令和2年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会(議事要旨)

 

 

1.日時 令和2年11月19日(木) 16:30~18:40
 
2.場所 AP新橋 Aルーム
 
3.出席者
○日本通運株式会社人財戦略部長 北 隆司
○東京海上ホールディングス株式会社人事部ウエルネス推進チーム専門部長 砂原 和仁
○日本商工会議所 産業政策第二部長 湊元 良明
○全国中小企業団体中央会 常務理事 中澤 善美
○鹿島建設株式会社安全衛生部部長 本多 敦郞
○日本製鉄株式会社 人事労政部長 山内 幸治
○一般社団法人日本経済団体連合会 労働法制本部上席主幹 阿部 博司

4.議題
(1)令和3年度概算要求の概要及び労災保険経済概況等について
(2)社会復帰促進等事業における主な新規・拡充(令和3年度予算要求)について
(3)令和2年度第1回検討会を受けて令和2年度成果目標を変更した事業について(報告)
 
5.議 事<主な指摘事項と対応>
<全体>
○令和2年度第1回の社会復帰促進等事業に関する検討会や以前の労災保険部会でも述べたが、社会復帰促進等事業として実施する事業は、被災労働者の援護や災害防止に直接的に資するものに限定するべきと考える。
○過去には、平成21年から平成25年にかけて予算額を大幅に絞り込んだ経験があると思うので、今後もこのように取り組むべきだと考える。
○今回は予算全体についてわかる資料を作成いただいた。資料1について令和3年度要求においては、未払賃金概算要求を除くと減となっていることはわかるが、もう少しわかりやすくできないか。前年度の執行状況を踏まえた減額要求を行っているものや、制度や事業を見直したもの、新規に事業を拡充したもの、といった形で整理ができないか。
○予算全体の資料として資料2では決算上の収支が数年続けてマイナスとなっているが、ずっとマイナスというわけにはいかないと思う。これはプラスに戻るのはいつくらいか。
○社会復帰促進等事業としての趣旨に沿っているかという観点からPDCAを回すべき。
○低評価となっている事業のアウトプット指標については、目標設定方法の妥当性も検討していくべき。
○労災保険の保険料収入はコロナの影響で減収となる一方で、未払賃金立替払が主な原因ではあるものの増額の概算要求となっている。不要不急な事業は徹底した見直しを行い、料率の引き上げを防止するのは当然のこと、厳しい経営環境にある中小企業に対しては料率の引き下げを検討できるよう財政管理の徹底に努めていただきたい。
○それぞれの事業の評価シートに、実施主体(国、都道府県労働局、民間企業等)が複数記載されている。誰が何を実施しているかを、より分かりやすく整理ができないか。
特に、最終的に事業者が直接利益を得る、受益するようなものだけでも別個に固めていただけると分かりやすい。
 
<個別事業について>
○ 独立行政法人労働者健康安全機構運営費・施設整備費(事業番号6)
・機構運営費・施設整備費については、令和3年度概算要求への反映状況として、減額要求を行っており、その説明に算定ルールや効率化係数が記載されているが、これらはどういった仕組みか、他の独立行政法人の予算でも同様の考え方があるのか。
 
○ 安全衛生啓発等指導経費(事業番号17)
・安全衛生法に基づく免許証発行事務について、申請から免許発行までの待機期間に2か月かかっているところを1週間程度に短縮を図るとのことだが、申請者に仮免許を発行して待機期間中でも業務実施が可能となるようにするなどの措置はできないのか。
・免許発行までの時間の短縮を図るための体制の確保のための経費と受け止められるが、業務フローの見直しや、機械化を含めた検討をしているのか、していないのであれば今後するのか。
 
○ 職業病予防対策の推進(事業番号21)
・事務所環境改善について、これまでは電離放射線業務の改善についての事業であったと思うが、これを今回拡充したということか。
 
○ メンタル対策等事業(事業番号27)
・新型コロナ感染症の拡大に伴いメンタルヘルス関係の相談者が増加していると思うが、今回の新規拡充としては、通常のメンタルヘルス関係の相談とは違うコロナ向けの費用がかかるのか。メンタルヘルスの相談者が増えているからそれに対応するための人員増なのか。
 
○ 第三次産業等労働災害防止対策支援事業(事業番号31)
・アンケート調査などで2千万円の予算は高額であり、費用の抑制を図れないのか。
 
○ 機械等の災害防止対策費(事業番号33)
・スマート保安の検討会等を実施する費用について、委員会の設置および検討会議に3千6百万円もの予算が必要であるということか。
 
○ 特定分野の労働者の災害防止活動促進費(事業番号34)及び外国人技能実習 機構交付金(事業番号39)
・外国人の相談対応を行う相談員を拡充する事業がある一方で、同じように外国人労働者の相談対応も含まれている外国人技能実習機構の交付金は減額している。機構の機能の低下を招かないか。
 
○ 自動車運転者の労働時間等の改善のための環境整備費等(事業番号35)
・自動車運転者の労働時間の改善のためにポータルサイトの取り組み等をしていると理解しているが、これまでの取り組みと今回の拡充する取り組みとの関係や拡充の経緯を教えてほしい。
また、自動車運転者の実態は、昨年と今年では、コロナの影響の有無で、状況が全く違う。これを踏まえた実態把握と分析をしてほしい。
 
○ 産業医学振興経費(事業番号42)
・産業医科大学について、10億円以上増加しているが、今後、本検討会において、具体的な効果を検証して欲しい。
 
○ 就労条件総合調査費(事業番号43)及び女性就業支援・母性健康管理等対策費(事業番号37)
・雇用環境均等システムと就労条件総合調査は、なぜ労災勘定で実施しているのか。本来であれば一般会計で実施すべきではないのか。また、政府統計でほかに特別会計のものはあるか。
 
○ 未払賃金立替払事務実施費(事業番号44)
・未払賃金立替払については、事後的に求償を行うと思うが、過去の状況はどの程度か。
 また、歳入としてはどこに示されるのか。
・未払賃金の増額要求はやむを得ないところであるが、立替払した賃金については、破産管財人等を通じて事業所から可能な限り求償し、回収できるよう、一層取り組んでいただきたい。
 
○ 過重労働の解消及び仕事と生活の調和の実現に向けた働き方・休み方の見直し(事業番号45)
・働き方改革推進支援助成金で、新設する労働時間適正管理推進コースについては、労働時間適正把握に係る研修を行うことを要件としているが、中小企業では自ら研修を実施することは困難である場合もあり、外部研修を受けることで研修を実施したものと取り扱ってもらいたい。