第4回障害児通所支援の在り方に関する検討会 議事録

日時

令和3年8月12日(木) 10:00~12:00
 

場所

 オンラインによる開催

議事

議事内容
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 YouTubeのほうがうまく接続できないのですけれども、会議自体は始めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。途中からYouTubeの配信がそのまま始まると思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、定刻となりましたので、これより第4回「障害児通所支援の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
本日の構成員の出席状況でございますが、市川構成員につきましては、代理として日詰様が御出席いただいております。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
配布資料のとおり、議事次第、開催要綱のほか、資料1、資料2、参考資料につきましては参考資料1から3となってございます。資料の不足等がございましたら、大変恐縮でございますけれども、厚生労働省のホームページからダウンロードしていただくなど御対応いただけたらと思います。
また、事務局から資料についてこの後、御説明をさせていただきますけれども、構成員の皆様におかれましては、この後、御議論いただきますが、発言いただく場合にはZoomの「手を挙げる」機能を使用していただきますようお願いいたします。発言者は、こちらから御指名をさせていただきますので、指名に基づきZoomのミュート機能を外して御発言いただき、御発言が終わりましたら、またミュートにしていただきますようにお願いいたします。
挙手をしているにもかかわらず、発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合は、オンライン会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能ですけれども、原則としては挙手にて意思表示をしていただきますようにお願いいたします。
本会議は、資料、議事共に原則公開としており、議事録につきましては、後日厚生労働省のホームページに掲載予定となってございます。
また、本会議は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、報道関係者及び一般の方の傍聴は御遠慮いただき、代わりに会場の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開することとしてございますので、御承知おきをお願いいたします。
以降の議事進行につきましては、柏女座長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○柏女座長 皆さん、おはようございます。聞こえておりますでしょうか。
お盆に入ろうというときにお集まりいただきまして、大変恐縮に思っております。皆様方の大切な方もきっと障害児支援のために頑張るのだよということで、背中で見守っていらっしゃるのではないかと思います。私も亡き父の励ましを背に感じながら務めさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速議事に入っていきたいと思います。
今日は大きく2つの議事とその他がございます。(1)が「放課後等デイサービスの対象範囲の拡大について」。前回も議題になっておりましたけれども、十分な議論ができなかった点が1つでございます。もう一つは「児童発達支援及び放課後等デイサービスの役割・支援内容等について」。これまで1回ずつ検討してきたことの論点をさらに深掘りした上で、今日は御意見を頂戴できればと思っています。盛りだくさんになりますが、今日は今までの2時間半と違って2時間という限られた時間になっておりますが、もしかしたら2時間半の議論に慣れているので、少し延長になるかもしれないなということを予測しております。そうなりましたら、御容赦いただきたいと思います。
進め方ですが、まず「放課後等デイサービスの対象範囲の拡大について」を1つ議論したい。2つ目の議論は、「児童発達支援について」1回議論。そして「放課後等デイサービスについて」1回議論。そして両方の関係などについて1回議論ということで、大きく4こまの議論を事務局と相談して考えさせていただきました。それぞれ20分弱ぐらいになるかと思います。皆様方の積極的な御発言をよろしくお願いしたいと思います。
まず最初に、放課後等デイサービスの対象範囲の拡大について、事務局のほうから御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○河村障害児・発達障害者支援室長 障害児室長の河村でございます。構成員の皆様、資料の御説明に入る前に少しだけお時間をいただきまして、7月28日にございました障害者部会にこちらの検討会の第3回までの資料を御報告させていただいて、御意見をお伺いしておりますので、簡単に御意見を御紹介できればと思います。
たくさんの構成員の方からいろいろな御意見が出たのですが、複数の構成員の皆様から特に重点的に御意見が出されたのが3点ございまして、1点目はインクルージョンの推進の関係でございます。多くの構成員の方々は、インクルージョンの推進に際して、いかに進めていくかというのが大事だといった総論的な趣旨の御意見があった上で、一部の構成員の皆様からは、あくまでもインクルージョンの推進に際して、一方的な強い誘導のような形ではなくて、選択の機会の保障という形であってほしいという趣旨の御意見が出されております。
2点目は児童発達支援センターについての御意見です。センターについて、自分のところに通ってきているお子さんの直接支援も大事なのだけれども、それ以上にいろいろと地域の間をつないだり、言ってみれば間接的な支援のほうをより重視できるような検討を進めていくべきではないかと。特に一般事業所のスーパーバイズのような機能を強化していくことが大事ではないかという御意見。また、センターについて、センターを核とした地域のネットワークをつくっていった上で、その中に放課後デイサービスがきちんと入れるようにしていくことが質の向上にとって大事ではないかという趣旨の御意見などをいただいております。
3点目として、外部の目を入れると。必ずしも第三者評価に限らず、外部の目を入れていくということが非常に重要ではないか。特に地域の目を入れて、地域と関わりを持っていくことが大事だという趣旨の御発言をかなりのたくさんの構成員の方々からいただいております。その関係は本日後半でも御議論いただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○鈴木障害児支援専門官 それでは、資料1につきまして御説明させていただきたいと思います。まずは放課後等デイサービスの対象範囲の拡大について、御説明したいと思います。本来は前回御議論いただくところでございましたが、お時間の都合で今回の第4回で御議論いただくことになりましたので、資料につきまして改めて御説明させていただきます。
1ページ目、現状からです。現状につきましては、1つ目の丸、放課後等デイサービスは、「⓵学校教育法第一条に規定する学校に就学している」という条件があります。「⓶障害児(原則18歳未満)に対して」「⓷授業の終了後又は学校の休業日に行う支援である」という内容になっております。
2つ目の丸です。平成30年の地方分権提案により、専修学校に通う児童においても、放課後等デイサービスを受けることを可能とすることが提案されまして、障害者部会及び報酬改定の検討チームでは、放課後等デイサービスの対象を専修学校や各種学校に就学している障害児まで拡大することの是非を検討してまいりましたが、放課後等デイサービスのそもそもの役割を議論した上で、対象を議論するべきではないかということが言われております。
2ページ目は、論点になります。1つ目の丸です。放課後等デイサービスの役割・機能の最も中心的なものは本人支援であるということが考えられますので、現行制度では、発達支援が必要であったとしても、学校教育法第一条に規定する学校に縛りがかかっておりますので、こちらに進学しなかった障害児は原則対象とはならないということになっております。このような高等学校に進学しなかった、またはできなかった18歳未満の児であって、通所による発達支援を特に必要とする障害児としてどのような具体像が想定されるか。特にどのようなお子さんたちは発達支援が必要であり、また、認めてもいいのか、それとも難しいのかなど、この辺の具体的な像について御意見をいただければと思います。
提案のほうでは、インターナショナルスクールなどに在籍する児童で放課後等デイサービスが利用できなかった事例もあるということなどが挙げられております。
2つ目の丸です。「また、上記に該当する障害児に対し、放課後等デイサービスにおいて発達支援を提供すべきか」ということで、そのような具体的な対象のお子さんがいた場合には、発達支援を提供するべきかどうかの是非と、その場合の留意点はないかということについて御意見をいただきたいと思います。
※3つで注意点を補足しております。1つ目の※です。そもそも児童発達支援のほうでは、制度上18歳まで利用できることとされておりますが、令和3年3月の国保連データですと、利用児童の99%以上が7歳未満ということで、未就学の子がほとんど使っているという現状があります。そのような中で、学童期のお子さんを受け入れる場合には、学童期の発達として同年代の児童同士の交流は困難である場合が多いと考えられるという懸念点です。
2つ目の※です。現行制度で15歳以上の児の場合は、いわゆる「者みなし」によって生活介護などを利用することが可能ですが、こちらも成人のサービスになりますので、同年代の児童同士の交流は困難ではないかということが考えられます。
3つ目の※です。放課後等デイサービス自体が学校教育と相まって障害児の自立を促進するものとして位置づけられております。ガイドラインにおきましても、放課後等デイサービス事業所と学校が連携するための取組を行うことを求めておりますが、こうした学校は専修学校等が考えられますが、連携の必要性についてどのように考えるかということが1つの懸念として考えられます。
資料につきましては以上になります。
○柏女座長 ありがとうございます。
それでは、この件について御意見がございましたらお願いしたいと思います。時間的には15~20分程度の時間を取りたいと思います。よろしくお願いいたします。どなたからでも結構です。お手をお挙げいただくか、挙手機能をお使いください。又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 全国手をつなぐ育成会連合会、又村でございます。ありがとうございます。
今の件についてですが、幾つかの整理が必要かなと考えておりまして、これは後ほどお答えいただければ十分ですが、専修学校の件が課題になっていますが、これは当然高等課程という理解でいいでしょうかというのがまず入り口の話です。間違いなくそうだと思いますが、一応その前提でお話をします。
そうなりますと、支援の必要性のありなしに関しては、表現としてはよい表現かどうか自信がありませんが、積極的に中卒の方と消極的に中卒の方がおられます。積極的に中卒を選ばれた方については者みなしを活用されて、生活介護や就労継続B型、要するに、中卒で社会人になるという考え方が成り立ち得ますので、そうなってくると、者みなしの妥当性が高いと考えますが、消極的な中卒の方の場合には、少なくとも選択肢としての障害児通所の支援も必要ではないかと考えます。
その場合、どこが担うべきかということが次の課題になると思いますが、これはあくまで一個人の意見ということになりますが、人数ベースが非常に少ないことは事実ですので、地域全体の支援としての児発センターが役割を担うというのも一つの考え方かなと思っております。
その際に、論点の2丸目の1つ目の※印で、児発であると99%が未就学の子なので、同年代の児童同士の交流は困難という御指摘をいただいておりますが、御指摘のとおりだと思います。思いますが、この部分を課題視するのであれば、放デイについても小学校1年生と高校3年生が同じ場所で過ごす可能性がありますので、そういうところの課題も取り上げていかないと、ちょっとはずが合わなくなるかなと思います。ここの部分については消極的中卒ですので、不登校状態等が継続した結果、支援学校の高等部、あるいは高等学校や専修学校等に通うことができなかったお子さんについての支援の枠組みとして、障害児通所での支援に決め打ちするというよりは、選択肢として用意されていることが重要ではないかと考えます。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
極めて論理的に御説明をいただきました。貴重な御意見ありがとうございます。
では、日詰代理、お願いいたします。
○日詰代理人 日本発達障害ネットワークの日詰です。
内容としては、今、又村さんがお話しいただいたことと全く一緒です。放課後等デイサービスというのが、学校に通っている、学校との連携ということだけではなくて、又村さんの話にも出てきましたように、学校以外の場面の発達について保障していくという意味もあると思いますので、先ほどの児童発達支援事業所の年代の問題も整理が必要だと思いますが、福祉として受け入れというか、学校に通っていない時間のサポートという意味で、これは専修学校の生徒さんはもちろんですが、そのほかにも広げて考えていくべき話かなと思っています。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
北川さん、お願いします。
○北川構成員 ありがとうございます。日本知的障害者福祉協会、北川です。
いろんな現場にいろんなお子さんがいて、又村さんがおっしゃるように、15歳、中学を卒業して大人のサービスを利用するという子供もいますし、高等部に合格しなくてとか、高校を落ちてしまってとか、そういうお子さんがどこに行くかという課題があるのかなというのと、もう一つは、その中間で、あえて専修学校でも発達障害の子を積極的に受け入れている学校も全国的にあると聞いていますので、その辺の子供たちをどういうふうに福祉サービスで受け入れていくかという課題があるかと思います。
前、私たちのところで高等部と高校に落ちてしまった子供が行き先がなかったときは、放課後デイサービスが使えないので、児童発達は児童福祉法なので18歳まで使えますので、児童発達と多機能に変更して、同じ事業所なのですけれども児童発達のほうで受け入れたことがあります。
ただ、児童発達支援センターというのもいいのですが、やはり同世代の中での交流とか勉強、その辺は、放課後デイがそういう子供たちを受け入れることができればと思います。
あと、先ほどの積極か消極かの間の中立的なところだと思いますけれども、専修学校で発達障害の子供を受け入れている、そのようなところに通っている障害のある子供で、もし放課後デイを希望されるのであれば、今は通えたりできないと思うのですが、個別の必要性とか客観的評価、もしくは医師の判断とか、そういうことがあった上で、市町村が認めるのであれば、その場合、支給決定を行ってもいいのかなと思います。ただ、専修学校もいろんな学校がありますので、その辺は個別のニーズの評価という中で決めていく必要があるのかなと思います。
もう一方で、専修学校とはまた別に、日詰さんがおっしゃるような、どこにも通えない子供をどうするかという課題、不登校ぎみの子供をどうするかということも一つ大きい課題としてあると思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
小川陽さん、手が挙がっていますか。お願いします。
○小川(陽)構成員 ありがとうございます。日本相談支援専門員協会の小川です。
これまで各構成員の皆様がおっしゃられたことはいずれも重要だと考えます。いずれにしましても、少数ではありますが個別のニーズに着目するということは、相談支援との関わりが大変重要だと思いますので、もちろん支給決定は市町村が行うわけですが、相談支援が評価をし、そして必要性を判断して、市町村と協議の上で決めていくというプロセスは必要なのではないかと考えます。
児童発達支援センターか、あるいは放課後等デイサービスかという受入先の課題ですけれども、多くの場合、設備面的に児童発達支援センターは幼児用に設備が整えられている状況がありますので、環境面には恐らく放課後等デイサービスのほうが適応性が高いのかなという感覚を持っております。複合型とか多機能型で設備の面で多様性に対応できるという環境であれば、もちろんそれは十分考えられると思います。
もう一つ、今後、児童発達支援センターの中核の機能の中についてどのように位置づけるかという議論になるかと思いますが、地域の児童の全体の状況を把握する仕組みがどのようにつくられるかということが大切で、その中にこうした少数の子供たちのニーズというものもきちっと顕在化させる。それを地域の工夫等の中で漏らさない仕組みをつくっていくといった体制づくりも重要なのではないかと考えます。
私からは以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、菊池さん、お願いいたします。
○菊池構成員 三重大学の菊池です。おはようございます。
第2回、第3回の検討会に出席して失礼いたしました。
今回の対象範囲の拡大ということでございますが、基本的には私も賛成いたします。ただ、次の(2)とも関わってくると思うのですが、例えば学校教育法上規定されている学校というのは、放課後等デイを利用される子供さんは例えば学校教育現場においていわゆる自立活動というもの、授業を受けているというような状況になっています。そこはある意味放課後等デイのほうにも引き継いでいくべきものと思うのですが、そうした内容が(2)のところではまだ示されていない状況であるのですけれども、専修学校等に拡大していくということであれば、そうした自立内容的なものをしっかりと考えていかなければいけない。専修学校との整合性をどう取っていくかというところが非常に大事になってくるのかなと思いました。
以上でございます。
○柏女座長 ありがとうございます。
その他御意見をお持ちの方、ございますでしょうか。加藤さん、よろしくお願いします。
○加藤構成員 CDS Japan、全国児童発達支援協議会の加藤です。ありがとうございます。
今までの皆さんの御議論におおむね同じような意を持つ者ですけれども、児童発達支援センターを中心としたCDSの感覚としては、先ほど来幾つか御指摘がありますように、彼らを受け止める場所としては、基本的には幼児を対象にプロパーにやっている児童発達支援センターが受け入れるというのは現実的ではないと思います。そういう意味では、今の枠組みでいけば放デイでということになろうかと私的には思います。
そうした場合に、今、放デイのサービス、支援の中身が大きなテーマになっているところで、今回の対象拡大という議論も今までいろんな場で議論されてきた経緯があるようですけれども、そこで申し送り事項として、放デイの今後の支援の内容についての検討によってというようなただし書きがあったように思うのですが、今回もその議論がないところで、先にその対象を拡大してしまうということについては問題を残すのではないか。つまり、混乱をさらに上乗せするようなことになりかねないかということをちょっと懸念いたします。
以上です。ありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
事務局から論点についての御発言があります。
○河村障害児・発達障害者支援室長 構成員の皆様方、ありがとうございます。幾つか大変重要な観点の御指摘がありまして、もう少し深掘りでお聞かせいただきたい点がございます。先ほど加藤会長のほうからも放デイの在り方と往復する形でないとなかなか議論が完結しないのではないかという御指摘をいただきましたが、まさにそうだと思いまして、もう一回ぐらい議論の回をセットしないといけないかなと思っている中で、今回特に重点的に御意見をいただきたいと思っているのが、高校に進学しなかったお子さんの中には、別の何かしらの学校に行ったお子さんと、どこも行き場所がなくなってしまったお子さんと両方あるわけですが、両方を念頭に置きながら、そういったお子さんで通所としての発達支援が必要だというお子さんの具体像、特に必要なのはどういったお子さんが典型として考えられるかという辺りについて、御意見をいただきたいと思っております。
又村構成員のほうから最初に積極的な中卒と消極的な中卒という言い方、おっしゃっていただいたと思うのですけれども、「積極的」と言っていらっしゃる趣旨が、大人として自分は者みなしをかけてもらって、大人のほうのサービスに行くのだという意味の積極性という理解でよろしいでしょうか。あと、「消極的中卒」と言っているのは、大人のほうには行きたくないという意味なのかというのが1点。
そのほか、北川構成員のほうから個別のお子さんの状態を見て判断して、例えば医師の意見を聞いたりして判断していってはどうかという趣旨の御意見が少し出たと思うのですが、そのときに具体的にどの部分を見て判断というイメージで御意見をいただいているのかというところ。
小川構成員のほうから相談支援が関わって、個別のお子さんの状態を見て市町村と調整していくということが一つ考えられるのではないかという御提案をいただいたときに、相談支援の事業所さんとして、具体的にお子さんのどういうところを見ていこうというイメージでおっしゃられているかという辺りです。そのほかの皆さんの御意見も、特にお子さんの状態像、具体像に関するところについて、御意見をさらに深掘りでいただければ大変ありがたいと思います。
○柏女座長 ありがとうございます。
それぞれ個別に必要な子供をアセスメントしていくときの状態像等々の見分け方、見分けの仕組み、あるいはどう考えたらいいのかということについて、又村さん、北川さん、小川さんに事務局からさらに御質問を頂戴しておりますので、その3人の方にまずはお願いしたいと思います。
又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 全国育成会連合会、又村でございます。ありがとうございます。
まず、前者。先ほど仮の名称で「積極的中卒」と申し上げましたが、この積極的中卒についての認識は全く相違ありません。この場合の考え方は、中学、支援学校の中等部というよりは地域の学校の支援学級が想定されますけれども、親御さんも一定程度障害福祉サービスについてのノウハウをお持ちで、教育関係の方もいらっしゃる中で大変失礼な言い方になってしまいますが、支援学校の高等部と者みなしによる生活介護または就労継続Bを比較した場合に、うちの子の場合はここで社会人になるほうがよいとお考えになった御家族が、高校進学という選択ではなくて、中卒即者みなしで成人サービスに移るということを想定して申し上げました。ですので、この場合は親御さんも一定程度障害福祉サービスの理解もありますし、当然相談支援事業所ともつながっていますし、場合によっては中学校時代から放デイとかを使っていた可能性もある方々を想定しています。
他方、「消極的中卒」と申し上げた皆様は、ちらっと申し上げましたが、例えば中学校時点で不登校状態になっていて、支援学校の中等部というよりは、これも地域の学校の支援学級を想定しています。支援学級については、学校によって中卒時の進路指導に大きく差がありまして、多くの場合は中学校から高校に進学することが自然なものですから、不登校状態の障害のあるお子さんが支援学校の高等部を選ばないという選択をした場合のフォローアップが十分でないケースは多々見受けられます。こうなりますと、中学校時代に特段の障害児福祉サービスを利用していないと、そもそも障害福祉のサービスにつながっていない。すなわち相談支援にもつながっていない。この状態のまま中卒で地域に放り出されてしまうという状況が散見されるケース。
もう一つは、先ほど北川さんがおっしゃったように、高校あるいは高等部への進学は決めたものの、高校の場合には不登校というのは退学になってしまいますので、途中で退学という非常に残念な状況になってしまった結果、当然退学時支援というのはありませんので、退学した後は、高校としてはそこで切れてしまいますから、これで言わば中卒と同じように地域に放り出されてしまっている状態の方々を想定して申し上げております。
特に後者のお子さん方については、相談支援とのつながりを持つにしても、そもそもサービスを使っていなければつながっていないケースが多いものですから、何らかの形でのサポートは必要かなと考えて申し上げた次第です。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、北川さん、お願いいたします。
○北川構成員 専修学校と言ってもいろんな学校があると思いますが、例えばインターナショナルスクールでその子に対しての支援が十分受けられていない子供であって、放課後のデイサービスの中でその子に適した発達支援が必要だとか、そういう生活全体を見渡した相談支援ももちろんですが、この子にとって放課後デイサービスが必要だというのは、その子によって違うと思うのです。例えば英会話学校に留学のために行っている発達障害の子供が、果たして放デイの発達支援が必要かとか、その辺はそれぞれの事情で各種学校・専門学校に通っているお子さんによって違うと思うので、そこで何らかの客観的なトータルな、本当にこの子にとってこの福祉サービスの必要性があるのかどうかという判断が必要ではないかと思いました。
不登校のお子さんに関しては、私は加藤先生のおっしゃる放課後デイの在り方そのものに関しても非常に重要だと思っていて、学校の中でなかなか適応できなかったり、いじめがあったり、精神疾患の診断がつく子供たち、二次的な精神疾患がつく可能性の子供たちに対する回復の場、社会につなげる場としての放課後デイの役割は大きいと思うので、皆さん、行動障害はオーケーと言うのですけれども、自殺企図などがある子供もこの時期に出てきますので、そこを支えていく場としての放課後デイの役割は、思春期の支援として大きいと思います。ただ、現在は授業終了後または学校休業日となっているので、その子たちを朝からサポートできないというところで、対象拡大のこととして考えていく必要があるのではないかなと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、小川陽さん、お願いいたします。
○小川(陽)構成員 ありがとうございます。
御質問のことですけれども、相談支援の中では御本人の意思というものももちろん重要になると思いますし、さらには、その方のお子さんの状態、生活全般を見渡したときの状態がどのようになっているのかということを、例えば放課後等デイサービス等で提供していただく狭義の発達支援が必要なのかとか、家族支援が必要なのかとか、そういった視点も見合わせながら評価をしていく、あるいはアセスメントをしていくということが、相談支援の重要な機能だろうと考えています。こうした個別のアセスメントをすることでニーズが明確になっていくと考えています。もちろん、この後議論される放課後等デイサービスの在り方というものとの整合性は非常に重要ですので、それはまた後ほどの議論になるのではないかと考えているところです。
私からは以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
よろしいですか。
○河村障害児・発達障害者支援室長 ありがとうございます。
○柏女座長 今、幾つか例示を挙げていただきましたけれども、それらをしっかりと判断する、アセスメントする指標なり仕組みなりが機能する、それを創設する必要があるなという感じはいたしました。ありがとうございます。
秋山さん、お手が挙がっていたように思います。違いますか。
○秋山構成員 秋山です。
今、座長がまとめていただいたので、それで結構です。ありがとうございます。
○柏女座長 ありがとうございます。
これについてはもう一度取り上げる形になるかと思いますが、あまり先延ばしができない課題でありますので、この検討会で一定の方向性をしっかりと出していければと思います。今いただいた御意見を参考にしながら、次回また事務局のほうから提案をさせていただく形になるかと思います。ありがとうございました。
それでは、次の「児童発達支援及び放課後等デイサービスの役割・支援内容等について」の議論に移っていきたいと思います。
それでは、事務局のほうから御説明をお願いいたします。
○鈴木障害児支援専門官 続きまして、2つ目の議題、児童発達支援及び放課後等デイサービスの役割・支援内容等につきまして、もう少し具体的に深掘りをいたしまして御議論いただきたいと考えております。
資料2を御覧ください。(1)は児童発達支援の論点でさらに深める必要のある論点を御提示しています。第2回資料に提示した論点を青囲みで書いてありますので、簡単に振り返りたいと思います。ガイドラインに関しましては、個々の障害の状態及び発達の過程・特性に応じた発達上の課題を達成させていくために、本人への発達支援のほか、家族支援、また、地域社会へのインクルージョンを推進するために、保育所等の後方支援に努めなければならないとされております。
次の段落ですが、このように、「本人への発達支援を行うべき」の中で、本人支援としては、児童発達支援の場合は、括弧囲みの5領域が示されている中で、現状のサービスをどう考えるかということで、括弧の中ですけれども、5領域全体をカバーするのではなく、一部のプログラムに特化した事業所が多く存在して、子供の状態等に対するアセスメントが十分でない中、利用する事業所の得意とする支援に偏ってしまう点があるのではないかという懸念に対して、御意見をいただいています。
「検討された内容」のところが御意見を抜粋したところでございます。1つ目のポツです。児童発達支援には、比較的長時間・生活全般にわたって総合的な支援が行われるものや、保育所や幼稚園に生活の主軸を置いて、スポット的に行われるものがありまして、この辺をどう整理して定義づけていくかが課題であり、または児童発達支援の報酬の対象としてふさわしくない事例も確認されたと。
2つ目のポツです。学習塾的な支援に偏っている事例、習い事のような支援につきましては、塾やカルチャーセンターであるべきで、障害がない子などは私費で通っていることについて意見が挙げられております。
3つ目のポツです。それらに対して、同様の報酬となることについては否定的な意見が挙げられています。
次のポツです。ガイドラインに沿った支援を求める上で、指定基準等による促しができない現状に対する改善の意見が挙げられ、最後のポツで、センター以外の事業所が、小さなエリアの中で非連続にそれぞれに支援が行われて、地域のネットワークに入っていないという意見が挙げられた。
この5意見を踏まえまして、2ページで「更に検討を深める必要がある論点」を提示させていただいております。
1つ目のポツです。児童発達支援が生活の主軸である場合と、保育所や幼稚園等が生活の主軸である場合。既に併行通園がされていて、児童発達支援はスポット的な利用がありますけれども、その場合の役割や支援内容についてどう整理していくのかという点。
2つ目のポツです。5領域をカバーする総合的な支援と特定のプログラムによる一部領域のみの支援がありますが、現行ガイドラインにおいて想定していた本来の支援の在り方は総合的な支援ではないかという点。
3つ目のポツです。現に特定のプログラムに特化した支援の中でも、専門性の高い有効な発達支援については、児童発達支援として位置づけられるべきと考えますが、具体的にどのような発達支援が、積極的に位置づけるべき特定のプログラム特化型の支援として考えられるかということです。塾やカルチャーは違うのではないかという御意見がありますが、そうなった場合、では、どういうスポット的なところは位置づけることができるのか。その辺の具体的なところについて御意見をいただきたいと思います。
次のポツでございます。支援内容についてこのような整理を行った上で、障害児の状態等に応じて、どのような支援をどの程度利用することが適当かというコーディネート機能が必要ではないか。特に特定のプログラム特化型の場合には、総合的にコーディネートする必要があるのではないか。ただ、コーディネート機能を担うことができる関係機関としてはどこなのかということで、括弧では児童発達支援センターや相談支援事業所が考えられるかというふうにさせていただいております。
最後のポツでございます。支援内容の整理を行った上で、支援時間の長短に応じて評価をしていくことについてどう考えるかということで、※の中では、令和3年度の報酬改定におきましては、提供時間に応じた報酬単価の設定を検討したのですけれども、長時間生活全般にわたり集団で療育する場合と、短時間で個々の障害児に応じた個別療育をする方法を比較したときに、どちらが優越があるのかということは整理ができていなかったので、それは言えないだろうということで、今回は当該設定はしませんでしたが、こうした支援内容の整理を行った上で検討事項とさせていただいております。
3ページ目からは放課後等デイサービスのほうに移りたいと思います。四角囲みの部分「第3回資料に提示した論点」でございますが、1つ目の丸は、ガイドラインにおきましては、ちょっと割愛させていただきまして、基本的役割の下、基本的姿勢を踏まえた上で、「⓵自立支援と日常生活の充実のための活動」「⓶創作活動」「⓷地域交流の機会の提供」「⓸余暇の提供」を複数組み合わせて行うこととされているところ、「児童発達支援ガイドライン」や「放課後児童クラブ運営指針」と比較しまして、学齢期の障害児の発達支援の内容が十分に示されているかどうかという論点。
次の丸です。基本活動に挙げる上の4つの活動につきましては、事業所単位では一応4つの活動全てを行うこととされていましたが、現状のサービスは、その4つを全て行っているところがないことをどう考えるかという論点の中で、検討された内容としましては、1つのポツ、ガイドラインについては見直しが必要ではないかという意見。
2つ目のポツ、役割や支援内容の整理に当たりましては、年齢・障害特性・利用の目的に応じて分けて、特に子供期の後半は達成感、自己肯定感を得たり、孤立しがちな時期の孤立を防止するなど、どういう発達支援を必要とするかを明確にすること等の意見。
次のポツです。インクルージョンを推進していくためには、実際の移行支援の手間に見合う報酬上の評価が必要ではないかという意見。
最後のポツで、事業所の支援内容を評価するに当たりましては、行政だけがやること、同業者の仲間でやること、家族が言っていくことも難しく、相談支援や行政、家族も入れたチームで事業所を評価していくことも考えられるという意見がございました。
それを踏まえまして、4ページ目を御覧ください。放課後等デイサービスの「更に検討を深める必要がある論点」になっております。途中で「共通」というところが出てくるのですけれども、「共通」は、児童発達支援、放課後等デイサービス共通の課題ということで、「共通」というマークをつけさせていただいております。
1つ目のポツでございます。下に児童発達支援ガイドラインと放課後等デイサービスガイドラインの構成を比較でお示ししておりますが、児発のガイドラインと比較しまして、提供すべき支援等について詳述されておらず、青く囲ってあるところが本人支援の部分でございますが、児発は「本人支援」「健康・運動」「認知・行動」など、かなり細かく書かれておりますが、一方、放デイの場合は「基本活動」ということで、ア、イ、ウ、エで、この辺をもう少し深める必要はないのか、明確にする必要はないのかという論点でございます。
また、放課後等デイサービスが学童期・思春期の支援という点を踏まえまして、児発と共通する部分と異なる部分があると思いますので、その辺をどう考えるかというところを御議論いただきたいと思います。
5ページ目に移ります。ここは共通する論点でございますが、放課後等デイサービスにおいても、ガイドラインにおいて想定していた本来の支援の在り方とは総合的な支援ではなかったのかということで、1つ目、2つ目のポツも共通でございますが、特定のプログラムに特化した支援の中で、専門性の高い有効な発達支援については放課後等デイサービスとしてどう位置づけるか。具体的にどのような発達支援を積極的に位置づけるべきかを特定のプログラム特化型の支援として考えられるか。
3つ目のポツが、そのような特定のところを認めていくことに関しても、放課後等デイサービス特有のプログラムとして考えられるものがあるかという論点でございます。
次のポツでございます。先ほど来皆様から御意見が出ていますとおり、小学生から高校生まで幅広い年代の障害児が利用するところ、支援の目的や支援内容について、年代に応じて支援内容を分けて考える必要があるのではないかということで、私どものほうで2つ論点を挙げさせていただいています。
年代の分類につきましては、小学生は低学年と高学年、中学生、高校生の4分類か、もしくは小学生をもう少し細かく分けるかとか、別の分類があるか。⓶は、年代ごとに求められる支援内容の目的や支援内容についてです。小学生と中高生で支援の目的や内容が少し違うのではないかという論点です。
共通のところでは、児発と同じように整理を行った上で、障害児の状態に応じて、どのような支援をどの程度利用するか。コーディネート機能に関しましてはどこが担うのかということで、こちらも児発センターと相談支援事業所を挙げております。
6ページに移ります。こちらも共通でございます。支援内容の整理を行った上で、支援時間の長短に応じて評価をしていくことについてどう考えるかということを示しております。
7ページ目に移ります。(3)は、児発・放デイ共通のさらに深掘りする論点を挙げさせていただいております。ここは地域の関係機関との連携についての部分になります。青囲みの部分を簡単に御紹介します。先ほど来ありましたとおり、小さなエリアの中で非連続にそれぞれの支援が行われていて、地域のネットワークができていないのではないか。児童発達支援事業は地域支援機能が弱いのではないか。マネジメントはどこにするのか。各主体が地域の中で役割を自覚的に認識した上で、地域全体で一体的に進める風土をどうつくるか。制度的なインセンティブも含めて検討の余地がある。丸の3つ目、先ほど来申し上げましたとおりに、事業所評価はチームで行っていくべきではないかという御意見をいただきました。
「更に検討を深める必要がある論点」としまして、1つ目のポツ、関係機関との連携につきましては、ガイドラインにも規定されておりますが、主に障害児の支援を効果的に行う観点から記載されているということで、子供を育てていく、子育てをしていく上で、やはり関係機関と連携することは重要ではないかということに関しては、関係機関との連携は記載されていますが、地域のほかの事業所との横の関係については記載されていないということで、関係機関との連携の意義は、お子さんへの効果以外に、事業所が関係機関のお互いの取組を学ぶこと、事業所の支援を関係機関から評価されることを通じて、いわゆる事業所の支援の質自体が向上する効果もあるのではないかと考えられまして、このように連携する意義や効果について、手厚く記載していくことが重要ではないかという論点です。
次のポツでは、ガイドラインに規定する支援内容を浸透させる方策として、事業所の自己評価と保護者評価が、今、公表を求めてございますが、当該評価について機能していないという指摘もございまして、事業所やその利用者さんの評価だけではなくて、評価に当たって、先ほど来「チームで」という言葉がございましたので、地域の関係機関等の視点、地域の住民さんとか、もしくは地域の行政さんとか、関係機関の視点も取り入れていくことについてどう考えるかという論点を挙げさせていただいております。
8ページ目は、第2回、第3回の構成員の主な意見をこちらの事務局の責任でまとめさせていただいておりますので、御覧になっていただければと思います。
資料につきましては以上になります。よろしくお願いします。
○柏女座長 ありがとうございます。
1時間ほど時間が取れますので、当初の予定どおり、児童発達支援を中心に20分、放課後等デイサービスを中心に20分、共通課題について20分、ほぼそのようなスケジュールで進めていきたいと思います。もちろん、相互に関連するテーマですので、あちらこちらに行ったり、あるいは児童発達支援のときに放課後デイが出てくることを疎外するつもりは全くございませんので、御意見を述べていただければと思います。
まず最初に、1ページ、2ページのところを中心に御意見を頂戴できればと思います。また挙手ないしは挙手機能をお使いいただきたいと思います。加藤さん、お願いいたします。
○加藤構成員 CDS Japanの加藤です。ありがとうございます。
今、鈴木専門官から丁寧な説明、状況を報告いただいたのですが、我々現場、プロパーの人間として感じていることを御紹介させていただいて、繰り返しになるかもしれませんが、議論の材料にしていただければと思います。御案内のように、昨今、子供たちの育ち環境あるいは子育て環境が非常に多様化し、複雑化しているということは、紛れもない事実かと思います。そうした中で何とか本人中心、本人主体ということを考えたときに、様々な支援サービスの選択肢が少な過ぎる。「障害」という二文字のために、一般の子育てに比べると選択肢が貧弱過ぎるのではないかという問題意識から、とにかく選択肢を増やそうという形で、放デイも含めて多様な選択肢が確保できてきていると思うのですが、しかし、その中での混乱が今、起きてしまっているという事態で、これは発想が間違っているというよりも、その展開の整備の仕方が十分でないということかと思います。
そういう意味では、先ほど来指摘もありましたように、地域の中で選択肢はいっぱいあるのですけれども、それらが勝手勝手に非連続に機能してしまっていて、混乱状態になって、地域に生まれ育っている子供たちのニーズにそれらのサービス・機能がうまく収れんしていないという実態が現実かと思います。
そういう意味で、その辺のサービスをしっかりとマネジメントする機能を一定の地域のエリアの中で確保することが大事なことになるかなと思います。そういう意味では、新たにそうした機関をつくるということも、こういう社会でしたら財政的にもいろんな意味で非現実的であろうという意味では、最短距離にあるのは、地域の児童発達支援センターがその機能を新たに。今までも持っていると言えば持っているのですが、十分位置づけられていなかったという意味で、しっかりとそれらを位置づけていくということが一つ。
もう一つは、先ほど来の放課後等も絡むのですけれども、結局、それらのサービスを差使い分ける場合の本人のニーズ、あるいは家庭のニーズに対するアセスメントが十分できていない。いろんな意味でできていない。中途半端、途上であるという認識を持たざるを得ません。
そういう意味では、アセスメントをしっかり。センターが今、そういう機能をある程度持ちつつありますので、そこにそうした機能を必須機能として持たせ、権利と責任を持たせていくことが現実的には最短コースかなと。この混乱を収束させる最短コースにあるのかなと思ったりします。特にこの2点について御指摘をさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございます。
北川さん、すみません。ちょっと待ってください。有村座長代理から手が挙がっていたので、有村座長代理の次に北川さん、お願いいたします。
お願いします。
○有村座長代理 ありがとうございます。有村でございます。
今の加藤構成員のお話ともかぶるところがあるのですが、児童発達支援のところでは、小学校に上がる前に発達の後れが分かってしまったら、親御さんとしてもかなり慌ててしまうところが大変大きいと思います。だから、親御さんの間でインフォーマルな情報をもらいながら、あちらの子がこれを受けているのであれば、うちの子もこれを受けたいなとか、役に立つのではないかとか、そういう情報が入り乱れていて、インフォーマルな部分で親御さん自身も何をしていいのか混乱している場合が多いのかなと思います。
そこで1つ、これは放デイともかぶるところですけれども、子供の自己実現みたいな考え方を入れてもいいのかなと思っています。自己実現と言っても、今、その子がその子らしく過ごせているのか、内在的な価値の部分を伸ばせているのかということを主軸にして考えられる。今も「最善の利益」という言葉が入っているところがあるのですが、もうちょっと自己実現みたいなところを強調してもいいのかなと思いました。
それから、親御さんの課題を考えていくと、伴走型の支援が結構大事なのかなと思います。これをインフォーマルな部分だけ、うわさを主で聞いていると、かなりの御不安もありますし、それから子供の発達についての考え方や、親御さん自身も向き合っていかなければならないもの、知識があればもっと考えられることがたくさんあるのかなと思います。
そういった意味で、児童発達支援センターになるのかもしれませんけれども、伴走型の支援が行われているのか。地域全体あるいは家庭の状況などを見越したソーシャルワークのような機能も必要になってくるのかなと思っています。この部分はニーズの量も高いところでありますし、同時に親御さん自身に関してもかなりプレッシャーが与えられているところでありますので、サービスをたくさん受けても家庭の生活というもの、あるいはスポット型の場合は幼稚園、保育園での生活の時間のほうが長い場合もありますので、そういった意味でトータルに見られる視点みたいなところが大事だと思います。
以上です。ありがとうございます。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、北川さん、お願いいたします。
○北川構成員 ありがとうございます。
加藤先生のおっしゃるように、一般施策と障害児施策と分けるのでなくて、子供は同じですから、連続線上で放課後デイ、児童発達支援センターが地域の中でどんな役割をするかというデザインを今回の通所検討会ではしっかり持っていく必要があるのかなと思います。
その中で具体的な話ですけれども、2ページ目の丸の1つ目ですが、低年齢の子ですとか、困り感の高い子供たちが児童発達支援センターと同じように遊びや生活、ADLなどを通して、訓練とかではなくて楽しい遊びを通して、時にはお昼寝をしたりしているところもあると思いますけれども、こういう児童発達が主軸になっているお子さんもいるし、そのニーズはあると思います。また、幼稚園、保育園を選択して、幼稚園、保育園で育っている障害のある子もいると思います。
そのときに、今の矛盾は、児童発達でもセンターに準ずるような形で、4時間以上、給食もあって。給食に対する加算は何もないのですが、給食もあって、お昼寝もして、生活全体、お母さんの支援、家族支援もして、ソーシャルワークもして、児相との関係もしっかりしている児童発達と、先ほどの幼稚園、保育園を主軸として、終わってから1時間、2時間とか、そういう役割を果たしている。それも大事な役割だと思います。そういう児童発達と報酬体系が同じだというのは、今後考えていかないといけないのかなと思います。
また、地域の児童発達に行きますと、放課後デイと同じく、併行通園の場合は、日中あまりお子さんが来なくて、幼稚園、保育園が終わった後、3時ぐらいから来るというところが多いと思うのですけれども、そういう場合は、ぜひそこの先生たちが保育所等で幼稚園、保育園の支援を充実させるという方向も大事なのかなと思っています。
スポットというのは、児童発達としてどういうふうに考えていっていいのか。福祉サービスとして考えていっていいのか。1時間30分やってお母さんと話してみたいなものだったら、クリニックとかでやっているプログラムとしてはあると思うのですが、児童発達支援、子供の発達を福祉的に保障すると考えたときに、これについても皆さんで議論していく必要があるのかなと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
スポット的利用については、思いつきですけれども、保育所等訪問支援との連携を非常に強化していくというやり方もあるのかなということを感じながら伺っていました。もちろん、保育所等訪問支援はこれから議論がありますが、その仕組みを大きく検討することも大事なことだと思いますが、そういう方法もあるのかなと思いました。
柏市の小川さん、お願いいたします。
○小川(正)構成員 それでは、2ページの「更に検討を深める必要がある論点」について、幾つか意見を述べさせていただきます。最初に3つ目のポツで、一部領域のみの支援であっても、専門性の高い有効な支援については児童発達支援として位置づけるべきであるが、具体的な支援として何が考えられるかという点についてでございます。専門性の高い有効な支援については、例えば理学療法士や言語聴覚士、医療的ケア児においては、看護師等有資格者による支援は、本来の在り方に即した特別な支援だと考えます。
4つ目のポツ、支援内容についてコーディネート機能が必要になると考えるが、関係機関としてどのようなものが考えられるかは、記載にあるように、障害児支援の中核的機能が期待されている児童発達支援センターや相談支援事業所が担っていただくことについては、賛成でございます。専門性の高い特別な支援を提供するためにコーディネート機能は必須であり、相談支援専門員で対応できるのではないかと思います。セルフプランの課題を解消するためにも相談支援専門員を増やす仕組みづくりは必要で、それらを評価する報酬改定は今後も必要であると思っております。
加えて、真に療育に必要なサービスに支援費が使われるよう、個別支援計画により具体的に必要な支援について記載することを義務づけることも必要ではないかと思っております。
最後に、5つ目のポツ、支援時間の長短に応じて評価することをどう考えるかについてでございます。支援時間の長短については、特別な支援に限り短時間での提供を認め、総合的な支援については、支援時間の長短に応じて評価をしたらどうかと考えております。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
行政の立場から具体的な御提案、ありがとうございました。
では、小川陽さん、お願いいたします。
○小川(陽)構成員 日本相談支援専門員協会の小川です。画面上、多くの方から手が挙がっておりますので、私からは1点のみお伝えさせていただきたいと思います。コーディネート機能の件についてということになります。皆さま、よく御存じのことと思いますが、児童発達支援センターにつきましては、第2期障害児福祉計画において、令和5年度末までに市町村に1か所以上設置することを基本ということですから、今後さらに拡充していくことが考えられます。その中でいわゆる児童発達支援センターの指定については、相談と保育所等訪問も併せてということになっていますが、相談支援の機能は一体何なのかということが不明確な状況でありますので、指定障害児相談支援をつくることは必須としても、旧市町村が直営もしくは指定管理等で行っているようなところが担っている成人期の相談支援における委託とか、あるいは基幹相談支援センターや協議会等の仕組みづくりも含めた機能を発揮するための財源の保障がかなり重要になるだろうと考えております。
こうしたものが今後創設される児童発達支援センターにも付加をされて、そして実行可能な体制づくり、環境づくりというものが必要になり、そうした意味では、成人期における相談支援の三層構造みたいなものを児童の部分にも取り入れていくということをお願いしたいなと考えています。
私からは以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。御協力いただいてすみません。秋山さん以降、かなり手がたくさん挙がっておりますので、ポイントを絞ってお願いしたいと思います。
では、秋山さん、お願いいたします。
○秋山構成員 秋山です。
加藤構成員がおっしゃいましたセンター機能についてですが、賛成です。私のところには、児発、放デイがいっぱいだから利用できないということで、現在訪問リハを利用しているお子さんもいます。その場合、訪問リハは1年に一度指示書を新たに書くようになっていますし、数か月に一度報告書が参ります。そこで実際にどんなことが行われているのか、その子の発達状況が把握できるようになっていますので、現在、児発や放デイのほうのものがセンターに集約されるような機能を持たせていただければ、評価もできるのではないかと思います。
以上です。
○柏女座長 なるほど。具体案をありがとうございます。
日詰さん、お願いいたします。
○日詰代理人 予想より早く回ってきました。
今回厚労省から提案していただいた論点というのはとてもよいなと思いますが、順番を逆に考えたほうがよいかなと思っています。今の秋山先生や加藤先生のお話と同じですが、3番の地域というのをきちんと考えていこうと。今、協議会とか行政がいろいろ問題を考えていても、なかなか動きがうまく取れない。じくじたる思いをしているところが多いのだろうと思います。地域全体を見る目があって、どう動かしていくのかというのを3番できちんと考えようというときに、センターを中心に考えていくと。
(2)の人材育成とかコーディネートの話は、相談中心にやっていく話でいいと思うのですけれども、その中で、うちの地域はこういうのが足りないとか、秋山先生のようなところがないという話が出てきたときに、スポット的なもので何が必要なのかというのは地域の中で見えてきて、事業所がうちはこういうのをやっているという話ではなくて、地域としてこういうのが足りないので必要なのだという話が出てきたときに、スポット的なものをやることをきちんと保障して、地域づくりをしていくと。そういう話でこの話を読んでいくと整理ができるのかなと思って聞いていました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、末光さん、お願いいたします。
○末光構成員 55年ほぼ障害児に関わってきた者で、今回のお話を伺って、一人一人のお子さんに沿ったきめ細やかな支援に向かっているということは、大変すばらしいことだと思うのですが、その一方で、あれこれ一生懸命やり過ぎるということの危険性というか、押しつけ的な部分。あるいは逆に放課後デイの中で御紹介がありましたように、バイトの学生がテレビを見せているだけと。放任でなくて、むしろネグレクトと言っていいかもしれない。かなりばらつきがあるようであります。
そういう中で、私自身、50年前、どんなに重い障害児も少しでも訓練とかをして障害を治し、普通の子供に近づけようということで頑張ってきた歴史があります。善意であり、子供のことを考えているつもりが、結果としては、今になってみると人権侵害的なことをやってきたのではないかなと思って。
加藤先生ぐらいしか記憶にないと思いますけれども、戸塚ヨットスクールというのがありました。当時、登校拒否の子供たちにヨットを通じて自立させようということが、人権侵害で大きく問題になりました。これは済んだのかなと思っていたら、最近新聞で同じ中国地区、広島県の島で、いわゆるひきこもりのお子さんを預かって、小屋の中で死に至らしめた。お母さんが大変悔やんでいる新聞記事を拝読しまして、まだこんなことがあるのかなという思いをしたところであります。
子供のためにいろんなことをしてあげたいという思いの前に、御本人、子どもの権利条約、あるいは障害者権利条約、そして最近の虐待防止条例等々を踏まえた子供中心の支援になっているのかどうかをチェックしていただくことがまず大事なのではないかなと。それを抜きにして熱心にやり過ぎると大きな問題を引き起こすのではないかなと。どこまでも障害のある方のかけがえのない命を守り、他にない尊厳を支え、その上で自立に向けた専門的な関わりをしていただくと。その前2つを忘れては困るのではないかなと思っております。そのことをぜひしっかり押さえていただき、その上でのそれぞれのいい取組にしていただきたい。
年寄りの心配事かもしれません。今回のガイドラインの中にも5つ書いていただいておりますけれども、その前にあるのが、児童福祉法の中の必要な訓練というのが残っております。訓練ということが本当に残っておっていいのかどうかという思いを込めて一言言わせていただきました。よろしくお願いします。
○柏女座長 ありがとうございます。
半世紀携わってこられた末光先生のお言葉、肝に銘じたいと思います。仕組みを精緻にすればするほど、本人支援や支援者の専門性の発揮をもしかしたら妨げてしまうかもしれない。そんな御指摘というふうにも受け止めました。私たち制度をつくる者も心したいと思います。ありがとうございました。
菊池さん、お願いいたします。
○菊池構成員 三重大学の菊池です。
今回の児童発達支援というのは、居宅訪問型の児童発達支援も含めて考えてよろしいわけですね。そうして考えてみた場合に、先ほど柏市の小川様がおっしゃったように、いわゆるスポット的な支援というのは、医療的ケア児であるとか重症心身障害のような子供さんたちが対象となっていくと思われるのですが、こうした居宅訪問型、いわゆるアウトリーチ型でありますが、そうした子供さんたちというのは、どうしても同年代の子供さんとのつながりであるとか地域との関わりが、居宅訪問があるがゆえに制限されてしまう可能性が高いというところと、もう一つは、学校で言うと訪問教育との兼ね合いもどう考えていくかというところがあると思うのです。
いただいた資料の2のところにX軸とY軸の図がありますけれども、これは誤解を招いてしまうのではないかなと。左下のある「スポット的に行う支援」というのは、先ほどお話ししたようないわゆる居宅訪問型が該当すると思うのですが、右上の「生活全般の支援も含めて行う支援」というのは、地域とどうつながっていくかというところを併せて考えていかなければいけない。そうした場合、これは分断されているような印象を受けてしまうので、そういうつながり、個人に特化した支援から地域へとどう広げていくかといったような視点を、目に見えるような形でしっかりと打ち出していく必要があるのではないかなと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、田中さん、お願いいたします。
○田中構成員 よろしくお願いします。駒沢大学の田中です。どうもありがとうございます。
偏った支援の前例が多く見られることから、本来の支援の在り方として総合的支援と、それにプラスアルファとして特定プログラムによる支援に区分していくという考え方につきましては、納得できるなと考えております。
その上で、スポット的に行う支援というものをどうやって位置づけるかということについては、なかなか難しい点があるかなと思っております。今回は具体論をどこまで求めるか。この検討会では具体論というよりは、あくまで方向性なのかもしれないのですが、もし支援時間の長短によって閾値を決めるとなってくると、その閾値の設定によって支援の内容ががらりと変わるということになってくると、なかなか制度設計も難しいような気もしますし、実際その地域や児童のニーズに合わせた形でそこは弾力的に運用する必要性もあるかなと思っております。方向性としては、冒頭申し上げたとおり納得できるところですが、今のようなことも考えなくてはならないのではないかと考えます。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
類型化と弾力性の観点ですね。ありがとうございました。
又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 全国育成会連合会、又村でございます。ありがとうございます。
私は1点だけに絞らせていただきまして、コーディネートの機能のところでございます。特に未就学期という極めてデリケートかつ重要な時期でございますので、育成会としてもこの間、各所の要望で市町村行政の関わりを、少なくとも児発に関してはコーディネートあるいは事業所指定などの場面でしっかりと位置づけてほしいということを申し上げております。
というのも、児発は、いきなり児発を利用するというお子さんはまれで、多くの場合、医療機関であるとか、あるいは1.6歳・3歳の健診等での気づきからこれを利用するケースが圧倒的に多く、1.6歳・3歳は基本市町村直営でございます。
また、昨今では子育て世代包括支援センター等の連携を持って児発の利用につながるケースも多くなっておりますが、子育て世代包括支援センターも直営または委託ということになりますと、少なくとも児発の前の部分での市町村行政の関わりが極めて強いわけなので、事業所指定自体の関わりも希望はするのですが、ここではコーディネート機能ということが明示されておりますので、市町村行政が直接的に関わるということについては、ぜひ児発に関しては意識をしておいていただければという希望でございます。
以上でございます。
○柏女座長 ありがとうございます。
北川さん、挙がっていますか。
○北川構成員 2回目で申し訳ありません。
スポットのことが随分話題になっていると思います。児童発達支援というのは、本人支援の中でトータルな発達支援と考えたときに、もちろんPTとかOTとかSTの訓練だけするという、何らかの専門職による支援に加算的なものをつけるというのは理解できるのですが、児童発達と考えたときに、先ほど末光先生がおっしゃった、訓練に来るという在り方と医療モデルとの関係みたいなものも考えていかないといけないのかなと思います。児童発達支援とはそもそも何なのかという辺り。子供をどう支えていくかという中で、私たちの役割はどこにあるのか。専門家による支援だけが児童発達支援なのか。保育士もやはり大切な子育て支援の専門家だと思うし、その辺をもうちょっと深く議論してスポットということを考えていかないといけないと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
加藤さん、挙がっていますか。
○加藤構成員 時間がないところ、すみません。
今の問題で一言だけ言わせてください。支援時間の長短ということで、短いことが問題になっているのですけれども、これは子供とかその御家族のありよう、状態像によって違うと思うのです。例えば低年齢になればなるほど長時間の訓練などというのはあり得ないわけで、支援もあり得ないのです。それはテーマによっては短くてもいいでしょうし、また、発達のプロセスの中のある時期は細切れで小さくステップを踏みながらという場合もあるでしょうし、それを一概に短いか長いか、2時間か4時間かみたいな話で切ってしまうということは、とても乱暴な話だと思います。
そういう意味では、子育てとか子育ちというのは本当に多様な状況下にありますので、その辺を柔軟にフレキシブルに受け入れるという意味では、あまりそこを突き詰めて考えてしまうと、目方で勝負みたいな話につながってしまう可能性がありますので、その辺についても十分な配慮が必要かなと思います。
ありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございます。
まだまだ御意見があるかと思いますが、次の放課後デイのほうに移ったところでまた児童発達支援に戻っていただいても結構です。今までの意見でどなたかお一人だけおっしゃっていた親の就労との関係のところですけれども、そこも私自身は大事に考えなければいけない。親の自己実現ということを保障していくために、子供の総合的な生活支援が大事なのだという観点もとても大事かなと思っております。
続きまして、放課後等デイについての論点について御意見を頂戴したいと思います。どなたからでも結構です。よろしくお願いいたします。柏市の小川さん、お願いいたします。
○小川(正)構成員 柏市の小川でございます。
それでは、5ページの真ん中のポツ、年代に応じてというところに絞って意見を申し上げます。放課後等デイサービスは対象となる児童の年齢幅が大きいことから、年代に応じた提供をすべき支援内容等について、具体的にガイドラインで示す必要はあると思います。この場合の年代の分類については4分類で問題ないと思っております。
支援内容といたしましては、例えば小学校低学年、高学年時には集団療育を主とした支援、中学時には集団療育と個別療育を包括した支援、高校時には児童の進路に応じた個別支援を主とした支援を提供するなど考えられるかと思っております。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、菊池さん、お願いいたします。
○菊池構成員 三重大学の菊池です。よろしくお願いいたします。
4ページ目の(2)に「児童発達支援ガイドラインの構成」と「放課後等デイサービスガイドラインの構成」という表があります。左側の「児童発達支援ガイドラインの構成」は、5つの領域が出ておりまして、これは保育や幼稚園関係で見てみますと、保育や幼稚園でも同じような領域が出ているのです。なので、学校教育、保育と児童発達支援、こうしたところがしっかりとリンクされているような印象を受けます。一方で、右側の「放課後等デイサービスガイドラインの構成」は、そうした教育と福祉とのつながりというか、そういうところはなかなか見えにくいような状況であると見えます。
先ほど冒頭で自立活動の話もさせていただきましたけれども、学校においては自立活動というのは、「個々の幼児、児童、生徒が自立を目指し、障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養う」といったことが目的として挙げられていて、6つの区分と27個の項目によって構成されております。特に特別支援学校においては、障害のある子供さんたちに対して、その6つの区分に基づいた様々な教育的な支援が展開されているような状況がありますので、そうしたところも念頭に置きながら、こうしたデイサービスのガイドラインということも検討していくことが必要なのではないかと思いました。
もう一点は、インクルージョンの話がこの中に入ってきているわけですが、放課後等デイだけに限定すると、これはどうしてもインクルージョンになり得ないのではないかなと思うのです。学校が終わった放課後の子供さんであれば、いわゆる学童があるわけですけれども、学童と放課後等デイが併設されているようなところが幾つかあると思うのですが、そうしたところの子供たち同士の育ち合いとか学び合い、放課後等デイと学童との中で子供たち同士がどう交流をし合っているのか、そうしたところも検証しながら、しっかりとインクルージョンの在り方を考えていく必要があるように思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
特別支援教育の6区分27項目との整合性という話をいただきました。大事かなと思いました。
併せて、放課後児童クラブでは生活と遊びというものを主要な論点にして、9つの視点が挙がっておりますので、そうしたものを勘案しながら、本人目線で考えていくということは大事なことだなと思いました。ありがとうございました。
秋山さん、お願いいたします。
○秋山構成員 秋山です。
今のお二人の構成員の方と同じ意見ですけれども、年齢に合わせたというところを考えると、ライフサイクルとインクルージョンを併せて考えていく必要があると思いますので、ぜひガイドラインの中にそれを入れていただければと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 全国育成会連合会、又村でございます。ありがとうございます。
5ページの論点のところに沿って幾つかお話をさせていただきます。
まず、放課後等デイサービスに特有の支援ということに関しては、先ほど柏市の小川構成員もおっしゃっていただいた年齢相応にということが1つあると思っておりまして、体験・経験を積むということができる支援というのは極めて重要と考えています。その意味では、例えば一緒におやつを作ってみるとか、公共交通機関を使って出掛けてみるといったような支援というのは、確かに未就学よりは学齢のお子さんということで、放デイに特有かなと考えます。そして、再々菊池先生から御指摘をいただいている学校との連動は、放デイには極めて特徴的な支援になると考えます。したがいまして、学校における自立活動などと連動した支援といったものが想定されるかと考えました。
次に、放課後等デイサービスの評価等でございますが、これは理想的には地域の障害児支援の中核である児発センターを中心として、例えば自立支援協議会などと連動し、児発センターが核となって行っていくということが想定されると思いますが、それが年齢的な違いもあって難しいということであれば、放デイについてはかなり抜本的な制度の見直しが必要と考えておりまして、イメージで言いますと、放デイについても事業型とセンター型に分類してもよいのではないかと考えます。つまり、役割としての地域全体の放デイの底上げをする役割まで放デイのセンター型には求めるという考え方になります。
もう一つは年齢の問題がありまして、先ほどちらっと申し上げましたが、小学校1年生から高校3年生まで同じ事業所を利用することになりますので、同一年代とは言いがたい状況もあります。一例として小学生型と中高生型に分類するということも視野に入れるべきと考えます。その上で、再々御指摘をいただいておりますインクルージョンの観点からは、少なくとも小学生年齢については放デイと放課後児童クラブ、この2つを共生型として位置づけるべきというのは、第1回でも申し上げましたけれども、これについても検討の余地があると考えました。
取り急ぎ以上でございます。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、北川さん、お願いいたします。
○北川構成員 放課後デイの子供たちを支援している立場から、児童発達支援のガイドラインと放課後デイサービスのガイドラインの構成はあまりにも違い過ぎていると思います。もう少し子供のニーズに沿ったガイドラインが必要なのではないかと思います。この時期、年齢も含めて個々のニーズがあると思うのですが、一番大事なことは、この時期は自尊心の低下が起きやすいので、放課後デイとしてそこに着目した支援が必要なのかなと思います。
例えば学校で過適応をしている子供には、気持ちを表現できるような心理的なアプローチが必要だったり、学習で低学力になりやすい子供には学習支援も必要だし、低学年だと社会スキルをしっかり身につけて人との関係がよくなっていく、楽しくなっていくような支援とか、あと、個別支援もとても大事なのですけれども、思春期だからこそ仲間との関係性の中で、学校では対人関係がなかなかうまくいかないけれども、放課後デイには友だちがいる、仲間がいるということで、自分への自信ということで、大人への移行の準備、力になっていく。先ほど又村さんがおっしゃったいろんな体験とか活動を通して子供たち自身を大人へと育んでいく。障害があっても大丈夫だという自分の障害の受容も含めて、仲間と一緒にいる中で育んでいくということが、自信を持った大人への移行になるのかなと思います。
あと、前回も申し上げましたけれども、放課後デイがたくさん増えていて、なかなか地域の学童クラブに行かないという実態の中では、放課後デイに一般の子供たちも来て、地域資源がいっぱいになっていくというか、そういう太らせていくという共生型の役割は大きいのではないかなと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
小川陽さん、お願いいたします。
○小川(陽)構成員 日本相談支援専門員協会の小川です。ありがとうございます。
私からも5ページについて2点ほど発言をさせていただきます。まず、対象年齢の幅広さから、分けるということについてお考えいただいていますけれども、すごく情緒的な話になってしまって恐縮ですが、以前児童デイサービスがまだⅡ型ということで、小学生年齢に限定されていた時から対象拡大になったとき、年齢で一律に児童デイサービスの継続利用ができなかったお子さんが、その当該年に中学校に進学しても利用可能になりました。その状況を見ていたときに思ったのは、昼間学校教育の中では学年とか障害種別等で分けられているお子さんが、地域という単位の中で異年齢と関わりができることの大切さというものが大変重要だなと痛感した覚えがあります。そうした意味では、当然育ちや年齢によって提供するサービスの内容については相応にするものだと思いますが、一律に事業所の在り方そのものを分けてしまって、放課後等デイサービスの中で分断みたいなことにはならないようにしていただけるといいのかなと強く願っているところです。
もう一つ、コーディネート機能についてはこだわりもあって、先ほど児童発達支援事業のところについても発言をさせていただきましたが、同様にお願いをしたいと考えているのと、先ほど又村構成員のほうから、放課後等デイサービスについてもセンター型と事業型という本当にすばらしい御提案がありましたけれども、これらについては強く賛成をさせていただきたいのと、その場合に、センター型については児童発達支援センターと一体運営のような形で運営をしてもいいのかなと思った次第です。いずれにしても地域全体を見る仕組みをどのようにつくっていくかというのが大変重要だと考えております。
私からは以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
加藤さん、お願いいたします。
○加藤構成員 ありがとうございます。時間のないところ簡潔にと思いますが、4点ほど御指摘をさせていただきたいと思います。
1点目は、先ほど来何度も申し上げているのですが、昨今の放課後デイというのは地域に本当にたくさんあります。しかし、それらは自己完結的に分断状態で、ほとんどつながりのないところでマイペースにやっているという事態があります。それはそれとして、しかし、それぞれの事業所も一番大事な学童期の子供たちを預かっているわけです。そういう意味では、学校との役割、機能分担、情報共有、そういうものがとても大事になると思うのですが、それが一体どこまでできているか。これはよく言われていて、皆さんから指摘されているところですけれども、実際問題それがどこまで広がっているのか、深まっているのかということになりますと、私自身はかなり疑問に捉えています。
ある意味では、放課後に学校までバス、車で迎えに行って、事業所まで連れていって、事業所から自宅までという送迎つきなのです。それはまさに今のコロナのバブル方式みたいなもので、彼らが地域の中で生きる、生活するということがどこまでできているのかということになりますと、インクルーシブなと言われている時代に、むしろ彼らを囲い込んでいるとか、あるいはセグリゲーション的な扱いになってしまっているのではないかということをとても懸念します。ですから、その辺の問題をどうするのか。確かに送迎があることによって親御さんはとても助かっているということはあろうかと思いますが、それで本当にいいのかということです。
2点目としましては、学童期、特に前期辺りまでですと、本人というよりも家族を含めた本人という位置づけが大事で、そういう意味では、居場所、預かりといいますか、そういう中で親との連携、ある意味では様々な共有、共感、共通認識というものが必要な時期に、それが放デイの活動の中でどこまで徹底されているのだろうか。ほとんど請負的な、しかもそれが極端な場合、月曜日から日曜日までみたいな中で、そういうことが家族の中で議論されたり、話題になったり、検討されているのだろうかということを考えると、とても不安になります。そうした意味での親支援を放デイでもしっかりやるべきだと思います。
3点目です。現行は放デイが親御さんの就労支援という性格を非常に強く持ってきてしまっていて、最初は子供自身の発達支援だったのですけれども、むしろ親支援、就労支援にウエートがシフトしてしまっているということに関して、そういうボタンのかけ違い状態をそのままにして今後の在り方を検討していっていいのかということが私的には心配になります。
もう一つは、そういう放デイに対するいろんな評価が乱立する中で、冒頭河村室長からありましたように、最終的には障害部会でも議論されたようですが、事業所の評価を第三者的な目を入れて、利用者の目も入れて、ちゃんとすべきだと思います。そういう意味では、これもまた新たにと言うと大変なことになりますので、先ほど来出ていますように自立支援協議会の子ども部会。これは全国にあるのでしょうけれども、いろいろレベルがあって、ばらつきがあって、実質的な機能はしていないというところが結構あったりします。そういう意味では、実質的に地域の子供関係者が一堂に会して、自分たちの地域社会の子供支援がどうなっているのか、どういう在り方をしているのか、どこまで機能しているのかというところを議論する。結果として評価もしていく。そういう機能を持たせていくのが最短距離かなと思ったりします。
以上です。ありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございます。
次のテーマに移っていきたいと思います。この放デイのところでは、ガイドラインの見直しについて本人目線に沿った形での見直しということが強く出されておりました。それに連動して年代別の類型とかいろいろな類型をつくるべきではないかという意見と、逆に小川さんのように、その類型が新たな分断を生まないように整理すべきだといった御意見も出てきております。大事な点をたくさん出していただきまして本当にありがとうございました。
それでは、今の加藤さんの御意見にもありましたけれども、放課後等デイと児童発達支援に共通したところで、先ほどもアセスメントのための仕組みづくりの場をどうするかという御意見などもありました。この地域との関係、共通する論点について、最後に御意見を頂戴できればと思います。どなたからでも結構です。お願いいたします。又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 全国育成会連合会、又村でございます。ありがとうございます。
今、私が読み違ってしまっていたのかもしれません。共通事項は支援時間の長短の部分かなと思っていたので、そこだけ先に補足させていただきます。支援時間の長短で評価を分けることについては、一定の妥当性はあるとは思いますが、先ほど来各構成員から出ているように、個別の専門的な支援を提供する。表現はさておき、この資料では「スポット」と呼ばれている支援などは当然短い時間になる前提なので、こことの考慮が必要なのかなということ。
もう一つは、先ほど加藤先生からあまりそれでやってしまうと物量勝負みたいになりますよという御指摘をいただきましたが、もし時間の指標を入れた場合、規模と時間だけの指標になるのです。なので、定員が多いか少ないかと提供時間が長いか短いかという、非常に分かりやすいけれどもぶれやすい指標だけになってしまうので、育成会としては、支援の必要性に着目した指標を導入していただきたいということについては、ずっと積み残しになっている障害児の障害支援区分の話も含めて、そこまでたどり着くのが難しいのは承知していますが、少なくともそれに相当する考え方については、もし報酬上の評価まで踏み込むのであれば、考える必要があるというふうに御意見を申し上げたいと思います。
その上で、ここで共通ということで出ていた地域との連携体制のお話については、先ほど申し上げましたが、自立支援協議会を中心に、各市町村に1か所ずつ設置される方向になっている児童発達支援センターがその中に入って、先ほど来出ています利用者の方、事業所間、そして必ず行政、市町村がそこに絡むという形での連携をつくる場というのは、可能であれば何らかの形で義務化していただきたいなと思っています。今、グループホームの日中サービス支援型は、自立支援協議会への年1回以上の報告が事業所の指定要件になっているのですが、このような形が少し援用できるのではないかと考えております。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、小川陽さん、お願いいたします。
○小川(陽)構成員 ありがとうございます。日本相談支援専門員協会の小川です。
関係機関の連携と評価のところについて、2点それぞれ発言をさせていただきます。関係機関の連携については、先ほど又村構成員からお話がありましたが、私もほぼ同意見です。取り立てて重要なのは、相談支援のプロセスにおけるサービス担当者会議に児童発達支援センターや放課後等デイサービスも含めてきちっと集まれる仕組み。そこでアセスメントを共有化していくということが非常に重要だと思っています。ここが現場としてはやり切れない阻害要因があると承知しておりますが、このことをさらに進めるために、先ほどの義務化等も含めて御検討いただく必要があるのではないかと考えております。
もう一つ、評価の部分ですけれども、以前の会議でも発言をさせていただきましたが、例えば各事業所単位で運営協議会とか推進委員会とか、名称はともかくとして、地域の方たちにも参画していただく委員会のようなものを組織して、そうしたものとの連携の中で事業所評価を行うという手法もあるのではないかということで、発言をさせていただきます。
私からは以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
菊池さん、お願いいたします。
○菊池構成員 三重大学の菊池です。よろしくお願いいたします。
関係機関との連携ということで、教育の立場からどうしてもこれは発言をさせていただきたいと思います。福祉関係のほうではサービスの利用計画があって、学校関係だと個別の指導計画や個別の教育支援計画というものが、子供たちが育つ上では非常に大事なツールとなって提供されているわけです。しかしながら、これは残念なことに教育の側からの熱意というか、福祉に対するアプローチが非常に薄い状況にあるように思うのです。福祉の側からの教育へのアプローチというのは非常に強いものがあるように実感しているのですが、学校の先生方の関心度が極めて低いというのは非常に残念なところになります。
ここをどう実効あるものに持たせていくかというところは、省庁を越えた枠組みというか、話し合いの場をちゃんとつくっていただきたいというのが個人的な思いであります。例えば先ほどのサービスの利用計画や個別の指導計画、個別の教育支援計画を一元管理できるような在り方というところ。自治体によっては実際そういうものをつくっているところもあるのですが、大半のところはそれがなかなかできていない。教育では特別支援教育コーディネーターがいるわけですけれども、相談支援事業所との関わりが薄いといった状況がありますので、厚労省側から文科省への働きかけであるとか、そうした枠組みを超えての、もう少し大きなところからのその体制づくりということをぜひ考えていただきたいなと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
北川さん、お願いいたします。
○北川構成員 関係機関との連携は乳幼児期とは違った形で、思春期になってくると、子供たちの困り感と同時に家族の困り感が非常に高くなってくる時期ですので、児童相談所とか医療機関とか学校とかを含めて。専門的なアプローチをどうしていくかという子供たちも増えてきますから、この連携、1か所だけで子供を支えるのではなく、いろんな機関で子供を支えるということ、関係機関の連携がガイドラインのほうには必要だと思います。
時間の長短に関しては、又村さんと大体同じ意見で、放デイで学校休業日とふだんの放課後とあるように、ある程度大枠では必要ではないかと思います。ただ、短いということに対してどんなふうに考えていくかということは、低年齢のお子さんとか、この子にはこういう支援が必要だとか、それはもう少しみんなで考えて議論していく必要があるのではないかなと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょう。
私、日頃から疑問に思っていることが1つあるのですけれども、千葉県の某自治体で障害関係の子供たちとケースカンファレンスをすることがあるのですが、そういう場を定例化できないかと思っています。虐待であれば、要対協のところで罰則つきの守秘義務があって、そこで意見を全部集約できるのですけれども、自立支援協議会の子ども部会を使おうと思ったら、ここは罰則つきの守秘義務がないということで、議事録の公開もされているということです。とてもそんなところではできないと思っていて、そういうのを定例化できるような、サービス担当者の会議とかがやれるような恒常的な場はないのでしょうか。あるいはつくる必要はないのでしょうかと思ったのですが。これは意見になってあれですが、小川さん、いかがですか。
○小川(陽)構成員 大変重要な御指摘ありがとうございました。課題感としては同じように持っています。現状、私の見聞きしている範囲の中では、なかなかそうした場がつくりがたいということのほうが声としては大半かと思っていますが、必要性については、異口同音、必要だと思っているという意見が多いので、今後はどのようにしてそれをつくっていくのかという具体的な方法論に移っていく必要があるのではないかと思います。
私からは以上です。
○柏女座長 分かりました。ありがとうございます。
自立支援協議会をベースにする場合は、自立支援協議会そのものの仕組みをもう一度ケースカンファレンスがアセスメントもできるように変えていかないとならないということですね。分かりました。ありがとうございます。
北川さん、お願いします。
○北川構成員
私も自立支援協議会子ども部会をやっていますが、その辺は非常に難しいかなと思います。特別に特化してワーキングなどをやりながらだと大丈夫だと思うのですけれども、私は先生のおっしゃることは本当に大事だと思うのですが、結構要対協でも障害のある子が多くて、月2~3回要対協に出掛けて、ケースについてどんなふうにサポートしていこうかとか、そういうことは行っていることもあるので、障害のある子だからという点もあるのですけれども、要対協の子供の制度の中で、家族支援とかも含めて社会的養育が必要な子供たちは一緒に考えていくというのが大事かなと思って聞いていました。
現状では、児相などが関わっている支援の必要なお子さんは、医療機関と学校と児童相談所とで、システムとしてはなっていないのですけれども、夕方6時からとか、本当にそういう会を開かないと。専門性の高い支援は求められているかなと思います。
○柏女座長 ありがとうございます。
すみません。意見を誘発してしまったみたいで申し訳ありません。
又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 又村でございます。
私の前の職場の話で恐縮ですが、私は市役所でずっと療育の事務の担当をしていたのですが、平塚市の直営の児発事業で、センター並みの対応をしていた事業所でした。そこでは例えば地域の保育所であるとか、児発事業であるとか、あるいは放デイの職員の方で個別の対応でスキルを上げたいということであれば、もちろん無料で、2週間ぐらい私どもの事業所で修行できますよという取組をずっとして、なおかつ保育所訪問を使って市内の幼稚園・保育園、あるいは放課後児童クラブに顔を出すようなことを積み重ねていきました。
その結果、現場にいらっしゃる皆様から、平たく言えば、あそこは当てになると思っていただける。当てになると思っていただいた場所からの声かけというのはすごいリアクションがよくなるのです。結果どうなったかというと、自立支援協議会の子ども部会の冠をつけるのですけれども、市直営の児発事業所が主宰する意見交換会であるとか事業所の集まりというのは、非常に参加率が高くなりました。
なので、仕組みの話というのは、もちろんつくっていくことが重要だと思うのですが、そこの背景には再々申し上げています児発センターであるとか、あるいは児発事業であっても、そういった力のある事業所が地域の中で当てになるということがまず下敷きにないと、仕組みをつくっても上滑りしてしまうかなということがあったので、そこだけちょっと申し上げました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
菊池さん、お願いいたします。
○菊池構成員 三重大学の菊池です。よろしくお願いします。
先ほど私が発言したことに加えたいのですけれども、平成30年に文科省と厚労省で「家庭と教育と福祉の連携『トライアングル』プロジェクト」というのが出ておりまして、これがその後どうなっているのかというところが実はよく分からないというか、今後どうしていくべきかといった方策、定義はされているのですが、そうしたものが3年たってみて実際どのように蓄積されてきたのかというところがなかなか見えていないのです。厚労省の皆様から次回とかその次でもいいのですが、その後について教えていただけるとありがたいかなと思いました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
少し事務局のほうで探していただこうかと思います。お願いいたします。
加藤さん、お願いします。
○加藤構成員 貴重な時間をすみません。
今の柏女座長からの発案ですけれども、私の経験を申し上げると、自立支援協議会はそれなりの規模で、それなりのメンバーを集めてやるのですが、これは地域によって違うのかもしれないですけれども、例えば私の地元の区は人口70万ですが、そこで年に2回か3回しかやらないのです。そうすると、毎回が名刺交換会、自己紹介で終わっているみたいな段階で、そのために2時間も時間をかけるのか、ここまでやってくるかというロス感がいろんな意味で大きいのです。
だから、そういう意味では一定の規模で、一定のボリュームで、一定のテンポでちゃんとメンバーを集めてということが大事なことになるかなと思うのと、ここでは公立の方、公務員の方がいっぱいおられて恐縮ですけれども、事務処理的な、行事消化みたいな話で終わってしまうのです。やはりもっと切実感を持って、子供に対する責任感、義務感を強く持った人間が集まらないと、なかなか話は煮詰まっていかないということを強く感じた次第です。ですから、新たにそれに類する組織を立ち上げるというのも、どうせ似たようなメンバーが集まるに決まっているので、そういう意味では、今あるものをしっかりと有効化していく、機能化していくということのほうが意味があると思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
すみません。私の進行の不手際で時間が5分過ぎてしまいました。どうしてもという方はほかにいらっしゃいますでしょうか。北川さん、お願いします。
○北川構成員 何回も申し訳ありません。
コーディネーター機能についてですが、実は札幌市で児童発達支援センターが9か所あって、そのうち6か所、6人の地域支援マネジャーという人が札幌市独自でついていまして、例えばうちのセンターだと、1人が東区の放課後デイと児童発達を年2回訪問して、いろいろ困り感を聞いたり、聞くフォーマットもあるのですけれども、連携していく。そして、年に3回ぐらい地域だけで集まって勉強会をしたり、学習会をしたりするのですが、全体としては児童発達も放課後デイも児童福祉という観点よりも、それぞれが経営しているみたいな、そういうところのニュアンスがちょっと大きくなってきているのかなと思います。連携とかコーディネーター機能とかも含めて、私たちの児童発達支援も放課後デイサービスも児童福祉で子供たちの幸せ、ウェルビーイングのためにあって、だからいろんなところと連携してこの地域の子供、困り感の高い子供を支えていくのだというミッションを、この検討会を通して改めて打ち出す時期に来ているのかなと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
報告書の冒頭のミッションのところについて御意見を頂戴いたしました。とても大事なことだと思いますし、それから日詰さんもおっしゃっていましたが、地域のほうで子供たちが暮らせることが最初ではないか、そこから組み立てていくべきだという御意見もとても納得できるもの、それにも通ずるものがあるかなと思って聞かせていただきました。ありがとうございました。
よろしければ、最後の(3)その他のことについて、皆様方から御意見がありますでしょうか。よろしいですか。
それでは、これで今日の議事は全て終了とさせていただきます。
事務局から今後のスケジュールについて御説明をお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 事務局でございます。
次回は8月27日金曜日、14時半から17時まで予定してございます。
会議の開始が遅れましたことをこの場をお借りしましておわび申し上げます。また、YouTubeのほうがうまくつながらなかったということで、これにつきましてもおわび申し上げます。引き続きよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○柏女座長 それでは、今日はこれで閉会とさせていただきます。お忙しい中、御出席をいただきましてありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。お疲れさまでした。