第3回がんの緩和ケアに係る部会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

日時

令和3年11月5日(金)14:00~16:00

議題

  1. (1)「診断時の緩和ケア」について
  2. (2)「治療期の緩和ケア」について
  3. (3)その他

議事

議事内容
○がん対策推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第3回「がんの緩和ケアに係る部会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
 事務局を務めさせていただきます健康局がん・疾病対策課の岩佐でございます。よろしくお願いいたします。
 なお、本部会はYouTubeにて配信をしておりますので、御承知おきいただければと思います。
 それでは、初めに9月14日付で健康局長に就任いたしました佐原康之より御挨拶を申し上げます。
○健康局長 皆さん、こんにちは。9月の人事異動で健康局長に就任しました佐原康之と申します。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 また、先生方、いつもお忙しい中、この部会に御出席を賜りまして、改めて御礼を申し上げたいと思います。
 早速ですが、前回の部会では診断時の緩和ケアに係る課題について、特に告知や治療方針決定の場における対応や、がん相談支援センターの活用などを御議論いただきました。
 第3回となります今回、前回御議論いただきました医療従事者への説明資料や、告知時の患者さんへの説明文書について御検討いただいた後、がんの治療期における課題の中でも緩和ケアの提供体制について御議論を賜りたいと思います。
 この中でも、苦痛のスクリーニングの実施につきましては、第3期がん対策推進基本計画でも取り組むべき施策として掲げられており、がん診療連携拠点病院にもこれを実施する体制を求めておりますが、調査などからは、依然として患者さんの苦痛が十分に把握されていない可能性が示唆されておりまして、さらなる検討が必要であると考えております。
 本日は皆様の御知見、御経験を基に、現場に即した活発な御議論をいただきますようお願い申し上げます。簡単ではございますが、私の挨拶とさせていただきます。
 本日はどうぞよろしくお願いいたします。
○がん対策推進官 ありがとうございました。
 また、事務局のほうにも交代がございまして、11月1日付でがん・疾病対策課長に中谷祐貴子が着任いたしましたので、報告をさせていただきます。
 なお、佐原局長は公務のため途中退席とさせていただきます。
 本日は、江口構成員より御欠席の連絡をいただいております。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。資料は厚生労働省のウェブサイトにも掲載してございますが、議事次第、資料1から3、参考資料1から6までとなっております。御確認ください。参考資料3につきましては患者体験調査となっております。議論に際して適宜御参照いただければと思います。また、参考資料4と5につきましては、2019年の実地調査に関するパイロット調査に用いられたマニュアルとチェックリストとなっております。
 また、当部会は、「がんとの共生のあり方に関する検討会」の下、実地調査等に関する検討を行うということを目的の一つとしております。第4回の「がんとの共生のあり方に関する検討会」でそういった実地調査に関する様々な議論をしているというところもございますので、参考資料6として該当部分の議事録を抜粋しておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 事務局からは以上でございます。
 以降の進行について、中川座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○中川座長 皆様、今日もよろしくお願いいたします。
 早速ですけれども、議題1「診断時の緩和ケア」につきまして、事務局より資料1と資料2を用いて説明をお願いします。
○事務局 では、資料1について御説明させていただきます。第2回の本部会において、診断時からの緩和ケアについての定義や、診断時の緩和ケアとして何をするべきか等を医療従事者が理解できる形で周知する方針となりました。部会の資料や御議論いただきました内容を基に資料1のようにまとめております。
 続きまして、資料2のがんの告知時の説明文書について御説明させていただきます。第2回の本部会において、告知時の面接における望ましい説明内容について御議論いただき、その際に使用する資材について情報提供を行う方針となりました。部会の資料や御議論いただいた内容を基に、資料2のように説明文書を作成しております。また、2ページ目にこの説明文のたてつけ等を説明する文書を記載しております。
 資料1と資料2についての御説明は以上となります。
○中川座長 ありがとうございました。
 ただいまの資料1と資料2について御質問、御意見があればお願いいたします。前川構成員。
○前川構成員 今まで患者さんにお渡しするこのような患者メモがなかったので、とても画期的なことだと思っています。今までは、診断時からの緩和ケアと言われても、患者さんや御家族はそれを実感することができなかったと思います。このメモは医療者が自分に寄り添ってくれるというとても心強いメッセージだと思いますので、本当にうれしく思っております。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございました。
 ほかに御意見ありますでしょうか。前田構成員、お願いします。
○前田構成員 前田です。
 資料1の2枚目の「治療が見込めるがん」「進行がん」「進行がんで高度な対応を要するもの」、表が2つあると思うのですが、確認です。左側の一番上に「治癒が見込めるがん」とあって、右には「治療が見込めるがん」とあるのですが、これは意図的に変えていらっしゃるのでしょうか。
○中川座長 最後が聞き取れませんでした。
○前田構成員 表が2つあると思うのですが、「治癒が見込めるがん」と「治療が見込めるがん」と表記が違うのですが。
○中川座長 これは誤植ですね。
○前田構成員 誤植ですね。ありがとうございます。
○中川座長 両方とも「治癒」になると思います。貴重な御指摘です。すみません。
○前田構成員 もう一点よろしいでしょうか。
○中川座長 はい。
○前田構成員 同じ表で「基本的緩和ケア」と「専門的緩和ケア」というのを赤で囲っていただいているのですが、これは見づらいという気がしますので、色を変えるとか、影のついた立体的な囲みに表現にするとか、表記の工夫をいただけたら、より分かりやすくなるのではないかと思いました。
 以上です。
○中川座長 事務局といろいろ議論をしてきたのですが、これよりよくなるかどうか検討させてください。ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。谷口構成員、お願いします。
○谷口構成員 大変よくできたものだと思って見させていただきました。ただ、1点意見なのですけれども、先般島根県で苦痛のスクリーニングについて病院の実態調査をしたときに、実施していないところが半分ぐらいあったのですが、要は、どういうふうに実施したらいいか分からないみたいな話があって、これを配ったときに、誰がいつ誰に伝えるのかといった例みたいなものがあると、医療機関においては。当然拠点病院では使われると思いますが、拠点病院以外のところでも使われると思いますので、そういう例示みたいなものがあると、よりいろんな病院で使われやすいのかなと思いながらこれを見ておりました。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 2枚、表、裏で全てまとめるというふうに思っておりまして、御指摘のことまで含めるとそれは少し難しくなるので、別なものをつくるというふうには思っておりませんが、それぞれの施設におかれて、あるいは県でもいいかもしれませんけれども、おつくりいただくとさらにいいのかなと思ってございます。ありがとうございます。
 ほかに御意見。それでは、岸田構成員、お願いします。
○岸田構成員 資料2についてでも大丈夫ですか。
○中川座長 はい。
○岸田構成員 ありがとうございます。
 資料1のほうでは患者さんや御家族に対してというのが何回か出てくるのですけれども、資料2に関しては、渡したときに、御家族に関してという項目が見当たらないなということを思っておりまして、例えば。
○中川座長 そんなことはないですよ。
○岸田構成員 本当ですか。
○中川座長 上から2行目。
○岸田構成員 ここだけかなと思いまして。もしよかったら提案なのですが、2ポツ目「同じ経験をもつ患者さんの話を聞くことで、気持ちが軽くなります。また、治療や生活の負担を減らす工夫を知ることもできます」といったところに関して、患者さんも相談することができるし、御家族に関しても、ここにもし付け加えることができたらうれしく思います。
 2つ目ですが、一番最後の「上記内容を説明しました」といったところに関して、もし可能であれば、御不安な点はまたいつでも御相談くださいみたいな形の表記も入れていただけるとうれしいなと思っております。
 3つ目としてですが、これが配られた後、患者アンケートなどを取って、今後改善されるかどうか。ビフォー・アフターではないですけれども、その後どうなったかといったところが大切になってくるかと思うので、そういったデータを取って調査といったところも今後必要ではないかという提案をさせていただきたいと思っております。
 以上になります。
○中川座長 一番上のところに「私たち医療スタッフは、あなたとご家族の力になりたい」ということで、冒頭に「ご家族」と入れています。それから、最初の丸ポツの1番目の四角のところで「困っていることや気になることは、遠慮なくお話しください」としていますので、岸田構成員の御意見はある程度反映されていると思います。それ以上文言を追加できるかは事務局と相談させていただきます。ありがとうございます。
○岸田構成員 申し訳ありません。中川座長、いいですか。
○中川座長 岸田構成員。
○岸田構成員 ありがとうございます。
 言いたかった意図としては、一番最後に「上記内容を説明しました」という部分で、お医者さんと看護師が書くというところについて、患者、受け取り方として、説明しましたみたいな形となる部分、終わり方をもう少し温かくしてほしいなということでした。
○中川座長 なるほど。それは分かりますね。「上記内容を説明しました」というので終わるのは私もちょっと。貴重な御指摘ありがとうございました。
 林構成員、手を挙げておられましたか。
○林構成員 私もこれはかなり画期的によくできているのではないかなと思って拝見したのです。こういった形で具体的にドクターがぱっと見てこれもやらなければと分かるのと同時に、患者さんや御家族がそれをリアルに紙で頂けるというのはすごくいいことだと思ったのですけれども、一番大事なのは、これをどう実施させていくかというところだと思うのです。例えば全ての医療従事者の方に御理解いただきたいと言っても、病院によっては、例えばこれが院長のところに行ったときに、例えば緩和ケア科とか緩和ケアチームに回しておいてということで終わってしまう病院もあると思うのです。そうすると、恐らく病院の全ての医療者は見ない。だから、確実に全ての医療者、医療従事者にこの紙が行き渡るというのを病院にまず徹底していただきたいというのが1点あります。
 もっと具体的にやれば、我々が、あるいは看護師さんや薬剤師さんががん患者さんと対峙するとき、向かい合うときに、この紙がそばにあるべきだと思うのですよ。例えば外来のブースにこの紙をペアなり何組かつくっておいて、常に常備しておくとか、そういった環境整備まで必要かなと思うのですけれども、そこまで細かく指示するのかというのは、御意見がいろいろあると思うのですが、でも、そこまで病院がやっていただかないと、現場の忙しい先生方、外科系の先生方とかコロナ対応の先生方が来たときに、そこに踏み込もうとはなかなか思っていただけないのではないかなと思って拝見しました。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。おっしゃるとおりなのですね。私もとてもいいものができたと思って喜んでいるのですが、いかに実効性と、言葉が新しいかどうか分かりませんが、ある程度の強制力というものが付与できるような仕組みを事務局と少し考えたいと思っています。今日のところはこの内容について御議論いただいていると思っていますので、ただ、その先には当然そういう問題が出てくるはずだと思います。ありがとうございます。
 前田構成員、お願いします。
○前田構成員 今の中川座長がおっしゃる今後の運用のことになってしまう部分もあるのですが、資料2のほうを拝見しまして、患者さんがこの後、不安を具体的にどこかに相談する、伝えるということが行動化されないといけないと思うのですが、現実的には担当医、看護師、薬剤師さんにどうアクセスしていいのかということが患者さんの不安の一つだと思いますので、このシートをもらった後、院内のどこにフリーアクセスできる窓口があるのか。それは病院の体制によって、外来の看護師さんだったり、相談室だったり、がん相談だったりすると思うのですが、そういう窓口の具体的な提示を例えばこの紙とは別にきちんと渡すとか、そういった運用上の工夫についてももう少し踏み込んで各病院に下りていけばいいのかなと思いました。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 2つ目の丸ポツの中に相談支援センターに関しての記載もしてございます。これはこれとして、先ほど申し上げたように、各施設等で少し追加の情報提供をしていただくと、よりいいのかもしれないですね。ありがとうございます。
 岸田構成員。
○岸田構成員 ありがとうございます。
 まさに僕も患者さんがどこにアクセスするかというところが大事になってくると思っております。資料2のところ、お医者さんや看護師さんが御自身の名前を書かれるのであれば、多分ペンとかを持って説明されると思うので、2つ目の相談窓口はどこにあるといったところを少し書けるようにすると良いのかなと。これは汎用的なものだと思うので、括弧でここに記載できるようなものを追記しておくとか、そういった検討もいただけるとうれしいなと思いました。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 1ページでやっていますので、ちょっと。でも、右下のスペースは少し空いているので、その辺。ここはメモ欄とか何かにしますかね。ちょっと考えさせてください。ありがとうございます。
 ほかはよろしいでしょうか。
 よろしいようでしたら、今の貴重な御意見を踏まえて、私と事務局のほうで検討させていただいて。よろしければ、誠実にやりますので、私と事務局にお任せいただきたいと思います。よろしいでございましょうか。
(首肯する構成員あり)
○中川座長 ありがとうございます。お認めいただいたと思っております。
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、2つ目の議題「治療期の緩和ケア」について、事務局より資料3を用いて説明をお願いします。
○事務局 資料3「治療期の課題:緩和ケアの提供体制について」の御説明をさせていただきます。
 2ページ目を御覧ください。前回の部会よりがんの治療の段階ごとに検討すべき緩和ケアの課題について御議論いただいております。今回はがんの治療期の課題について御議論いただきます。
 3ページ目を御覧ください。今回御議論いただく治療期の緩和ケアの議題として、議題1、2-1、2-2をお示ししています。
 4ページ目を御覧ください。1点目の議題は「患者の苦痛を医療従事者が十分に把握できていないのではないか」についてです。
 5ページ目を御覧ください。苦痛のスクリーニングについては、その定義が第3期がん対策推進基本計画に記されているとおり、これを実施することはがん診療連携拠点病院等の指定要件とされております。なお、本要件は、その具体的な手法は定めておらず、苦痛を把握しようとする体制を求めているものでございます。
 6ページ目を御覧ください。苦痛のスクリーニングについては、苦痛を把握する段階と専門的な治療へつなぐ段階の2つの段階に分けて考える必要があると考えられます。このうち今回は前者の、検査の患者の苦痛を把握する段階について検討を行います。
 7ページ目を御覧ください。こちらは外来化学療法を受けているがん患者が自覚している苦痛について調査を行った研究の結果です。示されているように、がんの治療中の患者が自覚している苦痛には様々なものがあることが分かります。
 8ページ目を御覧ください。こちらは患者体験調査から治療中の体験に関する回答をお示ししています。つらい症状には4分の3が速やかに対応してくれたと回答している一方、受診時に痛みの有無を毎回聞かれたかという質問に対しては、毎回聞かれたと回答している方は65%にとどまっています。また、身体的なつらさや心のつらさがあるときに、すぐに医療スタッフに相談できると回答した方の割合は半数未満という結果でした。これらから、症状が把握されれば速やかに対応されているものの、苦痛の有無については必ずしも聞かれるわけではなく、周囲に相談できるわけでもないため、患者の苦痛が十分に把握されていない可能性があると考えられます。
 9ページ目を御覧ください。こちらは新たにがんと診断された患者を対象に、対人ケアのプロセスについて調査・解析を行ったアメリカでの研究となります。これによりますと、患者の苦痛が把握されていない場合と、把握されているが対応が十分ではない場合が存在することが分かります。
 10ページ目を御覧ください。同様の調査を日本で行った例は確認できておりませんので、遺族調査において、亡くなる前に痛みがあった方について、その原因を調査した研究の結果をお示ししております。こちらによると、痛みがあった理由については、痛みに気づき対応したが対応が不十分だった場合と、痛みに気づいていない場合とに分けることができ、医師が患者の痛みに気づいていないケースが一定程度存在することが分かります。なお、こちらは遺族調査の結果でありますので、9ページ目の海外における研究とはタイムラインが異なることには注意が必要であると考えられます。
 11ページ目を御覧ください。こちらは467人のがん患者について、患者自身による症状の訴えと担当医や担当看護師による症状の評価を比較した研究です。この研究によると、患者自身による評価と比較して、医療従事者による評価は過小評価となることが報告されており、医療従事者が十分に実施していると思っていても、患者調査では不十分と評価される可能性があると考えられます。
 12ページ目を御覧ください。患者の苦痛の把握について検討する際には、スクリーニングの手法に関する議論になりがちですが、主治医や担当看護師を含む医療従事者は、患者の苦痛の把握を行うことを徹底し、そのフィードバックを行いながら改善していくことのほうが重要ではないかと考えます。
 また、患者の苦痛について、医療従事者は患者自身による評価よりも過小評価をしがちな点や、医療従事者に対して患者は苦痛を表出しにくい点があることに留意する必要があると考えます。
 さらに、医療機関ごとに苦痛の把握がどのようになされ、患者側がそれをどのように評価しているのかは明らかではありません。
 対応方針(案)として、例えばPatient Flow Managementに苦痛の把握のための項目を組み込む。また、PROの利用やがん患者指導管理の積極的な活用など、全ての患者に対して組織的に苦痛の把握と対応がなされるよう、各病院で仕組みを検討するように求めてはどうでしょうか。
 また、医療従事者による評価が過小評価となりがちであることを踏まえ、各病院には苦痛が十分に把握されているかについて患者からフィードバックしてもらい、それを踏まえて対応を改善していくよう求めてはどうでしょうか。さらに、苦痛の把握や患者からのフィードバックがどのようになされているか等の実態について把握しつつ、適切にフィードバックを受けられる方法について検討を行ってはどうかと考えます。
 続いて、13ページ目を御覧ください。2点目の議題は「拠点病院以外の病院の取組の実態について」です。
 14ページ目を御覧ください。こちらはがん登録のデータからがんの初回治療を開始した医療機関の分類をお示ししたものです。こちらから約半数ががん診療連携拠点病院等以外の医療機関で初回治療を開始されていることが分かります。
 15ページ目を御覧ください。こちらは全国の拠点病院と非拠点病院における緩和ケアの提供体制について調査した厚労科研の結果となります。拠点病院と比較し、非拠点病院では緩和ケアチームがある施設の割合が少なく、また、緩和ケアチームがある施設においても、専従の身体症状担当医師がいる施設の割合や、週3日以上緩和ケアチームのメンバーが患者を直接診療している施設の割合は低いという結果でした。
 16ページ目を御覧ください。厚生労働省が指定している拠点病院以外の病院には、①のような都道府県が独自に指定しているがん診療病院があります。これらの病院の指定要件は、厚生労働省が指定している地域がん診療連携拠点病院の要件と同じもの。厚生労働省が指定している要件を引用しつつ、一部緩和しているもの、また、独自に要件を定めているものなど、都道府県によって様々であります。
 また、その質の担保については、当該都道府県が現況報告書などの提出を求めているケースもありますが、厚生労働省としては報告を求めておりません。
 このほか、②として厚生労働省が指定している拠点病院や都道府県が指定している病院以外の病院というのがあります。
 17ページ目を御覧ください。がん診療連携拠点病院等は現況報告書により一定の実態の把握がなされておりますが、それ以外のがん診療を実施している医療機関の中には、緩和ケアの提供が十分になされていない施設も存在することが示唆されており、その実態のさらなる把握が必要であると考えます。
 対応方針(案)としまして、今後拠点病院以外において緩和ケアを推進するための検討を行うために、拠点病院以外における緩和ケアの提供体制について実態把握を行ってはどうかと考えております。
 続いて、18ページ目を御覧ください。3点目の議題は「拠点病院の取組の実態を把握するための実地調査について」です。
 19ページ目を御覧ください。実地調査については、第3期がん対策推進基本計画の中で取り組むべき施策の一つとして挙げられております。
 20ページ目を御覧ください。実地調査に関するこれまでの取組についてお示ししています。2013年から2015年にかけて15か所の拠点病院について国が主体となった実地調査が行われたほか、2019年には3か所のパイロット調査が実施されております。
 21ページ目を御覧ください。こちらの表は実地調査とピアレビュー及び第三者評価について、利点と課題を整理したものです。真ん中のピアレビューは、病院同士で評価を行うことで問題点を共有し、改善につなげることができるというメリットがあります。一方、実地調査は、整備指針への準拠等について判断を行うことができるほか、調査から抽出された課題を国や都道府県のがん対策に活用できるというメリットがあります。
 22ページ目を御覧ください。こちらは2019年度に実施されたパイロット調査の概要をお示ししています。目的に拠点病院における指定要件に関する理解の促進や病院の課題整理、また、調査から得られた課題とその解決策について、都道府県や国のがん対策に活用するということを挙げております。
 方法としては、参考資料4にあります厚生労働省作成の実地調査マニュアルを参考に、都道府県の調査班による施設訪問という形を取っており、参考資料5のような現況報告書を基にしたチェックリストが用いられました。その後、パイロット調査の結果を踏まえ課題の整理が行われました。なお、パイロット調査の調査対象病院に関しては、診療実績に関係なく、パイロット調査に御協力いただける病院にお願いしております。
 23ページ目を御覧ください。2019年度、A県から2病院、B県から1病院の合計3病院に御協力いただきました。日程調査や評価のため、事前資料の準備の作成のために3か月以上を要しており、11月にA県のX病院とY病院のパイロット調査を行いました。
 24ページ目を御覧ください。こちらはA県でのパイロット調査についてのアンケートの結果になります。都道府県担当者からは見直しが必要な点として、マニュアル等の書面だけでは全体像のイメージが難しく、研修会の開催等を求める意見があり、活用できる点としては、現場での取組状況を実際に見ることで行政側でも把握でき、理解が深まったとの意見がありました。医師・看護師・薬剤師から成る有識者からは、チェックリスト等のマニュアルについて、より効率的かつ効果的に調査ができるような改善の必要性について御意見をいただいており、また、ピアレビューとのすみ分けについての必要性を御指摘いただきました。対象病院のスタッフからは日程調整や事前準備だけではなく、当日の業務への影響など負担が多かった点を御指摘いただいておりますが、活用できる点として、調査を受ける準備の中で課題を改めてチームで共有することができ、また、病院長を含む幹部に緩和ケアチームの活動を知ってもらうよい機会になったとの御意見がありました。
 25ページ目を御覧ください。こちらはB県でのパイロット調査についてのアンケートの結果となります。都道府県担当者からは見直しが必要な点として、事前準備資料の量が多く、病院側の負担が大きいこと。また、何をどのように進めていけば質の向上につながるのかということを併せて示す必要性について御指摘をいただきました。有識者からは、チェックリストの簡略化や評価に何かしらの基準が必要であるとの御指摘をいただいております。対象病院のスタッフからは、受入れ施設の負担が大きいため、調査実施に当たっては慎重に進めていただきたいという御意見をいただいておりますが、活用できる点として、自施設の緩和ケア提供体制の振り返りになり、課題も明確になってよかったという御意見を頂戴しております。
 26ページ目を御覧ください。2020年1月に開催された「第4回がんとの共生のあり方に関する検討会」において、示すような課題が挙げられました。まず、目的として、病院同士で行うピアレビューとの違いを理解し、すみ分けて行う必要性について課題として挙げられました。
 調査の方法に関しては、チェックリストの見直しの必要性、病院と都道府県の負担が大きいため、実施方法についての検討の必要性などを御指摘いただきました。
 また、訪問メンバーについて、評価者の均質化などの必要性が挙げられたほか、対象施設として都道府県がん診療連携拠点病院をまずは対象とし、そこから徐々に広げていくほうが混乱が少ないという御意見や、指定要件上、ボーダーラインの病院を対象としつつ、適宜制度を見直す。あるいは都道府県に対象病院を決定いただくということにしてはどうかなどの御意見もいただきました。
 27ページ目を御覧ください。第3期がん対策推進基本計画において、緩和ケアについて実地調査等を定期的かつ継続的に実施することを通して、緩和ケアの質の向上に努めていくこととされております。しかし、「第4回がんとの共生のあり方に関する検討会」で、病院と都道府県の負担が大きく、実地調査の方法について検討が必要という御意見をいただきました。このほか、既に一定程度実施されているピアレビューとのすみ分けやチェックリストの見直し、評価者の選定方法など様々な課題が示されております。
 対応方針(案)として、より実効性のある実地調査の方法について、病院と都道府県の負担も考慮して検討してはどうでしょうか。併せて、感染症流行時等においても実施できる方法を検討してはどうかと考えます。これについて、ピアレビューとのすみ分けやチェックリストの見直し、評価者の選定方法等の様々な課題について研究を実施し、これを踏まえて改めて部会で実地調査について検討してはどうかと考えております。なお、研究については厚労科研で実施いただくことを想定しております。
 以上が資料3の説明でございます。
○中川座長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局の説明を踏まえて御議論をお願いしたいと思いますが、内容が多岐にわたってボリュームもありますので、1、2、3に分けて、まず患者の苦痛を医療従事者が十分に把握できていないのではないか。スライドで言うと4ページから12ページにかけてです。このテーマについて御議論いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 前も申し上げましたが、私自身も膀胱がんを経験しまして、自分で見つけましたので、かなり早期だったとはいえ、内視鏡切除を受けて、その後、麻酔が切れると当然激痛なのですが、疼痛緩和薬等は一切処方されませんでした。自分で自己申告、お願いして薬を出してもらったのですけれども、私の後輩が手術をしたのですが、私に出さないということは、多分全員に出さないのですね。これは問題かなと思いました。
 どなたか。木澤構成員、お願いします。
○木澤構成員 対応方針(案)、12ページのところで、事務局に質問なのですが、Patient Flow Managementに苦痛の把握のための項目を組み込むというのは、スクリーニングとどう違うのか、説明していただいてもいいですか。
○中川座長 いかがですか。
○がん対策推進官 事務局でございます。
 ここで示しているものとしましては、患者さんに対して入院後どのようなことを行うのかということについてまとめて説明するような場を「Patient Flow Management」と理解をしているところでございますが、その中で苦痛の把握をこういうふうに当院ではやっていきますということを入れ込んでいただく。そういったことをここに入れているところでございます。ここで痛みを把握するというわけではなく、どのように苦痛を把握するのかということをここでしっかりと患者さんに伝えてもらって、システマティックに痛みを把握する仕組みが入っていますということを患者さんにお伝えすると。そういう意味になっております。
○中川座長 木澤構成員、いかがでしょうか。
○木澤委員 総論はよく分かりました。どういうふうにしたらいいのか。こんなことを言うと大変申し訳ない言い方かもしれないですが、中身が伴わないと、結局、何にも実行されないことになるので、そこが難しいなと思うし、苦痛の把握が組み込まれていることを説明されても、患者さんは分からないのではないかなと思うのです。それを説明されたからといって、患者さんが痛みやつらさを訴えやすくなるかというと、そういうわけではないのではないのかなと今、お聞きしていて思ったのです。実際患者さんの行動が変わるというところにどうつながるのか教えてもらってもいいですか。
○がん対策推進官 今回、事務局としてこのような形でまず提案をさせていただいたという点については、疼痛の把握というものが医師の診療の中にきちんと入っているのだということを患者さん側に明確に伝えるということです。これはすごく当たり前と思われるかもしれませんが、患者さんが医療者に対して痛みを訴えるということに対してのハードルが一定程度あるのではないかという中で、その辺りについては資料の9ページや10ページなどでも示しておりますが、そういった状況の中で、医療機関として、この診療を行う際に痛みがあれば、おっしゃってください、それを聞くことをこのようにきちんとやりますということを事前にしっかりと説明することが、患者さんが実際に痛みがあったときに医療従事者に相談しやすい、そのきっかけになるのではないかと考えております。
○木澤構成員 趣旨はよく分かりました。ありがとうございました。
○中川座長 前川構成員、お願いします。
○前川構成員 今のお話はすごく理論的でよく分かるのですけれども、実際に患者の立場に立てば、医療者に遠慮があります。11ページの資料にもありますように、患者自身による評価と比較して、医療従事者による評価は過小評価となることが報告されたとあります。患者調査では医療従事者が十分に実施していると思っていても、患者は不十分と評価しています。その差があるのです。言いやすい、痛みとかを訴えやすい空気感。文章だけではなくて空気感をつくるのが非常に難しいのではないかと考えます。それを文字だけではなくて、その病院とかその医療者たちにどう分かっていただけるかというのを今のお話を聞きながら悩んでいました。
○中川座長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。小川構成員、その後、木澤構成員。
○小川構成員 ありがとうございます。
 恐らくこの話の中では痛みをどう捉えていくかというプロセスの話と、そしてその上でどう対応してという、そこの効果を見ていく話。2つあるのかなと思っております。今までスクリーニングの話というと、割合ツールの話になりがちだったので、そうではなくて、こういう医療機関として実際に痛みにどのように対応されているのか。その段階を病院がしっかりとそれぞれの施設で把握して、その施設に合った対応を組んでいく。そこを考えてPDCAを回すことが大事になってくるのかなと思います。
 その辺で、先ほど資料で挙げていただきましたようなどの段階の問題があるのかというのを各病院が把握できるようになることとか、あるいは実際に忙しい現場の中で、痛みの問題というのは、一つの組織、一つのチームだけで動いて解決する問題ではありませんので、例えば主治医、そして通院治療センターとか、使える資源でそれぞれどんなふうにしていくのか。多分そういうのをPFMであったり、それぞれの場所、そしてその流れの中で組み込めるところに組み込んでいく。また、最近はPROとか支持療法の領域ではその効果等の検証がされていますので、そういうので使えるものを検討していく。その辺りが大事になってくるのかと思いました。ありがとうございます。
○中川座長 ありがとうございます。
 木澤構成員、お願いします。
○木澤構成員 ありがとうございます。
 小川先生が最後にPROのことを言っていただいたのですけれども、現実的にはPROを使って患者さんが自己申告でつらい症状があるということを定期的に申告してもらって、それをスクリーニングツールに使ってやっていくというのが現実的な方法だと思うのですが、ただ、それは、要は、病院が症状緩和にコミットメントするとか、第5のバイタルサインとして痛みを取り入れるみたいな、そういうことでちゃんと取り組みますよというコミットメントの下、スクリーニングすれば、それでいいのだけれども、僕らがやっていて問題点は何かというと、実際私たち神戸大学ではがんの患者さんだけではなくて、全ての患者さんの苦痛をスクリーニングしてモニタリングしているのですが、最大の問題は、入院時1回で終わってしまうことなのです。要は、継続評価がマンパワーの問題でなかなか難しいのです。継続的に評価されることに患者さんも抵抗があって、またかと言われたり、もう変わらないよと言われたり、なかなか継続評価は厳しい。
 我々の経験だと、これは病院によると思うのですが、かなりの割合の方は自分でできないのです。患者さんの高齢化の問題や認知症の合併の問題もあると思うのですけれども、御自分で評価できないので、医療従事者のアシストが必要になり、それなりの手間がかかっていくという問題を考えると、PROで患者さんにやってもらえばいいという考え方だけでは解決しない。誰も取り残さないということを考えるのであれば、それなりの手間が必要で、どこまでそれをかけるのかということだと思います。僕もPROは基本的にいいと思うのですけれども、どこまで、現実でどのようなやり方をやるのかというのは、本当に研究をしないと難しいだろうなと。小川先生が今、言ってくださったこと自体がかなりコンプレックスな介入なので、病院ごとに介入が違ってくるということになると、これは言うは簡単だけれども実行するのはかなり厳しいと感じました。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 ほかはいかがですか。岸田構成員、お願いします。
○岸田構成員 その中での原因が確実に分かるようにしてほしいなという患者からの意見があります。というのも、苦痛が取れていないという問題は、ソーシャルサポート的な問題なのか、オピオイドの量なのか、年齢なのか、とにかくサブ解析が本当に大切になってくると思うので、もしやるのであれば、そこもしっかり分析をしないといけないなと思っています。
 最後に1点。P10の遺族調査のところでのその他の自由記述欄が1,200件以上もあるので、自由記述でこれだけ書くというのは相当だと思うのです。こういったところからも分析できるところ、見えてくるところがあるのではないかと思っているので、こういった手法やフィードバック、こういった研究を行ってはどうかとありますが、まず今ある問題のところの解析をしていく必要があるのではないかと思いました。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございました。
 小川構成員、お願いします。
○小川構成員 ありがとうございます。
 先ほども木澤構成員が御指摘のとおり、若い方とかであれば、ある程度のインストラクションの下、PROでいけるのですが、日本の場合は4分の3以上は高齢者という問題があって、現実にその中の大体2~3割強は認知機能障害の問題が入ってきていて、いわゆる認知機能障害でコミュニケーションがうまく取れない、あるいは難しい場合の痛みの評価というのが、日本は現実に求められる姿になってきているのだと思います。
 これは岸田構成員御指摘の自由記述のところと重なるのですけれども、今、遺族調査の自由記述で、どうして取れなかったのかと。遺族調査なので、PROとか、客観的な評価に比べると、解析としては難しい面はあるのですが、御指摘のように対応はしているのですけれども、その後にうまく対応ができていない。そこが出てきています。
 理由としては大きく2つあって、1つはオピオイドとか疼痛薬が最初十分に投与されていなくて時間がかかるということ。もう一つは、認知機能障害があって、そのために痛みをどう評価していいか分からない。多分そういうところが絡んでいる可能性があるかなと思いました。
 もう一つは、がんの痛みというときには解析が難しい点なのですけれども、褥瘡とか高齢者のがん以外の痛みというのが混ざっていて、これがどちらかが判別がつかないということがあります。ですので、この辺りは少し丁寧に見る調査なりが必要になってくる点かと思いました。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。林構成員、お願いします。
○林構成員 緩和ケアの基本を考えた場合に、今みたいなことを患者に委ねるのはしっくりこないのです。医者が本来持っているべき理念なりマインドだと思うのです。そうすると、医者や病院がそういうマインドや意識を持つという意識づけ、教育が必要だと思うのですけれども、せっかく木澤先生がいらっしゃるので、教育的な部分から医者自体を変えるという動きがもう少しあってもいいのではないかなと思いながら拝聴していたのです。患者のいろんなディテールに合わせていくとなると、ものすごい細かい取決めやプロセスが必要になってしまうけれども、本来それは医者が患者のことを思いやって、当然主治医なら考えなければいけないことだというところを一人一人に徹底していくという基本的なところに委ねられる部分が大きいのではないかなと思うのですが、その辺は例えば木澤先生とかはどうお考えになるのでしょうか。聞いてみたいと思うのですけれども。
○中川座長 林構成員、どなたに聞くのですか。
○林構成員 せっかくですから、木澤先生。
○中川座長 木澤構成員。
○木澤構成員 林先生が御指摘のことは大変重要なことだと思っています。ただ、1つだけ思うのは、患者さんに聞かないと駄目だと思っています。というのは、僕は全患者の症状の強さを継続的に評価しようと思って、患者さんのベッドサイドに行って、そこで質問用紙に書いてもらうということを私自身が調査者としてやっていたのですけれども、座り込んで、一緒に質問紙を目にして書いてもらいながら話をすると、全く知らない情報が出てくるわけです。困り事とか。それはマインドとかそういうものではなくて、診察室の中では限界があると感じています。私なりに常にマインドを持って診察室でも努力しているつもりですが、私は身分を隠して調査者としてベッドサイドに行って話を聞くと、全く違う情報が得られるということを体験します。例えば生活の困り事であるとか、人生の中で大切にしたいことであるとか、目標とか、そういうことは意識的に医師には話さないようにしていると思います。患者さんは治療しに来ていると思っていらっしゃるので、困り事は医師には言わないと思います。それは私の体験からです。
 なので、やはりPROを基本にしたいという気持ちは強いです。それだけで全てをカバーできるわけではないので、できる限り苦痛に対する配慮をしたり、声がけをしたり、患者さんが様々なことを訴えやすい雰囲気をつくったりという教育はもちろんするとして、プラスPROは進めないといけないことだろうと考えております。
 ありがとうございます。
○中川座長 高野構成員、今の医療者のマインドを含めて御意見はありますか。
○高野構成員 ありがとうございます。
 いろんな問題点を認識できましたけれども、取りこぼさないという視点ではPROも必要だし、マインドも必要だし、取りこぼさないように全てに手を差し伸べるということが大事なのかなと。逆にこれ1個だけで解決するという問題ではないなというのは認識した次第です。
 その中で、ウェアラブルデバイスとかPROで自らスマホの操作ができないような人でも、先ほどバイタルサインの一つに加えるというのもありましたが、そういう形で常に客観的な情報として入手できるような、そういうデバイスとか、いろんな多方面の技術も駆使して、マインドも駆使してというのが必要なのかなと。本当に取りこぼさないために一丸となってやるしかないのではないかなと思って聞いておりました。
○中川座長 ありがとうございます。
 森住構成員、ナースの立場から医療者のマインドとか、いかがですか。
○森住構成員 ありがとうございます。
 うちの病院でも患者さんが痛みをどう感じているか、患者さんの感じ方のスコアをつける形でスクリーニングをやっていて、うちの
センターに初診のときと、あと入院のたびにスクリーニングを取っているのですけれども、患者さんからの訴えを大事にしたいのですが、実際やっている側からすると、そんなに少ないポイントでやっていても流れ作業みたいになってしまっていて、多忙な業務の中でそのチェックをつけてもらっても、それがかなりスルーされているという現状があるので、やはり患者申告とともに医療者の教育、意識づけというのは並行してやっていかないと、仕組みをつくっても中身が常に継続される形でないと、いつか流れてしまったり、業務になってしまうなというふうにいつも現場で感じています。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 ほかにどなたか御意見。では、伊東構成員、お願いします。
○伊東構成員 中川先生、ありがとうございます。
 今、木澤先生、林先生ほか、御意見をいただいた先生の御意見も確かに重要かと思いますが、近年、高齢化と認知症等の進行もあって、実際に先生方がそのケアのために出された処方を正しく飲めていない、あるいは管理ができていないというケースは多分に散見されています。ですので、実際に聞き出すということも大事かと思いますが、継続のケアに対する、特に疼痛緩和に絡むような治療薬の適正な管理ということは併せて重要かなと感じています。
 実際に当院の事例などでも、薬がだぶついてくるケースももちろんありますし、正しくレシピが飲めていない、定時処方という意味合いが分かっていないというケースは多分に経験があるところでございますので、ぜひその辺は薬剤師に役割を持たせて、十分な治療・ケアの下支えというところで、先生方と協働できるといいかなと思っております。
 また、今の処方の、特にオピオイドの数が非常に増えたということもありますので、こちらにある痛みがあった理由に関する調査でも、苦痛に対してこれだけでは不十分だったというところが非常に多かったり、あるいは先生方が痛みに気づいたのだけれども、十分できなかったというケースも報告があるところを見ると、薬は出したのだけれども、ずっとそのままとか、量がそのままとか、出しているからそれでいいではないかと放置されてしまうケースもあるようですから、その辺のところは少し専門家たる、特に緩和薬物療法の専門家の意見を併せて御提案できるといいかなと感じておるところでございますので、引き続き検討して挙げさせていただきました。
 以上でございます。
○中川座長 ありがとうございます。
 伊東構成員、そういう専門の薬剤師の立場で例えば主治医の処方に対する意見とかを言われることはあるのですか。
○伊東構成員 あります。実際に外来にも呼ばれますし、前に林先生と一緒にお仕事をしたときは先生からも呼ばれました。
○中川座長 なるほど。主治医から相談がなくても薬剤側から何かアドバイスするということもあるということですか。
○伊東構成員 あります。特に外来化学療法をされているようなケースでは、治療中のところでいろいろ副作用などを聞いていると、実はここはすごく痛くてということを自発的に発されるケースがございますので、その段階から、先生、これはオピオイドを始めましょうよということで御提案させていただくことも多分にあります。
○中川座長 そういうのをもっとなさったらいい気がしますね。
○伊東構成員 はい。そこは、今、緩和医療薬学会のほうでも強力に進めようということで、意見を挙げさせていただいているところでございます。
○中川座長 ありがとうございます。
 先に橋口構成員からいただきます。
○橋口構成員 ありがとうございます。
 医療者への教育という意味では、緩和ケア研修会というのは一応やっていますけれども、オピオイドを使うときの最初の取っかかりの部分だけで終わってしまっているというか、そこから先、実際使い始めたときに、フォローしていく体制というところまでは教育をしていないのです。そうすると、実際に使っていく場面で指導したり、疑問に答えたり、それこそ伊東先生のところもそうだと思うのですが、そういうこともすごい大切だと思いますし、あと、看護師さんのアセスメントというのがとても大事で、患者さんからの訴えというのもそうですけれども、ちょっとした動作のときの様子とか、看護師さんがいかにアセスメントしていただくかというのが非常に重要なのだなというのが最近の気づきです。
 それをきちんとアセスメントして、それを記録して、それが生かされるような仕組みというのをきちんと医療者側として。患者さんからの訴えを継続的に取っていくというのも大事なのですが、そういう外側からプロとしてのアセスメントというのがきちんとカルテの中に反映され、それを取り込むことができるようなシステムがあるというのが最低限の条件だなというのが最近の気づきですので、ぜひ看護師さんとか薬剤師さんの力を生かせるような取組が厚労省側から少しできるような、そういうものにちょっと点数がついたりするようになっていかないかなというのが最近考えていることです。
○中川座長 ありがとうございます。
 私自身の経験でも、内視鏡切除の後、たかだか4日間の入院だったのですけれども、これはちょっと言いにくいですが、主治医はほとんど来ないのです。圧倒的に話す頻度はナースの方なので、ナースによる拾い上げというのは非常に重要だということは間違いないですね。
 前川構成員、手が挙がっていましたが。
○前川構成員 ありがとうございます。
 私の知識不足だとは思うのですけれども、バイタルサインというのはスクリーニングの中に入っていますか。
○中川座長 バイタルサインは必ず取ります。
○前川構成員 取りますか。分かりました。ぜひ取ってほしい。
○中川座長 痛みもということですね。
○前川構成員 そうですね。では、大丈夫です。ありがとうございます。
○中川座長 前田構成員、お願いします。
○前田構成員 前田です。
 社会福祉士としては、「社会的苦痛」の把握や介入というのがすごく気になるところです。患者さんから就労に関することを病院で相談できると思っていなかったという声をよく聞きます。そういう中で、スクリーニングで「就労」のことを聞くということはすごく有効な方法だと思うのです。しかし、数年前の調査で、全国のスクリーニングシートの中で「就労」について取り上げている割合は3~4割程度という調査があったと思うのです。ですから、今後スクリーニングでシステマチックに全ての患者から苦痛や不安をきちんと拾い上げるということをする中に、「就労」「社会的役割の喪失」、経済的な不安といった社会的苦痛の項目についても必ず入るようにするということがここで議論できればと思っております。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 12ページの対応方針(案)の3つ目の黒丸、この「研究」というのは厚生労働科研ということだと思いますが、ここでどういった研究内容にしていくかということが非常に重要だと思うのです。例えば今日出た話だと、高齢者の苦痛の拾い上げをどうするのかとか、継続的評価をどうするのかとか、この研究班に対して一定のリクエストをしていくということは非常に重要で、この部会としても重要だと思っています。
 それでは、次の話題、2番目「拠点病院以外の病院の取組の実態について」ということですが、これはスライドの13~17ということになります。ここについて、いかがでしょうか。羽鳥構成員、お願いいたします。
○羽鳥構成員 資料14、15の辺りで、がんの初回治療ではいわゆる拠点病院でないところが半分あるということ、それから15ページで見ますと、非拠点だと緩和ケアチームがある施設が2割しかいない。それから専従の方がおるのも少ない。そして、週3回以上担当することも少ないということがあることも含めると、非拠点病院に対するアプローチがとても大事だろうと思いますが、大腸専門病院、乳腺・ブレストセンターみたいなところもありますし、がんを扱っているのだけれどもいわゆる拠点病院になっていないようなところもあります。ですから、そういうところでも調査をしっかりやってほしいなと思いますので、それをぜひ御検討いただきたいと思います。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございました。
 木澤構成員、お願いします。
○木澤構成員 17ページは大変重要なことを指摘されていると思っています。拠点病院以外における緩和ケアの提供体制の実態把握を行ってはどうかというのは、すばらしい提案なのですけれども、これは大変難しいです。要は、拠点病院は強制力がありますから調査できるとしても、拠点病院以外の緩和ケアの調査は今までも行われてきているのですが、私の知っている限り、大変回答率が低くて、実態把握ができないのが普通かなと思いますので、どうやってやるのかというのが問題になります、なかなか難しい。自分が調査を任されたら本当に悩むと思います。
 なので、調査すると書くのは簡単ですが、実施しても十分な成果が出ないことが予想されるので、これは私の案ですが、むしろ解決方法を考えて提案してモデル事業をやるというほうが現実的なのではないかと思います。これは1つの案ですが、その拠点病院以外からコンサルテーションを受けられる仕組みを外につくるとか。もちろん、これは今、考えているようなことなので、現実的なのかどうか分からないですが、例えばそれを国レベルに置くのか、県レベルに置くのか、拠点病院で担当するのか、パターンはいろいろあると思うのですけれども、何が実効性が高いかを実際にやってみて、それを実際施策に反映するということをやらないと、ただ調査をしても状況は改善しないので。
 悉皆調査はできないと思うのです。要は、全てのがん診療拠点病院以外の病院の緩和ケア体制の調査というのは出ないので、多分アウトカムが出ても、10%か20%の回答率だったら、結局、一般化できないので。具体的な解決方法を考えてモデル事業をするというほうが、現実的な対応方法を考えられるのではないかと感じました。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 これは事務局、推進官、いかがですか。
○がん対策推進官 御意見ありがとうございます。
 この辺りは、木澤構成員がおっしゃっているように、難しいということを我々も理解しているところでございます。具体的なモデル事業を実施してみるというのも一つの案と思うのですが、その事業をやったとして、では、その評価はどうするのか。どういうアウトプットが出たら、それはより推進しているのか、という評価ができないのではないかということも考えております。
 ただ、木澤構成員がおっしゃるように、実態把握そのものに難しさがあるという状況を踏まえると、研究をしていくアウトプットとして、そういった具体的な対応策とその評価方法なども含めた提案を研究から出していただいてはどうかと思っています。
 正直我々としても、ここは木澤構成員と同じように、ここに対してこれがいいだろうというアイデア、処方箋が見当たらないところで、ある意味苦肉の策と言ったら変ですが、まずは実態をつかむところからと思っているところです。ですので、その辺りも含めてぜひいろいろ御意見をいただければと思います。
○中川座長 伊東構成員、手が挙がっていましたか。
○伊東構成員 ありがとうございます。
 先生方の御意見はよく分かるのですが、女子医大の東医療センターは、現在は東京都のがん診療支援病院、唯一の支援病院になっております。都立駒込病院と連携を組ませていただいております。というのも、現在、中川先生御専門の放射線治療ができないのです。送電線がちょうど敷地の真ん中を走っていまして、磁場の関係で治療のほうができないものですから、それがちょっと取れないのであれなのですが、話したいことはそこではなくて、こういった条件だと、規模が小さい、職種が限られる、要件は拠点病院と同じ。結構ひーひーな状況なのです。当院ですら今こういう状況で、緩和ケアチーム専従のナースですら専従が厳しい状況で回しています。ぎりぎりの線で回しています。これは規模が小さくなればなるほどそういった専門的緩和ケアを担う職種というのが、病院の方針あるいは全体の人数からして兼務せざるを得ないという状況に追い込まれているのが現状ですので、小さければ小さいほどリソースが間に合わなくなってくるというのが裏にあると思います。この辺のところは少し保険の後支援、あるいは専従科へのある程度の別途支援というものを行政的に行っていただかない限り、小さいところでもできる、大きいところでも規模は変われどもできるというところには到達しないのではないかと考えています。
 以上でございます。
○中川座長 ありがとうございます。
 林構成員、お願いします。
○林構成員 今、お聞きしながら思ったのですけれども、小さな病院でどれぐらいの緩和ケアが提供されているかを客観的に知る方法としては、例えば薬剤の使用量とかはどうでしょうか。せっかくマイナンバーカードに3万円出してみんなに持たせるというふうに厚労が考えているならば、病名と薬剤のひもづけが恐らく簡単にできるようになると思うのです。そうすると、例えば亡くなった日から1年間、2年間さかのぼって、その間緩和ケアに使われそうなお薬をチェックするのもそんなに大変な作業ではないように思ったのですが、その辺はどうでしょうか。
○中川座長 事務局、回答できますか。
○がん対策推進官 研究の手法としてそういった手法を取るということも一つの切り口だろうと思っております。今すぐにそれができると言い切れるかどうかは何とも申し上げられません。我々も研究を主としてやっているわけではないので、ちょっと難しい点はあります。
○林構成員 それを思うのは、木澤先生がおっしゃるとおりに、リアルなことは多分誰も言ってこないと思うのです。だから、客観的な数値で判断できるものでしか実態把握はできないのではないか。患者さんの意見にしても、恐らくリアルな形で伝わってこない可能性が小さな病院だとあると思うのです。だから、できるだけそういう客観性を持った数値的なデータでこの実態把握をしたほうがいいのではないかというのが私の意見です。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 伊東構成員、各病院のオピオイド使用量というのは、自己申告以外に把握するということは可能ですか。
○伊東構成員 可能かと思います。ただ、各病院、オペ麻薬と区別する必要があると思いますけれども、一定の指標、経口モルヒネ量に換算すると、国の入手しているデータとの比較にもなりますから、購入量と実際の使用量、処方量ということになると思いますが、それとの評価ができるのではないかなと思います。
○中川座長 購入量というのは、自己申告以外は。
○伊東構成員 国の購入量がまず主体になりますけれども、そこから各病院の購入量は10月を境に必ず年一の報告がありますので、その数値は自己申告という形でもいいでしょうし、厚労自体が恐らく数字を抱えているのではないかと思います。
○中川座長 分かりました。
 小川構成員、お願いします。
○小川構成員 オピオイドに関していえば、DPCのデータの結合の辺りで病院、規模ごととかの検討はできますので、恐らく拠点病院と非拠点とか、あるいは病院の規模とのというのはできるのではないかと思います。その辺りはまだ論文化には至っていないと思いますけれども、検討はあるのではないかと思いました。
 あとは、拠点病院以外を把握するのはすごい難しいのですが、全部十把一からげにするのではなくて、都道府県は指定している病院とそれ以外とか、まずそこは分けていけるのではないかと思います。少なくとも都道府県が指定しているということは、その県がある程度責任を持って指定しているということですので、その県がある程度把握して質を担保する、そのような取組を行うというのを進めることはできるかと思いました。
 それ以外の病院に関しては、これは多分地域の緩和ケアの話になるのかもしれませんけれども、一つは病院の取組把握もありますが、恐らく県が医療圏単位でのがんの医療計画とかの中でこういうがんの緩和ケアももっと積極的に組んでいくとか、その辺りの幾つかのレベル。病院だけに頼らない、国だけに頼らないで、県とか二次医療圏レベルでの取組の支援を行うとか、その中で拠点病院がフォローアップするとか、そういう体制づくりを考えていかなければいけないのだと思います。
○中川座長 ありがとうございます。
 前川構成員、お願いします。
○前川構成員 ありがとうございます。
 小川先生のお話を聞いていて、もっともだと思うのですけれども、オピオイドの量とかを県が見るとか、現実問題できるのかな、と思いました。がん患者サロンで聞く患者さんの声から、いや、できないだろうという肌感覚を持っています。今、そういう量とかシステムと緩和ケアがちょっとかけ離れているような気がします。
 それと、先ほどの痛みのバイタルサイン、あれは入っていないのではないかなと思うのですけれども、もう一度中川先生。
○中川座長 バイタルサインというのは、血圧とか心拍とかそんな感じの。
○前川構成員 そうです。
○中川座長 その中には入ってはいないです。そういう御質問だったのですか。
○前川構成員 そうです。
○中川座長 通常医療者が取るバイタルサインの中に「痛み」は入っていないと思います。
○前川構成員 入っていないですね。
○中川座長 はい。
○前川構成員 2010年のがん対策推進協議会でも私は発言しているのですけれども、10年前からまだ入っていない。でも、痛みについてすごく論議されている。何とか痛みをバイタルサイン化してほしいなと願っています。
 以上です。
○中川座長 そうですね。血圧が10上がるより痛みが10倍になったほうが、患者としては大きな問題ですからね。
 ただ、前川さん、小川先生が言われたような例えばレセプトを使うとか、がん登録データもそうですが、ある程度各医療機関の緩和ケアの取組というのはつかめると思います。マインド的な部分は分からないですけれども、緩和ケアをきちっとやろうとしているところは、当然疼痛緩和薬の使用量は高いはずですし、それは全く難しいというわけではないのではないかなと個人的には思いますので。
○前川構成員 もちろん、小川先生のお話を否定するものではありません。その辺りは誤解しないでください。
○中川座長 レセプトを使うと、結構どういう医療をやっているか分かります。そういう研究、例えばレセプトから病名、胃がんとか肺がんとか、現実にはいろいろレセプト病名などというのがあるのですが、医療行為を見ていくと、進行した肺がんに関して、既に転移があって、それに対してどういう治療をしているかが大体分かってきます。緩和ケについても同様だと思いますので、研究班の中ではレセプトの活用などというのもいいのではないかなと個人的には思いました。
 このテーマでほかにございますか。
 実態把握についていろんな御意見がありましたけれども、現実的な方法論を使いながら取り組んでいく課題の一つかなと思いますね。よろしいでしょうか。
 それでは、また戻ることはできますが、残りの時間で3番目「拠点病院の取組の実態を把握するための実地調査」です。スライドの番号では18~27ということになりますが、いかがでしょうか。岸田構成員、お願いします。
○岸田構成員 ありがとうございます。
 実地調査についてですが、事務局に質問になるかもしれないのですけれども、ここではピアレビューだったり、手法を調査した形になるのでしょうか。意図としては、この中でA県、B県でも調査して分かったことなどがいろいろあると思うのです。コロナ禍で今も滞りがちになってしまっているので、今、闘病している人たちのために分かるところだったり、遺族調査や患者体験調査と突き合わせて、こういったところは改善すべきではないかという提言だったり、そういったところもできるのかどうか。実地調査となってくると、コロナが終わるまで待たないといけないとか、いろんなことがあると思うので、そういった今できることを考えることも可能なのかどうかを含めて、今回この調査の手法の研究になるのかどうか、確認のために質問させてください。
○がん対策推進官 ありがとうございます。
 そういう観点で申し上げますと、実地調査というものについて、皆様方にある程度御理解をいただく必要性はあるかなと思っています。スライドの21ページに「国・都道府県の実地調査、ピアレビュー、第三者評価」という表をつくっております。これら3つを並べているのは、ある意味似たような観点があると御認識いただければと思います。その中で、ピアレビューは、例えば拠点病院同士でお互いの病院を見合って、それぞれのいいところを取り入れる、不十分なところを改善する、そういった取組を促すものとなっておりまして、これは現時点においても各都道府県の中で適宜実施していただいていると思っております。
 また、第三者評価として、非常に独立性の高い第三者が病院機能評価であったり、そういった形のものが幾つかございまして、それらを各医療機関が受けることによって、その医療機関としてどういうことに取り組んでいるのかということを対外的に示すことができるようになっております。
 一方で、今回の実地調査というものは、例えば国として拠点病院の要件を定めて、それでやっていただいているという中で、実際にその拠点病院の要件に基づいて適切に運営がなされているかどうかということを現地で確認するような形での調査のイメージになります。ですので、言わばこの辺りは少し監査的な意味合いが出てくるという観点で、ピアレビューなどとは違って、ある意味強制力を持って、特に要件に合致していないような状態があれば、その是正に向けた取組を促すことができるというところはあります。
 ただ、そういう調査ですので、あまり患者調査とかほかの調査と比較してどうだということを言うことはなかなか難しいのではないかと考えております。ですので、そういったものだと御理解いただいた上で、この緩和ケアの領域においてこの実地調査をより適切に行って、緩和ケアのレベルが向上するための、なおかつそれは都道府県や受ける医療機関の負担がそれほど大きくなく、質の高い、継続的にできる、そういったものにしていく必要性があるという問題意識になっています。
○岸田構成員 ありがとうございます。
 今、拠点病院の指定要件でも緩和ケアの項目で定期的にカンファレンスするなどあるかと思います。ただ、まだ調査で苦痛が取れていないとなっているので、そこを、より原因を解明するような調査を、もしくはコロナ禍でちょっと後れている分を、中間報告等々でいいので現場に落としてもらえる、そういった形があると患者としてはうれしいなと思っております。
 以上です。
中川座長 ありがとうございます。
 橋口構成員、お願いします。
○橋口構成員 ありがとうございます。
 今、がんの拠点病院というところにいるわけですが、がんの拠点病院で緩和ケアをやっていくに当たって、いろいろやりなさいよと言われていることが厚労省から示されていて、それを私たちは現況報告書というのを埋める形で毎年のように報告はしているわけですが、実際やられていることについては結構差があるなというのを肌で感じる機会がございまして、何となく数合わせをしていたり、見た目上その要件を満たすように何となく埋めてはいるのだけれども、実際患者さんに対して提供されている緩和ケアというのが拠点病院間でもかなり差があるという気がするのです。
 なので、本来どれぐらいの程度で求められているのかというのを実地調査をして、その結果があまりよくなかったからといって、拠点の指定に対してどうとかこうとかというふうにしてしまうと、また変な強制力になってしまうかもしれないので、どれぐらいの数の拠点病院が対象になるか分からないのですが、ある程度実施する側に参考になるようなものであってくれると非常にありがたいかなという気はします。実際に患者さんに対して行われていることにはかなり差がある印象です。数の上ではそんなに変わらなくても、実際に行われていることが全然違っていて、その辺り、あまり変な脅しにならないような実地調査になってくれるといいなと思います。
○中川座長 橋口構成員、本当の実態、実力を把握するためには、方法論としては。
○橋口構成員 拠点病院はどこも緩和ケア外来をやっていますということになっていると思うのですが、外来をやるにしても、ちゃんと場所とか時間とか人を確保してやっているところと、ホームページとかで表向きはやっているように見えても、そこに紹介するフローすらちゃんと整っていないようなところもあるので、それをどうやって。監査のためのチェックシートというのを見ましたが、実際行われている場面を確かめていただくしかないのかなという気はします。ちょっと時間はかかるかもしれないのですが。都道府県の拠点とか高度型と言われているようなところを最初にやっていただくとかですね。
○中川座長 ありがとうございます。
 ほかに御意見ありますでしょうか。谷口構成員、お願いします。
○谷口構成員 ありがとうございます。
 今のお話を聞きながら、これは思いつきなのですけれども、感染加算などだと1と2があって、それぞれ病院間でグループをつくってピアレビューをお互いし合うと。より高度な感染対策をやっているところが中心となりながら、周りの感染加算を取っている病院を指導していくようなやり方をしていますが、先ほどの議論とちょっとかぶるかもしれませんが、拠点病院と拠点病院以外の病院でピアレビュー的にお互いにラウンドして。ラウンドの回数などもそんなに頻回にはできないと思いますけれども、そういう形でお互いの質を高め合うような、それも一つの方法かなと思いながら発言させていただきました。
 ありがとうございます。
○中川座長 ありがとうございます。
 羽鳥構成員、お願いします。
○羽鳥構成員 ピアレビューのほうが質を高めるという意味では役に立つと思います。恐らく同じレベルの拠点病院同士で問題点を探り合って改善していく。お金もかからずにお互いの努力でできると思うのですが、いわゆる客観的な評価ということをきちんとしたいということですと、実地調査をしなければいけないのだと思います。その場合も、例えば1つの県の中だけでやると多少甘く出てしまうとか、そういうこともあるかと思うので、何か指標をつくって、ここの平均点はこのぐらいだけど、実際にほかのことと比べると若干補正しなければいけないということがあるかと思います。
 例えば今、医学部生の在学中に、スチューデント・ドクターをつくるためにCBT、OSCEを通して面接を行っているわけですが、これはほかの大学の医学教育の先生方がわざわざよその大学に出かけて評価をするということで、大変な努力をされているわけですけれども、それぐらいのことをやらないと客観的な評価は出ないのだろうなと思います。その辺、全ての拠点病院をやるとなると大変なことだと思いますが、何か客観的な評価ができるような工夫をしていただければと思います。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 ほか。では、林構成員、お願いします。
○林構成員 私も客観的評価というのはすごく重要だと思うのですけれども、そうすると、レビュアーのクオリティーをきちんとそろえる必要もあると思うのです。例えばレビュアーを厚労省とか緩和医療学会とか、そういうところの登録制みたいなものもあったりして、その中で一定のコンセンサスを統一した人たちをレビュアーのプーリングをしておいて、その中から派遣する。その派遣を事務局でいろいろマネージしていただくみたいにするといいのかなと思いました。
 たくさんの拠点病院を全部やるわけにはいかないと思うので、やるのは、やはり監査的な意味というのを考えると、先ほど事務局がおっしゃっていたように、ちょっと要件が足らないのではないかというところに出していくと。それを1~2年やっておくと、うちに来たということは足らないのだなと病院側も把握するようになると思うのです。これはどういう病院に来るのかというのをどこでも気にすると思うので。去年はどこに行ったのだといったときに、立派な病院に行っているとなると違った評価になるでしょうし、何となく危なそうな病院に行っていると、あ、うちも危ないのかなという評価にもつながるかなと。要するに、客観性を病院に自覚させるという意味でもその2つのことが必要かなと思いました。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 橋口構成員、お願いします。
○橋口構成員 客観性を担保するというのは私も大賛成です。
 それと、ピアレビューというのはここ数年やってきたかと思うのですけれども、その結果、何か効果があったのかとか、そういうのは厚労省側に上がっているものなのでしょうか。ピアレビューを私たちも経験しましたが、では、お互い頑張ろうねで終わってしまっているようなところもなきにしもあらずだと思うのですが、その辺、感触としてどんな感じなのでしょう。
○中川座長 事務局、いかがですか。
○がん対策推進官 事務局側として、ピアレビューを実施したことによって何か成果が上がったのかということを網羅的に情報収集したということはないので、ある意味その辺りは評価が非常にしにくい部分であり、ピアレビューの限界という部分でもあるのだろうなと思います。
 まさに先生がおっしゃっていただいたように、お互い頑張りましょうね、今のままでもいいねという感じになると、ピアレビューの効果というのは差ができますし、お互いが非常に高い意識で、いや、ここはやはりこうやらなければいけないねというふうに厳しく、切磋琢磨するような状況であれば、それは非常に効果が上がっていくのだろうなとは思います。
○中川座長 ピアレビューにしても、実地調査にしても、第三者評価にしても、行った後にどう変わったかというのは、自己申告でもいいので、報告書を一定のフォーマットで出してもらう必要はあると思いますね。
 ほかに手は挙がっていませんか。
 先ほど林先生から緩和医療学会で公式レビュアーという話がありましたが、木澤構成員、今のことについて御意見はありますでしょうか。レビュアーの質ということを含めてですが。
○木澤構成員 コメントはなかなか難しいです。というのは、どんなピアレビューをするのかということが決まらないと、結局、質保証とかレビュアーを育てるということはできませんので、簡単には申し上げられないと思います。ぜひとも協力したいと思いますけれども、簡単に安請け合いするということは難しいかなと思います。
○中川座長 ほかに。前川構成員、お願いします。
○前川構成員 参考資料のことでもいいですか。
○中川座長 関連することであれば。
○前川構成員 関連していると思います。
○中川座長 どうぞ。
○前川構成員 参考資料5の6ページの一番最後のところに「なお、緩和ケア研修修了者について、患者とその家族に対してわかりやすく情報提供すること」とあります。7ページの真ん中辺りに「研修修了者について、患者・家族に対してのわかりやすい情報提供の方法(ポスター、ホームページ、バッジ等)」とあるのですが、現在バッジはもう配布されていないとお聞きしております。どのような形で患者・家族に緩和ケア研修を修了したよと分かるようにされているのかなという疑問が以前からあったので、お尋ねしたいと思います。
○中川座長 事務局、いかがでしょうか。
○がん対策推進官 参考資料5につきましては、以前に幾つかの実地調査を実際にやったときのチェックリストとして使っているものでございます。ですので、具体的に緩和ケアをどういう人が実施したのかということを分かりやすく情報提供しているものについては、各医療機関でそれぞれいろいろな形を取っていると考えておりますが、現段階でそれらを網羅的にどこがどういう方法でやっているということを調査したものは手元にございません。
○中川座長 よろしいでしょうか。
○前川構成員 私の質問の意図が伝わらなかったようです。緩和ケアのワーキンググループだったと思うのですが、バッジのデザインとかいろんなことを委員で議論しできあがりました。今となっては、税金の無駄遣いだったなと思います。あれはどこへ行ったのだろうとか、患者にとって緩和ケア研修修了者なんてあまり分からないと思うのですが、あ、この先生は緩和ケアのことを分かっていらっしゃるのだなということを知りたいということもあってバッジに決まったと認識しています。参考資料に「バッジ等」という言葉が出たので、お尋ねしました。
○中川座長 いかがですか。
○がん対策推進官 過去にそういう形で様々な議論があったということは承知をしております。現時点においてはバッジの配布というものは特段していないというのが実情にはなっております。それ以上のところについて何かというものがあるわけではないということでございます。
○中川座長 いかがでしょうか。小川構成員、お願いします。
○小川構成員 ありがとうございます。
 恐らく実地調査とピアレビュー、この辺りは何らか検討、研究班等で深めてという話になるのかなと思いますけれども、先ほどのプロセス評価とも絡むのですが、実地調査にしても何らか組んでいくときには、いわゆるこういうチェックリストのようなストラクチャーだけではなくて、多分その先のプロセスを具体的に見ていくとか、あるいはそのプロセスを、数値を評価しながら回せるようにしていく。そういう活動があるかないかというのを見て育てていく必要があるのかなと思いました。
 第4回の共生検討会で志真先生が指摘されている点ですが、ドナベディアンモデルというので、この団体で出てきたチェックシートとかマニュアルは、この辺りのストラクチャーとかがかなり混在した形で今あるのだと思います。ですので、これをもう少し整理して、例えば痛みに対応するというのであれば、それに合わせたロジックモデルをしっかりと組んで、それに合わせて途中のプロセスを全部見ていくとか、そこを一度組めば拠点病院でも共有できますし、県とかでもそういうのをある程度使いながらお互いの施設を見合っていくとか、そういうことはできるかと思いますので、一度そのプロセスをしっかり整理していくことが大事になるのではないかと思いました。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 木澤構成員、お願いします。
○木澤構成員 これは毛色が違った提案なのですけれども、ピアレビューなり実地調査というものはある一定程度の効果がもちろんあると思うのですが、これは都道府県単位でやっていくのがいいのではないかと考えているところです。なぜかといいますと、地域によってマンパワー、医療の体制も地域性も全然違いますので、地域の医療体制に合わせて緩和ケアをどう展開していったらいいかという計画を各県ごとに立てて、では、県内で患者さんがどのように緩和ケアを受けられるかという体制をしっかり考えていった上で、そこで各病院の役割であるとかどんな機能を果たすということが決まっていくべきだと思っています。
 なぜかといいますと、先ほどがん診療拠点病院以外の緩和ケアをどうするかということを話題にされたと思うのですが、そのことを考える上で、県の医療計画とリンクされるべきだと考えますし、もう一つは地域包括ケアとの融合ということも考えないといけません。特に高齢者が増えてきていますので。そこら辺を考えると、拠点病院が単独で実地調査をするということが本当に有効なのか。これは私もノーアイデアなのですけれども、それよりも各県の医療計画の中で緩和ケアをどういうふうに提供していくかということを位置づけて、それをしっかり県ごとに監査するというほうがよっぽど実効性があるのではないかと考えます。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 当然これは谷口構成員の御意見を聞きたいわけですね。
○谷口構成員 ありがとうございます。
 都道府県によって随分状況が違うと思います。例えば島根の実情を言うと、都道府県の拠点病院と一緒になって先ほど言われたようなことをやるのは、ある程度国のほうで方針を出していただければ可能だと思います。ただ、島根県の場合は全病院を合わせても49の病院しかなくて、しかもがんを診るような病院は30そこそこなので、できるとは思うのですけれども、実際に例えば東京とか兵庫県となると、また状況が少し変わってくるのかなと思います。ただ、都道府県によってやり方を少し変えていくということは、ひょっとしたら可能かもしれません。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 ほかに御意見ございませんでしょうか。林構成員、お願いします。
○林構成員 今の谷口先生のお話にも通ずるところですが、都道府県は、がん医療に限らず地域医療構想などを見ても、都道府県の権限とかモチベーションは決して強くないですね。基本は国の方針がないと。県は国ばかり見ていて、都道府県の保健医療部とかが独自に動くことは今までなかったのではないかと思うのです。そういうところを動かすので本当に羽鳥先生などは御苦労されていると思うので、羽鳥先生、その辺はどうでしょうか。
○羽鳥構成員 林先生のおっしゃることはそのとおりだと思うのですけれども、今の行政区が都道府県単位になっているというのは動かせない事実だと思います。ほかの案件につきましても、国の事業が地方分権で都道府県に責任を持つことになったということが多数あって、そのために質が落ちているというのも多数あると思います。そういう意味では、もう少し大きく考えてブロック制で見るとか、その辺で。例えば兵庫の方が島根へ行くとか、島根の方が兵庫へ行くなどはいかがでしょうか。
 ただ、先ほど言った公平性とかそういうのを見ると、例えば今回3年後ぐらいを目指して、働き方改革で病院あるいは大学がどのぐらい頑張っているかというのを評価することが始まるわけですが、その評価も同じ県内の先生方は行かないということで、ほかの県に行くという仕組みになっているように、客観性を持たせるということをすごく重視しているということもあるので、この緩和ケアの辺りもそのぐらいのことをやってもいいのではないかなと感じました。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 木澤構成員、御意見ありますか。
○木澤構成員 先生方のおっしゃっていることはとてもよく分かって、都道府県ごとで全く事情が違うので、だからこそ私はこういうのは都道府県ごとにやったほうがいいと思うのです。全く事情が違うので、その事情に合わせたやり方が存在すると思っていて、島根はとてもやりやすい都道府県の一つかなと思うのですが、そういうところはちゃんと地域で実効性のある計画を立てていくというのはすばらしいことだと思っているので、東京は東京のやり方が多分あるのではないかなと思うので、各都道府県ごとにやっていくのが現実的なのではないのかなと思ったりします。
 すみません。これをここで言うのが適切かどうかよく分からない。東京をやれと言われたら、私もめちゃめちゃ困ると思うのです。兵庫県はかなり兵庫県でまとまっているので、実は緩和ケアの関係者はまとまってピアレビューを毎年1回やっているのです。そういう取組を各県でできたらすばらしいのではないかなと思っています。
 以上です。
○中川座長 橋口構成員、東京はむちゃくちゃ大変とお考えですか。
○橋口構成員 いえ。意外と東京というのは、東京都の中で東京都自体が相当頑張っていて、そんなにまとまりは悪くないですね。ところが、私、今回東京から神奈川に来たのですが、線路を1本またいだだけなのですけれども、こんなに違うのかというぐらい同じ関東圏で差があったのが非常に驚きでした。もちろん、都道府県単位で考えてもいいのですが、例えば関東なら関東圏でブロック単位で考えてもよいのではないかと思います。都道府県というふうに切り分けられてしまうと、かえって非常に面倒なことになる。同じ拠点病院の内容としても全然違ったのですね。非常に驚きなのです。本当に線路1本で、たかだか10分の差なのですけれども。
 緩和ケアに関しても、いわゆる全国的な均てん化というのは目指すべきだと思うのです。都道府県の事情があるのはよく理解しますが、それをある程度押しなべてみんなでレベルを上げていくというのが最終形だと思うのですけれども、そうすると、都道府県の中だけにするよりは、ある程度まとまったブロックで考えられるようにちょっとレビューをして、自分たちの県はこのレベルなのかな、どの辺りなのかなというのがある程度比べられるようにしていっていただいたほうがいいのではないかなと個人的には考えております。
 東京都は意外とまとまっているのです。非常にばたばたしてそうに見えるのですけれども、会合の数も割と多いですし。伊東先生、そうですよね。
○伊東構成員 振られましたので、お答えいたしますが、東京は相互ピアも毎年やっていますし、まとまりはある程度期待できるのではないかなと思います。また、各職種の連携も研修会などができています。ですので、総合的底上げは図れるのだと思います。あと一歩足りないとすれば、羽鳥先生がおっしゃったようなケースだったかと思いますが、地域を巻き込むような形の、感染と同じような相互ピアがあってもいいのかもしれません。それは一つその地域性を上げて、患者さんレベルのところに手が届くようなケアの創生につながることは期待できるかもしれません。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 岸田構成員。
○岸田構成員 ありがとうございます。
 今、実地調査のことについてなど検討されたと思うのですが、資料のP26に「PDCAを基本としており、繰り返しがあってこそ改善されるのではないか」ということも書かれています。そのため、次年度に報告を求めるとかが必要かと思います。また、参考資料6、がんとの共生のあり方に関する検討会で西田座長もおっしゃっているように、フォローアップをちゃんとしていかないといけないといったところもあると思います。そのため、1回この調査はしていくと思うのですが、どこかで継続もしくは次年度こう改善しましたというのが大事だと思います。今回だけで終わるのではなくて、次といったところも計画に組み込んでおく必要があるのではないかということを最後に付け加えさせてください。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございました。
 27ページの対応方針(案)の2つ目のポツの「研究」というのは、厚生労働科研での研究班の設置ということだと思いますが、今日の議論をこの研究班の中で生かしていただくようにしていくことなのだろうなと思います。
 全体を通してここだけはというお話がありますでしょうか。羽鳥構成員。
○羽鳥構成員 すみません。最初の頃の議論で、患者さんのROMとかあの辺の話ですけれども、ウェアラブルデバイスをきちんと使いこなして、スマホで御自分で入力するとか、ある程度患者さんの御協力も得ながらということもやっていっていいと思います。それをしないとスタッフの労力が膨大になると思います。
 木澤先生がおっしゃったように、どうしても対応できないこと、きちんと聴き取りをしないと本当のことが分からないようなこともあると思うので、その辺はやっていかなければいけないと思うのですけれども、スクリーニング的な経年評価とかそういうのを一つずつ聴き取りしていくのは大変で、どこかでみんな諦めてしまうと思うので、患者さんの御協力を得ながら、デジタルトランスフォーメーションの知識を使いながらいくのがいいのと思うので、調査するとき、あるいは厚労科研のとき、そういう項目もぜひ加えてほしいなと思いました。
 以上です。
○中川座長 ありがとうございます。
 ほかに何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、今回も活発な御議論をありがとうございました。時間も迫っていますので、ここまでとさせていただきます。
 最後に事務局から連絡等ありますでしょうか。
○がん対策推進官 本日もありがとうございました。
 次回の部会に関しましては、事務局より追って御連絡をさせていただきます。お忙しい中、大変恐縮ですが、日程の調整等よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の部会はこれにて終了とさせていただきます。構成員の皆様方、長時間にわたりまして誠にありがとうございました。

照会先

健康局がん・疾病対策課

代表 03-5253-1111(内線4604)