2021年9月8日 第23回厚生労働統計の整備に関する検討会 議事録

政策統括官付参事官付統計企画調整室

日時

令和3年9月8日(水) 14:00~14:36

場所

オンライン会議

出席者

構成員(五十音順、敬称略、◎:座長)
  •  大久保 一郎
  • ◎加藤 久和
  •  黒田 祥子
  •  酒井 正
  •  高橋 陽子
  •  津谷 典子
  •  樋田 勉
  •  永井 暁子
  •  長島 公之
  •  野口 晴子
  •  原  ひろみ
  •  康永 秀生
構成員以外の関係者
  •  西郷 浩(早稲田大学政治経済学術院教授)
  •  廣松 毅 (東京大学名誉教授)
事務局
  •  鈴木政策統括官
  •  村山政策立案総括審議官
  •  武藤参事官(企画調整担当)
  •  野口統計管理官
  •  奥垣統計企画調整室長
  •  渡邉審査解析室長
  •  高田雇用・賃金福祉統計室長補佐
  •  安藤保健統計室長補佐

議題

  1. 1 「患者調査における「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法等の見直しに関するワーキンググループ報告書」について(報告)
  2. 2 毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループの検討状況について(報告)
  3. 3 その他

議事

議事内容


○武藤参事官(企画調整担当)
定刻になりましたので、ただいまから「第23回厚生労働統計の整備に関する検討会」を開会させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。私は政策統括官付参事官の武藤です。
本日の出席状況ですが、全委員が御出席です。また、本日は審議協力者として西郷先生、廣松先生に御出席いただいております。また原委員、野口委員につきましては、遅れて御出席との御連絡を頂いております。
以後の進行につきましては、加藤座長にお願いいたします。
 
○加藤座長
皆様こんにちは。それでは、議事を進めてまいりたいと思います。本日の議題ですが、1つ目は、患者調査における「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法等の見直しに関するワーキンググループ報告書についての報告、2つ目は、毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループの検討状況についての報告、そして、その他となっております。まず、議事1の患者調査における「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法等の見直しに関するワーキンググループ報告書についてです。ワーキンググループの主査を務められた大久保主査から、ワーキンググループ全体について総括していただき、事務局から報告書の概要について説明をお願いしたいと思います。では、大久保主査よろしくお願いいたします。
 
○大久保委員
ワーキンググループの検討状況について、私のほうから御報告をさせていただきます。本ワーキングググループについては、令和3年2月8日の第1回、そして令和3年8月6日の第2回会合にて検討を進めてまいりました。
近年、疾病構造の変化、医療技術の向上による診療内容の変化、保険診療における薬剤投与期間に係る見直しなどにより、診療間隔が長期化しております。そのため、「平均診療間隔」及びこれを用いて推計した指標である「総患者数」が、実態より過小評価になっているのではないか。平均診療間隔の算出対象の範囲を見直す必要があるのではないかということが指摘されてまいりました。
そのため、本ワーキンググループにおいて、平均診療間隔及び総患者数の推計方法について、「平均診療間隔の算定条件に関して見直すことでよいか」、そして「見直す場合には上限を設けることでよいか。また、設ける上限は何日程度が妥当か」ということを検討事項として議論を行い、報告書として取りまとめたところであります。
報告書の内容については、この後、保健統計室から御説明がありますが、検討に当たっては、第1回ワーキンググループで審議協力者として、藤田医科大学医学部教授の橋本修二先生に研究内容を御発表いただきました。その結果、診療間隔の長期化は明らかであり、平均診療間隔の算定上限を見直すことが妥当であること、また、新たな算定上限は13週以下とすることが適切であるとの見解が示されました。その後、本検討会から臨床現場では3か月を目途に再来予定であった場合でも、実際には遅れて受診する場合が多いことから、上限日数を14週以下としてはどうかという御指摘がありました。この御指摘について、第2回ワーキンググループにおいて議論し、臨床現場の実態を踏まえて14週とすることは理解しやすく問題はないこと、また橋本先生からも14週とすることの妥当性を御確認いただきました。
その結果、新たな算出上限は14週(98日)とすることが妥当との結論に至りました。また、算出方法の変更に伴い、推計値が大きく変化する傷病もあることを踏まえて、令和2年調査の結果の公表に当たっては、算出方法の変更の趣旨や方法、結果の解釈について、統計利用者に丁寧な説明を行うことや、利用に当たっての参考のため、新推計による過去の調査結果について、過去3回調査分を参考値として公表すること。今後も医療全体の変化を踏まえ、「患者調査」の在り方について検討を行うことは必要といった御意見がありました。
患者調査は、医療行政の基礎資料を見ることを目的として、医療施設を利用する患者の属性、入院・来院時の状況及び傷病名等を捕捉する大変重要な基幹統計調査であります。本ワーキンググループの報告書で取りまとめた改善が実行されることにより、公的統計としての品質が向上することを期待したいと思います。更に、厚生労働省としては、今回の見直しにとどまることなく、不断に改善を続けることにより、公的統計として更なる品質の向上に御尽力いただきたいと思っております。
今回のワーキンググループの検討に当たり、構成員の先生方には、専門家としての見地から精力的に御議論を頂いたこと深く感謝申し上げます。また、藤田医科大学の橋本先生におかれましては、審議協力者として貴重な御意見を頂いたことを併せて申し添えさせていただきます。私からは以上です。どうもありがとうございました。
 
○安藤保健統計室長補佐
今、大久保主査から御説明がありました報告書の内容について、当職から御説明します。まず資料1の報告書です。1枚おめくりいただき、目次を御覧ください。3部構成になっております。まず、1番目の「はじめに」の所で、患者調査の目的、ワーキンググループの設置の経緯について記載しております。2番目の「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法等の見直しについては、当ワーキンググループでの検証、検討内容を整理しました。3番目の「まとめ」については、本ワーキンググループの結果を掲載しております。巻末に、添付資料として、設置要綱や開催実績のほかに、第1回、第2回ワーキンググループでお示しした資料として、橋本審議協力者提出資料ですとか、現行推計、新推計の比較の表などを掲載しております。それでは本文に入ります。
報告書1ページ目を御覧ください。1の「はじめに」は、先ほどの説明と重複しますので割愛します。
2の「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法等の見直しについてです。2ページは、2.1「平均診療間隔」及び「総患者数」の現状についてです。「総患者数」については、理論的な枠組みと一定の仮定の下に、患者調査で把握した情報をもとに、下記の推計式を用いて傷病ごとに推計しております。この点で、「総患者数」は、ある傷病で受療中の患者が全国にどれだけいるのかを表す指標とも言えます。推計式については御覧のとおりです。この中に、今回の見直しの1つである「平均診療間隔」が含まれているところです。
3ページ、こちらでの「平均診療間隔」というのは、外来の再来患者の前回診療日から調査日までの診療間隔の平均を言います。推計に当たっては、推計の対象となる「前回診療日からの日数」に上限を設けており、診療間隔日数が一定以上の場合を除外しております。こちらは、診療間隔が極端に長い場合は継続的に医療を受けているとせず、再来ではなく初診とみなすほうが適当であるとの考えによるものです。現行の推計に関しては、平成5(1993)年度厚生行政科学研究事業において、日数の上限を30日とすることが妥当であることが確認されたことにより、算定対象の上限を30日と設定しております。また、「総患者数」の推計には、医療機関の稼働日を考慮して設定された調整係数があります。こちらは、平日の患者調査による再来患者数を1週間の平均再来患者数に調整する係数でして、1週間のうち1日が休診という診療状況を想定し、6/7としております。この調整係数に関しては、現在の医療機関の稼働日と比較したところ、大きな相違は見られませんでした。
2.2現行方法の課題です。近年、疾病構造の変化や、医療技術の向上による診療内容の変化、及び保険診療における薬剤投与期間に係る見直しなど、診療状況が大きく変化してきました。これらの変化を背景に、診療間隔が長期化してきていると考えられております。
4ページ、図2にお示ししたのは、平成29年患者調査における再来患者の診療間隔別累積相対度数の分布です。現行の平均診療間隔算出上限の30日を含む5週目までの累績相対度数は、74.5%でした。また、90%を超えるのは12週目、こちらは91.4%、95%を超えるのは15週目で95.5%でした。これらを踏まえて、現行方法によって算出された平均診療間隔及び総患者数が過小評価となっているおそれがあることから、「平均診療間隔」を算出する際の上限日数について検討を行い、更にそれを踏まえた「総患者数」の影響について検討を行いました。
5ページ、2.3新たな方法の検討です。こちらは、厚生労働科学研究費補助金で、平成27~28年度、平成29~30年度の2回において検証した結果を研究代表者である橋本修二先生により御発表を頂いたものです。主な発表内容と検証結果についてまとめております。
まず、6ページの図3、図4に関連して御説明します。2014年の再来患者の割合は、1~3週は64%、4週で11%、5週が9%、6週以降が15%となっておりました。図にはないのですが、2014年の再来患者の診療間隔30日以上の割合は、胃がん、肺がん、糖尿病、高血圧性疾患、心疾患等と多くの傷病において20%より高く、平均診療間隔の算定対象について、現行方法は適切でないことが確認されました。
図4について、患者調査における診療間隔分布の形状を確認しますと、1週間を単位として周期的に分布しており、4週、8週、12・13週に分布の山が見られました。
7ページ、図5です。診療間隔13週までの再来患者の累積度数分布の割合は、2014年の全傷病では96.2%で、多くの傷病でも95%程度又はそれ以上でした。こちらの研究で算出対象の上限日数を変えて平均診療間隔を算出したところ、2014年では、30日以下とした場合と比較し、13週以下を対象とした場合の平均診療間隔は1.68倍。同様に総患者数を推計しますと、2014年では、30日以下とした場合と比較し、13週以下を対象とした場合の総患者数は傷病別にして1.09~2.34倍となっております。どちらも、同様に17週以下を対象とした場合には、13週からの増加の程度は比較的少ないことが確認されました。
8ページ、以上より、こちらの研究では、平均診療間隔の新たな算定対象は、13週以下とすることが妥当ではないかと示唆され、各種調査等と比較して検証したところ、比較的一致することが確認できたため、その妥当性が検証されたとまとめました。以上の発表内容、検証結果から、今回の結論に至るまでの経緯を下記にお示ししております。大久保主査からも御説明がありましたとおり、まず令和3年2月の第1回ワーキンググループにおいては、上限日数として、13週以下にすることが適切であるとの見解の一致が得られておりました。
その後、「厚生労働統計の整備に関する検討会」において、臨床現場では3か月をめどに再来する予定であっても、患者の都合や休診日を挟む等の理由で、実際には本来の3か月より遅れて受診することが多い、したがって、上限日数は14週とすることが医療現場の実態と合っているという御指摘がありました。こちらを踏まえて、令和3年8月の第2回ワーキンググループにおいて議論し、臨床現場の実態を踏まえ、14週とすることは理解しやすく問題ないこと、また、橋本修二先生からも、13週と14週とした場合の総患者数の比はほぼ同様の値で、1.01から1.02倍でほとんど変わらず、14週とすることは、13週での妥当性の報告にも当てはまるため妥当と御発言いただいたことを記載しております。以上から、「平均診療間隔」の算定上限を14週とすることが妥当との結論としております。
9ページ、以上を踏まえて、2.4新たな方法の検討結果です。「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出の上限日数については、98日に変更し、以下のとおりの算出方法とするとしております。具体的には、※1にあります再来患者の平均診療間隔の式の(注)の箇所、前回診療日から調査日までの日数について、従前、31日以上のものは除外するとしていたところ、新たな推計では99日以上のものを除外すると変更します。新たな算出方法等による「平均診療間隔」及び「総患者数」については、令和2年の患者調査の確定数から公表すべきであること。また、「平均診療間隔」及び「総患者数」は、調査により得られた推計値を、更に一定の仮定の下に算出した参考値であるということに鑑み、今般の見直しにより、過去の結果を変更することを求めるものではないことを記載しております。
併せて、令和2年の調査の結果の公表に当たっては、算出方法の変更について、統計利用者の方に丁寧な説明を行うよう留意することと、利用に当たっての参考のため、新推計による過去の調査結果について、過去3回調査分を参考値として公表することを求めるとされております。
また、今後の方向性として、医療全体の変化を踏まえ「総患者数」を含めた「患者調査」のあり方について、適切な時期に研究を実施するなどして、改めて検討を行うことが必要であるとしております。
10ページ、3まとめです。今までのものと重複しておりますが、まとめとして、患者調査で公表している再来患者の「平均診療間隔」やそれを用いた「総患者数」について、近年の受療状況の変化に伴い、「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出の上限日数を30日から98日に変更するべきであるとして、先ほど御説明した変更後の算出方法を掲載し結んでおります。
本文については以上となりますが、大久保主査からも先ほど御発言がありましたとおり、算出方法の変更に伴い、推計値が大きく変化する傷病もございますため、第2回ワーキンググループにおいて、事務局から参考値としてお示ししておりますので、本報告書の添付資料で御説明します。56ページから御覧ください。
ここからは、参考値として4種類御説明します。全て表の後にグラフをお示しする形で構成されておりますので、見やすいグラフのほうで御説明します。最初の2つは、現行の推計と新推計について年次の比較をお示ししています。
58ページ、まず、再来患者の「平均診療間隔」の推移として、現行推計、新推計を過去3回分について比較したものです。傷病ごとに少し変化が異なります。特に変化が大きいものとして、Ⅱ新生物、Ⅲ血液、Ⅶ眼、ⅩⅡ皮膚、ⅩⅣ腎尿路、ⅩⅦ先天奇形といった所で2倍近い変化が見られております。一方で、Ⅴ精神、ⅩⅤ妊娠といった所は、1.2ないし1.4で、影響の幅が小さいものと見られます。
61ページ、こちらは「総患者数」の推移に関して、現行推計、新推計を過去3回比較したものです。先ほどのグラフと同様の傾向ですが、Ⅱ新生物、Ⅶ眼、ⅩⅡ皮膚、ⅩⅣ腎尿路、ⅩⅦ先天奇形といった所では、同様に2倍程度の変化が見られました。一方で、Ⅴ精神、ⅩⅤ妊娠といった所では、1.12、1.37といったところで変化の影響の幅が小さいものと見られます。
66ページ、ここから2種類のグラフは、平成29年調査について、年齢階級別、傷病別に現行推計、新推計を比較しております。まずこちらは、「総患者数」について、現行推計、新推計、年齢階級別のグラフです。35歳~64歳と65歳以上を比べると、ほとんどで35歳~64歳で増え幅が大きいことが分かります。一方で、65歳以上のほうが増え幅が大きいもの、変化がないものとして、例えば、Ⅰ感染症は、65歳以上のほうが大きくなっております。Ⅴ精神に関しては、同程度の変化です。
67ページ、ⅩⅠ消化器系に関しては、65歳以上と35歳~64歳は同程度の変化でして、ⅩⅣの腎尿路に関しては、35歳~64歳よりも65歳以上のほうが大きくなっております。
70ページ、こちらは、再来患者の「平均診療間隔」に関して、平成29年で現行推計、新推計を病院、一般診療所別に見たときの比較です。ほぼ全てが診療所より病院のほうが増え幅が大きくなっております。例外として、診療所のほうが大きく変化するものとして、ⅩⅩⅠ健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用といったものがあり、あまり病院と診療所で変わらないものとして、Ⅴ精神、Ⅶ眼、ⅩⅡ皮膚といったところが挙げられます。参考値の御説明は以上としまして、当職からの報告書の御説明は以上とさせていただきます。
 
○加藤座長
大久保先生、安藤補佐、ありがとうございました。ただいまの説明について、委員の皆様からコメント、あるいは御質問等を頂ければと思います。どうぞ御自由に御発言ください。よろしくお願いします。いかがでしょうか。特に御意見はよろしいでしょうか。
 
(異議なし)
 
○加藤座長
どうもありがとうございます。特に御意見がないということです。本検討会として、ワーキンググループの報告書を御了承とさせていただきます。なお、このワーキンググループの報告書を踏まえた形で、令和2年調査の公表に向けて準備を進められるということです。ワーキンググループの大久保主査をはじめ各委員におかれましては、2回にわたる精力的な御審議を経て報告書をおまとめいただき、どうもありがとうございました。
続いて議事2、毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループの検討状況についての報告です。
ワーキンググループの主査を務めている私から、ワーキンググループの検討状況について報告いたします。検討状況について、事務局に資料を整理していただいております。資料2、開催実績についての2ページを御覧ください。ワーキンググループでは、調査結果の復元に用いてきた母集団労働者数の推計値を補正する「ベンチマーク更新」の実施に当たっての検討や、その他の課題についての検討を進めることとしておりました。これまでに7月9日と8月26日に、ワーキンググループを開催しております。
7月9日の第1回では、毎月勤労統計調査の概要及びこれまでの経緯について、事務局より御報告を頂きました。また、ワーキンググループの進め方について、当初の予定どおり、まずはベンチマーク更新の方法を中心に検討し、その後、更なる課題を検討することを確認いたしました。そして、次回のベンチマーク更新に当たり、ベンチマークの候補となる統計、データの課題を事務局から説明いただきました。特に現在の毎月勤労統計調査の課題やこれから行うベンチマーク更新の課題についての御意見を伺ったところです。
また、8月26日の第2回においては、第1回で上げられた課題について事務局から提示いただいた試算等を見ながら、各委員の皆様から御意見を頂戴いたしました。10月頃に第3回を予定しており、更に議論を深め、一定の方向性を得る予定としております。
ベンチマーク更新の課題についてです。これまでワーキンググループで議論されたベンチマーク更新を行う上での課題についてですが、資料の3ページを御覧ください。これまでベンチマーク更新は、事業所の労働者数に関する全数調査を行っている経済センサスや事業所・企業統計調査の実施に合わせて行っており、直近のベンチマーク更新は「平成26年経済センサス‐基礎調査」を用いて、平成30年1月に実施しております。しかし、近年、経済センサスの調査方法が変更されており、「平成28年経済センサス‐活動調査」では、民営事業所のみの調査となっており、公営事業所の労働者数を把握していません。また、「令和元年経済センサス‐基礎調査」では、既存事業所は、活動状況のみを調査しており、労働者数等を調査していない状況で、いずれも労働者数の全数調査となっていないということになります。
従来の考え方に従いますと、「令和3年経済センサス‐活動調査」を用いることとなりますが、確報集計の結果は、令和4年9月頃から順次公表する予定となっており、「令和3年経済センサス‐活動調査」を用いる場合、次のベンチマーク更新は、令和6年1月分調査からとなります。
この場合、ベンチマーク更新の実施は、平成30年1月から6年後の実施となり、「平成26年経済センサス‐基礎調査」から7年後のデータを用いることになるため、労働者数の実績と推計の乖離が大きくなってしまい、ベンチマーク更新による前後の結果に大きなギャップが生じてしまう可能性があります。
このため、推計と実績の労働者数の乖離を早期に是正するために、「平成28年経済センサス‐活動調査」で調査していない公営事業所の推計を行った上で、「平成28年経済センサス‐活動調査」を用いるか、あるいは、「令和元年経済センサス‐基礎調査」をベースに、各種行政記録情報及び統計調査結果等により整備した母集団情報である「母集団データベース(令和元年次フレーム)」を用いるか、いずれかの方法により、令和4年1月にベンチマーク更新を行う方針となりました。
令和4年1月にベンチマーク更新を行うに当たって、今申し上げた課題について、第2回ワーキンググループで議論を行ったところです。第3回では、「平成28年経済センサス‐活動調査」か「母集団データベース(令和元年次フレーム)」のいずれかのデータを用いるのか、仮に「平成28年経済センサス‐活動調査」を用いる場合、公営事業所をどのように推計するのか等、第3回ワーキンググループで更なる議論を行い、一定の方向性を得る予定です。
参考までに、毎月勤労統計調査におけるベンチマークの更新の概要について、4,5ページに簡単にまとめております。
5ページを御覧いただくと、産業・規模計の平均給与は、産業・規模別の平均給与を労働者数のウエイトで加重平均したものであることが分かるかと思います。
このため、毎月推計している母集団労働者数が平均給与に影響を与えるということになりましたので、定期的に母集団労働者数を更新し、実績と推計の乖離を是正する必要があるということになります。以上が私からの報告になります。
この点に関して、引き続きワーキンググループにおいて検討を進め、一定の方向性が得られた時点で、改めて報告させていただきます。現段階で何か御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。引き続き議論を続けさせていただきます。どうもありがとうございました。
最後に議事3、その他です。事務局から何かありますか。
 
○武藤参事官(企画調整担当)
事務局からは特段ございません。
 
○加藤座長
本日予定しておりました議題は以上です。全体を通じて御質問、御意見等がありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、本日の議題は全て終了となります。事務局へお返しいたします。
 
○武藤参事官(企画調整担当)
皆様、本日はお忙しい中御出席いただき、ありがとうございました。これをもちまして、第23回厚生労働統計の整備に関する検討会を閉会いたします。
 
 
(了)

照会先

政策統括官付参事官付統計企画調整室

電話:03-5253-1111(内線7373)