2021年11月8日 令和3年度第2回医薬品の成分本質に関するワーキンググループ議事概要

医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課

日時

令和3年11月8日(月)14時00分~17時00分

場所

厚生労働省 仮設第1会議室(仮設会議室棟1階)

出席者

○構成員(敬称略・五十音順)
  • 伊藤 美千穂 (京都大学大学院薬学研究科准教授)
  • 内山 奈穂子 (国立医薬品食品衛生研究所生薬部第2室室長)
  • 梅垣 敬三 (昭和女子大学食健康科学部食安全マネジメント学科教授)
  • 大塚 英昭(安田女子大学薬学部教授)
  • 小川 久美子 (国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター病理部長)
  • 小関 良宏 (東京農工大学大学院工学研究院教授)
  • 合田 幸広 (国立医薬品食品衛生研究所所長)
  • 関野 祐子 (東京大学大学院薬学系研究科ヒト細胞創薬学寄付講座特任教授)
  • 西川 秋佳 (国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター病理部客員研究員)
  • 袴塚 高志 (国立医薬品食品衛生研究所生薬部長)
○監視指導・麻薬対策課
  • 佐藤 大作(監視指導・麻薬対策課長)
  • 三宅 晴子(危害情報管理専門官)
  • 小林 奉文 (薬事監視第一係長)
  • 福永 雅樹 (薬事監視第一係員)

議題

  1. (1)非医成分の専ら医成分への移行について
  2. (2)その他

議事

議事内容

昭和46年6月1日付け薬発第476号厚生省薬務局長通知「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」の別紙「医薬品の範囲に関する基準」の別添1の「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」(以下、「判断基準」という。(注))に基づき審議した。

  1. (1)新規成分本質(原材料)の審議について
    • センソウトウ(全草)
       従来、「医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質」の扱いであったが、国内外ではサプリメントの流通形態しか確認されておらず、含有成分であるアルカロイドHuperizine A は毒薬相当の極めて高い毒性を有するため、「専ら医薬品として使用される成分本質」へ移行することが妥当と判断された。
    • イボツヅラフジ(全木)
       従来、「医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質」の扱いであったが、含有成分のアルカロイドMagnoflorine、Higenamine 及びPalmatine は劇薬相当の強い毒性を有する。また、イボツヅラフジ自体も毒性を有し、本植物に由来する製品の摂取により、死亡例を含む重篤な健康被害の発生が報告されているため、「専ら医薬品として使用される成分本質」へ移行することが妥当と判断された。また部位は全草ではなく、全木と記載することが適切とされた。
    • シンキンソウ(全草)
       従来、「医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質」の扱いであったが、国内外でサプリメントとしての流通形態しか確認されておらず、含有成分のアルカロイドLycopodine は劇薬相当の強い毒性を有するため、「専ら医薬品として使用される成分本質」へ移行することが妥当と判断された。
    • ノゲイトウ(全草)
       従来、種子は「医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質」の扱いであったが、全草は劇薬相当の強い毒性を有するため、ノゲイトウの全草を「専ら医薬品として使用される成分本質」とすることが妥当と判断された。
    • ヒメツルニチニチソウ(全草)
       従来、「医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質」の扱いであったが、含有成分のアルカロイドVincamine は劇薬相当、またアルカロイドReserpineは毒薬相当の極めて強い毒性を有する。さらに、含有成分のReserpine は医療用医薬品に配合されて使用されている化合物のため、「専ら医薬品として使用される成分本質」へ移行することが妥当と判断された。
       

(注)「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」の考え方

  1. (1)専ら医薬品としての使用実態のある物
    解熱鎮痛消炎剤、ホルモン、抗生物質、消化酵素等専ら医薬品として使用される物
  2. (2)(1)以外の動植物由来物(抽出物を含む。)、化学的合成品等であって、次のいずれかに該当する物。ただし、一般に食品として飲食に供されている物を除く。
    1. 毒性の強いアルカロイド、毒性タンパク等、その他毒劇薬指定成分に相当する成分を含む物(ただし、食品衛生法で規制される食品等に起因して中毒を起こす植物性自然毒、動物性自然毒等を除く)
    2. 麻薬、向精神薬及び覚せい剤様作用がある物(当該成分及びその構造類似物(当該成分と同様の作用が合理的に予測される物に限る)並びにこれらの原料植物)
    3. 処方せん医薬品に相当する成分を含む物であって、保健衛生上の観点から医薬品として規制する必要性がある物

照会先

厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課

03-5253-1111(内線2767)