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第7回障害児通所支援の在り方に関する検討会 議事録
日時
令和3年9月29日(水) 17:00~19:30
場所
オンラインによる開催
議事
- 議事内容
- ○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 それでは、定刻となりましたので、これより第7回「障害児通所支援の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
本日の構成員の出席状況でございますが、高橋構成員の代理として神永様に御出席いただいております。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
配付資料のとおり、議事次第、開催要綱のほか、資料1、参考資料1となってございます。資料の不足等ございましたら、恐縮ですけれども、厚生労働省のホームページからダウンロードいただくなど御対応をお願いしたいと思います。
また、事務局から資料について御説明させていただいた後に構成員の皆様に御議論いただきますけれども、御発言いただく場合にはZoomの「手を挙げる」の機能を使用していただきますようお願いいたします。発言者はこちらから御指名させていただきますので、指名に基づきまして、Zoomのミュート機能を外して御発言いただき、御発言が終わりましたら、またミュートにしていただきますようにお願いいたします。
挙手しているにもかかわらず発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合には、オンライン会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能ですが、原則として挙手にて意思表示をお願いいたします。
本会議は、資料、議事ともに原則公開としており、議事録につきましては、後日、厚生労働省のホームページに掲載予定となっております。
また、本会議は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、報道関係者及び一般の方の傍聴は御遠慮いただき、代わりに会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、御承知おきください。
以降の議事進行につきましては、柏女座長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○柏女座長 皆さん、こんにちは。第7回の検討会をこれから開催させていただきます。タイトなスケジュールの中、また、時間も長い中、お集まりをいただきましてありがとうございます。
今日はこれまでの議論も踏まえて、事務局で我々の発言等についてまとめていただき、報告書素案を作成していただきました。全部で三十数ページになる大部なものになりますが、今日はこの報告書の素案に沿って、この部分は削除とか、この部分は新しく加筆してほしいとかということについて、主として御意見を頂戴しながら一巡をさせていただきたいと思います。
まず、事務局のほうから報告書の素案について御説明をいただいた上で、原則的に項目ごとに議論を進めていきたいと考えています。大体9こまぐらいありますので、そうしますと、時間の関係で見ると、1こま10~15分の限られた時間になるかと思います。したがいまして、御意見についてはポイントを絞って御発言をいただけると幸いに思います。
もし時間が余りましたら、最後に全体を通じてまた御意見を頂戴するということにさせていただきたいと思います。御協力をよろしくお願いいたします。
それでは、事務局のほうから報告書素案について、資料の説明をお願いいたします。
○鈴木障害児支援専門官 事務局でございます。報告書素案を御覧いただければと思います。
今までの皆様の御意見をこのような形でまとめさせていただきました。全て説明しますと本当にお時間がなくなってしまいますので、できるだけ皆様の御議論の時間をとりたいと思いますので、ところどころ割愛させていただきながら、ポイントをまとめて御説明させていただければと思いますので、御承知おきいただければと思います。
1ページ目の1、初めに、検討の背景から御説明させていただきます。
1つ目の○ですけれども、平成24年度に従来の障害種別ごとの体系が一元化され、制度体系の骨格が形づくられました。
次の○で、約10年が経過し、児童発達支援は8298か所、平成24年比で4.5倍、放課後等デイサービスは1万6718か所、平成24年比で6.5倍へと、飛躍的に事業所数が増加しております。
この10年の間に身近な地域で障害児支援を受けることができる環境は大きく改善したと考えられます。
次の○で、この約10年間で状況の変化などに伴いまして、利用者数の増加とともに利用者像も変化しております。こうした変化に十分対応しているのか、改めて検討する必要があると考えられます。
次の○ですけれども、多様な主体の参入等も相まって、適切な運営や支援の質の確保が常に課題となってきております。
次の○ですけれども、子供時代に障害の有無にかかわらず子供たちが共に過ごす環境を増やしていくことは共生社会の礎として非常に重要でありますけれども、障害のある子供の地域社会への参加・包摂が十分に進展したとは必ずしも言えない状況にあります。
これらの現状を踏まえまして、今後の障害児通所支援の在り方について検討するために本検討会を開催し、検討してまいりました。
2ページ目に行きます。これまでも平成20年の見直しの検討会、26年の在り方の検討会の報告書におきまして、あるべき姿の検討が重ねられてきました。これらの報告書に記載されました理念等は、現在もなお基本理念として重視すべきものであるということです。
次の段落ですけれども、こうした過去の議論により蓄積されてきた基本理念等に立脚した上で、こうした理念が全国の様々な現場で具体的に体現され、浸透していくためにはどのような制度設計や運用が必要かという点に重点を置いて検討を行ってまいりました。
次の○で感謝の意を述べさせていただいております。
続きまして、2です。障害児通所支援の利用の現状でございます。
1つ目の○ですけれども、通所支援の利用児童者数はこの5年間で約2.3倍に、費用額は約2.8倍になりました。これはほかの社会保障給付費と比較しても大きな伸びとなっています。
次の○で、費用の伸びは利用者数の伸びが大きく寄与していると書いております。
次の○で、こうした利用者数の伸びにつきまして、主要な背景要素と考えられるのは、近年の発達障害の認知の社会的広がりにより、従来は、育てづらさ・生きづらさを抱えながらも、障害として認識されず、発達支援につながってこなかった子どもたちが、関係者の尽力等により、年少期の間に発達支援につながるようになってきたことが考えられる。
次の○ですけれども、小中学校において通級による指導を受けている児童生徒数の推移を見ますと、この5年間で、発達障害の児童生徒数が約2倍となっている。
3ページです。一番上の○ですけれども、年齢別利用率を見ますと、全年齢の中では5歳児がピークとなっています。
段落を2つ飛ばしまして、一番下の段落です。コーホート別に見た利用者数の推移を見ますと、5歳から10代半ば頃にかけて、利用率は横ばいまたは漸増傾向にございまして、最近出生した世代ほど、就学期以降も、高い利用率になる可能性が高いとなっています。
次の○ですけれども、こうした状況を踏まえれば、従来、潜在化してきた支援ニーズについて、既に相当程度顕在化したと考えるよりは、まだ顕在化していない支援ニーズがあり、障害児通所支援の利用者数は、今後も増加する可能性がある。
最後の○ですけれども、一方、障害の有無にかかわらず大きく発達・成長する時期である児童期におきまして、子供の発達を促し、潜在能力を十分に引き出していくことは、その後の人生に大きく影響することは言うまでもなく、とりわけ、発達障害を含め、障害のある子供にとって、児童期から適切な発達支援を受けて成長していくことは、安心感や自尊心等を育むことで持てる能力の発揮に着実に貢献し、成人後の生きづらさの軽減や予防につながるものであり、社会全体から見ても大きな意義がある。このためにも、通所支援が提供する発達支援の質を上げていくことは重要な課題であるとさせていただいています。
「3.基本的な考え方」です。こちらは骨子案には出てこなかったので、少し読ませていただきます。
1つ目の○はさきの文章と同じように、基本理念としては今までの検討を重視すべきであるということが書いてあります。
次の○ですけれども、改めてこうした基本理念に立脚した上で、障害のある子供達が、自身の尊厳と内在的な価値を大切にされることで自己肯定感が高まり、一人一人の多様性が尊重される中でその子らしさが発揮できるようサポートしていくことが、障害児通所支援の重要な役割であると考える。
次の○ですけれども、その際には、障害のある子どもたちは「小さな障害者」ではなく、他の子どもと同じ発達の真っただ中にある「子ども」であるという視点が大切である。制度や実際の運用においては、関係者は、障害児施策を一般施策と別のものとして考慮するのではなく、御意見をいただいたところですけれども、同じ子どもとしての連続線上で、地域の中での障害児通所支援の役割を考えていく必要がある。
次の○で、障害児通所支援に通う子どもたちは、言うまでもなく、保護者から大きな影響を受ける。保護者が子の障害を受容し、その子のありのままを肯定していくプロセスに関しては平坦ではなく、成長・発達の過程で様々な葛藤に直面する。様々な出来事や情報で揺れ動く保護者をしっかりとサポートしていくことも、障害児通所支援の大切な役割であると記載しております。
「4.児童発達支援センターの在り方について」です。ここからは(現状・課題)などは今まで資料でお出ししたものをまとめたことになりますので(現状・課題)は割愛させていただきまして、方向性の部分だけ御説明させていただければと思います。
5ページを御覧いただければと思います。児童発達支援センターの(検討の方向性)のところです。○の部分ですけれども、センターは、地域における中核的な支援機関として以下のような役割・機能を担うべきものであることを、児童福祉法や指定基準において明確化することが必要である。また、これらの役割・機能の発揮が促される報酬体系となるよう検討が進められる必要があるということで、4つ示させていただいています。
マル1、幅広い高度な専門性に基づく発達支援・家族支援機能ということで、重度・重複障害のある児童や、要支援・要保護児童等の様々な課題を抱える障害児・家庭に対し、必要な支援が提供できるよう、多様な専門職の配置等により幅広い高度な専門性を確保すること。
マル2、地域の障害児通所支援事業所に対するスーパーバイズ・コンサルテーション機能としまして、事業所に対して、専門性の高い支援を必要とする障害児(及び家族)の支援に関して、アセスメントや個別支援計画の作成、具体的支援方法などに関する専門的な助言を行うこと。
マル3、地域のインクルージョン推進の中核としての機能ということで、インクルーシブな子育て支援を推進するためには「保育所等訪問支援」として、保育所等に対する障害児(及び家族)の支援に関する専門的支援・助言を行うこと。
マル4、地域の障害児の発達支援の入り口としての相談機能ということで「気付き」の段階を含めた地域の多様な障害児(及び家族)に対し、発達支援に関する入り口としての相談機能を果たすとともに、特定プログラムによる支援のニーズのある障害児に対する多領域にまたがる支援内容全体のコーディネート機能を果たすことというふうに、4つ記しています。
次の○で、役割・機能を総合的に果たすためには「児童発達支援センター」は「保育所等訪問支援」や「障害児相談支援事業」としての指定を併せて有することを原則とする方向で検討していくことが必要と考えられる。
6ページを御覧ください。
また、行政機関や地域の子育て関連機関との連携・協働が十分に行われることが必要であり、今後、この点も十分に踏まえ、必要な指定基準や報酬体系、経過的な措置等を検討していく必要がある。
次の○ですけれども、ここはたくさん御意見をいただいたところでございます。地域の中で、事業所が、非連続な「点」としてそれぞれ独自に支援を行っており、障害のある子どもの発達支援を行う地域資源としての全体像が把握されておらず、多様な支援ニーズを有する障害児と各事業所とのコーディネートが適切になされていないという課題があり、センターが役割・機能を総合的に果たすことによって、地域資源が「面」として把握・コーディネートされていくことが望まれ、センターを中心に、地域の障害児通所支援事業所全体の質の底上げが図られていくよう、2つ出しております。地域の障害児通所支援事業所が参加する研修や支援困難事例の共有・検討、市町村や地域の自立支援協議会の子ども部会との連携などの実施を促進する仕組みを併せて検討していく必要があるとなっています。
2)ですけれども「福祉型」と「医療型」の統合についてです。こちらも飛びまして、7ページ目を御覧ください。検討の方向性です。
障害種別にかかわらず身近な地域で必要な発達支援が受けられるようにするという、この間の障害児通所支援の理念をさらに進めるため、また、肢体不自由児に対しても、定員に応じた児童指導員、保育士の配置により、遊びを通した様々な領域の発達支援を行いやすい環境を進めるために、センターは福祉型、医療型に区分せず、一元化する方向とし、必要な法制度等の手当てを行うことが必要であると記しています。
「5.児童発達支援・放課後等デイサービスの役割・機能の在り方について」に行きます。こちらも(現状・課題)は割愛させていただきまして、10ページ目を御覧ください。「(4)児童発達支援の役割・機能の在り方に関する検討の方向性」でございます。
1つ目の○ですけれども、児童発達支援のガイドラインにおきましては、4つの役割を定めた上で、本人支援につきましては5領域の支援を行うこととし、総合的な支援が定められてきたということです。
次の段落で、特に本人支援に関しましては、障害児の個々の障害の状態及び発達の過程・特性等に応じた5領域をカバーする支援が本来の支援の在り方として想定されている。
次の○ですけれども、一方、5領域を必ずしもカバーせず一部のプログラムに特化した事業所が存在し、利用する事業所の得意とする支援に偏ってしまう点が懸念される。
次の○ですけれども、児童発達支援の在り方としまして、特定領域の支援のみを提供するのではなく、5領域の支援をカバーした上で、個々の障害児の状態・発達過程・特性等に応じて、日々の支援の中で特に重点を置くべき支援内容を決めていく「総合支援型」(仮称)を基本型とする方向で検討すべきである。
次の○ですけれども、特定領域のプログラムに特化した支援のみを行う事業所の場合であっても、専門性の高い有効な発達支援については「特定プログラム特化型」(仮称)の児童発達支援として位置づける方向で検討すべきである。
次の○ですけれども、一方、見守りだけですとか、学習塾のような学習支援のみ、またはピアノや絵画のみの指導となっている等、有効な発達支援と判断できない場合、また、障害のない子供であれば私費で負担している実態にあるような内容につきましては、公費により負担する障害児通所支援の内容としてはふさわしいとは言えないと考えられる。
次の○ですけれども、さらに、障害児の生活の主軸が、児童発達支援にある場合と、保育所や幼稚園等にある場合、両者では、おのずと一日当たりの支援時間が大きく異なる。
また、子の障害の有無にかかわらず、親の就労を支える社会としていく観点からは、就労により支援時間が長くならざるを得ない障害児が適切に発達支援を受けられるようにする必要がある。
最後の○ですけれども、ガイドラインが示している事項が適切に実現されようにする必要があるとなっています。
12ページを御覧ください。上記の観点を総合的に踏まえれば、以下のような方向性で指定基準や報酬体系を見直すよう、検討を深めるべきであるとしています。
1番目が、提供される発達支援の類型(「総合支援型」(仮称)/理学療法等の「特定プログラム特化型」(仮称)等)に応じて、必要な人員基準と報酬単価の在り方を検討する。
2番目が、支援時間の長短(親の就労に対応するための時間も含む)に対して適切に評価されるよう検討する。
3番目が、見守りだけですとか、学習塾のような学習支援のみとなっている、またはピアノや絵画のみの指導となっている等、必ずしも障害特性に応じた専門性の高い有効な発達支援と判断できない場合に関しましては、給付費の支給対象としない方向で、児童発達支援の運営基準等を検討する。
4番目は「特定プログラム特化型」(仮称)の支援につきましては、一部領域の支援のみに偏ることがないよう、センターまたは障害児相談支援事業所により、支援全体のコーディネートが行われる仕組みについて検討する。
5番目が、ガイドラインで示している児童発達支援の役割・支援内容など支援の根幹に関わる重要部分につきましては、運営基準等に位置づけるとともに、それらが適切に果たされる報酬体系となるよう検討するとしています。
次の○で、次期報酬改定において指定基準や報酬体系を見直す際には、我が子の障害受容に直面する保護者に寄り添い、伴走支援を行うことが重要であることを十分踏まえまして、家族支援に対する報酬等の在り方を検討することが必要である。
次の○ですけれども、支援時間の長短に対しての適切な評価の検討の際には、障害特性や年齢等により、利用開始当初にごく短時間にならざるを得ない場合等を含めまして、必要な支援が行えなくなることがないよう留意しつつ進める必要があるとしています。
13ページを御覧ください。「特定プログラム特化型」(仮称)の支援として位置付けるべき専門性の高い有効な発達支援の範囲の検討に際しましては、ここで御意見をいただいていますけれども、本来的な児童発達支援の在り方が「総合支援型」にある点を踏まえつつ「福祉」として提供されるべき性質であるかどうかも含めて検討を行うことが必要である。
最後の○ですけれども、こちらは児童発達支援において用いられている「適応訓練」等の文言は、障害を治すもの、克服すべきもの等と捉える表現であり、ふさわしくないという指摘もあることから、この点につきましては関係者に誤解を与えないための対処として、他法令との整合性等の観点も含め、検討を深めることが望まれるとしております。
続きまして「2)放課後等デイサービスの役割・機能について」です。こちらも現状等は割愛させていただきまして、17ページを御覧ください。
1つ目の○ですけれども、放課後等デイサービスガイドラインにおきましては、3つの基本的役割の下、4つの活動を複数組み合わせて行うこととされています。
次の○ですけれども、他のガイドラインと比較しまして、学齢期の障害児の発達支援(本人支援)の内容が十分に示されていない面があるため、ガイドラインの見直しが必要と考えられる。
その際には「児童発達支援ガイドライン」において示している本人支援における5領域は一定の共通性を持つと考えられ、その上で、放課後等デイサービスの対象が学童期・思春期であるという点も踏まえて、この時期の発達支援に重要な要素である「自己肯定感」「達成感」「仲間形成」「孤立の防止」などを盛り込んでいく必要があるだろうということです。
次の段落は年齢です。小学生から高校生まで幅広い年代の障害児が利用するところ、支援の目的や支援内容については、小学生(低学年)・小学生(高学年)・中学生・高校生の4段階に分けて検討していくことが適当であると考えられる。ただし、異年齢と関わりができることの大切さも考慮する必要がある。
さらに、放課後等デイサービスでも保護者支援はしっかりと位置づけるということが必要であるとしています。
次の○ですけれども、そもそもガイドライン創設時の議論では、事業所単位の4つの活動全てを行うこととされており、児童発達支援と同様に基本活動を組み合わせた総合的な支援を本来の支援の在り方として想定してきましたので、一番下ですけれども、こちらも児発と同じように、放課後等デイサービスにつきましても総合支援型を基本型とする方向で検討すべきである。
次の○も児発とほぼ同じですけれども、特定領域のプログラムに特化した支援のみを行う事業者の場合であっても、専門性の高い有効な発達支援については「特定プログラム特化型」(仮称)の放課後等デイサービスとして位置づける方向で検討するべきである。
ただし、その際は、学童期・思春期といった放課後等デイサービスの対象年齢・発達段階に特有のプログラムとして考えられるものがあるかも併せて検討が必要である。この部分が児発と違うところです。
19ページです。こちらは児童発達支援と同じです。見守りや学習塾のような学習支援のみ、またはピアノや絵画のみのような有効な発達支援と判断できない場合は、障害のない子供であれば私費で負担している実態にあるような内容について、公費により負担する障害児通所支援の内容としてふさわしいとは言えないと考えられる。
次の○も、同時にですけれども、親の就労により支援時間が長くならざるを得ない障害児が適切に発達支援を受けられるようにする必要がある。
次の○からは対象拡大の話になります。放課後等デイサービスの対象の範囲につきましては、2段落目に行きます。専修学校・各種学校へ通学している障害児であっても、障害の状態・発達段階や家庭環境の状況から、学校終了後や休日に自立的に過ごすことが難しく、放課後等デイサービスによる発達支援は特に必要とするものとして、市町村長が特に認める場合につきましては、放課後等デイサービスの給付決定を行うことを可能とする方向で検討すべきである。その際は、相談支援の関与の必要性、発達支援の必要性判断のためのアセスメント指標等を併せて検討し、また、通学先である専修学校・各種学校との連携の在り方についても併せて検討が必要である。
次の○ですけれども、なお、高校や専修学校・各種学校に進学せず(できず)、日中の通いの場がない障害児の場合であっても、通所での発達支援は特に必要とされる状況も想定されますが、制度上、今は授業の終了後または休業日に、学校との連携を図りながら障害児の発達を支えていく性質のサービスとして位置づけられております。
他方では、児童に対する発達支援は、対象は障害児ということで18歳未満でありますので、ただ、実態的には設備は余剰に整備されておりますし、利用児童の年齢層も圧倒的大多数が乳幼児でありますから、同世代との交流が難しくなるという懸念点があります。
20ページです。さらに、15歳以上の場合は、いわゆる「者みなし」によりまして、利用が可能ですけれども、同世代との交流等が難しい場合があるということで、このような点も踏まえまして、学校へ進学せず(できず)、どこにも日中の通いの場がなくなっている障害児のうち、通所での発達支援を必要とする場合についての制度的対応につきましては、引き続き検討を進めるべきである。
上記の観点を踏まえて、こちらも法制度や指定基準・報酬体系を見直すよう、検討を深めるべきであるとしています。
四角囲みの中は1から7までございますが、1と7が放課後等デイサービスに特化していますので、御説明したいと思います。
1番が、放課後等デイサービスのガイドラインについてです。発達支援(本人支援)を総合的に示し、小学生から高校生までの幅広い年代について各段階に応じた内容となるよう、全体的な見直しを検討する。
2番からは児童発達と共通になります。発達支援の類型に応じて在り方を検討し、支援時間の長短が適切に評価されるよう検討する。また、見守りだけ、学習支援のみなど、有効な発達支援と判断できない場合につきましては、給付費の支給対象としない方向で放課後等デイサービスの運営基準等を検討する。
特定プログラム特化型に関しましては、支援の全体像のコーディネート等が行われる仕組みについて検討する。
ガイドラインの支援の根幹に関わる重要部分につきましては、運営基準などに位置づけるとしています。
最後ですけれども、放課後等デイサービスの対象につきましては、高校ではなく専修学校・各種学校へ通学している障害児であって、障害の状態・発達段階や家庭環境などにより発達支援を必要とする市町村長が特に認める場合につきましては、放課後等デイサービスの給付決定を行うことを可能とする方向で、制度の詳細な検討を行う。
次の○ですけれども、ここは学校との連携です。次期報酬改定におきまして指定基準や報酬体系を見直す際は、現在ガイドラインで示している学校との連携が着実に果たされることが、両者で一貫した支援体制を取るために重要であることに鑑み、運営基準などに位置づけ直すことを含め、実効性を高める方策を検討することが望まれる。
次の○は、児童発達と同じように「訓練等」の文言に関しましては、他法令との整合性との観点を含め、検討を深めることが望まれるとしております。
「6.インクルージョンの推進について」に行きたいと思います。
24ページを御覧ください。「5)インクルージョンの推進に関する検討の方向性」から行きたいと思います。
まずは(地域の中の役割分担・連携体制)ということで、1つ目の○ですけれども、センターが、まずは地域の中核機関として保育所等訪問支援を積極的に活用して、地域全体の一般施策側の後方支援を進め、次のポツでは個々の事業所になります。個々の事業所は、自事業所に通用する個々の障害児について状態や希望を踏まえながら併行通園等の事例提供・提案や実現・継続をサポートしていくという方向性が考えられるというように、2つの方向性を示しております。
25ページです。(児童発達支援事業や放課後等デイサービスにおけるインクルージョンの推進)です。
1つ目の○ですけれども、真ん中辺りから、まずは保護者等の意向の把握から保育所等への定着支援に至る一連のプロセスについては、効果的な標準的手法としてまとめ、分かりやすく提示していく必要がある。
次の○で、具体的なプロセスは、一定期間にわたり継続的に行われるものであることを踏まえ、適切な評価の在り方を検討していく必要がある。
次の○で、市町村の役割として、保育所等の関係者に向けて、インクルージョン推進の意義と保育所等訪問支援の目的・内容、児童発達支援事業や放課後等デイサービスによる移行前後のサポートの状況や好事例などの理解・普及を図ることなどが、期待される役割も大きい。こちらも具体的なプロセスについては、整理・提示していく必要がある。
次の○で、併行通園等の開始以降のサポートにつきましては、従前通所していた事業所が継続して行う場合と、センターがサポートしていく場合が想定されますので、対象児や通所先の状況によってどちらが効果的かを、整理・提示していくことが望まれる。
次は保育所等訪問でございます。1つ目の○では、まず、保育所等訪問支援につきましては、実態把握も踏まえ、改めてより適切な評価の在り方等を検討する必要がある。
次の○で、実態把握に向けては、以下の観点を考慮しながら調査を行うことが考えられるということで、ポツの中で、御意見をいただいた内容を踏まえております。
26ページの次の○に飛びます。保育所等訪問支援の手引書です。手引書は今、ホームページで公開しておりますけれども、手引書につきましては通知に引き上げるとともに、同手引書において示している保育所等訪問支援の支援内容など支援の根幹に関わる重要部分につきましては、運営基準などに位置づけるとともに、それらが適切に実施される報酬体系となるよう検討する必要がある。
次の○ですけれども、保育所等訪問支援は、経験のない保育所等の通所先において、支援を実践しながら理解・展開・汎化し、経験と力量を向上させることを想定しているので、状況を十分に踏まえつつでありますけれども、支援の終了の目安となる標準的な期間の在り方についても、併せて検討すべきであるとしています。
(児童発達支援・放課後等デイサービスにおける障害児以外の児との一体的な支援)になります。
1つ目の○で、年少期より障害の有無にかかわらず様々な遊びを通じて共に過ごし、それぞれの子供が互いに学び合うことは、生涯にわたって記憶される貴重な経験となる。
次の○がポイントでございますが、児童発達支援及び放課後等デイサービスの人員基準で、児童指導支援員及び保育士に専従規定を置いており、児童発達支援などを利用する障害児以外の支援はできないこととしていますが、例えば、保育所と児童発達支援事業所が、一日の活動の中で、設定遊び等において子供が一緒に過ごす時間を持ち、それぞれの人員基準以上の保育士等が混合して支援を行う等、一体的な支援を可能とする方向で検討すべきである。
次の○ですけれども、その際に、注意点ですけれども、混合することが目的ではなく、障害児にも必要な支援が適切に行われつつ、子供たちが安心感の下に、遊びや活動を通じて互いを理解し、共に成長し合う状況が達成されなければならない。そのためには、職員が子供の障害特性等の共通理解を持った上で、子供たちに理解する機会を設けて丁寧に説明し、さらに保護者が互いに学び合うこと等が重要であるということを提示していくことが必要である。ここまでがインクルージョンになります。
27ページです。「7.障害児通所支援の給付決定の在り方について」です。こちらも29ページを御覧ください。「2)検討の方向性」から行きたいと思います。
一番上の○でございますけれども、5領域11項目の調査では、発達支援が障害児に必要かを判定するためには十分とは言えない。
次の段落ですけれども、現在行われている「児童発達支援・放課後等デイサービスの指標の在り方に関する研究」の結果も踏まえ、発達支援の内容などについて十分に把握することができる指標を新たに設けていく方向で、検討を深めることが必要である。
その際は、子供の育ちにくさ、学びにくさ、生活のしづらさ等の視点で、発達支援の領域・必要量と把握し得る指標に見直していく必要がある。
次の○で、新たな指標を基に、子供の生活全体を捉えた上で、給付決定のプロセスを見直していく必要がありまして、特に、特定プログラム特化型の支援に関しましては、センター・相談支援事業所が適切にアセスメントを行い、複数事業所の併用等のコーディネートを担うことを給付決定のプロセスに組み込む方向で、検討を進める必要がある。
次の○ですけれども、コーディネートしていく上で相談支援事業所の果たす役割が重要であり、セルフプラン率が依然として高い上に、成長・発達が著しくニーズの把握が大きい児童期であるにもかかわらずモニタリングの頻度は「6ヶ月に一回」に集中している現状がございますので、適切なモニタリング頻度の設定が行われるよう、運用の徹底を進める必要がある。
次の○ですけれども、御意見をいただいている自治体間の格差が大きい現状がありますので、判断のばらつきが生じにくくなるよう、市町村職員向けのガイドライン等の整備も必要である。
次の○ですけれども、ただ、一方では、給付決定の判断において、障害児の状態像・発達支援の必要性等に強く着目するあまり、親の就労を阻害する結果とならないよう留意が必要であることと、また、乳幼児期は、特に「気付きの段階」の保護者の気持ちに寄り添いつつ、障害の理解、早期の発見、必要な発達支援の利用につながるよう留意が必要であるということを示しております。
「8.事業所指定の在り方について」です。33ページを御覧ください。「2)検討の方向性」です。
1つ目の○で、指定基準を満たせば指定することが原則である中で、できる限り事業所の地域偏在をなくし、より身近な地域での整備・配置を促していくことも重要である。
次の○で、都道府県の障害児福祉計画におきまして、保護者や子供が居宅から容易に移動することが可能な区域の事業者配置を意識し、より狭い圏域でも必要量を見込んでいく方向で、具体的な方法の検討を深めることが望まれる。
これによりまして、広域でのサービス全体の必要量に達しない限り総量規制の対象となりませんけれども、事業者指定を検討する者との意見交換などを行いにくい現状を、より狭い圏域で必要量に達している場合でも、近隣のほかの圏域での事業所指定の検討を促すなど、地域偏在やサービス不足をできる限りなくする方向として資すると考えられます。
ただ、懸念としまして、重症心身障害や医療的ケアなどの支援が行き届きにくいニーズにつきましては、全体の必要量とは別に、当該ニーズを見込み、整備を促していく方向で検討が必要である。
次の○では、人口の分散状況等で、狭い圏域ではニーズがまとまらないで、事業所運営の安定性が確保できない地域も想定されますので、1つ目のポツで、相対的に必要量が大きく充足しているサービスについては、より狭い圏域での必要量を基に総量規制の判断を行い、相対的に必要量が少ない充足しているサービスにつきましては、より広域での必要量を基に、事業所の誘致等を働きかける。複数の圏域を組み合わせて判断することを含め、検討を深めるべきである。
「9.その他(地域との連携等)」になります。
1つ目の○ですけれども、地域の障害児通所支援全体の底上げのためには、センターを地域の中核として、地域の事業所が集まり、研修や支援困難事例の共有・検討、市町村や地域の自立支援協議会との連携を図っていくことが重要であり、地域全体の人材育成・人材確保に貢献することとなる。
次の○で、障害福祉サービス全体におきましては、今、自己評価・利用者評価の推進や第三者による外部評価の推進方策が検討されている。
次の○で、現在、ガイドラインで設定された自己評価票・保護者評価票については、改めて改善すべき点がないかを見直した上で、現在は任意とされている自己評価・保護者評価につきましては、ガイドライン上の評価票の内容を最低限実施すること等、運営基準等の位置づけを見直すことが有効と考えられる。
最後の○ですけれども、センターにおきまして、各事業所における自己評価・保護者評価の結果を集約し、地域の事業所が互いの効果的な取組を学び合いながら、より良い支援の提供につなげていくことを後押ししていくことが効果的であると考えられる。
自己評価・保護者評価の分析・検討の場には、子供自身の目線をできる限り取り入れる観点から保護者の参画を検討するとともに、ここに記載されています関係者がチームとして協力しながら、事業所の質を高めていく方向で、具体的な仕組みの検討を進めるべきである。
以上になります。かなり駆け足で御説明をしましたけれども、申し訳ございませんが、御議論をいただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
○柏女座長 ありがとうございました。ぎりぎりでしたけれども、事前に送らせてもいただきましたので、一読いただいているかと思います。早口の説明について御容赦いただきたいと思います。
それでは、項目ごとに議論を進めていきたいと思いますが、あらかじめ事務局と相談をして、切り方を1から3までと決めておりますので、それに基づいて全体を9つに分けて進めていきたいと思います。
33ページと34ページを見ていただきますと、例えばこれまでの「障害児入所施設の在り方に関する検討会」等では、まとめとか今後に向けてとか、今後このような形で進めていったほうがいいとか、そうしたところが最後にあったものですから、恐らくこれもそのほうがいいのではないかと思いまして、最後のところでは、まとめか今後に向けてのところも設定するということで御意見を頂戴できればと思います。それ以前は順番に進めていきたいと思います。
先ほど冒頭に申し上げましたように、各項目10分ないし15分の限られた時間になるかと思いますけれども、ポイントを絞って御発言をいただければ幸いに思います。
それでは、進めていきたいと思います。最初は「1.はじめに(検討の背景)」「2.障害児通所支援の利用の現状」「3.基本的な考え方」「4.児童発達支援センターの在り方について」の前までについて御意見を頂戴したいと思います。時間的には15分ぐらいを予定しております。また、全体構成についての御意見などもありましたら頂戴できればと思います。
どなたからでも結構ですので、よろしくお願いいたします。
末光さん、お願いいたします。
○末光構成員 ありがとうございます。「1.はじめに(検討の背景)」のところで大変的確によくまとめていただいておりますが、1つだけ希望であります。
3番目の○で「一方、この約10年間での状況変化(発達障害の認知の社会的広がりや女性の就労率の上昇等)」とあるのですが、これは適当な内容だと思うのですけれども、もう一つ「医療的ケア児の急増」を入れていただけたらありがたいと思います。御承知のように、何回もこの会でも出ました医療的ケア児支援法がこの9月から施行という歴史的なときに当たっております。そして、御承知のように、医療的ケア児を抱えた御家族は毎日精いっぱい頑張っておられる。朝起きて、本当に我が子の命が、呼吸をしているのか不安な中での日々を暮らしておられるわけであります。ぜひ、その方々に希望の光が届くように一言入れていただけたらと思います。
もちろん、本文の中で何か所か医療的ケア児について取り上げていただいているのでありますけれども、初めのそこに一言入れていただくことは大きな支え、励みになるのではないかと思います。その点だけお願いします。
○柏女座長 ありがとうございます。貴重な御意見を頂戴いたしました。
ほかにはいかがでしょうか。
有村さん、お願いします。
○有村座長代理 よく分かっていなくて発言しているところももしかしたらあるかもしれません。
1つ目が、家族支援とか保護者支援という言葉が入り交じっているところがあるのですけれども、里親さんの御家庭とかいろいろなことも考えていくと、例えば家族を家庭に変えたりとか、整理できるところは整理してもいいのかなと思いました。
もう一つ、あとは細かいところかもしれませんが、4ページの一番上のところです。「その際には、障害のある子ども達は、『小さな障害者』ではなく」のフレーズ自体は過去からの背景もお聞きすると大事なことかなと思うのですが、これだけ直接読むと、初めて読む方には誤解を招くかもしれません。大人と同じサービスをその子供に当てはめるのではなくてということで子供という視点で見ていきましょうということなのですけれども、最初の文章だけだと完全な否定みたいな感じに間違って捉えられてしまう可能性はあるかなと思いましたので、そこは大事かと思いました。
もう一つ、その下なのですけれども「言うまでもなく、保護者から最も大きな影響を受ける」と書いてあるのですが、もちろん、保護者というところの観点も必要ですけれども、やはり子供たちの一日の生活というか、その部分がとても大きいのかなと思いますので、保護者ということだけではなくて、家庭とか生活とかの観点は入れてもいいのかなと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。用語の用い方等々についての貴重な御意見を頂戴しました。事務局で少し整理をしていただければと思います。
ほかにはいかがでしょうか。
又村さん、お願いいたします。それから、加藤さんですね。
○又村構成員 加藤先生、済みません。お先に失礼いたします。
全国育成会連合会の又村でございます。ありがとうございます。
今、有村先生がお話しいただいたすぐ後のところなのですが、育成会の立場では、この後に言葉の使い方で、訓練という言葉について少し見直していこうということで御提案をいただいて、非常に前向きだと思うのですが、同じように「保護者が子の障害を受容し」という表現があるのですが、この後にもう1か所か2か所出てくるのですけれども、言葉としてはそうなのだろうと思いますが、育成会の会員の親御さんのお話を伺うと、御本人が30代、40代になって、親御さんが60代、70代になっていたとして、親の立場で本当に受容ができているのかということについては、実際のところ全員ができているわけではない。
こういう表現が使えるかどうか分かりませんが「折り合っている」というのが正しい状態で、本当に受け入れているのかは、もちろん、そういう方も中にはおられるとは思いますけれども、そこを目指されてしまうと非常に厳しいものがある。つまり、訓練と同じ考え方で、子供の障害は親としては受け入れなければならないのかということに言葉としては少し受け取られてしまうところがあるのかなと思いました。
受容を受け入れとしても結局、意味は同じなのですが、ここの部分については、例えば「子の障害を含め、その子のありのままを肯定していく」といった表現であれば、我が子だということで十分に伝わる部分もあるかと思いますので、ことさらに受容という言葉で強く打ち出さないということも少し御検討いただければと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。当事者の視点からのとても大切な御指摘だったと思います。
加藤さん、お願いいたします。
○加藤構成員 ありがとうございます。全体をざっと読ませていただいて、とてもよく私たちのこれまでの議論の内容を受け止めて、うまく落とし込んでいただいてありがとうございます。感謝申し上げます。
それはそれとして、ちょっと細かいことなのですが、表紙の2つ目の最初の部分で中学校区云々という話があります。これはこうした子供の育ち支援、発達支援というところで、今、我が国においては、分野によっては飽和状態になっていたり、空白地域があったりということで、その辺のアンバランスさが現実問題あろうかと思います。
そういう意味で、今後、そうした空白地域を解消していくといいますか、そういう方向で様々な整備を図っていくことが必要になろうかと思うのですが、そういうときに、どういう基準でそうした資源を用意していくかというときに、エリアメイキングが一つの大きなテーマになろうかと思います。人口規模、歴史的な背景、あるいは人文地理的な諸条件等々、いろいろあろうかと思うのですが、そういう意味ではどういうエリアメイキングをするのかというのは今後の大きなテーマになっていくと思いますが、ここで中学校区ということが例に挙げられています。
その中学校というのが(※)のところで、公立中学校は全国で9,291という表現があります。小学校が1万9217ということで、中学校区というのは一つの選択肢ではあるとしても、例えば、そうしますと、これは減少傾向にあるわけですけれども、人口が1億2000万としたときに、中学校区で人口がどれくらいかというと、これは単純に算数で計算すると13万人ぐらいの人口かと思います。1万2000~1万3000人という人口になるのです。そうしますと、年間出生数はどれぐらいかというと、大体70~80人ぐらいなのです。そうすると要支援、長期的の校内支援を必要とする子供はその中のどれぐらいかというある程度の推察をしなくてはいけないわけですけれども、そうしますと、それは1年間に7、8人なのです。平成30年5月1日付の文科省の例の特別支援教育を受けているカテゴリーの中に、教育を受けている子供たちが4.6%、それにプラス6.5%で11.1%という数が出るわけですけれども、それを適用していくと毎年7、8人ということです。
そういう想定がされるわけですけれども、そのようなものでいいのだろうか。ここで中学校区みたいな、まるでモデル的な形で表記されてしまうと今後のエリアメイキングがかなりいびつなものになっていく可能性があるというか、その影響を受けてしまう可能性が、老婆心ですけれども、するのです。その点はいかがなのですか。その辺についても考慮していただけたらいいかなと思いました。
ありがとうございます。
○柏女座長 ありがとうございました。中学校区という言葉が独り歩きしてしまうということへの御懸念だと思います。大事な観点で、書き方の工夫で乗り越えられるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
秋山さん、お願いいたします。
○秋山構成員 秋山です。
細かいところで恐縮ですけれども、2ページの「2.障害児通所支援の利用の現状」の○の3つ目のところに「従来は、育てづらさ・生きづらさを抱えながらも」とあります。健やか親子21では、発達障害を意識して、育てにくさに寄り添う親への支援というのがあります。それと少しリンクさせていただきたいので、この「育てづらさ」を「育てにくさ」にしていただくといいかと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。そのようにさせていただくことになるかと思います。
ほかにはいかがでしょうか。
では、菊池さん、お願いいたします。
○菊池構成員 細かいところなのですけれども、2ページ目の「2.障害児通所支援の利用の現状」の4つ目の○です。小中学校の通級のお話が出ているのですが、実は文科省では高校の通級も今、実施しているような状況になっています。そのことも盛り込んだほうがいいかと思うのです。というのは、後半で専修学校等の支援の話も出てきますので、小中高連続してこういう状況で支援が必要な人たちがいるということを示す意味でも、少し高校について触れていただければいいかなと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます
ほかはよろしいですか。
私から1点お願いしたいと思います。4ページなのですけれども、理念の基本的な考え方のところなのですが、その前に3ページの利用の現状のところです。本文の中にもあるのですけれども、親の就労が増加してきている現状については少し触れていただいたほうがいいのかなと思います。
それを受けて、4ページですけれども「3.基本的な考え方」の中で、障害のある子どもを授かったがために自分の就労といった可能性を諦めざるを得ないという社会はやはり貧しい社会であるとも思います。保護者の就労支援の視点も入れておくことが大事なのかなと思いました。後半では具体的な策として放課後等デイサービスの長いタイプのものも考えていくべきだということは載っていますので、ここの中には改めて入れておいたほうがいいかなと思いました。
以上です。
特になければ次に行きたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは「4.児童発達支援センターの在り方について」のところで御意見がありましたら御発言をお願いしたいと思います。
北川さん、お願いします。
○北川構成員 ありがとうございました。本当にすごく濃い報告書になって、それぞれの構成員の皆さんの意見を反映させた報告書になったと思います。本当にありがとうございます。
その上で、児童発達支援センターのところで、今年の5月に出た「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会」の報告書の中に、出生前検査を受検した妊婦さんとパートナーに対してサポート体制を構築していくときに、児童発達支援センター等の参画という言葉も記載されていますので、どこかに役割として妊娠期からの支援みたいな相談とか、そういう役割も新たに出てきていますので、記載していただければと思いました。
以上です。
○柏女座長 分かりました。どこまでできるかは今後の検討になるかとは思いますけれども、大切な方向性だと思いました。ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
では、又村さん、お願いします。
○又村構成員 ありがとうございます。全国育成会連合会の又村でございます。
ここの部分については少し表現ぶりで調整が必要な部分と根本的かと思われる部分があるので、先に表現ぶりのところで申し上げますと、連携体制の最後の○です。非連続的な点のものをコーディネートしていかなければいけないという趣旨の表現がありますが、ここの部分は比較的市町村をイメージしてまとめられたのかなと思います。今、北川構成員からもお話があったように、もう少し別の分野、例えば発達障害者支援センターであるとか、ここで法律ができまして、まだ整備は進んでいませんが、医療的支援センターといったところの連携も必要かと思うので、文章としては言及したほうがよいかなと思いました。
全部で3つあるのですが、2つ目は最後の相談のところとも関わるのですけれども、児発センターに家族支援あるいは地域の障害児の発達支援の入り口としての相談機能というものを掲げていただいたことは極めて重要かなと思うのですけれども、この後の相談のところでも言及申し上げますが、他方で相談のところのまとめが、個別給付に乗ってからの相談に関しての各般の記載はあるのですけれども、特に児発センターの主たる利用の対象である乳幼児期、未就学のお子さんの障害ということよりも、少し気になる段階のお子さんに対しての相談の在り方は個別給付には乗り得ない、もしくは乗りにくいものなので、ここについては機能として児発センターに求めるのであれば、それなりの人が必要になってくる分野なので、そこについての言及が必要かなと思いました。
3点目が一番悩ましいのですが、今回、障害児通所ということなので、所与の条件として、児発センターは地域の障害児通所支援事業所を押しなべてスーパーバイズし、コンサルテーションするということで表現があるわけですけれども、他方で、児発事業の利用対象児のところで、高校に行けていない子供の整理の中には、児発事業というものはその大半が未就学児を利用する場所であると整理されているわけですので、ここでさらりと放デイ事業所に対して専門性の高い支援が必要であればスーパーバイズまたはコンサルテーションをすると書き切ってあるのですが、この議論については、このテーマになったときに、実態として放課後デイサービスの、例えば高等部にいらっしゃるお子さんに対するサポートとして児発センターがコンサルテーションやスーパーバイズができるのかというところが少し議論になったかと思います。ここの部分は、書き込むことの方向感に異論はないのですが、書き込んでしまっていいのかというところはもう一回議論が必要ではないかと思いましたので、提案させていただきました。
以上です。
○柏女座長 分かりました。ありがとうございます。
3点目のほうは、方向性を出して、そのためにはみたいな形で、条件をまた提示するというやり方もあるかなと思ってお聞きしました。ありがとうございました。
続いて、柏市の小川さん、お願いいたします。
○小川(正)構成員 柏市の小川でございます。よろしくお願いいたします。
検討の方向性についてでございますが、資料の5~6ページには具体的な記述があり、1~4の4つの役割、機能を総合的に果たすようになってほしいと思いますし、必要な内容についてはきちんと書かれていると思っております。
また、5ページの一番下の○以下にあるように、こうした役割・機能を総合的に果たすためには、もちろん、資料に記述してあるように「保育所等訪問支援」あるいは「障害児相談支援事業」としての指定を併せて有することを原則にすることや、地域の自立支援協議会の子ども部会への参加、連携など、必要な内容は記載されていると思っております。
ただ、現場として少し懸念されるものといたしましては、現状ではこういったことは既に児童発達支援センターとしてはやっていても、そこに通所してくる障害児を療育する児童発達支援機能が主になっていることから、実際は、言葉は悪いのですけれども、規模が大きな児童発達支援事業になっていないか、あるいは相談支援はセンター通所者に関わる部分だけプランを書くことが主になっているため、なかなか相談の計画が書けない、セルフプランが減少していない要因の一つになっているのではないかといった部分も実際に見受けられます。そういったことから、もう少し踏み込んだ内容をどこかに記載してもよいのではないかと考えております。
具体的には、現状を考えまして、通常の療育支援は原則一般の児童発達支援事業所として、センターはそれよりも地域の児童発達支援に対するスーパーバイズ機能を主たる事業として位置づける。また、専門性を向上させ、相談機能をより充実することとして、地域の児童発達支援センターでは受入れが困難な重度の障害児を中心に受け入れることとなるような位置づけを、もし可能であれば何らかの形で示す等をしてもよいのではないかと考えております。
以上でございます。
○柏女座長 ありがとうございました。具体的な項目にわたって御提案いただき、ありがとうございます。
では、菊池さん、お願いいたします。
○菊池構成員 失礼いたします。
これは細かなところなのですけれども、5ページ目のマル1のところに「重度・重複障害のある児童」という言葉があるのですが、実はこれは教育分野の言葉でして、学校教育法施行令上の言葉になっているのです。ですから、学校教育の児童生徒を対象とした言葉なので、児童発達支援の場合にこれを使うのは適切ではないのではないかと思います「障害が重複する児童」とかといった言葉に置き換えたほうが、この場合は適切なのではないかと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
ほかはいかがですか。
今、用語の話が出たので、1点だけなのですけれども、ここだけではないのですが、7ページの(検討の方向性)の3行目に「児童指導員」という言葉があるのですが、児童発達支援はほとんど「支援」という言葉を使っているので、この際「指導」というよりは「児童支援員」という用語に書き換えていくことが大事かなと思いました。
これも法令上の用語ですので、なかなか子ども家庭局等との調整が必要ではないかとは思いますけれども、子ども家庭局でも今「指導」という言葉を「支援」に、例えば「放課後児童指導員」だったものが「放課後児童支援員」と名称を書き直したりしてきていますので、御調整をいただけるとありがたいかなと思いました。これは私からの個人的な意見です。
ほかはございますか。
では、北川さん、お願いします。
○北川構成員 6ページの一番上のところで、地域の子育て関連機関と行政との連携・協働の中で社会的養護関係ということも入れていただいてもいいかなと思いました。というのは、今年の春から障害児里親支援機関のモデル事業が障害児入所もしくは児童発達支援センターに受けてほしいというモデル事業が始まっていますので、地域の里親を支援する機能もここに書いていただけたらと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
よろしければ次に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは「5.児童発達支援・放課後等デイサービスの役割・機能の在り方について」ですが、まず「1)児童発達支援事業の役割・機能について」の御意見を頂戴し、その後、放課後等デイサービスについての御意見を頂戴したいと思います。
どなたからでも結構ですので、この部分も10分ないし15分ぐらいでお願いできればと思います。
又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 ありがとうございます。全国育成会連合会の又村でございます。
ここについては、まず確認が必要かなと思いまして手を挙げさせていただきました。
御提案をいただいている12ページの囲みのところで、提供される発達支援の類型に関して、総合支援型と特定プログラム特化型ということで今回提示をいただいているのですが、今、それとは別の切り口でいわゆる通常型と医ケア型があるわけですけれども、これは利用するお子さんの状態像としての分け方は今までどおりで、事業所として提供する支援の在り方で新しい切り口を設けましょうという理解でよいのか、それとも、総合支援型と特定プログラム特化型と医ケア型の3種類になるイメージなのかによって若干前提が変わるのかなと思います。
もし前者だとすると、総合支援型の医療的ケア型と一般型、特定プログラム特化型の医療的ケア型と一般型というふうに分かれることになるのですが、後者だとすると3つに分かれるので、医療的ケア型に関してはあくまでも医療的ケアがとても必要なお子さんが利用する、看護職員とかが厚く配置されているタイプなので、そこについては総合支援型だろうが特定プログラム型だろうがあまり関係なくて、あくまでも配置されている職員の特性によって事業類型されるということであれば3つに分かれるのだなというイメージが持てるのですが、そこの確認ができればと思いまして御質問を申し上げます。
以上です。
○柏女座長 これは事務所のお考えをお話しいただければと思います。
○河村障害児・発達障害者支援室長 又村構成員から御指摘のとおり、医ケア型とおっしゃっているのは恐らく基本報酬の医ケアの部分のことをおっしゃっているのだと思うのですけれども、医ケアの基本報酬は基本的にはサービスの支援の中身を問うているのではなくて、同じように児童発達支援を受けるときに、まさに構成員がおっしゃったとおり、看護師さんが常に医ケアをするためにいないといけないので、看護師さんが手配できるような、言ってみれば看護師の人件費分の上乗せの単価を設定しているものですので、先ほどの御指摘でいきますと、実際に報酬を総合支援型のほうで、特定プログラム型で通常型、医ケア型に必ずなるのかというのはまだ頭の体操が十分し切れていないのですけれども、考え方としては最後のほうにおっしゃった、あくまで看護師さんは看護に必要なお金を乗せているのが医ケア単価ですので、それとは別の切り口のものという理解をしております。
○又村構成員 ありがとうございました。そこの部分はクリアになりました。
○柏女座長 又村さんにお伺いしたいのですけれども、それはここに書いておかなくても大丈夫ですね。誤解を生むようなことはないという理解でよろしいでしょうか。
○又村構成員 これは報酬というか、医ケア型なのか、一般型なのかは報酬の話になってしまいますので、それは多分ここでは書けないのだと思うのです。あくまでも提供する支援のありようで、今回、2つに分けてみてはどうかという提案と理解しましたので、そこのところは、私のようなマニアックな人間が気になるだけで、基本の入り口はそんなに混乱しないと思います。ありがとうございます。
○柏女座長 了解いたしました。ありがとうございます。
北川さんの手が挙がっていますね。それから、有村さん、お願いいたします。
○北川構成員 ありがとうございます。
特定プログラム特化型についてなのですけれども、13ページの最後の○と、上から2つ目の○にも訓練というのがふさわしくないと出ていますけれども、日本の中では機能改善とか治療傾向というのがどうしても強くなって、お母さんとかも訓練士にならなくてはいけないとか、本来、児童発達というのは子供と家族がエンパワーメントされるような支援が必要となってくると思うのですけれども、従来の歴史に戻るような医療モデルにならないかという懸念があります。後ろのほうにもすごくいろいろ考えながらとは書いているのですけれども、あまりにも医療モデル的になると療育が負担になって、子供がかわいいというよりは、少し無理させたりとか、親子関係があまり良くなくなったりというリスクが高まってしまうので、ここに関してはとても懸念するところでありますが、ここは慎重に進めていかないと、歴史が逆戻りしないようにと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、有村さん、お願いします。
○有村座長代理 ありがとうございます。
よく分かる内容にしていただいているのかなと思いますが、10ページの下から11ページの「(4)児童発達支援の役割・機能の在り方に関する検討の方向性」で、これは1つ目のところなのか、3つ目のところなのか、あるいはほかのところなのか、迷うところではありますけれども、例えば3つ目のところで統合支援型、5領域の支援をカバーした上でということが書いてあるのですが、支援という具体的なことは書かれているのですけれども、実際に考えていくと、アセスメントのレベルでこの5領域をしっかり見ていくのと、実際にサービスを提供するというレベルで5領域をやっていくということと、また違うところがあると思うのです。アセスメントのレベルでは、しっかり総合的にここを見ていくのですというところは考えていかないといけない。アセスメント及び個別支援計画の策定というところで5領域でしっかり見ていかないといけないというレベルがあって、その上でサービスの提供というところの段階を書いていかないといけないのかなと思いました。
以上です。
○柏女座長 分かりました。ありがとうございます。
加藤さん、お願いします。
○加藤構成員 いろいろなところで取り上げられているのですけれども、支援時間の長短の問題です。12ページの一番下の○ですが、これについては、ちまたではいろいろな評価、いろいろなパターンで行われているという実態があって、ある意味では混乱していると言ってよろしいかと思います。
それに対して、私たち児童発達支援協議会の共通認識として申し上げておきたいのは、児童発達支援という言葉の持つ意味とその内容ですけれども、あくまでも発達支援というのは、ここでもあちらこちらに書かれているように、本人支援、家族支援、地域生活支援、あるいは移行支援というものを、支援者として個々の子供の育ち、育てに関する様々な知識、技術、経験、情報を収れんさせた学際的なチームアプローチ活動であると位置づけております。さらには、関連地域、関連機関とのネットワーク活動。それらの総体を発達支援と呼んでいるのだと私たちは考えております。
そういう意味では、昨今、いろいろ話に出てくるスポット的、モザイク的な支援の在り方です。そうした一連の総体性を持たない患部治療的な、ある意味では医療的なと言ってもいいと思うのですが、そういう支援ではなくて、あくまでも地域の生活、暮らし、育ちというものをトータルに考える支援を発達支援と言っております。そういう意味では、児童発達支援センターとか児童発達支援治療というものはあくまでもそういう活動をするところであるということです。このことをはっきり確認させていただきたいと思います。
さらには、子供の発達というものは、特に初期段階になればなるほど一つ一つの症状が単独に独立してあるわけではないのです。それらが相互に複雑に絡み合って、お互いに影響し合って発達していくわけで、そういう意味ではそれを切片で切り分けるような形でスポットを当てて、そこだけを支援することは発達支援とは言わないと私たちは考えております。
特に初期段階においては、親子関係というものは非常に大事な問題だと思うのです。そういう意味では、そこをまた切り離したような形で、子供だけを取り出して、子供たちに一方的な育ちを促すという形の支援というものは、我々が標榜する発達支援という概念からは著しく遠いものであると考えているということです。そういう意味では、私たちは細切れ的な、地域からも家族からも切り離したような断片的な支援を発達支援とは一緒にしてほしくないというのが特に私たちの大きな気持ちです。
よろしくお願いします。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、秋山さんが最初で、田中さん、小川陽さんの順でお願いしたいと思います。
○秋山構成員 秋山です。
今、加藤構成員がおっしゃった断片的ではないということは非常に大事な御指摘だと思いました。やはりライフサイクルを考えた支援をしていくことが大事だと思います。そのことをどこかに書いていただければと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。基本的な考え方のところでも書けるかもしれません。
田中さん、お願いします。
○田中構成員 ありがとうございます。
今回の研究会ではサービスの質の向上というところが非常に中心的な議題になっていると思うのですけれども、その中で今回の特定プログラム特化型のところですけれども、その際には、アウトカムの指標ではないというところを強く打ち出していただいたほうがいいのかなと思いました。そう申しますのも、子供たちにそれがプレッシャーになってしまうとか、個人差が非常に大きいので、このプログラムによって変わるとか、そういったことはなかなかアウトカムで測ることは難しいので、あくまでサービスの適切性を図るためにこの特定プログラム型が提案されているということを出していただいたほうが良いように思いました。今、各構成員がおっしゃられたような、子供たちのプレッシャーにならないようにとか、家族の関係があるとか、そういった問題も考えられるので、誤解されないようにする必要があると感じました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、小川陽さん、お願いいたします。その後に又村さん、お願いいたします。
○小川(陽)構成員 ありがとうございます。日本相談支援専門員協会の小川です。
まず初めに、この素案は本当に今までの議論のことをよくまとめていただいていると思います。感謝申し上げます。
1点だけお伝えします。内容については十分、これまでの議論が含まれているとは思いつつ、書きぶりの中で児童発達支援に対する地域支援の部分の内容が少し薄いのではないかと思っています。先ほどセンターのところで、関係機関の連携も含めてセンターの役割の強化というものをうたっておりますけれども、それに参画していく立場も含めて、地域支援の機能について、より充実していく必要があるという内容で付記していただければいいかなと思います。
私からは以上です。
○柏女座長 分かりました。手は両方から伸ばさないとつなげないということだろうと思います。ありがとうございます。
又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 ありがとうございます。全国育成会連合会の又村でございます。
いわゆる報酬の対象にしない、ここで言うところの学習塾のようなもの、ピアノや絵画のみの指導となっているものと例示されておりますが、方向感としてはそのとおりと感じるのですが、ここにできれば、障害者差別解消法で法改正により合理的配慮の提供が民間事業者についても義務になったということを踏まえると、障害があるお子さんがインクルーシブに、そういった地域にある塾であるとかカルチャースクールに通える状況が望ましいというか、目指すべき社会でもあるので、きつい表現ですが、単なる学習塾タイプの児発一本では疎外することにもなりかねないのです。そうなってしまうこともあるので、合理的配慮が進むことが望ましいという切り口が必要かなと思いました。
他方、その後にある特定プログラム型も書いてあるように、福祉として提供されるべき性質のものなのかどうかというのも、全くもってそのとおりなのですが、今、言ったように、学習塾とか絵画塾とか、そういうものはやめたほうがいいというのも個人的には思うのですけれども、例えば差別解消法で民間事業者が合理的配慮の提供が義務になるのは、施行の準備期間があって、令和6年中になるのではないかと言われているのです。また、医療で対応すべきではないかと思われる、ここで言う特定プログラム型も、本当であれば特定プログラムが医療で提供してもらえればいいのでしょうけれども、肝心の医療を受けてくれないであるとか、子供のリハビリテーション病院が車で2時間かけなければ行けないようなところにあるとか、そういう各般の事情があって、それぞれの地域で、いいか悪いかはさておき、旧通園事業時代から、週に1回だったら学齢児もPTさん受けられますよ、STさんやれますよ、OTさんやれますよということで定着してきたという歴史的な背景もありますので、少し経過的な取扱いというところも何らかの形で言及いただけるとよいのかなと思いました。
将来的にはおっしゃるとおりなので、将来的な出来上がりの絵として全く異論はないのですが、出来上がりの絵に達するまでのプロセスがあるだろうということと、もう一つは、こういった社会資源の開発も含めて、本来であればこれは市町村が責任を持ってやるべき話なので、何が障壁になっているのかということを明確にして、それが市町村を中心として改善されていくことが重要であるということも言及が必要かと考えました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
1つの政策をとっていくと必ず副作用があるので、その副作用を最小限にしていくためにいろいろな手法があるので、経過措置等々いろいろ考えていかなければいけないということを改めて感じさせられました。ありがとうございました。
神奈川県の神永さん、お願いいたします。
○神永代理人 ありがとうございます。今日は高橋に代わりまして出席させていただきます。
今、又村構成員がおっしゃっていたことに関連しまして、児童発達支援や後ほどの放課後デイサービスもありますけれども、習い事的なものを外していく方向は本県としても支持したいところなのですけれども、現実的にここまで事業所が増えてきた中で既に指定を取っている事業者をどうやって断るのかというのは非常に大きな課題になってしまうのかなと危惧しております。
また、特定プログラム特化型と習い事というものはどういうふうに線引きをするのか、その判断方法なども、指定をしていく現場では大変難しいかと思いますので、判断方法などを明確化していただきたいと感じました。
よろしくお願いします。
○柏女座長 ありがとうございます。
よろしければ次に行きたいと思いますが、よろしいですか。関連して同じような課題もありますので、児童発達支援もそうだということで言っていただければと思います。
放課後等デイサービスの役割・機能についての部分で御意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。
又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 度々で申し訳ありません。全国育成会連合会の又村でございます。
放課後等デイサービスについても、基本的な切り分け等については児発と同じということで理解をしておるのですが、できましたら放課後等デイサービスに関しては、特に家族、保護者の就労支援をしている実態がある中で、恐らくですけれども、この切り分けでいけば総合支援型で、かつ結果的に利用日数が多い。それは場合によっては支給決定等との話との絡みも出てくるのだろうと理解しておるのですが、支給決定のところでもお話をいたしますけれども、方向として、親御さんが働く必要があるとして、放デイだけで障害のあるお子さんの学齢期を支えるということではないのだと思うのです。
ただ、今、実態としてそうなってしまっているので、その実態としてそうなってしまっているものをこれから少し交通整理していくのだとすると、そこの部分についての言及は、もちろん、支援時間の長短、親の就労に対応するための時間も含むということで書いてはあって、児発と同じ書きぶりになっているのですけれども、放デイに関してはいわゆる放課後児童クラブとの兼ね合いもある。児発の場合は保育所との兼ね合いがあるのですけれども、そこのところは、その意味では児発も放デイもある意味同じかもしれませんが、そこを少し、親御さんの就労を支える一般的な子育て支援施策との関係がつまびらかになってほしいことと、放デイに関しては、残念ながら中高には学童保育がないので、そうなってくると、ここは放デイが必要になってくるのです。中高生の障害のあるお子さんの親御さんの就労をどのような形で支えるのかということの言及。このあたりのところについては少し深めていただければと考えました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。とても大切なところなわけで、様々な社会資源があって、それらの就労を支えるということになるかと思いますので、書き切れない、検討し切れなかったところについては、先ほど最初に申し上げましたけれども、後ろのところのまとめ、あるいは今後に向けてといったところに入れておくことも大事なことかなと思います。ありがとうございます。
続いて、北川さんと菊池さん、お願いいたします。
○北川構成員 ありがとうございます。
20ページの6番、ガイドラインのことなのですけれども、先ほど神奈川県の方もおっしゃったように、どうあるべきかというところをきちんとガイドラインで示していく必要もあると思います。そのために、質の向上のためとか、どういう運営であるべきなのかということで、ガイドラインの作成が私たちの前に出てくるというか、それが早急に必要だと思います。放課後デイのガイドラインに関しては、少し前にCDSでも研究でまとめて報告書が出ていますので、それに今回の検討会の報告書の内容、この話し合った内容を加えて、なるべく早くつくったほうがいいと思います。
もう一点ですけれども、最後の対象に関してです。これは本当にこのような方向でいいと思います。また、中学を卒業しても行き場のない、学籍のない子供もいるので、この年齢にふさわしい発達支援が必要だと思いますけれども、この点に関して加えていくことも必要だと思います。
加えて、小中学校で学籍はあっても学校に登校できないような困り感の高い障害のある子供がいます。実態としては通常学級だけではなく、特別支援学級や特別支援学校に行けなくなっている子供もいるということで、このような困り感を抱えてしまった子供たちと家族を支えるセーフティーネットの役割を担うのが福祉施設である放課後デイサービスだと思います。
もちろん、なかなか家から出られない子供もいますので、家庭訪問とか居宅訪問型児童発達支援事業を使って家に行く場合もありますけれども、この時期にふさわしい子供としての生活リズムですね。昼夜逆転にならないようにとか、そういうことも考えるときに、文科省でもいろいろ通知を読むと努力されていますけれども、放課後デイサービスに朝からの支援の受け皿として、実態として、その役割を果たしている事業所も多くあります。
実際に放課後デイサービスで支援を受けた子供たちが、その後、高校に進学したり、社会とのつながりを持った例もあって、その実践例からも、子供にとっても社会から見てもとても意義のあることだと思います。そして、放課後デイでの朝からの受入れが可能となるとともに、もし朝から子供を受け入れた場合、相談支援の関与とか学校との連携、医師の診断書などを条件に、やはり報酬上の適切な評価も必要だと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、菊池さん、お願いいたします。
○菊池構成員 失礼いたします。この放課後等デイのところでは、学校との連携のことをしっかりとうたっていただいておりまして、本当にありがとうございます。
それを踏まえまして、18ページの上3行のところで児童発達支援ガイドラインの5領域の話が書いてあるのですけれども、こちらは学年からすればあまり高くないというか、小学校の低学年や中学年ぐらいを想定しているような部分もあるのかなという感じもしますし、また、例えば教育の分野で言うと、幼児の関係がその5領域にかなり重複してくる部分があるのです。
ですから、例えば「一定の共通性を持つと考えられる」の後に、また、学校との連続性を考えた場合に、自立活動の観点ですね。6区分27項目あるのですが、その項目を少し盛り込んでいただければ、特に中学校や高等学校、そして、児童生徒の皆さんの支援ということも包括できるのではないかなと思ったので、そこをぜひ御検討いただきたいと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。教育分野からの御提言、感謝いたします。
ほかはいかがでしょうか。よろしければ次に行きたいと思いますが、いいでしょうか。
では、市川さん、お願いいたします。
○市川構成員 例えば、私、外来をやっていると、中学生からひきこもりになってしまって、高校の試験も受けていないから全く学籍がなくなってしまう子供さんなどがいるのです。決して数は多くないけれども、数名はいるのです。御家庭的にも母子家庭であって、なかなか支援が届かない子供もいるのです。
先ほどの北川先生がおっしゃった20ページの一番下のところは、そういう方もフォローできるような文章なのでしょうか。
○柏女座長 では、事務局のほうでよろしいですか。
○河村障害児・発達障害者支援室長 まさに今、先生が御指摘になられた、全く学籍がなくなってしまっていて、日中の通いの場すらないお子さんのところは19ページの一番下の○に書かせていただいております。
そういった状況のお子さんでも通所での発達支援を必要とする状況も想定されるということで、それについて、法令が望ましい場であるのか、児発が制度上マッチするのか、社見なしで別の在り方でやっていくべきなのかというところについて、それぞれいろいろなデメリットなりもありますので、結論的にはそこの部分は20ページの上から4行目でございますけれども、学校に進学せずに、どこにも通いの場がなくなっているお子さんのうち、発達支援を必要とする場合の制度的な対応を、どのサービスについて、どのように行っていくかということについても引き続き検討を進めるということで、今回、ここでこうするというところを、そこまで行き着かないで引き続き検討を進めるという書き方になっているところでございます。
○市川構成員 今後、検討の方向であるという理解でよろしいですか。
ありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、小川陽さん、お願いします。
○小川(陽)構成員 申し訳ございません。発言の機会、ありがとうございます。
今の話の流れで言いますと、相談支援の重要性が非常に大きいのだろうと思います。そういった意味では、相談支援がそこを把握するということ、それから、先ほど児童発達支援センターの議論の中で、又村構成員から障害の部分について気づきの段階から、要は個別給付に乗らない部分についての相談支援を担保する必要性について意見がありましたけれども、これは学齢期であっても全く同じで、今のような話も含めて、個別給付に乗らない相談支援についてどのように対応するのかをどこかで保障していく必要があると思いました。
すみません。時間が押している中で恐縮ですが、以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。これらの御意見を踏まえた上で書きぶりを工夫していきたいと思います。
続いて「6.インクルージョンの推進について」を進めていきたいと思います。皆様方から御意見がございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
菊池さん、挙がっていますか。菊池さんの後に末光さんでお願いいたします。
○菊池構成員 ありがとうございます。失礼いたします。
インクルージョンのことに関してなのですけれども、居宅訪問型児童発達支援のことをぜひ前面に出していただきたいというか、触れていただきたいと思っています。医療的ケアの中でも、いわゆる超重度障害児、人工呼吸器等を使っている子どもさんについては、どうしても空間移動の制約であるとか時間の制約があって、同年代の子供さんたちと交流し合う、あるいは育ち合うような機会が少ないような状況にあります。
ただ、今回、コロナ禍の中において、オンラインを通じた交流というか、そういうことも各地で行われているような状況でありますし、そうした在宅にいながらにしても、サービスを受けながらにしても同年代の子供さんたちと交流できるような検討の在り方というか、ぜひそういうところをお考えいただきたいというか、盛り込んでいただきたいと考えています。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、末光さん、お願いいたします。
○末光構成員 冒頭にも医療的ケア児のことを書き込んでいただきたいというお話をした背景といいますか、既にお話し申し上げたことでありますが、昭和42年、1967年に重症心身障害児施設がスタートしたときには、重症児は全て重症入所施設で受け入れる。全員入所が国の方針でしたし、御家族も専門家もそう思っておりました。それが変わったのが22年後の重症心身障害通園モデル事業です。在宅で頑張れるようにということで、全国5か所でスタートしました。
最初は重症心身障害施設併設の、毎日15名定員でした。それが5年後には福祉施設併設の小規模の5名定員が加わったのであります。そして、一般事業化されたのがさらに23年後であります。モデル事業としての重症児の日中活動に23年かかっております。それに対して今回の医療的ケア児の保育所での受入れは平成29年ないし平成30年からであり、今年から一般事業化されております。わずか5年で一般事業化されています。
このスピードの速さに私ども、重症児の日中活動に関わった者としては大変な驚きとともに、それだけ御家族のニーズが高い、働きながら子供を預ける場所をという願いが強い。それを国でも受け入れていただいているという、このことについてぜひ十分御理解いただいた上での、制度のスピードアップもぜひお願いしたい。これが基本であります。具体的なことはまた後でお話をさせていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○柏女座長 ありがとうございました。
秋山さん、お願いいたします。
○秋山構成員 秋山です。
私のところに通っている医療的ケアの子供ですが、保育園に入所を申し込んだところ、断られました。その際に、単に断られるのではなくて、併行通園を行いながら、移行支援をしていく。児童発達支援事業所に移行支援の役割というものを明確に示して書いていただければ、併行通園をして、移行支援をして、それがインクルージョン推進なのだというところで整理をしていただきたいと思っています。そこで、併行通園のところのどこかに移行支援も役割として書いていただけるといいと思いました。
以上です。
○柏女座長 具体的な提案をいただき、ありがとうございます。
では、又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 ありがとうございます。又村でございます。2点ございます。
一つは保育所等訪問支援の部分でございます。記述のところには必要性であるとか終了のタイミングも明示すべきということで、方向性は全く異論がございません。もしよろしければ、保育所等訪問支援は必ずしも未就学のお子さんのためだけではないので、学齢期のお子さんについての記述、特に放課後児童クラブ、一部には学校にもお伺いしている事例がありますので、そこの部分を少し意識して、就学後、学齢児のお子さんへの支援のところを記述として少し厚みを持たせていただければというのが一点です。
もう一点が、同じ切り口になるのですが、いわゆる児発や放デイにおける障害児以外の子供との一体的な支援の部分で、ここも例えばということなので、あくまで例示であることは理解しているのですが、保育所と児発のような組合せであるとか、あるいは人員基準以上の保育士が混合的に支援するという表現があるのですけれども、制度的にこれは書けないのかもしれないのですが、放デイと放課後児童クラブも実際に地域では実践事例がございますので、これについても可能であれば書き込んでいただければということで、この辺のインクルージョンのところが、やや未就学のお子さんのところに力点が置かれている印象を受けましたので、学齢期におけるインクルージョンのところも意識して記述を、厚みを持たせていただければというお願いです。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。なかなかこの部分が、学齢期以上が保育所等訪問支援も進んでいないということもあってのことだと思います。そこの記述の厚みをつけていくということについて、私も賛成です。
では、小川陽さん、お願いいたします。
○小川(陽)構成員 ありがとうございます。
私からも保育所等訪問について、先ほどの又村構成員の発言にさらに重ねてのお願いになります。保育所等訪問支援事業の対象拡大によって、乳児院ですとか養護施設についても活用可能になっていますが、これがなかなか進みづらいという状況も含めて、こちらについても何かしらの形で触れていただくことが大変重要かと思っておりますので、御配慮をお願いいたします。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
このインクルージョン関係は、ほかにいかがでしょうか。よろしければ次に行きたいと思います。
続いて「7.障害児通所支援の給付決定の在り方について」です。この点について御意見がございましたらお願いしたいと思います。どなたからでも結構です。
では、有村さん、お願いします。
○有村座長代理 ありがとうございます。
こちらもよく書き込んでいただいていると思っているところなのですが、例えば給付決定のところで、27ページの2つ目ですけれども「障害児又はその保護者への聴き取りにより行われることを基本とし」という言葉が書いてあるのですけれども、聴き取りの前に親への情報提供の在り方であったりとか、相談支援なども関わってくるところかもしれませんけれども、そこはきちんと確保していくことが大事だと思います。
保護者として、自分がコンサルトの中で周りの親御さんとお話ししていると、横の情報がすごくあって、それと比べて、サービスを提供していただいているところ、センターからの情報提供というものは、丁寧にやっていただいたとは思うのですけれども、一方で質的な部分がかなり横の情報でつながっているところがすごく感じたところです。
これは正しい情報以外も、印象とかもかなり含まれていたと思いますので、そういった意味ではサービスを利用していくという観点もあるかもしれませんけれども、そこでも親御さんへの情報提供であったり、相談支援というところはかなり強調した上で聴き取りというところがあっていいのかなとは思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、末光さん、お手が挙がっておりますので、お願いいたします。
○末光構成員 どこでお話ししたらいいか迷っていたのですけれども、先ほど来、医療的ケア児のことを秋山先生もおっしゃっていただきましたし、国でも医療的ケア児の保育所で受け入れる箇所数を90か所から来年度は199か所にという、ハイスピードでその箇所数を増やす方向で御検討いただいていることは大変心強い思いをしております。
やはり数とともに質の確保も並行してお願いしたいです。これは今までの議論と共通する部分であります。前回、人工呼吸器をつけている医療的ケアスコア47点の人についても紹介させていただきました。そのときの報酬のことについては、又村構成員からは、この場ではないけれども、ほかの場所でちゃんと末光さんのデータは反映するとおっしゃっていただいて、大変心強い思いをいたしておりますが、何らかの形でこのあたりについて、この検討会でも書き込んでいただければありがたいと思っております。
そのことをよろしくお願いします。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、小川陽さん、お手が挙がっていますね。お願いいたします。
○小川(陽)構成員 ありがとうございます。小川です。
29ページで地方自治体における支給決定事務に関する実態調査が行われているということで、ここには勘案事項のこと等について記載がありますけれども、実際の支給決定の場面においては、供給体制というか、サービスが使える状態がどの程度あるのかという地域事情によって、とりわけ医療的ケアのあるお子さんですとか、通所施設がないから支給決定ができないということがあるのではないかと思っています。
このように社会資源整備の地域間格差が支給決定に影響していると考えています。このことは、この後の事業指定の在り方との関連もあるかとは思いますので、そうした視点も含めて、現状を明らかにしていくことが大変重要と思っています。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。これもとても大切な御指摘ではないかと思います。
又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 度々恐れ入ります。又村でございます。ここについては先ほど申し上げたことの繰り返しになりますので、ごくシンプルにします。
支給決定の、特に30ページの最後のなお書きのところの「また、乳幼児期については、特に『気付きの段階』の保護者の気持ちに寄り添いつつ」という一文でございます。支給決定でございますから、当然のことながら多くの場合、障害福祉課の窓口に行き、うちの子のために障害児の福祉サービスを利用するということについて申請をしていただかないとサービスを利用することができないのが今の仕組みでございますので、先ほど来、受容のことについても申し上げましたけれども、そこに親御さんとして気持ちが向くまでの支援が極めて重要と考えます。
多くの親御さんからお聞きすると、ここでの福祉との出会いが、その後の障害福祉とされる各種福祉との指標になる。簡単に言うと、ここが駄目だと後が駄目ということもありますので、ここの部分の丁寧さについては、理想的には、私は個別給付ではない相談の仕組みをぜひ整えていただきたいのですが、そこまでは書けないと思いますので、少なくとも、その重要性についてはさらに厚みを増して記述を入れていただくことを希望いたします。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
加藤さん、お願いします。
○加藤構成員 ありがとうございます。
どこの文脈に寄り添うのかよく分かりませんが、今まで皆さんのお話を聞いていて思うのですけれども、いずれにしろ、非常に地域の福祉発達支援機関としてはいろいろな役割を担わされていくのですけれども、そういう意味ではそこに向かうといいますか、受け入れる職員の資質は基本的に非常に大きく問われる仕事、業務だと思います。
そういう意味でいきますと、例えば現行の人材確保という意味では、現場では今、非常に苦慮しております。一般的に数的にも一番多いと思われる保育士さんなどにおいても、今、非常に確保が難しい。あるいは確保してもすぐに退職、転職されてしまったりというようなことがここ数年続くのが現場の実情かと思います。
そういうことを考えたときに、保育所の保育士さんとこういう我々の非常に多岐にわたる、程度問題ですけれども、支援の困難さが大きい。また、ある意味では通常の保育とは違った配慮、工夫、資質が求められるということが現実にあるかと思います。そういう意味では、人材の資質の確保という意味でも、あるいはエントリーしようとしている彼らのモチベーションを高める意味でも、ただ単に保育士という資格ではなくて、発達支援保育士とか、何か少しそこに一言添えることによって彼らのモチベーションが高まる。
給与的にそれほど変わらないとしても、そういうアイデンティティーをより一層確かなものにするような表現、資格というものを打ち出すことによって、結果として地域の発達支援がより潤沢にできるかなという気がします。そういう意味で、何かそういう新たな支援者のネーミングといいますか、そういうことも少し、いろいろな意味からあってもいいのかな、打ち出されてもいいのかな、提案されてもいいのかなと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
今、保育所、保育士については、キャリアアップシステムと研修受講をセットにして、待遇改善と専門性の向上に努めている実績がありますけれども、障害児支援分野でもそれを考えていく。放課後児童クラブもそうなっていますので、そうしたことを障害児支援分野で考えていくことは大切なことかなと思います。
また、個人的には今、子ども家庭局で子供の福祉、子ども家庭福祉の専門資格をつくるべきだということが出ておりますけれども、その中でソーシャルワーカーのことについては議論されておりますが、保育士の専門分化ということ、例えば療育の分野の保育士、子育て支援の保育士、養育関係の保育士といった保育士の専門分化等については議論がなされていないということはとても残念だなとは思っています。そうしたことも併せて考えていかなければいけないかなと思いました。
貴重な御提言、ありがとうございます。
○加藤構成員 よろしくお願いします。
○柏女座長 秋山さん、お願いいたします。
○秋山構成員 今、発達支援保育士というものがあったので、実は病児保育で障害のお子さんを預かるときに大変困難さを感じて、場合によっては断らざるを得ないときがあります。ですので、障害のお子さんが病気になったときのためにも発達支援保育士さんがいれば助かると思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
よろしければ、次の「8.事業所指定の在り方について」の御意見を頂戴したいと思います。
末光さん、柏市の小川さん、お願いいたします。
○末光構成員 ありがとうございます。
31ページの3番目の○に「重症心身障害や医療的ケア等への対応ができる事業所の整備は十分ではないといった指摘もある」ということを明記いただいていることに大変感謝します。これはやはり改善するための施策について、ぜひお願いしたいと思っております。
30ページの事業所の指定に関わる云々のところで、やはり総量規制で、先ほども議論が出て、中学校区云々というお話もございましたが、重症心身障害あるいは医療的ケア児のような数が少ない、それに加えて重い障害、あるいはいろいろなより専門性の高いニーズを持っているお子さんについては特別な配慮をしていただく必要があるかと思います。
前回も少しお話ししましたけれども、東京あるいは大阪のような大都会と人口が非常に過疎の地域では中学校区とかなんとかといっても全然レベルが違うと思います。特に人口1万人とか2万人、3万人の小規模自治体で、身近なところで重症心身障害あるいは医療的ケア児を受け入れてくれる整備を一層お願いしなければいけないと思っております。つまり、人口規模あるいは物理的な広さの違い、年齢構成の違い、あるいは地域の医療福祉資源の濃淡等を十分配慮して指定をしていただくとともに、前回申し上げましたように、「定員5名の壁」があると、ついつい利用をしたくても他のお子さんのために、利用したい日数を減らさざるを得ないといった形になってしまう。あるいは事業者のほうは新しく定員を5名から6名、7名にするということは経営上、運営上困難であるということで、それをためらわざるを得ない。そういう事態はないようにしていただく。
そのことを今回、先ほども申し上げましたし、前回、又村さんから言われましたように、ここは報酬を検討する場ではないということをおっしゃっていただいたことではありますけれども、何かそれにつながるような形でお願いできたらと思っております。このことをぜひお願いしたいと思っています。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、小川さん、お願いいたします。
○小川(正)構成員 柏市の小川でございます。それでは、私からは総量規制について少しだけ意見を述べさせていただきます。
基本的には、今回示された素案で問題ないと考えております。そういった中で、今後検討を深めるに当たって、狭い圏域で総量規制を実施するもの、広い圏域で総量規制を実施するものについて、国が例示するのか、都道府県に判断を委ねるのか、あるいは市町村から意見聴取をした上で決めていくのか等が想定されますが、いずれにしても利用者ニーズに直結する内容なので、慎重に検討が必要だと考えております。
また、本市では今後、障害者施策の一つといたしまして、相対的に必要量は少ないが、充足していないサービスと言われております医療的ケア児に対応する大規模な施設、医療的ケア児が同年代の子どもを含め、地域住民と交流できるような施設、医療的ケア児支援センター的な施設整備を来年度予定しているのですが、例えばこの場合に、本市が広い圏域での総量規制の対象となるサービスとして総量規制を実施しても、あくまでも判断基準は本市利用者数ベースであるため、近隣市在住の利用者が多くいた場合は総量的に適正とまで言えなくなるのではないか。そのことから、広い圏域での総量規制については、指定権限を有している本市のような中核市であっても都道府県が実施調整をしっかりとしていくのが望ましいのではないかとも考えております。
次に、少しだけ総量規制で懸念されるというか、慎重になってしまうことがございます。それは事業所の指定を行っている行政の立場からすれば、事業所の指定や指定の取消しは行政処分であり、総量規制による事業所の指定拒否も考えられますので、そういった部分では特に慎重になってしまいます。そういった意味でも、国では行政処分の不服申立て等の事前の共有等をしていただければ幸いでございます。
私からは以上でございます。
○柏女座長 ありがとうございました。柏市さんがすばらしい取組を始められるということで、私は隣の市に住んでおりますので、またぜひ見学に行かせていただきたいと思います。
すみません。余計なことを言いました。
北川さん、お願いいたします。
○北川構成員 済みません。総量規制ではないのです。先ほどの人材育成に関しまして、保育士が前から発達支援保育士と加藤構成員がおっしゃるようなことも知的障害福祉協会でもよく話し合われていました。それに加えて放課後デイサービス等もありますので、関わる関係者の児童支援員も含めたみんながスキルアップして、キャリアにふさわしい名前を、保育士だけではなく、障害児支援においては考えていく方向も必要なのではないかと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 ありがとうございます。又村でございます。
こちらの総量規制等も含めた考え方、基本的な方向性としてはこのとおりと考えているのですが、育成会の立場で、先ほども経過措置について検討いただければと申し上げたのは、結局、柏女先生にもおっしゃっていただきましたが、例えばある取組を転換したときに、今回で言えば放課後デイサービスがなくなった、あるいは利用が少し減ったけれども、親は働いているから毎日何かしらのサービスを使わなければならないというときに、代わりを親が探さなければいけなくなっている状況が非常に多いわけです。そこの部分がすごく懸念されるのです。
もちろん、様々な社会資源を活用しての、子供の放課後の支援であったりとか、親御さんが働いているときのサポートということは重要だと思っていますので、それについて全く異論はありません。
ただ、例えば今回の総量規制等の事業所の指定に関して言えば、こういう方向感で放課後デイサービスが少しバランスをとっていくとするならば、もともと親御さんの就労の支援とか一時的なお子さんの預かりについては日中一時支援というサービスがあるわけです。今回、この中に日中一時支援のことは特段、記述がないわけですけれども、もし放課後デイサービスなどで親御さんの就労を支えるための支援の全てをやるのはおかしいのだという方向にするのであれば、本来、親御さんの就労とかも含めたお子さんの一時的な支援をする位置づけの日中一時支援を例えば地域生活支援事業の必須事業に位置づけることが重要であるとか、そういったようなことを、あるいは小学校年齢であれば放課後児童クラブ、未就学であれば保育所における障害のあるお子さんの受入れが進むことで、要するに多様に選択肢がある状況の中で放デイあるいは児発、一本足打法ではないから選べるのですということを明確にしていただくことがとても重要です。
そこがないけれども、おかしいからやめること自体、方向性はそうかもしれないのですが、やめられてしまった後に、はしごが外れた状態で親御さんと御本人が右往左往する状況は非常にこれまでも残念ながら見受けられたことがあるので、この方向感は全く反対ではないのですが、本来の形はどうあるべきかということについての書き込みと、それに対して、今、障壁になっているものがあるのであれば、それが前に進むような記述。これについてはぜひお願いできればと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。とても大切な御指摘で、総合的な放課後対策という観点がないと、どこかにしわ寄せが行ってしまうということだと思います。
ほかはいかがでしょうか。
よろしければ、最後に移ります。「9.その他(地域との連携等)」です。そして、冒頭に申し上げました報告書に10として、終わりにとか、今後に向けてとか、あるいはまとめといったものが必要ではないかとも思っておりますので、その部分についても併せて御意見がございましたらお願いしたいと思います。
どなたからでも結構です。よろしくお願いいたします。
有村さん、お願いします。
○有村座長代理 ありがとうございます。
9ではなくて10になる部分から先に発言してしまうのかもしれませんけれども、今回の御議論で幾つか先駆的に取り組んでおられる事例も御紹介いただきました。その中で、やはり北川先生のところも、レスパイトの部分の確保とか方策の充実みたいなところは10のところに入れていただきたいと思います。親御さんが休憩できるというか、レスパイトを確保できるということだけではなくて、相談支援の入り口として、生活の中でこういう困難が出ているというのはお子さんをお預かりすることで分かる部分があって、家庭の維持というものには大変大きな効果があると思います。相談支援のまさに寄り添いというところにつながっていくかと思います。
場合によってはそこに親子で入所するとか、これはずっと先の話になるかもしれませんけれども、とても大事なところで、かつて日本子ども家庭総合研究所の、父親の心性の研究があったときに、お母さんのほうが子供と接する時間が多くてつながりができてくると、お父さんが控え目になってしまうとか、そこに対して入りづらくなるということなどもあったりしますし、様々な家族の状況もあるかと思いますので、そこら辺は支援のニーズがあるところだからこそ先駆的に実施していくべきなのかなと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、北川さん、お願いします。その次に加藤さん、お願いいたします。
○北川構成員 今、有村座長代理のおっしゃったことは本当にそうだと思って聞いていました。実際にお母さんの話を聞くと、通所しているお母さん自体が睡眠障害で2時間しか寝ていないとか、子供は朝方に寝てしまうから寝ているのだけれども、そういう意味ではレスパイトとか、DVのお母さんなどもたまにいるので、親子で入所などというのも最近、家庭福祉課でも考えていますので、そういうあたりも今の時代、情勢を併せて入れ込んでいく必要があると聞いていました。
そういうことなのですけれども、10番になるかと思うのですけれども、障害のある子供は、子供の育ちも子育ても、ケアニーズの高い子供たちなので、ある意味、社会的養育の対象と考えていいのではないかと思っていて、障害児関係者であっても子供を真ん中に置いて、関係者が連携している要対協への参加だとか、今、厚労省の家庭福祉課で、子ども家庭施策として支援の必要の高い子供とその家族、その保護者家庭への在宅支援に力を入れているという打ち出しをしているのですよ。
そういう中で支援が高いということは障害児とか保護者に障害がある方なども含んでいて、あちらのほうで私たちの子供の在宅支援も頑張ってくれているという状況の中では、こちらでもいいものがたくさんありますので、障害福祉施策も今後、子ども家庭施策と連動どころか一緒に、大きな視点で日本の子供全体と家族を支える役割を私たちは持つべきだと思います。その意味では、この検討会が障害児通所支援の目的を本当に子ども家庭福祉としてしっかりと位置づける方向性を指し示すような報告書になったらいいなと思っております。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
次が加藤さんですね。
○加藤構成員 ありがとうございます。
9番なのか、10番なのか、よく分かりませんが、今までの第7回までの議論の中で、私自身も含め、何人かの方からも指摘があったかと思うのですが、結局、今の社会情勢から考えますと、先ほどから申しますように、人材がなかなか確保できない、不足する。さらには財政、財源的にも非常に厳しいものがある等々を考えたときに、一方で福祉ニーズは非常に高い。発達支援ニーズも非常に高い。多様化、錯綜化しているという、その辺の状況を考えたときに、一人一人の国民あるいは市民の子供の権利ということからしても、空白場所があったりとか谷間があったりしてはいけない。これがあるとすれば早急に対処すべきだろうと思います。
そういうときに、新たな組立て、新たなラインをつくるのもあっていいのかもしれないのですけれども、前から申し上げていますように、今あるものを有効活用、機能化、効果性の高いものにしていくという組立て、仕組み、工夫をもっと積極的にすべきだろうと思います。そういう意味で、今回もいろいろな御指摘をいただいたのですが、児発センターを含めて放デイ等々、いろいろな機関、受け皿があるわけですけれども、それらがもう少し縦、横、斜めに、機能的に重層化されて、もう少し限られた資源を有効活用していくという意味での重層的な位置づけといいますか、表現、表記がもっとあっていいのではないかと思うのです。
そういう意味では、今回の素案は、なべて何となくフラットといいますか、横並びというようなニュアンスが感じられるので、もう少しそこを重層的に機能分化あるいはステージ分化をさせた形の組立て、構造化を一定のエリアメイキングの中でしていく方向性が大事かなと思います。
もう一つは10番のところでぜひと思っているのですが、冒頭からいろいろな機会に申し上げているのですが、徹底的に地域におけるマネジメント機能、子供や家族の方の多様なニーズに対して既存のサービスがうまく収れんしていないという残念な、社会的に大きなロスでもあると思うのですが、そういう実態が感じられます。そういう意味では、ぜひその辺のマネジメント機能を今回の検討会の中でしっかりと指摘していただいて、その辺が解決されるような芽出しをしていただけたらと強く願います。
ありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、末光さん、お願いいたします。
○末光構成員 今回の検討会の中で、重症心身障害あるいは医療的ケア児もインクルーシブでということを大きな柱にしていただいていることは大変ありがたいです。いい方向に、それもスピード感を持って進んでいるということを感じることができました。改めて感謝したいと思います。
もう一点は家族支援という、先ほども北川構成員もおっしゃられたのでありますけれども、家族の思いがかなり変わってきていることを改めて感じております。重症心身障害が50年前に問題になったときには、御家族が支える、そして、親亡き後は兄弟姉妹に託すということで親御さんたちは頑張ってこられました。現実に我々、重症心身障害施設、旭川児童院の家族会等の世話役、会長も御兄弟になっております。これはこれですばらしいことでありますし、ありがたいことでありますけれども、最近の若い重症児の御家族、そして、医療的ケア児の御家族は、自分に何かあったときには障害児の兄弟姉妹に託すということはほとんど考えない。施設に託したいということを考えておられるようであります。
そのあたりは、たまたま私どもの身近なところでそういう、例外的な珍しいことかもしれませんが、全国的にそういう傾向があるのかどうか。そうすると、家族支援の中で兄弟姉妹に対する取組について改めて考えていただくことが要るのではないかという思いを持っております。家族支援のことを北川先生がおっしゃられましたので、そのことを思い返して述べさせていただきました。
よろしくお願いします。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、小川陽さん、お願いいたします。
○小川(陽)構成員 ありがとうございます。日本相談支援専門員協会の小川です。
私も9番になるのか、10番になるのか、分かりませんが、日本相談支援専門員協会として、事業所の質を上げていくためには自己評価ですとか保護者評価の部分について、9番のところに記載がありますけれども、事業所単位だけではなくて、個別に、お一人お一人に着目したときには相談支援専門員がきちんとついて丁寧に見ていくことが大変重要だと考えています。そうした意味では、相談支援の充実、強化、障害児分野におけるセルフプラン率を下げていくことも大変重要な課題だと考えています。どこかで相談支援の重要性というものを明記していただけるとうれしいと思っています。
それから、これは本当にささいなことなのですけれども、この素案の中の表記について、障害児支援利用計画という表記とサービス等利用計画という表記が混在していたり順番が違っていたりということがありますので、統一をしていただけたらうれしく思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。私も経験がありますけれども、用語は事務局ではなかなか気がつかないところがありますので、御指摘いただいたらうれしいです。
秋山さん、お願いいたします。
○秋山構成員 秋山です。
障害への専門性を高めつつ、そして、地域社会にその専門性を伝えていくという役割、方向性を示していただければと思います。
○柏女座長 ありがとうございました。
そのほか、いかがですか。ほぼよろしいでしょうか。
菊池さん、お願いいたします。
○菊池構成員 失礼いたします。
10番のほうにも関係してくるのかなと思うのですけれども、これは前回言ったかと思うのですけれども、特に医療的ケアがあるような子供さんたちはNICUを出た後は在宅で生活していくような形になると思うのですが、そこから公的なサービスにつながるまでの間とか、あるいはつながりつつも、例えばNICUを出ていった子供たちの家族会というか、そういうものが病院関係でいろいろ展開されているような状況があるのです。ですから、そういうところは非常にインフォーマルな中で展開されていますので、そうしたインフォーマルな形のところへどうアウトリーチしていくかというところもすごく大切なのではないか。それはやはり保護者に対する安心感であるとか、あるいは公的なサービスにつながっていく上での架け橋というか、そういうところになっていくかなと思うので、ぜひ10番のところにそういう観点を盛り込んでいただけるとありがたいかなと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
私から1つなのですけれども、最後のところに、連携の話です。教育や社会的養護、子ども子育て支援制度、各制度間の連携の話を少し入れておいたほうがいいのではないかと思いました。これまでも放デイ、放課後児童クラブ、保育所の児童発達支援センター、あるいは社会的養護と障害児の通所支援という話が出てきましたので、教育との関係もそうですけれども、制度間の連携、渡り廊下を広くしていくということについて記載しておくことが大事かなと思いました。
さらにもう一点ですけれども、先ほども申し上げましたが、又村さんもおっしゃっていましたけれども、障害児だけではなく子供全体の放課後生活全体を見ながら、どういう社会資源があるのか、あるいは偏りがあるのか。そうした全体の中で見ていくこともとても大事かなと思いました。
さらに、最後ですけれども、すぐにやらなければいけないことと、報酬改定を目指さなければいけないこと、法改正を目指さなければいけないことが混在しておりますので、ここは工程を決めて、そして、できるものはすぐに始めていく。ガイドラインの見直しですとか、あるいは保育所等訪問支援事業の手引書の通知化とか、そうしたできることはすぐに始めていくといった姿勢が大事なのかなと思いました。
最後なのですが「障害児入所施設の在り方に関する検討会」の報告書には報告書の名前が出ていたのです。今は覚えていないのですけれども、障害児入所施設の云々とか、これも「障害児通所支援の在り方に関する検討会」の報告書というだけでは味気ないので、何かいい名前を事務局のほうで考えていただいて、次回にそれらについても御意見を頂戴できればいいかなと思います。皆さん方のミッションが詰まったものですので、それにふさわしい名前にできればと思っております。また、皆様方からも、このような名前がいいのではないかというのがありましたら御意見をお寄せいただければと思います。
それでは、議事の最後です。今、報告書の素案について全体を見ていきましたが、議事の「(2)その他」について何かございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは、事務局のほうでその他については何かございますでしょうか。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 特にないです。
○柏女座長 特にないですね。今後のこととかは後で聞きます。
それから、事務局にお伺いしたいのですけれども、今日、これで御意見があって、次回が最後という形になりますけれども、追加での御意見とかがあったりした場合はどうしたらいいですか。
○河村障害児・発達障害者支援室長 できますれば、週明けの月曜日の夕方ぐらいまでにいただければ大変ありがたいと思います。
○柏女座長 分かりました。
それでは、どうしてもここは伝えたいというものがございましたら、来週の月曜日の夕方までにメール等で御意見を頂戴できればと思います。もう最後になりますので、できるだけ具体的にこの部分でという御意見を頂戴できればと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、今日の議事はこれで全て終了となります。事務局から今後のスケジュールについて御説明をお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 事務局でございます。
次回の検討会は10月13日の水曜日、夕方の16時半から19時を予定しております。次回が最終回となっておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○柏女座長 それでは、本日はこれにて閉会させていただきます。時間がうまくいくかどうかとても不安だったのですけれども、皆様方の御協力でぴったり19時半に終えることができました。心より皆様方の御協力に感謝いたします。
御出席いただきましてありがとうございました。お疲れさまでした。