令和3年11月12日 第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第22回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和3年11月12日(金) 13:00~17:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第22回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきありがとうございます。
 まずウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合はまずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。
 なお、ウェブ会議ですので、タイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージまたはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。
 現在、副反応検討部会委員9名のうち9名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
 なお、舟越委員より途中退席となる旨の御連絡を、また、伊藤澄信委員と長谷川委員より途中一時離席する旨の御連絡をそれぞれいただいております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の傍聴への留意事項を必ず守っていただきますよう、お願いいたします。
 留意事項に反した場合は、退場していただきます。
 また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
 本日の座長につきましては、議題1「HPVワクチンについて」は森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。また、議題2「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等について」以降の議題については、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
 森尾座長、それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
 本日御出席をされた委員、参考人の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において審議される品目は、HPVワクチン及び新型コロナワクチンであり、その製造販売業者は、グラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社、ファイザー株式会社、武田薬品工業株式会社、アストラゼネカ株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。
 各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、全ての委員において、グラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社、ファイザー株式会社、アストラゼネカ株式会社より50万円を超える受け取りはございませんでした。
 宮川委員が武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、新型コロナワクチンについて意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 石井委員、宮川委員は、第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますよう、お願いいたします。
 以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
 それでは、次に事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1、資料2-1-1から資料2-6-3、資料3、参考資料1から10になります。不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○森尾座長 ありがとうございます。
 それでは、まず本日の審議の進め方ですが、本日は議題が多うございますので、議題1が終わりましたら10分程度休憩を挟ませていただく予定でございます。
 それでは、早速ですけれども議題に入りたいと思います。議題1「HPVワクチンについて」でございます。
 10月1日の審議会におきまして、複数の委員の皆様から「審議会での議論の進め方について整理が必要」という趣旨の御意見を頂戴いたしました。この点について、事務局に確認をいたしましたので、ここで述べさせていただきたいと思います。
 まず、この部会では、委員の専門性を踏まえた科学的な見地から、これまでに集積されたデータ等の情報やこれまでの取組に基づいて、HPVワクチンについて、定期接種の積極的な勧奨を差し控えている状態を終了し、ほかのA類疾病の予防接種と同様な取扱いとすることが妥当かどうかという結論を出すことが求められている。これが1点目でございます。
 2点目でございますが、厚生労働省において、部会の結論を踏まえ、行政として、積極的な勧奨の差し控えという現在の取扱いをどうするか総合的な判断をすることになるという点でございます。
 このように理解しておりますが、事務局のほうからいかがでございましょうか。
○事務局 事務局です。
 今、座長からの御指摘いただいたとおりであります。本部会において導いていただく結論を踏まえて、最終的には、厚生労働省において、HPVワクチンの積極的な勧奨の取扱いについて、行政としての適切な対応を総合的に判断してまいりたいと考えております。
○森尾座長 事務局、ありがとうございました。
 したがって、本部会ではあくまでHPVワクチンの積極的な勧奨の取扱いをどうすべきかということについて、科学的な見地からの判断を求められているということでございます。また、ワクチンの接種を進めるに当たり必要となる具体的な進め方について、本日の部会で引き続き御意見を頂戴したいと考えております。
 この点についてはよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 うなずいていただいたと理解いたしました。
 それでは、先に進めさせていただきたいと思います。
 事務局から、資料1の説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 資料について御説明させていただきます。
 今回の議題「HPVワクチンについて」、関連する資料は資料1、参考資料1~3でございます。今から御説明させていただきますのは資料1「HPVワクチンについて」でございます。
 1ページ目をご覧ください。右下にページを書いてございます。これから、そちらでページをお示しさせていただきます。
 まず、目次でございます。
 本日はまず、HPVワクチンに関する前回(10月1日)の審議について確認をさせていただきまして、その後、HPVワクチンの接種を進めるに当たり必要となる事項、それぞれの課題1、2、3について説明をさせていただきまして、最後に論点について示させていただきます。
 3ページ目をご覧ください。令和3年10月1日に開催いたしました合同会議におけるHPVワクチンに関する審議の概要をまとめさせていただきました。
 前回の合同会議におきましては、論点として、HPVワクチンに関する課題への対応として、マル1HPVワクチンの安全性・有効性に関する最新のエビデンスの整理、マル2HPVワクチン接種後に生じた症状に苦しんでいる方に寄り添った支援についての状況、マル3HPVワクチンに関する情報提供それぞれについて整理をした上で、現在、HPVワクチンの定期接種の積極的な勧奨が差し控えられていることについて御審議をいただきました。
 主な御意見を下のほうに示しておりますけれど、ポイントとしては2つ、まずは1つ目、大きな方向性として、積極的勧奨の再開を妨げる要素はないという方向を確認していただいたと理解しております。
 もう一点でございます。一方で、HPVワクチンの接種を進めるに当たり必要となる事項について、以下のような御意見をいただいたところでございます。
 それを踏まえまして、4ページ目をご覧いただけますでしょうか。HPVワクチンに関する課題と、その課題を審議・整理する審議会というものをお示しさせていただきました。
 課題マル1~マル3に関しましては、本日、本合同会議にて御議論をいただくことを考えております。
 また、合同会議にて結論が得られましたら、主に課題マル2とマル3という形になるかと思いますが、その後、予防接種・ワクチン分科会において引き続き議論していただくことを想定しております。
 前回、様々な委員から御意見をいただきました積極的な勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方への対応、いわゆるキャッチアップの接種に関しましては、予防接種の対象者など予防接種及びワクチンに関する重要事項の調査審議に係る予防接種・ワクチン分科会において議論をしていただくのがよろしいと考えております。
 続きまして、目次の「2-1.課題マル1HPVワクチンの安全性・有効性に関する最新のエビデンスについて」、今後、ワクチン接種を進めるに当たり必要な事項について資料をお示しいたします。
 6ページ目をご覧ください。前回お示しした最近の知見及び取組状況をお示ししております。前回の審議会では、HPVワクチンの安全性・有効性についての最新のエビデンスを御確認いただきました。
 それに対しまして、10月1日の合同会議では、ワクチンの安全性・有効性に関するエビデンスについて、追加のエビデンスがあれば評価を行うべきではないかといった御趣旨の御意見をいただいたところでございます。
 そちらに関しまして7ページ目、今月出ましたLancetのイギリスからの論文でございます。「子宮頸がんとCIN3に対する2価HPVワクチンの有効性」という新しい研究結果が出ております。
 こちらの研究結果としましては、HPVワクチンの接種プログラムの導入により、イギリスの子宮頸がんの発生の減少に大きく寄与したという結果が得られているところでございます。また、データを詳細に見ますと、より若い世代で打ったほうが効果的であるという結果も併せて出ているところを確認したところでございます。
 8ページ目の資料は、10月1日の合同会議でお示しした資料の時点修正版でございます。ワクチンの副反応疑いの報告の推移を、前回お示ししたものに加えて、令和3年4月~6月に関するデータをお示ししたものでございます。引き続き、前回と同様の過去2~3年の間、副反応疑い報告の割合は低い値で、おおむね横ばいであったということが確認されたと考えております。
 9ページ目でございます。前回いただいた御意見に対しての今後の方向性の案をお示ししております。
 10月1日の合同会議において、近年の主要なエビデンスについて資料としてお示ししたところでございます。
 HPVワクチンの有効性に関する新たなエビデンスが確認されたところも、先ほどお示ししたところでございます。
 HPVワクチン接種後に生じた多様な症状と、ワクチンとの関連についてのエビデンスがこれまで認められていないことなどから、現在のエビデンスによれば、ワクチンの安全性についての特段の懸念は認められない。その上で、合同会議において、今後も新たなエビデンスを収集しつつ、安全性の評価を行っていくという方向性の案をお示ししております。
 10ページ目、課題マル2に関してでございます。
 11ページ目で、前回の資料でお示ししました最近の知見・取組状況についてお示ししております。
 前回の合同会議では、ワクチン接種後に生じた症状に苦しんでいる方に寄り添った支援策について、継続して行われていることを確認いただきました。
 これに関しまして、大きく2つの御意見をいただいたと認識をしております。
 1つが協力医療機関についてです。こちらはワクチン接種後の症状に対しての中核的な診療の役割を担う医療機関でございますが、協力医療機関の診療実態の把握・体制強化について、御意見をいただきました。
 また、地域における連携につきましても、ワクチン接種を行う地域の医療機関あるいは地域における相談支援体制については、学校や地域の医療機関といったところとの連携が重要ではないか、そういった御意見を頂戴したところでございます。
 12ページ目をご覧ください。協力医療機関の実態把握について御意見をいただいたところでございますので、今回、全84協力医療機関を対象に、協力医療機関の診療体制、患者の受診状況などについて把握するためのウェブアンケートを調査いたしました。
 10月13日~11月2日までで61医療機関、72.6%の回収率でございました。
 協力医療機関の皆様におかれましては、コロナ禍で大変お忙しい中、アンケートへの御回答に協力いただきまして、誠にありがとうございました。
 調査項目はこちらにお示ししておるとおりでございまして、診療体制あるいは患者の受診状況等について、調査を行ったところでございます。
 13ページ目をご覧ください。まず、診療体制についてです。
 協力医療機関の診療体制ですが、診療を行う医師あるいは関係する診療科間の連携など、必要な診療を提供するための体制が一定程度維持されていることが確認されました。
 一方で、14ページ目をご覧いただけますでしょうか。多くの協力医療機関では、過去2年半の間、HPVワクチン接種後に生じた症状で受診した患者がいない状態が続いているということが、調査の結果、判明いたしました。
 15ページ目をご覧ください。患者さんの受診の経緯などについて調べたものでございます。
 協力医療機関への患者さんの受診の経緯に関して、ほとんどの場合、地域の医療機関からの紹介でございましたが、都道府県・市町村などから紹介されるケースも見られたということを上のところに書いてございます。
 16ページ目をご覧ください。都道府県等との協力医療機関の連携状況について確認をいたしました。
 こちらは協力医療機関と都道府県との連携について、約4割の医療機関が都道府県等からの患者の紹介を受ける体制がある一方で、都道府県・市町村職員との意見交換や職員研修などについては、今後、体制強化を図る余地があるということが示されたところかと考えております。
 17ページ目をご覧ください。診療充実のためのニーズについて、協力医療機関に調査を行いました。
 ニーズとしては、協力医療機関向けの研修会の実施、説明・情報提供のための資材などが挙げられたところでございます。また、ほかの協力医療機関との連携や関係機関間の連携などに関するニーズも挙げられたところでございます。
 例えば下に破線の四角囲みがございますけれども、協力医療機関向けにニーズを聞き取ったところで、2段目に不登校への対応についてということを答えていただいた協力医療機関がございます。こういった点からも、学校などの教育部局との連携ということに関して一定のニーズがあるということが明らかになったところでございます。
 18ページをご覧ください。ただいま御説明差し上げた実態調査の結果を踏まえまして、強化のポイントを幾つか挙げさせていただきました。
 1つは研修会についてです。研修会はこれまでも定期的に実施してきたものでございますけれども、協力医療機関向けの研修会を引き続き実施するとともに、協力医療機関のニーズ等を踏まえて内容を充実していくこと。また、協力医療機関同士など関係機関の連携についても互いに相談できる体制の構築、あるいは必要な情報の共有、意見交換、職員研修といったことができるような連携の強化というのがポイントとして挙げられるかと思います。
 また、今回数年ぶりに調査を行った形でございますけれど、今後も継続的に協力医療機関の診療実態を把握するための調査を行うということも強化のポイントとして挙げられるのではないかと考えております。
 19ページ目をご覧ください。これまで実施されてきた協力医療機関向けの研修会の概要についてお示ししているところでございます。
 研修会はこれまで年1回程度開催してきたところでございまして、例えばワクチンの概要や診療体制の整備に関して具体的な取組事例を御紹介する、あるいは診療の実際としてシミュレーションを行うといった研修会をこれまで実施してきたところでございます。
 20ページ目、先ほど学校の話が出てきましたけれども、HPVワクチンに関する文部科学省からの学校に対する周知の例をお示ししております。
 平成25年9月に出ている事務連絡でございますけれど、文部科学省から教育委員会などに出した「子宮頸がん予防ワクチンの接種に関連したと思われる症状により教育活動の制限が生じた生徒への適切な対応について」、周知が行われております。これは学校における学習面での支援や医療機関等の受診、相談の勧奨などの対応について依頼をしておりまして、この事務連絡は行政からの説明会等において、例えば養護教員など様々な職種の方に定期的に周知がされているところでございます。
 こうしたことを受けまして、21ページ目、地域におけるHPVワクチン接種に係る診療・相談体制の強化のイメージをお示ししたところでございます。
 真ん中に接種を受ける方、その保護者の方がいらっしゃり、地域の医療機関、協力医療機関といった医療機関とのつながり、あるいは市町村との相談・情報提供のつながり、また、接種後に何らか症状が出た場合の都道府県、学校との連携といったものを矢印で示したところでございます。
 こちらは全て今回改めて作るという趣旨ではございませんで、従来から連携の枠組みがございまして、これを再活性化するとともに、重要な取組についてはさらに強化をしていくことを考えております。こちらは、地域の中で中核的な役割を担っていただく機関に関してお示ししているところでございます。
 あわせまして、左下のところ、関係団体として例えば医師会あるいは関係学会などに、地域の医療機関に対して情報提供等の支援を行っていただくといったことも重要なポイントと考えております。
 22ページ目をご覧ください。今申し上げたようなことを踏まえまして、今後の方向性をお示ししております。協力医療機関の実態調査の結果、必要な診療を提供するための体制が一定程度維持されている一方で、近年、ワクチン接種後に生じた症状で受診する患者がいない医療機関も多く、研修会や関係機関間の連携に係るニーズがあることが明らかになったところでございます。今後、協力医療機関の診療実態を把握するための調査を継続的に実施していく。
 体制強化に関しましては、これまで定期的に実施してきた協力医療機関向けの研修会を引き続き実施するとともに、協力医療機関のニーズ等を踏まえて内容の充実を行っていく。また、協力医療機関同士が互いに相談できる体制の構築、協力医療機関と都道府県等が必要な情報を共有できるような連携の強化を行っていくという方向性をお示ししております。
 23ページ目は地域の医療機関に関してでございますけれども、地域の医療機関で、ワクチン接種後に生じた症状への適切な対応方法や、協力医療機関等への紹介をより円滑に実施できるよう、また、地域の医療機関の医師が担っていただいている学校医の方々に、ほかの医療機関や都道府県等との必要な連携を取っていただけるよう、地域の医療機関に対して必要な情報の周知を行っていく。また、地域における相談支援体制について、先ほど出ましたけれども衛生部門と教育部局の連携が非常に重要であることから、必要な周知等を行えるよう、関係機関との一層の連携を行っていくといった方向性の案をお示ししております。
 24ページ目、情報提供についてでございます。
 25ページ目、前回、HPVワクチンの情報提供の取組について御確認いただきました。それを踏まえまして、情報提供の内容について、また情報提供の方法について御意見をいただいたところでございます。
 内容について、メインとなりますのはリーフレットについて、最新のエビデンス等を踏まえた改訂をすべきではないかといった御意見を頂戴したところでございます。
 26ページ目をご覧ください。いただいた御意見を踏まえまして、ワクチンの情報提供について、こういった考え方をお示ししております。
 情報提供の目的としては、まず、公費によって接種できるワクチンの一つとしてHPVワクチンがあることを知っていただく。
 また、HPVワクチン接種について検討・判断するためのワクチンの有効性・安全性等に関する情報をしっかり接種対象者・保護者に届けることを目的としまして、読みやすさ、分かりやすさを重視するというのがポイントと考えております。
 今回の見直しとしましては、本人・保護者向けの概要版及び詳細版、そして医療従事者向けのリーフレットに関しまして、例えば最新のエビデンス等を踏まえた修正や、あるいは厚生労働省のホームページとリンクした情報提供、また今後の方向性を見まして、積極的勧奨の差し控えに関する記載の見直しを行っていくことで、今後の方向性を考えております。
 27ページ目、28ページ目に、主な改訂内容をお示ししております。
 表紙のメッセージは、「HPVワクチンを知ってください~あなたと関係のあるがんがあります~」といった形での改訂案をお示ししているところでございます。
 また、ワクチンの効果に関しましても、最近出ましたがんの予防に関しての効果が分かってきているという内容もお示しする形で改訂案を考えております。
 29ページ目をご覧いただけますでしょうか。学校での情報提供について前回御意見をいただきましたので、参考として、文部科学省で作成している「がん教育推進のための教材」を例示として示しております。
 学校におきまして、教育指導要領の中で、がんの予防などがん教育についても触れられているところでございますが、そのがん教育に関して推進をするための教材を文部科学省が作成しております。
 その中で、子宮頸がんに関して第3章と第4章、こういった形で例えば子宮頸がんとはどういうがんなのか。その5年生存率はどうなのか。がんの予防に関しては、特にワクチンに関してもしっかりと情報提供いただいているということでございます。学校での取組に関しては、こういったものがまず土台になるのではないかと考えております。
 これを踏まえまして、30ページ目に今後の方向性の案をお示ししております。
 ワクチン接種について検討・判断するために必要な情報を接種対象者等に届ける観点から、本人・保護者向けのリーフレットについては、最新のエビデンス等を踏まえた改訂や、積極的な勧奨を差し控えに関する記載の見直し、厚生労働省のホームページとリンクした情報提供、その中には9価ワクチンの情報も含む予定でございますが、そういったものに修正を加える。
 また、医療従事者向けのリーフレットに関しては、最新のエビデンス等を踏まえた改訂などを行っていくことを考えて、方向性として示しております。
 学校における適切な情報提供といった御意見に関しましては、学校における取組の在り方を文部科学省としっかりと検討していくということでお示ししております。
 最後、32ページ目をご覧いただけますでしょうか。上の四角囲みにお示ししているものは、これまで御説明差し上げてきましたワクチンの接種を進めるに当たり必要となる事項についての今後の対応の方向性の案でございます。
 それを受けまして、論点を最後にお示ししております。今後、HPVワクチンの安全性を引き続き評価し、HPVワクチン接種後に何らかの症状が生じた方の相談体制や医療体制を強化するとともに、こうした症状に苦しんでいる方に寄り添った支援策を継続し、HPVワクチンに関する情報提供を充実していく。こうした方向性を踏まえ、HPVワクチンの定期接種の積極的な勧奨を差し控えている状態を終了させることについてどう考えるか、今回論点として御審議いただければと思います。
 以上でございます。
○森尾座長 事務局、ありがとうございました。豊富な内容を御説明いただきました。
 引き続きまして、参考資料3-3につきまして、事務局から説明をお願いできればと思います。
○事務局 関連しまして、参考資料3-3「『HPVワクチンについて』(令和3年10月1日合同部会資料1-1)の訂正について」でございます。
 本日、参考資料3-1としておつけしておりますが、10月1日の合同部会資料1-1につきまして、16ページに記載しておりましたPMDA法に基づく救済の審査件数に1件誤りがございましたので、訂正させていただいております。
 本日お配りしました参考資料3-1と厚労省のウェブサイトにつきましては、既に訂正済みのものに差し替えてありますので、併せて御報告いたします。
 以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 事務局から、今回3つの課題を挙げていただいております。
 少し繰り返しになりますけれども、まず1番目の安全性・有効性に関する最新のエビデンスにつきましては、資料1に基づいて話を進めていきますけれども、7ページ目では11月に出ましたLancet論文を御紹介いただきました。
 8ページにアップデートした形で、過去2~3年の副反応疑いの推移を示していただいているという状況でございます。
 追加した資料を基に、御議論いただけたらと思っております。
 課題マル2でございますけれども、ワクチン接種後に生じた症状に苦しんでいる方に寄り添った支援についてということで、事務局のほうから12ページ以降のところで、協力医療機関の実態調査をしていただいて、そこでニーズ等についてもアンケートをしていただいたということでございます。
 プラスして、体制強化のポイントを幾つか挙げていただきまして、その中では情報の提供や研修会のこと、そして協力機関等の実態調査を定期的に行っていくことなどが示されております。また、いろいろなところの連携が非常に重要だということで、学校、地域自治体、医療機関、協力医療機関等々の連携について、図を示して御紹介いただいたものと理解をしております。
 3番目の情報の提供につきましては、皆様と作り上げたリーフレットの改訂のこと、そして学校への情報提供のこと等について御紹介いただいたということでございます。
 本日、HPVワクチンの積極的な勧奨の取扱いをどうするかということでの科学的な見地からの御判断をいただくということでございますが、付随した支援のこと、あるいは情報提供についても御意見を賜り、それはここだけでまとまるものでありませんので、引き続いて分科会のほうで御審議いただくということでございますが、御意見はぜひ積極的に頂戴したいと思っております。
 それでは、ただいまの事務局からの説明につきまして、質問や御意見がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越でございます。
 まず、課題のほうのエビデンスについては引き続き収集をしていくということで、特段の意見、異論は、私からはございません。
 また、実態調査のほうも、協力医療機関の実態・現状の確認ができましたので、ありがとうございました。
 1点質問なのですが、スライド21ページ目の強化のイメージなのですけれども、まず協力医療機関を増やしていく前に、今の段階では協力医療機関への研修等をして、質を上げてくということを理解はできました。今の段階でその質を上げた上で、今後、積極的勧奨とか何かになったときに、副反応や相談が増えたときには、協力医療機関を増やすことはその時点でまた考えるという解釈でよろしいのでしょうか。
○森尾座長 ありがとうございます。
 事務局いかがでしょうか。事務局、お願いいたします。
○事務局 御質問ありがとうございます。事務局でございます。
 今回は協力医療機関の機能の向上、機能の強化という観点で、まずは質の向上を目指して、例えば研修会のさらなる充実あるいはほかの機関との連携をお示ししております。もちろん今後HPVワクチンの接種がより広がっていく状態で、その都度、必要な支援や必要な体制は変わってくるかと思いますので、そこは柔軟に対応が必要なところだと思っております。また、その際には先生方と御議論いただく部分もあるかと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
○森尾座長 舟越委員、よろしいでしょうか。
○舟越委員 分かりました。
 なお、私が薬剤師だからというわけではなくて、このイメージ図の中で、医療機関から学校への「必要に応じて情報提供」というのが地域の医療機関からあると思います。実際に院外処方が大半を占めている中で、処方箋に基づくものではないところもありますけれども、地域の薬局で健康サポート薬局や、今年から地域医療連携薬局という形で実際にワクチンの啓発・普及、または患者・被接種者、打とうかなと思っている方とかの相談を地域で薬局、また、かかりつけ薬剤師の方とかが実際に質問に応じていることが現実よくあるのですが、このイメージ図の中には、薬局といいますか、かかりつけ薬局の明記がないので、そこについて少し解説をいただきたいと思います。
○森尾座長 舟越委員、最後のほうで電波が悪くなったようでございますので、もう一度お願いできますでしょうか。
○舟越委員 今は大丈夫でしょうか。
 このイメージ図の中で、医療機関から学校へ「必要に応じて情報提供」とございますが、実際に地域で薬局、また、かかりつけ薬剤師等がいまして、あと健康サポート薬局、今年から地域医療連携薬局のような形で、実情、地域の薬剤師がワクチンの啓発・普及や保護者からの質問、不安についての質問を受けている現状があります。そうなりますと、このイメージ図の中でなぜ薬剤師というよりはかかりつけ薬局等の部分がないのかというところについて解説いただきたいと思います。
○森尾座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 御質問いただきまして、ありがとうございます。
 御指摘いただきました健康サポート薬局あるいは今年から始まりました地域医療連携薬局、また、そのほかの機関に関しましても様々な取組を行っていただいていると存じております。
 今回、21ページ目でお示ししました資料に関しましては、現状12歳~16歳の定期接種の対象者がまさに地域において診療・相談を行う上で中心的な役割を果たしていただいている機関をお示ししているものでございます。
○舟越委員 一番の懸念についてなのですが、ここで必要な情報が薬局のほうに行くような流れがないことで、都度、薬局薬剤師の方々が個別の解釈で質問に対して対応することも懸念として出てくると思います。今後でも結構なのですが、その点についてはまた御検討いただければと思います。
 以上です。
○森尾座長 薬局という言葉を入れるかどうかということを含めて、事務局で御検討いただくということでよろしいでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
 取組事例なども見ながら今後検討の部分もあるかと思いますので、御意見として承ります。ありがとうございます。
○森尾座長 貴重な御意見をありがとうございました。
 それでは、柿崎委員、伊藤澄信委員、佐藤委員の順で御質問をお願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
 協力医療機関へのアンケート調査、ありがとうございます。
 研修・連携を通じて、協力医療機関の体制を強化していくことは非常に大切なことだと思います。
 今回のアンケート調査で、84の協力医療機関のうち61の医療機関が回答されていて、回収率は72.6%です。アンケート調査としては極めて高い回収率だと思うのですけれども、国や県が指定している協力医療機関ですので、回答されなかった施設は単に締切りに間に合わなかったのか、それとも体制ができていないのかということが1点。
 もう1点は、首都圏の病院と地方の病院とでは体制が違うかと思いますので、全国の対象者を適切にフォローしていただけるよう、研修・連携を通じて均てん化をお願いできればと思います。
 以上です。
○森尾座長 こちらは事務局からいかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
 今回、84協力医療機関に対して行ったウェブアンケート調査でございますけれど、今、柿崎委員から御指摘がありましたように回収率は72.6%で、コロナ禍で大変お忙しい中、我々としては非常に大きな値をいただいたと思っております。調査期間は10月13日~11月2日という非常に短い期間であったというところもございますので、これを勘案しても協力医療機関についての実態状況について、かなりの程度分かったのではないかと思っております。
 そのほか、今回回収がされなかった医療機関に関してですけれども、例えば協力医療機関に関して、毎年、都道府県に対して、その窓口となる診療科あるいは連絡先に関して情報を収集しておりまして、厚生労働省のホームページでも公開しているところでございます。今回回答がなかったところに関しましても、例年の通年のものに関しては毎回欠かさず御回答いただいているところでございますので、その点も情報を提供させていただければと思っております。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○森尾座長 都道府県で1つというところもきっとあると思うので、そこがどういう活動かを何らかの形で把握できればよろしいのかなと思っております。貴重な意見をありがとうございました。
 それでは、伊藤澄信委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 過去のCRPSの報告とかに対応して様々な体制が整備されてきて、その体制を使って今後も教育なども含めて対応をされていくということで、今の体制整備に異存はないのですが、一応確認しておきたいのですが、今後、接種回数が増えることに伴って、相談件数などが増えると思うのですが、今後、相談の内容や件数について、協力医療機関からPMDAに報告があって、そこからこの審議会に報告が上がってくるのか。それとも、直接この審議会に厚労省を通じて報告が上がるのかを教えていただきたい。またこの審議会に上がってくる報告の頻度はどの程度を予想されているのか、教えていただきますでしょうか。
○森尾座長 報告の在り方ですけれども、事務局、お願いいたします。
○事務局 御質問ありがとうございます。
 少し確認をさせていただきたいのですけれども、今、御指摘いただいたものは、従来の副反応疑い報告のものでございましょうか。それとも、こちらの資料でお示しした協力医療機関に関しての継続的な調査のお話でございましょうか。
○伊藤(澄)委員 どちらでも構わないと思うのですけれども、この審議会にタイムリーにデータが上がってきて、タイムリーに対応ができる体制の整備はしておいたほうがいいと思ったので、質問させていただきました。
○森尾座長 お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 副反応疑い報告に関しましては、これまでどおりこちらの審議会に報告を上げまして、先生方に御審議いただく、そこの部分は変わるところではないかと考えております。
 ただ一方で、協力医療機関の診療状況について、よりタイムリーな形で評価が必要というように我々も同じ認識を持っておりますので、そこの部分に関しては先生からいただいた御意見も踏まえながら、今後どのような実態把握を行っていくのがよいか考えていきたいと思っております。
 ありがとうございます。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。継続的にというだけでなく、タイムリーにというキーワードも頂戴しました。ありがとうございます。
 それでは、佐藤委員にお願いして、その後、倉根委員、伊藤清美委員と続けさせていただきます。
 佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 ありがとうございました。
 非常に分かりやすい説明でよく理解が進んだのですけれども、今後いろいろ強化していくというのが特に分かりやすいのが21ページの図であるかと思います。
 確認なのですけれども、この図は、従来確立している体制の中で、赤い丸のついている部分についての強化を進めますということでいいですね。
○森尾座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 そのような理解でよろしいかと思います。
○佐藤委員 今のところマル1~マル3があるのですけれども、これはあくまで例であり、ほかにもいろいろあるのですか。
○事務局 本日、先生方からいただく御意見なども踏まえて、今後の強化の方向性を考えていきたいと思っております。
 例えばここの資料の中でお示ししていないものに関しまして、協力医療機関がほかの協力医療機関同士で連携を行うということも考えられる強化のポイントと考えております。
○佐藤委員 情報の共有ということですね。
○事務局 例えばそういった形もあるかと考えております。
○佐藤委員 分かりました。
 あと、研修について確認させてください。
 研修会の内容が、今後充実してくるのだろうなと思うのですけれども、研修会の主体はどちらになるのでしょうか。なぜそう思ったかというと、2つ前の19ページのスライドに「モデル症例シミュレーション」というのが書いてあります。がん患者さんとかの場合ですと、がん患者さんの家族の会とかそういった方々から大変なご協力をいただいて、モデル症例のシミュレーションなどをやられているというお話を聞いています。その点、こちらは実際モデルとしてどういったことを想定して、どういう方にお願いして、というようなことをシステマチックに整備するという点が少しはっきりしなかったので、確認させてください。
○森尾座長 それでは、事務局、お願いいたします。
○事務局 御質問ありがとうございます。
 19ページ目でこれまで実施されてきた協力医療機関向けの研修会をお示ししております。こちらは厚生労働省が研究班の先生方の協力をいただきながら主催している研修会でございます。その中でシミュレーションに関しましては、例えば患者さんとその保護者の方との面談のシミュレーションを行うような形で実施してきたことがあるという形で伺っております。実際に患者さんが来るという形というよりは、非常に症例を多く経験していらっしゃる研究班の先生方が、こういったモデルケースを使って例示して、参加している先生方の理解を深める、あるいは実際にシミュレーションを行って経験を積んでいただく、そういった趣旨の研修会でございます。
○佐藤委員 では、もう研究班で研究を進めておられた先生方が中心となって、ニーズに合わせたものをやっていくということなのですね。
○森尾座長 お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 そのような形でございます。ですので、今後、研究班ともしっかり連携をして、今いただいた御意見なども踏まえて、しっかり内容を充実して、協力医療機関の先生方にとってより有用な研修会となるようにしていきたいと考えております。
○佐藤委員 もう一点、話が少し飛ぶのですけれども、先ほどリーフレットの御説明があったと思うのですが、9価のワクチンについてもリーフレットに含めるということがあったと思うのです。その書きぶりは既に決まっていらっしゃるのでしょうか。
 先行して打たれている方が増えてきている状況であり、一方で、控除の対象ではないということであって、その書きぶりはこれからかなり練っていくという理解でよろしいでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 9価のHPVワクチンについての御質問でございますけれど、28ページ目に9価のワクチンに関して追記をする改訂の案をお示ししております。先生におっしゃっていただいたように、現状まだ公費ではないものに関して、検討中であると。ただ、検討中とだけ記載した形ですと、当然、情報をより深く知りたい方もいらっしゃるかと思いますので、そこの部分に関しては。
○佐藤委員 ここにあったのですね。ごめんなさい、見落としていました。
○事務局 先ほどの説明の中で、私が省略させていただいた部分でございまして、申し訳ございませんでした。ありがとうございます。
○佐藤委員 分かりました。ホームページに飛べば、きちんと詳細なことが理解できて、例えば今の9価の承認状況などというところまでの情報が取れるという理解でよろしいですか。
○森尾座長 お願いいたします。
○事務局 9価のワクチンに関して、現在の審議状況あるいは必要な情報がしっかり伝わるような形で工夫をしたいと考えております。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。よろしくお願いします。
○森尾座長 ありがとうございました。
 今、マル2の支援とマル3の情報提供ということで御意見を頂戴しております。今日そちらも議論していただきたいところでございますけれども、マル1のエビデンスについて何かありましたら、ぜひ御質問やコメントを頂戴できればと思っております。ハンドリングが悪くて申し訳ありません。
 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 接種そのものに関してのコメントなのですが、よろしいでしょうか。
○森尾座長 お願いいたします。
○倉根委員 恐らくこのワクチンを接種する科は、小児科の先生もあり、内科の先生もあり、また産婦人科の先生もありということで、複数の科にまたがるワクチンかと思うのですが、どのような科で接種されているのか。それが年齢とどのように関係してきているのか。あるいは地域によるのか。そこら辺の情報は支援体制を考える上で重要なのかなと思うのですが、このような情報は比較的容易に集まるものなのでしょうか。あるいは今後接種を行うに当たって、何かもう準備ができておるものなのでしょうか。
 以上です。
○森尾座長 こちらは宮川委員からコメントがあるそうです。
○宮川委員 今、倉根委員からお話があったように、どのようなところが主体になるかという形になりますと、地域の小児科がまず第一歩、それに付随して、思春期などを見ているという意味で婦人科の先生がかなり地域で開業されているところがありますので、その先生たちが地域でそういうものに携わっていく。それから小児科、婦人科のない、ないというよりは地域の医療資源として乏しい場所では、内科の先生たちがそのような形をやっておりますので、医師会を通じて、幅広くしっかりとした情報提供をしていけば、問題ないはずです。さらに従来も積極的なそういう形をされなくても、接種をしたいと実際に取り組んでいらっしゃる方はかなりおりますので、そういう先生たちが中心になって進めていかれるのではないかなと考えます。
 ただし、幅広く情報提供をしなければいけないので、そこで改めて幅広い情報の拡散の仕方を考えていきたいと思っています。
 以上です。
○倉根委員 御説明どうもありがとうございました。理解いたしました。
○森尾座長 ありがとうございます。
 マル2、マル3のところの御質問があればその点について承るとともに、有効性・安全性のエビデンスについてコメントがありましたら、ぜひお願いできればと思っております。
 それでは、伊藤清美委員、続いて山縣委員から御質問をお受けいたします。よろしくお願いします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 先ほどの研修会の話に戻ってしまうのですけれども、19ページにはこれまでの研修会ということで、年1回程度ということが書いてあるのですけれども、今後もし積極的勧奨を再開することになりましたら、再開する前に、事前に全体に対する研修会をきちんとしてから再開するという認識でよろしいでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 御質問ありがとうございます。
 研修会に関しましては、こちらでお示ししているとおり、年1回程度開催しているところですけれども、今回、HPVワクチンの接種が広がっていくことが確認されましたら、遅滞なく研修会を開催するように準備を進めたいと思っております。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 もう一つなのですけれども、7ページのニーズに関するアンケートで4項目、説明・情報提供するための資材や研修会、連携などとあるのですけれども、4つ目のその他というのがここには7件あるのですが、協力医療機関に向けて提供できるような判断材料はその他のところに何かありましたでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 確認いたしますが、この調査の中で、例えば研修会の内容あるいは情報提供資材に関しまして具体的な内容などもいただいておりますので、このアンケートの項目から外れたものに関しまして、こういった自由記載でいろいろとコメントいただいていると認識をしております。
○伊藤(清)委員 分かりました。
 協力医療機関の体制が今後重要になってくると思いますので、もしニーズに合った提供ができることがあればと思いましてお伺いしました。
 ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 山縣委員、続いて濱田委員、多屋委員、永井委員と移らせていただきます。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 山縣です。
 マル1の安全性についてなのですが、少し誤解をされないような説明も必要かなと思いますのが、現在こういうエビデンスというのは、その集団に対してどれぐらいの頻度で問題が出たのかとか、何かと比較したときに、効果やリスクが高いとか低いとかという確率が医学で言うエビデンスですが、患者さんにとっては一例一例が非常に重要なエビデンスであるわけで、そういった個別の事例をきちんと見ていくのだということも示されてはいるのですが、誤解のないような形でこのエビデンスということを皆さんに御理解いただけるようなことも必要かなと思いました。
 マル2の有害事象が生じた方への対応を示すことで、個人への対応が取られているというようなことを御理解いただくことが必要かと思いました。
 以上です。
○森尾座長 重要な御指摘をどうもありがとうございます。
 それでは、濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
 非常に分かりやすい御説明を受けたのですけれども、1番の安全性、効果という面でございますが、安全性については前回10月1日の会議でも十分に話が出て、懸念すべき状況ではないという結論がある程度出ていると思います。今回のような有効性に関してもLancetの論文が出ているということで、さらにこの接種の再開が必要になってきているのかなと思うのです。
 ただ、ここで再開をした場合、また接種者数がどんどん増えていく。そこでまた新たな知見も出てくるわけで、先ほど伊藤澄信委員が言われていたタイミング、どうやって再評価をしていくかということなのですけれども、ベーシックなサイクル、ほかの定期接種のワクチンのサイクルですと今、結構間が空いてしまうと思うのです。ですから、その辺のサイクルをもう少し狭めて、もし再開した場合には、ほかの定期接種とは別に安全性の再評価をしていく、そういう方向を考えられたらどうかと思っております。
 以上でございます。
○森尾座長 重要なポイント、ありがとうございます。
 今、幸いにして2~3週に一度この部会が開かれているので、間隔を狭めて解析ができればということでございます。
 事務局からお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。大変重要な御意見だと思っておりますので、しっかり承りたいと思っております。
 1点だけ補足をさせていただきますと、HPVワクチンに関しまして、今後、接種がどんどん広がっていくということももちろんございますけれども、前回お示しした資料をご覧いただければと思うのですが、既に接種の本数は少しずつ増えてきているフェーズではございます。これからゼロが100になっていくというよりは、今もう既に増えつつあるものが、今後さらに拡大していくフェーズであるということでございますので、現状、今までこの審議会で御議論いただいていた部分に関しましても、広がってくるフェーズでの御評価をいただいていて、今後も引き続き評価をしていただくことが重要と考えております。
 ありがとうございます。
○森尾座長 宮川委員から、関係してのことでございます。
○宮川委員 少し割り込んだような形で申し訳ありませんけれども、前提となるのが、積極的な勧奨は一時的に差し控えられたということの再確認です。この積極的な勧奨というものは何なのかという定義は重要と思います。
 積極的な勧奨というのは、予防接種法第8条に基づいて、予防接種の実施主体である市町村が対象者やその保護者に対して、接種を受けるように勧奨しなければならないものであって、具体的には広報誌やインターネットを通じてそのような形で広げていくというものを差し控えられたということです。では、その差し控えられた原因は何なのかというと、いろいろな事象が出てきたということで、そういう意味では課題というか論点の一つとして、HPVワクチンのリスクとベネフィットの整理という形が出てきたのだと思います。問題はそこを前提としなければいけないので、そこをまず論議して、その接種が進んでいくということの中では、実際にはあってはならない事象としての課題マル2として、HPVワクチンの接種後に生じた症状に苦しんでいる方にどうやって寄り添って支援をしていくのかという方法論、それに対して、さらに積極的な勧奨という形になれば、情報の提供をどのように適切にしていくのかという論点に変わっていくので、論点をしっかりと整理しながら進めていかないと、ただ一つ一つの事象に対して疑問を挟んでいくということになると、なかなか議論が進んでいかないと思うので、座長、ぜひそのような形で、何か議論の収束というかまとめをしていただければありがたいと思います。
○森尾座長 重要な御指摘、ありがとうございます。
 第1点目のところが今日の第1番目の論点でございまして、積極的な勧奨の取扱いということでございます。マル2、マル3を若干離れて、科学的な議論ということがこの部会の使命でもございますし、その点でまず御意見を頂戴させていただけたらと思っておりますが、いかがでしょうか。手を挙げていただいている委員もいらっしゃるのですが、すみません。もし、その点に関してということであれば、続けて御意見を頂戴していきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
 岡委員、お願いいたします。
○岡委員 ありがとうございます。
 安全性ということに関しては、前回厚労省のほうから関係するポピュレーションベースドの研究論文を出していただけたかと思います。私のほうでも個人的に論文をサーチしてみて、お出しいただいた文献が最も確実なエビデンスかなと個人的にも再確認しております。
 ケースシリーズのようなものであっても、海外からも報告はあまり出ていないという状況で、ある意味では、各国でいろいろな適切な対応法について発展してきているのではないかということを少し推測しています。
 これは安全性から少し離れるかもしれませんけれども、先ほど山縣委員がおっしゃったことが非常に大事で、多様な症状が出る方は、祖父江班が厚生労働科学研究でさせていただいて、私も班員に入れていただきましたけれども、調査して、最近論文をパブリッシュさせていただいておりますけれども、そこでエビデンスとして出させていただいたのは、予防接種を打っていない方でもこの年齢の方々にはそのような症状で困っている方がいらっしゃるということをはっきり示させていただきました。臨床医としては、実感としてはそうだろうと思っておりましたけれども、それをエビデンスとして出していただいたということになるかと思います。
 この部会で言うべきことではないのかもしれませんけれども、私の立場からすると、むしろ予防接種を打ったから、打っていないからということでなく、多様な症状が出ている方にしっかりと診療できる体制をつくっていく、そういうことの中に、この予防接種を打った後にそういった症状を訴える方がいらっしゃったら対応するという、そういった医療の枠組みの中に入ってくるのではないかと私個人としては考えております。
 ですので、最近ですとそういう考え方が医療の中でもだんだん進んできて、例えばICD-11の新しい病名の中にもChronic primary painというような形で、それは神経痛なのかもしれない、心の問題なのかもしれない、いやいや別の原因かもしれないと言われたようなものを統合するというような形になってきていますので、そういう診療の中でちゃんと適切に対応していくという形を取っていく中で、そういう方々に対応できるようにすることが非常に大事だろうと思います。
 ポピュレーションベースドでのスタディーの中で、けれどもそれは予防接種を打った方と打っていない方を比べたポピュレーションベースドスタディーでは差がないということですけれども、そういうことは関係なく、そういったような症状を訴えられた方への診療体制をちゃんとつくることが最も大事なのかなと、診療側としては考えております。
 以上です。
○森尾座長 重要な御指摘及び情報、ありがとうございます。
 宮川委員から、関連してコメントがございます。
○宮川委員 今、岡委員がおっしゃったような多様な症状、ISRRに関しては、このような協力医療機関がワクチンを打った、打たないにかかわらず、お子さんとか親御さんとかに対する、そういう症状をしっかり見られる医療機関として確立していくことが重要です。その中でいろいろな区別をして診療していくことが大事なので、このような協力医療機関が、あくまでもHPVワクチンに関連するだけではなくて、多様な症状に対する対応という位置づけにすることによって子供たちが救われるのではないかと思います。そのような形で、協力医療機関の確立をしていけばいいのかなと感じております。
 そして、先ほど舟越委員が御提案になりましたが、私も厚生労働省の薬剤師の資質向上に関する審議会にも入っておりますので薬剤師の方々の地域における位置づけを理解しております。地域医療連携薬局や健康サポート薬局でもそのような取組をしっかりと受け取って、地域で支えていく形にすればよろしいのではないかと思っております。
 以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 岡委員と宮川委員から非常に重要な御意見をいただきました。副反応検討部会の議論の枠組みを超える部分もあるかと思いますけれども、非常に大切な御指摘だと思いますので、
御意見として頂戴したいと思います。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 ほかに安全性・有効性につきまして、皆様から御意見がありましたらどうぞ。
 倉根委員、ずっと挙げていただいていまして、すみません。お願いいたします。
○倉根委員 今のディスカッションと少し違うことでもよろしいでしょうか。
○森尾座長 安全性・有効性に関してでありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
○倉根委員 分かりました。
 有効性についての確認といいますか、事務局に伺えばいいのかなと思うのですけれども。今日お示しいただいた7ページにLancetの論文が出ていて、ワクチンを接種するときの年齢が上がるにつれて、発がんの減少率が減っていくというデータになっているのですが、これは年齢によって免疫原性、防御免疫を誘導する率が減るのではなくて、16~18歳の群が12~13歳の群に比べて既にこのウイルスに感染している人の率が上がるので、こういうスタディーをすると子宮頸がんの減少率が下るというか、下がったように見えるという理解でよろしいですねという、質問といいますかコンファメーションであります。
○森尾座長 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 御質問いただきましてありがとうございます。
 7ページ目のLancet論文について御質問をいただいたところでございますけれども、接種時の年齢が上がるほど効果が低くなってくるというところに関しましては、まさに先生が御指摘いただいた年齢上がることによってHPVへの既感染、既に感染している方が増えるという部分と、あと年齢が上がることによってワクチンを打ったときの免疫原性、免疫の反応性が変わってくる、もちろんその両方の要素が考えられるところかと思いますが、2つを明確に分けることが難しい部分なのではないかと考えております。
○森尾座長 どうぞ。
○倉根委員 2つ目におっしゃった、12~13歳と18歳あたりで同様のワクチンを接種しても、免疫誘導能に差が出てくるというようなエビデンスはありますか。
○森尾座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 確立したものかどうかはまだ議論があるところかと思いますけれども、年齢に応じて、若年接種したほうが免疫原性が高いというものを示す研究結果があるというのも事実かと考えております。
○倉根委員 そうすると、比較的早めに打つことの必要性もまた出てくるということになりますね。今回打つ年齢を変えるという意味ではないのですけれども、早めに打つほうが有効性も高くなるというデータも重要になってくるということですね。
○森尾座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 我々が御提示させていただいた論文なども踏まえながら、この委員会の専門家の先生方から御議論いただきたい部分かと考えております。ありがとうございます。
○倉根委員 ありがとうございました。
○森尾座長 ありがとうございます。
 それでは、永井委員、続いて多屋委員から御意見をいただきます。
 永井先生、お願いいたします。
○永井委員 ありがとうございます。
 もう皆さん方の発言していただいている内容で本当に賛成なのですけれども、進めていくに当たって、最初は慎重に進めていくということは大事だろうと思うのです。データをしっかり収集しながら、ゆっくり広げていくという形を取るのが一番いいのかなと思っています。課題の中に挙げていただいている、これまでのワクチンで症状が出て困っておられる方々の支援をきっちりうたっていくということも並行して重要だろうと思いますし、既に意見として出ていることの繰り返しで申し訳ないのですけれども、そういう感じで進めていくことが非常に大事だと思いますけれども、データを集めながら、慎重にゆっくりやっていくということで、安全に、着実に進めていくという形がいいのではないかと思っています。
 以上です。
○森尾座長 永井委員、ありがとうございました。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
 1つは先ほど濱田先生がおっしゃったので、一旦手は下ろしたのですけれども、有効性と安全性について幾つか発言したいと思います。
 まず、有効性についてですけれども、HPVワクチンの有効性は時間がかかって現れてくるものが多いですが、HPVが関連するような悪性腫瘍、がんやHPV関連疾患の発生状況などをモニタリングしていくことも有効性の評価につながるのではないかと思いました。
 2番目として安全性ですが、先ほど濱田委員がおっしゃいましたが、現在HPVワクチンは3か月に1回の審議となっておりますけれども、積極的勧奨がもし再開された場合は、しばらくの間、もう少し頻度を多くして、間隔を短くするのが一つなのではないかと思いました。
 もう一つは次の議題と関連するので発言しようかどうか迷ったのですけれども、相談窓口が各都道府県に設置されています。そこにはHPVワクチンの多様な症状に関連した方が相談に来られていると思うのですけれども、その相談窓口を受診された患者さんの状況などを教えていただくことによって、安全性モニタリングにもつながるのではないかと思いました。
 また、相談窓口はHPVワクチンに特化したものではなく、ほかのワクチンにも、対象を広げていただきたいというのは先ほどほかの委員の先生からもありましたが、お願いしたいと思いました。
 最後に、有効性と安全性に関しての両方に関わるのですけれども、海外ではほとんど若い女性については接種回数が2回になっています。3回を2回にしたときの有効性なども、日本ではどのようにすればそれができるのか、3回を2回にしたときに有効性が変わらないということを出さなければ変わらないということであれば、かなり長くかかってしまいます。結構1回目から接種後の痛みが強いワクチンですから、回数が少なくなるということについては、安全性の改善にもつながるのではないかと思いました。
 以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 相談窓口からの情報等を含めて、濱田委員からコメント、御質問があるそうでございます、お願いいたします。
○濱田委員 先ほど宮川委員も言われて、それから今、多屋委員も言われていらっしゃるのですけれども、HPVワクチンに限らず多様な症状は予防接種全般で起こるものという考えがあると思うのです。WHOが2019年に出した予防接種ストレス関連反応、ISRRという概念が実際あるわけで、それが今回の多様な症状に関連していることはあり得ると思うわけなのです。ですから、もちろんHPVも含めて、それ以外のワクチンでもそういった症状が出るという可能性はある。それを協力医療機関なりで対応していく、そういうシステムをつくることが非常に前向きな方向性としていいのではないかと思っております。
 そうなってくると、例えば6ページ目なのですが、一番上に書いてあるワクチン接種との関連性は明らかになっていない。これは確かにエビデンスレベルでは現状でそういうことになるとは思うのですけれども、ただ、ISRRでそういう症状が出ていることも考えられるという記録はしておいたほうがいいのかもしれないなと思っております。
 以上でございます。
○森尾座長 事務局からお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 複数の委員から御意見をいただいた点に関して、少し回答させていただきます。
 今、濱田委員から御指摘がありましたワクチン接種との関連性が明らかになっていないという記載ぶりのところでございますけれども、前回お示しした資料で、こういった形でお示ししているところでございます。ここの部分の解釈については、まさしく先ほど岡委員からお話があったように、エビデンスとして多くの方を対象にしたときに、全体のマスとして、ポピュレーションとしてのものはないということでございますけれども、個別の患者さんに対してそれがワクチンに関係しているかどうか、あるいはそれがどのような副反応疑いなのかということに関しては、まさしくこの審議会にて御議論いただく部分かと思っておりますので、ここの部分に関しては、もちろん本日の議論で安全性の評価が終わるわけではなくて、今後も引き続き先生方の御協力をいただきながら評価を続けていただければと思っております。
 また、今後の評価の頻度に関して、何人かの先生方から御意見をいただきました。現在およそ3か月ごとに評価を行っていただいているところでございます。しっかりタイムリーに把握するために頻度を上げるという考え方はもちろんある部分かと思いますけれど、ここの部分に関しては、報告をしていただく医療機関や企業から、あるいはそれを評価するPMDAといったものと、ロジ面も含めてどのようにやっていけるかというところもございますので、しっかり事務局のほうで検討させていただく形にさせていただければと考えております。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 宮川委員からございますでしょうか。
○宮川委員 今、事務局がおっしゃったことは非常に重要で、もともと最初の議論のところで山縣委員がおっしゃったような個々の方々を救うということが大事です。このワクチンに対して、どんなことに対してでも集団の中のいろいろなことを取り上げることはいいのですけれども、個々のことを救うという形を医療体制の中でしっかりとつくっていくことがこれからも重要であると考えます。それは先ほど山縣委員が懸念されて言ったお言葉だろうと思いますので、国も、それから医療体制も、そういった形でつくっていくことがこれから重要です。そういうことができなければ、このHPVワクチンの速やかないろいろな接種の流れにならないのではないかと考えます。他のワクチンでも同様だと思うので、そういうものを包括してこれから一緒に考えていくことが重要です。その中でいろいろなリスクがあったときに、この副反応部会でしっかりと検討していくことが大事なのではないかと思っております。
 以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 すみません、先ほどの発言の部分で1か所、岡委員と申し上げてしまいましたが、山縣委員からの御発言を引用させていただいた形でした。申し訳ございません。
○森尾座長 ありがとうございます。
 永井委員、お願いいたします。
○永井委員 ありがとうございます。
 言い忘れたのですけれども、多屋委員がおっしゃっていた痛みのことなのですが、このワクチンは痛みが強いというのはもうよく知られている事実なわけですし、接種対象者への説明のところに、痛みのことをきちんと説明しておくというところは、注意事項として入れておいていいのではないかと思っています。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。リーフレットでも記載されているのではと思います。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 まさに森尾座長におっしゃっていただいたように、痛みに関しましては、接種をされる方御本人あるいは保護者の方々に対してはオレンジ色のリーフレットのほうで、また、接種をしていただく医療機関の方々に関しては緑色のリーフレットのほうで、しっかりと御説明を差し上げているところでございますが、ここの部分は今後もしっかりと情報提供を行っていきたいと考えております。
○森尾座長 ありがとうございます。
 ほかに積極的な勧奨を差し控えることを終わりにするという点について、御意見がありましたら承りたいと思いますが、ひとまずよろしいですか。
 ありがとうございます。
 それでは、また付随しての御意見があったかもしれません。支援の在り方と情報提供、リーフレット等について、もし追加でコメント、質問等がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 石井委員、お願いいたします。
○石井委員 石井でございます。
 今まで痛みとかをリーフレットで伝えるといっても、なかなかそれがうまく伝わっていなくて、いろいろな副反応につながっていったようなことを感じ取れているところでございます。しかも相手が13歳という思春期で多感な時期ですので、御両親に対しても丁寧にお話しをしていかないといけないかと思います。
 その上で有効性と安全性をしっかりと伝える。また、私たちのように年を取ってしまうと、思春期の人たちがどのような理解をして、安心して接種を受けられるかということもなかなか分からないと思いますので、いろいろな人のお知恵を借りてリーフレットを仕上げられるかが大切です。大人の目だけではちょっと足りないような気もしてございます。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。若者への発信は非常に重要なポイントだと思います。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 まさに非常に重要な御指摘かと思っております。リーフレットの内容に関しまして、対象となる方々のことをしっかり想起しながら、内容とそのデリバリーをどのようにするかということを引き続き検討していきたいと考えております。
 ありがとうございました。
○森尾座長 ありがとうございます。
 どうぞお願いいたします。
○事務局 もう一点、補足でございます。
 このリーフレットに関しまして、これまでの作成の過程で、対象となる方々に対して、このリーフレットの表現ぶりは分かりやすいか、あるいは、どのようにすればより分かりやすいかということもヒアリングを行った上での改訂を行ってきているところでございますけれども、そういった視点も重要なものとして、これからもしっかり進めていきたいと考えております。
○森尾座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 話が少し飛んでしまって、申し訳ありません。
 もし再開した場合には、キャッチアップも行われることになると思うのですけれども、私は学校とか自治体とかだけではなくて、職域へこういったリーフレットを配付することによって、保護者の方々にもこのワクチンについて詳しく知らせていくことも大事ではないかと。キャッチアップになりますと、今、20代の方ぐらいが対象になってくるので、もちろんそこでも必要になってくると思いますし、今後のリーフレットの配付先として職域というものもお考えいただくと、さらに広まっていくと思います。意見として言わせていただきます。
○森尾座長 キャッチアップの際の重要なポイントとして、ぜひ承りたいと思います。ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 大体出尽くしましたでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、HPVワクチンの接種を進めるに当たり必要となる具体的な進め方につきまして、10月1日と本日の審議会で議論された内容をまとめさせていただきたいと思いますので、ぜひフォローしていただきたいと思います。
 まずHPVワクチンの安全性・有効性に関するエビデンスについてでございます。
 平成29年11月の検討以降、HPVワクチン接種後に生じた多様な症状とHPVワクチンとの関連について国内外でこれまで調査が行われているが、ワクチンとの関連性を示す研究結果は確認されていない。1点目でございます。
 そして、HPVワクチンの有効性について、近年、海外の大規模調査において、子宮頸がんの予防効果も示されてきている。
 3点目でございます。現在のエビデンスによれば、ワクチンの安全性についての特段の懸念は認められない。その上で、合同会議において、今後も新たなエビデンスを収集しつつ、安全性の評価を行っていくという点でございます。
 加えまして、この積極的な勧奨を差し控えるのを終えるということになりましたら、安全性等の評価の頻度につきまして、事務局のほうで検討していただくということを付け加えさせていただけたらと思います。これが1点目でございます。
 2点目は支援についてでございます。
 協力医療機関の体制強化についてでございますが、協力医療機関の実態調査の結果、必要な診療を提供するための体制が一定程度維持されている一方で、近年、ワクチン接種後に生じた症状で受診する患者がいない医療機関も多く、研修会や関係機関間の連携に係るニーズがあることが明らかになりました。
 今後は、これまで定期的に実施してきた協力医療機関向けの研修会について引き続き実施するとともに、協力医療機関のニーズ等を踏まえ、内容の充実を行っていく、質の向上を行っていくということでございます。
 そして、協力医療機関同士が互いに相談できる体制の構築や、協力医療機関と都道府県等が必要な情報を共有できるよう、連携の強化を行っていくという点でございます。
 また、協力医療機関の診療実態を把握するための調査を継続的かつできるだけタイムリーに実施していくという点でございます。
 そして、地域における連携についてでございますが、地域の医療機関がワクチン接種後に生じた症状への適切な対応方法や協力医療機関等への紹介をより円滑に実施できるよう、また、地域の医療機関の医師が担っている学校に他の医療機関や都道府県等との必要な連携を取っていただけるよう、地域の医療機関に対して必要な情報の周知を行っていく。
 また、地域における相談支援体制について衛生部局と教育部局との連携が重要であることから、必要な周知等を行えるよう、関係機関との一層の連携を図っていくということでございます。
 また、コメントとして、相談窓口からの情報も集められるようなシステムがあればよいのではないかという御意見も頂戴しました。
 さらに重要な、より大きな視点といたしまして、この部会の範疇を若干超える点でありますけれども、多様な症状を示す方、例えばChronic primary painを示すような方に対する診療体制の充実が重要な点ではないかという点を頂戴しております。
 3番目、HPVワクチンに関する情報提供についてでございます。
 これまでHPVワクチンのリーフレットの内容が分かりやすく改訂され、昨年10月にリーフレット等の個別通知が行われるようになった。現在、ワクチンの安全性と有効性について十分な情報提供がなされるようになってきております。
 今後、ワクチン接種について検討・判断するために必要な情報を、接種対象者に届けることを目的として、本人・保護者向けのリーフレットについては、最新のエビデンス等を踏まえた改訂や、積極的な勧奨の差し控えに関する記載の見直し、情報が更新されるものについては厚生労働省のホームページとリンクした情報提供を行うように修正を加えるという点でございます。
 医療受従事者向けのリーフレットについては、最新のエビデンス等を踏まえた改訂や、詳細な情報等について厚生労働省のホームページとリンクした情報提供を行うように修正を加える。
 そして、学校における取組の在り方については、文部科学省と検討していくということでございます。
 加えて、若者への情報提供について、そのアプローチについては継続して検討していくべきであるというコメントを頂戴いたしました。
 今の点について何かお気づきの点等がありましたら承りたいと思いますが、よろしいですか。
 それでは、本日の審議資料の最後に示されている論点について、まず読み上げさせていただきたいと思います。
 今後、HPVワクチンの安全性を引き続き評価し、HPVワクチン接種後に何らかの症状が生じた方の相談体制や医療体制を強化するとともに、こうした症状に苦しんでいる方に寄り添った支援策を継続し、HPVワクチンに関する情報提供を充実していく。こうした点を踏まえ、HPVワクチンの定期接種の積極的な勧奨を差し控えている状態を終了させることについてどう考えるかという点が論点でございました。
 この点、今日の一番の論点でございまして、差し控え終了についてということで、私が今日の議論を承っている中で、取りまとめとしての結論の文章として述べさせていただきます。
 HPVワクチンの接種を進めるに当たり必要となる具体的な進め方について、本日、多様な御意見を頂戴いたしましたが、こちらの論点にあるHPVワクチンの定期接種の積極的な勧奨を差し控えている状態を終了させることについて、反対であるという御意見はなかったと理解しております。本日の審議会においては、HPVワクチンの定期接種の積極的な勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当であるということを部会の結論とさせていただいてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 それでは、この結論を踏まえた上で、積極的な勧奨の取扱いにつきましては、冒頭にも述べさせていただきましたが、厚労省が判断するということでよろしいでしょうか。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 冒頭、事務局から申し上げましたとおり、HPVワクチンの定期接種の積極的な勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当であるという本審議会の結論を踏まえまして、厚生労働省において、HPVワクチンの積極的な勧奨の取扱いについて、行政としての適切な対応を総合的に判断してまいります。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 支援の在り方あるいは情報の提供の仕方につきましても、事務局のほうで継続して検討していただくという形にさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
 それでは、今、御発言いただいたような形でお願いしたいと思います。
 本日の結論につきましては、今後、予防接種・ワクチン分科会において、事務局と共に報告をさせていただきたいと思います。
 長い間、深い議論をどうもありがとうございました。議題1は以上とさせていただきたいと思います。
 それでは、事前に御案内させていただきましたとおり、ここで休憩を挟ませていただきたいと思います。45分から再開という形にさせていただきます。
 どうもありがとうございました。それまでにお集まりください。
 
(休  憩)
 
○岡座長 それでは、再開させていただきます。
 続いて議題2「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等」に進みたいと思います。
 まず、資料2-1-1から2-5-3について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 まず、資料2-1、2-2を用いまして、対象期間中の副反応疑いの報告状況について御報告いたします。
 資料2-1-1「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。
 今回の集計対象期間ですが、令和3年10月24日報告分までとなっております。
 2ページ目をご覧ください。マル1週別報告件数の表の一番下の部分、2021年10月24日の行でございます。
 表の一番左をご覧ください。まずコミナティでございまして、10月24日までの推定接種回数が1億5545万4673回接種、副反応の疑いの報告件数が2万4766件、頻度としましては0.02%で、前回と同一の値となっております。うち重篤の報告件数が5,063件、頻度としては0.00という表記でございますが、正確には0.0033%で、前回の報告時点の0.0034%とほぼ同一の値となっております。死亡事例につきましては、後ほど資料2-3-1にて御説明いたします。
 続いて右に行っていただきまして、モデルナでございます。10月24日までの推定接種回数が3063万2541回接種、副反応疑いの報告件数が3,737件、頻度としては0.01%で前回と同一の値でございます。うち重篤の報告件数が554件、頻度としては0.002%で前回と同一の値となっておりますが、表記上は0.00となっております。死亡事例につきましては、後ほど資料2-3-2にて御説明いたします。
 右に行っていただきまして、バキスゼブリアでございます。10月24日までの推定接種回数は6万4713回接種、副反応疑いの報告は8件でございました。うち重篤の報告件数は4件でございます。なお、バキスゼブリアの死亡とTTS疑い事例につきましては、集計対象期間後も専門家の評価と集計を行うこととしておりまして、今回は10月31日までが専門家の評価、11月5日までが集計となりますが、当該期間までに死亡事例の報告はございませんでした。また、TTS疑い事例につきましては新規の報告はございませんでしたので、前回までに御報告しております1例ということでございます。
 続いて5ページ目、マル4副反応疑い報告の報告基準別報告件数をご覧ください。
 報告基準に定められた症状でございまして、まずアナフィラキシーが10月24日までにコミナティで2,505件、モデルナが428件、バキスゼブリアが3件でございます。
 続いてTTSでございますが、コミナティで35件、モデルナで9件、バキスゼブリアで1件の報告でございました。
 飛びまして、43ページをご覧いただければと思います。接種から発症までの日数別報告件数の表でございまして、こちらの表は多屋委員に作成いただいているものを掲載させていただいておりますが、これまでの部会における議論の中でモニタリングすべき症状を整理いただいておりました。今回の資料から、その議論を踏まえまして帳票がアップデートされておりますので、こちらの資料につきましてもアップデートさせていただきましたので、御紹介させていただきました。
 また、この後に製造販売業者からの報告も御説明させていただきますが、同様の更新を行っております。
 続いて資料2-2-1薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑いの報告状況についてをご覧ください。
 2ページでございます。マル1週別報告件数の表の一番下の部分でございます。
 まず、コミナティでございまして、報告件数としましては1万5232件、頻度としては0.01%で前回と同一の値となっております。
 続いてモデルナでございますが、副反応疑いにつきましては1,992件報告されておりまして、頻度は表記上0.01ですが正確には0.0065%で、前回の0.0062%から大きな変化はございません。
 さらに右に行っていただきましてバキスゼブリアでございますが、今回の集計期間までに6件の報告がございました。死亡事例の報告の報告はございません。
 3ページをご覧いただければと思います。アナフィラキシー疑いの報告件数につきましてはコミナティで2,922件、モデルナで491件、バキスゼブリアで2件でございます。
 TTS疑い事例につきましては、コミナティが39件、モデルナが3件、バキスゼブリアが1件でございます。
 ブライトン分類評価も実施しておりまして、後ほど御説明したいと思います。
 続いて資料2-3-1「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」でございます。
 コミナティの死亡事例について御報告いたします。2-3-1の1ページ目、「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに67件ございまして、10月24日までに報告された死亡事例は計1,279件となっております。こちらの数字につきましては重複と取下げを除いた数字でございます。
 2つ目の○でございますが、上記に加えまして集計対象期間外も集計しておりまして、10月25日から11月5日までに死亡として報告された事例が28件あるという状況でございます。
 「2.専門家の評価」の部分でございまして、1,279事例を対象に因果関係評価を実施しております。ベータが7件、ガンマが1,272件となっております。
 続きまして、資料2-3-2「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」、モデルナ筋注でございます。
 1ページ目の「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに9件ありまして、10月24日までに報告された事例は46件となってございます。10月25日から11月5日までですと、新たに6件報告があるという状況でございます。
 「2.専門家の評価」でございまして、46事例を対象に専門家の評価を実施しておりまして、ベータが1件、ガンマが45件となっております。
 4ページ目をご覧いただければと思います。下から2つ目のナンバー20の事例でございます。10代、20代で心筋炎を死因として報告された事例がございましたので、御説明したいと思います。
 ナンバー20は27歳男性の事例でございまして、こちらの症例につきましてはこれまでも資料に掲載しておりましたが、解剖が実施されまして、その結果について追加報告があったというものでございます。追加で報告された内容については、下線を引いてお示ししております。
 死因につきましてはこれまで不明という形で報告されておりましたが、解剖の所見も踏まえまして、急性心筋炎に更新の上、報告されたというものでございます。
 表の右から3番目と4番目が専門家の評価でございまして、追加報告は集計対象期間後の報告でございましたが、今回はこちらも踏まえまして評価しております。結果はガンマでございまして、コメントとしましてはまず1行目の部分でございまして、剖検で心筋炎の確定診断がなされているため、心筋炎の診断自体は妥当と考えられる。したがって心室細動、心停止の原因の一つとしては、心筋炎の発症が時間的関連からは疑われる。その一方で、心拍再開後の心エコーにて認められた高度の僧帽弁閉鎖不全症(MR)が、左房径の著明な拡大を伴っていたことから、MR自体はワクチン投与前より存在していた可能性も高く、また原疾患・合併症・既往歴の欄に心室性期外収縮(PVC)の記載もあるため、心筋炎の発症が既存のMRやPVCの病態を悪化させ、心室細動・心停止に至った可能性も考えられる。
 少し飛びまして、ワクチン接種8日目の発症ということから、ワクチンが原因である可能性は排除できないと考えるが、一方で得られている情報からは、ワクチンが原因であることを示唆する根拠は時間的関連性のみとも考えられる(ウイルス性による発症も否定はできない)とされておりまして、基礎疾患の存在、他疾患との鑑別の観点からは評価不能とコメントされております。
 資料2-3の説明は以上となります。
 続きまして資料2-4-1「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑いとして製造販売業者から報告された事例の概要」コミナティ筋注でございます。
 1ページ目の「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、製造販売業者から報告された事例が新たに165件ございまして、10月24日までに報告された事例は計2,922件となっております。
 「2.専門家の評価」の部分にブライトン分類評価の結果をお示ししております。100万回当たりの報告件数は3.6でしたが、これまでの推移も踏まえまして、後ほど資料2-6にてお示ししたいと思います。
 続いて資料2-4-2「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑いとして製造販売業者から報告された事例の概要」、モデルナ筋注でございます。
 1ページ目、「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、モデルナ筋注の副反応疑いにおきまして新たに報告された事例が42件ございまして、10月24日までに報告された疑い事例につきましては計491件となってございます。
 「2.専門家の評価」の部分にブライトン分類の評価の実施結果をお示ししておりますが、100万回当たりの件数ですと1.6件となっております。後ほど2-6-1にてお示しいたします。
 続いて2-4-3「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑いとして医療機関から報告された事例の概要」、バキスゼブリア筋注でございます。
 1ページ目、「1.報告状況」でございます。バキスゼブリア筋注の副反応疑い報告におきまして、10月24日までにアナフィラキシー疑いとして報告された事例が3件でございました。
 「2.専門家の評価」の部分でございますが、この3事例を対象にしまして評価を行っておりまして、ブライトン分類はいずれも4となっております。
 続きまして資料2-5-1「新型コロナワクチン接種後のTTS疑い事例のコミナティ筋注でございます。
 1ページ目、「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、コミナティ筋注の副反応高い報告におきまして、新たに7件の疑い事例の報告がありまして、10月24日までに報告された疑い事例は計39件となっております。
 「2.専門家の評価」の部分でございますが、この39事例を対象にしまして専門家の評価を実施しております。ブライトン分類の1から3に該当するものは12件でございまして、因果関係評価の結果は、いずれもガンマでございました。100万回当たりの件数は0.2件となりまして、前回と同一の値でございます。
 続いて、資料2-5-2新型コロナワクチン接種後のTTS疑い事例のモデルナ筋注でございます。
 1ページ目、「1.報告状況」でございます。TTS疑いとして新たに報告された事例が1件ございまして、10月24日までに報告された疑い事例は計3件となっております。
 「2.専門家の評価」の部分でございまして、この3事例を対象に専門家の評価を実施しております。ブライトン分類1から3に該当するものが2件でございました。また、因果関係評価の結果につきましては、いずれもガンマでございました。100万回当たりの1から3の報告件数は0.1件で、前回と同一の値でございます。
 最後に、資料2-5-3新型コロナワクチン接種後のTTS疑い事例のバキスゼブリア筋注でございます。
 1ページ目、「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、新たに報告された事例はございませんでしたので、11月5日までに報告された事例は前回までに御報告した1症例となっております。
 こちらの事例でございますが、製造販売業者から追加の報告がございまして、前回の専門家のコメントの中で因果関係の評価に重要とされておりましたELISA法による抗PF4抗体の検査が終了しまして、陽性であったことが判明したという報告がございました。詳細につきましては、資料2-2-3-3の1ページ目にお示ししておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 この結果を踏まえた専門家の評価につきましては、5ページ目の表の右から4番目の「専門家の意見」の項でございまして、追加情報としまして、抗PF4抗体(ELISA法)が陽性であった旨が得られたことから、TMA、DICを除外するための検査所見が得られていないものの、臨床上バキスゼブリア投与による既知の副反応であるTTSを発症したと判断することが可能とされておりまして、因果関係の評価につきましては、今回、ガンマからアルファに更新しております。
 資料2-1-1から2-5-3までの説明は以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、引き続き資料2-6-1から2-6-3について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
 資料2-6-1から2-6-3を御参照ください。
 前回までの審議会と同様で、資料2-6-1につきましてはパワーポイントの資料、資料2-6-2及び2-6-3につきましては、現在注視されております心筋炎関連事象のそれぞれ製造販売業者報告及び医療機関報告となってございます。
 資料2-6-1をご覧ください。資料構成としましては前回までの審議会と同様の構成となっておりまして、まず3ページ目以降でございますけれども、3ページ目、4ページ目、5ページ目につきましては、それぞれのワクチンにつきましての年齢・性別別の推定接種回数の最新値をお示ししたものでございます。
 また、6ページ目をご覧ください。6ページ目、7ページ目は資料2-1-1及び2-2-1の御説明で御紹介申し上げました副反応疑い報告全体をまとめた資料になってございますので、御参照いただければと存じます。
 なお、6ページ目のファイザー社ワクチンの備考欄に記載してございますけれども、前回10月22日の審議会資料におきまして、医療機関報告数のうち、こちらのパワーポイント資料におきまして、死亡報告について993件と記載したところ、正しくは933件でございました。訂正並びにおわび申し上げます。
 8ページ目以降をご覧ください。8ページから10ページ目におきましては、先ほどのページと同様資料2-1-1及び2-2-1に基づきまして、各ワクチンの副反応疑い報告について、各年齢別に100万回接種当たりの頻度としてお示ししたものでございます。
 8ページ目、9ページ目のファイザー、モデルナワクチンの報告頻度につきましては、これまでと大きな変化はございません。
 また、10ページ目のアストラゼネカ社ワクチンについてでございますけれども、製造販売業者報告、右側のうち30代につきましては、100万回接種当たり2,400件という数値になってございますけれども、最下段のアスタリスクにお示ししておりますとおり、推定接種回数499回のうちの1件の報告という状況でございまして、こちらの点について御承知おきいただければと存じます。
 12ページ目以降をご覧ください。こちらからは死亡として報告された事例についての資料でございまして、12ページ目につきましては、まず文言としてファイザー社ワクチン、武田モデルナ社ワクチン、最下段にアストラゼネカ社ワクチンの死亡として報告された事例の状況をまとめてございます。
 13ページ目をご覧ください。ファイザー社ワクチンにおいて死亡として報告された1,279事例について、報告書に記載のあった死因と関連する可能性の症状名等を今回も計上してまとめたスライドでございます。今回も死亡として報告された事例の1%を超えた13例以上の死因等について記載してございまして、13例以上であっても具体的な疾患を想起できないものにつきましてはその他に記載しており、死因を想起できるいずれの病名も読み取ることが難しいものについては、今回も不明として分類してございます。
 また、今回もですけれども、こちらに列挙した症状名等はワクチンとの因果関係が示されたものではなく、例えばアナフィラキシーは心筋炎関連事象が原因で死亡したことを意味するものではないことに御利用いただければと存じます。
 報告数の上位の疾患につきましては、これも前回までと同様でございまして、虚血性心疾患、心不全、肺炎等となってございます。
 また、現在、若年男性においてmRNAワクチンとの因果関係を含め、その報告状況が注視されております心筋炎関連事象につきまして、今回、全体報告書の1%を超えた累計13例の御報告がございましたので、掲載させていただいております。
 65歳未満の症例につきましては、バックグラウンドデータを用いて検討いただいております虚血性心疾患や出血性脳卒中がそれぞれ19例、あるいは28例といった状況となってございますけれども、これらの検討につきましては、以前の審議会で座長の先生よりワクチンの接種を希望される者に関しましておおむね接種が完了しつつあり、この副反応疑い報告の状況についても一定の傾向が確認されてきたことから、これまでの審議会で議論をしてきた出血性脳卒中等、国内の報告数や報告頻度あるいは疾患症状の重篤度に鑑みて、特に丁寧に検討していく必要がある、いわゆる注目すべき疾患の検討内容について、総括的な資料を作成してほしいという旨を頂戴しておりました。今回、後ほどのスライドに、これまでの御議論、御検討を総括いただくに当たって参考となる資料を準備させていただいておりますので、順次御説明させていただいてまいりたいと存じます。
 14ページ目をご覧ください。こちらはモデルナ社ワクチンにおいて死亡として報告された46事例につきまして、同様に報告書に記載のあった死因と関連する可能性のある全ての症状名等をまとめたスライドでございます。
 65歳未満の上位の疾患といたしましては、ファイザー社と同様、出血性脳卒中や虚血性心疾患等が上位の疾患として計上されております。また、今回心筋炎関連事象につきましても4例の御報告がありましたので、記載させていただいております。
 モデルナ社ワクチンについても接種が進んでおりまして、一定の傾向を取ることが可能となってきたと考えられますので、これまでのファイザー社ワクチンについて御議論、御検討いただいてまいりました若年の死亡報告頻度や報告数の上位の疾患の比較検討について、後ほどのスライドで併せて御紹介してまいりたいと思いますので、御議論いただければと存じております。
 15ページ目以降が、これまで御審議、御検討いただいてまいりました若年世代の死亡の全体の報告頻度あるいは注目すべき疾患の死亡の報告頻度について、総括いただけるよう準備させていただいた資料となってございます。
 まず15ページ目は再掲となりますけれども、若年の死亡として報告された事例数の検討に係る考え方ということで、以前の審議会でもお示しさせていただいたスライドではございますけれども、今回の総括に当たっても重要なスライドとなりますので、改めて御紹介申し上げたいと存じます。
 下の青囲み、非ワクチン接種群の設定に係る考え方をご覧ください。まず、ワクチン接種後の死亡として報告された数の多寡について検討するためには、対照群として非ワクチン接種群の設定が必要となります。しかし、副反応疑い報告には死因として確定していないものも含め様々な症状名が記載されているほか、基礎疾患や性別等様々な属性を持った者が混在しており、単純に特定疾病の発症者等の集団を対象群として設定することはできない状況と考えられます。このため、非ワクチン接種群の死亡数の算出に当たっては、以下のような考え方に基づき、その年間死亡者数を仮定しております。
 まず、ワクチンの接種を原因として死亡する場合、何らかの内因性の疾病により死亡することが想定されます。この考え方を踏まえ、新型コロナワクチンの接種が始まっていない令和元年の人口動態統計のうち、上段の表にお載せしてございます死因総計(A)から、損傷、中毒及びその他の外因の影響(B)の死亡数を除したA引くBを非ワクチン接種群における年間の死亡者数と仮定してございます。
 16ページ目をご覧ください。こちら以降のスライドをご覧いただくに当たり、ワクチン接種群の報告数の多寡を御議論いただくに当たって重要となってくる観察期間の設定に関して、その考え方をまとめてお示ししたものでございます。
 少々長文で恐縮でございますが、こちらも大変重要なスライドになりますので、少し丁寧に御説明申し上げたいと存じます。
 「ワクチン接種群」における観察期間の設定に係る考え方でございますけれども、ワクチン接種後の死亡として報告された数の多寡について検討するためには、「ワクチン接種群の死亡の報告頻度」の算出が必要となる。ワクチン接種群の報告頻度の算出に当たっては、100万人・日当たりの報告頻度として算出すること、いわゆる人年法が一般的であり、その算出に当たっては、観察期間の設定が必要となります。この観察期間の設定の状況によりまして、副反応疑い報告の状況が異なって見えることに注意が必要でございます。以降の17~20ページ目の資料におきましては、死亡として報告された副反応疑い報告の状況を、以下のとおりに考慮・整理を行った上で、観察期間を設定してございます。
 まず、ワクチン接種者において、副反応疑い報告は、医師等が当該の予防接種等を受けたことによるものと疑われる症状として厚生労働省令で定めるものを呈していることを知ったときに行うものとされてございます。ワクチン接種後の死亡について報告する期間は、厚生労働省令において、予防接種との関連性が高いと医師が認める期間と定められております。このため、ワクチン接種群において、接種後に副反応を疑う事象が生じた際に実際に報告が行われる期間は、医師の判断によってございます。
 こうした状況の中で、死亡として報告された副反応疑い報告の状況を評価する際のワクチン接種群の観察期間の設定に当たっては、接種後に死亡に至る何らかの内因性疾患が発症した日までを設定するべきか、あるいは接種後に死亡した日までを設定するべきか、ワクチン接種と死亡の因果関係が認められたもののみで評価するべきか、ワクチンと疾患の因果関係が認められたもののみを評価するべきか等の様々な要因をどのように考慮するかによって、複数の条件を設定し得えます。ここでは、例えば接種から1週間以内に死亡した場合においては、死亡と予防接種との関連性が高いと医師が判断し、報告される可能性が高いと考えられること、あるいは、米国VSDにおいては、ワクチン接種後に報告された様々な疾患のうち多くの疾患についてはその観察期間を21日として比較・検討されていることから、観察期間を今回7日及び21日と2つ設定したスライドを準備させていただいております。
 ワクチン接種群の死亡報告数については、観察期間に設定した接種後7日以内または21日以内に、死亡または最終的に死亡に至る何らかの内因性疾患を発症したものを計上する方法が考えられますが、今回は一律かつ最も厳しい評価を行う方法として、死亡等の発生の期日が7日あるいは21日を超えるものであっても、死亡したとして報告のあった全ての事例をワクチン接種群として計上し、比較・検討することとしてございます。
 続きまして、17ページ目以降をご覧ください。
 17ページ目から20ページ目につきましては、以前もお示ししました若年の各世代における死亡として報告された全体の報告頻度について、それぞれファイザー、モデルナ社ワクチンについてお示したものでございます。
 以前、厳しい観察期間の設定として7日の設定をさせていただきましたが、先ほども御紹介しましたけれども、座長よりもう少し長めの設定のスライドも準備してほしいとの宿題を頂戴しておりましたので、今回、先ほどの考え方に基づき、それぞれ21日として設定したスライドも準備してございます。
 まず17ページ目をご覧ください。こちらはファイザー社ワクチンについて、観察期間を7日と厳しく設定した上で、ワクチン接種群と非接種について世代ごとに比較したものとなります。
 各世代におきまして、それぞれ上段、青色で薄く囲ってございますけれども、そちらがワクチン接種群の報告頻度となっており、100万人・日として例えば10代では0.03、非ワクチン接種群はその下段の0.15/100万人・日となってございます。
 20代、30代につきましても、それぞれの世代につきまして死亡報告の全体の報告頻度が少なくとも非ワクチン群を上回っていることはないことが見てとれるかと存じます。
 18ページ目以降につきましては同様の構成となっておりまして、18ページ目はファイザー社ワクチンついて、観察期間を21日としたもの、また、19ページ目、20ページ目につきましては、モデルナ社ワクチンについてそれぞれ観察期間を7日及び21日としたものでございまして、いずれの世代につきましても、この比較方法においては少なくともワクチン接種群が非接種群を上回るものはないということが確認できるかと存じます。
 21ページ目をご覧ください。これまで副反応報告基準に定められているアナフィラキシーやTTS、いわゆる血小板減少症を伴う血栓症以外の疾患についても、新型コロナワクチンの接種開始から半年以上が経過しまして、国内外でその安全性の知見も集積されていることから、副反応疑いとして広く報告されている疾病症状のうち、その疾患特定や接種との関連の可能性などの観点から、特に丁寧に検討していく必要がある疾病について順次検討し、御審議いただいてまいりました。
 今回総括ということで、最下段のところをご覧いただきたいのですけれども、これまでの国内における報告者や報告の頻度、疾患、症状の重篤性等を鑑みまして、情報を収集し検討してきた出血性脳卒中、虚血性心疾患、肺塞栓及び虚血性脳卒中、いわゆる脳梗塞について、次ページ以降に死亡発生頻度の状況をまとめてございます。また65歳未満の報告数が全体の報告数の1%を超える出血性脳卒中及び虚血性心疾患については、40歳未満についても追加の検討をできるスライドとしてございます。加えまして今回、現在若年男性において注視されているワクチン接種後の心筋炎関連事象についても死亡例が報告されていることから、追加での資料を準備してございますので、御検討、御審議いただければと考えてございます。
 まず、22ページ目をご覧ください。出血性脳卒中の検討ということで、非ワクチン接種群のデータソースとして、既出ではございますけれども、令和元年度の人口動態統計の表を載せてございます。
 これを基に23ページ目をご覧ください。こちらはこれまで報告数が蓄積されてきたファイザー社ワクチンの全体及び65歳未満の検討に加え、さらに40歳未満及びモデルナ社ワクチンについても検討できるよう、1枚にまとめたスライドでございます。
 表の見方でございますけれども、まず上段、青の表がファイザー社ワクチンの表でございます。それぞれ全年代、40~64歳、接種対象年齢の下限の12歳に最も近い10~39歳の3群に分けまして、それぞれの報告数、推定接種延べ人数、また接種日から死亡までの日数、令和元年度4月時点の当該年代の人口、前ページに載せました人口動態統計を用いた死亡数を載せまして、ここでも最も厳しい評価を行うために、報告数につきましては接種日から死亡までの日数が設定した観察期間を超えるものであっても、その全てを計上した上で、それぞれ過去の審議会で御検討いただいてまいりましたものと同様、観察期間をそれぞれ1か月(30日)あるいは21日としました上で、ワクチン接種群の報告頻度と非ワクチン接種群の報告頻度、いわゆる一般人口の死亡報告頻度ということで、下段の3列にお示ししたものでございます。
 比較するところといたしましては、下段3列の左と中央にそれぞれワクチン接種群の死亡報告頻度、一番右側に一般人口の死亡報告頻度を載せてございますので、単位としましては、最下段に注釈もございますけれども、100万人・日として載せさせていただいているものでございます。
 同様の構成で、下段のオレンジ色の部分にモデルナ社ワクチンの表も載せてございます。例えばファイザー社ワクチンの10~39歳につきましては、青囲みの表の最下段、観察期間を30日としました場合については0.002/100万人・日で、観察期間を21日としました場合には0.003/100万人・日、一般人口については0.033/100万人・日ということで、ワクチン接種群が非ワクチン接種群と比較して上回ることはないということが見てとれるかと存じます。
 以上の見方を参考に、全世代や40歳以上あるいは40歳以上65歳未満、両ワクチンの全群について同様にワクチン接種群が非ワクチン接種群と比して上回ることがないということが見てとれるかと存じます。
 24ページ目以降につきましてでございますけれども、24ページ目、25ページ目では虚血性心疾患、26ページ目から28ページ目につきましては、それぞれ肺塞栓症、虚血性脳卒中、いわゆる脳梗塞について、各年代別でワクチン接種群と非ワクチン接種群の報告頻度を比較するスライドとなっておりまして、ご覧いただきますと、いずれの層別においてもワクチン接種群が非接種群を上回ることはないという状況でございました。
 29ページ目をご覧ください。死亡として報告された事例について、先ほど御紹介したスライドの際にも触れましたけれども、現在、若年男性において注視されている心筋炎関連事象疑い報告において、個別の事例においてはその因果関係は不明であるものの、一定数の死亡として報告された事例がございますので、そちらをまとめたものとなります。
 こちらについては、接種日から死亡までの日数が観察期間を超えるものを含めて、同様に全て計上、かつ疑い報告での全てを計上しているという厳しい比較をしているという状況を踏まえてとなりますが、今回まとめた範囲においては、ご覧いただきますと、両ワクチンともバックグラウンドデータと比較して必ずしも低いとは言えない状況が見てとれるかと存じます。
 こうした状況を踏まえまして、30ページ目におきまして、新型コロナワクチン接種と接種後の死亡事象との因果関係に関する現時点でのまとめということで、スライドを準備させていただきました。こちらも重要なスライドとなりますので、読み上げさせていただきます。
 新型コロナワクチンの接種と、ワクチン接種後の死亡事象との因果関係については、当審議会で評価してきた情報や国内外の科学的知見を総合すると、現時点では次のように考えることができるのではないか。
 これまでの死亡事例を個々に科学的に評価した結果、現時点では、引き続き「mRNAワクチンとの因果関係がある」と結論づけることのできた事例は認められない。
 しかし、個々の事例単位では、偶然に何らかの疾患を発症した場合との判別が困難であっても、類似の事例を集めて解析した場合に、通常よりも接種後の当該疾患の発症率が上昇していれば、結果として、当該疾患と接種との因果関係を疑う要素となる。このため、集積する事例を統計的に解析の上、報告される各種疾患と接種との因果関係を評価していくことは重要であり、こうした取組について国内外で実施されてきた。
 現時点においては、mRNAワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係に関して、心筋炎関連事象が注視すべき状況にあると考えられます。心筋炎関連事象については、ブライトン分類等も踏まえ、今後さらなる評価・分析を行っていく必要があるのではないか。
 その他の疾患については、現時点でmRNAワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係が明らかなものはなく、今後さらに症例が集積されることによって、これまで検出できなかった(より小さな)リスクが統計的に検出される可能性もあることから、引き続き情報を収集し、丁寧に評価を行っていくことが適切であるというまとめ方をさせていただきました。
 以上のページが、座長より頂戴しましたこれまでの取組の総括のスライドとなりますので、ワクチン接種後に死亡として報告された事例について、あるいは注目すべき各疾患についての現時点での総括の御審議を頂戴できればと考えてございます。
 31ページ目以降をご覧ください。31ページ目におきましては、ファイザー社ワクチンの死亡として報告された事例の報告頻度を経時的にお示ししたものでございまして、引き続き漸減傾向が続いてございます。
 32ページ目は海外情報、33ページ目におきましては武田モデルナ社ワクチンの死亡として報告された事例の報告件数について、経時的なものを載せてございます。
 34ページ目におきましては、武田モデルナ社ワクチンの海外の死亡に関する最新の報告状況、35ページ目におきましてはアストラゼネカ社ワクチンの海外の死亡例に関する最新の報告状況をまとめてございます。
 36ページ目以降はアナフィラキシーに関する最新の報告状況でございますけれども、43ページ目以降にアストラゼネカ社ワクチンの報告が少しずつ集積されてございますが、全体としまして大きな変化はございませんので、アナフィラキシーについては説明は割愛させていただきます。
 45ページ目からが心筋炎関連事象として報告された事例の最新の状況でございます。
 まず、46ページ目をご覧ください。46ページ目、47ページ目、48ページ目におきましては、それぞれのワクチン接種後に心筋炎関連事象疑いとして報告されたその状況についてお示ししてございます。
 状況につきましては、まず46ページ目、ファイザー社ワクチンについては、20代の男性に加え10代の男性の報告頻度も他の年齢層あるいは女性と比較して高い状況でありました。
 具体的には、1回目、2回目接種後の合計ということで、表上段のうち男性100万人接種当たりですと、10代については7.66、20代については9.48といった状況でございました。
 47ページ目をご覧ください。モデルナ社ワクチンについて同様にお示ししたものでございますけれども、引き続き10代、20代の男性の報告頻度が多い状況でございました。1回目、2回目接種後の合計の頻度ですと、表上段のうち、男性100万人接種当たりでは、10代については60.49件、20代については39.63件といった状況でございました。
 こちらの件数につきましては、49ページ目に前回の審議会時点のものと比較できるようにお示ししてございますので、そちらもご覧いただければと存じます。
 48ページ目におきましては、アストラゼネカ社ワクチンの心筋炎関連事象についてのスライドでございますけれども、現時点では製造販売業者からの報告はない状況となってございます。
 49ページ目をご覧ください。こちらが前回の審議会でお示しした報告数と報告頻度と今回の審議会の最新値を比較できるようにお示ししたスライドでございます。
 1回目、2回目接種後の合計値をお示ししておりまして、表の10月24日までとお示ししているのが今回の審議会のデータロック、10月3日までとお示ししているのが前回の審議会のデータロックとなってございます。最新値につきましては太字でお示ししているものでございます。
 頻度の傾向といたしましては、前回と同様、若年の男性に多いという状況が続いておりまして、また、被接種者の属性や接種が始まった時期等がそろっていないことに留意は必要でございますけれども、引き続き若年男性については、ファイザー社ワクチンに比べ、武田モデルナ社ワクチンの報告頻度が高いことが確認されました。
 50ページ目をご覧ください。特に注視されている心筋炎関連事象の10代の報告頻度については、委員の先生方を含め、特に小児科の先生方あるいは接種を検討されているお子様やその保護者様にとりまして、さらに詳細な年齢別の頻度情報が重要であろうということで、今回12歳~19歳について、1歳ごとの推定接種回数を概算いたしまして、その上で、1回目、2回目接種後の報告頻度について、100万人接種当たりということで概算したものでございます。
 特にモデルナ社ワクチンの12歳~17歳については推定接種回数が相対的に少ないため、1例の報告があるとその頻度の見方が変わってくる可能性があるという点に留意は必要ではございますけれども、現時点での報告状況ということで、こちらを御参照いただけますと幸いでございます。
 51ページ目及び52ページ目、53ページ目につきましては、リスクベネフィットを評価するに当たりまして、これまでも参照してまいりました資料になりますので割愛させていただきます。
 54ページ目及び55ページ目、56ページ目におきましては、海外との比較ができるスライドを各ワクチンについてお載せしてございますので、御参照いただければと存じます。
 57ページ目及び58ページ目をご覧ください。
 まず、57ページ目につきましては、前回の審議会で、多屋委員にワクチン接種後の心筋炎関連事象に係る臨床的経過について文献的におまとめいただきました。そちらを踏まえまして、今回58ページ目におきまして、製造販売業者より報告された10代~30代の男性の事例の最新の転帰の情報についてまとめたものでございます。
 結論といたしましては、最下段の四角囲みのところをご覧いただきたいのですけれども、心筋炎関連事象疑いとして製造販売業者より報告された10代~30代の男性において転帰が確認された者のうち、軽快または回復された者の割合、表の中で言いますと一番右の改善率というところでお示ししているものでございますけれども、ファイザー社ワクチンについては84%、武田モデルナ社ワクチンについては88%ということで、前回多屋先生にも御紹介いただきました80%台というところで、同等の数値と考えられるのかなと考えてございます。
 59ページ目、60ページ目は最新の海外の報告状況ということで載せさせていただいてございます。前回までも御報告及び御参照いただいておりましたけれども、こちらにつきましても引き続き注視していただきながら、御審議いただければと考えているものでございます。
 61ページ目以降はTTS、いわゆる血小板減少を伴う血栓症についてのスライドとなってございます。
 64ページ目におきまして、先ほど御紹介申し上げましたアストラゼネカ社のワクチンにおいて1件がアルファの判定となりましたというところがございますけれども、全体の傾向としましては、現時点で特に大きな変化はないというところで、各ページにおきまして御参照いただければと考えてございます。
 最後に、論点のまとめのスライドに移らせていただきます。
 まず、67ページ目でございますけれども、死亡例に関する考え方のまとめでございます。
 最上段でございますけれども、今回も同様のまとめ方でございますが、まず前提としましては、個々のワクチン後に生じる有害事象の因果関係の評価に当たっては、個々の事例の丁寧な情報収集及び評価は重要である一方で、個々の事象においてはその因果関係の有無を確定できないことも多く、報告数が増加しつつある現状においては、個々の事例について専門家による評価を行っていくとともに、全体としてのデータを系統的に検討していくこととしてまいりました。
 そうした中で、青囲みの2つ目の○でございますけれども、現在の最新の報告状況の整理として、報告された症状等は虚血性心疾患、出血性脳卒中等でございました。これまでの審議会において、特に注目すべき疾患として、虚血性心疾患等に関し、ワクチン接種群と人口動態統計を用いた非ワクチン接種群との比較検討を行ってまいりましたが、心筋炎関連事象を除き、これまでに、ワクチン接種群において死亡が多いことが明らかとなった疾患はない。心筋炎関連事象については、若年層において、非ワクチン接種群と比べ、ワクチン接種群に死亡が多い可能性があり、今後さらなる評価・分析を行っていくことが必要である。一方で、リスクベネフィットを勘案するに当たって、若年の年代別の死亡全体の報告頻度は一般人口と比べて低かった。
 こうした状況の整理を踏まえまして、論点のまとめでございます。
 現時点においては、個々の死亡事例について新型コロナワクチンとの因果関係があると結論づけることのできた事例は認めない。
 集団としての評価については、新型コロナワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係が統計的に明らかとなった疾患はないが、心筋炎関連事象については、引き続き注視が必要である。
 引き続き情報を収集するとともに評価を行っていき、接種対象者の属性等にも留意しつつ集団としてのデータを系統的に検討していき、接種と因果関係のある疾患がないかを見極めていく。
 死亡例の報告に関しては、被接種者の属性や海外の報告状況も鑑みても、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしてよいかということで、御審議いただきたいと考えてございます。
 68ページ目のアナフィラキシーについては、割愛させていただきます。
 69ページ目、心筋炎関連事象に関する考え方のまとめのスライドでございます。
 心筋炎関連事象についてのまとめでございますけれども、こちらも個別の事例としての分析に関しては、国内で報告があった心筋炎関連事象に係る副反応報告事例について、現時点においては、引き続き専門家評価により因果関係が否定できないとされた事例はない。
 一方で、集団としての分析に関しては引き続き以下の状況が認められる。
 COVID-19感染症により心筋炎を合併する確率は、ワクチン接種後に心筋炎を発症する確率と比較して高い。ワクチン接種後の心筋炎については、国内外において、若年男性で2回目接種後4日以内の発症報告が多い。
 また、ワクチン間の被接種者の属性が異なることに留意が必要であるが、国内における年齢・性別別の報告頻度に係る集団的な解析では、10歳代及び20歳代男性の報告頻度が多く、これらの属性についてはファイザー社ワクチンに比べて、モデルナ社ワクチン接種後の報告頻度が高い。
 心筋炎関連事象疑い事例の死亡の報告頻度は一般人口と比べて高かったが、若年の年代別の死亡全体の報告頻度は一般人口と比べて低かった。
 心筋炎関連事象の転帰は、発症しても軽症であることが多いとされている。国内で報告があった若年男性の事例では、死亡例や重症例も報告されているが、引き続き、転帰が確認可能であった多くの事例について、軽快または回復が確認されている。
 こうした状況を踏まえまして、論点のまとめでございます。
 10歳代・20歳代の男性については、ファイザー社ワクチンに比べて、モデルナ社ワクチン接種後の心筋炎関連事象が疑われる報告頻度が高いことから、十分な情報提供の上、ファイザー社ワクチンの接種も選択できることとしている。また、本人がモデルナ社ワクチンの接種を希望する場合は、COVID-19感染症に合併する心筋炎関連事象の発生頻度よりは低いことも踏まえ、接種可能のままとする。
 国内の接種状況を踏まえつつ、国内の心筋炎関連事象疑い報告の状況や海外における報告状況を注視していく。最新の情報の周知や、接種後には無理をせず、胸痛などの症状が出現した場合には早期受診を勧めるなどの注意喚起を引き続き行っていく。また、重症例や予後不良例などについての情報収集を行い、状況に変化が生じた場合には、必要に応じ、審議会で柔軟に検討していく。
 年齢・性別別の報告頻度に係る解析結果を踏まえ、引き続き、若年男性も含め、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えてよいかということで、御審議いただければと存じます。
 70ページ目につきましてはTTSについてでございますけれども、こちらも大きな変化はございませんので、割愛させていただきます。
 最後、71ページ目のまとめでございますけれども、年齢・性別別に係る副反応疑い報告全体の報告頻度とそのまとめを踏まえまして、全体のまとめといたしまして、死亡、アナフィラキシー、心筋炎関連事象、血小板減少を伴う血栓症、年齢・性別別の解析の結果、上記の各項目に係る検討も含め、現時点において、ワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回ると考えられ、ワクチン接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、引き続き国内外の情報を収集しつつ、ワクチンの接種を継続していくこととしてよいかということで、御審議いただきたいと考えてございます。
 最後、参考資料の73ページ目をご覧ください。こちらは、これまでの部会で委員から御質問いただいておりました新型コロナワクチンの接種後健康状況調査について御報告いたします。
 新型コロナワクチンの接種後の状況調査は、11月2日に健康局長通知が発出され、調査への参加のために必要なスマートフォンアプリもリリースされて、調査が開始されました。本日現在、実際に回答も入り始めているとの報告も受けております。
 現時点では、これから1回目のワクチンを接種する方を対象としておりますが、本調査に関しては、今後、新型コロナワクチンの3回目接種も念頭に、必要な対応を行っていく予定としております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 ただいま、これまでの副反応疑い報告の状況について御説明いただきました。事務局から論点が示されておりますので、これに沿って進めたいと思います。死亡事例、アナフィラキシー、心筋炎関連事象、そのほかといった進行になります。
 それでは、死亡報告についてですけれども、以前の審議会でワクチン接種を希望される者に関しておおむね接種が完了しつつあり、副反応についても一定の傾向が確認されてきたことから、これまでの審議会で議論してきた出血性脳卒中等の重篤な疾患で、特に丁寧に検討していく必要がある注目すべき疾患の検討内容等について、総括的な資料を作成してほしいという旨を事務局にお願いしてまいりました。これは接種後に亡くなられた方の人数等の報道があったようなときに、因果関係、安全性に関して十分なコミュニケーションができていないのではないかということでお願いしたかと思いますけれども、今回、資料2-6-1の15ページ目以降に年齢別、疾患別、ワクチン別等、様々な観点からこれまで審議会として検討してきた内容を総括する資料を提示していただいており、30ページにおいて新型コロナワクチン接種後の死亡事象との因果関係に関する現時点のまとめを示していただいた上で、67ページに事務局からの論点が挙げられております。
 この67ページの死亡事例の論点を中心に、御質問、御意見等をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 今回、資料2-6-1の17ページ目からは、7日間というインターバルで、年齢ごとに接種群と人口動態統計の外因性疾患を除くという群で比較していただいて、まず死亡統計を比較していただいておりますし、23ページ以降、出血性脳卒中、虚血性心疾患、肺塞栓、虚血性脳卒中、心筋炎について検討いただいていることになりますけれども、いかがでしょうか。
 伊藤澄信委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 今回、いきなり各論もどうかと思ったのですが、抗PF4抗体が陽性で、アルファとして評価されたTTS事例があるのです。この症例は48歳という年齢なのですけれども、従来、リスクは40歳以下と言っていたのですが、この症例は少し年齢が高いような気がするのですが、今後、この症例についての情報提供とか対応を変えるのかどうかということをお伺いしたいと思っています。
 その前段として、大変な資料をこれだけよくまとめられたことは大変感謝いたします。すみません、それが先でした。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 まず、TTSについての今後の情報提供について、いかがでしょうか。国内でも今、女性に関しては40歳以上で接種されていて、しかしそれでも1名、確定診断例が出たのかなと思います。
 お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 TTS疑いにつきましては、既に添付文書のほうで情報提供させていただいておりまして、関連する各種資材のほうでも情報提供を行わせていただいております。ですので、これが起こったから直ちにどうこうというものではないと思うということと、また、この事例につきましては学会から出ております手引に基づいて治療が行われているということがありますので、きちんと情報提供されているのかなとは思っております。
○岡座長 ありがとうございます。
 海外ですと接種後の方に頭痛とか、こういう症状が起こったらみたいに注意喚起しているようですけれども、この部会で注視していきたいと思います。
 そのほか、御意見、御質問等はございますか。
 私のほうでまず、ただいま伊藤澄信委員がおっしゃったように、これだけの資料をまとめていただいて、これをぜひ社会に発信していただきたいなと思います。新しいワクチンですので何が起こるか分からないという中で、このような形でケースを集めて、バックグラウンド、背景等を比較して、こうだったと。そういう点で、確かに高齢者の方に最初に接種したことで、接種した後に亡くなられたという報告が多数あったわけですけれども、こういう統計的に見てみると、それは直接的には因果関係がなさそうだということを数としてお示しいただいたのかなというのが私の解釈です。
 伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 心筋炎関連事象での死亡という29ページの表なのですけれども、非常に報告数が少ないところで一般人口死亡報告頻度と比較しなくてはいけないというところなのですが、こういった比較は海外のほうでは何か報告があるのでしょうか。
○岡座長 事務局、お願いします。
○事務局 御質問ありがとうございます。
 海外の報告状況につきましては御指摘のとおり、事務局としましても注視しているところでございますけれども、最近報道でもありますとおり、フランスやドイツ等でもいろいろな考え方が示されてございますので、そうした状況も含め、最新の情報を収集しているところでございます。
 一方で、委員御指摘のとおり、現在、報告頻度としては確かにそのバックグラウンドデータを超えているという今回の資料としてお示しさせていただいたものでございますけれども、報告数が1件あるかによって頻度の数値が大きく動く状況でございますので、こちらの取扱いについては、より精緻に評価して、判断していく必要があるのかなと考えてございます。
 こうした考え方につきましては、ぜひ山縣委員からも御指導いただければと考えてございますけれども、いかがでございますでしょうか。
○岡座長 山縣委員、お願いします。
○山縣委員 山縣です。
 例えば29ページに示されているものは、今、伊藤委員が言われるように数が少ない中での比較ということが最大の問題なのですが、こういう数値を見る場合に、相対的なリスクと絶対的なリスクを考える必要があって、相対的なリスクというのがここに示されているような0.002/100万人・日と、0.00幾つ100万人・日を比較するというのが相対的な比較になりますが、絶対的というのは、1日100万人当たり何人の方が亡くなったと。相対的なものを比較するのもとても大切で、どちらがその関連性が強いのかというものを見るときには、この相対リスクで見ていくというのは必要なのです。
 ただ、公衆衛生学的なインパクトや、そういうものを見るときに絶対的なリスクが大きいのか小さいのかというのは非常に重要なファクターで、今回の場合も、ほかの有害事象等もそうなのですが、絶対リスクがどのぐらいあるのかということを、ベネフィットとの関係でも見ていく必要があると思っています。
 答えになっているかどうか分かりませんが、そういうわけで、まずは今回も絶対的なリスクとして必ずしも多いとは言えないというところでこれを見ながら比較をしていくということかなと思いました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 伊藤委員、お願いします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。理解いたしました。
 海外で同じような統計がありましたら、少し分母が大きい中でまた議論ができるのかなと思いました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。ぜひ次回、海外の資料がありましたら、事務局のほうから御提示いただければと思います。
 柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
 詳細な検討をありがとうございます。
 29ページの表に関してなのですけれども、人口動態統計から取ったバックグラウンドなのですが、出血性脳卒中とか虚血性心疾患と診断書に書くのと比べて、心筋炎と死亡診断書に書く先生は少ないかと思うので、実際のバックグラウンドはこれより多いのではないかと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○岡座長 事務局、お願いします。
○事務局 先生、ありがとうございます。事務局でございます。
 御指摘のとおりでございまして、実際この一般人口の中においても、心筋炎関連事象による死亡として捕捉できていないものがあると考えてございます。
 一方で、またこの審議会でも先生方にお悩みいただいているところでございますけれども、ワクチン接種後に心筋炎関連事象だったのかどうかというところも一方でなかなか捕捉できていないという症例もあるかと存じております。そういった意味で、両者そういった難しい中での比較となっていることを踏まえた上で見ていくことが必要なのかなと考えてございまして、御指摘のとおり、一般人口の死亡報告頻度のほうが少なく見えるからといって、それだけで一概には言えないというところ、まさにおっしゃるとおりだと存じております。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○岡座長 そのほかいかがでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 資料2-3-2で、20番という27歳の男性で、心筋炎で亡くなったケースを御紹介いただいたと思います。
 ここでよく分からないのは、接種日が6月28日で、発症日は亡くなった日が8月3日ということなのですか。その間に1か月以上にわたって、いろいろ加療をしていた結果と読んでよろしいわけなのでしょうか。
○岡座長 お願いします。
○事務局 補足いたします。
 発症日の考え方については、症状の別によりますが、資料2-3-2に関して言えば発症日は死亡日とお考えいただければと思います。
 この事例の接種日と発症日に時間的な差があるではないかというのはおっしゃるとおりで、加療の期間があり、結果として最終的にお亡くなりになったというものですので、少し期間が空いております。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、心筋炎については後でまとめて検討したいと思います。
 続いてアナフィラキシー報告ですけれども、アナフィラキシー疑いとして報告された事例については資料2-6-1の68ページにおいて事務局から論点を挙げていただいております。
 何か御意見、御質問等はございますでしょうか。大きな傾向の変化はないという御報告でしたけれども、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 今度は心筋炎関連事象について報告された事例について、69ページにまとめがございますけれども、これについて御意見、御質問等をいただけますでしょうか。
 濱田委員、お願いします。
○濱田委員 約1か月前ですから10月中旬にモデルナのほうで心筋炎の発症が多いということで、ファイザーを選択できるという報告をしたと思うのですけれども、この1か月の間に、10代、20代でのモデルナの使用量は、打っている方が減っているということもあるかもしれませんけれども、どうなのでしょうか。ファイザーを打つ方が増えて、モデルナが減っているとか、そういう傾向がもしあれば教えていただきたいと思います。
○岡座長 そのあたりは分かりますか。接種の数は毎回出していただいていて、差分を出さないといけなくなってしまうかもしれない。
○事務局 集計いたします。
○岡座長 お願いします。どのように注意が伝わっているのかということかと思いますので、ありがとうございます。
 柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
 49ページの表なのですけれども、絶対数が少ないので何とも言えないのかもしれませんが、モデルナの30代、40代の女性の頻度ですが、男性から比べれば圧倒的に少ないのですけれども、ファイザーの女性から比べると若干多いような印象を受けますが、これに関して海外とかで何か言われていたりとかはないでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 事務局でございます。
 モデルナ社とファイザー社の女性につきましては、特に女性を比べているデータも多少はございますけれども、やはり男性を中心に多い、少ないという比較がなされているという認識でございます。先生がおっしゃるとおり、女性の数値を出しているところもございます。引き続き注目してまいりたいと思います。
○柿崎委員 分かりました。
○岡座長 ありがとうございます。
 大事な点で、今後注目していきたいと思います。
 伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 今と同じ49ページなのですけれども、ファイザーにしても、モデルナにしても、前回までの統計よりも数値が上がっているところが多いかと思うのですが、何か考えられる原因といいますか、報道されて認知されるようになったとか、そのような原因なのでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 先生、ありがとうございます。
 御指摘のとおりでございまして、先生方にお力添えをいただきまして、10月15日にファイザー社ワクチンを選択できることとしてはどうかと厚生労働省からも発出させていただきまして、それに関連して注目度は上がっているという状況と思っております。
 一方で、今回データロックの日付を見ていただきますと10月24日時点でございますので、現時点ではまだその報告バイアスはそこまで影響を受けていないのではないかなと考えられておりまして、恐らく、どちらかというと疑い報告を上げてくるまでの期間があるため、遅れて反映されてきている状況のほうが実態を表しているのかなと思ってございますので、報告バイアスについては、むしろ次回も注目するべきところなのかなと考えてございます。
○伊藤(清)委員 承知いたしました。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。そのあたりは本当に数の変更をどう見るかというのは大事なポイントかと思います。
 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 これは難しい質問になるのかなと思うのですけれども、ファイザーとモデルナで、数としてはモデルナワクチンのほうが心筋炎が多くなるということですし、症状もそれほど強いものではないと知りつつも、モデルナワクチンによって起こる心筋炎とファイザー社のワクチンによって起こる心筋炎の重篤度ではないのですけれども、軽さの違いというか重さの違いというか、そういう違いはあるのでしょうか。症状的には全く同じと考えてよろしいのでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 重篤度の評価については、どこから区分するかについては、御報告いただく医師等の御意見が反映されるので、明確には難しいのですけれども、1つ海外情報としましては、最新のACIPの報告では、頻度はモデルナのほうが多かったが、重篤度、臨床の経過についてはあまり差がなかったというような記載があったと認識してございます。
 また、今回、国内の報告状況につきましても58ページ目にまとめさせていただいておりますけれども、もちろん転帰が確認できている報告においてという限定はございますが、現在因果関係が疑われている若年男性の臨床像については、その転帰の状況についてファイザー社ワクチンとモデルナ社ワクチンで大きな差はなく、海外とも同じような割合でございますので、現時点では、転帰の臨床経過についてはほぼ同等であろうということは言えるのかなと考えてございます。
○倉根委員 ありがとうございます。
○岡座長 森尾委員、お願いいたします。
○森尾委員 関連したことで、重症度のことなのですけれども、この中で劇症型を拾って、数字の中に入れることができるのかというのが1点目です。
 2点目はスペキュレーションでのお願いになると思うのですけれども、先ほどの心筋炎の死亡例の方、一般人口でのデータでは二百何名かだったのですけれども、基本的に劇症型の方が大半とスペキュレーションされるかどうか、その点を教えてください。
○岡座長 お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 まず1点目でございますけれども、報告者の先生が劇症型心筋炎という用語を用いているかどうかというところは関わってきますので、それを完全に捕捉できるかについては事務局のほうでも確認させていただき、検討させていただければと思います。
 2点目の御質問のバックグラウンドに関して、ですけれども、人口動態統計の原表を見ますと、特に劇症型かどうかの区分をしていないという状況でございました。可能性としては先生がおっしゃるとおり、劇症型のほうが臨床的転帰としては死亡につながる可能性が高い疾患でございますので、心筋炎の死亡の内数としてあると考えられますけれども、明示的にどの程度かというのは今、情報を持ち合わせておりません。
○森尾委員 学会などで劇症型心筋炎の統計を取ったりとか、今までにそのようなデータはないと考えてよろしいですか。
○岡座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 そちらに関しましては、学会のほうにも問い合わせて確認してみたいと思います。ありがとうございます。
○岡座長 そのほか、何かございますでしょうか。
 事務局、お願いします。
○事務局 先ほど御質問がありました前回から今回までの3週間における接種数の推移でございます。
 結論から申し上げますと、コミナティがプラス約1400万回、モデルナが約300万回プラスということでございました。
○岡座長 濱田委員、どうぞ。
○濱田委員 それは全年齢ですか。
○事務局 全年齢です。
○濱田委員 すぐでなくてもいいのですけれども、できれば10代、20代を教えていただければと思っていました。
○事務局 また宿題としていただいて、後ほど御回答いたします。
○岡座長 10代の接種の状況について、把握をしていただければと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、次の点に進めさせていただきます。次はTTSですけれども、今回バキスゼブリア筋注についてもTTS疑いの報告があり、アルファとなったところです。資料2-6-1の70ページに論点をまとめておりますけれども、何か御意見等はございますでしょうか。いかがでしょうか。よろしいですか。
 そうしましたら、年齢あるいは性別の解析について、71ページに論点がまとめられておりますけれども、特に何か御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございます。
 そのほか、新型コロナワクチンの副反応全般に関して御意見、御質問等はございますか。
 心筋炎については、先ほどの死亡の統計あるいは発生頻度等については前回から引き続き御議論いただいているところで、これについては引き続き注視していくということで、そのほかについてはよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 そうしましたら、これまでいただいた議論をまとめさせていただきますので、一緒にフォローしていただければと思います。
 まず、副反応疑い報告の状況につきましては、マル1として集計対象期間における医療機関からの副反応疑い報告の頻度を整理すると、コミナティは0.02%、モデルナは0.01%、バキスゼブリアは0.01%であった。
 死亡事例については、死亡事例の報告状況を整理すると、コミナティについては前回の集計対象期間から10月24日までに新たに67件の死亡事例の報告があった。専門家による評価では、接種開始以降報告された1,279例については、1,272例がガンマ、7件かベータと評価された。また、10月25日から11月5日までにはさらに28件の報告があった。
 モデルナについては、前回の集計対象期間から10月24日までに新たに9件の死亡事例の報告があった。専門家による評価では、接種開始以降報告された46件については45例がガンマ、1件はベータと評価された。また、10月25日から11月5日までにさらに6件の報告があった。
 バキスゼブリアについては接種開始以降、11月5日までに死亡事例の報告はなかった。
 死亡心筋炎関連事象については、引き続き注視が必要であるものの、死亡例の報告に関しては、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとまとめさせていただきました。
 アナフィラキシーについてですけれども、マル1としてアナフィラキシー疑い事例の報告では、集計対象期間中に、コミナティについては製造販売業者から2,922件の報告があり、ブライトン分類レベル1から3に分類されたものは555件であった。
 モデルナについては、製造販売業者から491件の報告があり、ブライトン分類レベル1から3に分類されたものは50件であった。
 バキスゼブリアについては医療機関から3件の報告があり、ブライトン分類レベル1から3に分類されたものはなかった。
 アナフィラキシー疑いとして報告され、転帰が確認されたほとんどの例で軽快したことが報告されている。
 マル2として、以上のことから、現時点において、アナフィラキシーについてワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとさせていただきました。
 引き続いて、心筋炎・心膜炎についてですけれども、マル1として心筋炎関連事象に係る副反応疑い報告事例について、現時点においては、引き続き専門家評価により「因果関係が否定できない」とされた事例はない。
 マル2として、集団としての分析に関しては、COVID-19感染症により心筋炎を合併する確率は、ワクチン接種後に心筋炎を発症する確率と比較して高い。
 マル3として、今回の集計範囲においては、心筋炎関連事象疑い事例の死亡の報告頻度は一般人口と比べ高かったが、若年の年代別の死亡全体の報告頻度は一般人口と比べて低かった。
 そういうことで、大きな影響はないという判断をできるかと思います。
 マル4として、心筋炎関連事象の転帰は発症しても軽症であることが多いとされている。国内で報告があった若年男性の事例では、死亡例や重症例も報告されているが、引き続き、転帰が確認可能であった多くの事例で軽快または回復が確認されている。
 マル5として、以上のことから、国内の接種状況を踏まえつつ、国内の心筋炎関連事象疑い報告の状況や海外における報告状況を注視していく。最新の情報の周知や、接種後には無理をせず胸痛などの症状発現時には早期受診を勧めるなどの注意喚起を行っていく。また、重症例や予後不良例などについての情報収集を行い、状況に変化が生じた場合には、必要に応じ、審議会で柔軟に検討していきたいと考えます。
 年齢・性別別の報告頻度に係る解析結果を踏まえ、引き続き若年男性も含めて、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えるとさせていただきました。
 TTSについてですけれども、マル1として、TTS疑いの報告では、コミナティについては接種開始から10月24日までに、製造販売業者からの報告において、ブライトン分類レベル1から3に分類されたものは12件であった。また、専門家による因果関係評価では、いずれもガンマと評価された。
 モデルナについては、接種開始から10月24日までに、製造販売業者からの報告において、ブライトン分類レベル1から3に分類されたものが2件であった。また、専門家による因果関係評価ではいずれもガンマと評価されています。
 バキスゼブリアについては、接種開始から10月31日までに、医療機関からの報告においてブライトン分類レベル1から3に分類されたものは1件であった。また、専門家による因果関係評価では、今回アルファと評価されております。
 引き続き、国内の接種状況も踏まえつつ、国内外における報告状況を注視していくとともに、最新の情報の周知及び注意喚起を行っていく。
 現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
 年齢・性別解析についてですけれども、年齢・性別解析については、年齢・性別別の解析結果を踏まえた上で、現時点において引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきましたけれども、何か御意見等はございますでしょうか。これでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、今回報告のあった具体的な事例を踏まえまして、3種類の新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございました。
 そうしましたら、そういうことで進めさせていただきます。
 それでは、次に進めさせていただきます。次に資料3「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)健康観察日誌集計の中間報告(16)」について、伊藤委員から御説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 前回までは、モデルナとアストラゼネカ社のバキスゼブリア筋注の両方の報告をさせていただいておりますが、モデルナのほうは数がほぼ固まってまいりましたので、最終的な報告は後日にさせていただいて、今回はアストラゼネカ社のバキスゼブリアの結果を御報告いたします。
 順天堂大学の3病院、JCHO3病院、NHO2病院の計8病院で、一般の方々を対象に、厚生労働省のホームページなども通じて募集いたしましたが、他の2つのワクチンに比べて2桁ぐらい少ない数になっておりますが、9日までに546人の方が接種されております。
 8月21日が初回の接種で、2回目の接種が2か月後でしたので、10月後半に2回目接種が始まっていて、2回目接種の方も220人になっております。2回目接種後の日誌がもう少し増えるかなと思っていたのですが、7人分しか回収できておりません。前回お約束をさせていただいておりましたので、その結果をまとめてみました。
 6ページ目からはファイザーのコミナティ筋注とモデルナ筋注のときと同様に、1回目接種後のデータを上に、2回目接種後を下に表示しています。アストラゼネカのワクチンはウイルススベクターワクチンで、mRNAワクチンと違って2回目接種後の副反応が少ないと言われておりますが、明らかに2回目接種のほうが発熱が低そうです。もっとも7人ですので、お一人でも割合が14%という値になりますので、グラフで書くのがつらいのですが、今の段階では確定的な話ではありません。
 9ページ、10ページの局所反応でもそうですが、2回目はほとんど反応が出ていませんし、倦怠感や頭痛も少なそうです。数が少ないので、性別、年齢別には集計しておりません。
 16ページなのですが、9日目と書いてしまっているのですけれども、Day9以降の結果ですので、書くとしたら8日目でしたので、今後は訂正させていただきます。
 Day8までのグラフと合わせますと、1回目接種後はmRNAワクチンに比べて、もしかすると副反応は少し長引きそうかなという印象があります。次回は、もう少し数が増えた段階のデータを提示させていただきます。
 AEに関しては、以前御紹介させていただいた右の脳内出血の方だけです。
 20ページは病休者の数ですが、1回目接種後は23.53%で、単純比較すべきではないのかとは思いますが、コミナティ筋注の2回目が7.06%で、モデルナ筋注の1回目が3.33%、2回目が34.37%ということから考えますと、割合としては多少多いのかなと思います。
 鎮痛解熱薬ですが、1回目の接種時に鎮痛薬を飲まれている人が5.68%でした。医療従事者の多かったコミナティ筋注の2回目は13.51%でしたから、少し少ないのですけれども、モデルナ筋注の自衛隊員の方々の2回目の3.46%よりも多かったという結果でした。
 21ページは同じ評価指標を使ったH1N1インフルエンザの不活化ワクチンの結果と、海外試験の結果等を全部並べてみました。
 インフルエンザワクチンは皮下注ですので、発赤とかは当然強く出るのですけれど、海外の治験成績に比べて副反応は全体に大きいのかもしれません。要するに、海外の治験データよりも、国内の調査のほうが副反応の頻度が高いという感じです。
 22ページは、今回のコホート調査の3つのワクチンを並べてみました。調査指標は同じですが、対象は多少違いがありますので、そのまま比較するのはなかなか難しいのですが、こういった形で比較表ができるのが、コホート調査の最大の利点かと思っております。
 アストラゼネカの1回目とコミナティ筋注の2回目はほぼ一緒、モデルナ筋注の2回目は発熱を含めた副反応が強そうというイメージができるかと思います。
 23ページ目はアストラゼネカのバキスゼブリアの試験間の比較も作ってみました。アストラゼネカ社の公表されているデータを全部入れた表にしております。コホート調査と国内試験、国内治験と海外治験の違いがかなりはっきり出ております。なぜこのような違いが出てくるのか、よく判りません。1回目、2回目のデータがもう少し集まった段階で、検討してみたいと思っています。
 24ページにまとめを書かせていただいております。次回は2回目接種後のデータがもう少し集まると思いますので、確度の高い情報をお伝えできるかと思っています。報告は以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 2回目のものがまだこれからということのようでございますけれども、詳細な御報告、いつもありがとうございます。
 何か御意見、御質問等はございますでしょうか。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 伊藤先生、本当にいつもありがとうございます。
 まだ2回目は少ないとは言いながら、すごく興味深い結果でしたが、先生も言われたように、どうしてバキスゼブリア1回目のほうが炎症反応や発熱が多いのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 私自身は鳥インフルエンザのワクチンの開発をずっとやっております。鳥インフルエンザの鶏卵培養ワクチンは、1回目の副反応が強くて、アラムアジュバントが入っているのですが、2回目がすごく低いのです。それに対して、GSKのアジュバントが入っているものに関しては、1回目よりも2回目の方が副反応が高くて、39度ぐらいの熱が出ます。ですので、ワクチンごとに違うので、同じようなワクチンであっても違ってくる。僕よりももう少し基礎的な話も含めて検討されている長谷川先生がお答えになるほうがきちんとした回答ができるのではないかと思っておりますが、ワクチンごとにこうした違いが出てくるのが過去にも経験しております。
 抗体価の上がりとリンクしているのかどうかについてですが、鳥インフルエンザの場合でも抗体価は上がるのですけれども、GSKのアジュバントが入っているものはかなり強烈に上がって、それに伴って熱が出るという理解はしておりました。鶏卵培養の場合には、抗体価が上がるにもかかわらず、発熱の頻度とか副反応の頻度が低いということもあるので、そこの違いに関しては十分な解析ができていませんが、それと同様の状況ではないかと思います。
○山縣委員 ありがとうございます。
○岡座長 長谷川委員、何か追加の御発言はございますか。
○長谷川委員 ありがとうございます。
 プレパンデミックワクチンのときは、大人では発熱が起こらないけれども小児で起こり、しかも1回目のときにより激しく高熱が出たということがありました。あれは結局、ナイーブな個体に対して免疫したときに起こってくる副反応だったのかなと考えていて、2回目にはもう発熱が起こらないという状況が起こっておりました。
 今回もアストラゼネカの治験の段階から、2回目のほうが副反応が少ないということでしたが、ワクチンの製剤そのものが違いますので、メッセンジャーRNAワクチンの場合には1回目も2回目も同じ量のmRNAを入れて、それに対する応答が、免疫をされている(2回目の)ほうが大きく出たということですけれども、アストラゼネカのほうはベクターワクチンですので、ウイルスそのものの感染によってたんぱくが発現して起こるということがございますから、1回目と2回目で、感染して作られるたんぱくの量や、もしかしたらそこでの発現の量に差が出てくる可能性もありますし、そのメカニズムの違いによって、こういったことが起こっているのかと考えています。
○山縣委員 ありがとうございました。
○岡座長 ありがとうございます。非常に面白い点かなと。専門の方から意見を聞けるのは本当にありがたいことです。どうもありがとうございました。
 そのほか、何か御意見等はございますか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、本日の議事は以上で終了となります。
 そのほか、事務局から何かございますか。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 先ほど御質問いただきました10月15日の審議会のときと今回の審議会でお示しした推定接種回数の差について集計をいたしましたので、御報告させていただきます。
 10月15日のときには、10月3日時点の数字を使用してございまして、今回は10月24日時点の数字を使用してございます。若年の10代と20代の男性でそれぞれどのくらいかということで、今、取り急ぎ出しましたけれども、10代の男性では、ファイザーが約151万5000、モデルナが約18万5000になっています。20代のほうはファイザーが約117万5000弱くらい、モデルナのほうが55万7000弱ぐらいとなっています。
 ただ、先ほど申し上げましたように、これは10月3日と24日時点の数字を基にした集計でございまして、10月15日の審議会を起点に考えると、その影響が必ずしも全部ではないということと、もともとファイザー社とモデルナ社で接種の体制などが違っていますので、御参考ということになります。
○岡座長 ありがとうございます。
 引き続きどのような接種状況かというのを見守りたいと思います。ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 では、事務局、お願いします。
○事務局 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡差し上げます。
○岡座長 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。
 活発な御議論をありがとうございました。