令和3年9月27日 第203回 社会保障審議会介護給付費分科会(議事録)

日時

令和3年9月27日(月) 15:00~16:30

場所

WEB会議
東京虎ノ門グローバルスクエアコンファレンス

出席者

委員 ※五十音順

議題

  1. 1.令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の調査票等について
  2. 2.その他

議事録

議事内容
○小園企画官 それでは、定刻になりましたので、第203回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開会させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
今般の新型コロナウイルス感染症に関する様々な対応につきまして、各自治体や関係団体の皆様には、各方面において多大な御尽力をいただいており、感謝申し上げます。
本日は、これまでと同様、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議システムを活用しての実施とさせていただきます。
また、傍聴席等は設けず、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。
会の開催に当たり、委員の交代がございましたので、御報告いたします。
まず、浜谷委員が御退任されておりますので、御報告いたします。
また、新任の委員を御紹介いたします。
全国町村会行政委員会副委員長、山口県和木町長の米本正明委員です。
○米本委員 皆さん、こんにちは。米本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○小園企画官 よろしくお願いいたします。
また、本日は、長内茂樹委員に代わり甲斐智典参考人に、黒岩祐治委員に代わり水町友治参考人に、藤野裕子委員に代わり及川ゆりこ参考人にそれぞれ御出席いただいております。
以上により、本日は22名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
次に、事務局に異動がありましたので、御紹介させていただきます。
別途公務対応中のため、本日は欠席いたしておりますが、総務課長に橋本敬史が着任しております。
それから、介護保険計画課長の日野力です。
最後に私、大臣官房企画官の小園英俊です。どうぞよろしくお願いいたします。
議事に入る前に、お手元の資料の確認とオンライン会議の運営方法の確認をさせていただきます。
まず、資料の確認を行います。
本日は、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページにも掲載しております。
まず、議事次第と委員名簿がございます。
次に、資料1「令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の事前確認シートについて」。
資料2「令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の調査概要等」。
それから、参考資料1「令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の進め方について」。
参考資料2「令和3年度介護報酬改定を踏まえた今後の課題及び次期改定に向けた検討について」。
参考資料3「平成27年度以降の調査の実施における基本的な考え方」。
参考資料4「令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の調査検討組織委員長一覧」。
最後に、参考資料5「令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)における調査票の種別及び対象施設等」でございます。
資料の不足等ございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。
次に、オンライン会議における発言方法等について確認させていただきます。
御発言される場合は、通常の会議のように挙手をお願いいたします。オンライン画面で田中分科会長に御確認いただき、指名していただきますので、指名に基づき御発言いただくようにお願いいたします。
挙手しているにもかかわらず発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合は、オンライン会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能ですが、原則としては挙手にて意思表示をお願いいたします。なお、チャット機能等で記載いただいた内容につきましては、オンラインの画面に表示されますので、御承知おきください。
以上です。
では、以降の進行は田中分科会長にお願いいたします。
○田中分科会長 委員の皆さん、こんにちは。
早速ですが、議事次第に沿って進めてまいります。
本日は、令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の調査票等について議論を行います。
事務局には、資料説明を簡潔に行うようお願いします。各委員の皆様も、御発言は論点に沿って上手に簡潔に行ってくださるよう、協力をお願いいたします。
なお、本日は議題1について説明を行ってから質疑を行います。
では、まず議題1、令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の調査票等について議論を行います。
事務局より説明を伺った後、委員会における議論の状況については松田委員長から概要を御発言いただきます。
事務局より資料の説明をお願いします。
○平子老人保健課長 老人保健課長でございます。
資料1、2を主に用いまして御説明をさせていただきたいと思います。
令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)でございますが、これは、令和3年度介護報酬改定に関する審議報告におきまして検討が必要とされた事項などを整理するために、令和3年度、4年度、5年度にそれぞれ4本、6本、6本の調査を予定することで対応していこうとするものでございます。
今回は令和3年度分の4本について御審議をお願いするものでございます。
まず資料1を御覧ください。
これにつきましては事前確認シートでございます。調査実施前に各調査の趣旨や内容、集計・分析の視点を整理したものとなってございます。これは、調査終了後に各調査で検討した課題や調査方法などの妥当性を評価していただくための確認シートとなっておりまして、記載内容は資料2と重複いたしますので、そちらのほうで説明をさせていただければと考えてございます。
続きまして、資料2を御覧いただければと思います。
1ページ目は全体の目次となっておりますので、1ページおめくりいただきまして、資料2の別紙1-1を御覧ください。
これは、介護医療院におけるサービス提供実態等に関する調査研究事業の調査検討組織の設置要綱案でございます。本組織におきましては、奈良県立医科大学今村知明教授を委員長として、御覧のとおりの体制で実施を考えているものでございます。
2ページを御覧ください。
調査の目的でございます。平成30年に創設された介護医療院につきましては、日常的な医学管理や看取り・ターミナルケアなどの機能と生活施設としての機能とを兼ね備えた施設とされており、令和3年度の報酬改定では医療と介護の連携の推進に向けて、これらの機能の充実を図る観点からも加算の見直しが行われたところでございます。
審議報告におきまして、今後の課題では、サービス提供の実態や介護療養型医療施設等からの移行状況を把握した上で、介護療養型医療施設の廃止期限も踏まえつつ、どのような対応を図ることが適当なのか検討していくべきとされ、次期改定が医療介護同時改定であるということを念頭に置きまして、介護医療院の機能強化のための検討に資する基礎資料を作成するということを目的としてございます。
調査客体でございますが、施設調査と自治体調査がございますが、施設調査は介護医療院、介護療養型医療施設、介護療養型老人保健施設、これらは悉皆で、医療療養病床は無作為抽出でと考えてございます。
また、それらの施設からの退所者・退院患者と、介護医療院については短期入所療養介護利用者を対象とした個票調査も行うということでございます。
自治体調査はそれぞれ保険者、都道府県に悉皆で行うというものでございます。
主な調査項目でございますが、別紙1-3から1-12までございます。各調査票の調査内容と集計・分析の視点を御説明させていただきます。
まず、4~11ページまでが別紙1-3でございますが、介護医療院票につきましては、介護医療院への移行時の状況に加え、入退所先別の利用者数、医療処置の実施状況等について調査するものでございます。
続きまして、12~21ページが別紙1-4から1-6になりますけれども、療養病床に対する調査として、病院・診療所共通票、介護療養型医療施設票、医療療養病床票と3つございます。それぞれについて調査を行うことになります。
病院・診療所共通票では、基本情報を収集いたします。また、介護療養型医療施設票及び医療療養病床票では、各施設における入所者の情報、医療の実施状況及び介護療養病床廃止後の2024年時点での予定病床などについて調査を行うこととしてございます。
続きまして、介護療養型老人保健施設票ですけれども、別紙1-7を御覧ください。22~25ページとなります。これについては、療養病床に対する調査と同様の項目について調査をするものでございます。
また、退所者・退院(棟)患者票は別紙1-8、26~27ページとなりますが、利用者のADL等の基本情報、入退所先、処置の実施状況等を調査するとともに、退所先が医療機関である場合については、退所となった理由などについて調査をするものでございます。
なお、介護医療院に対して退所者の情報を調査するのは今回が初めてでございます。
続きまして、28~29ページ、別紙1-9の短期入所療養介護利用者票を御覧ください。
同様に利用者の基本情報や入退所先、医療の実施状況などを調査いたします。
別紙1-10から1-12につきましては、30~32ページになりますけれども、都道府県票、指定都市・中核市票及び保険者票となります。介護医療院への移行促進のための取組、移行に関する課題などについて調査を実施するというものでございます。
続きまして、資料2の別紙2-1を御覧ください。
LIFEを活用した取組状況の把握および訪問系サービス・居宅介護支援事業所におけるLIFEの活用可能性の検証に関する調査研究一式の調査検討組織の設置要綱案でございます。
これにつきましては、産業医科大学の藤野善久教授を委員長とし、御覧のとおりの体制で実施するというものでございます。
続きまして、3ページの別紙2-2を御覧いただければと思います。
調査の目的のところでございますけれども、令和3年度介護報酬改定におきまして、科学的介護情報システム(LIFE)を本格導入したということでございます。本事業では、このLIFEを活用した取組(特にリハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養等の一体的取組)につきまして、その取組状況を把握するとともに、さらなるLIFEの活用に向けた課題の検討等を行うというものでございます。
また、これらに加えて、次期報酬改定に向けて訪問系サービス及び居宅介護支援事業所において、モデル的に調査を実施し、具体的なユースケースなどの検討を行い、LIFE導入における課題等について検証を行うといったことを目的としております。
調査客体につきましては、アンケート調査はLIFEに関連した加算を算定している施設・事業所のうち、約5,000か所。また、LIFEへのデータ登録がない事業所施設については約2,500か所を想定してございます。
ヒアリング調査につきましては、効果的にLIFEを活用していると把握された事業所・施設を約25か所、課題を感じていると把握された事業所・施設につきましては約25か所を想定してございます。
4ページになります。
モデル調査は、訪問介護事業所・訪問看護事業所についておのおの約10か所、居宅介護支援事業所については約10か所を想定しております。
また、介護関連データベース分析を行うということでございます。
主な調査項目でございますが、各調査票の調査内容、集計・分析の視点を御説明させていただきます。別紙2-3から2-6が対象になります。
別紙2-3はLIFE登録済事業所票、6~12ページとなります。LIFEを利用している事業所を対象とするアンケート調査によりまして、LIFEを活用した取組について、その取組状況を把握し、さらなるLIFEの活用に向けた課題の検討等を行うということでございます。
続きまして、別紙2-4、13~16ページになります。これはLIFE未登録の事業所票でございます。LIFEを利用していない事業所を対象とするアンケート調査によりまして、さらなるLIFEの活用に向けた課題の検討等を行うこととしてございます。
続きまして、別紙2-5、17~23ページになりますけれども、介護支援専門員票でございます。居宅介護支援事業所でLIFEのフィードバック票をケアプランの見直しなどに活用していただくモデル事業を実施し、実施後にアンケートを行って、LIFE活用の具体的なユースケース、LIFE導入における課題等について調査をするというものでございます。
続きまして、別紙2-6、24~31ページとなりますが、訪問系サービス事業所票でございます。訪問系サービスにおきまして、実際にLIFEを活用していただくモデル事業を実施し、実施後にアンケートを行ってLIFEの活用の具体的なユースケース、LIFE導入における課題等について調査をするというものでございます。
続きまして、別紙3-1のほうにお移りください。
文書負担軽減や手続の効率化による介護現場の業務負担軽減に関する調査研究事業の調査検討組織の設置要綱案でございます。
本調査につきましては、埼玉県立大学大学院川越雅弘教授を委員長とし、御覧の方々の体制を組むというものでございます。
1ページおめくりいただきまして、本調査の趣旨、目的でございます。本調査につきましては、介護報酬における利用者への説明、同意等に係る見直しや記録の保存等に係る見直しなどによる業務負担軽減の効果検証、及びさらなる文書負担の軽減や手続の効率化などの検討に資する基礎資料を得るための調査を行うというものでございます。
以上の目的のために、全国の訪問系サービス、通所系サービス、居宅介護支援施設、居住系サービスを対象とした調査を行うということでございます。
調査客体については御覧のとおりですけれども、本調査につきましては、郵送調査で実施するということでございます。なお、郵送調査を補足するために、郵送調査の対象以外の事業所も含めてヒアリング調査を実施することとしております。
各調査票の調査内容と集計・分析の視点について御説明をさせていただきます。
別紙3-3、3ページ~10ページでございますけれども、これはサービス事業者用の調査票でございます。
また、11~18ページ、別紙3-4につきましては、居宅介護支援事業所用の調査票でございます。
視点ということでございますけれども、押印の代替手段としての電子メールや電子署名等の利用など、今回の各種見直しの活用状況を調査いたしまして、活用していない事業所については、その理由や課題等を確認するということが一点。
また、2点目といたしましては、介護現場のICT環境や各種記録の保存の状況を調査し、介護現場の文書量の推移を推計するための基礎情報を確認するということ。
3点目といたしましては、令和3年度介護報酬改定に対応した事項以外で事業所が負担を感じている文書や手続の効率化などに関する要望、意見等を確認するというものでございます。
以上の調査によりまして、事業者の業務への影響を明らかにするということとともに、さらなる文書負担の軽減や手続の効率化のための課題等を調査するというものでございます。
続きまして、別紙4-1を御覧ください。
福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究一式の調査検討組織の設置要綱案でございます。
本組織におきましては、国立研究開発法人国立長寿医療研究センターの近藤和泉副院長を委員長として、体制としては記載のとおりということでございます。
続きまして、3ページを御覧ください。
調査の趣旨、目的でございます。福祉用具につきましては、貸与価格の適正化を図る観点の下、平成30年10月から商品ごとに全国平均貸与価格の公表や上限価格の設定を実施しております。また、令和3年4月にはこれまで設定した上限価格について初めて見直しを行ったということでございます。こういった上限価格の見直しを踏まえた貸与価格の動向や事業所の事務負担を含めた経営状況、また、サービスの質への影響等を把握し、次期上限設定に向けた検討のための基礎資料を得ることを目的として調査を行うものでございます。
具体的な調査内容でございますが、介護保険総合データベースを用いた分析、福祉用具貸与事業所や利用者等へのアンケート調査、また、福祉用具貸与事業所やレンタル卸事業所などへのヒアリング調査というもので構成をしてございます。
それぞれ各調査票の調査内容と集計・分析の視点について御説明申し上げます。
まず、介護保険総合データベースを用いた分析は、3ページの3の項目になりますけれども、介護給付費の削減効果を把握する観点から、個別商品について上限設定前の平成29年10月と上限設定後の平成30年10月以降の貸与価格分布の比較推移と、次回上限見直し以降の価格シミュレーションを行うというものでございます。また、平成30年10月の上限設定時と令和3年4月の上限見直し時の介護給付費の削減効果を比較し、事業所規模別の平均貸与額の変化についても分析を行うというものでございます。
続きまして、福祉用具貸与事業所へのアンケート調査、5ページの項目4になりますけれども、御覧ください。具体的には、7~14ページの別紙4-3の事業所票を御覧ください。
上限見直しによる事業所の経営やサービスの質への影響を把握する観点から、上限価格の見直しを受けた貸与価格の見直しや、仕入れ先やレンタル卸等との価格交渉等の経営コストの効率化を図ったか、事務作業負担は平成30年10月の上限価格設定時と比較して軽減したかなどについて調査を行うというものでございます。また、令和3年度介護報酬改定では、居宅介護支援の退院・退所加算等において求められる退院・退所時カンファレンスにおいて、必要に応じた福祉用具専門相談員等の参加を明確にしたことから、福祉用具専門相談員のカンファレンスへの参加状況、参加によるサービスの変化、効果を調査するというものでございます。
続きまして、利用者へのアンケート調査でございますが、別紙4-4の利用者票、15~22ページまでになります。資料としては6ページの5の項目になります。
上限見直しによる貸与価格やサービスの質への影響を利用者の側から把握する観点から、上限価格の見直しを受けた貸与価格の変更に対する利用者の納得度や、モニタリング、メンテナンスの頻度や中身に対する満足度について調査を行うというものでございます。さらにヒアリング調査等で補強し、以上の調査で得られた結果から介護給付費の削減効果や事業所の経営状況、サービスの質等について実態を把握し、今後も上限価格設定を続けていくかも含めて必要な見直しを検討していくということでございます。
少し長くなりましたが、私からの御説明は以上とさせていただきます。よろしくお願いします。
○田中分科会長 ありがとうございました。
松田委員からこの調査についての発言を求めます。お願いします。
○松田委員 この議論に先立ちまして、委員会のほうでいろいろ話し合いました。そこで出たいろいろな意見を修正させていただいて、今回の案になっております。つきましては、これをまとめ上げましたので、ここで御報告するとともに、また御議論いただけたらと思います。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
ただいま説明を伺った事項について、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。
石田委員、どうぞ。
○石田委員 よろしくお願いいたします。
質問が2つございます。
まず1つ目は、LIFEを活用した取組状況の把握のところです。こちらの調査の対象ということで2つ挙げられていて、これはLIFEの加算を算定した事業所のうちから5,000か所を抽出するということですが、もともと加算を算定した事業所というのはどのぐらいあるのかという数字を大体把握したいと思いますので、の数字を教えていただきたいということと、同じように、LIFEへのシステム登録はないけれども、データ登録で1,000件以上行っているものが2,500か所、そこを対象として調査をするということですが、この事業所というのは全体でどのぐらいあって、そのうちの2,500というのはどのぐらいの割合なのかという数字を教えていただきたいというのが一点です。
2つ目は、以前にこのLIFEといった形でデータを入力するときの現場の声の中で、やはり業務の加重化とか、入力作業に非常に手間がかかる、時間がかかるというような声があったかと思います。現在、このLIFEのデータの入力の作業について、それがより入力しやすいような簡便化が行われているのかどうか、そういった内容について少し教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 お答えください。
○平子老人保健課長 老人保健課長でございます。
まず、1点目のLIFEに参加している事業所数でございます。LIFEの関係の新規申請事業所につきましては、令和3年3月25日までに申請があったものといたしまして約5万4000事業所ございます。そのうち、実際にLIFEの関連に加算した算定を行っている約5,000を対象とするというものでございます。また、LIFEへのデータ登録がない事業所施設の2,500か所と、これは1,000件以上あるサービス、今、手持ちでございませんので、後ほどもしあれば、多分今日は出ないかもしれませんが、これは確認をさせていただければと思います。
また、LIFEの登録について簡便化しているような工夫があるかということでございますけれども、これにつきましては、LIFE自体項目数が煩雑とかといった御意見等もございまして、当初より事業所や施設のほうで用いられております介護記録の支援ソフトと連動させるようなことも想定しながら作成してきているところでございます。実際にかなり大手のところでは対応ができてきているみたいな話をお伺いしているものではございますが、全部が全部というものではございませんので、こういったソフトからの移行といったことも含めまして、簡便化については対応を準備してきているところでございます。
以上でございます。
○田中分科会長 石田委員、よろしいですか。
○石田委員 ありがとうございました。
○田中分科会長 ほかの方、どうぞ。
小泉委員、小玉委員、伊藤委員、井上委員の挙手に気がつきました。
小泉委員、どうぞ。
○小泉委員 ありがとうございます。
資料2の別紙2-3のLIFEを活用した取組状況の把握および訪問系サービス、居宅介護支援事業所におけるLIFEの活用可能性の検証に関する調査研究に関してでございますが、全国老人福祉施設協会が今年7月に行ったLIFEに関する簡易な調査では2,550事業所から回答をいただきましたが、うち半数の事業所がLIFEの算定をしておりました。その中で、LIFE活用における課題として挙げられた主なものが全部で5つございますが、手入力でLIFEへのデータ入力作業の負担が大きい、LIFEに入力するための体制を整えるのが難しい、LIFE記入項目に対する実地指導への不安、LIFEを活用するイメージが湧かない、介護記録ソフトの入力からLIFEへのデータ転送までの負担が重たいという意見がございました。換言いたしますと、負担感と今後に対する不安感と言及できるかと考えております。これらの課題を解決できる手がかりが得られるような調査を望みます。
そして、もう一件、資料2の別紙3-1、3ページからの文書負担軽減や手続の効率化による介護現場の負担業務軽減に関する調査についてでございますが、5ページ、4の利用者への説明・同意等に関する電磁的方法が一番の課題と考えております。現在実施している事業所の状況、もしくは今後の方向性を考えている事業所があれば、どういう方法がベストなのかをしっかりと分析できるような質問にしていただきたい。言うのは簡単で、設問を作成するのは非常に難しいのですけれども、現在、電磁的方法ができている事業所への質問の深掘りが望ましいのかと考えます。
2件とも意見でございました。ありがとうございました。
○田中分科会長 御意見、御要望でした。ありがとうございます。
続きまして、小玉委員、お願いします。
○小玉委員 ありがとうございます。
私からも1点要望を述べさせていただきたいと思います。
資料2の別紙2-1のLIFEを活用した取組状況の把握というところでございますけれども、この中で、今回の介護報酬改定で口腔・栄養や機能訓練を一体的に実施するというところがございます。非常に大事なところでございますし、こういったものがうまく成果が上がると、LIFEに対する負担や不安等の軽減にもつながるかなと思うところでございますけれども、この資料の1ページ目から2ページ目にかけて、調査検討組織の委員の先生方のお名前が案として挙がってございます。この中に、もしできましたら、歯科関係団体からも委員を入れていただければ、そういった検討に役に立つのではないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○田中分科会長 歯科関係について御要望がありましたが、老人保健課長、お答えください。
○平子老人保健課長 老人保健課長でございます。
御要望ありがとうございました。
調査検討委員に歯科関係団体の委員を加えてはどうかという御指摘でございますが、その方向で少し御相談をさせていただければと考えてございます。ありがとうございました。
○田中分科会長 よろしゅうございますか。
○小玉委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 伊藤委員、お願いします。
○伊藤委員 ありがとうございます。連合の伊藤です。
私からは、感想と質問と意見を簡潔に申し上げたいと思います。
いずれの調査も次期同時改定における検討に当たっての重要な資料となり得る調査であると思います。福祉用具貸与の価格調査のところの利用者票については満足度ということも入ってくるわけですが、事業所の職員が記入するということになっていて、回答バイアスの排除が課題だと思いますが、全体的に興味深い調査項目が多くありまして、今から調査結果が楽しみでございます。
幾つか質問をさせていただきたいのですが、まずLIFEのところです。資料2の別紙2-2にある記述について教えていただきたいのですが、4ページ、2.調査客体の(3)モデル調査でマル1の2つ目のポツのところ、「LIFEからフィードバック票を提供し、ケアの見直し等に活用頂くための技術的助言等を行った上で、ケアの質の向上に向けた取組を実施頂く」と。マル2は居宅介護支援にも似たようなことが書いてあります。この「技術助言」というのを誰が行うのかというのを確認させていただきたいと思います。どういう意味の助言なのかということも併せて、想定されていることを教えていただきたいと思います。三菱総研さんがシステムの使い方をアドバイスするというような意味なのか。ケアの見直し等に活用いただくと書いてあり、ケアプランの見直しについての助言というように読めるので、保険者なのか都道府県なのか国なのかという気がしまして、この辺についてのお考えをお聞きしたいと思います。
もう一つ質問です。文書負担の軽減です。資料2の別紙3-3の調査票の5ページに、「4.利用者への説明・同意等に関する電磁的方法の利用状況及び各種文書の電磁的記録の利用状況についてお伺いします」とあります。(1)の中で、1)、2)、3)とそれぞれメールで同意を取ったか、電子機器を利用して署名を得たかという問いがあるのですが、それぞれマル2に利用実績ということで、「なし」と「1~5回」、「6~10回」などという選択肢があり、回数を把握することになっております。これについて、電磁的方法を使わなかった場合を含む同意の件数という分母に相当するところの数字というのも把握されるということでよろしいのかというところを教えていただきたいと思います。
たまたま1件だけ電磁的方法で署名が取れたということで実施している事業所が1つありましたなどということで、これからそういうような数字が使われていくとなってくると、1件でも事業所が電磁的方法を利用している場合には「普及している」ということになってしまい、実際はそれほど普及していないのに、その状況が把握されず、課題が埋もれてしまうということが起きかねないのではないかと考えまして、利用割合みたいな形で把握できるのかということが質問です。
以上です。
○田中分科会長 質問が2点ございました。お答えください。
○平子老人保健課長 御質問ありがとうございました。
それではまず、LIFEの調査のほうから御説明させていただきます。
モデル調査におきまして、訪問介護事業所・訪問看護事業所はこれまで加算等の対象になっていないということもあって、今やられている事業所ではなくて、今後新たに対応していただく必要がございます。そういったことから、LIFEのフィードバック票を作るに当たっても試行錯誤といったこと、また、それを実際にどういうふうに活用していくかということについても、実際には相談しながらということになりますが、その状況につきましては、これまでその他のことについて対応してきております三菱総研のほうともPDCAをどのように行っていくかみたいな中身も相談させていただきながら、対応を進めていく予定で考えてございます。
以上でございます。
○田中分科会長 企画官、お答えください。
○小園企画官 2つ目の御質問、文書負担のほうでございます。いただいた趣旨は分かりましたが、現在のところ、使わなかった場合の回数まで把握をするということは想定してございませんでした。他方で、利用者の数といったところから全体像が分かるかなということもございますが、最終的には、アンケートに答えていただく方の負担等も考慮しまして、御趣旨も踏まえて、どのような形がよいかを少し検討させていただきたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 どうもありがとうございました。
LIFEのほうなのですけれども、三菱総研のほうからのフィードバックというようなことで今も行っているし、今後も行っていきたいということだったと思います。ケアの方法や、ケアプランの見直しの仕方など、そういった話ではないということで理解をさせていただいて大丈夫ですか。そういうように理解をしたいと思います。
それから、2つ目の電磁的方法のほうは少し検討していただいて、全体的な利用、事業所における利用の割合や程度というようなことも把握できるような努力をしていただければと思います。ありがとうございました。
○田中分科会長 1点目の確認のほう、お答えください。
○平子老人保健課長 御質問ありがとうございました。
ケアプランの見直しまではいかないのではないかということでございましたが、いくかいかないか、どういったことがそういったことに貢献し得るかといったことを含めて検討させていただきたいと思っておりますので、実際にまだやっていないところでございますので、項目などいろいろ検討することがあるということで御理解いただければと考えてございます。
以上でございます。
○田中分科会長 井上委員、東委員の順でお願いします。
○井上委員 ありがとうございます。井上でございます。
私からは、LIFEと文書負担軽減の調査につきまして意見、要望を申し上げたいと思います。いずれも今後の介護需要の増大の中で、また、人手不足の中で、より質の高いサービス提供でありますとか、より効果的な介護事業を進めていく上で非常に重要な論点だと思いますので、調査そのものに対する異論ではございませんが、意見を申し上げます。
まず、LIFEのほうなのですけれども、資料2の21ページ目の介護支援専門員の調査票のところでは、フィードバック票を活用した場合、利用者でモニタリングの変化に関する質問事項というのがあるのですが、これは同じような項目をLIFEの登録済事業者のほうにも入れていただいて、LIFEの導入前後で利用者にどういう変化・効果があったかを調べるようなことが必要ではないかなと思いました。
また、LIFEにつきましては別途ヒアリングを行うということですので、ここでもし好事例とかそういうものがあれば、ぜひ横展開をしていっていただきたいなと思います。
次に、文書負担の軽減の調査なのですけれども、これも非常に重要なところなのですが、資料2の別紙3-3の10ページの5ポツで業務負担軽減の観点から文書負担の軽減、手続の効率化に関してお伺いしますというのが半ページぐらいあるのですけれども、この辺りは事業者として非常に負担を感じているところが多いと思いますので、もう少し丁寧に聞く必要があるのではないかなと思います。
特に気になるのが、これは郵送で各事業所に送るという調査だと先ほど御説明を受けましたけれども、質問事項の27に自治体ごとに標準化したほうがいいというものがあれば御回答くださいとありますが、事業所別に送ると、ほかの自治体がどういうふうにやっているかというのは恐らく事業所では判断がつかないと思うのです。全国的に展開しているような大規模な事業者というのは、まさに自治体ごとにばらばらな調査が、いろいろなデータがそれぞれに求められるということに非常に負担を感じておりますので、この辺りにつきましては、質問の仕方を変えるとか、あるいは別途全国展開の場合の調査とか、そういうところを少し工夫する必要があると思います。
いずれにしても、これはデジタル化とか、デジタル庁もできましたけれども、データの利活用という観点で非常に重要な論点でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田中分科会長 検討を要望するという御意見ですか。
○井上委員 はい。ぜひ検討していただきたいと思います。
○田中分科会長 課長、お願いします。
○平子老人保健課長 御指摘ありがとうございました。
LIFEの関係につきましては、介護支援専門員票の中で、利用者についてフィードバック票を提供されて、変化があったかどうかみたいなことがありますので、そういったものをLIFEを登録している、実際にやっているところにもつけてはどうかという御指摘だったと思います。今回、利用者については入れていないのですけれども、今、まだ普及段階ということもありますので、まずは事業者のほうの視点で、例えば7ページの問6になりますけれども、活用状況ということで、ケアの一連の活動のプロセスの中で役立った点といったものを調査することとしております。
御指摘いただいた点について、追加でできるかどうかということは少し検討させていただければと考えてございます。
以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
次に企画官、お答えください。
○小園企画官 文書のほうについての御指摘ですけれども、こちらが調査で聞きたいことがきちんと聞けるようにという御趣旨と受け止めておりますので、聞き方も含めて検討させていただきたいと思います。
○田中分科会長 これから検討するそうです。
お待たせしました。東委員、お願いします。
○東委員 ありがとうございます。全国老人保健施設協会の東でございます。
私からは、介護医療院におけるサービス提供実態等に関する調査研究事業で1点、それから、LIFEに関する調査事業で1点、以上2点の意見を申し上げたいと思います。
まず、介護医療院におけるサービス提供実態等に関する調査研究事業ですが、この調査客体の記載に介護療養型老人保健施設がございます。悉皆で客体数160施設でございます。この介護療養型老人保健施設は、いわば制度改定に翻弄されてしまった施設とも言えると思います。そういう施設がまだ160施設残っているわけでございます。今回は、このような施設が介護医療院への転換の可能性はもとより、いわゆる従来の老健施設への転換の可能性もございますし、さらには、介護療養型老人保健施設のままそこへとどまるという可能性もございます。今後、この介護療養型老人保健施設に対して、より丁寧な対応をお願いしたいと思いますし、今回の調査内容につきましても、そのあたりの配慮をお願い致します。
次に2点目、LIFEに関して意見を申し上げます。まず、先ほど全国老施協の小泉委員から資料の提出がございました。このLIFE導入状況調査に関しましては、全国老施協と私ども全国老人保健施設協会(全老健)で同じ調査票を用いて調査をしておりますので、老健施設の状況についても少し補足をさせていただきたいと思います。
まず前提として、そもそもこのLIFEにつきましては、手入力等を行わずにICTを利用することで、現場スタッフに大きな負担をかけずにデータを収集するということが大前提であったと承知しております。それを踏まえた上で今回の資料を見たいと思うのですが、全国老施協が出された資料を見ましても、現実には、介護ソフトがLIFEに対応している場合であっても、大部分及び一部において手入力が必要になっているという施設が約56%になっています。これは老健施設でも同様でございまして、半数以上の施設で手入力が必要な状況になっています。
また、全国老施協の調査結果、(4)LIFE対応加算のデータ提出の状況を見ますと、「業務時間内で対応できている」というのが37.9%になっています。しかし、同じ調査での老健施設の結果は、「業務時間内で対応できる」というものが14.5%でした。今日は資料を出しておりませんが、それぐらい業務時間内で対応できていないという事実が分かっております。ほとんどの施設で時間外労働を強いられており、当初目指したものとはかけ離れている状況であります。
さらには、8月10日でLIFEの対応加算全体の一部の経過措置が終わりましたけれども、この調査時点におきまして、この経過措置の再延長を望む声が大変多く寄せられておりました。全国老施協の調査結果、(6)経過措置について再延長を望むかどうかでは、望むという答えが58.7%であります。また、老健施設におきましては、経過措置の延長を望むが67.1%でございました。この結果は、LIFEに対応する現場の環境が整っていないにもかかわらず、拙速に多くの加算にLIFEの要件をひもづけてしまったことが原因と考えています。
現場に大きな負担がかかっている事実と併せ、今後、LIFEに関しましてはより丁寧な対応が必須と考えますので、よろしく御対応をお願いいたします。
以上です。
○田中分科会長 介護療養型老健及びLIFEの在り方についての厳しい御意見でした。ありがとうございます。
課長、どうぞ。
○平子老人保健課長 老人保健課長でございます。
御指摘ありがとうございました。
転換型老健の行く末ということもありますので、今回の施設票の中でも、資料2の別紙1-7の24ページで、介護療養型老人保健施設の行き先というのは多様なところがあり得るということで、そういったことが明らかになるような形で調査というものを考えている状況でございます。御指摘も踏まえまして、そういった対応ができるかどうかといったことを引き続き検討させていただきたいと思っております。
また、LIFEについて様々な御指摘あるいは情報の共有をありがとうございました。ここについては、先ほど回答させていただきましたことと重複する部分もございますけれども、やはりLIFE自体結構煩雑ということもあり、一方で、今後こういったデータをしっかりと入力あるいは貯めていくといったことは、科学的介護の推進について必要不可欠という部分がございます。また、介護記録支援ソフトの辺りでも、でこぼこ、濃淡あるようでございますけれども、徐々に対応が進んできているということなども考え併せて、導入の御検討をしていっていただければと思いますし、私どものほうからのフィードバックなどにつきましても、できる限り分かりやすい形で、負担にならないようやっていけるよう、引き続き検討してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○田中分科会長 よろしいですか。
ほかの方、どうぞ。
田母神委員、及川参考人の順でお願いします。
○田母神委員 ありがとうございます。田母神です。
資料2、別紙3-1の文書負担軽減や手続の効率化に関する調査研究についてでございます。資料の2ページに調査客体をお示しいただいているところなのですけれども、今回の訪問系、通所系、施設系でそれぞれ事業者の多いサービスを調査客体としていただいていると思います。
一方で、文書負担の軽減につきましては、全てのサービスにとって非常に重要な課題であると考えますし、例えば訪問看護事業所につきましては規模も小さいというようなことがありますし、少しずつサービスで異なる部分もあると考えますので、全サービスを調査対象にすることが望ましいとは考えておりますけれども、予算等の制約も当然あると思いますので、今回の調査対象には理解をしているところでございます。
また、先ほどヒアリング調査のほうで郵送調査の対象以外の施設も把握いただけるとお伺いしましたので、ぜひその点も含めて、全てのサービスに関する示唆が得られる調査となりますよう、委員会でも御検討いただければと考えております。
また、細かいことになりますが、調査票の9ページの問24の3)になりますけれども、訪問系のサービスは今回加算の対象になっていないと思いますが、設問が設定されていますので、多少文言の修正が必要かと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
意見でございます。
○田中分科会長 御要望ですね。検討いたします。
及川参考人、どうぞ。
○及川参考人 ありがとうございます。日本介護福祉士会の及川でございます。
私のほうからは、別紙2-1のLIFEを活用した調査研究、それから、別紙3-1、文書負担軽減の調査研究事業に対しまして意見を述べさせていただきます。
まず、LIFEを活用した調査研究事業について、訪問の利用者の中には通所系のサービスを併用していらっしゃる方がいらっしゃると思いますが、通所系サービスで既にデータ入力している利用者に対しまして、訪問介護等が入力した場合、利用者に対する見方というものが違う中で、通所系の情報と訪問介護の情報の整合性をとれるようにする必要性があるかと考えます。
また、フィードバックにより利用者の改善が見えた場合、通所の効果と見るのか、訪問のほうの効果と見るのか、あるいは総合力で状態が上がったと見るのかの整理も必要であること等の課題が考えられます。なお、現在のLIFEの指標からは、本人のQOL、または人生の質そのものについてはなかなか知りにくいところであるところであると考えておりますけれども、重要な尺度であることは間違いございませんので、この点、十分に留意いただければと考えております。
次に、文書負担軽減の調査研究事業についてでございますが、令和3年度の介護保険改定で介護現場の負担軽減が減ったかというと、まだ管理者の方や事務長クラスまでの実感にとどまっているのではないかと思います。介護現場がダイレクトに感じられるところまではまだ至っていないのではないかと考えております。
一方で、文書量を減らすことですが、介護職の業務が減ったとしても、サービスの質が低下すれば本末転倒でございます。アセスメント、記録が不要になれば確かに楽かもしれませんが、専門性とサービスの質の担保はできません。これらを踏まえつつ、介護職の文書量を減らすことの実現可能性についても見えてくるような調査結果となることを希望いたします。
以上でございます。
○田中分科会長 御要望として承りました。ありがとうございます。
鎌田委員、どうぞ。
○鎌田委員 ありがとうございます。認知症の人と家族の会の鎌田です。
本日説明していただいた介護報酬改定に対する調査研究事業は、それぞれの専門家の皆さんが必要と考えられ、調査にも多くの専門家が取り組まれるということで、介護家族の立場としては、介護保険を利用する人たち、介護する人たちにとってよりよい給付となるツールとなることを願うほかありません。ただ、この調査を根拠に制度や報酬が改められます。サービスの質の向上、職員の負担軽減、適正な給付での調査と理解していますが、調査項目では幾つかの疑問があります。この調査項目で各課題解決に向けた方策が明らかになるのか、利用者サイドから見ても現場との乖離があるように思います。
そこの中で、意見と質問です。介護医療院は医療的ケアが必要な人が入所できる施設と家族は理解しています。しかし、相談などでは、病状が安定したインシュリン注射が毎食前にあるからと断られた、インシュリン注射にプラス血糖測定があるので断られた、病状は安定しているが抗がん剤の服用中で断られたなどが寄せられています。そのような方々はどこに行けばいいのか。在宅では、介護者が高齢や病気や仕事などで介護できない状況もあり、介護医療院がその受入先と思っていたのにがあります。
今回の調査では、移行の実態把握だけではなくて、介護医療院の機能強化のための検討に資する基礎資料とするとなっています。調査項目では、提供可能な医療についての問いと、実際の医療処置を実施した入所者数の記載がありますが、これで先ほど言ったようなできない、断った医療処置の実態が見えてくるのか、介護家族としては見えないように思っております。退所に関しても実数のみで、その理由の質問は医療区分のみです。医療処置の必要な人が多くなる中で、介護医療院はその受け皿と本人、家族は理解しています。機能強化のための検討調査であれば、私が先ほど述べましたような利用者の悲痛な声や、医療処置実態を受けた調査項目が必要と考えますが、いかがでしょうか。
また、介護医療院はこれまで長期療養施設と位置づけられていた介護療養病床が長期療養生活施設に転換されるものと理解しています。現在、介護医療院は全国に569施設と報告されていますが、生活施設としての機能はどの程度整備されているのでしょうか。お教えくださいますようお願いします。
2つ目です。LIFEを活用した取組の状況のところですけれども、LIFEには、厚労省の通知を見ると、科学的介護推進体制加算のほか、個別機能訓練加算2やADL維持等加算など、15種類の加算報酬の情報が集められるようですが、主にリハビリテーションや身体介護のデータが集積されるのかと思います。今回の調査事業では、訪問系サービスと居宅介護支援事業所の情報をどのようにLIFEに集めるか、また、分析項目や分析などの現状が検討されるということですが、そういう理解でよいのでしょうか。基礎データの収集での評価が基準化できていても、誰が評価しているのかが大変に重要で、その辺りはどうなっているのでしょうか。今回の調査ではデータ入力職員について問われていますが、この入力者イコール評価者で問いは作成されていると理解してよいのでしょうか。専門評価者が評価した数字の入力だけなら、事務員でもできるようにも思っております。また、評価者の研修というところがとても重要になってくると思いますけれども、その辺りはどういうふうになっていくのでしょうか。今、どうなっているのでしょうか。また、在宅介護や認知症について、どのように数値化されたデータが集められるのか、大変気になるところなので、確認させてください。
最後に、文書負担軽減や手続の効率化のところですけれども、今回の調査項目を見て、家族としては、入力業務が大変なように見聞きしていました。ケアマネさんからもそういうことをお聞きします。しかし、現在の文書負担の調査項目では、ケアプランなど指定された帳票作成や経過記録などの入力作業により、文書の保管が紙か電子保存か、運営規定の記載や重要事項の掲示などが現場は負担であるから、この調査項目なのでしょうか。確認です。ケアマネさんや介護職員さんの書かないといけない文書や作成しないといけない文書が多くて大変との声が家族にも聞こえてきますが、今回の調査ではそれに対応するような調査項目はありません。先ほど介護福祉士会の方もおっしゃったようなことです。この調査項目に至った経過など、御説明できる範囲でお願いできますでしょうか。現場の負担はこの調査では軽くならないように心配します。何か現場の実情が把握できる調査項目には至っていないように思えます。
介護現場の業務について、介護労働安定センターが7月に公表した新型コロナウイルス感染症下における介護事業所の実態調査という特別調査を見ますと、心理的な負担がトップで長期化する感染症対策の疲労が大いに心配されます。また、通常業務に加え、業務量が増えたという回答が介護職で3割、生活相談員で4割、リハビリテーション専門職で5割となっています。介護現場の負担を軽減する対策はぜひ進めていただきたいと思いますが、軽減策のために負担が増えてしまうのでは趣旨に反してしまいかねません。介護現場の負担を増やさないような調査研究への配慮があるのでしょうか。また、これらの調査研究の内容を詰めていくのであれば、ぜひ慎重に検討していただきたいと希望いたします。
長くなりましたけれども、以上です。
○田中分科会長 質問にお答えください。
○平子老人保健課長 老人保健課長でございます。
質問が多岐にわたりましたので、漏れるかもしれませんが、できる限り回答させていただきたいと思います。
まず1点目でございます。介護医療院の関係ですが、入居を断られるケースがあるということで、そういった理由についてもきちんと調べて対応できているのか考えるべきではないかということでございました。ここについては、入居を断る理由というのは、やはり利用者ごとの個別性がかなり強いということと、また、今回の調査では退所者を対象にしているということから、調査をすることは困難なのかなと思っております。一方で、施設票で一般的に理由をお聞きしたとしてもなかなか難しいということもあり、医療提供の実態を詳細にお聞きすることで、間接的に実態を明らかにできるのではないかと考えているところでございます。
また、介護医療院について、生活施設としての機能といったものはどうなっているのかということでございますけれども、これについては、施設や設備に関する、あるいは人員に関する基準等が定められている状況で、それに合致したものということになります。例えば病室、療養室であれば、床面積が8.0平米以上とか、あるいはレクリエーションルームは十分な広さが必要など、従来の病院より生活施設として適切と考えられる工夫がなされているというものでございます。
また、LIFEの関係でございます。LIFEのデータの評価をどういうふうにするのか、それが重要ではないかということでございます。御指摘のとおりだと思います。入力者どうのこうのというよりは、LIFEのフィードバックなり、そういったデータをどう活用するかということですけれども、最終的には例えばケア会議であるとか、あるいはリハビリテーションの担当者の会議といったことの中で複数の目やドクターなどによって検討されると思いますし、そういったことが結果的に反映されていくということになるかと思います。
また、認知症のデータについてどんなところが入力されるのか、特に訪問のところということでございましたけれども、こういったことは、現時点では、認知症につきましては、任意の項目も含みますが、例えば認知症の行動障害の尺度あるいは意欲の尺度といったものなども認知症に特化した形で追加してございますので、そういったものも参考にしながら検討を進めていくことになろうかと考えてございます。
私からは以上でございます。
○田中分科会長 企画官、お願いします。
○小園企画官 文書負担軽減のほうでございますけれども、今回の調査研究事業につきましては、令和3年度の報酬改定で措置をした内容につきまして、現場でどのようなところまで浸透しているか、どのような対応がとられているかということを中心に把握するということで質問項目等を作ってございます。
御指摘いただいたように、文書量の削減という点については、これまでも行政に提出する文書の削減、あるいは事業所でのケア記録、ケアプランの文書の削減といった点も含めて検討してきているところでございます。その中で3年度の報酬改定でも対応したということですが、引き続き、現場の負担の軽減、先ほど御指摘もいただきました質を落とさないという点も踏まえながら、御指摘も踏まえて検討してまいりたいと思います。その際には、御指摘の中でありましたように、現場に負担をかけてそれを検討するというのも本末転倒な部分もございますので、やり方も含めてよく検討してまいりたいと思います。
○田中分科会長 鎌田委員、よろしゅうございますか。
○鎌田委員 ありがとうございます。
LIFEのところで、データの評価は重要ということだったのですけれども、フィードバックをどう活用するかというところも大事なのですが、そもそも私たちの家族、利用者をどういうふうに評価されるかというところが基礎中の基礎のデータになってくるので、その辺りをしっかりと評価されるようなところがないといけないのかなと思った次第ですけれども、その辺りはどうなのでしょうか。
○田中分科会長 老人保健課長、お願いします。
○平子老人保健課長 御指摘ありがとうございます。
LIFEそのもので評価をするというよりは、やはりもともと個別のケアプランであったり、あるいはリハビリテーション計画書を作成する中で利用者の方々とお話をさせていただきながら、専門家も交えて評価あるいは計画がつくられていくものと考えてございます。そういったものとLIFEで設定されている項目とがどういうふうにフィードバックとして活用されていけるのかといったことは、まだまだ十分なフィードバックもできていない状況もございますし、どのようなものがよりいいものなのかといったことも検討していく過程でございますので、御指摘も踏まえまして、今後注意して検討を進めてまいれたらと考えてございます。
○田中分科会長 LIFEについてはこれから数年かかって進化していくのでしょうね。期待いたします。
ほかにいかがでしょうか。
田辺委員、お願いします。
○田辺委員 2点ほど申し上げたいと思います。
まず第1点目は、このコロナ禍で調査環境が非常に厳しい中での調査になるということでございます。そうなりますと、回答者に対する負担をできるだけ下げて、かつ回収率を上げるということが非常に重要になってまいります。今回は、回答の部分はほぼ郵送による回答という形になっておりますけれども、例えば国勢調査でいいますと、4割がネットで回答しているわけでありますし、また、政府全体の統計調査に関する方向性みたいなものを出されておりますけれども、その中でもネットとかデジタルの利用ということが広くうたわれているわけであります。
今回は無理だと思いますけれども、次回以降、こういったオンラインによる回答、ないしはもうちょっと簡便な方法でありますと、電子回答票みたいなものをダウンロードして、そこに記入して返してもらうというような方策等をお考えいただいたほうがいいのかなと思います。ただ、これはサンプルが1,000ぐらいだとぎりぎり負担とベネフィットが合うか合わないかのところだと思いますので、そこら辺はよく見極めた上での議論になろうかと思いますというのが1点目です。
それから、2点目は調査票の回収率と有効回答率の違いであります。これは、ほかのところで調査をやったときに、回答率が大体6割ぐらいで、有効回答率が五十何%で、大体7~8%落ちてしまっているというものがございました。要するに、これは欠損値をどう扱うかということなのですけれども、聞いてみると、1個でも書いていないところがあると全体のサンプルから外してしまうという非常にもったいないことをやっておりました。そういった点は、完全な回答ではない場合もありますけれども、せっかく途中までとはいえ回答していただいたわけですから、例えばインピュテーションで補完する、ないしはその他の手法を使いまして、できるだけいただいた御回答を有効に利用できるような集計ないしは分析というものをお願いしたいと思います。
以上、2点ほど申し上げました。
○田中分科会長 ありがとうございます。回答方法並びに集計について御意見がありました。
老人保健課長、お答えください。
○平子老人保健課長 老人保健課長でございます。
御指摘ありがとうございました。
2つとも重要な御指摘だと思います。
負担と回収率を上げていくという観点から、ネットなりを活用した形での調査が望ましいと我々もそう思いつつ、こちらの事情になってしまいますけれども、予算上の関係もあって、今回このような形にせざるを得ないという状況でございます。御指摘を踏まえて今後も検討してまいりたいと思います。
あと、回収率と有効回答率の差で、欠損値をどう扱うかという問題でございます。これは分析をする際に、御指摘いただいた欠損値の補填方法であるとか、そういった工夫とかができないかということも含めまして検討させていただければと考えてございます。
私からは以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
田中委員、どうぞ。
○田中委員 ありがとうございます。
私からは、1点質問と1点指摘でございます。
まず初めに、質問から参りたいと思います。LIFEに関してでございます。
LIFEに関して、今後、モデル事業ということで、訪問系のところにサービスを広げたらどうなるかということをされるということが書かれております。このモデル事業のモデルの選び方はどんなふうにするのかということが質問の1点でございます。
意見でございますけれども、同じくLIFEに関しまして、LIFEはこれから事業所と国とが二人三脚をしながら育てていく制度なのだということは十分認識しているところでございます。しかしながら、現在フィードバックをいただいているものが、個人のケアプランに落とし込むにはまだまだ不十分というか、4月のものが現在届いているというような状況でございますので、回答のスケジュールを拝見いたしますと、10月、11月で調査の回答をするという中におきまして、例えばLIFEのプリントの7ページの問6には、(1)のマル4、マル5、フィードバック票を用いた提供サービス・ケアの見直し、あるいはフィードバック票を用いた利用者・家族への説明、(2)の10番、11番、LIFEにアセスメントデータが一元管理されることで云々かんぬん、LIFEへのデータ提出に向けての云々かんぬんというところ、そして、その下、問7の(2)のマル5、アセスメントのフィードバックをケアの質の向上に生かせていないというようなところに関しては、現場がなかなか回答しにくい選択肢になっているのではないかなというのが現場の私どもの意見でございます。
それと、今後LIFEを広く普及または活用していくに当たりまして、比較検討が必要だと思いますけれども、先ほど来、老施協の委員の先生や老健協会の東会長がおっしゃっておりますように、入力に大変時間がかかっています。しかし、今回、入力に関しての時間の設問がございません。入力が開始した頃は大変時間がかかったけれども、例えば3年、5年という経過の中で入力が大変簡単になり、二重入力等がなくなったというようなアウトカムを出すためにも、現在の入力の手間に関しては設問を1つ加えていただくほうが、よりLIFEの成長を見守っていけるのではないかなと。これは私の意見でございます。
以上でございます。
○田中分科会長 質問と御意見、ありがとうございました。
質問にお答えください。
○平子老人保健課長 老人保健課長でございます。
御質問ありがとうございました。
まず、LIFEのモデル調査の対象をどう選定するのかということでございます。これは別紙2-2の4ページを御覧いただけたらと思います。(3)、マル1の1つ目のポツになりますけれども、訪問介護事業所・訪問看護事業所については、先ほど説明は割愛させていただきましたが、モデル事業所を募集いたしまして実施していこうと考えてございます。また、居宅介護支援事業所につきましては、同じく1つ目のポツになりますけれども、これは通所介護などの居宅系サービスでLIFEにデータ提出を行っている利用者を担当するケアマネージャーが存在する対象事業所を特定の上でモデル事業所を募集するといったことを考えているものでございます。
また、項目の中身でございますけれども、現在、フィードバックにつきましては、単純なものをフィードバックするには限られておりますが、フィードバックは一定程度行われているという状況で、そういった中で加算としてもPDCAサイクルの実施を求めるということでもございますので、最低限の状況は把握させていただきたいということもあって、設問を設定させていただいております。
一方で、入力時間につきまして、現状、手間ということが大きな課題になっている中で設定することを考えるべきではないかという御指摘でございます。これについては検討させていただければと思います。
私からは以上でございます。
○田中委員 ありがとうございます。
○田中分科会長 濵田委員、お願いします。
○濵田委員 ありがとうございます。
私のほうからは2点意見を述べさせていただきます。
まず、LIFEを活用した取組状況の件でございますけれども、施設を含め、サービス現場はまだ新型コロナウイルス感染予防を最優先に業務を行っている状況であるということもあります。このため、御意見もありましたが、入力負担のことも現場からは聞かれておりますので、今後、データ入力が推進されまして、データベース化が進む過程で、負担の要因等につきましても明確化されてまいりますことを期待いたしたいと考えております。
私ども協会のほうでも、LIFEにつきましては会員向けの研修を行うなど、周知には努めておりますが、今後でございますが、フィードバック票の事業所の照会やモニタリング等の場面での活用にも期待いたしております。
とはいうものの、事業所、利用者双方ともに、まだこのLIFEの入力もスタートしたばかりということでございますので、現在のフィードバック票で修正に足るような情報はまだ得られにくいのではないかと考えられるということがあります。将来的に入力がさらに進んで、データベース化がされてまいれば、より個別性の高いフィードバックが提供され、そして、介護支援専門員にも提供されるような仕組みを今後御検討いただければということでございます。また、そういう個別性の高いフィードバックが行われることで、さらに入力が進むということにつながり、普及が推進されていくのではないかと考えております。
次に、文書負担軽減の件でございますが、文書負担軽減や手続の効率化につきましては、介護現場の業務負担軽減に資するように、ICT機器や、あるいはソフトウェアの導入につきまして、引き続き支援をお願いしたいと考えております。また、ケアプランデータ連携システム構築事業に関しましては、居宅介護支援事業所と各サービス事業所、施設間の情報連携の効率化を期待しておりますが、やはりシステムの運用開始に当たりましては、関係者の様々なハード、ソフト上の準備もございますので、十分な余裕を持てるように進めていただければということでございます。
以上でございます。
○田中分科会長 御要望ですね。ありがとうございました。
LIFEについては今年限りで終わるわけではないので、これからさらに進化が進んでいくはずです。
江澤委員、水町参考人の順でお願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。
幾つか意見を申し上げたいと思います。
1点目は、先ほどの田辺委員と全く同様の意見でございます。改定検証調査というのは、新たに導入した政策の実態と課題、それに付随してどういった現場への支援が要るのかということに資する調査結果が求められると思いますけれども、そこにつきましては、まず何よりも回答率が高まることと、それから、事務局にも委託するシンクタンク事業者とも連携していただいて、まずはどういうデータを採用するとか、そういったことも含めて、より精緻な調査結果といかに回収率を高めるかという工夫にぜひ取り組んでいただければと思っております。
あと、調査につきましては2点申し上げます。介護医療院とLIFEについて少しだけ意見を申し上げたいと思います。
まず、介護医療院は老人保健施設以来30年ぶりに新たに創設された、いわゆる新類型として創設されたものでございまして、その役割は長期療養と生活支援施設であります。特に先ほどから意見も出ておりますけれども、生活機能というものはそんなに一朝一夕に身につくものでもありませんし、施設が日々継続して取り組むことによって徐々に高まってくると思っています。したがいまして、来年度以降は、今回よりは生活機能部分をもう少し深めていただいて、そういった生活機能の課題であったり、あるいは支援することは何かというふうに資するものにしていただきたい。こちらは要望でございます。
もう一点は、既に介護療養病床の廃止が2年半後に迫っておりますので、そういったものに対してさらにまだ課題あるいは支援があるのかどうか、この調査結果からもしそういったものが出れば、時期が迫っておりますので、ぜひ支援も検討していただければと思います。
最後に、LIFEにつきまして申し上げたいと思います。
LIFEは、データを提出してフィードバックを受けて、PDCAサイクルを回して、ケアの質を高めるところまでが算定要件となっております。現時点におけるフィードバックは、提出データの集計結果がフィードバックされておりますので、本来のフィードバックはまだなされていない状況でございます。したがいまして、今年度の改定検証の調査においては、PDCAサイクルを回すところまで調査するにはなかなか難しい状況だと認識しております。
また、順次秋以降少しずつ本来のフィードバックがなされると思いますけれども、提出されたデータの数、すなわちnが少ない段階でフィードバックがされますと、毎回のフィードバックの内容もぶれがかなり大きくなる可能性もございますし、来年度以降このPDCAサイクルについては深掘りして、しっかりと調査をしていただければと思っております。
あわせまして、先ほどから出ている労務負担についても、これは継続的に見ていかなくてはいけないと思っています。
したがいまして、今年度はLIFEがいかに軌道に乗るかということが重要でございますので、この調査結果によって全事業所がデータ提出をするに当たっての課題でありましたり、あるいは正確なデータ入力というのがデータベースの構築には重要になりますので、そういった辺りの気づきがあれば、今後こういった調査結果からまた政策にひもといていただければと思います。
最終的にケアの質の向上に資するためには、現在のLIFEに加えて、行っているケア、介入しているケアをコーディングするなどして、介入しているケアについてひもづけていかないとなかなか難しいので、まだまだ事半ばだと思っておりますので、そのための下地を今はつくっておく必要があるのではないかと思っております。目的は利用者一人一人の本人の尊厳の保持と自立支援でありますので、当然、そのためのツールとしてLIFEが育っていくことを願っておりますし、現状、現場はLIFEに振り回されているような感覚もありますけれども、いかにこれを使いこなして、利用者に対するケアの質の向上に生かしていくかという視点が重要でございますので、また引き続きよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
○田中分科会長 今年度の調査の位置づけと、来年度への期待まで述べていただきました。ありがとうございます。
水町参考人、どうぞ。
○水町参考人 ありがとうございます。
何点か要望を申し上げます。
まず、LIFEの活用に関する調査についてです。LIFEの導入に当たって、アカウント登録やデータの登録は、職員体制が脆弱な小規模な事業所には特に負担が大きいと思われます。介護ソフトを利用することで、LIFEへのデータ登録作業は省力化されると見込まれ、本県でもICT導入の補助を推進しております。今後さらにLIFEの活用を推進するためにも、今回の調査を通じて、介護ソフトの導入状況やLIFEの登録状況をしっかり確認し、特に小規模事業所の課題を把握していただき、登録作業の改善支援策を御検討いただきたいと思います。
また、訪問系サービスや居宅介護支援事業所へのモデル調査を行うということですが、今回の調査対象は募集によるとされています。今後は一般の事業所も幅広く調査した上で、訪問系サービスへのLIFE導入について御検討いただきたいと思います。
次に、文書負担軽減に関する調査についてです。資料2別紙3-3の5ページでは、利用者の説明、同意等に関する電磁的方法の利用状況を聞いておりますが、現場はまだ文書の方法が多いのが実情と感じています。昨年度から押印の廃止が進められており、本県にも電磁的方法が利用できない業者から、押印廃止後の文書による説明、同意に関する問合せが多くなっています。例えばケース記録に同意を得た旨を記録するだけでよいかという質問が参ります。この質問に対して、本県では、署名など客観的に確認し得るものが必要と説明しておりますが、同意の認定の取扱いが自治体間で大きく異なるということは望ましくないと考えますので、同意の客観性をどう担保するか、国において一定の考え方を示していただければと思います。
以上です。
○田中分科会長 御要望ですね。事務局で検討していただきましょう。ありがとうございます。
松田委員、お願いします。
○松田委員 松田です。
LIFEに関しまして、いろいろと御意見をいただきましてありがとうございました。
ただ、濵田委員が御指摘したように、まだ走り始めた制度です。質問項目についてもまだ標準化ができていません。ということで、今の段階でいろいろと御要望をいただくのはありがたいのですけれども、まずは走らせてみて、その結果に基づいて順次変えていくというのが恐らく現実的なやり方になってくるだろうと思います。その中で、私たち研究者もこのLIFEのデータを使ってどういうフィードバックが可能なのかということを分析してお返しさせていただいて、その御意見をいただいてよりよいものに変えていく。多分5年ぐらいかけてやっていかないといけない仕組みなのだろうと思っています。
その上で、いろいろな委員の方からも御意見がありましたけれども、問題となるのは、LIFEだけではないのですけれども、ほかの制度の調査も含めて、回収率の低さです。でも、この回収率の低さというのをもともと考えてみると、この調査を何のためにやっているのかといえば、それぞれの介護関係の各職種の方たちのいわゆる処遇改善のため、あるいは業務の改善のためにやっている調査であるだろうと思います。そういう意味では、この回収率の低さというのは、実は非常に皮肉な言い方をしてしまえば、介護に関係している各職種の方たちのこの調査に対する関心の低さによるということになってしまいます。
よい制度をつくるためには広くデータを集める必要がありますので、非常に大変な調査であるということは私たちも分かっています。この準備段階の委員会でも、こんなにたくさんの項目を調べることが本当にできるのかということに関してはいろいろな意見が出ています。それでもあえてやらないと、制度の改定につながっていきませんので、非常にこの調査の委員長としてお願いしたいのは、各種団体の代表の方がこの委員会に参加されていますので、ぜひ元の組織のほうにフィードバックしていただいて、できるだけ多くの方から回答をいただくようにお願いしたいと思います。数が多くなればそれだけいい知見を皆さんにお返しできると思いますので、ぜひ御協力のほど、お願いしたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 改定検証・研究委員会の委員長として、調査の意味とタイムスコープ、さらに、回収率を上げることについての協力依頼、いろいろと言っていただきました。ありがとうございます。
一当たりよろしゅうございますか。
御議論ありがとうございました。
議題1については、基本的には本日提示させていただいた内容で、皆さん方から伺った意見のうち、検討の結果、一部修正があるとすれば、それは私に一任いただく扱いでよろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○田中分科会長 そのようにさせていただきます。
次に、その他について、その他何か委員から御意見、御要望がありましたらお願いいたします。
亀井委員、どうぞ。
○亀井委員 ありがとうございます。
前回、ヤングケアラー支援についての意見を述べさせていただいたわけでございますけれども、これはかねてから福祉、介護、医療、教育の連携プロジェクトとして取組を行ってきていただいておりまして、事務局は子ども家庭局でございます。老健局からも地域介護推進課長が参加されておりますけれども、今、自治体はコロナ禍にあって孤独・孤立の取組とともに大きな関心事となっており、条令までつくってこれは強化をしていこうとされております。それは、自死者も出てきたぞと。あるいは、介護疲れから祖母を殺めてしまった人まで出てきているわけです。それはケアされる側に適切な支援が届いていない状況もありますし、子供が過度な負担を担っているケースもあるわけですけれども、いずれにしても、子供の学習機会を奪うことは絶対にあってはならない。このように思ってございます。
ただ、このケースはそれぞれ異なりまして、全てが寄り添い伴走型支援となります。そして、重層型ともなりますので、包括的支援体制、制度が必要となるわけでございますが、本件について、老健局としてどのようなスタンスとしてこれに臨まれているのか、お聞かせいただければと思っています。介護保険の中で家族支援のサービス給付は困難である。このようなお考えであるのかどうか。これは骨太方針にも盛り込まれておりますので、どのように予算に反映していくのか、注意深く見守っていきたいと思ってございます。そんな話は自治体と保険者だけの話で、ここへ持ち出すのはなじまないぞということであれば、それはそれで結構ですけれども、もし何か御所見があればおっしゃっていただければなと思っています。
○田中分科会長 ヤングケアラーについてお願いします。
○笹子認知症施策・地域介護推進課長 推進課長でございます。
御指摘ありがとうございます。
ヤングケアラーにつきましては、老健局としても極めて重要な課題だと認識しております。今、亀井委員から御紹介いただきましたとおり、子ども家庭局が事務局とはなっておりますけれども、文部科学省と厚生労働省の副大臣がヘッドとなるプロジェクトチームにおいて本年5月に報告書が取りまとめられ、9月にはフォローアップの会合も開催されたところでございます。
老健局関係でありますれば、例えばケアマネージャーが御家庭に入られたときにそういったヤングケアラーの課題を把握されるということがございますので、例えばケアマネさんに対する研修とかといったものを充実するとともに、関係機関との連携というものが重要になってまいりますので、そういった課題について何らかの解を検討していくということでございますし、さらに、地域包括支援センターについても同様に重要な拠点となりますので、こういったセンターの職員に対する研修のほか、例えば関係者の方々が集える場、悩みを共有できる場といったものができるようなガイドライン、そういったものがつくれるような予算要求なども財務省にさせていただいているところでございます。
そのほか、ケアに対する給付ということに関しましては、まずはヤングケアラーがいるということを前提にしないできちんと給付を行っていくといったことに関して何らかの事務連絡などを発出したいと思っておりますし、ヤングケアラーの方に対して介護給付から出していくということは今後老健事業の中でも検討していきたいと思いますけれども、介護保険法の立てつけ上、やはり利用者の方々の要介護状態の軽減あるいはその維持、自立の促進といったことが介護給付の前提になっておりますので、そういった介護保険法の趣旨を踏まえて、どんな対応ができるのか検討してまいりたいと存じます。
以上です。
○田中分科会長 亀井委員、よろしゅうございますか。どうぞ。
○亀井委員 これ、人材育成というのは非常に重要であると思っていまして、今後また老健局さんのほうへもリンクワーカー等の養成等も含めて要請していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
○田中分科会長 ありがとうございました。
伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 ありがとうございます。
どなたか質問されるかなと思っていたのですけれども、9月末までの介護報酬の上乗せの取扱いについて、24日に大臣が打ち切るというお考えを表明されたという報道がされています。診療報酬のほうはコロナ対応に当たる医療機関に限るというような考え方が財務省のほうから言われているようですけれども、介護の場合は、感染予防の取組に対する報酬というような考え方で上乗せしたということだったと思います。補助に変えるというときに、補助の対象をどうやって絞るのかだとか、あと、水準とかということも全然分かっていません。給付費分科会というのは介護報酬の諮問をして答申をするという役割であるので、補助についての審議をするところではないと言われればそれまでかもしれないですけれども、また、打ち切りのときは審議する必要もないのでしょうけれども、やはり打ち切りについては現場からは不安の声というのも一方でありますので、どういうような対応をされるお考えなのかということをお聞かせいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○田中分科会長 老人保健課長、お答えください。
○平子老人保健課長 御指摘ありがとうございました。老人保健課長でございます。
御指摘の介護報酬の特例についてということでございますけれども、介護施設、事業所における感染症対策につきまして、より直接的に感染対策に係る経費を支援するという観点から、介護報酬による評価からかかり増し経費の補助への切替え、報酬特例から補助金等による支援に切り替える方向で財政当局と現在調整中でございます。まだ詳細についてはお答えできる段階にございませんので、方向感ということだけで御容赦いただければと考えてございます。
以上でございます。
○田中分科会長 まだ検討中のようですね。
では、鎌田委員、水町参考人の順でお願いします。
○鎌田委員 ありがとうございます。
コロナの関連ですけれども、新型コロナウイルス感染症の拡大が繰り返される中で、デイサービスやショートステイの利用者が減少しているという厚生労働白書の報告があります。新聞などでは、ホームヘルプサービス事業所が閉鎖され、日常的な暮らしの支援が危ぶまれているという報道もあります。新型コロナウイルス感染症と給付の関係、特にホームヘルプ、デイ、ショートステイと在宅介護の要のサービスの影響について、厚労省が把握していることがありましたらお教え願いたいと思います。事業所の今後の存続を懸念しての質問ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
○田中分科会長 どなたがお答えになりますか。
推進課長、どうぞ。
○笹子認知症施策・地域介護推進課長 突然のお尋ねでございますけれども、新型コロナ感染症が特に8月、大変拡大して、在宅サービスの事業所において感染対策を徹底していただきながら本当に頑張っていただいているということにまず感謝を申し上げたいと思います。
その上で、給付費については、データが2か月遅れで出てくるということでございますので、8月、9月の状況というのは、現在手元にマクロで正確な数字があるわけではございませんけれども、その前までについては、例えば訪問介護については給付費ベースでは伸びているといったデータもあるわけでございます。いずれにいたしましても、大変な状況の中で頑張っていただいているということでございますし、データにつきましては公表できる段階でしっかりと御説明をさせていただきたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 水町参考人、どうぞ。
○水町参考人 ありがとうございます。
先ほどの伊藤委員と同じく、補助のコロナ特例に関してです。10月以降、補助の形に切り替える方針ということでございますが、補助となると、事業者、それから、自治体も含めて、申請とその処理の事務負担が増えることが予想されますので、事業者、自治体双方にできるだけ事務負担が生じない制度設計をお願いしたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 御要望ですね。
ほかにいかがでしょうか。ございませんか。
本日の審議はここまでといたします。
最後に、次回の分科会の日程等について、事務局より説明をお願いします。
○小園企画官 次回の日程は事務局から追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 本日はこれにて閉会いたします。大変活発な御議論、どうもありがとうございました。