第7回多様化する労働契約のルールに関する検討会(議事録)

日時

令和3年9月17日(金)10:00~12:00

場所

厚生労働省労働基準局第1会議室 中央合同庁舎第5号館16階
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

出席者(五十音順)

  • (あん)(どう)(むね)(とも) 日本大学経済学部教授
  • (えび)(すの)(すみ)() 立正大学経済学部教授
  • (くわ)(むら)()()() 東北大学大学院法学研究科教授
  • (さか)(づめ)(ひろ)() 法政大学キャリアデザイン学部教授
  • (たけ)(うち)(おく)()寿(ひさし) 早稲田大学法学学術院教授
  • (もろ)(ずみ)(みち)()  慶應義塾大学大学院法務研究科教授
  • (やま)(かわ)(りゅう)(いち) 東京大学大学院法学政治学研究科教授

議題

無期転換ルールに関する論点について

議事

議事内容

 
○山川座長 おはようございます。
 定刻となりましたので、ただいまから、第7回「多様化する労働契約のルールに関する検討会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、本日も御多忙のところ御参加いただき、誠にありがとうございます。 
 本日も新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえて、Zoomによるオンライン開催となります。
 委員の皆様方、こちらの音声、画像は、届いておりますでしょうか。 
 ありがとうございます。
 では、議題に入ります前に、事務局に異動がありましたので、事務局から御紹介をお願いします。
○竹中課長補佐 事務局に異動がございましたので、御紹介させていただきます。
 大臣官房審議官、労働条件政策・賃金担当の青山です。
○青山審議官 青山です。よろしくお願い申し上げます。
○山川座長 それでは、次に、事務局からオンライン操作方法の説明と資料の御確認をお願いします。
○竹中課長補佐 事務局より操作方法の御説明と、資料の確認をいたします。
 本日の資料は、事前に送付しておりますとおり、4点でございます。
 説明時に画面に投影いたしますので、そちらも御覧ください。
 御発言の際にはZoomのリアクションから手を挙げるという機能を使用して御発言の意思をお伝えいただき、座長の許可がございましたら御発言いただければと思います。御発言時以外はマイクをミュートにしていただき、御発言の際にミュートを解除の上、御質問等をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 不安定な状態が続く場合には、座長の御判断により会議を進めさせていただく場合がございますので、御了承いただければと思います。
 続きまして、資料につきまして御確認をお願いいたします。
 資料1につきましては、無期転換ルールに関する新規の論点。
 資料2は、前回資料改訂版でございます。
 参考資料1と2につきましては、前回の検討会でも参考資料として配付しておりましたが、参考資料1が第5回検討会の資料、参考資料2が無期転換ルールに関する主な裁判例をまとめたものでございます。
 不備などございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございました。
 カメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。
 では、本日の議題に入ります。
 資料の1と2を御覧ください。
 本日は、まず、資料1の論点について議論をいただきました上で、もし時間がありましたら、資料2の論点のうち(3)無期転換前の雇止め等について、追加の資料もあるようですので、御議論をいただきたいと思います。
 では、事務局から、まず、資料1について説明をお願いします。
○竹中課長補佐 それでは、資料を御説明いたします。
 資料1からでございますが、無期転換ルールに関する論点の新規ということでございまして、まず2ページ目を御覧いただければと思います。
 この論点一覧でございますが、こちらについては、基本的に8月にお示しした論点と同じでございます。ただ、赤字の箇所が追加箇所、修正箇所でございまして、(3)の無期転換前の雇止め等というところで、これはウを追加しておりまして、前回の議論を踏まえまして、「無期転換申込みを行ったことなどを理由とする不利益取扱いについて、どのような対応が考えられるか」を追加してございます。
 続いて、4ページ目でございますが、(7)のその他のところで、もともと無期転換に関する制度のみについて言及していたのですが、制度以外も含めた表現にしております。
 続きまして2の(5)の無期転換後の労働条件ということでございまして、6ページ目を御覧いただきたいと思います。
 こちらの論点につきましては、前回お話ししたものと同じではございますが、まず、アです。無期転換ルールの「別段の定め」を行う場合、労働契約法の労働条件設定・変更に係るルールとの関係をどのように考えるか。
 イですが、無期転換後の労働条件について、有期労働契約時と変わらない労働者が多い実態が見られるが、無期転換後に、本人の希望も踏まえ業務の内容や責任の程度などが変更されることで、それに見合った待遇の見直しが行われるために、どのような方策が考えられるか。
 ウですが、フルタイムの無期転換労働者に対しては、パート・有期法に規定する通常の労働者との間の不合理な待遇の禁止規定が適用されませんが、無期転換労働者と、ほかの無期契約労働者との待遇の均衡についてどう考えるかということでございます。
 このうち、まず、アとイの関連で、その下に記載しておりますが、「別段の定め」の方法別、事項別にどう考えるかということでございまして、まず、方法別ということでございます。
 「別段の定め」については、大きくは就業規則で定めるか、個別契約で定めるかの2つに大体は分かれるかと思いますが、まず①の就業規則です。
 こちらは「別段の定め」が規定されている就業規則と労働契約法7条、10条の合理性判断の規定との関係をどう考えるかです。
 ②でありますが、個別契約につきまして、使用者が無期転換の申込みをした労働者に対して、就業規則に規定されていない労働条件であって、有期労働契約時とは異なるものを無期転換後の労働条件として提示した場合、労働者としてはどのような対応が考えられ、その場合どのような効果が生じるのかということで、後ほど、参考資料も参照していただきたいと考えております。
 続きまして「別段の定め」の事項別にどう考えるかということで、aのところでありますが、その待遇の向上とともに、職務の内容などの変更がされるようなケースで、bですが、契約期間の定めがなくなることなどに着目して定められる事項ということで、例えば定年制が追加される等のケースでございます。
 cでありますが、無期転換を躊躇するような事項が定められているようなケースでございます。
 続きまして、次の7ページ目でありますが、論点ウの関係でございまして、例えば、次のようなケースで、フルタイムの無期転換労働者等、ほかの無期契約労働者との処遇の均衡についてどう考えるかということですが、①から⑤までございまして、①ですが、有期契約の時点で通常の労働者の待遇との間で、不合理と認められる相違があって、均衡が図られないまま無期転換した場合。
 ①´については、①とほぼ同じようなものでありますが、パート・有期法の同一労働同一賃金の規定が施行される前に、均衡待遇が図られないまま無期転換したようなケース。
 ②でございますが、いわゆる正社員の待遇改善がなされた際に、有期契約の方の待遇は、パート・有期法の規定に即して見直しが行われる可能性があるものの、無期転換労働者の待遇は見直しが行われないようなケース。
 ③でございます。有期契約労働者が全て無期転換して企業内に存在しないため、いわゆる正社員の待遇見直しの際に、パート・有期法を踏まえた見直しの契機もないため、無期転換労働者の処遇の見直しが行われないようなケース。
 ④でありますが、有期契約労働者は、同一労働同一賃金の観点から均衡が図られていたものの、無期転換後に業務の内容などが変更されたにもかかわらず、待遇の見直しが行われないケース。
 ⑤ですが、有期契約の場合は、必ずしも不合理と認められなかった相違が、無期転換労働者と、いわゆる正社員との間でも問題にされるケースでございます。
 続いて8ページ目でございますが、これまでの委員の皆様からの主な意見等ということでありまして、上から4つ目のところでありますが、こちらは、施行通達で引き下げることは望ましいものではないという記載をしているが、原則、引下げ可能と読める、具体的に説明すべきだという御意見があったほか、下から2つ目のところでありますが、パート・有期法14条に関する説明義務というものが、パート・有期労働者についてはありますけれども、その説明の仕組みをパート・有期労働者以外の区分の労働者に対しても新たに考えるべきということを、検討対象とする可能性はあるのではないかというようなこと。あとは、不合理な賃金差に不満がある労働者が多いけれども、納得感にきちんと対処していく必要があるというようなお話などをいただいてきたところであります。
 続いて、9ページ目でありますが、ヒアリング先からの主な意見等ということで、使側の方からは、無期転換後の労働条件については、労使自身に委ねるべきであるというような御意見があったほか、一番下のところでありますが、労側の方からは、無期転換権行使後の労働者と、同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者との間で、不合理な労働条件を禁ずる規定を創設すべきだというような御意見もあったところであります。
 続いて、10ページ目でございますが、こちらは、関連法令ということで、まず、労働契約法を挙げております。
 こちらの中では、3条のところで、就業の実態に応じて均衡を考慮という規定がありまして、あとは、7条とか、後ほど参照していただくこともあるかと思いますが、こちらは、契約を締結する場合において、合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるということが書かれています。
 これが契約の締結時の話でして、それとは別に、例えば、9条のところでありますが、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者に不利益に労働規約の内容である労働条件を変更することはできないとされていますが、その例外として、10条の中で、就業規則の変更により、労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させて、かつ、その内容が合理的なものであるというときは、その労働条件は、変更後の就業規則に定めるところによるものとするとされています。
 この9条、10条というところが変更時のルールということになりますが、一般に上の7条の契約成立時より、10条の労働契約の内容の変更時のほうが、合理性判断が厳格とされるところでございます。
 続いて、下のほうの20条に関してですが、働き方改革推進法が改正される前は、このように、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止という規定があったところであります。
 続いて、次の11ページ目は施行通達でして、この中のカのところです。この2段落目のところ「この場合」と始まっていますが、無期労働契約への転換に当たり、職務の内容などが変更されないにもかかわらず、無期転換後における労働条件を従前よりも低下させることは、無期転換を円滑に進める観点から望ましいものではないこととされているところであります。
 あとは、厚労省のほうから出しているQ&Aの中でも、同様の趣旨で記載しているところであります。
 続いて12ページ目でありますが『詳説 労働契約法』という本の中で関連の記載がありましたので引用していますが、この下線部のところは、定年制ですとか、配転命令が無期労働契約のもとでの長期雇用に通常伴うものであるということが、合理性の判断において御考慮されることになろうとされているほか、同じ本の中ですけれども、契約更新時の定期的な労働条件の見直しについても言及があるところであります。
 続いて、13ページ目でありますが、これは、先ほど見ていただいた、論点ア・イというものの①関連ということで、①といいますのは「別段の定め」を就業規則で定める場合のことでありますが、その「別段の定め」の制定時期と合理性判断の枠組みに関して表にしたものでございます。
 まずは「別段の定め」というものが、どの時期で定まったかということで、その判断の枠組みが一定変わってくるだろうということでございまして、まず、一番左の(a)というところでありますと、有期労働契約締結前に「別段の定め」を規定していたようなケースですし、その次の(b)のところは、締結後だけれども、無期転換権発生前に「別段の定め」を規定したケースということでございます。
 そういったそれぞれのケースで見ていますけれども、その下のほうで、2つの本を取り上げているほか、裁判例も取り上げていますが、学説によっても、特に(b)とか(c)とかについては、先ほど見ていただいた労働契約法の7条なのか9条、10条なのか、つまり契約締結時のルールなのか、変更時のルールなのかということで分かれているほか、一番下の裁判例ですが、労働契約法7条による合理性の判示がされているところでございます。
 こちらの特に(b)とかにつきましては、一番下の※のところでも記載しているのですが、合理的期待が認められるかどうかだとか、あとは、無期転換権発生の直前の時点なのかと、そういったことで判断が分かれることもあり得ると解されます。
 ただ、7条による合理性の判示をするような裁判例の中でも、井関という裁判例では、結論として7条による合理性を否定して、労働者側が勝っている一方で、その下のハマキョウという裁判例では、7条による合理性を肯定しているところでございます。
 続いて、次の14ページ目でございますが、こちらは、今ほど見ていただいた表の中で御紹介した本の詳細な記述ということでございますので、説明は割愛させていただきまして、続いて、15ページ目については、これも先ほど13ページ目の表の中で御紹介した裁判例の詳細ということでございます。
 少し言及させていただきますと、上のほうの井関松山製造所事件の2段落目のところの下線のところですが、本件手当等の不支給を定めた無期転換就業規則というのが、Xらが無期転換する前に定められていることを考慮しても、当該定めについて合理的なものであることを要するところということで、ここで労契法7条参照とありますが、同規則は、本件手当等の支給に関する限り、同規則制定前の有期契約労働者の労働条件と同一であることなどから、同規則の制定のみをもってYが支払い義務を負わないと解するべき根拠は認め難いとされたところであります。
 一方、ハマキョウレックスの裁判例も挙げていまして、最後のパラグラフでありますが、下線のところ、無期転換後のXらと正社員との労働条件の相違も、両者の職務の内容及び廃止の変更の範囲などの就業の実態に応じた均衡が保たれている限り、労契法7条の合理性の要件を満たしているということができるとされているところであります。
 ここまでが、先ほどの表の補足の説明でありまして、今ほど御紹介したハマキョウレックスの事件について、また少し別の観点で御紹介しますと、正社員就業規則との関係ということで御紹介しますが、一番下の下線部のところだけ御覧いただきますと、そもそも労契法18条は期間の定めのある労働契約を締結している労働者の雇用の安定化を図るべく、無期転換により契約期間の定めをなくすことができる旨を定めたものであって、無期転換後の契約内容を正社員と同一にすることを当然に想定したものではないとされているところであります。
 今まで見ていただいたのが就業規則で別段の定めをする場合でして、次の17ページ目は個別契約で「別段の定め」をする場合であります。
 こちらも先ほどと同じように詳説労働契約法の本から抜粋していまして、下線部のところを御覧いただきますと、無期転換の申込みを受けた際に、いまだ就業規則化されていない労働時間の延長などを無期の労働関係に必須のものとして無期転換の条件として提示する場合、使用者が提示した条件に労働者が同意しなければ「別段の定め」は成立しないので、従来の労働条件が存続することとなると記載があるところでございます。
 ここまでが、論点アとかの関連もあったわけですが、次の18ページ目は、論点イの関連であります。
 こちらは無期転換ルールの創設時の国会答弁でありますけれども、2つ御紹介しますが、1つは、上のほうの政務官の答弁ということで、下線部のところでありますが、無期化に伴って労働者の職務や職責が増すように変更されると、当然、それに伴って当事者間あるいは労使で十分な話し合いが行われて、新たな職務、職責に応じた労働条件を定めていただくことが望ましいとしまして、18条の「別段の定め」という条文も、こうした趣旨に沿った規定との答弁があったところであります。
 また、その下のところ、政府参考人の答弁のところでありますが、下線部です。無期転換により雇用が安定した結果、継続的な能力形成も容易になるものということで、使用者との交渉力も向上することになるだろうと。処遇の改善、ひいては正社員に向けたステップアップにつながるものであって、この無期転換ルールは、まさに正社員化推進の基盤になるものと答弁があったところであります。
 続いて、次の関連法令ということで、これは、パート・有期法の規定を御紹介するものでありますが、8条というのが不合理な待遇の禁止というものでありまして、そこから14条まで、次の20ページのところまで紹介しております。
 これらの規定の中で通常の労働者という言葉が出てくるわけですが、その通常の労働者とは何かというものが、この施行通達の中で定義が示されているということなので、参考としておつけしているところであります。
 続いて、次の21ページ目でありますが、論点ウの関連ということでして、無期転換労働者と、ほかの無期契約労働者との処遇の均衡ということでありまして、先ほどの裁判例と同じ井関、ハマキョウというものを入れていますが、いずれも先ほど7ページ目の中でお示しした①から⑤の分類というものの中の①´ということで、同一労働同一賃金の規定施行以前に均衡待遇が図られないまま無期転換したようなケースということに当たるものと思われます。
 続きまして、22ページ目でありますが、キャリアアップ助成金ということでありまして、一番上の○のところでも書いてありますが、有期雇用労働者等が企業内のキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して包括的に助成するというものでありまして、一番上の正社員化コースというもので、例えば、③の無期から正規にとかありますが、無期転換後もこの助成金の対象であって、正社員だとか、多様な正社員になることを促進しているというところであります。
 23ページ目以降はデータ関係でありまして、以前にお示ししたものと基本的に同じですので、大体の説明は割愛させていただきますが、この中では、無期転換後の労働条件等の変化ですとか、あとは「別段の定め」の活用状況というものですとか、無期転換者の満足度に関するようなデータなどを入れていまして、少し33ページ目のところだけ補足させていただきますと、無期転換ルールに対応する上での課題ということでありますが、この中で、一番上のように、有期契約、無期転換、正社員の間の労働条件などバランス、納得感の醸成というものが最も高くなっているところであります。
 ここまでが、無期転換後の労働条件の関係でありまして、続いて、有期雇用法特別措置法の活用状況ということで、36ページ目を御参照いただきたいと思います。
 こちらは、この特例の活用状況についてどう考えるかということでありまして、ヒアリング先からの主な意見等ということでありますと、まず、一番下から2つ目のところ、使側の方からは、労働者の多様な働き方を可能とする選択肢を用意する制度として評価しているということで、その整備の周知・普及に資する措置は必要と発言いただいたほか、労側の方からは、有期特措法については、第一種も第二種も廃止すべきではないかという話があったところであります。
 続いて、37ページ目でありますが、こちらは、特別措置法の主な条文ということで、説明は割愛させていただきます。
 続いて、38ページ目でありますが、一番上が施行通達、あと、下のほうでも国会答弁などを引用していますが、この法律の趣旨だとか、目的だとか、そういった説明があったため抜粋しているところでございます。
 次のページは、特別措置法の基本的な説明をするものですとか、あとは、データの関係ということで、以前にお見せしたものと基本的に同じものでありますので、基本的に割愛させていただきますが、43ページ目だけ見ていただきますと、これは、定年後再雇用の有期契約労働者に関する特例ということで、その特例を活用していない理由ということで、特例の存在を知らなかったからというものが一番多いところでございます。
 続いて、2の(7)その他というところで、45ページ目を御覧いただきたいと思います。
 こちらは、論点としましては、無期転換に係る人事制度等を定めるに当たって、有期雇用労働者及び無期転換者の意見が反映されるようにすることをどう考えるかということでございまして、委員の皆様からの主な意見ということで、上の○のほうでありますが、使用者と労働者、労働者間においてのコミュニケーションが1つの重要な課題という御発言があったほか、2つ目の○でありますが、納得感にきちんと対処していく必要があるというような御発言もいただいたところであります。
 下のヒアリング先からの主な意見等ということで、1つ目の○は、日常的に労使関係を構築していれば、無期転換した事例もあるけれども、労使関係がそうした状況にない場合は、無期転換も厳しくなってくるという印象。
 2つ目の○でありますが、「別段の定め」を巡っては、集団的な労使関係がなければ、実のある交渉は難しいという御発言があったところでございます。
 続いて、46ページ目を御覧いただきたいと思います。
 こちらは、関連規定ということで、労働基準法の90条を引いており、就業規則の作成、変更については、労働者の過半数で組織する労働組合ですとか、労働者の過半数を代表する者の意見を聞かなければならないとされているところです。他方、2つ下のところで、パート・有期法の規定も入れていますけれども、この中の7条で、短時間労働者とか、その下の2項も併せ読むと、短時間労働者、有期雇用労働者に関する事項について、就業規則を作成、変更しようとするときは、その事業所において雇用する短時間労働者、有期雇用労働者の過半数を代表すると認められる者の意見を聞くように努めるものとするとされているところであります。
 続いて、47ページ目を御覧いただきたいと思いますが、多様な正社員の普及拡大のための有識者懇談会の報告書ということでありまして、多様な正社員の関係ではありますけれども、こちらの下線部のところですけれども、制度の設計、導入、運用に当たって、労働者に対する十分な情報提供だとか、労働者との十分な協議が行われることが必要であるとされているほか、あとは、様々な労働者の利益や広く代表される形でのコミュニケーションを行うようにすることが重要と。
 その他、過半数代表につきましては、下のほう、労働者の利益を代表するように努めることなどが考えられるということがございます。
 下線は引いておりませんが、その下でも管理職のマネジメント能力が不可欠ということも言及されているところであります。
 次のページ以降は、以前に御覧いただいたデータと、基本同じでありますが、49ページ目でありますと、一番左側が労働組合の加入資格の有無ということでありますけれども、一番下のほうで、有期契約労働者は、43.9%が加入資格ありとされているのに対して、無期転換社員であれば、正社員である者を除いて51.9%という状況で、有期のときよりは増えているものの、いわゆる正社員などと比べると低いような状況でございます。
 その次が、その他ということでありまして、こちらは51ページ目でありますけれども、諸外国との比較ということで、前回の検討会でお出ししたものと基本的には同じでありますが、一番右側のところに列を追加しておりまして、有期雇用と無期雇用の均等・均衡待遇等ということで、日本でいうところのパート・有期法のような規定関係を入れているところであります。
 あとは、右から2つ目のところで無期転換後の労働条件というところがございますが、こちらの一番下のところで韓国がございまして、ガイドラインがあるということで紹介しております。
 最後の53ページ目、そのガイドラインの和訳がございましたので掲載しております。
 こちらについては、例えば、ダというところでありますが、期間の定めのない労働者に転換される労働者の労働条件などに対しては、期間の定めのない労働者に適用される就業規則等を考慮して決めるとあるほか、ラとかマとかで、差別的取扱いをしないように努めるとか、そういった記載があるところでございます。
 私からの説明は、以上でございます。
○山川座長 ありがとうございました。それでは、議論に入っていきたいと思います。
 まず、新規の論点であります、資料1の(5)から(7)の項目ごとに議論をしていきたいと思います。
 それでは、まず(5)無期転換後の労働条件につきまして、御意見等がありましたらお願いいたします。
 桑村委員、どうぞ。
○桑村委員 ありがとうございます。
 無期転換後の労働条件について、以前、施行通達の表現を見直した方がよいという指摘を行ったことがあり、今回も意見として御紹介いただきました。この施行通達は、今回の資料だと、資料2の77ページに、その該当箇所がございました。 まず、私のコメントでしたけれども、不利益変更は原則不可という表現をしてしまったのですが、そこでは就業規則による一方的不利益変更を念頭に置いておりました。ただ、不利益変更として労契法10条が適用されるのはどのようなケースかについて、学説でも議論があるところであり、本来は、幾つか場合分けをしながら論じる必要があります。また、不利益変更を就業規則で行う場合と、個別合意で行う場合についても分けて論じる必要があり、前回のコメントではこの辺のことは省略してお話してしまったので、不正確な表現になっていた点は、まずおわびしたいと思います。本来の議論状況につきましては、今回、御紹介いただいた通りです。
 それで、私が言いたかったことは、先ほど77ページで施行通達の表現を出していただきましたが、4(2)カは3段落構成になっており、最初に「別段の定め」をすることにより、期間の定め以外の労働条件を変更することは「可能であること」と第一段落で言って、その後、第二段落で、職務の内容などが変更されないにもかかわらず、労働条件を従前よりも低下させることは「望ましいものではないこと」と、そういう表現になっております。
 最初に「可能である」と言って、その後に「望ましいものではない」と記載しているので、そうすると、法的に見た場合には、制限はないが、望ましくはない、ということで、望ましいかどうかの、ソフトロー的アプローチで修正をかけていくことを想定していると読めなくもないです。そこで、この表現について少し書く順番を変えて、現在、なお書きで、就業規則法理を変更するものではないと書いてある部分を最初にもってきて、「別段の定め」を就業規則で行う場合には、労契法7条または10条の合理性が必要であると言い、個別合意で定めている労働条件を見直す場合については、特に労働条件を引き下げる場合は、合意の成立について慎重な判断が必要であること、労働条件を大幅に引き下げる場合などで合意が成立しない場合については、従前どおりの労働条件が維持されることを、もう少しはっきり書いた方がいいと思います。そのように記載すれば、法的な制限がかかるものであることを踏まえて、その枠内でルールを守って労働条件を見直していくということが、一般的に周知されるのではないかと思います。
 とりあえず、以上です。ありがとうございます。
○山川座長 ありがとうございました。
 では、竹内委員、お願いします。
○竹内委員 ありがとうございます。
 今、桑村委員が御発言いただいた中で、ガイドラインの書きぶり以外で、こういう考えであるとお示しいただいたことと基本的には変わらないので繰り返しになってしまうのですけれども、論点のうち、1つのまとまりとして説明されているアとイに関して、基本は、現在存在している労働条件の設定とか変更に係るルールに即して判断をすると、その基本的な枠組みは変わりませんし、先ほど示していただいた通達の中でも、その旨は書かれていたと思います。
 就業規則によって労働条件が定められる場合であれば、無期転換申込権の行使前に、そういう転換後の就業規則が定められ、それによって労働条件を規律していくということになると、無期転換申込権を行使して新しい無期の労働契約が締結されたとみなされたところで、新しい労働契約が締結される中での労働条件を設定していくということになるので、そうすると、理論的に突き詰めて言えば、労契法7条が当てはまると考えるのがストレートの考えなのかなと思います。
 無期転換申込権を行使した後であれば、既に無期の労働契約が成立していることになっていますので、成立後の労働条件を変える、労契法18条の下で基本的には労働条件が変わらないまま設定されるところのものを別途変えるということなので、労契法10条によることになろうと思います。
 ただ、この点は、紹介していただいたとおり、実質的には有期雇用のもとで存在していた労働条件を変えることに等しいということを考慮すると、前者の場合についても労契法10条を類推適用するべきだということも十分ありえ、学説上も、そうした見解が他の見解と並んで主張されているのだと思います。
 この点、紹介いただいた裁判例では、無期転換申込権の行使前は7条によって判断していると見ることができます。
 ただ、一般的には、労契法7条に基づく労働条件の設定における合理性というのは比較的広く認められている、一般的にはそのように受け止められているところですけれども、紹介いただいた裁判例では、読み方に注意が必要なところもあるかもしれませんけども、労契法3条2項の均衡の考え方を踏まえて、7条の合理性を判断している、すなわち労契法7条における合理性が一般には比較的広く肯定されていると考えられていることに比べると、ある程度踏み込んで、7条の合理性を判断していると見る可能性もあるかと思います。
 そういう意味では、裁判例の立場としては、7条による場合であっても、ほぼノーチェックで転換後の労働条件の規律ができるというわけではないと見得る側面もあろうかと思います。
 いずれにせよ、少なくとも基本となる労働条件の設定、決定ルール自体は、既存の法理がありまして、それによることになりますので、そういう枠は基本的に変わらないこと、そしてその上で、こうした裁判例の動向があるということを周知していくということが、検討会のメッセージの出し方としては1つあり得るのではないかなと思います。
 今、ここまで申し上げたのは、就業規則による労働条件設定ですけれども、個別合意についても、桑村先生が御指摘なさったとおり、慎重な考え方というのは、これは、桑村先生は簡単に申し上げたので省略されたのだと思いますけれども、不利益な内容の労働条件変更合意については、山梨県民信用組合の最高裁判決がありまして、自由な意思に基づく合意であるかということを慎重に判断する枠組みが示されており、同判決の射程をどう考えるかという議論はありますけれども、比較的広くこの最高裁判決の考え方というのは、労働条件の変更について用いられているところであります。
 そうしますと、無期転換申込権行使前のことであれば、新たな新規の契約、無期転換の場面を念頭に置くと、新たに無期転換後の無期の労働契約を締結するという場面ですけれども、そこは従前の同じ使用者のもとでの雇用関係が続く中での締結ということで、山梨県民信用組合事件最高裁判決のような考え方、自由な意思に基づく同意があるかを慎重に判断するという考え方を及ぼす可能性もあろうかと思います。それは、単なる私の見解にすぎませんけれども、少なくとも個別合意についても慎重に判断していくという考え方を整理、周知するという方向性はあろうかと思います。また、無期転換申込権行使後の個別合意による変更であれば、この最高裁判決の考え方がそのまま妥当すると考えられます。
 お示しいただいた資料6頁の下段、事項別にどう考えるかについて、a、b、cと具体例が出ていますけれども、基本的には、事項の内容にかかわらず、こういう枠組みに沿って判断していくことになろうかと思います。
 ただ、cに関して一言申しますと、これは、合理性が否定される場合ではないかなと思いますけれども、無期転換申込権の行使を妨害している、これは労働条件設定の場面とは別かもしれませんけれども、そういう無期転換申込権の行使を阻害すると考えられる労働条件の設定をどう考えるかという問題も別途、ここの論点とはやや区別されるのではないかと思いますけれども、含まれているのではないかということをちょっと思ったので、追加で申し上げさせていただきます。
 長くて恐縮です。以上です。
○山川座長 ありがとうございました。
 では、安藤委員、お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。
 資料2の77ページについて、桑村先生のほうから御説明がありました(2)のカについてです。
 この点については、以前から私は何度か発言しているとおり、ほかの条件が全く一緒のときに、単に雇用契約が無期に切り替わったときに労働条件が従前よりも低下するということは望ましくないというのをどう捉えるべきかが、やはり気になっています。無期転換によりリスクを負わなくて済むという面で有利になる代わりに、他の面で処遇が少し下がることがあったとしても、全体としては労働条件が上がっているのではないかという気もするわけです。
 したがって無期転換の際に、リーズナブルな範囲で、リスクプレミアムの対価として認められる範囲であれば、処遇が下がることを受け入れたほうが、より無期転換が進むのではないかとも考えています。
 関連して、資料1に戻りまして(5)の無期転換後の労働条件について、暗黙のうちに、無期転換したら労働条件が上がるのが当たり前だというようなことを意識しているのではないかと感じたのですが、そうではないパターンについても同一の基準で扱えるように、または、書き分ける必要があるかと思いました。
 具体的な事例を御紹介しますと、ある大学において、海外から有力な研究者を招聘する際に、その大学の規則で決まっている報酬体系をかなり超えた、高い賃金を提示できるように特別なルールを設けました。
 ただし、その際には、いきなり無期雇用で高い賃金、例えばほかの教員の2倍以上の賃金を払い続けることに約束できません。そこでその研究者に対して、有期契約であれば特別扱いの高い給料を払うと大学側が申し出たところ、その研究者は有期契約を選びました。
 さて、このケースにおいて、有期契約が更新されて無期転換権が発生するというときに、ほかの教員が受けているものと同等の労働条件に下げるのか、それとも特別扱いを維持するのかというのは難しい問題になります。
 このように、有期契約の際に、ほかの労働者よりも高い条件だった場合には、ほかの労働者との待遇の均衡を考えると今の高い条件を引き下げるという話も可能性としてあるわけです。この辺りについて、低いものを上げることだけを前提とした議論や書きぶりについては注意が必要だと感じました。
 最後に、6ページ目の最後のcのところです。ここで有期契約労働者が躊躇するような事項が定められているといったときに、仮に有期契約労働者の多く、例えば過半数が躊躇するものであったとしても、そこの会社の正社員は、そのような労働条件で働いているような場合にはどうなるのでしょうか。確かに多くの人が躊躇してはいるのですが、一定の合理性や納得感があるケースも含まれるのではないかということで、(c)については、その捉え方が気になりました。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございました。
 では、両角委員、お願いします。
○両角委員 ありがとうございます。
 まず、転換後の労働条件の問題というのは、第一に、その人が転換する前と転換した後で労働条件が変わる場合、特に不利益に変更される場合の問題と、第二に、転換した後に、もともと無期であった正社員との間に労働条件の差がある場合の問題があると思いますが、今は前者のほうの転換前と転換後の問題について議論がされていると理解しております。
 私は、桑村先生や竹内先生がおっしゃったことに、基本的に賛成です。解釈通達やガイドラインについては、桑村先生が御指摘されたような方向で、さらに明確にメッセージを伝えるということが適切ではないかと思います。
 それから、竹内先生がおっしゃったように、理論的に突き詰めると、就業規則の場合は7条の問題になるのかもしれませんけれども、そこは、労働契約法3条2項とか、あるいは労契法18条の趣旨などを考慮して、合理性の判断がより実質的になされる可能性があることを、何らかの形で明確にするべきではないかと思います。
 それから、安藤先生から御指摘された点についても、有期プレミアムがある場合もあり得るので、一般的には不利益変更は望ましくないけれども、特段の合意が認められる場合や合理性の審査をパスする場合があり得ることが分かるようにした方が良いと思います。
 他方で、これも安藤先生が最後に指摘されていた点ですけれども、転換後に正社員と同じ条件になると賃金も上がるけれども、例えば全国転勤があるとか責任も重くなるとなっていた場合、これは、多分、就業規則の合理性が否定されて「別段の定め」が認められないことはないのではないかなと、個人的には思います。しかし、結果として多くの人が、それを躊躇して転換しないということはあり得ると思います。
 そこで、これはガイドラインか何かの形で、できるだけ無期転換後の選択肢が多様であることが望ましいというメッセージを出すのが良いように思います。幾つかの会社のヒアリングで、転換後にいろいろな選択肢があって、緩やかに働くこともできるというような例もありましたので。
○山川座長 ありがとうございました。
 では、坂爪委員、お願いします。
○坂爪委員 ありがとうございます。
 「別段の定め」のところの個別契約のところで、恐らく労働者の理解促進というのが非常に重要になると思いましたので、その点について発言をさせていただきます。
 御説明を聞いている限り「別段の定め」、それが個別契約の中で行われたときには、労働者の合意がなければ「別段の定め」には該当せず、結果としてそれが適用されないと理解しております。
 これが成立するのは、労働者が、自分が個別契約の対象であり、その条件に合意しなければ、もともとの有期雇用時の労働条件が継続されることを理解していることが前提条件になります。労働者側が、果たしてこのことをどこまで理解できているか、つまり、自分が個別契約の対象であり「別段の定め」に合意しなければ、もともとの労働条件が維持されるということをきちんと理解しているか、という点に疑問があります。その状態にまで理解の水準をあげて行くための働きかけをしないと、仕組みとして決めただけではうまく行かないと思います。
 同様に、自分が希望する企業側から提示された「別段の定め」と自分の意向が合わないときに、その調整を進めていくイメージが、果たして無期転換を希望する有期雇用の方にあるのかというと、まだまだそういう状況にはないのではないかと考えます。「別段の定め」について、もちろん企業側に対して指針を出していくということも重要なのですが、労働者側にも必要な知識やスキルということを提示していくということも併せて必要だと思います。まず、それが1点目です。
 2点目は、これは後の議論になってくるのだと思うのですが、無期転換後について、均衡についての検討がされにくくなると同時に、仕事内容や労働条件の変更がなければ、雇用側が労働条件についてやり取りしなくてもいい対象になっていくのではないかと考えています。したがって、自分の働き方の見直しとか発言の機会のなさということも1つの論点になってくるのではないかと理解をしております。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。
 竹内委員、どうぞ。
○竹内委員 ありがとうございます。
 ちょっとうまく考えがまとまっていないので、支持され得る考え方かというのは、やや自信がないですけれども、先ほど安藤先生から御発言があった中で、無期化することで、その雇用保障が強くなるということもあるので、労働条件がそれを踏まえていわば雇用が保証されることの保険料の分下がるということは、あり得ることではないかと、そういう趣旨の御発言があったかと理解をしております。
 労使間の労働条件の取引としては、そういう考え方もあるのではないかなと思うのですけれども、他方で18条の無期転換ルールは、有期のもとだと、すごく原則的な考え方で言うと、期間満了で雇用が終了する、そういうことで更新されないことを恐れて、労働者として認められている各種の権利等の行使を労働契約の展開中も恐れるないし控えるということがあり、そういう権利行使に対する抑制を除くということで、少なくとも解雇権濫用法理が正面から適用されていくことになる無期化というものを、政策的に推進、促進しようということで無期転換ルールが入ったと理解をしております。
 この立法政策の観点からいうと、無期になったから、それまでの労働条件を取引として下げるという、無期になる、なれることを、取引対象として、法的に認めているとは、今申し上げた無期転換ルール導入の趣旨からいうと、言い難いのではないかなと思います。
 もちろん、現実的には、そういうことを踏まえて、使用者は有期契約労働者についてであれ、ほかの労働者についてであれ、より低い労働条件を、つまり、雇用保障を与えなければいけない労働者が増大することを見込んで、あらかじめ、総人件費はなお抑制する関係で、将来の雇用保障にかかる保険料分を見込む形で労働条件を低く設定しておく形での対応へとなっていくのかもしれませんけれども、少なくとも当該有期雇用労働者の労働条件を下げるという形、要するに当該有期雇用労働者からのみ保険料を取るという形で負担をさせるというあり方が望ましいかというと、それは、今申し上げたような無期化を促すという考えで講じられてきている法政策との関係では望ましいものではないのではないかと思います。
 これは、もちろん個別の論点についての考え方で、これを何かここでの検討会の取りまとめ中で、具体的な法政策として書いていくものになるかについては分かりませんけれども、考え方の整理の中で、安藤委員が御発言あった今の点に関しては、私のような考えもあり得るのではないかということを申し上げさせていただければと思います。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございます。
 ほかに、安藤委員、お願いします。
○安藤委員 両角先生が先に挙げられていたので、両角先生からでも結構です。大丈夫ですか。
 今、竹内先生からあったお話については、法政策上どうデザインするのかというのは、多様な選択肢があると思っています。
 仮に、私が今考えていたような無期転換をすると、雇用保障が強くなる分だけ、処遇が下がっても、受け入れる可能性があるという捉え方にも一面ではメリットがあると考えます。現状では、有期雇用労働者のほうが、無期よりも労働条件が低いということが、一般に受け入れられてしまっているわけですが、そうではない例を考えることもできます。例えば、全く同じ仕事で2人分の労働力が必要であり、1つのポジションは有期ですがもう一つは今後も仕事量があることが見込まれるから無期であるとしましょう。
 このとき、有期雇用で雇う人と無期雇用で雇う人の労働条件をどう設定するのが適切なのかを考えると、使用者側が有期の人に対して割増しの賃金を払うというような処遇をすることはあって良いと思うのです。もっと言えば、そのほうがバランスが取れていると思います。
 しかし、無期転換をするときには、それによって他の労働者と同等の雇用保証を得るのだから、ほかの労働者と同じ水準まで下げる。これは許容可能なものかなと理解しています。
 この辺り、有期を無期ということ以外は全く同じ条件で働く労働者というケースが、実際にはないというのであれば、それは考えても仕方がないところではあるのですが、少なくとも可能性として、そういうものというのは考慮しておかないといけないのかなとは感じました。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございました。
 では、両角委員、お願いします。
○両角委員 ありがとうございます。
 私も同じようなことなのですけれども、そういった例外は明らかに有期であることでプレミアムがついているような、有期だから、例えば、賃金がすごく高いとか、安藤先生が出された例のような、そういう場合を想定した議論ではないかと思います。
 一般的には、そういうことは少ないわけですから、賃下げは望ましくないということは原則としてあると思うのですけれども、例外が認められないというわけではないということの言及はあってもいいのではないか、という趣旨でした。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございます。
 ほかにございますか。
 竹内委員、どうぞ。
○竹内委員 何度も恐縮であります。今、両角先生が御発言いただいたことと、ほとんど変わらないかもしれませんけれども、ここまでの議論の関係で言うと、引下げが望ましいとか望ましくないという何らかの検討会のメッセージ、あるいはその通達とかを書くという場合においては、両角先生がまさに御発言いただいた、ある程度典型的な場合ときっちり区分した上で誤解のないようなメッセージの出し方をする必要があると思いました。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 大変議論が盛り上がって結構だと思いますけれども、恐らく安藤委員の言われた有期プレミアムのような事案の存在は、皆さん、多分、否定はされないのではないかと思います。実態調査等を踏まえて、こういう問題がある場合はということで資料ができていますけれども、今後、外に向かってメッセージを発信するような場合には、それだけを前提にしているわけではないということは確認をしておく必要があるかなとは思います。
 なかなか微妙な部分は、恐らくは法的には合理性の判断をどう行うかという問題になるのかなと思います。
 資料1の6ページですと、下のほうaからcと一応場合分けをしてありますけれども、定年制を導入するというのは、あまり異論はないのではないか、無期転換をした場合に定年制を導入するのは、それほど異論はないのではないかと思いますけれども、法的には新たな雇用終了事由、当然雇用が終了する事由を付加するということなので、これも不利益変更になり得るということでありますので、その合理性をどう考えるかという問題になり、微妙になるのは、配置転換をこれまではしなかったことをするようにする場合、それが転勤の場合はどうかとかいう様々なパターンが考えられますので、現行のルールを前提にすれば、合理性判断の中身の問題なのかなという感じを抱きました。政策的にどのようにしていくか、あるいはそのメッセージを出していくかというのは、また別の問題になるかと思います。
 ほかに、今、御議論いただいた点以外も含めていかがでしょうか。(5)のお話になりますけれども。
 戎野委員、お願いします。
○戎野委員 ありがとうございます。
 もう意見はかなり出尽くしている感もありますが、私も同じように思うところが多いです。ここで幾つものケースがあるのは、やはり労使の関係がどういう状況に置かれているかということによって、全く受け取り方が異なってくるところがあると思います。
 やはり現状では、すごい力のある労働者はごく少数ですので、ここでは、先ほどの資料の中でも若年者の問題とか、18番目のスライドにもありますけれども、こういった比較的弱者といいますか、そういう人の不利益がないようにということに非常に気を使って考えていっていると思います。
 情報の非対称性もありますし、この後の議論のときに申し上げようかなと思ったのですけれども、やはり労働組合の機能というのが弱いところがあるので、後ほどの資料にありますが、労働組合があるかないかもよく分からないというような人も多いです。先ほど坂爪委員の御発言にもありましたように、労働者がどうやって自分の立ち位置、労働条件を理解し、どう交渉していくのか、道筋が見えない人も少なくないだろうと、私も思っています。
 ですので、交渉力のある労働者と、交渉力や情報の非対称性の中で相対的に弱い労働者というのが多数おりますので、一緒くたにせずメッセージを出していかなくてはいけないと思います。これは、今まで他の委員もおっしゃっていましたが、使側に対するだけではなくて、やはり労側にも伝わるようにしなくてはいけないのではないかと思いました。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございました。
 恐らく労働者側に対する制度理解の周知等の問題と、あとはどのような制度、労働条件、キャリアコース等を作り上げていくかという規範形成の問題と2つあるような感じがいたします。いずれの点についても御指摘をいただいたのかなと、坂爪委員の御発言も含めて思ったところです。
 ほかに(5)について何かございますか。
 では、また後に戻ってくることもあると思いますので、(6)有期雇用特別措置法の活用状況について、(6)ですが、こちらについて御意見がありましたらお願いいたします。 
 戎野委員、お願いします。
○戎野委員 これは、労側と使側の弁護士さんおっしゃることでかなり違っておりましたので、一言申し上げますと、使用されていないから不要なのではないかということではなくて、やはりこの2つのパターンについては、特殊性を要していますし、このように特定することによって、この雇用が進むだろうと、私も思います。
 高齢者の雇用に関しては、やはり、今、過渡的にどんどん延長させているところで、制度も変更しながら企業もそれに追いつきながらというところで、ここで規定がないと、逆に雇用することに躊躇するということが出てくるので、本来の趣旨に逆行した現象が発生しかねないなと思います。
 ただ、現状ではこれが理解されていない、また、周知されていない、存在を知らないという状況が非常に多いので、ここは大きな課題だと改めて思います。何とか周知し、活用されるように進めていくべきではないかなと思います。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 では、安藤委員、どうぞ。
○安藤委員 ありがとうございます。
 私も、労側と使側の意見がかなり乖離しているという点は気になっていたところです。ここで労働組合からも書かれている高齢者の事例について、高年齢者の地位の不安定化を招くという問題を重視して、これを外した場合に何が起こるのかということを、きっちり考えておく必要があると思います。
 今、定年という仕組みが、そもそもどういう機能を持っているのかを考えます。年功的な賃金が支払われている場合、若いうちには貢献度よりも少なめの給料であり、これは社内預金をしているような状態です。そして高齢になったときに貢献度よりも高い賃金を受け取るわけですが、これは社内預金を取り戻しているような状況になります。このような年功賃金というのは、企業側が労働者に対して長い間働いてほしいというときに、労働者側からやめたら損になる仕組みとして導入されたものだと理解しています。
 こういう、ある一定の年齢より上になると、貢献度よりも高い賃金を受け取っている場合に、一定の年齢で雇用関係が当然に終了する仕組みがないと、社内預金部分の貸し借りがバランスしません。このような形で年功賃金と定年制の役割について理解するのは、最近亡くなったアメリカの労働経済学者のLazearさんが提唱して、一般的に受け入れられている考え方だと思っています。
 それでは年功賃金ではない、貢献度に見合った賃金をその場で受け取っているような労働者に対してまで、定年制を導入することにはどういう意味があるのでしょうか。そもそも定年制というのは、諸外国においては、年齢差別で違法だとされかねない形態のわけですが、とはいえ、年功賃金ではない労働者に対しても、定年制には私は一定の合理性があるのではないかと考えています。
 そもそも定年という仕組みがない場合には、契約で定めた仕事をこなせないということをあからさまに指摘して雇用関係の解消、言い換えれば普通解雇を求めるとか、そういう形になってしまうわけです。これは申し出る企業側も大変だし、労働者側のプライドも傷つくということで、ある一定の年齢で雇用契約が当然に終了して、その中でまだまだ活躍できる人については再雇用や別の定めで、雇用関係が続いていくということはあってもいいと考えます。また、場合によっては定年よりも少し前のタイミングで、労働者の生産性はかなり落ちてしまっていて貢献度もかなり低い状態になっていることもあるでしょう。しかし、そこで解雇のような形を取るのではなく、あと数年だから定年まで頑張ってもらって、定年の段階で雇用関係を終了する、こんなことも実態としてあるのかなと思っています。
 それでは今の話を踏まえて、高年齢者について、無期転換の仕組みに特例が入らなかった場合に、仕事がこなせる限り働いてもらうことになるかもしれません。
 ただし、そのときに、その御高齢の方が、ある段階で働けなくなったみたいなときに、どの段階で辞めていただくのかというのはなかなか難しい気もするのです。
 こういうときには、特例があったほうが労働者側にとっても利益があることなのではないかと感じております。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。
 では、よろしければ、次に(7)その他について御意見がありましたら、お願いいたします。
 桑村委員、お願いします。
○桑村委員 ありがとうございます。
 この論点のところに書いてある無期転換に係る人事制度の設定に当たって、無期転換候補者を含めた該当者の意見が反映されるようにすることをどう考えるか、というところで、反映される仕組みにすることが適切だと考えております。その具体的な方法については、資料1の46ページに条文が挙げられておりますが、最初に挙がっている労基法90条の過半数代表の意見聴取義務は、事業場の全労働者の過半数になりますので、対象労働者の過半数ではないことが重要です。ですので、過半数代表制を利用した意見聴取ということを想定すると、それは対象労働者の意見を十分に聴くことができないということになります。
 この点で、パート・有期法の下の7条の枠組みにならった形で、無期転換候補者について、過半数の代表者の意見を聴くよう努めるものとするという規定を設けることは考えられるのかなと思います。ただ難しいのは、対象の労働者をどう考えるのかということで、明確に更新上限が定められている有期契約労働者、5年の上限が定められている場合であっても、その運用によっては5年を超えて期待が生じることがあるので、突き詰めていくと有期契約労働者全員について、無期転換候補者に含まれるのかなと思いまして。過半数をどの単位で算定するかについては、今のところ、やはり有期契約労働者が、潜在的な無期転換候補者ということで、有期契約労働者の過半数に無期転換の仕組みについて意見を聴くという、そういう仕組みにせざるを得ないかなと思っておりまして。この対象者の範囲について、もう少し検討する必要があると考えております。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございました。
 竹内委員、お願いします。
○竹内委員 ありがとうございます。
 今、桑村委員から御発言があった内容と関連性を有するとは思うのですけれども、特にこの無期転換が自分の労働条件とか、キャリアの形成とかに関わってくるであろう人たちの意見を特に取り上げる、そういう仕組みについての御発言だったと思いますし、それ自体は基本的な方向性としては、必要性があるという点には賛成であります。
 ただ、他方で、それと並立するものであることを念頭においての発言となりますけれども、当然ながら無期転換後の賃金とか職務の範囲とかキャリアコースを含めて、様々な事項についてということであれば、1つの企業として見た場合には、いろいろな労働者が存在する中で、相互に連関づけつつ、処遇を決めていくということになるので、そういう意味では、全体的な調整という側面も併せて必要になってくるのでないかなと思います。
 ここは、この検討会の守備範囲を超えるところかもしれませんけれども、ですので具体的な制度設計として申し上げるわけでもないのですけれども、制度の対象となってくる特定の人たちの意見を吸い上げるというルートと併せて、中長期的には、やはり従業員代表制、従業員全体での意見を反映させていくという仕組みも、立法政策的には検討をしていく必要があるのではないかと考えます。少なくとも検討会として、そういう必要性が中長期的にあるという考え方を出していただくことは、有益と思いますので、申し上げさせていただきます。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございます。
 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員 ありがとうございます。
 私も今の竹内委員の発言に基本的には賛成です。
 最初、桑村先生からあったお話について、確かに当事者の意見を聞くということが大事だなと思う一方、その考え方を突き詰めてしまうと、過半数代表が労働者全体を代表して、物事に対して意見を述べるとかというときに、労働者によって意見の違いがあるということを言い出すと、過半数代表の仕組みが成り立たなくなってしまうのではないかといったことが気になりました。あくまで過半数代表は、全ての労働者を代表しているということに、なっているわけです。ここでどういう場合には、パート・有期法の第7条のように、該当する当事者の意見を聞く必要があるのか。また、労働者全体を代表する人の意見を聞くのはどういうときか。もちろん竹内先生からあったみたいに、両方からというのでもあってもいいと思うのですね。労働者代表の話を聞くというのと、その当事者の話を聞くということについて、これは努めるものとするという努力義務になっているのかなとは思うのですが、こういう取組が必要かと思いました。
 もう一点気になっているところとして、桑村先生から意見があったような、仮に、有期雇用の労働者から過半数の意見を聞くみたいなことを言ったときに、またこの有期雇用の労働者の中でも、立場の違いとかがあったときに、果たしてどうやって、その代表者を選んでいくのかということが気になりました。
 例えば、有期雇用の労働者のうち7割ぐらいは学生アルバイトで、基本的には無期転換するつもりがないという人で、3割ぐらいが無期転換を望む人だったというような場合に、どうやって有期雇用労働者の代表を決めていくのが望ましいのか、果たして有期の人の中で過半数の人が全体を代表してしまっていいのか。少なくとも全ての有期雇用労働者の意見の代表だということをきっちり認識してもらった上で、代表として振る舞ってもらうということについて、しっかり仕組みを作っていかないと、それはワークしないのかなとも感じました。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 まず、桑村委員、お願いします。
○桑村委員 今、安藤委員がおっしゃった問題意識、ごもっともだと思います。
 現在の過半数代表制についても同じような問題があって、いろいろな利害関係や、置かれている状況が異なる者がいた時に、代表者の選出や利害調整を、どうするかという問題があります。パートタイム労働者のためだけの就業規則を作成する場合もそうなのですが、対象労働者の多様な利害をどう調整するのかという視点は、現在の過半数代表制にはなく、現行の労働法制における労働者代表制度自体の問題です。
 その点については大きな問題で、直ちにこうすべきというのは難しいと思いますので、今回の無期転換労働者の人事制度の設計について考えるときも、初めから労基法90条のような端的な義務化というのは難しいかなと思っておりまして、対象者についてどのような意見の吸い上げ方法があって、様々な立場から意見が出たときにどのように調整すべきかというのは、まずは労使でコミュニケーションをとるような、それを促すような政策、事業所ごとにより良い利益調整の方法について、まずは模索してもらうという方向が望ましいかなと。それは法的に見れば、努力義務ということで、まずは労使のコミュニケーションの枠組みを作るように促していくということかなと思います。
 これに関連して、全体についての利益調整が必要という竹内先生の御指摘もごもっともかと思います。就業規則の作成あるいは変更ということになりますと、現在の制度でも、労基法90条で、全体の過半数の代表者の意見を聴くことが必要になっておりますので、その全体の意見を聴くというプロセス、さらにもし、無期転換の労働者についても、過半数代表の意見を聴く努力義務を課すということになれば、意見聴取という点では、二重の方法を法的にも定めることになるのかなと思います。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございます。
 では、坂爪委員、お願いします。
○坂爪委員 ありがとうございます。
 今までの議論というのは、基本的に、これまで存在しなかった無期転換された人たちの発言というのをどのように吸い上げるかということを巡っての議論だったと思います。
 私は47ページ目のところに付加する形で、少し発言させていただきます。
 無期転換の人が増えていくことで、職場のマネジメント上でどんな課題が起き得るのかということは、企業側が検討すべきポイントというのは示すことが必要なのではないかと考えております。
 基本的に無期転換をした労働者は有期雇用時のマネジメントが継続されますが、有期雇用時にあった機会がなくなる可能性があります。例えば、無期転換したことで有期のときにはあった、契約更新時にあった発言の機会や、選択の機会というものが、労働条件が変更されないとなってしまうと、なくなってしまう可能性が高い。
 一方で、同じく無期雇用である正社員に行われている評価は、無期転換した労働者には行われない場合も多いと考えられます。このように、既存のマネジメントからすると抜け落ちてしまうことが多い、リスクの高い存在になりうると考えています。これは、基本的に法律でどうこうというよりは、企業が人事制度なり、職場のマネジメントということでカバーしていくことだと思いますが、抜け落ちてしまう存在になりがちな人たちを、企業としてどうマネジメントするかを検討することが必要であることを指摘することができるといいのではないかと考えています。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございました。
 ほかに、何かございますでしょうか。
 いろいろ重要な御指摘を(7)について、いただきました。恐らく過半数代表的な仕組みを、将来的な一般的な課題とは別に、とりあえず今回の点について、何かかっちりした、強制的な仕組みをというような御意見は、あまりなかったのではないかと思います。
 努力義務等にした場合に、何がグッドプラクティスになるのかという点が、今ひとつちょっと実態が分からないようなので、ヒアリング等をしましたけれども、その辺りを把握できたら、メッセージ的なものを示していくということは有益ではないかなということを感じた次第です。
 坂爪委員のおっしゃった、マネジメント的なことも同じようなところがあるような感じがいたしました。先ほど事務局から御説明いただきましたけれども、資料1の33ページで、一番企業が課題としているのは、バランス、あるいは仕事や働き方等について納得のできるようなマネジメントというのが、一番企業としては悩んでいるところということですので、この辺りも、まだ制度の蓄積がそんなに運用上はありませんので、何がグッドプラクティスなのかということが分かると非常にいいなと、抽象的ですけれども、御議論を聞いていて思った次第であります。
 ほかに何か御意見はありますでしょうか。
 先ほど戎野委員から(7)のところでも御発言の予定だったということでしたけれども、何か追加でありますか、あるいは労働組合の役割等とも関わってくるかもしれませんが。
○戎野委員 ありがとうございます。
 先ほど、申し上げたので、いいかなと思ったのですが、今のお話でもありましたけれども、結局、労働組合が把握している労働者というのが、今、極めて正社員の中でも限られた人であります。また49ページのところにもありますように、加入資格がある人というのも、無期転換された人の半分ぐらいです。これからの加入希望のところも、加入したいか、したくないか、分からないという意識を持っている人が6割ぐらいです。労働組合というのが、いろいろな雇用形態の間の利害調整も、本当は行うべき1つの役割だと思いますけれども、なかなかそれが現実問題、果たせておらず、また、そういうことからも、労働組合の役割や意味がよく分からないという表れかと思いました。雇用形態間の、例えば無期、有期間の納得性ある処遇というのを、どうやって作っていくかといったときに、どうやって労働者の声を吸い上げていくかということは、やはり今、議論があったように、とても大事で、そこのところの仕組みが今後考えていかなくてはならないと思います。グッドプラクティスについて、今、座長のほうからもお話がありましたけれども、それはとても大事だと思います。そして、それと同時に、残念ですがバッドプラクティスも注視して、見ていく必要があるかなと思っています。
 それは、これまでにも、やはりパートタイマーの処遇を上げることによって、正社員に過重労働という現象が起きていることや、それをどうするかといってパートと正社員と、いわゆる企業側と考えたときに、契約社員を雇えばいいということで、新たな雇用形態の人を雇って、そこにこの問題のひずみを解消していこうとすることもありました。
 それで本当に解消できればいいのですけれども、単に、そのように問題をいろいろなとこに押しつけあっていくということも、実際にはバッドプラクティスの中にはありますので、そういうことを考えたときに、先ほど申し上げたように、労働者全体像を見ていくような仕組みが薄いので、そういった問題を考慮し、声をしっかりと吸い上げていく形のものが何かできればいいと思って聞いていた次第です。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 桑村委員、どうぞ。
○桑村委員 今の話に関連して、座長も御指摘になったグッドプラクティスがよく分からないということなのですけれども、パート・有期法7条の現在の運用はどうなっているのでしょうか。もし、事務局で把握されていることがあれば教えていただきたいです。
 第1項で、短時間労働者の過半数を代表すると認められる者の意見を聴くように努めるものとする、第2項で有期雇用労働者についても同じ、ということなのですが、ここで言う過半数を代表すると認められる者とは、実態としてどういうケースがあるのか。どういう主体から意見を聴く例が多いのか。労働組合になるのでしょうか、労働組合がない場合にはどうしているかとか、その辺の情報をもしお持ちでしたらと思ったのですが。
○山川座長 ありがとうございます。
 確かに7条の条文は微妙な表現ですね。ほかの、努力義務規定でない場合には、代表する者となっているのですけれども、この7条は、代表すると認められる者で、しかも努力義務規定になっているということで、この点、事務局、いかがでしょうか。
 パート・有期法の問題ですけれども、7条についての実態とか、もし、分かるようでしたら。
○竹中課長補佐 御質問ありがとうございます。
 今、手元に御指摘のような点について、分かるものはございませんので、お調べしたいと思います。
 以上です。
○山川座長 それでは、ちょっと調べていただいて、もし分かりましたら、あとの研究会の機会にでもお願いいたします。
 ほかに御意見等ございますか。
 よろしいでしょうか。労働組合による意見調整とか、意見統合の仕方のようなことは、政策的ということのほかに、研究上も比較的重要なテーマになるのではないかなと、以前から思ってきた次第であります。
 すみません、これは、研究者としてのコメントになりましたけれども、では(7)まで特段ございませんでしたら、まだ、少しだけ時間がありますので、今回、新規ということで、資料2を用意いたしましたが、特に(3)の無期転換前の雇止めということにつき、追加した点もありますので、資料2のうち(3)につきまして、何かございましたら、御議論をいただければと思います。
 では、事務局から、まず、少し説明をお願いします。
○竹中課長補佐 ありがとうございます。
 そうしましたら、資料2の57ページ目のほうから、順次御説明いたします。
 まず論点のところで、ウを追加しているということを、先ほども申し上げましたが、前回の議論において、不利益取扱いの禁止の規定を入れるか、それがどうかという話がございましたので、それで追加しておりますが、その点についての詳細な論点ということで、58ページ目のほうで記載しております。
 こちら、不利益取扱いの禁止の規定に関してということで整理しましたが、順次見ていきますと、アについては、前提として、無期転換に関して不利益取扱いを禁止すべきなのかどうかということ。
 イのところですが、不利益取扱いとなる行為の具体的内容について、どのように考えるかということで、aでありますが、不利益取扱いとなるような行為のうち、例えば、解雇だとか、そういったもので、不利益取扱いの禁止の規定がなくても、労働者は、現行法の条文だとか、判例法理にしたがって、その行為の、その有効性を争うことができる中でどう考えるかと。
 bですが、特に法的有効性が問題とならないような事実行為と言われるようなものとの関係で、不利益取扱いの禁止の規定を新設する意義だとかについてどう考えるか。
 ウですが、仮に不利益取扱いの禁止の規定を新設するのだとすると、どの法令に規定するのかということが、前回、話があったわけですが、aのところですが、不利益取扱いの禁止について、ほかの法令でもあるわけですけれども、基本的には、行政指導に関する規定が定められているということで、仮に不利益取扱いの禁止の規定を労契法に定めるのだとすると、労働契約法には、行政指導に関する規定が定められていないという点をどう考えるか。
 bのところですが、例えば、解雇だとかいうことで、解雇に関する関連の規定というのも、労働契約法に定められているわけですが、それと不利益取扱いの禁止の規定の関係をどう整理するのかと。
 エのところでありますが、何を理由とした不利益取扱いを禁止するのかということで、このルールに関して問い合わせをしたことなのか、申込みをしたことなのか、それとも転換したことそのものなのか。
 オでありますが、こちらは、こうした行為を理由とした不利益取扱い、すみません、音声が途切れていました。今、聞こえてしますでしょうか。
 そうしましたら、続けさせていただきますが、時間の関係もありますので、少し飛ばし飛ばしで行きますが、まず、オのところまで説明させていただきましたが、カのところでありますが、仮に不利益取扱いを禁止するのであれば、それは、無期転換の前後で判断が異なるかどうかと。
 キのところでありますが「別段の定め」との関係をどう整理するかということで記載しております。
 この資料の60ページ目で、前回、委員の皆様からの御意見がるるあったことを御紹介しておりまして、63ページ目のところで、不利益取扱いの関係で、これまでヒアリング先からいただいてきたようなお声を挙げておりますが、時間の関係で少し割愛しまして、86ページ目以降で、現行の、ほかの法令で不利益取扱いというのがあるということで、禁止の規定があるということで、大体の規定でも、行政指導というのがあるということをお示ししているほか、あとは、88ページ目のところ、それぞれの規定のされ方ということで、育介法とかであれば、申出も育児休業したことそのものも理由としてというのを入れているところであります。
 その下の告示で、どういったものを不利益取扱いとなる行為として挙げているかということを挙げているほか、89ページ目のほうは、もう少し詳細な説明があるということであります。
 その次の90ページ目のところで、不利益取扱いに関する裁判例ということで、時間の関係もありまして割愛しますが、まず、このページは年休取得に関するものということと、91ページ目のほうでは、産前産後休業に対する不利益取扱いということで、こちらのページは、均等法の中で規定が具体的に定められる前のものと、次の92ページ目は、定められた後ということでありますが、あと、93ページ目のところでは、イメージ図ということで、先ほど、無期転換する前と後とで、問題となるようなケースが異なるかどうかという話をしましたが、不利益取扱いと考えられるような法令というのを列挙させていただいております。
 最後、データの関係で、少し関連するものということで、103ページ目のものがございますが、こちらは、無期転換ルールに関する労働者の意見ということで、有効でないとお答えになった方のうち、その理由としては、上から5つ目の辺り、会社側に希望を言い出しにくいからというお声も一定あるところであります。
 私からの説明は、以上であります。
○山川座長 ありがとうございます。 何か御意見等がありましたら、お願いいたします。
 竹内委員、お願いします。
○竹内委員 ありがとうございます。
 あまり確たる考えがない中での発言となるかもしれず、恐縮ですけれども、前回、特に具体的な不利益取扱い禁止の規定を入れるべき、あるいは、そういうものではなく、公序の一般法理のもとで対応するという形に現時点ではとどめるべき、そうしたいくつかの意見が出されたかと思います。
 これに関係して、資料の58ページですけれども、(エ)で挙げられている点、すなわち、何が不利益な取扱いを禁止する対象に該当するのかについて、まず内容を整理することが重要ではないかなと思います。
 と申しますのは、特別な規定を設けるか、公序に任せるかということは、立法の技術的な側面がありますけれども、それを論じる前提として、そもそも何が不利益取扱いから保護される行為として位置づけられるべきかの議論というのが、必ずしもまだ深まっていないと考えるからです。
 私自身、まだ必ずしも、何が問題か、つまり、いかなる行為を理由とする不利益取扱いが禁止されるべきかをきちんと確定できていないのですが、この検討会としても、この点に関する共通の一定の理解というのが、なお足りていないのではないかという認識がございます。
 ヒアリングの中では、無期転換申込権の行使をためらってしまうことの理由の1つとして、例えば、労働条件が、非常にであるかどうかは分かりませんけれども、低下するからというものがあったと思います。ただ、労働条件に関して言うと、「別段の定め」をすることは、例えば、就業規則による場合で言えば、合理性があれば、それは一方で認められているわけです。そうすると、労働条件が下がること、下がると予定をしておくことで、無期転換申込権の申込みを躊躇させることが、直ちに不利益取扱いに当たるわけではないと考えることもありうるわけです。
 無期転換申込権を行使したら解雇するということであれば、不利益取扱いとして明瞭かもしれませんけれども、多分、労働条件を下げる場合のように、ヒアリング等からうかがわれる、現実的によく問題になりそうな形で出てくるものは、特に「別段の定め」自体は否定されていないこととの関係で、そもそも不利益取扱いと言えるかどうか、かなり微妙なところもあろうかと思います。
 そういう意味では、労働条件設定の場面を特に念頭に置いたものかもしれませんが、何が問題のある取扱いと言い得るかを整理する必要があり、それを整理した上で、特別の禁止規定を設けるか、公序に委ねた上で問題のある例などを整理して示すにとどめるかが決まってくるのではないかなと思います。
 ですので、何が不利益な取扱いとして問題とされるべきかということを整理することを進めていただきたく、先生方皆様あるいは事務局とともに、まずこの点について考えてみてはどうかということを申し上げさせていただければと思います。
 あと、ちょっと細かいことになって、今申し上げたことのかなり先の話になってしまいますけれども、不利益取扱いの禁止をどの法令に規定するかに関して、他の法令では行政指導に関する規定が併せて基本的に定められているとの説明がございましたけれども、他方で、行政指導を用意しているような法令でなければ、不利益取扱いの禁止規定を入れられないのかというと、そういうことは全くないと思われますので、この点は、考慮しなくとも良いのではないかなと思います。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございました。
 ほかは、いかがでしょうか。
 両角委員、お願いします。
○両角委員 ありがとうございます。
 私も竹内先生がおっしゃったことと同じ意見同じです。前回の研究会でも、申し上げた趣旨はそういうことでした。つまり、何と比較して不利益に扱うことがいけないのか、何が禁止される不利益取扱いなのかということが、この件に関しては、まだはっきりしていないと私も思いますので、それが整理されてから、こういう規定が必要なのかどうかという議論をしていくべきではないかと思います。
 現時点では、これまで議論があったように、就業規則の合理性の問題とか、あるいは雇止めの解雇の法理で救済できる部分もあると思いますので、そういうことも含めて考えていくべきではないかと思います。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございます。
 ほかには、何かございますでしょうか。
 竹内委員、どうぞ。
○竹内委員 ありがとうございます。
 今、両角委員がおっしゃった点に関して、対立するという意見になるかどうかはちょっと分からないのですけれども、例えば、解雇とか雇止めであれば、解雇権濫用法理だとか雇止め法理といいますか、労契法の19条で対応するということは、十分考えられるとは思います。
 就業規則で、無期転換申込権の行使を抑止、ないしは妨害するといいうるような労働条件を設定するということであれば、もちろん就業規則の合理性の審査の中で、そういう労働条件を排除していき、それで結果として、不利益な取扱いになりかねないと考えうる労働条件の設定を是正していくことになろうかと思います。この点、就業規則の話に限らないかもしれませんけれども、就業規則の場合だと、合理性の審査が実際になされることに至らない場合、すなわち、現に、転換後の労働条件は下がるという内容の就業規則が設定されていて、何か問題がありそうだけれども、合理性の審査が争われない現実的に十分ありうる実態のもとで、労働者が無期転換申込権の行使を控えるという、抑止効果が生じるのではないかなと思います。あるいは、生じかねないのではないかなと思います。そういう意味では、労働条件設定に関しては、より低い労働条件を定める契約について、契約上拘束力があるか、ないかという観点のみで、権利行使の抑制にかかる問題に対処し切れるか、少し分からないところが私としてはありまして、労働条件を、ある意味、不当な形で設定しておくということについて、労働条件設定法理ないし変更法理だけで、防止できるかについては、少し慎重に考える必要があるのかなと思っております。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 安藤委員、お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。
 1点だけ確認というか、教えていただきたいのですが、不利益取扱いの禁止の「不利益」とは、誰と比べてなのかというのを考えたときに、幾つかの比較対象があるように思っています。
 当該労働者のこれまでのような働き方と比べてなのか、それともその会社で働いている別の、例えば正社員なのか。
 そうすると「別段の定め」のところであるとおり、例えば、無期転換に伴い、正社員と同じ責任を負ってもらう代わりに、同じだけの処遇をしますといった場合に、これは、当該労働者のこれまでの働き方からすると、配置転換があるとか、転勤があるという意味では、不利益になっているかもしれないけれども、その会社の正社員と比べては不利益になっていないというのだったら、これは不利益な取扱いではないと整理することもできると思うし、そうしたほうがしかるべきだと、私は思っております。
 このような観点から、本人のこれまでの働き方を基準とするという視点と、その会社のほかの一般的な労働者を対象とする、こういうのがまずあってもいいのかなと思っています。
 ただし、これだけの基準だと、まだ、何と比べて不利益というので難しいのは、例えばこれまで有期雇用と、ばりばりの正社員しかなかったところに、ただ無期という選択肢を仮に作るとなったとすると、やはりこれまでの働き方とも違うし、その会社の正社員とも違うしということで、単にその労働者のこれまでの働き方と比べてというだけではなくて、誰と比べてというか、そういう基準についてうまく整理できないのかなと思っていたのですが、この不利益という言葉について、誰と、ということについて、何か法律上定めというか規定があるのかということについて、もし御存じであったら教えていただきたいと思いました。
 よろしくお願いします。
○山川座長 ありがとうございます。
 便宜上私から説明しますと、それは法律の仕組み方次第で、パート・有期法ですと、パート労働者、有期労働者と通常の労働者との比較ということで、比較対象が示されていることもありますけれども、ただ、その中でも誰をということになると、いろいろ議論がありまして、安藤委員のおっしゃったように、そもそも不利益というものをどう考えるかということ自体、かなり議論を要するところになります。
 おっしゃったように、解雇みたいな、ある種、絶対的というか、本人を基準にして考える場合もありますし、査定の差別みたいに、比較しないと結論が出てこないということもありますので、非常に難しいということくらいしか、多分、まとめ的には言えないのではないかと思います。
 ほかに何かございますか。
 両角委員、どうぞ。
○両角委員 ありがとうございます。
 今議論している不利益取扱禁止規定の話ではないのですが、そもそも不利益とか、労働条件の不利益変更ということを考えるときに、転換前後でその人が不利益に変わったかという話と、無期転換した人と、もともと正社員だった人を比べてどうかという話があり、その2つを一応区別して考えることが大事だと思います。
 前者については、今日、かなり議論があったと思うのですが、後者の問題についてはどうでしょうか。もちろん、転換してもパートの人はパート・有期法8条で均衡待遇の適用があるのですけれども、無期でフルタイムの人は、もう適用がないので、それについてどう考えるのかという問題もあると思います。
 それは、今回どこまで突っ込んで議論するのかは分かりませんけれども、学説上も見解はいろいろ分かれていると思います。当事者の自治に任されるという考えもあり、他方では、パート有期法8条が類推適用されるのではないかという見解もあり、丸子警報器事件のような同一労働同一賃金原則に立脚した公序法理が適用されるのかといった論点もあると思います。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございます。
 ほかに、どなたかございますか。
 戎野委員、お願いします。
○戎野委員 今の御議論を伺っていて、私も以前から不利益とは何なのだろうなと思っていたのですけれども、そのときに、有期ですと、仕事の与えられ方が、いわゆる限定的で、ジョブ型のような形で働いていて、無期になって、いわゆる正社員に近いような働き方になったときに、査定の仕方も変わってくる場合もあるかと思います。
 そのときに、新たな査定基準によると、今までよりも処遇が下がること、つまり雇用形態によって基準がそれぞれ違うことによって、移行すれば、処遇が下がるということもあり得ると思います。そのときに、やはり査定がどうなっているのかということは明示される必要があるとは思いますが、これは不利益とは考えないと思うのです。
 ただ、そうだと、無期のほうになかなか移行が進まないのではないかという危惧はあるかと思いますが、現実には査定基準が変わってくるということはあり得ると思うので、非常に難しい問題かなと、前々から思っていたのですが、今、改めて感じました。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございました。
 多分、制度の問題と、取扱いの問題というのも1つ視点に入ってくるのかなという感じもします。不利益取扱いという場合に、不利益という構成要素と、取扱いという構成要素があって、完全には区別できない場合もあるかもしれませんが、恐らく、制度の問題で、先ほど両角委員の言われた(5)のウのような正社員と無期転換後の無期社員との間の合理性というのは、かなり不利益取扱いとは別の論点になるかと思います。
 ほかに、何かございますか、もう時間にはなっておりますけれども、マイクの不調のロスタイムみたいなことで、少しだけ延長させていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
 竹内委員、どうぞ。
○竹内委員 すみません、もう閉じる方向に向かっているのかもしれませんけれども、あまり追加する意見ではないかもしれませんけれども、両角委員が御指摘されたとおり、私の理解にすぎないかもしれませんが、他の法令等にある不利益取扱いとして紹介されているものについては、基本的には、現在自分が、ある労働者が享受している労働条件と比べて不利な状態に置かれる、すなわち、例えば解雇されて全てを失うとか、あるいは賃金であれば、より不利な査定を、従前の査定とか評価に比べてより不利にされてしまうとかというように、本人が現在持っているあるいは置かれている状態から不利になるものが、不利益取扱いに関する禁止の対象にされてきたものではないかなと思います。
 これとの関係で、転換後の労働条件が、いわゆる正社員と比べて、なお差があるかどうかということに関しては、基本的には不利益取扱いに関わる問題というよりかは、転換後の処遇の在り方という形で区別されるべきで、そこは両角委員が御指摘された点のとおりでないかなと思っております。
 以上です。
○山川座長 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。いずれにいたしましても、今回追加していただいた論点ですので、また、さらに御検討していただく機会があるかと思います。
 また、そもそも何を問題とするのか、先ほどの不利益な取扱いということにつきお話が皆さんからありましたけれども、それはちょっと事務局に、今後また改めて資料を用意していただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○竹中課長補佐 承知しました。
○山川座長 ありがとうございます。
 それでは、ロスタイムといっても、あまり長く延ばせないと思いますので、今回の議題につきましては、追加も含めてここまでとさせていただきたいと思います。
 それでは、次回の日程について事務局からお願いします。
○竹中課長補佐 次回の日程につきましては、現在調整中でございます。確定次第、開催場所と併せまして、連絡いたします。
○山川座長 ありがとうございます。
 それでは、これで第7回「多様化する労働契約のルールに関する検討会」を終了いたします。
 お忙しい中、熱心な御議論をいただいて、大変ありがとうございました。終了いたします。

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