第2回建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会 工作物に関するワーキンググループ 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

日時

令和2年2月20日(木) 10:00~12:00

場所

中央労働災害防止協会 安全衛生総合会館大教室(5F)
(東京都港区芝5-35-2)

議題

  1. (1)工作物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等について
    (i) 工作物WGにおける論点について
  2. (2)その他

議事

○副主任中央労働衛生専門官 定刻になりましたので、ただいまより第2回建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会 工作物に関するワーキンググループを開催いたします。本日は大変お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 委員の出席状況ですが、本日は全員御出席いただいているところです。議事については、座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○豊澤座長 おはようございます。それでは、まず事務局から資料の確認をお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 本日は紙で資料をお配りしております。お手元のクリップ止めの資料のクリップを外していただければと思います。1枚目に、このワーキンググループの議事次第、配布資料一覧ということで、置いております。その下に、資料1「第2回工作物WGにおける論点」、別に綴じておりますが、資料1の別添1「工作物における石綿の使用状況等」、別添1の別紙として、「道路施設におけるアスベスト対策について報告書(抜粋)」、最後に一枚物の表になりますが、資料1の別添2「工作物の例及び過去の調査結果等に基づく石綿使用例」となっています。参考資料として、この検討会の開催要綱と参集者名簿も御用意しております。資料については以上です。
○豊澤座長 よろしいでしょうか。それでは、本日の議事に移りたいと思います。議事(1)の(i)工作物WGにおける論点についてです。資料1について事務局から説明をお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 こちらに、「第2回工作物WGにおける論点」ということで、第1回のWGで頂いた御意見を踏まえて、その際に御提した論点について踏まえた形で論点を精査して、御用意しています。
 まず、1つ目の論点です。1の事前調査についての1)事前調査の対象についてです。前回、工作物の中には、物の性質上、石綿が含まれていないことが明らかな工作物があるのではないかということで、そうしたものについては、事前調査の対象としないものとして、そういうものがあるのではないかというところで、それを事前調査の対象とするかどうかというところも含めて御議論いただいたところです。
 一方で、建築物における議論においても、1)の1つ目のポツの所ですが、建築物についても、石綿飛散防止(建材等の切断等・除去・取り外し時の飛散・除去・取り外し後の運搬時等の飛散防止)の観点から考えると、事前調査を要しないと考えられる作業として、以下の(1)から(3)の考え方により整理するということで、前回の建築物の検討会において整理されております。この事前調査を要しない作業について、工作物についても同様の考え方で、事前調査を要しない作業として整理できるかというところで、1つ目になります。
 この(1)から(3)についてですが、まず、(1)切断等・除去・取り外しの対象物が、石綿が含まれていないことが明らかであるもの、例えば木材、金属、石などであって、それらの切断等・除去・取り外し時に、建築物、この場合は工作物になりますが、石綿を含有する可能性のあるような工作物を損傷させるおそれのない作業として、例えば手作業で容易に取り外すことが可能な作業であったり、ボルト・ナットで固定しているような固定具を取り外すことで、対象物を外すことが可能な作業などを想定しているところです。ただし、この場合に留意事項として、加工時に損傷のおそれがない作業であっても対象物が石綿含有の可能性があるものである場合は、加工の後の際に運搬等が発生しますので、運搬の際の対策が必要であることから、調査を要しない作業ということにはならないと。対象物が石綿含有の可能性のあるものについては、調査の対象とするという留意事項も、併せて整理されております。
 2つ目は(2)建築物に対して、石綿が飛散する可能性がほとんどないと考えられるような、極めて軽微な損傷しか及ぼさない作業についても、こちらについても事前調査を要しない作業と整理できるとされています。具体的には、画鋲とか釘を刺したり打ったりするようなもので、これは極めて軽微な損傷しか及ぼさない作業として整理できるのではないかということです。
 (3)現存する建材・材料等の除去は行わず、新たな建材・材料を追加するのみの作業ということで、具体的には既存塗装の上に新たに塗装を上塗りするとか、何かシートを上から張るとか、そうしたものについては、元のものを一切損傷しないということで、事前調査を要しない作業と整理できると建築物のほうではしておりますので、その考え方を工作物においても同様に整理できるかというところが、1つ目の論点です。
 2つ目のポツの所です。一方で、工作物については法令等に基づく定期検査に向けた修理・修繕というものが、ものによってはあるということで、平成18年9月よりも前に建造された工作物であっても、そうした法令等に基づく定期検査に向けた修理・修繕により、既に石綿が使用されていないことが、修理・修繕によって取り外されることなどによって石綿が使用されていないことが制度的に担保されているような部位があって、当該部位を工作物のその他の部位を損傷させることなく、修理等を行うような作業が想定されるかというところで、2つ目の論点として御提示させていただいております。
 最後に、前回のWGにおいてお示ししていました、物の性質上、石綿が含まれていないことが明らかな工作物について、そういうものが当該工作物の工事については、事前調査を要しない作業と整理できないかということで、こちらの具体的な例としては、例えば鳥居ですとか、また別添1ですが、こちらは国土交通省さんのほうで調査していただいた内容をまとめているものですが、3ページになりますが、左側の列です。鉄道事業法施行規則第9条に規定される鉄道施設のうちの鉄道線路については、石綿は入っていないという調査結果になっておりますので、こうした石綿含有建材が使われていないことが明らかな工作物ということで、こうしたものが想定されるのではないかというところです。
 続いて、資料1の2ページに進みます。事前調査に係る論点の2つ目です。2)事前調査者の資格要件についてという論点です。工作物の事前調査については、事前調査の適適切な実施を確保するため、建築物に係る事前調査と同様に、一定の知識等を有する者による調査が必要なのではないかというところで、まず1つ目です。また必要だというように整理する場合、石綿に関わる工作物の調査に必要な知識としては、どのような内容が考えられるかということで、この論点については前回の第1回WGで関連する意見がございましたので抜粋して載せております。
 1つ目として、建築物の講習に工作物に関する内容を加えることにより、工作物に係る事前調査にかかる知識は得られるのではないかというような意見、それから建材については、建設材料と考えれば、建築物にも工作物にも同じ建材が使われていると考えられるということで、顕材に関する知識というのは、工作物も建築物も重複するのではないかといった御意見がありました。
 一方で、前回のWGの後に、工作物のうちプラント等の配管周りの保温材、保冷材の施工をしている企業の団体を御紹介いただいて、前回御提示した論点についての御意見を事務局のほうで伺ってきました。その概要については、資料1の最後のページに「ヒアリング概要」ということで御提示しています。そのうち、事前調査者の資格要件の部分についての主な御意見として、抜粋させていただいております。
 1つ目に、配管保温材を中心に、プラントや発電所の工事をやっているという会員企業で、そうした工事の際に事前調査を行うに当たっては、石綿に関する基礎知識に加え、プラントや発電所等のどこに石綿が使われていたのか、いつ頃の年代まで使用されてきたのかといった知識等があれば足りると。また、その上で、建築物の石綿含有調査者講習の内容には、ヒアリング先の企業がやられるプラント等の事前調査と関係ない部分も多く含まれるというようなお話がございました。
 また、一方で、最後のページの「ヒアリング概要」を御覧ください。同じ調査者資格についての御意見の1つ目のポツの下のほうです。「一方で」ということで、保温保冷に使用する石綿含有製品については、専門会社であれば知り得ているというものがあるが、調査者講習ではそういったテキスト等に含まれていないような部分もあるのではないかというようなお話もありました。
 また、プラントや発電所の中で石綿含有材料が使われている可能性のある箇所と、プラントの場合にその可能性のある場所と、一方で、鉄道施設や道路施設などにおける可能性のある箇所というのは状況が異なるのではないかと。ですので、工作物を1つにまとめて教育内容を共通化するのは難しいと感じるという御意見がございました。これらの御意見も踏まえて、今回の2回目のWGでは御意見を頂ければと考えております。
 3番目のポツです。併せて、工作物の調査を行う者の資格を考えるに当たり、例えば建築物の石綿含有調査者に上乗せするということも考えられますが、そうではなく、石綿に関する基礎知識といった建築物の調査と共通するものに加え、工作物の種類ごとに、例えば共通点の多いものをグループ化して、そのグループごとに別の講習制度を設けるようなことは考えられるか。こちらも論点として御用意させていただいていますので、併せて御意見を頂ければと考えております。
 次に、2の簡易届出制度の対象についてです。こちらについては、前回の御意見等を踏まえて、大きく2つに分けて論点をお示ししております。1つ目は、届出対象とする作業の範囲ということで、工作物については石綿が使用されている可能性が高いと考えられる建築物、建築物については大体どの建築物もどこかしらに使われているのではないかというようなことで、建築物は石綿が使用されている可能性が高いと考えられておりますが、そうした建築物とは異なり、物の性質上、又は過去の使用実績から、工作物については石綿が使用されている可能性の高い工作物というのは一部に特定されていると言えるのか言えないのかといったところ、建築物とは違う状況にあるのかどうかといったところが、1つ目です。
仮に、特定されていると言える場合、簡易届出の対象については、石綿が使用されている可能性の高い工作物に係る作業を対象とすることとしてはどうかと。具体的には資料1の別添2の1枚ものの表になります。申し訳ありませんが、色塗りをして御用意していたのですが、印刷の都合上、色が全部落ちてしまっておりますので、もともと色塗りをしているところを御紹介したいと思います。
 まず、上から順番に煙突、焼却設備、貯蔵槽、鉄骨架橋・高掛工作物、上下水道管、温泉管、化学プラント・製造プラント、ボイラー・タービン、橋、歩道橋、跨線橋、盛土保護壁、トンネル、遮温壁、料金ブース、発電所、変電所、電波棟、観光用エレベーター・エスカレーター、鉄道の線路、信号等の施設、屋根を含むプラットフォームについては、使用実績が既存の資料等で確認できる工作物と整理できますので、そうした工作物から、石綿の使用実績が、過去に何かしらの実績があるということで資料に載っていたものを集めていますので、その中から、石綿が使用されている可能性の高い工作物を抽出するなどして、簡易届出の対象と整理してはどうか。そうした考え方で整理していくということについて御意見を頂ければと考えております。
 次に、簡易届出制度の対象に係る2つ目として、定期修理の取扱いです。工作物については、先ほども少し触れましたが、建築物とは異なり、一定期間ごとに定期的な修理・定期検査があるということで、それに向けた修理・修繕が行われているという工作物も想定されますので、今御説明をした論点の中で、簡易届出の対象と整理した工作物、今後整理するとする工作物であっても、平成18年9月に石綿製造・使用等が禁止された以降に建造されたものについては、制度的に製造・使用等が基本的には禁止されておりますので、石綿が使用されていないことが明らかである一方、工作物の中に想定される定期検査に伴う修理・修繕といったものの度に、建造年月日の届出を求めるということについて、繰り返し、平成18年9月1日以降の建造ですというような届出を求めるといったことは合理的かどうか。こういったところについて御意見を頂ければと考えております。
 例えばですが、こうした平成18年9月以降に新築された工作物については、制度改正後、初めての定期修理時に建造年月日の届出を求め、その後の定期修理時には届出不要と整理するということとしてはどうか。こちらも併せて御意見を頂きたいと考えております。
 一方で、3つ目のポツですが、平成18年9月以前に建造された工作物であっても、工事の対象物については定期修理により石綿含有物がなくなっていることが明らかである。こうしたものについては、当該物の定期修理については、先ほど論点としてお示しした「事前調査の対象について」と同様の整理が可能か。こちらについても御意見を頂ければと考えていいます。
 最後に、3のその他です。建築物の検討会において取りまとめられたものの中で、作業状況の記録の保存ということを義務付けるべきという方向性が示されています。この記録の保存の方法として、分かりやすいやり方として写真等ということで明示されているところですが、プラント等については、プラントの改修等の工事をする工事業者が自由に写真を撮ることが困難な場合が多いというような御意見が、前回のWGでありました。そうしたことを踏まえまして、作業状況等の記録に当たって考慮すべきことについて、御意見を頂ければと考えております。
 また、考慮すべきことに関連して、例えば工事発注者なども含めた関係者の意見を聞きつつ、工事業者が写真等による記録を残すことができるような方策について検討してはどうか。対応として、そうしたことも考えられるのではないかということで、こちらも論点としてお示しさせていただいております。
 最後にヒアリング概要ということで、全体をざっくりと御説明させていただきます。調査者資格については、先ほどの論点の所で触れさせていただいたので割愛させていただきます。まず、簡易届出についての所です。プラントや発電所については、頻繁に使用する配管などの施設は定修などで既にアスベスト含有製品は交換されている可能性が高いが、使用頻度の低い箇所については、まだアスベストが残っている所も多いというような御意見がございましたので、必ずしも定期的な修理をやっているからといって、全体にアスベストがないとは言い切れないのではないかというような御意見もございます。
 2つ目です。作業届の計画届への統合ということで、こちらについては中間取りまとめの内容について御意見を頂いたところです。これについては、既に大気汚染防止法の関係で、実際に14日前に届出をしているので、これが14日前の計画届になっても、こちらの企業としては特段の問題はないという御意見でした。
 3つ目は、作業の写真等による記録の部分についてです。ヒアリングの内容をそのまま載せておりますが、川崎市や横浜市などでは、条例で、作業完了届として作業の状況などを写真で記録したものの提出が必要ということで、実際に写真での記録を行っているケースがあります。ただ、写真撮影やどういった写真を提出するかといったところについては、発注者である施主、プラントの持ち主の許可が必要な状況だと。特に、特許にかかわるような場所については撮影できない場所が多いというお話でした。一方で、全く写真撮影を許可しない業界もあるという御意見もございました。
 写真による記録の義無付けについては、改修等の施工業者だけに言われても対応するのが非常に困難なので、施主に対しても何らかの配慮を求めてほしいという御意見がございました。また、写真の代わりとして、「写真等」ということで、写真だけではなくて文章で記録することも考えられるけれども、文章で記録することについては非現実的で、手間が掛けられないというお話もございました。
 その他として、実際の実行上のところで、プラントなどの工事で、いわゆるレベル2の保温材を除去するときには、みなしで対策を講じてやっていることが多いといった御意見を頂いたところです。資料1についての御説明は以上です。
○豊澤座長 ありがとうございます。それでは、議論する前に資料1についての質問が何かあれば、お受けしたいと思います。よろしいですか。
 それでは、論点を1つずつ議論していきたいと思います。論点1の事前調査についてですが、事前調査については、1)として事前調査の対象について、2)として事前調査の資格要件についてです。ボリュームがあるので、論点1について、2つに分けて議論していきたいと思います。事前調査の対象についてということで、御意見を承りたいと思います。よろしくお願いします。これは論点の方向でよろしいですか。
○笠井委員 全建の笠井でございます。1)の(1)(2)(3)にそれぞれ書いてあるのは、建築ではという断りがあって、これと同じようにということですが、建築でも同じことを私は感じているのです。特に例示が、例えば「手作業で容易に取り外すことが可能」と書いてあるのですが、これはどこまでの範囲を言うのかがいつも疑問に思うところなのです。手作業で取れるような建材などは、そうはないのです。ということは、ほとんどできないのかというのと、あと、ボルト・ナットで固定しているような固定器具を取り外すときも、これは手作業でやれというのか、ある程度電動工具は使ってもいいのかというようなところも、これは法律で書くのかというところもあるので、それはマニュアルできちんと解説しますというのであればそれでもいいのですが、この例示の仕方がいつも引っ掛かってはいます。
 (1)の※の理解が、私の理解が悪いのかもしれませんが、加工等時に損傷のおそれのない作業であっても、石綿含有の可能性のあるものを、加工等の後に運搬等というのは、これは石綿が含まれていないものが明らかであるものに対しておそれのあるものという言い回しを、すみませんが、もう一度御説明いただけると有り難いと思っています。
 (2)の例示も、画鋲を壁に刺すとか、釘を打って固定するというのはどういう作業を想定されているのか。それで、正しくそれを工作物ということにすると、工作物でこのような改修工事とかがあるのかというところが、やはり例示として引っ掛かるところがあります。1)はそういうところです。
○化学物質対策課長補佐 最初の御質問ですが、これは手作業で取り外すことが可能というものの表現の問題かもしれないのですが、この記述を入れた趣旨は、建材とか建物に影響しないようなやり方という意味です。例えば、ネジを回すのに電動ドライバーを使うことは、これは含まないのかということも含めての御質問かと思うのです。それを別に外そうという趣旨ではなくて、全部手でやるものだけしか対象にしませんということではないことを御理解いただければと思います。例えば、電動ドライバーでネジを回すのは駄目なのかというと、それは趣旨としてはそういうことではないと思いますので、この表現が適切かということは御意見として承りたいと思いますが、趣旨としてはそういうことです。
○副主任中央労働衛生専門官 あと、※について、説明が分かりづらくて大変申し訳ありません。※については、(1)の本文で言っていることの念押し的なものです。(1)については、対象物は石綿が含まれていないことが明らかであり、かつ、それらの取り外し時等において回りを損傷させるおそれのない作業ということです。そこの念押し的な形で、仮に対象物が石綿含有の可能性のあるものである場合は、幾ら回りを損傷させることのない手作業であっても、これは事前調査の対象として整理するということです。繰り返しのような内容にはなるのですが、そういう整理をしているのは、なぜ、要は含まれていないことが明らかであるものであって、かつ、それを損傷させるおそれのない作業で取り外すとか、作業するという、二重に掛けている理由を※で補足する記述になっております。その考え方としては、外す可能性がある場合は、外したものを運搬する際に飛散するおそれがあるので、物自体に含まれていないのが、(1)に含まれる条件になりますということです。さらに分かりづらくなってしまったかもしれませんが。
○笠井委員 要は、取り外す建材に石綿の含有のおそれのあるものは、当然、事前調査の対象であるし、取扱いも注意しなさいということをここでは言いたいと、そういうことですか。
○副主任中央労働衛生専門官 はい。(2)についても考え方ということでお示ししておりますので、仮にそういうものがあればというところで、具体的な例を、ないからと言ってこの考え方を外すことにはならないのかと思います。例示についての御意見は、また考えさせていただきたいと思います。
○出野委員 確認です。(1)(2)(3)で、(1)は、含まれていないことが明らかと。(2)は、含まれているけれども、工事自体が極めて軽微と。(3)は、あるけれども、新たに付け加えるだけだから余り影響はないと。そういうものは除くと、そういう趣旨だともちろん理解します。その趣旨については、法律的には事前調査の義務付けから外すと。要するに、事前調査をしなくても、6か月50万円の罰則には掛からないという理解ですよね。事前調査をするに当たっては、実績があるのなら構わないのだけれども、資格を持っている方が事前調査をする必要はないと。記録を残す必要もないと。そういう例外をここで認めるという理解ですよね。
○化学物質対策課長補佐 そういうことです。
○出野委員 私は賛成ですが、それはなるべく具体的に例示して、それは除くことにしたいという理解でよろしいですね。
○化学物質対策課長補佐 はい。
○出野委員 そういうことであれば私は賛成させていただきます。
○豊澤座長 ありがとうございます。そのほかに何かありますか。
○オブザーバー(国土交通省土地・建設産業局) 確認なのです。調査の定義ですが、例えば(1)(2)(3)のようなことに当てはまること自体は、そもそも調査ではないということですよね。それでいいですよね。
○化学物質対策課長補佐 そこは法令上、対象から除くということであれば、対象なのかどうかの判断は事業者にやっていただくことです。
○オブザーバー(国土交通省土地・建設産業局) 次のテーマになってくる事前調査者の資格要件とあるのですが、そういう人が(1)(2)(3)であるかどうかの該当性をチェックするのではなくて、工事する方がチェックすればいいということですね。
○化学物質対策課長補佐 そうです。
○オブザーバー(国土交通省土地・建設産業局) 18年9月よりも前なのか後なのかのチェックのところは、それは調査なのですか、調査の外の調査ですか。
○化学物質対策課長補佐 調査です。
○オブザーバー(国土交通省土地・建設産業局) その調査の資格は誰かというのは、次の議題ですか。
○副主任中央労働衛生専門官 そこは今回の資料に用意していないのですが、建築物においては、資格者による調査は要しないと整理しておりますので、同様です。
○オブザーバー(国土交通省土地・建設産業局) 分かりました。ありがとうございます。
○笠井委員 1ページの一番下の例示で鳥居とか鉄道線路ということで、御用意いただいている別添1の3ページの一番上の鉄道線路というお話ですが、私も勉強不足で申し訳ないですが、鉄道線路というのは正しく線路だけのことを言っているのですか。枕木とか、そこに敷き詰められている砂利とか、そのようなものも全部含めている話ですか。そこの工作物という捉え方を、御教授いただけると有難いと思います。
○オブザーバー(国土交通省総合政策局) 法律第9条に規定してあるのは、別添2の表の鉄道の線路になっていますので、その定義どおりに読んでもらえると。
○笠井委員 正しく線路ということなのですね。
○オブザーバー(国土交通省総合政策局) 少し分からないので、確認させていただいてもよろしいですか。
○笠井委員 はい。
○豊澤座長 よろしいですか。
○副主任中央労働衛生専門官 今の話は確認ということで、次に進むのだと思うのですが、事務局から質問させていただければと思います。2つ目のポツの「また、例えば」の所ですが、法令等に基づく定期検査によって、既に石綿が使用されていないことが、制度的に担保されるような部位が実際に想定されるのかどうかは、具体的に、例えばメンテナンス工業会のほうで何か想定されるものとして考え得るものがありましたら、御意見いただければと思います。ここの2つ目の論点の所です。
○佐原委員 この件は、前回、定修の話で言いましたように、石油化学プラント、あるいは製鉄、電力等のプラントについては、いろいろな法規が絡んでいて、法規に基づいて改修工事をやるので、例えば経済産業省の高圧ガス保安法、ガス事業法、厚生労働省のボイラー及び圧力容器安全規則、総務省の消防法の法律、それぞれいろいろな容器とか機器に絡んできて、それぞれ2年ないし4年で検査をしなさいというので縛られている関係で、そういうプラント関係は2年ないし4年に一度、必ず定修を行うということで想定される事態としては、そのときに全部、本材、ガスケット、パッキン等の取替えをしないことには、例えば配管は本材に包まれていますので、まず開けて、作業で、それをそのまま使うというのは、ほぼ例がないです。
 パッキンとか、ガスケットにしても、同じように使うことはあり得ませんので、必ず新しいのに替えるという作業が生じますので、14、15年たっていますから、そういう法律に縛られた部分に関しては、まず間違いなく変わっています。法律に基づいていますので、それぞれの官庁に、作業は終わりましたという書類は出しますので、前回言いましたように写真はないですが書類として提出していますので、その法律に基づいたプラントに関しては、間違いなく変わっていると思います。
 ただ、法律に縛られない部分は分からないということは、はっきりしています。例えば町工場で、法律対象外で高圧ガス保安法に当てはまらない小さな、高圧でない、例えばお菓子をつくるプラントなどは恐らく法律に縛られていないので何十年も使っている可能性があって、そこに本材とかがある可能性はあるのですが、我々の団体としてはその辺はノータッチですので、分かりかねる部分は確かにあります。
○副主任中央労働衛生専門官 一方で、我々のほうでヒアリングを行わせていただいたところの御意見を見ますと、こちらの企業でも同じようにプラント発電所ということで多分施行されているのだと思うのですが、使用頻度の低い箇所については残っているような場所があるということですが、同じプラントの中でも、先ほどおっしゃられた法律の適用がある場所と、定期検査の必要がある場所と、全体で見るとそうではない場所があるというように理解すればよろしいでしょうか。
○佐原委員 確かにあります。法律に縛られていない部分、例えば先ほど言った高圧ガスとか、そういうのは製品、中身の石油製品とか、そういったものは法律に縛られるのですが、ユーティリティーである水とか、酸素とか、そういったところで、ある程度法律に縛られない部分で、例えば温水が入る配管は、恐らく法律に縛られない。ただ、保温は必要であるという部分に関しては取り替えられていない可能性はあります。その辺を全部チェックするか、お客様に聞くしか分からない部分はあります。
○副主任中央労働衛生専門官 例えば、先ほどのガスケットとか、あと周りに巻いてある保温材は、ほぼ取り替えられていますというお話だったのですが、ほぼというのは、施行業者の判断でされるものなのか、それとも制度的に取り替えなければならないような。
○佐原委員 先ほど言った法律に縛られる機器、配管、そういうのに関しては間違いなく、お客様が関係官庁に提出するので、その機器とか配管に関しては、アスベスト、石綿関係も全くないと判断はできると思います。それ以外の部分で分からない部分はあります。それはあくまでも設備の持主です、そのプラントの。
○副主任中央労働衛生専門官 施主さんのほうから実際に役所に出す提出資料の中で何か交換していることを提出しなければいけないとなっているということでしょうか。交換したということを、要は証明するような何かを出さなければいけないと。
○佐原委員 石綿に関して、昔の「取り替えました」という報告を見たことは、私はないです。
○副主任中央労働衛生専門官 石綿というよりも、開けたとときは、部品を必ず交換して、もう1回新しいものを付けたことを報告しなければならない制度になっているのか。
○佐原委員 そうです。それはあります。官庁の立会いの下に新しい設備を稼働させるときはチェックがあります。前回も言いましたように、お客様と役所と我々施行業者とが三者の立会いで稼働させるので、写真を撮る習慣はないです。
○化学物質対策課長 具体的に法令の中で検査をやった際に、石綿含有物である場合は、それを交換するという規定があって、検査対象の所は交換されていることが担保されていると理解をしていいということですね。
○川口委員 確認的なところで申し訳ありませんが、(2)に、極めて軽微な損傷しか及ぼさない作業とあります。例に出しているのは、画鋲とか釘というものがあるのですが、例えばこういうのがあるかどうかはまた別として、釘にしてもいろいろな大きさがあるかと思います。こういったところで、釘が普通の釘ならいいのかとか、ネジ釘はどうかとか、結構細かいところもあるかと思うのですが、現場的に判断するときに、これは事業者で判断して調査の対象ではなくてもいいとか、そういう判断をしなさいというような先ほどのお話から考えると、事業者が判断する場合、これだと十分に頼るだけの情報が悩ましいと、拡大解釈のおそれが起きないかというところを懸念するのですが、その辺はいかがでしょうか。
○化学物質対策課長補佐 そこは基本的には考え方を整理し、かつ、なるべく現場で判断が、ぶれないように、この例示がいいかどうかは別として、具体的な例示をできる限りしていこうとは思っています。それで御質問の旨が全てが網羅できるかどうかはあると思いますが、基本的には、考え方と例示を示して、あとは現場の判断です。実際、この法令を施行する側である監督署とかの判断もあるかと思いますが、ある程度全てを網羅するものは示せないので、考え方は示しますが、あとは実際個々の判断にならざるを得ないかと思っております。
○川口委員 分かりました。
○豊澤座長 よろしいですか。それでは、次の論点の1の(2)の事前調査者の資格要件について議論させていただきたいと思います。御意見を承りたいと思います。よろしくお願いします。
○漆原委員 多分ここの配管等のヒアリングも踏まえて考えますと、工作物についてどういうイメージを抱いているかによって、どのような研修が必要かは、多分お答えになった意見が異なってくるかもしれないとは思うのですが、例えば別添の2を見せていただきますと、煙突とか焼却施設という記載がありますが、仮にこれが建築物の中にあった場合は、建築物の付随の施設という扱いになるわけで、外にあった場合のみ工作物ということからすると、では、そのために必要な、どこの部位にどういうものが使われているという知識については、工作物かどうかという判断によって、では建築のほうは必要なくて、同じような施設が建築物の中の付随施設だとしたら、必要あるのかないのかと考えると、少なくとも煙突とか焼却施設については、中にある場合についても知識としては必要なわけなので、それをどうグルーピングしてくるのかは場面によって変わってくるので、なかなか難しいのではないかと思ったところです。
 例えば、別添2の下のほうに、観光用のエレベーター・エスカレーターとありますが、確かにそれもそうですが、建築物の中にあった場合に、同じ知識が必要かどうかと言われると、それは発注者側が明確に工作物の定義を理解していて、これが工作物で、これは建築物という発注をされるのかどうかが確かでない中で、果たしてどこまでグルーピングできるのかは疑問に思ったところです。特定の講習を受けていなければ業務で受注できないとなると、業者もなかなか大変なのかと思っているところです。
 その一方で、こういった調査者の資格を定めて、その資格の試験が始まったときには、義務であるので、補助をするとか助成をするのはなかなか難しいかもしれませんが、労働者が、その資格を取って新たな就職をするときに有利になるとか、そういった場面があるのであれば、雇用保険特別会計から、その試験を受けたときの助成を受けられるようなことも検討していただければと思うところです。以上です。
○豊澤座長 ありがとうございます。2点、あったかと思いますが。
○副主任中央労働衛生専門官 1点目の御質問というか、御意見については(2)の論点のうちの2つ目の石綿に係る工作物の調査に必要な知識等としては、「どのような内容が考えられるか」の「どのような内容」というところを考える際の留意点を御提示いただいたのかと考えています。
2つ目については、調査の資格を取得する際に、労働者の取得を促すような形で助成ができないかという御意見だと承りました。こちらについては、担当にもお伝えをしたいと思います。
○豊澤座長 よろしいですか。そのほかにはありますか。
○川口委員 この真ん中の※の所ですが、日本保温保冷材工業協会さんのお話のヒアリングの中に、自分たちの担当しているものについてよく知識があるから、施工年によっては大体分かるという表現がある中で、一方では、先ほどの取り外したようなものを運ぶ経路上で何らかの石綿の建材が使われているところを通過するということは容易に考えられると思います。そういった作業をするときに、そこの部分というのは、もしかしたらこの専門の業者さんが得意とする分野ではないエリアを通過することもあり得るのではないかなと。そういったことを考えると、確かに御自分の作業の範囲だけでは問題はないのかもしれないのです、この意見をそのまま尊重すれば。ただ、この経路上の話は調査の対象としなさいというような判断をする作業になりますよね、経路上のところに何かしらのものを損傷する恐れがある場合は、調査の対象にしなさいという判断をする知識として、それ以外のものに対する知識がない状態というのは、ここで言っていることの整合性として担保ができるのかという疑問を感じるのですが、いかがでしょうか。
○副主任中央労働衛生専門官 今、おっしゃられたのは作業は想定されないけれども、現場に行くまでの間に何か石綿が使われている箇所があって、そこを通る際に傷付けるから経路について全部調査をしなければいけないのではないかという御意見と考えて。
○川口委員 そうでないと、経路の建材があるかもしれないという知識がなくて、調査の対象としなくていいよという判断であったりするようなことは、合致するのかなと。例えば長物の配管のようなものを切断しました、取り外しました。持っていく所が狭い通路であって、何らかのそういった防耐火や断熱材などにコツンとぶつけるようなことが起きるかということを判断しなくていいのかなと。
○副主任中央労働衛生専門官 やはり法令上は改修作業に関して、改修作業の対象の部分を調査してくださいとなっているので、計画を立てる上でどこかを傷付けないという計画は、その調査とは別に計画を立てていただくものかなと考えていますので、この法令上の事前調査というのは改修作業の対象についてであると考えていただければと思います。
○化学物質対策課長補佐 要は工作物に限定した話ではないのですが、自分で計画をして意図をもって、ここを改修しますというところは事前に調べなくてはいけないという対象になっていますが、例えば通る途中で事故的に何かを傷付けるかもしれないというところまで、事前にあらかじめ全て調査をしなさいという制度にはなっていないので、そこを想定して、何か資格を義務付けるということにはならないのではないかなと思います。
○オブザーバー(国交省土地・建設産業局) 私も全く事務局と同じなのですが、通り道を傷付けるというようなことは普通想定されないし、されるのであれば養生するので問題はないかと思います。もしかして、その当該目的物の所にたどり着くのに道路の幅が不足しているので新たに工事用の通路を設けるなどといった場合には、目的物ではないところですが、加工しているのでそこに石綿がないのかということを確認するということは多分、当然のことであって、目的物と捉えるのだと思いますので、とりわけ今御指摘のようなことは、私も想定ができないと思っています。
○豊澤座長 経路だけではなくて、その周囲の影響も考慮しなくてはいけないとは思いますが、その辺はちょっと考え方を。
○化学物質対策課長補佐 例えば、工作物が建築物の中に設置されていて、工作物を工事するために建築物をもしかすると損傷するかもしれないという計画が、もともと立てられているのであれば、当然、その建築物も調査の対象になると思いますし、それを調査するのであれば、建築物の資格も必要だと思います。そういうことであれば、そうなのですが、工事の対象が工作物に限定されていて、先ほど国交省さんもおっしゃったように、途中で通る道路をいじる計画が、あらかじめあるのであれば、そこは対象なのですが、そうでない場合は、恐らくそれを対象にということにはならないと思います。
○笠井委員 すみません、ちょっとそれに加えての話になるのかもしれませんが、例えば、プラントとか発電所で、保温材とかの建材があり、そこだけをフォーカスすればそうなのかもしれないのですが、それだけではないですよね。先ほど、佐原委員もおっしゃっていたように、法的に改修しないといけないところというのは、多分、部分的な話で、プラント全体を見たときには、それが全て法的に定修しなさいということになっていないとすると、そういうところは当然、事前調査の対象になってくるのです。そう考えたときに、では誰が事前調査をやらないといけないのかとなると、やはり包括的に分かっている人間でないとなかなか難しいのかなと。ここに書かれているように、グルーピングするなり、工作物に特化された部分の知識を持った人を養成するという話は、理想論としてはあるのかもしれないのですが、では一体そういう教育をする、あるいは講習をする機関と言いますか、体制と言いますか、それはどのように作っていくのかなと、今の建築物の調査者を養成するのでも、あっぷあっぷしているというのが正直なところではないかなと思うのですが、そうなったときに、こういう工作物で石綿含有をしている可能性がある、工作物と言ってしまうと建築物と違うのですと言ったときに、どう仕分けるかというの難しいとは思うのですが、やはり建築の調査者の人を活用するというのは、やはり1つの手としては残っているのかなと思っているのです。以上です。
○豊澤座長 ありがとうございます。
○出野委員 今の意見に反対するようで申し訳ないですが、前回、工作物の事前調査の資格者は建築物の調査者に、ちょっとプラスアルファすればいいのではないかという意見を申し上げたのですが、取消しさせていただきたいと、撤回でもいいですが、と思っています。
 今、議論している工作物というのは、法律で言うと工作物の中に建築物があって、現在、議論しているのは建築物以外の工作物というのが正確な表現です。ですから工作物と出てきていますが、頭に建築物以外が付かないとまずいわけです。そういう理解です。そうしますと、今の建築物の調査者の講習というのは特定と一般と、例外的に戸建てとあって、その戸建てと横並びで工作物を作ればいいのではないかなと一瞬思ったのですが、ちょっと違うのかなと。ですから、やはり工作物は工作物で、全く別の講習をやっていただくのが筋かなと思っています。ですからプラント屋さんや工作物関係の方だけを集めた講習を、関係業界あるいは厚労省と一緒になって制度を作っていただいて。それほど対象者は多くないのではないかという気はしますが、建築物と一緒にしないほうがいいのかなという感じがしています。
 もちろん、現在、工作物を扱っている方は作業主任者技能講習や特別教育も既にやっておられるので、そんなに負担はなく、2日も3日もやる必要はないと、半日ぐらいやれば十分かなという感じがしていますので、是非、御検討いただければと思います。以上です。
○豊澤座長 ありがとうございます。プラントも含めた工作物の資格や要件について、別の形を作ればいいのではないかという御意見ですね。
○笠井委員 よろしいでしょうか。別に出野さんに反対するつもりもないし、そういうことが仕組みとしてできれば、私はそれでいいとは思います。本当にそういう仕組みが、今、この段階でできるのかなというのが、すごく心配なところがあって、ちょっと意見を述べさせていただいたということです。反対意見ではないかなと思っています。
○化学物質対策課長補佐 今、幾つか御意見いただいたのですが、おっしゃるとおり、実際に仕組みを作ったとして、それをきちんと動かさなくてはいけないということもありますので、こういう仕組みを作っていく議論の中で関係業界とはよく相談して、本当にできる仕組みなのかどうかということは、担保を取っていかなくてはいけないかなと思っているのが1つあります。
 もう1つは、笠井委員からもありましたが、工作物の仕組みを別に作ることも検討していかなければいけないと思いますが、今ある建築物の調査者で何か活用できるところはないのかということも、併せて、その検討には載せたほうがいいかなと思います。先ほどありましたように、建築物の中にも工作物はあるので、建築物の調査者ができる範囲というのもあるのではないかという御指摘もあると思いますので、そこは両方を考えながら仕組み作りはしていかないといけないかなと思っています。
○オブザーバー(国交省土地・建設産業局) 笠井委員がおっしゃったことは、これの調査者を現場で確保できるかどうかというところの心配度合いの違いのようなところだと思うので、今、建築のほうの調査者も確保するのに大変苦労されているというお話を前提にすると、直ちにそういう人を確保して調査しなければ工作物の工事ができなくなってしまうとなるのだとすれば、現に今いる建築の人でもいいから使わせてくださいという趣旨ではないのかなと思います。
 一方で、そういう工作物と建築物は違うのにそっちを勉強させられるのも非効率だというのは、御指摘のとおりです。だとすると、それぞれの工作物ごとに、しかるべき調査の内容と能力がどういうものかを整理した上で、そういう人が確保できてから、この義務付けとというのが始まりますよと、そういうことであれば安心されると思うのですが。そういう導入までのステップを、どうされるのかというところをちょっと確認したいなと思いますが。
○副主任中央労働衛生専門官 当然、義務付けをする場合に、義務を履行するための受け皿がない中で、いきなり義務が発生するというのは、通常、ほかの法令を施行する際も同様の考え方でも受け皿をきちんと作った上でということになっていますので、この資格についても、もちろん建築物もそうですし、工作物も同様と考えていただいていいと思います。
 今、皆様方からいただいた御意見は正にここの論点でもお示ししていますが、必要な知識は何かという整理をした上で、その上でどういった仕組みや、既存の仕組みが活用できる部分があるのかという整理をする上での大事な御意見だと捉えましたので、そうした形で、また進めていきたいと思います。
○豊澤座長 ありがとうございます。事前調査者の資格要件について、よろしいですか。なければ次に移りたいと思います。
 2の論点、簡易届出制度の対象について、これも大きく分けて2つありますので、2つに分けて議論していきたいと思います。まず(1)届出対象とする作業の範囲について、御意見を承りたいと思います。お願いいたします。事務局から可能性の高い工作物として、別添2の黄色い網掛けの部分を示されていますが、これも含めて御意見を承れればと思います。
○副主任中央労働衛生専門官 すみません、別添2の説明について補足をさせていたたければと思います。先ほど、資料の中で色塗りのものを列挙させていただいたのですが、実は使用の実績があるという情報があるもののうち、道路・側溝の所については色塗りを示していません。色塗りの中には入れていないです。これは国土交通省さんからいただいている別添1の別紙の所で、過去に別紙の報告書がありますが、道路のアスファルトの部分については過去に使用実績はある、使用されていた実績はあります。そういう意味では、実績があるものとして色塗りの所に入ると整理されるのですが、一方で、この別添1の別紙の中で示されているように、実績はあるのだけれども、これはあくまでも試験的に使って、使用箇所が特定されているものである。かつ、それについては現在は全て除去していますという整理がされていると、調査結果としていただいていますので、使用実績はあるけれども現行もう既にない可能性が低いというかないというかというところで、これについては、ないと言えるものなのかということで完全に落としてはいます。同様の考え方で、この色塗りをしている部分で、この色塗りをしたものというのは、あくまでも一例なのかそれともたくさんの例なのかは、精査はせず単純に使用実績やそういう事例がありますというものを載せているので、今、申し上げた道路と同じような形で可能性の低いもの、可能性の高いものではないという形で、整理できるものがあるかというところも、御意見としていただければと考えています。
○笠井委員 すみません、意見というよりも、この別添2の中の中段より下の「鳥居」の下に、「仮設構造物」と書いて、括弧書きで(作業用足場等)と書いてありますが、これはあくまでも仮設で作るものの足場のようなものというイメージでよろしいですか。仮設構造物と言ってしまうと、いわゆる博覧会であるとか、そういう短期の構造物も仮設構造物と呼んだりしますので、誤解を生まないかなと思っていて、ちょっとこの辺の表現はもう少し意図するところをはっきりしたほうがいいかなということとです。それから、これは該当するのかならないのか分かりませんが、例えばダムなど、そういうものはここにはないと思いますが、今、高村専門官がおっしゃったように、これを例示とするのか、まずはここにある、おっしゃっているところは、もう事前届出の必要はないとすると捉えてよろしいのでしょうか。工作物も多分いっぱいあると思うのですが。
○副主任中央労働衛生専門官 前回のWGの中でWGの資料として、事務局としてそろえられた例示としてはこういうものがあります。過去の資料等から、こうした実績があるものとして例示できるものはこれだけです。これに追加して何か情報があるものがあれば、入れていただいた上で、それが可能性が高いものなのかどうかという精査をした上で、届出の対象とすると整理するのがいいのかなと考えています。
○豊澤座長 ちょっと私から、ダムというのは堤防や護岸など堤等の構造物に入るのですか。
○オブザーバー(国交省総合政策局) すみません、この別添1の所に、河川法第3条第2項により定義される河川管理施設とあるのですが、その法律の中で河川管理施設とは、「ダム、堰、水門、堤防、護岸、床止め、樹林帯、その他河川によって」と例示が書いてあるので、今、言われたダムなどは、この中に入ります。
○豊澤座長 この黄色の網掛けで示されたものについては、法的に何か定義付けられているのですか。
○化学物質対策課長補佐 別添2の網掛けのものは、必ずしも法律用語で書いてあるものでないので、そこは実際に制度にするときは精査が必要かなと思っています。
○豊澤座長 なるほど。今日のWGで、皆さんから御意見を伺うための資料ということですか。
○化学物質対策課長補佐 はい。
○豊澤座長 このほかに、もし何かあればとか、これを外したほうがいいのではないかという御意見を伺いたいというための資料です。
○化学物質対策課長補佐 あと1つ補足なのですが、国交省からいただいた別添1の3枚目だと思いますが、鉄道事業法で、先ほど定義は何なのかというお話がありましたが、鉄道線路はないということになっています。この別添2の所の下から2番目に、「鉄道の線路」が入っているのですが、ここはよく整理する必要があるかなと改めて思いました。
○オブザーバー(国交省総合政策局) 多分、「信号等の施設」などがプラスされてしまっているのでというところもあるかもしれません。
○川口委員 今、ちょっとダムの話が出ていたかと思いますが、私も不勉強で申し訳ないのですが、河川法、その他のルールによって定義される河川管理施設といったときの「ダム」というイメージと、一般の人が思うダムというと、例えば取水設備があったり、発電の設備があったり、ゲートを開け閉めするようなモーターなどがあったりと、何かしらのそういう設備的なものが付随しているものを一体で、ダムという言葉を聞くとイメージするかと思うのです。この法に書かれているものという定義で明確に示すというのも分かりやすいと思いますが、具体的にもう少し、マニュアル等のそういったもので、そういった御説明をしたほうが現場の混乱は少なくなるのではないかなと思います。
○豊澤座長 ありがとうございます。ダムの駆体そのものと、その付属設備というのは、ちょっと違うのでしょうね。石綿が入っているか入っていないかの判断が分かれると思います。
○川口委員 そうですね。
○豊澤座長 その辺は注意していただきたいということだと思います。そのほかにありませんか。
○漆原委員 多分、その今の御意見は、ダムの所にはやはり管理棟が当然、発電所であれば、そういう辺りもあります。あるいは発電室やタービンの部屋などは、これは建築物に該当するという理解でいいのか。その一体を見て工作物と考えるのかということなのかなとも思ったのですが。そこのところの何をもって工作物で、どこからが建築物なのかというところは、何かどこかで、ほかのものでもそういったこともあり得るので定義が必要なのかなと思ったところです。
○オブザーバー(国交省土地・建設産業局) よろしいですか。河川管理施設と言ったときの中には、今、おっしゃったような上屋という建物もあり、それは建築基準法でいう建築物にも該当するので、多分ここに載せるリストはどれかに引っ掛かったら届け出なくてはいけないというリストだと思うのです。ダム施設が書かれていないからといって一切届け出なくてもいいということではなくて、それは建築物であれば建築としての届出が必要です。どうしても法律上、重なり合ってしまうところは出てくると思うのですが、ここの概念からすると、石綿が含まれている可能性が高いものについては漏らさないようにしようということなので、そこのダブリは許容しつつ、分かりやすく可能性の高いものは列挙していくということになろうかと思います。
○豊澤座長 ありがとうございます。そのほかはありませんか。
○出野委員 また確認なのですが、建築物については建築基準法で建築物の定義がきちんとあります。それ以外のものが、この工作物で、これは雑多なものですから、幾つかあるか分からないと。無数にあるというその中で、ポジティブリストを作って、これとこれとこれだけは対象にしましょうと、そのポジティブリストを作るのに細かい議論をしましょうと、こういう理解でよろしいですか。
 後は届出をする場合にはポジティブリストを作って、早急にと言いますか、例えば建築物であれば80平米、修繕工事であれば100万円とありましたが、工作物の場合にはどうするのかという議論も、今、入っているのですよね。
○副主任中央労働衛生専門官 今回、まずはポジティブリストという所で論点を示させていただいて。
○出野委員 そうですか、届出の線引きは、また後ほどと。
○副主任中央労働衛生専門官 そうですね、想定しているのは、やはりどこかで基準を設ける必要があるだろうとは考えていますが。
○出野委員 そういうことは次の話ということですね。現在は、そのポジティブリストに、どういうものが対象になるのかということだけを洗い出したいということですね。失礼しました、確認だけです。
○豊澤座長 そのほかはありませんか。なければ、論点の2の簡易届出制度の対象についての(定期修理の取扱い)について議論していきたいと思います。御意見を承りたいと思います。
○佐原委員 真ん中辺りに、「定期修理の度に建造年月日の届出を求める」とありますが、届出を誰が出すのかというのは、どうなるのでしょうか。
○副主任中央労働衛生専門官 建築物については、実際に事業者、そうした改修作業を労働者に行わせる事業者になります。その仕事を複数の業者で請け負う場合は、簡易届出については、元請に届け出ていただく。
○佐原委員 そこでちょっと難しいのは、プラントの定期修理の場合は、先ほど2年、4年に1回やるというとき、業者がその度に競争で入札するので変わるのです。そういった場合に、お客様の設備を修理する、それをいつ建てたのですかなどは、恐らく開示されないのです。ですから、所有者でないと写真の問題と一緒で、いろいろな特許の絡みや外部に流出する問題などがあるので、いつ頃に建てたとか、どういうものですというのは余り開示をしていただけないケースが多いと思います。
そもそも、なぜ写真を取れないかという議論を以前したときに、一昔前に製鉄プラントである国に技術が流出したという問題、あるいは半導体関連で大量の技術者がアジアに流れていった問題が非常に機敏になっています。そういう製造会社のオーナーというのは、もう基本的に工事業者に対しても、いろいろな開示をしていただけないケースが非常に多いのです。どこから漏れるか分からないということで、特にこの20、30年というのは、日本がほぼマザー工場ということで、日本で開発した技術を世界の汎用品の工場に技術を輸出するということがあって、いつ頃に建てたとか、どういうものかとか。もちろん、工事をする中の流体、硫酸が流れていますなどそういう情報はあるのですが、プラント自体の詳しい情報というのはなかなか開示していただけないケースが多いです。理由は先ほど言ったようなことで、流出を非常に恐れているということがあります。やはり、オーナーでないと、工事業者としてはほぼ不可能かなという感じはしています。建造年月日の届出という問題に関してはです。
○化学物質対策課長補佐 ある程度、いわゆる発注者というか、オーナーさんの協力を頂かないといけないという、そういう趣旨ですか。
○佐原委員 そうです。建造年月日がいつですかというのは、定修とは関係ない部分なので、その辺はちょっと開示をしていただけない部分になりますので。2年前に、ここを取り替えた等の情報は頂けるとは思いますが。そういうちょっと困難な面というのはあります。
それから、その下の「定期修理時に」も一緒です。初回の定期修理をいつやったのかということも、オーナーサイドでないと分からない。そのときの施工業者というのは分からないと思われます。
○化学物質対策課長補佐 すみません、質問なのですが、仮に定期修理の工事を請け負ったとして、1つ前の定期修理で、どういう修理をしたかという情報も開示はなかなかされないのですか。
○佐原委員 今、言ったように、その情報は開示されます。別の業者がやったときに、どういうことをやったのかを教えていただければスムーズに引継ぎができるので、そういった情報はある程度は開示していただかないと、なかなか仕事ができないので、その辺はありますが、それ以上のことというものはなかなか難しいですね。
○化学物質対策課長補佐 工事のために必要最低限の情報しか頂けないという感じですか。
○佐原委員 そうですね。
○化学物質対策課長補佐 分かりました。
○佐原委員 先ほど言った写真の件にしても同じように、配管に亀裂が入ったその部分だけは写真を撮って、こういう亀裂があったので補修しますと、その部分だけです、本当に。全体がこうでこの部分を写すというのはできないです。全体は絶対駄目なのです。タービンの羽根が折れた、折れた部分だけで、タービン全体がこうなっていてこの部分というのは、もう駄目なのです。そういう非常にややこしいというか、タービン全体が分かると仕組みが分かるので、それはオーナーサイドでは撮る可能性はあるのですが、工事業者としては、その羽根を修理するだけなので、そこの部分しか撮ってはいけないという形になるので、やはりオーナーの協力がないと、なかなか施工業者が届出を出すということは不可能な状況です。それは、きちんと制度を定めて、オーナーが提出しなさいということであれば、全然問題ないと思いますが。
○豊澤座長 ありがとうございます。そのほかにございますか。
○漆原委員 いただいた別添2ですが、この中でむしろ定期的な検査が必要なものがどれなのかが分かればと思います。エレベーターとかは年1回とか、そういうようなイメージだと思うのですが、何かそういうものが分かれば、ここの議論もしやすいのかなという気もするのですが。それぞれ法令で定められているとすれば、それはそのタイミングでやらなければいけないので、どれだけの頻度で、どれだけの案件が集まってきて、そこの煩雑さを回避するということであれば、どのようにするのかは多分、検討できるのではないかなと思います。
○豊澤座長 ありがとうございます。別添2で言えば、化学プラント・製造プラントとか、ボイラー・タービンとか、それからエレベーター・エスカレーター等は、漆原委員が言われていることになるのかなという気がしますが。
○化学物質対策課長補佐 かなり広範な法令が対象になるので、本日時点では、そこまでの整理ができていない状態です。
○豊澤座長 逆に佐原さんのをお聞きすると、今言われたのは化学プラントとか、製造プラントについては、オーナーの理解が必要だということだと思うのですが、ボイラー・タービンとか、エレベーター・エスカレーターなどについては、そこまでのことはないのでしょうか。
○佐原委員 我々の業界はエレベーターなどは扱っていないので、ボイラー・タービンは扱っていますが、最初に言ったようないろいろな法律に絡むものがあれば、その法律に基づいて点検や検査をやるということです。とてもいっぱいあるので一概には言えないですけれども。
○豊澤座長 オーナーの了解を取らないと、着工日も公表できないというようなものとしては、ボイラー・タービンとかエスカレーターは。ボイラー・タービンも含まれるのですか。
○佐原委員 含まれます。化学プラント・製造プラント、ボイラー・タービン、この辺です。
○笠井委員 製造に関わるようなものは難しいです。
○豊澤座長 ボイラーも製造に関わってしまうと、そうなってしまうと。オーナーの理解さえ得られれば、逆に言えば可能だという。
○佐原委員 理解というか、オーナー側に義務付ければいいだけの話かなと思うのですが。
○副主任中央労働衛生専門官 プラントに関しては、建造年月日の情報を得ることは、非常にハードルが高いというようなお話だったかと思うのです。一方で、それ以外のものについても、今、御意見がございましたが、いろいろ定期検査が義務付けられていて、それに伴う修理・修繕が定期的に行われる。仮に建造年月日について情報が容易に得られるような工作物について、定期修理をする度に届出をさせることについて合理的か不合理かというところについても御意見を頂ければと思います。もちろん実行上できるかできないかというのも大切な課題ではあるのですが、得られるケースにおいて、それを毎回、届け出ていただくようなことが合理的か非合理かということも含めて御意見を頂ければと思います。
○佐原委員 特に問題ないと思いますが。ただ、プラントを扱うのは、2年、4年の定修のときだけではなくて、メインは日常メンテナンスなので、毎日、補修・改修作業をやっているのです。大きなプラントを完全に2、3週間止めて大がかりな改修工事をやるというのが定修なのです。それ以外に、運転しながら、配管だけをバルブで止めた上で取り替え工事をやるということもあります。それは高圧ガス法とか、そういうものに引っかかる面もあるので、日々そういう作業は生じています。それで届出等をやるというのであれば、決まればそれでやるしかないかなと。ただ、基準が100万とか、平米数とかありますけれども、それを事前にきっちり定めていただいて、それで会員企業でどういう弊害、問題があるのかということを議論する必要はあるかなと思います。
○副主任中央労働衛生専門官 団体の中でも少し御議論をしていただいて、次回に御意見を頂けるということでよろしいかと。
○佐原委員 以前も定修で何千件も100万以上の注文がありますという話をしたのですが、それは定修一括りでどうかという話もあったのです。では日常検定はどうするのかと。毎日やる作業というのは、例えばあるカープラントでいうと、毎日1つの会社が40~50人でメンテナンスをやっていて、それは30業者ぐらいの請負業者があるのです。それをどこまでどう括って、どう提出するのかは。その作業指示というのは大体、前日の夕方ぐらいにきて、明日の作業はこれですよという形で日々、プラントの中でも、今日はこの配管、翌日はこの配管という形でやったりするので、それをどう括って解釈するのかを議論しなければいけないところです。
○副主任中央労働衛生専門官 今おっしゃられた、例えば先ほどの法律に基づいて定期検査をやっていて、実際に法律上、部品を取り替えなければいけないが、その部品は石綿含有物の可能性のある部品であれば、既にそこにはないということで、もし仮にそうであれば、それは事前調査から必要がないという整理はできるのかなとは思うのです。その辺も含めて団体の中でも御意見を頂ければと思います。
○化学物質対策課長補佐 1つ御質問ですが、日常的な補修というのは、毎日何か新しく発注を受けて、それに対して工事をやるということですか。
○佐原委員 そうです。
○化学物質対策課長補佐 包括的に何か契約を結んでいるわけではなく。
○佐原委員 年間の保全の契約というのはありますが、大体月に毎日30人常駐してくださいと。それで1年とか、大体2年契約で、例えばAという会社に、このプラントの保全はお任せしますと。要員については、これだけにしてくださいということで、それに対してお客様からは前日に発注があったり、当日に発注があったりです。というのはプラントはやはり突然止まったりすることもあるので、それに備えて必ずメンテナンス要員というのは必要なので、もちろん行っても仕事がない、それで草むしりをするというケースもあるのですが、必ずどこのプラントもそういう保全要員は専業業者で抱えています。ある程度小さい所は自前で自主保全というのですが、自分の所でやっている会社もありますが、大きな化学プラント、石油プラントはほとんど業者に委託して日常メンテナンスをやっています。日常メンテナンスをやっている所は定修をやるかというと、必ずしもそうではないというのが少しややこしいところです。定修は、日常メンテナンスをやっている所とは別の業者でやるというケースは多々あります。それはもうあくまでも競争なので、価格で負ければ全く違う業者が来てやるというケースもあります。日常メンテナンスも、その2年の契約が終われば、また違う業者に代わったりとか、それは価格次第で変わったり、価格と技術ですね。非常に頻繁に変わります。
○川口委員 今、定期修理の話が出ている中で、逆に定期修理以外の修理があるというのをお話させていただきたいと思います。今回は簡易届けですので、主にレベル3の建材が対象になるものが多いのかなと思いますが、その際にどちらかというと、今いろいろな工作物がここに別添にもありますが、物によっては、化学プラントの話もありましたが、どちらかというと、動かないものというよりも、生きているものというのですか、配管とか、物が流れているとか、何か漏れ出したりすると、当然こういった場合というのは緊急的な工事が発生するのかなと思います。ポンプ、タービンも同じだと思います。こういったものの交換をするときに、届出をしてから調査をして、届出をしてからというのが、ステップとして間に合わない。まず、とにかくやらなければいけないということもあり得るだろうなと思うのです。だから事前に定期修理のように綿密な計画をされないケースもあり得るのということを想定されたほうがいいかなと思います。
○出野委員 門外漢の意見で申し訳ないですが、2点です。1点目は、届出対象ということで、これは作業届、計画届とは全く別の話という理解でよろしいですよね。要するに、石綿があろうがなかろうが、こういう工事があった場合には届出をしなさいという議論ですよね。
 もう1つは、定期修理で、届出を不要としてはどうか云々とありますが、これはそこまで考える必要はないのではなかろうかと、全て届出をしなさいと。それで業界のほうから、こういうものは届出は要らないのではないかという要望があれば、検討するというスタンスでよろしいのではないかという気がします。門外漢の意見で申し訳ないのですが。
○豊澤座長 ありがとうございます。そのほかございますか。
○化学物質対策課長補佐 今、川口委員からもございましたし、前回も議論になったと思いますが、緊急対応・応急対応の扱いについては、法令でどう書くかは別として、きちんと運用上の整理は必要かなと思っています。応急対応で、14日前までに届け出ろというのは実際上は無理だと思うので、14日前とか事前に届け出ろということをできないような場合の扱いというのは整理が必要かと思っています。
 また、出野委員からお話がありましたが、若干背景を申し上げますと、別途やっている船舶のWGもやっているのですが、そちらの意見の中で、船舶も何年かおきに必ず定期的な修理をやることになっていまして、平成18年以降にできた船でもその度ごとに届出をするのは無駄ではないかという御意見を頂いておりまして、それもあって工作物も同じような議論があり得るのではないかなということで、論点として挙げさせていただいたということでございます。
○豊澤座長 よろしいですか。
○オブザーバー(国土交通省土地・建設作業局) これも確認ですが、新築と改修と修理・修繕あるいは定期修理があるので、その言葉の定義がよく分からない所があります。例えば下水管とか上水道管で、石綿セメント管とかを使っている場合に、30年とか何十年とか経ったら古くなるので取り換えますと。しかし、もともとは上水道、下水道としての計画があって、何とか線という路線も変わっていないし、我々の感覚からすると多分、改修なのですが、その場合は、ここでいう定期修理の取扱いの2ポツ目の「届出不要」という調査するのだけれども、届出不要に当たるのか、それとも例えば塩ビ管等に既に完全に替わっていて石綿はないということで、1-(1)の、そもそも含まれていないことが明らかであるものに該当するのか、その辺がどちらにくるのか分からなかったので教えていただければと思います。
○漆原委員 よろしいでしょうか。今のところは例えば台帳があって、台帳上で塩ビになっているというのが分かれば、最初の所にあるようにアスベストが使われていないことが明確なので、そもそも多分そこの所にも定期的な修理にも該当しない、計画をして変えていくときにも該当しないことなのかと思ったのですが。仮に、それが台帳は整備されて、あるいは採出をしている部分で、改修するときにそこを掘ってみたら実はセメント管だったという場合はどうなるかということなのでしょうか。
○オブザーバー(国土交通省土地・建設作業局) 要するに調査の順番というか、確認の順番なのですが、先に年代を調べて、2018年9月以降のものだからという確認をする行為が調査であって、先に材質を台帳などで確認して、石綿がないことが明らかなときは調査ではないということだとすると、その記録保存などの義務が変わってくるので、そこをどうしたらいいのかなというのが。
○化学物質対策課長補佐 そこは事務局から回答を申し上げることではないと思うのですが、正にそこは議論があるところかなと思っています。先ほども誰が判断するのかという話がありましたけれども、事業者に判断を委ねたときに、きちんとやっていただく事業者はいいと思うのですが、それを自分に都合よく解釈するような事業者が出てきたときに、規制としてきちんと予防ができる規制になるのかという議論もあると思いますので、どこまで事業者の判断に委ねるのか。要は、塩ビかどうかという確認をもう、それは事業者でやっていただければいいですとした場合に、水道管の場合、本当は塩ビではないけれども、もうこれは面倒だから届出しないでやってしまおうというような事業者が出てくるような事態を防げるかどうかも含めて、全体を設計しなくてはいけないかなと思っています。もともとこの建築物の検討会が始まったのも、法律をきちんと守らない事業者を網の目から逃さないようにどうするかという発想で始まっていますので、そういうことも勘案して、どこまで入口で除けるのかというところの整理は必要かなと思っています。
○豊澤座長 よろしいですか。時間になってきましたが、その他も含めて、全体的にどうぞ。
○笠井委員 本当にしつこいようで恐縮ですが、事前調査の1ページ目、1)の(3)の例示です。既存塗装の上に新たに塗装を塗るなど、これは工作物だけではなくて、建築もそうなのですが、当然そういう場合は表面を少なくとも洗ったりしないといけないのですが、そういうものはもちろん、このカテゴリーに入ると思ってよろしいですよね。当然その上に塗らないといけないということは、何らかの損傷というか、汚れも含めてあると思いますので、全くその上に何もしないで塗るというのはなかなか難しいと思うので、そこの所をどのように書くのかが1つあるかなと思います。
 それからこれは川口委員にも御意見を頂きたいのですが、最後の日本保温保冷材工業協会のヒアリング概要の3つ目の所で、「作業届の計画届への統合について」は既に議論されているところですが、大防法でも14日前に届出をしていますよということで、作業届が計画届になるのは、それほど大きな違和感はないかなという話ですけれど、ただ大防法では、石綿を使っている配管のエルボ部分を養生をして、石綿を使ってない所で切断をすれば、大防法は確か、これは届出が要らないですよね。というように私は聞いていまして、ただ作業届では要ると聞いています。作業届では、もう前日だったので、そこのところは融通が効いたと、実際に業務をやっている者から聞いていますので、そこのところの整理をしていただけると。そこも全部、14日前となると、かなり負担が大きくならないかなという懸念がありますので、ここは御検討いただきたい部分として申し上げたいと思います。
○豊澤座長 3番目のその他も含めて御意見を承りたいと思います。よろしいですか。全体を通して何かございましたら承りたいと思います。ないようですので、以上で本日の議論については、一通り議論いただきましたので終わりたいと思います。たくさんの貴重な御意見を出していただきまして誠にありがとうございます。事務局にお願いですが、これまでの議論等を踏まえて、次回のWGまでに、このWGとしての取りまとめの案を準備していただければと思います。事務局から、そのほかに何かございますか。それでは、本日の議題は全て終わりました。事務局にお返しいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 本日は長時間にわたり御審議いただきまして、ありがとうございました。本日の会議録については、各委員に御確認いただいた上で公開することとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。また次回のWGは3月3日に予定しておりますが、開催場所等の詳細については、委員の皆様には改めて事務局から御案内させていただきます。よろしくお願いいたします。それでは以上で、第2回の工作物に関するWGを閉会いたします。どうもありがとうございました。