第10回建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会 議事録|厚生労働省

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

日時

令和4年11月2日(水) 10:00~12:00

場所

経済産業省別館312会議室
(東京都千代田区霞が関1-3-1)

議題

  1. (1) 工作物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等について
    (2)その他

議事

○副主任中央労働衛生専門官 それでは、本日は大変お忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより「第10回 建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会」を開催いたします。本日の委員の出席状況ですが、中村委員を除き全員御出席となっております。それでは冒頭でございますので、安全衛生部長の美濃から御挨拶させていただきます。
○安全衛生部長 安全衛生部長の美濃でございます。参集者の皆さまにおかれましては、平素より職場の安全衛生対策の推進、とりわけ建築物の解体・改修工事等における石綿ばく露防止対策の推進につきまして、多大なる御尽力を賜りまして、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。工作物に係る石綿事前調査書の要件の検討につきましては、本年7月から10月までの間、ワーキンググループで議論し、その結果を本日御用意いたしましたワーキンググループ報告書として取りまとめております。本日は、この報告書の内容につきまして御審議いただきたいと考えております。ワーキンググループでは、調査対象となる工作物が多種多様な中で、工作物は塗料などにおける石綿の使用の有無に関する実態調査、ヒアリング等結果も踏まえながら、対象の範囲や調査方法、使用実態の把握方法、講習等教育の内容などにつきまして検討してまいりました。本日は、その内容につきまして御審議を賜り、本検討会の報告書として取りまとめていただければと考えている次第です。本日の会議が実り多いものとなりますことを祈念申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○副主任中央労働衛生専門官 それでは議事進行につきましては、座長が決まるまでの間、事務局にて進めさせていただくこととし、私、副主任中央労働衛生専門官の井上にて進行させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、本日、今年度に入りましてからの初会合ですので、本日御参集の委員の御紹介をさせていただきたいと思います。委員の皆さまには、タブレットで御覧いただいておりますけれども、参考資料2の本検討会の委員名簿がございますので、その名簿で50音順に御紹介させていただきたいと思います。まず、全国解体工事業団体連合会前専務理事の出野委員でございます。
○(公益社団法人)全国解体工事業団体連合会 前専務理事 出野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 続きまして、日本労働組合総連合会 労働法制局 局長の小菅委員でございます。
○日本労働組合総連合会 小菅です。よろしくお願いします。
○副主任中央労働衛生専門官 続きまして、芝浦工業大学建築学科教授の古賀委員でございます。
○芝浦工業大学建築学科教授 古賀でございます。よろしくお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 続きまして、全国建築業協会 環境専門委員会委員の高﨑委員でございます。
○(一般社団法人)全国建築業協会 環境専門委員会委員 高﨑です。よろしくお願いします。
○副主任中央労働衛生専門官 続きまして、全国建設労働組合総連合 労働対策部長の田久委員でございます。
○全国建設労働組合総連合 労働対策部長 田久です。よろしくお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 続きまして、独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所所長の梅崎委員でございます。
○独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所所長 梅崎です。よろしくお願いします。
○副主任中央労働衛生専門官 続きまして、御出席の順ということで、日本建設業連合会 安全委員会安全対策部会長の本多委員でございます。
○(一般社団法人)日本建設業連合会 安全委員会安全対策部会長 本多でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 続きまして、住宅生産団体連合会 環境委員会委員 積水ハウス株式会社環境推進部 課長の村井委員でございます。
○(一般社団法人)住宅生産団体連合会 環境委員会委員 積水ハウス株式会社環境推進部 課長 村井と申します。よろしくお願いします。
○副主任中央労働衛生専門官 続きまして、建築研究振興協会会長の本橋委員でございます。
○(一般社団法人)建築研究振興協会会長 本橋です。よろしくお願いします。
○副主任中央労働衛生専門官 続きまして、建設業労働災害防止協会 技術管理部長の西田委員でございます。
○建設業労働災害防止協会 技術管理部長 西田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 委員の紹介は以上でございます。ありがとうございました。
続いて議題に入る前に、参考資料2の開催要項3の(4)に基づく座長でございますが、事務局といたしましては、前回まで座長をお願いしておりました豊澤前所長の後任として本日御参加いただいている梅崎委員にお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
○副主任中央労働衛生専門官 ありがとうございます。それでは、以下の議事進行を梅崎座長にお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○梅崎座長 それでは、よろしくお願いいたします。労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所の梅崎でございます。簡単に自己紹介ですが、私は昭和58年に旧労働省に入省しまして、アスベストとの付き合いは4年間、労働基準監督官として、現場でアスベストについて監督とか指導などをした記憶がございます。その後は、旧産業安全研究所で、安全の研究と災害調査を行っていました。それ以降は、あまり労働衛生と付き合いはなかったのですが、研究所で35年間やる中で、今は旧安研と旧産医研が統合して労働安全衛生総合研究所となりましたので、それから安全と衛生一体としてやっているという状況でございます。この委員会につきましては、働く人の健康と安全が何よりも大事という観点から、この委員会を適切に進めていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。それでは、議事に入る前に事務局から資料の確認をお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 それでは、資料の確認を行います。本日はペーパーレスでございます。繰り返しになりますが、委員のお手元にありますタブレットの資料です。一括の資料になっておりまして、内訳としましては3点です。資料1「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会報告書案」、参考資料1「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会報告書(令和2年4月14日)」、参考資料2「開催要項」となっております。一括の資料としてタブレットに収めておりますので、御確認いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○梅崎座長 資料はよろしいでしょうか。それでは、本日の議事に移りたいと思います。議事次第に戻ってください。まず、(1)建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会工作物報告書案についてです。この検討会は、今年7月28日から10月11日まで開催いたしまして、第6回のワーキンググループまでの議論を取りまとめております。それをワーキンググループ報告書という形で、資料1の検討会報告書案の形で御用意しております。まず最初に、事務局から資料1の検討会案の報告をお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 それでは事務局から、資料1の「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会報告書案」について御説明いたします。資料1の構成ですが、最初の2枚に検討会報告書案ということで、鑑の部分と、この検討会報告書の位置付けを書いております。3ページ以降は「別添資料1」ということで、本年10月11日の「工作物に関するワーキンググループ報告書」を添付した形になります。最後に「別添資料2」として、本検討会全体の開催要綱を付けているという構成です。まず、この資料の報告書案の中身について御説明いたします。
 報告書案の次のページは、「工作物に関する石綿に関する事前調査」についてです。工作物に関する石綿に係る事前調査については、「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会工作物に関するワーキンググループ報告書」において、本年10月14日のとおりとすることが妥当であり、厚生労働省において、速やかに「石綿障害予防規則」の改正を含めて必要な対応を行うべきであるとさせていただいております。別添資料1には、先ほど申し上げたものをお付けしております。その別添資料1がメインの資料で、ワーキンググループの報告書の中身です。
 1ページ進めていただくと目次には大きく3点あり、まず1点目が「検討の経緯」、2点目が「事前調査について」、3点目が「講習の実施体制について」です。2の事前調査については、(1)事前調査の対象となる工作物についてと、(2)資格を必要とする事前調査の範囲について整理しております。
 3ページは、1 検討の経緯です。令和2年の報告書においては、次のとおりとされておりました。工作物に関しては、③工作物の事前調査についても、その適切な実施を確保するため、調査を実施する者に一定の知識等を付与するための仕組みや、付与すべき知識の内容等については、さらに検討を深める必要があるため、以下の点に留意しつつ、引き続き厚生労働省と関係機関が連携して検討を進めることとされておりました。a 建築物に関する事前調査に必要な知識等と共通する内容の有無、b 工作物について多種多様なものがある中で、必要な知識等に共通点の多いものをグループ化して取り扱うことの可否とされています。今般、工作物ワーキンググループにおいて、本年7月から10月までの3回にわたり、妥当と考えられる工作物の事前調査の資格要件についての検討が重ねられ、本ワーキンググループとしては、工作物に関する石綿に係る事前調査については、下記2のとおりとすることが適当であると整理しております。3ページの(1)の所は、本検討会ワーキンググループの検討事項ということで、先ほど申し上げたように、工作物が多種多様なものがある中で、主な論点案として、調査の対象となる工作物の範囲と使用実態の把握、講習の教育内容、石綿含有建材の図面調査や現地調査の実際と留意点、受講資格や講師要件、有資格者による調査の範囲の5つを主な論点として掲げています。(2)の検討会スケジュールは、4ページです。
次に、4ページの中段ですが、2 事前調査です。(1)事前調査の対象となる工作物についてですが、事業者は、建築物、工作物又は鋼製の船舶の解体又は改修の作業、いわゆる解体等の作業を行うときは、工事の規模、請負金額にかかわらず、石綿等の使用の有無を調査するための事前調査を行わなければならないこととされております。このうち、事前調査結果の報告対象となる工作物については、石綿障害予防規則の中で厚生労働大臣が定める「特定工作物告示」というものがあります。この「特定工作物告示」により、石綿が使用されているおそれが高いものとして厚生労働大臣が定めるものを「特定工作物」と呼んでおり、この特定工作物に限られております。なお、本告示については、関係省庁からの新たな知見に基づき、随時見直しが行われるものであるという位置付けを、ここで確認しております。
 4ページの下から5ページにかけてですが、特定工作物告示に掲げる工作物としては、①反応槽から⑯鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板となっています。また、石綿障害予防規則(通称「石綿則」)における建築物と工作物の定義は、5ページの中段のとおりです。特に、「解釈例規」ですが、1ポツ目の第1項の「建築物」とは、「全ての建築物をいい、建築物に設けるガス若しくは電気の供給、給水、排水、換気、暖房、冷房、排煙又は汚水処理の設備等の建築設備を含むものであること」というように、建築設備を含むということを定義しております。
 2ポツ目の「工作物」とは、建築物以外のものであって、土地、建築物又は工作物に設置されているもの又は設置されていたものの全てをいい、例えば煙突、サイロ、鉄骨架構、上下水道管等の地下埋設物、化学プラント等、建築物内に設置されたボイラー、非常用発電設備、エレベーター、エスカレーター等、又は製造若しくは発電等に関連する反応槽、貯蔵設備、発電設備、焼却設備等、及びこれらの間を接続する配管等の設備等があることとされております。なお書きで、建築物内に設置されたエレベーターについては、かごの部分は工作物ですが、昇降路の壁面は建築物であるという整理をしております。
 こうしたことを踏まえて、5ページの一番下の「ア 調査の対象となる工作物の区分」ですが、6ページに表で示しております。現行の石綿則と特定工作物告示を踏まえると、工作物は、その特徴から次のように分けることができるということです。「区分」と「対象工作物」の欄があります。区分の欄は大きく2つあり、特定工作物告示に掲げる工作物、すなわち特定工作物です。これは、繰り返しになりますが、石綿の使用のおそれが高いものとして厚生労働大臣が定めるものであり、事前調査結果の報告対象となる工作物です。これと「その他の工作物」の2つに分けられ、この特定工作物に関しては、対象工作物の中で、更に上段、中段、下段の「その他の工作物」に分けることができます。
上段については、特定工作物のうちで「建築物とは構造や石綿含有材料が異なり、調査にあたり当該工作物に係る知識を必要とする工作物ということで、炉設備、電気設備、配管及び貯蔵設備の3つをグルーピング化しております。中段には、特定工作物告示のうち、上段とは異なり、「建築物一体設備等」というように定義させていただいておりますが、これは括弧内にあるような建築物と一体になっている設備である工作物、主に建材が使用されている工作物、又は建材類似の工作物をまとめて総称として定義しています。煙突やトンネルの天井板、プラットホームの上家などがここに該当するものです。下段の「その他の工作物」は、この対象工作物の中で上記以外の工作物ということで、建築物以外のものであって、土地、建築物又は工作物に設置されているもの又は設置されていたもののうち、上の各欄に掲げるもの以外のものということで、具体的には、エレベーター、エスカレーター、コンクリート擁壁などを記載しております。
 6ページの下から8ページにかけては、これも令和2年度に整理したものですが、関係省庁において、用途や仕様の確認、調査結果から石綿が使用されていないことが確認され、事前調査を行う必要がないと整理された工作物には以下のものがあるということで、改めてここに掲げております。こちらにつきましては、令和2年度の改正の際に整理済みのものです。
 8ページ目に移ります。「イ 工作物における石綿の使用実態」です。先ほどのアの工作物の分類ごとに、工作物における石綿の使用実態を調査するため、業界団体等にヒアリング又はアンケートを実施したところです。また、塗料や接着剤、パテ、モルタル、その他不定形材料の工作物における使用実態等についても同時に調査したところです。
 そのヒアリング結果の詳細は、別紙1に示しています。量が多いということもあり、見やすくする観点から21ページ目以降に別紙1としておりますが、石綿の用途としては、①防火・耐火、②断熱・保温、③絶縁などから、⑨コンクリート補修、⑩接着といったところにわたるものです。
 不定形の建材についての調査結果は次のとおりで、具体例を載せております。これらをまとめたものが、10ページと11ページの表です。10ページの表については、「工作物の分類ごとにおける塗料、接着剤、パテ、モルタル、その他不定形材料の使用実態等について」というタイトルを付けて、注釈を付けております。この表は、業界団体等にヒアリング又はアンケートを実施した結果ですので、ここに例示するものだけが該当するとは限らないということを注釈で明記しております。ここに例示されていないものは石綿若しくはその塗料などが使われていないと受け止められないようにするという観点もありますので、あくまで確認して、ヒアリングを行った結果としては、こうでしたというものです。
この表に関しては、塗料から接着剤、補修材であるパテ、モルタル、その他の5つについて、特定工作物の中でグループ化した炉設備、電気設備、配管及び貯蔵設備、建築物一体設備等、その他工作物に分けています。ここの中で、例えば「塗料」であれば、炉設備から配管及び貯蔵設備のところにわたって、ほぼ全ての設備で錆を止める防錆目的の塗装が行われていることなどがあります。「その他工作物」では、道路舗装でタイヤによる摩耗対策として使われる場合や、「港湾」では、1ミリぐらいの厚さで杭に配合設計上使われるということなどが報告されております。また、「接着剤」は、炉設備の壁の中の断熱、床材ということもあるのですが、「特定工作物では断熱材を貼り合わせるために使用の可能性あり」ということが、共通して炉設備から建築物一体設備等まであるということや、「その他工作物」については、コンクリート補修として使われているという報告を、アンケートやヒアリングの中で受けています。「モルタル」に関しては、「規模の大小によらず基礎の設置調整」が、炉設備や電気設備、建築物一体設備、その他工作物の所で報告がありました。こうした使用実態があることを確認させていただいており、その前のページで解説しています。
 続きまして、12、13ページに移ります。12ページですが、以上のヒアリング結果を踏まえ、工作物の区分と石綿の用途・主な建材との関係は以下のように整理できるとしております。工作物を、炉設備、電気設備、その他の工作物までをそれぞれ分類して、それぞれの工作物の区分ごとに、石綿の用途と主な建材を整理しています。
 先ほど飛ばしてしまった部分がありますので、8ページの所に戻ってください。不定形の建材についての調査結果は、次のとおりであったという部分の1つ目の●ですが、塗料は、先ほど申し上げましたような使用実態があるということ、ここでも解説しているのですが、下3行の所の「なお書き」ですけれども、「防錆目的やケーブルの絶縁性、駅地下の防水や漏れ防止対策など幅広く使用されている」という後に、なお書きで「観光エレベーターの昇降路の囲い(建築物に該当するものを除く)」は、ここに入れているのですが、特定工作物告示に規定はないのですけれども、ここでは建築物一体設備等の所に分類しています。
 再度、12ページに戻っていただきまして、第1パラの所で申し上げましたが、「それぞれの工作物の区分ごとに、石綿の用途と主な建築物を整理した」という後に、2パラ目ですが、「観光エレベーターの昇降路の囲い(建築物に該当するものを除く)」は特定工作物告示に規定はないのですが、「建築物一体設備等に分類している」と、なお書きで書かせていただいております。そして、使用実態の区分として、○、△と空欄があります。13ページの表をご覧ください。13ページの表は、炉の設備と工作物の区分として、石綿の用途と主な建材の関係を整理しております。マトリックスの関係になっているのですが、○に関しては、「使用しており、石綿が入っている可能性がある」というもので、△に関しては、「使用しているが、石綿が入っているかどうか分からない」というもの、空欄に関しては、「使用していないもの」とに分けておりますけれども、ここでも表の注釈に書きましたように、ここに例示するものだけが該当するとは限らないということです。
 こうしたことを踏まえまして、14ページ目から、(2)資格を必要とする事前調査の範囲についてというものを整理しており、16ページに一覧表にしております。先ほど6ページの所で見ていただきました工作物の区分の表に、更に右の列に「事前調査の資格」を設けています。こちらは整理した結果ですので、先にその結果の所を御説明する次第ですが、まず、特定工作物の中にある上段と中段ですが、上段の「建築物とは構造や石綿含有材料が異なり、調査にあたり当該工作物に係る知識を必要とする工作物」に関しては、ここでの整理として、事前調査の資格として新設する工作物石綿事前調査者(仮称)を必要とする資格としてはどうか。中段に関しては、同じく新設する工作物石綿事前調査者か、既存の建築物の調査者の中で一般建築物石綿含有建材調査者か、特定建築物石綿含有建材調査者かということで、建築物の中で一般と特定の資格を持っている方でもどうかという整理にしているのと、下段に関しては、塗料その他の石綿等が使用のおそれのある材料除去等の作業に係る事前調査については、新設する工作物石綿事前調査者か、建築物の調査者のうち、一般の調査者か特定の調査者でどうかという整理をしております。
 注釈を付けている作業ですが、下段の所にある1つ目の※ですが、塗料の剥離、補修されたコンクリートやモルタルを使用した基礎の解体等を行う場合としております。
また、14ページ目に戻ってください。工作物における事前調査のうち資格を必要とする範囲は以下のように整理できるということで、工作物については、繰り返しの部分ですが、特定工作物とそれ以外の工作物に分けられるということです。2パラ目で、この「特定工作物」については、さらに「建築物とは構造や石綿含有材料が異なり、調査にあたり当該工作物に係る知識を必要とする工作物」として、16ページの表の上段になりますが、炉設備、電気設備、配管・貯蔵設備、建築物一体設備等として、それぞれのものに分けられるということです。3パラ目の「なお書き」ですが、観光エレベーターの昇降路の囲い(建築物に該当するものを除く)については、耐火被覆材等の石綿含有材料が使用されている可能性が高いことがアンケート結果などから明らかになったことから、石綿使用のおそれが高いものとして、厚生労働大臣が定めるもの、特定工作物告示に追加することが適当であるとさせていただいております。また、追加する場合においては、建築物一体設備等に位置付けることが適当であるとしております。
4パラ目です。これ以外については、建築物とは構造や石綿含有材料が異なり、調査にあたり当該工作物に係る知識を必要とする工作物、すなわち、16ページの上段のものですが、「建築物とは構造や石綿含有材料が異なり」という上段のグループの事前調査については、「新設する工作物石綿事前調査者(仮称)」が行うとすべきであると整理しております。そして、中段の「建築物一体設備等」については、工作物石綿事前調査者に加えて、建築物の調査者の中で一般の調査者又は特定の調査者も事前調査を実施できるとすべきであるとさせていただいております。一般の調査者と特定の調査者の正式な名称は、この括弧書きのとおりですが、ここでは短く呼称しております。
 次に、「その他の工作物」です。エレベーター、エスカレーター、コンクリート擁壁などの「その他工作物」については、石綿の含有のおそれが低いことを踏まえ、事前調査について、特に資格を要しないこととすべきであると。ただし、その他の工作物であっても石綿を含有するおそれのある塗料やモルタル等の材料を使用している工作物については、塗料の剥離、補修されたコンクリートやモルタルを使用した基礎の解体等を行う場合の事前調査については、工作物石綿事前調査者、または建築物の調査者のうち一般の調査者、又は特定の調査者が事前調査を実施することとすべきであるとしております。さらに、資格が必要ではない事前調査についても、調査者が調査を適切に実施できるよう、様式やチェックリストを作成する必要があるということをまとめております。それが先ほど御説明しました16ページの表です。
 17ページ、3 講習の実施体制についてです。(1)工作物石綿事前調査者の教育内容で、アは工作物石綿事前調査者の「教育内容」全般についてです。既存の建築物の石綿含有建材調査者の「教育内容」を見ると、建築物石綿含有建材調査に関する基礎知識1(1時間)、基礎知識2(1時間)、石綿含有建材の建築図面調査(4時間)、現地調査の実際と留意点(4時間)、建築物石綿含有建材調査者報告書の作成(1時間)となっております。
 これを踏まえて、工作物石綿事前調査者の「教育内容」の項目については、この建築物の調査者講習も参考にしながら、次に掲げる方針とすべきであるとしています。①~⑤までありまして、①科目は、建築物の石綿含有建材調査者講習と基本的に同じ構成とする。②石綿基礎知識の1と2は、1時間ずつですが、建築物の講習と同じ内容とする。③報告書の作成は、1時間ですが、これも同じく建築物の講習と同じ内容とする。④石綿使用に係る工作物の図面調査について、多数の工作物をまとめて教育する。グループ化にあたっては、先ほどの2の(1)のイの整理に合わせる。⑤現地調査の実際と留意点についても、同じく多数の工作物をまとめて教育し、グループ化にあたっては、2の(1)のイの整理に合わせるということです。
以上を踏まえ、工作物石綿事前調査者講習は、学科講習及び試験によって行うこととする。講習科目・内容・時間は次のとおりとすべきであるということです。下の表ですが、「工作物に関する基礎知識の1と2」が1時間ずつで、「工作物の図面調査」が4時間、「現地調査の実際と留意点」が4時間、「工作物の報告書の作成」が1時間で、計11時間です。建築と同じように立て付けています。
イとウは、それぞれ各項目の科目についてです。イは図面調査の教育内容、ウは現地調査の実際と留意点の教育内容となっております。
 イの図面調査の教育内容ですが、建築物の「教育内容」のうち「図面調査」は、4時間ですが、内容としては、建築一般、建築設備と防火材料、石綿含有建材、建築図面その他の建築物石綿含有建材調査を行う際に必要となる情報収集に関する事項となっています。これを踏まえて、工作物の図面調査については、図面の種類、工作物のグルーピング、教育内容などは、次のように整理すべきであるとしております。①建築物と一体の設備については、建築図面と一体となっていて、それ以外の設備は、建築物とは別の図面となっています。②図面調査は、炉設備、電気設備、配管・貯蔵設備、建築物一体設備等、その他工作物でグルーピングできる。各設備における石綿使用箇所としては、2の(1)のイの整理表のとおりとする。③図面を見る際には、上記②以外に注意すべき点も教育する。④建築物と一体になっている部分の事前調査は、建築物の資格者の教育内容で対応可能である。
 ウの現地調査の実際と留意点の教育内容は、同じような考え方で、2パラ目の①~③のとおり整理しております。①図面調査は、炉設備、電気設備、配管・貯蔵設備、建築物一体設備等、その他工作物でグルーピングできる。各設備における石綿使用箇所としては、2の(1)のイの整理表のとおりとする。②実地調査を行う際に、上記①以外に注意すべき点も教育する。③建築物と一体になっている部分の事前調査については、建築物の資格者に対する教育で対応可能であるとしています。
(2)~(4)まで受講資格、受講免除、講師要件です。(2)受講資格、(4)講師要件は、それぞれ学歴や実務経験、資格による受講資格等、教育歴や学位、課程の捉え方となっていることから、それぞれ「講師要件」があります。それぞれの建築物についてそうなっているということですが、これを踏まえ、(2)受講資格に関しては、工作物の受講資格の考え方についても学歴等に応じた実務経験や課程の捉え方は、次のように整理すべきであるということで①と②です。①受講資格の考え方は、学歴等に応じて実務経験を求めるという建築の考え方を踏襲する。②学科や課程については、建築や船舶と異なり「工作物に関する学科」というものはないので、「工学に関する学科」といった形にいたします。
 前後しますが、(4)講師要件は、先ほど御説明したように建築物については、教育歴や学位、課程の捉え方となっていることから、工作物の「講師要件」について、①②の考え方とすべきであると整理しております。①講師要件の考え方は、高等教育機関や教育歴や学位等で決めるという建築物の考え方を踏襲する。②学科や課程については、先ほどと同じように「工学に関する学科」といった形にするものです。
 次に、(3)受講免除です。建築物の講習と同様に、工作物石綿事前調査者講習においても、石綿作業主任者技能講習を修了した者に対する一定の科目の受講免除を設けるとともに、建築物と工作物のそれぞれにある基礎知識1と基礎知識2及び報告書の作成については、同一に扱ってよいものとし、これにより、建築物の講習のうち特定の講習と一般の講習を受講した者については、工作物の講習における同一に扱ってよい科目を免除すべきである。同様に、工作物の受講者については、建築物の講習における同一に扱ってよい科目を免除すべきであると、双方で免除すべきであるという整理にしております。
 こうしたことを踏まえ、19ページの下の(5)登録制の有無です。20ページですが、講習の実施体制については、建築物石綿含有建材調査者講習登録規程(平成30年10月23厚生労働省告示・国土交通省告示・環境省告示第1号)という3省庁共管の告示に基づき、講習の登録を行っているところです。これを参考に、次のとおりとすべきとしております。
①調査者の必要人数については、建築物の必要人数と見込む約11~12万人に対して、工作物は、その規模から約6~8万人程度と相当の数が見込まれるため、講習の品質管理のため、建築物の講習と同様に登録講習機関による講習とすべきである。②は、今回、新たに作る工作物石綿事前調査者講習の登録の方法としては、工作物の講習のみとする場合と、工作物の講習と建築物の講習と同時の登録のいずれでもよいこととすべきであるとしつつ、なお書きで、工作物の講習と建築物の講習と同時の登録を行った場合でも、受講者の便宜のため、工作物のみの講習は必ず実施させるべきであるとしております。③工作物の講習と建築物の講習を同時に実施する場合は、先ほどの受講免除の整理に基づき、工作物の講習の石綿基礎知識1と2、及び報告書作成の科目については、建築物の講習も当該科目と同じ内容であるから重ねて実施する必要はないとすべきであるとしております。④登録基準は、建築物石綿含有建材調査者講習に準ずることとすべきであるとしております。制限業種事業者は、原則として機関になれないという立て付けである現行の登録規程の登録基準に、ここで準ずることとすべきであるとしております。
 (6)今後のスケジュールです。施行までに必要な調査者の育成が可能となるように、ここでは改正省令の公布後を想定しておりますが、公布後、少なくとも2~2年半程度の期間を確保すべきであるとしております。
 21ページから31ページは、別紙1として「工作物における石綿の使用実態」を表にしております。建築業界や塗料等のメーカー等に対してヒアリングやアンケートを実施した結果です。工作物ごとに、それぞれの石綿が使用されている箇所として、使用箇所や不定形材料の使用状況、入手可能な図面、事前調査方法や解体・改修、工事方法について、一通りお聞きし、更に解体・改修に従事する事業者数や工事件数の概算についても、可能な限りお答えいただいたものをまとめたものになっております。これが31ページ目まで続き、32ページ、33ページは参考資料1で、検討会の開催要綱がワーキンググループの報告書の添付資料として残っております。その後には、全体の資料1の別添資料2ということで、検討会開催要綱につきましても改めて掲載しております。少し駆け足になりましたけれども、資料1については以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
○梅﨑座長 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの別添資料1はワーキンググループ報告書なのですが、このワーキンググループ報告書のうち、事務局から説明のありました事項については、2つの柱があります。その中で、第1の柱の「事前調査について」の中では、(1)事前調査の対象となる工作物についてと、(2)資格を必要とする事前調査の範囲についてがあります。要するに、対象となる工作物と事前調査の範囲、この2つが論点になると思いますので、その2点について、是非、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。2ページの目次に全体をまとめています。この中の2番の「事前調査について」の(1)と(2)について、まず御議論をお願いしたいと思います。
○村井委員 住団連の村井と申します。今日の報告案のメインの所からは、ひょっとしたら本筋ではないかもしれませんが、特定工作物という概念は分かりました。そこの中で、前回までの検討会では、この特定工作物に関しては事前調査の対象ということで、個別に設けるということも認識はしているつもりなのですが、この報告書を拝見しますと、そこの中に「その他の工作物」という表現があります。住宅業界から見た部分として気になった点になりますが、ここの中で、「その他の工作物」ということで例示されているものがあります。例えば16ページを拝見しますと、一般的には住宅でほぼ扱うことがないと言えると思いますが、幼稚園の遊具や鳥居というような形で例示されています。こういった部分というのは、事例として挙げられているものの中で言うと、一般的ではないような工作物として挙げられているということがあるので、そういったところから想像しますと、印象としては「その他工作物」というものが、かなり広い範囲で捉えられるのかなと思った次第です。
そうしますと、特定工作物以外に関しての原則的な部分に関しては、調査者は不要、資格は不要だという議論がある中で、塗料等に関しては調査者が必要だということになっていますので、そうしますと、住宅では建築物に付属する門や塀を扱うことはよくありますし、これは建築物という括りで扱えるわけですが、住宅の場合でも建物に付属しない塀などを扱うことは実際問題としてありますので、そういったことを考えますと、個別事案の対応ということでも結構かと思いますが、調査者の対象として出ている所には、一般建築物と特定建築物の調査者はそれぞれ出ているのですが、「その他工作物」を扱う範囲という部分が幅広いということから鑑みて、一戸建て等の調査者ということについては、どのような位置付けになるのかということについて見解をお示しいただければなと思います。
要するに、一戸建て等建築物というと、住宅を専門で扱うということで限定的な資格として設けられていますが、そういった方が一応、規模の小さいもので建築に付属しない工作物を扱うことになった場合に、一般でなければ調査ができないのかということにもなりかねませんので、この辺りが少し気になるところでした。以上です。
○副主任中央労働衛生専門官 村井委員、御質問ありがとうございます。いただいたものの中で、例示として出てきた建築物に付随するものと、そうでないものということもありましたが、今日の検討会の場ではどちらかというと、やや個別具体的な建築物か工作物かという御質問を兼ねている部分が多分に多いと思いますので、その点に関しては引き続き個別の御相談を賜りたいと思っています。
 「その他の工作物」に関しては、私たちは検討会の中で繰り返し森羅万象ある工作物ということで、できるだけこういった列挙をしているところです。申し上げたいのは、この報告書の中でも建築物と工作物の定義というものは、令和2年度の改正省令の施行通達の際にお示ししてきたものが拠りどころとしてありまして、それに基づいて個別具体的に判断してきているということで、住団連の皆様も含めてなのですが、個別に関しては個別の御相談を今後も受けていきたいということと、今回、整理したものの中で、資格者の必要性について疑義があれば、また個別に受けるということも含めて御相談させていただければと思います。
 そうした中で、現行では建築物に関しては事前調査者の資格があるということで、国としても標準テキストを作っているところですが、今後、工作物の見直しについて省令改正等を進めさせていただくこととなった場合には、分かりやすいテキストを作っていくということで、そうした疑問にもできるだけ答えられるものを作っていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
○村井委員 ありがとうございました。方向性について、よく理解できました。
○化学物質対策課長 すみません。戸建ての調査者が工作物を扱えるかという御質問ですが、こちらは16ページの整理になっているように、一般と特定の建築の調査者が工作物を見られる、建築物一体設備とその他のものについては調査できるということになっています。いわゆる戸建ての方については、工作物は調査できないという整理にしています。
○梅﨑座長 住団連の方、今の回答でよろしいでしょうか。
○村井委員 想定されている工作物というところに関しては、おっしゃる趣旨は分かりました。その中で、本文にありますような「調査者でなくても調査をできる」というくだりがあったかと思いますが、塗料については調査者の資格がいるというところがありますので、そうすると工作物に関しては、特定工作物以外の工作物の範囲がもう少し絞られると、この資料を見た住宅業界の人たちは迷いが減るのではないかなという気はします。
○化学物質対策課長 先ほど、井上から御説明したとおり、5ページの所には一応、「解釈例規」として建築物の定義と工作物の定義がありますので、いわゆる石綿則としては、これによって運用しているというところです。塀は工作物になるのですが、実態としては建築の資格者の方が併せて調査している実態もあるのだろうと思いますが、区分としては、こちらにありますように建築物に入る設備というのは、基本的に電気設備や給水や排水、換気、暖房、冷房、排煙、汚水処理の設備しか入らないということになります。塀は、厳密にいうと工作物という形になります。ただ実態としては、一体的に調査されているということもあろうかとは思いますが、法令上の定義としてはこのような形になっているということです。
○村井委員 余りしつこくやり取りするのは申し訳ないと思いますが、建設リサイクル法では、施行令の中に建築物以外のものという表現があるのです。そうすると、それは「その他の工作物」という位置付けになる部分もあって、ここで議論されている工作物は、がらっと違うものだということは重々理解している上で、私が申し上げたいのは、この資料を目にしたときに、そこの部分についてはかなり深い解説をしてあげないと理解できない方が相当いるのではないかというふうに、ちょっと思っただけなのです。ごねているつもりは全くありませんが、住宅業界と、例えばゼネコンさんの業界というところで言うと、工作物の捉え方にかなり差異があるところも感じられるので、そこのところが気になっているということを申し上げたかっただけですので、そこをちょっと御理解いただければと思います。
○化学物質対策課長 御指摘を受けまして、テキストなどで明確にしたいと思います。
○梅﨑座長 よろしいでしょうか。その辺については、多少、解説についても御検討いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ほかにはありませんか。お願いいたします。
○西田委員 すみません、建災防の西田と申します。分類に関しての質問ですが、6ページなど類似の分類、特定工作物の中で工作物か建築物一体設備等のどちらかというところで、特に配管の所です。建築設備系配管とそれ以外の配管というのは、割と明確に区分されるものなのでしょうか。ちょっとこの辺りが結構グレーなところがあるのではないかなと思って質問させていただきます。
○化学物質対策課長 建築設備系配管というのは16ページに書いてありますように、建築物に設けるガスや給水ということで、いってみれば居住者の方のサービスに供するというものです。それ以外の配管、例えばボイラーに付いている高圧配管などについては、設備系の配管ということになります。現実は、建築の世界で言うと、設備屋さんと建築屋さんで区分けがきちんとあって、例えばボイラーの場合、第1継手までがボイラーで、あとは配管と分かれていますので、実務の世界では割と明確になっていますので、そういったところを講習で教えていくのかなとは思います。
○西田委員 大きくは事業場、工場と一戸建てのというか、普通の住居に分かれるような感じがしましたが、一般の住居で小さな事業をやってというような場合が若干グレーになるのかなと思った次第です。分かりました。
○梅﨑座長 ほかに御質問はありませんか。お願いいたします。
○本橋委員 本橋です。今の話を聞いていて、コメントなのですが、塗料の話で、私は建材調査者の原本のテキストを作っていたときには、建築用仕上塗材が多くて、塗料にはアスベストが入っているものが多いという認識はなかったのですが、今回のものを見ますと、結構入っていて、10ページを見ると塗装使用にいっぱい出てきています。入っているのだからやらなくてはいけないのですが、塗料は非常に多岐にわたっていますから、是非、調査をやる場合でも、対策をやる場合でも、わかりやすいように、うまく整理をしてやっていただけたらと思います。全部分析するとなると大変ですし、かと言って、全部見なしで含有というわけにもいかないと思います。半分、ちょっと皮肉に聞こえるかもしれませんが、私は塗装の改修が専門なのですが、鉛中毒予防規則というものがあって、鉛作業主任者が必要なのです。ですから、今度は石綿作業主任者も必要になるかもしれません。鉛を含有する塗料に関しては事前調査者の資格はありません。塗装記録等で鉛を含有している「鉛丹さび止めペイント」等と分かればいいのです。作業に当たっての、鉛作業主任者がいるだけなのです。今回は、石綿含有の調査者、工作物になるのか、建築物でもいいのかしれませんが、が必要なわけです。多岐にわたっているので、是非、その辺りのところをうまく整理できるようにしていただいたほうがいいのではないかなというコメントです。
○化学物質対策課長 コメントをありがとうございます。塗装に関しては、全く御指摘のとおり、層が3つに分かれているものや、層別に年代が違ったり、20年前に塗った上にまた塗るなど、非常に複雑と言いますか、難しい点がありますので、塗料工業会などで実際にアスベストが入っている塗料の一覧なども公表されていますし、また年代によって分かるということもありますので、そういったところをできるだけテキストに盛り込んでいきたいと考えています。
○梅﨑座長 よろしいでしょうか。まだ質問があると思いますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。細かい質問でも結構ですので、お願いいたします。
○出野委員 全国解体工事業団体連合会の出野ですが、細かい質問で恐縮です。今、石綿含有の塗料、塗り材の話が出ましたが、事前調査で塗料に石綿が含有している、そこまではいいのですが、そこから先の話です。この場にそぐわないかもしれませんが、塗料に実際に石綿が入っていたという場合に、その除去方法等について、マニュアルがあるとか、作成されるとか、そういう予定はあるのでしょうか。あとは施工業者に任せる、適当に除去しろということになるのか、ならないのか、その辺りの将来の見通しをちょっとお聞かせいただければ有り難いです。
○副主任中央労働衛生専門官 出野委員、ありがとうございます。テキストを今後作っていく中で、工法としてどこまでそういったものも含めて御紹介などができるかということに尽きると思いますので、テキスト作成の中の課題の意見として承りたいと思います。よろしくお願いします。
○梅﨑座長 出野委員、そんな対応でよろしいでしょうか。テキストの中で詰めていきたいということです。ほかにはありませんか。お願いいたします。
○田久委員 田久です。中身は、工作物の事前調査者の関係には問題はないのです。ちょっと外れてしまうのかなと思いますが、今、言われたように、塗料の関係は特に現場と言うか、私たち町場というか、建設組合に所属しているような仲間の所でも、かなり問題意識が高い、あとは分からない、こういうことが大きいものですから、先ほど言われたように一定の整理をしていただきたいことと、もう1つは厚労省ではなくて環境省との関係になるかもしれませんが、捨てる場所がないという声が高いです。現時点で、もう新規は受け付けない、レベル3建材でも新規は受け付けない。ですから、もう見なしもできない、じゃあ検査するのか、でも費用を取れない。要するに、エンドユーザーに対する理解が全く広がっていない点で、事前調査をすると仕事が取れない。正しいことをやって仕事が取れないというような状況が、もう現状としては出てきています。うちはやりませんと言われた人もいましたので、この工作物も含めて、被害を出さないためにやることは進めてもらうのはいいのですが、実際として、やはりそういった現状も含めたところを同時に検討していただかないと、本当に後々、「いいや」と、法律をくぐって罰金30万のほうが安いというようなことになりかねないような気がしていますので、そこはちょっと今の工作物の検討の中では外れてしまいますが、現状としては、少し気になることが生まれてきているかなと。ただ、やはり私たち自身は、もちろん仲間の中に被害に遭った方がいっぱいいらっしゃいますから、救済と同時に被害を出さないということで、全面的に3省共管の取組にのっとって、今、いろいろな取組なども進めているので、是非、そこのところも、テキストに載らないとかではないのですが、そこのところは検討も含めて、場を作ってもらえると有り難いなと思っているところです。すみません、ちょっと外れてしまいました。
○副主任中央労働衛生専門官 田久委員、御意見ありがとうございました。厚労省の立場から、3省庁でこれまでも連携して、石綿則に基づき、石綿事前調査結果等を踏まえた注文者による費用や工法、工期の配慮義務を含めて、石綿のばく露防止対策を徹底してもらうことを、エンドユーザーも含めて周知してきているところですが、引き続き、もっと効果的なものも含めてしっかりと連携していきたいと思っています。
 そして、今の御質問の後のほうにありましたが、外れるというお話ではあったのですが、環境省の担当課ではないのですが、今日はオブザーバーで出席していただいているということもありますので、大気環境課であって廃棄物処理法の直接の担当者ではないのですが、もしコメントできるようであれば御願いします。
○桑原オブザーバー(環境省) すみません、環境省大気環境課の桑原と申します。ちょっと所管が違いますので、なかなかコメントしづらいところがありますが、現場としてそういった実態があるようであれば、環境省のほうとしても改善していく必要があると思いますので、関係部局のほうに申し伝えるようにして、対応をうまく考えさせていただければと思います。
○田久委員 状況としては、捨てられなくなって、いわゆる工務店などが資材を置いてある所、置き場に野ざらしになっている状況というのが、仲間が訪問すると、そういう置き場が増えてきていて、これは何かと聞くと、レベル3だけれども捨てられなくて置き場に置いて、そのまま風化し始めてきているような状況となり、ここは環境省になりますが、環境の汚染につながらないとも限らないような状況が、各地から声が聞こえてきているのが心配になってきているので、是非、その辺などの調査も含めて、していただければなと思います。
○本橋委員 具体的に、今、言っているのは塗装の残がいですよね。受け取ってくれないというのは分かったのですが、出そうとしているときは何で出すのですか。石綿含有産業廃棄物で出すのですか。その中の廃プラスチック類ですか。汚泥になってしまうのですか。どうでしょう。地方の環境担当課に持っていけば何か言いますよね。役所に持っていけば、これは特別管理産業廃棄物、石綿含有産業廃棄物、廃プラスチック、汚泥等について判断されますよね。それを聞いて、管理方法が決まります。そこを聞きたいのですが。
○田久委員 そこまでは
○本橋委員 そういうところをちゃんとして言わないと、出る、出ないだけだと議論がかみ合わないと思います。
○村井委員 汚泥として出してくださいという廃棄物処分業者があることは事実です。それはなぜかと言いますと。
○本橋委員 それは知っています
○村井委員 そうです。
○梅﨑座長 ちょっとマイクを使って話していただけますか。
○村井委員 実際に私どもも全国の情報が入ることがありますので、聞いてみますと、塗料剥離材が混ざるので、それで汚泥だというようなことで、単純な石綿含有産業廃棄物の安定型として受け取らないなど、そういった事例は聞こえてきています。
○田久委員 塗料だけではなくて、レベル3建材自体を受け付けないというところもあるという声が出ているので。本当に小さい工務店なので、そういったところでは仕事量のところでは大きいわけではないので新規に受け付けてもらえないと、そういう声はいただいたということで報告させていただいているということです。
○梅﨑座長 分かりました。今の話は厚労省の所掌ともちょっとずれていますが、ただ、今、御指摘いただいたのは非常に大事な話だと思います。ですので、その辺の話もきちんと受け止めた上で、3省共管として対応していただければと思います。ただ、さすがに所掌としてはずれてしまうので、御意見を頂いたという形でよろしいでしょうか。
 ほかに御意見がありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。この(1)事前調査の対象となる工作物、それから(2)の事前調査の範囲は、大体御意見は出尽くしたと思いますので、この点は、ここで議論を終えたいと考えています。おおむね提示された方向性で、これでやり取りを考えますが、一方で、今いろいろ御意見を頂きましたので、是非、今いただいた御意見も含めて事務局で再度御検討いただいて修正すべきものは修正するという形で進めていただきたいと思います。
 それでは、次の項目に進みたいと思いますが、よろしいでしょうか。次は2ページ目の目次の3番の「講習の実施体制について」です。これについては6項目ありますが、御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
○小菅委員 ワーキンググループにも参加させていただいており、少し重なるところがありますが発言させて頂きます。講師要件と受講資格についてですが、講習の実施体制に関して、学科や課程については「工学に関する学科」とされています。工学はその中の分野が分かれており、受講者や講師が保有している知識が異なる可能性があります。講習を実施するに当たっては、講習教材の作成を工夫するなど、受講者、講師の専門性にかかわらず、調査者に求められる質が担保されるよう取り組んでいただきたいと思います。
 また、今後のスケジュールに関して、記載にもありますが、調査者に求められる質を確実に担保するとともに、施行までに必要な人数の調査者を育成するため、講習機関の数の確保や、講習教材の策定、講師の育成などに必要な準備期間を確保していただきたいと思います。
 さらに、調査者は講習の受講により有資格者となりますが、その後の資格の質を担保する仕組みは特に組み込まれていません。調査者が適切な調査を実施するために資格取得後も一定の知識が維持されることが重要であり、有資格者の質の担保にも取り組んでいただきたいと思います。また、報告書に記載はありますが、資格が必要でない事前調査についても、調査者が調査を適切に実施できるように取組をお願いしたいと思います。
 最後に、今後、石綿使用の建築物等の解体が2030年頃にピークを迎えると言われている中で、建築物等の解体工事等において、労働者がばく露する事態は絶対にあってはならないと考えております。今回と、これまでの報告書の内容も踏まえつつ、また、労働者、一人親方に対しての周知の強化なども改めてしっかりと行っていただく中で、確実な石綿ばく露防止対策の推進をお願いしたいと思います。
○梅﨑座長 大変重要な質問だと思いますが、御回答をよろしくお願いいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 小菅委員、御意見ありがとうございます。いずれも重要な御指摘でございまして、これから工作物の中で資格者になるための講習を実施していくためには、多種多様にわたる工作物についての分かりやすいテキストを作っていくことと、講師をしっかりと育成していくことに加えまして、その次の段階である講習を確実に行っていくというところです。現行の建築物でも、足下では約100機関に、既に登録講習機関になっていただいておりまして、建築物ではありますけれども、足下の受講者は、7月末現在で5万人を超える状況です。工作物につきましても、この建築物のノウハウをうまく生かしながら、テキスト作り、講師の育成、講習の実施、そして時間を掛けすぎてはいけないところですけれども、必要な時間を確保して、しっかりと必要な調査者の質を担保しながら育成していくことを考えています。
 2点目の一定の知識に関しては、今年度は準備会合という形で準備し、来年度以降にコンソーシアムを構築していこうと考えています。これは現行ですと建築物になりますけれども、登録講習機関が集まって講習の実施方法や課題の情報収集、共有、把握、意見交換といったものを行って、講習機関の質の向上を図っていくこと、受講修了者の能力向上教育の実施もその中の1つの課題になっていくと捉えており、検討していきたいと考えています。
 また、一人親方をはじめとする周知ですけれども、広く周知していくことは非常に重要です。先ほどエンドユーザーへの広い周知を3省で連携してという意見がございましたが、それにも通じるものとして、しっかりと周知を図っていくことを今後も引き続き行っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○梅﨑座長 小菅委員、よろしいでしょうか。質の向上の話も出ましたので、よろしくお願いします。ほかにございませんか。どんな細かい質問でも結構ですので、よろしくお願いいたします。
○本橋委員 これもコメントですが、この講習自体はいいと思います。ただ、私は材料が専門なので申し上げると、建材の調査者は増えていますが、聞くと、試験は受かるけれども材料の名前を知らないというか、テキストを見ると国交省のホームページなどから、建築物に使われている材料一覧の図に矢印で名前は出ていますが、それを勉強しただけだと現場ではわからないのです。調査者試験に合格しても、ロックウール吸音板が分からない人が結構多いのです。だから、建物へ行って部屋の中を調査するときに、これは何なんだろうという調査者が出てくるので、多分、工作物もそういうのがいっぱいあると思いますし、途料なんて分からないと思います。そういってもしようがないのですが、なるべく実務的に分かるように、なるべくなら合格後もブラッシュアップできるのが一番いいのですが、そこのところは是非、今の現状をよく把握してください。基本的に名前が分からないと、どうにもなりません。材料を教えるときはそうなのです。言葉で言ってもしようがないので、我々もネットを使ったり写真を使って学生に教えたりしています触ってみるのが一番いいのですが、時間を掛けられないので、是非、そこのところをよろしくお願いしたいと思います。
○副主任中央労働衛生専門官 御指摘、御意見、ありがとうございます。繰り返しの説明の部分もあるかもしれませんが、令和2年度に石綿障害予防規則を改正して、十分な知識を持った方に石綿の使用の有無の事前調査を行っていただき、働く方、作業員の方の石綿粉じんによるばく露を防止していくということで、事前調査結果等の報告制度を本年4月からスタートしたところです。そうした中で、建築物と船舶については既に一定程度の知識を有する者の資格要件を設けたところでございます。御指摘につきましては引き続き取り組むべき課題と捉えています。先ほど御説明しましたコンソーシアムの中で、能力向上についても、どう実施していくのがいいのか検討していく予定です。よろしくお願いいたします。
○梅﨑座長 よろしいでしょうか。ほかにありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。お願いいたします。
○西田委員 教育講習実施機関である立場から2点ほど。先ほど小菅委員がおっしゃった点については非常に賛成するところがあるわけですが、1つ目として、調査者育成に当たりましては登録講習機関に過度な負担がかかることがないよう、余裕を持ったスケジュールで2年から2年半とお示しいただいていますが、テキストであれば例えば建築物のように標準テキストを準備いただくとか、先ほど井上副主任もおっしゃった建築物での経験も十分踏まえながら、講師養成等を計画的に進めていただきたいというのが1点です。
 2点目は、先ほどの項目2のほうに戻る部分もありますが、工作物の種類が多種多様で、多岐にわたるということから調査者資格ですね、これは異なる部分がありますので、要は建築物でできるところと、できないところ、そういったグレーの所に関する問合せがたくさん来ることが予想されます。そういった問合せも実施機関のほうに来ることから、Q&Aであるとか通達で具体的な例が示せるのかどうか分かりませんが、いろいろな事例が出てきた際に、こういった場合はこうだという辺りの、現場が混乱しないような形での準備をお願いできればと思う次第です。これまでも、たびたびいろいろな場で厚労省のほうには申し上げていますが、現在、石綿の講習で当協会本部、支部ともかなり手いっぱいの状況にあることに鑑み、これ以上の負担がかからないような形で、ただ、これは必要なことですからやっていければいいかなと思っている次第ですので、意見として申し上げさせていただきます。
○副主任中央労働衛生専門官 西田委員、御意見をありがとうございます。大きく2点ございました。1点目のテキスト、講師の育成については必要なスケジュールを確保しながらということですので、時間的に掛けすぎることはよくないのですが、必要な時間はしっかりと確保した上で、標準テキストと講師の育成はしっかりと進めていきたいと思っていますし、現行の建築物の講習では、建災防が中心となって講習を実施していただいているところもございますので、工作物に関しても御協力をお願いする面も出てくると思っています。
 2点目の工作物が多岐にわたるということで、分かりやすいものを示していくことに関しても御意見を承りましたので、しっかりと対応していきたいと思っています。具体的には、既存の建築物では施行通達だけでなく、Q&A、そして国が示した標準テキストを基に、各災防団体をはじめ各登録講習機関がそれぞれのテキストを独自に作っていますので、工作物に関しても分かりやすいテキストを作ると、そうした中でQ&Aも含めた内容で作っていけるように対応していければと思っています。よろしくお願いします。
○梅﨑座長 西田委員、よろしいでしょうか。講習をやる立場としてはいろいろ御懸念もあると思いますが、よろしくお願いいたします。ほかにございますか。お願いいたします。
○田久委員 先ほど本橋委員からも出たように、講習取得者のレベルアップを図っていくことは必要かなと。今、11万人ぐらい必要だということで5万人、その後からまた工作物でそれだけの人数が必要になってくる。ただ、適正に調査を行うという点では、なかなか試験を受けて取得しただけではいかない。そういったことで実施機関の負担が増えてしまう点も懸念されますが、そういったところも含めたアフターケアも、是非、検討していく時期に来ているのではないかと。これだけの人数が取得し始めてきている中では、なかなか適正にできないという、先ほど言ったように現場に出ている人だと建材は分かりますけれども、出ていない人だとなかなか分からない。でも資格を取得することはできるということで、そういった人たちも含めて、取得した人たちのレベルアップは重要ではないかと思っていますので、是非、その辺も御検討いただければと思います。
○副主任中央労働衛生専門官 田久委員、ありがとうございます。御指摘につきましてもしっかりと対応してまいりたいと思います。繰り返しの部分ですが、コンソーシアムで能力向上の実施をどうしていくか、しっかりと検討していきたいということ。私たちも必要な調査人数の話としては、具体的に建築だと11~12万人、工作物だと算定する限り6~8万人ということですので、必要な人数確保と、中身の質の確保について両方追求することで、しっかりと対応したいと思っています。よろしくお願いいたします。
○梅﨑座長 よろしいでしょうか。適正に調査を行うという話で御指摘がありましたので、それも反映いただければと思います。ほかにございますか。いかがでしょうか。教育内容、受講資格、受講免除、講師要件、登録制の有無、今後のスケジュールと、出ている項目、出ていない項目もありますが、今、出ていない項目で御質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。お願いいたします。
○出野委員 解体業連合会の出野です。最後にお願いと言いますか、付け足しで申し訳ないのですが、一番最後に今後のスケジュールとあります。2年半程度の期間を確保すべきであるということですけれども、石綿問題は2030年から2035年ごろににピークアウトするであろうと言われています。石綿対策は新しいようで古い問題であり、まもなく終盤に差し掛かって、私の感覚としては証文の出し遅れではないか、相当遅れているなという感覚です。その辺りのスピード感と言いますか、先ほどの発言と被りますが、こういう調査も、その後の施行の問題も含めて同時進行でさっさとやらないと、時代が終わってしまうのではないかという心配をしているところです。余計な話で申し訳ないですが、その辺りのスピード感について、何か厚労省の感想等がありましたら、お聞かせいただければと思います。
○化学物質対策課長 御指摘、ありがとうございます。現に解体を行っていますから資格者の養成は焦眉の急というところがございますので、できるだけ急いでやっていくということです。ただ、西田委員から御指摘がありましたように、講習を実施する準備も一定時間必要ということですから、そちらとバランスを取りながら進めていく形で考えております。今のところは大体2年から2年半ぐらいのところで、義務付けは考えていますけれども、当然、講習を受けた人は基本的にその人が調査をするということで、義務にはなっていませんけれども、そういうことは促進していきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
○梅﨑座長 出野委員からの御指摘も非常に重要だと思いますので、それも取り上げていただければと思います。お願いします。
○西田委員 今の出野委員の御指摘ですが、確かにスピード感で、もう既にやっている中で急がなければいけないということも十分理解できるところです。ただ、登録講習教育機関ですが、これは建災防だけではございませんし、幅広い民間のいろいろな機関も参入できるようですから、やっていけるようにすればいいのではないかと思います。一方で、質の担保ということも大事ですので、その辺りのバランスもうまく考えてやっていく必要があるのかなと思います。ただ、現実、当協会のほうは、かなりマンパワー的に逼迫している状況も御理解いただければということです。
○出野委員 追加の発言ですが、あと2年、3年かけると、そういうスピード感だとお答えいただきましたが、解体業界、一般の解体あるいは工作物の解体も、もう既に現場は動いているわけです。今日現在もどこかで解体をやっているわけです。この辺りをどうするのかということも、ある程度考えていかないと、規定ができたら突然変わると、それまでは何をやってもいいよというわけにはいかないので、事前調査及び除去方法を含め何らかの措置を考えていただく必要があるのではないかと思っていますが、この辺りはいかがでしょうか。
○化学物質対策課長 御指摘、ありがとうございます。先ほど申し上げました2年半というのは義務付けですので、それ以降は資格者でないとできなくなるわけですが、資格者というのは5人、10人とどんどん増えていくわけですから、当然、養成された資格者については、義務付けがなくても、その人でやってくださいということは促していきたいと考えています。
○梅﨑座長 よろしいでしょうか。ほかに御質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。ほぼ、御意見も出尽くしたと思いますので、この調査の実施体制についても、ここで話を終了したいと思います。おおむね、事務局から提示されている方向性で合意されていると思いますが、同時に様々な御意見を頂きましたので、その御意見については報告書案の中で必要に応じて対応していく形で考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
何か言い忘れた方はいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。最初の事前調査、2番目の講習の実施体制、もし何か言い忘れた方がいらっしゃいましたら追加でも結構ですので、お話していただければと思います。よろしいでしょうか。それでは、以上で本日の議題については一通り御議論を頂きました。本日はたくさんの御意見を頂きましてありがとうございました。非常にたくさんの御意見を頂きました。今後の進め方ですが、今日、いただいた御意見、あるいは宿題的になるものもありましたけれども、それも含めて、事務局としては本日の委員の先生方からの意見を踏まえつつ、検討会の報告書として最終的にこの報告書案を整理して、それを本日、御出席いただいている各委員にお配りし、その内容を御確認いただきたいと思います。その確認を頂いた上で、その後は座長預かりとして座長に御一任いただき、検討会報告書として最終的に確定したいと考えています。そんな3つのステップを踏まえて報告書案を報告書という形にしていくという考えで、よろしいでしょうか。その方向性で特段の問題がなければ、そういう形で進めていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。大体、これで本日の審議は終了ですが、その他として事務局から何かございますか。
○副主任中央労働衛生専門官 特にございませんが、最後になりますので、本日、御議論を尽くしていただきました委員の皆様へ、安全衛生部長の美濃から、一言、御挨拶させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○安全衛生部長 参集者の皆様におかれましては、ワーキンググループの報告書の内容について非常に御熱心に御審議いただきまして、検討会報告書の取りまとめについても御理解と御協力を頂いたところです。改めまして厚く御礼申し上げます。
厚生労働省といたしましては、おまとめいただく検討会報告書の内容を受けまして、また、本日いただきました貴重な御指摘等を踏まえ、必要な法令改正等を行ってまいりたいと考えております。本日の御議論の中でもありましたけれども、建築物並びに船舶の事前調査や分析調査につきましては、令和2年に行われた石綿障害予防規則の改正により、要件を満たす方に行わせることについて令和5年10月から義務付けられることとなっています。本年7月末現在の状況ですが、建築物事前調査者講習の受講修了者の方については約5万人となっており、施行に向けて前進しつつあると考えています。工作物についても、本検討会報告書を踏まえ、同様に進めてまいりたいと考えている次第です。本日は誠にありがとうございました。
○梅﨑座長 ありがとうございました。それでは、本日の議題はこれで終了いたしました。議事進行を事務局にお返しいたします。
○副主任中央労働衛生専門官 本日は長時間にわたりまして御審議いただきましてありがとうございました。本日の会議録につきましては、追って各委員に御確認いただいた上で、Web等で公開することとさせていただきます。それでは、第10回建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会を閉会いたします。本日はありがとうございました。