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2021年11月30日 第170回労働政策審議会労働条件分科会 議事録
労働基準局労働条件政策課
日時
令和3年11月30日(火) 10:00~12:00
場所
厚生労働省省議室 中央合同庁舎5号館9階(東京都千代田区霞が関1-2-2)
出席者
- 公益代表委員
- 荒木委員、安藤委員、川田委員、黒田委員、佐藤(厚)委員、藤村委員
- 労働者代表委員
- 川野委員、北野委員、櫻田委員、冨髙委員、八野委員、世永委員
- 使用者代表委員
- 池田委員、佐久間委員、鬼村委員、佐藤(晴)委員、鈴木委員、鳥澤委員、兵藤委員、山内委員
- 事務局
- 吉永労働基準局長、青山審議官(労働条件政策、賃金担当)、石垣総務課長、松原労働条件政策課長、尾田監督課長、坪井医療労働企画官、長澤労働条件企画専門官、木原労働条件政策課長補佐
議題
「労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱」等について(諮問)
議事
- 議事内容
- ○荒木分科会長 それでは、ほぼ定刻で皆様おそろいということですので、ただいまから第170回「労働政策審議会労働条件分科会」を開催いたします。
本日の分科会も、会場からの御参加とオンラインでの御参加の双方で実施いたします。
オンラインで参加いただいている委員の皆様、こちらの音声、映像は届いておりますでしょうか。もし問題があればチャットのほうで御連絡ください。
それでは、本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の水島郁子委員、両角道代委員、それから、労働者代表の梅田利也委員、東矢孝朗委員が欠席と承っております。
議事に入ります前に、本分科会委員の交代、事務局の異動、定足数の報告と本日の議事運営について、事務局から説明をお願いいたします。
○労働条件企画専門官 労働基準局労働条件政策課の長澤と申します。
まず私から、本分科会委員の交代につきまして、御報告させていただきます。お手元の「参考資料No.1」として、労働条件分科会委員名簿を配付してございます。この名簿の順番に従いまして、新しく委員に就任された方々を御紹介させていただきます。
労働者代表の委員として、新たに、全日本自動車産業労働組合総連合会副事務局長の東矢孝朗委員、日本労働組合総連合会総合政策推進局総合政策推進局長の冨髙裕子委員に就任いただきました。
また、使用者代表の委員として、新たに、トヨタ自動車株式会社人事部労政室企画グループ長の鬼村洋平委員に就任いただきました。
以上が新たに委員に就任された方々でございます。
次に、事務局の異動がございましたので、紹介させていただきます。
新しく、大臣官房審議官(労働条件政策、賃金担当)としまして、青山が就任いたしました。
また、労働条件政策課長として松原が、労働条件確保改善対策室長として竹野が、医療労働企画官として坪井が就任いたしました。
よろしくお願いいたします。
次に、定足数について御報告いたします。
労働政策審議会令の規定によりまして、委員全体の3分の2以上の出席、または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、本日、本分科会の定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
次に、本日の議事運営について申し上げます。
まず、本日の分科会につきましても、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、会場参加とオンライン参加、双方による開催方式とさせていただいております。
また、会場の皆様におかれましては、会場備付けの消毒液の御利用や、マスクの着用に御配慮いただきますようお願い申し上げます。
事務局からは以上でございます。
○荒木分科会長 それでは、カメラ撮りはここまでということでお願いいたします。
(カメラ撮り終了)
○荒木分科会長 本日の議題に入りたいと思います。
本日の議題は、「『労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱』等について」です。
本議題につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
なお、本件につきましては、本日、厚生労働大臣からの諮問を受けた案件ということになります。お願いいたします。
○医療労働企画官 ありがとうございます。事務局の医療労働企画官の坪井でございます。
本日諮問させていただく内容につきましては、いわゆる医師に対する時間外労働の上限規制の適用に関する内容ということでございます。
医師に対する時間外労働の上限規制の適用の在り方につきましては、御案内のとおり、長年、関係者の参画を得た検討会のほうで議論が積み重ねられてきております。既に議論としては取りまとめられておりまして、本年5月にはこの内容を反映した医療法等の改正法が成立しているという状況でございます。こうした動き、それから、これまでの議論と整合的な対応を行うということで、今般、労働基準法施行規則等につきましても必要な法令上の手当てをさせていただくという内容になってございます。
まず、資料について御説明いたします。
資料1につきましては、労働基準法施行規則の一部を改正する省令案の要綱。
それから、資料2につきましては、医療法第128条の規定により読み替えて適用する労働基準法第141条第2項の厚生労働省令で定める時間等を定める省令案の要綱。
それから、資料3につきましては、労働基準法施行規則第69条の3第2項第2号の規定に基づき厚生労働大臣が定める要件という告示案の要綱とそれぞれなってございまして、各要綱案についての諮問をさせていただくものとなってございます。
これらの各案の内容につきましては、資料4としまして概要資料を御用意させていただいておりますので、こちらを基に説明させていただければと思います。
それでは、資料4を御覧いただければと思います。
「1.改正の趣旨」でございます。
もともと平成29年3月に働き方改革実現会議におきまして「働き方改革実行計画」が取りまとめられておりまして、こちらに基づき、労働者の時間外労働の上限につきましては、「働き方改革を推進するための関連法律の整備に関する法律」によりまして、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間。単月でも100時間未満、こちらは休日労働を含む形となります。それから、複数月平均で80時間、こちらも休日労働を含むという形で限度を設定するということにされまして、平成31年4月1日、中小企業については令和2年4月1日から既に施行されているという状況でございます。
他方で、医療に従事する医師に関しましては、こちらの計画におきまして、改正法の施行期日の5年後を目途に規制を適用するとされました。そして、医療界の参加の下で検討の場を設けまして、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指すということで、2年後を目途に規制の具体的な在り方、それから、労働時間の短縮策等につきまして検討を行いまして、結論を得るとされたというところでございます。こちらを踏まえて、時間外労働の上限規制の適用を令和6年4月1日まで猶予した上で、医療界の方々、それから、労働組合、労働法学者の参画を得まして検討会を開催しておりまして、ここで検討を行ってきたということでございます。
今般、これらの検討の結果、一般的な医療に従事する医師の時間外労働の上限水準、こちらをA水準と呼びます。それから、地域医療提供体制の確保の観点からやむを得ずA水準を超えざるを得ない場合の水準、こちらはB水準と連携B水準という2つがございますけれども、それと、一定の期間集中的に技能向上のための診療を必要とする医師向けの水準ということでC-1水準、C-2水準という水準が設けられまして、それぞれの水準ごとに異なる上限等が適用されることになったということでございます。
各水準についての説明につきましては、参考資料2のほうにもパワーポイントの概要資料を添付しておりますので、そちらも併せて御参照いただければと思いますけれども、簡単に御説明申し上げますと、B水準につきましてはこちらにも記載がありますとおり、地域で、例えば、救急医療、そういった医療提供体制を確保する観点から、やむを得ずA水準を超える場合ということになっております。
それから、連携B水準、資料4の1ページ目の※2にも記載がございますけれども、現在、一定の病院で地域医療提供体制確保の観点から他の病院等に医師の派遣を行っているという場合がございます。こうしたケースで労働時間が長時間とならざるを得ない場合を想定した仕組みということになってございます。
それから、C水準につきましては、一定の期間集中的に技能向上のための診療を必要とする医師向けということになっておりますけれども、C-1水準というといわゆる初期研修医、それから、後期研修医などが対象になってございます。それから、C-2水準につきましては、医籍登録後6年目以降の方が、高度な技能を取得するためのものということで類型が設けられているということでございます。
こうした上限を設定するとともに、これらの上限は追って御説明いたしますけれども、他の業種より高い上限ということになっておりますので、医師の健康確保の観点から、追加的な健康確保の措置を求めるという仕組みになっているというところでございます。
こうした内容につきまして、次のページになりますけれども、これらのB水準、連携B水準、C-1水準、C-2水準につきましては、それぞれ医療法に基づきまして、特定地域医療提供機関、これはB水準の医療機関のことを指します。それから、連携地域医療提供機関、こちらは連携B水準。それから、技能向上集中研修医療機関ということでC-1水準。それから、特定高度技能研修機関ということで、こちらはC-2水準としての、各都道府県からの指定を受けるという仕組みになってございます。
こうした仕組みとなったことを受けまして、今回の諮問をさせていただいている内容になりますけれども、資料1、労働基準法の施行規則の一部改正の省令案につきましては、いわゆるA水準の時間外労働の上限時間、それから、追加的に講じるべき健康確保措置等について定めるということになっております。
資料2、医療法の規定によって読み替えて適用する労働基準法第141条第2項の厚生労働省令で定める時間等を定める省令案におきましては、いわゆるB水準、それから、C水準に関しての時間外労働の上限時間及び追加的に講じるべき健康確保措置を定めるということになっております。
そして最後、労働基準法施行規則の規定に基づく厚生労働大臣が定める要件でございますけれども、こちらは先ほど申し上げました追加的健康確保措置として実施する面接指導に関しまして、労働基準法第36条第1項の協定で、病院や診療所等の管理者に厚生労働大臣の定める要件を満たした面接指導を行わせるということ等を定める予定となっておりまして、その要件を定めるものということになってございます。
2ページ目の下のほうの「改正の概要」ということになります。
こちらが資料1の内容になりますけれども、まず、中身としましては、医業に従事する医師、こちらは医療提供体制の確保に必要な者として病院または診療所で勤務する医師に限るということになりますけれども、こちらに関して36協定に定めることのできる通常の時間外労働の上限時間を、これは一般の労働者と同じく、1か月について45時間、それから、1年について360時間するものでございます。
それから、こちらはいわゆるB水準、連携B水準、C-1水準、C-2水準に従事する以外の医師ということで、いわゆるA水準が適用される医師についての時間外労働の上限ということになりますけれども、36協定に定めることができる臨時的な必要のある場合の時間外労働というものについて、この上限時間を1か月について100時間未満、それから、1年について960時間とするというものでございます。ただし、時間外・休日労働が1か月について100時間以上となることが見込まれる者につきましては、36協定上、面接指導を行うこと等を定めた場合には1年について960時間とするというものでございます。
それから、先ほどのものは36協定上定められる上限ということになりますけれども、次は、36協定で定めるところによって、時間外・休日労働を行わせる場合であっても超えることのできない上限時間というものについても定めることになりまして、こちらは同様に1か月について100時間未満かつ1年について960未満時間とするということでございます。同様に、時間外・休日労働が1か月について100時間以上となることが見込まれる者につきましては、面接指導を行う等の措置を講じた場合には、1年について960時間にするというものでございます。
それから、3つ目の○ですけれども、A水準適用医師につきましては、一般の労働者に対して求められております健康福祉確保措置に加えまして、厚生労働大臣が定める要件に該当する面接指導を行うということ等を36協定上定めることにしているところでございます。
その他、文言の整理等、所要の改正を行うものでございます。
それから、(2)でございます。
こちらについては、いわゆるB水準、連携B水準、C-1水準、C-2水準に従事する医師について、36協定に定める時間外・休日労働の上限を定めるものでございまして、1か月について100時間未満、こちらについてはA水準と同じでございますけれども、1年について1,860時間とするというものでございます。ただし書以降、こちらもA水準と同じでございますけれども、時間外・休日労働が1か月について100時間以上となることが見込まれる方については、36協定に面接指導を行うこと等を定めた場合には1年について1,860時間とするというものでございます。
こちらの下のほうの※に書いてございますけれども、連携B水準につきましては、もともと派遣元の医療機関では時間外・休日労働は960時間ということではありますけれども、派遣先での労働時間を含むと960時間を超える医師を想定しているということになりますので、個々の医療機関との関係で定めることのできる36協定上の上限については960時間となるというものでございます。
それから、一番下の○ですけれども、こちらも先ほどのA水準と同様で、36協定上の上限とは別に、36協定に定めるところによって時間外・休日労働を行わせる場合であっても超えることのできない上限時間を定めるものでございまして、1か月について100時間未満かつ1年について1,860時間とするというものでございます。こちらのただし書もA水準と同様でございまして、時間外・休日労働が1か月について100時間以上となることが見込まれる者につきましては、面接指導を行う等の措置を講じた場合には1年について1,860時間にするというものでございます。
それから、次の○でございます。
A水準と同様に、BC水準適用医師につきましても、一般労働者について求められております健康確保措置に加えまして、面接指導を行うということも定められておりますけれども、BC水準につきましては、勤務間のインターバルを確保するということ等も36協定上定めるということにしているところでございます。
それから、次の○になります。
B水準につきましては、いわゆる現在の医療の地域提供体制、すなわち医療の地域偏在等も踏まえてやむを得ず長時間労働になる場合ということを想定して設けられた仕組みということになります。この視点から申し上げると、今後、医療の機能分化や役割分担等によりまして、医療の地域偏在等の解消を目指しております2035年度末に向けては、このB水準についても同時に解消していくことを目指すということになってございます。これを踏まえまして、B水準につきましては、令和18年3月31日、すなわち2035年度末に向けまして段階的に見直ししていくということを附則で規定しているということでございます。
それから、(3)でございます。
こちらは、先ほど申し上げました追加的健康確保措置の一環として実施する面接指導の要件を定めるものということでございます。面接指導の具体的なやり方を規定している内容ということになります。
①でございます。まず、管理者のほうが、事前に面接指導の対象となる医師、こちらを「面接指導対象医師」といいますけれども、こちらの睡眠の状況等を確認した上で、1か月について時間外・休日労働が100時間に達するまでの間に行われるものであるということを規定しております。ただし、A水準適用医師については、疲労の蓄積が認められないような場合には、時間外・休日労働の時間が100時間に達するまでの間または100時間以上となった後に遅滞なく行ってくださいということを規定するものでございます。
それから、面接指導を実施する医師の要件ですけれども、こちらも一定の講習を受講しているということ等、そういった要件に該当している方がやってくださいということを規定しているものでございます。
それから、3番目、面接指導の実施医師が、管理者から、面接指導対象医師の労働時間に関する情報その他の面接指導を適切に行うための必要な情報の速やかな提供を受けるようにしてくださいということを規定しております。
それから、4つ目でございますけれども、面接指導の実施医師は面接指導対象医師の勤務の状況等について確認をしっかり行った上でやってくださいということを規定しているということでございます。
そして、最後の5ページということでございます。
こちらの根拠条文については、こちらに記載のとおりということになりまして、施行期日等につきましては、先ほど申し上げたとおり、医師に対する時間外労働の上限規制の適用は令和6年の4月1日からということで定められておりますので、こちらが施行日になるということで予定しているところでございます。
簡単ですけれども、私からの説明については以上ということになります。御審議のほどよろしくお願いできればと思います。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
オンラインで参加の委員の皆様、こちらの音声、映像等、問題ないでしょうか。
それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、御質問、御意見があれば、お願いいたします。
なお、オンライン参加委員の皆様におかれましては、発言の希望を「発言希望」という形でチャットに記入してお知らせください。手を挙げる機能は使わずにチャットのほうに「発言希望」と記入をお願いいたします。
それでは、発言希望の方、会場の方は挙手で結構です。
冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 ありがとうございます。
今般の内容につきましては、医療現場全体の長時間労働の抜本的な見直しに向けた第一歩だと受け止めております。この省令案要綱についても、検討会で議論を重ねて導き出された内容であり、また、具体的な長時間労働の段階的な是正を図っていくことが示されているということ、規制の導入を期待している声もあるということを踏まえれば、おおむね妥当と考えているところでございます。
その上で、今後取組を進めるに当たって、特に御留意いただきたいことを幾つか申し上げたいと思います。
まず、1点目でございますけれども、改正内容の周知徹底は当然のことながら、各医療機関における適正な労働時間管理、それから、追加的健康確保措置の実効性ある履行というものがしっかりなされるように、悪質な事案等への適切な対応を含めた厳正な指導監督が必要だと考えております。
2点目としまして、特定医師が副業、兼業を行っている場合には、主たる勤務先が中心となって副業、兼業先を含めて労働時間を通算いたしまして適正に管理するように、医療機関及び医師への周知を徹底していただきたいと考えております。
3点目でございますけれども、これは検討会のほうでも議論になりましたが、C-2水準が抜け道とならないように、C-2水準の対象技能につきましては審査組織全体による審査プロセスのチェック厳格に行うべきと考えております。今後の運用状況も注視しながら対象分野をより限定することも含めてスキーム全体を見直すということも必要ではないかと思っているところでございます。
また、C水準につきましては2036年以降も残るわけでございますけれども、改正医療法の参議院の附帯決議においては、将来的な縮減に向けた検討に着手するということが求められております。地域医療構想の推進や、医師の偏在対策等の医療提供体制の改革を進めていただきながら、可能な限り早期に解消されるよう着実に見直しを行っていただきたいと思います。また、B水準につきましても3年ごとに見直しが行われるわけですが、可能な限りこれも前倒しで解消していただくよう、労働時間短縮の支援強化と、指導監督の徹底をぜひお願いしたいと考えております。
以上です。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
ほかにはいかがでしょうか。
佐久間委員、お願いいたします。
○佐久間委員 ありがとうございます。
今、冨髙委員から言われたとおり、この医師の働き方改革の関係では、私も従前から当分科会でも申し上げていますように、1,860時間、特にB・Cの機関は非常に多い時間外労働時間を認めることになっています。「見直し」、そして、「検証」しながら実施をするということですが、最終的にはこの時間外労働の上限規制は2035年度までということになっていて、いつも気になっているところです。全ての労働者に同じような上限の規制がかかる必要があり、医師をはじめとして、例外措置をなるべく、と言ってよろしいと思うのですけれども、つくらないように検証等を重ねて努力していただきたいと思っております。
それから、2点ほど確認をさせていただきます。
連携B、Cについて時間外労働の時間は非常に長く設定されています。先ほど、大学病院から派遣する形態の説明がありました。多分、この機関に勤められている医師の中には、これは副業とか兼業的になると思うのですけれども、大学病院に所属され、その派遣元というか、属しているところの病院等でも非常に勤務時間が多く、時間外労働が発生しているとすると、派遣や紹介されたB、Cの機関では、すぐに時間外労働という賃金体系になっていくのか、そちらを確認させてください。
それから、もう一点ですが、Bは大学病院などで、規模も大きく、ほとんどが地域の中核的な病院になると思うのですけれども、Cの機関は、研究機関等、規模で見れば、中小企業的でもあり、臨床医とか、研修医とか、そういう立場になったときに、再来年の4月からは中小企業における月60時間超の時間外労働の割増賃金が適用され、60時間を超えた場合には50%の割増賃金率を支払う必要があると思います。Cについて、中小企業的な機関について、医療機関の中小規模の判断はどう見ていくか。一般的には、従業員数と資本金規模で判断していきますが、資本金はないことから、どういうふうに判断をされていくか。中小とは当たらない例外措置になるのか、そちらを教えていただければと思います。
以上です。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
それでは、質問でございましたので、事務局からお答えいただけますでしょうか。
○医療労働企画官 事務局でございます。
1つ目の点でございます。例えば、連携B水準を取るようないわゆる大学病院でかなり働かれている方が兼業、副業先で働く場合は時間外労働のような形でカウントされるのかということであろうかと思いますけれども、いわゆる法定労働時間を大学病院の中で働かれているということでございましたら、通常はその兼業先、副業先で働いている時間は時間外労働ということになるということであろうかと思います。
それから、2つ目の点、いわゆる時間外労働の割増しの部分で、中小の規模の医療機関をどのように把握するのかという点でございますけれども、こちらに関しても基本的には他業種と同様の考え方ということになろうかと思いますので、一義的にはその医療機関で働かれている方の数というところで判断をしていくということになろうかと思ってございます。
以上でございます。
○荒木分科会長 佐久間委員、よろしいでしょうか。
○佐久間委員 分かりました。ありがとうございます。
○荒木分科会長 それでは、ほかに御意見等はございますでしょうか。特段ほかに御質問、御意見等はございませんでしょうか。
それでは、内容について特段異論等の御指摘はございませんでしたので、当分科会といたしましては、ただいま説明のありました省令案要綱等につきましては、「おおむね妥当」と認め、労働政策審議会宛てに報告することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○荒木分科会長 ありがとうございました。
それでは、そのように進めさせていただきます。
事務局から答申の案文とかがみの配付をお願いいたします。
(答申案文、報告かがみ配付)
○荒木分科会長 会場の委員には今、お配りしたところですけれども、オンラインで参加の委員の皆様には画面共有で御覧いただくということになっております。
それでは、お手元のあるいは画面上の答申と報告の案について御確認いただきたいと思います。
労働政策審議会令第6条第7項及び労働政策審議会運営規程第9条の規定により、「分科会の議決をもって審議会の議決とすることができる」こととされております。
そこで、お配りした案のとおり、労働政策審議会長宛てに報告し、この報告のとおり厚生労働大臣宛てに答申を行うこととしたいと考えますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○荒木分科会長 ありがとうございました。
異議はないということで、御承認いただいたことといたします。
この時点で事務局より何か御発言はございますでしょうか。
○労働条件政策課長 労働条件政策課長でございます。
委員各位におかれましては、御答申いただきましてありがとうございます。今後、本日の答申を受けまして、厚労省としましては、必要な省令改正もしくは告示改正の手続を進めさせていただきたいと考えております。施行日については令和6年になりますけれども、先ほど冨髙委員からお話がございましたが、厚労省といたしましては、本省令案等に基づきます周知徹底を早めに行っていきたいと思います。また、施行の暁には、必要な指導監督等を行いまして、履行確保を図ってまいりたいと考えております。
事務局からは以上でございます。
○荒木分科会長 ありがとうございました。
私自身も医師の働き方検討会に参加させていただきました。国民、患者の命とともに医師の命、それから、医療関係者の命も守るということで大変真摯な議論の末に到達した結論でした。これを受けまして、本日、御議論、検討いただきまして、このように答申がまとまりました。皆様の御協力に感謝を申し上げます。
それでは、ほかに特段なければ本日の議題は終了ということになりますので、今日はここまでとさせていただきたいと思います。
最後に、次回の日程等について、事務局からお願いいたします。
○労働条件企画専門官 失礼いたします。
次回の労働条件分科会の日程等につきましては、調整の上、追って御連絡さしあげます。
○荒木分科会長 それでは、これをもちまして、第170回「労働条件分科会」を終了といたします。
本日は、御参加いただきましてどうもありがとうございました。