2021年7月21日 第10回政策評価に関する有識者会議労働・子育てWG 議事録

日時

令和3年7月21日(水)14:00~16:09

場所

オンライン開催

出席者

玄田座長、渥美委員、石田委員、岩佐委員、新田委員、皆川委員

議事

議事内容

 ○室長補佐
定刻になりましたので、ただいまから第10回政策評価に関する有識者会議労働・子育てワーキンググループを開催いたします。政策評価を担当している肥沼です。どうぞよろしくお願いします。委員の皆様におかれましては、オンラインでの会議開催に御協力いただきまして、大変ありがとうございます。今回はオンラインでの開催となりましたが、御不便をおかけすることもあるかと思いますが、会議途中で不都合が生じた場合には、WEBEXのチャット機能、若しくは電話にて事務局まで御連絡いただきますようお願いいたします。今回、省内のランシステムを使用しておりますが、ネットワークの都合上、アプリが落ちる、つながらない等々の事象が発生した場合には、事務局にて再度接続し直しますので、しばらくその場でお待ちいただければと存じます。また、議事に入る前に、事務局から報告事項があります。有識者会議の委員についてですが、一般社団法人日本経済団体連合会池田委員から、同じく一般社団法人日本経済団体連合会の新田委員に変更がありましたのでお知らせいたします。
本日の会議では、事前に委員の皆様にお送りいたしました会議資料を使って議事を進めたいと思っております。会議中は御自身が御発言される場合以外はマイクをオフにして、音声はミュート状態にしていただくとともに、ビデオは停止状態にしていただくようお願いいたします。
御発言の希望がある場合には、WEBEXの挙手アイコンをクリックいただくか、チャット機能を使って発言の希望がある旨を事務局に御連絡ください。事務局にて御発言の希望を確認した後、発言者を座長が指名いたしますので、座長から指名を受けましたら、ミュートを解除し御発言ください。発言に併せて御自身の映像を表示される場合には、「ビデオを開始」をクリックしていただければ皆様の画面及び会場のモニター上に映像が表示されます。また、御発言が終わりましたら、再度マイクをミュートにするとともに、ビデオを停止していただきますようお願いいたします。それでは、本日の議事進行については、座長の玄田先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 
○玄田座長
改めまして、よろしくお願いいたします。本日は議事次第にあるように、6つのテーマの実績評価書案について、委員の皆様に御議論いただく予定です。配布資料及び「令和3年度に実施する政策評価について」の進め方について、事務局より御説明をお願いします。
 
○室長補佐
議事の進め方について御説明します。議事次第を御覧ください。本日は議事にある(1)の①~⑥の順番で、テーマごとに担当課の入替を行い、御議論頂きます。テーマによって多少時間が異なりますが、まず、担当課より5分厳守で説明を行いまして、その後約10分~15分程度で御議論を頂く形で進めたいと思います。今回は、実績評価書案を議事としておりますので、測定指標の実績値とそれに基づく各指標の達成状況、目標未達の場合の要因分析、また評価結果を踏まえた改善方針や指標・目標の見直し等々を中心に御意見を頂ければと存じます。事務局からは以上です。
 
○玄田座長
何か皆様から御質問や御意見はありますか。よろしいですか。途中何か御不明な点などありましたら、挙手やチャットなどを活用して随時御意見をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。それでは早速議事に入りたいと思います。1つ目のテーマ、「施策番号Ⅳ-1-1、男女労働者の均等な機会と待遇の確保対策、女性の活躍推進、仕事と家庭の両立支援等を推進すること」について、担当課から5分程度の御説明をお願いします。
 
○雇用環境・均等局
雇用機会均等課の渡辺より、資料1-1に沿って御説明します。
1ページ目の施策の概要についてお話します。3つ掲げております。1つ目が、男女労働者の均等な機会と待遇の確保やハラスメント対策の推進についてです。企業において男女雇用機会均等法に沿った男女均等取扱いがなされるよう、都道府県労働局による法令の履行確保、パワーハラスメント防止のための事業主の雇用管理上の措置を義務付けた労働施策総合推進法等の改正法の施行、こういった取組を通じてハラスメント対策の推進を図っております。
2つ目が、女性活躍の推進です。女性活躍推進法に基づき、企業では女性活躍に関する行動計画の策定・届出や、情報公表を義務付けているところです。この法律を令和元年5月に改正しておりまして、来年の4月からこの義務化の対象範囲を101人以上に広げることとしております。また、昨年の6月からは301人以上の企業に情報公表項目について、2つ以上の項目という公表義務の強化を図っているところで、個別企業への支援とともにこういった施策の推進を図っているところです。
3つ目の仕事と家庭の両立支援等については、例えば、育児介護休業法の省令改正を令和3年1月にしております。子の看護休暇・介護休暇について時間単位で取得できることで育児・介護を行う労働者が仕事と家庭を両立しやすい就業環境について進めているところです。
その下に、背景・課題が書いてあります。1つ目はハラスメントの関係です。改正法も含め施行しておりますが、ハラスメントに関する相談は高止まりしているということで、企業において防止措置がなされるよう、労働局においては引き続き助言、指導の徹底を図っていきたいと考えております。
また、女性労働者の就業率については、労働参加はM字カーブもかなり改善はしてきておりますが、出産後の女性の継続就業率ということでいきますと、まだ期待に応えきれないということで、仕事と家庭を両立しやすい就業環境の整備が必要という認識です。
また、在宅就業については、育児や介護により働く場所や時間に制約がある方にとっては、調和の図りやすい働き方ですが、他方、報酬面のトラブル等があるということで、その就業環境を良好にする必要があると考えております。これに対応する形で次のページで、それぞれ達成目標ということで、3つの目標を掲げております。その下に施策の予算額・執行額が書いてあります。推移は御覧のとおりです。今日は時間の関係で、これらの達成目標に対して、それぞれどういう測定指標をもって評価したかをと御説明します。測定指標1から御説明します。
1つ目の達成目標、男女雇用機会均等法の観点です。指標1では、都道府県労働局が性差別があるとか、セクハラがなされたとか、そういった法違反に対して、是正指導を行い、その結果、年度内に是正された割合を指標として掲げております。令和2年度の実績99.1%ということで、目標90%以上に対して達成しているという状況です。
指標2は、先ほど申し上げた女性活躍推進法に基づき、行動計画の策定義務というのがありますが、300人以下の企業は努力義務となっており、こうした企業に対しても趣旨を説明して、積極的に策定に取り組んでいただきたいということで、令和2年度1万3,000社の目標を掲げております。これは意欲的な目標ですが、その背景として、令和4年4月から101人以上300人以下の企業が新たに義務付けの対象になるということで、そういった企業が3割は令和2年度中に行動計画を策定してほしいということで掲げております。この目標に対しては、実績値8,876社ということで、目標未達となっている状況です。
指標3については、女性の活躍推進企業データベースの年間アクセス数です。このデータベースは国が運営しているものですが、女性に関する情報公表、見える化をして職業選択に資するものということです。目標25万件に対して、直近の実績39万件達成ということです。
指標4については、事業主向けの説明会、これは法の周知を図るということで、目標値を大幅に上回る実績となっております。
指標5については、先ほど申し上げた出産後の女性の継続就業率については、コロナ禍の影響もありまして、調査の実施が延期されたこともあり、直近の実績はまだ出ていないということで、目標55%に対する評価が今できていないという状況です。以上が達成目標1についての指標です。
 
○玄田座長
時間がなくなってきたので、特に達成目標で今まで達成できなかったところを中心にお願いします。
 
○雇用環境・均等局
分かりました。1つ目の達成目標1は指標2が未達成です。達成目標2については、指標8について調査がまだできていない。もうすぐですが、この7月末公表予定ということで、男性の育休取得率13%に対しての実績を測ろうとしております。指標10については、先ほどの指標5と同じで、調査の延期で達成度の評価ができていないということです。
達成目標3については、在宅就業の関係です。3つ指標を掲げております。アウトプット、アウトカム共にですが、ガイドラインのセミナー等々、それぞれ目標に対して実績が上回る形で令和2年度は終えているということです。以上が測定指標についての御説明です。その次に総合判定があります。今申し上げたとおり、目標未達が、女性活躍推進法に基づく行動計画が未達成ですが、主要な指標である是正指導やくるみんの認定企業数といったものの実績値が目標を上回っているということで、判定結果Bとさせていただいております。目標達成に向けて進展があるということです。
その次に施策の有効性等々書いてあります。施策の有効性については、法に基づく行政指導関係90%台後半の水準が是正できているということで、行政指導を行ったところに対しては機能していると考えております。また、くるみん認定についても年々増加傾向ということで、企業にも理解していただきながら、全般的に有効性という点ではしっかりできていると我々としては考えております。
次の施策の効率性については、例えば今の是正指導の関係ですが、人員は限られておりますので、業種別の取組状況や遅れている所を見ながら重点的な指導や、オンラインを活用して実施していますので、効率を重視した取組を心掛けているところです。現状分析については、それぞれの課題、世間の中で関心の高いものに対して着実には進展をしていると思っております。他方、先ほど掲げた課題については、まだ道半ばということで引き続きしっかり取り組んでいきたいと考えております。
最後に、次期目標等への反映の方向性については、今ほど申し上げた実績や、政府の決定、少子化社会対策大綱で決められた決定なども踏まえながら、更に頑張っていきたいと思っています。本日の先生方の意見を踏まえて、また考えていきたいと思います。説明は以上です。よろしくお願いします。
 
○玄田座長
ただいまの御説明について御意見、御質問などありましたら、よろしくお願いします。どなたからでも結構です。いかがですか。
 
○石田委員
連合の石田です。多くの指標についてご説明いただきありがとうございます。簡潔にいくつか御質問させていただきたいと思います。
まず指標3の女性の活躍推進企業データベースの関係ですが、立ち上げて以降、アクセス数は増えていることは良いことだと思っています。しかし、これから就職活動をする者、特に高校生や大学生の皆さんにどれだけ認知をされているか、現役の学生も含めどのように周知するかが重要で、より充実した対策を講じることが大事だと思っております。また、アクセス数の実績値が39万件とご説明いただきました。一方で、次年度目標が30万件ということになっておりますので、上方修正が必要ではないかと感じました。全体的な総括の中にあるように女性の企業選択に資するということですから、アクセス件数ではなく、実際にアウトカムとして、どのように役に立ったかということも検討する余地があると思っております。お考えがあれば教えていただければと思います。
指標4については、事業主向け説明会の開催について、目標値100回に対して、コロナ禍によりオンライン開催に切り替えたことで、実績は1,078回という10倍以上の成果があったとのご説明がありました。オンライン開催になったことが内容的にどう影響するかも気になりますが、オンライン開催自体の否定はしません。工夫次第で多くの企業が一堂に会せるというメリットもあるわけですので、目標値をさらに上げることも必要ではないかと思います。回数で評価するのか、実施企業の数で評価するのか、いろいろ方法はあると思いますので、その辺の御検討を頂ければと思います。
指標6、7で、ハラスメントの参考指標があります。連合でも、ハラスメント調査をしておりますが現場では措置義務ですらなかなか履行されていないという実情も明らかになっておりますので、具体的な対策についても検討が必要だと考えております。
指標8の男性の育児休業の取得率の関係ですが、これは判定不能とされていますが、数字の推移を見る限り達成が難しいと思っています。法改正があったことも背景にありますが、令和7年に30%という目標に向けた今後の取り組みについて、見解を教えていただければと思います。
また、全ての施策に関連するのですが、前年度以上という目標の設定は、今回のコロナのような、大きな環境変化でガクンと数字が落ちたときに、その数字を次年度に引きずるということが結果的に出てくるのですが、そういった意味で、指標12では、「過去3年間の平均以上」とされていますが、この場合でも大きく凹む年があると、その数値の影響を引きずることになるので、少し工夫が必要だと感じました。
最後に、自営型テレワークの関係のガイドラインについてです。中身は非常に整理されていて良いのですが、このガイドラインのパンフレットに登場するのは女性ばかりです。育児や介護のために休業している方、自宅にいる方に自営型テレワークを推進する、あるいはいろいろな手続等に役に立つようにこのパンフレットが作成されていると思いますが、女性ばかりが挿絵や写真に登場するというのは、バイアスが掛かっているのではないでしょうか。つまり、育児や介護のために家にいるのは女性だ、ということを、暗に無意識の中で示してしまっているということです。そういう点は御注意を頂いたほうがいいのではないかと、そんな感想を持ちましたので、発言させていただきました。ありがとうございました。
 
○玄田座長
御意見、御提案が多かったと思いますが、何か今の段階でお答えすることがあれば、担当課からどうぞ。
 
○雇用環境・均等局
データベースの関係は、過去3年のアクセス件数の平均としています。ハラスメントの相談もそうですが、行政というのは新しいことを打ち出せば、当然相談やアクセス件数も増えてくるということで、今回過去3年の平均で設定しています。女活法はプラチナえるぼしという、新しい認定マークも作って非常に注目度が上がったのが令和2年ということです。
あと説明会ですが、何で評価するのか実際難しく、今回集合式とオンライン式でやったのですが、数はそれぞれ少人数で実施しています。回数を多くして周知をしたいということでやらせていただいたのですが、落ち着けば皆さん集まるような形で集団セミナーをやりたいと思っており、評価に耐える形で指標も考えたいと思います。ありがとうございます。
 
○玄田座長
ほかの方御意見はありますか。渥美委員、どうぞ。
 
○渥美委員
私はダイバーシティワークプレイスの研究者ですので、この十数年、国もかなりこの分野に力を入れて施策に取り組んでおられたと存じております。
今回は指標のうち未達だった指標2と、今、力を入れておられるのですが、苦戦している指標8について意見を申し上げたいと思います。
指標2の行動計画策定は、女性活躍推進法に基づく行動計画もそうですし、次世代法に基づく行動計画もそうですが、国よりも一部の自治体で先んじて中小企業を対象に対象基準を引き下げているというのは御存知かと思います。具体的には石川、富山等では、既に常用労働者101人以上の事業主を、国の年限よりも早期に対象にして、常用労働者50人以上の事業主を対象にしている所もあります。行動計画策定に関しては、北陸を中心に条例で国よりも高い基準で施策を組んでいる所と、国に追随してという所があり、かなり濃淡が分かれています。先進自治体の施策を、そうではない所に広めるということも重要な国の役割だと思いますが、データとして、研究者として知りたくてもなかなか知り得ないのが、都道府県別の状況です。この行動計画策定に関しては見やすいのですが、全国でどの程度違いがあるのかについて、私は余り見たことがありません。そもそも策定が進んでいる所は施策を組んでいますので、そういった施策をほかでやっていない所に広めるというか、こういう施策があるというのを広めるだけでも随分労働局の仕事がやりやすくなるのではないかと思います。
今申し上げたことは、特に男性の育児休業取得率に関しては、労働局ベースで都道府県にデータがあるのですが、ただ、東京が突出して高い、あと広島が高いわけですが、企業によっては全国の支社あるいは事業所の取得を東京で一括して労働局に提出していたりすると、都道府県別のデータになっていません。東京が高いのは当たり前ですし。
 
○玄田座長
渥美委員、簡潔に御質問を述べてください。
 
○渥美委員
はい。要は、今の時点で都道府県別の状況が見えないのです。ですから、これだと施策展開するときに厳しいと思いますので、指標を上げていくため行動をしていく際に、都道府県を巻き込むのは非常に重要だと思いますので、是非、その視点で施策を組んでいただければと思います。以上です。
 
○雇用環境・均等局
渥美委員の御指摘も踏まえて、義務化のところは国としての最低基準なので、そこは県の協力も得ながら労働局がやっているところですが、好事例を展開していくというのは確かにおっしゃるとおりなので、今後考えていければと思います。
 
○玄田座長
ほかにいかがですか。
 
○雇用環境・均等局 育児休業の担当をしている職業生活両立課の安部です。先ほど連合の石田委員から、男性の育休取得率について現在集計中ということですが、見解をということで御指摘いただいておりました。令和2年度の数字は予断をもって申し上げるのは差し控えたいと思います。令和元年度の7.48%というのはいまだに低い水準だと考えております。令和7年度に30%という新たな目標もありますので、今回の法改正も踏まえて、強力に施策を進めていきたいと考えております。以上です。
 
○玄田座長
新田委員、どうぞ。
 
○新田委員
厚生労働省の方からの御説明、並びに資料の準備どうもありがとうございました。私からは目標設定について、3点ほどコメントと質問をさせていただきたいと思います。先ほど石田委員からも御指摘がありましたが、指標4については、セミナーや説明会の開催にオンラインを活用したことで、目標の100回に対して10倍以上の実績となっています。令和3年度の目標は、前年度の目標値と同じ100回となっていますが、やはりこれは実績からしますと、あまりにも乖離しているのではないかと思います。オンラインは模索中という御説明がありましたが、いずれにしても、この目標の設定の仕方についてはもう一度御検討いただいたほうがよろしいのではないかと思います。あまりにも実績との間で乖離があり過ぎて、これでは何のために前年度の数値を出しているのかと、いささか疑問を持っていますので、是非、再考を頂ければと意見として申し上げます。
指標11、13では、何かを受講して「役に立った」と回答した割合について、目標値についてはいずれも85%以上という目標が提示されています。他方、実績を見ますと、いずれも85%を超えています。そういった中で85%という水準で維持するに留まるのではなく、もう少し高い目標を設定してもいいのではないかと思います。この後に説明される資料のほうでは、同じくセミナーの参加者の理解が進んだと答える人の割合について、目標設定は95%など、10%ポイントも高い目標設定をしているものもあります。これらと同様にこちらについても、実績を踏まえて目標の設定の仕方を御検討いただいた方がいいのではないかと思います。若しくは、85%と設定している部分について、測定指標の見直し欄の現状の記載を加えて、85%はこういう理由があるという御説明を頂けるのであれば、お願いをしたいと思います。私からは以上です。
 
○玄田座長
説明の追加はありますか。
 
○雇用環境・均等局
法の説明会は非常に発破をかけた結果、数は増えたのですが、新型コロナ禍における最初の取組ということで、御意見として承って、次の方向を考えたいと思います。
在宅就業の関係については、別の担当課が来ていますので、そちらから御説明します。
 
○雇用環境・均等局
御指摘いただきありがとうございます。在宅労働課の卜澤から回答させていただきます。指標11については、自営型テレワークのガイドラインのセミナーに関する指標の所ですが、ここはまさしく御指摘いただいたとおりで、実績値がほぼ上限に張り付いている状況ですので、そもそもセミナーの目的である自営型テレワークのガイドラインを認知するところに照らし合わせて、ガイドラインを理解できたという方の指標を検討しております。
指標13については、今と同じ数値を検討しているのですが、ホームワーカーズWEBというWEBサイトがあります。これは自営型テレワークに関するプラットフォームですが、指標11にある自営型テレワークのセミナーを受けた方にe-ラーニングを受講することを推奨しているのですが、予算の都合上セミナーの回数を減らすことを検討しております。そのため、今後、e-ラーニングを受ける方が、セミナーを受けて基礎知識を持っている方ではなく、何も知識を持っていない方がe-ラーニングを最初から受ける可能性が高くなるということを踏まえて、ひとまず、今の目標を据え置き、現状を見ていきたいと考えております。以上です。
 
○玄田座長
ほかに御質問はありますか。皆川委員、どうぞ。簡潔にお願いできれば有り難いです。
 
○皆川委員
千葉大学の皆川です。私からは1点、資料の2ページ、施策の予算額の執行額・執行率のところですが、平成29年度から令和元年度にかけて下がってきていますが、この理由や原因等について、現状やお考えをお聞かせいただければと思います。その点だけです。
 
○雇用環境・均等局
歴年の推移ということではないのですが、令和2年度の状況について御説明します。予算額が例年と1桁違っておりますが、これは予算額の中に新型コロナウイルス感染症に対応するための小学校休業等のために仕事を休まないといけない場合、保護者に有給の休暇を与えた企業に助成をするという制度を新たに創設して、昨年度実施しております。そこが前例のない制度ということで、大きな額を準備していたのですが、実際の執行を踏まえますと、こういう数字になっているというのが、令和2年度の現状です。その前の推移についてもそれぞれ要因があると思いますが、この場で持ち合わせておらず申し訳ありません。
 
○玄田座長
岩佐委員もありますか。よろしいですか。それでは担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえて、実績評価書への反映を是非よろしくお願いします。お疲れさまでした。次のテーマに移りたいと思いますので、しばらくお待ちください。
続きまして、施策番号Ⅳ-3-1、「長時間労働の抑制、年次有給休暇取得促進等により、ワーク・ライフ・バランスの観点から、多様で柔軟な働き方を実現すること」について、担当課から5分程度で説明をお願いします。5分は短いので、特に達成状況が十分でないところを中心に簡潔に御説明いただけますか。
 
○雇用環境・均等局
職業生活両立課長の古瀬と申します。よろしくお願いいたします。施策目標は長時間労働の抑制、年次有給休暇取得促進によりワーク・ライフ・バランスの観点から、多様で柔軟な働き方を実現するというものです。そして「施策の概要」のところは御覧のとおりです。長時間労働抑制などの取組と、テレワークの普及促進があります。1つ目のかたまりが指標1~6、2つ目のかたまりがテレワークの指標7ということです。
指標1から御説明いたします。週労働時間60時間以上の雇用者の割合です。令和2年は5%目標というところを実績値は5.1%であり、概ね達成ということです。
次は指標2です。年休の取得率ですが、令和2年までに70%とするとなっているのですが、令和2年の実績値は現在集計中でございまして、今年の10月の公表予定となっております。10月頃公表予定ということで、見込みの達成度は不明確で判定が難しく、「‐」とさせていただいています。
指標3、勤務間インターバル制度の導入割合です。この目標につきましては、令和2年度は10%としていますが、こちらも現在集計中で、10月頃公表予定ということで、見込みでの達成状況の判断が難しいため「‐」にしています。
指標4ですが、労使が話し合いの機会を設けている事業場の割合です。これは令和2年度までに100%を目標として掲げて取り組んでいるところですが、中小企業での取組が難しいところがあり、現状最新値は60.5%ということで未達成となっています。
指標5です。特別休暇制度の普及率ですが、毎年度、前年度以上を目標としておりますが、令和元年度は80.7%、令和2年度は79.3%ということで、これは概ね達成です。
指標6、労働契約法解説セミナー参加者のうち、関係法令の理解が進んだと考える人の割合を掲げています。これにつきましては、毎年度95%を目標としていますが、令和2年度97.2%ということで目標を達成しております。
最後、指標7です。テレワークの関係ですが、令和2年度に34.5%を目標にしていましたが、ポストコロナ、Withコロナの新たな日常、新たな生活様式に対応した働き方ということで、多くの企業にテレワークの推進について御協力を頂いているところです。最新値は47.5%で目標を達成しています。
全体的な総括ですが、○のものが2つ、△が2つ、×が1つ、判定不能2つということで、総合判定として④のBとしています。今回一部判定結果をお示しできなかったところもありますので、今後もこの達成度の分析をしていき、達成できなかったものについては次の目標を踏まえて、引き続き取組を進めてまいりたいと考えております。以上です。
 
○玄田座長
ありがとうございました。それでは御質問、御意見のある方、どうぞ挙手なり何なりお願いいたします。いかがでしょうか。
 
○石田委員
連合の石田と申します。大変分かりやすくまとめていただき、いろいろな準備も大変だったと思います。どうもありがとうございました。
私から簡潔に御質問させていただきたいと思います。まずは指標1、2、3については、少し評定が難しいところもありますが、実は過労死等の防止のための対策に関する大綱に具体的に掲げられている数値目標ですので、是非実績評価をしっかり行っていただき、PDCAを回していくことが大事だと思っています。特に業種別とか企業規模別で達成度合いの数値は異なると思いますので、より詳細な現状分析とそれに基づく改善策の提示についても御検討いただければと思います。
指標1についてですが、過労死等の防止のための対策大綱の中では、週の労働時間が40時間以上かつ60時間以上ということが具体的に示されています。しかし、ここの指標は単に60時間以上です。測定指標としては、参考2にある40時間以上かつ60時間以上の方に、統一した方が分かりやすいのではないかと思います。お考えがあれば伺いたいと思います。
また、指標6の労働契約法解説セミナーは、非常に多くの方が参加しています。しかし、大切なのは、参加者が参加した成果を持ち帰って、職場でどのようにそれを展開するか。それによってどのように職場の改善ができたかを大事にしていかなければならないと思っていますので、アウトカム指標としては、より幅広い労使における労働時間や労働契約に関するルールの理解度を測る指標についても御検討いただければと思います。
最後に、テレワークの関係です。御説明にあったとおり、指標7のテレワークについては「達成している」となっていますが、コロナ禍で緊急避難的に導入している企業もあるかと思います。テレワークを否定しているわけではなく、在宅勤務ができる企業は導入すればいいと思いますが、テレワークの実施について労使が話し合うことは非常に重要です。コミュニケーションの活性化という意味でも、例えば6月22日に公表された「技術革新が進展する中での労使コミュニケーションに関する検討会」の報告書等を是非御参考いただいて、具体的な改善について検討いただければと思います。
最後ですが、労働時間の課題について、労使の話し合いが実施されている事業場の割合が6割という意味についてです。36協定を結ぶ時には必ず労使で話合いをしているはずだと思います。ですから、残りの4割は36協定をどのようにしているのかという点を懸念します。聞き方にもいろいろな工夫が必要だと思うのですが、問題意識を持っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。以上です。
 
○玄田座長
それでは委員の皆様から意見を頂いた上で、まとめて御回答いただきますので、ほかの委員の方、御意見、御質問があればお願いします。いかがでしょうか。
 
○渥美委員
ありがとうございます。私からは1点、長時間労働是正部分に関してですが、60時間以上の雇用者の割合が、コロナの影響があるとは言え、著しく減ったというのはいいことだとは思うのですが、ただそもそも日本の長時間労働の問題は、60時間以上の雇用者がごくマイノリティーになれば良いという話ではないと思います。今後の指標では40時間以上とか、何か変えたほうが実態が見えやすいのではないかと思います。以上です。
 
○玄田座長
ありがとうございます。ほかいかがでしょうか。
 
○新田委員
経団連の新田です。今お話にあった週の労働時間60時間以上という件について、法定の週の労働時間は40時間となっている中、ここを40時間以上としてしまうと、40時間以上は全て長時間労働に見えてしまうという懸念がありますので、現行のように60としつつ、参考2のような示し方を残す方がミスリードにならなくていいのではないかと思いました。私からは以上です。
 
○玄田座長
ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
私から1点。指標2と3ですが、年度の公表が半年以上かかるというのは、問題ですね。昔の紙集計のときにはすごく時間がかかったのが、現在においてなぜ10月下旬まで前年度の集計ができていないかというのは、これ自体として、集計の在り方に課題がある可能性があるので、是非来年度にはこういうことがないように、集計の在り方の改善など、御検討いただければと思います。以上含めて御回答お願いいたします。
 
○雇用環境・均等局
御質問、御意見どうもありがとうございます。個別に回答させていただきたいと思います。
 
○労働基準局
労働基準局です。長時間労働の関係で、三名の委員から御指摘、御意見いただいたと承知しています。この点に関してまとめての回答で恐縮ですが、石田委員からも御指摘いただいたことも含めての御回答ですが、過労死大綱について触れいただいたことも踏まえて、政府目標につきましては労働時間に関しても統一すべきであるというお話も、例えば労政審の労働条件分科会ですとか、過労死協議会の労使双方の委員から御指摘を頂いているところでございます。先ほどお話いただきました過労死大綱の目標としては、現在の目標から、「週労働時間が40時間以上の雇用者のうち、週労働時間が60時間以上の雇用者を占める割合」というように変更すると聞いておりまして、現在、閣議決定を目指して調整中と聞いています。先ほど申し上げましたとおり、指標については統一すべきであるという御意見も頂戴しているところで、この目標が入った過労死大綱が閣議決定された暁には、政策評価の目標についてもそちらに合わせようと考えています。週労働時間40時間以上の雇用者、いわゆる短時間労働者を除いた方の指標としての数字ですので、こちらを今後指標として用いたいと考えています。以上です。
 
○雇用環境・均等局
職業生活両立課の嘉藤と申します。何点かございましたが、指標2と3の目標値につきましては、7月末に過労死大綱の見直しがありまして、年休の取得率については、現状維持の予定ですが、インターバルの導入企業の割合は、更に現状10%から15%に引き上げになる予定です。ですので、こちらの取組を更に進めて、何とか目標値に近づくように今後も事業を進めていきたいと考えております。
もう1点は集計方法です。前年度の結果がまだ出ていない、遅いということなのですが、調査の関係で遅くなっているのではないかと思いますが、もう少し早く出せるかどうか、その点は持ち帰りたいと考えております。
あと労使の話合いで、36協定の話合いがされていないのではないかということなのですが、労使の話合いとは何かというところですが、聞き方として、労使で話し合う機会とは次のいずれかということで聞いております。労働時間等設定改善委員会、設定改善企業委員会とか、36協定などの話合いを持たれていますかと。最初に36協定を締結する際は、話し合うことは全ての事業所でされていると思うのですが、こちらの聞き方が、労使で定期的に話し合う機会があるかと捉えられる可能性もある聞き方ですので、そのような質問に対する割合が6割となっているということです。36協定の話合いが6割しかしていないということではないと思っております。私からは以上です。
 
○玄田座長
ほかに御意見ございますか。よろしゅうございますか。それでは、担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえまして、実績評価書への反映をよろしくお願いいたします。お疲れさまでした。
それでは、次のテーマに移りたいと思いますので、準備をお願いいたします。
 
○玄田座長
よろしいですか。続きまして施策番号Ⅴ-5-1、「求職者支援訓練の実施や職業訓練受講給付金の支給等通じ、雇用保険を受給できない求職者の就職を支援すること」につきまして、担当課から5分程度で御説明お願いいたします。
 
○人材開発統括官付
訓練企画室長の平川と申します。よろしくお願いいたします。資料3-1を御覧いただきたいと思います。施策の概要ですが、求職者支援制度は雇用保険を受給できない求職者の方に対して、職業訓練の提供と訓練受講期間中の給付金の支給を行うことにより、職業能力開発の機会を提供するとともに、ハローワークにおけるきめ細かな就職支援を行うことにより、早期の就職を支援する事業でございます。
雇用保険と生活保護の間をつなぐ第二のセーフティネットとして位置付けられております。達成目標ですが、今申し上げたとおり雇用保険を受給できない方に対して職業訓練を実施する。それから職業訓練受講給付金として月10万円を支給する。それからハローワークにおける就職支援を行うというもので、指標としては2つ設定しております。下のほうになりますが、まず測定指標1ということで、訓練修了3か月後の雇用保険適用就職率です。令和2年度は基礎コース58%、実践コース63%の目標に対して、実績は基礎コース50.8%、実践コース58.9%となっております。目標値に対する達成率は8割を上回っておりますので、概ね達成となっております。
それから2ページ目ですが、もう1つの指標で求職者支援訓練の修了者の満足度ということで、こちらは90%以上という目標に対して94.0%ということで、目標達成となっております。
評価結果と今後の方向性に関して、総合判定ですが、指標1の就職率については、新型コロナウイルス感染症の影響による雇用情勢の悪化を受け、実績値は目標値には届きませんでしたが、概ね目標を達成しています。それから指標2の満足度については、目標達成しているということでBという判定結果としております。
最後に、今後の方向性ですが、新型コロナウイルスの影響により雇用情勢が悪化する中、雇用保険の対象とならない方々へのセーフティネットとして本施策の重要性がますます高まってきておりますので、今設定している2つの指標を活用して、1つには訓練内容の改善、それからもう1つには就職支援の促進に取組んでいきたいと考えております。以上でございます。
 
○玄田座長
御説明ありがとうございました。それでは御質問、御意見などございましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。石田委員、どうぞ。
 
○石田委員
連合の石田と申します。よろしくお願いします。資料まとめていただき、準備の段階から大変だったと思います。コロナ禍が長期化しており、失業者あるいは求職者にとって、良質な雇用につながる支援としての職業訓練は大変重要な分野だと思います。指標1の総合判定の2ページのほうに、「コロナの影響で有効求人倍率が低下し、雇用情勢の悪化したため、求職者訓練受講した者の3か月後の就職率が目標値に届かなかった」という記載がありますが、一方でコロナ禍はまだまだ先が見通せない状況だと思います。そのため、今後は雇用情勢の悪化も踏まえた上で、失業された方々が就職を諦めて非労働力化しないような対策をお願いします。また、求職者支援制度がさらに活用されるためには、就職に結びつく効果的な職業訓練が必要になると考えますが、その目標値に対するお考えを少し頂ければと思います。
また、訓練の内容ですが、主に営業関係や販売とか事務系、デザイン、介護といった訓練となっています。在宅勤務を含め働き方が多様化し、コロナ禍を通じて徐々に場所や時間の制約を受けない働き方が影響を及ぼしてくると思っています。そうした観点から、従来と違う発想で、ニーズにマッチする訓練を対象に新たに加えることも、検討すべきだと思いますので、訓練メニューの改変などのお考えがあれば教えていただきたいと思います。
併せて、具体的に訓練の実施方法については、オンラインや収録、オンデマンドなども、このコロナ禍の新たな環境として対応が求められてきたことが明らかになったと思っておりまので、そうした方法についてもお考えがあれば教えていただければと思います。以上でございます。
 
○玄田座長
それでは皆さんの御意見一通り伺った上でまとめてお答えいただいてよろしいですか。それではどうぞ御質問、御意見ございましたらお願いします。いかがでしょうか。岩佐委員どうぞ。
 
○岩佐委員
私からは1点で、就職した後の定着率について調査をされているのか。もしされているのであれば、今後参考としてお示ししていただきたいし、そうでないのであれば、それをこの施策の評価の関係で調査していくことが可能なのかなど、定着率の考え方について教えていただきたいです。以上です。
 
○玄田座長
ありがとうございます。ほかにいかがでございましょうか。ほかの委員の方々よろしいでしょうか。それでは渥美委員どうぞ。
 
○渥美委員
すみません、私も簡潔に1点だけ。就業者支援のダイバーシティについて伺いたいのですが、雇用関係で企業を周っていると、就業希望者でも例えばシングルマザーや発達障害者、ちなみに私は当事者なのですが、属性によってギャップがある人たちには、やはりコロナでマイノリティーにかなりしわ寄せがいっているというのは実感しているところです。今日はマクロの数字で伺えたのですが、非正規の方々や就業希望者の中のマイノリティーという点でのお考えを聞かせていただければと思います。以上です。
 
○玄田座長
ほかにいかがでしょうか。執行額自体はそれほど大きく変わっていないのですが、今回執行率がかなり低くなったのは、やはりこのコロナの関係だと思いますが、こういう状況の中でこの執行率の改善について何かお気付きの点とかありましたら併せて御回答ください。それではよろしくお願いします。
 
○人材開発統括官付
ではお答えいたします。最初に石田委員から御指摘いただきました点についてですが、目標値、対策等、今後頑張ってほしいということでありがとうございます。重々肝に命じてやっていきたいと思います。この目標値ですが、こちらの求職者支援制度は平成23年から行っているもので、当時はリーマンショック後でしたが、それ以来、雇用情勢はずっと改善してきていた中で、また今回コロナでこのような状況になっております。考え方としては、やはりセーフティネットですので、まさにこういうときにこそ活用すべき制度だと思っております。令和2年度は達成しなかったわけですが、達成するよう頑張っていきたいと思っております。
それから働き方が変わってきてということですが、特に求職者支援訓練で最近人気がありますのがウェブデザイン等、家でできる仕事です。施設内訓練ですと、ものづくり中心になっていますが、求職者支援訓練では、そういう訓練がやりやすいという特徴があります。メニューについては地域訓練協議会という場があり、そこで地域のニーズを踏まえ、訓練設定に反映していく制度もあります。そういった中でニーズを把握しながらメニューの改善、コース設定を行っていきたいと考えております。
それから、このコロナ禍においてのオンライン訓練ですが、求職者支援訓練は、今年の2月からオンラインを活用して同時双方向で実施できるようにしたところです。またオンラインの話は、コロナ禍で一気に進んだところがあり、これから状況も見ながらいろいろ改善もしていかなければならないので、引き続き取り組んでいきたいと思っております。
岩佐委員からありました定着率の調査というのは、この制度としては特にはしておりません。ただ職業訓練の意味合いとしては、当然そのスキルを身に付けていただいて、就職していただくということですので、すぐ就職できればいいということだけでもなくて、その後のキャリアアップということが非常に大事かと思っております。その辺りは何らか把握できないか検討させていただきます。恐らく訓練コースの改善ですとか、そういうことにつなげていくべきだと考えておりますので、引き続き検討させていただければと思っております。
 
○職業安定局
訓練受講者支援室長の安蒜と申します。どうぞよろしくお願いいたします。渥美先生から御質問いただきました、マイノリティーの方や非正規雇用労働者の方に対するスタンスについてお答えさせていただきます。求職者支援制度は雇用保険と生活保護の間をつなぐ第二のセーフティネットとして運営しており、雇用保険を受給できない非正規労働者の方を主な対象としております。シングルマザーの方や障害者の方なども含めて、ハローワークで個々の状況に応じてしっかりとキャリアコンサルティングなどを行い、適切な訓練コース、訓練受講などを提案しています。今のコロナ禍の状況においては、特に女性や非正規雇用労働者の方を中心として雇用失業情勢が悪化している状況ですので、その方々に配慮しながらしっかり制度を運営してまいりたいと考えています。
 
○人材開発統括官付
執行率でございます。執行率は制度創設以来、受講者数が景気回復に伴って下がってきたところでしたが、昨年度はセーフティネットということで、大幅に5万人規模に増やしたところです。ただその実績がまだそのレベルまで追い付いておらず、執行率が急に下がったところです。こちらはセーフティネットとして予算設定をしたところですが、ニーズに応じて必要な予算額を確保していきたいと考えております。
 
○玄田座長
ありがとうございました。ほかに御意見等よろしいでしょうか。それでは、担当課におかれましては本日の議論を踏まえまして、実績評価書への反映をよろしくお願いいたします。お疲れさまでした。それでは次のテーマに移りたいと思いますので御準備お願いいたします。
 
○玄田座長
続きまして施策番号Ⅵ-1-1、「多様な職業能力開発の機会を確保し、生産性の向上に向けた人材育成を強化すること」について、担当から5分程度で説明をお願いいたします。分量が多いので、達成されている状況はコンパクトにしていただいて、特に課題と思われる点を中心に5分程度で御説明をお願いいたします。
 
○人材開発統括官付
人材開発統括官付で総務担当参事官をしております河野と申します。よろしくお願いいたします。簡単に御説明したいと思います。施策目標ですが、多様な職業能力開発の機会を確保し、生産性の向上に向けた人材育成を強化するということで、6つの達成目標を掲げまして、その達成状況を21の指標により測定をしているところです。総括表で御説明をしたいと思いますが、6ページをお開きいただけますでしょうか。
判定結果がC、達成に向けて進展がないとなっております。この合計24ある指標のうち、測定対象は21で、このうち未達成となったのは3項目です。主要な指標について13項目中8項目が○となるなど、全体としてはコロナ禍等の外部要因による制約を受ける中で、一定の進展があったものと考えておりますが、主要な指標である指標16が×となったことから判定区分はCとなっているところです。
目標未達成の項目について御説明をしたいと思います。その下の指標3という所です。こちらは公共職業訓練のうち、都道府県の委託訓練に関するものです。これについては令和2年度に受講者数を13万5千人とする目標を設定しておりましたが、訓練コースを設定したものの、応募者がなく開講に至らなかったものや、定員が充足しなかったものもあるために、実績が想定を下回り、目標を達成できなかったものです。
少し下にいっていただきまして指標15です。こちらは技能検定に関して35歳未満の受検申請者数を目標にしています。令和2年度に11万人余の目標を設定しておりましたが、令和2年度はコロナの関係で感染拡大防止のために前期試験を中止いたしまして、実績が想定を下回る目標を達成することができなかったものです。
3番目の未達成なものですが、指標16で、こちらは資料4-2の14ページに事業の概要の資料もお示ししています。就職氷河期世代支援については、令和2年度から3年間の計画でスタートをしており、短期間で資格を取得していただきながら、正社員就職を目指して出口一体型で業界団体とともに取り組んでいます。こちらは事業開始初年度だったということ、またコロナの影響もあり、対面での受講を辞退する受講者もおられ、実績が想定を下回り、目標を達成することができなかったものです。簡単ですが、私からの説明は以上です。
 
○玄田座長
ありがとうございました。それでは御質問、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。どなたからでも結構です。新田委員、いかがでしょうか。どうぞ。
 
○新田委員
私のほうから簡潔に2点だけ申し上げます。まず指標3に関して、公共職業訓練の受講者数については目標に対して達成率が80%に達しない程度で推移しておりますが、ここは引き続きしっかりと取り組んでいただきたいということを意見として申し上げておきたいというのが1点目です。
2点目は、指標16、17で、就職氷河期に関係する目標を掲げていらっしゃいますが、就職氷河期世代支援の推進に向けた全国プラットフォームに出された資料を拝見すると、ハローワークの職業紹介で正社員に結び付いた就職氷河期世代の不安定就労者、無業者の件数として、8万1,100件という数字を出されています。これも重要な資料として追加をしてはどうかという御提案です。私からは以上です。
 
○玄田座長
まとめて回答いただいていいですか。そのほか御意見、御質問等どうぞ。石田委員どうぞ。
 
○石田委員
連合の石田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。ご説明いただきましてありがとうございました。準備にも大変お時間が掛かったのではないかと思います。敬意を表したいと思います。
新田委員から就職氷河期の関係で御指摘がありましたが、私からも発言したいと思います。指標16、17の関係性ですが、アクセス件数が目標値の10倍に達している一方、受講者数は目標値の半分となっています。コロナの関係で対面の受講ができなかったのが1つの理由だと思いますが、その他、ミスマッチング、例えば人手不足感がある職種と、本人がやりたい仕事の違いからミスマッチングも生じるかと思います。そのようなミスマッチがどの程度あったかについても調べる必要性があるのではと思っております。もしそうしたデータがあれば、教えていただければと思います。
受講者数を増やすためには、支援ニーズがどこになるのか、例えば講座メニューの拡大等も今後は必要ではないかと思いますので、お考えがあればお聞かせください。
また、少し戻りますが、ジョブ・カードの指標6と指標9の関係についてです。ジョブ・カードの作成者数は目標値を超え、順調に増えていることが指標6でアウトプットの数字として記載されています。そして指標9では「ジョブ・カードの制度が有益であったと回答した事業主の割合」が令和元年限りで廃止となっています。事業再編という廃止理由が載っているのですが、アウトプットとアウトカムの関係があるとするならば、引き続き何らかの指標を設定する必要があると思いますので、お考えを教えていただきたいと思います。
最後に技能検定についてです。指標13「技能検定受検申請者数」はコロナ禍の影響により受検者数が下がっていますが、減少幅は一定程度で収まっています。一方、指標15「若者の受検申請者数」については、「働き方改革実行計画」のもと、「技能検定を雇用吸収力の高い産業分野における職種に拡大するとともに、若者の受検料を減免する」として、若者の受検を後押しする措置が取られているにもかかわらず若者の受検申請者数の実績値は目標値を下回っております。減少理由として、指標13と同じく「コロナ禍の影響により前期試験が中止となったこと」が要因とされているのですが、指標13に比べ、減少率が大きい。若者の受検申請者数の減少の要因としてコロナが起因していることは間違いないとは思いますが、周知不足等も考えられるので、今後の目標や施策を検討するにあたってはコロナ禍の課題を踏まえつつ、学生を含め幅広い若者世代への技能検定の広報の強化をお願いできればと思います。以上です、ありがとうございました。
 
○玄田座長
そのほか御質問、御意見ございましたらお願いいたします。いかがでしょうか、皆川委員御意見、御質問ございますか、どうぞ。
 
○皆川委員
すいません、千葉大学の皆川です。どうもおまとめありがとうございました。私からも1点、指標13と14について石田委員から御指摘や御質問もありましたが、指標の13ですと申請者、指標14ですと合格者の数です。いずれも令和2年度は少し下がっています。コロナの影響とかあったと思うのですが、目標設定の立て方で、結果は累計で測られるという形で、目標を達成とされています。これはその通りかと思うのですが、令和2年度に申請者数、合格者数ともに下がっていることも踏まえて、その分析と今後の見通しなど、総合判定欄の達成目標の4の所では、分析もされていますが、今お話した点も含めて、分析の書き方を御検討いただければと思います。私からは以上です。
 
○玄田座長
ありがとうございました。渥美委員、途中でしたけれどももし御質問があれば。
 
○渥美委員
すみません、ネット環境がおかしくなって、すみませんでした。あとでキャッチアップします。とりあえずございません。
 
○玄田座長
了解しました。ではまとめて御回答いただけますでしょうか。
 
○人材開発統括官付
まず新田委員からの御意見ですけれども、ハローワークの窓口を通じて正社員就職を図られた数に関しては、氷河期世代支援に関しては非常に重要な指標だと思っています。職業安定局とも相談した上で厚生労働省としての施策目標について、どうするかを検討させていただきたいと思います。
次に石田委員からの御指摘で、指標16、17ですがギャップがあるのではないかということと、指標16に関してどんな課題があるのかということを御指摘頂きました。指標16に関しては、私どもも初めての取組ということで、令和2年度は、公募をしましたので手を挙げていただいて、外部の方に審査を頂いて、11の業界団体に取り組んでいただいているところです。
こちらは運輸ですとか建設といった分野から、IT関係の分野まで、幅広く応募いただいています。そのため、11分野ではありますけれども、多様なニーズにはお応えできるかたちにはなっていると思います。ただ、業界団体でも、このような人材育成の取組に熟練しているというわけではありませんので、私どもも昨年度から業界団体と密に連携をしながら、どのようなことであれば訓練の効果が上がるかを、助言・指導しながら取り組んでおり、今年度も引き続き実施していきたいと思います。
指標13、14、15、技能検定に関して若者の受検が少ないのではないかということと、若者についてもアウトカム指標を設定すべきではないかということでした。まず若者の受検をどう増やしていくかは、これから日本の将来を担う人材の育成という観点では、この技能検定をきっかけに技能者の道に入って行く方が多いことは事実ですので、引き続き学校教育、高校等と連携をしながらしっかり取り組んでいきたいと思います。またアウトカム指標を入れることについては、検討したいと思っています。
皆川委員から指標13、14の部分について、もう少し分析、書き方を工夫すべきではないかという御意見を頂きましたので、検討をしたいと思います。ありがとうございます。
 
○玄田座長
1つだけ、御説明はありませんでしたけれども、達成目標6の外国人技能実習制度について、何か追加で補足があれば。やはり今、社会全体から労働施策の中でも厳しい目を向けられているものの1つが、この達成目標6に当たる部分です。これだけ見ると外国人技能実習制度はかなりうまくいっているのではという印象すらも与えかねませんが、こちらについて何か補足などありますか。
 
○人材開発統括官付
外国人技能実習制度につきましては、近年非常に実習生が増えてきていまして、コロナの影響を受けて少し人数の増え方が少なくなっていますが、制度を適正に運用していくことが非常に重要な課題だと思っています。この指標には安全衛生の関係等を挙げていますけれども、労働関係法令を遵守していただくことはもちろん、技能実習生の保護という観点で、日本語能力が必ずしも十分身に付いていない方に関する相談窓口の拡充や母国語相談の充実といったいろいろな取組を実施しています。また、より相談しやすい観点から、技能実習生手帳を整備しているところですが、適正な運営とともに技能実習生の保護に引き続き取り組んでいきたいと思います。
 
○玄田座長
ありがとうございました。ほかに御意見などございますでしょうか。
 
○石田委員
座長、すみません。ジョブ・カードの話をお願いします。
 
○人材開発統括官付
大変失礼いたしました。ジョブ・カードに関連して、3ページの指標7と指標9について、事業の再編に伴い令和元年度限りで指標9は廃止と記載しています。従前はジョブ・カードセンターの運営という形で、各地域の事業主団体に委託して、ジョブ・カードを活用した雇用型訓練を推進する建て付けで実施していました。しかし、令和2年度からは指標の10にありますように、より広い形でジョブ・カードを活用しながら、キャリアコンサルティング、この過程で雇用型訓練というバリエーションもありますけれども、キャリアコンサルティングを推進していく事業に、発展的に事業再編を行いました。そのようなことから新しい事業の形に合った指標に再編したものです。
従前の指標ですと、限定的な部分もあったかと思いますが、より広い形での事業の進捗を測定できる形に再編をしたものです。
 
○玄田座長
それではほかに御意見がないようでしたら、以上とさせていただきます。ありがとうございました。では担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえ、実績評価書への反映をよろしくお願いします。お疲れさまでした。それでは次の御準備をよろしくお願いいたします。
 
○玄田座長
それでは、引き続きまして施策番号のⅦ-2-1、「児童虐待防止や配偶者による暴力被害者等への更なる支援体制の充実を図ること」について、担当から5分程度で説明をお願いいたします。時間が短いですので、特に課題の辺りを中心に御説明を簡潔にお願いできればと思います。よろしくお願いします。
 
○子ども家庭局
よろしくお願いします。子ども家庭局の虐待防止対策推進室長の山口です。資料5-1を御覧ください。まず施策の概要については、児童虐待防止対策、社会的擁護の充実、DV対策等の女性保護施策の推進の3つの項目を柱としています。
達成目標の達成状況について、順次説明します。まず指標1ですが、児童相談所の児童福祉司数を設定しています。令和2年度を見ていただくと、目標値4,700人のところ、実績値が4,553人となっていまして、目標は概ね達成しています。なお、この目標については、令和4年度としていた目標年次を1年前倒しすることにして、本年度中に5,260人の目標を達成すべく取り組んでいるところです。
次に指標2です。児童虐待による死亡者数を設定しています。目標値としては、心中以外による死亡数と心中による死亡数を共に減少させることにしていますが、実績値については、都道府県からの報告に基づきまして、国の専門委員会で検証を行って、その結果を計上することになっています。直近で平成30年度となりますが、心中以外の死亡数が54人と若干の増加傾向。心中の死亡数が19人ということで、前年度までの減少傾向がやや反転したような数字になっています。
次に指標3です。児童相談所の児童心理司数を設定しています。令和2年度においては、目標値1,790人のところ、実績値が1,800人となっていまして、目標を達成しています。なお、この目標についても児童福祉司の目標と同様に1年前倒しで達成できるように取り組んでいます。
次に指標4です。保健師の配置割合です。令和2年度を見ますと、目標値100%のところ実績値が58%となっていまして、未達成としています。その要因としては、保健師に係るほかの業務事由により、人材確保が困難になっていることなどが考えられますが、今後は令和4年4月1日から児童相談所への保健師の配置が義務化されるという法律改正を過去にしていますので、それも見据えまして自治体が行う採用活動への支援など取組を強化していきます。
次に指標5です。子育て世代包括支援センターの整備数を設定しています。令和2年度については、全国展開、すなわち1,741市区町村全てに設置をするという目標値に対し、実績値は1,288市区町村となっていまして、未達成としています。これについては、市区町村数で見ますと74%の設置率になりますが、人口比率で見ますと93%をカバーしています。すなわち、小さいところがまだ設置できていないということですが、人口では93%をカバーしていますので、全国展開の目標は一定の成果を得られているものと考えています。今後は多様なニーズに対応できるよう専門職の配置やアウトリーチによる支援など、体制強化を図っていきます。
次に指標6です。支援が必要な家庭を訪問して支援を行う、養育支援訪問事業を実施する市区町村数を設定しています。令和2年度の目標が全市区町村となっているところ、直近の平成30年度では1,508市区町村で実施がされており、概ね達成としています。
次に指標7です。乳幼児健診の未受診率を設定しています。すみません、資料の数字が誤っています。この場で口頭で修正させていただきたいのですが、基準値平成23年度の所ですが、3~5か月児が4.4%と記載がありますが、正しくは4.6%です。それから1歳6か月児が3.6%になっていますが、正しくは5.6%。3歳児については、4.9%と書いてありますが、正しくは8.1%の誤りです。訂正させていただきます。そこで令和2年度の数値は集計中ですが、令和元年度を御覧いただきますと、目標値が3~5か月で3.0%、1歳6か月で4.0、3歳児で6.0%となっていますが、実績値では記載のとおりとなっています。3~5か月児と1歳6か月児では目標未達成、3歳児では目標達成となっています。未受診者に対する取組として、発育状況等の適切な把握、あるいは関係機関との連携協力体制、モニタリング体制の構築などの体制整備を自治体に対してお願いをしています。また令和2年度には、調査研究事業において取組の好事例集を取りまとめまして、周知を行いました。今後も妊娠期からの切れ目ない支援を行い、乳幼児健診へとつないでいくとともに、目標達成に必要な支援を検討し、令和6年度の目標達成を目指していきます。
それから、指標8です。里親等委託の委託率を設定しています。子どもの年齢に応じて、資料のとおり目標値を設定しています。実績は増加傾向にありますが、目標達成に向け、今後は令和6年度末までの期間を集中取組期間として位置付け、自治体の取組を強力に後押ししていきます。
次に指標9です。特別養子縁組の成立件数です。令和6年度に年間1,000件の目標値としているところ、直近令和元年度の実績が711件となっていまして、増加傾向となっています。
最後に指標10です。配偶者からの暴力被害者の、婦人相談所への来所相談件数を設定しています。令和元年度、令和2年度の実績は集計中ですが、直近の平成30年度を見ますと、前年度の実績を上回っており目標達成としています。私からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。
 
○玄田座長
ありがとうございました。それでは御質問、御意見がありましたらお願いいたします。岩佐委員、どうぞ。
 
○岩佐委員
岩佐です、幾つか質問をさせてください。本当に大変な中で、いろいろと施策を展開されているということで、大変御苦労さまです。
まず、指標1の児童福祉司数の関係です。私の質問の背景ですが、数をすごく増やしていただいていて、児童相談所の設置数も中核市や特別区で増えています。なので、指標1の児童福祉司数が従前からある児童相談所にこれだけの人数が増えているわけではないことや、児童福祉司でも若い人が増えていくために、現場ではケースを回すことが大変になったり、若い人が定着できないのではないかというように、現場ではいろいろ大変になっていることを背景にした質問です。1点は児童福祉司の数は指標にしてありますが、新しく参入している人たちを支える仕組みやメンタルケアなども含めて、対応をお願いしたいと思っています。ここ5年、10年で若い人が定着するのか、すぐ辞めていくのかによって、大きく変わると思っていますので、よろしくお願いします。
2点目は、数は増えているのですが、実際、子どもや保護者に話をする時間、対話の時間が減っているのではないかという危惧もしています。業務が複雑化している、件数が増えているということもあり、児童福祉司の数が増えているからケアが増えていると見るのは、実は難しく、むしろ一人当たりの子どもに対して1週間や数日の間に何時間ワーカーが話をできているのか、保護者と何時間話をできているのかなど、違う指標で質を確保することを意識していかないと、非常に厳しいのではないかということが、指標1に関する私の意見です。
それから、指標2に関した達成目標2の指標5の関係です。子育て世代包括支援センターが母子保健を中心とした包括的な支援ということだと思いますが、時として保健師さんがソーシャルワーカーの代わりのような仕事になってしまって、母子保健の専門性を発揮できにくいという場面もあり得えるので、先ほどお話にも出ていたように、是非ソーシャルワーカーの専門職の配置や、訓練することを意識していただければ有り難いと思います。それと設置が増えていくということですが、相談内容の質をいかに上げていくかということも重要になると思います。今の点、それから関連して要保護児童対策地域協議会など、少し役割が重なるような機関との連携や分担なども意識していただけたらと思います。これは単なる意見です。
それから、里親に関する指標8ですが、これに関しては施策的にはいろいろなことがあると思いますが、現場では里親さんがどうしても子どもの養育が非常に困難なために、つい手が出てしまうという事例も結構あります。それはもちろん解消していかないといけないですが、法律上、里親さんが手を出してしまうと、それは被措置児童等虐待になってしまい、里親さんは登録から外れることになってしまう。そのため、里親さんがとても困難な状態で子育てをしているのに、少しでも手を出してしまうと、そこで子どもとの関係が離れないといけない。そうした実態があり、児童相談所に相談しても、体罰をしたのだったら登録抹消ですと言われないかを悩み、相談できないという分断もあります。これは恐らく法律改正が必要だと思います。叩いていいというわけでは全くないのですが、いろいろな困難を乗り越えながら親子関係を作っていくという部分もあると思うので、是非、現場で苦労しているところなので、里親の数を増やすという意味でも御検討いただきたいと思います。以上です。
 
○玄田座長
ほかに御意見、御質問はいかがでしょうか。石田委員、どうぞ。
 
○石田委員
連合の石田と申します。どうもありがとうございます。準備も含めて、大変御苦労されたと思います。敬意を表したいと思います。
質問と意見です。指標2の児童虐待による死亡数について、目標値を令和2年度としているのですが、集計が間に合わないため評価できないということだと受け止めましたが、このアウトプット指標である指標1と3と4を把握しつつ、施策を充実させることが、指標2のアウトカムにつながって、PDCAサイクルが機能したと確認できると考えています。是非、集計を急いでいただいて、この達成目標1という大きな括りで総合評価を頂ければと思っています。ただ、この数字的な推移を見ると、指標2の達成はなかなか難しいのではないかと考えます。
また、達成目標2の指標5の子育て世代包括支援センターの整備についてですが、残念ながら達成は×となっています。これは、我々含め重く受け止めなくてはいけないと思っています。その上で、可及的速やかな整備が必要だと考えています。さらに、子育て世代包括支援センターの役割を踏まえれば、整備して終わりではなく、特定妊婦さんや若年層の妊娠さん、産後うつなど自ら助けを求めることが難しい妊産婦さんに対するアウトリーチによる支援やWEBでの情報発信、SNSやメールによる相談対応など、幅広く効果を探れるような指標の追加などについても御検討いただければと思っています。
最後に、指標7のいわゆる乳幼児健康診査の未受診率の関係について、これは私が間違っていたら大変恐縮ですが、目黒区の事件や田川市の事案があって、きちんと対応するということが平成30年頃に文書で発出されていたかと思います。0歳~2か月児については、どこでどのような確認がされているのか、あわせて教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。以上です。
 
○玄田座長
それでは御意見、御質問がありましたら、いかがでしょうか。よろしいですか。既に御意見がいろいろ出ていますが、指標8などを見ますと、なかなか令和6年度の目標達成が相当な大きな変革がなければ難しいということが予想されて、そうなると目標そのもののあり方を再検討することが必要なのではないか。つまり、達成が難しいという状況があると分かったときに、その目標のあり方をどう捉えるか、再検討するかという仕組みが大事なのではないかということを予想させる気もするのですが、その辺りは担当課としてどう考えているかということを伺いたいのと、この問題はある意味では非常に常に緊急性の高い子どもの生命に関わってくる問題もたくさんあるものですから、確かに指標2などは集計に時間がかかることは想像が付くのですが、例えば暫定値のような形で、ある程度近辺の状況や近隣の市町村の状況など、集計を正確にするということと、緊急性に鑑みて暫定的にも集計した場合には、こうなるという取組があることが、むしろここに書いてある、社会的な杞憂の高まりの時期にかなった対応になるのではないかという印象も感じます。その辺りも実際の担当課としてのお考えをお聞かせいただければと思います。では、質問は以上となりますので、よろしくお願いします。
 
○子ども家庭局
ありがとうございます。まず岩佐委員から御質問がありました、指標1についですが、御指摘おっしゃるとおりだと思います。今、児童福祉司の数を非常に増やしています。ここ4年で3,000人から5,000人にすると、2,000人一気に増やすということで1.5倍程度にしています。ものすごいスピードで増やしているということは、それだけ経験が浅い方が入ってこられますので、現場としてもそういった方への指導にも手が掛かるということは伺っています。そういった方たちを、どう育成し、定着させていくか、また支える仕組みやメンタルケアなど、そういった課題はおっしゃるとおりだと思っています。これについては、私どものほうでも有識者の検討会ワーキングチームで、人材養成の研修の仕組み、あるいは都道府県と市町村の人事交流など、どう育成していくか、質を高めていくかも議論をしています。大変重要なところですので取り組んでいきたいと思っています。子どもや保護者に対する時間がどのぐらい取れるかということもあると思いますし、結局一人一人の児童福祉司の質を高めていくことが、ケアの質を高めていくことにつながってくると思います。ただそうは言っても、まず人を増やすということを今回打ち出したわけですが、それ自体も簡単なことではありませんので、まずしっかりと人を増やしていきながら、その中で質を高めていくことを併せてやっていくことが必要だと思います。
それから、指標5についてです。保健師あるいは母子保健の専門性ということですが、要対協との連携というお話もありました。この子育て世代包括支援センターは、母子保健サイドで主にやっていますが、虐待対応の拠点として市町村に置く子ども家庭総合支援拠点というものも他方であります。これとこの虐待対応を行うケースワークなどを行う拠点と、この母子保健の拠点、これを一体的に運営していけないかという点について、現在社会保障審議会の社会的養育専門委員会でも御議論いただいていますので、そういったところも議論しながら、ソーシャルワークの充実に努めていきたいと思います。
それから指標8についてですが、里親さんの課題ということで、これは本当に御指摘のとおりで里親さんは必ずしも養育の専門家というよりは、むしろ家庭的な雰囲気で育てるという意味においては、普通の大人なわけです。そういった方だからこそ、非常に難しい子どもを受けたりすると、養育に苦労されるという現状があるものと思っています。そのときに、やはりそういう里親さんに対して、どう支援をしていけるかということが大変重要です。おっしゃるとおり里親さんが児相に相談すると、子どもを引き上げられるのではないかといったような懸念もあって、なかなか相談しにくいといったようなことも伺っていますので、そういった里親支援をするフォスタリング機関と言っていますが、そういったところも県で取組を進められるように、いろいろ助成金、補助金の仕組みなどもやっています。こうした里親さんの支援にしっかり取り組んでいく必要があると思っています。
石田委員から、指標2について御指摘がありました。これは座長からもありましたが、そもそも早く実績値が出ないのかということでした。それはそのとおりだと思っています。この死亡数は、数字自体もデリケートな数字であり、虐待による死亡なのかがどうかが判明しないケース、例えば子どもが死産で産まれたのか、産まれたときはまだ息があって、その後に亡くなってしまったのかということでも扱いが違ってきます。亡くなった原因が虐待なのかどうかというのは、なかなか判別が難しい場合があります。実際には専門委員会で、有識者の皆さんに検討していただいて、数字を固めている関係でやや時間が掛かっているものですが、ただそうは言っても早く傾向を掴むことが大事であるという御指摘はそのとおりだと思っています。例えば、虐待相談対応件数は指標には入っていないのですが、虐待相談にどれくらい対応したかというのは大体年度で出しているのですが、コロナの影響を見るために暫定的に、月単位で発表しています。そのようにある程度できるものについては、迅速に発表していくことも非常に大事ですので、そこは引き続き取り組んでいきたいと思います。
指標5について、石田委員からこの×について重く受け止める必要があるのではないか、それから若年妊婦さんなどに対する新たな指標のようなものも考えてはどうかというご指摘をいただきました。これについては検討させていただきたいと思います。
それから指標7について、0~2か月児の把握はどうなっているかというご質問がありました。0~2か月については、乳幼児全戸訪問事業、いわゆる「こんにちは赤ちゃん事業」と言いますが、子どもが生まれたときに全戸訪問をして、様子を確認する事業を行っています。そちらのルートで、最初のコンタクトをしているという現状にあります。そういった場で、こうした健診のつなぎをするなどの取組もしています。
最後に、玄田座長からありました指標2については申し上げましたが、指標8です。里親委託率については、平成28年の法律改正の際に、家庭養育優先原則ということで、かなり意欲的な目標を設定したわけですが、なかなかそれが思うように進んでいないというのは、現状そのとおりであると思います。そこは我々としては、まだこの令和6年度に掲げた、いわば高い目標を目指してやっていくことが、子どもたちにとっていいことだと思って取り組んでいるわけですが、実際に都道府県がこうした養護の措置を取っているということもあって、なかなか御理解が進まないというのが現状なのだろうと思っています。我々としては、この目標に向けて引き続き努力をしていくということが、今の考え方です。
 
○玄田座長
ありがとうございました。ほかに御意見などは、よろしいですか。岩佐委員、どうぞ。簡潔にお願いします。
 
○岩佐委員
簡単に繰り返しになりますが、先ほど申し上げたように、里親さんの支援の環境、支援が重要なのですが、今の法律では、虐待してしまうと登録が外れる点がネックになっているのではないかというところを、私としてはメッセージとして頂いたということで、それ以上、別にここで議論しようということはありませんが、その点です。
それから併せて、先ほどの時間数も同じで、まずは人数を増やすということがものすごく大変で、とても大事だということは理解しつつも、やはりこういう並行した指標で確認しておかないと非常にまずいのではないかということが、私の意見です。
最後に1点。死亡数が非常に増えているかのように取られがちですが、私も別の論文では書いていますが、虐待の死亡数というのは、戦後から見るとものすごく減ってきています。ですので、ここだけが焦点が当たって、しかも最後に何かやった人がまずかったのではないかという議論は、本当はまずいと思っています。むしろ、もっと手前の段階で要保護や要支援児童、特定妊婦さんなどへのきめ細かい対応などが、むしろ死亡事例などに対しては効いてくるのではないかと思っています。これは個人的な意見です。以上です。
 
○玄田座長
それでは担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえまして、実績評価書への反映をよろしくお願いいたします。お疲れさまでした。
では、最後の御準備をお願いいたします。
 
○玄田座長
続いて、施策番号Ⅶ-3-1、「母子保健衛生対策の充実及び旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の円滑な支給を図ること」について、担当課から5分程度で説明をお願いいたします。特に課題の部分を中心に、簡潔に御説明いただければと思います。よろしくお願いします。
 
○子ども家庭局
母子保健課長です。よろしくお願いいたします。当課の母子保健対策の関係ですが、目標が4つございます。令和2年度末までに子育て世代包括支援センターを全国展開すること。産前・産後の支援を強化すること。不妊専門相談センターを全都道府県、指定都市、中核市に配置すること。旧優生保護法一時金支給法に基づく一時金の円滑な支援についてです。
3ページを御覧ください。総合判定の部分で、判定結果については達成に向けて進展がない「C」ということです。子育て世代包括支援センターの全国展開については、74%の達成率ということで目標未達、産前・産後の支援の強化については目標達成、両親学級を含む産後のメンタルヘルスについては目標未達、不妊専門相談センターについても64%の達成率で未達、旧優生保護法に基づく一時金支給については目標値を設定することが適切でないため、評価には馴染まないと認識しております。
4ページは施策の分析についてです。先ほど申し上げたとおり、子育て世代包括支援センターの全国展開は未達という結果ですが、着実に件数は増えていて、一定の成果は得ていると認識しているところです。不妊専門相談センターについても、目標が全ての都道府県、指定都市、中核市という設定ですが、47の全ての都道府県には設置済みです。一部指定都市、中核市で未設置の自治体もありますが、中核市に設置されていない場合でも、県庁所在地である都道府県で運営されているということで、基本的には全国網羅されているという認識を持っているところです。
4ページの最後の所です。引き続き母子保健分野はしっかりと取り組んでいきたいと考えております。現在、新型コロナ感染症の流行が続く中で、妊産婦、小さなお子さんをお持ちの家庭の方々は非常にストレスを抱えて、生活面でも不自由な状況です。引き続き、この分野はしっかりと取り組んでいく必要があるという認識を持っております。
 
○玄田座長
ただいまの御説明について、御意見、御質問などがございましたら、よろしくお願いいたします。
 
○石田委員
資料の作成準備から御苦労いただきまして、改めて敬意を表したいと思います。
達成目標2の指標2ですが、妊娠・出産について満足している方の割合ということですが、乳児健康診査からデータを収集しているとのことですが、未受診者のデータが含まれていないわけで、満足度を指標としては不十分かなと思います。乳幼児健診未受診率については、施策目標Ⅶ―2-1の達成目標2の指標7として、3~5カ月児で2%などの目標値を定めていますが、その目標値を達成できていないデータを活用して評価しているという点でも疑問があります。厚労省は平成30年度の目黒区の児童虐待の問題、あるいは田川市の事案も踏まえて、いわゆる母子保健施策を通じた児童虐待防止対策の推進という中で、乳幼児健康診査を受診していない世帯を適切に把握することを求めていますが、施策目標Ⅶ―2-1の達成目標2の指標7の選定理由等の欄に記載があるとおり、未受診家庭は、受診家庭よりも虐待リスクが高いことが指摘されていて、満足のいく妊娠や出産とならず特別なケアを必要とする可能性も高いと思います。要するに、これは、相談ができて満足したかどうかという指標なのですが、リスクがあるのは、こうした相談を受けなかった人ということなので、健診を受けられなかった方に着目するべきではないかと。ですので、ここの指標の立て方、目標の立て方について、少し御説明いただければと思います。もし、相談等の有無とリスクの高低がリンクしているのであれば、しっかりと全員に健診を受けていただく、あるいは受けていただくためにどのような施策が必要なのか、また、未受診の産婦に関する指標の設定を含めた検討も必要ではないかと考えております。よろしくお願いします。
 
○玄田座長
御質問、御意見を受けて、まとめて御回答をお願いします。ほかにいかがでしょうか。
 
○岩佐委員
私の意見も石田委員とほぼ同じで、建設的に「このような指標でどうですか」と明確に言えないのですが、特定妊婦とか、注意や支援が必要な妊婦を対象に、どのようにリスクを相談として吸い上げたり、アプローチするのか。それができているのか、できていないのかという点に着目した指標を設定できるとよいとと思います。私の1つ目の意見です。
もう1つは、やや大胆な意見なのですが、例えば風俗産業に従事していて、マンション等に住んでいる方たちは、どう考えても高リスクの方たちが赤ちゃんを育てている。どう見てもリスクの高いと思われる領域があり、そこに重点的に対策をできないだろうかと。ただ、実際にどうするのかを考えると、とても難しいとは思っているのですが、世間で余りはっきり言われていないけれども、よく考えてみると明らかに高リスクな所へのアプローチができればよいと思います。そのような観点から、施策の目標や指標が設定できればよいです。抽象的な意見で申し訳ないのですが、以上です。
 
○玄田座長
ほかにいかがでしょうか。
 
○渥美委員
今の御意見の高リスク家庭に関する指標やサポートということに関して、例えば多胎児は、はた目で見ていても追い込まれるリスクが高いというのは割と経験則で、そこは気付いている人たちは多いです。ですから、他の委員の皆さんが御指摘されているとおり、このテーマというのは、満足度等の個人の指標よりも、ネガを0に近付けるということが着眼点だと思いますので、リスクに特化した指標は絶対にあったほうがいいと思います。ただ、高リスクを見せることによって、かえってそこを色眼鏡で見られるということはあるとは思いますから、そこは行政の担当者としてのバランス感覚はお持ちだとは思うのですが、ただ、高リスクというところは重要な視点だと思いますので、これからの施策展開で活かしていただければと思います。
 
○玄田座長
ほかにいかがでしょうか。
 
○皆川委員
指標3に関してですが、達成度と達成の程度については、御説明のとおりかと思います。施策の分析とか現状分析の書き方の問題になるのでしょうけれども、例えば指標3の増加程度だと、令和6年度の目標達成に向けて厳しいと思われます。こうしたものについては、目標の立て方が妥当かどうかや、例えば、今後数値を上げるための施策はどういったことが考えられるのかについて、現状の要因も含めて、そうした点も記載いただければと思います。施策の分析の部分の記載は御検討いただければと思います。
 
○玄田座長
ほかはよろしいでしょうか。私からは、指標1と指標4に関してです。こういうセンターが市区町村にあるということの意義は大変大きいと思う反面、いろいろな理由でなかなか設置が進まない状況を補完する意味として、例えばオンラインを活用して相談できる体制というのは、今どのぐらい考えられているのか。特に、市区町村がプラスになる一方で、近しいがために、かえって行きにくいとか、相談に行っている姿を見られたくないということも、場合によっては想像されて、特にコロナ以降、オンラインを使った相談が、様々な労働施策、厚生労働施策の中でも検討されていると思うのですが、こちらの分野の中でも、そういう形で地域対応とオンライン対応をうまく組み合わせることが考えられるのかどうかも、御意見をお聞かせいただければと思います。以上よろしくお願いします。
 
○子ども家庭局
母子保健課長です。委員から御指摘いただいた点について、回答申し上げます。石田委員、岩佐委員、渥美委員から、ハイリスクに対する取組の御指摘を頂いたところです。
私も全く同意見でして、特に特定妊婦と言われている方々、虐待の可能性のある方々、あるいは多胎の方々は非常にリスクが高く、そういった方に対する施策の充実は重要だという認識は持っております。併せて一般的にはリスクが高くないと認識されている、ローリスクと言われる、言葉を変えますとポピュレーションアプローチという言い方もするのですが、いわゆるハイリスクの方に対する手厚い支援も必要なのですが、一般的にはリスクが高いと認識されていないような一般の方々に対しても、しっかりと取り組んでいくことが、幅広い網を被せて、福利厚生という観点から重要だと考えております。
先ほどの虐待数でハイリスクに専ら着目した施策なのですが、母子保健といった場合には、そういうローリスクの方々に対しても、満足度をできるだけ上げていくという取組も必要なのかなというところで、現行の指標を設定しているという経緯がございます。引き続き、バランスなども含めてしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
皆川委員から頂いた目標の立て方とか分析についても、しっかりと検討していきたいと考えております。
座長から御指摘いただいたオンラインについても、母子保健も同様で、この分野は市町村の分権が一番進んでいる領域かという認識を持っています。1,700の市町村が1,700通りのやり方で母子保健が展開されております。なかなか中央集権で指示を出してというわけにはいきません。各自治体でいろいろと検討しながら、オンラインでの乳幼児のサポートや、妊産婦に対するサポートも行われているという認識です。ただ、一方で、対面で行うサービスの良さや必要性という指摘もございますので、バランスだと考えております。対面で行いつつ、補う部分はオンラインという取組で、国としてもバックアップする取組を引き続き展開していきたいと考えております。
 
○玄田座長
ほかに御意見、御質問などはよろしいでしょうか。
それでは、担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえて、実績評価書への反映など、よろしくお願いいたします。お疲れ様でした。
続きまして、議事次第2の「その他」として、事務局から報告事項がおありとのことですので、よろしくお願いいたします。
 
○室長補佐
本年3月に開催した有識者会議で、委員の皆様から御指摘いただいた事項に対する対応状況を、参考資料6という形でまとめております。総数として61個の意見が出まして、対応したものが40%程度、今後検討したいものが36%程度、対応困難また事実関係の照会等に区分されるものが合わせて20%強となっております。これについては、個別の回答は参考資料6に記載されておりますが、それぞれの委員の皆様の御意見について、再度御意見があるという場合には、この場で御指摘いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
 
○玄田座長
この件について、御質問、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 
○石田委員
直接内容ということではないのですが、少しお時間を頂いて書面で提出させていただくことが可能かどうか、お諮りいただければと思います。
 
○玄田座長
今ここで御意見を頂くよりも、書面で事務局にお寄せいただくというやり方があり得るかどうかということですが、適切な方法だと思いますが、ほかの方も何か御意見はございますでしょうか。特に御異論がなければ、事務局宛てに、石田委員に限らず、対応について書面で御意見などを頂くことをお認めしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
 
○玄田座長
では、そのような方向で進めさせていただきます。説明は後から追加があるようです。では事務局においては、ただいまの委員からの意見を踏まえて、担当課とともに、今後の対応について検討を行っていただきたいと思います。
本日予定していた議事は全て終了いたしました。本日は誠に熱心かつ有意義な御審議を頂きまして、ありがとうございます。それでは、事務局より本日の議論の取扱いについての説明をお願いいたします。
 
○室長補佐
委員の皆様、お忙しい中誠にありがとうございました。本日頂きました御意見の取扱いですが、まず実績評価書の記載に関する御指摘については、担当課において検討し、必要な修正を行うとともに、評価書の所定の欄に反映状況を記載いたします。また、実績評価書に関する御意見についても、この場で時間の制約上、意見を発言できなかった場合がありましたら、7月30日(金)を目途に、事務局宛てに御連絡いただければ幸いです。実績評価書については、当室で取りまとめの上、総務省への通知、また厚労省ホームページでの公表手続を行います。また、9月になろうかと思いますが、最終版を皆様宛てに送付いたします。また、評価書本体だけでなく、今後の目標設定等に関する御意見も頂きましたので、中長期的な検討課題ということで、事務局で整理の上、今回の参考資料6のような形で、次回の会議の際に進捗状況を御報告させていただければと存じます。本日は長い間ありがとうございました。
 
○玄田座長
以上をもちまして、本日の会議は終了いたします。長時間にわたり、御協力ありがとうございました。
 
【会議後の提出意見】
座長の指示のとおり、会議時間の制約により、会議の場で発言できなかった意見については、事務局宛に提出されることとなっていたところ。石田委員より意見提出があったことから、議事録として以下のとおり公表する。
 
 
議事(2)その他
参考資料6「第28回政策評価に関する有識者会議(令和3年開催)委員からのご意見への対応状況)について
 
〇項番43
「達成目標1:総合的な介護人材の確保対策(Ⅷ-2-1)」

廃止される介護職員処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)の算定事業所のより上位区分の加算への移行率については把握していないため、指標として設定することは困難とのことであるが、令和2年6月サービス提供分で同加算(Ⅳ)の算定事業所数は321事業所、(Ⅴ)は449事業所と社会保障審議会介護給付費分科会で報告されたところであり、これらの事業所の加算取得状況を把握することは可能と考える。厚労省は、介護職員処遇改善加算等の取得促進支援事業などで、より上位の区分の加算取得に向けた支援を行うとしており 、これらの移行率を把握し政策評価を行う必要があると考える。
 
〇項番60
「施策目標Ⅶ-4-1(施策目標名:ひとり親家庭の自立のための総合的な支援)」
 
達成目標1(ひとり親家庭を必要な支援につなげる)について
【測定指標1:母子・父子自立相談支援員の相談件数】
厚生労働省は、資料7-1実績評価書の施策の分析において、相談件数が微減傾向にある理由について、行政以外の多様な主体による相談・支援等が充実してきたことを挙げていた。他方、参考資料6においては、どのような相談支援に結びついたかを数値化し評価することは困難としている、回答が微妙にすれ違っている。資料7-1のような理由を記載する以上、少なくとも相談支援を実施している行政以外の団体数やその団体の相談対応件数は把握されているものと考えられることから、行政と行政以外の相談件数をそれぞれ実績値として示すべきである。そのうえで、ひとり親家庭に対し、相談しやすい環境が整備されてきているのか考察することが必要である。

以上