第8回障害児通所支援の在り方に関する検討会 議事録

日時

令和3年10月13日(水) 16:30~19:00
 

場所

 オンラインによる開催

議事

議事内容
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 それでは、定刻となりましたので、これより第8回「障害児通所支援の在り方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日は、よろしくお願いいたします。
本日の構成員の出席状況でございますが、田中構成員が御都合により御欠席、菊池構成員が遅れて御出席と伺っております。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。配付資料のとおり、議事次第、開催要綱のほか、資料については、資料1~4となってございます。
資料の不足等がございましたら、恐縮でございますが、ホームページからダウンロードいただくなどの対応をお願いいたします。
また、事務局から資料について説明させていただいた後に構成員の皆様に御議論いただきますが、発言される場合はZoomの「手を挙げる」機能を使用していただきますようお願いいたします。発言者はこちらから御指名させていただきますので、指名に基づき、Zoomのミュート機能を外して御発言いただき、御発言が終わりましたらまたミュートにしていただきますようにお願いいたします。挙手をしているにもかかわらず発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合は、オンライン会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能ですが、原則としては挙手にて意思表示をお願いいたします。
本会議は、資料、議事ともに原則公開としており、議事録につきましては、後日、厚生労働省のホームページに掲載予定となっております。また、本会議は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、報道関係者及び一般の方の傍聴は御遠慮いただき、代わりに会議の模様をユーチューブによるライブ配信にて公開しておりますので、御承知おきください。
以降の議事進行につきましては、柏女座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○柏女座長 改めまして、皆さん、こんにちは。6月に第1回を開催して、4か月、大体月に2回程度検討を進めてきて、ようやく今日を最終回として迎えております。この間、皆様方には、本当にお忙しい中、熱心に御議論いただきまして、心より感謝を申し上げます。おかげさまで、事務局の御尽力もあり、ここに最終報告書の案を提示することができました。今日は、もちろん幾つか修正はあるにしても、これを基盤にして最終報告書を完成させていきたいと思います。同時に、今日が最後になりますので、できれば今後に向けてのお一人お一人の思いを最後に語っていただければと思います。議事録にも残させていただきますので、今後、この報告書を適切に進めていくために、皆様の御意見を参考にさせていただきたいと思っております。
それでは、今日の第1の議事ですが、報告書の案について、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○鈴木障害児支援専門官 それでは、資料1、見え消し版を御覧いただけますでしょうか。こちらに、前回皆様からいただいた御意見をできる限り反映させていただきました。本日は、その反映させたところを中心に御説明させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、表紙です。前回、タイトルをつけたほうがいいのではないかということで、事務局で「障害のある子どもの豊かな未来を目指して(仮称)」ということでつけさせていただいております。こちらのタイトルに皆様から御意見をいただければと思います。
1ページ目、「1.はじめに」で修正されているところですけれども、2つ目の○で、中学校区のところが、モデル的に独り歩きするのではないかという御意見がありましたので、括弧で「例えば」ということで修正させていただいております。
続きまして、2ページ目、「2.障害児通所支援の利用の現状」ですけれども、下から2つ目です。こちらの就業の割合が増えているのではないかということで、2つ、参考資料集から追加させていただいております。ちょっと戻りまして、すみません。上から3つ目のところですけれども、「育てづらさ」から「育てにくさ」に変更させていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、「3.基本的な考え方」です。4ページ目を御覧ください。一番上に、近年の医療的ケア時の増加や発達障害の認知の広がりなどを踏まえ、末光構成員から医療的ケア時の増加も含めていただきたいということで、こちらに記載させていただいております。様々な状態像の子供と家族への対応が求められていると。さらに、秋山構成員から子供のライフサイクルは意識するべきではないかという御意見をいただきましたので、「ライフサイクルを意識し、将来を見据えた上で現在の支援内容を検討し、行う視点も忘れてはならない」と記載させていただいております。次の○で、「小さな障害者」ではなくというものが誤解を招くのではないかということで、削除させていただいております。次の○で、保護者だけでなく家庭生活を含めて影響があるのではないかということで「家庭生活」と記載しております。又村構成員から「受容」は少しきついのではないかということで、「障害を含め」と記載しております。赤文字で最後のところの○ですけれども、就労支援の視点を入れております。こちらは、「さらに、障害児通所支援の役割は、障害のある子どもに発達支援を提供することではあるが、障害のある子の保護者(とりわけ母親)も就労を継続できる社会を目指す観点からは、発達支援の提供を通じて保護者の就労を支えることも、障害児通所支援の役割の一つと考えるべきである」と記載してあります。
続きまして、「4.児童発達支援センターの在り方について」にいきます。5ページ目を御覧ください。検討の方向性のマル1です。幅広い高度な専門性に基づく発達支援・家族支援機能の部分でございますが、最初の「重度の障害や重複する」は文言の修正で、次の行ですけれども、「家族」に統一させていただいております。御意見をいただきましたので、注で、本報告書での家族につきましては、里親をはじめとする様々な家庭も対象とするということで、この家族ということで報告書では統一させていただいております。
続きまして、6ページ目の○の1つ目、「こうした役割」からのところに、皆様の御意見をできる限り反映させていただいております。少し読ませていただきます。「その際は」からは、柏市の小川構成員から、発達支援が中心になって、地域のスーパーバイザー、地域支援機能とかがセンターで発揮されないのはいかがなものかという御意見がございましたので、「その際は、従来の児童発達支援センターが、既に通所している児童に対する発達支援に手一杯となり、地域の保育所等に対する後方支援や、困難状況にある児童・家族に対する相談支援等に十分手が回らない状況にあるという指摘も踏まえ、これらの4つの機能を、地域の中で十分に発揮できるようにしていくことが重要である」と記載しております。次の段落で、機関連携を追記しております。北川構成員からの御指摘で、社会的養護の関連機関ということで、括弧で里親支援機関と要対協を追加しております。又村構成員から、発達障害者支援センター、医療的ケア児支援センターなどの関係機関との連携に十分留意していくことが必要であると。こちらも北川構成員からの御意見で、「さらに、出生前検査を受検後の妊婦やそのパートナーへのサポート体制にも、児童発達支援センターの参画が求められている」と記載させていただいております。次の○は、又村構成員からの御指摘で、センターが学童期の支援をどういうふうにしていくのかという御意見がございましたので、「また、地域の学童期・思春期の支援の充実という観点から、放課後等デイサービスを併設していない児童発達支援センターにおいても、地域の事業所をスーパービジョン・コンサルテーションしていくことができるようバックアップする地域での仕組みの検討が必要である」と記載させていただいております。次の○で、真ん中です。加藤構成員からの御意見で、「重層的に地域の体制が整備されていく」という文言を入れさせていただいております。
7ページです。地域全体の障害通所支援の質が上がっていくとともに、その仕組みと併せてより地域社会に障害児支援の専門性を伝えていく役割が必要ではないかということで、秋山構成員の御意見をここに反映させていただいております。
続きまして、「5.児童発達支援・放課後等デイサービスの役割・機能の在り方について」です。まず、児童発達支援ですけれども、ページを少し飛びまして、11ページを御覧ください。「(4)児童発達支援の役割・機能の在り方に関する検討の方向性」、3つ目の○です。「児童発達支援の在り方としては、特定領域の支援のみを提供するのではなく」で、この5領域全体をカバーすることが必要だろうと有村座長代理から御意見をいただきまして、アセスメントから支援まで一貫してこの5領域はかかっていくのだろうということで、こちらに記載させていただいております。
続きまして、13ページを御覧ください。四角囲みの下の1つ目の○ですけれども、こちらも「我が子の障害受容」ではなく、「障害に向き合おうとする」という言葉に変えさせていただいております。下の2つ、3つ目○は、障害者差別解消法のことを又村構成員から御意見をいただきましたので、記載しております。「さらに、今般、障害者差別解消法が改正され、事業者による社会的障壁の除去の実施に係る必要かつ合理的な配慮の提供について、現行の努力義務から義務へと改められたことからも、学習塾や習い事等の様々なサービスにおいて、障害の有無に関わらず利用できるよう社会全体で合理的配慮が進むようにしていくことが望まれる。こうした点からも、学習支援や習い事のような内容が障害児通所支援において提供されることが適切とは言えないことに留意すべきである」と記載しております。次の○で、神奈川県さんから線引きはどうしたらいいのかという御意見がありましたので、「また、どのような内容が給付費の対象なのかの線引きについては、指導監査等において確認された現場の状況も踏まえて考え方を整理し、検討していく必要がある」としております。次の○は、田中構成員から御意見をいただきまして、「特定プログラム特化型」ですけれども、「支援の有効性を個々の機能の短期的改善に求めるのではなく、その子の人生を通じたウェルビーイングの向上という観点を踏まえるべきである。子どもと家族を個々の機能の改善に追い立て、精神的負担になるようなことは避けなければならない」、「また」で、又村構成員から、そうはいってもいろいろ事情があって、地域においてもそれぞれ考えることがあると思われるので、少し経過的措置を置いたほうがいいのではないかという御意見がありましたので、「経過的な在り方も含めて慎重に検討を行うことが必要である」と記載しております。
14ページです。2つ目の○ですけれども、こちらは座長から御意見をいただきまして、児童指導員の文言ですけれども、「指導」という言葉ではなく「支援」という言葉に変えることができないかということで、職種の呼称の検討も併せて深めることが望まれると記載しております。
続きまして、放課後等デイサービスに行きたいと思います。ページを少し飛びまして、20ページを御覧ください。対象拡大の部分でございますけれども、1つ目の○で、専修学校・各種学校のことが書いてございまして、次の○で、どこにも通学していない、日中の活動の場がないお子さんのことが書いてありまして、3つ目の○で北川構成員から御意見がありまして、「学校に在籍はしているものの、精神的な理由などで継続的に学校に通学できない「困り感」の強い障害児についての対応については、引き続き検討を進めるべきである」と3つを並べて記載させていただいております。
続きまして、22ページを御覧ください。1つ目の○は、教育との連携のところで、菊池構成員から御意見をいただきまして、自立活動などの学校での学びの内容との連携が必要ではないかということで記載させていただいております。3つ目の○は、児童発達と同じように、放課後等デイサービスも児童指導員の「指導」という言葉を「支援」に変えるべきではないかという御意見を反映させていただいております。
「6.インクルージョンの推進について」です。こちらも少しページをおめくりいただいて、25ページを御覧ください。児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所で、移行支援が必要ではないかと秋山構成員から御意見をいただきましたので、「移行支援」という言葉を入れて、その内容として括弧で併行通園などの事例提供・提案や実現・継続のサポートを行っていくと記載させていただいております。
26ページを御覧ください。一番上の○も同じような観点で修正させていただいております。下のほう、保育所等訪問支援事業のところを御覧ください。最後の○ですけれども、保育所等訪問支援の実態把握に向けては、支援対象となった子供と保育所で、又村構成員や北川構成員から、学齢期をもう少し手厚くしていただきたいということで、「学校」と「放課後児童クラブ」の文言を入れさせていただいております。
27ページでございます。こちらは、相談の小川構成員から、保育所等訪問は平成30年に児童養護施設と乳児院での活用が開かれたのですけれども、実態はなかなか進んでいない現状があるという御意見をいただきましたので、実態把握で、平成30年に改正された児童養護施設と乳児院の活用の実態を把握するという内容を記載させていただいております。
続きまして、「7.障害児通所支援の給付決定の在り方について」です。こちらもページを少しおめくりいただきまして、31ページを御覧ください。一番上のところでございますけれども、こちらは相談の小川構成員からの御意見を反映させていただいております。「また、給付決定において勘案すべき項目の一つに、「障害児通所支援の提供体制の整備の状況」があるが、サービス基盤がないことを理由に給付決定がなされないことで、ニーズが顕在化せず、必要な基盤整備がなされないという悪循環がおこらないよう、必要な見直しを検討すべきである」と記載しております。次の○で、相談支援の重要性を適宜記載していただきたいという御意見がありましたので、ここの部分で「相談支援事業所の果たす役割の重要性を踏まえ、相談支援を必要とする家庭が必要な相談につながるようにするとともに」と入れさせていただいております。下を2つ下がって、最後の○ですけれども、こちらは気づきの段階が重要だということを示してほしいということで、「必要な発達支援の利用につながるような支援を行政や相談支援等の関係者が行っていくことが重要である点に」と記載させていただいております。
「8.事業所指定の在り方について」でございます。33ページを御覧いただければと思います。真ん中の○ですけれども、ここは障害児福祉計画の並びになっています。次の○で、「重症心身障害児や医療的ケア児等に向けた施策等の推進については」で、こちらは末光構成員の御意見で、成果目標を見ると、少なくとも1か所でとはなっていますけれども、実際の児童数とかを勘案することはされていないということで、この点については、事業所が設置されていても、例えば、十分な定員が設定できていないケースが多いとの指摘があると記載しております。
34ページですけれども、「2)検討の方向性」の3つ目の○です。ここも、「障害児通所支援の全体の必要量とは別に、医療的ケアスコアの高い児童の受け入れを含め、そのニーズを十分見込み、整備を促していく方向で検討することが必要である」と、事業者が1か所あっても、人工呼吸器などスコアの高いお子さんを受け入れられないという現状がないように、その地域のニーズに合った受け入れの整備ができるように検討する必要があるのではないかと記載させていただいております。最後の○ですけれども、柏市の小川構成員から、「その際は、総量規制に基づいた事業所の指定拒否は行政処分としての重みのある判断であることを踏まえ、十分に検討・整理すべきである」と、総量規制の懸念点を記載させていただいております。
続きまして、35ページは「9.その他」で、内容が地域との連携ではなく支援の質の向上ということで、「支援の質の向上」と括弧書きの中のタイトルを変更させていただいております。一番上の○の内容は、地域の障害児通所支援全体の質の底上げで、中核としてセンターを中心に研修などを行っていくのですけれども、そのときにセンターだけが頑張るのではなくて、地域の児童発達支援事業や放課後等デイサービスが積極的に参画する、協働で地域をつくり上げていく姿勢が大切であると。これにより、地域全体の支援の質の向上につながるのではないかということで、事業所側も積極的に参加するという旨を記載させていただいております。
「10.今後にむけて」は、今回が初出しになりますので、少し読ませていただきたいと思います。ここに今までの皆様方の思いをできる限り込めたつもりでございますので、少し読みたいと思います。
10.今後にむけて
○ 本検討会では、平成20年の「障害児支援の見直しに関する検討会」や平成26年の「障害児支援の在り方に関する検討会」の報告書の方向性を踏まえつつ、障害児通所支援の現状や課題と進むべき方向性について議論を行った。これらの議論と本報告書を踏まえ、厚生労働省では、制度改正、次期障害児福祉計画策定、次期報酬改定等において、できる限り実現が図られるよう、必要な財源確保とあわせ、検討を進めるべきである。
ここは座長から御意見をいただきまして、できるところからということで、
一方、「保育所等訪問支援の手引き書」の通知への引き上げや「放課後等デイサービスのガイドライン」の改定などは、早期に着手する方向で検討を進めるべきである。
ここは皆様から非常に御意見をいただいたところですけれども、
○ また、障害児支援だけで「閉じて」考えるのではなく、子ども施策全体の一連の流れの中で考えるべきという意見も多数あった。具体的には、障害児支援の前の段階へのアクセスについて、どのように対応するかの検討、障害のある子の学童期・思春期の発達の保障、また保護者の就労支援をするためには、一般施策と共に更に総合的に検討を深める必要があるという意見もあった。
こうした意見を十分に踏まえ、教育や社会的養護施策、子ども・子育て支援施策等の各制度間の連携をさらに強化していくことが必要である。
座長から、各制度間の渡り廊下を広くするべきではないかという趣旨をここに盛り込んでおります。
次に、加藤構成員、北川構成員、秋山構成員からです。
〇 また、保育士や児童指導員等の障害児通所支援を支える人材について、事業所への定着を通じた専門性の強化を図り、キャリアアップを重ねていける仕組みの在り方について、今後検討を進めていくことが望まれる。
こちらは、有村座長代理、末光構成員、又村構成員などから御意見で、家族視点の観点を記載しています。
○ さらに、家族支援の観点から、レスパイトの確保は重要であり、レスパイトの中から家庭での生活がより深く理解され日々の支援に活かされる側面もあること、親子関係の調整という観点からは親子での入所という形態も有効と考えられること、「きょうだい」の視点を含めて考えることも重要との指摘もあった。今後の支援の在り方を検討していく際には、こうした視点ももって進めていくことが重要である。
最後に、決意表明のようなことが書いてございます。
○ 最後に、障害児本人の最善の利益を保障することの重要性について指摘する。本人の最善の利益の保障については、これまでも意識されてきたものの、時代の状況変化に合わせて具体的に進めていくための検討が十分に行われてこなかった。この検討会により、今後の障害児通所支援の果たすべき役割と機能が明確化されるとともに、それぞれが重層的に体制整備をされることにより、日々障害児支援に取り組んでいる方々の課題の改善につながり、そのことで障害児と家族が地域で安心して暮らすことができ、子どもの最善の利益を社会全体で守っていく環境づくりが進んでいくことが期待される。
ここは「社会全体で」ということが非常に重要かと思います。
こちらはいつも御意見をいただいたところです。
本報告書では、障害児通所支援が子ども施策全体との連続性の中で、子ども家庭福祉として、各地域の中でその役割と責任を果たすことが、障害のある子どもと家族の幸せに繋がることを願い、すぐに見直しを行うべきものから、今後の施策の方向性を指し示す内容まで幅広い提言を行った。この報告書を受けて、全国の子ども・障害児の支援者等が本人の最善の利益の実現に向けた支援をなお一層推進するとともに、厚生労働省をはじめ、各関係省庁、自治体、支援者等の関係者が連携し、施策が着実に進むことを強く期待する。
ということで締めくくらせていただいております。
事務局からの説明は以上になりますので、御議論をよろしくお願いいたします。
○柏女座長 ありがとうございました。
今、お話がありましたように、前回の皆様方の御意見をできる限り子の報告書案の中に反映させていただいております。事務局の御尽力にも敬意を表したいと思います。この報告書案について、今日は、これまでもたくさんの御意見を頂戴いたしましたので、そろそろ報告書を確定していきたいと考えております。できれば、修文を求めたい箇所がありましたら、具体的な修文案を出していただいた上で御意見をお願いしたいと思います。もちろん時間制限をするわけではありませんが、取りあえず30分ほどの時間を取らせていただいて、意見を頂戴していきたいと思います。分けないで全体を通して御意見を頂戴できる部分について御発言をいただければと思いますが、それでよろしゅうございますでしょうか。
ありがとうございます。そのようにさせていただきます。
それでは、どなたからでもどうぞ御意見を頂戴できればと思います。
秋山さん、お願いいたします。
○秋山構成員 秋山です。よろしくお願いします。
私は、2つほど修正・追加をお願いしたいと思っています。
1つは、26ページの一番下の○です。「調査を行うことが考えられる」というところで、この調査に27ページの黒丸の一番下で平成30年に改正された児童養護施設と乳児院への活用の実態と加えてありますが、ここをもう少し具体的に児童養護施設と乳児院でどのように保育所等訪問支援が使われているかと記載していただけないでしょうか。私も児童養護施設に関わっておりますが、児童養護施設等に措置されている子供には、障害があり、専門的な発達支援が必要なケースがあります。しかし、まだそれは十分とは言えない状況でありますので、今回、この調査を行うことによって、保育所等訪問支援が活用できるということが周知できるとともに、またその調査結果によっては、保育所等訪問支援の手引きの中に加えていただけるのではないかと思います。それが1つ。
もう1点は、35ページ、4つ目の○です。そこに外部評価のこと等が書いてありますが、障害児支援の質の評価については、厚労省の研究事業で、平成2年に提出された障害児支援のサービスの質の向上のための外部評価の実施とその検証のための研究報告書が内山班から出されています。私は、今、手元にその報告書を持っていますが、この報告書には、英国やスコットランドの障害児サービスの比較研究を基盤として開発されています。様々な障害児の現場のトライアルも終えて、外部評価の有効性も証明されています。せっかくのこの研究成果物を外部評価の在り方に具体的に検討していただけるといいのではないかと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
最初のほうは、恐らくそのまま反映で大丈夫だと思います。
今の35ページのほうは、例えば、その成果物のことを触れた上で、注で入れていくような感じでもよろしいですかね。
○秋山構成員 はい。この研究報告書をぜひとも具体的に進めていただきたいと思っていますので、それが伝わるように記載していただければと思います。
○柏女座長 分かりました。先生、先ほど平成2年とおっしゃいましたけれども、令和2年の報告書ですね。
○秋山構成員 そうです。令和2年です。申し訳ありません。
○柏女座長 可能だと思いますので、できる限りそのように。注書きになるかと思いますが、書いておけば、それを基にして検討することになると思いますので、大丈夫だと思います。ありがとうございます。
○秋山構成員 ありがとうございます。
○柏女座長 それでは、又村さん、お願いします。
○又村構成員 ありがとうございます。全国育成会連合会、又村でございます。
まず、これだけの取りまとめをしていただきまして、本当にありがとうございました。内容としては、大筋で全く異論はございません。
その上で、細かいことが1点、この場での御議論も含めていただく必要があるかなと思うことが1点、2点ございます。
細かいほうですが、まず、6ページです。追記いただきまして、ありがとうございました。地域の学童期・思春期の支援の充実という観点からのパラグラフです。その後に、放デイを併設していない児発センターにおいても、地域の事業所をスーパービジョン・コンサルテーションということで、この表現で全く問題はないのですが、地域の事業所が何を指すのかもう少し明確であってほしいと思いました。具体的には、児童発達支援・放課後等デイサービス事業所と入念的に御記載いただくのがよいかと思いまして、具体的に御提案申し上げます。これが1点です。
もう1点が、これは御判断いただくもしくは御議論いただくことになるかと思いますが、総括的には4ページで追記いただきました。さらに、障害児通所支援の役割は保護者の就労も継続できる社会という点、12ページと20ページにそれぞれ児発と放デイに同趣旨の記載をいただいております。ありがとうございます。この点について、今回は障害児通所支援の在り方検討会ですので、そこまでこの報告書で踏み込めるのかどうかという議論があるかと思うのですが、もちろん放デイあるいは児発がこういった役割を果たしているという事実がございますし、そのことについて一定の必要性があってなってきたことは十分に理解していますので、最悪、この記載のままでもいいとは思うのですが、基本的には、既に国から事務連絡も出ているように、例えば、日中一時支援や保育所、放課後児童クラブといった一般施策あるいは障害児者福祉サービスのほかのサービスと役割分担をしていくのだということについては、既に通知が出されているところでございます。これを踏まえての地域での支援体制の整備が、本質的には必要性がある部分と考えますので、後ほどチャットに具体的な文章はお入れしますが、今、読み上げます。「障害児通所支援事業が保護者(とりわけ母親)の就労を支える側面があることを念頭に、市町村ごとに、日中一時支援や保育所、放課後児童クラブなどとの役割分担を踏まえた支援体制を構築する必要がある」といった一文については、やや踏み込み過ぎの表現かとは思いますが、どこか、4ページの○の後につけるのか、もしくは、12ページ、20ページのそれぞれの事業の中で補足的に示すのか、いずれかお示しいただいたほうが、この4ページの○の部分を書き加えていただいたのは非常に重要で大変ありがたいと思う反面、この文章だけですと、引き続き児発と放デイで全部やればいいんだね、みたいなことになるのもまた違うかなと思いますで、後ほどチャットにも今の文章を入れますが、その辺りの具体的な文章を御検討いただければと思います。
私からは以上でございます。
○柏女座長 ありがとうございます。
最初のほうは、書きようによって大丈夫だと思います。
2つ目のことについては、ほかの皆様方で意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。
加藤さん。
○加藤構成員 そのことについては、私は自分の発言のところで触れようかと思ったのですが、どうしたものでしょうか。
○柏女座長 今、どうぞ。それに関わってここを決めてしまいたいと思いますので。
○加藤構成員 今の又村構成員の発言に、私は全く同意します。今回の報告書の一つの大きな特徴は、保護者の就労支援みたいなことが大きな視点にあると思うのですけれども、それはあくまでも発達支援を第一義的なキーワードとしたときに、結果なのか、目的なのかというところでいくと、かなり目的化されてしまっているところが感じられます。しかし、今の又村構成員の発言を曲解しているかもしれませんが、それは児童発達支援機関の本来のメインの目的ではないと私は認識します。そういう意味では、地域にある様々な関連機関との役割分担とか、それは地域によってもいろいろとメリハリがあると思いますので、その辺は慎重に考えていかないと、これもまた言葉だけが独り歩きしてしまう可能性があることをちょっと心配します。
○柏女座長 ありがとうございます。
その他の方の御意見はございますでしょうか。
よろしければ、今の又村さんの御発言を4ページのところに追記するということで、ここは基本的な考え方を示すところですので、そこに又村さんの御意見はもっともと思いますので、加藤さんの御発言もありましたので、ここに追加するということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。本来的には、しっかりとした役割分担がなされていくべきではあるのですけれども、現在、そのような状況にまだなっていない、インクルージョンが進んでいない段階で、言わば放デイや児童発達支援に就労希望の方がちゅうちょしてしまっているという現状があるということは考えていかなければいけないのだということをこの考え方の中に提示していくことにしたいと思います。
又村さん、よろしいでしょうか。
(又村構成員首肯)
○柏女座長 それでは、修文案を先ほどお聞かせいただいて、そのとおりで大丈夫だと思いますので、お願いしたいと思います。
市川さん、手が挙がっていらっしゃいますか。お願いいたします。
○市川構成員 35ページでしたか。支援の質の向上のところで、私どもの内山のほうで障害児支援のサービスの質の向上のための外部評価の実施とその検証のための研究報告書を厚労科研で出しておりまして、これをぜひ取り上げていただきたいと発言しようと思ったのですけれども、秋山構成員が先に言ってくださったように思います。評価の第三者性、あるいは、支援現場における生の声の把握ということを一言付け加えていただけるとありがたく思いますが、先ほど秋山構成員のおっしゃったことで結構でございます。
○柏女座長 分かりました。それでは、市川さんの御意見で、今、幾つか短い修文があったので、それも踏まえて注書きをしていきたいと思います。ありがとうございます。
小川陽さん、いらっしゃいますか。
○小川(陽)構成員 ありがとうございます。日本相談支援専門員協会の小川です。
先ほど加藤構成員の御発言が途中になっているかと思いますので、もし差し支えなければ先に加藤構成員の御意見を拝聴したいと思いますが、いかがでしょうか。
○柏女座長 それでは、加藤さん、お願いできますか。私が腰を折ってしまったのかな。申し訳ありません。
○加藤構成員 とんでもないです。勝手なことを申し上げまして、すみません。
まず、第1に、このような立派な報告書をうまくまとめていただいて、我々の言いっ放しの発言を取りまとめていただいて、ありがとうございました。とても私なりによくまとまっていると評価させていただきたいということが基本的にはあります。
それを踏まえて、まず、前回の検討会のときに座長さんからおっしゃったサブタイトルの件ですね。これをつけたほうがいいのではないかということで、今回、これがついたかと思います。サブタイトルをつけることについては、私は大賛成します。そういう意味では、このサブタイトルのことで、「障害のある子どもの」と枕詞で出てくるのですが、これについては、この検討会の過去2回、今回が3回目ということで、その経過を踏まえ、また、昨今の大きなインクルーシブな動きを踏まえたときに、「障害のある子」、では、障害のない子は関係がないのかみたいな話になりますし、また、障害そのものが非常にスペクトラム様であることを考えたときに、今後、この先を見通したときに、「障害」ということを私はあまり言いたくない、言うべきではないのではないかと。一人一人の子供たちの育ちぶりといいますか、多様性といいますか、そうしたものを考えるべきで、「障害のある子」という、ゼロイチ的な、二極化したような捉え方を取られやすい表現は可能な限り回避したほうがいいのではないかという主張をしているのです。しかし、さりとて、例えば、さきの障害者基本法のときにも、17条で「療育」という言葉、子供のことを入れていただいた。あのときに、私たちは、まずは子供を入れてほしいということは第1の要求だったので、それが入ったまではいいのですけれども、要するに、その項目のタイトルといいますかね、キーワードとして「療育」という言葉が入っていたのですね。それに対して、私たちは「発達支援」という言葉を提案したのですね。そのときに、その場の大勢は「それがいい」という話で、皆さんに合意いただいたようなことになっていたのですけれども、後日、それが「発達支援」ではなくて「療育」という言葉に置き換わってしまった、また戻ってしまったのですね。要するに、それは法律用語だからという話で、法令担当の方からのクレームといいますか、一言で、そういう形になったという経緯を聞いています。ところが、その後、「療育」という、業界用語みたいな、そのものをイメージさせるような言葉はできるだけ回避したいよねということで、いろいろな工夫がされて、過去の検討会でもそういう言葉をできるだけ使わない、柔らかな表現でということがいろいろと工夫されてきた経緯があると私は認識しております。そういう流れでいったときに、今回も、もちろん行政用語あるいは法律用語として「障害児」という言葉が現にあるわけですので、表の検討会の報告書の言葉はともかくとして、せめてサブタイトルにはその言葉を使わない中での表現であっても、我々の矜持として、ここにそういう思いを込めてもいいのではないかと感じました。その代案を出せと言われるとあれですが、要するに、「一人一人の多様性が尊重される未来を」とか、「子どもの限りない可能性を支えるために」とか、そういう我々の夢といいますか、ビジョンといいますか、そういう思いを、現行の制度、法律用語を超えて、サブタイトルであるということからして、少し言葉は適切ではないかもしれませんけれども、あえて、ちょっとはみ出したというか、踏み出したというか、そういうサブタイトルであったらいいなという思いがしております。
2ページです。「2.障害児通所支援の利用の現状」の○の3つ目ですが、「育てにくさ・生きづらさを抱えながら」云々というところで、4行目の最後の文章です。「関係者の尽力等により、年少期の間に発達支援につながるようになってきた」は、私は事実ではないと思います。確かに年少期の間にもちろんそうした支援の質あるいは量がかなり充実してきていることは認めますけれども、これは別に年少期からではなくて、まさに乳児期から、ここにテーマをフォーカスして取り組んできた、その流れが年少期にも及んでいるという意味であって、年少期から突然そういうことが取り沙汰されて、問題にされて、その成果的なものかという意味では、私はそれは事実に反することだと思いますので、これは「幼少期から」という表現に変えていくべきではないかと思います。
先ほどの4ページの4つ目の○、先ほどの又村さんの御意見を受けて私が先ほど申し上げた件ですけれども、これも、今回のテーマでもある放課後デイについてどうするのかという話の中で、私は以前から申し上げているのですが、結局、発達支援施策と親の就労支援施策とがすり替わってしまっているようなところが放デイの実態ではないかと、現状の認識として持っているのですね。ですから、そういう意味では、その辺のことをどうするのかという問題が大きく残ってしまうのではないかと。特に出しゃばった言い方をすれば、政局の中では厚労省を分割するという話まである中で、この発達支援のテーマの中に就労を全面的に出すことの将来性はどうなのかなと、ちょっと不透明な部分があるのではないかなと、早い者勝ちということになるのかもしれないのですけれども、いずれにしろ、その辺が老婆心としてあります。代案と言われても、私としては困るのですけれども。
13ページの○の1つ目です。要するに、乳幼児期に児童発達支援においては我が子の障害に向き合おうとする保護者に寄り添いとあるのですが、発達支援は、障害に向き合うだけではなくて、ある意味では、急性期といいますか、そういう言葉が福祉の世界であるかどうかはともかくとして、とにかく我が子に課題がありそうだと、心配事がたくさんあるということの初期段階においては、就労とか、それこそ障害という言葉と無関係に、ある意味では親はいろいろな意味で悩んだり苦しんだりされているわけで、そういう意味では、我が子の障害に向き合うなどという一面だけを取り上げてここに表現するというのはいかがなものかと。もう少し前段階で大きなテーマがあるわけで、そのこともぜひここに入れるべきだと私は思います。
ページがいろいろなところに飛んでしまっています。最後の35ページの「10.今後に向けて」は、非常によくまとめていただいて、感謝を申し上げます。ただ、「今後に向けて」は表現が曖昧過ぎる。今後に向けた宿題なのか、課題なのか、どういう意味合いで、今後に向けて何なのかという、述語というのですか。誰がどうするのか、何をするのか、何をしたいのか云々という、表記が「今後に向けて」だけでは少し曖昧過ぎる。我々はこうやって議論して積み上げていっていますので分かっていますけれども、これを報告書として出されたときに、いろいろな文脈でいろいろな方が読まれるわけですので、その辺についてはもう少し丁寧な表現があってもいいのかなという気がいたします。
取りあえず、以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
最初の表題について、ほかの先生方、いかがでしょうか。
北川さん、お願いします。
○北川構成員 ありがとうございます。
表題のところは、加藤会長と全く同じで、上のほうに「障害児通所支援の在り方」ということが表現されているので、副題は、今の論議の中で、子育て支援の連続性の中に障害児支援があるのだということがこの論議の中でずっと言われていましたので、障害児支援があることでいろいろな子供と家族の安心につながるような豊かなものになるんだみたいな、そういう副題のほうがいいのかなと思います。ちゃんとした題が「障害児通所支援の在り方に関する検討会報告書」なので、「全ての子どもの豊かな未来を目指して」とか、「一人一人の子どもの豊かな未来のために」とか、そういう子供や家族みんなにとって大事な役割なんだという方向性を新しく未来に向けて示したほうがいいと思いました。
○柏女座長 ありがとうございます。
ほかに御意見はございますか。
なければ、ここで、今、決めたいと思います。「障害児通所支援の在り方に関する検討会報告書」が今はメインの報告書の名前であるということで、それであれば、今、加藤さん、北川さんがおっしゃったように、「全ての」や「一人一人の」としても問題はない、誤解されることはないと思われますので、「全て」と「一人一人」ではどちらがよろしいでしょうか。
○加藤構成員 厚労省は、レトリックとしてどちらをよく使われるのですか。
○河村障害児・発達障害者支援室長 どちらもよく使う表現ではございますね。「全ての」の方が、先ほどの先生方のおっしゃっているスペクトラムだということがよく表れる印象はございますが。
○柏女座長 それでいきましょうか。主題に「障害児通所支援」が入っているので誤解を生むことはないと思いますので、副題として「全ての子どもの豊かな未来を目指して」という形にさせていただきたいと思います。
2ページの「年少期」は幼少期のことではないのですか。違ったのですか。
○加藤構成員 学童期ですよ。学齢期。
○河村障害児・発達障害者支援室長 「年少人口」と言うときには0~14歳まで押さえたりするので、私どもの意図としては、まさに0~14歳の中の小さいほうという意図で使ったのですが、加藤会長がおっしゃるとおり、もうちょっと上の年齢層を指す使い方も社会の中であるのだとしますと、「幼少期」でも結構でございます。
○柏女座長 「幼少期」でもよろしいですかね。それでは、そのようにさせていただきます。
4ページ、○の4つ目のところですが、座長としては、又村さんの御意見に、加藤さんが先ほどおっしゃったところが、検討すべきだということが含まれていると思いますので、又村さんの御意見を事務局に送っていただいて、事務局で精査していただいて、加藤さんの御意見の趣旨はとてもよく分かりますので、それに沿うような形で微修正をしていただくという形でよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
13ページ、障害に向き合おうとするという、ここはちょっと難しいのですけれども、何かいい修文案はございますか。
○加藤構成員 つまり、親御さんが、障害とまだ考えていない段階のお子さんですね。これはこれで非常に大事な時期なのですよね。それを障害と向き合うだけといきなり言ってしまうと。
○柏女座長 その前からということですよね。
○加藤構成員 どうしたらいいのかな。ちょっと考えてほしいのですけれども。
○柏女座長 お願いします。
○又村構成員 全国育成会の又村でございます。
ここの部分は、その趣旨でよいかどうかは分かりませんが、加藤先生のおっしゃるとおりと思いまして、障害というよりは、お子さんの今の状態、つまり「育ち」かなと思っておりまして、「我が子の育ちに向き合おう」という表現は一つ案としては考えられるかと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
加藤さん、いかがですか。
○加藤構成員 それでよろしいかと思います。いずれにしろ、これだけでは中途半端だと思います。
○柏女座長 ありがとうございます。
「我が子の育ちに向き合おうとする」という形にさせていただきます。
次が、35ページの「10.今後に向けて」ですけれども、これは事務局でいい表題はありますかね。
○河村障害児・発達障害者支援室長 基本的に書いている内容としては、中長期的なものも含めた今後の課題と、あとはそのときの視点でございますので、「今後に向けた課題と視点」とか、括弧書きで「課題と視点等」と書くとか、そうすると少し明確化されるかもしれませんが、いかがでしょうか。
○柏女座長 そうですね。「今後に向けて」として、棒を引っ張って「課題と視点」みたいな形でいかがですか。いろいろな多様な言葉が入っているので、そのぐらいにしておいたほうがいいかなと思います。
○加藤構成員 はい。
35ページで、思い出しました。○の2つ目のところは、今回の新しい一つの目玉だと思うのですが、御案内のように、東京ではかなり昔からやっているのですね。今では、3年に1度、東京都に提出し、それが東京都のホームページで公表されるという状況になって、それについてのお金、費用も、一定の額を設けるという実態があります。ただ、それはそれでいいのですけれども、十数年たって歴史があると思いますが、現場の人間としては、非常に問題を感じています。それは、結局、第三者の評価で、東京都の場合には41の評価機関が認定されているのですね。ところが、その認定されている41の評価機関の中身が問題なのですね。現実的にはどうなっているかというと、例えば、うちなどは評価していただいてコメントが出てくるのですけれども、こちらで全部書き直しをしています。全然ピントがずれてしまっていて、分かっていないということで、駄目出しをして、結局、出てきませんので、そういうことで、こちらが全部修正したものを最終的には評価機関が作成して提出しているという怪しげな状況が起きてしまっているのですね。そういう意味では、第三者の目は絶対に大事で、これからぜひそういう活動がちゃんと浸透していくといいと思うのですが、そういう第三者評価機関の水準、レベルの規定を何らかの形でしっかりと規定しないと、かなりアバウトな形になってしまうというリスクが、経験的に出てきていますので、ここに含めるかどうかはあれですが、そのことは要注意と言ってよろしいかと思います。
○柏女座長 ありがとうございます。
この第三者評価は46道府県が全国措置でやっていて、東京都だけが別にやっているということで、いろいろとあるのだろうと思いますけれども、今、第三者評価の在り方について福祉基盤課の調査研究で全社協が検討会を行っておりますので、それも踏まえて、障害関係をどうしていくのかということも考えていければと思っておりますので、厚労省も問題意識は持っているということだと思います。そちらに委ねたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
○加藤構成員 ありがとうございました。
○柏女座長 その部分についてはこれまでにさせていただいて、小川陽さん、お願いいたします。
○小川(陽)構成員 ありがとうございます。
まずは、御礼からということになりますが、この検討会の報告書案は大変充実した内容だなと思っています。事務局の皆さんの労に改めて感謝を申し上げたいと思います。
私からは、細かなことを2点お伝えしたいと思います。
まず、1点目が、28ページにありますセルフプランの説明の文章です。保護者の希望により、障害児相談支援事業所以外の者が作成する障害児利用計画案(以下「セルフプラン」という)という言葉と、24ページにもセルフプランの説明書きがありますが、障害児相談支援事業者(セルフプランの場合は保護者)となっています。24ページのほうは、文章を読みますと、セルフプランをつくるのは保護者と限定的に書いていて、28ページは保護者の希望により、支援者等ということになるのでしょうか、相談支援事業所以外の者が作成するとなっていますので、ここは整理したほうがいいのかなと思ったことが1点です。
もう1点、31ページです。今回追記していただいた部分になりますが、「相談支援事業所の果たす役割の重要性を踏まえ、相談支援を必要とする家庭が必要な相談につながるようにするとともに」というところで「家庭」という表現をしていただいていますけれども、ほかの文章の並びから見ると、「家庭」という言葉がここに出てくるのは、意図はあるのでしょうが、少し突飛な印象を受けたのと、児童福祉法では障害児またはその保護者となっていますので、そのようにされたらいかがかということで、2点ほどお伝えさせていただきます。
私からは以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
最初の御意見は整合性の話なので、事務局で対応していただけますか。
○河村障害児・発達障害者支援室長 はい。
○柏女座長 2つ目ですが、ここは「家庭」を「障害児とその保護者」と変えるという御意見でよろしいでしょうか。そこは可能だろうと思いますので、「家族」に統一しているということもあるので、ここだけ「家庭」が出てくるというのもあれだということですね。そのようにさせていただきます。
続いて、北川さん、お願いいたします。
○北川構成員 最初の副題のところはお伝えしましたので、持っている資料が皆さんとページが違うかもしれないのですけれども、私の資料では6ページで、児童発達支援センターの検討の方向性の次の○なのですけれども、その際は従来の児童発達支援センターが既に通所している児童に対する発達支援に「手一杯となり」という表現は、お話の言葉みたいな感じなので、いろいろ考えたのですけれども、「発達支援だけで余裕がない」とか、「発達支援に一杯となり」とか、「手一杯」という言葉がこの報告書にはふさわしくないかなと思ったので、その辺の検討をお願いします。
その下の連携のところの中に社会的養護の関係機関とかを入れていただいたのですけれども、就学のところとかもありますので、できれば、教育、学校もここに入れていただいてもいいのかなと。
最後の最後なのですけれども、有村先生のおっしゃったウェルビーイングという言葉を入れていただきたいなと思ったのですよね。出生前診断の専門委員会に出たときに、障害のある子だと分かったときに産まないと選択する妊婦さんとパートナーが多いという実態の中では、情報がきちんと行き渡っていないとか、障害のある子の暮らしとか、子育ての情報が伝わっていないということもあって、今後、この辺は改善していくということになりますけれども、それにしても、障害があって生まれても、子供自身と家族のウェルビーイングがしっかり守られるための障害児支援であるべきだというか、そういう充実をするための障害児支援であることを強く願うとか、そういう文言を、ウェルビーイングの充実ということを入れていただきたいなと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
最後のところは、修文を事務局にお任せしても大丈夫ですかね。
○河村障害児・発達障害者支援室長 お任せいただけるのであれば。
○北川構成員 よろしくお願いします。
○柏女座長 よろしいですね。そのようにさせていただきます。とても大切な視点だと思います。有村さんからも手が挙がっていますので、その中でも触れていただけるかと思います。
あとの2つは、「手一杯」というのも修文できるかと思いますし、教育機関を入れることも問題はないような気がしますので、そのように対応をお願いしたいと思います。
それでは、有村さん、お願いします。
○有村座長代理 お時間のない中、大変恐縮です。また、これだけ充実した報告書をおまとめいただいている事務局にも感謝を申し上げます。
細かいところになるのですけれども、幾つか発言させていただきます。
まず、4ページ目を見ていただいて、先ほど「小さな障害者」ではなくというところのお話があったかと思うのですけれども、その後ろの「他の子どもと同じ」が要るのかどうかというのが気になっております。発達の真っただ中にある子供という視点が大切であるというところからスタートをしても問題はないのではないかと思ったところでございます。
続きまして、6ページの下から7ページ目に連なるところです。7ページで「障害児支援の専門性を伝えていく役割」とあるのですけれども、ほかのところでもう1か所気になったところもあるのですけれども、技術というか、専門性だけではなくて価値も伝えなければならないのかな、意義や価値も伝えていかないといけないのかなと思いましたので、「意義や専門性を伝えていく役割」とバリューの部分を付け加えてもいいのかなと思いました。
もう一つ、同様なのですが、35ページのところです。先ほど御意見があったかもしれませんけれども、その他の1番目の○です。ここの「サービスが積極的に参加し、協働で」というところも、できれば「価値を共有し」とか、バリューの部分でも共有していくんだよというところをつくっておくことがとても大事なのかなと。そのことで世の中に対してきちんと影響を与えていけるところが大きいのかなと思ったので、御意見もあるところかもしれませんが、コメントをさせていただきました。
最後のところは、私は、今、その瞬間が、御家族であったり、保護者の方、お子さん自体が、自分らしく、それこそウェルビーイングな状態でいられるかどうかというのが結構大事なポイントかなと思います。北川先生がおっしゃったとおりかと思いますので、ここは「幸せ」という表現も分かるところなのですけれども、今、その瞬間という、ingを含んでいるというところでは、ウェルビーイングという言葉もいいなと私も思うところでございます。
以上でございます。
○柏女座長 ありがとうございます。
今いただいた御意見は、基本的に4つありますが、例えば、35ページのところは、4~5行目のところで、「その際には、地域の児童発達支援事業や放課後等デイサービスが積極的に参画し、かつ、価値を共有し、協働で地域を創り上げていく」という形でよろしいですかね。
○有村座長代理 はい。
○柏女座長 あとのところは修文可能だと思います。
最後のウェルビーイングのところはどこに入れたらいいのですか。
○有村座長代理 これは事務局も迷われたと思うのですけれども、「家族の幸せ」は、もちろん「幸せ」もよく分かるところでありますけれども、「ウェルビーイング」という書換えもありかなと。
○柏女座長 それでは、そのような形で修文をしていただくといいかと思います。ing感を出していくこともとても大事なことだと思います。
そのほかにはいかがでしょうか。ほぼ出尽くしでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
一つ一つ繰り返しをすることはいたしませんが、ほぼ修文も踏まえて、どのように修文したらいいかも含めて御意見を頂戴いたしましたので、私からの提案ですけれども、御議論いただいた内容を踏まえて、まとめを行うことについては、座長一任ということでお願いできますでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○柏女座長 どうもありがとうございます。
それでは、事務局と調整をさせていただいて、早急に報告書として取りまとめを行いたいと思います。なお、構成員の皆様方には、事務局よりその最終的な報告書について配信をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
これまでのところ、本当に貴重な御意見を頂戴いたしまして、本当にありがとうございました。
それでは、まだ1時間ちょっと時間が残りましたので、議事の2「今後に向けて」ということにさせていただきます。
先ほどの今後に向けての課題と視点とは別に、今度は個人の御意見をぜひ語っていただいて、それを議事録にしっかりと残していきたいと思います。
今後に向けて、皆様の思いを、ぜひお1人3分で御意見を頂戴できればと思います。順番については、構成員名簿の順にさせていただきたいと思います。お手元にある方とない方といらっしゃるかもしれませんが、私のほうでお名前を読み上げてまいりますので、随時お願いできればと思います。有村さんは最後から2番目、私は最後とさせていただきます。
まず、最初に、秋山さん、お願いいたします。
○秋山構成員 秋山です。
今回、貴重な検討会に参加させていただきまして、ありがとうございました。
私は、日々の診療や乳幼児健診などで親子のそばにいます。障害に至ると、地域社会から親子が遠くなっていっているように感じます。地域社会の子育て環境の中で障害児が生きやすくなってほしいと思います。
そのためにも、今こそ先人が培ってきた価値や専門性、そして、開発してきた技術を社会に還元していくときではないかと思います。専門性を強調し過ぎて地域社会から障害児を取り出していくのではなく、障害児が日常生活の中で支援を受けて地域社会で生きられる環境を願います。
私が尊敬する北原佶先生は、障害児とは、ほかの子供と異なったニーズを持った特別の子供と考えるべきではなく、通常の子供の持つニーズを満たすのに特別な困難を持つ普通の子供と言われています。障害児の親も普通の親でいられる社会であってほしいと思います。そのための法整備も進んでいると感じています。今回の先を見据えた議論をさらに進め、ソーシャルインクルージョンが進んでいくことを切に望んでいます。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、市川さん、お願いいたします。
○市川構成員 ありがとうございます。
私は、週3日で外来をやっていましたもので、午前中の会議に出られなくて申し訳ない。
先ほど私が感じたのは、加藤構成員のお話を伺っていて、前回の会議も私は出ていたのですけれども、子供に障害者はいないということを盛んにおっしゃっている方がいらっしゃって、私の患者さん、どうしようかなと思ったことを覚えているのですね。今もお話がありましたけれども、保護者が「うちの子、障害があるのでしょうか」と聞きに来たり、「うちの子、普通でしょうか」という質問はしょっちゅう受けるのですね。よく考えてみると、そのときの「障害」という言葉をどういうふうに定義されているかは全く違うと思うのですね。私が専門にしている発達障害の場合は、障害はdisorderなのですね。それ以外にも、disabilityとか、英語にすると7つか8つあるのですね。だけれども、保護者が「うちの子、障害があるのでしょうか」と言うときの「障害」は、きっと英語にするとhandicap、社会的不利になるのだろうと思いますね。だから、その辺りのところは、日本語では「障害」という言葉があまりにも幅広いので、「障害」だけが行ったり来たりしてしまっていて、あまりそこにこだわらないほうがいいのではないかという気はしています。ただ、行政的には「障害」という言葉を使わないといろいろと支援とかができないというのがあればやむを得ないのかなと思って聞いておりました。ですから、私も、保護者に「うちの子、発達障害ですか」と言われたときに、まず、「障害」から説明しなければいけないですね。この場合、発達障害のときの「障害」はこういう意味ですよということを言わないと難しい。
かつて、なるべく早く発達障害は見つけて治療すると言ったのですけれども、結局、全然うまくいかなかったのですね。結局、アセスメントをしましょうという話になっても、アセスメントをしてうちの子供に変なレッテルを貼られたら困るというのが保護者の一般的な考え方なのですね。だから、アセスメントをするよりも、病名ではなくて症状で、「おたくの子供さんはちょっとお友達をつくるのが苦手ですね」とか、「みんなの前で発表するのは苦手ですね」というふうにしようとなっています。ICD-11がWHOで発表されたと伺っておりますが、病名については、今、精神神経学会の検討委員会で検討して公表しております。私も委員をしているのですけれども、今回のICD-11からは、病名に「障害」という言葉を使わないようにしようということで、ほとんどのものに「症」という言葉を使っております。このことで「少しでも保護者がきちんと理解できればいいな」と思っておりまして、「できるところからやっていくしかない」というのが、私の今考えていることでございます。
本当に、皆さん、どうも御苦労さまでございました。特に、座長、座長代理、鈴木さんをはじめとする裏方は大変だったなと思いながら聞かせていただいております。どうもありがとうございました。
○柏女座長 小川陽さん、お願いいたします。
○小川(陽)構成員 NSKの小川です。
まず、このような会に参画させていただいたこと、このような機会をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
その中で、私、日本相談支援専門員協会というところからの立場で申し上げますと、私たちは、本人の意思、人格並びに最善の利益を尊重して、常に本人の立場に立ち、個別生活支援と地域づくりを両輪とした相談支援をするソーシャルワークの専門職と自負しておりますけれども、この検討会のこれまでの議論の中で、相談支援に対する期待の大きさ、一方で、課題についても直面してきたと考えております。これまで私たちの中でいろいろと発信をしてきましたけれども、例えば、障害児の方の通所支援の在り方について、相談支援も含めて一体的に議論をする機会に恵まれたことに感謝していますし、今後もこうした流れの中で進めていけるといいと思っていますし、そうした流れが「1.はじめに」にも書いてありますが、インクルージョンの実現に向けた一つのきっかけになるのだろうと考えているところです。これで終わりということではなくて、これからまた続いていくということになるかと思いますので、その中で、私たちも、一定の役割が果たせるよう、自己研さんも含めて引き続き努めてまいりたいと考えております。
最後になりますが、この検討会の労を取っていただいた事務局の皆様、また、座長並びに座長代理のお2人、多くの御知見を提供していただいた構成員の皆様に感謝をしたいと思います。どうもありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、小川正洋さん、お願いいたします。
○小川(正)構成員 柏市の小川でございます。
まず、各構成員の皆様からは、貴重な意見を拝聴させていただき、大変勉強になりました。ありがとうございました。また、事務局の皆様におかれましては、とてもよい内容に取りまとめていただき、感謝を申し上げます。
私からは、今後の検討に向けての要望・期待などについて、少し思いをお話しさせていただきたいと思います。
「10.今後に向けて」の4つ目の○の中に記載していただいているとおり、家族支援の観点からレスパイトの確保は大変重要だと思っております。障害児、特に医療的ケア児や重症心身障害児を家庭で支援している保護者等の疲労は大変大きくて、家族支援として医療的ケア児や重症心身障害児の保護者が安心して休息できるレスパイト機能を有する施設が拡充されることを希望する声は現場で多く聞かれているところでございます。しかしながら、このような施設を整備する費用あるいは報酬での評価は十分ではなくて、事業者が積極的に参入できない現状がございます。
各市で障害福祉施策を推進する上で、行政の立場からしても、こういった現場の声や現状を踏まえた報酬改定など、支援の在り方を今後検討する。家族支援の重要性について深掘りをしていただけたらと思っております。
また、本稿全体の中で示していただいたとおり、子供の地域社会への参加、インクルージョンの推進は私も大変重要だと思っております。障害があってもなくても、障害の有無にかかわらず、様々な遊びを通じて、共に過ごしたり、それぞれの子供が互いに学び合うことが、生涯にわたって記憶される貴重な経験となると思っております。子供たちが安心感の下に、遊びや活動を通じて、互いに理解し、共に成長し合えるような状況を達成できるよう、みんなで考えて、障害の有無にかかわらず、全ての子供たち、そして、全ての子育て家庭に寄り添う、そんな相互理解を推進することが、共生のまちづくりにつながるのではないかと考えているところでございます。
また、まとめの最後の○の中で、重層的な体制の整備、子供施策全体の障害児支援、関係者の連携などを記載していただいたところでございますが、障害児支援におけるインクルージョンの実現のためにも、今後、行政の中で子供施策全体のうちの一つとして検討を進める必要性や、障害福祉施策全体で言うと、ライフステージに応じた支援、本市でいう関係部署でいいますと、私が所属している保健福祉部がこども部や教育委員会等とも連携をさらに強化して、重層的な支援体制をつくっていきたいと考えているところでございます。そのためにも、厚生労働省の皆様におかれましても、一層文部科学省や内閣府との連携を強めていただけたらと思っております。今後、こども庁が創設されるという話も聞かれますので、障害児も含めた子供施策の広がりや全ての子供たちに優しい行政のまちづくりが推進されることを期待しているところでございます。
以上です。ありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、加藤さん、お願いいたします。
○加藤構成員 全国児童発達支援協議会の加藤でございます。
本当に今回の検討会については、河村室長にはこの検討会の立ち上げに御尽力いただいて本当にありがとうございました。また、今回の立ち上げ後の活動においては、柏女座長、また、有村座長代理にも御尽力いただいて、本当にありがとうございました。おかげさまで、本当に貴重な時間を過ごすことができ、たくさんの学びをいただきました。ありがとうございます。
私も、最初のときに申し上げましたように、この業界でひたすら生きてきた人間です。そのとき、我田引水的なことになるかもしれませんが、とにかく発達初期段階、その子供を授かった初期の親の混乱、それをしっかりと支えることが、この問題の全ての出発点だろうと思っております。先日も、やんごとない方のPTSDですか。まさに、そこで踏み外すと一生その問題を引きずるという、社会的にも大変大きなロスをもたらすことが懸念されます。そういう意味でも、初期段階からしっかりとした支援、子供の支援、親の支援、家族の支援、家庭の支援、地域生活に関する支援ということを、ちゃんと我々が寄り添う形で丁寧に展開できたらいいなと心から願ってきました。
そういう中でつくづく思うことは、百人百様、十人十色、本当にいろいろです。一つにくくることはなかなか難しい中で、一つ一つの問題が存在している。これに対して、前から申し上げますように、いずれも一個人の熱意あるいは一職種の専門性や一機関の専門性だけで完結する問題ではありません。それは問題の多様さや複雑さだけではなくて、我々自身、個人としても、職種としても、機関としても、不全だからです。完璧ではあり得ない。スーパーマンにはなり得ない。また、それを志向してはいけないと思うのですね。それを志向して、それができていると思ったら、それは傲慢だと私自身は思っています。そういう意味では、常に謙虚に学び合う、地域の様々な資源をお互いに生かし合う、活用し合う、支え合う、励まし合うという関係性の中で、点だけがあだ花的にいいことをしているという話ではなくて、まさに地域全体、面として、しっかりとその子供と家族を支えていくという体制が一刻も早く全国津々浦々に出来上がっていくことをひたすら願っております。
今回のこの報告書が、既にそうした動きは着々と進んできておりますけれども、より一層ファシリテートされる機会になればと心から願っております。そういう意味では、いろいろな関係者の皆様方の貴重な御意見、学びをいただいて、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
○柏女座長 ありがとうございました。
菊池さんはまだお入りになっていらっしゃらないでしょうか。また入られたら御発言をいただくことにしたいと思います。
それでは、北川さん、お願いいたします。
○北川構成員 柏女座長、有村座長代理、本当にありがとうございます。厚生労働省の皆さんも、河村室長をはじめ、本当にコロナ禍の大変な中、このような検討会を開催してくださって、検討会の最中もいろいろな意見を申し上げましたけれども、それをまとめてくださって、いいものにしていただいたこと、感謝いたします。
私も、加藤先生や市川先生たちが参加しておられた見直しの検討会や在り方の検討会をずっと聞いていまして、今回、様々な課題が出てきたということで、新たな検討会ということで、本当にその検討会に参加させていただいたことに感謝いたします。
皆さんの御尽力により、本当に障害児通所支援が身近なところに増えて、支援が受けられるようになったことはとてもいいことだと思いますし、医療的ケアの子供たちに昨今光が当たってきたということもいいことだと思います。
放課後デイのことは、いろいろ取り沙汰されておりますけれども、やはり学校と家庭だけではなく、第3の居場所ができたということで、子供の状態像とか、非常によくなってきているかなというところもあります。またいろいろと皆さんの御意見はありますけれども、この放課後デイができることで、今まで障害児が生まれたら子育てだけをしないといけないという状況から、お母さんたちも自立して社会と接点を持つことができたということも大きい役割を果たしたかと思います。お母さんが女性として社会につながっていくということが、障害児自身も社会とつながって生きていくのではないかと私自身は思います。
本当に充実している中で、数は増えたのですけれども、発達障害のある子供たちや家族の困り感に十分に応えていると言える状況だろうかとか、市川先生はすごく御存じだと思いますけれども、二次障害で思春期になって不登校や家庭内暴力や精神疾患を抱える子供も少ないとは言えない状況があったり、子育てが大変になって、虐待のリスクがあったりして、家族支援が十分にされているかどうかという現状も、数は多くなったけれども、一方で、そういう困り感に応え切っているだろうかということが今後も課題になると思います。
障害児通所は、本当に障害があったり、発達が心配だったり、在宅の子供と家族をしっかりと支えるところであり、前にも言いましたけれども、子供家庭福祉を果たしていく役割があると思いますので、この報告書ができることを通して、そういう方向性をしっかりと示していくことが、今後、必要なことではないかと思います。本当に障害のある子供も日本の大切な子供としてみんなが支えていく、そういう地域や社会になっていくことを願っています。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
末光さん、お願いいたします。
○末光構成員 それぞれの方がおっしゃられましたように、大変意義のある、そして、実りのある会に加えていただいて、感謝しております。
最初、私は、年齢、聴力低下、そして、パソコン等のITが十分使えないので、多分東京の会議には私1人では危ないので、我々、全国重症心身障害日中活動支援協議会の事務局長の木村さんと御一緒に加えていただきたいというお願いをして了解を得ていたのですけれども、結局は、それがなくて、全部このオンラインになってしまいました。途中でいろいろ御迷惑をおかけして、厚生労働省、そして、柏女先生、座長代理の先生にも、温かい対応をしていただいて、心から御礼を申し上げたいと思っております。
3点、あります。
1つは、最初のときにも申し上げたのですけれども、我々、重症心身障害、最近の医療的ケア児を含めて、大変マイナーな分野であります。そういうマイナーな立場の者も加えていただいたことに心から御礼を申し上げたいと申し上げました。そのような中で、今回の報告書には、かなり重症心身障害児や医療的ケア児のことも取り上げていただいていること、心から御礼を申し上げたいし、関係の方々にも喜んでいただけるのではないかと思っております。1つだけ、月曜日までということで3点ほどお願いした中の1つが、医療的ケア児の支援法が施行されたばかりでありますので、これをぜひもう少し前に出していただけたらということで、1ページ目、「1.はじめに」の○の3の中に、「この約10年間での状況変化」の中に、医療的ケア児の増加、この検討会の中では急増という言葉もあったぐらいですけれども、私は医療的ケア児の増加を加えていただきたい、発達障害の認知の社会的広がりや医療的ケア児の増加、そして女性の就労率云々ということをお願いしたのですけれども、その代わりに、4ページの1番目のところに「近年の医療的ケア児の増加」を加えていただいておりますので、多分厚生労働省あるいは柏女先生のいろいろな御判断の中でそのようにしていただいたのではないかと思っております。そのことに、まず、御礼を申し上げたいと思います。重症心身障害児あるいは医療的ケア児はマイナーではありますけれども、このような日々手厚い支援の要るお子さんが、安心・安全に、お一人お一人の価値ある尊厳が守られるような地域は、全てのお子さん、どんな障害のお子さんであろうと、あるいは、定型児と言われるお子さんたちも、幸せな地域になると思っております。こういうお子さんがそうでないとすると、その地域はまだ不十分な地域と言っていいのではないかと思っております。そういう意味で、改めて加えていただき、いろいろ意見も述べさせていただいて、それを受け止めていただいたことに、二重三重に感謝を申し述べさせていただきたいと思っております。
今回のこの報告書は、全て方向性は間違いないとどの構成員の方もおっしゃられましたし、私もそのように確信いたしております。ただ、課題は、これからこれを具体化するスピードだと思っております。ぜひその具体化できるスピードの後押しをしていただくようなことをお願いしたいと思っております。その中で、具体的には2つあります。インクルージョンとライフサイクルだろうと。このことは取り上げていただいておりますし、秋山先生からも何回も重い医療的ケア児のことにも触れていただきました。第6回のときだったか、お話し申し上げたので、しつこいかもしれませんが、私は重症心身障害にずっと取り組んでまいりました。55年前は、重症心身障害のような人は、全員重症心身障害児入所施設で受け入れる以外、御本人なり家族を守れないということで、それを信じて、私はその現場でずっとやってまいりました。そして、22年たって、初めて重症心身障害通園モデル事業をやってみようと、モデル事業でやってみていいようであれば続けるし、駄目ならやめようという方針の中で、全国5か所の一施設としてお受けして、それからずっと関わってまいりました。それが、今、私が拝命しております全国重症心身障害日中活動支援協議会になりました。その前の一般事業化までは23年がかかりました。入所から通園モデルまで22年、モデル事業で23年がかかって一般事業化、トータルで45年がかかっております。その間に、私ども旭川児童院という重症児施設では、650人の長期入所を引き受けたわけであります。先ほどもお話に出ました短期入所、ショートステイとか、通園モデル事業等が始まる中で、御家族に、できたらうちへ帰ったらと。その声を受けて自宅に帰られたのは3人だけです。650人のうち3人です。これは0.05%以下です。99.9%は、一度長期入所の場に子供をお預けになると、再び家に連れて帰ることはほとんど不可能。その3名も、再び我々のところに帰ってきております。何を申し上げたいかというと、ぜひ地域でやれるような支援を、財政、人的、その他も含めてしっかりと大急ぎでお願いしたいと思います。私は、ある会で重症児施設は人権侵害の場だと言われた。人権侵害の場と言われるように要請したのは誰ですかと申し上げたかったのであります。これを繰り返さないようにぜひしていただくことを一つお願いしたいと思います。
ライフサイクルにつきまして、重症心身障害の寿命は延びました。一般の人は100歳寿命と言っており、知的障害の人も寿命が延びております。今日、たまたま私どもの重症心身障害児施設で、88歳、米寿のお祝いをさせていただきました。戦争の前の生まれで、空襲の話題のことを喜ばれると聞いていたので、日清・日露戦争ではありません、第二次大戦ですというお話をして、私も戦時中に生まれたので、その話をさせていただいたところであります。重症児も米寿を迎える世の中になりました。そういう視点の中でこの幼児期あるいは発達期を考えていただく。そのことをぜひお願いしたいと思っております。
改めて、今回の会に加えていただいて、多くのことを学ばせていただくとともに、私ども、重症児、医療的ケア児の立ち位置についても認識させていただくことができました。本当にありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、高橋さん、お願いいたします。
○高橋構成員 神奈川県障害サービス課長の高橋でございます。
本日も途中からの出席になりまして、大変申し訳ありませんでした。
また、この会に出させていただきまして、我々行政の立場としても、こういったいろいろな専門分野の皆さんから貴重なお話を聞かせていただくことは、私自身にとっても、都道府県の立場でこういう発言はどうかというのもありますけれども、本当に大変勉強になる時間をいただいたと思っています。
我々は都道府県の立場ということでお話を何回かさせていただきましたが、子供の児童発達、放課後等デイサービスにつきましても、本当に事業所はピンからキリまであるという状況の中で、我々は、指定する立場、また、指導・監査をする立場として、まずは入り口の部分で適切な事業所を指定する、運営指導の中では、運営指導をしながら適切なサービスにつなげていく、また、市町村との連携といった部分では、ニーズに応じた、必要なお子さんたちにしっかりサービスが提供できるように、そういった提供体制をしっかり整えるといった中で、行政としての事務を行っているわけですが、なかなか規定の部分でも理解があまりない事業所も基準を満たしてしまえば指定をしなければいけないといった状況があるとか、仮に退場させなければいけない事業者があっても、退場させるには、一定の時間を要しながら、どうしても取組を長期間にわたってやっていかなければいけない。いろいろと我々もジレンマを感じながら取組を進めているところで、今回、こういった報告書の中でもいろいろと触れていただく中で、我々は子供たちに適切な支援が提供できるような体制を整えていきたいという思いの中で取り組んでいますので、そういった部分では、今回の報告書がそういったものも普及していただければと考えております。
この会とは多少お話が違うのですが、先ほど末光構成員からもお話があった、一旦入所してしまうとなかなか外に出られなくなってしまうということは、重症心身障害児だけではなくて、我々、神奈川県で言うと県立施設がございまして、そこに入る利用者さんは、一旦入所すると、平均で10年入所、長い方だと50年以上の入所期間で、その実態を見てみますと、津久井やまゆり園の事件以降、いろいろ県立施設の支援内容を見たところ、身体拘束、居室施錠が長期間にわたって行われている。そういったものを我々は改善しなければいけないということで、昨年12月からは、県立施設での身体拘束の実施状況の見える化にも取り組んでいます。また、そういった情報を市町村にも提供しながら、支援の改善の取組を、今、進めているところでございます。
神奈川県は特に県立施設の虐待の新聞報道が、先日も、長時間の身体拘束、骨折を隠蔽したのではないかといった報道がありました。我々は今までの入所施設は閉鎖的だったと思っています。そこは決して閉鎖的にするのではなくて、本当に地域に開かれた、本当の意味で利用者支援の状況なども明らかにしながら、その改善の取組を皆様と一緒に考えていきたいと思っているところで、今、取組を進めているところでございます。
今入所施設に入っている方々は、よくよく見ると、強度行動障害のある方が多くなっていて、そういった方々が居室施錠などの身体拘束につながってしまっている。これは子供の時代からしっかりとした支援を受けることで、そういったことも未然に防ぐといったことがあるのだろうと思っています。そういった意味では、本当に子供へのサービス、障害のあるお子さんへのサービスは大変重要だと思っていますので、我々行政の立場としても、しっかり今後も取り組んでいきたいと思っていますし、また、先ほど申しました県立施設の改善にもしっかり取り組んでまいりたいと思っていますので、引き続き皆様の御理解、ご協力をいただければと思います。
今回は、本当に参加させていただきましてありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 ありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会、又村でございます。
今回は、本当に貴重な機会にお招きいただきまして、ありがとうございました。柏女座長、有村座長代理、そして、厚生労働省の事務局の皆様、本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
私は、今は育成会の事務局の人間なのですが、昨年の3月までは市町村の職員で、特に障害福祉が長いキャリアでした。障害のあるお子さんの支援が私のキャリアの中では非常に重要な位置を占めていて、私は一般事務職でしたので、それこそ先ほど加藤先生もおっしゃっていましたが、専門用語にまみれた療育の世界に突然放り込まれて、何も分からなかったのですね。「田中ビネーって何ですか」みたいな、「お菓子ですか、それ」みたいな感じで始まった人間なものですから、非常に苦戦しながら、しかし、先輩方に教えていただきながら、ここまで何とかやってきた者です。
今回も、諸先輩方にいろいろと教えていただきながら、育成会としては意見を申し上げなければいけない立場もあり、失礼もあったかと思いますが、御容赦いただければと思います。
3つ、ございます。
まず、児童発達支援でございますが、もちろん一般の子育て支援施策との連携は重要ですが、障害のある、あるいは発達が気になる子供たちにとっては、初めて出会う福祉と言えると思います。母子保健から福祉へのつなぎの部分の課題もありますが、初めて出会う福祉サービスで、しかもとてもデリケートな時期に出会うサービスなので、これは替えが利かないと私は思っているのですね。ここで不幸な出会いをしてしまうと、それこそ一生涯にわたって「福祉なんか要らない」と本気でおっしゃっている親御さんに、役所の時代に何人も私は会ってきました。市の直営の児童発達支援事業所の職員は、事務職のくせに生意気だと言われながら、「将来、皆さんは忘れられていいんです」といつも申し上げていました。結果的に地域の中で当たり前に育ちが保障されて、「児発なんて通っていたっけ」となるのがいい姿で、何年たっても「先生しか頼る方がいないんです」というのはやめましょうと何回も申し上げていました。
そして、放デイです。私は平成12年ぐらいから本格的に障害児支援に関わって、平成18年まで関わっていたのですが、平成12年当時は放デイなどというものは存在しておりません。お子さんが学校に上がったら親御さんは仕事をやめて子供を見てくださいというのが当たり前の時代でした。今、放デイにはいろいろな課題はあると思いますが、当たり前のノーマルな育ち、当たり前のノーマルな親子関係、当たり前のノーマルな親御さんの就労が実現しつつあるというのは、大きなポイントではないかと思っていて、それを地域全体でトータルに体制整備をしていくことが重要と考えています。
最後が、最終盤に来て私がかなりこだわっていたきょうだいの支援です。市の職員をしていたときに、サマースクールというイベントをしていて、放デイがない時代だったので、もともと障害のあるお子さんの夏休みの楽しみのためにやっていたのですが、そのときに「きょうだいも連れて行っていいか」と言う親御さんがいたので、それはもちろんいいですよということで、肢体不自由のお子さんが中心だったのですが、プールを楽しんでもらうイベントをしたのですね。そのときに、私は、もちろん肢体不自由のお子さんへのケアは素人ですから、一緒に来ていたきょうだいのお子さんとプールで遊んでいました。そしたら、そのお子さんが、多分小学校3年生ぐらいの男の子だったと思うのですけれども、「今年の夏、初めてプールに入れた」と言ったのですね。「おじちゃん、ありがとう」と言われたわけです。非常に印象に残っているシーンで、きょうだいもまた当たり前にノーマルな育ちが保障されるということも重要な視点かと思って、きょうだい支援のことについてはお話しさせていただいたという背景があります。
今回の報告書は、一つでも二つでも前に進むということが、結果的にいろいろな立場のお子さんと御家庭にプラスになると思っていますので、私ども全国育成会連合会も後押しできるところはさせていただいて、皆様と一緒に施策を進めていければと思います。
参加させていただきまして、本当にありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、山川さん、お願いいたします。
○山川構成員 大阪市障がい支援課長の山川でございます。
報告書案に当たりまして、構成員の皆様方、事務局の皆様方には、御尽力に本当に感謝を申し上げます。
大阪市の4月現在の状況なのですけれども、児童発達支援事業所が554か所ありまして、放課後等デイサービス事業所は632か所ございます。毎年10%を上回る増加傾向でございます。それから、福祉型の児童発達支援センターは10か所、医療型の児童発達支援センターが1か所となっておりまして、この間、センターの数は増加しておりません。児童発達支援センターでは、専門職を配置していただいて、高度な発達支援に積極的に取り組んでいただいております。地域における中核的な支援施設としての各関係機関との連携には努めていただいているところです。今回の報酬改定においても、専門職の加配などに御配慮いただいているところですが、このコロナ禍において、センターの利用回数も減少しておりまして、また密にならないように、利用人数を制限するなど、収支は厳しい状況にはございます。
一方で、重症心身障害児や医療的ケアが必要な児童に対応した専門的な支援ニーズも高まっておりまして、センターの中核的な役割、機能が発揮できるような体制を確保するために、今回お示しいただきました今後の報酬改定の検討につきましても、よろしくお願いしたいと考えております。
また、児童発達支援、放課後等デイサービスなど、今回お示しいただいたサービスの評価の仕組みや指定基準、報酬体系の見直しにつきましても、よろしくお願いしたいと考えております。
本市としましても、児童の発達支援、家族への支援、サービスの質の向上に向けまして、今後とも取り組んでまいりたいと考えております。
今回は、参加させていただきまして、本当にありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、有村さん、お願いいたします。
○有村座長代理 ありがとうございます。
いよいよ最終回かと思うと、ほっとしたところと、この会議の間、私自身が、軽量級といいますか、よく分かっていなかったところがたくさんございました。私自身は、どちらかというと、社会的養護であったり、そういった領域での研究が多かったので、逆に言うと、学ばせていただいて、本当の会議の中でも育てていただいたところは大変大きいと思います。本当に貴重な機会に参加させていただきまして感謝を申し上げますし、ちょっと的外れな意見も言ってしまったかもしれませんけれども、考えに考えて発言した部分もありますので、どうぞ御容赦いただければと思います。
私は、本当にいろいろな出会いをいただきまして、社会的養護もそうですし、今、障害児のところで言うと、大学にかなり障害のある学生さん方が入ってこられて、それぞれ豊かに輝いていらっしゃいます。それから、放課後デイをはじめとして、その他の障害児の施設で、様々なところで学生が就職していくわけなのですけれども、アルバイトで頑張っている学生もいるのですが、就職してみて、傷つきであったり、現実との違いであったり、様々なところを大学に戻ってきて議論というか、相談に乗って聞きながら、お話ししていく中で、難しさや職員の育成みたいなところはすごく気にはなっているところでしたし、大学の教育の中で逆にここは何ができるのかなというのもすごく考えさせていただいたところでございました。
本当に会議の中でも何度か議論があったのですけれども、今、世の中でたくさんの当事者の方々が出てきていて、それぞれの方々に寄り添っていったり、その方々がニーズを主張することで世の中が変わっていっているところがたくさんあるかと思います。一般施策として全体で見てみると、サービスとして薄まってしまうものも、今回の在り方に関する検討会の報告書でも、ニーズがはっきり見えるからこそまとまっていくもの、見えてくるものがたくさんあったかと思います。
私は、お話に出たレスパイトも含めて、ニーズがはっきりしている、より見えやすい障害児通所支援の領域から先行してサービスを整えていくことはとても大事かと。これは全体を見ながら進められるものであるかとは思うのですけれども、ニーズが高いところからスタートをして一般施策に広がっていく在り方などもありなのではないかとは思ったりもしました。
いずれにせよ、何分、分かっていないところもたくさんある中で、先生方の具体的なお話とともに、実践されてきた重みであったり、価値みたいなものもすごく感じさせていただいたところでございました。特に、権利だけではなくて、内在的価値、尊厳のところなども文章に入れていただいたところですけれども、今後、地域の中で充実していく中では、この児童発達支援とかの持っている価値あるいは最善の利益という部分が、もう少し中身も含めて伝わっていくことで、世の中全体、そして、子育てをしている親御さん自体も、子供との向き合い方が楽になる部分などもあるのかなと思いながら、私、ソーシャルワークの領域で教育をしている者としては、そういう意味での価値の部分をどうやって広めて伝えていくのか。道具や制度が整ってきても、それを使いこなす価値の部分がとても大事になってくるかなと。そういう社会の在り方そのものも含めて検討できるものがあるといいなと思いましたし、今回、私自身がかなり構成員の先生方のお話から学ばせていただいたところは大きいと思いました。重ねて感謝を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。この後、お話しいただきますけれども、柏女先生にも、本当に感謝を申し上げます。事務局の皆様も、本当にありがとうございました。
以上でございます。
○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、私からも少し所感を述べさせていただきたいと思います。
十数年前に障害児支援の見直しに関する検討会で初めて国の検討会で障害児支援を本格的に取り上げてくれたところで、座長を経験させていただきました。それまで児童相談所で障害児支援の経験が相談支援を中心に10年ほどありましたけれども、最近は行っていないのでやや心配もあったのですけれども、そのときに、児童相談所時代に障害を持った子供たちやその保護者の方々と関わって感じた2つのことを、何とか実現したいということで今に至っております。
1つは、障害を持った子供たちの保護者の方は、何とたくさんのことを我慢し諦めてきたのだろうかということです。当時は、仕事をしていた方もおやめになったり、ママさんバレーもやめたりした方も何人もいらっしゃいました。
2つ目には、障害のある子供が生きている時の流れと感じている世界は、定型発達の子供たちや大人も経験すべきだと、あるいは、それらの方々の人生にも必要だと思ったことの2つです。
障害のある子供も、その親も、当たり前に生きられる社会をぜひつくっていきたいという思いで、見直しの検討会、入所施設の在り方検討会、障害児通所支援の在り方検討会に臨んできました。時は流れて、サービスは進んできていますけれども、まだ、我慢や諦め、あるいは、子供たちのインクルージョンも進んでいないところがあるのではないかと思っています。
この月曜日に、内閣府の子ども・子育て会議がありました。私は、そこで障害児通所支援の検討会の報告書が間もなく出るので、その報告書と子ども・子育て支援制度の在り方の中に整合性を持たせるようにぜひしてほしいという発言をしました。折しも、厚生労働省では、今回ずっと傍聴してくださいました保育課を中心に、今後の保育所・保育士の在り方についての検討会が開かれております。また、仄聞するところによると、間もなく、私が座長をしておりました放課後児童対策の総合的な在り方を検討する専門委員会も再び立ち上がると聞いております。そういう意味では、子供たちの在宅生活、障害を持った子供たちも含む在宅生活をサポートするシステムの再構成が行われる時期に差しかかっていると思っています。ぜひ、保育サービス、障害児支援サービス、通所支援サービス、さらには児童館等々の放課後児童対策、これらの全てが整合性を持って、全ての子供と親の当たり前に生きていける社会をつくっていくための礎となってほしいなと感じております。
この検討会を進めていくに当たって、いろいろ不安もありました。言わば完全オンラインで行うときに、皆様方の発言の行間を酌み取ることが果たしてできるのだろうかという思いがありました。そこで、やや進行の中で確認をさせていただいたりしながら、不愉快な思いもさせてしまったのではないかということを感じております。この場をお借りしてお詫びを申し上げたいと思います。
それから、厚生労働省の事務方ですけれども、今回、エビデンスがしっかりとした資料にびっくりいたしました。新しい様々な御意見が出てくると、それを傍証するエビデンス探しにもとても事務局で御尽力いただきました。それはすごいなと思いました。
また、構成員の方々、特に加藤先生、末光先生の、本当に御経験に裏づけられた強いミッションというか、その話を聞かせていただいたり、また、様々な実践ベースのお話を聞かせていただいて、本当に頭の下がる思いをいたしました。
今回、大きな特徴だったのは、傍聴の方が、この画面にはいらっしゃらない代わりに、ユーチューブで多くの方が聞いてくださっていらっしゃいました。毎回聞いてくださった方もいらっしゃれば、途中からうわさを聞いて入ってくださった方、私のゼミの卒業生も何人かずっと聞いておりますし、ゼミの学生も一回聞いたらはまってしまって、今日も聞いているはずです。私の社会福祉法人の職場の保育士たちも聞いています。そういう意味で、たくさんの方々がこの検討会に言わば側面から参画してくださっているということもとてもありがたいなと思っています。
この検討会の報告書は間もなくまとまりますが、皆様お一人お一人がスポークスマンとして、この通所支援の在り方検討会報告書を様々なところにぜひ広げていっていただければと思います。もちろん批判も含めていろいろな御意見が挙がってくることを歓迎したいと思います。
本当にいろいろありがとうございました。
最後なのですけれども、これはシナリオにはなかったのですけれども、事務局を代表して河村室長に一言御挨拶を頂戴できればと思います。幹部の方々が御異動する中で1人でしっかりと守ってくださって、この検討会を最後まで導いてくださった室長に、一言所感を述べていただければと思います。シナリオにない形で、申し訳ありません。
○河村障害児・発達障害者支援室長 柏女座長、ありがとうございます。
障害児者室長の河村でございます。誠に僭越でございますけれども、事務局メンバーを代表して、事前に認識の共有や事前のすり合わせは全然していないのですけれども、恐らくみんなこう思っているはずだということを私から少し簡単に述べさせていただきます。
まず、私は、今日、会議の最初から、霞が関でよく言われております、検討会は委員で決まるというのをふと思い出して、ずっとそれを思っておりまして、改めて、各分野の最強の布陣でいらっしゃる、知見のある構成員の方々をこれだけ結集いただくことができまして、そのおかげで今日のこの取りまとめに至ることができたと思います。本当に改めて深く感謝を申し上げます。
この検討会は、座長と座長代理のお人柄もあって、毎回非常にリラックスした雰囲気なのだけれども、非常に示唆に富む御意見をたくさんいただけて、はっとすることも多かったですし、じーんときて、内心うるうるとくることも多かったですし、その手があったかという非常に貴重な具体的な方法をお示しいただくこともたくさんできましたし、本当にいい検討会だったなと改めて思っております。
6月からやって秋にはまとめるという短期間での強行軍で、今、深くうなずいている構成員の方々がいらっしゃって、本当に申し訳ございません。論点も非常にてんこ盛りで、大変申し訳ないと思ったのですけれども、毎回、皆さんが一生懸命考えてきてくださったことをおっしゃっていただけて、本当に勉強になりました。
また、先ほど座長からもありましたけれども、こちらの検討会の構成員の方々に加えて、保育課、子育て支援課とか、あとは文部科学省さんにも毎回ユーチューブで入っていただいて、いろいろと関係者の中でも深く認識を共有することができましたので、この後、私どもは優秀なスタッフとともに宿題事項の整理をきっちりいたしまして、宿題一覧表をつくった上で着実にこなしてまいろうと思いますので、末光先生からお話があったように45年もかかることなく、できるものは1年以内にと思いながら、次の報酬改定のところが一番の山場になると思うので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
本当に、改めて、皆様、どうもありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございました。すみません。台本にないことを要求してしまいました。拍手が起こっております。
それでは、第2の議題についてはこれで終了とさせていただきます。
議事の最後、3、その他について、構成員の方から何かございますでしょうか。特にございませんでしょうか。
それでは、事務局からは3について何かございますか。特にございませんでしょうか。
分かりました。最後に、事務局から今後のスケジュールについて御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 事務局でございます。
報告書の取りまとめにつきましては、先ほど御了承いただきましたけれども、座長一任とさせていただきましたので、この後、柏女座長と御相談の上、取りまとめ後に(案)を取りまして、構成員の皆様方には事務局よりメールで最終的な報告書の送付をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、私どもの障害保健福祉部長の田原より、御礼の御挨拶をさせていただきます。よろしくお願いします。
○田原障害保健福祉部長 障害保健福祉部長の田原でございます。
柏女座長、有村座長代理をはじめとして、構成員の皆様、大変ありがとうございました。御多忙の中、先ほど河村室長からお話ししましたように、今年の6月からの短い期間に8回にわたって精力的に御議論いただいたこと、改めて感謝を申し上げます。
平成24年に児童福祉法を改正してから10年近くがたちますけれども、現場に精通した構成員の皆様の真摯な御議論を賜りまして、報告書は、若干の文言修正はございますけれども、インクルージョンの考え方の下で、お子さんの発達支援をどのように行っていくのか、今後の検討の方向性を報告書の形で具体的にお示しいただきました。重ねて御礼を申し上げます。
本検討会で御議論いただいた内容につきましては、来週、18日に開催を予定しております障害者部会において報告をしたいと考えております。その上で、必要な制度改正、障害児福祉計画に係る見直し、次期障害福祉サービスの報酬改定などに向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
皆様のお話を伺いながら、私も昔のことを思い出したのですけれども、15年前に、岡山県の保健福祉部長をしておりましたが、そのときに、旭川荘に伺いまして、末光先生の御説明で重心のお子さんへの支援の現場を見せていただいたことを思い出しました。また、比較的最近では、5年前、やまゆり園の事件があったときの対応を精神・障害保健課長として行っておりましたけれども、そのときに福祉関係者のお話も伺いながら対応していたことも思い出しました。また、ちょうど本日の午前中ですけれども、港区立の児童発達支援センターにも伺いまして、現場の様子を感じてまいりました。
こうした経験あるいは子供への支援の現場を感じながら、まとめていただいた報告書を踏まえまして、施策に反映してまいりたいと考えております。今後も、検討の過程で皆様に御意見を伺うことがあろうかと思います。引き続き、御支援、御指導をよろしくお願い申し上げまして、最後の挨拶といたします。本当にありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、構成員の皆様方には、長期間にわたりというか、短期間にわたりというか、分かりませんが、誠にありがとうございました。
これで「障害児通所支援の在り方に関する検討会」を閉会とさせていただきます。
今後とも、障害児支援のために御尽力を賜りますようお願い申し上げまして、この検討会を閉じさせていただきます。ありがとうございました。