ちょうど最初にできたときに私は委員をしていたのですが、さっき御説明がありましたように、従来の教育訓練は企業内でやっていて、よそに行ったときに一般性がないとか、あるいは公共職業訓練ではなかなか対応できない。そういうところで自発的に雇用機会を拡大するような能力を身につける、新たなインセンティブにしようということでつくったということを思い出しました。
ただ、当時、保険財政が豊かだったこともあって、たしか8割給付にしていたと思いますけれども、多様なものが指定されて、ちょっとそれはいき過ぎとかではないか問題になり、また、保険財政が厳しくなったこともあって、ひどく縮小してしまったのですが、改めて見ると、20%で上限10万円というのは、インセンティブとして本当にこれでいいのだろうか、若干減らし過ぎではないかという気もします。今の財政の下でまたこれを増やすことが可能か、あるいは適当かという問題はありますけれども、本体そのものについて少し見直す余地はあるのではないかというのが一つ感想になります。
もう一つには、本体を増やすよりも、むしろ専門実践をつくり、特定一般をつくって、言わば段階的に深みのある制度になってきたというのが実際の経緯だと思いますけれども、それについては、特に3年を超えるようなものまであって支給額も増えておりますので、さっきも御意見がありましたように、費用対効果の検証を行うべきだというのは御指摘のとおりだと思います。
特に、今日の資料の13ページとか14ページ、特に13ページに専門実践の受給者について、こういう形で専門応力を身につけた人材が育ったわけですが、全体の中でどれだけこれによって介護や看護師等の供給が増えたのか、それから、それによって雇用機会が増えて、失業の予防・防止にどれだけ効果があったのかということについて、なかなか大変だと思いますけれども、やはり可能な範囲でちゃんと検証できればと思います。
1ページ目の表で、私自身、実はこの専門実践の対象になっておりますマル4の職業実践力育成プログラムの指定を受けた大学院で教えており、これがあることによって有為な人材に来ていただけるという意味で役に立っているのは日々実感しているところございますでありまが、その効果の検証はやはり必要だろうということです。なお、マル4の括弧のところの例示として「子育て女性のリカレント課程等」が上げられているのは、全体を代表する例としていいのかなという気もします。もう少し広がりのあるプログラムと思いますので、余計なことですが、それだけ追加させていただきます。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかにどなたか御意見とかはございますでしょうか。大丈夫ですか。
ありがとうございました。
それでは、資料1についての議論はこれで終わりにさせていただきたいと思います。
では、続きまして、資料2に入りたいと思います。
資料2の御説明をお願いいたします。
○安蒜訓練受講者支援室長 訓練受講者支援室長でございます。私からは求職者支援制度について御説明させていただきます。
1ページを御覧ください。まず、概要ですけれども、求職者支援制度は雇用保険を受給できない求職者の方が、月10万円の生活支援の給付金を受給しながら無料の職業訓練を受講して、再就職や転職を目指す制度としています。
そして、雇用保険と生活保護の間をつなぐ第二のセーフティネットとして、離職して収入がない方を主な対象としているのですけれども、収入が一定額以下の場合は、在職中に給付金を受給しながら訓練を受講できる仕組みにしています。
そして、支給要件を満たさず、給付金を受給できない場合でありましても、無料の職業訓練を受講できる仕組みとしています。
そして、制度活用の要件ですけれども、訓練受講の要件として、こちらは雇用保険を受給できない方のための制度ですので、雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないことなどを設けています。
そして、給付金の支給要件として、本人収入が月8万円以下、シフト制で働く方などは月12万以下。こちらは特例で設けている要件となりますので、これは後ほど御説明させていただきます。
そして、世帯全体の収入が月25万円以下。
そして、2つ飛ばして、全ての訓練実施日に出席している。やむを得ない理由がある場合でも、8割以上の出席率があることなどを設けています。
次のページを御覧ください。対象となる職業訓練です。
こちらは、民間教育訓練機関が実施する就職に資する訓練を求職者支援訓練として認定する仕組みとしています。
そして、こちらは、地域の求人ニーズを踏まえて、都道府県ごとに策定する地域職業訓練実施計画という計画に基づいて認定する仕組みとしています。
次のページを御覧ください。給付金の支給額です。
給付金には、訓練受講手当と通所手当、寄宿手当という3つの手当を設けておりまして、一番上の訓練受講手当が月10万円の基本的な手当となります。
そして、その下の※ですけれども、給付金を受給しても、訓練期間中の生活費が不足する場合に、給付金に上乗せして資金を融資する制度を設けております。こちらは、求職者支援資金融資という制度となりまして、利率は2%としております。
次のページを御覧ください。求職者支援制度の財源です。
原則は国庫2分の1、労使負担は2分の1としておりまして、暫定措置として、当分の間、国庫負担100分の27.5、労使負担100分の72.5とさせていただいております。それを時限措置として平成29年度から令和3年度、今年度まで国庫負担100分の5、労使負担100分の95としております。
そして、その下の目標ですけれども、令和3年度は訓練受講者数の目標を設定しております。
一番上ですけれども、求職者支援訓練は約5万人、公共職業訓練は約15万人という目標を設定しておりまして、その下の訓練受講者数は2.5万人、デジタル分野の求職者支援訓練の定員は5,000人という目標も併せて設定しております。
次のページを御覧ください。特例措置の内容をまとめたものとなります。
1つ目のポツですけれども、シフトの減少により厳しい立場に置かれているシフト制で働く方などが、在職中に給付金を受給しながら訓練を受講して、ステップアップとなる次の仕事への転職を目指せるように、給付金の収入要件と出席要件を緩和する特例を導入しております。こちらは、当初、9月末までの措置として導入させていただきましたけれども、先般、延長させていただいて、3月末までとさせていただいております。
2つ目のポツです。働きながら受講しやすい短い期間の訓練コースなどの設定を可能とするために、訓練基準を緩和する特例を導入しています。こちらは、3月までの措置としております。
そして、真ん中の「収入要件の特例措置」ですけれども、こちらは現在、月8万円以下としております月の収入の上限を、シフト制で働く方などについて、月12万以下に引き上げております。
具体的には、※ですけれども、シフト制で働く方、自営業、フリーランスの方などで、固定収入が8万円以下の方は月12万以下にしております。こちらの固定収入の概念が分かりづらいのですけれども、裏を返して申しますと、シフト制で働く方などの収入が変動する方で、その収入が8万円を超える方について、上限を12万円に引き上げることにしています。
そして、その考え方は、その下のアスタリスクの3つ目のところですけれども、月の収入が変動する方は、月によって収入が8万円を超えるおそれがありまして、そのことが給付金を受給できない在職中ではなく、収入がなくなった離職後の訓練受講を希望することにつながるものと考えております。
このため、それらの問題を解消して、在職中からの訓練受講を進めてまいりますために、現行の収入要件の上限額8万円に月の収入の変動に対応する金額、こちらは現行の上限額8万円の2分の1の4万円としておりますけれども、それらを積み上げて12万円にすることにしています。
次に、出席要件の特例措置ですけれども、こちらは仕事で訓練を欠席せざるを得ない日を病気などと同様のやむを得ない欠席とすることといたしまして、訓練実施日の全体の2割まで認めることにしています。
そして、訓練基準の特例措置です。こちらは、短い時間、期間の訓練コースの設定を可能とするために、基準を緩和しておりまして、訓練期間は2か月から6か月を2週間から6か月、訓練時間は原則100時間以上を月60時間以上としています。併せましてオンライン訓練の設定も促進することにしています。
次のページです。制度創設時からの実績となります。
上の段の受講者数ですけれども、こちらの制度は平成23年10月に創設いたしまして、平成24年度に初めて平年度化しているのですが、その年度に9万8541人とピークとなっております。その後、雇用失業情勢の改善に伴い、減少しておりまして、令和元年度には2万1020人となっています。そして、令和2年度には、コロナの影響を受けて2万3734人と増加に転じています。
そして、その下が直近の受講者数ですけれども、令和3年度は、右から2番目の4月から8月の累計で1万825人と対前年度同期比128%の増加と1.3倍の水準に増加しています。
その下の給付金の受給者数も、同じ4月から8月の累計で、対前年度同期比141%と同様のトレンドで増加しております。
そして、その下の就職率ですけれども、基礎コースは56.5%、実践コースは62.4%となっております。
それでは、資料を1枚飛ばしていただいて、8ページを御覧ください。令和2年度の訓練受講者数の男女別と年齢階層別の割合をグラフにしたものとなっています。
左側の男女別の割合ですけれども、受講者数、給付金受給者数とも女性が約7割の水準となっています。そして、下の給付金受給者数のほうが67%と若干女性の割合が低い状況となっています。
右側の年齢階層別の割合ですけれども、こちらは20~50代まで比較的均等に分布しております。そして、下の給付金受給者数のほうが、緑色の20代と水色の30代の割合が高くなっておりまして、40代以降の割合が低くなっています。このため、給付金受給者数のほうが若い方が若干多い状況となっております。
次のページです。分野別の割合をまとめたものとなります。
割合が多い分野は、一番左の基礎コース、パソコンなどを学ぶコースですけれども、こちらが25%。
真ん中の営業・販売・事務が22%と、その隣の紫の医療事務の4%を合わせた事務分野が26%と多くなっています。
そして、オレンジ色のデザイン分野、こちらはウェブデザインなどを学ぶ分野となっておりますけれども、そちらが16%。
そして、介護福祉とITが9%。
理美容とその他が7%となっております。
そして、その下の分野別の男女別割合ですけれども、こちらは分野ごとに一定の割合が生じておりまして、左から2番目のIT分野で男性の割合が高く、真ん中の医療事務と右から2番目の理美容で女性の割合が高くなっております。
次のページを御覧ください。給付金受給者数の状況をまとめたものとなっております。
マル1が、求職者支援訓練受講者に占める給付金受給者の割合となっておりまして、こちらは青い部分の27%と約3割となっております。
そして、こちらの給付金は、求職者支援訓練だけではなく、公共職業訓練などを受講する場合にも受給できる仕組みとしているのですけれども、その訓練別の割合をまとめたものがマル2となります。求職者支援訓練を受けながら給付金を受けている方は61%で、公共職業訓練を受講しながら給付金を受けている方は39%と約6対4の割合となっております。
次のページを御覧ください。特例措置の適用者数をまとめたものとなります。
特例措置は、本年2月25日から導入しておるのですけれども、それから9月末までの累計で収入要件を適用した方は151人、出席要件を適用した方は16人となっています。
そして、その母数は、その下の給付金の受給者数となりまして、こちらはおおむね同じ時期の人数が6,446人となっています。
このため、特例措置を適用された方は、全体の数%とそれほど多くない状況となっているのですけれども、その要因は、次のページの説明の中で御説明させていただきたいと思います。
こちらは、現場のハローワークから報告を受けた訓練受講申込事例と求職者の声をまとめたものとなっております。大きく失業中の求職者の方と在職中の求職者の方に分けておりまして、在職中の求職者の方は、シフトの方、フリーランス・自営業、休業、その他の方と分けております。
シフトで働く方からは、右側の欄を御覧いただきたいのですけれども、1つ目のポツのところで、シフトが減って、生活は苦しいが、今の仕事を続けたいといったお話。
そして、フリーランス・自営業の方からは、2ポツですけれども、仕事量が増加するまでダブルワークをしたいといったお話。
そして、その他在職者の方からは、一番下の3ポツですけれども、業況が改善したら同じ職種で働きたい。それまでのつなぎの仕事を探しているといったお話をいただいています。
このため、特例措置の対象となるシフト制で働く方などは、業況が回復するまでつなぎや兼業の仕事を探している場合が多く、元の仕事に戻りたい、または残りたいと考える傾向が強いものと考えております。そして、それらが特例措置の活用が進まない要因の一つと考えております。
しかしながら、この資料の左側の欄のとおり、申込みにつながった事例の報告もたくさん受けておりますので、しっかりと周知を行って、必要な方を訓練につなげていきたいと考えております。
次のページを御覧ください。骨太の関係です。
第二のセーフティネットである求職者支援制度について、さらなる拡充も見据え、その成果や課題を検証した上で財源の在り方も含めて見直すといった文言が盛り込まれております。
次のページを御覧ください。最後は論点となります。ただいま申し上げました特例措置も含めて、制度全体の在り方について御議論いただきたいと思います。
私からは以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
では、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等があったら、お受けしたいと思います。
仁平委員が手を挙げていらっしゃいます。
○仁平委員 ありがとうございます。
まず、財源の話ですが、求職者支援制度は、御説明があったように、その想定している対象者は雇用保険でカバーされていない方々だと思います。制度の性格からすれば、やはり全額一般会計で実施すべきであると思っております。すぐにでもやっていただきたいという意味では、御説明のあった現在の国庫負担100分の5は、直ちに原則の2分の1にすぐにでもやっていただきたいと思っております。
次の意見としては、今日の資料だけでは、今の求職者支援制度の何が問題なのかが議論できないのではないかという点でございます。この制度は、まさに雇用保険でカバーされない方、あるいは雇用保険の給付期間が終わっても就職先が見つからないという方を念頭に、その方のセーフティネットとして十分に機能しているかどうか、そこが評価のポイントなのだと思います。
非常に大ざっぱで恐縮ですが、今の失業者は約200万人、うち基本手当をもらって求職活動をしている方は約50万人だとすると、そのほかの方が150万人いるのですが、今日の資料によると、その方々のうち、求職者支援訓練を受けている方が2万人、10万円の給付金を受けている方が約1万人。
つまり、その150万人のうち1~2%の方が実績として上がっているというふうに理解しますが、そもそもこの制度が想定する方々に十分に届いているのか、よく分からないと思っておりまして、潜在的なニーズがどれぐらいあるのか。そして、それが顕在化しないとすれば、それは制度を知らないからなのか、知っていても、制度の使い勝手が悪いからなのか、制度の理念と実態の乖離があるかどうか。もっとファクトに基づき検証した上で、どうすればよいのか議論をしないと、審議会としての判断がなかなかできないのではないかと率直に思っております。そんなことは簡単にできないだろうと思ですいまが、年末の取りまとめまでにはもう少し時間もあるので、ぜひそれをやっていただきたいと思っております。
最後になりますが、今日の資料のうち、求職者の声という貴重な資料を出していただいて、事務局からもコメントがありましたが、私からもそこから感じたことを2点ほどコメントしておきたいと思っております。
一つは、求職者の声から、制度として異業種への転職を前提とした認知や活用がされているという声が多かったと感じておりますが、同業種での再就職のためのスキルアップの手段としても、さらなる認知・活用の余地があるのではないかと思ったのが1点です。
それと、早期の就職を希望することを理由に受講の申込みをしないという例が数多く挙げられておりますが、早期の就職を希望する背景にはどんなことがあるのか。また、本人の収入とか生活費に照らして10万という給付金がどのように捉えられているのか。こうした声の背景について、より深掘りして、何が課題なのか明確にすべきなのではないかと思います。
そんなのような点も踏まえて、もう少し丁寧な情報収集と分析を行った上で、この制度の評価をすべきではないかと思いますので、意見として申し上げます。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
続きまして、酒井委員、お願いいたします。
○酒井委員 私から2点ほどコメントさせていただきたいと思います。
今、仁平委員からも求職者支援制度は果たして本当に機能しているのだろうかという意見がございましたけれども、考え方として、求職者支援制度の支援訓練の受講者には様々な人がいるのではないかという気がしております。
受講者の層は幅広いと思うのですけれども、基本的に、雇用保険から漏れ落ちる人たちということで、通常の就職・雇用には何らか困難を抱えている人たちも含まれ得るという視点が必要かと考えております。そういった人たちにも使いやすい制度としていくことが必要なのではないかと考えております。その意味では、現在行われている訓練基準の特例といった流れは重要ですので、今後も大切にしていってほしいと考える次第です。
2点目なのですけれども、これは求職者支援制度そのものとは少し関係ないかもしれませんが、お示しいただいた声、例えば求職者の声といった資料についても、フリーランスといった人たちへの支援という話が出てきました。この人たちに対する求職者支援制度の適用ということも含めて、フリーランスへのセーフティネットは非常に重要かと思っております。
今、ちまたではというか、フリーランスに対するセーフティネットは非常に耳目を集めているのではないかと思っておりますけれども、一方で、必ずしも論点が見えていないというか、これができるのか、できないのかといった議論が少し錯綜しているようにも感じております。
そういう意味では、事務局として、例えば海外の事例を踏まえるといったことで、雇用によらない働き方、フリーランスといった人たちへのセーフティネットの適用、雇用保険の適用といったものについて、何か議論の材料となるようなものをもし可能であればお示しいただけたらと考える次第です。
私からのコメントは以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
いかがでしょう。
○長良雇用保険課長 雇用保険課でございます。
今、酒井委員がおっしゃったフリーランスのセーフティネットの件でございますが、私ども雇用保険ということで、海外の失業保険の状況であれば、少し調べて資料としてお出しすることはできるかと思います。ちょっと検討させていただければと思います。
○守島部会長 ありがとうございました。
続きまして、杉崎委員、お願いいたします。
○杉崎委員 ありがとうございます。
求職者支援制度は、雇用保険を受給できない求職者が無料の職業訓練を受講し、再就職や転職を目指す制度でありまして、コロナ禍で多くの非正規労働者の雇用に影響が出ている状況下において、非常に重要な制度であると認識しております。
一方で、課題といたしましては、本年度の訓練受講者数は、目標よりも少数で推移しているということや、デジタル分野、IT分野の受講者数が9%にとどまっているということ、また、就職率が基礎コースでは56.5%、実践コースでは62.4%にとどまっているということが挙げられるかと思います。
したがいまして、受講者数が目標を下回っている要因とか就職率が低い要因をしっかりと検証していくことが必要でありますし、就職率の向上には、ハローワークによる個別伴走型支援の強化が求められると思います。
また、就職率に加えまして、定着に対する効果もしっかりと検証していく必要があるのではないかと思います。
加えまして、本制度の財源は、令和3年度まで時限的に国庫100分の5、労使負担100分の95となっておりますが、本制度は、対象が雇用保険被保険者や受給資格者ではないということ、雇調金と同様に、感染症対策としての性格が強いということ、また、現在の雇用保険の財政状況を考慮いたしますと、令和元年の部会報告にも記載のとおり、令和4年度以降の財源は、全額一般会計で負担すべきことを強く主張いたします。
次に、令和4年3月末が期限となっている給付金の収入要件と出席要件についてでございますが、給付金の特例措置の適用者数は少数にとどまっておりますが、いまだに予断を許さない雇用情勢であることや、雇調金の段階的な縮減が予定されているということなどを踏まえますと、財源の一般会計化や特例措置の効果検証を大前提といたしまして、1年程度などコロナ禍が収束するまでの短い期間の延長はやむを得ないのではないかと考えております。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
続きまして、菱沼委員、お願いいたします。
○菱沼委員 ありがとうございます。中央会の菱沼でございます。
私も何点か求職者支援制度について意見と、確認したいことが1点ありますので、申し上げたいと思います。
まず、財源につきましては、今ほど杉崎委員からお話がありましたけれども、令和2年に取りまとめた雇用保険部会報告にありますように、そのままその中身の読み上げになってしまうかもしれませんが、求職者支援制度については、制度発足の経緯といいますか、それを鑑みれば、同様の扱いになることはやむを得ないかということで、そもそも求職者支援制度を全額一般財源で措置するべきであるということを申し上げますので、政府におかれましては、引き続き一般財源の確保の努力を行っていくべきだということを申し上げたいと思っておるところでございます。
そうでなくとも、今、財源が厳しい状況でありますので、少なくとも原則に戻すとか、先ほど仁平委員からもお話があったかと思いますけれども、そういった形で努力を行っていただければと思っております。
あと、訓練の特別措置ということで、中身を充実させるということで、訓練期間の短縮ということはあるかと思いますけれども、短縮して、逆に落ちこぼれといいますか、訓練にうまくついてこられないとか、そういう形になる方ももしかしたらいらっしゃるかと思いますので、そういったフォローなんかもしなければいけないかなということもあります。
杉崎委員からも申し上げていますけれども、就職率とは定着ということも考えなければいけないのかなということでありますので、その点を踏まえながら、特例措置とかその辺をどうしていくかということを財源を見ながら考えていったらどうかと思っております。
あと、確認したいことが1点ございまして、8ページと9ページに求職者支援訓練の受講者の男女別の年齢階層割合とか、訓練受講者の分野別割合をパーセントごとに出しているかと思います。これの基になる数字はといいますと、6ページの一番上の「○求職者支援制度の制度創設時からの実績」ということで、令和2年度の数字が、求職者訓練受講者数であれば2万3734人で、職業訓練受講給付金受給者数については1万406人という形になっておりますけれども、それが母数という理解でよろしいかという確認です。
○安蒜訓練受講者支援室長 訓練受講者支援室長でございます。
御指摘のとおり、この母数は、令和2年度の訓練受講者数となりまして、2万3734人となります。
○菱沼委員 分かりました。ありがとうございます。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
よろしいですか。
続きまして、平田充委員、お願いいたします。
○平田充委員 御説明ありがとうございました。
重複になりますが、念のため申し上げておきたいと思います。
まず、確認思いますで。資料でいうと6ページの求職者支援制度実績を見ていますけれども、最近、ここ3年ぐらいは2万人強の受講者数があって、就職率を見ると5割を超えているということから、こういう推測が正しいのかどうかは不明ですが、1万人程度の方が新たに職に就いているということであれば、制度全体で一定の効果はあり、今後もこうした制度は必要なのではないかと考えておりますい。ただし、財源の問題については、被保険者以外の方々が対象であるということを踏まえると、保険料での費用負担は、説明がしづらく、国庫で費用負担をすることが原則ではないかと考えております。い他方で、半分ぐらいの方が結局、就職に結びついていないと読み取ることができます。その原因を把握しているのであれば、教えていただければと思います。
最後に、もう一つ質問です。12ページに求職者の声がおります整理されています。受講申込みにつながらなかった事例を見と、る「早く就職したいから訓練は受けられない」「今の仕事を続けたい、新しい職種に移るつもりはない」の2つに大きく分かれると思いますが、どちらの声が大きいのか、もし把握されていたら教えて思います。ください。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
○安蒜訓練受講者支援室長 訓練受講者支援室長でございます。
就職率についての御質問をいただきまして、ありがとうございます。
求職者支援訓練の正確な分析はあれなのですけれども、求職者支援訓練の対象者は、ビジネスマナーを学ぶ基礎コースを受講する方からIT分野でITSSレベル2までのIT技術を学ぶ能力を持たれている方など、かなり幅広い方が対象になっています。いろいろな方がいらっしゃるので、それらを踏まえて今の約6割の水準の就職率になっているものと考えております。
しかしながら、この就職率をより高めていくことが重要だと考えておりますので、まず、訓練内容をしっかりと産業ニーズに合ったものを設定して充実させていくとともに、ハローワークでしっかりと就職支援を行って、その就職率を上げていきたいと考えております。
そして、求職者の声で、早く就職される方とほかの分野への就職を希望される方はどちらが多いかというお話をいただきました。こちらは、正確な件数は把握できていないのですけれども、現場の声を聞きますと、今のこの状況においてはどちらも多いという報告は受けております。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかにどなたか御質問とか御意見はございますでしょうか。大丈夫ですか。
それでは、資料2については、これで終わりにさせていただきたいと思います。
続きまして、資料3に移っていきたいと思います。
では、資料3の御説明をお願いいたします。
○中村雇用開発企画課長 ありがとうございます。雇用開発企画課長の中村でございます。よろしくお願いいたします。
1ページ目を御覧くださいませ。前回お求めのございました雇調金の特例分の支給実績の9月分をお出しいたしております。
現行の地域特例と業況特例でございますけれども、大企業につきましては今年1月8日から、中小は5月1日から実施しておりまして、助成率が最大で10分の10、上限額につきましては1万5000円の手厚い措置を講じているところでございます。こちらにお出ししております数字は、上乗せ部分だけ取り出したものではなくて、特例の対象の企業からの申請に対して支給決定した全額をお書きしております。
下の合計のところを御覧いただけますでしょうか。これは雇調金と被保険者以外向けの緊安金との合計分でございますけれども、特例として支給した分が全部で2108億8000万円。右側の内訳を御覧いただきますと、地域特例として出したものが10%を占め、業況特例としてお出ししたものが53.7%を占め、残りの分は特例ではない部分でございます。地域と業況の両方に該当する事業主については、業況特例のほうで支給いたしております。
以上でございますが、後ろに参考として、直近の支給決定状況と、前回もお出ししましたが、制度の概要をおつけいたしております。雇調金は前回の議題でございましたけれども、御欠席の委員もいらっしゃいましたので、広めに御議論いただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございました。
続けてよろしくお願いいたします。
○小林労働移動支援室長 ありがとうございます。
引き続き、労働移動支援室より、産業雇用安定助成金の関係について、前回の部会において3点ほど御指摘、御質問をいただいておりましたので、資料をそれぞれ御用意しております。
4ページでございますが、産業雇用安定センターにおける在籍型出向の成立状況についてでございます。産業雇用安定センターにつきましては、御承知のとおりですが、在籍型出向による雇用維持を推進する取組の中で、企業側のマッチングの支援を担うとしてございます。
過去5年の推移をつけてございますが、令和2年度は3,061件、令和3年度は8月までですが2,776件。
また、下に月別がございますが、昨年度に政府で在籍型出向による雇用維持の支援を打ち出しました昨年12月頃から成立件数が増加してございます。
産業雇用安定助成金による在籍型出向の計画届の助成金のほうの受理件数は、直近で7,874件と8,000件弱まで来てございますが、助成金のほうの出向成立までの経緯につきましては、産業雇用安定センターの仲介であるかどうかにつきましては、支給要件とはしておりませんので、正確には数字を把握できませんが、下の囲みでございますが、直近で企業へ助成金の利用のアンケート調査を実施したところ、在籍型出向に至るまでの経緯として、出向元企業からの回答ですが、もともと関係のある企業だったことが4割ぐらい、公的機関による紹介が約2割というアンケート結果となっております。すなわち、産業雇用安定センターの仲介は、公的機関のほうの約2割の内数、8,000件であるとすると1,600件ぐらいという規模感かと思っております。
5ページを御覧ください。もう一点、産業雇用安定助成金を利用した在籍型出向の中で、出向先が官公庁である場合についても助成対象として、出向元での助成を認めてございます。その件数の御質問がございました。
9月24日時点で出向労働者が107人分、出向元事業所が13所、出向先事業所が18所。
出向元ですが、企業規模別に見ますと、大企業は63人で、中小企業は44人です。
産業別で見ますと、運輸・郵便業からの出向が多くなってございます。
6ページを御覧ください。もう一点、出向元・先で企業間の独立性の認められない、いわゆる企業グループ内の出向でございますが、8月1日に助成金の制度改正をいたしまして、助成対象としました。これについて、どれぐらいの実績かという御質問が前回ございました。
8月1日の施行からここまで2か月程度の実績ですけれども、出向労働者数が202人、出向元事業所が55所、出向先事業所が59所となっております。
企業規模別では、中小企業同士が141名、以下、御覧のとおりとなっておりまして、産業別では、出向元の最多が宿泊、飲食で58人、出向先の最多が卸、小売となっております。
参考に、一番下の主な事例というところで、グループ内企業の中の出向の事例を簡単に載せさせていただいていますけれども、観光バスの運転手から路線バスの運転手へ行った事例、下のほうは、空港内で旅客業務をやっていたところから、空港内でPCR検査業務が発生したというところでそこに出向している事例といったものが現在上がってきているということでございます。
説明は以上になります。
○守島部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関しまして御質問、御意見等がございましたら、お受けしたいと思います。
まず、仁平委員が手を挙げていらっしゃいます。
○仁平委員 ありがとうございます。資料の提供と御説明について感謝申し上げたいと思っております。
一つは、雇用保険財政は一刻の猶予もないと思っております。早急な対応が不可欠ですので、今後編成される補正予算なども含め、一般会計からの大規模な繰入れを行うよう、強く要望しておきたいと思っております。
それと、小林室長に質問ですが、産雇金の活用も増えてきたことは非常に重要なことだと思っていますが、申請が受理されなかった件数とその理由について、もし紹介可能な事例やデータがあれば、お伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○小林労働移動支援室長 申請が受理されなかったというのは、多分、労働局のほうで何らか不備があってということかと思いますけれども、件数までは把握しておりませんが、今後、その辺を調べて、また御回答したいと思います。
○守島部会長 ありがとうございました。
続きまして、小畑委員、お願いいたします。
○小畑委員 1ページにつきまして、資料を御準備いただきまして、どうもありがとうございました。
この数字を拝見いたしますと、業況特例は結構高い数字であるという印象を持っております。業況が最近どうかということを考えますと、悪くなってはいないのではないか。
そういたしますと、この数字とこの頃の業況との関係につきまして、この資料をどのように拝見すればいいのか、どう評価されているかというところの御見解をお聞かせいただけたらと存じます。よろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございます。
○中村雇用開発企画課長 雇用開発企画課長の中村でございます。ありがとうございます。
数字を細かに見てまいりますと、まず、率というと分母、分子の関係になりますけれども、分母のほうはそれほど大きな変化がなくて、分子のほうが多うございますので、そういう点では、本当に厳しいところが受給を続けているがゆえに分子が多くて、全体として業況特例が大きいのではないかとも考えております。
もう一つ、制度の構造的要因もございまして、雇調金では、支給申請の最初のところで生産量の要件の確認をいたしまして、その後につきましては、受給が続く間は何度も確認のし直しをいたしません。そのようなことで、受け続けていらっしゃるところが多いということもあるかと思います。ありがとうございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
続きまして、杉崎委員、お願いいたします。
○杉崎委員 ありがとうございます。
経済は、全体的には回復基調にあるかと思いますが、業種や規模で回復の度合いが大きく異なるK字回復となっておりまして、日商が毎月実施しております景況調査、全国の中小企業を対象とした調査を見ましても、飲食、宿泊、交通等の企業では、いまだに売上の大幅減が続くなど、非常に危機的な状況が続いているというのが実態でございます。
そうした中、資料3の1ページ目を見ますと、こうした状況を反映し、雇調金につきましては、業況特例を伴う件数の割合が半数を超えているという状況になっております。
また、全国の中小企業から日商に対しまして、12月以降も特例措置を延長・維持してほしいといった声や、特例措置は1か月単位ではなくて、例えば3月末までなど一定期間延長してほしいといった声が寄せられております。加えまして、どういう状況になったら、どの程度の段階的な縮減を図っていくのかなど、中長期にわたる具体的な方針を示してほしいといった声が多数寄せられております。
成長分野への失業なき労働移動を促進していく必要性自体は十分に認識しているところでありますが、足元の雇用維持のために、地域特例、業況特例については、当面の間、延長していただきますようお願いしたいと思います。
また、毎回の発言で恐縮ではありますが、雇調金等の支給が陥る事態にならないように、可及的速やかに一般会計による財政措置を講ずるということで、二事業を含めて雇用保険財政の安定化を早急に確保していただきたいと思います。
さらに、コロナ禍のような国家レベルの非常事態が今後、生ずる可能性があることを念頭に、雇調金等の在り方とか雇用保険財政の在り方をどのように考えていくのかということについても、当部会において議論していく必要があると思います。
あと、産業雇用安定助成金につきましては、官民を挙げた在籍型出向のさらなる促進が求められている中で、二事業会計を財源とする助成金は今まで以上に費用対効果が厳しく問われることになるかと思いますが、この助成金には相応の予算を確保していただくなど、二事業を財源とした助成金に係る予算には、ぜひメリハリをつけていただきたいと思います。
あと、先ほどのテーマで、求職者支援制度について、就職率について申し上げたのですが、先般行われました中央訓練協議会の資料を見ますと、就職率が五、六割台になっているのは、対象となる就職が、雇用保険適用のものを対象としているということが一つ考えられるということ。
もう一つ重要なポイントだと思うのが、令和2年度の就職状況を見ると、本日の資料で出ている令和元年度よりも就職率は低下している、厳しい状況になっているということ。
あと、中央訓練協議会の資料を見ますと、離職者訓練については、訓練内容別の就職率の分析の資料が出ているのですが、本日はこういった訓練内容別の就職率の資料が提示されておりませんので。就職率の向上には、訓練内容別の就職率を分析するとか、もうちょっと細かいデータ、ファクトが必要なのではないかと思った次第であります。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
続いて、酒井委員、お願いいたします。
○酒井委員 私は、大変申し訳ないながら、前回欠席させていただきましたので、それも含めて、全般的な観点から雇調金について一つコメントをさせていただきたいと思います。
今回の雇調金の新型コロナ特例ですけれども、規模の大きさが非常に際立っていると思っております。これまで雇調金の特例措置が雇用維持に果たしてきた役割は、疑いもないものだと考えております。ただ、リーマンショック時の雇調金の特例措置といったことについても、その後の分析において、受給終了後に倒産が相次ぐといったことが報告されております。
それを踏まえますと、今回はリーマンショック時の雇調金の何倍もの規模ということで、さらにこれだけの期間続いているということですので、やはり産業の新陳代謝を遅らせている可能性が否めないのではないかということが当然予想されると思います。特に、これから経済の回復が期待される中で、一部の業種では、人材不足という感じが強まっているとも聞きます。ですので、雇調金の特例措置といったものがそういう経済回復のブレーキにならないようにしていくことが必要と考えております。
したがって、何らかの形で今後、雇調金の特例措置にメリハリをつけていく必要があると個人的には思っております。その雇調金を縮小する過程において、道筋をエビデンスに基づいて議論していく段階に来ているのではないかと考えております。
研究者として言わせてもらうならば、雇調金を縮小する過程においては、どこかの業種で必ず失業が一時的に発生するのではないかという可能性は否めないと思います。それについては、やはり雇用保険の本体で支援していくことが重要です。その意味でも、雇用保険の本体こそが盤石でなければいけないと思っています。
重要なことは、一企業における雇用維持ということに限定せずに、全体としてセーフティネットが機能していることが重要かと思っておりますので、この方向で今後議論して、議論が進んでいくことを望んでおります。
以上、意見です。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかにどなたかいらっしゃいますでしょうか。
小畑委員、まだ手を挙げていらっしゃいますけれども。
○小畑委員 すみません。下ろしたところです。
○守島部会長 分かりました。ありがとうございます。
ほかにどなたかいらっしゃいますでしょうか。大丈夫ですか。
それでは、資料3についての議論もこれで終了させていただきたいと思います。
ほかに何か御意見とか御質問はございますでしょうか。よろしいですね。
ないようですので、予定されている議題はこれで以上ですので、本日の部会をこれで終了したいと思います。
皆さん方におかれましては、お忙しい中、御参加いただき、活発な議論をどうもありがとうございました。これで終わりにさせていただきます。