令和3年10月22日 第71回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第20回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和3年10月22日(金) 13:00~16:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより第71回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和3年度第20回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。
まずウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージまたはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。
現在、副反応検討部会委員9名のうち6名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
長谷川委員より、御欠席する旨の御連絡をいただいております。また、濱田委員、舟越委員より、途中退席となる旨の御連絡をいただいております。永井委員と伊藤澄信委員が遅れているそうです。
また、本日は、議題4「その他」の関係で、川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦参考人にお越しいただいております。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。
留意事項に反した場合は、退場していただきます。
また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、帯状疱疹、23価肺炎球菌、HPV、百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、13価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルス、新型コロナウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、サノフィ株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社、アストラゼネカ株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。
各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認をいただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、宮川委員は第一三共株式会社及び武田薬品工業株式会社から、50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜ、新型コロナウイルスの各ワクチンについて、石井委員は第一三共株式会社から、50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜの各ワクチンについて、意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○森尾座長 次に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-6-3、資料2、資料3-1から3-29、多屋委員提出資料、岡部参考人提出資料、参考資料1から7になります。
不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
議題が前後いたしますが、本日は岡部参考人に御参加いただいておりますので、まずは議題4「その他」から始めたいと思います。
それでは、早速ですけれども、岡部参考人より「ワクチンのリスクベネフィットの考え方」につきまして、提出資料の御説明をよろしくお願いいたします。
岡部先生、よろしくお願いいたします。
○岡部参考人 お招きをいただいて、ありがとうございます。久しぶりにこちらに参加させていただくことになるのですが、川崎市健康安全研究所の岡部です。
先日、予防接種従事者研修会というものがありまして、自治体の予防接種に関与する方たちへの研修会で、予防接種の利益と副反応といったようなお話をしたときに、厚労省の方にそれを聞いていただいて、こういうところで話してみてはどうかというようなお話をいただきました。別に目新しいことがあるわけではなく、普通の研修形式の話し方で恐縮ですけれども、私が日常でよく考えているようなことということでお聞きいただければ幸いです。
それでは、資料の何番目になるのでしょうか。「予防接種の陽と陰-ベネフィットとリスクのバランス-」と題しました資料をお願いいたします。
そもそものところですけれども、予防接種と似たような行為は昔からやられていますが、Jennerが牛痘を使ってワクチンをやったということが、科学的に行ったので一番最初だと言われています。それが日本にもたらされたのが1849年、楢林宗健先生が佐賀藩でやったというのがありますが、自分の子供及び弟子の子供たちに種痘というのをやって、今で言う治験のようなことではないわけです。多くの人が種痘による予防によって、致死率が50%ぐらいに行く天然痘というものを防ごうという思いがあったのではないかと思います。
紆余曲折があったようですけれども、お玉が池の種痘所が江戸にでき、明治になって種痘法ができ、そして今も使われている予防接種法につながってきたということがあります。
次をお願いします。しかし、そうやって苦労した予防は相当時間をかけるわけですけれども、天然痘の根絶というところまで行って、これが1980年にWHOが宣言をしています。その宣言書の中には我々の大先輩の多ヶ谷先生も入っています。
次のスライドになりますけれども、予防接種は非常にいい面もあるわけですが、残念ながら陰のような部分があって、種痘というのはそもそも副反応としても強い、特に急性脳炎といったようなものを起こすことがありますし、全身性種痘疹というものがあるので、病気が少なくなり、日本ではなくなったにもかかわらず、予防の継続として国の方針として定期接種としてやる。そのために副反応が起きて、重症な健康障害を受けた方が裁判を起こし、国が全面的に負けたというようなことがあります。
次の資料です。一方、ポリオというような病気も世界中に広がっていて、第二次世界大戦が終わった直後のアメリカでは、鉄の肺と言われたような機械で呼吸をアシストして何とか過ごしていたのが当時のポリオに対する対策でありますけれども、こんなにたくさんの患者さんがいたという写真です。ポリオウイルスは1型、2型、3型とあるのですけれども、2015年に2型野生株ポリオウイルスが、2019年には3型の野生株ポリオウイルスは世界から消えたという宣言をWHOがしております。
ですから、ある病気が出て、それを根絶するまでには本当に物すごい時間と物すごい労力が要るわけです。一方では種痘の副反応の発生のようなこともあります。ポリオの場合はついこの間まで生ワクチンを使っていたわけですけれども、御存じのように、生ワクチンそのものによるポリオ様の麻痺が出てきます。ポリオという病気は、このグラフの表にありますように、急速に減っていくわけですが、しかし、この棒グラフにありますように、ワクチンそのものによる麻痺例が出る。本物の病気があるうちは、この麻痺についてはやむを得ないと思うのですけれども、ポリオという病気がなくなっても、生ワクチンを使っている以上は一定の割合で麻痺の患者さんが出てくる。これをほっておいていいのかというような議論があり、米国は不活化ワクチン、麻痺を起こさないワクチンに切り換え、我が国もいろいろ議論があったわけですけれども、この不活化ワクチンを導入することによって、ポリオという病気もない、ポリオ様の麻痺をワクチンで起こすこともないということがあったわけです。常に副反応と効果の闘いというものが長い間続くわけです。
次のスライドでは文章が書いてありますけれども、これは比較的最近と言っていいと思うのですが、2010年にヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンが導入されたときに、同時接種を含んで4例の子供さんが急死したという例がありました。それは遡ってみると合計7例の調査があったわけです。ちょうど東日本大地震のときで、私もこの委員会に入っていましたけれども、1か月間でその間に集められる資料をいっぱい集めて評価をした結果、最後のところにあるように、報告された例についてはワクチン接種との直接的な明確な因果関係はないと述べられました。
次のスライドです。そのときにもちろんワクチンはきちんと作られていて、国家検定に逸脱は見られていない。メーカーでもきちんと作られていたことが確認されました。
2段目、海外では有害事象報告を行うと、接種後に一定の患者さんの死亡例が報告されている。ただ、突然死症候群でSIDSとの関係はなかなか解決していないので、この関連はあるかもしれない。
一番最後の4番目のポツで、しかし、これを全部解決するまでにワクチン接種を行わなかった場合には、Hib感染症あるいは肺炎球菌感染症の状況は変わらなく、リスクが上回るので、ベネフィット、利益のほうが高いということで、再開に結びついたわけです。
ただし、医学的に考えても突然死症候群との関係はまだ不明のこともあった。特に国内ではそういう調査がなされていないので、これはきちんと調査をしましょうということが決まって、私も入っているのですけれども、これは現在でも多屋班のほうで調査が続けられ、因果関係についての科学的な検討が続けられている。
しかし、もしこの結果を待つまでヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンが導入されなかったら、今の世の中では依然としてヒブ・肺炎球菌が多くなっているわけです。
9ページ目、導入した結果としては、この折れ線グラフにあるように、これはヒブの場合ですけれども、分離されたヘモフィルスインフルエンザ菌b型は、これは出荷量でやっていますが、ワクチンの接種率がよくなるということと同時に、Hib感染症というものは減ってきている。急激に減少し、現在は小児科の当直医が夜中に化膿性髄膜炎を見るというようなことはほとんどなくなってきたという状況になります。
次の資料で、赤い点になっているのは、ワクチンを接種することによって健康被害を受けた方、全体の中で紺色の丸のついているところは感染症にかかっている人ですけれども、感染症がいっぱいあるうちは、赤い丸の健康被害にもちろん注意はしなくてはいけないのですが、まさに今の新型コロナもこのような状況なわけですけれども、感染症から守るためにワクチンは重要である。これは、どなたでも受け入れられることになります。
次の資料のように紺色の点が少なくなってきて、少数の感染症患者になったときに、ワクチンをやっていると、やはり一定の副反応が出てくる。そのときに、少数の感染症患者のほうに目を注ぐのか、少数の副反応による健康被害者に目を注ぐのか、あるいは今は健康だけれどもうつってしまうような人に目を注ぐのか。放置をすれば感染症はまだ広がる可能性があるので、やはりワクチンが必要だというような説明ができるわけです。
さらに、感染症の患者さんのほとんどいなくなってきたような状況。そのときに、少数の健康被害者に目を注ぐべきなのか。あるいは、どこかから入ってきて病気が広がるということを考えて、現在健康な方に目を注ぐのか。つまり、ワクチンを続けるのか、副反応を避けるためにワクチンを中止すべきか、プログラムを変えるのか。非常にジレンマに陥るわけですけれども、しかし、常にこのジレンマを考えながら、本当に副反応のみに気を取られるのか、あるいは利益のみに目を注がなくてはいけないのか。常に悩みながらやっているというのが、私たちでもあり、ここにおられる委員の皆さん方のお気持ちではないかと思います。
次の資料です。予防接種の持つリスクというのは、万が一のリスクがあった場合の対応はしなくてはいけないのですけれども、これは当然ながら個々への対応ということで、調査もしなくてはいけないでしょうし、対応を考えるわけですが、もしそれが限られた範囲内のもののことであるとするならば、そのワクチンがないときのリスクへの対応、つまり多くの人にどうするか。ここは、効果と安全性に対する評価・認識はいつもバランスを持ってやらなくてはいけないところであろうかと思います。
次のスライドには、予防接種の有害事象という言葉が大分通用するようになりましたけれども、WHOではそれについて一番上のほうから、ワクチンの成分に対する有害事象、この場合は副反応になります。これはもう改良しなくてはいけないです。製造上の欠陥も、早く改良しなくてはいけないし、そのためには直ちに調査をしなくてはいけない。接種手技の誤りであるならば、医療側が十分注意をしていかなくてはいけないことですが、偶発事象の紛れ込みがなかなか判断が難しい。それから、予防接種液そのものだけではなく、予防接種をするということに対する不安現象がいろいろな有害事象に結びついていくということの現象があることへの理解も必要になります。それは決して不安という気持ちなのだからほっといていいということではないので、私はWHOでこの委員会にも入っているのですけれども、WHOでは、ワクチンを接種することによるストレスがかかり、それに対して急性反応が起こり、やがてはそれが非可逆的あるいは戻ってくることが難しい慢性反応になっていくというようなことが議論されました。
それについてはきちんと対応していくことが必要なのですけれども、これについてのガイドラインができたので、現在、研究班でこれの翻訳作業を行っております。スライドにありますように、よく出てくるバランスの表ですけれども、病気を防ぐ利益と副反応の存在の両方を常に知りながらやらなくてはいけないわけです。副反応の存在のほうは、一般の方に特に説明をしなくてはいけないところですけれども、確実な副反応だけではなくて、ここで議論されるような理論的には考えられるようなもの、しかし証拠がない。関連が否定できないのだけれども、関連を否定するだけの証拠がないというだけではなくて、漠然とした不安が広がってくるということに対しても対応していかなくてはいけないという問題があります。そして、その病気を予防する必要性とのバランスが必要になります。
一番最後は御清聴ありがとうございましたという図ですが、やはりワクチンの安全性を高めるためには、常に受ける人に対しても、接種をしようとする人、それから進める人、行政側になりますけれども、決して焦ることなく、慌てることなく、もし事があったならば、なるべく科学的に正当な説明を持てる資料で説明する。科学的には次々に疑問が出てくるわけですから、それの全ての解明を待ってやっているということでは、病気の持つリスクを評価していかなくてはいけないというのがあります。
そのためにはリスクコミュニケーション、というのはよく言われるわけですけれども、誤解されてしまうのは、リスクコミュニケーションというのはこちら側から相手に対して説明をするという一方向だけに捉えられがちですが、そこには本来は対話が成立しなくてはいけないので、私たちは向こう側のこともよく聞きながら、それについて説明をしていくという双方向でなくてはいけないであろうと思っております。
用意した話は以上でありますけれども、事前に御質問を2つほどいただいておりました。
資料の中にあるかどうかは分からないのですけれども、1つは、重篤な副反応や死亡が出た場合に、御本人にとってはやはり0か100かという観点しか見られないので、接種後に経過観察をお願いして、具合が悪くなったら受診していただくようにお願いすることしかできない状況である。こういう科学的理解と個別事例の理解の差についてはどのようにしてお伝えしたらいいのだろうかという御質問いただいたのです。
これは本当に難しくて、しかし、私たちの立場はできるだけそれを科学的理解と社会的な状況も含めて、常々説明を繰り返しやっていく。ただ、途中で申し上げましたように、個々の問題と公衆衛生的な問題を同時に考えてしまうと、出口がなくなってしまうというか混乱の極みになるので、個々は個々としてきちんと見ていく必要がありますし、それが直ちに大衆に振り向かないように、しかし、それが広がりやすいものであるならば注意をするという姿勢でやっていくことが必要だろうと思います。個別については、きちんと説明を繰り返していくことになると思います。
2番目の点はCOVIDに関する御質問なのですけれども、COVIDの場合は年代においてリスクとベネフィットが違うので、今後ベネフィットを考えるときに、高齢者と若年者、子供では違うのではないか、年齢によって区切ったらいいのではないかというような御質問をいただいています。これは全く私の考えなのですけれども、そこはどこを定期接種にしたときに国の責任としての対応にするのか。あるいは、すべからく集団免疫というところでこれを保たなければいけないのかというようなこともありますので、年齢を区切ってというやり方も当然あると思いますし、システム、それに対する費用、それから今回のようなこういう副反応が出たときの責任の所在というようなものを議論した上で、場合によって対象年齢を区切るということはあり得ることではないかと思います。しかし、これはいろいろな意見をいただいた上での議論の結果だろうと思います。
私が御用意したのは以上です。ちょっと長くなりまして失礼しました。ありがとうございました。
○森尾座長 岡部参考人、御講演及び事前質問に対する御回答、御丁寧にありがとうございました。
質疑応答、意見交換の時間を設けておりますので、委員の先生から質問、御意見等がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
それでは、私からよろしいでしょうか。
漠然とした不安に対するというのは副反応の存在の中に入っているのですけれども、これに対してのよいメッセージの伝え方、リスクコミュニケーションについて先生がお考えになっていらっしゃることがありましたら教えていただきたいと思います。
○岡部参考人 これはWHOの中でも議論があるところなのですけれども、やはり科学的なエビデンスに基づいて、ただし社会的反応も考えながらですが、毅然とした結果お伝えするということと、分からないことは科学的にはいっぱいあると思うのです。ですから、それをいつまでに議論して、その時点で分かったことについて解決を図るというようなこともお伝えしなくてはいけないのではないか。
つまり、分からない、分からない、分からないと続いていると、いつになっても分からないわけで、科学はいつになっても分からないことが出てくるから解決の糸口を探そうというわけですから、ある時点である材料で判断をするという姿勢も必要ではないかと思います。それをあらかじめ、いつまでにはどういうことをしますから、継続しなければいけないというのであれば継続するとか、そういう説明の仕方が必要なのではないかと思います。WHOの会議でも、科学的なスタンスを大切にするのだというのはよくメンバーの人が言っていることになります。
以上でよろしいでしょうか。
○森尾座長 岡部先生、ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
岡委員、お願いいたします。
○岡委員 貴重なお話、ありがとうございました。
最後に先生が述べられた年齢による副反応も、それから症状も違うというのがこのCOVIDの一つの特徴かということになっております。今後、例えばアメリカなどでは若年者、特に小児への接種を進めるという方向に行っておりますけれども、やはり公衆衛生的に考えたときに、例えば若年者だけがワクチン接種が十分に行き渡っていないということが、コロナがいつまでたっても社会から出ていかないという意味でのリスクになるといった考え方でよろしいのでしょうか。そのあたり、何か教えていただければと思います。
○岡部参考人 基本的にはいろいろな情報が入ってくるので判断が難しいところにはなりますけれども、明らかに具合が悪いということであれば、国の責任あるいはメーカー側の責任でもやらないほうがいいと言うのが適切だと思うのですけれども、ある一定の効果があり、そして副反応の状況もある程度分かっているようなときに、全ての人にやらなくてはいけないとするのか、あるいは私自身は、もし希望することであるならば、それができるというような状況をつくった上で、本当にそれをやりたくないと思う人までにやらなくてはいけないものかどうかということの判断が必要ではないかと思います。
それについては疫学的なものも十分必要ですし、インフルエンザもそうですけれども、そのことをある集団にやることによって、ほかの集団、高齢者集団に対してリスクもあるというような考え方もありますけれども、接種を受ける方がまずこれはよかったと思うような状況が積もり積もって集団免疫というものにつながっていくので、最初から集団免疫を考えるために全員にやるというのはちょっとどうかなと、私自身はそう思っています。
ただし、繰り返しますけれども、そのことによって自分で防ごうと思う方に対してまでやれないということではなくて、そこは広く門戸を広げる必要があるだろうと思っています。
以上です。
○岡委員 ありがとうございました。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
岡部先生、どうもありがとうございました。
岡部参考人におかれましては、これ以降の議論につきまして説明を求める予定はございませんので、御退席いただいても差し支えございませんが、もちろん残っていただいても構いません。
手が挙がっていますか。申し訳ありません。佐藤先生、失礼いたしました。よろしくお願いします。
○佐藤委員 すいません、お時間だったら大丈夫です。
○森尾座長 大丈夫です。どうぞ進めてください。
○佐藤委員 私は公衆衛生という観点にあまり詳しくないので教えていただきたいのですけれども、ワクチンを打つ一つの大きな動機として感染力というのがあるかと思っていて、そういうものは今、どういう形で御判断されているのでしょうか。やはり患者さんの増加曲線をトレースしながら、感染力が上がってきた、といった巨視的な、マクロな感じでウオッチしないとそこは分からないということなのでしょうか。
○岡部参考人 なかなか難しいところだと思うのですけれども、症状が明らかな病気として感染力が大きくて広がっていくのか、あるいは感染した結果の症状は目立たないのだけれども、ウイルスないし細菌、病原体の広がりはある。そうなると、母数が膨らんでくれば当然ながら一定の重症者も考えなくてはいけないというような形で感染力というものを見なくてはいけないので、数字で感染力が幾つだから危ない、ここから下は大丈夫というようなことはできないのだろうと思います。
それに必要なのが、当然一つは疫学調査になるわけです。話が長くなってしまいますけれども、症状のない人をひっくるめて全部検査をやってどのぐらいだということも、効率性から言うとなかなか分かりにくいところもあります。ただ、今回のように分からない病気という場合には、そういう調査も初期の段階においては必要でしょうけれども、そういう方法をいつまでも続けていいかということではないのではないかと思います。
以上です。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかに、委員の皆様からはよろしいでしょうか。
改めまして、岡部先生、どうもありがとうございました。御退席いただいても構いませんし、お残りいただいても構いません。本日はどうもありがとうございました。
○岡部参考人 ありがとうございました。
この委員会はよく傍聴させていただいているので、本日もしばらくこのまま聞かせていただければと思います。委員の皆様方、本当に大変な議論で御苦労さまでございます。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
続きまして、議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等について」、まずは資料1-1-1から1-5-3について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 まず、資料1-1、1-2を用いまして、対象期間中の副反応疑いの報告状況について御報告いたします。
資料1-1-1「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。
今回の集計対象期間ですが10月3日報告分までとなっております。
2ページ目をご覧ください。マル1、週別報告件数の表の下の合計、2021年10月3日の行をご覧ください。
左からまずコミナティでございます。10月3日までの推定接種回数は1億4144万2370回接種。副反応疑いの報告件数が2万3903件、頻度としましては0.02%で、前回と同一の値となっております。うち重篤の報告件数が4,757件、頻度としては表記上0.00となっておりますが、0.0034%で、前回報告時の0.0036とほぼ同一の値となっております。死亡事例につきましては、後ほど資料1-3の中で御説明したいと思います。
表を右に行っていただきまして、モデルナでございます。10月3日までの推定接種者数が2770万1010回接種。副反応疑いの報告件数が3,373件、頻度としては0.01%で、前回と同一の値となっております。そして重篤の報告件数が457件、頻度としてはこちらも表記上0.00となっておりますが、0.002%で、前回と同一の値でございます。死亡事例については後ほど御説明いたします。
右に行っていただきまして、バキスゼブリアでございます。10月3日までの推定接種者数が5万1937回接種。副反応疑いの報告が3件ございました。うち重篤の報告件数が2件でして、前回御報告しましたTTS疑い事例と、今回新たに御報告するアナフィラキシー疑い事例でございます。
また、症例の報告がございましたので、今回から資料1-1-2-3という形で、バキスゼブリアのラインリストも資料に追加しております。
なお、バキスゼブリアの死亡とTTS疑い事例につきましては、集計対象期間後も専門家の評価と集計を行うこととしておりまして、今回の場合は10月10日までが専門家の評価の期間、15日までが集計期間となっておりますが、死亡事例の報告はございませんでした。また、TTS疑い事例の新規の報告もございませんでしたので、前回御報告した1症例となっております。
続いて5ページ目、マル4、副反応疑い報告の報告基準別報告件数をご覧ください。
報告基準に定められた症状を集計した表となります。
まずアナフィラキシーですが、10月3日までに医療機関からコミナティで2,423件、モデルナで394件、バキスゼブリアで1件の疑い事例の報告がございます。
続いてTTSでございますが、8月3日以降集計しておりまして、コミナティで29件、モデルナで8件、バキスゼブリアで1件の報告でございました。
資料1-2-1、薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況についてをご覧ください。
2ページ目のマル1、週別報告件数の表の一番下の部分でございます。
まず、コミナティでございますが、重篤なものを集計しておりまして1万4208件、頻度としては0.01%で、前回と同一の値でございます。死亡事例は後ほど御説明いたします。
続いて真ん中のモデルナですが、副反応疑いは1,709件報告されておりまして、頻度としましては表記上0.01%ですが、正確には0.0062%、前回の0.0053%から大きな変化はございません。死亡事例は後ほど御説明いたします。
一番右のバキスゼブリアでございますが、今回の集計対象期間までに3件の報告がございました。こちらにつきましても、各事例の詳細につきましては資料1-2-2-3と資料1-2-3-3を新たに作成し、資料としてお示しております。死亡事例の報告はございませんでした。
3ページ目をご覧ください。アナフィラキシー疑い事例の報告件数については、コミナティで2,757件、モデルナで449件、バキスゼブリアで1件報告されております。
TTS疑い事例の報告件数につきましては、コミナティが32件、モデルナで2件、バキスゼブリアで1件の報告でございます。
なお、バキスゼブリアのTTS疑い事例の1件でございますが、前回の症例を企業からも報告したものになりますので、新たな症例の報告があったというものではございません。
ブライトン分類評価後の件数は、後ほど資料1-4と資料1-5にて御説明いたします。
続きまして、資料1-3-1「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(コミナティ筋注、ファイザー株式会社)」をご覧ください。
コミナティの死亡事例について御報告いたします。
資料1-3-1の1ページ目、「1.報告状況」の部分でございます。前回の集計対象期間以降、副反応疑い報告におきまして、医療機関または製造販売業者から死亡として報告された事例が新たに66件ございまして、10月3日までに報告された事例につきましては計1,218件となっております。なお、こちらの数値は重複と取下げ事例を除いた数字となっております。
2つ目の○の部分でございますが、集計対象期間外の、10月4日から15日までに死亡として報告された事例が新たに50件あるという状況でございます。
「2.専門家の評価」の部分でございまして、1,218事例を対象に、ワクチンと死亡との因果関係について専門家の評価を実施しております。結果としましては、βが6件、γが1,212件となっております。
以降のページは、死亡事例のラインリストと集計を行っておりますが、前回御審議いただきました10代、20代の心筋炎疑い事例に関連しまして1点御報告させていただきます。
かなり飛びまして159ページでございます。表の一番下の部分、No.1209というものになります。27歳男性の事例でございます。9月5日に1回目接種、9月17日より発熱、呼吸苦があり、悪化しまして、21日に緊急搬送、来院時に急性心不全による呼吸不全があったと報告されております。心エコーと血液検査の結果から心筋炎と診断したと報告されております。
他要因の可能性としましてはウイルス性心筋炎が挙げられておりまして、報告者の意見としまして、一般的なウイルス性心筋炎で矛盾はしないが、ワクチンの影響も否定できないと報告されております。
専門家の因果関係評価の結果は、γとなっております。
続きまして、資料1-3-2「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(モデルナ筋注、武田薬品工業株式会社)」をご覧いただければと思います。
モデルナの死亡事例について御報告いたします。
1ページ目の「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに4件ありまして、10月3日までに報告された事例は計37件となっております。また、集計対象期間外の部分としまして、10月4日から15日までに死亡として報告された事例が7件ございました。
「2.専門家の評価」の部分でございまして、10月3日までに報告されました37事例を対象に、専門家の評価を実施しております。βが1件、γが36件となっております。
モデルナにつきましても、10代、20代の心筋疑い事例について御報告いたします。8ページでございます。
No.44、24歳男性の事例でございます。2回目接種翌日、38度台の発熱あり。接種2日後、解熱するも頭痛を訴えていた。接種3日後出勤していなかったことを契機としまして、自宅で死亡しているところを発見されたという事例でございました。
死因としましては、解剖の結果、急性心筋炎と報告されておりまして、報告医の評価では、因果関係は評価不能、専門家による評価は実施中ですので、次回お示ししたいと思います。
続きまして、資料1-4-1「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑いとして製造販売業者から報告された事例の概要(コミナティ筋注、ファイザー株式会社)」をご覧いただければと思います。
1ページの「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、製造販売業者からアナフィラキシー疑い事例として報告されたものが新たに221件ありまして、10月3日までに報告されたアナフィラキシー疑い事例は計2,757件となっております。
「2.専門家の評価」の部分でございますが、専門家の評価を実施しまして、結果については表でお示ししております。
概要については2ページ目の一番上の部分でございまして、ブライトン分類1~3に該当するものの報告件数は100万回当たり3.7件となっております。
これまでの推移につきましては、後ほど資料1-6-1の中でお示ししたいと思います。
続きまして、資料1-4-2、アナフィラキシー疑い事例のモデルナ筋注をご覧いただければと思います。
1ページ目、「1.報告状況」の部分でございまして、前回の集計対象期間以降、モデルナ筋注の副反応疑い報告におきまして、アナフィラキシー疑いとして報告された事例が新たに60件ありまして、10月3日までに報告されたアナフィラキシー疑い事例は計449件となっております。
「2.専門家評価」の部分でございますが、この449事例を対象に専門家の評価を実施しておりまして、ブライトン分類1~3に該当するものが44件でございます。
2ページ目に100万回当たりのブライトン分類1~3の報告件数を記載しておりますが、1.6件となっております。
続いて資料1-4-3「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑いとして医療機関から報告された事例の概要(バキスゼブリア筋注、アストラゼネカ株式会社)」をご覧いただければと思います。
今回の集計対象期間までに、バキスゼブリア筋注につきましてもアナフィラキシー疑い事例の報告がございましたので、今回より資料を作成しております。
資料のデータにつきましては、医療機関からの報告に基づいたものとしておりまして、mRNAワクチンにおきましても当初は医療機関からのデータを使用しておりましたが、その後、事例が集積するに当たりまして、企業の調査内容も追加されました製造販売業者からの報告に切り換えたという経緯がございます。バキスゼブリアについても、まずは速報性に優れる医療機関からのデータに基づきまして、ブライトン分類評価を実施しております。
1ページ目の「1.報告状況」でございます。バキスゼブリア筋注の副反応疑い報告におきまして、10月3日までに医療機関から1件報告されております。
「2.専門家の評価」の部分でございますが、ブライトン分類評価の結果は4でございました。現時点でブライトン分類1~3に該当する事例はございませんので、以降の説明は省略したいと思います。
続いて資料1-5-1、新型コロナワクチン接種後のTTS疑い事例をご覧いただければと思います。
1ページ目の「1.報告状況」となります。前回の集計対象期間以降、コミナティ筋注の副反応疑い報告におきまして、製造販売業者からTTS疑いとして報告された事例が新たに9件あり、10月3日までに報告されたTTS疑い事例は計32件となっております。
「2.専門家の評価」でございますが、この32事例を対象に専門家の評価を実施しておりまして、ブライトン分類1~3に該当するものが10件ございました。また、いずれの因果関係評価の結果もγでございます。
3ページ目の一番上の参考2をご覧ください。100万回当たりのレベル1~3の報告件数でございます。0.2件でして、前回と同一の値となっております。
続いて資料1-5-2、新型コロナワクチン接種後のTTS疑い事例のモデルナ筋注をご覧いただければと思います。
1ページ目、「1.報告状況」となります。前回の集計対象期間以降、モデルナ筋注の副反応疑い報告におきまして、TTS疑い事例として報告された事例が新たに1件ありまして、10月3日までに報告されたTTS疑い事例は計2件となっております。
「2.専門家の評価」の部分でございますが、この2事例を対象に専門家の評価を実施しておりまして、結果としてはブライトン分類2と4が1件ずつ、因果関係評価の結果は両方ともγとなっております。
最後に資料1-5-3、新型コロナワクチン接種後のTTS疑い事例のバキスゼブリア筋注をご覧いただければと思います。
報告状況につきまして、1ページ目の1をご覧ください。前回の集計対象期間以降、TTS疑い事例として報告された事例はございませんでしたので、10月10日までに報告された事例は、前回御報告した1症例となっております。また、集計対象期間外の先週までに報告された事例もございませんでした。
こちらの症例の臨床経過につきましては、資料1-2-3-3にてお示ししておりますので、適宜御参照いただければと思います。
専門家の評価につきましては5ページ目をご覧ください。本症例はブライトン分類1、かつ因果関係はγという評価でございました。前回の御審議におきまして、症状発現前の血小板数のデータがない場合は因果関係をどう評価するのかという御議論がございましたので、補足したいと思います。
表の右から4番目の「専門家の意見」の項をご覧ください。後段の部分でございますが、血小板減少については、血液疾患の既往を判断するために接種前の血小板の値を確認したいところですが、最終的に回復した値を参考に推測は可能であると考えます、とコメントいただいておりまして、具体的には、救急要請時には4.4万だった血小板数が、最終報告時点では16.4万まで回復が見られております。
また、専門家の意見の部分に戻っていただきまして、除外診断以外でTTSの可能性を考察するのであれば、少なくともTTSで発現が認められている抗PF4抗体検査(ELISA法)の測定結果を待ちたいと考えます、とされておりました。ついては、最終的には現在実施中と報告されておりますELISA法による抗PF4抗体の検査結果をもちまして、因果関係の評価結果を改めて実施したいと考えております。
資料の説明は以上となります。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
続いて資料1-6-1から資料1-6-3について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
それでは、資料1-6-1「副反応疑い報告の状況について」のスライドをご覧ください。
2ページ目は目次をお載せしてございます。
3ページ目以降でございますけれども、まず、年齢・性別別の推定接種回数及び資料1-1-1及び資料1-2-1における副反応疑い報告全体の頻度等についてお載せしているスライドを御紹介してまいりたいと思います。
3ページ目、4ページ目、5ページ目につきましては、それぞれファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチン、アストラゼネカ社ワクチンの年齢・性別別の推定接種回数を載せているものでございます。
6ページ目、7ページ目は、ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチン、アストラゼネカ社ワクチンにつきまして、それぞれの接種回数、それぞれの副反応疑い報告の件数及び頻度等を載せているものでございますので、御参照いただければと思います。
8ページ目、9ページ目、10ページ目もそれぞれ資料1-1及び資料1-2-1に対応しておりますけれども、ファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社の医療機関報告及び製造販売業者報告の頻度につきまして年齢別でお載せしているものでございますので、御参照いただければと存じます。
続きまして、12ページ目以降をご覧ください。こちらからは、新型コロナワクチンにおいて死亡として報告された事例についてのまとめとなってございます。
まず、12ページ目におきまして、3社のワクチンを接種後に死亡として報告された事例の概要をまとめたものをお載せしてございます。
ファイザー社ワクチンにおきましては、今回の審議会、データロックといたしましては10月3日でございますけれども、死亡として報告された事例は1,218件です。症状の概要に記載された死因等につきましては、これまでと同様、虚血性心疾患、心不全、肺炎等となってございます。
武田/モデルナ社ワクチンにつきましては、今回の審議会までに死亡として報告された事例は37件ということで、症状の概要に記載された死因等につきましては、これも以前と同様、出血性脳卒中、虚血性心疾患等となってございます。
10月15日までにアストラゼネカ社ワクチンで死亡として報告された事例はございませんでした。
続きまして、13ページ目をご覧ください。こちらは今、御紹介申し上げましたファイザー社ワクチンにおいて死亡として報告された1,218事例につきまして、報告書に記載のございました死因と関連する可能性のある症状名等を計上してまとめたスライドでございます。
今回も死亡として報告された事例数の1%を超えた13例以上の死因等について記載しておりまして、13例以上でありましても具体的な疾患を想起できない心肺停止等はその他に記載しており、死因を想起できるいずれの病名も読み取ることが難しいものにつきましては不明として分類しております。
いつものことでございますけれども、こちらに列挙した症状名等は、ワクチンとの因果関係が示されたものではなく、例えばアナフィラキシー等が原因で死亡したことを意味するものではないことに御留意いただければと存じます。
また、昨今、症例数が増えてまいりまして、これまでに引き続きまして最新の情報を整理しておりますが、注釈の1や6にありますように、同一症例と判明した場合や取下げ症例の取扱いについても対応しておりますため、疾患によっては前回と比較して小さな数値となっていることもあり得ますことを御了解いただければと考えてございます。
長くなりましたが、内容面でございます。まず、上位の疾患についてでございますけれども、虚血性心疾患、心不全、肺炎等々、前回と大きな変わりはございませんで、全体の傾向も大きな変更はないと考えてございます。
以前から注目しております。65歳未満の症例につきましては、前回の112例から138例となっております。65歳未満の症例については、バックグラウンドデータを用いて検討させていただいております虚血性心疾患あるいは出血性脳卒中がそれぞれ15例や24例となってございますけれども、以前と比較しまして傾向に変化はない状況と考えております。
続きまして、14ページ目をご覧ください。こちらは、モデルナ社ワクチンにおいて死亡として報告された37事例につきまして、同様に、報告書に記載のありました死因と関連する可能性のある全ての症状名等をまとめたスライドでございます。
65歳以上ですと6例、65歳未満ですと30例の報告がございました。
65歳未満の上位の疾患といたしましては、ファイザー社と同様、出血性脳卒中や虚血性心疾患が計上されておりますが、こちらも引き続き推定接種回数から概算される報告頻度に変化はないと考えてございます。
モデルナ社ワクチンの死因等につきましても、引き続きその報告状況を注視しつつ、系統的に症状名等を計上し、御議論いただけるようにしていきたいと考えてございます。
また、少し資料は飛びまして恐縮でございますけれども、参考として、参考資料の65ページから67ページに、10月1日の審議会におきまして、若年者の死亡として報告された事例の頻度についての検討をしていただきましたもの、また、79ページ目以降につきましては、これまで審議会で御議論を深めていただいております注目すべき疾患に関する評価の取組についてまとめた資料を掲載させていただいております。こちらは、事務局といたしましても引き続き活発に御議論、御審議いただける資料づくりに努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
ページをお戻りいただきまして、15ページ目をご覧ください。こちらは日本におけるファイザー社ワクチン接種後に死亡として報告された事例の報告件数ということで、全体数を経時的に示したものでございますけれども、引き続きその報告頻度につきましては直近100万人当たりですと16.1件、100万回当たりですと8.6件ということで、漸減傾向が続いている状況でございます。
16ページ目は、海外の状況でございます。
17ページ目はモデルナ社ワクチンにおける接種後に死亡として報告された事例の報告件数ということで、直近の値は、100万人当たりですと2.4件、100万回当たりですと1.3件ということで、同様の推移が続いてございます。
18ページ目は、海外のモデルナに関する情報でございます。
19ページ目はアストラゼネカ社でございますけれども、こちらは日本からの報告はございませんので、海外情報のみを載せてございます。
続きまして、20ページ目以降につきましては、アナフィラキシー疑いとして報告された事例について載せてございますけれども、ファイザー社ワクチンとモデルナ社ワクチンにつきましては大きな傾向に変化はございませんので割愛させていただきます。
今回、アストラゼネカ社接種後にアナフィラキシー疑いとして報告されたものがございましたので、27ページ目、28ページ目としてまとめさせていただきましたので、海外情報等を含めてご覧いただければと考えてございます。
続きまして、29ページ目以降をご覧ください。こちらは先週の審議会で活発に御議論いただきました内容でございまして、日本の報告件数あるいは報告頻度につきましては、前回と同様の数値をお示ししているものでございます。
30ページ目におきましては、ファイザー社ワクチン接種後における心筋炎関連事象疑い報告の状況についてのスライドでございまして、先週の再掲となってございます。
31ページ目はモデルナ社ワクチンについての心筋炎関連事象疑い報告の状況について、32ページ目についてはアストラゼネカ社ワクチンの心筋炎関連事象疑い報告の状況についてということで載せてございます。
33ページ目も先週の審議会で御議論いただきました内容と同様のものとなってございますけれども、今回の審議会、10月3日までの報告件数及び報告頻度につきまして載せたものと、前回の10月1日、データロックとしましては9月12日までのものを、それぞれファイザー社ワクチンと武田/モデルナ社ワクチンについて載せたものでございまして、ワクチン間の被接種者の属性等が異なることに留意が必要ではあるが、最新の年齢・性別別の報告頻度の解析では、男性においては、10代に加えて20代についてもファイザー社ワクチンに比べて武田/モデルナ社ワクチン接種後の報告頻度が高いことが確認されたというスライドでございます。
続きまして、34ページ目をご覧ください。こちらは以前より掲載しておりました国内の新型コロナ感染症の入院患者における心筋炎関連事象についてまとめた資料でございます。
こちらは新型コロナウイルス感染症と診断され入院した症例5万1365症例のうち、集計可能であった者のうち10歳以上の例について、心筋炎関連事象を合併したと考える者について集計したものでございます。
ワクチンのリスクベネフィットを比較考慮するに当たりましては、岡部先生からもお話を頂戴いたしましたように、大前提としてそもそもの感染症の脅威を踏まえつつ、次にその疾病を抑制するワクチンの利益、すなわちベネフィットと副反応、リスクを総合的に俯瞰する必要があると考えられます。
こうした中、こちらの資料は比較の一つの参考となる資料として、様々なリミテーションはあると認識してございますけれども、現時点でお示ししている国内のデータとして御参考にしていただければと思っている資料でございます。
今回特に10代、20代の男性で注視されているワクチン接触後の心筋炎関連事象疑いの頻度と比較するに当たりましては、10代、20代のデータが重要であろうという御指摘を頂戴いたしましたので、今回対応する10代、20代の男性のコロナ感染症後の心筋炎関連事象を合併したと考えられる者についてのデータをご覧いただける資料としてございます。
前回の資料では、15歳から40歳未満の者におきましては、100万人当たり男性834人という数値でございましたけれども、今回は当該世代の男性については表中の最下段、左から4つ目でございますけれども、100万人当たり893人ということが見てとれる資料となってございますので、御参照いただければと存じます。
また、35ページ目につきましては先週の審議会の資料と同様でございますけれども、海外の情報として、新型コロナ感染症の心筋炎の合併のリスクについて、文献的に論じられているものを再掲してございます。
ページ番号36が抜けてございますけれども、36ページにおきましては、まとめとしまして心筋炎等の発症頻度を比較するスライドを載せてございます。
37ページ目におきましては、ワクチンの非接種群についての心筋炎関連事象の発生者についてのデータということで、以前から載せているものを参考資料として載せさせていただいております。
38ページ目、39ページ目をご覧ください。こちらも先週の審議会と同様のものとなりますけれども、海外と、全数として心筋炎関連事象の報告についての状況をお示ししているものでございまして、それぞれファイザー社ワクチンと武田/モデルナ社ワクチンについての発生状況をお載せしたものでございますので、御参照いただければと存じます。
40ページ目をご覧ください。こちらは先週、10月15日の審議会に頂戴した意見をまとめたスライドでございます。「ワクチン接種後の心筋炎関連事象に関する審議会御意見」ということでまとめさせていただいております。
まず1つ目でございますけれども、心筋炎関連事象については、いずれのワクチンにおいても、COVID-19感染症による発生率と比較して、ワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回ると評価でき、全年代において、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられると御結論いただきました。
ただし、10代、20代の男性については、ファイザー社ワクチンに比べてモデルナ社ワクチン接種後の心筋炎関連事象が疑われる報告頻度が明らかに高いことから、十分な情報提供の上、ファイザー社ワクチンの接種も選択できることとする。なお、本人がモデルナ社ワクチンの接種を希望する場合は、COVID-19感染症に合併する心筋炎関連事象の発生頻度よりは低いことから、接種可能のままとする等々、御意見を頂戴いたしましたので、こちらにまとめさせていただきました。
41ページ目をご覧ください。こちらは先週、10月15日の審議会の内容を反映しまして、ウェブサイト(Q&A)におきまして、若年男性において注視されている心筋炎関連事象の報告と頻度について、最新の情報を周知及び注意喚起を行ってございますので、ご覧いただければと存じます。
42ページ目におきましては、それぞれコミナティ及びモデルナ筋注の添付文書の改訂を行いましたので、御報告となります。
43ページ目をご覧ください。ワクチン接種後に報告される心筋炎関連事象疑い報告の状況を御審議いただくに当たりましては、その臨床経過が重要であると認識してございます。
国内の転帰状況につきましては、今回の資料番号で言いますと資料1-6-2及び資料1-6-3としてお示しております。
最新の転帰の情報につきましては、毎回の審議会ごとに常にその情報を収集し、更新するように努めており、特に資料1-6-2、製造販売業者報告としてまとめてございます。
他方、国内の情報のみならず、海外での状況を踏まえることも重要でございますので、その情報につきましては今回、多屋委員におまとめいただきました。概要といたしましては、ワクチン接種後の心筋炎関連事象の臨床経過については多くが軽症であるところと存じますけれども、こちらの詳細につきましては、後ほど多屋委員からも御紹介、御説明いただきたく思ってございます。
44ページ目以降が、海外からの最新の情報をアップデートしたものでございます。
まず、44ページ目をご覧ください。こちらは米国、欧州における心筋炎関連事象における最新の報告及び対応状況についてでございます。
米国の中段のところをご覧いただければとございますけれども、10月18日更新の情報となりますが、CDCは12歳以上の全ての人に対し新型コロナワクチンの接種を推奨する。10月13日時点で、新型コロナワクチンを接種した30才以下の者において、1,638件の心筋炎関連事象の報告を受けた。ほとんどの症例がmRNAワクチン接種後に報告されており、特に成年男性と若年者において報告された。フォローアップによりCDCとFDAは945件の心筋炎関連事象の報告を確認したという報告がございました。
45ページ目をご覧ください。こちらは英国における心筋炎関連事象に対する報告及び対応の状況というスライドとなります。
英国におきましては、ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチンにおいて心筋炎関連事象の報告数が高い傾向が一貫して確認されており、男性2回目接種直後に高頻度に発症している。それぞれの製品情報において心筋炎関連事象の事例やそれらの重大な症状への注意喚起が記載されている。いずれの新型コロナワクチンにおいても18歳から49歳の年齢の層において心筋炎関連事象の報告率が最も高く、現時点では18歳未満の年齢層において心筋炎関連事象のリスク増加は示唆されていない。
これは原文のままでございますけれども、英国では、1年間に100万人患者当たり60例の心筋炎の新規症例が診断されているという内容の記載がございました。また、MHRAは新型コロナワクチンに関する心筋炎関連事象の報告について引き続き注視していくとされてございます。
また、下段におきまして、表として新型コロナワクチンに関連した心臓の炎症、すなわち心筋炎が疑われる副反応の報告率ということで、御参考いただける資料がございましたので、ご覧いただければと考えてございます。
現時点で、英国におきましてはファイザー社ワクチンとモデルナ社ワクチンを分けるような記載は確認されてございません。
46ページ目をご覧ください。こちらはカナダにおける情報でございまして、基本的に先週15日の審議会と同様の内容となってございます。
47ページ目、48ページ目におきましては、北欧の情報となってございます。
48ページ目、フィンランドに関するところをご覧ください。フィンランド保健福祉研究所は、自治体宛てに30歳以下の男性にはファイザー社ワクチンのみを提供するよう指示した。北欧のフォローアップ調査によれば、心筋炎の相対的な発症はファイザー社ワクチンよりもモデルナ社ワクチンにおいて多く、ワクチン接種後の心筋炎のリスクは若年男性において女性よりも高い。ワクチン接種後の心筋炎はmRNAワクチンの2回目接種後、2週間以内の若年男性において最も多い。モデルナ社ワクチンの年齢制限に関するTHLのガイドラインは予防的な措置であり、調査結果が明らかとなる11月にレビューされる予定である。女性と30歳以上の男性で接種後に心筋炎を発症するリスクは若年男性と比べて著しく低い。フィンランドでは、12歳から39歳の男性の被接種者において、心筋炎がファイザー社ワクチン38.1万回接種のうち6件、モデルナ社ワクチン4.9万回接種のうち5件以下といった情報がございました。
これらの情報に関しましては、事務局としましても引き続き最新の情報を収集して、御審議いただければと考えてございます。
49ページ目以降をご覧ください。それぞれ50ページ目、51ページ目、52ページ目におきまして、血小板減少を伴う血栓症(TTS)疑いとして報告された事例についておまとめしておりますので、ご覧いただければと存じます。
53ページ目につきましては海外の情報も並べて記載してございますので、御参照いただければと存じます。
最後、54ページ目以降が論点のまとめでございます。
まず、死亡例に関する考え方ということで55ページ目をご覧ください。
個々のワクチン後に生じる有害事象の因果関係の評価に当たっては、個々の事例の丁寧な情報収集及び評価は重要である一方で、個々の事象においてはその因果関係の有無を確定できないことも多く、報告数が増加しつつある現状においては、個々の事例について専門家による評価を行っていくとともに、接種対象者の属性等にも留意しつつ、集団としてのデータを系統的に検討していくことという状況でございます。
「最新の死亡例の報告状況の整理」ということで、青囲みのところをご覧ください。
副反応疑い報告制度において、ファイザー社ワクチン接種後の死亡例として報告されたものは10月3日までに1,218件、モデルナ社ワクチンについては37件、アストラゼネカ社ワクチン接種後については、現時点で死亡として報告された事例はございませんでした。
これまで報告された症状につきましては、虚血性心疾患や出血性脳卒中等が報告されております。これまでの審議会において、特に注目すべき疾患として虚血性心疾患等に関し、ファイザー社ワクチンについて人口動態統計を用いた非ワクチン接種群との比較検討を行ってきておりますけれども、これまでに、ワクチン接種群において死亡が多いことが明らかになった疾患はございませんでした。また、特に注目すべき若年者の死亡として報告された事例の頻度についても人口動態統計を用いた非ワクチン接種群との比較検討を行いましたが、ワクチン接種群において頻度が上回ることはございませんでした。
専門家による評価では、以下のとおりとなってございます。
論点のまとめといたしましては、現時点においては、個々の死亡事例について新型コロナワクチンとの因果関係があると結論づけることのできた事例は認めず、新型コロナワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係が統計的に新たに認められた疾患もない。
引き続き集積する事例に関する情報を収集し、丁寧に評価を行っていくことにより、接種対象者の属性等に留意しつつ集団としてのデータを系統的に検討していき、接種と因果関係のある疾患がないかを⾒極めていく。
死亡例の報告に関しては、被接種者の属性や海外の報告状況も鑑みても、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしてよいかということで、御審議いただきたいと考えてございます。
56ページ目におきましては、アナフィラキシーに関する考え方としてまとめてございますので、御審議いただければと考えてございます。
57ページ目をご覧ください。こちらは先週15日の審議会での御議論の内容及び最新の報告状況等を踏まえまして、「心筋炎関連事象に関する考え方」ということでおまとめさせていただきました。
まずは青囲みの部分をご覧ください。
個別の事例としての分析に関しては、国内で報告があった心筋炎関連事象に係る副反応疑い報告事例について、現時点においては引き続き、専門家評価により「因果関係が否定できない」とされた事例はございません。
集団としての分析に関しては、引き続き、以下の状況が認められております。
COVID-19感染症により心筋炎を合併する確率は、ワクチン接種後に心筋炎を発症する確率と比較して高い。ワクチン接種後の心筋炎については、国内外において、若年男性で2回目接種後数日以内の発症報告が多い。
また、ワクチン間の被接種者の属性が異なることに留意が必要であるが、国内における年齢・性別別の報告頻度に係る集団的な解析では、ファイザー社ワクチンにおいては20歳代男性の報告頻度が多く、武田/モデルナ社ワクチンにおいては10歳代及び20歳代男性の報告頻度が多く、現時点においては、10歳代及び20歳代男性については、ファイザー社ワクチンに比べて、モデルナ社ワクチン接種後の報告頻度が高い。
心筋炎関連事象の転帰は、発症しても軽症であることが多いとされている。国内で報告があった若年男性の事例では、重症例も報告されているが、引き続き、転帰が確認可能であった多くの事例で、軽快または回復が確認されている。
これらを受けまして、まとめでございます。
10歳代及び20歳代の男性については、ファイザー社ワクチンに比べて、モデルナ社ワクチン接種後の心筋炎関連事象が疑われる報告頻度が明らかに高いことから、十分な情報提供の上、ファイザー社ワクチンの接種も選択できることとする。なお、本人がモデルナ社ワクチンの接種を希望する場合は、COVID-19感染症に合併する心筋炎関連事象の発生頻度よりは低いことから、接種可能のままとする。
国内の接種状況を踏まえつつ、国内の心筋炎関連事象疑い報告の状況や海外における報告状況を注視していく。最新の情報の周知や、接種後には無理をせず、胸痛などの症状出現時に早期受診を勧めるなどの注意喚起を行っていく。また、重症例や予後不良例などについての情報収集も行い、仮に状況に変化が生じた場合には、必要に応じ、審議会で柔軟に検討していく。
年齢・性別別の報告頻度に係る解析結果を踏まえ、引き続き、若年男性も含めて、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えてよいかということで、御審議いただければと考えてございます。
58ページにつきましては、TTSに関する考え方ということで、御審議いただきたいと考えてございます。
59ページ目が、最後にまとめのスライドとなります。
上段は、年齢・性別別に係る副反応疑い報告全体の報告頻度についてまとめたものでございまして、全体のまとめといたしましては、死亡、アナフィラキシー、心筋炎関連事象、TTS、年齢・性別別の解析、上記の各項目に係る検討も含め、現時点において、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、引き続き国内外の情報を収集しつつ、新型コロナワクチンの接種を継続していくこととしてよいかということで、御審議いただきたいと考えてございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
ただいまの説明資料の中で、新型コロナワクチン接種後の心筋炎の臨床経過の資料がございました。多屋委員から参考資料が提出されております。多屋先生、説明をお願いいたします。
○多屋委員 多屋です。
それでは、提出いたしました資料に沿いまして、説明させていただきます。
私が所属します感染症疫学センターの予防接種部門の複数の職員で海外等の論文をレビューいたしました。その結果をまとめたものがこの資料となります。
これまでの海外の報告によりますと、海外でも日本と同様、若年男性の2回目接種後に発生頻度が高いというのは変わりない傾向でした。
また、同報告によれば、心筋炎関連事象の臨床経過については多くが軽症である。これも日本と変わりなく、海外の論文でもそのように記載がされていました。
その中で、2つの論文を取り上げて、内容をまとめました。
1つ目はThe New England Journal of Medicineに掲載された最近の論文ですが、イスラエルからの報告です。イスラエルの国民の16歳以上、約500万人がファイザー社製のワクチンを2回接種しました。その時点で、後方視的に研究した結果です。その結果、ブライトン分類1または2の心筋炎が136件探知されたようです。
ワクチン導入前と比較した結果、ワクチン接種後の心筋炎発生比率は、2回目接種後の16歳から19歳の男性で最も高かったということで、数字が紹介されています。136人中129人、95%は軽症と判断されています。
症状としては、95%が胸痛、46.7%が発熱、12.5%が呼吸困難です。
検査所見としては、トロポニンI/Tの上昇は100%に認められ、CRP上昇が86.7%、心電図変化が69%、心エコーによる心拍出量は4人を除いて正常から軽度減少、48人に施行したcMRIでは軽度から中等度の後期ガドリニウム増強でした。
転帰としては、129人が軽快、平均入院期間が3~4日、ほとんどの患者さんが非ステロイド系の抗炎症薬、NSAIDs治療が行われて、軽快されています。
2つ目の論文ですけれども、これも最近Circulationに掲載されているものですが、米国心臓学会雑誌掲載の新型コロナワクチン接種後心筋炎関連事象に関する総説となります。
12の論文、症例報告から61の報告例をまとめておられますが、全て入院例で、98%が男性、平均年齢が26歳、1例以外はmRNAワクチン接種後、89%が2回目接種後発症です。接種後平均2.4日後に発症されています。100%が胸痛あり、入院期間は平均4.6日、89%が軽快。この論文の報告時点では、23人中7人は胸部不快感を訴えフォロー継続と記載されていました。
以上のことから、海外も日本と同様に多くは軽症であるという傾向には変わりはないのだと思います。しかしながら、今後も注意深く情報収集は継続していく必要がありますし、これぐらいの頃にこういう症状があることがあるということを丁寧に説明して、症状を認めたワクチンを受けた方については、適切な医療につなげていく必要があるのではないかと考えました。
以上です。
○森尾座長 多屋委員、海外報告のまとめと提言につきまして示していただきまして、ありがとうございました。これにつきましては、心筋炎のところでまた議論が深まればと思っております。
それでは、ただいま、これまでの副反応疑い報告の状況について説明をいただきました。そして事務局のほうからの論点が示されておりますので、順を追って、これに沿って進めていきたいと思います。
まずは死亡事例についてでございます。資料1-6-1に戻っていただきまして、55ページにおいて事務局から論点が挙げられております。少し読み上げさせていただきます。
現時点においては、個々の死亡事例について新型コロナワクチンとの因果関係があると結論づけることのできた事例は認めず、新型コロナワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係が統計的に新たに認められた疾患もない。
引き続き集積する事例に関する情報を収集し、丁寧に評価を行っていくことにより、接種対象者の属性等に留意しつつ集団としてのデータを系統的に検討し、接種と因果関係のある疾患がないかを⾒極めていく。
死亡例の報告に関しては、被接種者の属性や海外の報告状況も鑑みても、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしてよいかというまとめでございます。
委員の皆様から何か御意見、御質問等がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
大きな傾向の変化はないということを示していただいていると思います。
よろしければ、次に移りたいと思います。
続きまして、アナフィラキシー疑いとして報告された事例について、資料1-6-1の56ページでございます。
こちらは、読み上げはございませんでしたけれども、現時点において引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないのではないかということでございます。
こちらにつきまして、委員の皆様から何か御意見はございますでしょうか。
アナフィラキシーにつきましては大分事例も多くなってまいりまして、一定の傾向となる中で、これからロット間によって出てくるかどうかという点については注意すべき状況かとは認識しておりますが、委員の皆様から何かございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
それでは、次に心膜炎・心筋炎についてに移りたいと思います。心筋炎関連事象として報告された事例について、57ページに事務局から論点が挙げられております。
前回、心筋炎・心膜炎つきまして皆様に活発に御議論いただいたところでございますが、今回若干の文言が加わった形で提示をされていると認識されております。重症例等に関する留意という事項でございます。先ほど多屋委員からも資料を提出いただきましたけれども、今回の取りまとめにつきまして、委員の皆様から何か御意見がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 この論点も非常によくまとめられていらっしゃると思うのですけれども、2番目の○の1行目から2行目で、最新の情報の周知や、接種後には無理をせず、胸痛などがあったら早期受診を勧めるなどの注意喚起を行っていくと書いてあります。接種後には無理をせずというところが、接種した後は例えば運動を控えるとか、そういうことを意味するのか。ここの意味がよく分からなかったのですけれども、御説明いただければと思います。
○森尾座長 ありがとうございます。
事務局のほうからいかがでしょうか。
○事務局 濱田先生、ありがとうございます。事務局でございます。
御指摘のとおりでございまして、以前から何度か御説明申し上げているところでございまして、現時点において確認している限りでは、接種後に例えば安静、運動を控える等によって心筋炎が予防できるといったようなエビデンスがない一方で、小児科学会様等から、接種後、慎重に見てくださいというような御提案があるということも伺っておりまして、そうしたことも踏まえまして、一般的に接種後は無理をしないでくださいというような文言ぶりとして記載させていただいたものでございます。
○濱田委員 その部分はもう少し詳しく言わなくてもよろしいのですか。小児科学会から出ているということは、20代ということではないと思うのですけれども、10代の方の場合には、接種直後はあまり激しい運動とかは控えたほうがいいというところまで書くのか。無理をせずという日本語が、何を無理しないのかというのが分かりにくいところがあったと思いまして、もし可能であれば、何か具体的なことを書かれたほうがいいかなと思いました。
どうでしょうか。
○森尾座長 関連して、岡委員からコメントがございます。
○岡委員 これについては私も事前に資料を見せていただいて、こういった文言を入れたほうがいいのではないかということで事務局にもお話ししたという経緯がございます。
先ほど、小児科学会でというようなお話がありましたけれども、小児科学会でこういったQ&Aみたいなものを学会のホームページで出しておるのですけれども、そのときに、どのようなメッセージを伝えたらいいだろうかという点が非常に議論になりました。激しい運動を禁止するということまで言えるのかというところについてはなかなか議論がございまして、そこまでは言えないのではないかと思っております。
私自身が海外のいろいろな国のガイドライン的なものをかなり当たってみたのですけれども、シンガポール以外はどこもそれ以上は言及していないというところがあるので、激しい運動を禁止する、要するに部活を1週間するなというところまでのメッセージは言えないのではないかと考えているところです。
ただ、以前に循環器学会から参考人に出ていただいたときにもその点は御質問させていただいて、たしかこういったような文言を使われたのではないかと記憶しているのです。体調に気をつけていただくという意味で、何か表現を入れたほうがいいのではないかと私は思っているということになります。
○濱田委員 どうもありがとうございました。
○森尾座長 このままでよろしいですか。よりよい表現は難しいような気はしております。ひとまず仮置きで、今回はよろしいですか。
濱田委員にうなずいていただいているようでございます。ありがとうございます。
それでは、柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
取りまとめについての意見はないのですけれども、今回、劇症型心筋炎疑いの症例が国内から2例報告されて、先ほど多屋委員が御紹介されたNew England Journal of Medicineのイスラエルのほうからも1例、劇症型心筋炎の報告があるかと思います。極めて頻度は少ないのだと思うのですけれども、同じような報告がほかの国からあるのかということと、非接種者での劇症型心筋炎の頻度が分かれば教えてほしいのです。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
他国の文献につきましては現在調査中ですので、また追って御説明したいと思います。
新型コロナワクチン接種後ではないものとの比較という意味では、現時点では知見をお持ちしておりません。
○柿崎委員 分かりました。
○森尾座長 よろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 まとめのところで少し確認をお願いしたかったのは、青い四角の中の○の2つ目の数日以内ということの解釈は決まっていましたか。数日というのは人によって解釈が違うなと思って聞いてしまったのです。
先ほど多屋先生の話を伺って、データを拝見してすごく腑に落ちたのですけれども、2.4日が平均で、かつ、その後も不快感を残しておられる方に関してはフォローアップをされていますね。
今、2つの話が混ざってしまっているのですけれども、「2回目の数日以内」というところの大体の目安みたいなものをどのように伝えるかということと、海外のデータをどこまで反映させるのかというところです。海外の報告の扱いということで、2つのことを一遍に聞いてしまったのですけれども、教えていただけないでしょうか。
○森尾座長 ありがとうございます。
2回目接種後、数日以内というところで、何日なのか。この前、4日という値も出ていたような記憶もございます。
あと、海外のデータで出ているところがあるものを何か情報として入れるかということでございますが、事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
以前から御紹介申し上げておりますけれども、資料1-1-1あるいは資料1-2-1の一番最後のところに、多屋先生のほうでいわゆる接種後何日目でその事象が発症したかといったものをおまとめしたものを載せさせていただいてございます。
具体的に言いますと、資料1-1-1の41ページ目をご覧ください。御指摘のとおり、海外情報は、国内での報告状況が少ないあるいは接種が進んでいない段階ですと非常に有用性が高いと思いますけれども、既にたくさんの御報告をいただいておりまして、資料の41ページ目にございますように、字が小さいですけれども下から3段目のところに心筋炎の御報告ということで、接種後から発症までの期間別の報告数を多屋先生を中心にまとめていただいております。
こちらをご覧いただきますとお分かりいただけますとおり、その多くが4日目以内ということでございますので、具体的な数字をお示しすると4日目となるかと思います。事務局としましては、この数日以内という表現は4日目というのが一つの目安となっていると考えてございます。
数字を具体的にお示しすることによって、例えば5日目の方は大丈夫なのかといったような御見解も出てくると思いますので、現時点で事務局案としては数日以内と表現させていただいたものでございます。
以上でございます。
○佐藤委員 例えば平均何日とかメディアンで示すとか。何日ぐらいで詳細はここを参照、といった感じにしておいたほうがよくないですか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
こちらは一応まとめの文章でございますので、細かい数値を載せるというよりは、全体を見渡せるような文言がよろしいのではないのかということでこのような表現ぶりをさせていただいてございますので、例えば具体的なメディアンとかを少し載せるとすれば、もし可能であれば多屋先生、そういったものも御提供いただけると非常にありがたいかと思ってございます。いかがでございますでしょうか。
○多屋委員 多屋です。
もし載せるとするのであれば、その表をご覧いただくと分かりますように、確かに4日以内が多いのですが、数日というのを生かしますと、接種後2日目をピークとして数日以内とすると、もう少しイメージをつかんでいただくことができますでしょうか。
○佐藤委員 それはすごくいいと思います。
○多屋委員 ありがとうございます。
○森尾座長 そうしたら、こちらはそのような形にさせていただきます。
ちなみに、その情報というのは、パンフレットはどうなっているのでしたか。私も手元になくてすみません。後でも大丈夫です。
事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
御参考になるのが、資料1-6-1のQ&Aのところになってしまうのですけれども、41ページ目をご覧ください。字が小さくて恐縮なのですけれども、一番左側のページの下から2つ目のパラグラフとしては、ワクチン接種後4日程度にというところで載せさせていただいております。
また、リーフレットのほうでも同様に、ワクチン接種後4日程度の間にといったような記載をしております。
そのような状況でございます。
○森尾座長 佐藤委員、よろしいでしょうか。
○佐藤委員 最初のすごくたくさんのスライド、多分まとめのスライドは目に触れることが多いだろうということを考えて、リバイスしたらどうかと思って申し上げた次第です。
ただ、正確性という意味でも、安全性という意味でも、先ほどの多屋先生の御発言はとても的確な表現だなと思って伺いましたので、御考慮いただいてもいいのかなと思っています。
○森尾座長 ありがとうございます。
接種2日後をピークとして数日以内という形でまとめましょうか。
委員の皆様、もう少し言葉を追加するということでよろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
それでは、濱田委員、続いて舟越委員、質問をお願いできればと思います。
○濱田委員 度々すみません。
多屋先生、いろいろ調べていただいて、どうもありがとうございます。
2点だけ分かる範囲でお答えいただきたいのですけれども、心筋炎を起こす機序、メカニズム的な面では何か言及されていたかということと、もう一つは、イスラエルでは3回目がかなり行われているわけなのですが、3回目の心筋炎に関する情報はあるかどうか。分かる範囲でいいのですけれども、この2点を教えてください。
○森尾座長 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
最後の3回目の部分についてはまだ見つけられていないのですけれども、機序につきましては前回、循環器病学会の先生が、女性について少ないのは、ホルモンのことについては述べられていました。それから、mRNAとの分子相同だったと思いますが、そのようなことも考察としては述べられていたかと思います。ただ、まだいろいろな検討が行われているところのようです。The New England Journal of Medicineのディスカッションの部分には、そういうことが記載されておりました。
以上です。
○森尾座長 Molecular mimicry、分子模倣ですかね。ありがとうございます。
○濱田委員 分子が似ているという意味ですか。
○森尾座長 S抗原の配列で少し交差反応をするのではないかと。
○濱田委員 心筋細胞と。
○森尾座長 そうだと思います。
○濱田委員 分かりました。
○森尾座長 ただ、もちろんスペキュレーションだと思います。
多屋委員のコメントをリフレーズしただけで、申し訳ありません。
○多屋委員 ありがとうございます。
○森尾座長 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
先ほどの濱田委員の3回目と少し似ているのですけれども、供給問題等で9月17日に交互接種が限定的に可能になりましたが、先週、10月15日に今回の心筋炎の部分でモデルナ社製からファイザー社製に選択ができると審議されたところですが、交互接種について、フィンランドのほうでは心筋炎関係に対して11月までにレビューをすると。私のほうで前回も、期日とか期限は設けないのかということはコメントさせていただきましたが、今回は期日というよりは、今回の交互接種状態について、安全性を含めてどのようにレビューをしていくのかというところが、まとめの2つ目の○のところのように、重症例や予後不良例などの情報収集を行いと書いていますが、どのように分析とかレビューをしていくのかというのが少し分からないので、具体的にどのようにレビューをしていくのかということが分かりましたら、教えていただければと思います。
フィンランドも、どのようにレビューするのかなというのが逆に興味があるところで、よろしくお願いします。
○森尾座長 ありがとうございます。
交互接種データをどう集めているかということと、重症例の見直しといいますか、もう一回解析をどこら辺までの期日にするか。恐らく2つの質問かと思っておりますけれども、事務局のほうからいかがでしょうか。
最初の交互接種データのほうは、何か集まりそうなのですか。症例は少ないですよね。
事務局、お願いします。
○事務局 疑い報告ということでは1回目、2回目接種後の副反応疑い報告を集めておりますので、そういった中での評価ということになると思います。ただ交互接種の場合は数がかなり少ないと思いますし、この心筋炎は100万ぐらいのオーダーで出てくる事象でありますので、数の少ないところで何か物が言えるのかどうかというのはなかなか難しいところがあるかと思いますけれども、いずれにしても今、副反応疑い報告制度を運用している中で、このデータを使いながら可能な範囲での評価をしていくことになろうかと思います。
以上です。
○森尾座長 1点目はよろしいでしょうか。
2点目はいかがでしょうか。再解析、追加された事例でまたお示しをしてというところ、これも定期的な会議の中で測っていくという形でしょうか。
○舟越委員 分かりました。大丈夫です。
○森尾座長 重要な御指摘、ありがとうございました。
それでは、倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 論点のまとめの一番上の○のところで、この議論の中でも10代、20代の方に絞ってやっておったのですが、このようなまとめのときに、例えば30代でも若い31歳とか32歳の方々がファイザーを打ちたいと。1度目はモデルナを打ったけれども、希望としてファイザーを打ちたいなという人が出てきた場合に、どのような対応になることになるのか。やはり同様のワクチンを打ってくださいというスタンスは変わらないということになるのでしょうか。ここでは10代、20代について言っていますから、そこについては私も同感なのだけれども、人によってはこういう情報があると、30代あるいは40代の方も出てくる可能性があると思うのです。
いかがでしょうか。
○森尾座長 10代、20代以外で御希望があるときに、どのような解釈ができるかという質問だと思います。
事務局、お願いします。
○事務局 基本的に交互接種については今、例外的に認めているという状況になっています。基本的には1回目と2回目、医学的判断をして困難な場合は交互接種の対象になり得ますし、また、供給量とか引っ越しといった事情があって1回目と2回目で同じワクチンを打てない、そういう困難な場合についても交互接種ができるといった解釈になっております。
10代、20代については、今回心筋炎の話もありますので、医学的評価を踏まえて困難であるという解釈の中で選択ができることになりますけれども、30代以上につきましては、選択ではなくお医者さんと相談していただいて、1回目に副反応が非常に強くて同じワクチンが使えないとか、そういった理由があれば例外的に交互接種ができることになりますけれども、そういった特別な事情がない場合は原則同一のワクチンを使っていただくことになると考えております。
以上です。
○森尾座長 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 ということは、こういう情報があるので何となく怖いとか、こういう情報があるので私もファイザーを打ちたいと。1度目で特に重篤な副反応がなく、2度目でファイザーを使う医学的理由がないのだけれども打ちたいといった場合は、30代以降であれば同一のワクチンを打ってくださいねということが原則であるという解釈でよろしいですか。
○事務局 基本的に1、2回目は同じワクチンを使用していただくということが原則論になっておりますので、1、2回目で同じワクチンを使うことが困難であると医学的に判断した場合には別のワクチンが使えますけれども、その医学的判断というのは、個々の事例に応じて医師が御判断されることかと思います。
以上です。
○倉根委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 医師の判断によるということですね。ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
倉根委員から、前回、36ページのところの心筋炎等の発症頻度比較というところで御質問を頂戴いたしました。この有意差等についてでございます。事務局のマターとして挙げさせていただいたのですけれども、こちらについて山縣先生、コメントがありましたらお願いできますでしょうか。
○山縣委員 山縣です。
倉根先生が言われるように、比較するときには統計学的な検討は必要なのですが、今回の場合には、母集団というか対象者が異なるために、その比較を統計学的に比較するということは、今回はあえてしないほうがいいのかなとも思っております。
これは事務局からも何度か説明がありましたが、あくまでもこれは参考ということで挙げておくと。私も前回お話ししましたけれども、心筋炎が強調されることによって、ワクチンをこれまで打とうと思っていた人が打たなくなるということよりも、自然感染というか感染することによっても心筋炎関連疾患が出てきて、むしろ重篤であったり、頻度もどうも多いということも示しながら御本人に判断していただくという意味で、このような形で載せたほうがいいのではないかと思いました。
以上です。
○森尾座長 山縣委員、ありがとうございました。
倉根委員、いかがでしょうか。
○倉根委員 専門の先生方が、このデータについてはむしろ統計的な解析に適するものではない、そういう解釈であるということであれば、私自身は納得いたしました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかに委員の皆様からいかがでしょうか。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
今回御紹介いたしましたThe New England Journal of Medicineなのですけれども、ブライトン分類に基づいたレベル1とレベル2について集計、解析されましたというような記載がございました。
これまでアナフィラキシーとかTTSとか、様々にブライトン分類が用いられてきていますけれども、この心筋炎についてそういうものを活用することについては、御検討はいかがでしょうか。先生方に御報告の御負担をかけることもありますし、集計、解析にも御負担をかけますので、今すぐにということでは決してございませんが、御検討についてはいかがでしょうか。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
こちらは、事務局のほうからいかがでしょうか。事務局、お願いします。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
我々としましても、心筋炎の分析については考えているところでして、一方、今、多屋委員より御提案いただきましたような調査票の作成等も必要となってくると思いますので、対応については引き続き検討させていただきたいと思います。
○多屋委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
それでは、次にTTSにつきまして、今回、バキスゼブリア筋注についてもTTS疑い事例の報告がございました。その疑い事例につきましては、58ページにおいて事務局から論点が挙げられております。こちらにつきまして何か御質問、御意見がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
よろしいですか。現在のところ、γですけれども、追加情報によってまた評価をさせていただくということでございます。どうもありがとうございました。
それでは年齢・性別別解析について、59ページに論点が挙げられております。こちらにつきまして御意見、御質問がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
こちらも特に大きな変わりはなく、シグナルもないということで、よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
それでは、そのほか新型コロナワクチンの副反応に関連して御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
3か月に1回ぐらい事務局に確認を取っているのですけれども、医薬品であれば医薬品の副作用の患者さんの自発報告という制度があるのですが、2月にこれが始まったときに、被接種者からの自発報告みたいなものをSNSで幅広く情報を集めるというものがあったかと思います。たしか5月か8月のときには、やめるつもりはなく、やる予定ですという御発言をいただいているのですが、私の病院のエリアでも、もう2回目の接種も6~7割行っておりまして、3回目の接種の準備をしているところです。そこについて何か開発状況とか、今後もこれをやっていくつもりがあるのかということについては、ちょっと言いづらいところもあるのですが、一応確認をさせていただきたいと思います。
○森尾座長 リマインドをありがとうございました。
事務局、お願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
接種後健康状況調査につきましては、ほかのワクチンとの並びということもありまして準備を進めておりまして、準備ができ次第開始ができるように、引き続き準備を続けていきたいと思っております。
○舟越委員 分かりました。
3本柱で始めると言ったスタートだったので、基本的にそこの開発が整い次第始められるということで、またたまにリマインドさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○森尾座長 ぜひ継続的にお願いいたします。
ほかにはいかがでしょうか。
佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 ちょっと時期尚早かもしれないのですけれども、既にいろいろなニュースが出回っているので確認させてください。
3回目接種というのが医療従事者の方を優先して受け始まるということが、既に新聞にも載っていますし、ウェブのニュースにも載っています。
私たち自身は、こういう公の場ではまだうかがっていないのですけれども、今後の流れといいますか、どのような感じになっていくのか。3回目の有効性を確認して、その後、勧奨するとかという話なのか、それともすでに動く方向に動いているのかというところを教えていただけないでしょうか。
基本的に2回打てば十分な感染防止策となる、と打ち出しているという状況があって、3回目の位置づけというところを少し御説明いただければと思うのですけれども、お願いできますか。
○森尾座長 これはこの部会の所掌ではないと思いますが、室長、何かありましたらお願いします。
○事務局 追加接種、3回目接種について御質問いただきましたので、回答させていただきます。
9月17日に厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会を開催しておりまして、その分科会において、追加接種の必要性については皆様方の賛同をいただいているところであります。また、開始時期につきましては、2回目接種完了からおおむね8か月以上後ということで、皆様方の御意見をいただいているところであります。
ただし、対象者とか使用するワクチンについては引き続き議論をしていきましょうということで結論が得られていますので、今後また予防接種・ワクチン分科会を開催して、その場で意思決定をしていく予定となっております。
他方、3回目接種をするに当たっては自治体の準備も必要になりますので、今の時点では全国の市町村に対して国のほうから、2回接種が完了した方全員が3回目接種をする可能性がある。そういったことを想定して準備をしてくださいということをお願いさせていただいているところです。
いずれにしても、3回目接種をいつから、具体的に、どういう人たちに開始するのかというところにつきましては、今後予防接種・ワクチン分科会においてエビデンスを踏まえて意思決定をしていくと考えております。
以上です。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございました。
一応心構えとして知りたかったので、ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかに意見、質問等はございませんでしょうか。よろしいですか。
どうもありがとうございます。それでは、これまで議論された内容をまとめさせていただきたいと思います。
これまで確認できた内容としましては、集計対象期間における医療機関からの副反応疑い報告状況を整理すると、コミナティは0.02%、モデルナは0.01%、バキスゼブリアは0.01%であった。
死亡事例の報告状況を整理すると、コミナティについては前回の集計対象期間から10月3日までに新たに66件の死亡事例の報告がありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された1,218例については、1,212件がγ、6件がβと評価されました。また、10月4日から15日までにはさらに50件の報告がありました。
モデルナについては、前回の集計対象期間から10月3日までに新たに4件の死亡事例の報告がありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された37件については、36件がγ、1件がβと評価されました。また、10月4日から15日までにはさらに7件の報告ありました。
バキスゼブリアについては、接種開始以降、10月15日までには死亡事例の報告はありませんでした。
死亡例の報告に関しては、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられます。
アナフィラキシーについてでございます。
アナフィラキシー疑い事例の報告では、集計対象期間中に、コミナティについては製造販売業者から2,757件の報告があり、ブライトン分類レベル1~3に分類されたものは527件でした。
モデルナについては、製造販売業者から449件の報告があり、ブライトン分類レベル1~3に分離されたものは44件でした。
バキスゼブリアについては、医療機関から1件の報告があり、ブライトン分類レベル1~3に分類されたものはありませんでした。
アナフィラキシー疑いとして報告され、転帰が確認されたほとんどの例で軽快されたことが確認されています。
以上のことから、現時点においてはワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないということでよいのではないかとまとめさせていただいております。
続いて心筋炎・心膜炎についてでございます。
心筋炎関連事象に関わる副反応疑い報告事例について、現時点においては引き続き専門家評価により因果関係が否定できないとされた事例はございません。
また、COVID-19感染症により心筋炎を合併する確率は、ワクチン接種後に心筋炎を発症する確率と比較して高い状況でございます。
心筋炎関連事象の転帰は、発症しても軽症であることが多いとされています。国内で報告があった若年男性の事例では重症例も報告されていますが、引き続き転帰が確認可能であった多くの事例で軽快または回復が確認されています。
以上のことから、国内の接種状況を踏まえつつ、国内の心筋炎関連事象疑い報告の状況や、海外における報告状況を注視していきます。また、最新の情報の周知や、接種後には無理をせず、胸痛などの症状発現時に早期受診を勧めるなどの注意喚起を行っていきます。
また、重症例や予後不良例などについての情報収集を行い、仮に状況に変化が生じた場合には、必要に応じ審議会で柔軟に検討していくということでございます。
年齢・性別別の報告頻度に関わる解析結果を踏まえ、引き続き若年男性を含めてワクチン接種の体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないということでよいのではないかというまとめをさせていただきました。
多屋委員のほうから調査票の作成等についてサジェスチョンがございまして、こちらにつきましては引き続き検討させていただけたらと思っております。
次にTTS疑いについてでございます。
TTS疑い事例の報告では、コミナティについては、接種開始から10月3日までに製造販売業者からの報告において、ブライトン分類レベル1~3に分類されたものは10件でありました。また、専門家による因果関係評価では、いずれもγと評価されました。
モデルナについては、接種開始から10月3日までに製造販売業者からの報告において、ブライトン分類レベル1~3に分離されたものは1件でした。また、専門家による因果関係評価では、いずれもγと評価されました。
バキスゼブリアについては、接種開始から10月3日までに医療機関からの報告において、ブライトン分類レベル1~3に分離されたものは1件でした。また、専門家による因果関係評価では、γと評価されています。
現時点において、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないということでよいのではないかとまとめさせていただいております。
年齢・性別別解析についてでございます。
年齢・性別別解析については、年齢・性別別の解析結果を踏まえた上で、現時点においては、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるというまとめにさせていただきましたが、このようなまとめでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
今回報告のありました具体的な事例を踏まえ、3種類の新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、委員の皆様から何か御意見はございますでしょうか。
それでは、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、ここまでの審議を終わらせていただきます。
次の議題でございますけれども、資料2「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)健康観察日誌集計の中間報告(15)」について、伊藤澄信委員から御説明をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
遅参して失礼いたしました。
15回目の中間報告になりました。
8月10日で、モデルナ筋注の1回目接種が1万3220人の方々が終了しておりまして、2回目の接種者数は1万2535人になっておりますが、入力が完了しているわけではないため、最終確定値ではないと認識しております。引き続きデータ収集に努めてまいりたいと思います。
データのリバイスの部分は説明を省略させていただきますが、まず18ページをご覧いただけますでしょうか。COVID-19の感染既往のある50人のうち43人のデータを回収しております。1回目接種時に発熱、倦怠感の頻度が高いことは以前から説明させていただいておりますが、ボンフェローニ補正で多重性の補正をしても、2回目接種は頭痛の頻度が低かったということが判っております。逆に言うと、2回目接種では感染既往があってもなくても、ほとんど違いがなかったということです。
19ページに、既往がある人とない人の1回目と2回目の体温のクロス表をつくってみました。既往のない人はもちろん1回目は発熱が少なくて、2回目は多いのですけれども、既往のある人は、1回目と2回目で38度以上の発熱の頻度に、差がありません。37.5度以上のところをカットオフにすると、2回目の頻度が少し高い結果になっておりますが、微妙な数字ですので、なかなか結論は言いにくいと思います。既感染からワクチン接種までの時間を収集しておりませんが、そういったことも関係しているのかと推察いたしておりますが、残念ながらデータを収集しておりませんので、回答を持ち合わせていないということはあらかじめ御報告させていただきます。
遅延性皮膚反応の時間経過については、前回説明をさせていただいております。24ページのように遅延性皮膚反応があった人は、2回目の当初から発赤皮膚反応が強く出ます。かゆみとかも出ております。これは25ページにあるようにコミナティ筋注でも頻度は10分の1程度で、程度も弱いのですが、同様に出ています。
データが十分ではないので確定的なことは言えないのですけれども、AZのバキスゼブリアでも接種直後より少し遅れて皮膚反応が出たという健康観察日誌が回収されておりますので、当初はmRNAワクチンに特徴的なのかなと思っていたのですけれども、もしかすると、そうでもないかもしれません。
現在、引き続き調査をしておりますので、それについても御報告いたしますが、母集団が500程度なのできれいに出るかどうか分かりませんが、御本人から遅延性の皮膚反応ではないかと日誌に記載があった症例がある段階です。
このような皮膚反応を起こす人の背景因子を、多重ロジスティック回帰分析をしてみたのですけれども、背景因子によって違いがありませんでした。どういう人が起こしやすいのかに関しては、年齢と性別、30代から50代ぐらいの女性の方に多いという以外は、今のところ出ておりません。
皮膚反応ですので、アトピー性皮膚炎の方はどうかと試しに見てみたのが、26ページで、147名の方の経過です。ご覧のように、アトピー性皮膚炎の方は、かゆみとか発赤とかが出やすいのではないかと思ったのですけれども、違いはありませんでした。
この結果から、類推ではありますが、海外からの報告のように、過敏反応で、1回感作されると2回目はすぐに反応するというような状況なのではないかということが、1万人を超える大規模な調査をすると見えてくるのではないかと思います。
モデルナの筋注についてはほぼデータが固まりつつありますので、コミナティ筋注のときのように、データの収集終了後にまとめて報告させていただければと思っております。
31ページからがバキスゼブリア筋注です。厚生労働省のホームページからも広報していただいたりもしたのですが、被接種者数については伸び悩んでおります。現在は536人で、残念ながら今後増える見込みがなさそうな状況です。
バキスゼブリア筋注の2回目接種は8週後ですので、2回目のデータはまだ少数なので、今回は主として1回目のデータになります。
数が増えましたので、38ページからの年齢階層別のデータでは年齢階層と性別でデータをつくっています。年齢ごとの副反応の違いは、モデルナ筋注よりも、どちらかというとコミナティ筋注に近いかもしれません。若い人のほうが発熱、倦怠感、頭痛の頻度が高いように見えます。
43ページに年齢、性別の多重ロジスティック回帰分析結果と年齢分布を示しておりますが、男女差は他の2つのワクチン、モデルナやコミナティに比べると小さいかもしれません。ただ、nの数が違いますので、これから結論付けるのは危険ですが、データとしてそのように見えています。
SAEについては、前回説明したとおりです。
46ページに使用薬剤や病休の分布を示しております。バキスゼブリア筋注は1回目でも23%の方が病休を取られています。2日以内の病休を取られている方が99%でした。ただ、こちらは1回目ですので、ほかのワクチンは2回目でお休みが多いのですけれども、こちらは1回目でお休みが多いということだと思います。
2つのワクチンに比べて、1回目の副反応が強かったということが分かっております。2回目は弱くなるとの海外報告ですが、結果については出次第、御報告をさせていただきたいと思います。
47ページにバキスゼブリアのまとめを書かせていただいております。
報告は以上です。
○森尾座長 伊藤澄信委員、いつもありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等はございますでしょうか。
柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 詳細な検討をありがとうございます。
このコホートの方々というのは、一番最初に打たれた方たちなので、3回目接種の一番最初の対象になってくるかと思うのですけれども、その方々の3回目のデータを取る予定はあるのでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 事務局でございます。
3回目、追加接種等に関するコホート調査を実施するかどうかというのは、現時点で検討中でございまして、まだ対外的に御説明できる状況にはないところでございます。
○柿崎委員 分かりました。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
私も柿崎委員と同じように、この伊藤先生の調査は接種のことを説明するためにすごく有効で、このぐらいのことがこのぐらいの頻度で起こるということをあらかじめ接種前に言っておけることは非常によかったと思っています。大変な思いをしてやってくださっていたのだと思うのですが、ぜひ私も、3回目の接種もこのようなデータを出していただけたら本当にありがたいなと思いました。
それに関連してなのですけれども、医療関係者の方は、自治体というか市町村の枠組みの中で接種されているわけではないと思うのですが、その情報はもうお住まいの市町村のほうに届いていると思っていてよいのでしょうか。と申しますのは、3回目接種かどうかというのは市町村の方は分かり得る状況になっているのでしょうか。
以上です。
○森尾座長 事務局からお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
コホート調査に参加されている方の予防接種の取扱いですが、これはあくまで予防接種法上の予防接種として、通常と同じように取扱われておりますので、そういう意味で、市町村のほうにも、通常と同じように情報が行っているものと考えております。
○多屋委員 ありがとうございました。
○森尾座長 医療者全般にという質問でしたか。
室長、お願いします。
○事務局 初回接種の際は、先行接種、優先接種ということで医療従事者から接種が始まったわけですけれども、その時点で市町村の立場に立ちますと、誰が医療従事者なのかということが分からないですので、初回接種においては医療関係団体の皆様方の御協力を得ながら、V-SYSを使って接種券つきの予診票を発行し、それに基づいて接種をしたという経緯があります。
今回は、市町村は誰が接種したのかという接種記録は把握しておりますので、その接種記録に基づいて、8か月以上経過した方が接種できるように接種券を発行していくということになりますので、医療従事者の方に対しても市町村から接種券が届くといった形になります。ただ、いずれにしても3回目の接種につきましては、先ほど申し上げたように分科会で議論した上で実際に運用していくことになりますので、そういった状況になるということについて御理解いただければと思います。
以上です。
○多屋委員 ありがとうございました。
医療関係者の方も情報が届いているということで、理解いたしました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
それでは、本日はコロナワクチン以外の各ワクチンの安全性評価ということでも御検討いただきます。
議題3になりますが、まず事務局のほうから資料3-1から資料3-29までの説明をお願いいたします。
○事務局 新型コロナワクチン以外の全てのワクチンについて、2021年4月1日から6月末までの3か月間における副反応が疑われる症例の報告の状況について御説明いたします。それでは、資料3-1から資料3-29について説明いたします。
まずは資料3-1、MRワクチンでございます。
1ページ目の中段の表をご覧ください。延べ人数が約76万人、製造販売業者からの報告が8件、医療機関からの報告が22件、うち重篤なものが8件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.0011%、医療機関からの報告頻度が0.0029%となっております。
今回集計対象期間内での死亡症例の報告はございませんでした。
対象期間内での後遺症症例が1例ございまして、資料3-25、No.2に示しております。
専門家による因果関係評価は、γでございました。
資料3-1は以上となります。
資料3-2、麻しんワクチンでございます。
接種可能延べ人数が約1万5000人、製造販売業者からの報告が2件、医療機関からの報告が1件ございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.0132%、医療機関からの報告頻度が0.0066%となっております。
こちらは後遺症症例、死亡症例はございませんでした。
3-2は以上となります。
資料3-3、風しんワクチンでございます。
接種延べ人数が約2万人、製造販売業者からの報告は1件、医療機関からの報告は1件でございました。
報告頻度は共に0.0045%となっております。
こちらも後遺症症例、死亡症例の報告はございませんでした。
資料3-3は以上となります。
資料3-4、おたふくかぜワクチンとなります。
接種可能延べ人数は約43万人でございまして、製造販売業者からの報告が3件、医療機関からの報告が7件、うち重篤なものが5件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.0007%、医療機関からの報告頻度が0.0016%となっております。
今回集計対象期間内の後遺症症例、死亡症例はございませんでした。
7ページ目にアナフィラキシーのまとめを示しておりまして、4件報告がございます。報告された症例のうち、専門家評価によるブライトン分類が3以上とされた症例が2件ございましたので、詳細は資料3-28に示しております。
資料3-4は以上となります。
資料3-5が水痘ワクチンとなります。
接種可能延べ人数が約44万人、製造販売業者からの報告は3件、医療機関からの報告は7件、うち重篤なものが7件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.0068%、医療機関からの報告頻度が0.0016%となっております。
今回集計対象期間内での死亡症例の報告はございませんでした。
後遺症症例が1例ございましたが、資料3-1で御説明した症例と同一となりますので、説明は省略いたします。
7ページ目にアナフィラキシーをまとめたものがございます。対象期間前の症例で2件のアナフィラキシー疑い報告がございまして、専門家の評価によりブライトン分類が3以上とされた症例がそのうち1件ございました。詳細は資料3-28のNo.18に示しております。
資料3-5は以上となります。
資料3-6は帯状疱疹ワクチンでございます。
接種可能延べ人数が約7500人、製造販売業者からの報告は3件、医療機関からの報告はございませんでした。
集計対象期間内での後遺症症例、死亡症例の報告はございませんでした。
資料3-6は以上でございます。
資料3-7は23価肺炎球菌ワクチンでございます。
接種可能延べ人数が約27万人、製造販売業者からの報告は7件、医療機関からの報告は11件、うち重篤なものが2件ございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.0026%、医療機関からの報告は0.0041%となっております。
今回集計対象期間内で死亡症例はございませんでした。
後遺症症例が1件ございましたが、専門家による因果関係評価はγでございました。
また、報告対象期間後に死亡事例が1件報告されており、こちらも専門家の評価により、情報不足のためワクチン接種との因果関係評価ができないとされてございます。
13ページ目をご覧ください。医療機関からGBS疑い事例が報告されてございます。GBSについては、専門家の意見に基づきワクチンとの因果関係評価はγとされております。
資料3-7は以上です。
資料3-8はサーバリックスになります。
接種可能延べ人数が745人で、製造販売業者からの報告は2件、医療機関からの報告はありませんでした。
今回報告対象期間内に後遺症症例、死亡症例の報告はございませんでした。
資料3-8は以上となります。
資料3-9はガーダシルとなります。
接種可能延べ人数が約11万でございまして、製造販売業者からの報告が23件、医療機関からの報告が26件ございました。うち重篤なものが8件でございました。
製造販売業社からの報告頻度は0.021%、医療機関からの報告頻度は0.024%となっております。
今回報告対象期間内に後遺症症例はございませんでしたが、報告対象期間内に死亡症例が製造販売業者より1件報告されてございます。8月4日の合同部会で御説明した事例と同一の事例となっておりまして、詳細については資料3-29、No.5をご覧ください。
製造販売業者より、製品名不明、接種時期2015年、本症例は情報源がインターネット記事で医療機関が不明のため、これ以上調査は不可として報告された事例となります。専門家による因果関係評価はγでございました。
11ページ目がアナフィラキシーのまとめになります。報告対象期間内の症例では3件、報告対象期間前の症例で1件、アナフィラキシー疑い報告がございました。詳細は資料3-28に示しておりまして、ブライトン分類が3以上とされた症例はございませんでした。
12ページ目、GBS/ADEMについての評価になります。今回、医療機関からGBS/ADEMの可能性のある症例が1件報告されてございまして、同一症例ですが、それぞれGBS/ADEMの資料3-26、27に記載させていただいております。GBSについては、専門家の意見に基づいてブライトンレベルは3でございましたが、ワクチンとの因果関係はγとの評価でございました。ADEMに関しては、ブライトン分類4、ワクチンとの因果関係はγでございました。
資料3-9は以上でございます。
資料3-10はシルガード9についてでございます。
接種可能延べ人数は約1万3000人、製造販売業者からの報告は8件でございました。医療機関からの報告はございませんでした。
製造販売業者からの報告頻度は0.062%です。
後遺症症例、死亡症例の報告はございませんでした。
資料3-10は以上となります。
資料3-11、DPTワクチンについてです。
接種可能延べ人数が約2万人、製造販売業者からの報告はございませんで、医療機関からの報告は2件、うち重篤なものはありませんでした。
医療機関からの報告頻度は0.01%となっております。
後遺症症例、死亡症例、どちらもございませんでした。
資料3-11は以上となります。
資料3-12はDTワクチンでございます。
接種可能延べ人数が約22万人、製造販売業者からの報告はなく、医療機関からの報告は7件、うち重篤なものが1件ございました。
医療機関からの報告頻度が0.0031%となっております。
後遺症症例、死亡症例はございませんでした。
資料3-13、ジフテリアトキソイドについてですが、報告がございませんでしたので、説明は省略させていただきます。
資料3-14、破傷風トキソイドになります。
接種可能延べ人数が約18万人、製造販売業者からの報告が1件、医療機関からの報告が1件ございまして、報告頻度は共に0.0056%となっております。
今回集計対象期間内の死亡症例の報告はございませんでした。
資料3-14は以上となります。
資料3-15は不活化ポリオワクチンとなります。
不活化ポリオワクチンですが、製造販売業者からの報告がなく、医療機関からの報告が1件ございまして、報告頻度が0.01%となっております。
今回集計対象期間内の死亡症例はございませんでした。
資料3-15は以上となります。
資料3-16は4種混合ワクチンでございます。
こちらは接種延べ人数が約79万人、製造販売業者からの報告が5件、医療機関からの報告が14件、うち重篤なものは4件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.00063%、医療機関からの報告頻度が0.0018%となっておりまして、死亡症例の報告はございませんでした。
10ページ目、アナフィラキシーのまとめになります。報告対象期間内の症例で3件、報告期間前の症例で3件、アナフィラキシー報告がございまして、ブライトン分類が3以上とされた症例が1件ございました。詳細は資料3-28のNo.2に示させていただいております。
11ページ目にGBS/ADEMの評価が記載されておりまして、医療機関からADEMの可能性のある症例が1件、報告がございました。こちらは専門家の評価に基づき、ADEMとは判断できない、因果関係はγとなっております。
資料3-16は以上となります。
資料3-17は13価肺炎球菌ワクチンでございます。
接種可能延べ人数が約78万人、製造販売業者からの報告は13件、医療機関からの報告は17件、うち重篤なものが14件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.0017%、医療機関からの報告頻度が0.0022%となっております。
今回の集計対象期間内で、医療機関から後遺症症例が1件、死亡症例が1件報告されてございます。また、6か月間の死亡症例の報告頻度は0.17から0.27となっておりまして、この数値は急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っておりました。
死亡症例については資料3-29になりまして、対象期間前の症例がNo.1、No.2、対象期間内の症例がNo.4となっておりますが、いずれも現在、詳細調査中のため、次回改めて御報告させていただきます。
後遺症症例は1件ございますが、こちらも資料3-1で御説明した症例と同一となります。
12ページ目がアナフィラキシーのまとめになっておりまして、アナフィラキシーの報告が7件ございまして、ブライトン分類が3以上とされた症例はございませんでした。
資料3-17は以上となります。
資料3-18がHibワクチンでございます。
接種可能延べ人数が約78万人で、製造販売業者からの報告は12件、医療機関からの報告は16件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.0023%、医療機関からの報告頻度が0.0029%となっております。
今回集計対象期間内で、医療機関から1件死亡症例の報告がございまして、また、6か月間の死亡症例の報告頻度が0.17から0.28となり、急ぎ検討が必要とされる0.5を下回ってございました。
死亡症例に関しましては、先ほど御説明した資料3-17の3例と同一でございますので、現在調査中ということで、調査結果が得られ次第、改めて御報告させていただきます。
12ページ目がアナフィラキシーのまとめとなります。対象期間前の症例で4件、報告期間内の症例で6件、アナフィラキシー疑い症例がございましたが、専門家の評価によりブライトン分類が3以上とされた症例はこちらもございませんでした。
資料3-18は以上となります。
資料3-19はBCGワクチンになります。
接種延べ人数が約20万人、製造販売業者からの報告は4件、医療機関からの報告は25件、うち重篤なものが5件でございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.002%、医療機関からの報告頻度が0.0013%となっております。
今回集計対象期間内での死亡症例の報告はございませんでした。
また、8月の合同部会で多屋委員より御指摘のございましたコッホ反応の取扱いについてでございますが、今回も医療機関、非重篤のほうでコッホ反応の副反応報告がございます。コッホ反応の取扱いに関しましては、多屋委員からの御指摘があったとおりコッホ反応報告書で市町村に報告するようにされておりますので、現時点で、受付時点でコッホ反応の可能性がある副反応疑い報告の場合は、提出してきた医療機関にコッホ反応疑い報告書で市町村に報告するように案内を行っている状況でございます。
一方でコッホ反応以外の副反応疑いが紛れている可能性があるため、不受理とはしておらず、また、受け付けた報告は透明性の観点から公表を行ってございます。
なお、製造販売業者である日本ビーシージーからも、接種に対してBCG接種の手引等を配付して、コッホ反応を認めた場合は市町村へ報告するように医療機関等へ情報提供が行われている状況でございます。
資料3-19、BCGに関しては以上となります。
資料3-20、日本脳炎ワクチンについてでございます。
接種延べ人数が58万人、製造販売業者からの報告は4件、医療機関からの報告は9件、うち重篤なものが5件ございました。
集計対象期間内の死亡症例が1件ございまして、資料3-29、No.6に示させていただいていますが、現在こちらも調査中ということで、調査結果が得られ次第、改めて御報告させていただきます。
資料3-20は以上となります。
資料3-21がB型肝炎ワクチンでございます。
接種延べ人数が112万人、製造販売業者からの報告は14件、医療機関からの報告は14件、うち重篤なものが11件ございました。
製造販売業者からの報告頻度は0.00125%、医療機関から報告頻度は0.0012%となっております。
今回対象期間内で製造販売業者から1件死亡症例の報告がございました。死亡症例については資料3-29のNo.3をご覧ください。専門家の評価により、情報不足のためワクチン接種との因果関係は評価できないとされました。
資料3-21は以上となります。
資料3-22は1価のロタウイルスワクチンになります。
接種可能延べ人数が23万人、製造販売業者からの報告が14件、医療機関からの報告が6件、うち重篤なものが5件ございました。
製造販売業者からの報告頻度が0.0061%、医療機関からの報告頻度が0.026%となっております。
集計期間内での死亡症例の報告はございませんでした。
10ページ目、アナフィラキシーのまとめとなります。アナフィラキシーは6件の報告がございましたが、専門家の評価によりブライトン分類が3以上とされた症例はございませんでした。
資料3-22は以上となります。
資料3-23、5価のロタウイルスワクチンになります。
接種可能延べ人数が約18万人、製造販売業者からの報告は2件、医療機関からの報告は6件ございました。うち重篤なものが5件でした。
製造販売業者からの報告頻度が0.0011%、医療機関からの報告頻度が0.0034%となっております。
今回の集計対象期間内での死亡症例の報告はございませんでした。
資料3-23は以上となります。
資料3-24はロタウイルスワクチンによる腸重積の発生状況につきまして、製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン、MSD社より資料の提供を受けております。
まず、資料の2ページ目から6ページ目まではGSK社のロタリックスについての接種時の集計でまとめたグラフになっております。
7ページ目以降はMSD社のロタテックについて、1価のワクチンと同様にまとめた資料となっております。こちらに関しましては、2020年10月にロタウイルスワクチンが定期接種化されましたので、定期接種化される前後で比較した資料となります。
前後において、報告頻度に変化はございませんでして、また、ブライトン分類1であった症例の転帰についても、VAERSに基づいた海外データとの比較においても、腸切除や死亡に至った事例の報告頻度が低いことが示されております。
資料3-24は以上となります。
資料3-25から資料3-29については各ワクチンの資料で説明しておりますので、説明は省略させていただきます。
各ワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○森尾座長 ありがとうございました。
各ワクチンにつきましての事務局からの説明について、何か質問、コメント等はいかがでしょうか。お気づきになりました点がありましたら、お願いいたします。
多屋委員、コッホ現象についてよろしいですか。
○多屋委員 ありがとうございます。
コッホ現象につきましては、もし出現したお子さんがいらっしゃったら結核菌に感染していないかの検査とか、周りの方に感染源がいらっしゃるかどうかの積極的疫学調査などもされないといけないと思いましたので、市町村のほうに届けていただいていることはとても大事なことなので、確認していただきまして、ありがとうございました。
副反応疑いでもなくて、市町村のほうに届けていただいているということは確認できました。ありがとうございました。
引き続き、よろしくお願いいたします。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかに委員の皆様からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
それでは、これまで議論された内容のまとめをさせていただきたいと思います。ワクチンごとではなく、症状等に分けてという形でまとめさせていただきます。
これまで確認された内容といたしましては、まず副反応疑いの報告頻度は、これまで検討したワクチンに比べて特段高いことはないという点でございます。
後遺症の報告は、報告対象期間内に2例、対象期間前の再評価の事例として3例報告され、いずれもワクチン接種との因果関係は評価できないとされております。
ADEMにつきましては、ADEMの可能性のある症例は報告対象期間内に1例、対象期間前の再評価の事例として1例報告され、いずれもワクチン接種との因果関係は評価できないとされております。
GBSの可能性のある症例は、報告対象期間内に1例、対象期間前の再評価の事例として1例報告され、いずれもワクチン接種との因果関係は評価できないとされています。
ブライトン分類3以上のアナフィラキシーと評価された症例は、報告対象期間内に、おたふくかぜワクチン・4種混合ワクチンの同時接種事例で1例、B型肝炎ワクチン・狂犬病ワクチンの同時接種事例で1例、風しんワクチンの単独接種事例で1例でありました。また、報告対象期間前の再評価事例として、おたふくかぜワクチン・水痘ワクチン等の同時接種事例で1件ございました。
死亡症例は、対象期間内に、B型肝炎ワクチン、HPVワクチン、日本脳炎ワクチンのそれぞれの単独接種で1件ずつ報告があり、いずれもワクチン接種との因果関係が評価できないとされています。また、13価肺炎球菌ワクチン・ヒブワクチンの同時接種症例の1例及び報告対象期間前の2例については詳細情報を調査中であり、次回以降、改めて報告される予定となっております。
対象期間後に、23価肺炎球菌ワクチンの単独接種で1例の死亡事例の報告があり、ワクチン接種との因果関係が評価できないとされています。
なお、13価肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度は、いずれのワクチンも急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っておりました。
このような形でまとめさせていただきましたが、よろしいでしょうか。
この内容を踏まえまして、新型コロナワクチン以外の各ワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見がありましたら承りたいと思います。
それでは、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応の報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは各ワクチンについての審議は以上とさせていただきます。
そのほか、全体を通じまして何か質問、御意見はございませんでしょうか。
ありがとうございます。
本日の議事は以上で終了でございます。
そのほか、事務局から何かありますでしょうか。
○事務局 本日は、長時間にわたり、活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○森尾座長 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。活発な御議論をどうもありがとうございました。