2021年11月10日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

日時

令和3年11月10日(水)18:00~

出席者

出席委員(17名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理
 

欠席委員(4名)五十音順

行政機関出席者
  •  鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  吉田易範(医薬品審査管理課長)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事・審査センター長事務取扱)
  •  池田三恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他

議事

○医薬品審査管理課長 それでは、定刻を過ぎましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会」のウェブ会議を開催させていただきます。
 本日はお忙しい中御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 この度の医薬品部会につきましても、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、ウェブでの審議とさせていただきます。
 本日の会議におけます委員の出席状況でございますけれども、島田委員、登美委員、中野委員、横幕委員より御欠席との御連絡をいただいております。このほか、川上部会長代理が遅れて後ほど御参加との御連絡をいただいております。
 したがいまして、本日は現在のところ当部会委員数21名のうち16名の委員がこの部会に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告をさせていただきます。
 薬事分科会規程第11条におきましては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。
 今回、全ての委員の皆様から、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告をさせていただきます。
 委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますけれども、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、清田部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○清田部会長 清田でございます。こんばんは。
 それでは、本日の審議に入ります。まず、事務局から資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、本日のウェブ会議に係る資料の確認をさせていただきます。
 本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料として資料No.1を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。このほか、資料No.2として「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」を、資料No.3として「専門委員リスト」を、資料No.4として「競合品目・競合企業リスト」を事前に電子メールにてお送りさせていただいております。
 なお、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申しつけください。
 続きまして、本日のウェブ会議における審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告させていただきます。
 資料No.4の1ページを御覧ください。
 コミナティ筋注でございますが、本品目はSARS-CoV-2による感染症の予防を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
 以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございます。
 今の事務局からの御説明に特段の御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本ウェブ会議の審議事項に関する競合品目・競合企業リストにつきましては、皆様の御了解をいただいたものといたします。
 それでは、委員からの申出状況につきまして御報告をお願いいたします。
○事務局 薬事分科会審議参加規程第11条に基づく各委員からの申出状況及び第5条に基づく取扱いについては、次のとおりでございます。
 議題1、コミナティ、退室委員なし、議決に参加しない委員、亀田委員、川上部会長代理、松下委員、南委員、宮川委員でございます。
 以上でございます。
○清田部会長 ありがとうございます。
 今の事務局からの御説明に特段の御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 よろしければ、皆様に御確認いただいたものといたします。
 本日は、審議事項1議題となっております。
 それでは、審議事項の議題に移ります。
 議題1につきまして、機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構でございます。議題1、医薬品コミナティ筋注の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について機構より御説明いたします。
 資料No.1のフォルダから特例承認に係る報告書のファイルをお開きください。本説明でお示しするページ数は、各ページの下段に青字で記載の31分の幾つの数字を使用します。
 本剤は、「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とするワクチンで、今年の2月に本邦で承認されました。昨年末以降、世界的にSARS-CoV-2ワクチンの接種が進められている一方で、今年夏頃から世界各地でSARS-CoV-2感染の再拡大が認められました。また、海外において、本剤初回免疫後の時間経過に伴う感染予防効果や発症予防効果の低下を示唆する疫学報告などがあり、また、検証的試験の追跡データにおいて中和抗体価の低下が確認されました。これらの状況を踏まえ、海外では感染再拡大抑制のための保健衛生上の措置として、SARS-CoV-2ワクチンの初回免疫後約6か月以降の人に対する追加接種が開始されています。
 本申請は、この「追加接種」の用法・用量の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認申請です。
 本品目は、医薬品医療機器等法第14条の3に規定される特例承認に該当する品目として取り扱いました。
 本品目の専門委員として、資料No.3に記載の5名の委員を指名しました。
 主な審査内容について御説明いたします。
 本剤の追加接種の有効性について、本剤は初回免疫時の有効性が既に確認されていることを踏まえ、臨床試験では、初回免疫から約6か月後に本剤追加接種したときの免疫原性について、2回目接種後の免疫原性に対する非劣性を示すことで評価されました。報告書8ページを御覧ください。表4に中和抗体価、表5に抗体応答率の結果を示しています。各表の右端の列に、主要評価項目とされた追加接種後と2回目接種後の中和抗体価の幾何平均比(GMR)、及び抗体応答率の差を示しており、いずれも事前に設定された成功基準を達成し、2回目接種後に対する非劣性が示されました。また、変異株に対する免疫原性について、15ページ、表8を御覧ください。ベータ株とデルタ株について評価され、いずれも追加接種により2回目接種後を上回る中和抗体価が確認されました。
 これらの臨床試験の免疫原性の結果に加え、海外の研究報告において、対象集団や観察期間などが限定的であり、様々な要因が交絡し得ることに留意が必要であるものの、本剤の追加接種の有効性を示唆する報告もあることなどを総合的に考慮し、本剤の追加接種による一定の有効性は期待できると判断しました。
 本剤の追加接種の安全性について、17ページから記載しています。17ページ、表9にお示ししたとおり、追加接種における反応原性事象の発現傾向は、初回免疫の2回目接種後の発現傾向と明らかな違いはなかったことなどから、追加接種の臨床試験で確認された安全性プロファイルは、初回免疫時とおおむね同様であり、追加接種に係る安全性について重大な懸念は認められていないと判断しました。ただし、臨床試験では評価例数や集団などが限られることから、追加接種に係る安全性については引き続き情報収集する必要があると判断しました。
 次に、本剤追加接種の臨床的意義について、10ページから記載しています。そのうち、13ページの中頃、「本剤初回免疫後の時間経過とともに」で始まる段落を御覧ください。
 本剤初回免疫後の有用性については、時間経過とともに感染予防効果や発症予防効果は低下するものの、重症化予防効果は変異株によらず依然として高いとする報告があります。一方で、高齢者では重症化予防効果も低下したとの報告もあります。先ほど御説明した臨床試験の成績に加え、これらの報告を踏まえると、高齢者を含むCOVID-19の重症化リスクの高い人などでは、SARS-CoV-2感染による重症化や重篤な転帰を防止する観点から、本剤追加接種の一定の臨床的意義はあると考えます。一方、現在の本邦におけるワクチン接種状況や流行状況などを考慮すると、本剤の初回免疫を受けた全ての人に対して、現時点で早急に追加接種が必要な状況ではないと考えます。ただし、日本でも先にワクチン接種が進められた海外と同様、感染再拡大が起こる可能性があることを踏まえると、初回免疫を受けた18歳以上の人に追加接種を速やかに行うことができる状況にすることは意義があると考えます。その上でどのような方が追加接種を要するのかは、SARS-CoV-2の流行状況、流行株、個々の背景因子によるCOVID-19の重症化リスクやSARS-CoV-2への曝露リスクの程度などを考慮して、別途判断する必要があると考えます。
 以上の審査を踏まえ、機構は、2ページに記載した承認条件を付した上で、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適切と判断しました。本申請は新用量医薬品としての申請ですが、既に付与されている再審査期間の残余期間が4年以上あることから、再審査期間は残余期間と設定することが適切と判断しました。
 薬事分科会は報告を予定しています。
 なお、部会資料の1.11「医薬品リスク管理計画書(案)」について御報告がございます。本剤の医薬品リスク管理計画案については、報告書の28ページ、表15に記載のように、安全性検討事項の重要な潜在的リスクに心筋炎、心膜炎が設定されています。一方で、部会資料提出時にはRMPの内容について調整中だったため、お送りした部会資料の1.11には、心筋炎、心膜炎の記載が含まれていませんが、承認後に公表されるRMPには、心筋炎、心膜炎の記載が含まれる予定です。
 続きまして、委員より事前にいただいた御質問について説明いたします。
 本日御欠席の中野委員より、本品目の用法・用量について御質問をいただいています。用法・用量は報告書1ページ、下段の記載を御確認ください。これまでほかのワクチンでは、「初回免疫」後の接種について「追加免疫」という文言を使っていたと理解しています。今回「追加接種」という文言を使用したことについて、何か特段の意味はあるか、もし特段の意味がないようなら同一の文言のほうが望ましいように思うのですが、いかがでしょうか。
 この御質問に対して、中野委員には事前に次のように回答いたしました。中野委員の御指摘のように、これまでのワクチンでは「初回免疫」と「追加免疫」の用語を用いていますが、これは「初回免疫」と「追加免疫」が一つのセットまたは一つのシリーズとして取り扱われているものが多いと理解しています。しかし、本品目については、現時点で中和抗体価の閾値などが確立していないこと、初回免疫の効果の持続期間が明らかとなっていないことから、ほかのワクチンでの「追加免疫」とは意味合いが異なる可能性があると考えました。したがって、本申請では「追加接種」という用語を用いて審査してまいりました。
 一方で、御指摘のとおり、多くのワクチンでは追加免疫という表現を用いており、これまでのワクチンとの用語の不整合により生じる無用な混乱を避ける観点からは、本品目の用法・用量においても「追加接種」ではなく「追加免疫」の用語を用いることも可能と考えます。つきましては、部会において、「追加免疫」に変更することの妥当性について御審議いただき、御了承いただければ、「追加免疫」に修正したいと考えています。
 これに対し、中野委員からは、今回、「追加免疫」ではなく「追加接種」と記載いただいた理由がよく理解できました。一方で、おっしゃるように、これまでのワクチンとの用語の不整合により生じる無用な混乱を避けることも大切な観点と考えます。御提案いただきました部会での審議結果で決定という対応方針で異論ございませんとお返事いただきました。
 したがって、本部会におかれましては、報告書1ページ、下段にお示しした本品目の用法・用量の「追加接種」の用語を「追加免疫」に改めることも含め、御確認いただけますようお願いいたします。
 次に、渡辺委員からも御質問をいただいています。臨床試験での評価項目として、免疫原性と有害事象が検討されました。安全性についての有害事象評価結果は納得できますが、効果の本質である免疫原性を血清中和抗体価の推移だけで評価している点に疑問を感じます。本ワクチンは液性免疫のみならず、細胞性免疫をも惹起するため、免疫学的記憶がT細胞に保持され、それにより長期間にわたり再感染といった有事の際に液性免疫が産生されることで抵抗力発現が保持されると理解されておりました。そうすると、単に免疫グロブリン値が低下したという臨床試験での観察結果だけでブースターとして3回目の接種を全国民を対象に実施することが医学的に本当に必要なことなのか疑問を感じます。
 この御質問に対して、機構は次のように考えます。渡辺委員の御指摘のとおり、ワクチンの有効性は液性免疫のみではなく、細胞性免疫も関与すると考えられます。また、本剤初回免疫後の時間経過により、中和抗体価の低下が確認されているものの、本剤の有効性が期待できない水準であるかは不明であり、本剤初回免疫の有効性の持続期間は現時点で明らかではありません。
 一方で、臨床イベントとしても本剤初回免疫後の時間経過とともに、感染や発症に対する効果は低下する可能性が報告され、高齢者では重症化予防効果も低下するとの報告もあります。SARS-CoV-2ワクチン接種後の中和抗体価がCOVID-19発症予防効果と相関性を示すことが徐々に明らかになりつつあり、本剤は初回免疫時の有効性が既に確認されていることも踏まえると、中和抗体価により一定の有効性評価は可能と考えました。
 臨床イベントに基づく追加接種の有効性については、報告書15から16ページに記載した海外の報告などで感染や重症化に対する効果の報告があります。また、申請者は追加接種におけるCOVID-19発症予防効果を評価する無作為化プラセボ対照観察者盲検並行群間比較試験を実施中であり、本剤追加接種によるCOVID-19発症予防効果の中間解析結果をプレスリリースで公表しています。
 渡辺委員の御指摘のとおり、機構としても、現在の本邦での感染流行状況を踏まえると、初回免疫を受けた全ての人に対して早急に追加接種が必要な状況ではないと考えます。一方で、本邦よりも先にワクチン接種が開始された海外での感染再拡大の状況を踏まえると、将来的に本邦でも感染再拡大が起こる可能性はあり、医療体制を維持するための対策の一環としても追加接種を実施できる状況にしておくことは意義があると考えます。追加接種を幅広い対象者に接種できるように承認を行いつつ、追加接種が必要な方やその順番については厚生科学審議会で別途議論されるものと考えています。
 以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございます。
 それでは、まず最初に渡辺先生の御質問に対して機構がお答えになった回答について、渡辺先生、御意見いかがでしょうか。
○渡辺委員 御回答いただいて大体理解はできているのですけれども、要するに、そのお答えによれば、今後、モニタリングを続けながら、血清の抗体価がある程度下がってきた段階でまたブーストを繰り返していくこともあり得るということになると思うのです。それは社会的な感染状況にもよるだろうと思いますけれども、そうすると、毎年一回のブーストをする必要があるとか、そういう方向にも発展していく可能性はあるわけでしょうか。
○清田部会長 機構よりお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 先生のおっしゃるとおり、今後、定期的な追加接種が必要となる可能性はあるかと存じますが、ただ、追加接種の持続期間というものも明らかとなっておりませんし、今後の感染流行状況にもよると考えております。今後の状況次第、データ次第で適宜判断していく必要があると考えております。
 以上です。
○渡辺委員 データ次第ということは、ある一定のポピュレーションを対象に定期的に血清抗体価の推移を見ていくというようなサーベイランスの計画はもうおありなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 今回審査対象とした実施中の臨床試験において、追加接種後の免疫原性、抗体価の推移をフォローアップする計画がございます。
○渡辺委員 それから、これから先も半年後、1年後とかそういう状況でモニタリングしていくというサーベイランスをやる必要があるとお考えなのか、そういうことは今のところ考えていないのか、教えてください。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。先生がおっしゃるのは、臨床試験ではなく、ということでしょうか。
○渡辺委員 臨床試験ではなくて、今後の実際のリアルワールドでのモニタリングということですね。
○医薬品審査管理課長 先生の御指摘の部分は恐らく薬事の部分ではなくて、厚生科学審議会、予防接種事業の中でどうしていくのかということにもつながるのかなと思います。したがって、ちょっと私ども、あるいは機構がこの場で確固としたことをお伝えするのはなかなか難しいところがございますけれども、モニタリングが必要であればやらなければいけませんし、そうでなかったとしても、何らかの研究データとかそういったものを得ることもまた別途できるかなと思いますので、その辺りについては、そういう御意見があったことについては予防接種部局の方にお伝えしておきたいと思います。
 以上です。
○清田部会長 渡辺先生、よろしいでしょうか。
○渡辺委員 了解いたしました。無理言ってすみませんでした。
○清田部会長 ありがとうございます。
 そうしましたら、今日御欠席の中野先生の御提案の「追加接種」というタームを「追加免疫」にしたらいかがかという御提案ですね。これにつきまして、それでよろしいかどうか御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。混乱を避けるために、今まで慣用的に使ってきたタームを使用するということのほうが混乱は避けられるのではないかという中野先生の御意見ですね。これに対して御異論はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、御異議がないようですので、中野先生の御提案どおりに「追加免疫」というタームに換えさせていただきます。どうもありがとうございました。
 ほかの先生方、ほかの御質問はございますでしょうか。亀田先生、どうぞ。
○亀田委員 ありがとうございます。一つ質問させてください。
 17ページ、安全性に関する表7についてでございます。ここで3回目追加接種で289例のデータが出ていて、そこの事象の頻度などが、一番右に書いてある2回目の2,682例と変わらないということでした。私の質問は、この289例の2回目を打ったときの有害事象の状況はどうだったのかということです。すなわちこの289例の集団が、2回目を打った2,682例と同じバックグラウンド、それを代表しているものなのか、そうでないのかということです。極端な話、この3回目の289例が2回目で全く何もなかった289例だったら話が違ってしまいますので、この289例の2回目接種後の事象について教えてください。
○清田部会長 機構よりお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。この289例が2回目接種時にどうだったかというデータは、得られておりません。
 以上でございます。
○清田部会長 だそうです。
○亀田委員 あったほうが当然いいと思うのですけれども、それは調べることもできないのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御説明が不足しており失礼いたしました。臨床試験が盲検で実施されておりますので、現時点で突き合わせというものができない状況でございます。
 以上でございます。
○亀田委員 分かりました。同じなのだろうと思いたいですけれども、分からないですよね。ありがとうございます。
○清田部会長 すみません、先生。
 宗林先生、御質問があるようですね。
○宗林委員 宗林です。2点御質問させてください。
 まずは31分の14ページの所なのですが、今回のブースター接種が6か月後に追加接種をすることに決めたという所のくだりなのですが、閾値は確立していないものの、他の感染症ワクチンで初回接種から6か月後に追加接種を行う場合が多いこと等からというふうに書いてあります。これは当初、8か月で打つような報道がありましたが、他の感染症ワクチンでは一般的に6か月後に追加接種を打つのでしょうか。それによって今回も6か月と定めたのでしょうか。それが1点です。
 もう1点は、添付文書の方でありますけれども、7の用法及び用量に関連する注意の所で、他のワクチンを接種した者に対して追加接種する臨床実験は実施していないと書かれていますので、多分、モデルナを打たれた方には、これは対象ではないということを指しているのでしょうか。その2点でございます。
○清田部会長 機構よりお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 まず1点目について、他の感染症ワクチンで初回免疫から6か月後に追加接種を行う場合が多いというのは、そういった状況でございます。厚生科学審議会で8か月ということが検討されていますが、こちらはエビデンスのみならず様々な自治体などにおけるロジスティックの都合も踏まえて設定されたものと理解しております。今回の承認申請に際して実施された臨床試験では、2回目接種からおおむね6か月程度を経過した人が組み入れ対象になっておりますので、本審査においては2回目接種から少なくとも6か月ということで承認審査をしております。こちらについてはいかがでしょうか。
○宗林委員 その内容自体は承知しているのですが、例えばこれが、先ほどの先生のように今後の見通しを考えていますと、閾値がない以上、6か月以降ならいいということなので、6か月が8か月でも別にいいのかもしれませんが、どこで抗体価が落ちて、ここなら打つということが決まっていないままにこのように決めていく。それは次にも反映していくのかと、1年に一回ではなくてもっと打つことにつながるのかなと危惧しましたので、御質問しました。そういうことではないのですね。あくまでも3回目ということだけのことですね。
○医薬品医療機器総合機構 先生御理解のとおり、今回は3回目についてということでございます。3回目接種後の抗体価の持続期間はまだ明らかとなっておりませんので、今後のデータ次第かと存じます。
○清田部会長 2番目の御質問に対してお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 2点目の御質問は、添付文書の7.2.3の記載に対するご指摘と理解しました。追加接種における交互接種は可能かという御質問と思いますけれども、今回の申請で提出された臨床試験成績は、本剤の2回接種済みの人に対する追加接種の資料のみでありまして、ほかのワクチンで初回免疫、例えばモデルナ社のワクチンを受けた人に本剤を追加接種するデータというものは提出されておりません。そのため、こういった記載となっております。
○医薬品審査管理課長 これは厚生科学審議会との兼ね合いがちょっとありますので補足しておきますけれども、今回の薬事での扱いについては、今、機構の方からお話があったとおり、ファイザー社のワクチンについての薬事承認ですから、ファイザーでの臨床試験データに基づいて今回審議していただいております。したがって、別のものからの切り替えの交互接種については、薬事としても一律に否定するものではありませんけれども、データとしては、ほかのコロナワクチンからの追加接種というのは今回のデータではありませんから、その旨は添付文書には一応記載するという形を取っております。
 一方で、いわゆる交互接種についてどうするのか。これについては、先生御案内のとおり、いろいろな研究とかいろいろなデータが出てきておりますので、それを踏まえて、これは厚生科学審議会の方で既に議論がなされている状況でございます。その辺の扱いを最終的にどうするかは、これまた近く行われると聞いております厚生科学審議会の方で議論がなされるということでございます。これまでの私の理解では、交互接種については基本的にブースター接種についてはあり得るという方向で議論がされていると聞いておりますので、恐らくそういう方向になると。その内容と今回書いてある添付文書の内容は必ずしもバッティングといいましょうか、厚生科学審議会の決定を阻害するものではないと思っております。事実だけを添付文書には書いておりますが、禁止するということは書いておりませんので、必ずしもバッティングはしないという整理でございます。
○宗林委員 いろいろな審議会の構造は一応承知しているのですが、部会が終わりますとファイザーの3回目というのがすぐニュースに出たりしますと、モデルナのものが追加ですぐ出てくればいいのでしょうが、みんなどうなる。それに対して情報提供に一部欠けるところが、不安になるのではないかと思いました。また、モデルナについては、交互接種の問題よりは、モデルナの3回目をもし打つときにどのような用量・用法で打つのかというのは、またこの部会にかかるのかと思っていますので、それもできれば近いうちにやっていただかないと、ニュース等で、国民が結構不安になると思ったので、取りあえずお聞きしました。そういうことのないようにお願いします。
○医薬品審査管理課長 分かりました。
 先生、追加情報でございますけれども、モデルナの方につきましても、実は既にブースター接種についても申請がされている状況になっておりますので、それも報道されると思いますから、そういった意味では、ブースター接種について、モデルナ、ファイザー、やがてはあるんだなというのが国民の皆様にも伝わるかなと思いますので、その辺の御懸念については大きくは生じないと思いますが、いずれにしてもその辺は適切に対応できるように予防接種部局とも連携して対応していきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○宗林委員 すみません。よろしくお願いします。
○宮川委員 今お話があったように、ファイザーを打ち始めた時期と、それから、実際にモデルナを打ち始めた時期はかなり時相が違うというか、打ち始めの時期が違いますので、モデルナもいずれという形では必ず接種できるようになっていますので、多分国民の方はそれも分かっていらっしゃるのだろうと考えます。ただ、急いて若しくは慌てて物事を判断される方がいるということに関しては、不安が起こらないように厚生労働省として適切に御配慮いただければ幸いかなと思っております。よろしくお願いします。
○清田部会長 ほかに御意見、御質問はございますか。よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、御質問はないようですので、議決に入りたいと思います。
 亀田委員、川上部会長代理、松下委員、南委員、宮川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。
 本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 本日の議題は以上ですが、事務局から何か御報告はありますでしょうか。
○事務局 次回の部会は12月2日木曜日午後6時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 本日は本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 柳沼(内線2746)