令和3年10月15日 第70回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第19回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和3年10月15日(金) 13:00~15:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより「第70回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第19回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同会議)」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですので、タイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージまたはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。
 現在、副反応検討部会委員9名のうち8名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。また、永井委員より、途中退席される旨の御連絡をいただいておりますが、少々遅れているようでございます。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。
 留意事項に反した場合は、退場していただきます。
 また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や、会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
 本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、始めさせていただきます。
 事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
 本日御出席をされた委員の方々の、過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者はファイザー株式会社、武田薬品工業株式会社、アストラゼネカ株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、全ての委員においてファイザー株式会社及びアストラゼネカ株式会社より50万円を超える受け取りはございませんでした。宮川委員が武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 石井委員、宮川委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○岡座長 次に、事務局より本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日は、国内外のワクチン接種後の心筋炎疑い事例の報告状況を踏まえまして、心筋炎について御議論をお願いしたく思います。ついては、本日の会議資料としましても、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から資料1-2、参考資料1から7となっており、通常の会議資料とは構成が異なっております。
 不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○岡座長 よろしいでしょうか。
 それでは、議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等」について、まずは、資料1-1-1から1-2について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 それでは、資料1-1-1をご覧ください。こちらは、今回「心筋炎関連事象疑い報告の状況について」ということでまとめさせていただいております。
 まず、本日の審議の内容でございますけれども「1.最新の心筋炎関連事象疑い報告の状況について」「2.ワクチン接種後の心筋炎関連事象に関する周知・注意喚起について」「3.添付文書の改訂案について」「4.心筋炎関連事象に関する論点のまとめ」ということで御紹介させていただきます。
 本日は、広く一般の方も含めまして、会議を御視聴いただいている可能性もあることと存じます。まずは、委員の先生方も含め、皆様にこれまでの審議会で御議論いただいてきた内容も含め、御紹介したいと考えております。
 まず、資料の28ページ目を御覧ください。参考資料の28ページ目でございますけれども、前回、10月1日の審議会で御議論いただきました論点の資料でございまして、前回審議会時点における心筋炎関連事象に関する考え方のスライドとなります。
 まず、上段、青囲みの心筋炎関連事象についてのまとめをご覧ください。
 心筋炎関連事象に関しては、国内外において、2回目接種後数日以内に発症する若年の男性での報告が多く、その因果関係が疑われているが、発症しても軽症であることが多い。また、国内外の報告によると、若年者において、COVID-19感染症により心筋炎を合併する確率は、ワクチン接種後に心筋炎を発症する確率と比較して高い。
 国内の心筋炎関連事象疑いの報告事例においては、因果関係が疑われている若年男性の多くの事例について、引き続き軽快又は回復が確認されている。
 ワクチン間の被接種者の属性が異なることに留意が必要であるが、年齢、性別別の報告頻度の解析では、ファイザー社ワクチンにおいては20歳代男性の報告頻度が多く、武田/モデルナ社ワクチンにおいては10歳代及び20歳代男性の報告頻度が多い。このような最新の情報についてはWebサイト(Q&A)において周知を図っている。としております。
 こうした状況を踏まえまして、前回の審議会時点では下段のようにまとめさせていただいたものでございます。
 心筋炎関連事象の典型的な症状としてはワクチン接種後4日程度の間に、胸痛や息切れが出ることが想定されることから、こうした症状が現れた場合は医療機関を受診するようWebサイト(Q&A)等において注意喚起を行っていく。
 また、引き続き、国内の接種状況を踏まえつつ、国内の心筋炎関連事象疑い報告の状況や海外における報告状況を注視していくとともに、最新の情報の周知及び注意喚起を行っていく。
 年齢、性別別の報告頻度に係る解析結果を踏まえても、現時点においては、接種によるベネフィットがリスクを上回ると考えられる。若年男性も含め、全体として、ワクチンの接種体制に直ちに影響を与える程度の重大な懸念は認められないとしてよいか、とお諮りさせていただき、おまとめとして了の御見解をいただきました。
 続きまして、29ページ目をご覧ください。こちらは、一般人口、すなわち非ワクチン接種者においても心筋炎は一定数発症しており、その発症率をお示しするデータといたしまして、以前の審議会より御紹介させていただいております、令和元年度におけるNDB(レセプト情報・特定健診等情報データベース)によるレセプトの集計でございます。
 ご覧いただきたい部分といたしましては、現在注視されております若年男性においても、1日当たり・100万人当たりで0.12から0.23人程度、表でお示ししますと、40歳未満の男性の下段でございますけれども、こちらが0.12から0.23人程度の方が、ワクチンを接種しない方でも心筋炎関連事象を発症しているというものでございます。今回、後ほど御紹介しますスライドにて、このNDBデータの解析を進めた結果を御紹介させていただきたいと思っておりますので、そちらを含めて御議論いただきたいと考えております。
 続きまして、30ページ目をご覧ください。こちらも以前の審議会より御紹介させていただいている資料ではございますけれども、ワクチン接種のリスク・ベネフィットを御議論いただくに当たって参考となる資料として、本邦の新型コロナ感染症の入院患者における心筋炎関連事象について、まとめた資料でございます。
 内容の要点でございますけれども、COVID-19 Registry JAPANと申しまして、レジストリーの概要としては、新型コロナウイルス感染症と診断され、入院した登録症例について、こちらの資料は2021年5月31日時点で、ご覧のような研究施設と登録の症例数について解析したものでございます。集計対象といたしましては、本レジストリー登録者のうち、集計可能であった4万843人のうち15歳以上の例において心筋炎関連事象を合併したと考えられる者について集計してございます。
 その集計方法につきましては、下の※でお示ししてございますけれども、調査項目のうち合併症として「心筋炎・心外膜炎・心筋症」の欄にチェックがあった者を集計してございます。
 結果をまとめますと、下の四角囲みのところをご覧いただければと存じますけれども、新型コロナウイルス感染症の合併症として心筋炎関連事象が疑われる事例が報告されており、感染者100万人当たりの心筋炎関連事象者数としては、男性が1048人、女性は607人でございました。
 このうち、15歳から40歳未満の男性100万人当たりの心筋炎関連事象については834人(約0.08%)という状況でございました。
 続きまして、31ページ目をご覧ください。こちらは、海外の情報でございます。Preprintの情報ではございますが、若年者における新型コロナ感染症の発症後の心筋炎の合併リスクとして、資料としてまとめられたものでございますけれども、こちらは米国ケースウエスタンリザーブ大学の報告でございますが、COVID-19感染症と初回診断された12歳から17歳の若年男性6846人のうち、6人(0.09%)が心筋炎を発症したとされてございます。
 また、一方で、調査対象とされた医療機関のネットワーク外でフォローされた症例等の条件を考慮した調整後の心筋炎発症者数といたしましては、当該の12歳から17歳の男性については、100万人当たり450人(0.045%)と推定されたという報告がございます。
 こうした情報に基づきますと、国内外におきまして、若年男性においても、コロナ感染症発症後には、100万人当たり450人から900人程度の心筋炎の合併があると考えられ、本邦においても若年の感染者が増えているとされている中、その発症予防効果が約9割とされているワクチン接種のリスク・ベネフィットをお考えいただくに当たっての参考となるデータと考えてございます。
 また、32ページ目をご覧ください。こちらは、心筋炎関連事象に関連したQ&Aのページでございます。今般、若年男性においてワクチン接種後の心筋炎疑いの報告が多いことを踏まえ、その最新の情報提供が重要であると考えまして、毎回の審議会ごとに最新の情報をQ&Aの更新によって周知・注意喚起を行ってございます。引き続き、こうしたQ&Aの示し方等につきましても、委員の先生方から御意見があれば頂戴したいと考えております。
 また、33ページ以降でございますけれども、こちらは10月1日に頂きました循環器学会の参考人からの資料等を含めまして、新型コロナウイルス感染症後の心筋炎、及びワクチン接種後の心筋炎について、どのようなことが分かっているのかを含め、最新の情報とコメントをまとめておりますので、改めてこうした情報もご覧いただきながら御議論を深めていただければと考えております。
 それでは、ページを戻りまして、資料冒頭、3ページ目までお戻りください。ここからが「最新の心筋炎関連事象疑い報告の状況について」でございます。
 まず、4ページ目でございます。前々回の審議会より、今回、3回目でございますけれども、年齢・性別別の推定接種回数について推計することが可能となってございます。4ページ目は、今回、最新の情報といたしまして、ファイザー社ワクチン接種後の年齢・性別別の推定接種回数(10月3日時点版)について解析したものでございます。上段が1回目・2回目接種の合計値、下段が2回目接種のものとなってございます。
 また、5ページ目でございます。こちらは、武田/モデルナ社ワクチン接種後の年齢・性別別の推定接種回数について、おまとめしたものでございます。
 また、6ページ目におきましては、アストラゼネカ社ワクチンの接種後の年齢・性別別の推定接種回数を載せてございます。
 こうした推定接種回数を踏まえまして、7ページ目、8ページ目、9ページ目として、それぞれのワクチンの接種後における心筋炎関連事象疑い報告の状況について、おまとめしております。
 まずは、7ページ目をご覧ください。こちらは、製造販売業者から心筋炎関連事象疑いとして報告された事例の概要をおまとめしてございます。ファイザー社ワクチン接種後の心筋炎関連事象、心筋炎関連事象と申しますのは、心筋炎及び心膜炎を含みますけれども、これらを疑うものとして、接種開始から10月3日までに製造販売業者から合計160件の御報告がありました。20歳代の男性の報告頻度が多いという状況は前回と同様でございまして、表中、赤でお示ししておりますけれども、1回目・2回目接種の合計で、男性100万回接種当たりで申し上げますと5.75、100万人接種当たりで申し上げますと9.62の報告となっております。
 また、2回目接種後につきましては、当初より心筋炎関連事象はワクチン2回目接種後について、若年男性でその御報告が多いという状況でございましたので、参考としてお載せしてございますけれども、20歳から29歳において、100万回、こちらは100万人当たりでもございますけれども、10.74件という状況でございます。
 また、8ページ目におきましては、武田/モデルナ社ワクチンについてのデータでございます。こちらも製造販売業者報告で心筋炎関連事象疑いとして報告された事例の概要をおまとめしてございますけれども、合計としましては93例の御報告がありまして、前回同様、10歳代及び20歳代の報告の頻度が多い状況でございました。
 表中のご覧いただきたいところといたしましては、上段、1回目・2回目接種後の合計としましては、10代及び20代において、男性100万回当たりですと18.38件あるいは14.83件。100万人当たりで申し上げますと、28.83件、25.65件といった状況でございまして、さらに2回目接種後で申し上げますと、10代が43.21件、20歳代で言いますと31.48という状況でございました。
 7ページ目と8ページ目でございますけれども、現時点で疑われております若年男性以外のゾーンにおきましては、その注視されているゾーンと比較しまして、それぞれ男性・女性の報告頻度は多くないといったところがご覧いただけるかと存じます。
 また、9ページ目をご覧ください。こちらは、10月3日時点でございますけれども、現時点におきましては、アストラゼネカ社ワクチン接種後に心筋炎関連事象疑いとして報告はございませんでしたので、こちらは全てゼロとなってございます。
 続きまして、10ページ目をご覧ください。こちらがキーのスライドになると考えてございます。こちらは、心筋炎関連事象疑い報告の状況について、先ほどお示しした、特にファイザー社ワクチンと武田/モデルナ社ワクチンにおきまして、1回目及び2回目接種後の合計について、前回の審議会までの時点分、及び今回の最新の報告の頻度につきまして、おまとめしたものでございます。
 1回目・2回目接種後の合計としましては、それぞれ下線を引いているところに御注目いただければと思いますけれども、今回分が10月3日まで、前回分が9月12日までとなってございまして、まとめますと、ワクチン間の被接種者の属性等が異なることに留意が必要ではございますけれども、最新の年齢・性別別の報告頻度の解析で、男性においては、10歳代に加え、20歳代についても、ファイザー社ワクチンに比べ、武田/モデルナ社ワクチン接種後の報告頻度が明らかに高いことが確認されました。こうした状況を踏まえまして、今回御審議いただきたいと考えてございます。
 また、11ページ目でございます。ページ番号が欠落しており、恐縮でございます。こちらは、心筋炎等の発症頻度の比較ということで、先ほどから御紹介申し上げています新型コロナウイルス感染症に伴う発症、及びmRNAワクチン接種後の発症疑い報告の頻度をそれぞれ並べたスライドでございます。10歳代及び20歳代の男性における新型コロナウイルス感染症に伴う心筋炎等の発症頻度は、mRNAワクチン接種後に報告された心筋炎等の疑いの発症頻度と比較して高いということが見てとれるかと存じます。
 続きまして、12ページ目でございます。こちらは、先ほどの参考資料のほうでNDBのデータを御紹介申し上げましたが、非ワクチン接種後とワクチン接種後の心筋炎関連事象について比較したものを年代別・性別について解析した結果の概要をお示ししているものでございますけれども、こちらは、後ほどの添付文書の改訂のお話の際にまとめて御説明させていただきますので、説明は割愛いたします。
 続きまして、15ページ以降をご覧ください。こちらは、海外における新型コロナワクチン接種後の心筋炎関連事象についてということで、15ページ目から17ページ目までまとめさせていただいております。常に最新の情報収集に努めてございますけれども、今回は、10月13日調査時点のものとなります。
 まず、15ページ目をご覧ください。こちらは、米国、英国、欧州における最新の新型コロナワクチンにおいて発生状況が注視されている心筋炎関連事象についての状況でございます。
 米国におきましては、新型コロナワクチンについて、Fact Sheetや患者向けの教育資材等において心筋炎関連事象に関する情報が記載されております。若年層を含む全ての人において、当該ワクチン接種のベネフィットは心筋炎関連事象のリスクを上回る。引き続き、12歳以上の全ての人に対し当該ワクチンの接種を推奨する。ワクチン接種と心筋炎関連事象の因果関係について評価を行っている。こちらのステートメントに関しては、引き続き同様の内容が続いているという状況でございます。
 続きまして、16ページ以降をご覧ください。こちらは昨今、報道がございました、カナダや北欧等の最新の情報の現時点版をおまとめしているものでございます。
 まず、16ページ目でございますけれども、カナダの情報でございます。カナダにおきましては、12歳以上に対し、mRNAワクチンのみが承認されている。10月1日時点で、ブライトン分類1から4に該当する心筋炎/心膜炎が859件報告された。現時点の解析結果では、ファイザー社ワクチン接種後の心筋炎/心膜炎の件数は30歳以下の一般人口における予測値よりも高く、主に2回目接種後に認められる。また、モデルナ社ワクチン接種後の心筋炎/心膜炎の件数は一般人口における予測値よりも高く、特に40歳以下と2回目接種後に高い。エビデンスは変化しており、心筋炎/心膜炎とmRNAワクチンの関連性に係る調査を継続していく。
 また、カナダのオンタリオ州におきましては、以下のようなことが示されております。オンタリオ州の18から24歳の者に対しファイザー社ワクチンを推奨する。オンタリオ州の18から24歳、特に男性において、ファイザー社ワクチンと比べてモデルナ社ワクチン接種後に心膜炎・心筋炎の増加が見られたことによる。10月3日までに、mRNAワクチン接種後の心筋炎・心膜炎が423件報告された。心筋炎116件中110件、心膜炎192件中105件がブライトン分類1から3に該当し、心筋炎・心膜炎併発例115件中105件が心筋炎または心膜炎のいずれかのブライトン分類1から3に該当した。最も報告率が高かったのは、18歳から24歳の2回目接種後の男性であったとされてございます。
 また、17ページ目でございます。こちらは、スウェーデンに関する情報でございます。公衆衛生庁は、予防的な理由から1991年以降に生まれた全ての者に対し、モデルナ社ワクチンの使用を一時停止することを決定した。代わりに、同年齢層に対しては、ファイザー社ワクチンが推奨される。この決定は、12月1日まで有効となる。スウェーデン及び北欧のデータから得られた分析によれば、モデルナ社ワクチンに関しては、特に2回目接種後に関連性が明確になる。リスクの増加は、接種後4週間以内、特に最初の2週間以内に⾒られる。1991年以降に生まれた者であってモデルナ社ワクチンを接種した者に対しては、現時点で2回目の接種が行われていないが、そのグループに対する最善の解決策については現在も検討が続いている。該当者は、約8.1万人である。とされてございます。
 また、下段でございますけれども、9月29日までに、ファイザー社ワクチンが1060万回、モデルナ社ワクチンが180万回接種されました。スウェーデンを含む北欧のデータソースの予備分析により、ファイザー社またはモデルナ社ワクチンを接種した者において心筋炎の発生率増加が確認されている。
 新規で実施した予備分析では、心筋炎の発生率は、2回目の投与後の方が1回目よりも高く、若い男性の方が高いことが確認されている。さらに、心筋炎のリスクは、ファイザー社ワクチンの2回目接種後よりもモデルナ社ワクチンの2回目接種後の方が高いと見られる。これらのリスクとの関係性をより詳細に調査する分析が進行中であり、これには心膜炎の分析も含まれる。スウェーデン医療製品庁は、これらの予備分析結果を欧州医薬品庁に通知した。ワクチン接種後の心筋炎と心膜炎の発生は非常にまれであり、これらのワクチンのベネフィットは、副反応のリスクを上回る。とされてございます。
 こうした情報に関しましては、引き続き更新があると考えてございますので、事務局といたしましても最新の情報を注視してまいりたいと考えてございます。
 また、18ページ目、19ページ目をご覧ください。こちらは、全年齢の疑い報告についてでございますけれども、それぞれ最上段に日本の全ての報告頻度、100万人接種当たり及び100万回接種当たりとしてお載せしているものでございまして、海外と比較いただけるようにしてございます。御参照いただければと思います。
 こうした状況を踏まえまして、20ページ目に心筋炎関連事象についてのまとめのスライドを作成させていただきました。
 心筋炎関連事象に関しては、国内外において、報告頻度はまれではあるものの、2回目接種後数日以内に発症する若年の男性での報告が多く、その因果関係が疑われてきました。
 国内の報告では、ファイザー社ワクチンにおいては20歳代男性の報告頻度が高く、武田/モデルナ社ワクチンにおいては10歳代及び20歳代男性の報告頻度が高い状況でございました。
 一方で、国内外の報告によると、若年者においても、ワクチン接種後に心筋炎を発症する確率は、COVID-19感染症後に心筋炎を発症する確率と比較すると低い。
 また、循環器の専門家によると、ワクチン接種後に発症する心筋炎は、COVID-19感染症後と比較して軽症であるとされてございまして、国内の心筋炎関連事象疑いの報告事例においても、因果関係が疑われている若年男性の多くの事例について、軽快または回復が確認されてきました。
 これらの状況を踏まえまして、前回の審議会においては、国内の接種状況を踏まえつつ、国内の心筋炎関連事象疑い報告の状況や海外における報告状況を注視していくとともに、最新の情報の周知及び注意喚起を行っていくこととし、COVID-19感染症によるリスクと比較すると、接種によるベネフィットが上回ると考えてよく、若年男性も含め、全体としてワクチンの接種体制に直ちに影響を与える程度の重大な懸念は認められないとしたところでございました。
 こうした状況の中で、今回、ワクチン間の被接種者の属性等が異なることに留意が必要でございますけれども、最新の年齢・性別別の報告頻度の解析によると、男性においては10歳代に加え20歳代についても、ファイザー社ワクチンに比べて武田/モデルナ社ワクチン接種後の報告頻度が明らかに高いことが確認されました。また、北欧等について、若年者に対するモデルナ社ワクチンの使用が停止または非推奨となる等の対応がなされております。こうした状況につきまして御議論いただきたいと考えてございます。
 続きまして、22ページ目をご覧ください。こちらは、ワクチン接種後の心筋炎関連事象に関する周知・注意喚起といたしまして、10代・20代の男性と保護者の方へのお知らせということで、若年男性及び保護者の方に対するリーフレットによる周知について、現在調整しているものでございます。若年男性に係る心筋炎関連事象の報告頻度及びファイザー社ワクチンの推奨をいただく場合については、以下のようなリーフレットにより周知することとしてございます。こちらの資料につきましては、参考資料7にも載せてございますので、どうぞ御参照いただければと考えてございます。
 続きまして、23ページ目以降が「添付文書の改訂案について」でございます。
○事務局 「3.添付文書の改訂案について」でございます。こちらのスライドでも概要をお示ししておりますが、別途詳細な資料を御用意しておりますので、資料1-2をご覧いただければと思います。「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチンの添付文書の改訂について」でございます。
 1ページ目「1.品目の概要」は飛ばさせていただきまして「2.経緯」でございます。重複する内容がありますので、飛ばさせていただきまして、4つ目の○でございます。先ほど御説明させていただいた内容と重複するものでございますが、現時点でのモデルナ筋注の若年男性の副反応疑い報告状況や、カナダや北欧諸国の対応を踏まえまして、コミナティ筋注及びモデルナ筋注の添付文書におきまして、若年男性に係る心筋炎等の報告頻度が高いことについて情報提供を行ってはどうかと考えております。
 2ページ目「3.副反応疑い事例の報告状況について」でございます。
 (1)国内の報告状況は、先ほど御説明した内容と重複しますので、省略させていただきまして、3ページ目の下のほう、(2)年代別・性別のO/E解析結果をご覧いただければと思います。コミナティ及びモデルナの10月3日までの製造販売業者からの副反応疑い報告のデータを用いまして、O/E解析を実施してございます。ワクチン接種後の年代別・性別の心筋炎等の発現頻度を解析しております。
 4ページ目の※2とした部分にO/E解析の内容を記載しております。ワクチン接種後の心筋炎等の単位期間・症例数当たりの発現率とNDBの心筋炎等の背景発現率に基づき期待される単位時間・症例数当たりの発現率との比、ここではO/E比と呼んでおりますが、こちらのO/E比につきまして、性別・年齢別に算出し、比が1を上回れば、その層でのワクチン接種後の心筋炎等の発生頻度が高いと判断するというものでございます。
 3ページ目に戻っていただきまして、解析につきましては複数の解析条件で実施しております。具体的には下に記載しておりますが、心筋炎の定義の取り方、リスク期間、あるいは症状の発現日が不明の症例を解析に入れるか入れないか。あるいは、接種回数別のデータをどのように扱うかという考え方によって結果が変わりますので、計24パターンで実施しまして全体的な傾向を確認しております。
 全解析結果は、別添3という形で15ページ目以降におつけしておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 結果でございます。その結果、モデルナ筋注では、全接種回または2回目接種を対象としました、おおむね全ての解析で、10代及び20代の男性におきまして、一般集団と比べて報告頻度が高いことが示されております。一方、コミナティ筋注では、全接種回または2回目接種を対象としました解析で一貫した結果が得られないという状況でございました。
 なお、コミナティ筋注及びモデルナともに、1回目接種を対象としました解析では、いずれの解析条件でも、一般集団と比べて報告頻度には差が認められないということでございました。
 (3)海外の報告状況は、先ほどのスライドと重複しますので、省略いたします。
 5ページ目「5.海外添付文書の記載状況等」の(1)の部分でございます。米・英・欧の添付文書における心筋炎の記載を抜粋しておりまして、米国の添付文書におきましては、両ワクチンともに、市販後明らかとなった副反応として心筋炎等が記載されておりました。また、同時に当該事象は市販後の自発報告に基づくものであることから、接種と事象との因果関係の確立は必ずしも可能ではないと記載されておりました。
 また、英国・欧州の添付文書におきましても、両ワクチンともに、頻度不明の事象という形で心筋炎等が記載されておりました。
 また、米・英・欧、全ての添付文書におきまして、両ワクチンとも、心筋炎の事例につきましては、若年男性や2回目接種後の報告頻度が高いことが記載されておりました。
 (2)の海外の接種状況は、先ほどの内容と重複しますので、割愛いたします。
 6ページ目「6.添付文書の改訂案について」でございます。コミナティ、モデルナともに、現在、添付文書におきましては、重要な基本的注意という項目や、臨床使用に基づく情報という項におきまして、心筋炎等について情報提供や注意喚起を行っているところですが、国内外の心筋炎の報告状況を踏まえまして、以下のとおり、O/Eの解析結果を追記し、さらなる情報提供を行ってはどうかと考えております。
 具体的な修文案につきましては、コミナティ筋注につきましては「15.1 臨床使用に基づく情報」の項に、新たに「15.1.2」というものを新設いたしまして「接種開始後の国内副反応疑い報告における心筋炎、心膜炎の報告率と、国内の医療情データベースを用いて算出した一般集団から推測される心筋炎、心膜炎の発現率とを比較したところ、他のコロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン接種後の若年男性で頻度が高いことが示唆された」と追記しまして、類薬であるモデルナ筋注で発現頻度が高いことが示唆されているということを情報提供してはどうかと思います。
 また、モデルナ筋注につきましては「接種開始後の国内副反応疑い報告における心筋炎、心膜炎の報告率と、国内の医療情報データベースを用いて算出した一般集団から推測される心筋炎、心膜炎の発現率とを比較したところ、本剤接種後の若年男性で頻度が高いことが示唆された」ことを情報提供してはどうかと思います。
 なお、今回の追記案につきましては、現時点での知見に基づく提案となりますので、北欧諸国の一部において使用停止の根拠となった調査結果が現在未公表であるということから、引き続き、これらの情報の収集に努めまして、必要がありましたら、さらなる追記等の対策を検討したいと現時点では考えております。
 添付文書改訂の説明は以上となりまして、続きまして、資料1-1-1のほうに戻っていただきまして、スライド25「4.心筋炎関連事象に関する論点のまとめ」でございます。
○事務局 最後、26ページ目、心筋炎関連事象に関する論点のまとめをご覧ください。ワクチン接種後の心筋炎関連事象に関する論点のまとめでございます。
 まず、1つ目、心筋炎関連事象については、いずれのワクチンにおいても、COVID-19感染症による発生率と比較して、ワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回ると評価でき、全年代において、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えてよいか。
 ただし、10歳代及び20歳代の男性については、ファイザー社ワクチンに比べて、モデルナ社ワクチン接種後の心筋炎関連事象が疑われる報告頻度が明らかに高いことから、ファイザー社ワクチンの接種を推奨することとしてはどうか。なお、本人がモデルナ社ワクチンの接種を希望する場合は、COVID-19感染症に合併する心筋炎関連事象の発生頻度よりは低いことから、接種可能のままとしてはどうか。
 これまでの報告事例によると、心筋炎関連事象はワクチン接種後4日程度の間に、胸痛や息切れが出現していることから、こうした症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診するよう引き続きWebサイト(Q&A)等において注意喚起を行うこととしてはどうか。
 また、10歳代及び20歳代の男性が、適切な情報に基づいて、ワクチンの選択ができるように、十分な情報提供を行うこととしてはどうか。
 国内外における副反応疑い報告の状況やその解析結果等を踏まえ、コミナティ筋注及びモデルナ筋注の添付文書を改訂し、若年男性に係る心筋炎関連事象の報告頻度が高いことについて注意喚起を行ってはどうか。
 引き続き、国内の接種状況を踏まえつつ、国内の心筋炎関連事象疑い報告の状況や海外における報告状況を注視していくとともに、最新の情報の周知及び注意喚起を行っていくこととしてはどうか。ということで御議論いただきたいと考えてございます。
 また、実際の心筋炎の報告事例についてでございますけれども、前々回の審議会より、資料1-1-2として載せてございますけれども、製造販売業者からの報告を中心に事例をまとめてございます。
 また、一番右のところに転帰内容ということで、最新の転帰の確認についても引き続き情報収集に努めているところでございます。
 また、情報の即時性の観点から、1-1-3として、医療機関から御報告いただいた全ての事例についても公表してございます。
 こうした情報も踏まえまして御議論いただきたいと考えてございます。
 事務局からは以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 ただいま事務局より、新型コロナワクチン接種後の心筋炎関連事象の報告状況及び対応案について御説明いただきました。この心筋炎関連事象については、これまでこの調査会でも報告いただき、重ねて議論して、また、日本循環器学会からは、参考人の方、お二人に来ていただいて御説明を受けるなどしてまいったわけですけれども、本日はその心筋炎関連事象に的を絞って御議論をお願いしたいと思っております。
 今日の議論の中で、非常に大事なことであると思いますけれども、論点として大きく2つございます。1つは、この2つの製剤間の比較という視点、もう一つが、NDBデータ、一般人口との比較といった2つの論点があろうかと思いますので、御発言の場合には、その点を皆様で確認していきながら進めていきたいと思っております。
 それでは、よろしければ事務局からの論点、これは26ページ目の、最後に御説明いただいた資料ですけれども、示されておりますので、よろしければそれに沿って進めさせていただきたいと思います。
 まず、最初の○ですけれども「心筋炎関連事象については、いずれのワクチンにおいても、COVID-19感染症による発生率と比較して、ワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回ると評価でき、全年代において、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えてよいか」という点ですけれども、これは資料1-1-1の11ページにあるようなグラフが1つの題材になると思いますけれども、この点について何か御意見等ございますでしょうか。いかがでしょうか。まず、全体の枠組みについていかがかというところですが。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 ありがとうございます。
 これまで副反応・有害事象に関しては、海外でのワクチン接種に対しての有害事象と副反応事象の比較であったり、それから、一般集団において、どれぐらいの頻度かということで議論するケースが多かったのですが、今回は実際にCOVID-19の感染によって、この心筋炎関連事象が発生していて、それと比較して非常に少ないということがこれまでと違うポイントかなと思っております。そういう意味では、100万回当たり800、0.08%という、実際に感染した場合の合併症としての頻度に比べると、桁が違うぐらい低いということは、ここに記載しているように、ベネフィットのほうが上回ると評価していいのだろうと思いました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 石井委員、お願いいたします。
○石井委員 ありがとうございます。石井でございます。
 今の数値を比較すると、私も山縣先生と同じでベネフィットでいいと思うのですが、感染したほうが重症度は高いということが分かったとしても、ワクチン接種後に心筋炎を起こした後、どれくらいでふだんの生活に戻るのか、正常に戻るのか。あとは、安静にしていればいいのか、その辺りの情報が少しあれば教えてください。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
 ワクチン接種後の心筋炎発症によって死亡された方や未回復の方がどの程度いるのか、あるいは一般に心筋炎によって死亡する確率や完治しない確率がどの程度かといった視点が必要なのかなと考えてございますけれども、まず、資料といたしましては、資料1-1-2におきまして、製造販売業者からそれぞれ最新の転帰情報を確認してございます。製造販売業者報告、ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチンについて、事務局のほうで、その転帰について集計させていただいております。
 まず、ファイザー社ワクチンについてでございますけれども、転帰不明を除く23件のうち、未回復または後遺症ありが1件でございました。こちら、パーセンテージとしては4.3%でございます。また、モデルナ社ワクチンにつきましては、製造販売業者報告、転帰不明を除く55件のうち、未回復または後遺症ありが5件、9.1%という状況でございました。なお、今の情報は、これまでに副反応疑い報告がされた、現在御議論いただいている10代・20代の男性においての転帰の情報でございます。失礼いたしました。
 また、循環器の専門家によると、ワクチン接種後における心筋炎は、COVID-19感染後に合併する心筋炎と比較すると、軽症であることが多いとされてございます。一方で、そもそも心筋炎の発症率については、疾患の特性上、無症状や症状が軽微なものが多く存在すること等から、正確な捕捉が困難とされていることもございますので、心筋炎により死亡する確率や完治しない確率について、一概に述べるのは困難というのも、前提として御紹介申し上げたいと考えてございます。
○石井委員 ありがとうございます。
 あと、ワクチン接種後、心筋炎を発症しやすいリスクなど、分かっているのでしょうか。これまでワクチン接種のときには安静にしましょうという指導を全体に行ってきたように思いますが、その点はいかがでしょうか。
○岡座長 事務局、お願いいたします。
○ 事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
 前回の審議会でも御登壇いただきました循環器の参考人の資料、33ページ目あるいは34ページ目をご覧ください。要点として、33ページ目の最下段に1つヒントがあると思いますけれども、現時点でワクチン接種後の心筋炎発症の機序はいまだ不明ということもあり、現時点でそのリスクについて議論するのはまだ難しいのかなと考えてございます。
○石井委員 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 11ページのグラフですけれども、A、B、C、Dのワクチン接種後の発症率と、EとFを直接比較するというのはなかなか難しいことなのかなと思うのですが、Eの834人というものの根拠が、30ページで先ほど御説明いただきました、4798人中4人というものを100万人当たりに換算されているということですね。かなり大きな割合を掛けたということになるかと思うのですが、計算はそれで正しいでしょうか。
○岡座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 御指摘のとおりでございます。1つ、ワクチンのリスク・ベネフィットを新型コロナウイルス感染症と比較するに当たって、何らかのものができないかということで、100万人当たりの感染者と比較させていただいたものでございまして、御指摘のように4798人中4人から、100万人当たりですと834という数字を出させていただいたものでございます。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 4人という数字ですので、ぶれる可能性が結構高いのかなという気もしますので、こういったグラフで直接比較することが、リーフレットのほうにも同じグラフがあるのですけれども、そこまできっちり比較していいものなのかどうかというのが、ちょっと気になりましたのと。
 あと、15歳から40歳未満ということで、これはたった4人ですけれども、そこを分けるともっと人数が減ってしまいますけれども、情報がないということなのでしょうか。
○岡座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
 おっしゃるとおりでございまして、こちらは、より年齢とか性別を分けて評価してまいりますと、分子数が非常に小さくなって、さらにそのばらつきが大きくなるということから、現時点でお示しできるデータとして834というのをお示ししたものでございます。
 また、こうした単一の比較ですと、そのばらつきがより拡大解釈される可能性がございますので、海外の情報も含めてお示ししたものでございます。なので、あくまでもこちらについては、ワクチン接種後の心筋炎と、コロナウイルス感染症後に心筋炎を発症する率の頻度の目安としてご覧いただければと考えておるものでございまして、純粋にこれだけをもって全てが決められるものではないと承知しております。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 海外も、31ページを見ますと、6846人中の6人というところから換算されているわけですね。なので、そこもかなり無理があるのかなと思いますが、比較するのに必要なのかもしれませんけれども、ちょっと誤解を招くかもしれないなというのが気になりました。
 あと、その海外という言葉なのですけれども、これはアメリカということでよろしいのでしょうか。海外というのが何となく曖昧な印象もあったのですけれども、アメリカ人ではないかもしれないという意味で海外とされているのでしょうか。
○岡座長 事務局、分かりますか。
○事務局 御指摘のとおりでございまして、海外の報告の一つの御紹介として、米国のケースウエスタンリザーブ大学の報告を御紹介させていただいたものでございます。
○伊藤(清)委員 米国とか書いていただいてもいいのかなと、ちょっと思いましたので、取りあえず以上です。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 そうしましたら、続いて、長谷川委員、その後、伊藤委員に行きたいと思います。長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 ありがとうございます。
 この論点にまとめていただいている一番上ですけれども、心筋炎に関しては、感染によって起こる割合とワクチンによって起こる割合、それでリスク・ベネフィットが比較されていますけれども、ワクチンのベネフィットは心筋炎に限ったことではなくて、さらに、ほかの感染に伴う様々なことがベネフィットとしてあるわけですから、ここで心筋炎だけを比べるのはちょっと無理があるというか、もうちょっとベネフィットのほうが大きくなるのではないかと感じました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局のほうで何かコメントありますか。
 アメリカのCDCでも比較が難しいということで、こういった比較をされているかと思いますけれども、今、長谷川委員のおっしゃるとおりで、ワクチンの感染自体を防ぐことで、例えば肺炎もそうですけれども、Long COVIDとか、そういった多様な合併症が防げるわけですので、その1つ、数字として分かりやすいものを出されたという理解でよろしいでしょうか。
○長谷川委員 むしろ、科学的にワクチンによって心筋炎が抑えられたというデータは多分ないと思うので、メリットとしては、全体の感染症と後遺症がどれぐらい抑えられたかというのをベネフィットとして出すべきかなと思います。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局のほう、よろしいですか。御指摘のとおりかと思いますけれども、比較できる数字が心筋炎以外の合併症も含む全体としては出しにくいということかなと私は理解しておりますけれども、委員のおっしゃるとおりかなと思います。
 それでは、伊藤澄信委員、お願いします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 コホートの研究班のファイザーの2万人の中に心筋炎の方もいらっしゃいましたし、ごく最近、ファイザーを打った17歳の男性が心筋炎を起こしたと、身近な医療機関からも報告があるので、1点は、ファイザーでも心筋炎があるのではないかという点と、現在回収されているモデルナ筋注のコホート調査5000人の2回目接種のデータを見ますと、5000人のうちの16人で胸痛があり、その詳細を見ていきますと、お一人の方は発症時期とか痛みの程度から考えて心筋炎だったのではないかと疑われる日誌の記録があるのですが、その方は血液検査などを調べていないので確定してはないのですが。何が言いたいのかといいますと、今後皆さんが心筋炎を意識し始めるとここに提示されているものよりも、頻度がだんだん高くなるのではないかという気がします。
 16ページのオンタリオ州のデータでも、100万当たり167とかという高いデータが出ていますので、今後頻度が高くなっていったときに、実際思ったより高いのではないかということを想定した議論は残しておいたほうがいいのではないかという気がいたします。 
 同時に、後になって言うべきだと思いますが、いろいろな情報提供するときに、心筋炎の疑いがあるような症状が出たとき、もしくは出る前の段階で予防的にどうすればいいのかという情報提供も併せてしたほうがいいのではないかと思いました。それは意見です。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 何か事務局のほう、ございますか。お願いします。
○事務局 伊藤先生、ありがとうございます。
 まさに御指摘のとおりでございまして、今回資料としても出させていただいてございますけれども、10ページ目の前回と今回の比較、心筋炎関連事象疑い報告の状況についてというところで載せさせていただいておりますけれども、ファイザー社ワクチンで心筋炎がゼロであるということはもちろん言ってございませんで、今回のメッセージとしては、ここの最上段に囲まれた、現時点で御報告いただいている範囲全ての中で、ワクチン間の被接種者の属性等が異なることに留意が必要であるが、10代に加えて20代についても、ファイザー社ワクチンに比べて武田/モデルナ社ワクチンの報告頻度が高かったことから、その中において推奨を含めて御議論いただきたいというものでございます。
 また、2つ目の疑い報告の頻度についてでございますけれども、御指摘のとおりでございまして、従前より事務局といたしましては、この心筋炎の事象が注視されているということは、資料としても繰り返し載せさせていただいておりますけれども、今後、さらに心筋炎が注視されることによって、その報告頻度が上がる可能性があるというのは、十分考えられると考えてございます。
○岡座長 よろしいでしょうか。
 多分、注意喚起しますと、気づいていただくようにしなければいけないわけですけれども、当然増えてくるということを私どもも想定しながら進めたいと思います。
 お待たせしました。倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 私も感染に比べて少ないというのは、これでいいと思いますけれども、100万人当たりというのは、理解するためには非常にいいので、それはそれとして、統計学としてどうやってやればいいのか、私、分かりませんけれども、統計的にも有意な差があるということはきちんとやっておいたほうがいいのかなと思います。例えば、4798分の4という数と何かを比較することになるのかと思いますけれども、統計学的に有意であるということのデータも背後に持っておいたほうがいいのかなと思いました。既にやっておられれば、それで問題ございません。
○岡座長 今、お答えできますか。どうでしょう。
○事務局 先生、御質問の内容でございますけれども、コロナウイルス感染後の心筋炎と、ワクチン接種後の心筋炎の比較ということでございますでしょうか。
○倉根委員 いや、全体です。例えば、ワクチン接種後と通常に起こるものと、全ておいて、現段階の数で統計学的にやったら、ちゃんとそれは有意である、あるいは有意でないということをお示しいただける必要があるのではないかということです。
○岡座長 倉根委員は、比較対照として、ワクチン接種後の心筋炎と自然発生の心筋炎と、3番目として、コロナ感染後の心筋炎、この3つですけれども、この3つをまとめて比較したほうがいいという御意見でしょうか。
○倉根委員 いや、それぞれ比べるものを、少なくとも統計学的には解析しておくべきではないかという意見です。
○岡座長 分かりました。そうすると、11ページのグラフの統計的な検討。ただ、資料の集め方がかなり違いますので、統計的なことの意味があるのかどうかという議論も出てきてしまうのかなと。私が元の論文も拝見していますと、ちょっとそういう気もいたしますので、事務局のほうで御検討いただければと思います。
 ありがとうございます。
○倉根委員 分かりました。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。
 佐藤委員、手が挙がっていますね。失礼しました。
○佐藤委員 リーフレットのことは、また後ですか。
○岡座長 それは、後で順番にさせていただきます。
○佐藤委員 では、後で。
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、2番目の論点ですけれども、26ページのスライドに戻っていただいて「10歳代及び20歳代の男性については、ファイザー社ワクチンに比べて、モデルナ社ワクチン接種後の心筋炎関連事象が疑われる報告頻度が明らかに高いことから、ファイザー社ワクチンの接種を推奨することとしてはどうか。なお、本人がモデルナ社ワクチンの接種を希望する場合は、COVID-19感染症に合併する心筋炎関連事象の発生頻度よりは低いことから、接種可能のままとしてはどうか」という論点でございますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 まず、事務局に伺いたいのは、これはファイザーのワクチンをこの年代で推奨するということであって、モデルナの中止をするという意味と取らなくてもいいのでしょうか。その辺をお答えいただきたいと思います。
○岡座長 事務局、いかがでしょうか。お願いします。
○事務局 御指摘のとおりでございます。まさに審議会の先生方にお諮りしているところでございますけれども、当該年齢の男性について、モデルナ社ワクチンよりファイザー社ワクチンを推奨することとしてはどうかという内容でございます。
○濱田委員 そういうことで、ここは非常に大事な、今回の一番の要点になるのではないかと思うのですけれども、モデルナがファイザーに比べて、この年代・性別で心筋炎が高いことは明らかではあると思います。だからといって、ファイザー社ワクチンの接種を推奨するという結論が導き出されるかどうかというところだと思います。
 と言いますのは、全体的に心筋炎を起こしてもほとんどが軽症で済んで寛解しているもの、改善しているものが多いということ。あるいは、欧米でも同じような状況が見られるにもかかわらず、北欧とカナダのオンタリオ州以外はそのまま続けているわけですね。それをあえてファイザーを推奨していいものかどうかということ。しかも、心筋炎が起こる機序というものが分からない状況下であることもたしかです。
 そして、もっと大事なことは、ファイザー社のワクチンであっても、頻度は低いのですけれども、心筋炎を起こすことはデータからしてもある程度言えると思うのですね。そういうことから、ファイザー社ワクチンの接種を推奨するということを言っていいものかどうか。それは慎重に考えたほうがいいと思います。むしろ、接種を推奨するというよりも、mRNAワクチンを使う場合には、心筋炎というものに注意するようにという注意喚起をするほうが、現状としてはよろしいのではないかと私は思います。
 以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 今の濱田委員の御意見としては、この違いというものを強調するよりも、注意喚起をよりしたほうがいいのではないかという御意見かと思いましたけれども、事務局のほうから何かございますか。今の推奨という点について、よろしくお願いします。
○事務局 事務局です。
 まさに、ここが今回の御議論の中の一番大事な論点だと思いますので、皆様方でしっかりと議論していただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、少しほかの委員の御意見も伺いながらと思いますので、よろしいでしょうか。
 順番に、舟越委員、その後、柿崎委員、多屋委員、伊藤清美委員と行きたいと思いますので、舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
 濱田先生がおっしゃっていたものと一緒で、まず、注意喚起をしっかりと徹底してもらうことが前提にあるかと思います。今回の案については、スウェーデンのほうでは12月1日までのようにお尻を決めて、もう一度検証しますというタイミングをちゃんと掲示しています。
 日本でも、この委員会は2週間に1回程度モニタリングしながら評価しているので、またファイザー社のもののリスクが上がってくれば、そのタイミングでまた検証し直すと思うのですけれども、国民にはいつまでかということとか、そういったことを少し決めて、実際にファイザー社の使用量も出てきて検証したときに同じぐらいであれば、またそこを解除するとか、そういうめり張りを少しつけた上で、2つ目の○のようにすることは支持できるのかなと思います。ただ、前提に、この後段にあるリーフレットを含めて、国民にどう伝えるかというところに、まだ十分な情報が入っていないところがありますので、この後半で少し発言させていただけたらなと思います。
 ただ、これを行いますと、結局、アストラゼネカ社のものは40歳以上とか、TTSの問題だったり、今回のこちらに関しては、コミナティをとなってきたときに、地域にワクチンが偏在している話はよく報道でも聞いておりますが、こちらの部分のワクチン、もしこれを通知で出したときに現場の自治体が混乱すると思いますので、その先についてはどういうふうに考えられているのか、そこの2点、発言させていただきました。
○岡座長 ありがとうございます。
 御質問は2点あったかと思います。
 1点目が、仮にこういうファイザー社のほうを推奨するということを出すとして、スウェーデンのような、例えばいつ頃に見直す、あるいはどういったことを目安にということも含めての御意見かと思いますけれども、そういったようなことは考えておられるのかどうかということですけれども、まず、その1点目についてはいかがでしょうか。
 事務局、お願いします。
○事務局 事務局です。
 この副反応については、定期的にこの部会において様々な御議論をしていただいているところですので、今後、データを見ながら検証を重ね、そこで解釈を変える必要があれば、その時点での対応を変えるということも当然あり得ると思います。現時点では、お尻をいつまでに切るというのは、予見性も含めてなかなか難しいと思いますので、たゆまず検証していくということが重要になるのではないかなと思います。
○岡座長 それで、2点目ですけれども、もし推奨ということになったときに、現場での混乱がどうだろうかという御心配ですけれども、この点についてはいかがでしょうか。お願いいたします。
○事務局 本日の議論を踏まえて対応していく必要があるわけですけれども、自治体が混乱することがないようにしっかりとサポートしていきたいと思っておりますし、今回、もし仮にお勧めするといった場合に、今、既にモデルナを予約している方がファイザーのワクチンに切り換えるということも実態として起こり得ると思いますけれども、その場合に、地域において仮にワクチンが足らないということが生じるようであれば、それに対して国としてしっかり追加配分していきたいと考えておりますので、現場が混乱しないように対応していきたいと考えております。
 以上です。
○舟越委員 ありがとうございます。
 追加配分のことは少し安心したところですが、今、ファイザーのほうは差がないというだけであって、高い部分がありますので、この会で継続的にそこのモニタリングをしながらという形で、この2つ目の○については容認したいと思います。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。今、舟越委員からも注意喚起がそもそも大事ということで、それはこの後、またしっかり御議論いただくとして、2点重要な御指摘いただいたかと思います。
 続いて、柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
 ファイザー社のワクチンであっても心筋炎の副反応が起こるということを注意喚起すべきということは、濱田委員、舟越委員と同じなのですけれども、既にモデルナ社のワクチンを接種していて、2回目を待っている方もいるかと思います。2回目を待っている方というのは、5ページ目の資料でいくと、1・2回目合計の接種数から2回目を接種した方の数を引くと、1回目を接種した方の大体の数が出ます。1回目と2回目を比較すると待っている方の数がある程度予測できると思うのですけれども、10代の男性で20万人、20代の男性で50万人ぐらいの方が、10月3日の時点で2回目の接種を待っている方となるのかなと思うのです。
 海外では、2回目はファイザー社のワクチンを推奨するという国もあるかと思うのですけれども、こういった人たちの扱いというのはどのように考えているかというのを教えていただければと思います。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局、お願いします。
○事務局 事務局です。
 これまで、1回目・2回目のワクチンは、基本的には同じワクチンを使うようにということで運用させてきていただいたわけですが、9月17日に厚生科学審議会をやりまして、その場において、やむを得ない事情がある場合は、1回目と2回目、別のワクチンを使ってもいいという交互接種を認める制度改正をしております。
 今回、この部会において議論を踏まえてということになると考えておりますけれども、ファイザーワクチンをお勧めするという結論になった場合につきましては、この例外的な対応に該当すると考えておりますので、その場合は、今、1回目、モデルナのワクチンを打たれた方が、御本人様が希望すれば、当然2回目もモデルナを打てると考えておりますが、ファイザーを希望する場合は、その例外的な対応に該当すると考えております。
 以上です。
○柿崎委員 情報を提示した上で御本人に選んでもらうということでよろしいわけですね。分かりました。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 まず、このようにリアルタイムに報告していただいている医療機関と企業の方に感謝申し上げたいと思います。そしてまた、リアルタイムにこのように詳細に解析して集計していただいて、副反応検討部会、安全対策調査会を開催していただいていることに大変感謝したいと思います。
 ただ、現在の数字では、モデルナ社のほうが頻度として多く見えているということですので、現時点でこの情報を出すということは致し方ないのかなと思います。ただ、そういう情報を出すと、今後、ファイザー社のワクチンを接種する方が多くなってきます。ファイザー社のワクチンも、報告がないというわけではないので、今後の検討のときに注意しなければいけないのではないかと思いました。
 それから、こういうことが発表されると、今後報告数が増えることが予想されますので、そちらへの対応も必要だと思います。アナフィラキシーがお手本になると思うのですけれども、アナフィラキシーは海外での情報を参考に、日本では接種前の準備、接種後の準備がかなりなされたと思います。今回もそれをお手本に、接種前の注意点と接種後、起こったときの注意点をいま一度情報提供して、理解していただいて選んでいただけたほうが、良いと思います。先ほどから頻度の比較について意見があったところですけれども、罹患したときのリスクについては大きいものがあるのかなと思っていますので、以上のことについてお願いしたいと思います。
 あと、2回目はどちらのワクチンを受けたいかということを本人と保護者、20代は成人ですけれども、保護者の方が理解して選べるように、また、受けたいと思ったときに、そのワクチンはどこで受けられるかという情報をなるべく分かりやすく提供していただけるとありがたいかなと思いました。
 高齢者の心筋炎も報告があります。ただ、それをよく見ますと、接種からの日数が、若い方の心筋炎とかなり違っているように思うので、その辺も解析検討していく必要があると思いました。
 すみません。最後に予後なのですけれども、アナフィラキシーのとき、当初は本当に御苦労だったと思うのですけれども、その後どうだったかということを問い合わせてくださっていました。予後がどうだったか。未回復の方も、その後回復している方もいらっしゃるでしょうし、不明の方はその後どうだったかということについて、調査をしていただけるとありがたいと思いました。
 以上です。長くなってすみません。
○岡座長 幾つか御意見と、こういうことをしていただきたいということがあったかと思います。基本的には、この数字を出していく必要性はあるということで、注意喚起していこうという御意見ですけれども、高齢者の方の調査、それから、予後調査については、事務局、いかがでしょうか。
 お願いいたします。
○事務局 多屋先生、ありがとうございます。
 先生御指摘のとおりと考えてございまして、いたずらに不安をあおるのもよくない。一方で、リスクを過少に見せるというのも両方よくないことだと考え、正しく伝えることが非常に重要と考えてございます。
 その点で、いま一度10ページ目をご覧いただきたいと考えてございますけれども、まず、先ほど御説明の際も申し上げましたけれども、重要なことといたしまして、両社のワクチンにつきまして、若年の男性以外の方については、多少の違いはございますけれども、そちらの発症頻度は決して両社で差がなかったということ。あるいは、女性に関しては、男性とかなり値が違っているといったことも、皆様によく御理解いただくことが重要であると考えております。
 また、御指摘のように、例えば何日後に発症した方であるのかといった点、機序から考えると非常に重要なことと考えてございまして、今回、まとめた資料としては、疑い報告で、想定される機序などからすると4日目以内程度に集積しているところがございますけれども、それよりかなり後に発症された紛れ込みの方、つまり、ワクチン接種後に、例えば軽症の感冒等にかかって、それをきっかけに心筋炎を発症した方も含まれている可能性もございます。そうしたものを幅広く頂戴した全ての情報を基に、両社のワクチンを隔てることなく比較させていただいた結果、このようなものになったということでございますので、最終的なメッセージの出し方に関しては、非常に慎重になる必要があると考えてございます。
 引き続き、情報の求め方についても工夫しながら、確かに冒頭でもございましたけれども、どのようにしたら防げるのかとか、何がリスクであるのかということに関して言うと、現時点で分かっているのは、若年の男性について多いというところだけでございますけれども、文献等も含めて、何かできることがないかというのは見ていくことが重要ではないかと考えてございます。
 以上でございます。
○岡座長 事務局、お願いします。
○事務局 予後調査につきまして御報告させていただきたいと思います。資料1-1-2の4ページの上から3行目の7617番、71歳男性の事例でございまして、一番右の部分に転帰というものを記載させていただいております。それで、心膜炎が一番上なのですが、未回復という形になっておりますが、御指摘のとおり、これは報告時点のものとなっております。それで、最新の状況とずれている可能性がありますので、御指摘いただきましたとおり、こういったものの調査を製造販売業者にも協力いただいて、させていただいております。結果として、この事例につきましては、7月30日に回復されていたということが分かりましたので、このような形で注を入れさせていただいております。
 この資料の転帰の部分で※印が入っている部分については、改善等、最新の状況が確認できたものは注釈を入れさせていただいているという状況でございます。
○多屋委員 ありがとうございます。
○岡座長 大変な御努力だと思いますけれども、引き続き、そういう調査をよろしくお願いします。
 それでは、伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 幾つかお伺いしたいのですが、18ページと19ページにファイザーとモデルナ、それぞれの日本と海外での症例報告件数が比較されているのですけれども、例えば、英国ではファイザーよりもモデルナの頻度がかなり高いのかなと思うのですが、欧州ですと余り違いがなくて、英国と欧州の数値がかなり違うのです。例えば、モデルナですと20倍から30倍くらい違うのですけれども、これは接種回数も多少は違いますが、それほど大きくは違わない中で、何か心筋炎とか心膜炎の定義が違うとか、そういったことがあり得るのでしょうか。欧州ですと、ファイザーとモデルナが余り違わないように見えましたので、その辺りがちょっと気になったのですけれども、何か情報がありましたら教えていただけますでしょうか。
○岡座長 お願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 英国は全体的に副反応の件数の報告が多いのではないかと考えておりますが、関係資料等を調べたいと思います。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 18ページとか19ページに示していただいたような情報は、カナダとかスウェーデンについては報告がないということなのでしょうか。先ほど、北欧については、まだ詳細な根拠データがないということだったかと思うのですけれども、カナダ・オンタリオ州のところを見ますと、例えば16ページの下から4行目辺りに、ファイザーが249件でモデルナが174件と、ファイザーのほうが多いのですけれども、接種回数がかなり違うのか、カナダの情報というのも特に数字はないのでしょうか。
○事務局 御指摘、どうもありがとうございます。
 米国、英国、欧州に関して言うと、米国はCDC、英国はMHRA、欧州はEMAで、薬事規制当局を中心に調べていき、また、これら以外にも探していくわけですけれども、この3つの当局が定期的に公表しているということもあって、そこを中心にやっていたという経緯であります。
 一方で、スウェーデンなどは言語の問題もあって、定期的に調査というのはなかなか難しいところもあります。今回、北欧からそういう報道があったので、別途調べたという経緯でございます。御指摘いただければ調べたいと思うのですが、何分、どうしても言語の問題があるということもありまして、効率的なことも含めて、この3つの規制当局を中心に考えてやっているという状況であります。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。カナダについては、数字が逆でしたので、頻度がかなり違うのかというのがちょっと気になりましたので、教えていただければと思いました。
 あと、1回目モデルナを打った方で、2回目ファイザーという場合の安全性といいますか、交互接種を承認されてはいるのですが、心筋炎、心膜炎に関して、1回目モデルナ、2回目ファイザーという方の発症の頻度といった情報というのは、国内はかなり少ないと思うのですけれども、海外も含めて何か情報はありますでしょうか。
○岡座長 事務局のほう、いかがでしょうか。お願いします。
○事務局 事務局でございます。
 今、御指摘いただきましたとおり、そのような組合せに関して、心筋炎に関してリスクがどうなるかといった詳細な報告については、確かに把握してございません。
 以上でございます。
○岡座長 大事な御指摘かと思います。今後、もしそういうことになったときに十分な調査が必要かなというふうに思います。
 伊藤清美委員、よろしいでしょうか。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○岡座長 そうしましたら、宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 いろいろな委員の方々が積極的に議論されていたわけですけれども、多屋委員をはじめとして、非常に分かりやすいというか、議論をまとめていただきました。この部会の委員をはじめとして、医学的、または科学的なバックグラウンドを持った方々、あるいは知識のある報道関係者の方はある程度理解できている、だんだん周知が図られてくるということだろうと思います。これは、全てリスクコミュニケーションに集約できることだと考えています。
 先ほどから、数値が一人歩きしないで、正しく伝えていくということが非常に重要だということを各先生方がずっと御議論されてきたのだろうと思います。ですから、情報が正しく伝達できていることを前提としてその後は、その中で接種される方に選択の自由というものがあるようにすればよいのでしょう。しかしながら、交互接種とか交差接種についてのリスクはまだ十分分かっていないと思います。そのことを含めて、臨床現場でしっかりと若い方々や保護者の方が薬剤を選択するという自由があり、その後フォローできる体制をしっかりつくり上げることができればよいのではないかなと思います。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 そうしましたら、次、倉根委員で、その後、佐藤委員と行きたいと思います。倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 ありがとうございます。
 私も、現段階ではモデルナにおける心筋炎の数が多いであろうというのは正しい判断かなと思うのですが、1つ、どうしても推奨という言葉が。つまり、このことによって、モデルナのワクチンがファイザーより劣るのだというイメージがつくられないようにしないといけないのではないか。モデルナにはモデルナのいいところもあるし、それから立派なワクチンである、これまでも使われているということがあるのだけれども、こういうことが起こると、AのほうがBよりいいとか、BはAより劣るみたいな解釈がどうしてもされてしまい、そのためにせっかく使えるワクチンが十分利用されなくなるということが起こりかねないと思います。
 過去、直接ではないけれども、これまでの経験から、ワクチンにそういう理解がついてしまう、そういうふうに考えられてしまうということがあると思います。ですから、一度そういうふうになると、今度、きちんとした立派なワクチンであるということを理解させることがものすごく難しくなるということだと思います。そして、これはあくまでも心筋炎という現段階での理由であって、AがBより、あるいはBがAより、ワクチンとしてというイメージをつくらないように、言葉遣いとか説明を持っていく必要があるのではないかと思います。我々が思っているよりも揺れが激しいというか、皆様の理解がそっちのほうに向いてしまうことを非常に恐れます。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。大事な御指摘で、最初に濱田委員もおっしゃいましたけれども、ファイザーも心筋炎を起こすわけですし、現時点での途中のデータだけでどこまで言えるかということもございますので、モデルナのワクチンが劣るといった伝え方がないようにというのは、本当に大事な御指摘かなと思います。
 何か事務局のほう、よろしいですか。
 では、佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 ありがとうございます。
 私も先生方の意見と同じで、推奨と書かれてしまって、あえてそのままモデルナを打つ、というのは、なかなか選択しづらくなるだろうなと思って聞いていました。さきほど、柿崎先生がおっしゃっていたのですけれども、モデルナを打って、次を待っている方というのがかなりいらっしゃる。そういう方が、今度ファイザーを打ったときに、そのデータをどういうふうに取り扱うのかなというところが、気になりました。だから、それに関して、どういう整理を考えていらっしゃるのか、ちょっと教えていただけないでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。
 ただいまの点について、いかがでしょうか。1回目モデルナで、2回目ファイザーを打った方の今後のデータ処理の考え方ですね。その点については、現時点では検討中ということでよろしいですか。今後、恐らく海外でも同様のまとめ方をどうするかというのが多分出てくると思います。実際に北欧では、国によっては、20歳から30歳までのところを、1回目モデルナの人を2回目ファイザーにしようということも言っているようですので。ありがとうございます。それについては、事務局のほうで検討していただきます。分かりやすい形でまとめていただくということ。
○佐藤委員 お願いします。
○岡座長 では、先に森尾委員、お願いいたします。
○森尾委員 ありがとうございます。
 今まで議論になっているように、正しく、分かりやすい情報をお伝えするということがすごく重要だと思いました。ただ、先ほど宮川委員の、個人がワクチンを選べるということは非常に重要なポイントだと思っています。その点で、事務局が先ほどおっしゃっていましたけれども、継続して検証していくのだ。そして、継続して、この部会からメッセージを発信していく、正しい情報を伝えていくということが何より重要なのではないかなと思いました。
 ちょっとここで1点、挙げさせていただいていいかどうか分からないですけれども、モデルナのワクチンで心筋炎関連事象を起こしていらっしゃる方は18歳、19歳なのです。それで、接種対象年齢の引下げは、恐らく7月の終わりの添付文書改訂からだと思いますので、12歳から17歳の方がどういうデータなのかというところも、ぜひどこかで提示していただけるとありがたいなと思いますし、また、今回は9月半ばぐらいまでのまとめのデータだと思いますけれども、継続的な検証という点からいいますと、今回までとすれば、9月半ばから10月半ばまでぐらいの形で、また提示していただいて。それで、先ほど舟越委員、おっしゃいましたけれども、検証して、また見解を出していくということがすごく重要なのかなと思いました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。伝え方の問題、そして検証の仕方の問題。検証は本当に頻繁にやっているわけですけれども、頻繁にやる必要が出てくるのかなと思いますけれども、事務局のほう、よろしいでしょうか。はい。
 そうしましたら、濱田委員、次、伊藤委員に行きたいと思います。濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 先ほどから柿崎委員、佐藤委員も言われているのですけれども、モデルナを打った人が次にファイザー、何週後に受けるのかという話もあるわけですけれども、そういう手続上の問題もある。普通、モデルナを受けているのは職域で受けていらっしゃる20代の方だと思うのですけれども、ファイザーを次に受けるといったら、これは職域ではできないと思いますので、自治体になると思うのです。では、これは自治体との間で、もう話がついているのか。
 というのは、もうあと1週間後に受ける方、2週間後に受ける方がいらっしゃるわけなので、そういうことを根回しすることなしに、いきなりファイザーを推奨するということを言われた場合、2回目を待っていらっしゃる方が非常に混乱すると思うのですけれども、その点、事務局はいかがお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○岡座長 ありがとうございます。大事な御指摘かと思います。
 事務局、お願いします。
○事務局 この部会の結果を直ちに自治体に情報提供し、また、どのような対応が適切なのかどうかも含めて明確に示し、また自治体をサポートするというのが国の役割だと思っていますので、そういった形で対応したいと思っています。
 事前に根回しをしているかどうかということについては、この部会の結論が出ていない状態で根回しはできないですので、あくまでも部会の結論を踏まえて適切に国として対応していきたいと考えております。
 以上です。
○濱田委員 すみません。HPVワクチンのときも私、言ったのですけれども、この部会に行政の方は入っていないと思うのですね。ですから、本来でしたら副反応に懸念があるということを上の会議に出して、予防接種分科会のほうで早急に決めていただく必要があるのではないか。行政は非常に困ると思うので、その辺、手続上の問題ですけれども、よろしく御検討ください。
○岡座長 お願いします。
○事務局 基本的には、この部会で決まった内容を適切に現場で運用できるように、そこを示していくことが国の役割ですし、市町村をしっかりと支えることも国の役割ですので、そこは適切に対応していきたいと考えております。
○岡座長 宮川委員、お願いします。
○宮川委員 濱田委員の御懸念はあると思いますけれども、市町村を含めて自治体を守るのが私たち実地の臨床医ですので、その体制は臨床の中では十分できていると私は思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○岡座長 よろしいでしょうか。
 そうしましたら、伊藤澄信委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 皆さんがおっしゃるとおり、推奨というのが大変引っかかっておりまして、とりわけ交互接種の実態とか実績が全くない中で、本当に推奨まで踏み込めるのかとは思います。情報提供をきちんとして、皆さんに判断していただかなければいけないということは、論をまたないのですけれども、推奨という言葉の持つ意味というのは、過去のHPVワクチンと同じように、強いメッセージの出し方になるのではないかという懸念を持っております。どちらかというと、意見です。
○岡座長 ありがとうございます。
 大事な点だと思いますけれども、宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 私、選択の自由を提供できればよいと先ほど申し上げました。そういうことを考えればよいので、推奨という言葉が非常に危険であるというか、重いというか、強いという言葉であるのであれば、それは個人の選択をしっかりと保障していくことが肝要です。それが非常に重要なことではないかなと考えております。ですから、それを支えるのが地域医療だと思いますし、それから行政の方々の御協力、国の体制だろうと思っていますので、そのように考えていけばよろしいのかなと思っております。
○岡座長 ありがとうございます。
 伊藤澄信委員、よろしいですか。
○伊藤(澄)委員 はい。
○岡座長 そうしましたら、石井委員、お願いいたします。
○石井委員 ありがとうございます。
 ワクチン接種につきまして、選択の自由というか、個人の選択の下にというのは、それは正しいことですが、分からない一般の方は非常に多いと思います。それだけは、我々、発信する側も肝に銘じていかなければいけませんし、言葉の説明といったことも少し考えなくてはならないのではないでしょうかと、改めて今、思いました。
○岡座長 ありがとうございます。
 推奨という言葉を遣うのかどうか、あるいはこの情報を提供するのがいいのか。ただ、今、石井委員から大事な御指摘として、ますます分かりにくくなってしまう可能性もある。その辺り、本当に難しいところかなと思いますけれども、そのほか、今までの点で御発言のなかった委員の先生、いかがでしょうか。よろしいですか。
 そうしますと、私も座長として、どうまとめていいのか、ちょっと迷うところがございますけれども、推奨という言葉を遣うのか、あるいは10代から20代で、現時点で心筋炎がモデルナ社のワクチンで多いということをもって、選択して、例えば1回目モデルナを打っている方でも、ファイザーを2回目、打つことができますよといった情報提供にするのかどうか、その点について最後御意見をいただければと思います。先ほどの濱田委員の御意見としては、推奨はやめたほうがいいのではないかという御意見ですかね。
○濱田委員 なかなか難しいですけれども、推奨という言葉は確かに問題だと思います。かといって、先ほど石井委員が言われたように、情報だけ提供して、後はお選びくださいというのも、国民の皆さん、なかなか分かりにくいところもあると思うのですが、どうするのがいいか。この場ですぐ決めなければいけないものであれば、採決みたいな形も取らなければいけないでしょうし。
○岡座長 皆さん、それぞれのポイントを把握されながら迷っておられるという現状だと思います。ただ、この部会である程度評価してということが役割と伺っておりますので、ある程度皆さんの合意で決めたいかなと思っております。
 長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 ありがとうございます。
 パピローマのときもそうですけれども、いきなり勧奨を止めるとかやるということをすると、そっちに一気に動いてしまうこともありますし、今回は、一般の人でワクチンを受けるときにメーカーを選ぶという感覚は恐らくないと思って。ベクターワクチンとmRNAワクチンですら、どういう違いがあるかというのが分からないのが現状だと思います。そういった状況で、片方だけを推奨としてしまうと、そっちにどっと動く可能性があって、今回は同じメッセンジャーの中でも両方とも起こるのだけれども、頻度に多少の違いがあるのだということを一般に知っていただくことが重要なのかなと思います。
 ですから、段階を経て、そういう違いがあって、それで考えてもらう期間を置く。実際に接種するお医者さんのほうも、いきなり言われるとリスクは取りたくないので、ファイザーしかうちは扱いませんということになりかねない気がするのですが、いかがでしょうか。
○岡座長 宮川委員、いかがですか。
○宮川委員 私のところは、接種する方が幾ら若くても、本人はどうですかということも聞きますし、親御さんにも聞きます。先ほど私が重要だと言ったのは、リスクコミュニケーションです。正しく伝えることができて、数字が一人歩きしないという前提で、先ほど申し上げましたように、情報を正しく伝えるということは、あくまでもこれは臨床医としてやらなければいけないことですので、それを教えて、そして理解の上に選択することです。どっちがいいですかということは常に言っております。これは、全てのワクチンで同じだろうと考えます。
 ですから、推奨という言葉は非常に魔物のような話です。推奨というのは、どっちかを勧めているわけです。しっかりと数字を理解していただき、どうしますか。一緒に考えようねと問いかけます。接種以前に、前もって考えておいてくださいねという情報をしっかり与えることが重要です。
 これは、私たちだけではできません。報道機関の方々の助けがなければいけないのです。マスコミの方がそういうことを知っていただかなければいけない。その方たちの全ての力を借りて、そしてその力を実臨床の中に落とし込むという形が大切です。ですから、情報公開しているのは、その1点だけなのです。私たちだけではなく、報道機関の方、全ての力と責任の名において、しっかりやっていくことが重要なのです。言葉はしっかり選んでいかなければなりませんが、リスクコミュニケーションの中で、リスク・ベネフィットを考えながらやっていくということをしっかりと伝えていくことが非常に重要だと思います。
 ですから、長谷川委員がおっしゃったとおりだろうと思いますし、先ほど御懸念があった、石井委員が言ったことはそのとおりだと思います。ですけれども、現場は多少混乱があっても乗り越えていかなければいけないのが医療だと思いますから、それは一生懸命受けて立ちたいと思っています。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。そうしますと、推奨という言葉を使っても、宮川委員は大丈夫かなという御意見でしょうか。
○宮川委員 いや、推奨という言葉はなるべく使わないで。正しくお伝えして、どちらを選択しても大丈夫だよという言い方が一番いいだろうと思っています。
○岡座長 ありがとうございます。
 濱田委員、よろしくお願いします。
○濱田委員 私も今、宮川先生が言われたように思うのですけれども、推奨という言葉は避けたほうがいいと思いますし、石井委員が御懸念されていたように、情報提供だけで判断していただくというのもなかなか難しいところなのですけれども、当面、注意喚起することで、後は御判断いただく。それで混乱が生じるようだったら、またそこで検討するというほうが、まずはいいのかなと思います。
○岡座長 ありがとうございます。
 今、何人かの先生の御意見ですと、推奨という形で国が決めますよということじゃなくて、両方、引き続き打てますけれども、こういう事実がありますという情報提供を分かりやすくするという方向性のほうが無難ではないかという御意見が強いようでございますけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。
 そうしましたら、最終的なまとめの文言は今、事務局でもんでいただいて、最後のまとめのところで御議論いただきたいと思いますけれども、国がファイザーを推奨しますよという言い方はちょっと避けるということで、皆さんの御意見が大体。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 活発な御議論をありがとうございます。
 今、論点のまとめ、26枚目のスライドの2つ目の○の表現をどうするかというところが一番ポイントになっているわけですけれども、皆様方の御議論の一つの総意としては、推奨という言葉を遣うのは余りよろしくないのではないかという御意見をいただいているものと思います。
 そうしますと、ここの文章をどう修正することができ得るかというところですけれども「ただし、10歳代及び20歳代の男性については、ファイザー社ワクチンに比べて、モデルナ社ワクチン接種後の心筋炎関連事象が疑われる報告頻度が明らかに高いことから、」の後ですけれども、1つ目の例としては「十分な情報提供の上、ファイザー社ワクチンの接種も選択できることとしてはどうか」。もしくは「ワクチンによって心筋炎の報告頻度に差異があることを注意喚起してはどうか」の2つが本日の議論として、どちらもあり得るのかなと思いましたが、その辺を皆様方で御議論していただきながら、文章のイメージを含めて認識合わせをしていただけるとありがたいと思います。
○岡座長 ありがとうございます。
 今のことを私、正確にはメモできなかったのですけれども、2つの選択肢として、推奨の代わりに、十分な情報提供をした上でファイザーに変えることができるというものと、もう一つは、情報提供にとどめるという2つの案をいただいたかと思いますけれども、それについていかがでしょうか。
 森尾委員、お願いします。
○森尾委員 ありがとうございます。
 交互接種ということが一般的でないところもあり、本当にコミナティを打てるのかという方もあると思うので、前者の、ファイザー社のワクチンも接種できるという形のほうが明確なのではないかと思います。
 私の意見です。
○岡座長 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 私も森尾委員の意見と同じように思います。後者の場合、国民の皆さん、どっちを選んでいいか分からなくなるところもあるので、前者のほうがいいかと思うのです。国民には分かりやすいメッセージになると思います。
○岡座長 ありがとうございます。
 情報提供というだけじゃなくて、ファイザーも選択できるということを強調するという方向性で、皆様、よろしいでしょうか。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 山縣です。
 私もそれに賛成です。ただ、このときに、どうしてそうしたのかということを同時に説明する必要があると思います。現状のデータからは、明らかな差があって、これからどうなるか分からないけれども、現状では、ファイザーを選択する人が出てきて仕方ないのだという理由づけですね。そのときに、今回の心筋炎というのが、二つ三つ下の辺りに注意してくださいとしか書いていないのですが、その後、これが軽症なので、そんなに心配する必要はないのだとか、何をもって選択したらいいのかというのが分かるような形で書いておく必要があるかなと思いました。論点としては、森尾委員が言われたような形で選択できるということを明記することに関しては賛成です。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 そうしますと、2つの選択肢のうちの1番目ということで、皆様、よろしいでしょうか。また後でも確認しますけれども「ただし、10歳代及び20歳代の男性については、ファイザー社ワクチンに比べて、モデルナ社ワクチン接種後の心筋炎関連事象が疑われる報告頻度が明らかに高いことから、十分な情報提供の上、ファイザー社ワクチンの接種も選択できることとしてはどうか」という言い方ですけれども、これで分かっていただけるでしょうか。あと、プラスアルファとして情報提供、なぜこういうふうなことがあるのか。そして、現状のデータというのは、また今後変わるかもしれませんので、その辺りのことも十分情報提供しながらになるかと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。本当に難しい御議論で、いろいろ積極的に御意見いただいて感謝申し上げます。
 そうしましたら、3番目の○に行きたいと思います。「これまでの報告事例によると、心筋炎関連事象はワクチン接種後4日程度の間に、胸痛や息切れが出現していることから、こうした症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診するよう引き続きWebサイト(Q&A)等において注意喚起を行うこととしてはどうか」ということで、これは資料の38ページに現状のものが提示されておりますけれども、数字も適宜アップデートしていただいているということになりますけれども、この点については何かございますでしょうか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
 3番の○については、このとおりでよろしいかと思いますが、10月1日にもちょっと確認したいと思ったことなのですが、集積されたことの時系列の後発、報告の時期というのが、最近のものは見ていないのですが、傾向としては4日以内というのは変わりないのでしょうか。海外のファクトシートを含めて、1週間とか、そういった形で明記されているものが多いですので、4日と決めた中では、自発報告と企業での検証・報告の中で4日のラインである程度書かれていると思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局あるいは多屋先生、その辺りいかがでしょうか。すみません。
○多屋委員 多屋です。
 8月22日まで、すなわち、前回の部会で発表された資料で解析を始めていたので、その情報しかないのですけれども、接種から発症までの日をグラフ化しますと、2日目をピークに、4日目までに多いということが分かってきています。
 ただ、舟越委員がおっしゃるように、それ以降はないのかというと、実は10日、20日あるいは80日とか、かなり遅い報告も出てきています。ただし、2日をピークに、4日、5日ぐらいまでの間に多いことは間違いないのかなと思っています。
 先ほどからもお話がありましたように、こういう報告が出ますと報告数が増えてきますので、よく注意しておかないといけないですし、逆にファイザー社製のものを選択できるという文言にすると、モデルナ社のほうの情報が今後は出てきにくくなりますので、十分注意しないといけないと思いました。
 以上です。
○舟越委員 ありがとうございます。では、被接種者、家族、保護者の方には、今の日本の報告状況によると4日程度という形でいくということでは、変わりはないということでよろしいということですね。
○岡座長 それでは、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 そうしましたら、次の○に進みたいと思います。今回、新しく出てきたものでございますけれども「10歳代及び20歳代の男性が、適切な情報に基づいて、ワクチンの選択ができるように、十分な情報提供を行うこととしてはどうか」ということで、事務局のほうでは、この資料1-1-1の22ページ目にありますようなリーフレットを準備していただいたということになりますけれども、何か御意見等ございますでしょうか。いかがでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 このリーフレットなどを用いて選ばれることになると思うので、モデルナをそのままやるか、ファイザーを使うか、非常に重要な情報源になると思います。この中で、心筋炎自体がそんなに重篤なものではない。もちろん重篤になる方も中にはいらっしゃいますが、その辺の情報提供というものがすごく少なくなっているようにも思います。下のほうに小さな字で「多くは安静によって自然回復します」と書いてあるのですけれども、一般の方は、心筋炎というと、これは大変だと思われるでしょうから、病気自体のこととか、そんなに重篤にならないという点をもう少し含めたほうがいいように私は思いました。
 以上でございます。
○岡座長 事務局、いかがですか。
○事務局 濱田先生、ありがとうございます。
 まず、今回の先生方の御意見を頂戴しまして、こちらのリーフレットについては、文言等、少し修正が必要と考えております。
 一方で、まさに今、先生方にお悩みいただきながら御議論いただいているところであると感じますけれども、たくさんの情報を載せることによって、何が言いたいのかが伝わりにくくなるというところも含めて、事務局の案として、まずこういったものを作らせていただいたものでございます。なので、先生の御意見である実際に心筋炎がどういうものかということも分かりやすくするべきか、ということも含めて、検討させていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そうすると、軽症の心筋炎であるという表現はなかなか難しいと思いますけれども、その点について考慮いただきたいという点ですね。
 伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 これも修正される御予定かなと思いましたけれども、真ん中辺りに「モデルナ社のワクチンを1回目にすでに接種した方も、ファイザー社のワクチンを希望する場合は、予約を取り直していただければ」とあるのですが、先ほどの議論にありましたように、実際受けたいという方がどうすればいいかということをもう少し具体的に書いていただくといいのかなと思いました。
 以上です。
○岡座長 その辺りはいかがでしょうか。お願いします。
○事務局 リーフレットの手直しが必要だと認識しております。ここでいきますと、2つ目の■のところですけれども、ファイザー社の接種をおすすめしますというところも、先ほどの結語に合わせて、ファイザー社のワクチンも選択することができますとか、そういった修正が必要になるかと思っています。
 それから、選択できるということは、予約を取り直していただくということになるわけですけれども、ここに関しましては、地域によってやり方が本当に様々になりますので、ここを個別具体に提示することはかなり難しいのではないかなと思っています。
 また、こういうことが実態としてできるように、自治体の方々と協力しながらやっていく必要があろうかと思いますので、ここはまさに交互接種の枠組みになってきますので、そこの周知も含めて、我々、国として自治体と協力しながら、そういった支援体制ができるように調整していきたいと考えております。
 以上です。
○伊藤(清)委員 そうですね。恐らく自治体によっても違うと思いますので、自治体に問い合わせるようにでもいいのかもしれませんけれども、厚労省にどんどん問合せが行ってしまうと大変かと思いますので、問合せ先ですとか、実際に考慮される方が困らないような連絡先などを入れていただけたらいいかなと思いました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしますと、リーフレットに関しては、オリジナルでは「10代・20代の男性には、ファイザー社のワクチンの接種をおすすめします」となっている、そこの文言の修正をいただくという点と。
 あと、特に、先ほど濱田委員がおっしゃった、一番下の行の「多くは安静によって自然回復します」といった重症度に関する表現をちょっと強調していただくようなもののほうが、情報提供としてはよろしいのではないかということかと思います。
 ですので、ちょっと修正をお願いしてということでよろしいですか。
 そのほか、何かございますか。
 失礼しました。佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。
 これはまだドラフトだということなので、恐らく気がついたことは今のうちに何でも言っておいたほうがいいだろうなと思って、あえて言います。多分、皆さんお気づきだと思うのですけれども、先ほど伊藤清美先生がおっしゃっていた、国内と海外のコロナウイルスに感染した方の心筋炎の数のグラフをここに描く必要があるのかなというのが1つ気になりました。つまり、一番大きなメッセージはモデルナ・バーサス・ファイザーなのであって、コロナウイルス感染群・バーサス・ワクチン接種群ではないわけですね。
 だから、もしワクチン接種群とコロナウイルス感染群というところを示すのであれば、最初の文章のところに数字を載せて、グラフで強調したいところはファイザーとモデルナだけに特化してはどうでしょうか。グラフが並んでいることで、視点が発散します。しかも、先ほどご説明いただいた計算根拠も試算に試算を重ねた数字なので、それほど精度が高いというわけでもない。また、全ての縦軸を合わせているので、ファイザーとモデルナの差がすごくマスクされているなという感じになっています。私だったら、グラフの右側はなくして、ファイザーとモデルナというところを強調するかなと思って見ていました。
 これは意見です。
○岡座長 その点、いかがでしょうか。
 このグラフは2点情報があって、佐藤委員が御指摘のところと、臨床家としても、COVID-19による心筋炎とこのワクチンの心筋炎の頻度は桁が違うという海外の報告。今回お出しになったのは、もっと高い、5%ぐらいという報告も正直あるわけで、どちらかというと控え目の報告を選択されています。ですので、その辺りのニュアンスも伝えたいという事務局の思い。
○佐藤委員 そうしたら、分けたほうがいいのではないですか。グラフの場所とか。
○岡座長 多分スペースの問題というのがあると思います。事前にかなり工夫されたと伺っているので、私としても弁解を代わりにしたところです。
○佐藤委員 すみません。本当に御参考までに。
○岡座長 佐藤委員がおっしゃることも、すごくよく分かります。
 すみません。舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
 私の場合は、コロナ対ワクチンのグラフというところはおっしゃるとおりで、佐藤先生と同じような感想を受けたのですが、もともとこの検討会の中でも、自然発生とか、ほかのワクチンの場合ということがあったように、このファイザーとモデルナだけでの比較というよりは、ほかのワクチンでも起こり得るというところは普通に一文書くか。このグラフの横につけるということはちょっと難しいかなと思っているのですが、一文、冒頭に入れておいたほうが、保護者が見たときに理解しやすいのかなと思いました。
 もう一つは、濱田委員がおっしゃっていたように、下のほうに「多くは安静によって自然回復します」というのが小さく書いてあるのですが、無症候性じゃない、検討会に上がってくるものに関しては、まだ軽快とか回復と言えないもの、判断できないものも多いので、副反応の報告では軽快とか回復と書いてありますけれども、自然回復というのをどの程度で回復するとか、そういったことをこういうふうにはっきり書くことで、国民から質問がいろいろ出てくるのかなと思っています。ただ、それは臨床の診察で受ける医師が適切な情報提供や指導をすると思うのですけれども、ここに関しては、今までの検討と併せると、議論の中では少し文言を変えるか、追記したほうがいいのかなと思いました。
 以上です。
○岡座長 今の点について、いかがでしょうか。もう少し詳しく書いたほうがいいのではないかという御意見でしょうか。
○舟越委員 いや、ここに関しては、先ほどのグラフのほうはファイザーとモデルナのことだけでもいいと思っていて、コロナの心筋炎のリスクのことと、あとはほかのワクチンでも起こり得ることについては、冒頭にどこかに1行程度書いておいたほうがいいのかなと、私はこれを見て感じました。
 もう一つのほうは、下のほうの「多くは安静によって自然回復します」という表現の仕方が、ファイザーのデータからこういうふうに書いてもいいと思いますけれども、今までのラインリストを見ていると、どうしても死亡や軽快とか。完全回復のデータがまだ固まっていないので、追い切れていないので、委員としては違和感が少しあるというだけのコメントになります。
 以上です。
○岡座長 分かりました。
 森尾委員、お願いいたします。
○森尾委員 割り込んでしまいまして、すみません。
 今までの部会の取りまとめの中でも、心筋炎臨床において、多くは安静によって軽快、回復しますという取りまとめで来ていたと思うのです。なので、私はそれはそのままでいいのではないか。メッセージを伝えるという意味でも、過度な御心配は必要ないという点で、ここは一貫して書き切ってしまったほうがいいのではないかと個人的には思います。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 あと、舟越委員、ほかのワクチンでの心筋炎の発症というのは、グラフにするほどないと私自身は認識しておりますけれども、その辺り、事務局、いかがでしょうか。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
 今、手元にデータがないので、正確なことは申し上げられませんが、次回の合同部会におきましては、新型コロナワクチン以外のワクチンについても定期的な報告・評価をお願いしたいと思っておりますので、そちらの資料のほうで分かるかなと思います。
○岡座長 ありがとうございます。それはちょっと宿題にさせていただければと思います。
○舟越委員 すみません。グラフにしてほしいというわけではないのですが、一文入れたらどうか程度のコメントなので、そこはグラフまでする必要はないかなと思っています。
 以上です。
○岡座長 失礼いたしました。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 私は、自然感染したときの合併症としての心筋炎に関しても、しっかり御理解いただいたほうがいいと思っています。これまでも様々な予防接種については、副反応が自然感染のときの合併症よりもはるかに頻度が低い。副反応が出るのだけれども、自然感染するよりも安全なのだということが、接種するときの非常に重要なポイントになるような気がします。
 今回も10代、20代の人たちにとって、新型コロナ感染そのものというのが高齢者に比べて余り重症化しないということがありつつも、自然感染するよりも、予防接種を受けたほうが、こういった合併症も少ない可能性があるのだということを示すことで、何か心筋炎だけを強調することで、じゃ、やめておこうかということのほうがリスクが高いのではないかと思っていますので、情報としては非常に重要な情報ではないかと思っています。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 私も、自然感染といいますか、コロナの感染による心筋炎との比較というのは重要なのかなと思います。今、山縣先生がおっしゃったことと同じ意見です。ですので、そこを強調するというのは、ワクチンを受けることの重要性を示すということがあるので、私は自然感染における情報をきちんと示すことが大事かなと思います。
 それから、もう一つ、他の○の部分というのは、明らかに心筋炎ということを強調しているのですが、4番目の○は当たり前というか「10代・20代の男性が、適切な情報に基づいて、ワクチンの選択ができるように」ということなので、これは残る正式文章になると思いますので、ワクチンの選択ができるような、現時点での心筋炎に関する十分な情報提供を行うこととしてはどうかということを、あえて入れるのもいいのではないかと思います。4番目の○がすごく一般論に見えるので、心筋炎ということを強調しておいたほうが文章としていいのかなと思いました。
 2つです。
○岡座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、論点のまとめの4番目の○に「心筋炎」という文言も入れていただくという方向でお願いします。
 それから、長谷川委員、お願いいたします。お待たせしました。
○長谷川委員 ありがとうございます。
 私も、山縣先生、倉根委員がおっしゃったとおり、若い世代でも感染によって心筋炎が起こるというのを示すのは重要なことと思います。
 同時に、同じように心筋炎が起こるのですけれども、リーフレットのグラフの下の部分の、先ほどの「安静によって自然回復します」というところですけれども、この心筋炎は、コロナのワクチンに関連した心筋炎であって、感染したときの心筋炎とか、ほかのウイルス性の心筋炎といったものには当てはまらないと思うので、ここはきちんとコロナワクチンに関連した心筋炎ということを記載しておいたほうがいいかなと思いました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。御検討いただければと思います。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 私も今までの先生方と同じ意見なのですけれども、今回、10代、20代の男性に2回目のワクチン接種を勧めるかに当たって、非常に大きな判断材料となったのは、資料の30ページに出していただいています、COVID-19に感染して入院した人の1000人に1人は心筋炎を起こしているのだという情報で非常にインパクトがありました。しかしながら、ワクチン接種ではもう少し頻度が低い上に、入院は必要になるかもしれないけれども、多くは回復して退院している。なので、接種から数日以内に胸が痛いときはすぐ周りの人に言ったほうがいいと勧めてきました。
 10代、20代の男の人は、胸が痛いということでは言葉に出さないこともあると思うのですが、そこはしっかりと、もしそんな症状があったらすぐに言わなければ駄目だよと説明して勧めてきました。先ほど提示された100万人当たり800という数字は、ちょっと数字に注意が必要ですけれども、1000人に1人、心筋炎を起こしているのだという情報については、非常に大きなインパクトを持って受け止めたものですから、ワクチン後の心筋炎が比較的軽いということも含めて、ぜひ情報提供はお願いしたいなと思いました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 宮川委員、お願いします。
○宮川委員 ありがとうございます。
 今までのグラフの使用の仕方とか表現の仕方とか、問題提起していただいて、私も非常に勉強になりました。しかしながら、私は実臨床に身を置いてございますので、コロナ感染症の後遺症の方がたくさんいらっしゃることがとても気になります。ちょっと話題が違いますけれども、その方たちがとても多いのですね。実際に、4人に1人程度、何らかの症状があるわけで、つらいという症状を示される方が非常に多いのです。そして当初、コロナの治療は公費でありますけれども、後遺症の治療は保険診療で何らかのお金がかかってしまうということが問題です。
 だから、このグラフの中に、今、多屋委員がおっしゃったように、感染すれば心筋炎も起こりうるし、いろいろな症状があったり、困ることはもっとたくさんあるのだという現状を知っていただきたいのです。ですから、代表的なところでいいので、感染症後のイメージが分かるようにしていただけることが、実臨床の中では非常に重要で、ワクチンを打つことが非常に重要なのだということを理解できるようにしていただきたいのです。正しく情報を伝えることが非常に重要なのではないかと思った次第です。
 以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、よろしいでしょうか。
 それで、今、事務局とも御相談したのですけれども、先ほど皆さんと御相談したような、モデルナワクチンによる若年の男性の心筋炎の関連事象の発症が多いということで、ファイザーを打ってもいいですよというメッセージを出すに当たって、何らかの文章を今日の段階で同時に発出する必要があるということですので、1つ、私のほうから提案ですけれども、まず「10代・20代の男性には、ファイザー社のワクチンの接種をおすすめします」。この文言をどういうふうに変えたらよろしいですか。今、素案がございますでしょうか。
 そうしますと「ファイザー社のワクチンの接種も選択できます」というような文言に変えて、先ほど来いただいた御意見を参考に改訂版を作っていただくということを前提にして、暫定版として、ともかく発出するということを御理解いただければと思いますけれども、その点について御同意いただけますでしょうか。よろしいでしょうか。
 先ほど来、どういうふうに混乱なく、この情報を伝えるかということを皆さんと一緒に考えてきたわけですけれども、ともかく早く出すことも必要だと思いますので、その一言を変えて、あとの部分については、またいただいた御意見を参考にして、適宜変えていただくということで、暫定版ということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。
 そうしましたら、次に進めさせていただきます。
 「国内外における副反応疑い報告の状況やその解析結果等を踏まえ、コミナティ筋注及びモデルナ筋注の添付文書を改訂し、若年男性に係る心筋炎関連事象の報告頻度が高いことについて注意喚起を行ってはどうか」ということで、先ほどの1-2の13ページに、臨床使用に基づく情報ということで追記いただく項目を記載いただいております。これについては、こういう形でよろしいでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 伺いたいのですけれども、ここに国内のデータベースを用いた解析の結果という言い方をしています。これは今日出されたO/E解析結果のことを言われているのですか。それとも、今までも出ていたレセプトデータに基づくものなのでしょうか。それをまず伺いたいと思います。
○岡座長 お願いいたします。
○事務局 今回提出いたしましたO/E解析のことを申し上げております。
○濱田委員 分かりました。というのは、レセプトデータからする、どちらもある程度高いのですけれども、さらに精度の高い解析で有意差が出たということに基づいて、これをこう変えるという意味合いですね。
○事務局 もともとmRNAワクチン自体が心筋炎に対する発症の可能性が言われているわけであります。そこで、今回新たにO/E解析というのをやってみて、モデルナのほうがより頑健性が高く、発生頻度も高い傾向にあったということであります。
○濱田委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○岡座長 柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 添付文書を改訂して注意喚起を促すということはいいことだと思うのですけれども、海外の添付文書を見てみますと、米国でもヨーロッパでも7日とか14日とか、40歳以下とか、具体的な数字が入っているのですけれども、具体的な数字は、その根拠とかを決めるのが難しいので、このような形なのでしょうか。
○事務局 添付文書での情報提供にもいろいろなやり方があるかと思うのですけれども、現実的には、その情報提供の内容が各国、かなりばらついているというのが実情であります。それで、先ほどの御議論にもありましたけれども、今回に関しては、引用文献、引用した場所をちゃんと明記した上で、こういうデータがあることを示すということで、客観的なデータを情報提供するという位置づけでの添付文書の改訂になります。
○柿崎委員 分かりました。
○岡座長 伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 先ほどの濱田先生の御質問ともちょっと似ていることなのですけれども、例えば資料1-2の4ページの上のところに「一方、コミナティ筋注では、全接種回又は2回目接種を対象とした解析で、一貫した結果が認められず」とあるのですけれども、別添3というのを拝見しますと、2回目接種では、コミナティでも20代男性で一貫して1は超えていると思うのです。そこは一貫しているような気がするのですけれども、添付文書の改訂案のコミナティのところで「他のコロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン接種後の若年男性で頻度が高いことが示唆された」。これだけ読みますと、本剤ではそうじゃなかったかのように読めてしまうように思うのですが、15.1.1のところに確かに記載はあるのですけれども、15.1.2の文章を見たときにちょっと誤解を与えるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○事務局 ご指摘ありがとうございます。先ほどの議論からもずっとありましたけれども、今後もO/E解析などもやっていきたいと思っていますし、それから、海外の状況、今回、北欧からの発表がありましたけれども、生データとかは我々は持っていない状態です。それで、具体的なことがよく分からない状態になっていますので、そういったものを集めていって、今後、また詳細に検討していかなければいけないと思っています。
 その上で、先生の御指摘のとおり、一貫してということでは、モデルナのほうは一貫していると私ども認識してございますが、その認識が違うということでしょうか。
○伊藤(清)委員 有意差検定されているとしたら、その結果はちょっと分からないのですけれども、別添3の2回目接種というのが。
○事務局 有意差が出ていないのではと思っています。しかしながら、先生御指摘のとおり、もともと若い人に心筋炎が発症する可能性が高いと言われている製品でありますので、その傾向はあるのだろうと思います。そういう意味でいくと、その添付文書のほかの部分に心筋炎に対する注意喚起が既になされておりまして、今回、こういった新たな研究結果が出たものをちゃんと報告するという趣旨の添付文書改訂になるかと思います。
○伊藤(清)委員 すみません。全て聞き取れなかったかもしれないのですが、30ページ以降の2回目接種というものを見ますと、コミナティのほうも全て1を超えているのかなとグラフから読み取れたのですが。有意差については、このグラフから分かりませんけれども、ある意味一貫しているかと思うのですが、違いますでしょうか。
○岡座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 改めて今回の趣旨を整理させていただきますと、コミナティに関しましても、あるいはモデルナにつきましても、今回、参考資料1と2という形でお示ししておりますが、既に心筋炎の情報提供は重要な基本的注意という形でさせていただいておりまして、副反応疑いとして心筋炎、心膜炎が報告されているということと、あるいは、臨床使用に基づく情報としまして、報告されている症例の多くは若年男性であり、2回目接種後に数日以内に発現しているということですので、これらの御懸念の点についてはもともと情報提供させていただいているというのが、まずあります。
 今回御提案させていただいた改訂案ですが、モデルナの副反応疑いの心筋炎事例が多いのではないかというのがありましたので、O/E解析を今回新たにさせていただきまして、そこで新たな知見としまして、このような結果が得られましたので、これを追加で情報提供してはどうかという趣旨でございます。
○事務局 伊藤先生、ありがとうございます。
 先生の御指摘については、確かに2つほど、1をまたいでいないものがあります。一方で、モデルナのほうは、ほぼ全て1をまたいでいる感じになっているのに比べると、一貫性という意味で弱いということが1つであります。かつ、いろいろな条件でやっておりますが、多重性のことや頑健性も考慮する必要がありますので、統計の専門家と相談しながら、今後詳細に解析していかなければいけないかなと思っております。
 今回に関して言うと、先ほどのモデルナとファイザーとの心筋炎の発生頻度の比較と、今回こういうO/E解析をやったということで、併せてお示しさせていただいたという整理になります。
 以上です。
○伊藤(清)委員 承知いたしました。今後、もしデータが出てきたら、この部分がまた改訂されるということですね。
○事務局 まさしくそのとおりで、先生の御懸念は、私どもとしては本当に同じような認識を持ってございますので、これで安全というつもりは全くございませんで、むしろ、今後n数がより増えてきたり、明確なデータが示されてくれば、何らかの注意喚起はしていかざるを得ないだろうと思っていますので、現時点だということで御理解いただければと思います。
 ありがとうございました。
○伊藤(清)委員 承知いたしました。
○岡座長 大事な御指摘、細かい点も御確認いただいてありがとうございました。引き続き、見ていかないといけないと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、最後の点ですけれども「引き続き、国内の接種状況を踏まえつつ、国内の心筋炎関連事象疑い報告の状況や海外における報告状況を注視していくとともに、最新の情報の周知及び注意喚起を行っていく」。これについては、今までも御議論いただきましたし、特に注意喚起ということに関しては、非常に気をつけないといけないという御意見もいただいたかと思いますけれども、この点に関して何か追加の御発言ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、先ほどの文言の修正、特に2番目の論点についての文言の修正をした上で、暫定版としてリーフレットも出させていただくということを御了解いただいたかと思いますけれども、よろしいですか。ありがとうございます。
 そうしましたら、これまで議論いただいた内容をまとめていきたいと思いますので、御一緒にお願いいたします。
 まず、心筋炎、心膜炎についてですけれども、心筋炎関連事象については、いずれのワクチンにおいても、COVID-19感染症による発生率と比較して、ワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回ると評価でき、全世代において、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないということでよろしいでしょうか。はい。この点が今回も非常に大きなメッセージで、最初に確認させていただきました。
 続いて、ただし、10歳代及び20歳代の男性については、ファイザー社ワクチンに比べて、モデルナ社ワクチン接種後の心筋炎関連事象が疑われる報告頻度が明らかに高いことから、十分な情報提供の上、ファイザー社ワクチンの接種も選択できることとするということでよろしいでしょうか。
 なお、今回の判断は、両ワクチンにおける被接種者等の属性等が異なることも踏まえつつも、安全性を重視する観点から総合的に行うものである。また、本人がモデルナ社ワクチンの接種を希望する場合には、COVID-19感染症に合併する心筋炎関連事象の発生頻度よりは低いことから、接種可能なままとするとさせていただきました。
 また、いただいた御意見の中には、モデルナ社ワクチンが、これをもって、例えば劣るとか、そういうものではないといった情報発信も必要といった御意見も頂戴したかと思います。
 それから、3番目として、同時に、厚生労働省のウェブサイトやリーフレット、添付文書の改訂等により、心筋炎の症状が見られた場合の対応や、10代、20代の男性における心筋炎関連事象の報告頻度が高いことについて、十分な情報提供、注意喚起をする。これを行うこととするとまとめさせていただきました。これについては、委員の先生方から本当にいろいろ貴重な意見をいただいて、ありがとうございます。それを参考に、リーフレットを今日暫定版ということで出させていただきますけれども、また御意見を参考にして適宜いいものにしていくということだと思います。
 それから、4としましては、引き続き、国内の接種状況を踏まえつつ、国内の心筋炎関連事象疑い報告の状況や海外における報告状況を注視していくとともに、最新の情報の周知及び注意喚起を行っていくこととしたいと思います。また、状況に変化が生じた場合には、必要に応じて審議会で柔軟に検討していくというふうにまとめさせていただきましたけれども、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございます。
 ともかく、グローバルにこれだけの数、国内もそうですけれども、物すごい勢いで同じ新しいワクチンが打たれているという状況で、私も海外の情報をいろいろ個人的に拝見しておりまして、どこの行政当局も非常に迷いながら対応していると思っております。個人的な感想ですけれども、今回こういった形でデータを非常に迅速にPMDA、厚生労働省がまとめられたということは、私としては大変すばらしいなと思います。海外のスウェーデン、北欧、カナダも検討しているように、日本でも検討していて、比較的その傾向が類似しており、我々としてはここでシグナルが立ったということで、引き続き、皆様と一緒に注視していかないといけないと思い、責任の重さを非常に感じている次第です。
 今日は、本当にいろいろ大事な貴重な御意見をいただけたと思いますけれども、何か追加の御発言ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、本日の議事は以上としたいと思います。
 そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は、長時間にわたり活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○岡座長 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。活発な御議論ありがとうございました。