- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 労働政策審議会(職業安定分科会労働力需給制度部会) >
- 第330回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録
第330回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録
日時
2021年(令和3年)11月10日(水) 10時00分~
場所
東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館
職業安定局第1会議室(12階)
職業安定局第1会議室(12階)
出席者
- (公益代表委員)
-
- 小野 晶子
- 原 昌登
- 松浦 民恵
- 山川 隆一(部会長)
- (労働者代表委員)
-
- 相羽 迅人
- 冨髙 裕子
- 永井 幸子
- 奈良 統一
- (使用者代表委員)
-
- 佐久間 一浩
- 佐藤 英毅
- 田尻 久美子
- 平田 充
議題
- (1)雇用仲介事業の在り方について(公開)
議事
- 議事内容
○山川部会長 おはようございます。ただいまから第330回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会を開催いたします。本日は、奈良委員がオンラインでの御参加です。本日は、「雇用仲介事業の在り方について」ということで、第328回において、今後議論をするということで御了解をいただいております個別の論点について御議論をいただきます。
では、早速議事に入ります。カメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきます。では、事務局から説明をお願いします。
○高橋補佐 需給調整事業課の高橋でございます。お手元の、「雇用仲介事業等に関する論点」という資料を御覧ください。以前の部会で示しました4つの論点を更に深掘りする形で資料を御用意しております。
Ⅰ.基本的な考え方として、4点お示ししております。
「インターネットの普及が、場所や時間の制約なく大量の情報を利用・流通させることを可能とし、雇用仲介の機能はこれまでになく向上している。IT技術等の進展に伴い多種多様なサービスを提供している雇用仲介事業者が労働市場において果たす役割を積極的に評価し、その形態によらず労働市場において需給調整機能の一翼を担うものとして位置づけていくべきではないか」
「少子高齢化による就業構造の変化、働き方や職業キャリアに対する意識の多様化、新型コロナウイルス感染症の影響等による人材の移動の必要性等を踏まえて、職業安定機関は、労働市場全体の需給調整機能を高め、実効的な雇用対策を講じることが重要であり、多様な雇用仲介事業者とも情報の共有や連携を進めていくべきではないか」
「雇用仲介事業者の役割を確固たるものとし、利用者が安心してサービスを利用できる環境とするため、雇用仲介事業者が依拠すべきルールを明確にすべきではないか」
「人手不足の状況においては、雇用仲介事業のマッチングの質の向上が重要であり、イノベーションを阻害しないことに留意する必要があるのではないか」
Ⅱの各論が、以前お示しした論点を更に深ぼりしたものとなっております。
(1)新しいサービスを含めた把握
1.多種多様な雇用仲介事業の法的位置づけ
まず1つ目の◯です。こちらは新たな様態の雇用仲介事業を、職業安定法上の募集情報等提供に含めてはどうかという趣旨で記載したものです。具体的な幅ですが、(※)書きに記載しており、要素としては2つ含んでおります。前半に職業紹介事業者や職業紹介を行う地方公共団体、募集情報等提供を行う者から依頼を受けて、労働者となろうとする者又は労働者の募集に関する情報を提供する場合とあります。これは、募集情報等提供の依頼元が職業紹介事業者等になるものを指しております。これまでの募集情報等提供事業の定義におきまして、依頼元は求人企業や求職者とされていたため、こういった類型はこれまで含まれていなかったところです。
後半に求人求職のために自ら収集した労働者となろうとする者又は労働者の募集に関する情報を提供する場合とあります。いわゆるクローリングによるサービスを指し示しております。先ほど申し上げましたとおり、募集情報等提供の定義において、依頼元は求人企業や求職者とされている中で、特段の依頼もなくクローリングにより情報を収集し、それを提供する。こういったサービスは、これまで募集情報等の定義に入っていなかったということを踏まえて記載をしております。
2つ目の◯です。こちらはリコメンド機能などの取扱いについてこの部会においても議論があったことを踏まえ、指針における適用を明確化してはどうかという趣旨で記載したものです。
2.事業情報の公開
利用者が安心、納得してサービスを利用するためにも事業者が自らの事業情報を積極的に公開していくことは重要であると考えられることから記載したものです。
3.募集情報等提供事業者の把握
1つ目の○ですが、募集情報等提供事業者の把握が重要だという、この部会の御議論を踏まえて記載したものです。特に労働者になろうとする者に関する情報を収集して、事業の用に供している者を対象に、事業者の名称や住所等を把握してはどうかとしております。こうした事業者は、求職者情報を収集し求人者に情報提供するなど、求職者と接点のある形で事業活動を行っており、迅速な指導、監督の必要性が高いと考えられること。また個人情報の取扱いなどについて、法令遵守がより強く求められるのではないかということで、このような記載にしております。事前把握の方法につきましては、法令上整理をしますと、届出制が最も近いのではないかと考えております。
2つ目の○は、基本的な考え方においても記載をしております職業安定機関と雇用仲介事業者の連携の観点から求人情報、求職情報の規模などの、事業情報を報告していただいてはどうかという趣旨で記載をしているものです。いずれにしても、事業者の方の過度な負担にならないように留意することが必要だと考えております。
(2)官民の連携
1.職業安定機関との連携
1つ目の○については、現行の職業安定法第5条の2に、職業紹介事業者等と職業安定機関の協力規定が既にありますが、ここに新たに募集情報等提供事業者を追加してはどうかという趣旨で記載したものです。
2つ目の○は、事前把握した募集情報等提供事業者について、厚労省の人材サービス総合サイトに掲載するといった方法で、一般向けに公開をし、利用する方々のサービス選択の利便性を高めてはどうかという趣旨で記載をしたものです。
2.業界団体の役割
こちらは、現に法令の啓蒙や苦情対応等に関する業界がガバナンスにおいて、業界団体の果す役割は非常に大きいことから、その役割を法令上も明確にしてはどうかという趣旨で記載したものです。特に2つ目の○ですが、AIやマッチングアルゴリズムに関しては、専門性の観点からも業界独自の検討を期待する趣旨で記載したものです。
次に、以前お示しした4つの論点のうちの3つ目に対応する、優良な雇用仲介事業者の認定に関してです。1つ目の○ですが、優良事業者認定制度の周知や、内容改善について、この部会でも御議論があったことを踏まえて記載をしたものです。
2つ目の○です。現在募集情報等提供事業については、求人情報提供ガイドラインへの適合を宣言する仕組みがあります。これにつきまして、優良な事業者を認定する制度を検討し、人材サービス総合サイトなどにおいて優良な事業者を周知していくことを念頭に置いて記載をしているものです。
以降が、以前お示しした4つの論点のうちの4つ目に対応するものです。
(1)募集情報の的確性
2つ目の○を御覧ください。求人者だけではなく、雇用仲介事業者全体についても、募集情報等を提供する際には、虚偽又は誤解を生じさせる表示をしてはならないこととしてはどうかとしています。こちらは、現行の職業安定法第42条において、求人企業に対して誤解を生じさせないように的確に表示に努める義務、努力義務が規定されております。この点について求人企業だけではなく、雇用仲介事業者も含めて、虚偽又は誤解を生じさせる表示をしてはならないこととしてはどうかという趣旨で記載をしたものです。また、既に求人企業や職業紹介事業者については、虚偽の報告に関する罰則というものが定められております。今回、この論点に沿って義務を創設した場合には、直ちに罰則の適用とするのではなく、その前段階として行政による指導が可能となると考えております。
3つ目の○は、募集情報について内容の問題と時点の問題が見受けられるということを踏まえ、まずは募集情報に一義的な責任を持つ求人者に対し、募集情報の最新かつ正確に保つ義務を課してはどうかという趣旨で記載をしたものです。
4つ目の○は、その募集情報を流通させる雇用仲介事業者に対し、最新かつ正確に保つための措置を取る義務を課してはどうかという趣旨で記載をしたものです。
(2)個人情報の保護
1つ目の○に、個人情報の保護について、雇用仲介事業者全体に以下のような義務を課すこととしてはどうかと記載をした上で、3つのポツでその内容をお示ししております。
1つ目、業務の目的の達成の範囲内で、その目的を明らかにして個人情報を収集し、収集の目的の範囲内で使用することとあります。現行の職業安定法第5条の4におきまして、職業紹介事業者などに対して業務の目的の達成に必要な範囲内での個人情報の収集、使用を義務付けているところです。ここに、2つ要素を加えたいという趣旨で書いております。その目的を明らかにしてというものが、1つ目の新しい要素であり、これを加えることにより個人情報に関して利用者の方があらかじめ納得、安心してサービスを利用できる環境を整えるといった趣旨です。もう1つの要素としては、募集情報等提供事業者も、この規定の対象に加える。この2つの趣旨で1つ目のポツの記載をしております。
2つ目、3つ目のポツです。こちらは現行の職業安定法第51条に秘密保持に関する規定があります。こちらの規定の対象に、募集情報等提供事業者を加えてはどうかという趣旨で記載をしております。
次です。雇用仲介事業者が個人情報の利用について求職者の同意を得る際に、求職者がしっかりと理解、納得して利用できるようにするため、望ましい同意の在り方を明確化してはどうかということです。利用者の方が安心、納得してサービスを利用するに当たって、同意というのも非常に重要なポイントになってまいりますので、その在り方を明確化してはどうかという趣旨で記載しております。
(3)苦情の処理
雇用仲介事業者は、利用者からの苦情に対して迅速に対応するとともに、必要な体制を整備することとしてはどうかと書いております。この部会におきましても、苦情処理の必要性に関する御議論を頂きましたので、そのことを踏まえて記載をしたものです。
(4)適切な履行の確保
1つ目の○ですが、現行の職業安定法におきまして、募集情報等提供事業については、助言・指導、報告徴収が規定されているところです。様々な新しいルールを課してはどうかという論点を提示しておりますが、そういったルール違反に対しては更なる必要な指導・監督をできるようにしてはどうかということで記載をしたものです。
2つ目の○です。求人者や職業紹介を行う者につきましては、現行の職業安定法上、有害業務を目的としたものや虚偽の広告に対しては、罰則が既に規定されているところです。これにつきまして、募集情報等提供についても同様に罰則を規定してはどうかという趣旨で記載をしたものです。資料の説明としては以上です。
○山川部会長 資料1全般について御説明いただきました。本日は個別論点に関する議論ということで、資料2ページの優良な雇用仲介事業の認定までを御議論いただければと考えております。
まず総論的な、最初のⅠ.基本的な考え方について、ただいまの事務局の説明について御質問、御意見等があれば挙手をお願いいたします。冨髙委員お願いします。
○冨髙委員 基本的考え方については、おおむね、前回、前々回での御議論の内容を踏まえた内容と受け止めているところです。雇用仲介事業の質の向上を図り、求職者が安心して安全に利用できることが最も重要だと考えておりますので、現在、規制の対象になっていない、募集情報等提供事業者についても、ほかの雇用仲介事業と同程度の法規制について検討すべきと考えます。
4点目に、雇用仲介事業のマッチングの質の向上が重要であり、イノベーションを阻害しないことに留意する必要があるのではないかと書いてあります。雇用仲介事業のマッチングの質の向上は、労使ともに有益なものだと考えているところです。その上で、イノベーションを阻害しないということ自体は否定するものではありませんが、この言葉が基本的な考え方に据えられていることについては少し違和感があり、検討の余地があるのではないかと考えているところです。以上です。
○山川部会長 御意見ありがとうございました。平田委員お願いします。
○平田委員 経団連の平田です。冨髙委員の意見とも重複するところはありますが、Ⅰ.基本的な考え方についての4つ目の○に御指摘があるとおり、デジタル技術を駆使して新たな雇用仲介サービスが生まれてくるということは、雇用のマッチングの向上に資することとなり、求職者だけでなく、求人者にとっても非常に有益であると考えてます。こうしたサービスの発展を阻害することがないような制度としていくべきだと考えております。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。では、佐藤委員。
○佐藤委員 御説明ありがとうございました。私もこの4つの○、基本的な考え方について方向性については違和感があるということはありません。特に、4つ目の○ですが、やはり今現在、またこれから、この分野は技術的に大幅に進んでいくことが予見されていますので、既存の事業者が新しいチャレンジをしにくいであるとか、新しいプレイヤーが参入しにくいですとか、そういった状況は避けなければいけないと思っています。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。小野委員お願いします。
○小野委員 官民の連携についてですが、1の2つ目の○に、広く一般に公開することということで人材サービス総合サイトという厚労省がやっているサイトがありますが、それを活用するというお話がありました。現状、このサイトを私も拝見しておりますが、かなり使いにくいし見にくいです。ここにいろいろな非常に貴重な情報がたくさん載っています。本当に皆さんがこれを有用に活用すべきソースが詰まっているサイトなのですが、もったいない形で運用されているとしか思えないです。
ですので、例えば、この募集情報等提供事業者の方たちは、かなりインターネット等の親和性が高い事業者ですので、もう少し、ここに書き込むインセンティブを与えるような作りにするというか、例えば、スマホのアプリで直接そこに入っていけるような仕組みにするとか、そこから書き込めるようにするといったような形で、工夫をされていかれることが1つ必要だと思います。
それを作るときに、やはり厚労省の中でだけ考えるのではなく、業界団体と連携して一緒に、それをどうやったら皆さんが使いやすくなるかということを考えていただきたいと思っております。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。サイトの改善は随時できると思いますが、恐らく、官民連携の重要性と関わってくる、そのような御指摘と伺いました。ほかに何かございますでしょうか。奈良委員お願いします。
○奈良委員 基本的な考え方の3点目の○で、利用者が安心してサービスが利用できる環境とするという記載があるわけですが、当然、求職者の労働者としての権利の擁護、ここの視点が大事なのだろうと思っています。取り分け、インターネット等での職業紹介、例えば、高校生がアルバイトを探したりというようなときにも利用されるわけで、ある意味、社会経験の乏しい、あるいは権利意識の希薄な人たちも活用するわけです。こういった求職者をきちんと保護する。そうした観点がやはり貫かれるべきであろうと思っています。何かの形で、この基本的な考え方の中でその旨の記載がされると有り難いと考えております。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。種々、御意見、コメントを頂き、大変ありがとうございます。最初に、冨髙委員、平田委員からお話がありました点は、基本的な内容そのものについては、おおむね御意見は共通しているのではないかと思いますが、書きぶりの問題に関わる点が含まれているかと思います。この点は、研究会の報告でも求職者保護という視点も出ていたかと記憶しております。今後の書きぶりの問題として検討していただければと考えております。よろしいでしょうか。ほかに何かこの点についてございますでしょうか。
では、続いてⅡ.各論に入りたいと思います。まず1ページ、各論(1)新しいサービスを含めた把握についてです。御質問、御意見がありましたら、先ほどと同様に挙手をお願いいたします。平田委員お願いします。
○平田委員 把握に関することですが、今後、報告書の取りまとめに向け、その把握する必要性を明らかにして、さらに、把握対象とする事業者の範囲を限定して、過度に負担が掛からないような簡便で効果の高い制度にしていくべきなのではないかと考えています。
募集情報等の提供であれば、許可制での把握までは必要はないと考えています。今後、資料が充実していくと思いますが、1ページの※にある「クローリング」という言葉は余り馴染みがない印象です。どういったプレイヤーがいて、どういったことになるのか等について、図解をするなど、分かりやすい資料作りをお願いしたいと思っています。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。今後、いろいろ詰めていくに当たり、分かりやすい資料を、今御要望がありましたが、事務局で御用意いただきますか。
○事務局 はい。
○山川部会長 よろしくお願いいたします。ほかに何かございますでしょうか。佐久間委員どうぞ。
○佐久間委員 各論に入っていくわけですが、基本的な考え方は先ほど皆様方からも御意見のあったとおり、私も賛成であります。このペーパーの論調とすれば、ある程度事業者を把握していかなければいけない。そして、官民が連携していかなければいけないということについては、多分、異論はないのではないかと思います。募集情報等提供事業者の方々も、このように産業として発展していけば、自分たちの実態を把握する動きが出て来るのではないかと認識しているのではないかと思います。
把握の仕方については、先ほど平田委員もおっしゃっていましたが、禁止されたものを認めるような「許可」にしていくのか、あるいは「登録」や「届出」の程度にしていくのか、これはこれからの議論になっていくと思いますが、許可ですとまた多くの把握する項目が出てくるので、そこまでの項目が必要なのかどうか、検討が必要です。
もう一点、この募集情報等提供事業者等の事業者の方々は、職業紹介事業者ももちろん兼ねているところが少なくないと思います。そこですでに許可を受けている職業紹介事業者の方々と、この登録の仕方など、登録という言葉を使ってしまいますが、登録をしているときに、さらに事業者の二重登録をしていくのか、それとも、片方でも登録でよいかという点も明確にしていく必要があると思います。さらに、利用者の方々への公表という言葉が使用されているのですが、公表の程度についても、いろいろ疑義が出てきますから、留意していかなければいけないと考えます。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。この方向でいく場合の具体的な詰めなければいけない論点についても御指摘をいただいたところです。ほかに何かございますでしょうか。田尻委員お願いします。
○田尻委員 御説明ありがとうございました。募集情報等提供事業者を事前に把握する仕組みとして、また把握する対象を労働者になろうとする者に関する情報を収集して事業の用に供している者という形で限定することについて妥当なものと考えます。
また、事前の届出制についてですが、商工会議所などの中小企業支援機関や業界団体等でも事業者サービスの一貫として募集情報等提供事業を行っているのですが、こうした事業者の把握に伴う手続が負担となり、募集情報等提供事業を行うことを躊躇してしまうことが懸念されます。先ほどの御説明の中でも過度な負担にならないようにという御発言がありましたが、届出の項目を必要最小限にしたり、オンラインの届出制にするなど、極力、軽減できるような形で進めていただければと思います。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。冨髙委員お願いします。
○冨髙委員 (1)新しいサービスを含めた把握の1.多種多様な雇用仲介事業の法的位置づけについてですが、求職者保護を図り、業界の信頼性の向上や健全な発展を促すため、求人者の依頼を受けずに情報提供を行う事業者についても、募集情報等提供事業者に位置づけて取組を促していくべきであると考えているところです。
また、職業紹介事業等、募集情報等提供事業の区分については、前回のヒアリングの中で、リコメンド機能などイノベーションの進化に伴って基準が今までの実態に対応しきれていないのではないかという御指摘もあったかと思います。募集情報等提供事業者については、紙媒体からネットが主となってきておりますので、求職者の属性を踏まえたリコメンドの提供などの実態を鑑みると、現状を踏まえた明確化と規制が必要ではないかと考えているところです。
先ほど許可制について御意見が幾つかありましたが、我々としては、他の雇用仲介事業と同程度の法規制というところで検討すべきであると考えております。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。ほかに御意見ございますでしょうか。永井委員お願いします。
○永井委員 私からは2.事業情報の公開、3.募集情報等提供事業者の把握について意見を申し上げます。まず、2.事業情報の公開については、積極的に公開すべきとの立場で発言申し上げます。2の記載の情報の的確性や個人情報保護のための取組等の公開については、求職者の事業者選択に係る納得性の確保だけでなく、事業者にとっても自社の取組を見える化する等により、求職者に安心して利用してもらうことにつながり、メリットになると考えます。積極的に公開し、業界の健全な発展につなげていくべきと考えております。
3.募集情報等提供事業者の把握についても、把握すべきという立場で発言申し上げます。今はどれだけの募集情報等提供事業者があるのか、全体を把握できておらず、求職者や求人者が利用に伴って、どのようなトラブルに遭っているのかといった実態把握も十分にできていない状態にあると思っております。雇用仲介事業は労働市場への入口となる重要な役割を果たしており、労働市場の適正な発展と的確な政策の立案につなげていくために、事業者の把握は非常に重要であると考えております。事業者を把握するための方策として様々な制度が考えられますが、労働者になろうとする者に関する情報を収集して事業の用に供している者の多様な業態と実態を十分に踏まえ、他の雇用仲介事業と同程度の法規制において把握していくべきと考えております。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。ほかにどなたか、何かございますでしょうか。原委員お願いします。
○原委員 原です。私からは意見を2点、質問を事務局に1点、お願いしたいことがございます。意見の1点目は、資料1ページの1です。募集情報等提供事業者の定義を整理し拡大する方向で考えていく方向性に大賛成です。現在、様々な提供事業者が出て来ていて、現在の定義でもカバーしきれない部分があると思います。そういったものを見直して、募集情報等提供事業というものについて、改めて検討し拡大していく方向性に賛成です。
2点目の意見は資料2ページの3です。雇用仲介事業の把握、特に、募集情報等提供事業者の把握の観点から、届出制の仕組みを念頭に置いて整備していく。この把握の方向にも賛成です。ここでは、何のために今回届出制などを議論するかということです。雇用仲介事業、特に募集情報等提供事業の把握がそもそも難しいことがあるため、その把握のために届出を求める。こういったところを意識すべきかと思います。要は、直接的な規制ありきと考えるのではなく、どういった実態があるかを行政としてもしっかり把握していくために、まずは届出をしてもらい、どのような業者がいるかを広く知ることができるようにする。そのような観点が重要かと思います。
そういった観点からいきますと、先ほど田尻委員もおっしゃっていたようにオンラインを活用する。あるいは複数の委員がおっしゃっていたように届出の情報を整理する。こういった工夫は重要かと思います。考えてみますと、何かあったときに行政が指導等も含めた連絡が取れること。それから、より詳しい実態調査等を行うときに連絡を取って、この調査票に書いてもらう、あるいはアンケート的なものを行うこと。こういった今後の指導的なことプラス調査など、そういったところも可能となるためにという観点でいきますと、本当に最小限、氏名・名称、連絡先所在地、こういったものを中心的に届け出てもらう、こういった仕組みが目的との関係からは考えられると思っております。
最後に、3点目の質問ですが、その同じ3で、今回、募集情報等提供事業のうち、労働者になろうとする者に関する情報を収集して事業の用に供している者について、届出ないし登録制といったことが考えられていますが、もちろん、今、実態が分からない部分があるかと思いますが、募集情報等提供事業のうち、労働者になろうとする者に関する情報の収集を一切しない事業者、あるいは、ここに係ってくる情報を収集して事業に提供している事業者は、どれぐらいの割合を想定しているのか、もし事務局で何かお考えがあれば教えていただければと思います。
言い換えれば、募集情報等提供事業のうち、労働者になろうとする者に関する情報に一切タッチしておらず、今回の届出ないし登録制の対象に入らない事業者はどのような感じで考えているのかを1つ教えていただければと思います。
○山川部会長 ありがとうございました。御質問がありましたので、事務局いかがでしょうか。課長どうぞ。
○篠崎課長 需給調整事業課長です。御質問の点について、どのぐらいの割合かというのは、正確には把握していないのが正直なところであります。定性的な話で申し上げますと、例えば、地域の求人誌は正に紙媒体で配っているので、そのような意味では、労働者になろうとする者の情報は集めていないであろうと。また、近年では紙だけではなく、それをネット、ホームページに載せるというのもありますが、その紙と同じ情報をネットに載せているだけでは一方通行に発信しているだけですので、何の労働者となろうとする者に関する情報も取っていないことになるのだと思っております。
一方で、ネット化した結果として、同じ人に向けて何回も御案内をするとか、過去の履歴に基づいて御案内することになると、必ずしも氏名だけではなく、メールアドレス、最近はメールアドレスだけではなく、本人に配信できるような情報を収集して事業に活用していることになると、こういったものは、今、御提案したような内容には該当してくるのかなと思います。一概には言えませんが、紙だけでやっているときには通常は対象にはならない、かつ一方通行のものは対象になりませんが、何らかのアクションをしていくような形のところは、大多数、対象になってくるようなイメージはあるということで考えております。
○原委員 一方通行ということで非常によく分かりました。確かに、純粋に一方通行の事業であれば、そこまで何か指導することも少ないかと思いますので、今の整理で的確だと思います。ありがとうございます。私からは以上です。
○山川部会長 ありがとうございます。今の点、あるいはほかの点も含めて御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。把握という点について、そのための、いわば制度的ないし法的な仕組みをどうすればいいかということについては、必要性についてはほぼ一致しているかと思いますが、その仕組みについては御議論に若干の差があったかと思いますので、この点は更に検討していきたいと思います。
それから、どのような場合を対象とするのかという点、今、御質問と回答がありました。この点も多分、もし、この方向でいく場合には、具体的なイメージを更に作っていく必要があるのではないかと考えております。ほかに、この点について何かございますか。よろしいでしょうか。では、把握については取りあえず、現段階では、本日のところは以上といたします。
次は、2ページの(2)官民の連携についてです。この点について、御意見、御質問等ございますでしょうか。永井委員お願いします。
○永井委員 私からは2の業界団体の役割について意見を申し上げます。前回のヒアリングでもお話を伺いましたけれども、業界団体における苦情への対処については、非会員事業者に対する取組は、なかなか難しいという話を頂いたと理解しております。
業界全体のコンプライアンスを推進するためには、非会員事業者を含めた取組が重要であり、非会員事業者に対する苦情が寄せられた場合の対処など、職業安定機関と連携して、全体で取り組んでいくことが必要だと考えます。
AIやマッチングアルゴリズムの利用に伴うアンコンシャスバイアスの再生産や、ブラックボックス化を回避するためにも、利活用の実態については、労働行政を司る厚生労働省として、責任を持って検証すべきであり、業界団体任せにするべきではないと考えております。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。ほかに何か御質問、御意見等ございますか。相羽委員、お願いします。
○相羽委員 優良な雇用仲介事業者の認定について、発言させていただきます。優良認定については前回のヒアリングでもメリットが乏しく、なかなか認定事業者が増えないという話がございました。また周知については、今年度からハローワークにおいてポスターを掲示し、周知しているという話もありました。現状について、まずは検証を行い、求職者及び求人者への認知度の向上と、認定を受けていない事業者への周知の拡大を検討することが重要と考えております。
この認定事業者を増やすことは、業界のコンプライアンスの向上及び利用者の安心にもつながると思っております。積極的に優良事業者を周知し、業界の底上げにつなげていくためにも、やはり何らかの方策を考えていくべきであろうと思っています。以上です。
○山川部会長 ありがとうございます。今の点、前回のヒアリングのときにも、いろいろお話に出たところでした。この点については、また後ほど御議論いただくことにしたいと思いますけれども、官民の連携の1、2につきまして、ほかに何か御意見、御質問等ございますでしょうか。佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 私は2の所の○の2つ目に関する質問です。AIやマッチングアルゴリズムによるアンコンシャスバイアスの再生産という所なのですけれども、こちらで今、現状で、どういう問題があるのかといったところを、あとは今後念頭にある問題についての問題意識、課題意識をお伺いしたいと思います。
あとはマッチングのブラックボックス化というところについては、ここはある程度ノウハウみたいなことに関わってくるので、どのように整理していきたいのかといったところも併せて頂ければと思います。
○高橋補佐 需給調整事業課の高橋でございます。今、御質問いただきましたAI、マッチングアルゴリズムのアンコンシャスバイアス、こちらにつきましてはAIの活用の結果、意図せずに、例えばですけれども、男性の人ばかり選んでしまったと。あるいは白人の人ばかり知らないうちに選ぶような傾向になってしまったと。そういったことは公平な選考の上でどうなのか、こういった議論が一般的にはされております。
今、この日本でそういった事態がたくさん起きているとは認識しておりませんけれども、今後AIの活用が進んでいった場合に、そういった懸念も生じるであろうと思っております。ブラックボックス化につきましては、利用する方がどういう要素でもってマッチングされているか理解せずに、サービスを利用していると。それで知らないうちに自分に合った求人をもらっているはずなのに、実は向こうのスポンサー企業の求人を押し付けられていたとか、そういったことが典型的な事例としては考えられます。
どういったノウハウというお話もありましたけれども、その辺は正に業界団体などとの協力・連携が非常に重要なのだろうと思っております。業界団体の力も得ながら、どういったことが対応として必要か、考えていきたいと思っております。
○山川部会長 佐藤委員、いかがでしょうか。
○佐藤委員 ありがとうございます。特にアンコンシャスバイアスのところは、気を付けるべきポイントといったような観点だと理解しました。ありがとうございました。
○山川部会長 ありがとうございました。佐久間委員、お願いします。
○佐久間委員 官民の連携のところの業界団体の役割についてです。永井委員が言われたこと、本当にごもっともかなと思います。業界団体に任せるということだけではなく、厚生労働省が委託という形式かどうか分かりませんけれども、前面に出るような形を取っていただくのがいいのではないかと思います。
私ども中央会は、その業界団体・組合などの支援をさせていただく団体ですので、この業界団体・組合というものを、先日、ヒアリングをさせていただきました団体をはじめ非常に重要視しているのはよく分かります。そこで業界団体の役割を明確にして行く必要があると思います。今の団体もそれぞれ役割と使命を持って、設立、運営されていると思いますので、この後、例えば募集情報等提供事業者で作る団体を、1つ推進するのか。そうすると事業者が多くなってしまって混在する、役割が不明確になるということもありますので、その辺も留意しながら、この話はしていかなければならないと存じます。
そもそも業界団体とは自主的に出るのが本筋かもしれません。また、そういう動きが盛り上がってくるのであれば、それは必要だと思うのですけれども、何かこの業界団体の活用は、既存の団体のことか、新たな団体を設立しようとしているのか、その辺がちょっと不明確かなと感じます。以上でございます。
○山川部会長 ありがとうございました。ほかに何かございますでしょうか。松浦委員、お願いします。
○松浦委員 私からは(2)の1の2つ目の○について、意見を申し上げたいと思います。先ほど来、議論になっております募集情報等提供事業者の把握について、私も必要性を認識しておりまして、何らかの形で把握するということについて検討していくべきだと考えております。一方で募集情報等提供事業を届け出た者を広く一般に公開するということについては、幾つか検討すべきポイントがあるのではないかと思っております。
公の機関がその情報を公開する意味としては、労働者が事業者を選ぶ上での手掛かりになり得ますし、事業者からすると公開がインセンティブになり得るという良い面もあるのですけれども、公の機関が公開した事業者だということで、単に届け出ただけの、審査がなされていない事業者の情報に対して、一種のお墨付きを与えてしまうリスクもあるのではないかと思っております。
極端な例ですが、その募集情報等提供事業者がとても悪質な事業者だと分かった場合に公開情報から消すのか、そもそも事業者に対してどこまで指導できるのか、そういった点をこれから詰めていく必要があるのではないでしょうか。
その際、もしかしたら参考になるかもしれないのは、今は全て許可制が原則になっている派遣事業で、かつては認められていた届出制の事業です。その事業の公表や指導について、どのような対応がなされていたのかということを、もしかしたら参考にすることができるかもしれません。
ただ、今回はかつての派遣事業の届出制とは異なる、もっと簡便な届出も含めて検討されるということであれば、公開情報をどうハンドリングしていくかということについては、もう少し議論を深めていく必要があるのではないかと考えております。
○山川部会長 ありがとうございました。今の点は重要な御指摘かと思います。把握と公開とに関わることで、公開の趣旨に関わることでもあろうかと思いますし、また、把握とも関連しているような感じがしまして、把握した場合の効果についてですが、届出制とした場合に、行政としてはどういう対応をなし得るのかという点、届出制の先例といいますか、派遣のほうでどうなっていたかという点も、ちょっと確認していただければと思います。ありがとうございます。
ほかに何かございますか。先ほどAIの点についても種々御意見を頂きまして、複数の委員の方々から、業界団体任せにしないようにという御意見も頂いたところであります。これはここでは全て業界に任せるという趣旨では必ずしもなくて、研究上の必要性というのは別途あるだろうと思います。海外の情勢もありまして、EU等では検討が進んでいる。まだ確か指令等のレベルには達していないと思います。けれども、そちらを何らかの形で研究していく必要性というのはあるのであろうと思いますけれども、ここでは直接これにつき、例えば法規制のような形はまだ考えていないと、そういう趣旨の書きぶりだろうと思っております。
ほかに何かございますでしょうか。よろしいですか。では、既にお話が一部なされていますけれども、各論の中で優良な雇用仲介事業の認定について、どう考えるかという点につきまして、改めて御質問、御意見等を頂ければと思います。田尻委員、お願いします。
○田尻委員 優良な雇用仲介事業の認定について、制度の周知や内容の改善についての検討を行うこと、及び職業安定機関として優良事業者の利用を推進していくことについて賛成いたします。私自身も事業経営を行っているのですけれども、その中で日々、多くの雇用仲介事業者さんから、人材紹介サービスの利用の提案を何度も頂いています。そういった際にも、やはり重視したいと考えるのは、何より信頼が置ける事業者かどうかという点が第一になってまいります。
こうした中で、厚生労働省が優良事業者として認定しているということは、非常に大きな信頼につながりますし、安心して利用を検討するということにもつながると思います。したがいまして認定制度の改善に当たっては、この認定制度が厚生労働省の認定制度であるということが、もっと明確に伝わるといいなということと、あとは雇用仲介に係る認定制度、認定マークなど、様々あるのですけれども、できるだけ統一して分かりやすい制度にしていくことが必要ではないかと考えます。併せてインセンティブであったり、手続上の負担軽減などについても御検討いただければと思います。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。いろいろ具体的な御提言も頂きました。手続の簡素化というのは、今回のテーマとは別に、全体的に、ほかにもいろいろ出てくることがあるかもしれないという感じはいたしております。ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。平田委員、お願いします。
○平田委員 認知度が低いということですが、優良認定は非常に大事だと思っています。認定を得たことはPRでき、それだけでも何かメリットがあるのかもしれませんが、認定取得の具体的なインセンティブがあると進むのではないかなと思っています。将来的な検討課題にしていただければと思います。
○山川部会長 ありがとうございます。いろいろ今は認定制度ができていまして、その中でインセンティブをどう付けるか。いろいろ差異もあるかもしれませんので、全般を見渡して更に、今後のお話ということになるかと思いますけれども、検討する必要があるものだなと思った次第です。ほかに何かございますでしょうか。小野委員、お願いします。
○小野委員 優良の認定についてなのですけれども、今は職業紹介のほうは、やっていながらも、そんなにパーセンテージが上がっていないということと、あとは認知度もそんなに高くないということと、それについては何らかの対策を打たなければならないということは、喫緊の課題であると思うのです。それと、この募集情報等提供事業者の優良認定等をどのように、今、ここを読むと、かなりボワッと書かれているのですけれども、どのように考えたらいいのかなというのは、正直思っております。何か厚労省のほうであれば、少しだけでも示していただければと思うのですが。
○山川部会長 では、事務局からお願いします。
○篠崎課長 需給調整事業課長です。ここの記載では、まず現行やっている職業紹介事業に関する部分と、御指摘がありましたように、求人メディアだけではなく、今回は定義も拡大しようという御提案をしている部分の新しい募集情報等提供事業のところを、どう考えるかという、2つ分かれる部分があります。
職業紹介については御指摘いただいたように周知をしっかりし、内容の改善もできないかという宿題も頂いているところであります。求人メディアに関しましては、今は厚労省の委託事業でガイドライン適合メディア宣言というものを行っておりまして、60社程度に宣言していただいているということであります。
今後、利用促進していくというか、優良なものを促進していくときに、この宣言を認定にするということは考えられるわけですが、認定数が少ないような状況で、正に周知とか積極的な利用がされていないのではないかというまま進めていいのかという懸念もあります。どういう形で優良なものを促進していくかというのは、現行の職業紹介、それから宣言の制度の運用を見ながら、ちょっと工夫をしなければいけないなと思います。今、ここで解があるわけではありません。
ただ、御指摘いただいているように周知の在り方、まだまだ十分ではないということで御提案いただいている部分もあります。それからメリットの付け方というのは、なかなか難しい部分はありますが、これも課題であると思っています。
ちょっと御紹介したいのは、職業紹介に関して言いますと、優良事業者認定につきましては、40社程度ということでありますが、医療・介護・保育に限った宣言事業につきましては、356社ということで、かなり数が上がっています。この前の業界団体へのヒアリングのときにもありましたが、それはなぜかと言うと、やはり一般の求人企業さんが医療・介護・保育のときには宣言している所から選びたいというような意識があり、そこがうまく回っているのではないかというような示唆もありました。正にメリットの付与、国の制度的なメリットだけではなく、使う側がそれを見るようになるということで、結果的にメリットが出る部分もありますので、行政としての周知の在り方等は、非常に大事だと思っております。いずれにしてもすみません、まだ回答があるわけではありませんが、宿題として受け止めたいと思っております。
○山川部会長 小野委員、何かございますか。
○小野委員 募集情報等の、もともとある認定というか、優良の枠組みを使うという考えでいいのですか。
○篠崎課長 今、宣言事業があるということを申し上げたのですけれども、今も求人メディア向けにガイドラインを作っているという部分があります。それこそ宣言の対象が拡大した場合、先ほど言ったクローリングなど、直接依頼を受けるのではなくて、ある情報を集めてきて掲載するという、例えばそういう形態もあるとすると、その優良なやり方というのはどういうものなのかというところの検討もしなければならないと思っています。正に単に宣言を、認定という名前に変えるということではなくて、幅が広がった分について何が適当かという議論もする必要があるのかなと考えております。
○山川部会長 今後の課題ということになるかと思いますが、職業紹介事業のほうの仕組みにつきましては、活用状況が明らかになったということで、恐らく同時併行的にこの機会にということがあろうかと思いますし、この仲介事業者のほうは、把握とも関連してきますけれども、多分認定の要件の問題と、それから認定した場合の効果の問題と、二面があるように、これまでのお話を聞いて思ったところで、今後、双方の面からどうするかを検討するということになろうかと感じております。
ほかに何かございますか。では原委員のほうからお願いします。
○原委員 基本的なことで恐縮なのですけれども、現在のこの優良な事業の認定制度の実際の使われ方なのですが、優良認定を受けた事業者さんが、そういった優良認定を受けていますということを言って、営業などを行うということがありますよね。
あと、その優良な認定制度のホームページなどを見て、そこに載っているリストから業者を選ぶということがあると思うのですけれども、それ以外にどういう使われ方がされるのかなということです。今、申し上げた大きく2つですが、業者さんが自ら名乗ってPRに使うということと、それからその認定制度のホームページなりを見て、「あっ、この業者、載ってる」という、そういったところで使っていくのと、ほかに何か具体的に使われ方というか活用のされ方とは、どのようなものがあると考えればいいですか。
○山川部会長 何かありますか。事務局どうぞ。
○篠崎課長 その職業紹介の分野だけではなくて、いろいろな認定が世の中たくさんあると思いますが、1つ仕組み上ということではないのですが、把握している情報で言いますと、例えば自治体などが委託事業をするときに、例えばこの職業紹介であるとか、求人情報提供のような事業のときに、こういった何らかの認定とかを持っているときには、加点対象になるとか、そういった形でメリットを付けていただいているところもあるようです。
もちろんこれは「くるみん」とか、そういった制度のごとく、基本的に加点に織り込めというような性格のものではなくて、各自が事業目的に照らしてということだと思いますが、そういったことで言うと一部ではありますが、一般企業だけではなくて、自治体でやる事業について受託しやすくなるとか、そういったようなメリットがあるという事例も聞いているところです。
○原委員 ありがとうございます。そうしますと結構、制度の周知が進まないと、そういったページを見られないし、ページを見られないのだったら周知も進まないと、なかなか難しいので、恐らく実現は難しいと思うのですけれども、例えば何らかの検索をしたときに、自動的にそういう「優良認定を受けています」マークが出るとか、そういったことでもあれば一気に進むと思います。なかなかそれは実現は難しいかなと思うのですが、ただ、現行の枠組みを超えた何か工夫ができないかというのは、引き続き検討していくべきなのかなと、ちょっと感想として持ちました。ありがとうございます。
○山川部会長 ありがとうございます。では佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 ありがとうございます。私も優良事業者の周知、認知を高めていって、利用を推進していくという方向性はいいのかなと思っています。すみません、基本的というか前提となるところで、ちょっとお伺いしたかったのですけれども、現状の優良の事業者が、数は少ないながらもあるとは思うのですけれども、ここで運用されている中で、利用者からのトラブルと言うのでしょうか、前に「アンケート調査をして」というのがあったと思うのですけれども、一般の所に比べて優良事業者を利用すると、トラブルがゼロとはいかないかもしれませんが、これだけ少ないのだ、みたいなことが言えるようなデータというか、論拠みたいなところがあるというところが多分、前提にはなってくると思うのですけれども、その辺りは何かございますでしょうか。
○山川部会長 それは事務局のほうで、何か把握しておられますか。どうぞ。
○篠崎課長 現在、手元で把握しているものがございません。なかなかデータがあるのかなというところはありますが、取っている事業所さんがどういうメリットを感じているかというか、そういうところの観点で何かお出しできるものはないかというので、ちょっと確認してみたいと思います。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○山川部会長 ありがとうございます。そのほか何か、御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。ほかに全般にわたりまして、何か特段ございますか。よろしいでしょうか。非常に有益な議論をたくさん頂きまして、ありがとうございます。
それでは、まだ若干時間もありますが、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。事務局から何か連絡事項はありますか。
○笠松補佐 事務局です。次回の部会の日程につきましては、追って事務局から御連絡差し上げますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
○山川部会長 それでは以上をもちまして、第330回労働力需給制度部会を終了いたします。皆様、大変お疲れ様でした。ありがとうございました。