2021年9月30日 第26回中央訓練協議会議事録

人材開発統括官付訓練企画室

日時

令和3年9月30日(木) 13:00~14:45

場所

Web開催

議題

(1)令和4年度ハロートレーニング(公的職業訓練)に係る概算要求について【報告】
(2)令和4年度全国職業訓練実施計画の策定方針について
(3)その他

議事

○平川人材開発統括官付訓練企画室長 定刻になりましたので、ただいまから、第26回中央訓練協議会を開催させていただきます。構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。私は、本協議会の事務局を担当しております訓練企画室長の平川と申します。よろしくお願いいたします。
 今回から、新たに3名の構成員の方が参加されることになりましたので、御紹介申し上げます。新たに御参加いただくことになった構成員は、まず法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科の藤村博之教授です。
○藤村博之教授(法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科) 藤村です。よろしくお願いいたします。
○平川人材開発統括官付訓練企画室長 一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部の平田充統括主幹です。
○平田充労働政策本部統括主幹(一般社団法人日本経済団体連合会) よろしくお願いいたします。
○平川人材開発統括官付訓練企画室長 本日は御欠席ですが、京都府商工労働観光部の河島幸一企画調整理事兼副部長様に新たに構成員として参加いただくことになっております。
 中央訓練協議会開催要綱2の(2)において、「人材開発統括官は、構成員の中から座長を依頼する」とされておりますので、藤村教授に座長をお願いしたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○平川人材開発統括官付訓練企画室長 ありがとうございます。それでは、藤村教授に座長をお願いするということで、ここからの進行は藤村座長にお願いいたします。
○藤村博之教授 分かりました。御指名いただきましたので、議事進行役を担当したいと思います。最近どの会議に行っても進行役というのが多いのですが、よろしくお願いしたいと思います。本日の協議会は、前回に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、Web会議による開催といたします。本日お集まりの方々の御紹介については、時間の都合で、参考資料1としてお配りしております出席者名簿で御紹介に代えさせていただきたいと思います。なお、一般社団法人全国産業人能力開発団体連合会の森専務理事の代理として、北村副会長に御出席いただいております。また、京都府商工労働観光部の河島企画調整理事は、本日は所用のため欠席ということで伺っております。
 また、事務局に異動がありましたので、併せて御紹介いたします。岡崎審議官、黒澤人材開発総務担当参事官、宇野人材開発政策担当参事官です。職業安定局では、本多審議官が着任されております。お一人ずつ、どうしましょうか。いいですかね。次回、対面でお会いしたときに、また名刺交換なりをさせていただきたいと思います。
 報道の方の頭撮りは、ここまでとさせていただいております。以後の撮影は御遠慮いただきたいと思います。
 それでは、議題に入る前に、本日使用する資料、Web会議の接続不調時の対応、その他の注意事項について、事務局より説明があります。どうぞ。
○平川人材開発統括官付訓練企画室長 事務局から、事務連絡をさせていただきます。本日の協議会は、Web会議による開催となります。資料は、事前にお送りしておりますものを使用いたします。Web会議の接続に問題等が生じましたら、事前にお送りしたマニュアルに従い、事務局宛てにメール又は電話で御連絡をお願いいたします。出席者の皆様におかれましては、御発言を希望する際には、Zoomの「手を挙げる」機能により意思表示をお願いいたします。「手を挙げる」ボタンを押していただき、座長から指名をされた後に、マイクをオンにして御発言をお願いいたします。発言が終了された際には、「以上」と言っていただくなど、その旨をお伝えください。発言後はマイクをオフにしてください。なお、音声の乱れにより、ほかの発言者の発言内容が聞き取れない等の場合は、その旨をチャット機能等でお伝えいただき、再度発言していただく等の対応を取りたいと思います。以上です。
○藤村博之教授 それでは、議事に入りたいと思います。今回は、令和4年度の全国職業訓練実施計画の策定方針を中心に、意見交換を行うことにしております。議題1は、「令和4年度ハロートレーニング(公的職業訓練)に係る概算要求について」です。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○平川人材開発統括官付訓練企画室長 それでは、資料1を御覧ください。令和4年度ハロートレーニングに係る概算要求についてです。こちらは表になっておりますが、令和4年度の要求額と訓練規模について、公共職業訓練、障害者訓練、求職者支援訓練の3つに分けて記載しております。公共職業訓練は、更に離職者訓練、在職者訓練、学卒者訓練、障害者訓練については、離職者訓練と在職者訓練の2つに分けて記載しております。ここにある数字の上段が令和4年度の要求内容、下段の括弧内が令和3年度ということです。
 上から順に御説明いたします。公共職業訓練全体の要求額は968億円で、令和3年度より50億円ほど少ない要求となっております。訓練規模は34万5,000人で、令和3年度より1.2万人程度の減少となっています。内訳としては、離職者訓練については、施設内訓練の対象者は前年同規模、委託訓練が1.4万人ほどの減少となっております。在職者訓練は2,000人の増加、学卒者訓練は前年同規模となっています。
 この委託訓練について、こちらに記載はありませんが、大きく分けると1年未満の短期訓練、それから、長期高度人材育成コースということで、1~2年の長期のコースがあります。人数でいうと、短期訓練については、実績を踏まえて1.2万人程度の減少、長期人材コースについては、予算定員上の人数が9,000人であったものを、令和4年度は6,800人というように減じております。この6,800人というのは、2年間のコースの1年目と2年目の合計の人数でして、令和4年度の新規入校者の人数は、令和3年度の新規入校者の人数と同じ3,400人としており、コースの2年目に当たる人の数を、昨年入校した人数を踏まえたものに合わせた関係で、全体の人数が6,800人に減っているということです。
 在職者訓練の2,000人増えた分については、後ほど御説明いたしますが、生産性向上支援訓練でDX関連のコースを拡充する要求をしておりますので、そちらを踏まえたものになっております。
 障害者訓練については、おおむね前年度と同規模となっておりますが、在職者訓練のうち委託訓練については、若干拡充しております。雇入れ後のキャリア形成支援を進めていくという観点とか、例年、実績が予算を上回っておりますので、そういったことを踏まえたものです。
 求職者支援訓練については、令和3年度は5.1万人、令和4年度は5.2万人で、四捨五入の関係で0.1万人増となっておりますが、正確に言うと1,800人ぐらい増えています。予算額は2.3億円程度の増となっております。
 このように、訓練全体としては若干の減少となっておりますが、成長分野や人手不足分野の訓練を促進するための要求を、来年度はいくつか行っています。資料の続きを見ていただくと、3ページからですが、まず、IT分野における職業訓練コースの設定促進ということで、IT分野のコースについて、IT関連資格の取得率、それから就職率が一定割合以上であった場合に、委託単価等、こちらは、委託訓練は委託費、求職者支援訓練は奨励金ということになりますが、実施機関にお支払いする一人一月当たりの委託費等について、1万円上乗せをいたします。ここでIT資格と言いましたのは、ITSSレベル1以上のものでして、ソフトウェアのプログラミングやネットワーク関連、Webプログラミング関連の資格を想定しております。この1万円上乗せに加えて、令和2年度にIT訓練を実施していなかった地域については、都道府県単位ですが、更に1万円上乗せをするという要求内容としております。
 続いて、4ページが中小企業におけるDX人材育成の推進ということでして、全国87か所に生産性向上人材育成支援センターがありますが、そちらにDX人材育成推進員を配置して、中小企業からの相談に応じていただいて、DX人材育成計画の作成支援、生産性向上支援訓練のコーディネートを行うという内容です。併せて、生産性向上支援訓練について、DX関連のコースを拡充するということを考えていて、先ほど在職者訓練の所で御説明した2,000人増えるというのはこの部分です。
 5ページです。介護・障害福祉分野への就職支援パッケージです。新型コロナの影響で離職者の発生が見込まれる中で、介護・障害福祉分野の人材確保を支援するということで、ハローワーク、訓練機関、福祉人材センター等が連携して、資格取得から就職までを一体的に支援するというものです。具体的には、全国の社会福祉協議会に置かれている福祉人材センター、ハローワークによる就職支援、それから、この図の真ん中ですが、訓練実施機関による職業訓練、図の右側にある都道府県(社会福祉協議会)による返済免除付きの貸付金を組み合わせたパッケージです。訓練実施機関向けの施策として、介護・障害福祉分野の訓練について、2か所以上の職場見学等を組み込んだカリキュラムを実施していただくと、一人一月当たりの委託単価を1万円上乗せするということです。この特例措置は本年1月から実施しておりますが、令和4年度も実施するための要求をしています。資料1の予算の御説明は以上です。
 引き続き資料2で、ハロートレーニングの最近の実施状況を御説明申し上げます。ポイントを絞って飛び飛びで御説明いたします。まず、3ページを御覧いただくと、足下の受講状況ということで、令和3年度は公共職業訓練、求職者支援訓練それぞれで受講者数の目標を掲げて取り組んでおります。7月までの実績ですが、前年比で見ると公共職業訓練は8.7%増、求職者支援訓練は33.4%増となっています。年度後半においても、ハローワークでの受講勧奨や積極的な周知・広報により、目標達成に向けて取り組んでいくこととしております。
 6ページを御覧ください。こちらは就職状況ということで、左上に記載がありますが、公共職業訓練の離職者訓練についての就職状況ということです。傾向としては、施設内訓練と委託訓練を比べると、施設内訓練のほうが就職率が高い傾向にあるということと、時系列で見ると、令和元年度、2年度にかけて就職率が下がってきているという状況です。
 9ページを御覧ください。長期高度人材育成コースです。こちらの受講者数ですが、年々増えてきており、就職率は9割前後と高い水準を維持しています。10ページが長期高度人材育成コースの分野別の実施状況です。この長期高度人材育成コースは、国家資格やIT資格の取得を目指すコースですが、分野別で見ると介護系、保育系が一番多くなっており、両方合わせて全受講者の3分の2程度となっております。ほかには、情報系や調理系といったところが多くなっております。
 11ページがオンライン訓練の状況で、公共職業訓練については、オンライン訓練について、画面上でやり取りができる同時双方向型を昨年5月から実施可能としております。こちらに数字が書いてありますが、数字の取り方が令和2年度と3年度で若干違っており、令和2年度は令和2年度中にオンライン訓練を実施した実績で、令和3年度は7月までに終了したコースの実績ということで取っております。例えば、今年4月に開始した長期高度人材育成コースはまだ終了していないため、令和3年度の数字には計上されていないということになっておりますので、御留意いただければと思います。オンデマンド型の訓練については、もともと子育て・介護中の方や通所可能な範囲に実施機関がない方を対象としておりましたが、今年4月からはシフト制の労働者、在職者の方等も対象としているところです。
 12ページが特例措置の実施状況です。上に介護コースというのがあって、介護コースの中のうち介護パッケージというのが、先ほど御説明したパッケージの中の委託費等が1万円上乗せになったコースの受講者です。それから、短期間・短時間コースというのがありますが、今年2月から実施している特例措置で、月当たりの時間数や訓練期間を短くできるという特例措置を実施しておりますけれども、そちらの対象コースの受講者数です。上から3行目、右から2行目の所に受講者数1,588人とありますが、同じ時期の委託訓練全体の6.7%程度となっております。
 13ページが在職者訓練で、受講者数を見ていただくと、令和2年度は新型コロナの影響や、特に緊急事態宣言等の影響もあり、在職者訓練を活用しようという事業主の方が大きく減ったこともあって、大きく減少しております。14ページが学卒者訓練で、右のほうの就職率を見ていただくと、機構、都道府県とも高水準を維持しているところです。15ページが障害者訓練で、障害者能力開発校における訓練、委託訓練とも、受講者数は年々少しずつ減少しております。法定雇用率の引上げ等により障害者雇用が進んできて、職業訓練を経なくても就職を実現する方が増えたということも原因としてあるのではないかと考えております。令和2年度以降は、新型コロナの影響で中止となったコースもありましたので、そちらも減少の原因と考えています。
 16ページが求職者支援訓練の実施状況です。⑤受講者数というのがありますが、制度創設の平成23年度以降、受講者数については毎年減少を続けてきておりましたけれども、令和2年度は2万3,734人ということで、増加に転じているという状況です。18ページが求職者支援訓練の就職状況で、こちらも令和元年度から2年度にかけて就職率は下がってきています。22ページを御覧いただくと、求職者支援訓練の分野別の認定・開講状況です。認定定員数、受講者数ともに営業・販売・事務が最も多くなっております。定員充足率の所を見ていくと、こちらはWebデザイン等が主になりますが、デザイン分野が84.8%、IT分野が78.7%ということで、充足率が高くなっています。
 23ページが就職状況で、分野別で見ていくと、介護福祉や理容・美容、医療事務等が就職率が高い分野となっています。25ページですが、求職者支援訓練のオンライン訓練の状況です。求職者支援訓練のオンライン訓練は、今年2月から同時双方向型について可能としております。数字は御覧いただいているとおりです。コースについては、例えばIT等パソコンを活用するような訓練コースで多く行われております。この資料の最後、26ページです。求職者支援訓練での特例措置実施状況ということで、短期間・短時間コース789人とありますが、同じ時期の求職者支援訓練全体の8.8%程度となっております。資料2は以上です。
 あと2つ、資料の御説明を続けてさせていただきます。参考資料3です。求職者支援訓練のオンデマンド訓練の関係でして、こちらは省令改正をして、10月1日から求職者支援訓練についてオンデマンド訓練を可能とすることとしております。対象者については、右の列の上のほうに①②③と書いてありますが、育児・介護中の方、通所可能な範囲に訓練実施機関がない方、暫定措置として在職中の方等としております。
 最後ですが、参考資料4が周知・広報の関係です。求職者支援制度の周知・広報ということで、例えば厚労省のホームページを分かりやすいものにリニューアルしたり、政府広報の活用、社会福祉協議会や地域若者サポートステーションと連携したり、あるいはSNSや民間の求人サイト等への掲載ということで、周知に取り組んでいます。次ページにリーフレットの例も付けています。コースの具体的な内容や利用者の声等を盛り込んだものを、最近、作成して充実してきているというところです。長くなりましたが、資料の御説明は以上です。
○藤村博之教授 どうもありがとうございました。ただいま御説明いただきました資料につきまして、御質問、御意見をお願いしたいと思います。「手を挙げる」という機能をお使いください。いかがでしょうか。まず、仁平委員、お願いいたします。
○仁平章総合政策推進局長(日本労働組合総連合会) 2つ意見を述べさせていただきます。コロナ禍で雇用情勢も厳しく、なかなか見通しが立たない状況であると思っています。こうした環境にあっても、スキルが十分でない若者など、求職者の方々が就職活動を行うに当たって、この公的職業訓練は、知識やスキルを身に付けるという意味で非常に重要な取組であると思いますし、今後ITやIoTの進展などに伴って、業種、業態を問わず、こうした変化に対応できる、正に幅広い訓練も必要かと思っています。今日の説明にもあったように、人手不足産業に向けた訓練も重要であるというのはそのとおりですが、それ以上に、今後の産業の変化を見据えて、このデジタル分野やグリーン分野などの新たな訓練を通じた人材育成の施策は、より先を見て考えていく必要があるのではないかと思っています。
 今の人材育成に関わる訓練については、雇用保険二事業の能開予算がメインで、厚労省が主体で実施していますが、人材育成や能力開発は、正にそこの職場で実際に使えるものと考えると、その訓練プログラムの内容は非常に多岐にわたり、実践にいかせるものでないといけないと思っています。例えば、デジタル分野でいけば、経産省、グリーン分野でいけば農水省、環境省などの政策と密接に関わってくる、必要な足りてない人材も含めて、そこで必要な人材を育てるという意味があると思います。そのため、人材育成だからといって厚労省のみで対応するのがいいのかどうかと思っておりまして、他省庁の予算も活用するなど、省庁横断的に連携していくことが重要なのではないかと思っております。スキルアップ、スキルチェンジのための教育訓練こそが、成長と分配の好循環を持続的に回していく上で、重要な鍵の一つになるのではないかと思いますので、政府を挙げて取り組んでいただくように要望しておきたいと思います。
 2点目は、参考資料4で、求職者支援制度の周知・広報の資料を説明いただきました。ここについては前々から問題意識を持っておりまして、必要な方にきちんと届いているのかなという思いを持っております。事務局にも、この間、何回か申し上げてきましたが、SNSなどの媒体を用いた周知、政府広報、民間求人サイトでのバナー広告など、生活困窮者の支援団体と関係団体との連携も含めて、強化されてきたということ自体は評価したいと思っていますが、まだ道半ばではありますが、その結果の件数の伸びがどうなのかという印象もあります。今後の広報の強化については、例えば、今回の広報の強化によって本当に受講者がどれくらい伸びたのか、効果がどの程度あったかを、検証していくことも必要であると思いますので、意見として申し上げておきたいと思います。以上です。
○藤村博之教授 どうもありがとうございます。今、仁平委員を含めまして4人の方から手が挙がっていますので、その4人の方々の御意見を聞いてから、事務局に一括して回答を頂きたいと思います。全国専修学校各種学校総連合会の関口さん、お願いします。
○関口正雄常任理事総務委員会委員長(全国専修学校各種学校総連合会) 私のほうは2つお願いがございます。1つは、資料1の1ページ、公共職業訓練のうちの委託訓練の中の、長期高度コースの要求額につきまして、委託訓練の内側のところで御説明いただきましたように、9,000人から減らして6,800人という対象人数、120、130億から90億ぐらいということで、30億ぐらいの減になっています。これについては、実は昨年度も、一昨年が300何十億あったところから、130億ぐらいの大きな減額であったかと思います。これは、実際の実人数、募集人数も先ほど御説明がありましたが、それの実態に近づけるというようなことも確かにあるかとは思います。また、我々専門学校のほうの2年課程中心の努力が足りないということもあるということは前提で、しかし、この大きな予算をお付けいただいた趣旨としましては、やはり短期コースではかなわない卒業後、修了後の持続的、安定的なキャリアの形成につながるという意味での長期であり、高度であるコースと、そういう意義があったかと思います。
 実態ということですが、この場でも何回かお願いしてございますように、各都道府県の募集の現場においての課題がいくつかあって、再三申し上げているように、僅か1か月あるいは1か月に満たないような募集期間、2年間その身を預けるという場所に対する選択で、広報をされてからすぐさま、しかも募集期間が1か月もない中で決断しなくてはいけないような状況に置かれていることの改善をしないといけない。これはタイミングもありますから、じっくりと将来のことを決めるという、それだけの募集期間はきちんと取っていくということが必要だと思います。
 それから、名称も、この長期と高度ということに意味があるにもかかわらず、この長期と高度が取れた専門人材訓練とか、都道府県によって、このコースの意義を伝えることができないような名称で募集している、そのことの改善を都道府県に促していただきたいとお願いしています。一部やっていただいていることは承知しておりますが。それから、都道府県のほうの募集講座も、もっといろいろ今にふさわしい範囲のものも柔軟に認めていただくことで、人数が増えていくということがございますので。実情に合わせた大幅な減額、今回も30億の減額ということ、更に一昨年は200億ぐらいの減額ということはやむを得ないとしても、やはり意義に照らして、都道府県への御指導のほうを改めて、今申し上げましたような点を含めて、強化していただきたいということを、この数字を見てお願いする次第でございます。
 もう一点は、この場ではちょっとふさわしくないかもしれませんが、雇用保険を財源とする教育訓練給付金制度についてです。実は受講者側から見ると、選択というのは、いろいろな職業訓練と同じ目線なのです。そういう点であえて申し上げますが、こちらについて、いわゆる支援給付金というものが、時限措置ということで来年の3月で打切りです。これは、基本手当日額の80%を訓練期間中2か月ごとに支給するという制度で、これがあるから看護とか医療系資格、あるいは専門職、大学院の一部の資格というものを長期で受講しようと、3年間給付されることで意義があるものですが、これが来年の3月で一応法的にはそうなっているので、打切りということです。財源の問題も厳しいことは承知しておりますが、やはり広く、その職業訓練を受けようという学生にとっては同じ対象の一つですので、これが継続されるように、特に厚生労働省の皆様に、あるいは関係していらっしゃる委員の皆様にも、この場を借りてでございますが、強くお願いしたいと。これが2点目でございます。以上です。
○藤村博之教授 どうもありがとうございます。続いて、日本商工会議所の杉崎さん、お願いします。
○杉崎友則産業政策第二部担当部長(日本商工会議所) 日商でございます。まず、資料1の令和4年度予算の概算要求について申し上げます。3ページのIT分野における職業訓練コースの設定促進、また4ページの中小企業におけるDX人材育成の推進についてですが、中小企業における事業競争力ですとか労働生産性の向上に向けて、IT化、DX化の推進は正に喫緊の課題であります。一方で、中小企業白書でも指摘されておりますが、デジタル化の推進について、4割の中小企業が、組織のITリテラシーが不足しているということを課題としております。また、半数の中小企業は、IT人材を確保できていないということが実態であり、なかなかこういったことが進んでいないということでございます。したがいまして、この3、4ページに書かれているような訓練は、中小企業にとって非常に重要でありますので、鋭意、推進していただきたいと思います。
 次に、公共職業訓練の実施状況、資料2について申し上げます。コロナ禍で予断を許さない雇用情勢が続いている中で、公共職業訓練や求職者支援訓練などの公的な職業訓練は、雇用機会の拡大、労働者の皆様の能力開発向上はもとより、成長産業や雇用吸収力のある産業への円滑な労働移動を促進していくという観点からも、非常に重要性が増していると認識しております。そうした中で、6ページに記載の、離職者訓練に係る就職状況を見ますと、令和2年度の就職率は、コロナ禍であるにもかかわらず、ここ数年と同程度の7、8割台を確保しておりますので、こうした成果や訓練の有用性を広くアピールしていくことが大事だと思いますし、アピールしていくことで定員充足率の向上にもつなげていただきたいと思います。
 また、18ページに記載の、求職者支援訓練における就職状況についてですが、令和2年度は基礎コース、実践コースともに5割台にとどまっております。これは、人材開発分科会で掲げた目標に照らしても未達成ということになりますので、ハローワークにおける訓練受講者に対する就職支援をきめ細やかに実施していくことで、就職率を更に高めていただきたいと思います。
 また、雇用保険財政の枯渇化が懸念されている中で、求職者支援制度に係る経費につきましては、現状は国庫が100分の5、労使負担が100分の95となってございます。こうした財政運営につきましては、雇用保険部会で議論されておりまして、必要な意見は申し上げておりますが、現状この労使負担が100分の95という状態であることからも、本協議会や人材開発分科会など、関連する分科会において、求職者支援制度に係るPDCAをしっかりと回していくことが非常に大事なのではないかと思います。その上で、労使団体からのいろいろな意見につきましては、本日の中央の協議会ですとか、あと地方の協議会を通じて反映されているものと思いますが、公共職業訓練や求職者支援訓練など、公的な職業訓練の受講者の皆様の声や意見を見える化することが重要だと思います。また、訓練にそうした意見や声を反映していくために、統一的なアンケート調査を実施していくことも大事なのではないかと思います。いくつかの県の労働局では、受講者の皆様へのアンケートを実施して、そうした声を訓練の運営にもいかしているということでございますので、受講者の声や意見をしっかりと反映していく体制を築いていくことを是非お願いしたいと思います。以上です。
○藤村博之教授 どうもありがとうございました。労働政策研究・研修機構の堀さん、どうぞ。
○堀有喜衣人材育成部門副統括研究員(独立行政法人労働政策研究・研修機構) 求職者支援訓練について教えていただきたいと思います。昨年度より久しぶりに増加したという御説明がございましたが、例えば、コロナ直前には女性が多いというような、そうした属性をお聞きしたような記憶があるのですけれども、今回、受講者の質に変化はございましたでしょうか。効果的な訓練のためには、どんな受講者が増えているのかということにつきましては大変重要な情報だと思いますので、もしお分かりになられましたら御教示いただければ幸いです。以上です。
○藤村博之教授 どうもありがとうございました。今4人の委員の方から御質問、御意見がございました。事務局で答えられるところについて、極力お答えいただきたいと思います、どうぞ。
○平川人材開発統括官付訓練企画室長 まず、連合の仁平委員から、職業訓練が今非常に大事だということで御指摘いただきまして、ありがとうございます。訓練コースを時代に沿ったもの、産業に沿ったものにということで、ITやグリーンなど進めていくべきということでした。訓練コースや訓練内容につきましては、ニーズや産業の変化に伴って見直していく必要がございます。そちらの仕組みとしましては地域訓練協議会等がございますけれども、引き続きそちらの改善も図っていきたいと思っております。
 また、職業訓練は厚労省だけではないのではないかというようなお話がございました。今は特にリカレントといったようなことで、離職者訓練だけではなくて、在職者の方のスキルアップ等ということがございます。職業訓練につきましては、いろいろな実施主体でやっていただいておりますし、また、厚労省としても助成金や教育訓練給付等といったことをやっておりますけれども、もっと幅広く他省庁さんにもいろいろ御協力を頂きながら連携してやっていきたいと思っております。そちらの情報の共有や連携、他省庁との関係は引き続き進めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、周知・広報の関係で御指摘を頂きました。実際に届いているのかということで、その周知によって受講者が何人増えたと、そこまで端的に分析するのはなかなか難しいところはありますけれども、周知の効果につきましては常に意識をしながら、どういう人たちにどういう内容で届いているのかは、引き続き意識をしながら進めていきたいと思っております。
 それから、全専各連の関口委員から、長期高度人材育成コースの件について御指摘を頂きました。こちらの予算につきましては御指摘いただきましたとおり、昨年大幅に減らしておりまして、今年も削減ということです。御承知のとおり、雇用保険の財政が非常に厳しい中で、実績を踏まえた削減も図りつつ、必要なものについては確保していくという方針の下で、予算編成作業をしてまいったところですけれども、この訓練自体は、先ほど御紹介しましたように、就職率はかなり高く、かつ資格が取れて就職後も効果が続くようなコースで、非常に重要なコースであることは認識しておりますので、こちらのほうは必要な予算は確保してまいりたいと思っております。
 それから、県の募集期間の関係ですが、1年、2年のコースを受けるかどうかの決断をする募集期間が1か月もないようなケースがあるということでした。実態としましては、全国でやはり1か月ぐらいの所が多くなっておりますけれども、少し調べてみますと、2か月以上募集期間が取れているような県もございます。そういった所がどういう工夫でそのようなことができているのかも調べさせていただいて、都道府県に共有をいたしたいと思います。私どもとしましても、全国会議などもありまして、都道府県に計画的に募集していただくようにとお願いもしております。また、予算要求の内容がある程度固まりましたら、都道府県に定員の目安などを早めにお示しをして、計画的に募集ができるように取り組んでいるところですので、引き続き都道府県のほうには働き掛けていきたいと思っております。
 それから、教育訓練給付の支援給付金の関係でお話がありました。直接の担当ではないのですが、聞いているところによりますと、暫定措置として令和3年度末までとなっておりますけれども、4年度以降の在り方については、職業安定分科会雇用保険部会で公労使でこれから議論していくことになりますので、現時点ではまだ決まっていないということです。今日お話ありましたことは、改めまして担当部署に伝えさせていただきたいと思います。
 それから、日商の杉崎委員から、IT、DXは中小企業の方にとって重要なので推進をということですので、頑張ってまいりたいと思います。また、就職率につきまして、公共訓練のほうは比較的成果があって、求職者支援訓練のほうはちょっと低かったということですので、引き続き就職率を、最終目標が就職率ですので、こちらはハローワークでの職業紹介の努力も必要なところですので、一緒になって就職率を高める努力をしてまいりたいと思っております。
 それから、受講者の声の見える化について、アンケートということですが、全てではないのですが全国の労働局で独自にアンケートを取っている労働局もございます。それぞれ企画して様式を作って、アンケートを実施して、地域訓練協議会で報告しているようなケースもございますけれども、受講者の声ということで統一的に取る方法としてどういったものがいいかは、少し検討させていただきたいと思っております。
 最後に、JILPTの堀委員から、求職者訓練の受講者の質的な変化について質問がありました。今、数字的に変化としてお示しできるものがございませんけれども、やはりコロナ禍の中で、飲食業で仕事が減ってしまってというお話がありまして、それにつきましては、確かに一定程度あるというような実態が、ハローワークの現場から報告として上がっております。例えば、離職された方で、全く違う分野に移られるということで、パソコンの訓練を受けるという方もいらっしゃいます。あとは、アルバイトをしていた方で、シフトが減って、仕事がゼロではないのですが減ってしまったので、ほかの所に転職を目指しているとか、勤めていたお店が休業になったので、その間にスキルを身に付ける訓練を受けたいという方が出てきているという報告は受けております。受講者の属性と訓練内容の関係の把握は欠かせないところですので、そちらの実態の把握のほうも引き続き努めていきたいと思っております。以上でございます。
○藤村博之教授 どうもありがとうございました。4人の委員の方々、よろしいですか。では、追加でお手が挙がっております。中小企業団体中央会の佐久間委員、どうぞ。
○佐久間一浩事務局次長・労働政策部長(全国中小企業団体中央会) 佐久間でございます。御指名ありがとうございます。私も、先ほど杉崎委員から御質問がありました、資料1の中小企業におけるDX人材育成の推進について、資料を拝見させていただきまして、気になった所です。中小企業で、コロナの影響とか、生産性を高めていかなくてはいけない、ここにもやはりDX人材、古くからIT、ICTとか、それから経営の攻めに使っていくという形で、IT人材というのは非常に求められているところです。
 限られた予算の中、有効に使っていただく、配分をしていただくことで、生産性向上人材育成支援センターのほうに、DX人材育成推進員を置かれるという項目があります。ここで、基本的には100名程度の規模で、1か所につき、1人、2人いくかどうかという人員規模になると思うのですが、各社が求められている人材を育成するためには、プログラムを作成するということでしたら、自社において、どのように、どこの部分をプログラム化していこうとかシステム化、初歩的なシステム設計ではなく、即効性のあるレベルまでを育成をするということで考えられると思いますが、技術的な問題、そして製造を行う、また、自社の経営を効率化するためのものを入れながら攻めに使っていく、ITを使っていくとなると、やはり各社、各様で全然違うところの分野のIT化というかシステム化なりが必要になると思います。
 そこで、流行の言葉でDXとなった場合、まず、この推進員の方たちというのがベンダーさんの方を派遣するのか分かりませんが、ちょっとベンダーさんですと、自分の方法のプログラムとかパッケージソフトとかに偏るところがあったり、そういうところを各センターに配置したときの平準化というか、整合性、あとは、1か所限られた所で、通う人も地域のほうから行きますから、それほど遠くから通えるわけではない。そうすると、そこに入れられた推進員の方々が、それだけ適切なものを御指導いただけるかどうかということ。この辺の平準化というか、どういうところを実際に狙われているのか、プログラムを作る方を養成しようとするのか、あるいは、SEとしてのシステム設計の部分、業務分析から始まってというところを養成しようとしているのか。その辺の狙いを教えていただきたいと思います。以上です。
○藤村博之教授 分かりました。仁平さんのお手が挙がっていますが、先ほどの質問の何か補足ですか。
○仁平章総合政策推進局長 はい、恐れ入ります、そうなのですが。
○藤村博之教授 では、先にお願いします。
○仁平章総合政策推進局長 回答も頂いて、ありがとうございました。補足しておきたいのですが、社会のニーズに応えて新しい成長の芽を育てていくには、やはり産業政策と人材育成というのは一体的に推進すべきではないかと思っています。産業レベルで必要とされるのはどのような人材なのか、そのために求められるスキルは何なのか、そのためにどんな訓練が必要なのか、それができているのか、できていないのか、不足があるのか、各省の連携がどうなのかという思いがあります。産業政策は所管の省庁でやります、能力開発は厚労省にお任せです、このような縦割りでよいのかという思いを持っておりますので、補足しておきたいと思います。今後、短い間に、経済対策とか補正予算とか来年度予算など、ぱたぱたと重要なことを決めていく局面にあると思いますので、そこも念頭に、こういった意見を申し上げておきたいということです。補足させていただきました。ありがとうございます。
○藤村博之教授 分かりました。ありがとうございます。では、経団連の平田さん、お願いします。
○平田充労働政策本部統括主幹 概算要求について御説明ありがとうございました。公共職業訓練や求職者支援訓練の実態についてよく分かりました。仁平さんのご意見と重なってしまうのですが、意見を申し上げます。参考資料2の開催要綱の趣旨にも書いてありますが、産業構造の変化や技術の進歩を踏まえて、どんな人材が必要になるのか、どの産業が伸びていくのかというのはなかなか予測しづらいところなのかもしれませんが、人材確保策は、産業政策の一環でもあるのではないかと思っています。厚労省の施策は離職者を念頭に置いた訓練になると思いますので、関係省庁で連携をして、人材の育成を進めていただければと思っています。コロナが長引いており、いつ収束するかは予測しづらいかもしれませんが、ポストコロナは人口減少社会であると理解しております。そうした観点からも、一人一人の能力の向上というのは非常に重要だと思っていますので、しっかりとした取組をお願いします。
 それから、1つ質問です。要綱に人材ニーズを的確に踏まえるためにこの協議会があると書いてありますが、具体的に、ニーズをどのように把握をしているのか、どのような取組をやられているのかということを教えていただければと思います。以上です。
○藤村博之教授 どうもありがとうございました。では、事務局、お願いします。
○平川人材開発統括官付訓練企画室長 まず、全国中央会の佐久間委員から御指摘を頂きましたDX人材育成推進員についてです。イメージとしては、こちらは中小企業のDXを推進するということですが、あまりDXを導入されていない会社がこれからDXを推進していくために、受け手側の企業としてDXが分かる人材を育てていこうということで考えております。DX人材育成推進員については、特に資格などが必要と決めるようなことは今は考えていないところですが、ベンダーの方もそうなのですが、逆に、ものづくりの企業などで、既にこれまでにIoTですとかクラウドですとかRPAですとか、そういうDX関連で業務改善や生産性向上に取り組んでこられたことを経験されてきた、担当された方というのも想定をしているところです。地域によっては、ベンダーさんで限ってしまうと、なかなか人が集まりにくいということもあるかと思いますが、製造業なりでそういったことをやられたことがある方というイメージでいるところです。
 それから、仁平委員と平田委員から産業政策との関連ということで、御指摘ありがとうございます。職業訓練は、離職者訓練は特に就職が目的ということなのですが、それだけではなくて、国全体として必要な人材を育成していくという観点が当然ありますので、実はその必要な人材を育成することが、イコール就職率にもつながってくるということで、そこは切っても切れないところかと思っておりますので、各業所管省庁として、各省庁さんと連携させていただいたり、いろいろなことを教えていただいたりしていきたいと考えております。当然、各省庁のほうでも人材育成に直接携わるような場面もあるかと思いますが、その両方で政府全体として進めていければと思っております。
 最後の平田委員から御質問がありました人材ニーズの把握ですが、いろいろなチャンネルがありまして、JEED、高齢・障害・求職者雇用支援機構のほうでは、人材ニーズ調査というのを毎年やっております。全国のポリテクセンター等において、地元の企業に、数千社だったと思いますが、調査に行きまして、具体的なニーズを聞いてきたりということはやっております。そこでミクロレベルと言いますか、かなり具体的なニーズを把握しておりまして、それを施設内のカリキュラム改善などに使っているという実態があります。それから、地域レベルの人材ニーズ把握ということでは、地域訓練協議会などで共有をしますが、先ほどお話に出ました、県ごとでアンケートなどをしていたりとか、あるいは、ハローワークが正に人材ニーズの宝庫でして、求人者から出る求人票が人材ニーズということですし、求職者のほうからは訓練受講ニーズを把握できるということですので、そういったものを取りまとめて共有したりしています。あとは、都道府県の方も地域訓練協議会に参加しておられまして、地域の産業政策に沿った形での人材ニーズなどを御報告いただいたりということで、共有はしております。ただ、具体的なコース設定ですとかカリキュラム改善に、それをどのようにつなげていくかは、まだ十分とは言えないかなと思っていますので、そこは引き続き改善を図っていきたいと考えているところです。以上です。
○藤村博之教授 ありがとうございます。関口さんからもう一度手が挙がっておりますが、どうぞ。
○関口正雄常任理事総務委員会委員長 すみません、忘れておりました。公共職業訓練、離職者訓練のオンライン訓練の実施状況と、同様に、求職者訓練のほうもオンライン訓練の実施状況ということで資料にあり、御説明もありました。これは昨年度から開始されていると思うのですが、オンライン訓練の位置付けと言いますか、今後どのように重きを置いておかれるのか、今後の計画の中にも特にその点についての言及はないと思うのです。
 と申しますのは、私どもの専門学校も大学も、特に専門学校の医療系のほうは、看護や理学療法士のような現場実習が全くできないという状況の中で、しかし資格は取っていいよという中で、必死の取組と言いますか、学内実習に切り替えるだけではなくて、なかなか難しいことではあったのですが、可能な限りオンラインでの取組もやってきたということがあります。そういう観点からは、どの分野でオンラインが可能かということについては、実は制限がないと。後のほうで、地方の皆さんの御意見の中に、介護とか調理とかものづくりとか、そういうところは難しいのではないかという御意見の紹介がありましたが、私どもの経験で言うと、例えば実習という中でも、説明部分というのはかなりあるのです。実際に受講者が手を触れて何かしなくてはいけないという時間以上に、説明の部分とかがあります。こういう部分は、座学と同じように、映像等々での説明ということで十分可能だということも分かってきましたし、さらに、継続した科目の中で、予習に当たるようなコマは、あるいは復習に当たるようなコマは、十分オンラインでOK、実際に現場、現地で手を触れなくてもということで、そういう組合せということも導入し始めている。もっといろいろな工夫を必死に大学も専門学校もやっているということがありますので、そういう事例と言いますか知見を参照いただいて、その上で、せっかく着手されたオンラインの訓練というものの将来をお考えになったほうがいいのではないかということを申し上げたいということでした。以上です。
○藤村博之教授 ありがとうございます。オンラインは、大学の講義でも否応なしに取り入れられていまして、いい面ももちろんあります。ただ、やはり、実際会って話さないと伝わらない部分もあるなという、その辺の組合せをどうするかというところだと思うのです。今の関口さんの御意見について、事務局はどのようにお考えでしょうか。
○平川人材開発統括官付訓練企画室長 オンライン訓練の今後の位置付けは、確かにお示しはしなかったのですが、オンライン訓練については、去年の5月から、公共職業訓練で同時双方向型を可能にしたのを皮切りに進めてきております。きっかけとしては、コロナ禍の中での対応ということがありますが、情報通信技術が発達してきている中で、そもそも訓練とか授業に限らず、オンラインが普及してきている背景もあって、オンライン訓練を導入したところです。ですので、今後、おそらく世の中ではオンライン化がますます進んでいくと思いますし、そういった流れの中で、オンライン訓練のほうも、おそらく逆行していくことではないと捉えております。より良い形で発展させていくべきだと考えております。
 医療などでも実習ができるというお話がありまして、オンライン、同時双方向型の訓練は、最初は学科に限るという形で始めたのですが、後で改正をしまして、実技も可能としております。実際やっていただく中で、実技のほうもできるケースがありましたので、改正をしました。こちらとしては、どの分野だとよくて、どの分野は駄目というのは、制限は掛けない形にしておりまして、現場の中で説明部分はオンラインでできるとか、いろいろな工夫などは、実施機関でやられていく中で、これからどんどんノウハウを蓄積していっていただければと思っております。藤村先生が今、おっしゃいましたように、全てがオンラインになるのが望ましいかと言うと、おそらくそうでもないかなということですので、オンラインがふさわしい部分で、できるだけオンラインが進んでいけるように、我々も、その妨げになるような制度上の問題等があるようでしたら、そういったものの改善も図っていきながら、推進を後押ししていくと、そういう立場かなと思っております。以上です。
○藤村博之教授 どうもありがとうございます。高齢・障害・求職者雇用支援機構の青田さんにも手を挙げていただいております。どうぞ。
○青田光紀求職者支援訓練部長(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構) 青田です。今のオンライン訓練の関係の発言ですが、当機構においても、当然、今後オンライン訓練については非常に重要であると思っております。現段階では実技の対応が難しくて、実際、学科とか座学を対象として今、オンライン訓練を実施しているところなのですが、こういった課題を解決するために、今年度から、ICTを活用した訓練技法の開発とか、オンライン訓練の実技実習展開にどういったことができるかというものの検討を始めたところです。これも今後、検討しながら、実技でできる部分についてもやっていきたいと考えているところです。以上です。
○藤村博之教授 どうもありがとうございました。議題1について何か追加で御意見があれば承りますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。では、続いて2つ目の議題に入りたいと思います。「令和4年度全国職業訓練実施計画の策定方針について」です。事務局から説明をお願いします。
○平川人材開発統括官付訓練企画室長 それでは、資料3を御覧いただきたいと思います。令和4年度全国職業訓練実施計画の策定に当たっての方針ということで、この表の左側に書いてありますのが今年度の実施計画の抜粋です。右側が、今回お諮りをいたしますたたき台ということで、来年度の計画に盛り込むべき内容で、特に今年度の計画から変わった所を抜き出して下線を引いています。
 まず公共職業訓練の離職者訓練についてですが、訓練規模としては、施設内訓練は本年度と同程度、委託訓練については若干の減少ということです。次の2ページを御覧いただきますと、離職者訓練の訓練の内容という所で1点、ITの関係で、「デジタル化の進展に対応するため、IT分野の訓練コースの実施を推進」というのを付け加えてはどうかと考えています。
 3ページ目からは在職者訓練です。対象者数のところで生産性向上支援訓練41,500人ということで、先ほどのDX関係ですけれども、2,000人拡充ということです。それから、4ページが学卒者訓練で、こちらは今年度と同規模ではどうかと考えています。その下が障害者訓練で、訓練内容の所に書いていますけれども、委託訓練の委託先企業の新規開拓を進めるために、今は訓練期間は上限3か月ですけれども、これの柔軟化ですとか、あるいは委託先開拓業務の外部委託の活用を行うこと、それから5ページにいっていただきまして、訓練内容の充実のために訓練コースに職場実習機会を付与した場合に経費の追加支給を行うことを追加してはどうかなということです。
 その下の求職者支援訓練については、訓練規模と、その訓練規模を踏まえた訓練認定規模を若干拡大するということです。6ページは求職者支援訓練の基礎コースと実践コースの割合ということで、本年度の計画ではそれぞれ50%ずつと定めています。この割合のこれまでの変遷としては、平成24年度のこの計画では基礎コースが20%、実践コースが80%で、実践コースのほうが多かったのですけれども、平成25年度から基礎コース30%、実践コース70%となっておりまして、その後の平成28年度から、基礎コース50%、実践コース50%ということで、1対1ということに見直されております。
 平成28年度に1対1に見直しをしましたが、就業経験が少ない方ですとか、非正規での転職を繰り返す方について、社会人スキルの充実を図るべきという観点から制度の見直しを行ったというのが平成28年度にありました。基礎コースの内容ですとか、基礎コースを受けた後に実践コースを受けていただくという連続受講を可能にしたという見直しを行ったのが平成28年度で、そのときに50%対50%に見直されています。こちらは計画の上で50%対50%ですけれども、実際の実績の割合としては、平成28年度と平成29年度は、基礎コース割合の実績が33.3%ということになっており、その後ちょっと下がってきておりまして、令和2年度は基礎コースの割合が28.5%になっております。
 この求職者支援訓練については、特にこのコロナ禍において、就業経験が少ない方とか、非正規雇用で転職を繰り返す方というだけではなくて、非正規雇用の形で長く働いておられた方が離職を余儀なくされるというふうなケースも増えてきております。そういったこともあって、シフト制の労働者の方などが訓練を受講しやすくなるような特例措置なども講じているところですので、この実践コースの割合を今の50%から60%に引き上げてはどうかということで、このように書かせていただいているところです。来年度の計画策定に当たっての方針については以上です。
 関連の資料として、次の資料4は今年度の実施計画の本体ですので、こちらの御説明は省略させていただきます。次の資料5は、各地域の職業訓練実施計画を一覧表で取りまとめたものです。47都道府県で地域計画を作り、それぞれ割合等を定めるわけですけれども、この資料の3ページの1番下の行が全国平均の数字になっております。例えば基礎コースと実践コースの割合というのが左から3行目ぐらいにあって、全国の地域計画上のパーセンテージの平均が基礎コースは32%、実践コースは68%ということになっております。それから、ちょっと右にいっていただきますと、分野ごとの割合がありまして、介護が19%、医療事務が11%、情報系が16%ということで、平均すると各地域計画のほうでこのように定めているということです。
 最後になりますけれども、資料6ということで、こちらは地域訓練協議会で出された主な意見です。今年の2月に中央訓練協議会を行いましたけれども、その後に、それを受けて全国47都道府県で地域訓練協議会を開催しておりまして、そこで出た御意見になります。
 御紹介しますと、まず1ページ目の周知・広報についてということで、コロナウイルスの影響で雇用情勢の悪化が懸念される中で、訓練の重要性が見直される状況にあるので、引き続き制度周知に努めていただきたいというお声ですとか、従業員の学び直しが不可欠だと言われている中で、職業訓練は離職者訓練以外にも在職者訓練等がありますので、そういった様々なプログラムがあることについて周知が重要であることですとか、あるいは、短期間・短時間訓練については、若者のひきこもり対応をされている機関、シングルマザーの方の窓口など、広く自治体への周知を進めるべき、受講者募集については、県と労働局がこれまで以上に連携すべきといったような御意見がありました。
 ニーズを踏まえた訓練設定というところについては、まず、コロナ禍によって失職する方などが人手不足分野にスムーズに移動できるような取組をお願いしたいという声ですとか、IT人材の育成に力を入れていただきたいという声、それから、経済団体などでもパソコンのセミナーなどをやっておりますけれども、その関係性の整理が必要ではないかというふうなお声がありました。
 それから、人手不足分野・成長分野の訓練設定ということで、まず介護福祉分野については、先ほどのパッケージの推進を期待するという声がありました。それから、やはりデジタルの関係の声があって、中小企業ではなかなか対応が遅れていて生産性が低下しているので、国と県が連携して育成に取り組んでほしいというお声。ITについては、内部に専門家がいないので、デジタル技術で現場をつなぐことができる人材の育成が重要ですとか、IT業界でSEとかネットワーク関係の人材が不足しているので、高度な訓練コースを整備してもらいたいというお声がありました。
 受講者属性を踏まえた設定については、氷河期世代について「介護・建設・運輸」以外の業界への支援も必要ではないかということですとか、子育て、介護中の方のために、オンライン受講ですとか夜間の訓練設定を増やせるとよい、高齢者向けのコース設定が必要、障害者の方にとってはパソコンは有利なので情報系のコースを実施していただきたいというお声がありました。
 オンライン訓練についてもお声がたくさんありまして、まずオンライン訓練の円滑な実施に向けて引き続き課題を共有していくことが重要であるということ、まだ始まって間もないところもありますので、責任者の養成講座などを設定していただきたいという声がありました。あと、懸念材料としまして、オンライン授業で質の担保ができるのか、費用負担が増えないか、受講者にパソコン自体使えない方もいるとか、ものづくり、介護、調理などは、先ほど関口委員からもお話がありましたけれども、オンライン訓練は難しいというお声があったということです。
 最後に総論的意見ということで、やはり人材開発については、様々な関係機関が協働しながら解決していくことが重要ということ、コロナの関係で社会情勢が簡単に好転するとも考えにくいので、今後の見通しを厳しめに見て対応策を講じることが必要、コロナ後のニーズを研究して新カリキュラムを構築してほしい、訓練が有効だとはっきりわかるデータがあるとよいという意見がありました。資料の御説明は以上です。
○藤村博之教授 どうもありがとうございました。では、ただいま御説明いただきました、来年度の策定方針に対する御意見、御質問をお受けしたいと思います。いかがでしょうか。特に手が挙がりませんか。これでOKということで。
○平川人材開発統括官付訓練企画室長 全産能連の北村さんから手が挙がっています。
○藤村博之教授 ごめんなさい、ちょっと見落としていました。北村さん、どうぞ。
○北村俊幸副会長(一般社団法人全国産業人能力開発団体連合会) 恐れ入ります、ありがとうございます。森に代わりまして北村です。どうぞよろしくお願いします。毎年、私どもの団体の事業者にアンケートを実施しておりまして、その内容から是非現場からの声ということで御報告させていただきます。
 まず1つ目、新たな雇用訓練パッケージの中にあります特例措置につきましては、事業者が訓練を設定する上でとてもプラスになっているということです。特にデータの中にもありましたけれども、短時間・短期間のコースについて教室の稼働率が向上する、フレキシブルなニーズ対応、設定などに本当に役に立つということと、空き時間が生じた場合に対応できるということで、事業者はとても高い評価をしていて、有り難いと思っている次第です。今の来年度予算の中にもありましたけれども、推進をするという方向について、私どもも大きく期待するところです。
 それから2つ目、全体の中でも就職率が設定されていますが、事業者の中で、現行の就職率の基準について、実態の見直しを求める声が多数出ています。特にコース別、職種別ということがありますけれども、実態を見ながらというのが今の各委員の意見の中にもあって、なかなか難しいところもあると思うのですが、そこを是非踏まえて、個別な詳しい方向性とか基準を設けていただくことができればということです。特に地域や職種、年齢、社会状況ごとに、就職率の検討をしていただければと考えています。
 3つ目は少し観点が違うのですが、就職率にも関するところです。就職支援には、キャリアコンサルタントやジョブ・カードアドバイザー、そんな有資格者が必須になっています。逆に、キャリアコンサルティングは外部委託も可能という形になっています。ときどきハローワークでもキャリアコンサルタントの御紹介を頂いたりということがあるのですけれども、その情報を開示していただいたり、連携をさせていただいて、キャリアコンサルタントの御紹介とか、それを希望される方にスムーズに御紹介できたり、支援ができるという観点で、そのようなところのハローワークとの連携強化をしていただくとか、また、そのような御通知を頂ければ有り難いと思っています。
 最後ですけれども、全国で訓練実施参加型の職業訓練説明会というのが実施されています。その手法について、やはり各都道府県別に計画もありますし、それから先ほどの地方の検討会もあると思うのですが、ばらつきがあるように思われます。一律で全てを網羅して対応することは思いませんが、実施事業者が、直接の訓練生とか就業の意欲・猶予のある方に対して、現場の声を出していけるとか、こんな形の生の声を出していけるという取組を是非していただければということです。例えば医療・介護分野におきましては、訓練実施事業者が、現場で活躍しているスタッフの声を、病院のいろいろなスタッフの声をお話する、いろいろな働き方をレクチャーするということでできると思っていますし、それで就業意欲が高まり、また、安心して就職していただけるということになると思っていますので、是非そんなところを、先ほどのDX化の所でもありましたけれども、面談とオンラインでという形のものをミックスしながら、ハイブリッドな方法で少しフレキシブルに考えることができればと思った次第です。以上です、ありがとうございました。
○藤村博之教授 どうもありがとうございます。杉崎さんにも手を挙げていただいていますね、どうぞ。
○杉崎友則産業政策第二部担当部長 経済団体が実施しているセミナーとのすみ分け、補完が必要ではないかという意見がありました。商工会議所は全国に515ありまして、各地商工会議所ではいろいろなセミナーですとか研修講座を実施していますが、対象者は中小企業に在職している方です。一方で、厚労省が実施している訓練については、在職者訓練も当然ありますけれども、離職者の方の訓練がメインですので、ある程度すみ分けや補完はできているのではないかというのが率直な印象です。
 その上で、中小企業においては、生産性を高めていくことや、いかに事業で付加価値を生み出していくかということが非常に重要な中で、JEEDさんが行っている生産性向上支援訓練は非常に重要な事業であり、活用が進んでいるようですが、公共職業訓練に関しては中小企業における認知がなかなか進んでいないということも感じております。もちろん商工会議所としても厚生労働省と連携させていただきながら、周知に努めてまいりますが、先ほども申し上げましたが、訓練の効果を含めて、周知、アピールをしていくということが、より求められるのではないかと思います。
 最後の1点ですが、本日の議論も非常に有意義であったと思うのですが、今後のことを見据えますと、外国人労働者の方々がスムーズに訓練を受講できるような環境づくりということも大事なのではないかと思います。特定技能が創設されまして、今コロナ禍でなかなか受入数が増えていないという現状がありますが、外国人労働者の方々のスキルアップ、働きがいの向上といったことを考えますと、外国人の方々に訓練をいかに受講していただくか、受講しやすい環境をつくっていくかというような観点は、今後より重視していく必要があるのではないかと感じていますので、御参考にしていただければと思います。以上です。
○藤村博之教授 はい、ありがとうございました。では、事務局からお答えをお願いします。
○平川人材開発統括官付訓練企画室長 はい、お答えいたします。まず、短期間特例訓練は非常にプラスになっているというお声、ありがとうございます。お役に立てているということで、こちらも大変有り難く思っています。引き続き適切に推進していきたいと思っています。
 就職率の話ですけれども、欠格要件ですとか、就職率に応じてインセンティブが出るときに、就職率の要件設定をしていまして、確かに今は、全国一律で全ての分野について同じ率を設定して運用しているところです。この率につきましては、例えば雇用情勢が大きく変わって実態から大きくかけ離れてくれば、当然見直していくということになるかと思います。ただ一方で、あまり頻繁に見直しを行いますと、安定性の観点から課題があると考えています。あまり頻繁に支払額が変わるのもよくないと思っています。
 雇用情勢はそもそも一定程度変動があるものですので、あまり追随していくというのも運用上、限界があると思っていますけれども、ただ実態上、不合理な就職率が設定されているという状況は当然よくないですので、そういったことがないように随時見直していくということではないかと思っています。
 それから、キャリアコンサルタント、実施機関にはキャリアコンサルティングをお願いしていて、外部委託でも可能としています。キャリコンの関係は、実は登録はハローワークのほうではなくて、キャリアコンサルティング協議会という所が指定登録機関になっています。その協議会のほうで、キャリコンサーチという検索システムを運用していまして、ホームページから見られるようになっています。都道府県ですとか得意分野ですとか、もろもろ検索条件がありまして、キャリアコンサルタントを検索できて、仕事の依頼もそこから行えたりするような仕様になっているようですので、是非そちらのほうも御活用いただけたらと思います。
 訓練説明会の実施につきましては、安定局からお答えをお願いできますでしょうか。
○安蒜職業安定局総務課訓練受講者支援室長 職業安定局でございます。北村委員から訓練説明会について御意見を頂きました。どうもありがとうございます。お話を頂きました訓練施設の皆様に参加していただきながら行う訓練説明会については、大変有効な取組だと思っています。このため、現在、全国のハローワークに実施を指示していますので、より多くのハローワークで実施されるように、改めて指示をしたいと思います。
 また、実施方法についても、オンラインでの実施や、オンラインと対面を併せたハイブリッドでの実施の御意見を頂きました。現在コロナ禍で訓練説明会が実施できていないハローワークも多くありますので、その手法は大変有効な手法だと思います。こちらも、訓練施設の皆様と連携して工夫して実施するよう、指示したいと思います。以上です。
○平川人材開発統括官付訓練企画室長 あと、杉崎委員から、生産性向上支援訓練の認知が進んでいないのではないかという御意見がありました。こちらは、数としましては予算を上回るぐらいの数で御利用いただいていますけれども、特にどういった効果があるかというアピールなども含めて、より分かりやすく広く広報していくという方法については、引き続き取り組んでいきたいと思っています。
 それから、外国人の方の受講ですけれども、制度上、外国人の方も受講していただけることになっていて、在留資格の関係で、もう本国にすぐ帰ることが分かっている方は御遠慮いただくことになるのですけれども、そうでなければ当然受けていただけるということです。環境づくりということで、実際にどういったところで受けづらいことがあるかといったところは、いろいろ工夫をしていきたいと思いますので、実態なども把握しながら、引き続き意識して取り組んでいきたいと思います。以上です。
○藤村博之教授 はい、ありがとうございます。よろしいでしょうか。では関口さん、どうぞ。
○関口正雄常任理事総務委員会委員長 今の訓練計画の中で、キャリコンと関係してジョブ・カードへの言及が何箇所かあったと思います。私もジョブ・カードの委員会の委員で、何年か属していたのですが、その委員会がなくなりまして、学校段階での、大学や専門学校でのジョブ・カードの活用ということについては、全専各も含めて、それなりにいろいろやってきたのですが、委員会が突然なくなってしまいました。しかし、訓練計画の中でも、キャリコンとの関係ではありますが、ジョブ・カードに言及されているわけです。そうすると、ジョブ・カードというのは今後どのような方向で利用者を増やしていこうとしているのか。その辺については何か計画があるのか。基本方針は、どこでどのように定めていこうとされているのか。直接関係ない話で恐縮ですが、もし教えていただけるようでしたら有り難いのですが。
○藤村博之教授 事務局いかがでしょうか。
○宇野人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 人材開発政策担当参事官の宇野と申します。本日から参加させていただいています。よろしくお願いします。今、関口委員から御質問がありましたジョブ・カードにつきましては、ここには担当がおりませんが、同じ人材開発統括官部門でこのジョブ・カードの制度の推進をやっています。今、広報等に取り組むとともに、在職者向けのキャリア形成サポートセンターという形でのキャリアコンサルティングの推進等をやっています。今お尋ねの学校段階のところにつきましては、今日の御意見は担当のほうに伝えまして、また別途、御回答させていただければと思います。大変雑駁な答えですけれども、以上です。
○藤村博之教授 よろしいでしょうか。そのほかございますか。お手は挙がっていないようですね。今日は2つの議題について議論してきましたが、これまで出ていない論点について、もしあればお出しいただきたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。
 この新型コロナウイルス感染症は、なぜこんなに急激に新規感染者が減ってきたのかよく分からないというのが、専門家の意見のようですが、よく分からないということは、また増えるかもしれない。しかし、多くの仕事を探している人たちにとって、ちゃんとした能力を身に付けて次の仕事につなげるというのは、とても大事なことです。それを国が支援していくということで、基本的な方針、来年度に向けての方針も御議論いただきました。今日はいろいろな御意見が出てきましたので、事務局は今日頂いた意見を踏まえつつ、来年度の全国職業訓練実施計画について更なる検討作業を進めていくように、お願いします。
 本日の議題は以上ですが、何か追加で御質問、御意見があれば承ります。いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、本日の中央職業訓練協議会を終了させていただきます。次回の開催については、来年1月頃を予定していますが、別途、事務局から御連絡いただけると思います。今日はどうも御参集ありがとうございました。