2021年11月18日 令和3年度第1回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会 議事録

○日時 令和3年11月18日(木)18:00~20:00
○場所 フクラシア東京ステーション5H会議室(5階)
(東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル)
○議題
1.部会長選出及び会長代理の指名について
2.医薬行政の最近の動きについて
3.緊急時の薬事承認の在り方について
4. その他
 

議事

○総務課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「令和3年度第1回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催いたします。
委員の皆様には、大変御多用のところ御出席いただき誠にありがとうございます。
とりあえず司会は私、総務課長の田中がしばらく進めさせていただきます。
初めに、制度部会につきまして連絡事項ということで事務的なお話ですが、この会、新型コロナウイルス感染症対策のため対面形式とWeb形式を併用して進めさせていただきます。
部会につきましては公開ということでございますが、新型コロナウイルス感染症対策のため一般の方の会場への入場は制限させていただき、報道機関の方のみ入場とさせていただきます。
会議の議事録は後日公開ということでございます。またYouTubeでの同時配信を行っております。
また、ペーパーレスでの部会とさせていただきますので、資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくことになります。
御不明な点がございましたら、適宜事務局にお申し付けください。
最後に、審議中に御意見・御質問をされる場合の方法ですが、会場にお越しの方は挙手ということでございますが、Webの方におかれましてはZoomの挙手ボタンを押していただきますようお願い申し上げます。その後、部会長から順に発言者を御指名させていただきますので、御発言いただく際はマイクが消音になっていないことを御確認の上、御発言をお願いできればと考えております。
引き続きまして、初回ですので委員の先生方について、私のほうからお手元の名簿に沿ってお名前の御紹介だけさせていただきたいと思います。お手元の参考資料1に名簿を配付させていただいておりますので、お開きいただければと思います。
50音順に御紹介させていただきますが、まず初めに、和歌山県立医科大学薬学部教授の赤池昭紀委員でございます。よろしくお願いします。
第一三共株式会社執行役員・信頼性保証本部長の荒井美由紀委員でございます。Webでの御参加でございます。よろしくお願いします。
国立がん研究センター理事長特任補佐の荒井保明委員でございます。Webでの参加でございます。よろしくお願いします。
日本医薬品卸売業連合会薬制委員会委員長の一條宏委員でございます。Webでの参加でございます。よろしくお願いします。
津田塾大学総合政策学部教授の伊藤由希子委員でございます。Webでの参加でございます。よろしくお願いします。
日本医師会副会長の猪口雄二委員でございます。Webでの参加でございます。よろしくお願いします。
日本歯科医師会副会長の遠藤秀樹委員でございます。よろしくお願いします。
浜松医科大学医学部附属病院薬剤部長の川上純一委員でございます。Webでの参加でございます。よろしくお願いします。
京都薬科大学客員教授の北澤京子委員でございます。Webでの参加でございます。よろしくお願いします。
日本医療機器産業連合会常任理事の久芳明委員でございます。よろしくお願いします。
国立医薬品食品衛生研究所所長の合田幸広委員でございます。よろしくお願いします。
東京都福祉保健局健康安全部薬務課長の早乙女芳明委員でございます。よろしくお願いします。
特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権理事の花井十伍委員でございます。よろしくお願いします。
京都大学名誉教授の福井次矢委員でございます。よろしくお願いします。
読売新聞東京本社編集局医療部次長の本田麻由美委員でございますが、本日は御欠席でございます。
青山学院大学名誉教授の三村優美子委員でございます。少々遅れているようですが、御出席との御連絡をいただいております。
国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター主任副センター長の村島温子委員でございます。よろしくお願いします。
日本薬剤師会副会長の森昌平委員でございます。よろしくお願いします。
摂食嚥下障害児親の会つばめの会代表の山家京子委員でございます。Webでの参加でございます。よろしくお願いします。
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子委員でございます。山口委員は18時半頃から御参加される旨、御連絡をいただいております。
東京大学大学院法学政治学研究科教授の山本隆司委員でございます。Webでの参加でございます。よろしくお願いします。
本日は、21名中20名の委員の先生に出席いただいております。川上委員からは、18時半から19時15分まで中座される旨、御連絡をいただいております。
事務局につきましては、座席表に記載のとおりでございますので省略させていただきます。
それでは、検討会の開会に先立ちまして、厚生労働省医薬・生活衛生局長の鎌田から一言御挨拶申し上げます。
○医薬・生活衛生局長 皆さん、こんばんは。医薬・生活衛生局長の鎌田でございます。着座にて失礼いたします。
この医薬品医療機器制度部会、久しぶりの開催となりました。申し訳ございません。前回、法改正の御議論をいただき、その後1年余りたっておりますが、施行が段階的であったことや、あるいはコロナ対策ということで正直今となりました。久しぶりの開催でございますが、まず、本日は、皆さんに御審議・御提言いただきました法改正の内容について施行の状況を申し上げて、さらに、薬事制度、医療機器制度あるいは関連する制度につきまして、御議論・御意見をいただきたいと思っております。
また、2つ目の大きな課題でございますが、先ほどコロナ対策と申し上げました。その中で、緊急時に急ぎ対応できる法制度はないのかという御指摘をいただきました。それにつきましては、今年じゅうに方向性を、という御指示もいただいておりますので、その点について御説明し、御審議いただきたいと思います。
今年は、まずは緊急時の薬事制度について集中的に御議論いただき、まとまりしたら引き続きまして、皆様に御提言いただきました法改正あるいはそれに関連する事項などについて御審議を賜りたいということで運営してまいりたいと思います。
お忙しい中、多少ビジーな日程になるかもしれません。その辺は事情あるいは必要性について御理解いただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
○総務課長 それでは引き続き、本日の議題1、部会長の選任についてに移らせていただきます。厚生労働省審議会令第6条第3項に「部会に部会長を置き、委員の互選により選任する」とございます。本部会には厚生科学審議会の委員として川上委員、合田委員、本田委員、福井委員がいらっしゃいますが、部会長はこの4人の委員の互選により選任することとなっておりまして、あらかじめ御相談いただきましたところ、福井委員に部会長をお願いすることになりましたので、その旨御報告させていただきたいと思います。
それでは、以降の議事進行を福井部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○福井部会長 ただいま本部会の部会長を仰せつかりました福井でございます。この会議には新参者でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
何か一言御挨拶ということですけれども、今日見た新聞の中で、7つの先進諸国の中で日本がコロナウイルスのワクチンの接種率が1番になったそうで、今までは随分遅れている、遅れていると言われていたのが、月曜日の時点で2回目の接種を受けた方々の割合が75.8%で、2番目のカナダが75.4%だそうです。厚生行政にはいろいろ御意見はありますし、外部から見ていると改善するところもあるようには思いますけれども、全体的には世界のトップクラスの厚生行政とウイルスの抑圧ができているのではないかと思います。ただ、いろいろな決定に今まで以上にスピードを要求されるようになったのも、今回のパンデミックの特徴だと思います。この部会でも、いろいろな事柄をこれまで以上に速やかに議論して、決定することが求められることと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、部会長代理を指名させていただきたいと思います。
厚生科学審議会例第6条第5項に「部会長に事故があるときは、部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する」と定められております。部会長代理に恐縮ですけれども、赤池委員を指名させていただきたいと思います。
それでは、赤池先生から一言御挨拶をお願いいたします。
○赤池委員 部会長代理を御指名いただきました、赤池でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○総務課長 ありがとうございました。
それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきますので、マスコミの方は御退室いただきますよう、お願いします。
○福井部会長 それでは、本日の議題2及び3について、事務局から説明をお願いいたします。
○総務課長 本日は、議題2として、医薬行政の最近の動きについて御報告させていただきますので、委員の皆様から御意見があれば頂戴したいと思います。また、それに続いて議題3として、緊急時の薬事承認の在り方について、委員の皆様方に御議論いただければと思います。よろしくお願いします。
○福井部会長 ありがとうございます。
それでは、まず議題2に関する議論に入りたいと思います。議題2は「医薬行政の最近の動きについて」でございます。事務局から資料1を用いて説明をお願いいたします。
○総務課長 それでは、私のほうから資料1「医薬行政の最近の動きについて」を御説明させていただきます。時間もございますので、ごく簡潔に御説明させていただきたいと思います。
まず、2ページをおめくりいただきますと「医薬品医療機器等行政をめぐる現状と対応(令和元年薬機法改正関係)」とございます。これについては御案内のとおり、ここにいらっしゃる多くの皆様に部会の「とりまとめ」として御議論いただいたものでございまして、参考資料2としてつけさせていただいておりますが、皆さんの議論の結果を踏まえて、令和元年3月に薬機法の改正法案を国会に提出し、11月に成立いたしました。
3ページがその内容の全般でございます。全部を紹介する時間はございませんので、簡潔に御説明させていただきます。
まず、4ページですが、施行日につきましては、令和2年4月、9月、令和3年8月と段階的に施行しております。一番下のバーコード表示の義務づけのみ令和4年12月ということで、これから施行となっております。
施行された主なものでございますが、5ページ、先駆け審査指定制度でございますが、これは法制化して1つ目の○の※にございますが、法制化後、令和3年8月に1件指定ということで、制度としてワークし始めているということでございます。
6ページです。特定の機能を有する薬局の認定ということで、地域連携薬局と専門医療機関連携薬局という枠組みを創設したわけですが、それぞれ10月31日時点で1,053件、61件と順調に認定を進めております。
7ページは、オンライン服薬指導です。改正薬機法では令和2年9月に施行ということで、左に「薬機法に基づく現行ルール」とございますが、実はコロナの関係で今年4月に特例的な通知を発出させていただいて、そのルールでやってきたわけですが、それはほぼ同じ形で恒久的なルールにしようということで、今月中にパブリックコメントを実施して、関連施行規則、通知の改正を行う予定です。
8ページは、医薬品等行政評価・監視委員会ということで、令和2年9月に設置いたしました。5回の開催を重ねて、右側に委員の名簿がございますが、ここにいらっしゃいます花井委員にも御参画をいただいて、着実に回を重ねています。
9ページは、許可等業者に対する法令遵守体制の整備、いわゆるガバナンス体制の整備ということですが、これにつきましては皆さん御案内かと思いますが、大変残念なことに昨年12月以降、後発医薬品製造業者における法令遵守違反が続発しておりまして、今年8月施行を予定していたわけですが、その施行日を待たずに前倒しで社内の法令遵守体制について整備するよう要請したところです。
10ページ、参考ですが、今ほど申し上げました後発医薬品の品質確保に関する取組について整理したものを配付させていただきました。
11ページですが、添付文書情報の電子的な方法による提供につきましても、今年8月から施行されており、全体として、施行に関しては順調に進んでいるということで、遅くなりましたが御報告させていただきたいと思います。
12ページから薬機法施行との関連ということではあるのですが、薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会を昨年6月に設置いたしまして、今年6月に中間的取りまとめを行いました。検討項目は4つ、薬剤師の需給調査、薬剤師の養成、薬剤師の資質向上に関する事項、今後の薬剤師の在り方と多岐にわたっているのですが、13ページに提言の概要を資料としてつけさせていただきました。
薬剤師の養成ということで、養成、薬学教育、国家試験。一定の方向性を出して、これから文科省さんで御検討いただくということです。
薬剤師の業務・資質向上につきましては、薬局及び医療機関の薬剤師の業務につきまして本検討会で引き続き検討とございますので、年明け以降検討を進めてまいりたいと考えております。
14ページから「電子処方箋について」でございます。
15ページですが、データヘルス集中改革プランの一環として、真ん中にACTION2とございますが、電子処方箋の仕組みの構築を進めております。
16ページでございますが、電子処方箋というのはまさに読んで字のごとくなのですが、現在紙で行われている処方箋の運用を電子で実施する仕組みです。
17ページに導入意義が書いております。質の高い医療サービスの提供や重複投薬の抑制、業務の効率が実現されるということです。
こちらは2023年1月の導入に向けて準備を進めていますが、18ページでございますが、法律改正、法令の手当、医師法等の規定や支払基金業務の規定の整備をしていく必要があります。
19ページからは「大麻等の薬物対策について」ということで、20ページですが、大麻につきましては、最近、若年者での乱用が増えているとともに、諸外国では医薬品への活用が進められておりますので、今年1月から検討会を設置して6月に取りまとめを行いました。「成分に着目した規制の見直し」や「医薬品の施用に関する見直し」、あるいは「使用罪の導入」といった基本的な方向性が示されました。
今後、こうした見直しを行う上での課題について整理・検討を進めていただきたいと考えています。
21ページに具体的な検討課題を書いておりますけれども、説明については時間の関係上省略させていただきます。
23ページから「新型コロナウイルス感染症への対応」ということでございます。
これは議題3とも関連するのですが、24ページでございます。新型コロナウイルス感染症に係る治療薬・ワクチン・体外診断用医薬品の承認等の状況ということで、承認されるごとに報道されているところでございますが、一番上の治療薬レムデシビルが昨年5月に承認されて以来、さまざまな医薬品が治療薬・ワクチンともに承認されているということです。ワクチンについて部会長から冒頭御報告がございましたとおり、かなり高い割合で2回目接種を終えているということですが、治療薬やワクチン等の承認状況を整理した資料でございますので、御参照いただければと思います。
私からは以上でございます。
○福井部会長 ありがとうございます。ただいまの説明につきまして、御意見を伺いたいと思います。できましたら、御発言は簡潔にお願いできればと思います。
森委員どうぞ。
○森委員 ありがとうございます。日本薬剤師会の森でございます。この議題は報告事項ですので、簡潔に発言させていただきたいと思います。
今後のある意味で大きな変化であり、また喫緊の課題である電子処方箋について一言発言させていただきたいと思います。資料1の17ページを御覧いただければと思います。電子処方箋の導入意義ということでメリットが書いてありますけれども、薬局では今後、オンライン資格確認の基盤を活用した電子処方箋を伝達する仕組みを適切に活用して、より安全で有効な薬物治療の実施に取り組んでいきたいと考えております。
ただ、処方情報・調剤情報は非常に機微な情報になります。そうしたことから、まずはセキュリティーを含めて安全で安心な仕組みづくりが不可欠ではないかと思います。そのうえで効果が十分に発揮できるような仕組み、体制整備が必要だと思います。
国民・患者にとっても、これまでとある意味で大きく仕組みが変わることになります。国民・患者は長年、医療機関で診察を受けて薬物治療の必要があるときには、医師から治療の説明を受けて処方箋を交付されて、自身でも処方内容を確認して、処方箋を持って患者さん自身が選んだ薬局に来局しています。18ページを御覧いただければと思いますけれども、先ほど総務課長からも法改正というお話がありましたが、今後、医師が電子処方箋を支払基金等に提供すれば、患者等に交付したものとみなすという規定を整備する予定となっていますけれども、電子処方箋となっても患者さんが処方内容を確認できる仕組みやフリーアクセスを担保する仕組みが必要だと思います。これらのためには責任の明確化とともに制度としての位置づけが不可欠で、何よりも患者・国民が混乱、不利益とならないように、国が責任を持って体制整備を進めることが必要だと思っております。
あと一点だけ。薬事行政の中で重要な課題である国民への安全な医薬品の提供についてですけれども、3ページの薬機法改正の趣旨にも書いてありますけれども、そういったことを念頭に改正をされたと承知しておりますが、先ほど後発医薬品というお話がありましたが、昨年末から後発医薬品の生産・流通体制に大きな問題が生じていて、後発品への信頼が大きく損なわれたとともに、医療の現場では非常に混乱を来しています。医療提供、医薬品流通についての所管部局、検討の場がありますので、ここでは多くを述べませんが、安定供給のスキームの的確な運用とともに、今後の製造販売承認の在り方、製造管理体制の強化、製造所への監督の厳格化、製造販売事業者と製造事業者の在り方、安定供給の把握、現場への情報提供、代替薬の確保の調整などの対応をお願いしたいと思っています。
私からは以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。ただいま頂いた御意見に対して、何か事務局からございますか。方針でも結構ですけれども。
○総務課長 電子処方箋につきましては、御指摘のとおり安全で安心な仕組みということで構築を進めてまいりたいと思います。
後発品につきましても、いろいろな御意見を頂いておりますので、そういった御意見をよく聞きながら進めてまいりたいと考えております。
○福井部会長 それでは、挙手されている最初に伊藤委員から、お願いいたします。
○伊藤委員 御説明ありがとうございます。2点コメントのみですけれども申し上げたいと思います。
まずは、6ページにあります地域連携薬局や専門薬局の認定の仕組みです。まだ令和3年8月の施行ですので、これからということでしょうけれども、医療機関との連携、入院の上り下りというのが話題になりましたけれども、そのために薬剤師さんと医療機関と患者さんの連携をさらに強めるべく、今後も薬局が積極的に認定を目指して、いろいろな薬局がある中で患者さんにとって選びやすい薬局につながるような周知を努めていただければと思います。
7ページ目、オンライン服薬指導に関しては、前回の部会のときにもかなり議論を重ねた案件ですけれども、実際には昨年4月のいわゆる0410対応で、ある意味大幅なルール変更によってかなり自由度が増したという点がございます。今のところ、それによって患者さんへの不利益があったということは明確に聞き及んでおりませんけれども、恒久化するまでにこれをベースラインにして、もしかしたら、もっとさらに利便性を拡大できる点はないかとか、単純に0410対応の恒久化ありきではなくて、もう少し踏み込んだ議論が今後できればと思います。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
それでは、猪口先生どうぞ。
○猪口委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
まず、6ページの今もお話がありました地域連携薬局ですけれども、始まったばかりで既に1,000件ということで、今後もどのように増えていくのか、また、どのくらいの人数の薬剤師さんがいる薬局がこれをやれるのかということを少し御報告いただけたらと思います。今後のことで結構です。
ここには出ていないのですが、実は最近、外病院・大学病院等を中心に敷地内薬局がどんどん増えております。これは今までの医薬分業という考え方からすると、その存在そのものがいかがなものかとも思うわけです。これもまたどんどん増えていきますと、いわゆる面分業というか医療機関と薬局との連携にも大きい影響を及ぼすと思いますので、これについて厚労省としてどのようなお考えを持っているか、お聞かせいただきたいと思います。
それから、10ページですけれども、先ほども少しお話が出ました後発医薬品のことですが、臨床的にもまだ使えない薬が出るなど、非常に困った状況が現時点でも続いております。これがどのような形で収束するのか、後発医薬品のメーカーそのものが様々な行政指導にちゃんと応えて、いいほうに行っているのかどうか、この辺をお聞かせいただきたいと思います。
最後に、13ページの薬剤師の件ですが、こういう検討会が行われていることは存じておりますが、現在でも病院へ就職する薬剤師が非常に少ない状況が続いております。今後も卒後の研修等も含めて、病院の作業も薬剤師さんには知っていただきたいと思うわけですけれども、その辺についての考え方も教えていただけたらと思います。
以上です。よろしくお願いいたします。
○福井部会長 ありがとうございます。事務局のほうからいかがでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課長 監視指導・麻薬対策課長でございます。御質問いただきまして、ありがとうございます。
先に、後発医薬品についてのお答えを申し上げたいと思います。今回、後発医薬品の品質確保という観点で、確かに様々な行政処分等によりまして出荷停止になったり、回収になったりといった後発医薬品で、臨床現場の先生方、供給にも大変御迷惑をおかけしている状況については我々も十分把握してございます。この問題につきましては、後発医薬品メーカーにおける法令遵守体制に対する取組が非常に重要でございまして、後発医薬品メーカーにおきましても、自主点検を業界全体で行いそれに基づいて彼らとしても法令遵守体制を強化していくという形での取組を進めているところでございまして、行政といたしましても、無通告査察ですとか様々な監視指導の強化をもちまして、そういった業界の取組を支援していきたいと思っております。ありがとうございます。
○福井部会長 いかがでしょうか。敷地内薬局と薬剤師の養成、病院に勤務する方が少ないという御指摘でしたけれども、これについて何か。
○審議官 敷地内薬局につきまして、お尋ねをいただきました。確かに、先生がおっしゃいますように、敷地内薬局のいろいろな話題が聞こえてくることが多くなってまいりました。私どもといたしましては、薬局たる場所、医療機関との距離云々にかかわらず、きちんと患者さんに対して医療機関と連携しながら機能を発揮していただく、面分業を発揮していただく使命があると考えております。様々な事例があるのかもしれませんが、敷地内薬局のどのような薬局機能を果たしていかれるかについても注視しながら、薬局の在り方について、引き続きこの部会でも御議論をいただきたいと思っております。
あと、病院での薬剤師さんがなかなか確保できないという御指摘でございますが、実態を把握しながら、また令和3年の予算事業で卒後研修などについても検討をモデル的にしながら、また、さらなる検討を続けていきたいと考えております。また、その点につきましても、先生方との場での御意見などをぜひいただきたいと思っております。
○猪口委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
○福井部会長 ありがとうございます。
森委員どうぞ。
○森委員 今の敷地内薬局の件です。今、審議官からお話がありましたが、今自分たちが目指しているのは、一つは地域包括ケアシステムの構築です。もう一つは、自分たちに任せられている使命が、患者のための薬局ビジョンの実現になります。そのためには、6ページにあるような地域連携薬局、専門医療機関連携薬局を増やしていくことが今必要なのではないかと思っています。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
三村委員どうぞ。
○三村委員 もう既に後発医薬品についていろいろと御意見がありましたので、本当に一言だけ申し上げたいと思います。
先ほど、薬機法の改正に伴いまして監督強化あるいは企業の体質を改善していく方向で、御指導いただくということですので、大変いいことだと思います。
ただ、1つ心配しておりますのは、後発薬の安定供給といいますか、後発薬の企業やそれを業界と考えたときに、構造的な問題がひょっとしてあるのではないか。もう少し大きな視点で後発薬の安定供給体制や国内における生産体制あるいは原薬調達含めて、きちんとした形で問題点を整理したり検討していく必要があるのではないかという感じがいたしますので、そこのことについてだけ一言付け加えさせていただきたいと思います。
以上でございます。
○福井部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。ほかに御意見がないようでしたら、次に進みたいと思います。
議題3「緊急時の薬事承認の在り方について」でございます。事務局から資料2を用いての説明をお願いいたします。
○企画官 それでは、資料2に沿って、時間も限られておりますので、ポイントをかいつまんで御紹介させていただければと思います。
まず、スライド2でございます。今年6月に閣議決定された3つの文書におきまして、緊急時の薬事承認の在り方について検討するということが位置づけられております。本年中に方向性について結論を出すということも書かれておりますので、本日その議論をキックオフさせていただいたということです。。
スライド3でございます。先ほど田中からも御紹介いたしましたけれども、今回のコロナワクチンと治療薬につきまして、海外と日本国内の承認の時期について比較した表になってございます。左側が海外で、基本的には、アメリカの緊急使用許可(EUA)等を活用し、その後日本で特例承認において承認を出したということになっております。
例えば、コミナティ、ファイザーのワクチンでございますけれども、2020年12月に緊急許可が下ろされておりまして、その2か月後の2月14日に日本で特例承認が下りています。。その際、評価したデータでございますけれども、海外では第Ⅲ相の試験まで行われておりまして、それに加えて国内ではⅠ・Ⅱ相の試験、160例を追加して評価しているということでございます。こちらコロナワクチンの安全性や有効性については最大限配慮しまして、欧米のデータに加えて日本人の個別のデータをとったということでございまして、丁寧な審査を行った結果2か月の差が出てきたということでございます。
また、スライド14の参考資料にもつけておりますけれども、予防接種法の国会での審議において附帯決議が出ておりまして、どうしても情報量に限りがございますので、政府に対しても慎重な審査が求められていたと理解しております。
戻りましてスライド3の治療薬でございますけれども、レムデシビルのケースでございますが、日本を含めた国際共同治験を行っておりまして、アメリカのEUAの許可が下りたのが2020年5月1日となっております。日本を含めて十分検証がされたということでございますので、その1週間後の5月7日に特例承認が出ております。
スライド4でございます。前のスライドとも関係いたしますが、ICMRAという日本も含めた各国の規制当局で構成されます専門家の議論を踏まえまして、国内でワクチンの評価に対する3つの考え方に基づいて有効性・安全性を評価したということでございます。
スライド5は、アメリカとEUのそれぞれ緊急時の薬事承認の制度の紹介になってございます。ポイントとしては、まずアメリカは、EUAは承認制度ではなくて緊急の使用許可になっているということでございます。
適用の条件については、パンデミックに加えまして、例えば、バイオテロや核といったような幅広い緊急事態が想定されていること、ほかに入手可能な承認された製品がないことというのが発動要件になってございます。
運用の基準については、may be effectiveということでございまして、効果がある程度推定される段階で許可を下ろしているということでございますし、アメリカもEUもベネフィットとリスクの関係を考慮いたしまして、ベネフィットが上回ることを現段階の限られたデータの中で判断して、許可を出しているということでございます。
特例の内容としましては、品質の調査の免除といったことで迅速な許可を出すという仕組みになってございます。
免責につきましては、政府や製薬企業、医療従事者につきましては免責の対象となっており、免責制度の対象製品の投与や使用に起因して何かしらの健康被害が出たということに対しましては、CICP法に基づいて政府補償の対象となることが明記されております。
スライド6が、現在の薬機法に基づく薬事承認制度の紹介となります。冒頭申し上げましたコロナワクチンや治療薬につきましては、一番右側の特例承認という制度を活用し、海外で開発許可が下りた製品を日本に持ってくることになっております。。基本的に、特例承認以外は平時の制度となっておりますので、有効性・安全性については十分な科学的エビデンスに基づいて確認するということが明記されております。
右から2番目の再生医療につきましては、対象となる物質の性質上、製品が不均一だということでございますので、限られたサンプルの中で有効であるという蓋然性が高いことをもって有効性推定という段階で承認を出す仕組みになっております。
スライド7~9が本日、委員の皆様に御議論いただきたい論点です。こうしたコロナのワクチン・治療薬の承認状況や海外の緊急時の薬事承認制度を踏まえまして、日本でも緊急時の薬事承認の新たな制度を検討するに当たりましては、以下のような論点が考えられるかと思っております。
まずは、発動の要件でございます。アメリカのEUAでは幅広く読めるような形になっておりますし、一方で、我が国の特例制度におきましても、幅広い状況を想定しているところでございます。緊急時の薬事承認制度の発動要件は、特例承認と同等の状況を想定してはどうかと考えております。
運用の基準については、有効性があるらしいとの推定、ベネフィットがリスクを上回るといった状況で許可が出るということでございますので、現行制度におけます有効性・安全性につきましては確認となっておりますので、こちらは平時とは異なる承認の考え方が必要ではないか。その際、必要なデータについても異なる考え方が必要なのではないかと考えております。
スライド8、承認の期限・条件でございます。アメリカのEUAでも、許可が出ても期限を付しています。。日本でも再生医療につきましては、7年を超えない範囲の期限を付すということで承認を出しているものでございますので、今回、緊急時の薬事承認ということを踏まえますと、外国の制度を参考にしながら承認期限が必要ではないか、また、使用成績調査等の必要な措置を行うといった条件を付すことが適切ではないかと考えております。
市販後の対応は、緊急で承認を出すわけですが、期限内に改めて通常の承認申請をすることが必要になっていますので、引き続き使用するためには有効性・安全性を市販後に改めて確認することが必要ではないかと考えています。
また、市販後の安全対策は、現行の副作用の報告や市販後調査がございますけれども、副作用によって生じた健康被害の救済措置につきましては、通常の承認と同様に副作用報告制度、救済制度を適用してはどうかと考えております。
スライド9のその他は、免責の関係です。アメリカでは免責規定がありますが、一方で日本は、今回のコロナワクチンにおいては括弧付きで書かれております予防接種法の附則におきまして、国が損失を補償する契約を締結することが可能と対応しているところでございます。今回、緊急時の薬事承認を考えるに当たりまして、どのような対応をすべきかということも論点かと思っております。
最後に、流通の円滑化措置でございます。承認時には製造の基準や、例えばGMP調査、国家検定、容器包装の書き方については、いろいろな審査がございますけれども、特例承認では特例措置として免除されているところでございます。今回、緊急時の対応を想定しておりますので、特例承認と同等の措置が必要ではないかと考えているところです。
スライド10以降は参考資料ですので、詳細な説明は省きたいと思いますけれども、スライド11には、今回のコロナ以前に特例承認した品目例ということで2つ入れております。いずれも新型インフルエンザワクチンで特例承認を使ったという事例でして、2010年の事例となっておりますが、いずれにしましても国内治験を行って特例承認を出したということになっております。
本日は忌憚のない御意見を頂ければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明につきまして、60分ほど時間をとりたいと思いますので、いろいろ御意見を伺えればと思います。いかがでしょうか。
花井委員どうぞ。
○花井委員 今回の議論ですけれども、まず原則的な立てつけが分かりにくいところがあると思います。今ある薬機法上の承認制度を、今、特例承認という制度が緊急時に対応しているのですけれども、新たに承認する条件をどう考えるかという考え方と、EUAのようなものは承認ではなくて国が使うということですよね。国が使うために緊急時だからとりあえず臨時に使えるという制度なので、ちょっと筋が違うかなというのがあります。
気になるのは、今までは大体ワクチンが特例承認になっているのですけれども、結局コンシューマーは誰かというと、薬機の統制というのは基本的には製販業者に対する規制行政なので、市場に参入したい業者をチェックするという制度ですが、特例という場合になると、供給も含めて国が日本市場に持ってきてほしいというお願いをして、少なければ優先的に売ってほしいとかそういう話になってくるときに規制として、例えば、市場成績調査を普通の条件付き承認では、メーカー・製販業者に対して、こういう条件をつけるから、こういうデータを取りなさいとできるのですけれども、逆に国が欲しいから売ってほしいというと、そんな面倒くさいことを言うのだったらほかの国のほうが売れるからとなったときに、薬機で承認条件の中で売ってほしいからそこまでうるさいことを言わないとなりかねない部分があって、いわゆる規制行政と薬機と緊急時の対応、要するにワクチンなどはコンシューマーが国になるわけです。最終ユーザーは、もちろん医師が処方して患者なのですけれども、公衆衛生危機を乗り切るために国がこの製品を政策的もしくは統制として利用するという話と、一般的に医療で治療に使うために選択肢として市場にあるというのとは根本的に違うところがあるので、そこははっきりしないと、薬機でどこまで融通していいかというのは分かりにくい気がします。
具体的には、救済の問題や市販後の安全対策というのは基本的にメーカーに厳しくやっていただくのですけれども、メーカーがそんなにたくさんできないのであれば、代わって緊急導入した国が使用成績調査をやらなければいけないという話になるので、そこの整合性が理解しきれないのですけれども、説明はどうなるのでしょうか。
○福井部会長 いかがでしょうか。事務局の考えをお願いします。
○総務課長 花井委員御指摘のとおり、緊急時に一般的に想定されるのは、我々国が買い手になっている一方で、承認という行政庁としての役割を果たすという2つの面があるということです。今回も、ワクチンを国家として購入する一方で、承認という行政庁としての役割を担っていたわけですが、、具体例で申し上げると、今回は異物が混入したワクチンがありましたが、製造販売業者には当該製品を回収させました。買い手としての役割がある一方、行政庁としては国民の健康を守る観点から、守るべきところは守っていただかなくてはいけないというのは当然のことですので、そこはきちんと行政庁としての役割を果たしていくことが基本かと考えております。
○花井委員 今、基本的には、日本は承認発という制度を今まで運用してきていますし、古典的な議論は研発と薬務局解体論というのがあって、経済課の仕事と医薬の仕事は一緒にできないのではないかというところについては、いろいろな形で今おっしゃられたところの調和を図ってきたところもあります。ただ、今回の緊急というのは、特にEUAというのは有事立法の文脈なので、薬機で過大な責任をここでとるというのはおかしいということなので、そこは配慮いただけたらと思いました。
以上です。
○福井部会長 局長からどうぞ。
○医療・生活衛生局長 御指摘ありがとうございます。確かに、EUA、アメリカは炭素テロを契機として議論が始まって、委員御指摘のように国家としてどう対応するかという観点が前面に出ているものだと理解しております。
一方、日本の薬機法ですが、緊急時の対応の一つの類型として特例承認がございます。今回はその仕組みを使わせていただきまして、ワクチンあるいは治療薬を確保いたしました。今回は、両者を見ながらどうするのかということだと思いますが、今回御審議をお願いしているのが、日本の薬事制度、薬機法を前提としているところでございますので、そこはおのずと今回の議論では限界があるのかなと考えています。つまり、今は海外の製品に対しては特例承認があるけれども、それが先ほどお示しした承認状況等を踏まえ、本当に今の制度でも国民あるいは医療のニーズに対応できるものになっているのかどうか。他方、現実にはまだないのですけれども、今後同じような状況のときに国産が出たときにできるものがないと。まずは、そこの手当が必要ではないか。今回、我々が議論の契機として米国にはEUAがあるとか、特例承認の前提としてのEUAというのがございますけれども、そこはむしろ今、委員から御指摘があったような大きな議論が必要なところではないかと考えてございます。
○福井部会長 ありがとうございます。
ちなみに、山口委員は音声のみでの参加になりますので、よろしくお願いします。
伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員 御説明ありがとうございました。幾つか資料に基づいてお聞きしたい点と、資料外なのですが、お聞きしたい点がございます。
まず、7ページで制度設計に当たっての論点ということで、緊急時において迅速な対応が必要なときに、このような一定の基準があることはもちろん大事だと思うのですが、大事なのはいつが緊急時で、いつが平時なのかという基準がうやむやというか、そこを透明化すべきではないかと思います。例えば、緊急事態宣言が発令されたり解除されたりするタイミングが極めて場当たり的で、そこに背景的な社会情勢における客観的な基準があったかといえばないわけで、今後いわゆるショック・ドクトリンという形を恒常化するに当たっては、どのような時点になれば緊急時なのかという定義を、この中でできる限り明確にしていただく必要があるかと思います。
その観点で言いますと8ページ、例えば7年を超えない範囲と言っておりますけれども、これは一例ではありますが、もし仮に7年だとすると、もはやそれは緊急時を通り越して平時なのではないかという観点もありますので、この点に関してはより詳細な詰められた議論が必要ではないかと思います。
それから9ページについて、昨年12月でしたか予防接種法の附則の改正に基づいて、健康被害等が発生したときに製薬企業の損失補償、健康被害を国が補償するということで、コロナワクチンに関してですけれども、例えば、具体的に健康被害があったことをどのように政府は把握して、どのように賠償するのか。具体的には製薬企業がクレームすると思うのですけれども、そういったものをちゃんとチェックするだけのエビデンスデータをどのように整えるのか。政府補償することがやむを得ないとしても、あまりこれが恒常化してしまうと、つくってそれを売って、何が起こっても知らないよということになりかねない。つまり製薬企業としてのインセンティブをそぐような形になってはいけないので、どのような健康被害なのか、どのようにその健康被害を認定するのか、そして、どのような形で補償するのかを議論として詰めなければならないと思います。
関連して御質問ですけれども、5ページ、米国とEUの例が出ておりまして、米国については副作用が生じた際の補償・免責という点を確認したのですが、EUの各国の対応によると書かれている部分について詳しくなくて、もし現時点においてどのような事例であれば免責である、どのような事例であればいわゆる政府補償の対象になるのかということについて、御知見がある範囲で伺えましたらと思います。
もう一点、資料にない点ですけれども、今回の特例承認、つまり今回は使用許可であったり承認であったりするわけですが、裏では薬価として製薬企業に払っているわけです。その価格は首相がちょっと口を滑らせた点はありましたけれども、基本的に公開はされておりません。機微に触れる情報ということで薬価については非公開になっておりますが、この薬価については何らかのタイミングで、いわゆる行政が何にどれだけお金を使ったのかという透明化のために公開されるような予定はあるのでしょうか。もしかしたら先例があるかもしれませんが、もし先例でそのようなことがあったら、どのような手順によって国が買い上げた価格が明らかになるのかを伺いたいと思います。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。本日は御意見を伺うのがメーンでして、本日のところは答えられる範囲内で事務局から答えていただいて、それ以外のものは次回ということになると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
今、特に御質問として、各国の対応のことと薬価の話が出ましたが、何か答えられる範囲内で事務局からいかがでしょうか。
○企画官 薬価につきましては手元にございませんので、確認をさせていただきたいと思います。EUの補償・免責につきましても、次回までに確認させていただきます。
○福井部会長 そのような対応をさせていただきたいと思います。
それでは、北澤委員どうぞ。
○北澤委員 今日はオンラインで失礼します。2点意見を述べたいと思います。
まず1点目ですけれども、私の勉強不足もあるのですが、承認と条件付き、特例承認と、日本で現在でも複数の承認の仕組みがあるということなのですけれども、それが広く一般に理解されているかと言われると、そうでもないような気がしています。例えば、ワクチンについての報道でも、特例承認なのか普通の承認なのか、区別して言及していた記事はそれほど多くなかったように思われます。なので、新しい制度をつくるにせよ、それぞれの制度がどういうもので、どこが違うのか、どこまで分かっていて、何がまだ分かっていないのかを、もうちょっとはっきり区別できるように示してもらいたいというのが希望です。
もう一点は、今回の議論である緊急時の薬事承認の在り方ですけれども、アメリカのEUAにしろ、何もなくてもEUAを出しているのではなくて、何らかの臨床試験を行って有効かもしれないと言えるほどのデータはもちろん出しているわけで、日本でそういったものを制度としてつくる場合に、まず、臨床試験といいますか、かもしれないレベルでもいいからエビデンスが出せるのか。制度と並行して日本でしっかりとした臨床試験を実施する、しかもそれを早く行えるという実施体制にも対策を打たないと、何もないのに緊急時の承認をすることはできないと思います。日本における臨床試験の実施体制についてもぜひ同時に進めてもらいたいと思います。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
猪口先生どうぞ。
○猪口委員 今回、緊急に承認というお話なのですが、ここにあるデータを見せていただきますと、海外からの特例承認につきましても大体第Ⅲ相の試験までは行われていると記載されています。これぐらいのレベルのところまでいかないと、いくら緊急的な承認といってもあまり早いのはいかがなものかなと。
それから、8ページにあります有効性・安全性、特に安全性の面は、かなり安全であるという確証がないと承認すべきではないと思います。
それから、特にここにある健康被害についても、国の責任でもってちゃんと対応しないとまずいと考えます。
それから、これは特例の承認ですので、海外のものと同じように国がこれを買い上げ管理して、普通の流通ではなく、最後まで国の責任で動かすということで、データがそろって通常の承認になれば薬剤として通常と同じように扱えると思いますけれども、それまでは国の管理が必要なのではないかと思っております。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
荒井委員どうぞ。
○荒井(保)委員 どうしても今回のいきさつから考えますと、医薬品が中心だということは分かるのですけれども、しばしば医薬品等ということで、医療機器関係は含まれるということなのですが、今回の文面を拝見していても時々それが抜けてしまっていて、医薬品だけ、治療薬だけの話になってしまっているところがあるので、まず1点は、当然緊急のものに関しても医療機器が含まれることは確認させていただきたい。
特に、今までの御発言にもありましたけれども、医療機器の場合はEUAといっても結構日本の企業から出てくる可能性があります。それから、北澤委員からの御指摘もありましたように、日本から出てきた医療機器に関して、それを承認する臨床研究その他を従来の方法にのっとってしまうと全然緊急性に間に合わない状況が出てきますし、あるいは今、御指摘のありました、喫緊の場合は第Ⅲ相の試験がなかなか行えないということもありますので、この辺は医薬品と医療機器との違いも含めて、医療機器の場合にも緊急時においた特例的な対応ができるようなことを十分見極めて制度を設計していただければと思います。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
森委員から、そのあとに三村委員、お願いします。
○森委員 ありがとうございます。今後の有事に備えて、緊急事態のときに国民の生命・健康を守るために必要性が高い医薬品等に特別に使用を認めて、国民がアクセスできる制度の構築は必要だと思っています。平時と異なる使用許可となるために、法制化をした上で要件・基準等を決める必要があると思います。
その中で、7ページの発動の要件ですけれども、ここは特例承認を想定しているということですが、ここに書いてあるようなことでいいと思いますが、先ほど伊藤委員からありましたけれども、緊急時をどう考えるかというのは考えていかなければいけないのではないかと思います。問題は2番目の運用の基準で、ここをどうするかが非常に大きな課題の一つになるのではないかと思っています。
それから、8ページの4番目の市販後の対応ですけれども、ここは非常に重要だと思っておりまして、緊急に使用許可されたということから、特に注意深い使用を促すとともに、調査・評価が不可欠だと思います。未知等のリスクのみならず、効果についてのフォローと評価が不可欠で、例えば、今回の新型コロナワクチンの先行接種で行ったように、使用許可直後は一定期間、全例調査することも検討する必要があると思っています。また、使用後の評価ですけれども、当然ですが、通常よりも頻度を増やして行う必要があると思います。
また、新たに既知化されたリスクが重大なときや、その時点でリスクがベネフィットを上回ると認められたときには、すぐに承認を取り消すような措置も必要だと思います。
もう一つ、承認という視点ではないのですけれども、何かあったときの生産体制の整備も非常に重要になってくると思います。緊急使用許可後すぐに大量に生産することが必要となることが考えられ、現在、後発医薬品での安定供給に支障を来していますが、なかなか増産できないという現状があります。緊急時に迅速に大量に生産できる体制の確保・支援が必要になると思います。
私からは以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
三村委員どうぞ。
○三村委員 私も、先ほどの皆さんの御意見と同じです。。緊急事態が一体どういう形で発令されるのか、また、大きな言い方をしますと、緊急事態法みたいな特別な国家の制度が背景にないと、恐らく動かないのではないかと思います。それは、今回の検討の中でどう考え、位置づけていくかが非常に重要だと思います。
もう一つ、特例承認という制度があって、今回は少し時間がかかったのですけれども、ある意味でよくおやりになったという感じはいたします。ただ、どういう問題があったのか、どこが間に合わなかったのか、あるいはどういう修正点があったのかについても、少し整理していただいたほうがいいのではないかと思います。先ほどの発動要件で「特例承認制度と同等の状況」という言葉がありますが、これまでは特例承認制度で対応してきた。ところが、今度はもう一つ緊急事態を想定した新しい制度をつくるのか、あるいは特例承認制度をさらに拡大させるとか、あるいは改善していくという形でいくかによっても制度設計は大きく変わってくるように思います。
これは先ほどの御意見にもありましたけれども、一般的な言い方をしますと、ファイザーワクチンはに早めに承認されましたが、モデルナは結構時間がかかりました。ただしモデルナが承認されたことによって一気にワクチン接種のスピードが加速されたという感じがいたします。一体何があったのだろうかということです。。申請が遅れたとかいろいろあったと思いますけれども、そういうことを基本的になくすためにはどうしたらいいのかということを踏まえて、今回起こったことについての整理・分析もあったほうがいいのではないかと思います。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。何か事務局のほうで今の疑問点といいますか、もし答えていただければ、吉田課長、よろしくお願いします。
○医薬品審査管理課長 これまで幾つか御質問を頂いていることに関して、お答えできる範囲内でお答えさせていただきたいと思います。
承認の在り方に関するお話が多かったのかなと思います。三村先生がおっしゃられた、特例承認をこれまでやってまいりましたけれども、その際に何が問題だったのかでございます。これは、これまでもいろいろなところで御指摘を頂いておりますけれども、特にワクチンの場合につきましては、人種差あるいは地域差みたいなものがありますので、慎重に評価するためには日本人のデータが必要でしょうという形でやってきてございます。日本で治験データをとるに当たっての国内の治験環境が不十分であったこともあり、また、もろもろの感染状況の問題等々あり、トータルとして国内治験データをとるのに時間を要したのが一つの要因だと思っています。そういったこともありまして、ファイザーワクチンが海外から遅れた面があります。それから、モデルナについてなぜさらに遅れたのかについては、国内治験データの入手がさらに遅れたといった反省があるのだろうと思っております。
一方で、新たな制度という議論がなぜ必要なのかにつきましては、特例承認である限りにおいては海外での販売流通を前提としておりますので、現時点で国内のものは出てきておりませんけれども、国内で先行して開発するものが仮にあった場合に、特例承認だけでは緊急の対応ができないという問題があるのだろうといった問題意識を持っているところでございます。
さらに、前の御指摘の中では、仮に今後新たな制度設計を考える際に、それがあったとしても一定のデータが要るでしょうという話があるかと思います。その際に、日本でデータがとれるのか、エビデンスがとれるのか、そこについてはどうするのかということがあろうかと思います。このことについては、私どもの規制当局の話では必ずしもありませんけれども、例えば、治験環境の整備ということで、国産ワクチンの生産体制の強化につきましては6月に戦略を立てまして、臨床研究中核病院での治験の推進といった取組もやっていこうということで、新しい制度で一定のエビデンスをとるに当たっても、一定のデータが国内でもしっかりとれるような体制整備については並行して取り組んでいくのだろうと思っているところでございます。
そういった形でデータをとっていった中で、森委員がおっしゃられました今後新たな制度管理を考える際の運用の基準、その際には、これまでEUAにおいてどういう評価がされていたのかも参考にしながら、3ページのデータを御覧いただければ分かりますとおり、ワクチンについて見れば、第Ⅲ相のしっかりしたデータをベースにしているところもございます。それから、治療薬についても一定のデータで評価しているところがございますので、運用の基準、これから有効性・安全性をどう考えるかという際には、現実的には一定の有効性・安全性をこれまでも担保しながら緊急に対応してきたという形での実際の運用になっていくのではないかと思っておりますし、そのようなことをできるだけ明確化できる形で制度設計を考えていくのではないかと思っているところでございます。
とりあえず以上でございます。
○福井部会長 ありがとうございます。
それでは、医療機器の御質問に対しまして、関野課長からよろしくお願いします。
○医療機器審査管理課長 医療機器審査管理課長の関野でございます。荒井保明委員から御質問いただいた点に端的にお答えしたいと思います。
今回の議論に関しましては、医療機器も議論の対象と考えておりますので、その点御理解いただきたいと思います。
そして、この制度が適用される際に、どのようなデータかを含めた要求事項があるかに関しましては、当然、医薬品は医薬品で一定の通常の評価の中で考えていく部分でありますが、医療機器についても、いつもの表現でございますけれども、医療機器の特性を踏まえた中で妥当なところに対して要件を定めていくことになると思いますので、引き続き御議論いただきたいと思います。ありがとうございました。
○福井部会長 ありがとうございます。
それでは、山口委員どうぞ。
○山口委員 大変失礼ながら、今朝からカメラ機能が故障しておりますので、カメラをオフにしたままで大変失礼いたします。
今のお話ですけれども、緊急時の薬事承認ということで7ページを見ますと、今回の感染症のアウトブレークに加え、原子力事故、バイオテロ等も含む幅広い状況と書いてあって、この2年ほどは新型コロナのことで私たちがずっと惑わされてきたので、コロナのことにかなり引っ張られがちなのかなと思います。でも、今回議論することというのは、その範囲をさらに超えて、緊急時の薬事承認をどうするかということですので、この資料を拝見していてもコロナのことがかなり中心になっていて、そうでないことも途中で入ってきてということで、考えるのに頭がまとまらないなという気がいたしました。
まず、コロナでいうとワクチンについては、日本はワクチンの生産がほかの国よりも後れを取っていたことも大きく影響しているのかなと思うのですけれども、それ以外の分野になると、そうではないことが出てくるかもしれない。となると、まずは今回の新型コロナについて特化して問題点を整理して、その中で普遍化するもの、ほかの問題に置き換えられるものとか、置き換えたときに何を考えなければいけないのかという論点をさらに整理する必要があるのではないかと感じました。
もう一つ、9ページのワクチンの使用に対しての健康被害についても、例えば、ワクチンを打った後に死亡されている方が出てきたりしています。そうしたときに、それがワクチンによるものなのかどうかも明確にならないことが結構あると思う中で、誰がどのようにそのあたりを判断するのかという基準にばらつきも出てくるかもしれませんし、判断に難しいところかなと思っていますので、そのあたりを今現在どのように整理されているのかはお尋ねしたいと思いました。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
○医薬安全対策課長 医薬安全対策課長でございます。
御指摘の現在のCOVIDワクチンに対する副反応の対応、特に死亡に対する評価でございますけれども、現在、副反応疑い報告というものがございまして、医療機関から報告を頂くもの、製造販売業者から頂くもの、これは予防接種法に基づくものと薬機法に基づくものがございます。これらの報告はPMDAにおいて受付をいたしまして、死亡事例だけではなくて副反応全てでございますが、それぞれにおいて因果関係評価を行います。因果関係評価を行った上で、副反応の発生状況をまとめたものを厚生科学審議会の副反応検討部会、薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会の合同部会において評価するという手続になってございます。これは、我々としてはできる限り情報を集めて因果関係評価をやってございますが、どうしても情報が十分集まらないという点もありますし、また、どうしても紛れ込みの事例も入ってくることがあります。このため、個別の評価に加えて副反応の疑い報告の状況とバックグラウンドとなる通常の発生状況などと比較して因果関係も評価するといったことも併せてやって、ワクチンに対する副反応の発生がどうなのかを評価していくことを現在やってございます。
以上です。
○山口委員 ありがとうございます。かなり一般の方にとっては関心の高いところだと思うのですけれども、どういう過程を経ているかをもう少しきちんと丁寧に国民に説明していくことも必要かなと思いました。ありがとうございました。
○福井部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
遠藤委員どうぞ。
○遠藤委員 ありがとうございます。既に意見としていろいろ言われておりますけれども、今回の薬事承認の在り方については危機に対応できないことが一番問題であって、それを解決することが国民にとって大事なことだと思っていますので、こういった対応は機動性が求められていることから、議論の方向性としては基本的に賛成でございます。ただ、緊急の対応といいましても、安全性の確保は当然最も重要になることです。ただ、今回のような対応の中では当然リスクが生じるわけで、そういったものを全て民間が負うのはかなりきつい状況だと思います。他の委員の御意見にもあったように、何らかの問題が生じた際には国が前面に立ち、その責任として救済措置や開発する事業者、医療提供者に対しても免責等も含めたサポート体制をしっかり国としてつくっていくべきだと思っております。
先ほど質問があったのですけれども、既にお答えになっていますが、今回主に薬剤が主体ということで議論されている中で、医療材料や医療機器も同様の対応が必要だと思っていますので、先ほど議論の中だということなので、ぜひそれをしっかり議論していただきたいと思います。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
赤池委員どうぞ。
○赤池委員 既に多くの議論が出ておりますけれども、6ページ「我が国の現行制度」で出ておりますが、前期の医薬品医療機器制度部会におきまして条件付き承認について随分議論がなされまして、最終的に薬機法で入ったという経緯がございます。そのときに、リアルワールドデータを活用していくということ、レジストリーの問題も含めて大分議論がなされました。今回は緊急時の薬事承認ということですので、それ自体がこれと直結するわけではないとは思います。今、随分議論されております、そのとおりだと思いますが、ただ、既に御意見の中にも出ておりましたけれども、少なくともその中の一部あるいは多くが、その後いずれ本承認という形に進む可能性はかなり高いのではないかと思います。そのときのいわゆる条件付き承認とは違うのかもしれませんけれども、緊急時の対応として承認されたものが民間のほうで管理されていくという、本承認に移る際の条件として、例えばリアルワールドデータを使うのか使わないのか、使うとすればどういう条件にするかといったことも検討の中で、もちろん緊急時の対応としてどうするかが先なのかもしれませんが、併せて検討していただくことは重要な課題なのではないかと思いまして意見を述べさせていただきました。
○福井部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
花井委員どうぞ。
○花井委員 今回の検討においては、具体的には特例承認をこのまま利用して国内品にも対応するのか、もう一つ立てるのかという論点になりやすいのですけれども、先ほど山口委員や赤池委員からも出ていますが、結局今、ワクチンとワクチンではないものは別で、ワクチンは健康局のほうで予防接種法という法律があって、COVIDは今、臨時接種制度を使っているわけです。そうするとA類疾病扱いなので、基本的には国民に対して努力義務が課されているわけです、罰則はないけれども。つまり、国が打ちなさいよというA類と同じ対応をしているわけです。それに対して予防接種法は、予防接種法上の報告というのは患者からもできるのですけれども、そういった副反応報告制度があって、救済制度も予防接種法は手厚くなっているという立てつけなので、ここの健康局と医薬の連携の話で、先ほど中井課長が説明した話はよく存じているのですが、今、一部別のワクチンで裁判になっているように、因果関係は非常に難しくて接種率が上がれば上がるほど死亡はみんな接種しているわけなので、急性期の因果関係であればアナフィラキシーだったらと分かるのですけれども、例えば接種によって持病が増悪して、その結果死亡につながったというのは拾いようがないので、常に判定不能が増えていくと。これが増えていくと国民の信頼とか現に裁判沙汰になっている部分もあり、今後、健康局における予防接種法上の対応と医薬上の対応を、もうちょっと市販後の調査というか使用成績なり有効性も含めての体制を、先ほどリアルワールドとありましたけれども、本当はリアルワールドがあるわけです。予防接種台帳は全部個人名で、しかも住民票にひもづいていて、国民保険であればいわゆる保険番号にひもづいているものがあるわけです。そういったデータベースが十分予防接種行政と医薬行政に使えないという現状があるので、その辺を整備していかないと、本当の意味での信頼できる制度にはなっていかないと思うので、ここでできる話ではないというのは承知しているのですけれども、それは国の責任としてちゃんとしてもらわないと、健康局の予防接種行政や医薬行政だけお尻をたたかれても、国がそこに責任を持つという形によって、公衆衛生行政の予防接種法の運用と薬機法の運用が信頼できるものになるので、枝葉末節のところだけで対応することにならないように、ここからもっと上の偉い方々に強く言うようなことが必要かなと思いました。
ここでできる範囲ということであれば、市販後の使用成績調査の健康局と医薬、PMDAとの連携について、リアルワールドを使ってでもいいのでもう少し評価できないと、結局シングルアームでやっている話で、今やっている話はアメリカの制度の最初の一義的報告です。でも、アメリカはデジタルでやっていて、こっちはFAXでやっているとか、そこにも差があるのですけれども、そういったところを少なくともある程度ダブルで評価できるようなものを持たないと、国民に安全な緊急使用を提供できないと思うので、ぜひそこは大きな議論として考えていただきたいと思います。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。何かございますか。
○医薬安全対策課長 医薬安全対策課長でございます。御指摘どうもありがとうございます。花井委員のお話は、恐らく米国のVSD=Vaccine Safety Datalinkを想定してお話しされていると思うのですけれども、健康局においては、予防接種台帳やいわゆるNDB、レセプトデータとの連係にかかるモデル事業だとか、その様な研究班を実際にやっていますし。今後我々としましては、何とかそれ等の事業と薬事行政をうまく連携することを考えていくべきだと認識しております。ただ、今すぐというわけにはなかなかいっていない状態ではありますけれども、御指摘のことは踏まえまして対応は考えさせていただきたいと思っております。
○福井部会長 ありがとうございます。
山家委員どうぞ。
○山家委員 よろしくお願いします。私は専門家というわけではないのですが、よく家族の方から特に病気を持っている子どもについてお話を伺うことが多いのですけれども、資料1の最後の部分とも一部関連するのですが、例えば、検査も承認されていないもの、今回コロナに関してはしていないものが普通にお店に売っているような環境で、いろいろ混乱している家庭の方々がすごくたくさんいたと思います。さらに、これから条件付き承認と緊急承認があってということになると、医療的な資格をお持ちの方でもちょっと混乱している様子が見受けられますので、この先きちんとある程度の方々に分かるような形で報道も含めて説明していただくほうが、より安全と安心という形で受け入れられる、この先問題が出たり出なかったりということも受け入れられるのではないかと考えます。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
合田委員どうぞ。
○合田委員 先ほどお話がありましたが、日本発の医薬品をどうするかというのが、この議論のバックグラウンドにあると聞いたのですけれども、そのことを踏まえてみますと、例えば、医薬品そのものがベンチャーでつくられている段階と大きなサイズでつくられる段階では、実際の生産設備等がかなり変わるのですよね。医薬品の承認というのは、そういうものはブリッジングを常にしながらスケールアップしていく話になるだろうと思います。緊急時のときには、そういうブリッジングをしていくシステムについて何か特例を入れておかないと、最終的に国民全体に広がるような薬にはならないなというのを今の議論で感じた次第です。ですから、この制度の中でそこまで組み込むか分からないのですけれども、実際にそういうことも考慮するとか何かそういうものがあれば具体的なことが、そのものそのものに対応して判断できるのではないかと感じました。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。
吉田課長からお願いします。
○医薬品審査管理課長 合田委員からの御指摘の部分でございますけれども、御案内のとおり特例承認であれば、海外で既に販売流通しているものを入れるという形になりますので、いわゆる品質の問題についても海外で使われているということで一定の担保ができるのだろうと思います。仮に新しい制度なりを考えて、日本発のものも適用できる形にした場合には、それは世界中でまだ誰にも使われていないものになりますので、有効性・安全性に加えて一定の品質といった視点での担保をどうするかということは、今度の緊急時の制度を考えるに当たっては一つの論点だろうと思っておりますので、具体的にどうするのかは、また御意見をいただきながら検討させていただくのかなと思います。
ただ、その場合でも品質を担保するのも当然必要でございますけれども、一方で、緊急に対応しなければいけないこととの兼ね合いをどう捉えていくのかというところで、現実的な対応を考えていくのかなと思っております。
以上です。
○福井部会長 どうぞ。
○合田委員 実際には多分、剤形変更とか工場をどこで作るとかいろいろなことが全部きいてきますよね。その辺をシステムの中に入れておかないと緊急時に対応しにくいかなと思いました。
○福井部会長 山本委員どうぞ。
○山本委員 論点とされているところに関して既に御指摘のあった点もありますけれども、一通り私の感想を述べたいと思います。
まず、7ページの発動の要件に関しましては、緊急性の認定の手続と基準を明らかにする必要があるのではないかと思います。基準に関しては、具体的にどこまで定めることができるかという問題がありますが、どのような手続で認定するかは詰めておく必要があるのと思います。
その際に、緊急事態法制一般ということになりますと大きな話になり、検討事項が多岐にわたり、薬機法の範囲を超える議論になりますので、日本でのそれを整備すべきかどうかという議論はありますけれども、そこまで今回やるのは難しいのではないかと思います。しかし緊急性の認定の手続は重要ですので、どうするかを考える必要があると思います。
2番目の運用の基準の問題に関しては、先ほど来議論がありますように、有効性に関しては、ある程度不確かさがある段階で認めることになるのではないかと思いますが、安全性に関しては慎重に考えるべきと思います。不確かさが残るという点で言うと、8ページの承認の期限・条件や事後対応が重要であると思われます。期限についても事後対応についても、しっかりとした制度・対応をとるべきだと思います。
最後に、免責等の問題ですが、先ほどEUの諸国においてどのような対応がとられているかに関して、もう少し調べていただけるということですので、そこはぜひお願いしたいと思います。これは薬事に限らず、損害賠償一般に関していえますけれども、アメリカはちょっと特殊なところがあると思います。つまり、一般の損害賠償責任がかなり政策的に動かされているところがあり、他方で国の賠償責任はかなり免責されているところがあります。前提が日本や他国と違っていることがありますので、もう少し見る必要があるという気がいたします。
結局、どう対応するかということですけれども、薬機法の中に一般的なルールを入れて対応するか、個々のケースに応じて政策的に対応する話かを分けて考える必要があると思います。今回のワクチンの問題はありますけれども、一般的に薬機法の中に制度を入れるところまでやるのか、それとも個別の場ごとに事情が合でいろいろ違うところがありますので、政策的な個別の対応の話になるのかを検討する必要があると思いました。
私からは以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員 再びすみません。先ほど健康被害を補償するのが製薬企業ではなくて国であるという点について、ちょっと誤解もあったようですので補足したいと思います。
スピードを重視して承認するということですので、ある程度エラーの率も高くなることは致し方ないトレードオフでして、製薬メーカーの代わりにそこまでリスクを負えないということも分かりますし、打たれる側の国民にとってみれば誰かが補償してくれないとということで、国が補償する仕組み自体に異を唱えているわけではないです。ただし、緊急対応だから何をやっても仕方がなかったということではなくて、すぐにではなかったとしても、事後的に何が起きて何が問題だったかを検証するデータと検証する手続の仕組みは、併せてここで整えておく必要があると思います。
ちょうど資料で11ページ、2010年、新型インフルエンザのときの特例承認の2例が出ていたのでちょっと思い出したのですけれども、このときは1億5000万人分のワクチンが用意されたものの、そのワクチンが届いたころには新型インフルエンザ自体が終息していて、実際にワクチンを打ったのはたったの1万人足らずです。使われた国費は1,880億円使って購入したのですけれども、輸入ワクチンの99.9%は使用期限が切れて廃棄してしまっているので、1,000億円以上は優に軽く超える額が、いわゆるどぶに捨てられたような状態になってしまったと。こういった情報も必要であると思います。つまり、健康被害を補償するためならば国は湯水のように幾らでもお金を使っていいかというとそうではなくて、税金を使うからにはそれなりの理由とデータと仕組みが整うべきだと思っておりますので、国が健康被害を補償すること自体に異論はないのですけれども、それを補償すべき特例の要件や健康被害のデータ、どのような形で最終的に国費を使ったのかという情報を透明化する仕組みが必要であると考えます。
以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
今まで出てきた御意見に対して、何か事務局からできるコメントがございましたら最後にお願いしたいと思いますが、よろしいですか。ありがとうございます。
薬機法の中で考えるのか、全く別個に考えるのかというところも含めて、いろいろ御意見を頂きました。私も個人的に、今回やったことのもうちょっと深く、どこが反省すべき点で改善するべき点、振り返ってみてこういうところが改善できたのではないかということも含めて、もう少し話を伺えればありがたいと思いました。
ほかにはよろしいでしょうか。もしないようでしたら、本日の御議論は以上までとしたいと思います。
最後に、事務局から連絡事項等ございましたら、お願いしたいと思います。
○総務課長 本日頂きました御意見については、事務局で改めて整理させていただいて、次回御提出させていただきたいと思います。
日程につきましては、決まり次第御連絡させていただきますので、よろしくお願いします。
私からは以上です。
○福井部会長 ありがとうございます。
少々早いですけれども、本日はここまでとしたいと思います。第1回の医薬品医療機器制度部会を閉会といたします。本日はお忙しいところ、大変ありがとうございました。貴重な御意見ありがとうございました。