第331回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

日時

2021年(令和3年)11月19日(金) 14時30分~

場所

東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館
職業安定局第1会議室(12階)

出席者

(公益代表委員)
  • 小野 晶子
  • 原 昌登
  • 松浦 民恵
  • 山川 隆一(部会長)
(労働者代表委員)
  • 相羽 迅人
  • 冨髙 裕子
  • 永井 幸子
  • 奈良 統一
(使用者代表委員)
  • 佐久間 一浩
  • 佐藤 英毅
  • 田尻 久美子
  • 平田 充

議題

  1. (1)雇用仲介事業の在り方について(公開)

議事

議事内容

○山川部会長 ただいまから、第331回労働力需給制度部会を開催します。本日は、「雇用仲介事業の在り方について」、前回から引き続き、個別の論点について御議論いただきたいと思います。これから議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
 では、議事に入ります。本日は、配布されている資料1の3ページ目以降に記載の論点の、(1)募集情報の的確性、(2)個人情報の保護、(3)苦情の処理、(4)適切な履行の確保について、合わせて御議論いただきたいと思います。早速ですが、御意見等がありましたら、挙手をお願いします。平田委員、お願いします。

○平田委員 3点あります。1つ目は、募集情報の的確性に関してです。資料の中に、「求人者について、募集情報等を最新かつ正確の内容に保たなければならない」と書いてあります。これについて、具体的にご説明をお願いします。というのも、労働市場は株式市場とか、外国為替市場とは少し性格が違うと思っています。リアルタイムでの的確性の担保など、現実的には対応不可能なことも当然あると思います。現実に対応可能なルールにするべきだと思っています。
 2つ目は、個人情報の保護に関してです。非常に重要なことだと思っています。今回の制度改正で新たに把握しようとしている事業者があって、そういった事業者に対しても、現行の職安法第5条の4の規定を適用させるという理解でよいのでしょうか。
 3つ目は、苦情の処理に関してです。許可事業者に対しては既に規定があると理解をしています。許可事業者と新たに把握する事業者とでは事業内容が当然違うわけですから、許可業者と同じような体制整備までは必要ないと思っています。例えば、問合せ先をきちんと明示するとか、そういう対応でよいのかどうかをお伺いしたいと思います。以上3点です。

○山川部会長 ありがとうございました。3点御発言いただき、質問が含まれていますので、事務局からいかがでしょうか。需給調整事業課長、お願いします。

○篠崎課長 需給調整事業課長の篠崎です。(1)的確性について、「最新かつ正確の内容に」という所は、どの程度まで求めるのかということですが、イメージとしては、例えば充足した求人については取り下げるとか、募集情報等提供事業者であれば、求人の時点を示すとか、そういった通常、現在でも的確にやるために事業者が行っている取組はあると思いますが、通常の取組を遅滞なく行うことを念頭に置いているところです。
 2つ目の御質問、個人情報の保護についてです。御質問のとおり、現行、職業安定法第5条の4において、個人情報の取扱いの規定があります。これは職業紹介事業者に課されているものですが、これを新たに募集情報等提供事業者に義務付けるということを考えているところです。
 3つ目の御質問、(3)苦情の処理に関しての必要な体制の整備についてです。御指摘がありましたように、職業紹介の許可事業者には、既にそういった責務が課されているわけです。また、これは許可事業ですので、職業紹介の責任者を置くとか、そういった許可事業者としての体系の中でそういったことを求めているところです。一方、募集情報等提供事業者については、インターネットで展開するということで、いろいろな形態があると思いますので、こういうやり方を絶対せよというところまでは難しいかもしれません。ただ、御指摘のように、何かあったときに問合せができる、確認ができるということで言うと、連絡先を明示するとか、そういったことが想定されるのかと考えております。以上です。

○山川部会長 ありがとうございました。平田委員、何かありますか。よろしいですか。ほかに御意見、御質問等はありますか。

○佐久間委員 募集情報の的確性ですが、○の2つ目から4つ目については、当然のことと感じています。求職者側、そして求人側としても、ここで疑義が生じるとか、ホームページなどを見ても、いつ更新されているのかということが分からなければ、その情報が本当に生きているものかどうか分かりません。ただ、これは1件1件の情報を確認していくとなると、コストや人の手数が随分掛かってしまうことになってしまいます。自動的に入力等ができるようなプログラムを組んでいただければいいと思うのですが、それができないのであれば、どこかに募集情報等提供事業者がいつ更新をしたかが分かるようにすることが、利用者にとって親切な方策なのではないかと思います。
 2番目の個人情報の保護についてですが、これは本当に言うまでもなく、厳重に管理していかなくてはならないものであり、特段コメントをするほどのこともないと思います。○の1つ目、2つ目については、在り方を明確化してはどうかというのは、当然のことだと考えています。
 苦情の処理については、求人側、求職者側、どちらも相談する所は必要だし、また、中小企業の場合は、弁護士を頼むというのはなかなか費用がかかって大変なものがあります。こういう窓口は、現在、厚労省にある各施策担当や相談窓口等を使って、また他の省庁等の施策でも使ってやり繰りができればいいのですが、利用者にとって相談窓口があれば、事業実施上の安心感と有効性が発揮できるのではないかと思います。
 4つ目の適切な履行の確保についてですが、これは募集情報等提供事業者が発する情報が、何か問題点が本当に出てくるのか、まだ見えないところがあります。調査とか、ある程度少し時期的に置いてみて、そしてまた検証していくことで、どのような問題が出てくるか、一通り実施してみると、やり過ぎも考えなくてはいけないところはありますので、是非、検証しながら問題点を確認すべきだと考えます。以上です。

○山川部会長 ありがとうございます。御意見、それから、この方向に行く場合の運用の在り方に関する御示唆を頂いたものと考えています。ほかに御質問、御意見等はありますか。

○冨髙委員 私からは、募集情報の的確性について2点ほど意見を申し上げます。ネット上の情報を比較しながら求職活動を行う求職者にとって、募集情報が的確であることは求職活動の根幹に関わる重要な関心事です。連合でも、労働相談において、求人票、求人広告トラブルに関して、インターネット上での雇用仲介を含めて、賃金、業務内容、雇用形態、様々記載された求人情報と実際の労働条件が違うという相談が、数多く寄せられているところです。
 そう考えますと、最新かつ正確な内容を保つことは当然のこと、職業安定法上、現在、何の規制もない募集情報等提供事業者を含めて、雇用仲介を行う事業者全体に、虚偽又は誤解を生じさせる表示をしてはならない旨を義務付けることについては望ましいものと考えております。
 もう1点は労働条件明示についてです。職業安定法第5条の3第2項は、求人者に対して、公共職業安定所、特定地方公共団体又は職業紹介事業者に対し労働条件の明示を義務付けています。平成12年の日新火災海上事件において、東京高裁は、求人広告はそれをもって個別的な雇用労働契約の申込みの意思表示とみることはできないとしつつ、求人広告並びに面接等における説明が、労働基準法第15条第1項の規定に違反し、雇用契約締結に至る過程における信義則に反するものとして、労働者が受けた精神的損害について損害賠償を命じています。
 労働条件を明示する時点は、原則として、求人者や職業紹介事業者が求職者等と最初に接触する時点であることは理解していますが、求人情報が虚偽であることを求職者が証明するのは非常に難しいということを考えますと、安定法第5条の3第2項において求人者が労働条件明示を義務付けられている雇用仲介事業者に、募集情報等提供事業者も加えることを検討すべきではないかと考えています。以上です。

○山川部会長 ありがとうございます。御意見ということですが、事務局から何かありますか。

○篠崎課長 需給調整事業課長です。御意見を頂きまして、事務局として、現状を御説明だけさせていただきたいと思います。御指摘のとおり、職業安定法第5条の3で労働条件の明示という規定があります。労働条件を提示する主体は求人者が基本と考えますが、御指摘がありましたように、労働者、求職者が触れる募集情報が適正であることは大事ですし、まず、募集情報に接するに当たって、一義的には、求人者が正確・最新の内容を保つこと、それから、募集情報等提供事業者という仲介者についても、正確かつ最新の内容を保つ措置を講じることを、今回お示ししているわけですが、そういったことによって、より的確性が向上するのではないかと思っております。
 なお、先ほどの労働条件明示の問題については、御指摘もありましたが、最終的には、求人者が明示しなければならないですし、また、途中で変更をする場合には、その変更明示をしなければならないことを、平成29年の職業安定法の改正の中で盛り込んでおります。そういったトラブルが減っていくように、平成29年法の施行も重要であると考えております。以上です。

○山川部会長 冨髙委員、特によろしいでしょうか。

○冨髙委員 はい。

○山川部会長 ありがとうございます。ほかに御質問、御意見等がありますか。

○永井委員 私からは、個人情報の保護と苦情の処理について、それぞれ意見を申し述べたいと思います。まず、個人情報の保護の1つ目の○についてですが、職業安定法の第5条の4及び第51条には、現在、募集情報等提供事業者が含まれておらず、個人情報収集の目的を明確にすることも求めていません。雇用仲介事業者全体に求職者等の個人情報の取扱いに関する規定及び守秘義務に関する規定を義務付けることには賛成の立場です。
 その上で、2つ目の○の求職者の同意についてですが、以前部会でお示しいただいた求職者調査では、「同意を求められた記憶がない」が全体の2番目に多く、「同意したが、規約等の内容はあまり見ていない」が全体の3番目に多い回答になっています。求職者の個人情報保護の観点から、利用目的、第三者提供、開示請求など、同意事項及び書面にすることなどの具体的な同意の方法について明確化することが必要だと考えております。
 もう1つは苦情処理についてですが、これも同じ調査によりますと、求職者が苦情を解決しようと思ったにもかかわらず解決しなかったケースや、そのままにしてしまったというケースが多く、課題だと思っております。求職者保護の観点に加え、業界の底上げにつなげていくためにも、職業安定法における職業紹介事業者等と同様、現在規定のない雇用仲介事業者についても、苦情処理に関する事項を定め、体制整備を促すことには賛成でございます。以上です。

○山川部会長 ありがとうございます。御意見として承らせていただければと思います。ほかに御意見、御質問等はございますでしょうか。

○相羽委員 よろしくお願いします。適正な履行の確保について、申し上げます。求職者が安心して安全に利用できる環境を整備をするためには、履行確保が重要だとこれまでの部会においても発言してまいりました。募集情報等提供事業者についても、他の雇用仲介事業者と同程度の法規制について検討すべきと発言してまいりましたが、適正な法の履行を促すためにも、行政が必要な指導監督を行うこと及び他の雇用仲介事業者と同程度の罰則規定を設けることに賛成です。

○山川部会長 ありがとうございます。やはり意見として承らせていただければと思います。ほかに何か御意見、御質問等はございますか。

○松浦委員 適切な履行の確保の部分についての質問です。まず、1つ目の○について、「募集情報等提供事業の適正な運営の確保のため、現行の助言・指導、報告徴収に加え、必要な指導監督を行うことができること」という記載がございます。質問の内容は、現行、募集情報等提供事業者を把握されていない中での助言・指導・報告徴収というのはどういうものなのかということと、これから想定されている必要な指導監督がどういうイメージなのかということです。要は現行の助言・指導・報告徴収の対象となる募集情報等提供事業者と、今回規制の対象に加えようとしている募集情報等提供事業者の相違、さらには現行の助言・指導・報告徴収の内容と、新たに検討される指導監督の内容について、ご説明の補足をお願いしたいです。
 それに関連して、求人者や職業紹介を行う者と同様の罰則規定を設けるというような御提案ですけれども、これもその対象範囲は、今回規制の対象に加えようとしている募集情報等提供事業者も含めて、という理解で合っていますでしょうか。

○山川部会長 ありがとうございます。現行の制度の下での対象者、あるいはどういう場合にその行政の助言指導等がなされるかと。それから新しくもしこういう方向で考える場合に、どういう措置といいますか、対応ができるか。その対象者の問題と方法の問題と2つに係る御質問という理解でよろしいでしょうか。

○松浦委員 そうです。ありがとうございます。

○山川部会長 お願いします。

○篠崎課長 需給調整事業課長です。まず、現行の状況ですが、募集情報等提供事業者については、職業安定法に平成29年に定義を置いて、位置付けをしております。その範囲に対しては、助言指導ができるということですが、どういうことを守るべきかというのは、指針で定めております。法制的に言いますと、法律上の義務ということではなくて、法違反ではなくて、指針で求めていることをやられていないとき、具体的には個人情報の保護もそうですけれども、そういったものが指針に反していますということで、助言指導ができるというところです。そこは行政がアクションをしていることでは一緒かもしれませんが、法違反ではないということ。
 それから法制度的に言いますと、今検討していますのは、法律上の義務を作るかということですので、法律上の義務になると、法律の義務違反となって、助言指導、また通常だと助言指導から始まるわけですが、従わないと改善命令といった、例えば行政処分というような重みが違う形での強い指導ができるようになるというように変わると考えています。
 それから対象者については、今把握をしていないのではないかということで言うと、届出制とか許可制とかそういったもので把握をしておりませんので、どういう端緒で指導するかというと、事案が起こったときに、それを端緒として、問題点についてアクションしていくことで助言指導できるようになるということです。今後、その把握をしていけば、もちろん端緒はあってというのが通常だと思いますが、まず把握している中からいくということになると、連絡先とかも明らかになりますし、それから事業の概況がどうなっているかも行政としてもつかみやすくなるという意味で、行政として情報を把握して、連携していくという部分もありますし、何か起こったときにアクションしやすくなるという意味でも変わってくると思っています。
 その上で、御質問等あったかもしれませんが、今と同じかというと、その定義の拡大も御提案しておりますので、現行の募集情報等提供事業について、求人者又は求職者からの依頼を受けてということだけではなくて、クローリングというか、依頼を受けてないけれども、その情報を集めてきて掲示しているような形のものも含むということにすれば、対象も拡大をするということ。そこに新しく義務が掛かってくるというような形になろうかと思っています。概況的に言うとそういうイメージです。

○松浦委員 ありがとうございます。そうすると、指導監督の対象者は、今回の規制対象として新しく定義される募集情報等提供事業者に変更され、その上で、指導監督の内容については、もし法違反というようなケースであれば、これまでのように指針に違反しているので改善をお願いしますというレベルではなくて、業務改善命令や業務停止命令も視野に入ってくるという理解でよろしいですね。

○篠崎課長 はい、そういう考えでございます。

○松浦委員 分かりました。ありがとうございます。

○山川部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。

○原委員 (1)募集情報の的確性について、大きく2点申し上げたいと思います。(1)の2つ目の○で、「求人者だけでなく、雇用仲介事業者全体についても、募集情報等を提供する際には、虚偽又は誤解を生じさせる表示をしてはならないこととしてはどうか」、この大きな方向性にはもちろん賛成ですが、「虚偽又は誤解を生じさせる表示」の所ですが、業者が故意で虚偽表示をするのはもちろん駄目だと思うのですけれども、結果として虚偽になってしまったとか、あるいは誤解を生じさせるという部分については、受け取る側の主観に左右される部分もございますので、この「してはならないこととしてはどうか」ということを具体的に考えるときには、例えば努力義務のような形にするとか、そういう工夫もあり得るかなと思いますので、この点、後で事務局から御意見があれば伺えればと思います。これが1点です。
 2点目は、すぐ下の3つ目ですが、この求人者についての啓発は非常に重要かと思うのです。と言いますのは、この点はページの一番下の(3)苦情の処理とも関わってくると思うのです。雇用仲介事業者に寄せられる苦情の原因というのは、もちろんこの事業者自身のミスとかそういうこともあるかと思いますが、もともとの求人者が適切ではない情報、古い情報を残していたりすることによって、結果として雇用仲介事業者に苦情が来ることもあるかと思うのです。そうしたことも具体的に考えていきますと、(1)の3つ目の○のように、求人者についてどのような形にするか、例えば努力義務といった形なのか、それよりもソフトな形か、いろいろございますけれども、この募集情報についてできるだけきちんと情報をコントロールしてもらうこと。これは求人者への周知啓発が非常に重要な意味を持っているかと思います。2点目は意見です。私から以上です。

○山川部会長 ありがとうございます。御質問がありましたので、需給調整事業課長、どうぞ。

○篠崎課長 (1)募集情報の的確性に関する御質問、御意見だったと思います。求人者がしっかりとしなければいけないということもございますので、今回の求人者だけではなく、雇用仲介事業者全体にもという場合には、今回、募集情報等提供事業者の議論もありますが、当然、求人者が虚偽を表示しない、誤解を生じさせない表示をすることも大事だと思っております。
 その上で、誤解を生じさせるというのも、どう運用するかということですが、受け止めということをしてしまうとそこはなかなか難しいのではないかという御趣旨だと思っております。実際、虚偽と言えないまでも、故意であるとか、明らかに誤解を招くような表現は存在すると思いますので、そういう場合には法違反として指導することを念頭に置いておりまして、誤解をもって受け止めたから違反だというようには、実際、法の運用はならないのではないかと考えております。その上で、明らかに誤解を招くような表示をした場合には法違反というようなこととした上で、求人者、仲介事業者が業務をしっかり行っていただくというような、運用面でそれがしっかりすることにつながっていくのではないかと考えております。

○山川部会長 原委員、よろしいでしょうか。表示の問題とその内容の問題と2つの次元がありそうな感じもしますので、今のお話は運用にも関わる御意見かなと思った次第です。ほかは何かございますか。

○小野委員 2つの質問があります。まず1つ目は、最後のページの○の2つ目、公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、虚偽の広告をすることについて、罰則規定を設けることにしてはどうかとありますけれども、具体的に、公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務の範囲というのは、どのぐらいのことを考えていらっしゃるのか、想定があれば教えていただきたい。
 2つ目は、先ほどの松浦委員の質問とも少し重なるのですが、募集情報等提供事業者のもともとの意味というのは、紙媒体というところも含めての広い範囲があり、今回、規制を設ける対象は、インターネットであったり、新しい形態がいろいろ展開をしてきているから、そこにどうにか網を掛けようという話になっていると思うのですけれども、紙媒体のものについても今回の議論の対象であると考えていいのか、そこの部分を少し教えていただけたらと思います。

○山川部会長 ありがとうございます。御質問ですので、課長補佐、お願いします。

○高橋補佐 需給調整事業課の高橋です。1点目の御質問ですが、これは現行の運用ですと、例えばオレオレ詐欺の受け子のような犯罪に近い話や、あるいは違法な風俗営業、こういったものを念頭に置いて運用をしております。
 2点目の御質問ですが、今回、インターネットでやられているような新しいサービスに議論が集中しているけれども、紙媒体、旧来のものが含まれるかという御質問でしたが、これは旧来から募集情報等提供に該当する紙媒体、これも含んだ議論だというふうに理解をしております。

○山川部会長 よろしいでしょうか。

○小野委員 はい。

○篠崎課長 今の説明にちょっと補足で申し上げますと、紙媒体の場合も規制の対象、ルールの中に入れるというのは今説明したとおりですが、媒体の性格によって、結果として適用されない部分も出てくるかと思います。例えば、紙だけで出しているものは個人情報を収集していないものについては、ルールは法律上整備をしていくにしても、部分的には対象とする必要がないとか、そういった実際の適用、当てはめとかで違いは出てくるかと思っています。ただ、一方で、最近、紙媒体もネット化しているというか、ネットにも進出しているという動きもありますので、そこは従来の媒体が全く関係ないということではなく、実効上の意味も出てくるのかと考えています。

○小野委員 ありがとうございます。そうすると、虚偽の事柄を書くこととか、古い情報をそのまま載せることは、そもそも論として余りよくないことなので、そこはきちんと見ていかなくてはいけない部分と、あとネットに載せるときは、やはり個人情報を1つの鍵として、そこを収集しているかどうかというところが1つのキーポイントになってくると考えればいいですか。

○篠崎課長 ありがとうございました。ネットに載せていくことによって、個人情報を収集することに結果的になっていたり、そこが大きな動きかなと。それに対応していくような個人情報の規定ということが大事と思っております。整理をすると、規制については、罰則等は、基本的には紙媒体も含めて同じように掛かっていく。その上で、この中に提案しているような、例えば届出なり、把握をする仕組みについては、どういう範囲にするかというときには、労働者になろうとする者に関する情報というのは1つのファクターにしようということであります。ルールとしては全員に掛かる。把握については全てというのが難しいので、一定の範囲に限る。ですから、法律上の義務であるとか、虚偽の広告をした場合の罰則等については、広く定義した人たちには掛かるというようなイメージですが、大きな流れとしては、ネット化というものが要素として大分大きいという中での今の状況です。

○山川部会長 よろしいでしょうか。規定の中身と、それから必要によって規制内容が異なってくる場合が結果的に出てくるということ。運用にも、ちょっと関わっているのかと思いました。

○佐藤委員 私からは、募集情報の的確性の所で2つ申し上げます。先ほど触れられましたけれども、2つ目の〇で、「虚偽又は誤解を生じさせる表示」の所ですが、虚偽はそのとおりですが、誤解を生じさせる表示というところについては、求職者側の受け止めという話はありましたけれども、同時に事業者側についてもばらつきというか、解釈があるかと思います。ですので、例えばこういうことは誤解を生じさせるのだと、ガイドラインというか、そういうものを示せると基準がそろってくるのではないかと思います。
 それから3つ目の○については、「最新かつ正確な内容に保たなければならない」といったところについても、どこまでやるのかというところなのですけれども、やったほうがいいというところの議論と、一方で、現実的に事業者側が対応できることは、よく見極めた上で決めていくほうがいいと考えています。

○山川部会長 ありがとうございます。御意見ということでよろしいでしょうか。いずれにしても予見可能性といいますか、実際上の対応を図るようなことは今後検討されていくのではないかと思います。事務局から、今の点については、よろしいですか。

○篠崎課長 御指摘のとおり、部会長も御発言いただいたように、予見可能性を高めるということは大事だと考えております。こういう例は駄目だとか、そういうことを、例えばガイドラインでということもありましたが、職業安定法においては、法律のほかにも指針で具体化していくとか、そういうこともありますし、あるいは我々周知のときに考えるということで、施行するとしたら、こういうところに気を付けたらということで、御提案だと受け止めさせていただきたいと思いますし、そこの工夫をする必要があるのかなと考えております。

○山川部会長 ありがとうございます。特によろしいでしょうか。ほかに何か御質問、御意見等はありますか。よろしいでしょうか。特になければ、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。
 非常に有益な御意見等を頂きまして、今回の論点についてはおおむね議論が一巡いたしましたので、事務局で、これまでの委員の御質問等に対する説明と、これまでの議論の整理を、改めてお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。では、ほかに特段なければ、事務局から連絡事項等はありますか。

○笠松補佐 事務局です。次回の部会の日程については、追って事務局から御連絡を差し上げますので、よろしくお願いいたします。以上です。

○山川部会長 それでは、以上をもちまして、第331回労働力需給制度部会を終了いたします。皆様、大変お疲れさまでした。