第28回肝炎対策推進協議会 議事録

健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室

日時

令和3年11月12日(金)10:00~12:00

場所

オンライン開催

出席者

委員
  • 味木 和喜子(兵庫県健康福祉部健康局長)
  • 泉 並木(武蔵野赤十字病院院長)
  • 出田 妙子(薬害肝炎原告団)
  • 及川 綾子(薬害肝炎原告団)
  • 及川 勝(全国中小企業団体中央会常務理事)
  • 大久保 暁子(日本労働組合総連合会労働条件局長)
  • 釜萢 敏(公益社団法人日本医師会常任理事)
  • 河本 滋史(健康保険組合連合会常務理事)
  • 考藤 達哉(国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長、肝炎情報センター長)
  • 小池 和彦(公立学校共済組合関東中央病院病院長)
  • 後藤 千代美(日本肝臓病患者団体協議会)
  • 坂上 博(読売新聞調査研究本部主任研究員)
  • 鹿野 さゆり(全国B型肝炎訴訟東京原告団)
  • 清古 愛弓(葛飾区健康部長兼葛飾区保健所長)
  • 辰巳 創史(全国B型肝炎訴訟大阪原告団)
  • 日浅 陽一(愛媛大学大学院医学系研究科教授)
  • 村松 正道(国立感染症研究所ウイルス第二部長)
  • 山﨑 喜彦(日本肝臓病患者団体協議会)
  • 米澤 敦子(日本肝臓病患者団体協議会代表幹事)

議題

  1. (1)肝炎対策基本指針見直し案について
  2. (2)その他

議事

議事内容
○簑原肝炎対策推進室長 皆様おはようございます。定刻となりましたので、ただいまより第28回「肝炎対策推進協議会」を開催させていただきます。
委員の皆様におかれましては、本日もお忙しい中御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
私は、9月14日付で肝炎対策推進室長に着任をいたしました簑原でございます。本日は、冒頭の議事進行をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
本日の協議会につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、委員の皆様におかれましてはオンラインでの御出席、また、傍聴される方やメディアの方に対してはユーチューブ配信という形で開催させていただいております。
本日は委員の皆様にウェブ上で御参加をいただいておりますので、接続状況によりまして画像・音声が乱れる場合がございます。あらかじめ御承知おきいただきますようお願いを申し上げます。
また、会議中につきましては基本的にビデオをオフにしていただいて、マイクのほうはミュートにしていただきますようにお願いをいたします。
御発言を希望される方におかれましては、ビデオをオンにしていただきますようにお願いをいたします。
その後、会長より御指名をされましたら、ミュートを解除した上で御発言をお願いいたします。御発言の際にはお名前を名乗っていただきまして、可能な限りゆっくりお話をいただきますようにお願いをいたします。
より多くの委員の御発言の機会を確保するために、できる限り簡潔にお話をいただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。
御発言を終了する際には、その旨お知らせをいただきまして、ビデオをオフにし、マイクをミュートにしていただきますようにお願いをいたします。
操作などの御質問がある場合につきましては、事務局のほうまでお問合せをいただきますようにお願いをいたします。
それでは、まず初めにお二人の委員の交代がございましたので御紹介をさせていただきます。恐縮でございますけれども、紹介をさせていただいた委員の方におかれましては、一言ずつ簡単に自己紹介をお願いいたします。
まずお一人目でございますけれども、兵庫県健康福祉部健康局長の味木和喜子委員でございます。お願いをいたします。
○味木委員 失礼いたします。兵庫県健康福祉部の味木でございます。全国衛生部長会からの御推薦によりまして、都道府県行政の立場で参加させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
○簑原肝炎対策推進室長 ありがとうございます。
続きまして、お二人目でございますけれども、全国中小企業団体中央会常務理事であらせます及川勝委員、お願いをいたします。
○及川委員 おはようございます。全国中小企業団体中央会の及川でございます。
中小企業の実態を踏まえて発言させていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○簑原肝炎対策推進室長 ありがとうございます。
続きまして、委員の出席状況について御報告を申し上げます。
本日は、郡山委員のほうから御都合により御欠席という御連絡をいただいております。20名のうち19名の委員の方々に御出席をいただいております。定足数に達しておりますので、本日の会議は成立いたしますことを御報告させていただきます。
また、本日の資料でございます。まずは議事次第、委員名簿、座席表、配付資料一覧、資料1から3、参考資料1から6となってございます。
もし資料の不備等ございましたら、事務局のほうにお申しつけをいただきますようにお願いいたします。
また、この後、議事に入らせていただきますけれども、ここまでのところでもし接続状況の不具合などございましたら、併せて事務局のほうまでお申しつけをいただきますようにお願いをいたします。
それでは、以後の議事進行につきましては小池会長によろしくお願いをいたします。
○小池会長 小池でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入らせていただきます。本日の協議会では、肝炎対策基本指針の見直しに向けて前回御審議いただきました見直しの方針案を踏まえまして、事務局に改正案を作成していただきました。この改正案を基に議論を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、まず議題(1)「肝炎対策基本指針の見直し案について」に関しまして、事務局のほうから資料の御説明をよろしくお願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 それでは、資料の説明のほうをさせていただきます。
まず「肝炎対策基本指針の改正のポイント(案)」ということで、資料1のほうを御覧いただければと思います。
前回の肝炎対策推進協議会におきましては、見直しの基本的考え方を御説明させていただきまして御意見を頂戴いたしました。本日の協議会におきましては、前回の御意見を踏まえて作成しました指針の改正案について御説明をさせていただきたいと思っております。
まず、資料1におきましてその概要を御説明した後に、項目ごとの具体的な案文につきましては、後ほど資料2のほうで御説明をさせていただきたいと思っております。
資料1の1ページ目を御覧いただければと思います。
第1の基本的方向といたしましては、国の肝炎対策の全体的な施策の目標といたしまして、受検・受診・受療・フォローアップの推進、B型肝炎に対する根治薬の開発などの肝炎総合対策を推進することによりまして、「肝炎の完全な克服」を達成することで、肝硬変・肝がんへの移行者を減らすことを目標といたしまして、肝がんの罹患率をできるだけ減少させることを指標として設定することを明確にさせていただいております。
また、肝炎総合対策を推進するに当たりまして、肝炎ウイルス検査及び肝炎医療の均てん化を図ることが重要であるものの、依然として各地域の取組状況に差があるという状況でございますので、関係者が地域の実情や特性を把握しながら、それに応じた取組を推進することが必要であることを改めて明記するということでございます。こちらは、肝炎対策基本法の基本理念にも定めてはおりますが、改めて明記をさせていただきたいと思っているところでございます。
第2の予防についてでございます。B型肝炎ワクチンの定期接種、C型肝炎患者のインターフェロンフリー治療等の推進に引き続き取り組みたいと考えているところでございます。
続きまして、第3の検査の関係でございます。肝炎ウイルス検査を受けたことがない方々に対して、肝炎ウイルス検査に関する効果的な広報に取り組むという方向を明記させていただきたいと思っているところでございます。
第4でございますが、肝炎医療提供体制の確保でございます。国、肝炎情報センター、地方公共団体、医療機関などは肝炎患者の方々が個々の病態に応じた適切な肝炎医療を受けられるように、肝炎患者の方々御自身が診療についての正しい知識を得られるように取り組むことを記載しております。
続きまして、2ページ目を御覧いただければと思います。
第5でございます人材の育成でございますが、地方公共団体は国、拠点病院などと連携をして肝炎医療コーディネーターの育成後もその活動状況の把握に努めるとともに、肝炎医療コーディネーター間の情報共有や連携がしやすい環境の整備に努めることを記載させていただいております。
続きまして、第6、第7の調査研究と医薬品の研究開発についてでございます。「肝炎研究推進戦略」に基づく肝炎研究を一層推進するということと、肝炎対策を効果的に実施できるように各種の行政研究を進めることを記載させていただいております。
また、肝炎治療に係る最近の動向を踏まえまして、特にB型肝炎、肝硬変、肝がんを含むがんの治療に係る医薬品の開発等に係る研究を促進するということを記載させていただいております。
続きまして、第8でございます。知識普及と人権尊重に関することでございますが、国は様々な機会を利用して肝炎患者の方々、患者家族の方々に対する偏見や差別を解消するために地方公共団体、学校教育関係者、患者団体などの様々な関係者と連携をさせていただいて、肝炎に関する啓発及び知識の普及並びに肝炎患者等の人権の尊重に係る推進方策を検討させていただいて、肝炎患者の方々の人権の尊重に向けた取組を進めることを記載させていただいているところでございます。
第9は、その他の重要事項でございます。国及び肝炎情報センターは、都道府県間での肝炎医療の均てん化に資するように、その実施状況に鑑みまして、適切な情報提供や助言、さらに必要な意見交換を地方公共団体、拠点病院等に対して行うものと記載をさせていただいております。
以上が、主なポイントということでまとめさせていただいたものでございます。
続きまして、資料2の「肝炎対策基本指針新旧対照表(案)」を御覧いただければと思います。
先ほど資料1におきまして概要を御説明させていただきましたが、具体的な肝炎対策基本指針の案文を新旧対照表という形でお示しをさせていただいているところでございます。
左側が現行の指針でございます。右側が改正案ということで、線を引いているところが修正を予定している箇所でございます。
また、左端のほうに番号を振らせていただいております。これは、本日の議論を円滑にさせていただくために便宜的に記載をさせていただいているものでございまして、順に通し番号を振らせていただいております。また、後ほど御発言いただく際にはこの番号をお示しいただきながら御発言をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、資料2のほうの御説明に入らせていただきます。
目次の後、1から始まるところがいわゆる前文というところでございます。
まず1番でございますけれども、ウイルス性や自己免疫性などの肝炎の原因が列挙されておりますが、そこに脂肪性を追加するとともに、近年では若年層のB型肝炎患者数は母子感染防止事業等によりまして、C型肝炎患者数は治療薬の進歩等によりまして減少傾向にあるものの、全体のB型肝炎患者数は足元では増加傾向にあるということ、また依然としてウイルス性肝炎は肝炎患者の半数に上りまして重症化しやすいということでございますので、B型肝炎及びC型肝炎に係る対策が喫緊の課題であることに変わりはないということで、対策の継続が必要であるということを記載させていただいております。
2ページ目を御覧いただければと思います。
4番の項目でございます。研究分野に関しまして「肝炎研究十カ年戦略」に基づき取組を進めてきたところでございますけれども、C型肝炎はインターフェロンフリー治療薬の開発によりまして高い確率でウイルスの排除が可能になった一方で、C型肝炎ウイルス排除後の発がん等の対応は引き続き必要であるということ、また、B型肝炎につきましてはいまだウイルスを排除できる根治薬というものがなく、その研究開発の継続が必要であるということを記載させていただいております。
続きまして、5番でございます。5番では、地方公共団体等によります受検・受診・受療の促進に向けた取組が行われ、一定の効果を上げているところでございますけれども、依然として肝炎医療を必要とする方々に適切に肝炎医療を提供していくためには、いまだ解決すべき課題が多いということを記載させていただいた上で、特に我が国における肝炎患者が高齢化しているということを踏まえまして、高齢者にも分かりやすい、より丁寧な普及啓発を行う必要があるということを記載させていただいております。
続きまして、3ページ目を御覧いただければと思います。
6番でございますけれども、地域の実情に応じました肝炎対策を策定及び実施する地方公共団体における取組について、継続は重要であるということを明記させていただいているところでございます。
7番でございます。公衆衛生上の脅威としての肝炎ウイルスの排除達成を令和12年度までに目指すことをWHOが目標として掲げているということを踏まえまして、B型肝炎に対する根治薬の開発及び既に実用化されているC型肝炎の抗ウイルス療法の活用によりまして、B型及びC型肝炎ウイルスを高い確率で体外に排除することを可能にし、「肝炎の完全な克服」を目指すことが必要であることを新たに記載させていただいているところでございます。
続きまして、4ページ目を御覧いただければと思います。
10番からは、第1の「肝炎の予防及び肝炎医療の推進の基本的な方向」が規定されているところでございます。
まず10番でございますけれども、10番には指針が掲げる目標などが記載をされているところでございますが、先ほどの前文との整合性も踏まえまして「肝炎の完全な克服」を達成することで、肝硬変または肝がんへの移行者を減らすことを目標といたしまして、肝がんの罹患率をできるだけ減少させることを具体的な指標として設定をさせていただくということを記載させていただいております。
続きまして、5ページ目を御覧いただければと思います。
括弧書きで「(28)~(31)」というふうに左のほうの欄に記載をさせていただいているところでございます。こちらは、前回お示しした資料において、後ろに書いてあった箇所が全体の構成を見直して場所を移動しておりますので、前回の資料で申しますと28から31番であったという意味で、括弧書きで書かせていただいている部分でございます。
28から31番という部分でございます。肝炎ウイルス検査及び肝炎医療の均てん化につきまして、基本的な考え方として今回新たに項目立てをして記載をした部分となります。前回の協議会におきまして、山﨑委員からも御提案がございました。
肝炎対策基本法におきましては、肝炎ウイルス検査及び肝炎医療の均てん化の理念がうたわれているところでございますが、依然として各地域の取組状況に差があり、そのため、関係者が地域の実情や特性を把握しつつ、それに応じた取組を推進することが必要であるということを改めて明記させていただいているところでございます。
13番、14番のほうに受検の勧奨等について記載をさせていただいております。
まず13番でございますが、肝炎ウイルス検査のさらなる促進に向けまして、受検の必要性について広く国民に普及啓発を行うと同時に、年齢等に焦点を絞って普及啓発を行うことも重要であるというふうな記載をさせていただいております。
前回の協議会におきましても、検査を受けるべき年齢は医学的には確立しておらず、また、一定の年齢の設定は困難であるということを御説明させていただきました。年齢や対象に応じまして、臨機応変に適切な普及啓発を行うことが必要であるという趣旨で、この記載をさせていただいているところでございます。
続きまして14番でございますが、特に未受検者に対して普及啓発を行うこと、C型肝炎は高い確率でウイルス排除が可能であること、B型肝炎もウイルスの増殖の抑制が高い確率で可能であることの理解を促しつつ、早期受診のメリット等を理解していただきまして、受診の促進につなげるといったことを記載させていただいているところでございます。
15番でございますけれども、こちらは医療の進歩によりまして心身などへの負担がより少ない治療が可能となっているということが現状としてございますので、治療と就労の両立に向けて、より一層の普及啓発を行うことが重要であるということを記載させていただいております。
続きまして、6ページ目をお開きいただければと思います。
16番でございますが、肝炎患者さんが適切な医療を受けられるように、医療機関において、肝炎は症状が進行しなければ自覚症状が乏しいことが多いこと、肝炎患者等に対する偏見や差別が存在することなどの事情を認識して肝炎患者等に接することが必要であるということを記載させていただいております。
続きまして、19番でございますが、ICTの活用などによりまして地域連携の強化に向けた研究を推進することが必要であるということを記載させていただいているところでございます。
続きまして、7ページ目をお開きいただければと思います。
22番でございますが、肝炎対策を総合的に推進するための基盤となる行政的な課題を解決するために必要な研究についての記載がございますけれども、研究を推進するに当たりまして、「各地域により異なる肝炎医療等の現状と課題を踏まえて進める必要がある」というふうな記載をさせていただいているところでございます。
23番からは、(5)として正しい知識の普及啓発についての内容となっているところでございます。この項目の表題につきましては、普及啓発のみならず肝炎患者の方々の人権の尊重という記載とした上で、普及啓発について幅広い世代に対応して各年代に応じた分かりやすいものとなるよう、その効果を見つつ取り組むというふうな記載をさせていただいているところでございます。
また、8ページ目に移っていただければと思います。
25番でございますが、肝炎患者等に対する偏見や差別を解消するためには、このような正しい知識の普及を前提に、感染症患者に対する偏見や差別の歴史も踏まえて、肝炎患者等の人権を尊重するためにはどのように振る舞うべきかを考えて学ぶことが重要であるというものを記載させていただいております。
また、肝炎患者の方々の人権の尊重について取組を推進するということは、感染症患者全体の偏見や差別の解消に資するというものでございますので、国はこのような観点から地方公共団体、学校教育関係者及び患者団体などの方々といった様々な関係者と連携をさせていただいて、その方策の検討を進める必要があるというふうに新たに記載をさせていただいているところでございます。
続きまして、32番からは第2の「肝炎の予防のための施策に関する事項」という部分でございます。
9ページ目をお開きいただければと思います。
34番でございます。こちらは、B型肝炎に対するワクチンによる水平感染の防止といったことが記載されているところでございますけれども、引き続きB型肝炎ワクチンの定期接種を推進していくとともに、C型肝炎についてはウイルス排除が可能となったことから、感染予防の観点からもインターフェロンフリー治療等の推進に取り組むことを記載させていただいているところでございます。
また、今後取組が必要な事項として、10ページの39番にも同様の趣旨の記載をさせていただいているところでございます。
続きまして、35番でございます。医療機関に対して、標準的な感染予防策の重要性について改めて周知をさせていただくということを記載させていただいております。また、後ほど御説明をいたします77番のほうにも同様の趣旨を記載させていただいているところでございます。
続きまして、36番でございます。感染のリスクがある行動を避けるための普及啓発の記載でございますが、そういった行動の例といたしまして御意見いただきましたとおり、ピアスと並びましていわゆるアートメイクを加えまして、リスクを避けるための正しい知識の普及啓発を、年代を限定することなく幅広く行うという記載をさせていただいているところでございます。
それでは、10ページ目をお開きいただければと思います。
10ページ目は、40番からでございます。こちらは、第3の「肝炎検査の実施体制及び検査能力の向上に関する事項」が記載されている部分でございます。
そのうち40番でございますが、肝炎ウイルス検査はプライバシーへの配慮などから検査結果の取扱いに留意する必要があることを追記させていただいた上で、検査の受検状況について実態把握が困難な状況があるということを記載させていただいているところでございます。
続きまして41番でございますが、受検促進に向けた実態把握の必要性について記載をされているところでございます。こちらは、行政事業レビューのほうで受検や受診の促進について取組が必要な対象を明確化するようにという御指摘をいただいているところでございますが、受検や受診の促進の対象を明確化するためには調査・研究を進めていく必要がありますので、検査の促進のみならず受診の促進のため、陽性と判明した方のフォローアップの状況についても調査・研究に含まれるように「肝炎ウイルス検査「等」の実施状況」といった記載をさせていただいているところでございます。
続きまして、11ページ目をお開きいただければと思います。
43番でございます。こちらは、検査体制の整備について記載をさせていただいているところでございます。患者団体の皆様からの御意見を踏まえまして、「職域等におけるプライバシーに配慮して」ということを40番と同様に追記をさせていただきたいと考えております。
続きまして、44番でございます。こちらは、受検率向上の取組の必要性について記載をされているところでございます。未受検者に対してさらなる周知が必要ということでございますので、各都道府県の肝疾患センター及び地方公共団体から肝炎ウイルス検査を受けたことがない方々に対する働きかけを行うなど、現場の状況に応じた対応を図っていくことが重要であるというふうな記載をさせていただいているところでございます。
続きまして、12ページ目を御覧いただければと思います。
48番でございますが、受検に関する広報等の取組についての記載がございます。特に、肝炎ウイルス検査を受けたことがない方々に対して肝炎ウイルス検査に関する効果的な広報に取り組むということを記載させていただいているところでございます。
続きまして、13ページ目を御覧いただければと思います。
51番でございますが、医療機関における肝炎ウイルス検査結果の確実な説明に向けた取組という事柄が記載されておりますけれども、検査結果を確実に説明していただくことは医療機関の規模にかかわらず重要でございますので、「診療所等も含めた」という形で追記をさせていただいているところでございます。
続きまして、53番からは第4の「肝炎医療を提供する体制の確保に関する事項」についての部分でございます。
まず53番で、肝炎患者の方々が適切な医療を受けるためには、ウイルス性肝炎の診療・治療について患者御自身が正しい知識を持つことが必要であるという御提案をいただきましたことを踏まえまして、54番のほうに肝炎ウイルス検査の陽性者の方や、肝炎患者が適切な医療を受けるためには、陽性者の方、肝炎患者の方御自身が診療についての一般的な知識を持つことが必要であるということを記載させていただいているところでございます。
続きまして、14ページ目をお開きいただければと思います。
56番でございますが、受診の促進のためのフォローアップなどの取組や実態把握の必要性について記載されているところでございます。フォローアップ等の取組に当たりましては、都道府県は市区町村が適切な情報交換を行うとともに、医療機関及び保険者などの地域や職域において健康管理に携わる方々を含めた関係者の協力を得ながら推進すること、ということを記載させていただいております。
併せて、国のほうでは、都道府県と市町村間のフォローアップ事業における情報共有の実態の調査、その好事例を展開するといった施策を検討していくとともに、精密検査の受診率の把握にも取り組むことを記載させていただいております。また、行政事業レビューのほうで受検・受診・受療・フォローアップの全体的な状況について把握するようにというふうな御指摘をいただいているところでございます。
プライバシーへの配慮も必要でございますので、網羅的なデータ自体を把握することは困難ではございますけれども、連携を深めながら引き続き把握に取り組むということを記載させていただいているところでございます。
続きまして、57番でございます。肝炎対策に関する取組に当たりましては、その実施状況を把握して、効果的であるか、適宜検証を行いながら実施すること、ということを記載されておりますけれども、均てん化の観点も踏まえまして「必要に応じて情報交換を行いながら実施をする必要がある」という記載をさせていただいているところでございます。
続きまして、15ページをお開きいただければと思います。
60番でございますが、こちらは54番と同様に、肝炎患者の方々御自身が診療についての正しい知識を得られるように取り組むということを記載しております。
また、肝炎医療コーディネーターの育成などについて記載されておりますけれども、育成とその後の活躍を推進するということと、地方公共団体及び拠点病院は医療機関などと連携をして、肝炎医療コーディネーターの活動を可能な限り支援をするということを記載させていただいているところでございます。
続きまして、16ページ目をお開きいただければと思います。
64番でございます。都道府県における肝炎対策協議会、拠点病院等連絡協議会などの地域の肝炎対策を推進するための協議の場について記載をされている部分でございます。行政的な課題の解決のためには、肝炎患者さんや患者団体のほうで把握をしている実態が都道府県の協議会でございますとか拠点病院連絡協議会で共有されることは重要なことと考えているところでございます。そのために、拠点病院は拠点病院等連絡協議会等で患者の意見を聴取する機会を持つことなど、患者の意見を把握する方策について検討し、必要な対応を行うというふうな記載をさせていただいているところでございます。
1ページ飛びまして、18ページ目を御覧いただければと思います。
70番でございます。こちらは、肝炎に関係する各種助成制度についての記載に、肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業を追記させていただいております。肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業につきましては、前回の協議会で辰巳委員のほうから「周知の方策の検討のみならず、手続が複雑なため、簡素化するなどの方策も含めて検討の余地があるのではないか」という御意見をいただいているところでございます。
この点につきましては、我々も患者団体等の皆様の思いと同じように、本事業によりまして支援を必要としている方々が助成を受けられるように周知の方策の検討に加えまして、肝がん事業の実施状況等を踏まえまして各種検討をしっかりと行っていく所存でございます。
いただいた御意見を踏まえまして御趣旨の指針への反映についてでございますけれども、70番のほうでは肝がん事業のほか、抗ウイルス療法に対する肝炎医療費助成、身体障害者手帳など、肝炎に関する各種制度についての記載をさせていただいているところでございます。後ほど御説明いたしますけれども、119番のほうにも反映させていただいておりますので、そちらを後ほど御説明させていただきたいと思います。
72番でございますが、相談体制についてでございます。都道府県及び拠点病院は、地域の実情に応じましてICTの活用など、必要な取組を検討して適切な相談体制の整備を図るということを記載させていただいております。
73番からは、第5の「肝炎の予防及び肝炎医療に関する人材の育成に関する事項」が記載されている部分でございます。
19ページ目をお開きいただければと思います。
77番でございますが、こちらは先ほどの35番と同様に、肝炎患者の方々が適切な環境で適切な医療を受けられるように、医療機関に対して標準的な感染予防策の重要性について改めて周知を行うということを記載させていただいております。
78番では、肝炎医療コーディネーターについて記載されております。地方公共団体は、国、拠点病院などと連携をして、肝炎医療コーディネーターの育成と活躍の推進に取り組み、また、育成後もその活動状況の把握に努めるとともに、肝炎医療コーディネーター間の情報共有や連携がしやすい環境の整備に努めるということを記載させていただいております。
続きまして、20ページをお開きいただければと思います。
81番からは、第6の「肝炎に関する調査及び研究に関する事項」でございます。
81番では、C型肝炎についてはウイルス排除後の病態や診療の在り方などについて研究を実施していく必要があるという御提案をいただいておりますので、83番にその趣旨を記載させていただいているところでございます。
1つ戻りまして82番でございますが、行政的な課題に関する研究について記載をされているところでございます。受検・受診・受療について、より均てん化を図ることが必要でありますので、受検・受診・受療の促進等につきまして、肝炎ウイルス検査及び肝炎医療の均てん化の観点も踏まえた行政的な課題を解決するために必要な研究を実施していくということを記載させていただいております。
21ページをお開きいただければと思いますが、83番と、今、申し上げた21ページの86番には、「肝炎研究十カ年戦略」に基づいた研究を推進する旨、記載がされておりますが、「肝炎研究推進戦略」と名称の変更が提案されておりますので、指針にもその旨を反映させていただいております。
続きまして、21ページ目の88番でございます。研究戦略のほうに記載をされております行政的な研究課題が列記されておりますが、こちらも中間取りまとめを踏まえ、それを反映した形の記載とさせていただいているところでございます。
続きまして、22ページ目をお開きいただければと思います。
90番からは、第7の「肝炎医療のための医薬品の研究開発の推進に関する事項」が記載されているところでございます。
そのうち、まず90番のほうでございますが、医薬品の開発についての部分でございます。ここに、肝がんについても追記をさせていただいているところでございます。
続きまして、23ページ目をお開きいただければと思います。
96番からは第8で「肝炎に関する啓発及び知識の普及並びに人権の尊重に関する事項」が記載されているところでございます。
まず、98番に「人権教育・啓発に関する基本計画」を引用させていただく形で、人権に対する配慮の必要性について記載することを御提案いただいておりますので、「感染症については、まず治療及び予防といった医学的な対応が不可欠であることは言うまでもないが、それとともに、患者、元患者や家族に対する偏見や差別意識の解消など、人権に関する配慮も欠かせないところである」というかぎ括弧の形で十分配慮するということを記載させていただいているところでございます。
続きまして、24ページ目をお開きいただければと思います。
100番でございますが、正しい知識の普及啓発のみならず、肝炎患者の方、またはその患者の御家族等に対する偏見や差別の解消に資するように、一層強力に普及啓発を行うということを記載させていただいております。
続きまして102番ですが、先ほどの36番と同様にピアスと並びましていわゆるアートメイクを記載させていただいて、感染リスクを避けるための正しい知識の普及啓発を年代を限定することなく幅広く行うといったことを記載させていただいているところでございます。
続きまして、25ページをお開きいただければと思います。
103番でございます。国及び地方公共団体は、肝炎についての基本的な理解を得られるように取組を行うことを記載させていただいている部分でございます。肝炎患者等に対する偏見や差別が存在することといった観点も含めて、肝炎についての基本的な理解を得られるように取組を行うということを記載させていただいているところでございます。
続きまして、26ページ目をお開きいただければと思います。
まず、様々な機会を利用してウイルス性肝炎患者、または家族への偏見・差別を解消することが必要であるという趣旨の御提案を110番のほうでいただいております。
それで、108番のほうに、国は様々な機会を利用して肝炎患者等及びその御家族の方々に対する偏見や差別を解消するために、地方公共団体、学校教育関係者、患者団体などの様々な関係者と連携し、これまでの研究成果を基に肝炎に関する啓発及び知識の普及並びに肝炎患者の方々の人権の尊重に係る推進方策を検討して、肝炎患者の方々の人権の尊重に向けた取組を進めるということを記載させていただいているところでございます。
続きまして、111番からは第9の「その他肝炎対策の推進に関する重要事項」が記載されているところでございます。
少し飛びまして、28ページ目を御覧いただければと思います。
119番の部分でございますが、先ほど70番で御説明させていただいたとおり、平成30年12月から開始されました肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業につきまして、令和3年4月に行われた見直しの内容も踏まえながら、より効果的な活用に向けた周知も含めた方策について引き続き検討を行うというふうな記載をさせていただいているところでございます。
1枚おめくりをいただきまして、29ページ目を御覧いただければと思います。
121番でございます。国及び肝炎情報センターは、都道府県間での肝炎医療の均てん化に資するよう、その実施状況に鑑みまして適切な情報提供や助言、さらに必要な意見交換を地方公共団体、拠点病院等に対して行うことを記載させていただいているところでございます。
長くなりましたけれども、資料2の説明は以上でございます。よろしくお願いをいたします。
○小池会長 ありがとうございました。
それでは、続きまして本協議会に患者団体の代表として御参加いただいております委員の方々から、肝炎対策推進の均てん化について御提案をいただいております。
参考資料6がその御提案になります。その内容を伺った上で議論を深めてまいりたいと思いますので、御説明をお願いいたします。
○辰巳委員 B型肝炎原告団の辰巳です。よろしくお願いします。
先ほど室長のほうからは、肝炎対策基本指針の改正のポイントというところで資料1の御説明があったと思うのですけれども、そこの第1の2つ目の項目で、肝炎総合対策を推進するに当たっては、肝炎ウイルス検査及び肝炎医療の均てん化を図ることが重要であるものの、依然として、各地域の取組状況に差がある。そのため、関係者が地域の実情や特性を把握しつつ、それに応じた取組を推進することが必要であるというような改正ポイントがお話しされていました。
ここに関連して、患者委員のほうから連名で参考資料6に記載の意見を出させていただきました。「ウイルス性肝臓病の肝炎対策推進均てん化について」という提案のタイトルになっています。
中身についてなのですけれども、3点提案させていただきたいと思っています。
まず第1点目ですが、各都道府県における肝炎対策推進の効果がしっかり出ているかを把握するための客観的な資料として、国において下記実績数値を肝炎対策推進協議会等で定期的に報告していただきたいということです。
その具体的な実績の数値なんですが、下に書いてある➀から➃を一つずつお話しさせていただこうと思うのですけれども、具体的に1つ目としては都道府県別の肝がん死亡者数で75歳年齢調整の死亡率、さらにはその死亡率順位の推移を御報告いただきたいと考えています。
2番目としては、同じく都道府県別の肝がんの罹患者数と罹患率、並びに罹患率順位の推移について御報告いただきたいと思っています。
3つ目としましては、同じく都道府県別の肝炎ウイルス検診数と検診率並びに検診率順位の推移をお願いしたいと思っています。
最後の4つ目としては、都道府県別の肝炎ウイルス検診の陽性者のフォロー数、フォロー率並びにフォロー率順位の推移、この4点の実績数値を肝炎対策推進協議会等で御報告いただきたいというのが1つ目の項目です。
2点目の要望としましては、1点目として先ほど述べたことを通じて、国のほうから各都道府県による施策の検討及び是正強化のきっかけになるような各都道府県へ周知を図っていただきたい。この調査した結果を都道府県のほうに周知していただいて、各都道府県においても自分たちの自治体の今、置かれている状況の均てん化という観点からすると、どの辺の位置にいるのかというのを周知していただきたいなと思っております。
3点目としては、この実績数値の把握が仮に困難な場合は、国のほうでその困難な理由と数値把握のための課題というものを肝炎対策推進協議会で明らかにしていただいて、この点をどうしていくかという議論をさせていただきたいと思います。
ウイルス性肝臓病の肝炎対策推進均てん化に関しての患者委員からの提案です。
○小池会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの患者委員からの御提案に関しまして御質問、御意見がございましたらお願いしたいと思います。
いかがでしょうか。委員の方からは、特に御質問や御意見はございませんでしょうか。
なければ、御提案について事務局から何かございましたらよろしくお願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 患者団体の皆様方、御提案ありがとうございます。
毎年、各地方自治体の最新の肝炎対策の状況について調査・分析を行いまして、先進事例なども含めて本協議会に御報告させていただいているところでございますけれども、御要望も踏まえながら今後、本協議会で活発な御議論をいただくように前向きに検討させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○小池会長 非常に重要な御意見かと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、見直し案についての御意見を伺ってまいりたいと思います。
では、及川委員どうぞ。
○及川委員 薬害肝炎原告団の及川です。
今、辰巳委員のほうから均てん化について患者側の具体的な提案をさせていただいたんですけれども、この中の項目にも入っていなくて大変恐縮なのですが、実績のお知らせというか、お願いをしたいということでお話しさせていただきたいと思います。
肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業の見直し後の実績につきまして、前回の協議会でも御報告していただきました。それ以降、2か月しかまだたっておりませんけれども、その後の進捗状況等、数字を含めて分かる範囲で教えていただけたらと思います。後ほど119に関係することだと思いますので、そこの部分でも構いませんので教えていただけたらと思います。
以上です。
○小池会長 ありがとうございます。今、御指摘があったように119番に関連するということですから、どうしましょうか。そこのところでお話しいただくのがよろしいですかね。
○及川委員 それで結構です。
○小池会長 それでは、そのように進めてまいりたいと思います。
まず、資料1で改正のポイントを示していただいております。そして、資料2で指針の新旧案を示してもらっておりますので、資料2に沿って御意見を伺っていきたいと思います。順番に1ページからまいりますので、まず「前文」に当たります第1、4ページの1番から9番について御意見がございましたらよろしくお願いいたします。
どうぞお願いいたします。
○鹿野委員 全国B型肝炎訴訟東京原告団の鹿野さゆりと申します。
第1の12なんですけれども、ここに「なお、国及び地方公共団体」と書かれていますが、確認のためにお伺いしたいんですけれども、この地方公共団体というのは都道府県と市区町村と両方入っているということですよね。それをちょっとお伺いしたいのでお聞きしました。
○小池会長 事務局、お願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 お答えさせていただきます。
地方公共団体という文言には、都道府県だけではなくて市町村も含まれているものでございます。
○鹿野委員 分かりました。ありがとうございます。
○小池会長 ほかには、いかがでしょうか。
山﨑委員どうぞ。
○山﨑委員 日肝協の山﨑です。
5ページの(28)~(31)の新設された2について質問があります。(1)の「基本的な考え方」に2の項を新設し、肝炎ウイルス検査及び肝炎医療の均てん化の取組の推進を明記していただき、誠にありがとうございます。
ただ、2行目の「各地域」、3行目の「関係者」、4行目の「それに応じた取組」の記載が曖昧でよく分からないです。幅広く含みを持たせるために、意図的にこのような記載をされたのかもしれませんが、厚生労働省としては各地域、関係者、それに応じた取組をそれぞれどのように捉えておられるのか、教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
以上です。
○小池会長 ありがとうございます。
10番から27番までに移ってしまいましたが、このまま進めましょう。事務局のほうから、ただいまの質問についてお願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 まず「基本的考え方」で幅広くということで、まさに今、山﨑委員から御発言のあったように幅広く読み込めるような形の記載をさせていただいているところでございます。
「各地域」というのは都道府県間等も含めまして、各地域の取組状況の差を想定しております。
「関係者」につきましては、国、都道府県、または医療関係者、拠点病院など、様々な肝炎医療や肝炎検査に関係する方々のことを大きく捉える言葉として「関係者」というふうにさせていただいているところでございます。
また、「それに応じた取組」というのは、まさに診療体制の整備など、肝炎検査の各地域の差をできるだけ狭めていくといったところ、様々な取組、または偏見、差別の解消など、様々な取組がございますので、そういった取組が全般的に読み込めるように、「それに応じた取組」という形で幅広く読み込めるような記載とさせていただいているところでございます。
以上でございます。
○小池会長 どうぞ、山﨑委員。
○山﨑委員 再度、確認させていただきたいと思います。
私の捉え方としては、「各地域」とは都道府県及び市区町村、「関係者」とは国、都道府県、市区町村、肝炎情報センター、拠点病院を中核とした各医療機関等で、この「等」には健診機関や保健所なども含まれると捉えています。「それに応じた取組」とは、地域の実情や特性に応じた肝炎ウイルス検査及び肝炎医療の均てん化を図るための幅広い取組と捉えておりますが、このような捉え方でよろしいのでしょうか。
また、肝炎医療の均てん化とは全国どこでも等しく高度な肝炎医療を受けることができるというふうに認識しておりますが、それでよいのでしょうか。よろしくお願いいたします。
○小池会長 事務局、お願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 今、委員の御指摘のあった事項は、それぞれ事務局としてもそういう認識で書かせていただいているところでございます。
以上でございます。
○山﨑委員 どうもありがとうございました。
○小池会長 よろしゅうございますか。
それでは、先ほど示した1から27番までで何か御質問、御意見がございましたらお願いいたします。
米澤委員、お願いいたします。
○米澤委員 日肝協の米澤です。
ちょっと細かいことで、19番と72番にも出てくるのですが、「ICT」という新たな言葉が入っていて、19番においては診療連携について、72番では相談対応についてICTを活用するというふうにあります。簡単で結構ですので、それぞれのICTの具体的な内容を御説明いただければと思います。よろしくお願いします。
○小池会長 では、事務局お願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 お答えをさせていただきます。
現状、各地域の医療機関、肝炎医療だけではとどまりませんけれども、様々な、例えばオンラインによる相談でございますとか、オンラインによる地域医療機関間の連携等をしていただいていると思います。そういったことを想定いたしまして、ICTの活用というふうに書かせていただいているところでございます。
以上でございます。
○小池会長 よろしいでしょうか。
○米澤委員 44番に「IT」という言葉が残っているんですけれども、細かいことで大変恐縮なのですが、これとの違いというのは。
○小池会長 どうぞ。
○簑原肝炎対策推進室長 事務局でございます。
昨今、旧来であればITと言っておりましたので、44番は今、御指摘がございましてすみません。ここは「ICTの活用」というふうに改めさせていただきたいと思います。
○小池会長 ありがとうございます。
○米澤委員 ありがとうございました。
○小池会長 第1の「肝炎の予防及び肝炎医療の推進の基本的な方向」ですので、10番から27番について御意見、御質問があれば続けてお願いいたします。
よろしいですか。
それでは、続きまして8ページからの「第2 肝炎の予防のための施策に関する事項」に当たります32番から39番について御意見、御質問がありましたらお願いいたします。
いかがでしょうか。ここの部分に関してはよろしいですか。36番はアートメイクのことも記載がされておりますし、よろしいですか。
それでは、次に移りたいと思います。「第3 肝炎検査の実施体制及び検査能力の向上に関する事項」に当たります10ページから13ページの40番から52番について御意見、御質問がありましたらお願いいたします。
いかがでしょうか。先ほども御指摘がありましたように、44番の「IT」は「ICT」と読み替えるということですね。
それ以外はいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、次にまいります。「第4 肝炎医療を提供する体制の確保に関する事項」に当たります13ページから18ページの53番から72番について御意見がございますでしょうか。
今お二人同時でしたが、では出田委員よろしくお願いいたします。
○出田委員 薬害肝炎原告団の出田でございます。
56番のところでお伺いしたいのですけれども、下から3行目の「受検・受診・受療・フォローアップの全体的な状況について」という文章なのですが、そこは国が引き続き把握に取り組むということでよろしいでしょうか。主語は「国」ということでよろしいでしょうか。お伺いします。
○小池会長 事務局、お願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 その前のほうの「あわせて」以降が「国は」というふうに書かせていただいておりますので、主語は御指摘のとおり「国」でございます。
以上でございます。
○出田委員 ありがとうございました。
○小池会長 ほかにいかがでしょうか。
では、後藤委員お願いいたします。
○後藤委員 日肝協の後藤千代美です。よろしくお願いします。
今頃で大変申し訳ないのですが、15ページの60項と、あとは19ページの78と共通していることなのですけれども、15ページの60項のところの下から3行目に「肝炎医療コーディネーターの活動を可能な限り支援する」とあるのですが、例えば私たちの患者会会員の中にもコーディネーターはいまして、定義として肝炎地域コーディネーターというものをそちらに付け加えていただけましたらありがたいと思うのですけれども、肝炎地域コーディネーターは主に行政機関や職域、民間企業等で勤務する方や、患者会会員を対象としますと定義されているので、こちらの肝炎医療コーディネーターに合わせて、肝炎地域コーディネーターを可能な限り支援する、などと付け加えていただけるものかどうか、今、気がつきましたのでお話しさせていただきました。よろしくお願いします。
○小池会長 事務局、お願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 肝炎地域コーディネーターのほうは恐らく各地域なり、各団体のほうでの総称といいますか、呼び方なんだと思いますけれども、この基本指針自体は法令で告示で制定していくものでございますので、基本的には正式名称のほうで書かせていただいております。
肝炎医療コーディネーターという形でそこも包含的に読んでいると我々としては考えておりますので、例えば肝炎医療コーディネーターの前に、様々な場で活躍するとか、活動するというような形で、今御指摘のあったところを読み込めるような形で工夫させていただきたいと思っておりますけれども、いかがでございましょうか。
以上でございます。
○小池会長 ありがとうございます。
後藤委員、いかがでしょうか。
○後藤委員 詳しいことは分からないんですけれども、肝炎医療コーディネーターは主に医療機関や薬局等で勤務する方を対象とします。また、肝炎地域コーディネーターというのは主に行政機関や職域、民間企業等で勤務する方や患者会会員を対象とすると定義されているので、そちらを併せて検討していただいて、可能ならば追記という形でできればお願いいたしたいと思います。
以上です。
○小池会長 ちょっとその経緯に関しても事務局のほうに確認してもらって。
○簑原肝炎対策推進室長 はい。今のところ肝炎医療コーディネーターでそういう地域という形で分けて定義していることはございませんけれども、事務局のほうで念のため確認させていただきまして検討させていただきます。
○小池会長 お願いいたします。
今、53番から72番ですが、坂上委員よろしくお願いします。
○坂上委員 読売新聞の坂上といいます。
61番、62番のところに関係するのですけれども、全体の中で見て肝疾患専門医療機関という言葉は61と62に出てくるくらいで、拠点病院に比べると、あまり出てきません。肝疾患専門医療機関は診療面で実力差があると聞いたことがあります。もう少し肝疾患専門医療機関が果たす役割や責務などに触れていただきたいと思います。その結果、どこでも同じ水準の治療が受けられるようになるのではないでしょうか。
以上です。
○小池会長 事務局のほうからいかがでしょう。
○簑原肝炎対策推進室長 基本的には拠点病院のほうで専門医療機関等と連携をしながら各地域の診療、医療提供体制を整備するというか、確保していくという形にさせていただいておりますので、いただいた御意見をどこまで反映するかは今、確約できませんけれども、検討はさせていただきたいと思います。
以上でございます。
○坂上委員 よろしくお願いします。
○小池会長 ほかはいかがでしょうか。53から72番で何か御質問、御意見がございましたらお願いいたします。
よろしいですか。
それでは、続きまして18ページの「第5 肝炎の予防及び肝炎医療に関する人材の育成に関する事項」、73番から80番について御意見がございましたらお願いいたします。
味木委員、お願いします。
○味木委員 兵庫県の味木でございます。
78番でございます。肝炎医療コーディネーターの活躍は、今後の肝炎治療推進に向けて非常に重要であると認識しております。地方公共団体は引き続き環境の整備に努めてまいりますが、ここで「国と連携して」とございます。先ほどの14ページの56番の検査後のフォローアップのところでは「国は」を主語として実態の把握や好事例の展開等の施策を検討ということを書いていただいておりまして、こちらのほうでも好事例の展開等の施策を検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○小池会長 事務局、いかがでしょうか。
○簑原肝炎対策推進室長 そちらは、そのように検討させていただきたいと思います。
○小池会長 よろしいですか。
ほかはいかがでしょうか。73番から80番について、御意見があればどうぞ。このあたりは、改正点は比較的少ないですね。
では、続きまして「第6 肝炎に関する調査及び研究に関する事項」、20ページから21ページの81番から89番について御意見がございましたらお願いいたします。
82番から89番ですか。事務局、この81というのは83と一緒になったという意味ですか。
○簑原肝炎対策推進室長 そうでございます。すみません。83の下の81でございます。
○小池会長 そういうことですね。分かりました。
いかがでしょうか。よろしいですか。特に御発言はございませんでしょうか。
もしございませんでしたら、次に移りたいと思います。22ページからの「第7 肝炎医療のための医薬品の研究開発の推進に関する事項」、90番から95番について御質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
ここも、大きな変更点はないですね。それなりに少ないですね。下線が引いてあるのは「肝硬変及び肝がんを含むがんの治療に係る」といったところです。よろしゅうございますか。
では、続きまして「第8 肝炎に関する啓発及び知識の普及並びに肝炎患者等の人権の尊重に関する事項」、23ページから26ページの96番から109番について御意見がありましたらお願いいたします。
米澤委員、お願いします。
○米澤委員 日肝協の米澤です。
103番、差別、偏見の解消について、これは前のほうの16番とか25番にも同じような記載があるのですが、今日ぜひこの場で肝炎患者の思いを理解していただきたく、私たち日肝協が日々受けている電話相談の中から少しだけ患者の声を御紹介させていただきたいのですが、よろしいでしょうか。
○小池会長 事務局、よろしいですね。
では、お願いいたします。
○米澤委員 B型肝炎の患者の方です。核酸アナログ製剤を服用していてHBV-DNAは検出せずという状態になっています。それで、眼科ですとか歯医者さん、クリニックで問診票にB型肝炎と書くと嫌な顔をされます。その場で嫌な空気が何となく流れます。これは明らかな診療拒否ということではなく、診療はもちろん継続してやっていただけるのですが、何となく嫌な感じという患者さんの声です。それで、その方はB型肝炎と伝えなくてもいいですかというふうに私たちに問いかけられたんですけれども、ただ、言わなければ言わないでうそをついているようで非常に後ろめたく思いますという電話の御相談でした。患者であればこの気持ちは誰しも理解できると思いますし、多くの患者にこういった心当たりがあるかと思っています。
私たち肝炎患者は、人に感染させることを最も恐れています。皆さんは恐らく、堂々としていればいいだろうとおっしゃるかもしれませんが、もちろんそういう方も患者さんの中にはおられますが、やはり皆さんどこかに負い目を感じているというのが患者の心情ではないかと思います。
特に、私たちは医療機関の方々によって差別や偏見にさられることが非常に多くて、これは幾つかの研究班の調査によっても明らかになっています。103番もそうですし、16番も25番も、今回の改正案がこのような患者の思いを解消するきっかけとなることを私たち患者団体、患者自身は願っていますという意見です。ありがとうございました。
○小池会長 事務局、いかがでしょうか。
○簑原肝炎対策推進室長 今いただいた御意見は非常に重いものだと思っておりますし、患者様の方々、またその御家族の方々の切実な思いであるというふうに承知をしているところでございます。
当然ながら、肝炎患者の方々を含めまして、感染症患者の方々に対する差別や偏見は許されるものではございません。
これらを防止するために今、御指摘のありました医療現場の方々のみならず、国民の方々一人一人に肝炎の知識や予防策を正しく御理解いただくことが重要だと考えているところでございます。
今、米澤委員のほうからお伺いした内容も含め、しっかりと頭に置きまして引き続き対策に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○小池座長 非常に重要な事項と思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
及川委員、どうぞ。
○及川委員 薬害肝炎原告団の及川です。
今の米澤委員の発言と関係いたします98という項目です。ちょっと番号が戻ってしまうんですけれども、23年に閣議決定された「人権教育・啓発に関する基本計画」の中の感染症に対する人権の尊重の文言がここに新設されてきちんと明記されたということは、私たち患者にとってとても大きな意味があると思っていまして、25の項目とともに正しい知識の啓発にとどまらない対策を今後行っていく上でとても重要な項目だと思いました。意向を取り入れていただいたことに感謝いたします。ありがとうございます。
以上です。
○小池座長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。26番から109番について、よろしゅうございますか。
それでは、次です。「第9 その他肝炎対策の推進に関する重要事項」に当たります26から30ページの111番から126番について、御意見がありましたらお願いいたします。
辰巳委員、どうぞ。
○辰巳委員 B型肝炎原告団の辰巳です。
119番のところは先ほど室長さんのほうから御説明があって、「周知も含めた方策」という表現にすることによって、周知に限らず様々な方策について引き続き検討するということで、そういう意味を込めた記載の仕方だというふうに御説明いただいて、意見を取り入れていただいて大変ありがとうございました。
それで、先ほど及川委員から質問があった肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業の実績ですね。前回、報告を口頭でいただいたのですけれども、その後、2か月経過した点について今、把握されている情報もあれば口頭でも結構ですので御説明いただいたらと思っています。
○小池会長 事務局、お願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 前回、9月1日の協議会におきましては、4月分について報告のあった助成件数でございますけれども、暫定値といたしまして82件というふうに御報告をさせていただいております。
また、これも暫定値でございますが、その後、新たに報告のあった助成件数を加えまして4月分を再集計させていただきましたところ、123件という形で増加をしているところでございます。
5月分以降に関しましては、最新の助成件数はまだ報告をいただけていないところもございまして、現在、全体として精査中というところでございます。
前回も御説明しているところでございますが、今年度の見直し自体につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響もございまして、各自治体のほうでなかなか業務多忙というところがございまして、事業の見直しに伴う要綱改正などが遅れて見直し後の実績報告となっていない自治体も見られるところでございます。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けまして、受診控えでございますとか治療の延期などによりまして、治療件数自体も減少しているというようなことも拠点病院の先生方からお聞きをしているところでございます。
今回の見直しの効果を評価するためには、全ての自治体において要件緩和の見直しが実施されまして、見直し後の実績が報告されるとともに、新型コロナウイルスの影響を十分に見ながら判断することが適切だと考えておりますので、時間をかけて評価をしていく必要があると考えているところでございます。
以上でございます。
○辰巳委員 ありがとうございます。
○小池会長 ありがとうございます。
考藤委員、お願いいたします。
○考藤委員 肝炎情報センターの考藤です。
今の室長の御報告は、数字ベースの御報告だったと思いますけれども、私が聞いている感触を少し補足として申し上げたいと思います。
肝炎情報センターは肝炎対策推進室と協働して、全国のブロック会議というものを開催しています。これは御存じのところと思いますけれども、全国6か所を回って、地方公共団体、拠点病院の関係者の方々に集まっていただいて、進捗状況等をつぶさに伺う大事な会です。
そこで、今年度になってからの要件緩和が行われた後の肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業の登録、進捗状況をお聞きしてみました。その結果としては、まだ正確な実数としては挙がってきていないのですが、明らかに要件緩和によって登録される患者さんの数は増えています。拠点病院中心にいろいろ手続が整理されて、非常に効率的に申請まで持っていっていただけるような体制がだんだんと出来ておりますので、申請数は増えてきているという実感があります。したがいまして、今年度、最終的にどこまで要件緩和等によって実数が増えたかということを一度御覧いただきまして、その上でさらに検討を進めていけばいいのかなと感じております。
以上です。
○小池会長 ありがとうございました。
あとはいかがでしょうか。
清古委員、お願いします。
○清古委員 全国保健所長会から出ております葛飾区の清古です。
葛飾区は特別区でありまして、保健所の感染症事業と市町村事業の両方をやっております。それで、感染予防の検査、それから健康増進のがん対策としての検査の両方をそれぞれの課で受け持っていまして、それぞれの検査は地区医師会にお願いしているところです。
それで、70番のところと119番に関係するのですが、制度がなかなか難しくて医療機関の先生方に説明もしておりますけれども、ここの中にも効果的な周知の方策について引き続き検討を行うと書いていただいていますので、それをお願いしたいと思っておりまして、検査で陽性と分かった方に渡せるような分かりやすいパンフレット等をぜひつくっていただきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。
以上でございます。
○小池会長 事務局、お願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 御指摘を踏まえまして、個々の現場のほうにしっかりと内容が行き届きますように工夫をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○小池会長 それでは、続いて味木委員お願いいたします。
○味木委員 兵庫県健康福祉部の味木でございます。
121に関連するのか、52のほうがいいのか、ちょっと悩んだところでございますが、地方公共団体の担当者への研修の機会の提供ということを書き込んでいただければというお願いでございます。52番のほうには、保健所や医療機関の従事者への研修の機会の提供ということを書かれておりますが、行政担当者も異動などによりまして知識がリセットされるタイミングもございます。また、同じような仕事に携わっている他の地方公共団体との意見交換の機会にもなりますので、ぜひとも研修の機会の提供ということにつきましてお願い申し上げます。
以上でございます。
○小池会長 事務局、お願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 先ほど考藤先生からもございましたが、ブロック会議等で最新の肝炎対策の状況等々について我々のほうから御説明をさせていただく機会を設けておりますので、そういった場を通じまして研修といいますか、各都道府県の御担当の方々にもしっかりと内容が行き届きますように、また、御理解いただきますように、引き続き努力はさせていただきたいと思っております。
以上でございます。
○小池会長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。ほかに、御意見、御質問ございませんでしょうか。よろしいですか。
それでは、これで1番から126番まで御意見をいただいたということになります。ここで、全体を通じてもし御意見がございましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、ただいまいただいた御意見を踏まえまして、この指針につきまして必要な修正を加えさせていただきたいと思います。今後の修正につきましては、前回の改正時と同様に会長一任ということで進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
特に異議がないようですので、それでは会長一任とさせていただき、進めさせていただきます。
本日の議論につきまして、事務局から御発言はございますでしょうか。
○簑原肝炎対策推進室長 本日は、活発に御議論いただきまして誠にありがとうございました。今後、御議論いただきました内容を踏まえまして事務局にて修正案を作成いたしまして、会長のほうに御相談をさせていただきたいと思っております。その後、行政手続等を経まして、策定・告示とさせていただければと存じます。
委員の皆様におかれましては、これまで精力的に御議論いただきまして厚く御礼を申し上げます。今後とも、肝炎対策の推進に御支援と御指導をいただきますように何とぞお願いをいたします。
以上でございます。
○小池会長 ありがとうございます。
それでは、続きまして、今後の改正に係るスケジュールにつきましても、事務局より御説明をお願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 今後のスケジュールでございます。
肝炎対策基本指針につきましては、法律上は肝炎対策協議会の御意見を聞きまして、また関係行政機関、関係省庁と協議をして定めるというものになっているところでございます。
加えまして、一般的なルールといたしましてパブリックコメントをさせていただきます。また、並行して各省庁とも協議をさせていただくという形になります。したがいまして、パブリックコメントや各省協議等の過程で若干修正があり得ることについてはお含みおきいただければと思います。
その上で、最終的な成案が得られましたら告示という形で制定をさせていただきます。こちらは、官報の告示をいたしまして、そこで策定という形になります。パブリックコメント自体は、大体原則1か月という期間を設けることになってございますので、厚生労働省がパブリックコメントの案を出してから1か月後に締切りという形でございます。また、成案が得られましてから官報告示するまでには一定の時間がかかります。告示につきましては、年明けという形になる見込みだと事務局としては考えております。
スケジュールにつきましては、以上でございます。
○小池会長 ありがとうございました。
それでは、1番目の議題の、基本指針の改正案をこれで終わらせていただきます。
次に、議題(2)「その他」として事務局から御報告をお願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 議題(2)の「その他」といたしまして、令和4年度の肝炎対策予算概算要求の概要につきまして御報告をさせていただきます。資料3を御覧いただければと思います。
令和4年度予算の概算要求に当たりましては、昨今の国の厳しい財政状況を踏まえまして、基本的な方針といたしまして、裁量的経費につきましては前年度当初予算額の100分の90の範囲内で要求する、つまりは10%のカットということが求められているところでございます。こちらは、全省庁共通のルールとなっているところでございます。
そういう状況の中ではございますけれども、肝炎対策につきましては「肝炎対策基本指針」に基づきまして、肝硬変・肝がんへの移行者を減らすことを目標といたしまして、肝疾患治療の促進、肝炎ウイルス検査と重症化予防の推進、肝疾患診療連携体制の強化、普及啓発、研究の推進の5つを柱として推進するために、令和4年度の概算要求においては総額176億円を計上させていただいているところでございます。資料3の一番上のほうに書かせていただいている金額でございます。
まず、1つ目の柱、1と書かせていただいているところでございますが、肝疾患治療の促進の主な内容でございます。
2ページ目をお開きいただければと思いますけれども、肝炎治療特別促進事業につきまして一番下のほうに金額が書いてありますが、74億円という形で要求をさせていただいているところでございます。
続きまして、3ページ目でございます。肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業につきまして一番下のほうに書いてありますが、14億円という形で要求をさせていただいております。2つ合計をいたしまして、88億円という形になってございます。1億円単位で表記をいたしますと、四捨五入の関係で前年より1億円減という形で見えるところでございますけれども、いずれの事業もおおむね前年同額というふうにさせていただいているところでございます。
その他の項目でございますが、肝炎ウイルス検査と重症化予防の推進に40億円、地域における肝疾患診療連携体制の強化に6億円、国民に対する正しい知識の普及に2億円という形で、ほぼ前年同額となっているところでございます。1ページ目のところに今、申し上げた金額のほうは記載させていただいているところでございます。
1ページ目の5番目の「研究の推進」の部分でございますけれども、新規の課題が増加する見込みというところがございますので、2億円増加ということで39億円となっているところでございます。
年末の政府予算案の策定に向けまして、現在、政府内で財政当局等と調整をしているところでございます。また政府予算等確定をいたしましたら、協議会等の場で御報告をさせていただきたいと思っております。
以上でございます。
○小池会長 ありがとうございました。
ほかに、委員の皆様からこの場で何か御発言したいことはございますでしょうか。
日浅委員。
○日浅委員 よろしくお願いします。
肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業については、我々拠点、それから関連病院の中で県内でもいろいろ議論しているところがあって、そこで幾つか問題として言われているのは、やはり手続がかなり煩雑であって、県、それから保健所も関わるのかもしれませんけれども、そちらのほうの労務にかなり影響を与えているというようなことが出ておりますので、この辺りの簡略化を今後御検討いただきたいと思っております。
それから、拠点と専門関連医療機関との間の手続の申請にかなり温度差があるように思います。まだ外来のほうが対象になって間がないので、現時点では仕方ないところがあると思うんですけれども、その辺りの均てん化を進めていただきたいし、我々も努力していきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。
○小池会長 ありがとうございます。
ただいまの点について、事務局から何かございますか。
○簑原肝炎対策推進室長 手続のところは自治体等からもいろいろと御意見をお聞きしているところでございますし、まさにこの事業をしっかりと患者の方々にお届けするために、自治体の現場でございますとか拠点病院の皆様方の現場の御意見を、今後引き続き現場に赴きまして意見交換等をさせていただきながら、しっかりと改善すべきところは改善するという形でやっていきたいと思っております。
以上でございます。
○小池会長 ありがとうございます。
では、及川勝委員お願いします。
○及川(勝)委員 中小企業の及川でございます。
資料3の4ページに、肝炎対策について、まさに国民運動事業として展開をしているということで理解をいたしました。
それで、【令和3年度の主な事業】のところで、(1)(2)ということで、全体のイベントと地公体に向けた集中広報というのがございまして、和歌山県、福岡県、宮崎県と出ていますけれども、これと今日御意見がありました都道府県レベルで肝炎対策推進状況に格差が生じているという御意見との関係があるのかどうかというのをお聞かせいただきたいのが1点です。
それから、本日、基本指針について、より丁寧な普及啓発を行っていくとか、あるいは情報共有をしていく、情報発信をしていくということが盛り込まれていましたけれども、4ページの下の「(3)情報発信」のところで、いろいろな情報発信をしていると思いますが、例えばログを取るとか、どのような形で効果測定をしているのか、それを踏まえて令和4年度に積極的な事業展開をしていただきたいと思っています。
分かる範囲で結構なので、この2点についてお教えいただければありがたいと思います。
以上でございます。
○小池会長 では、事務局お願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 1点目の啓発活動の地域の選定のところは、特に格差というか、取組状況の差は勘案しているところではないところでございますけれども、集中的にやる都道府県を自治体とも協議をしながら設定をさせていただいているというところでございます。
情報発信のところは、十分まだログ等を取るというところまでいっていないところもございますので、どういう形で効果測定するかについては引き続き検討させていただきたいと思っております。
以上でございます。
○小池会長 ありがとうございました。
それでは、ほかの委員から御意見ございますでしょうか。もしございませんでしたら、本日の議事は終了いたします。
では、事務局から連絡事項等ございましたらお願いいたします。
○簑原肝炎対策推進室長 本日は、長時間にわたりまして御審議をいただきまして、誠にありがとうございました。
次回は、国、または地方自治体の取組状況等について御報告させていただきたいと考えております。開催の日程におきましては、後日、事務局のほうから調整をさせていただいて御連絡をさせていただきたいと思っております。
以上でございます。
○小池会長 ありがとうございました。
それでは、これで閉会とさせていただきます。本日は、どうもありがとうございました。

照会先

健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室

室長補佐 野下 祥太郎
係長 有賀 裕子(内線2948)

(直通) 03(3595)2103
(代表) 03(5253)1111