2021年2月17日 薬事・食品衛生審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会 議事録

日時

令和3年2月17日(水)15:00~

出席者

出席委員(14名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理
 

欠席委員(4名)五十音順

行政機関出席者
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  河野典厚(医療機器審査管理課長)
  •  大原拓(医療機器審査管理課再生医療等製品審査管理室長)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事・審査センター長事務取扱)
  •  山田雅信(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
  •  林直治(独立行政法人医薬品医療機器総合機構執行役員) 他

議事

○医療機器審査管理課長 厚労省の医療機器審査管理課長でございます。定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会再生医療等製品・生物由来技術部会を開催いたします。委員の先生方におかれましては御多忙の中御出席いただきまして、ありがとうございます。本日は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、Web会議での形式で開催させていただきます。先生方におかれましては事前の準備も含めまして、御理解、御協力いただきましたことを感謝申し上げます。
 それでは最初に、本年1月25日付けで薬事・食品衛生審議会委員の改選が行われましたので、この部会に関しまして、御退任された委員及び新たに就任された委員につきまして、私から御紹介させていただきます。まず、御退任された先生方ですが、杉山肇委員、野口貴公美委員が、御退任されたことを御報告いたします。続いて、今回から新たに2名の先生方に部会委員として御就任いただいておりますので御紹介させていただきます。申し訳ございませんが、新任の先生方におかれましては、一言御挨拶を頂ければと思います。東京学芸大学教育学部人文社会科学系の准教授でいらっしゃる佐藤雄一郎委員でございます。
○佐藤(雄)委員 佐藤でございます。野口委員の後任として、法律の立場から入ることになりました。よろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 東京医科大学整形外科の主任教授でいらっしゃいます山本謙吾委員です。
○山本委員 委員を拝命いたしました。何卒よろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 続きまして、部会長の選出について御報告いたします。委員の改選に伴い、1月25日に行われました薬事分科会において、各部会の部会長の選出が行われております。本部会につきましては、合田幸広委員が改めて部会長として選出されておりますので、御報告申し上げます。合田先生、一言よろしくお願いいたします。
○合田部会長 国立衛研の所長をしております合田でございます。昨年度の中途から部会長を務めさせていただいておりますけれども、引き続き部会長をすることになりました。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 次に、部会長代理の選出についてです。薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定により、「部会に属する委員のうち部会長があらかじめ指定する者が、その職務を代理する」とされております。合田部会長、御指定のほどよろしくお願いいたします。
○合田部会長 部会長代理につきましては、楠岡委員にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○医療機器審査管理課長 ありがとうございます。部会長から楠岡委員に部会長代理の御指名がありましたので、楠岡委員に部会長代理をお願いしたいと存じます。それでは楠岡先生、一言御挨拶をお願いいたします。
○楠岡部会長代理 国立病院機構の楠岡でございます。御指名を受けましたので、部会長代理を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 現時点で、再生医療等製品・生物由来技術部会委員18名のうち14名に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを御報告いたします。
 次に、事務局から本部会の運営方法につきまして、特に御留意いただきたい事項などについて御説明させていただきます。
○事務局 改めまして、本部会への御参加に当たっての留意事項を3点ほど御説明させていただきます。第一に、守秘義務の関係でございます。国家公務員法第100条におきまして、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。」と規定されております。本審議会の委員、臨時委員、専門委員は、非常勤の国家公務員であり、この規定の適用を受けますので、職務上知り得た秘密について漏らすことのないようお願いいたします。
 第二に、薬事に関する企業等との関係でございます。まずは参考資料1「薬事分科会規程」を御用意ください。8ページ目を御覧ください。薬事分科会規程第11条におきまして、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定されております。審議の中立性・公平性を確保する観点から規定されておりますので、これらに該当する場合、また任期中に該当することとなる場合には、速やかに事務局まで御連絡いただきますようお願いいたします。
 続いて、参考資料2「薬事分科会における確認事項」を御用意ください。13ページ目を御覧ください。審議事項について御説明いたします。「再生医療等製品」という見出しの表の右側、「部会」「分科会」と書かれている欄に、区分ごとに印が付いております。○印は審議、△印は報告、▲印は文書配布による報告、×印については、審議・報告はなしとなっております。基本的には、これに基づき、部会、分科会において御審議をお願いしております。
 続いて、参考資料1「薬事分科会規程」を御用意いただき、6ページ目を御覧ください。第7条において、「部会における決定事項のうち、比較的容易なものとして分科会があらかじめ定める事項に該当するものについては、分科会長の同意を得て、当該部会の議決をもって分科会の議決とする。ただし、当該部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であるとの決定がなされた場合にはこの限りではない。」と定めております。先ほどの表に記載しております事項以外にも、この但し書きにありますように、部会において特に慎重な審議を必要とする事項であると決定された場合には、分科会において御審議をお願いすることとなります。委員の皆様におかれましては、このような規定を御承知の上、御審議いただきますようお願いいたします。説明は以上です。
○医療機器審査管理課長 続きまして、本日の議事に先立ちまして、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、御報告させていただきます。
 ただいま事務局から説明のとおり、薬事分科会規程第11条におきましては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には辞任しなければならない。」と規定されております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御報告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様におかれましては、会議の開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますけれども、引き続き御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
○事務局 続きまして、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて、御説明いたします。平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づき、本日予定している全ての議題は再生医療等製品の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容などが含まれるため、非公開といたします。
○合田部会長 それでは最初に、事務局から配布資料の確認と、審議事項に関与された委員と利益相反に関する申出状況について、事務局から報告をお願いいたします。
○事務局 まず、配布資料の確認をさせていただきます。あらかじめ郵送にてお送りした資料のうち、資料1-1から資料1-4、資料2、資料3を用いますので、御用意ください。このほかに当日資料としまして、専門委員リスト及び競合品目・競合企業リストを画面上で共有させていただきます。
 次に、Web会議を開催するに当たり、注意事項を御説明いたします。審議中はマイクミュートでお願いいたします。御発言される際には、画面右下の顔のマークのアイコンをクリックして、手のマークを押して挙手していただき、部会長から指名された後に、マイクミュートを解除し、お名前をおっしゃっていただいた後に御発言いただきますよう、お願いします。また、接続トラブルが発生した場合には、チャット欄を御利用いただくか、事前にお送りしました事務局連絡先まで御一報いただければと思います。
 次に、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業について御報告させていただきます。画面上の「競合品目・競合企業リスト一覧」を御覧ください。1ページの「ブレヤンジ静注」ですが、再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫及び再発又は難治性の濾胞性リンパ腫を対象疾患としており、競合品目として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
○合田部会長 ただいまの事務局の説明につきまして、特段の御意見、コメント等はありますか。これはWebの会議ですので、資料を確実にお持ちいただくのが非常に大事だと思います。対応する資料がすぐに出てこない場合にはお待ちいただきますので、ミュートを外して直接御発言いただければ少し待ちますので、その辺は柔軟に進めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。皆様、先ほどの事務局の説明について、特に御意見等はございますか。よろしいですか。特にないようでしたら、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、委員の皆様の御了承を得たものといたします。
 それでは、委員からの申出状況についてもお願いいたします。
○事務局 各委員からの申出状況については、次のとおりです。委員の皆様から、寄附金、契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、議題1から議題3のいずれの議題についても、薬事分科会審議参加規程第12条の審議不参加の基準に基づく審議に参加できない委員はいらっしゃいませんでした。ただし、薬事分科会審議参加規程第13条に基づき、議題1において議決に参加できない委員は宮川委員となっております。この際、御退室いただく必要はございません。以上、御報告いたします。
○合田部会長 ただいまの事務局の説明につきましては、特段の御意見、コメント等はございますか。よろしいですか。それでは、皆様に御確認いただいたものといたします。
 本日は議題1が審議事項、議題2、議題3が報告事項となっています。それでは、議題1に移ります。まず、議題1は非公開案件です。再生医療等製品「ブレヤンジ静注」の製造販売承認の可否、条件及び期限の要否並びに再審査期間の指定の要否についての審議に入ります。機構より説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは説明させていただきます。議題1資料番号1、ブレヤンジ静注の製造販売承認の可否等について、機構より説明させていただきます。お手元の資料の番号1-1「審査報告書」をお開きください。電子を見られている先生方は、資料1-1のフォルダの中に入っていると思われます。紙資料を御覧の先生方は紙資料を御覧ください。以降の説明につきましては、審査報告書の下に示されているページ番号を用いて説明させていただきます。
 まず、審査報告書の7ページの上から2行目以降に記載した「1.1申請品目の概要」を御覧ください。本品は遺伝子組換えレンチウイルスベクターを用いて、B細胞の表面抗原であるCD19を特異的に認識するキメラ抗原受容体(以下、CARと略す)、の遺伝子を患者由来のT細胞に導入した再生医療等製品です。本品に導入されたCARがCD19を発現した細胞を認識することにより本品が活性化され、増殖し、また、標的細胞に対する攻撃等に関する信号を伝達することにより、CD19を発現するB細胞性の腫瘍を死滅させる効果が期待されます。
 今般、本品は「再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫」を効能・効果又は性能として承認申請されました。なお、本品は2018年8月の当部会における審議を経て、希少疾患用再生医療等製品に指定されております。本品は令和3年2月5日に米国にて承認されましたが、それ以外に現時点で承認された国はございません。本品の専門協議に御参加いただいた専門委員は、専門委員リストのファイルにあるとおり、6名の委員となっております。以下、臨床試験成績を中心に、審査の概要を説明させていただきます。
 審査報告書の24ページの表16を御覧ください。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、海外第Ⅰ相試験である017001試験及び国際共同第Ⅱ相試験であるBCM-001試験の成績が提出されました。
 最初に、有効性について説明いたします。審査報告書の27ページの表18を御覧ください。海外の再発又は難治性のB細胞性非ホジキンリンパ腫患者を対象とした017001試験において、主要評価項目とされた全奏効割合は74.4%であり、95%信頼区間の下限は、あらかじめ予定された閾値奏効割合である40%を上回りました。また、審査報告書の31ページの表21を御覧ください。再発又は難治性のアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同BCM-001試験において、主要評価項目とされた全奏効割合は58.8%であり、95%信頼区間の下限は、あらかじめ予定された閾値奏効割合である40%を上回りました。なお、BCM-001試験には日本人患者が含まれており、コホート3の日本人患者における全奏効割合は70%でした。
 次に、安全性については、審査報告書35ページの3行目以降に記載している「6.R.3安全性について」を御覧ください。本品の使用時に特に注意を要する有害事象として、サイトカイン放出症候群、血球貪食性リンパ組織球症、神経障害等が認められております。したがいまして、本品投与時には、これらの有害事象の発現に特に注意すべきと判断いたしました。また、これらの有害事象の発現に対応できる設備の整った医療施設において、大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫の治療に対して、十分な知識と経験を持つ医師による観察や管理等の適切な処置が取られることにより、忍容可能と判断いたしました。ただし、国内での治験症例数は極めて限られていることから、製造販売後には全症例を対象とする調査を実施する必要があると判断しております。
 以上のような審査の結果、機構は審査報告書の1ページ目の下から7行目以降に記載されているとおりの効能・効果又は性能、並びに用法及び用量又は使用方法で、審査報告書の3ページの承認条件を付した上で、本品を承認することは可能と判断いたしました。
 本品は、希少疾病用再生医療等製品に指定されていることから、再審査期間は10年とすることが適当であり、また指定再生医療等製品への指定は不要と判断いたしました。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○事務局 次に、本日欠席の小原委員から事前に御意見を頂いておりますので、事務局より御紹介及び御回答いたします。画面上の資料「(追加資料1)小原委員より頂いた御意見」を御覧ください。事前に頂戴した御意見を掲載しておりますので、御紹介させていただきます。
 1つ目、審査報告書50ページ、TLSは本品(ブレヤンジ)投与による結果、発生したものか。発生率はどの程度か。2つ目は、同審査報告書51ページ目、二次悪性腫瘍は本品投与によるものか。発生率はどの程度か。3つ目、海外における使用状況等に関する資料において、海外における使用例はないとのことであるが、その理由は。また、今後申請予定の国はあるのか。以上の3点について、事務局より回答いたします。
 まず、1つ目のTLSが本品投与によるものか、発生率がどの程度かについては、017001試験ではTLSが3例認められており、そのうち本品との因果関係が否定されないTLSが2例ありました。017001試験におけるTLSの発現割合は1.0%(286例中3例)です。なお、BCM-001試験では、TLSは認められておりません。
 次に、2点目の二次性悪性腫瘍が本品投与によるものか、発生率はどの程度かについては、017001試験では二次性悪性腫瘍が22例で認められており、このうち本品との因果関係が否定されない二次性悪性腫瘍は2例です。また、BCM-001試験でも、二次性悪性腫瘍が1例で認められており、因果関係は否定されております。017001試験で認められた因果関係が否定されない2例の二次性悪性腫瘍については、腫瘍生検の結果から、クローン性CAR-T細胞増殖性障害又は遺伝子導入による悪性形質転換とは一致しない等より、現時点では本品と二次性悪性腫瘍との積極的な関連性を示唆する情報は得られていないとの申請者からの説明がなされています。なお、017001試験及びBCM-001試験の投与対象とされた患者については、前治療歴としてアルキル化剤やアントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤といった抗悪性腫瘍剤による治療を受けていることから、当該薬剤による影響も考えられる状態であると考えられます。017001試験及びBCM-001試験における二次性悪性腫瘍の発現割合は、それぞれ7.7%(286例中22例)及び2.1%(46例中2例)です。
 最後に、海外における使用例については、本品は新規の開発品目であり、今年の2月5日に米国において世界で初めて承認されたという状況です。このため、まだ海外における一般の使用実績はありません。また、欧州においても承認申請されており、現在審査中との説明を受けています。
 小原委員には上記のとおり御説明を差し上げ、御了承いただいております。事務局からは以上です。
○合田部会長 今日は、小原先生は御欠席ですので、事務局から既に説明してあるということだそうです。この御質問に関連して、委員の皆様から何かございますか。よろしいですか。特にないと判断いたしましたので、続いて資料1-2の最適使用推進ガイドラインについて、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より、最適使用推進ガイドラインについて説明させていただきます。お手元の資料2の「最適使用推進ガイドライン(案)」をお開きください。最適使用推進ガイドラインは、医薬品で行われている取組に倣い、試行的に作成するもので、新規作用機序の再生医療等製品について最適な使用を進めていくため、この再生医療等製品を真に必要とする患者や、使用する医師や医療機関の要件についてお示しするものです。ガイドラインの案については、現在、一般社団法人日本血液学会、一般社団法人日本輸血・細胞治療学会、一般社団法人日本造血細胞移植学会、日本血液疾患免疫療法学会、日本遺伝子細胞治療学会、公益社団法人日本臨床腫瘍学会の6学会の御協力を頂いて検討しているところです。本部会の委員からも御意見、御指摘がございましたら、それも含めて検討させていただきたく、案をお示しする次第です。
 ガイドライン全体の構成から御説明いたします。1ページ目に目次がございます。まず、「はじめに」で、このガイドラインの位置付けと内容を紹介しています。次に、「2.本品の特徴、作用機序」で、この製品の基本的な情報を記載しています。「3.臨床試験」で、今回の承認に使った2つの臨床試験の成績を紹介しています。「4.施設について」では、最適使用のための施設や医師の要件を示しています。「5.投与対象となる患者」で、有効性と安全性の観点から、これまでに得られているエビデンスの下、どういった患者に投与するのが最適かを示しています。最後に、「6.投与に際して留意すべき事項」で、これまでに示した施設、患者要件で実際に使う場合の留意点を示しています。
 具体的な要件について、特に「4.施設について」以降を説明いたします。資料の12ページを御覧ください。「4.施設について」ですが、まず4つの施設の要件を示しています。(1)は日本造血細胞移植学会が定める移植認定施設のうち、カテゴリー1又はそれに準ずる施設として、医師や看護師の配置が充実している診療科で治療を行うこととしています。(2)で、本品は投与後に重篤な副作用が発現する可能性が高く、ICU等において集学的な対応が必要となることから、ICU等を有していることを要件としています。(3)はアフェレーシスを安全に行うための要件です。(4)は本品の承認後に予定される全例調査を適切に行うための要件です。
 次のマル1マル2に、医師の要件が書かれています。こちらもリンパ腫の専門的知識や診療経験を重視し、更に製造販売業者が実施する本品の使用に関する講習を修了した医師が複数名配置されていることを要件として定めています。また、複数名の医師のうち1人は治療の責任者として、(1)から(3)までの要件を全て満たす人を責任者として配置することを求めています。
 次に14ページを御覧ください。5.投与の対象となる患者についてです。有効性に関する事項のマル1では、治験の組入れ基準に、マル2では治験の除外基準に該当する患者の要件を主に記載しています。濾胞性リンパ腫については、※で示すとおり、十分な経験を有する病理医によってGrade3Bと診断された後、2ライン以上の化学療法により安全奏効が得られなかった又は治療後に再発した患者に投与することと、注意書きをしています。安全性に関する事項のマル1には、添付文書の禁忌に該当する事項を、マル2には治験での除外基準に該当する患者を記載しています。
 次に16ページの「6.投与に際して留意すべき事項」を御覧ください。ここには添付文書の重要な基本的注意の欄を基に記載しています。特にマル3の2ポツ目のサイトカイン放出症候群(CRS)への処置については、こちらの表13に示すアルゴリズムにのっとって、18ページ目の3ポツ目の神経系事象への処置については、表14に示すアルゴリズムにのっとって管理することが重要ですので、添付文書よりも詳細な記載としています。最適ガイドラインの今後としては医薬品と同様に、保険適用上の留意事項としての活用を御検討いただくこととしています。
 次に、3ページ目にお戻りいただき、四角枠で囲われた箇所を御覧ください。ここには本品の承認事項を書き写しております。対象となる効能・効果又は性能において、但し書きで、「CD19抗原を標的としたキメラ抗原受容体発現T細胞輸注療法の治療歴がないこと」を条件としております。
 一般に、CD19を標的としたCAR-T細胞治療の後に再発した腫瘍では、CD19抗原が消失している可能性があるため、CD19を標的としたCAR-T細胞治療歴のある患者に対して、本品の投与は推奨されないと考えられることから、昨年12月3日の部会で審議した、CD19を標的としたCAR-T細胞治療製品の2品目目のイエスカルタ点滴静注と同様に、当該記載を行っているところです。
 一方で、当該記載はCD19を標的としたCAR-T細胞治療製品の1品目目である「キムリア点滴静注」においては記載がなされていないところです。前回部会において、キムリアの製造販売業者であるノバルティス社と相談を行い、キムリアにおいても効能効果や最適使用ガイドラインの記載について適切に対応することを予定していることを御報告しましたが、その結果については後ほど御説明いたします。説明は以上です。
○合田部会長 ありがとうございました。ただいまの御説明について、委員の先生方から御質問、御意見等はありますか。私のところでは画面は見えないのですが、事務局では確認されていますか。宮川先生、どうぞ。
○宮川委員 審査報告書に戻ってしまいますが、質問させていただきたいと思います。これはガイドラインにも係ることなのですが、患者さんから採取した白血球のアフェレーシスの産物のことです。以前、キムリアとイエスカルタのときにも質問させていただいたことなのですが、製造成功割合の問題です。移送の問題にもかかわってきますが、その割合の改善点など、検討されておりますでしょうか。そのことをお聞きしたいと思います。これが第1点なので、1個ずついきたいと思います。
○合田部会長 ありがとうございます。これはPMDA、何かありますか。
○医薬品医療機器総合機構 それでは、PMDAよりお答えさせていただきます。本品ですが、製造失敗率は治験の間のデータですと、失敗率は○○○○%です。○○○検体が作られて、そのうちの○○が失敗しているという状況です。
 最終的な市販製法においては、○○○分の○○、○○○%となり、やや改善されているという状況になります。改善点としましては、試験の改善等により逸脱するものを減らしたというところです。以上です。
○宮川委員 ありがとうございました。本品の有効性の主要評価項目の中は、キムリアと同じような独立審査委員会の判定という形になっています。これは以前にやったイエスカルタのときは、主治医判定による奏効率というような形でCRやPRというような評価をされておりました。これは規格の妥当性について教えてください。キムリア、イエスカルタ、本剤とその判定の仕方に対しての整合性というか、相違点など存在するのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○合田部会長 PMDA、よろしいですか。
○医薬品医療機器総合機構 お答えさせていただきます。まず、キムリアにしても、イエスカルタにしても、ブレヤンジにしても、単群試験での有効性評価という形になります。その中で、中央判定だからとか、治験医師判定だからといって、有効性評価バイアスを完全に省くということは、どちらにしても難しいのかなと考えています。ただ、中央判定にしたほうが評価者間のぶれというのは少なくなる可能性があるということは1つ言えることではあると思うのですが、前述のように、単群試験ですのでバイアス等の問題を考えると中央判定と治験医師判定でそこまで大きな差はないのではないかと考えております。以上です。
○宮川委員 ありがとうございました。それから、添付文書の効能・効果又は性能という所です。添付文書の1ページの右肩です。そこで効能・効果の所に文言がどこまで掛かるのか、よくわかりません。「ただし」という所が、下に付くわけです。「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」とした後に、「ただし」と書かれて、この「ただし」以下の文言がどこまでの範囲を指すのか、その上の文と下の文が非常に混乱しやすいような形です。1ポツから下の3ポツ、そのポツがどのように関連しているのか、非常に読みにくいと感じます。理解しにくいので、一見して分かるような形で、読み違いがないようにしていただければ有り難いかなと思った次第です。いかがでしょうか。私の読み方が悪いのかなと、自信がないものですから。
○合田部会長 これは機構、お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 まず、「ただし」がどこに掛かっているかですが、これは両方で、大細胞B細胞リンパ腫と濾胞性リンパ腫の両方に掛かっています。
○宮川委員 両方ですよね。
○医薬品医療機器総合機構 先生のおっしゃるとおり、確かに、これだと読み間違いが起こるということは、ごもっともかなと思いますので、また厚労省と相談しまして、もう少し分かりやすく、1行開けるなど、何か方策を考えたいと思います。
○宮川委員 それから、もう1つですが、添付文書の中の臨床成績です。国際共同第Ⅱ相試験、BCM-001試験という所なのです。添付文書にもありますし、審査報告書の34ページです。その中を読むと、「日本人集団が含まれなかったというような形の中で」と書いてあります。特に審査報告書の34ページの下段です。BCM-001試験では検討されなかったうんぬん、並びにBCM-001試験においては日本人が組み入れなかったうんぬんと記載されています。日本人患者では本品の有効性を示す臨床成績の成績は得られなかったものの申請者はうんぬんと書いてあります。それをこのまま添付文書には表だけが、ぽんっと入ってしまっているものですから、丁寧な記載が望ましいと考えます。日本人が加われなかったうんぬんと、組織分類として入っていなかったというようなことを記載したほうが良いのではないでしょうか。教えていただければと思います。
○合田部会長 PMDA、これは何かありますか。
○医薬品医療機器総合機構 確かに組織型として、日本人が入っていなかった事実はあるとは思いますが、しかしながら、日本人が組み入れられていなかった組織型は非常に希な組織型であり、試験の中で日本人を必ず組み入れるということはなかなか困難な組織型であると我々としては考えています。そういった中で、CD19を発現している類似の組織型で、ある程度の有効性が認められているということを踏まえ、組み入れられてない組織型についても、ある程度日本人に対する有効性は期待できるのかなと判断しております。上記のような状況を踏まえると、添付文書でそこまで記載する必要性は我々としてはないのではないかなと考えていますが、いかがでしょうか。
○宮川委員 分かりました。こちらの文書の34ページに書いてあるのですが、この添付文書だけを見る人はいないとは思いますが、少し丁寧に記載するか、何か資料としてあればと思い、指摘させていただきました。御説明ありがとうございました。
○合田部会長 ありがとうございます。宮川先生、よろしいですね。もう1つ、チャットで小野寺先生から入っていますが、これは大丈夫ですか。小野寺先生から私の事前質問は説明されるのでしょうかというチャットが入っていますが。PMDAから説明されますか。ネットワークの接続で問題が発生しましたが、大丈夫そうですか。
○医薬品医療機器総合機構 すみません、音が飛び飛びでよく聞こえないのですが。
○事務局 こちらは聞こえていますので、PMDAから小野寺先生の御質問について御回答お願いできますか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、分かりました。
○合田部会長 小野寺先生の質問、これからPMDAが説明されるそうです。お願いします。
○小野寺委員 分かりました。お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは機構から小野寺委員より事前に質問をいろいろ頂いていますので、それについてお答えしていきたいと思います。
 まず1つ目ですが、CD4、CD8を分離してそれぞれ遺伝子導入し、それらを別々に投与する利点と欠点を教えてくださいという御質問を受けています。それについては、審査報告書の62ページの所に、この投与細胞の比についての申請者側の説明が載っています。かいつまんで説明しますと、非臨床試験において、CD8とCD4の比率をコントロールしたものが抗腫瘍活性は増強されるという報告があるということが1点です。2つ目が、本品ではないのですが、本品の前に開発していた品目において、CD8の量が非常に多い場合は、神経障害が起こりやすくなるのではないかという関連性が示唆されたというデータがあったということ。3つ目は、017001試験において、CD8とCD4の比は中央値1でもコントロールしたということで、本品については投与細胞の比は1対1で行うというところは説明を受けています。
○小野寺委員 ありがとうございます。今の説明で理解したのですが、1点確認させてください。今回初めてCD4、CD8を分離する方法が採られていると思いますが、そうなると、投与数が1バイアル当たり1.1×10以上と書いてあるのですが、多くの場合CD8細胞のほうが増えてくると思います。その場合、CD4/CD8のバイアル数の調整はどうされるのですか。つまり、余剰分があれば、廃棄するかということですか。
 それから、これは私は知らなかったのですが、CD8が多いと神経症状が多いとのことです。これは市販後も評価していくのですか。
○医薬品医療機器総合機構 まず、投与量の話ですが、これは確かに、バイアルの中には規格の範囲内で細胞数は入るのですが、投与量というのは製造中に決められまして、CD4のバイアルから幾つ、CD8のバイアルから幾つということがインストラクションとして、それぞれの製品に付くという状況です。ですので、必ず1対1で投与され、それぞれのバイアルでも残り分が出ると思いますが、それについては破棄していただくという形になっています。
 続きまして、混合の1対1というか、CD8が多過ぎるということを管理するのかということなのですが、本品については製造段階で1対1を投与するように管理されてしまいますので、それ以外の比率で投与されるということは想定されていないため、CD8陽性細胞が多い場合に神経障害が起こりやすいというところを評価するというのは、本品目の中では少々厳しいかなと思っています。ただ、神経障害自体はCAR-Tについては非常に重要な副作用の1つですので、製販後の調査で厳密に報告される予定です。以上です。
○小野寺委員 分かりました。すみません、では次の質問をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは小野寺委員の2番目の質問ですが、レンチウイルスベクターの挿入部位の解析のデータがどこにあるのかという御質問を受けています。それについては、CTDの4.2.3.3.1.1、部会資料には含まれていませんが、そこに入っています。これについては小野寺委員からもう一度、質問があったのですが、少し御説明いただけますか。
○小野寺委員 この結果は遺伝子導入後のin vitroのデータかと思いますので、多分、ポリクローナルな感じだと思います。審査報告書の中には、この段階で腫瘍関連遺伝子のほうにはベクターは入っていないという書き方しかしていないのですが、多分、ポリクローナルな挿入ではそこまで確認できるか不明です。
 また、もう1点は、今回、CD4、8で分けて遺伝子を導入しているわけで、通常のCD4/CD8を分離しないで導入した場合と挿入部位に違いはありますか。
○医薬品医療機器総合機構 まず1つ目ですが、4.2.3.3.1.1に載っているデータは最終製剤のデータです。最終製剤の時点で、大体この辺りに挿入されやすいというところが入っているデータですので、挿入直後のデータではないということが1点です。
 もう1つですが、一応はCD4とCD8、それぞれのデータはあるのですが、通常のレンチウイルスベクターで挿入される部位との比較も行っていまして、それについては、見た限り通常のレンチウイルスベクターで主に好まれる挿入配列とは違うところに入るという情報はない、大体同じような場所に組み込まれるという傾向が見られているということは説明としてもらっています。以上です。
○小野寺委員 分かりました。了解です。それで結構です。では、3番目の質問をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 次は3番目で、トランケイテッドなEGFRですが、これがなぜ残っているか。それの抗原性についてというところで、御質問を頂いています。まずこのEGFRの目的なのですが、これ自体は機能自体を目的としているのではなく、遺伝子導入効率を評価するための細胞表面マーカーとして使われているものになります。そのまま遺伝子導入効率を○○○○○で見ている、開発を進めている結果、この○○○○○○○○○○○○○○○、○○○○○○○○○○○○○○○○という状況になります。
 抗原性に関しては、あくまで、これはヒトのEGFRですので、ヒトと同じ配列ですので、免疫応答の可能性は比較的低いのではないかという点に関しては、申請者より説明を受けています。以上です。
○小野寺委員 審査報告書内に、抗EGFR抗体を使うと遺伝子導入細胞が減少する可能性があると書いてあるのですが、今回、使用した遺伝子は細胞内ドメインを欠失したトランケイテッドタイプなので、抗体の架橋によっても細胞内シグナルは伝達しないと思うのですが、この辺の整合性はどう考えているのでしょうか。あと、正直言って、製品の中に余計なもの(ヒトtEGFR)が入っている訳で、私はこの点に関して審査報告書の中で、なぜ使ったのか、抗原性の問題、抗EGFR抗体を使ったときにどうなるか、遺伝子導入細胞へのEGFRの作用を記載してもいいのではないかと思いますが、この辺はいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、とりあえず審査の過程において書かなかった理由ですが、それについてはあくまでマーカー以上の役割を果たしていなかったというところで、審査報告書の中では深く議論していないところです。ただ、先生のおっしゃるように、アンチゲンとして機能する可能性があるので、それについては抗体ファクターが作用するのではないかというところで申請者側の相談は受けたところです。正直、審査報告書内に、これについての説明は余りないのですが、略語表のところで、一応EGFRtは、トランケイテッドなEGFRであるということは記載していて、フルのものではないというところは、報告書から読めなくはないという状況です。先生としては、やはりこれは詳しく記載するべきだというお考えですか。
○小野寺委員 これはメールにも書いたのですが、HSV-TKによるT細胞遺伝子治療では遺伝子導入細胞の選択にNGFR-Tを使用しており、別の疾患で白血病が発症した際、NGFR遺伝子を導入したことでの腫瘍化への影響が論議されたことがあります。それで、今回の場合はNGFRではなくてEGFRですが、やはり、その経緯を記載するべきと考えます。
○医薬品医療機器総合機構 分かりました。本件については、厚労省と話し合って、また適切な対応を考えさせていただきたいと思います。
 その次の御質問に進めさせていただきます。医療機関からは保冷輸送していますが、受入れの際には液体窒素で保存します。この過程を占めているページを教えてくださいという御質問についてですが、ページ数については審査報告書の11ページに白血球アフェレーシスの洗浄から最終的にCD4陽性細胞とCD8陽性細胞のバイアル凍結保管までの工程を記載させていただいています。
○小野寺委員 アフェレーシス等で得られる患者リンパ球にCD4/CD8の規格値はありますか。つまり、CD4が少ない人は結構いるのですが、そのときに生産者は最終的に1.1×10になるようにアフェレーシスの段階での細胞数を規格値として決めているかです。キムリアではアフェレーシスにおける回収リンパ球数を私たちは気に掛けており、臨床の場での規格値設定はあるかの質問です。
○医薬品医療機器総合機構 規格で管理されているのは、受入れ時点での細胞数でのみ規定されています。これが○○○○○○細胞というところがスタートになっています。ですので、医療現場でCD4、CD8の比や細胞数については特に規定は設けられていませんが、海外の製造所に送られた時点で○○○○○○細胞がなければ、そこで製造ができないという状況になっています。
○小野寺委員 例えば、50×10個あったときには、CD4、8というのは、最終的には1×10採れると思ってスタートするということでいいですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、基本的にはその予定で製造されています。
○小野寺委員 分かりました。ありがとうございます。
○合田部会長 ありがとうございました。では小野寺先生、よろしいですね。荒戸先生、御発言をお願いします。
○荒戸委員 1点のみの質問です。先ほど宮川先生の御質問にもあったのですが、約○割程度は結局、製品が製造できないということになります。こうした患者さんに対する救済措置として、キムリアのような救済措置が考えられているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 本品についても、キムリアと同様に、OOSが発生したとしても患者さんに打てるというスキームのほうは準備されております。治験について、やはり規格値を割ったものが投与はされているのですけれども、その場合も一定の効果は見られているという情報もあります。以上です。
○荒戸委員 ありがとうございました。
○合田部会長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。佐藤陽治先生、お願いします。
○佐藤(陽)委員 国衛研の佐藤です。有効性、安全性、品質とは余り関係ないのですけれども、資料1-1の2.3Sと2.3Pに、レンチウイルスベクターとCD4、CD8の細胞自体が原薬と書かれています。私の理解では、原薬というと、最終製品の有効成分だと思うのですが、これらは原薬という位置付けなのですか。
○医薬品医療機器総合機構 今は再生医療等製品の場合は、申請資料のフォーマットをCTD形式でも受け付けています。その中で、どこからかがS、どこからかがP、製剤というところの仕分けは、厳密に医薬品の原薬みたいな形ではなくて、中間体のものをS、最終製品のものをPというのも許容しており、厳密に区分けしているわけではないという状況です。今回の申請者は、そこを2.3Sとしてまとめてきたというのが背景になりますので。
○佐藤(陽)委員 分かりました。ということは、申請者の定義次第ということですね。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○佐藤(陽)委員 分かりました。ただ、例えば厚労省やPMDAが出す文書で原薬と言ったときに、何を指すかというのが曖昧になってしまいそうな気がして心配です。今どうこうしろという話ではないのですが、心配に思います。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。結構、原薬と言っても、最終製剤に近いものも原薬と言っているメーカーもいますので、確かに、表示の仕方が再生医療等製品では、まだ明確に定まっていない部分もあります。気を付けながら申請資料のアドバイスなどもしていきたいと思います。ありがとうございました。
○合田部会長 佐藤先生、ありがとうございます。ほかに御質問等はありますか。皆様よろしいですか。
○医療機器審査管理課長 先ほど、小野寺先生とPMDAとの議論の中で、審査報告書の中に少し追記すべきではないかといったような御指摘もあったかと思います。本日の記録については部会の議事録として公表されるとともに、今後、審議結果報告書としてまとめさせていただくというプロセスの中で、どこまで書き込めるかについて、PMDAと私ども事務局で相談させていただいて、また部会長と小野寺先生とも御相談させていただきたいという段取りを踏みたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○合田部会長 小野寺先生、よろしいですか。
○小野寺委員 はい、理解いたしました。よろしくお願いします。
○合田部会長 ありがとうございます。ほかに委員の先生方から御質問、御意見等はありますか。よろしいですね。
 それでは、議決を行います。再生医療等製品「ブレヤンジ静注」については、承認を可としてよろしいでしょうか。また、条件及び期限付承認に該当せず、10年間の再審査の指定の対象としてよろしいでしょうか。皆様よろしいでしょうか。異議がある方は、御発言をお願いいたします。よろしいですね。ありがとうございます。グッドマークや、拍手の絵文字が出ています。特に御異議がないと判断いたします。そのように議決いたします。それでは、本件は分科会にて報告を行うことにいたします。またガイドラインは、頂いた御意見も踏まえて、引き続き事務局において検討されていくということですね。
 次に、前回部会において、事務局から、本品の類似製品であるキムリアにおいて、効能・効果や最適使用ガイドラインの記載については対応することを予定しているとの説明がありましたが、その結果について報告すると聞いておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より、キムリア点滴静注の最適使用推進ガイドラインについて説明いたします。お手元の「資料1-3」キムリア点滴静注最適ガイドライン新旧(案)を御用意ください。前回の部会では、イエスカルタ点滴静注の製造販売承認の可否等について御審議いただきました。イエスカルタ点滴静注については、令和3年1月22日に承認を行っております。前回の部会時には、イエスカルタの承認を踏まえ、CD19を標的としたCAR-T細胞治療製品の1品目目である「キムリア点滴静注」においても、効能・効果又は性能やその最適使用推進ガイドラインの修正を予定していることを御報告させていただきました。その検討結果について御説明いたします。
 検討の結果、「キムリア点滴静注」について効能・効果又は性能やその最適使用推進ガイドラインに、大きく2つの修正を行うことを予定しております。1点目は、CD19標的CAR-T細胞療法の治療歴を有する患者への投与を制限する点です。イエスカルタ点滴静注及びブレヤンジ静注では、CD19標的CAR-T細胞療法の治療歴を有する患者への投与を制限しているところですが、キムリアは、1番目の品目であったため、この記載がなされていない状態です。CAR-T既投与者への再投与については有効性・安全性が確認されていないことから、キムリアにおいても同様の制限を加えることが適切であると考えております。
 2点目の修正としては、DLBCLについてCD19抗原陽性の事前確認を不要とする点です。DLBCLを適応に含んだ製品であるイエスカルタ点滴静注及びブレヤンジ静注ではCD19抗原陽性の事前確認は不要としておりますが、キムリアでは事前確認後に投与することとされておりました。キムリアについては、DLBCLの治験(C2201試験)では、CD19抗原陽性の事前確認を求める規定は治験の組入れ基準とされておりませんでした。当該治験では、探索的な目的としてIHCによる生検検体中のCD19発現量の測定が行われ、CD19 low/negative集団においても奏効が認められたと、ノバルティス社より報告を受けております。またB細胞リンパ腫では、CD19が発現していると研究報告されていること、検体採取の観点で検査が困難な場合も想定されること、同様原理に基づく他社品目においてCD19抗原陰性集団における有効性・安全性が確認されており、事前確認を不要としたことを踏まえ、本品においてもCD19抗原陽性を事前に確認することは不要として差し支えないと考えております。
 キムリアの製造販売業者であるノバルティス社は、以上2点について承認事項一部変更申請を行っており、併せて最適使用推進ガイドラインの改訂を行うこととしております。なお、ガイドライン改訂案については、最適ガイドライン初回作成時に御協力いただいた8学会に事前に御確認を頂いております。以上、事務局より報告いたします。
○合田部会長 どうもありがとうございます。このキムリアのガイドラインについても、頂いた御意見を踏まえ、このように検討をされて改訂をされたということですね。それでは、議題1を終了いたします。
○合田部会長 議題2希少疾病用再生医療等製品の指定の取消しについてに入ります。事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 議題2、希少疾病用再生医療等製品の指定の取消しについて、事務局から報告いたします。資料2をお開きください。JR-031ですが、届出者はJCRファーマ株式会社です。本品は、販売名「テムセルHS注」として、「造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病」を効能・効果、又は性能として、平成27年に製造販売承認を取得しております。本製品は、平成30年10月1日に「表皮水疱症における潰瘍」を予定される効能・効果又は性能として、希少疾病用再生医療等製品に指定されました。その後、届出者は平成31年に製造販売承認事項一部変更承認申請を行いましたが、PMDAにより追加データの提出を求められ、その検討に時間を要すると判断したこと等から、一部変更承認申請の取り下げを行っております。その後、追加データを取得するため試験デザインの協議が継続されましたが、試験の実施は困難であり、実施できたとしても長期的な試験になることが考えられたことから、同社は開発を中止することを決定し、本開発中止届けの提出がありました。よって、本製品の本予定効能・効果、又は性能に係る希少疾病用再生医療等製品への指定を取り消すことといたしました。以上、御報告いたします。
○合田部会長 ありがとうございました。本件について、委員の先生方、御質問、御意見等はありますか。荒戸先生、お願いします。
○荒戸委員 1点教えていただきたいのですが、これより前にジェイス(JACE)も表皮水疱症で承認を取得していたと思います。そのときにも薬理試験は実施していなかったと思いますし、臨床の投与例もトータルで5例ぐらいだったと思うのですが、それに比べても、JCRの製品は効果がきちんと見られていないということなのでしょうか。教えてください。
○合田部会長 これはPMDA、分かりますか。
○医薬品医療機器総合機構 PMDAからお答えいたします。今回、JCRファーマのほうの薬理作用については、○○○○○○○○○○○○○○○○とかの○○○○○○○を、○○○が供給しますと主張されていたのです。それを主張するのであれば、○○○○のみでは、○○○○○○して確認するというのは、○○○に許容はできないという話でしたので、○○○○○○していただきたいと。○○○○○○していただきたいということで強く推奨はしていたのです。J-TECのジェイスのほうに関しては、培養表皮ということで、培養のシートごと潰瘍に移植して、潰瘍を閉鎖をするというメカニズムで主張されていたということで、治療のメカニズムが違っているというのが背景です。非臨床のデータについての差があるような形で感じられるかもしれませんけれども、背景としてはそういったことがあっての協議になります。
○荒戸委員 臨床の効果としては、いかがだったのでしょうか。ジェイスのほうも、結局は表皮形成率といったような評価項目だったと思うのですけれども。
○医薬品医療機器総合機構 そちらの中止理由にもありますように、一度申請いただいたということで、内容を確認しております。一番の問題点としては、評価潰瘍自体が50%以上閉鎖するというのがクライテリアだったのですけれども、表皮水疱症の患者さんの潰瘍というのは、潰瘍になったり塞がったりというように、変動する状況の潰瘍なのです。その対象にした潰瘍が、そういった変動が少ない、しかも長期の潰瘍がなっているものを選んでやりましたということで、有効だということで申請いただいたのです。その前提となる潰瘍を選択するときの変動が少ないという結果について、実際は評価ができる状況ではなかったというのが原因で、実際に塞がったことが自然の変動の範囲なのか、「テムセルHS注」の局注によるものなのかというのが評価しづらかったというところがあります。以上です。
○合田部会長 荒戸先生、よろしいですか。
○荒戸委員 もう中止になったということですので、そういう違いがあったということだけ理解いたしました。
○合田部会長 ありがとうございます。ほかに追加で御質問等はありますか。よろしいですか。無いようですので、本議題については御確認いただいたものといたします。
 議題3に移ります。遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第4条に基づく遺伝子組換え生物等の第一種使用規程の承認及び同第13条に基づく遺伝子組換え生物等の第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目についてです。事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 議題3、資料3について、事務局から報告いたします。資料3をお手元に御用意ください。カルタヘナ法では、ウイルスを含む遺伝子組換え生物を、治験等を目的として、特段の拡散防止措置をとらない開放系で使用する場合には、カルタヘナ法に基づいて承認された第一種使用規程を遵守する必要があります。また、医薬品や遺伝子治療用製品を製造するために遺伝子組換え生物等を用いる場合には、カルタヘナ法に基づく一定の拡散防止措置を採った閉鎖系で使用する必要があります。まずは、第一種使用規程の承認を行った品目について報告いたします。1ページ目の一覧を御覧ください。前回の部会での報告以降で、令和2年11月から令和2年12月までに第一種使用規程の承認を行った品目は、こちらの1品目となります。PMDAでの評価、学識経験者からの意見を踏まえ、本申請における第一種使用規程に従って本遺伝子組換え生物等の使用等を行う限り、生物多様性に影響が生じるおそれはないと判断したものです。
 続いて、第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目について報告いたします。2ページ目以降の一覧を御覧ください。令和2年11月から令和2年12月までに、第二種使用等の拡散防止措置の確認を行った品目は、こちらの23品目になります。これらについても、PMDAでの評価、学識経験者からの意見を踏まえ、いずれの遺伝子組換え生物等についても、採られる拡散防止措置は適切であると判断したものです。以上、報告いたします。
○合田部会長 ありがとうございます。本件について、委員の先生方から御質問、御意見等はありますか。皆様、よろしいですね。それでは、これで議題3を終了いたします。
 本日の議題は以上ですが、事務局から連絡事項等はありますか。
○医療機器審査管理課長 本日も活発な御意見、御議論を頂きまして、誠にありがとうございました。次回の部会については、改めて事務局より御連絡させていただきます。連絡事項は以上です。
○合田部会長 それでは、これをもちまして、本日の再生医療等製品・生物由来技術部会を閉会いたします。本日はありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医療機器審査管理課 再生医療等製品審査管理室長 大原(内線4226)