令和3年12月3日 第73回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第23回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和3年12月3日(金) 13:00~15:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより第73回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和3年度第23回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージまたはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。
現在、副反応検討部会委員9名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
また、濱田委員より御欠席する旨の御連絡をいただいております。また、永井委員が少々遅れているようです。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。
開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。
また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので御留意願います。
本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者は、ファイザー株式会社、武田薬品工業株式会社、アストラゼネカ株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、全ての委員においてファイザー株式会社及びアストラゼネカ株式会社より50万円を超える受け取りはございませんでした。
宮川委員が武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受け取り状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
石井委員、宮川委員は、第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、続いて、事務局より本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1から1-8、資料2、参考資料1から12になります。
不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
○森尾座長 それでは、議題に入りたいと思います。議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等」について、まずは資料1-1-1から1-6につきまして事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 まず、資料1-1-1、1-2-1を用いまして対象期間中の副反応疑いの報告状況について御報告いたします。
資料1-1-1「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。今回の集計対象期間ですが、11月14日報告分までとなっております。
2ページ目をご覧ください。週別報告件数の表の一番下の部分、合計2021年11月14日の行でございます。表の一番左の部分ですが、まずコミナティです。11月14日までの推定接種回数が1億6305万9502回接種、副反応疑いの報告件数は2万5522件、頻度としては0.02%で前回と同一の値となっております。うち、重篤の報告件数が5,319件、報告頻度としては表記上0.00ですが、0.003%で前回と同一の値となっております。
死亡事例につきましては、後ほど1-3-1にて御説明いたします。
表を右にいっていただきまして、モデルナでございます。11月14日までの推定接種回数が3176万8352回接種、副反応疑いの報告件数が3,919、頻度としては0.01%で前回と同一の値となっております。うち、重篤の報告件数が623件で、頻度としては0.002%、表記上は0.00%ですが、前回と同一の値でございます。
死亡につきましては、後ほど1-3-2にて御説明いたします。
右端のバキスゼブリアでございまして、11月14日までの推定接種回数が10万1502回、副反応の報告につきましては12件ございました。重篤の報告件数が7件でございます。
バキスゼブリアの死亡とTTS疑い事例につきましては集計対象期間後も専門家の評価と集計を行うことにしておりまして、今回は11月21日までには専門家の評価を行いまして、さらに11月26日まで集計しております。
当該期間中に死亡事例の報告はございませんでした。
また、TTSの疑いにつきましては新規の報告はございませんでしたので、前回までに御報告しておりました1症例となっております。
続いて5ページ目、「マル4副反応疑い報告の報告基準別報告件数」をご覧ください。報告基準に定められた症状を集計しております。
まずアナフィラキシーですが、11月14日までに医療機関からコミナティで2,570件、モデルナで438件、バキスゼブリアで5件のアナフィラキシー疑いの事例が報告されております。
次にTTSですが、こちらは報告基準に位置づけられて以降、集計しておりまして、コミナティで42件、モデルナで11件、バキスゼブリアで1件の報告がございました。
続いて7ページ目、「マル6年齢別報告件数」の表をご覧ください。年齢階級別の報告件数でございますが、前回まではこちらの表は10歳刻みで集計しておりました。今回からは5歳刻みでの接種実績の把握が可能となっておりますので、今回から年齢階級を5歳刻みに変更しております。この後に説明します1-2-1においても、同様の変更を行っております。
続いて1-2-1「薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。2ページ目の表の一番下の部分、合計2021年11月14日の行でございます。
まず一番左のコミナティですが、こちらは重篤なものを報告対象としておりますが、1万6040件、頻度としては0.01%で前回と同一の値となっております。
続いてモデルナでございますが、2,133件報告がありまして、頻度としては表記上0.01%ですが、正確には0.0067%で、前回の0.0065%から大きな変化はございません。
右のバキスゼブリアでございますが、今回の集計期間までに8件の報告がございました。
3ページ目をご覧ください。アナフィラキシー疑い事例の報告件数につきましては、コミナティで3,012件、モデルナで504件、バキスゼブリアで3件報告されております。
TTS疑いの報告件数につきましては、コミナティで46件、モデルナ4件、バキスゼブリア1件でございました。
ブライトン分類評価後の件数につきましては、後ほど資料1-4と1-5にて御報告いたします。
続きまして、資料1-3-1「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」のコミナティ筋注でございます。コミナティの死亡事例について御報告いたします。
1ページ目の「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに46件ございまして、14日までに報告された事例は1,315件となっております。
2つ目の○に進んでいただきまして、なお、上記に加えまして集計対象期間外となりますが、11月15日から26日までに死亡として報告された事例が16件追加であったという状況でございます。
「2.専門家の評価」でございますが、1,315事例を対象にしまして因果関係について専門家の評価を実施しておりまして、結果としてはβが7件、γが1,308件となっております。
心筋炎に関連しまして、10代、20代の死亡事例のうち、死因の一つとして心筋炎が報告された事例について補足説明いたします。かなり飛んでいただきまして148ページになります。
148ページ目の中段にあるNo.1176でございます。26歳男性の事例でして、これまでにも報告していた症例になりますが、追加の報告がございまして事例の詳細が分かりましたので御報告いたします。
事例の概要としましては、2回目接種以降、微熱と頭痛を訴えた。接種2日後の夜、就寝したが、それまでは上記以外の症状はなかった模様。3日後の朝、呼吸停止していたところを発見され、救急車が要請されたという事例でございまして、解剖の結果、心肥大の所見が見られたというふうに報告されております。
死因としましては不明。腸管壊死を疑うが、心肺停止の原因であるかどうか判断することができない。心筋炎などがあった可能性は否定できないとして、報告医の方からコメントがございました。心筋炎についてそれ以上の言及はございませんでしたが、心筋炎疑い事例として御報告させていただきました。
なお、専門家評価実施後に追加報告された事例でございましたので、追加報告も含めました専門家の評価は次回お示ししたいと思います。
続きまして、資料1-3-2「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」のモデルナ筋注をご覧ください。モデルナの死亡事例について御報告いたします。
1-3-2の1ページ目、「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに7件あり、11月14日までに報告された事例は計53件となっております。
なお、集計対象期間外の部分としまして、11月15日から11月26日までに3件追加で報告されているという状況になります。
「2.専門家の評価」でございますが、53事例を対象に専門家の評価を実施しておりまして、βが1件、γが52件となっております。
次のページの部分でございますが、モデルナの回収対象ロットの因果関係の評価をまとめておりますが、後ほど1-6にて御説明いたします。
5ページ目をご覧ください。No.20でございます。こちらにつきましても、10代、20代で心筋炎を死因として報告された事例を御説明させていただきます。こちらも前回御報告した事例でして、解剖結果が追加で報告され、心筋炎とされていた事例でございました。前回の部会時点で、解剖の所見については結果が報告されておりましたが、その後、詳細な報告がございました。今回はそれを用いまして専門家評価を実施しておりますが、評価は基本的に変わりませんので説明は省略いたします。
続いて資料1-4-1、新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑い事例のコミナティ筋注をご覧いただければと思います。
1-4-1の1ページ目、「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、コミナティ筋注の副反応疑い報告におきまして、アナフィラキシー疑いとして報告された事例が新たに90件ありまして、11月14日までに報告された事例は計3,012件となっております。
「2.専門家の評価」の部分にブライトン分類評価の結果をお示ししております。100万回当たりのブライトン1から3の報告件数については3.6でございましたが、後ほど資料1-7-1にてこれまでの推移もお示ししておりますので、そちらで御説明いたします。
続きまして、1-4-2、新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑い事例のモデルナ筋注でございます。
1ページ目、「1.報告状況」の部分でございます。前回の集計対象期間以降、モデルナ筋注につきましてアナフィラキシー疑いとして報告された事例が新たに13件ありまして、11月14日までに報告された事例が計504件となっております。
「2.専門家の評価」の部分にブライトン分類1から3の評価の結果をお示ししておりますが、1から3の報告件数につきましては100万回当たり1.6件となっております。
続きまして資料1-4-3、新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑い事例の、バキスゼブリア筋注をご覧いただければと思います。
1-4-3の1ページ目、「1.報告状況」のところでございます。前回の集計対象期間以降、新たに2件報告がございまして、14日までに報告された事例は計5件となっております。
「2.専門家の評価」の部分でございますが、ブライトン分類はいずれも4でございましたので、以降1から3の集計結果の説明は省略いたします。
続いて資料1-5-1、新型コロナワクチン接種後の血小板減少症を伴う血栓症疑いとして報告された事例の概要、コミナティ筋注をご覧いただければと思います。
1ページ目、「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、TTS疑いとして報告された事例が新たに7件ありまして、8月3日から11月14日までに報告されたTTS疑い事例につきましては計46件となっております。
「2.専門家の評価」の部分でございますが、この46事例につきましてブライトン分類1から3に該当するものが16件でございました。また、因果関係の結果はいずれもγでございます。100万回当たりの1から3の報告件数が0.2件でして、前回と同一の値となっております。こちらも、これまでの推移につきましては後ほど御説明いたします。
続きまして資料1-5-2、新型コロナワクチン接種後のTTS疑い事例、モデルナ筋注でございます。
1ページ目の「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、モデルナ筋注につきましてTTS疑いとして報告された事例が新たに1件ございまして、11月14日までに報告された事例は計4件となっております。
「2.専門家の評価」の部分でございますが、この4事例を対象にしまして専門家の評価を実施しておりまして、1から3に該当するものは3件でございました。また、いずれも因果関係評価の結果はγでございます。100万回当たりの1から3の報告件数につきましては0.1件でございまして、前回と同一の値となっております。
次に資料1-5-3、新型コロナワクチン接種後のTTS疑い事例、バキスゼブリア筋注でございます。
1-5-3の1ページ目、「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、TTS疑い事例として新たに報告された事例はございませんでしたので、11月26日までに報告された事例は前回までに御報告した1症例となっております。以降、情報に更新はありませんので、説明は省略いたします。
続きまして、資料1-6「モデルナ筋注使用見合わせロットに係る副反応疑い報告(死亡)の状況」をご覧ください。
前回から少し時間が空いておりますので、資料の説明に入る前に少し経緯を説明させていただきます。
これまでに異物の混入に関連しまして回収対象となったモデルナの3ロットのうち、異物の報告が現時点ではない1ロットからこれまでに3事例の死亡事例の報告がなされておりました。この3例について、専門家の評価では、因果関係についてはγというふうに評価されていたところです。この回収ロットにつきましては引き続き副反応疑いの報告状況等を周知し、慎重な調査を行っていく、一方、既に関連するロットにつきましては回収が行われておりまして、特定ロットに限定されたリスクであることから、ワクチン接種を継続していくことについては問題ないと判断されていたものでございます。
ここからが資料の説明となりまして、「1.副反応疑い報告状況」でございます。
前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに2件ございまして、昨日までに、3つのロットのうち異物の混入が報告されたロットにおいて1件の死亡事例が、異物の混入は報告されていないものの異物混入ロットと同じ時期、同じ設備で製造されたロットの2つのうちの1つにおいて4件の死亡事例が報告されたという状況でございます。
新規事例について御紹介いたします。7ページ目をご覧ください。
(事例4)、52歳男性の事例でございます。こちらの事例につきましては、10月22日の合同部会資料におきまして、モデルナ筋注接種後の死亡事例No.42として公表を行った事例でございます。当初は、使用見合わせロット以外のロットとしての報告でございましたが、最近、ロットの報告誤りに気づいたということでして、報告者からロットの訂正報告がございました。ついては、異物混入のロットの事例であったということが新たに判明したという経緯でございます。
「(2)接種されたワクチンについて」ですが、2回接種されておりまして、当該ロットが2回目でございます。
「(3)基礎疾患等」として、糖尿病、高血圧、高尿酸血症が報告されております。
「(4)症状の概要」ですが、心室細動を惹起し、8月13日午後15時54分、死亡に至った、死亡診断書は肥大型心筋症疑い、として報告されています。
(5)の報告者の評価におきましては、「因果関係は不明。死亡例につき報告した。基礎疾患もあり、病死の可能性もある」として報告されておりました。
「(6)専門家の評価」につきましてはγとなっておりまして、コメントとしましては2行目の部分でございます。「接種後の経過や剖検に関する情報がないため死因を推定することができず、ワクチン接種と死亡との因果関係については評価不能である。また、異物が本症例の死亡に与えた影響についても同様に評価不能である。」とされております。
続きまして(事例5)、52歳女性の事例でございます。こちらは製造販売業者のコールセンターを通じまして、被接種者の家族の方からの報告内容に基づく事例でございます。この事例については製造販売業者からも事例の詳細についてお答えいただくようお願いしたそうですが、御家族の方から、警察案件となっているため匿名希望でお願いしたいということで詳細はお答えいただけなかったというふうに製造販売業者から報告されております。つきましては、こちらに記載した情報が今後得られる全ての情報となってくる可能性がございます。
「(2)接種されたワクチンについて」でございます。接種回数が2回でして、2回目に異物混入が報告されていないほうの回収されたロットが投与されておりました。
「(3)基礎疾患等」は不明。
「(4)症状の概要」につきましては、7月24日に1回目接種、8月21日に2回目接種。2回目接種の翌日に微熱があり、10月末にお亡くなりになったというふうにされておりまして、日付は不明でございますが、病院にて解剖が実施されて、死因は不明であった報告されています。
(5)の報告者の評価は、御遺族からの情報に基づくものですので省略いたします。
「(6)専門家の評価」でございますが、因果関係はγ、コメントとしましては3行目の部分でございます。「本症例は接種後の経過に関する情報がなく、剖検では死因不明とのことである。情報不足のためワクチン接種と死亡との因果関係については評価不能である。また、仮に使用ロットに異物の混入があった場合に異物が本症例の死亡に与えた影響についても同様に評価不能である。」と評価されております。
なお、ロット別の副反応疑い報告の件数につきましては、先ほど御説明しました資料1-1-1や1-2-1の中でまとめておりますが、死亡事例を除きまして3ロットとも、ほかのロットと比べまして報告頻度が高いということはございませんでした。
また、ラインリストについては資料1-1-2-2や1-2-2-2としてお示ししておりますが、RNAワクチンの副反応疑い事例として特異な事象の報告はありませんでしたので、併せて御報告いたします。
資料1-6の説明は以上ですが、最後に副反応疑いの報告状況に関連しまして参考資料10について補足いたします。
参考資料10でございます。こちらは、11月19日に開催いたしました安全対策調査会の親会議であります医薬品等安全対策部会で御報告した資料となります。ワクチンを含む医薬品の副作用情報については、先ほど御紹介しました副反応疑い報告制度に加えまして、患者様からも直接の報告を受け付けられるようにしております。そして、報告状況につきましては安全対策部会で定期的に公表しております。今回の報告分につきしては4月1日から7月31日でありまして、本格的に新型コロナワクチンの接種が開始された以降の情報を集計したものになりますので、本日参考資料として配付させていただき、御紹介させていただきました。
資料1-1-1から1-6までの説明は以上となります。
○森尾座長 ありがとうございました。
続きまして、資料1-7-1から1-8につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
それでは、資料1-7-1「副反応疑い報告の状況について」をご覧ください。
まず、資料の3ページ目以降をご覧ください。こちらは「年齢・性別別の推計接種回数について」ということで、先ほども御紹介がありましたとおり、今回から5歳刻みとしてそれぞれ年齢・性別別の推定接種回数をお示ししているものでございます。
続きまして6ページ目をご覧ください。6ページ目、7ページ目におきましては、「新型コロナワクチンにおける副反応疑い報告の概要」ということで、先ほど御紹介しました資料1-1-1-1及び1-2-1に基づきましてそちらをまとめた資料でございますので、こちらも御参照いただければと存じます。
続きまして、8ページ目から10ページ目をご覧ください。こちらも資料1-1-1及び1-2-1に基づきまして、それぞれ年齢別の副反応疑い報告の状況について、5歳刻みでそれぞれ医療機関からの報告の頻度及び製造販売業者報告の頻度につきまして、製剤別でお示ししているものでございますので、こちらも御参考にしていただければと存じます。
続きまして、12ページ目以降をご覧ください。こちらからが、「死亡として報告された事例」についてでございます。「新型コロナワクチンにおいて死亡として報告された事例の概要」でございますけれども、先ほども御紹介いたしましたが、ファイザー社ワクチンにおきましては11月14日時点までで1,315件の御報告がございました。症状の概要に記載された死因等はこれまでと同様で、虚血性心疾患130件、心不全115件、出血性脳卒中100件等でございました。
また、武田/モデルナ社ワクチンにつきましては、11月14日時点で死亡として報告された事例は53件でございまして、症状の概要に記載された死因等につきましては、出血性脳卒中9件、虚血性心疾患8件等でございました。また、アストラゼネカ社のワクチンについては、現時点で死亡として報告された事例はございません。
続きまして、13ページ目をご覧ください。こちらは、ファイザー社ワクチンにおいて死亡として報告された1,315事例について、報告書に記載のあった死因と関連する可能性のある症状名等を計上してまとめたスライドでございます。今回も、死亡として報告された事例の1%を超えた13例以上の具体的な疾患を想起できる症状等をお示ししております。報告数上位の疾患については、虚血性心疾患、心不全、出血性脳卒中等々、前回と大きな変わりはございません。
また、心筋炎関連事象についてでございますけれども、右側の中段、4列目でございますが、こちらは前回から65歳未満の3事例の追加の御報告がございましたので、現在16例、うち数7例として掲載してございます。
続きまして、14ページ目をご覧ください。こちらは、モデルナ社ワクチンにおいて死亡として報告された53例について、同様に報告書に記載のあった死因と関連する可能性のある疾病、症状名等をまとめたスライドでございます。こちらも前回と大きな変わりはなく、出血性脳卒中や虚血性心疾患が上位の疾患であり、また、モデルナにつきましては心筋炎関連事象について今回新規の死亡の御報告はなく、4件のままとなってございます。モデルナ社ワクチンにつきましても接種が進んでまいりましたが、報告される疾病について新たな傾向は見られないと考えてございます。
続きまして、15ページ目以降をご覧ください。こちらは前回と同様、接種後の死亡報告がされておりますファイザー社ワクチン及びモデルナ社ワクチンについて、ワクチン接種後の死亡として報告された数の多寡について検討するために、それぞれ若年世代の死亡の全体の報告頻度について、最新値をもって更新しておるものでございます。
17ページ目から20ページ目をご覧いただきますと、今回まとめますと、いずれのワクチンについても前回と同様、厳しい観察期間の7日を設定した場合におきましても、10代、20代、30代、いずれの世代につきましてもこの比較方法においては少なくともワクチン接種群の死亡報告頻度が非接種群の死亡の発生頻度を上回るものはない、ということが引き続き確認できるかと存じます。
続きまして、21ページ目以降をご覧ください。
まず、21ページ目でございますけれども、こちらは一般人口における心筋炎関連事象、急性心筋炎及び急性心膜炎につきまして、年齢別の死亡数の統計をお示ししてございます。
心筋炎関連事象としては、総数といたしまして表中の最上段の右側、203というところをご覧いただきたいのですけれども、年間203名が報告されておりまして、また急性心筋炎といたしましては162名の報告がされているという状況でございます。
なお、以前御議論がございました急性心筋炎のうち、急激な臨床転帰を取り、致死的な状況になるものとされている劇症型心筋炎につきましては、下段の注釈にありますとおり、人口動態統計においてはICD40.8「その他の急性心筋炎」の内数として含まれております。「その他の急性心筋炎」には中毒性心筋炎、劇症型心筋炎、好酸球性心筋炎が含まれておりますが、臨床的な重症度等から、この総数86名のうちの多くが劇症型心筋炎と考えられます。御参考になりますと幸いでございます。
続いて22ページ目、23ページ目をご覧ください。こちらは前回と同様、ファイザー社及びモデルナ社のそれぞれのワクチン接種後に心筋炎関連事象疑いとして報告され、死亡として報告された事例の報告頻度について、一般人口と比較できるようお示しした資料でございます。
状況といたしましては、今回ファイザー社ワクチンについて3例の追加報告がございましたことを受け、22ページ目でございますけれども、最下段のところをご覧いただきますと、モデルナ社ワクチンに加えまして今回ファイザー社ワクチンについても、報告頻度自体は100万人中0.003、あるいは0.005といった数字で、非常にまれではあるものの、特に若年者については一般人口の死亡報告頻度を上回る可能性があるという状況でございました。
こうした状況を踏まえまして、24ページ目におきまして接種後の死亡事象との因果関係に関する現時点のまとめのスライドのうち、3つ目の四角をご覧ください。こちらは接種後の死亡事象との因果関係に関する現時点の考え方として、現時点においてはmRNAワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係に関して、心筋炎関連事象が注視すべき状況にあると考えられる。心筋炎関連事象についてはブライトン分類等も踏まえ、引き続き評価・分析を行っていく必要があるというふうにまとめてございます。こうした考え方を基に、引き続き御議論を頂戴できればと考えてございます。
続きまして、25ページ目以降をご覧ください。
25ページ目では、ファイザー社ワクチンのこれまでの死亡として報告した事例のトレンドを示しているものでございまして、大きな傾向の変化はございません。
また、26ページ目は海外のファイザー社ワクチンにおける死亡の最新の報告状況でございます。
27ページ目はモデルナ社の死亡として報告された事例の報告件数で、経時的なものをお示ししてございますけれども、若干の増加傾向はございますが、劇的な変化はないという状況となってございます。
28ページ目、29ページ目におきましては、それぞれモデルナ社、アストラゼネカ社の海外の死亡例に関する最新の報告状況でございます。
続きまして、30ページ目以降をご覧ください。30ページから38ページ目につきましては、それぞれのワクチンにおけるアナフィラキシーの報告状況についてまとめているものでございますけれども、その動向に大きな変化はございませんので、こちらの資料の説明は割愛とさせていただきます。
続きまして、39ページ目以降をご覧ください。こちらからが、「心筋炎関連事象疑いとして報告された事例について」のスライドとなります。
40ページ目でございますけれども、「ファイザー社ワクチン接種後における心筋炎関連事象疑い報告の状況について」ということで、ファイザー社ワクチン接種後の心筋炎関連事象疑いとして、接種開始から今回のデータロックまでの11月14日までに製造販売業者から281例の報告がございましたが、引き続き10代及び20代の男性の報告頻度が多い状況でございました。
また、41ページ目をご覧ください。こちらは「武田/モデルナ社ワクチン接種後における心筋炎関連疑い報告の状況について」でございますけれども、データロックの11月14日までにおきまして製造販売業者からは195例の報告がございまして、こちらも10代及び20代の男性の報告頻度が多い状況が続いてございます。
42ページ目におきましては、アストラゼネカ社についてでございますけれども、アストラゼネカ社ワクチン接種後では現時点で心筋炎関連事象疑いとして報告されたものはございませんでした。
続きまして、43ページ目をご覧ください。こちらはファイザー社ワクチン及び武田/モデルナ社ワクチンにつきまして、それぞれ心筋炎関連疑いとして報告された事例の過去の審議会からのデータを経時的にお示ししたものでございます。全体といたしましては、ワクチン間の被接種者の属性等が異なることに留意が必要ではございますけれども、最新の年齢・性別別の報告頻度の解析をもっても、引き続き10歳代及び20歳代の男性についてはファイザー社ワクチンに比べて武田/モデルナ社ワクチンの接種後の報告頻度が高い状況が続いているということが見て取れるかと存じます。
続きまして、44ページ目、45ページ目、46ページ目でございますけれども、こちらは以前からお載せしております参考資料でございます。
47ページ目以降でございますけれども、47ページ目、48ページ目、49ページ目につきましては、それぞれのワクチンにおける心筋炎関連事象の疑いの海外との報告状況を比較できるスライドとなってございますので、御参照いただければと存じます。
続きまして、50ページ目、51ページ目をご覧ください。こちらは「ワクチン接種後の心筋炎関連事象に係る臨床的経過について」のスライドでございまして、50ページ目の10月22日の審議会資料での海外を含めた全世界的なワクチン接種後に発症した心筋炎関連事象の臨床経過についての知見を多屋先生から御提出いただいたものでして、こちらを踏まえまして、51ページにおきまして、現在の因果関係が疑われております10代から30代の男性事例の最新の転帰の情報についてまとめております。こちらの転帰の情報につきましては、転帰が確認されたもののうち、軽快または回復が確認された者は引き続きファイザー社ワクチン、武田/モデルナ社ワクチン、両ワクチンともに80%の中盤程度の値が続いておりまして、引き続き多くの者が軽快、または回復されたという状況でございます。
52ページ目、53ページ目、54ページ目におきましては、「海外における新型コロナワクチン接種後の心筋炎関連事象について」ということでまとめてございますけれども、現時点で海外の動向は大きな変化はございませんで、御参照いただければと存じます。
続きまして55ページ目以降でございますけれども、こちらは「心筋炎、心膜炎疑いの報告事例に係るO/E解析について」ということで御説明したいと存じます。
○事務局 添付文書の改訂案に関しましては、別途、詳細な資料を御用意しておりますので1-8をご覧いただければと思います。資料1-8「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチンの添付文書の改訂について」でございます。
「1.品目概要」は飛ばしまして、「2.経緯」でございますが、2つ目の○の部分でございます。
10月15日の合同部会におきまして、副反応疑いの状況やO/E解析の結果、あるいは海外の措置状況を踏まえまして、コミナティ筋注及びモデルナ筋注の添付文書を改訂いたしまして、O/E解析の結果、若年男性におきましてモデルナ筋注接種後の心筋炎等の報告頻度が高いことが示されたというふうに追記させていただきました。
また、上記の改訂と併せまして北欧諸国の調査結果が未公表でありましたので、引き続きこれらの情報の収集に努めるとともに、必要に応じまして添付文書の記載についても検討するとされておりました。現時点におきましても北欧の調査結果は未公表でございますが、一方で、新たにフランス、ドイツにおきましても若年者に対しましてコミナティ筋注を推奨するとの方針がデータとともに示されたという状況でございます。
また、一方で、国内におきましては最新の副反応疑い報告数、11月14日までのデータでございますが、こちらを対象にしましてO/E解析を改めて実施しておりまして、モデルナ筋注では全接種回、2回目接種を対象としました全ての解析におきまして、10代、20代の男性におきまして一般集団と比べて報告頻度が高いことが示されました。
また、コミナティ筋注におきましても、おおむね10代及び20代の男性でモデルナと同様、一般集団と比べて報告頻度が高いという傾向が示されたという状況でございます。結果の詳細は、後ほど御説明いたします。
ついては、これらの状況を踏まえましてコミナティ筋注及びモデルナ筋注の添付文書を改訂しまして、心筋炎等について重大な副反応と位置づけることとしてはどうかと考えております。
3ページ目にいっていただきまして下のほうの部分、「(2)年代別・性別のO/E解析の結果」をご覧いただければと思います。
3行目の部分でございまして、最新の副反応疑い報告数を用いましてO/E解析を改めて実施しておりまして、ワクチン接種後の年代別・性別の心筋炎等の発現頻度を解析しております。
解析結果につきましては、19ページにまとめておりますので19ページをご覧ください。実際には36解析条件で検討しておりますが、ここでは1例としまして解析対象のデータを1回目、2回目としたもの、かつ発現日不明の症例も解析に加えた結果を一覧でお示ししております。
オレンジで塗った部分が有意差があった解析条件となりまして、有意となった年齢層が多ければ多いほど色を濃く塗っております。また、右側には参考としまして、前回行いました10月15日にお示しした結果もお示ししております。
また、リスク期間につきましては、前回解析時に委員から、米国のACIPに合わせまして7日での解析を行ってはどうかというコメントをいただいておりますので、今回は7日でも解析を行っております。
ここでは1例としてお示ししておりますが、実際には、モデルナ筋注におきましては全接種回、あるいは2回目接種のデータを用いました解析条件におきまして、10代、20代の男性において、一般集団と比べまして報告頻度が高いことが示されました。
一方、コミナティ筋注におきましても全接種回、あるいは2回目接種のデータを用いました解析で、10代及び20代の男性におきましておおむね全ての解析条件におきまして一般集団と比べ報告頻度が高く、モデルナ筋注と同様の傾向が示されたという状況でございます。
なお、1回目接種のデータを用いました解析では、コミナティ、モデルナ、いずれの解析条件でも有意な差は認められませんでした。
次のページ以降に、全ての各解析条件の結果をお示ししておりますので、適宜御参照いただければと思います。
5ページに戻っていただきまして、「4.海外添付文書の記載状況等」の(1)でございます。米欧における添付文書の心筋炎の記載を抜粋しておりまして、前回お示しした内容と基本的には同一でございますが、5行目の部分でございます。
米国のモデルナ筋注の添付文書におきまして、市販後のデータを用いた一部の観察研究において、モデルナ筋注2回目接種時において、ほかの既承認のCOVID-19に係るmRNAワクチンに比べ、40歳未満の男性において心筋炎等の発症リスクが高い可能性があることが示されているという旨の注意喚起が追記されておりました。
続きまして、「(2)海外の接種状況」でございます。6行目以降に、先ほど御紹介しましたフランスとドイツの措置を追記しております。
なお、フランス語、ドイツ語でしたので機械翻訳に基づいた記載ですので、あくまでも参考としてお考えいただければと思います。
11月8日、フランスにおきまして、30歳未満は可能であればコミナティ筋注の接種を推奨することが公表されておりました。公表資料におきましては、医薬品・保健製品安全庁が実施しました症例対照研究の結果が引用されておりまして、30歳未満の男性における2回接種時の心筋炎の発生リスクにつきまして、コミナティ筋注はモデルナ筋注に比較して約5分の1であったということが言及されておりました。
具体的には、100万回接種当たりの超過発生数がモデルナ筋注で131.6、コミナティ筋注では26.7というふうにされておりました。
この結果そのものにつきましては、56ページと57ページに「別添4」という形で、こちらも機械翻訳になりますが、結果そのものをおつけしておりますのでご覧いただければと思います。
続きまして、ドイツでございます。ドイツにおきましては11月10日、30歳未満はコミナティ筋注の接種のみを推奨することが公表されております。公表資料におきましては、Paul Ehrlich研究所が公表しましたデータに言及がありまして、18歳から29歳の年齢層において10万接種当たりの心筋炎・心膜炎の報告頻度について、コミナティ筋注では男性が4.68件、女性が0.79件、モデルナ筋注では男性11.71件、女性が2.5件であったということが報告されておりました。
この結果の表そのものにつきましても、58ページの「別添4」としまして機械翻訳したものをおつけしております。
最後に、添付文書の具体的な改訂案でございまして、15ページをご覧ください。表の左側が現行の記載、右が改訂案でございます。
まずコミナティでございますが、これまで御説明しました国内外の状況を踏まえまして、11.1.2として心筋炎、心膜炎を重大な副反応と位置づけてはどうかと考えております。
また、次のページにいっていただきまして15.1.1の冒頭、「因果関係は不明である」という記載を落としてはどうかというふうに考えております。
次に15.1.2でございますが、現行の記載としましては、他のコロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン、すなわちモデルナでございますが、モデルナ接種後の若年男性での頻度が一般集団から推測される心筋炎、心膜炎の発現頻度と比べ高いことが示唆されたという記載に現状なっておりますが、ここを今回得られましたO/E解析の結果を踏まえまして「本剤2回接種後」に変更してはどうかというふうに考えております。
最後に、15.1.3は心筋炎とは直接関係がないのですが、両ワクチンの海外の添付文書におきまして、ヒアルロン酸といった皮膚充填剤の注入歴のあるような方で、RNAワクチン接種後に注入部位周辺の腫脹が報告されているという情報提供が行われておりますので、このタイミングでこの情報についても追記し、情報提供を行いたいと考えております。
17ページをご覧ください。モデルナの添付文書の改訂案ですが、基本的に内容はコミナティと同一としておりますので説明は省略したいと思います。
添付文書の改訂の説明は以上となりまして、再び資料1-7-1のスライド61にお戻りください。
以降、説明を替わります。
○事務局 それでは、資料1-7-1、61ページ目をご覧ください。
今回、添付文書で心筋炎、心膜炎に関して重大な副反応に位置づけるということにつき御審議いただき、お認めいただきました場合につきましては、「副反応疑い報告基準の設定の考え方について」をご覧いただければと思います。こちらは、平成25年1月の予防接種部会でのまとめでございます。
まず「基本的な考え方」でございますが、1つ目の○をご覧ください。「想定される副反応をできるだけ統一的に類型化し、接種後症状が発生するまでの期間と合わせて例示した上で、これに該当するものについて、必ず報告を求める。」こちらが副反応疑い報告基準の考え方でございます。
また、2つ目の「重篤な症状について」をご覧ください。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく添付文書において、「重大な副反応」として記載されている症状については、「重篤でありかつワクチンと一定程度の科学的関連性が疑われるものと考えられることから、副反応の報告基準に類型化して定める必要がある。」とまとめられてございます。
こうした内容を踏まえ、副反応疑い報告基準の設定について御審議いただきたいと考えてございます。
また、最下段の○ですけれども、副反応報告基準に定める場合につきましては、接種後の症状が発生するまでの期間を設定する必要がございます。「副反応の報告を効率的に収集し、迅速かつ適切な措置に繋げるために、好発時期に合わせて設定するという考え方を基本として、若干の余裕を持たせて定めるべきである。」とまとめられてございます。
62ページ目をご覧ください。こちらは、新型コロナワクチン接種後に心筋炎関連事象疑い事象として報告された接種から発生日までの期間についてまとめたスライドとなってございます。
最上段、表1は「心筋炎に係る接種から発症までの期間別報告件数」を医療機関報告としてまとめたもの、表2が「心筋炎に係る接種から発症までの期間別報告件数(製造販売業者報告)」をまとめたもの、表3、表4につきましては、「心膜炎に係る接種から発症までの期間別報告件数」について、それぞれ医療機関報告と製造販売業者報告をまとめたものでございます。
一番下、まとめのところをご覧ください。接種から発症までの期間が判明しているもののうち、新型コロナワクチン接種後の心筋炎疑い事象の28日以内の発生割合は、医療機関報告で99%、製造販売業者報告で99%でございました。また、心膜炎疑い事象の28日以内の発生割合は、医療機関報告で100%、製造販売業者報告で94%でございました。
また、それぞれの表におきまして29日目以降に御報告がございましたものにつきましては、それぞれ注釈として何日目に報告があったか、何日目に発症があったかというものを載せてございますので、こちらもご覧いただければと存じます。
63ページ目をご覧ください。今回、心筋炎及び心膜炎につき、重大な副反応及び副反応報告基準に位置づけることを検討するに当たりまして、心筋炎調査票及び心膜炎の調査票を作成いたしました。
心筋炎及び心膜炎につきましては、評価に当たり当該症例に係る症状の概要等を詳細に把握する必要があることから、通常の様式に加え、調査票を作成し、報告するよう周知するということで、こちらをお認めいただきました場合には通知としてお示ししようというふうに考えてございます。
また、調査票案でございますけれども、参考資料9をご覧ください。こちらは多屋委員、あるいは座長の先生方にも御協力をいただきまして、心筋炎の調査票及び下段に心膜炎の調査票ということでそれぞれお示ししてございますので、こちらを御議論いただければと存じます。
続きまして資料1-7-1、64ページ目にお戻りください。「新型コロナワクチンの副反応疑い報告基準について」ということで、「国内外におけるワクチン接種後の心筋炎関連事象の報告状況、及び最新の副反応疑い報告数に基づくO/E解析の結果を踏まえ、新型コロナワクチンの副反応疑い報告基準について、以下のとおりとしてはどうか。」ということで、御審議いただきたいと考えております。
論点の1つ目といたしましては、新型コロナワクチンに対する副反応疑い報告基準を、心筋炎及び心膜炎についてそれぞれ期間を28日と設定することとしてはどうか、2つ目と致しまして、報告基準の対象として臨時接種の対象である全ての新型コロナワクチンにおいて同一の方向基準としてよいか、ということで御審議いただきたいと考えてございます。
続きまして、65ページ目以降をご覧ください。65ページ目から69ページ目につきましては、TTSについての「血小板減少症を伴う血栓症について」のスライドでございますけれども、こちらは大きな変化はございませんので割愛させていただきます。
71ページ目以降をご覧ください。
71ページは「死亡例に関する考え方」ということで、まとめのスライドでございます。
青囲みのうち、2つ目の○をご覧ください。こちらは、最新の死亡例の報告状況を踏まえまして、報告された症状等は虚血性心疾患、出血性脳卒中等でございました。これまでの審議会において特に注目すべき疾患として、虚血性心疾患等に関し、ワクチン接種群と人口動態統計を用いた非ワクチン接種群との比較検討を行ってきましたが、心筋炎関連事象を除いてはこれまでにワクチン接種群において死亡が多いことが明らかとなった疾患はございません。心筋炎関連事象については、ファイザー社ワクチン及び武田/モデルナ社ワクチンともに若年層において非ワクチン接種群と比べ、ワクチン接種群に死亡が多い可能性がございます。
一方、若年の死亡全体の報告頻度については一般人口と比べて低い状況でございました。
こうした状況を踏まえて、「死亡例に関する論点のまとめ」でございます。
現時点においては、個々の死亡事例については新型コロナワクチンとの因果関係があると結論づけられた事例は認めない。
一方、集団としての評価については、新型コロナワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係が統計的に明らかとなった疾患はないが、心筋炎関連事象については引き続き注視していくとともに、さらなる評価・分析を行っていくこととしてはどうか。
死亡例の報告に関しては、被接種者の属性や海外の報告状況も鑑みても、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしてよいかということで御審議いただきたいと考えてございます。
72ページ目につきましては、「最新のアナフィラキシーの報告状況の整理」をしました上で論点をまとめてございます。
73ページ目をご覧ください。こちらは、「心筋炎関連事象に関する考え方」のまとめでございます。
個別の事例としての分析に関しては、国内で報告があった心筋炎関連事象に係る副反応疑い報告事例について、現時点においては引き続き、専門家の評価により「因果関係が否定できない」とされた事例はございません。
一方で、集団としての分析に関しては、以下の状況でございます。
コロナ感染症により心筋炎を合併する確率は、ワクチン接種後に心筋炎を発症する確率と比較して高いとされてございます。
新型コロナワクチン接種後の心筋炎については、国内外において若年男性で2回目接種後の数日以内の発症報告が多いとされています。
国内の最新の報告状況に基づくO/E解析においても、ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチンともに10歳代及び20歳代の男性については一般人口と比較して報告頻度は高く、30歳代の男性については一部の解析条件において報告頻度が高い状況でございました。
一方、40歳代以上の男性及び全年代の女性については、一般人口と比較して差は認められませんでした。
ワクチン間の被接種者の属性が異なることに留意が必要でございますが、10歳代及び20歳代の男性については、引き続きファイザー社ワクチンに比べてモデルナ社ワクチン接種後の報告頻度が高い状況でございます。
一方、心筋炎関連事象疑い事例の死亡については、ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチンともに報告頻度はまれではあるものの、特に若年者については一般人口と比べて高い可能性がございます。
一方、若年者の死亡全体の報告頻度は一般人口と比べて低い状況でございました。
その転帰につきましては発症しても軽症であることが多いとされており、引き続き国内で報告があった若年男性の事例においては、転帰の確認が可能であった多くの事例で軽快または回復が確認されております。
こうした状況を踏まえまして、論点のまとめでございます。
10代及び20代の男性につきましては、ファイザー社ワクチンに比べ、モデルナ社ワクチン接種後の心筋炎関連事象が疑われる報告頻度が高いことから、引き続き十分な情報提供の上、ファイザー社ワクチンの接種も選択できることとする。また、本人がモデルナ社ワクチンの接種を希望する場合は、コロナ感染症に合併する心筋炎関連事象の発生頻度よりは低く、また若年の年代別の死亡全体の報告頻度について一般人口と比べて低いことも踏まえ、接種可能のままとする。
ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチンともに、30代の男性については引き続き注視の必要な状況ではあるが、40代以上の男性及び全年代の女性については一般人口と比較して差は認められない。
調査票に基づくブライトン分類の評価も踏まえ、今後さらなる評価・分析を行っていくとともに、海外における報告状況も注視していく。引き続き最新の情報を周知するとともに、接種後には無理をせず、胸痛等の症状出現時には早期の受診を勧めるなどの注意喚起を行っていく。また、必要に応じて、これらの対応について審議会で柔軟に検討していく。
年齢・性別別の報告頻度に係る解析結果を踏まえ、引き続き、若年男性も含めて、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないとしてよいかということで御審議いただきたいと考えてございます。
また、調査票の結果を踏まえまして行うブライトン分類の評価の和訳につきましては、こちらも案でございますけれども、参考資料8としてお示ししてございますので御参照いただければと考えてございます。
74ページ目におきましては、血小板減少症を伴う血栓症、TTSに関する考え方ということで、そのまとめ及び論点のまとめを記載してございますので御参照いただければと存じます。
75ページ目におきまして、「全体のまとめ」でございます。
全体のまとめとしましては、今回の「主な検討項目」として、死亡、アナフィラキシー、心筋炎関連事象、TTS、年齢・性別別の解析、または武田/モデルナ社ワクチンの一部ロットに係る異物混入に関する影響、こうした各項目に係る検討も含め、現時点においてワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回ると考えられ、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、引き続きワクチンの接種を継続していくこととしてよいかということで御審議いただきたいと考えてございます。
また、参考資料をご覧ください。参考資料の77ページ目でございます。こちらは本合同部会の委員の先生方、あるいはワクチン分科会の委員の先生方を含め、小児科の先生、あるいは接種を検討されているお子様やその保護者の方にとりましても重要であろう、10代以下の国内の新型ウイルス感染症の動向及び副反応疑い報告の状況について、ワクチン分科会及びアドバイザリーボードの資料に抜粋、掲載したものを77ページ目、78ページ目として載せてございます。
77ページ目につきましては、9月におきまして感染が流行したところが見て取れるグラフとなってございます。
また、78ページ目につきましては、過去の「ワクチン分科会時点における年齢別の新型コロナウイルス感染症の陽性者数等について」をまとめてございます。ワクチン分科会時点における年齢別の新型コロナウイルス感染症の陽性者数等は以下のとおりでございまして、若年についても感染者数が増加していることが見て取れるかと存じます。
続きまして、79ページ目及び80ページ目、81ページ目をご覧ください。こちらにつきましては前回のデータロックではございますけれども、「年齢別の副反応疑い報告の状況について」ということで、それぞれ1歳刻みのファイザー社ワクチン及びモデルナ社ワクチンの副反応疑い報告の頻度を載せてございますので、御参照いただければと存じます。
また、81ページ目につきましては前回の審議会での資料でもお載せしたものでございますけれども、特に心筋炎関連事象疑い報告の状況について1歳刻みで報告数及び報告頻度を載せてございますので、こちらも御参考にしていただければと存じます。
最後に、追加接種コホートの調査についてでございます。
82ページ目及び83ページ目をご覧ください。12月1日に事務連絡も発出いたしましたが、「追加接種後の健康状況に係る調査の概要」に関して御報告いたします。接種後の健康状況に係る調査、いわゆるコホート調査につきましては、本日議題にもございますが、厚生労働科学研究としてこれまで3社のワクチンについて実施してまいりました。先般12月1日よりファイザー社ワクチンの追加接種が開始されましたが、追加接種についてもコホート調査を実施する予定としておりますので御紹介させていただきます。
現時点で予定の項目も含まれておりますが、今回の調査ではこれまでの接種後1か月までの調査に加え、接種後12か月までのフォローアップを予定しております。さらに、参加者の一部については図中の赤い三角形で表現している、すなわち接種前、接種後1、3、6、12か月のタイミングで血中抗体価の測定を行うことを予定しております。
続いて83ページ目をご覧ください。追加接種に関するコホート調査としては、現時点で記載の4種類の実施を検討しております。具体的には、シリーズでファイザー・ファイザーを接種し、かつファイザー社ワクチンを追加接種するP/P-Pのパターンのほか、同様にP/P-M、M/M-P、M/M-Mの4種類となります。
現時点では、右の3種類はいずれも調整中となってございますが、P/P-P、ファイザーの3回接種につきましては国立病院機構に属する7施設及び地域医療機能推進機構に属する4施設を研究参加施設として、1,000人から最大3,000人程度を目安に調査を行う予定としております。
なお、抗体価測定の実施は、このうち最大500人程度とすることを予定しているところでございます。
事務局からの説明は、以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。数多くのデータを御紹介いただきました。
最新のワクチン接種後のデータが追加されまして、これまでの副反応疑い報告の状況について御説明をいただきました。また、本日は添付文書の改訂、副反応疑い報告基準の変更、そして調査票などについて議題が上がっているところでございます。これから審議を始めさせていただきますが、この部会は非常に専門性の高い委員の皆様がそろっていますので、ぜひ本日もそれぞれの見地、立場から御意見を頂戴したいと思っております。
それでは、まずはモデルナの回収3ロットの安全性の評価から行わせていただきたいと思っております。回収対象のモデルナのロットの論点といたしましては、新たに死亡事例が2例報告されております。このことにつきまして、異物による影響が考えられるのか、そして異物による影響の可能性も含めてワクチンと死亡との間に因果関係が考えられるかについてどう考えるか、御意見、御質問を頂戴したいと思っております。
まず、事務局にロットごとの死亡の比率といいますか、それについて何かアップデートがありましたら事務局から情報をいただけたらと思います。
○事務局 かしこまりました。
それでは、1-1-1を開いていただいてよろしいでしょうか。資料1-1-1の41ページでございます。先ほどの御説明の中で口頭で触れた部分になりますが、モデルナのロット別の報告件数を一覧表にしたものになります。こちらはデータロックの関係上、11月14日になっておりまして、先ほど私が御説明しました資料が昨日までの資料をまとめたものでして若干数字の変更がありますので、そこも含めて御説明したいと思います。
表の一番左がロットになっておりまして、中段のほうに右肩に注1、2と振っているところがございまして、こちらが異物に関連しまして回収されたロットになります。真ん中にある注1の3004667というのがこれまでに異物が実際に報告されたロットになりまして、その上、下にある注2というものが異物そのものの報告はございませんが、同じ製造環境でつくられたロットでございますので、この注1、2の3つのロットが回収されているという状況でございます。
右にいっていただきまして、これはあくまでもロットの出荷数ですので、必ずしも接種数に対応しているわけではないのですが、おおむねの目安としてロット別の納入数もおつけしておりますが、全般的なロットの出荷数というものは変わらないので、実際には件数を見ていただければ大体の頻度の差も分かるかと思います。
それで、ロットの納入数の右隣の副反応疑い報告件数は、これが報告件数そのものでして、前後の件数などと比較していただきますと、例えば3004734、4667、あるいは4956といったもの、特に報告件数が高いというふうになっているわけではないというのが分かるかと思います。また、途中回収されておりますので、そういう点も含めて高くなっていないというのはあると思います。
隣が重篤な報告件数で、さらにその隣が死亡の報告件数となっております。
それで、3004734とついているものが11月14日時点のものでして、昨日までの報告を含めますと3004734の死亡報告数3というのが4になります。その下の下の3004667、今はゼロとなっておりますが、これが1となります。
おおむねそういったところでして、報告件数そのものは回収ロットでは特に高くはなっておりませんが、3004734の死亡事例ついては、報告はちょっと上がってきているという状況でございます。
○森尾座長 事務局、どうもありがとうございました。
これを受けて、異物による影響、ワクチンと死亡との因果関係ということで、委員の皆様から何か御意見、コメントはございますでしょうか。
佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 確認なのですが、異物の混入の原因というのはこれまでの説明どおりという理解でよろしいでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 御質問ありがとうございます。事務局でございます。
10月1日に開催させていただきましたこちらの合同部会におきまして御説明させていただいておりますが、その時点から特段情報の更新はございません。
○佐藤委員 ありがとうございます。
○森尾座長 それでは、伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
今の御説明で、ロット別納入数というのがあくまでも納入数なので、回収されている分が考慮されていないということだと思うんですけれども、このうち例えば大半が回収されているようですと、実際に接種された回数は非常に少ない中で同じくらいの副反応の数になるというふうにも読めてしまうのですが、どのくらい回収されたかという情報は何かありますでしょうか。
○森尾座長 では、お願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
既に回収の引上げ作業自体は終了しておりまして、製造販売業者から回収したおおよその数量については報告を受けているところでございます。3ロット全体につきましては、合計しますとおよそ半数程度を回収しているという状況でございますが、ご覧いただいております資料1-1-1の41ページの表のとおり、3ロットについては出荷の時期に若干ずれがございまして、早く出荷しているものについては既に使用している本数が多く、そのため回収数量が減っているという傾向がございます。大まかな割合でしか申し上げられないのですけれども、一番上の3004734と、3004667につきましては回収している数量としてはおおよそ3割程度でございます。また、一番下の4956につきましては8割以上回収しているという状況ですので、誤差はございますけれども、おおよその目安としてはその逆の数字で、4734、4667につきましては7割程度使用されているというようにお考えいただければと思います。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。そうしますと、ほかのロットに比べますとやはり使用数が少ない中での数値であるというふうに見なければいけないということですよね。正確な比率というのは難しいかもしれないですけれども。
○事務局 おっしゃるとおりでございます。
○伊藤(清)委員 承知いたしました。ありがとうございます。
○事務局 ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかに御質問、コメント等いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
(委員 首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございます。既に回収されたロットということでございますけれども、この1-1-1のロットごとの評価というのは非常に重要でございますので、これからもしっかり見させていただくということが重要かと思いますが、現時点で今の異物回収ロットについての見解は大きな変更はないということで承ったと理解させていただきます。どうもありがとうございました。
それでは、「心筋炎・心膜炎について」の議論に移らせていただきたいと思います。心筋炎・心膜炎の論点としては3点ございます。
1つが今日お示しいただいた添付文書の改訂でございます。そして、副反応疑い報告基準への追加、副反応疑い報告基準の変更ということが2点目、そしてそのほかということでございますので、順番に議論をお願いしたいと思っております。
まず「添付文書の改訂について」でございます。こちらは資料1-7-1の59ページ、60ページをご覧いただけますでしょうか。私も一緒に開けさせていただきたいと思います。
こちらに事務局のほうからコミナティとモデルナの添付文書の改訂案を挙げさせていただいている状況でございますが、これにつきまして質問、御意見がございましたら承りたいと思います。委員の皆様からいかがでしょうか。
柿崎委員からお願いします。そして、山縣委員に移りたいと思います。
○柿崎委員 柿崎です。
「添付文書の改訂について」は特に異論はないのですけれども、資料1-7-1の4ページで、モデルナワクチンの年齢別の接種数があるのですが、上段の1、2回目接種した方と、下段の2回目接種した方を若年男性で比較すると、ほぼ1、2回目接種した方の半分が2回目を打たれているという計算になるかと思うのですけれども、この表からいくと交互接種を選択された方は少なかった。この時点では、2回目の接種をファイザー社に変えた方は少なかったということで理解してよろしいのでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 事務局でございます。
ありがとうございます。先生御指摘のとおり、確かに1回目接種と2回目接種の比を考えますと、おおよそ2対1ということで、1回目接種、2回目接種、多くの方が同じモデルナを打った可能性が高い、と現時点で明示的にどの程度交互接種をされたか具体的な数値がお示しできないですけれども、表でそのように見て取れるかと思います。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
それでは、山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 改訂文書に関してはこれでよいと思います。
それで、1つポイントとして、ファイザーよりもモデルナのほうがリスクが高そうに見えるのに同じでいいのかということはあると思うのですが、私はちょっと今日資料を提供できなかったのですが、モデルナでの心筋炎の発生リスクですね。リスクというのは全体の接種に関してどれくらい発生したかという割合ですが、それからファイザーの発生のリスクを引いた、要するにその差の95%信頼区間を見ることで、それが例えばゼロをまたいでいれば有意差はないし、ゼロをまたいでいなければという解析方法があるのですが、それでやると確かに20歳未満、それから20歳から29歳というのはゼロをまたがずに差が100万回当たりだと20歳未満で100万回当たり34.6で、20歳から29歳が17.6くらいの感じできているのですが、例えばこういう統計解析をすると、実は70代、80代はモデルナでゼロなので、逆にファイザーのほうが高く出てしまう。
これは何が言いたいかというと、接種をどれくらいしているのかという頻度によって変わってくるし、それからある種のレポーティングバイアスが入ってくるということがあります。ですから、こういう相対的に何倍高いということに関しては非常に重要な側面ではあるのですが、一方で前回もお話ししましたが、絶対的なリスクの視点でいったときには感染後のリスクというのは3,358人中3人というのが29歳までの人数だったと思いますが、100万人当たりでいうと過大評価してしまうのですが、0.0009という割合ですし、それからワクチン接種後のリスクとしては0.00006というふうにゼロの桁が変わります。実数としてどれぐらい多いのか、少ないのかという絶対的リスクで考慮するということも重要です。
よって、今回の場合にはそういう差はあるのですが、絶対的なリスクとしては非常に小さいものであるということは、どういうふうなリスクの書き方をするかというときの一つの視点だと思います。
ただ、そうは言っても100万回当たり1人でも2人でも重篤事例が出れば、それは非常に大きな問題であるので、それは一例一例しっかり見ていくということは当然合わせて考えていくということになると思います。
以上です。
○森尾座長 専門家の見地から非常に重要な御指摘、どうもありがとうございました。
それでは、倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 文言のところなんですけれども、59とか60ページで8.4のところに「心筋炎、心膜炎があらわれることがあるため」という表現がされています。先ほどほかの説明のところでどこにあったか今は見つからないのですが、たしか「発生する」という言葉も使っていたように思うんです。「発生する」という言葉で説明を受けたように思うのですが、ここが「あらわれる」となっているのは何か理由があるのでしょうか。私は「発生する」というほうが通常使うときにぴんとくるかなと思うのですが、この「あらわれる」という言葉が使われているのは何か理由がございますでしょうか。
○森尾座長 事務局のほうから、もしコメントがございましたらお願いできればと思います。恐らく、少しお時間を頂戴することになりそうな状況でございますが。
では、どうぞ事務局お願いします。
○事務局 御指摘ありがとうございます。そこまで文言にこだわりがあるというわけではありませんが、添付文書の全部の記載を見ましても「あらわれる」という表現を使っておりますので、整合をとる観点から、表現として「あらわれる」というのを使ったということになります。
○倉根委員 そうですか。ほかも「あらわれる」で使ってあったというところですね。
○事務局 はい、そうです。
○倉根委員 そうであれば、特に絶対に「あらわれる」がだめで、「発生する」でなければいけないとは思っておりませんが、さっき読んだときにそういうふうに感じましたので質問いたしました。そうであれば結構でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 ありがとうございます。
改訂については賛成ですが、同じく文言の問題で「添付文書の改訂について」のマル1とマル2でコミナティとモデルナを比べて、15.1.2のところでコミナティのところは「初回免疫として本剤2回」とあるんですけれども、モデルナのほうは「本剤2回」なんです。この違いは何かあるのでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 意図的に書き分けている部分でございまして、コミナティのほうは追加免疫が承認されておりまして、モデルナはされておりませんので、そこの部分を少し書き分けております。
○長谷川委員 すみません。ちょっと今よく分からなかったのですが。
○事務局 追加免疫という言葉は3回目接種のことなんですが、コミナティのほうは承認されておりましたので、そこの承認されている追加免疫という部分と初回免疫というのを使い分けて書いております。
一方、モデルナのほうはまだ追加免疫のほうが承認されていませんので、そこに触れていないという書きぶりにしております。
○長谷川委員 追加は3回目になるわけですね。
○事務局 そうです、3回目です。
○長谷川委員 分かりました。
○森尾座長 よろしいですか。追加免疫という書き方をしていますが、現時点では3回目ということですね。説明が悪くて余計混乱させていたら申し訳ありません。
ほかにいかがでしょうか。
佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。「添付文書の改訂について」は、現時点ではこれで賛成です。
今回資料の81ページはとても参考になりました。例数が少ないところで議論するのが正しいかどうか疑問があるのですが、コミナティとモデルナの副反応の発生頻度のプロファイルが若干違うのかなという感じをちょっと受けました。海外の報告で大多数が若年男性だということは間違いないのか、年齢分布は間違いないのか教えて下さい。両方のワクチンで同じ文章を当てはめてしまっていいのかというところと関連するため確認をお願いします。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 確認させていただきたいのですけれども、先生の御趣旨は、81ページのところで。
○佐藤委員 81ページだと12歳で、コミナティのほうだと女性がゼロではないということですよね。それは、最初に女性がたくさん受けていたからということなのかもしれないのですけれども。
○事務局 もともとコミナティのほうが、どうしても接種人数が多いというのは事実としてあります。
○佐藤委員 そういうことを考えると、母集団を大きくするにはやはり海外のデータに当たるしかないのかなと思いました。その場合にそういった偏りが実際どうなのかなとちょっと気になったということです。
○事務局 先生の御趣旨は海外との比較で、こちらの日本のデータがそれに沿っているかどうかということだというふうに認識をいたしました。
○佐藤委員 はい。
○事務局 その点に関していいますと、海外では一般的に男性の若年者が高いというふうに言われているということは事実としてあります。
ただ、その詳細なデータは私も、今、にわかに思い出し切れないんですけれども、どうしても海外の副作用報告制度と日本の副作用報告制度が若干異なりますので、なかなかそれを一律に比較するというのはできないというのが、申し訳ないですけれども、今の正直なところであります。
○佐藤委員 今後、年齢を下げて打っていくことを検討していかなくてはいけないときに、全く同じ添付文書でいいのかなというのがちょっと気になったというところです。今後、海外で、お子さんの接種データが増えてくれば、また色々と分かってくることもあるかとは思うのですが、今回全く同じ文章だったのでちょっと気になっているというところです。
○事務局 ありがとうございます。それにつきましても、今後小児のデータが増えてくると思いますので、男性だけに集中するわけではなくて、両性について同様に注視した上で対応していくということをやっていきたいと思います。
○佐藤委員 お願いします。ありがとうございます。
○森尾座長 では、どうぞお願いします。
○事務局 佐藤先生の御指摘につきまして、事務局から少し追加させていただきます。
先生御指摘のとおり、海外の状況は非常に重要だと思っております。今回、少し詳細を御説明しなかった点もございますが、例えばイギリスでございますと資料1-7-1の53ページ等に10歳区切りのものでございますが、心筋炎の発生率等を紹介させていただいております。また、先ほど添付文書改訂のところの御説明もさせていただきましたが、ドイツやフランスの状況など、分かる範囲で調べていこうと思っております。
先生から御指摘いただきました先ほどの81ページですが、年齢の1歳刻みというのはなかなかまだ海外ではそこまでの情報を出しているということはございませんが、10歳ごとに区切るですとか、そういった形で海外の新しい情報と比較してこれからもお示ししていきたいと思っております。
以上でございます。
○佐藤委員 よろしくお願いします。
○森尾座長 ありがとうございました。若年データはこれからも国内外データ集積が課題ということで承りました。
事務局からありますか。
○事務局 追加で補足いたします。
81のスライドにつきましては、1歳刻みのものでして報告件数が非常に少ないので、このデータをもって何か書きぶりを変えるというのは考えていないということがまずあります。
あとは、海外の記載に関しましてはちょっと別の資料ですが、資料1-8の12ページ以降に海外の添付文書の記載を記載しておりまして、確認いたしますと、特に今の段階でコミナティ、モデルナで年齢をさらに細かく切ったような表現はない状況ですし、あるいはO/E解析の結果を踏まえまして今回の記載はこういうふうに考えております。またもし何か新たな知見が得られるということでありましたら、適宜更新を考えていきたいと思います。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
添付文書の改訂案で、今、副反応の11.1.2のところに「重大な副反応」の2つ目として「心筋炎、心膜炎」を入れるという案だと思うんですけれども、現行の添付文書を見ますと11.1のところに「ショック、アナフィラキシー」とあって、「本剤接種後にショック、アナフィラキシーが認められた被接種者に対しては、以降の本剤の接種を行わないこと」というのがあるんですが、これについては心筋炎、心膜炎についても「以降の本剤の接種は行わないこと」というような文言を付け加えるということになりますでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
ちょっと難しい課題をいただいた感じがしますが、事務局どうぞ。
○事務局 御指摘ありがとうございます。添付文書の改訂の案文を検討するときに、もちろん「ショック、アナフィラキシー」では記載がありますので、心筋炎についてもどうするかというのは検討しております。
ただ、今の段階で何か書けるような情報があったというわけではありませんので、今回はまずは「心筋炎、心膜炎」という文言を入れてはどうかというふうに考えております。
○伊藤(清)委員 そうしますと、今11.1というのが「ショック、アナフィラキシー」だけなわけですけれども、具体的な案がどういうふうになるのかなとちょっと思ったのですが。
○事務局 参考資料の中にコミナティの添付文書を入れておりますので、ここを見ながらというふうにお願いできればと思います。コミナティの添付文書を開いていただきまして。
○森尾座長 文書番号は。
○事務局 参考資料の1です。
○森尾座長 それでは、参考資料の1をお開けください。
○事務局 参考資料1でございます。コミナティの添付文書でして、2ページ目の部分が具体的な追記の箇所になります。2ページ目の左側の中段くらいのところに「重大な副反応」というのがありますけれども、まず前提としまして「11.副反応」ということですので、「次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。」というのが全体でかかっておりまして、11.1で「重大な副反応」として「ショック、アナフィラキシー」で、御指摘いただいたような文言があるという状況です。
その下に「心筋炎、心膜炎」という単語を足すというのが全般的なイメージになります。
○伊藤(清)委員 分かりました。そうしますと、「心筋炎、心膜炎」の場合は「以降の本剤の接種を行わないこと」は当てはまらないような感じの書き方に取りあえずはなるということですね。
○事務局 今は「行わないこと」という文言を足せるほどのエビデンスがありませんので、今回は「心筋炎、心膜炎」という単語を足したらどうかということになります。
○伊藤(清)委員 承知いたしました。ありがとうございます。
○森尾座長 それに関連して、岡委員、お願いいたします。
○岡委員 ありがとうございます。
今の伊藤委員の御意見というのは非常に注目されているところで、最近の症例報告でもワクチン後の心筋炎のお子さんが2回目の接種のときに心筋炎と分かったんだけれども、1回目のワクチン接種の後に胸痛を訴えたという記載もあったりして、そこをどうしようかというのは非常にポイントになっていて注目されています。
ただ、例えばCOVID-19で心筋炎になったお子さん自身も、その方自身も一定期間後にはワクチンを接種していいということに現時点ではなっておりますので、それをひっくり返すというのは現時点では十分エビデンスがないのかなと、もう少し経過を見ながらということになるかなと思っています。
それで、何らかの感受性、こういう疾患というのは大体そうですけれども、例えば心筋炎の家族歴のある方の中にどうも多そうだとか、そういったようなレポートも出てきていますので、もう少しそういう情報を整理して添付文書に書き足すかどうかというのをこの部会で検討していければいいかと思いますので、もう少し情報を集める必要があるかと思っています。
アナフィラキシーはやはりアレルギーですので、一回なったらもうやめてくれというのは皆さんアグリーされると思うんですけれども、こちらは必ずしもアレルギー、免疫性とも言えないので非常に難しいところかと思っています。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。ここで割と盛り上がりました。
舟越委員、どうぞお願いします。
○舟越委員 舟越です。
今回の心筋炎、心膜炎の改訂については異議、異論はございません。非常に細かいところなのですが、皮膚充填剤のことも今回新たに加えるというところで、たしかモデルナとかコミナティの申請書類の中に、アメリカでの臨床試験のフェーズ3でこういった顔面の部分、浮腫が報告されたというものが書かれているのですが、その中には実際に接種から1日後、または2日後に報告されて、しかも重篤であった、またはワクチンとの関連性が高かったと明記されているんです。
それで、今回の改訂のほうには実際には関連性不明だったり、どれぐらいの時期に起きている、またはその可能性のところについては、承認申請の書類と、企業側のコメントと、この添付文書の改訂の表現に少し違和感を覚えるという部分と、実際にこちらについてそういったところをちょっと抽象的にしている理由というのが何かございましたら事務局のほうからコメントをいただきたいと思います。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
では、事務局お願いします。
○事務局 それでは、取りあえずモデルナのほうで御紹介します。参考資料の2でございます。
参考資料2にモデルナの添付文書をつけておりまして、具体的には2ページを見ていただきまして11.2の「その他の副反応」のところをご覧いただければいいと思います。
先生からまさに御指摘いただいた状況でして、その他の部分に実は「顔面腫脹」というものは入れております。
ただ、皮膚充填剤のお話は具体的に情報提供したほうがいいのではないかという趣旨で今回御提案をしたというものになります。
それで、コミナティのほうに関しましては「過敏症」という形の表記になっておりますので、ここは追記してはどうかというのが今回の趣旨になります。
○舟越委員 ちなみに、モデルナの申請書には「重篤」と書いてあって、その他副作用等に書かれている場合はどうなのかなと思ったのですけれども、どう重篤だったのかもその申請書類では分からないし、しかも申請段階では2例だったので何とも言えないところなのですが、そこの重篤というのはどういうグレードだったのかというところまでは分からないでしょうか。
○事務局 ちょっと今は分かりかねます。申し訳ありません。
○森尾座長 ありがとうございます。では、調べさせていただいて、と思います。
伊藤清美委員、お願いします。
○伊藤(清)委員 何度もすみません。今、資料の2を拝見していて気がついたのですけれども、モデルナのほうは「重大な副反応」の「ショック、アナフィラキシー」のところに先ほどのコミナティみたいに、以降の本剤の接種を行わないことというような記載がないのは何か理由があるのでしょうか。
○森尾座長 こちらはいかがでしょうか。これは、平仄を合わせたほうがよさそうな感じがしますね。
○事務局 ありがとうございます。御指摘を踏まえまして、検討いたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○森尾座長 御指摘どうもありがとうございました。
もう少し時間がかかりますかね。では、後ほど先ほどの御質問については回答させていただきます。ほかに「添付文書の改訂について」はよろしいでしょうか。
(委員 首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、2点目も重要なことでございまして、報告基準への追加についてということでございます。心筋炎、心膜炎を報告基準に追加することについて、先ほどの資料1-7-1の64ページに事務局から報告基準の改訂案が挙げられております。こちらにつきまして御意見、御質問があれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
調査票も含めて、多屋委員いかがでしょうか。
○多屋委員 ありがとうございます。多屋です。
ここに含めるということについては、全く異論はありません。接種からの発生までの日数も、先ほど表に示していただきましたように28日ということに規定していただければ、ほぼ全例に近い把握ができると思いますので、こちらについても異論ございません。
調査票につきましては、PMDAの皆様がブライトン分類を翻訳してくださって今回の参考資料にも入れてくださっていますが、それを基に感染研のメンバーと、座長の先生と一緒に相談してつくったものになります。少し詳細なものになりますけれども、これを報告していただくことでブライトン分類に基づいて評価することができるようになりますので、調査票としては2ページにわたるものになりますが、何とぞ御協力いただければと思います。
私からは、以上です。
○森尾座長 調査票の作成につきまして、本当にありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 私も、調査票にこのように載せることには異論ありません。
ただ、質問といいますか、もし分かっていればですが、心筋炎のほうはファイザーもモデルナも同じようなパターンで報告数が並んでいるように思うのですが、心膜炎を見るとモデルナは大体5日までに症状が出て、ファイザーは少しそれを過ぎた日でもぽつぽつと出てくる。これは、モデルナの例数がまだ十分でないのでこういう分布になっていると考えればいいのかなと思って拝見しているのですが、今のところそういう考えでよろしいでしょうか。
○森尾座長 どうもありがとうございます。モデルナだと5日目くらいまでが多くて、コミナティはちょっと後ろのほうでもぱらぱらあるということで、いろんな報告の課題とか、真の心筋炎をつかまえているかどうかということもあるかと思いますが、事務局から何かございますでしょうか。
事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
こちらにお出しした表の数値について、その差がどのようなものかということについては考察まではしていないのが現状ではございますけれども、今、森尾先生からも御指摘がございましたとおり、例えばやはり接種離れた、ファイザーで言いますと医療機関報告で11日目とか15日目、17日目で御報告されているものが本当に真のワクチン接種に関連した心膜炎であったかについては、まさに今回作成いただきました調査票に基づいて整理していくことで、さらにその状況が明らかになってくるのではないかと思ってございます。現時点ではまだ疑い報告を基準として広めに取るという考え方に立って、28日という設定としてよいかということで御審議いただきたいと考えてございます。
以上でございます。
○倉根委員 ありがとうございます。理解いたしました。
○森尾座長 ありがとうございます。これから調査票ができて、さらにしっかりと解析ができるような状況かと思っております。
ほかにはいかがでしょうか。
伊藤澄信委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
実際の現場のことを考えると、ここに書いてある28日という数字が発症しやすい時期のイメージを随分長くしてしまっていて、この心筋炎とか心膜炎の起きるのが1週間前後までが多いと思いますが、28とすることによってディテクトする範囲が広くなり過ぎるメッセージがあるのではないか。14日ではちょっと短過ぎるのでしょうけれども、例えば21くらいにセットして、その後それより後の発症が出てくるようだったら28に広げるとか、どちらがいいのか分かりませんが、臨床医へのメッセージを考えると、いたずらに長過ぎるのは誤解を生むのではないかと少し懸念いたします。
○森尾座長 臨床側からの視点、どうもありがとうございます。28から21にするか、21から28にしていくか。
事務局、お願いします。
○事務局 伊藤先生、ありがとうございます。
御指摘のとおり、確かに報告を求める期間を28日と設定をすることで、ワクチン接種後の心筋炎については28日まで発症しうるというような捉え方をされる可能性も確かにゼロではございませんけれども、そもそもこの副反応疑い報告基準自体が因果関係は疑わないものであっても、接種後にこれらの症状が出た場合には全て報告することを義務づけるものでございますので、まずは広くこの報告基準で収集させていただきまして、その中で今回設計させていただいた調査票に基づいてさらに精緻に評価していく。そういった構造になっているのかと承知してございます。
ですから、部会のメッセージとしては引き続き数日以内に基本的には起きるものが多いというメッセージを出し続け注意喚起を行っていくことでよいのではないか、と考えてございます。
以上でございます。
○森尾座長 どうぞ、宮川委員お願いします。
○宮川委員 伊藤澄信委員の意見に、私自身は臨床医としては賛成です。
しかしながら、今、事務局が言ったように、広く見てしっかりとサポートしていく体制をつくっていくというのは重要なことだと思います。そして、しかるべき時期にその28というのが妥当なのかどうかということもしっかりと議論していくという順番を立てていくことが重要なのかなと思っています。
しかしながら、その中で実際に起こり得るそういう頻度が高いところはしっかりとメッセージとして出していく。そういうようなことを続けていくのが本来の形だろうと理解しておりますので、よろしくお願いします。
○森尾座長 よろしいでしょうか。発症時期情報については引き続き発信をしていくということかと思っております。ありがとうございます。
ほかには報告基準への追加について御意見、御質問等ございませんでしょうか。
では、お願いいたします。
○事務局 先ほど伊藤先生から御指摘いただきましたコミナティとモデルナについての11の「副反応」のところに、ショック、アナフィラキシーは2回目の接種を行わないことについてモデルナにはそれが書かれていないという御指摘をいただきました。
その件ですが、詳細はどうしてかということは、この場では明確には申し上げられないのですけれども、モデルナのほうにも8項目の「重要な基本的注意」の中で、ショック、アナフィラキシーが発現した場合には2回目の接種は行わないことになっておりまして、実際には同様の規定になっています。この辺の整合性というか、平仄がそろっていないことについては直すことも考えていきたいと思っております。
以上です。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○森尾座長 事務局、別のところに書いてあるということですね。
○事務局 そういうことになります。
○森尾座長 宿題も頂戴いたしました。ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 顔面浮腫についてなのですけれども、確かにワクチンが始まる頃から海外の論文等には記載されていたのですが、ただ、ここに書かれても注意のしようがないように思うのですけれども、何かお考えがありますでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 事務局でございます。
こういう症状が出たら注意するということではございませんが、治験の結果や、実際に国内で接種した後に出た副反応の結果として、必要に応じて添付文書にこういった副反応が起き得ますと書いていくということで今は考えてございます。また、先生がおっしゃるように海外も含めていろいろ情報がアップデートされていくかと思いますので、注意してまいりたいと思います。
○多屋委員 ありがとうございます。
○森尾座長 資料を確認しなくてあれですが、過去に同成分で反応があった方は注意ということも含んでということでしょうか。
ヒアルロン酸でしたか。そうじゃなくてでしたか。それを含めてでしたか。ヒアルロン酸で何か起こした方は要注意という感じの含みでしょうか。
○事務局 そうですね。1-7のほうの資料ですとそこの記載は飛ばされていますので、1-8を開いていただきますと具体的な案文をつけております。
1-8の18ページになります。モデルナですと18ページになりまして、15.1.3の部分です。御指摘の点は、皮膚充填剤です。
○森尾座長 皮膚充填剤の注入歴のある方ということですね。
○事務局 はい。
○森尾座長 ちょっとここの説明はスキップされたでしょうか。
どうぞ、宮川委員お願いします。
○宮川委員 宮川です。
皮膚充填剤というのは単一ではないので、複数いろいろな物質が混在しているということがあるものですから、そこでこのような注意喚起をするということは重要だろうと思います。
ただ、それは原因が1つではないということをしっかり理解していくということは臨床上、必要だろうと考えています。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
こちらについて、続けて何か御質問とか意見はございますでしょうか。よろしいですか。
(委員 首肯)
○森尾座長 ありがとうございます。それでは、報告基準の追加についての議論はここまでとさせていただきたいと思います。皮膚充填剤のところは少しもんでいただいて整理ということでしょうか。
○事務局 皮膚充填剤の関連の追記に関しましてはこのような形でよろしければさせていただきたいと存じます。
○森尾座長 この形で追記ということは御承認いただきたいということで御議論いただいています。
石井委員、よろしくお願いします。
○石井委員 ありがとうございます。
今、追記ということですが、例えば予診時にヒアリングをするとか、患者さんから聞かなければいけないとか、そういう見解になっていくのでしょうか。皮膚充填剤を注入したことがある人はこういった副反応が起きる可能性があるのであれば、これらの情報を示した上で接種ということにいずれなっていくのでしょうか。
○森尾座長 予診票の中で含まれているかどうかということでございますが、いかがでしょうか。
○事務局 まだ情報提供資材自体が出来上がっているわけではありませんけれども、こういった注意喚起をするということにはなると思いますが、添付文書に書かれているように、海外で報告があるということだけでありまして、これがあったら接種は絶対だめということではありませんので、そういう注意喚起をしていくということだと思っております。
○石井委員 ありがとうございます。実際の重篤度ですとか、そこからの処置がちょっと資料からは分かりませんので、そういったことも踏まえての対応になると思います。
以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。またまとめて情報を頂戴するという形で、この添付文書の改訂につきましてはこの形での情報提供ということでよろしいですか。
宮川委員が情報を集めていただいたようでございます。
○宮川委員 先ほど皮膚充填剤という中にはいろいろな成分が入っているというお話をしましたけれども、皮膚充填剤はほとんどがヒアルロン酸なのですが、いろいろ複雑な成分が混在しています。その中にポリソルベート20も入っていたりするので、実際にその物質に反応を起こしたことがある可能性も出てくるだろうということで注意喚起は必要です。しかしながらそれがどのくらいの頻度かということは不明です。それで、実臨床上、絶対に注意喚起をしなければいけないかどうかというのは非常に難しい話なのではないかと感じました。ほかにも充填として使うわけではなく、塗布するものもあるわけですから、今までの中でそれに対してアレルギーのあった方という形と同じような注意喚起になるのではないかと思っています。
以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
ほかに委員の皆様から何か御意見、コメントはございますでしょうか。よろしいですか。
(委員 首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、そのほかについてお諮りしたいと思います。心膜炎、心筋炎への対応についてということで、資料1-7-1の73ページに事務局からそのほかの論点が挙げられております。ちょっと皆様でご覧いただいてと思いますけれども、こちらを読み上げることはいたしませんが、ここに書かれている文章をもう一度ご覧いただきまして、御意見、御質問のある方は承りたいと思います。1-7-1の73ページでございます。
岡委員、お願いいたします。
○岡委員 今回もO/E解析をしていただいてどうもありがとうございます。
30代の男性をどうするのかというのは本当に悩ましいところかと思っておりますけれども、確かに30代の男性も少しバックグラウンドよりは心筋炎の発生率が高いのかなというふうに思うのですけれども、ただ、先ほど山縣委員もおっしゃったように絶対頻度はやはり低いので、ここでの書き方で、今後も30代については注意して見ていくという書き方でよろしいのかなというふうには思っています。その点が一番、今回の解析を見せていただいて思ったことになります。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。10代、20代につきましては、前回から変更がないという形でございます。よろしいでしょうか。
(委員 首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、死亡報告に移りたいと思います。死亡事例の報告につきましては、同じ資料の71ページ目に事務局から論点が挙げられております。こちらを皆様にご覧いただきまして、御意見、御質問のある方は承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
岡委員、お願いいたします。
○岡委員 あまり御発言がないようなので、論点としては今回調査票のお話が出ましたけれども、心筋炎に関する調査票が出てくることによっていろいろ心筋炎に関する情報ももう少し抽出できるのかなと思います。
そうなりますと情報の精度が上がるので、例えば心筋炎については死亡についてバックグラウンドよりも高いのかもしれないとか、まだ現時点では確定していない情報がありますので、そういったようなところが今後、より正確に把握できるのかなということで期待をしております。
ですので、現時点としてはこういったような書きぶりでいいのかなと思っております。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
2つ目のところの書きぶりということでございますけれども、やはり心筋炎関連事象については引き続き注視をしていくということと、そして、評価、解析、分析を行っていくということの記載でございます。
ほかの部分については、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(委員 首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、引き続きましてアナフィラキシー報告についてでございます。資料1-7-1の72ページにおいて、事務局から論点が挙げられてございます。大きなトレンドの変更もないという状況でございますが、こちらにつきまして何か御意見、質問のある方がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
こちらもよろしいでしょうか。
(委員 首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございます。
それでは、続きましてTTSについてでございます。TTS疑い事例については、74ページに事務局から論点が挙げられております。こちらも状況につきましては大きな変化はないというふうに考えておりますが、皆様のほうから何か御意見、御質問がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
(委員 首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございます。
それでは、次に年齢・性別解析について、同じ資料の75ページ目に論点が挙げられております。こちらにつきまして、御意見、御質問がありましたら承りたいと思います。特に今は心筋炎、心膜炎関連事象ということで、年齢別、性別ごとということで注目をして解析を進めているということでございますが、そのほかも含めまして何か御質問、御意見がありましたら承りたいと思います。
岡委員、お願いします。
○岡委員 ありがとうございます。
全体のことなんですけれども、副反応としてまず死亡のことをやって、アナフィラキシーをやって、心筋炎をやって、TTSを検討することになっています。例えばTTSについて言いますと、やはりアストラゼネカの接種がそんなに進んでいないということもあって、ブライトン分類で高そうだと判定される例もそんなに出てこないという状況で、検討することになっています。少し整理していかないと、非常に膨大な資料をつくっていただくのは事務局の方、PMDAの方は本当に大変だと思うんですけれども、ただ、これを全部毎回議論していますと、今日も既に2時間以上かかっていて、一番大事なことが何なのかということがだんだん見えにくくなってくるかなと思っています。
これから3回目接種が始まって、先ほども御質問があったように交差接種のことが出てきて、それからまだ分科会では承認されていないですけれども、5歳から11歳の接種が始まって、そして今日も大事な添付文書の記載の変更ですね。そこで非常に丁寧に皆さんの御意見をいただいたりして、1回の会議で処理できる量として進め方はやはりちょっと考えていただいたほうがいいのかなと思います。
それで、今後はある程度、特に死亡例等についても前回の会議でまとめをしていただいて、シグナルとして挙がっている疾患は心筋炎以外は特にないということが一応はっきりしていますので、今後は2回までの接種についてはロットの違いとか、そういうことに注目していくことで私はいいのではないかなと思っております。むしろロットの違いとか、そういうことについてはこれまで以上に注意していくべきだろうと思います。
ただ、今後3回目接種等が出てきますので、そういう意味で今のままの議論の進め方、資料の出され方をしてしまうと本当の大事なことが見えにくくなるように思いますので、資料として提供されるけれども割愛される部分とか、その辺りをちょっと考えていただかないと、非常に会議だけが長くなるというか、すみませんが、すごく膨大な資料を御準備いただいているのでそのお時間のほうがずっと長いことは承知しているんですけれども、今後いろいろなことをこの会議の場で判断するのに難しくなるかなというふうにちょっと思っております。
今回は添付文書の改訂とか、評価票とか、この辺りがポイントだったと思いますので、そこの部分にしっかり時間を取れるような形にしていただいたほうがいいかなと思っています。
以上です。
○森尾座長 貴重な御意見ありがとうございました。年齢・性別解析というところの論点の話もさせていただきながらですが、そのほかの副反応についてということで関連して御質問、御意見を承りたいと思っております。
岡委員のほうから御指摘をいただきまして、第1回目、第2回目の接種については大分トレンドというのが分かってきておりますけれども、その中でロットごとの違いというところは重要であり、若年者の接種が行われる中でその解析もやはり重要だということは引き続きポイントだと思っておりまして、そこについてやはり重点的に見ていくべきだという点が1つ目かなと思います。
あとはこれからの話でありますけれども、岡委員のほうからも御指摘がありましたが、やはりどうしても3回目の接種というところをしっかりこの部会としても見ていかなければいけないというところは間違いなくて、いろいろな形での解析が必要になってくるのだろうと思っております。ぜひ御意見を頂戴できればと思っています。
そして、若年層に関しての接種はまだワクチン予防接種分科会のほうでも5歳から11歳というところが認められていない状況ではございますけれども、ちょっと頭の体操として皆様に考えておいていただいて、その中で先ほども年齢別のということで御意見、そしてデータについての質問を頂戴したものというふうに考えております。
もう一点が交互接種ということでありまして、こちらはこれから調査も入るということでありますけれども、これもかなりある意味、複雑な解析を出していただいて皆様から御意見を頂戴するということがございますので、本当に膨大なデータをいつもまとめていただいてそれを私たちが評価をするという中で、しっかりとトレンドを追うところは追いつつも、焦点を絞ったところの解析ということがやはり必要であり、これは国民の皆様も期待しているところだと思いますので、こちらについてぜひ事務局のほうでもお考えいただいて進めていただけたらと思っております。
事務局、お願いいたします。
○事務局 どうもありがとうございます。
岡先生が言われるところは我々もどうしようか、すごく悩んだところでございまして、1回目、2回目でほぼトレンドが分かってきたかなと思っています。特にアナフィラキシーは最初の頃はいろいろありましたけれども、かなり明らかになってきているというふうに思っています。むしろ若年層への接種だとか、また、3回目にどういったことが起きるのかどうかは明確な市販後のデータはありません。3回目については、治験データではあまり変わらないというふうに私は認識しているんですけれども、そういう前提に立った上で効率化について考えていきたいと思います。
現状では、PMDAの専門家による評価を、報告があった全ての疾病について、個別に全部やっておりますが、それを一律やることがいいのかどうかというのは若干どうかと思っているところもありまして、例えばそれらを多屋先生が言われているようなピックアップすべき疾患に絞ってやるとか。アナフィラキシーなどのトレンドがわかってきている事項については審議会で特に何かおかしなことがなければそのまま前回と同じということを示すだけにして特別な議論をしていただかないようにするとか、そんなことを考えていきたいと思っています。
以上の対応については、次回までに両座長と相談しながら案をつくって示したいと思います。その上で、座長とも相談しつつ、先生方が恐らく問題ないだろうというものについて、早速にもやっていきたいと思います。次回何らかの案を示していきたいというふうに思っております。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
委員の皆様も、その方向性でよろしいでしょうか。アナフィラキシー、TTS等はもちろんアラームとかシグナルが出れば深掘りをさせていただくということでございますが、若干のある意味軽重をつけながらと思っております。どうも重要な点ありがとうございました。
ほかに、そのほかの副反応についてということで、コロナウイルス全般につきまして何かございますでしょうか。よろしいですか。
(委員 首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、今まで議論された内容をまとめさせていただきます。
これまで確認された内容といたしましては、まず「モデルナの回収ロットについて」ですけれども、モデルナの回収ロットにおける死亡事例については前回の集計対象以降、異物混入の報告があったロットから1例、異物混入の報告がない1ロットから1例の報告がありました。専門家による評価では、これまでに報告された5例については異物が死亡に影響を与えた可能性や死亡との因果関係について現時点では評価できないとされました。
なお、死亡以外の副反応疑い事例については、現時点においてほかのロットに比べて明らかな頻度の増加や、mRNAワクチンの副反応疑い事例として特異な報告はなされておりません。
回収ロットにおける死亡については、引き続き副反応の報告状況等を注視し、慎重に必要な調査検討を行っていく必要がある。
既に関連するロットは回収が行われており、特定ロットに限定されたリスクであることから、ワクチン接種を継続していくことについては問題ないと考えられるということでございます。
「副反応疑い報告の状況」につきましては、集計対象期間における医療機関からの副反応疑い報告の頻度を整理すると、コミナティは0.02%、モデルナは0.01%、バキスゼブリアは0.01%でございました。
「死亡事例」について報告状況を整理させていただきますと、コミナティについては前回の集計対象期間から11月14日日曜日までに新たに46件の死亡事例の報告がありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された1,315例については、1,308件がγ、7件がβと評価されました。また、11月15日月曜日から11月26日金曜日までにはさらに16件の報告がございました。
モデルナについては、前回の集計対象期間から、11月14日日曜日までに新たに7件の死亡事例の報告がありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された53件については、52件がγ、1件がβと評価されました。また、11月15日月曜日から11月26日金曜日までにさらに3件の報告がありました。
バキスゼブリアについては、接種開始以降、11月26日金曜日までに死亡事例の報告はありませんでした。
心筋炎関連の死亡事象については引き続き注視が必要であるものの、死亡例の報告については引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられる、とまとめさせていただいております。
「アナフィラキシー」についてでございます。
アナフィラキシー疑い事例の報告では、集計対象期間中に、コミナティについては製造販売業者から3,012件の報告があり、ブライトン分類レベル1~3に分類されたものは581件でした。
モデルナについては製造販売業者から504件の報告があり、ブライトン分類レベル1~3に分類されたものは50件でありました。
バキスゼブリアについては医療機関から5件の報告があり、ブライトン分類レベル1~3に分類されたものはありませんでした。
アナフィラキシー疑いとして報告され、転帰が確認されたほとんどの例で軽快したことが確認されています。
以上のことから、現時点においてワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとまとめております。
「心筋炎・心膜炎について」でございます。
集団としての状況をまとめますと、前提としてCOVID-19感染症により心筋炎を合併する確率はワクチン接種後に心筋炎を発症する確率と比較して高い。
最新の副反応疑い報告数に基づき、O/E解析を改めて実施した結果、コミナティ、モデルナともに、2回接種後の若年男性で心筋炎関連事象の報告頻度が高いことが示唆されました。また、フランス及びドイツにおいては、若年者に対してはコミナティ筋注を推奨するとの方針がデータとともに示されています。
心筋炎関連事象の転帰は、発症しても軽症であることが多いとされております。国内で報告があった若年男性の事例では死亡例や重症例も報告されていますが、引き続き転帰が確認可能であった多くの事例で軽快または回復が確認されています。
以上のことから、心筋炎関連事象については国内外の報告状況を踏まえ、添付文書において重大な副反応に位置づけるとともに副反応疑い報告基準へ追加し、そして調査票におけるブライトン分類評価も踏まえ、今後さらなる評価分析を行っていきます。
また、10歳代及び20歳代の男性については、コミナティに比べてモデルナ接種後の心筋炎関連事象が疑われる報告頻度が明らかに高いことから、引き続き十分な情報提供の上、コミナティの接種も選択できることといたします。
心筋炎関連事象疑い報告の状況や、海外における報告状況を注視してまいります。引き続き最新の情報を周知するとともに、接種後には無理をせず、胸痛等の症状出現時に早期の受診を勧めるなどの注意喚起を行います。また、重症例や予後不良例などについて引き続き情報収集を行い、必要に応じて審議会で柔軟に検討してまいります。
引き続き、若年男性も含めて、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただいております。
「TTSについて」でございます。
TTS疑い事例の報告では、コミナティについては接種開始から11月14日までに製造販売業者からの報告において、ブライトン分類レベル1~3に分類されたものは16件でございました。また、専門家による因果関係評価では、いずれもγと評価されております。
モデルナについては、接種開始から11月14日までに製造販売業者からの報告において、ブライトン分類レベル1~3に分類されたものは3件でございました。また、専門家による因果関係評価ではいずれもγと評価されました。
バキスゼブリアについては、接種開始から11月21日までに医療機関からの報告において、ブライトン分類レベル1~3に分類されたものは1件でございました。また、専門家における因果関係評価ではαと評価されました。
引き続き国内の接種状況を踏まえつつ、国内外における報告状況を注視していくとともに、最新の情報の周知及び注意喚起を行ってまいります。
現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
「年齢・性別解析について」は、年齢、性別ごとの解析結果を踏まえた上で、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるというふうにまとめております。
そして、そのほかのところで、これからの進め方ということで、ある程度焦点を絞った審議の進め方、そして3回目の追加接種についてやはりしっかりと見ていく必要がある。
そして、若年層、5歳から11歳の接種も視野に入れた解析についてのこれからの方向性、そして交互接種についてもしっかりと解析をしていったほうがいいであろうというふうな意見を頂戴しております。
このようなまとめ方でよろしいでしょうか。
1つ、私は審議させていただかなければいけない点を逃しておりまして、こちらについて事務局のほうが恐らく心配していると思います。
資料1-9が諮問事項となっておりますので、事務局のほうからお願いできればと思います。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
こちらにお越しいただいている先生には、資料1-9は机上配付資料としてございますのでご覧ください。また、ウェブでの参加の先生方におかれましてはホームページ上で既に公開してございますので、そちらから資料1-9をご覧いただければと思います。
今回お諮りさせていただいております、添付文書に「重大な副反応」として心筋炎及び心膜炎を入れるということで御審議いただき、お認めいただきました場合においては、先ほどパワーポイントの資料でも御紹介してまいりましたとおり、副反応疑い報告基準に定める、こちらが省令改正を伴うものとなってございます。
資料1-9におきましては、厚生労働大臣から諮問書ということで厚生科学審議会長、さらにそれを受けまして予防接種ワクチン分科会長、それを受けましてワクチン分科会副反応検討部会長の森尾先生のほうに、「「予防接種法施行規則の一部を改正する省令案要綱」について」ということで、この表記について12月3日付厚生労働省発健1203第1号をもって厚生労働省大臣から諮問があったので、厚生科学審議会運営規程第7条第2項の規定に基づき、この部会において御審議願いたいということで、諮問事項となっております。
それを受けまして4ページ目でございますけれども、具体的には「予防接種法施行規則の一部を改正する省令案要綱」といたしまして、内容としましては先ほどのとおりでございますけれども、それぞれ心筋炎を28日、心膜炎を28日と、副反応疑い報告基準として運用していくことについての審議事項となってございます。
また、施行の期日については、この省令は交付の日から施行するものとされてございます。
以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。こちらは審議させていただく内容でございまして、今、ご覧いただきましたように省令案要綱ということでの追加ということがございます。
こちらについて先ほども審議させていただきましたけれども、もし特段の御意見がなければこのような形で、この部会として認めさせていただいたものとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(委員 首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございました。ちょっと前後して申し訳ございませんでした。
それでは、今回報告のありました具体的な事例を踏まえ、3種類の新型コロナワクチンについて現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、もし御意見がございましたら承りたいと思いますが、よろしいですか。御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性について重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(委員 首肯)
○森尾座長 皆様、首肯していただいたと認識いたしました。どうもありがとうございました。
それでは、次の議題といたしまして、資料2「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)健康観察日誌集計の中間報告(17)」について、伊藤澄信委員から御説明をよろしくお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
本日で17回目の報告になりました。本日は、モデルナ筋注のデータのリバイスと、アストラゼネカ社の2回目接種の結果を中心に説明させていただきます。
モデルナ筋注は自衛隊の方々を中心に9月7日までに2回目接種を終えておりますが、海外勤務などの関係で調査票の回収が少し遅れております。そうではありますが、1万2000例近くのデータになりましたので、一度データのリバイスを行っております。定性的な状況に変わりはありませんが、3回目接種に関連すると思われるスライドのみを説明させていただきます。
14ページをご覧いただければと思います。
SAEなどの報告を書いておりますが、最下段に、終了報告を記載しております。1万1255人の方の2回目接種終了から1か月、初回接種からトータルで2か月になりますが、その間にCOVID-19のブレイクスルー感染は一人もいらっしゃいませんでした。ファイザーのコミナティ筋注のときには同じ期間で約2万人の中に8名の感染された方がいらっしゃいました。17ページにお示ししましたが、モデルナ筋注を接種された方1万3220人のうちの51人が接種前にCOVID-19の感染歴があると御報告いただいておりましたので、感染の可能性が一定程度ある方が対象者ですので、モデルナ筋注の発症予防効果がある程度示されているのかもしれないと思います。
17ページにこの51名のうちの49人の1回目接種と2回目接種のデータが収集できておりますので感染歴のない方と比較しております。以前にも説明させていただいておりますが、COVID-19の感染歴がない方は、1回目の発熱が1割以下と少ないのですけれども、2回目は8割近くの方が発熱します。COVID-19の既往がありますと、1回目でも6割、2回目でも7割を超える方が発熱していて、4割の人は1回目と2回目の発熱の状況が同じということが判っております。
この結果から、COVID-19の感染がワクチン接種1回目と同じと考えますと、2回目接種が3回目接種の状況を模倣しているのかというように推測できますので、3回目接種は2回目接種とほぼ同様か、少し発熱頻度が低い可能性があると予測できるかと思います。
ただし、モデルナ筋注の3回目接種は接種量が減るかもしれないと言われておりますので、同じになるかどうか分からない部分があると思っています。
28ページからが、バキスゼブリアの筋注です。554人の方が接種されております。
性別、年齢分布は30ページです。
33ページから具体的なデータですけれども、2回目接種の方のデータが267名集まりましたので、傾向が分かるようになりました。
発熱の頻度をご覧いただくと分かりますが、1回目に比べて2回目の発熱は著しく低くなっています。
34ページからの局所反応も、1回目に比べて2回目の頻度が低いということが分かります。
35ページに局所の疼痛、36ページに倦怠感を記載しておりますが、同様です。
年齢、性別については37ページから提示しておりますが、1回目でも年齢が高いほうがやや副反応の頻度が低そうで、女性も少し低そうと報告しておりましたが、発熱、倦怠感、頭痛は、年齢が高いほうが頻度が低いというのは変わりませんが、頭痛や倦怠感は女性の方が多いということが判ります。
42ページがSAEですが、43ページ、44ページで日誌に記載されているAEを集計しております。
15、16ページのモデルナ筋注と比較していただくとよいと思いますが、悪心などの消化器症状がmRNAワクチンに比べても頻度が高い。どれぐらいつらいのかというのは病休の頻度が一番いい指標だと思っておりますが、1回目が23.9%ぐらい、2回目が8.24%ぐらいということでした。
3つのワクチンの比較表は47ページにつけております。対象は違いますけれども、評価指標は同じですので、そういう意味では3つのワクチンを横並びに比較するにはいい資料だと思っています。
海外試験の結果との違いは48ページですが、必ずしも一致しておりません。なぜ海外の試験と、それから国内のこの調査の違いがあるのか、理由はよく分かりません。
事務局から説明がありましたけれども、3回目の追加接種についてはJCHOの4病院とNHOの7病院で先行接種に協力いただいた、医療従事者を中心に12月1日から2日間で既に295名の人が3回目の追加接種をしております。この方たちは1、2回の接種をされて日誌の報告をいただいている方ですので、それと比較検討した結果を報告させていただけると思っております。
今のところ、重篤な副反応の報告は受けておりません。
この中の一部の方でスパイクたんぱく質とヌクレオカプシドたんぱく質に対する抗体を測定しております。
なお、スパイクたんぱく質に対する抗体は、ワクチンでもCOVID-19でも上がりますけれども、ヌクレオカプシドたんぱく質に対する抗体は感染者だけが上がりますので、このワクチンの効果がわかるかと思っています。
できるだけ早い時期に3回目接種の状況をこの場でお伝えできるように努力していきたいと思っております。
報告は以上でございます。
○森尾座長 伊藤澄信委員、いつも本当に詳細な解析ありがとうございます。3回目の接種も本当に皆さん注目しているんじゃないかと思います。
委員の皆様から質問とか御意見がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
感染者でのモデルナワクチンが3回目接種の模倣というのも非常に重要な所見でありまして、こちらもぜひ発信できたらしていただけと思います。
よろしいですか。
(委員 首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、全体を通じて何か御質問、御意見ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。座長のハンドリングが悪くて、長くなりまして申し訳ございませんでした。
本日の議事は、以上で終了いたします。
そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は長時間にわたり、活発に御議論いただきましてありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡差し上げます。
○森尾座長 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。活発な御議論、どうもありがとうございました。