第2回障害児通所支援の在り方に関する検討会 議事録

日時

令和3年7月5日(月) 17:00~19:30
 

場所

 オンラインによる開催

議事

議事内容
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 それでは、定刻となりましたので、これより第2回「障害児通所支援の在り方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
本日の構成員の出席状況でございますけれども、菊池構成員が御都合により御欠席ということで伺っております。市川構成員につきましては、代理として、大塚様が御出席をいただいてございます。それと、柏市の小川(正)次長と神奈川県の高橋課長がちょっと遅れていらっしゃるようで、まだ入っていらっしゃらないと思います。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
配布資料のとおりでございますけれども、議事次第と開催要綱のほか、資料につきましては、資料1~5まで、参考資料につきましては、参考資料1~6となってございます。資料の不足等がございましたら、大変恐縮でございますけれども、ホームページからダウンロードしていただくなど御対応いただけたらと思っております。
また、注意事項でございますけれども、事務局から資料について御説明させていただいた後に、構成員の皆様に御議論いただくわけでございますけれども、御発言される場合には、Zoomの「手を挙げる」機能を使用していただきますようお願いいたします。発言される方につきましては、こちらから御指名をさせていただきますので、指名に基づいてZoomのミュート機能を外して御発言いただき、御発言が終わりましたら、またミュートにしていただきますようにお願いいたします。
挙手をされているにもかかわらず、発言希望の御意思がこちらのほうに伝わっていないと思われた場合には、オンライン会議のシステムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能でございますけれども、原則としては挙手にて意思表示をお願いしたいと思ってございます。
本会議は、資料、議事ともに原則公開としております。議事録につきましては、後日、厚生労働省のホームページに掲載予定となってございます。
また、本会議は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、報道関係者及び一般の方の傍聴は御遠慮いただき、代わりに会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開してございますので、御承知おきをいただきますようお願いいたします。
それでは、以降の議事進行につきましては、柏女座長にお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○柏女座長 皆さんこんにちは。
短期間でこの検討会の結論を出していくということもあって、日時も割とタイトですし、内容もかなりタイトな内容になっております。皆様方、今日も2時間半ですのでお疲れになるかとは思いますけれども、ぜひ、御協力をよろしくお願いいたします。
それでは、早速、議事に入っていきたいと思います。
今日は、団体からのヒアリングを行うことにしております。スケジュール等について事務局から、御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 事務局でございます。
初めに、本日ヒアリングに御参加いただいております団体の皆様を御紹介させていただきます。
初めに、一般社団法人 日本自閉症協会 副会長の今井忠様と常任理事の津田明雄様でございます。
続きまして、一般社団法人 全国医療的ケア児者支援協議会 森下倫朗様、石原綾乃様でございます。
続きまして、一般社団法人 全国重症児者デイサービス・ネットワーク代表理事 伊藤毅様でございます。
以上の3つの団体に御参加いただいております。
本日のヒアリングの進め方でございますけれども、1団体8分間で意見陳述を行っていただきます。6分を経過した時点でベルを事務局のほうで1回鳴らさせていただきます。その後8分になった時点でベルを2回鳴らさせていただきますので、その場合、速やかに御意見をまとめていただきますようお願いいたします。
3つの団体から意見陳述をしていただいた後に、まとめて構成員の皆様から、質疑応答を30分程度で行いたいと思います。質疑応答終了後は、団体の皆様は、御発言は御遠慮いただきますけれども、そのまま検討会の議論を聞いていただいても、お忙しいと思いますので、御退室いただいても、その時点で構いませんので、どうぞよろしくお願いいたします。
事務局からは、以上でございます。
○柏女座長 それでは、最初に日本自閉症協会様、よろしくお願いいたします。ベルが鳴って恐縮ですけれども、8分という限られた時間ですが、よろしくお願いいたします。
○今井(日本自閉症協会) 津田理事と出席しております。資料を御覧ください。
表紙を飛ばして、2ページをお願いいたします。下のほうです。会員は1万2000名で、親がメインですが、当事者と専門家も入っています。
3枚目をお願いします。要点だけ述べます。
まず頭の部分、上に書いていますけれども、自閉症スペクトラムは、個別性が高く、特性に合った活動が大切です。訓練あるいは集団訓練という言葉は間違った支援を生みます。修正が必要です。重要なのは、結局、支援人材です。
次に、Iの部分です。センターの位置づけ。センターは地域における中核を担う存在として、早期発見から療育につなげる機能を持つ必要があります。「背景・根拠」の部分。1歳半、3歳健診での気づきを適切な療育につなげていくコーディネートと親支援、さらに、地域の保育所、幼稚園などの一般児童が通うところも含めたコンサル、様々な関係機関との連携といった地域支援機能、加えて、困難なケースへの直接支援も望まれます。しかし、職員の数を考えますと、地域にある高いレベルの通所事業所と連携することが必要です。これは次にも関係します。
次に、下のⅡです。事業所も放デイも療育を主たる役割とすべきです。課題は支援スキルです。高い専門的療育については、児童発達支援センターとの連携を志向すべきです。最下段のほうですけれども、障害児の療育については、一般児童の施策との連携が必要です。一般児童と障害児が分離されてはなりません。一般児童が通うところへの施策が必要です。また、親の就労支援の側面は無視できません。家庭が安定することは子供のためにもなります。ただ、支援スキルがなければ、就労支援にもなりません。
では、津田にバトンタッチします。
○津田(日本自閉症協会) 津田です。交代してお話をさせていただきます。
私はNPO法人もやっておりまして、実際に、自分自身も幼児期から成人期まで継続した支援をしておりますが、その中で児童発達支援事業や放課後等デイサービスの運営も行っているところでございます。
さて、3ページを御覧ください。Ⅲ「障害児通所支援の支給決定の在り方について」でございます。
放課後等デイサービスについては、手厚い支援を行う事業所については、従来、児童指導員等加配加算がありましたが、4月の報酬改定で、これが専門的支援加算と個別サポート加算(Ⅰ)、個別サポート加算(Ⅱ)という形に変更されました。専門的支援加算については、専門職の配置を評価することとして、従来とは対象とする職種が変更となりました。新たに決められた専門職は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員、国リハ視覚障害学科履修者となりました。
これらの資格の方は、それぞれもちろん専門的な勉強をしてきて、力のある方ではございますが、現在、放課後等デイサービスを利用している利用者の多くの方の障害の状態といたしましては、知的障害や自閉症スペクトラムを中心とした発達障害の特性を持つ方が多いのではないかと思います。そういう意味合いでは、今回、指定いただきました専門職の方の持つ専門性とは必ずしも一致していない面があると考えております。
そのため、専門的支援加算の対象に、5年以上児童福祉事業に従事した保育士、児童指導員を加えていただくことを要望します。この対象者は、従来は、専門的な力を持つ人として加算の対象となっていました。現場で児童と関わりながら、事業所として専門の力をつけるよう養成してきた人でございます。それなりに力をつけていますので、今回、指定された資格の方と比べて専門性がないとは考えられません。支援の経験を積んでおります。そして、児童発達支援事業のほうの専門的支援加算では、この5年以上の方たちは専門の対象となっておりますので、幼児期から学齢期につながることを考えましても、これらの方を含めていただくことは妥当ではないかと考えております。
それから、障害支援区分についてもちょっと書面に記載をいたしましたけれども、この支援区分の表現は、通常、成人期に使われるものでございますが、児童期につきましては、重度判定ということで、これに準じた運用がされております。身辺自立ができて、言葉の会話ができるという児童については、軽い評価になりやすい面がありますが、こういう方についても、実際は現場では、他の児童とのトラブルが起きやすいなど、問題が見られることもありますので、ぜひ、適切な評価がされるようにお願いをいたします。
それから、次にⅣ「その他 従事者のもつべつ専門知識に関する課題について」でございます。従事者が、知的障害及び自閉症スペクトラムを中心とした発達障害についての専門性を高めることが重要となっています。現在、これらの事業に従事する方が持つ公的な資格については、先ほど出しましたが、知的障害や自閉症スペクトラムを中心とした発達障害についての支援に関する専門性について十分に学んでいるとは言えません。強度行動障害支援者養成研修のように、重度知的障害の方や自閉症スペクトラムを中心とした発達障害の特性を持つ人に対する支援者養成研修を行っていただき、利用者の方の理解を深めて、支援の質を高める取組を要望いたします。
参考資料として、最後に5ページにつけてございます図Ⅲとして、帝京大学の研究でございます。その下のグラフでございますが、事業所の利用を決めた理由を聞いております。その中で一番多いのは、「子供の発達の状況に沿った支援が受けられると思ったから」が70%で一番多いわけでございます。それ以外にも、「保護者の悩みや困っている状況に沿った支援を受けられると思ったから」など、そこを見ましても、療育を望んでいる人が非常に多いということでありまして、これに応えていくことが大切ではないかと思っております。預かりを期待している人もいないわけではないので、「開所時間が長いから」というのはありますが、それは比率としては少なくなっております。
それ以外のちょっと補足でございますが、自閉症スペクトラムは、外見では分からない障害でありまして、言葉で会話ができる児童も少なくないことから、保育園、幼稚園、学校などにおいても、他の児童とのトラブルとか不登校などの問題につながるケースが出ております。そういう意味合いで、早期発見、早期療育を基本とした取り組みが大切であります。強度行動障害など、行動障害で家族も支援者も本人も苦しんでいるケースも問題となっております。早い時期から適切に育てていくことで、このような重篤な問題とならない対応をして、よりよい成人期につないでいくことが大切だと考えております。
これらのことから、児童期に支援を行う事業は極めて重要と考えます。これらに従事する方の専門性を高め、また、障害のある児童と障害のない児童の境目もはっきりしていないことから、通常の保育園、幼稚園、学校などでも、そういうような問題が出ているケースもありますので、幅広い分野において理解を深め、合理的な配慮をもとにした適切な支援を広げていただき、関係者が必要に応じて連携した取り組みをしていくことが大切だと考えております。幅広い関係者の方に自閉症スペクトラムを中心とした発達障害についての理解と支援について広めていただきますようお願いをいたします。
以上でございます。
○柏女座長 ありがとうございました。
続きまして、全国医療的ケア児者支援協議会様、よろしくお願いいたします。
○森下(全国医療的ケア児者支援協議会) 私、全国医療的ケア児者支援協議会の事務局をしております森下と申します。よろしくお願いいたします。
まず1ページ目に団体の概要の記載がございまして、簡単に説明をさせてください。
設立は、2015年7月11日で、ほぼ6年前という形になります。
主な活動目的は、医療的ケアを必要とする人と家族が笑って暮らせる日本社会の実現を目的としておりまして、会員数が現在1,145名いる団体でございます。
簡単に、3ページ目からお話をさせていただきたいと思いますが、まず最初に、「障害児とその親が置かれている厳しい状況」について情報を共有させていただいた後に、提案をさせてください。
まず1つポツ目です。「障害児の介助者の就業率は、女性一般に比べて低い」ということです。女性の就業率は年々高くなってきておりまして、1986年から比べると、2016年で約15.6ポイント上昇しております。2016年で72%の女性の方が就業している。一方で、障害児の5歳児以下、未就学のお子さんに関して言うと、主な介助者はほとんど母親になりますが、就業率が47.8%と非常に低くなってきております。働きたくても働けないお母さんが多い。ましてや、フルタイムで働くことはなおさら難しいという状況になってきております。
さらに、障害児の保護者の介護負担もストレスとして非常に大きくなってきておりまして、特に働けないことによるストレス、経済的な理由が大きいかと思いますが、そのほかにも社会とつながりがなかったりとか、あとは、育児から解放されることがなかったりとか、そういうことでストレスが増えてきたりと。あとは、障害理解の不足による介護ストレスもございます。制度支援がどうしても足りていない状況がありまして、例えば保育園に入園できないとか、あとは特別支援学校にお子さんを通わせるときに、保護者が付き添いをしなくてはいけないということで、かなり保護者に負担が強いられているような、今、状況かと考えております。
3つ目のポチですが、そんな状況にもかかわらず、保育園では、医療的ケアが必要なお子さんの預かりはほとんど進んでいないという状況です。皆さん御存じのとおりだとは思いますが、19歳以下の医療的ケア児は非常に増えてきておりまして、全国に約2万人おります。現在も上昇傾向にありますが、一方で、2021年、今年、自治体ヒアリングを医ケア協議会の事務局を担うフローレンスが行ったところ、都内の保育所で呼吸器のお子さんの預かりが確認できたのは、実は港区1園のみでした。港区立の元麻布保育園ですが、その園のみで医療的ケアの重い子とされる呼吸器のお子さんの預かりが確認できたという状況です。まだまだ一般的な保育園においては、障害が重い子、医療的ケアの医療依存度の高い子の通園がかなっていないという状況がこの辺から分かってきました。
ですので、保育所機能を有した児童発達支援が求められるのであろうと考えております。保育所ではどうしても医療依存度の高い子の保育がなかなか進んでいない状況ですので、児童発達支援で長時間、さらには、お子さん単独で、別の言い方をすれば母子分離もしくは保護者分離の状況で預かりを実施することが重要な課題だろうと考えております。
児童発達支援であれば、リスクの高い子や障害のある子が通っていても、看護師がおりますし、障害児保育もしくは療育について知識を有した職員がいるという状況かと思いますので、十分に安全で、さらには、子供の成長・発達を大きく促せる事業だったり療育が提供できるというのが、児童発達支援の大きなポイントかと考えております。なので、ぜひとも、児童発達支援において、長時間母子分離の保育だったりとか、お子さんの預かりが進むべきと考えております。
次のページを御覧いただければと思います。こちらのページで、今後の児童発達支援事業の在り方について提案させていただいております。
1つ目のポツが、「長時間保護者不在の状況下で預かるために必要な人員」ということで、具体的な数字を提案させていただいております。これは、医ケア協議会の事務局を担っておりますNPO法人フローレンスが運営している「障害児保育園ヘレン」という、今お話ししていることと全く同じことを行っている事業所がございまして、つまるところ、重い障害のある子や医療的ケア児を母子分離で長時間、平日、週5日間預かっている施設があるのですが、そこからの実数を引っ張ってきております。
例えば仮に、重心のお子さん5名、重症心身障害児以外のお子さんを7名ほどお預かりして、保育園と同等に保育所として、もしくは児童発達支援を運営するとなった場合、実は、児童発達支援の指定申請に必要な人員配置を大きく上回る人員が必要になってしまうというのが分かっております。それだけ多くの方を雇用しないと成り立たないというのが実情でございます。
さらには、児童発達支援は比較的短めの時間で運営するところが多いのですが、仮に保育所と同等に運営する場合ですと、例えば10時間以上運営するということであれば、職員シフトを組む必要がございまして、朝番、昼番、夜番という感じで何重にもシフトを組みますので、結果として、多くの職員を雇用する必要が出てきてしまいます。
その結果、長時間運営を行うとなった場合、それだけ多くの職員を雇用し、それだけ支出も多くなってしまいますので、現状の児童発達支援での報酬単価だけでは、どうしても財務上赤字になってしまうというのが大きな課題かと思っております。具体的な数字として、年間5,400万ほど赤字になってしまうという記載があるかと思いますが、そのぐらいの額が赤字になってしまいますので、事業としてはなかなか成立しづらいというところがあるかと思います。
ですので、2つ目のポツのところに、報酬体系というタイトルで御提案させていただいておりますのは、児童発達支援で保育所と同等に運営するためには、子供が単独通園し、かつ長時間開所する事業所を正当に評価していただきたいというのが、我々からの御提案となりまして、3つ目のポツには、それからのつながりで、2つの児童発達支援事業の在り方が議論されてもいいのかなと考えております。
大きく2つに分けた場合で、具体的にはいろいろな形の児童発達支援があるかとは思うのですが、まず最初に大きく2つに分けた場合、この左側の水色のものですね。保育所型=保護者分離型と名づけておりますが、中重度以上の障害児を保育所と同様に預かる事業所。さらには、成長発達に寄与する療育を実施するというものを、まず一つ保育所型として考えております。中重度以上は、先ほども出てきました呼吸器のお子さんだったりとか、気管切開のお子さんだったりとか、一般の保育園では、こういったお子さんたちをなかなか預かりが進みませんので、そういった方々は、専門的な知識のある児童発達支援で。一方で、医療依存度の低い方だったりとか、そこまで医療的ケアのない方、障害の程度が低いとされる方たちは認可保育園に行くという2つのすみ分けがあってもいいのかなとまず考えております。
児童発達支援においては、さらに、もう一つ、療育プログラム提供型という、右側のオレンジ色の枠組みで書いてあるものです。これはどちらかというと既存の児童発達支援に近いものだとは思うのですが、保護者とお子さんが一緒に活動を受けて、障害の理解を深めて、障害特性の対応や療育について、きちんとゆっくり学ぶ。家に帰って、同じようなことを、また、お子さんに提供してあげるというのが療育プログラム提供型の児童発達支援の在り方なのかなと考えております。
2つに分けるのは、ちょっと乱暴なところもあるのですが、子供たちをしっかり保育して、長時間母子分離で預かるというタイプの児童発達支援が今後増えていくことが望まれますので、そういうふうに考えてもいいのかなと考えて、記載をさせていただきました。
以上が、医療的ケア児者支援協議会からの御報告と意見になります。ありがとうございました。
○柏女座長 どうもありがとうございました。
続きまして、全国重症児者デイサービス・ネットワーク様、よろしくお願いいたします。
○伊藤(全国重症児者デイサービス・ネットワーク) お時間いただきまして、ありがとうございます。全国重症児者デイサービス・ネットワーク代表理事の伊藤毅と申します。よろしくお願いいたします。
まず2ページ目の団体概要になりますが、設立は、平成26年11月4日になっております。
当団体は、重症心身障害児者医療的ケア児者を主とする児童発達支援事業や放課後等デイサービス事業の支援団体でございます。重心型の事業所と呼んでいるのですけれども、その一つ一つが非常に小規模のため、制度に対する情報や行政との交渉、スタッフの教育や人材確保、こういったものの事業所同士が連携をしていくことで諸問題の解決を図り、重症心身障害児者・医療的ケア児者が全国どの地域でも普通に暮らせるようにとのことで設立をした法人でございます。
主な方針内容としましては、支え合う・助け合う・つながり合うということの方針の内容から具体的に施策をつくっていきます。
下段に書いてありますが、支援対象事業所の人員配置でございますが、児童発達管理責任者、看護職、保育士、児童指導員またOT・PTなどの機能訓練担当職員といった専門職が非常に多い事業所の運営となっております。
地域生活の中の「重症児・医療的ケア児の療育と文化交流の場」ということで、互いの存在を認め合うということで五感を刺激し、社会的成長を促す場として捉えております。学校とは違う放課後という空間を専門的な有資格者が支える福祉サービスでございます。
それでは、3ページ目を御覧ください。主に団体が重症児者・医療的ケア児者資格の事業所が多いですので、全体的にまとめるというよりも、意見のある事項について御意見をさせていただきました。
児童発達支援センターの位置づけにつきましては、児童発達支援事業(重心型)所とセンターの違いということで、重心型は定員5名となっております。また、放デイとの多機能型であれば、合わせて5名と、比較的小規模でございます。個別支援計画に基づき、児童の成長に合わせた支援を提供しております。対象分類は、大島分類でいうところの1~4や医療的ケアが必要な児童(歩ける医療的ケア児含む)となっておりますので、障害やケアは個人差があっても受け入れを可能としております。これは、事業所は看護師が常勤であるというところです。この観点型から、「福祉型」「医療型」があり、相談支援的要素もあるセンターとは異なる形態と思われます。
中核機能につきましては、「福祉型」「医療型」に関しましては、機能性や障害別に分けるのではなく、例えばインクルージョンとして一本化したほうがいいのではないかという意見がありました。医療的ケア児支援法が成立され、医療的ケア児支援センターの設置も義務化される中で、例えば各支援センターを統合するなどの機能的集約につながるという形を御提案してみてはどうかと。そこに、医療的ケア児支援コーディネーターや発達支援コーディネーターの配置を行い、一番大事なのは、病院と事業所の中間的役割を担うことが一番可能ではないかと思っております。
また、総合的な支援センターであれば、各市町村に1か所ずつの設置を目指すことが望まれます。また、相談支援専門員の配置をする支援事業も担うという要素が非常に重要になってくるのかなと思っております。保育所等訪問支援を行うことで、Ⅲのインクルージョンの推進についてもカバーできるのではないでしょうかということで陳述させていただきました。
続きまして、「児童発達支援・放課後等デイサービスの役割・機能の在り方について」ですが、さきに言いました事業の方針と理念が明確に記載され、保護者に通達されているのかというところがあるかと思います。「補修塾」というコンセプトを明確に打ち出していたとしても、全体の対象年齢のサービスになり得るのか。また、「預かり的」ということをコンセプトに打ち出していることを保護者の理解や利用者の成長や発達につながっているのかというところが疑問視されるかと思います。完全なそういう預かり型であるということであれば、今後、報酬などを考えていく必要があるかと思います。
重心型は5名定員で、ほぼマンツーマンの支援体制で行っております。主に保育士、児童指導員が日々の療育のプログラムを計画しており、そこにOT、PTなどの要素も追加されます。こういった一般型でも、そういった人員配置基準があってもよろしいのではないか。有資格者を含む人員配置の厳格化、職員数、定員数の見直しなどが今後必要になってくるのではないかと思っております。私たちがやっているのが重症児や医療的ケア児というところですが、最後の、軽度の障害は手がかからないということではないということを強くうたっていければなと思っております。
最後になりますが、「事業所指定の在り方について」ですが、事業所の指定時では、その事業所の一番大事なところである理念、方針が見えない部分としてなかなか押さえ切れないと行政からも聞いております。行政より実地調査とは異なる、例えば環境点検を改めてつくってみて、半年に1回は自主点検、1年に1回は法定点検(行政調査あり)のような、事業所としてのコンプライアンスを自治体とともに遵守するという関係を築いていくことはできないかということで、意見がありました。
以上でございます。ありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございました。
皆様の御協力によりまして、少し時間が取れておりますので、ここで、構成員の方々から、今の3団体の方のヒアリングをお伺いした上で、先に御質問を30分ほど取りたいと思います。どなたからでも、どの団体に対してでも結構ですので、まずは御質問をいただき、意見にわたる部分については、その後、また、議論をする時間もございますので、そちらで頂戴するとして、まずは御質問をお願いしたいと思います。30分程度取りたいと思います。何かありましたら、よろしくお願いいたします。
大塚さん、お願いいたします。
○大塚代理人 日本発達障害ネットワークの大塚です。
ヒアリングに御協力いただきまして、ありがとうございます。2つほど質問をさせていただきます。
1つは日本自閉症協会さんにお願いいたします。
児童発達支援センターの議論において、その中核機能が問われているのですけれども、これについて明らかにすると。そのために、例えばお話の中にも出てきたかもしれませんけれども、専門性という観点からも、各都道府県、政令市までは、発達障害者支援センターがあります。それが県の大きな部分にあれば、児童発達支援センターは、その旧障害福祉圏域レベルにおいてきちんと支援をするような体制、さらに、地域には児童発達支援事業があると。このような重層的な支援体制があれば、まだなかなかつくられていないのですけれども、発達の課題がある方に対していろいろな支援ができると。これは発達障害ということにまだ限定されているのですけれども、そのような中核的機能をどう考えるかなのですけれども、いろいろなものの中心ということだけではなくて、県、市町村、そういうところの関係から中核機能をどう考えるかということをお聞きしたいと思います。
それから、もう一点、児童指導員と保育士については、様々な形で勉強をなされてきて専門性があるのだということ、OT、PT、STなどとは別な体系があるのだと。そういう現場のニーズがあるのかもしれませんけれども、どのようにしたら、その方たちについて、例えば自閉症スペクトラムの専門性が得られるのか。単に勉強してきたからではなくて、証拠がないとなかなかということなので、その辺をお聞かせください。
それから、もう一つは医療的ケア児者支援協議会の方について、重心とも関係しているかもしれませんけれども、本質的なところは、今後の支援を考えるとき、例えばお母さんたちの働くということに非常に困難を抱えていると。それを保障しなければならない。その中で、児童発達支援についても、預かりという言葉がいいかどうかは分からないのですけれども、むしろ、お母さんの就労を保障する保育かもしれません、預かりかもしれません。そういうものと児童発達支援事業の中でやっているセンターでというのは、なかなか困難があるかなと。2つに分けるということがありましたけれども、私の所見ではないのですけれども、例えば医療的ケア児のための保育支援機能みたいな、専門的保育支援機能、そういう一つの事業、あるいはそれを法的に規定したほうがいいのではないかと。今の児童発達支援の中で、こちらは、本人にウエートを置くか、あるいは母親の就労に置くかと、この2つをなかなか統合できないので、その辺をどう考えるかということを御質問します。
すみません、長くなって。
○柏女座長 それでは、日本自閉症協会の方からお願いできますでしょうか。
○今井(日本自閉症協会) 最初に私から。御質問の1つは、発達障害者支援センターと児のセンターとのすみ分けですけれども、これは地域によってかなり違って、入ってきている情報では日本全国こうだよとはなかなか言えません。
だけど、少なくとも中核機能については、もっと狭い地域で児のセンターがありますから、その地域の児については、第一義的に責任を持っておられるという感じになればいいと思っています。
あと、津田さん追加で言ってくれますか。
○津田(日本自閉症協会) 分かりました。
今の中核機能について、一つ私も申し上げたいと思います。中核と言ったときにどの機能を果たすかというのはなかなか難しくて、例えば療育機能を果たすということにつきましては、療育は、直接関わらないで療育をすることはなかなか難しいだろうと思うのですね。その地域でたくさんの子供がいますので、それについて、間接的には中核的機能の支援センターが相談に乗ったりアドバイスできることはあるかもしれません。適切な支援ができている事業所を紹介するとかですね。ただ、直接療育は多分できないだろうと思いますので、実際に必要なところとしては、例えば1歳半~3歳児の辺りで、親が受容をしていない方も結構いるのですね。そういう方について、実は保健師もどういうふうに前に進めていくか、どういうふうに療育につなげるかということを困っているケースも結構多いと私は見ております。
そういう意味合いで、そういう段階で誰が相談に乗れるのか。発達障害者支援センターは広い地域にあるわけですし、個々は難しいわけですから、そういう意味合いでは、こういう支援センターがある程度相談に乗り、その先の具体的な療育になったら事業所につないでいくという、そういうようなやり方が一つ考えられるのではないかと考えております。
それから、児童指導員等の問題でございますが、確かに経験ということで資格がない、どう見たらいいのかということがございますが、それは現在認めている資格ですね。例えば理学療法士の方がいれば、なぜ自閉症の人に対する専門性があるということになるのかということで言えば、そういう勉強をしているわけではないわけでございます。
今回指定された資格が、全体に、知的障害の人や自閉症の人を支援することについて専門的な方ではございません。そういう意味合いでは、保育士の方や児童指導員の方は、経験をする中では積んできているわけでありますから一つであろうと考えたわけであります。
そして、実際のところ、それでも、御指摘のようにばらつきがあることは事実だと思いますので、ここのところにつきましては、国として、強度行動障害支援者養成研修と同じように、知的障害や自閉症スペクトラムの方が多い事業所に対して研修を行っていただきたいと思います。これは幼児、児童だけではございません。成人期についてもそういう方が多いのですが、これについての専門性のある資格が今はないのですね。ですから、専門的な資格がない方が福祉関係のいろいろな事業で専門家として今やっているわけでございます。そこについては、国全体として、専門性について、児童支援についてもう少し考えるのであれば、もっとほかのところも含めて考えるべきではないかと考えております。
以上でございます。
○柏女座長 それでは、全国医療的ケア児者支援協議会のほうでお願いできますでしょうか。もう一つの御質問で。
○森下(全国医療的ケア児者支援協議会) あくまでも児童発達支援の枠組みの中で、障害児、特に医療的ケア児や重い障害のある子の保育をやる場合にどうしたらいいのかという発想で、まず考えたのが今回の内容になります。
ですので、今、大塚先生がおっしゃったように、もっと大きく考えて、そういう医療的ケア児の保育園をつくる制度だったり、法的なものをしっかりとつくった上で実施するのは本当に大賛成です。そうなっていくのが一つの理想だなと思っておりまして、児童発達支援の中だけでやろうとすると、どうしてもいろいろなところに無理がかかってくるというのが現状かと思いますので、そういった方向で何かを考えていければ非常によいなと思いました。そういう発想は今までちょっとなかったので、新しい視点をいただいたなと、今、感触を持ちました。ありがとうございました。
○柏女座長 大塚さん、よろしいですか。
○大塚代理人 ありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございます。
専門性の議論は前回も出ましたけれども、これからもついて回る議論だと思います。生活総合性の専門性と特定目的のための専門性は異なるので、それぞれ考えていかなければいけないだろうと思いました。ありがとうございます。
では、又村さん、北川さん、小川(陽)さんの順でお手が挙がったように記憶していますので、それでお願いできますでしょうか。
○又村構成員 ありがとうございます。
全国手をつなぐ育成会連合会 又村でございます。ヒアリングありがとうございました。
今、大塚先生から御質問があった2つ目が、私も同じことをお聞きしようと思っていたので、そこは割愛しまして、自閉症協会さんと重症児デイネットさんに一つずつお伺いします。
まず自閉症協会さんですが、児発センターの位置づけの部分で幾つかの機能を具体的にお示しいただいておりますが、こういった取り組みをしていくとなると、この取り組みにある程度の人員を割かざるを得ないのかなという印象を持ったのが1点と、もう一点は、これをどちらかというとセンターの役割と考えたときに、例えばですけれども、センターとしては、先ほどの津田理事からのお話もあったように、1.6~3歳健診で気になるお子さんがフォロー教室的な対応をしていくところと、あとは、とても大変な状況にある御家庭のケースを直接支援し、そうではないという表現はあまりよくないのですが、つながりが持てた方については、児発事業等につないでいくとともに、困難性が一定程度改善された場合にも児発事業のほうにつないでいくということを考えると、センターとしては、要するに困難性が高いとされるお子さんを重点的に対応していき、それ以外は地域支援のほうに力を置いていくというようなイメージをお持ちなのかということの確認が1点でございます。
それから、重症児デイネットさんは、特に、先ほど、センターの統合というような表現がありました。3ページ目だったと思いますけれども、医療的ケア児支援センターと各支援センターとの統合というお話の中で、発達障害支援センターとの統合もというような言及があったかと思いますけれども、これについては、今後、各地域での検討になると思いますが、お考えとして、医療的ケア児支援センターと発達障害支援センターが一緒に活動していくことによって、効果があるとお考えなのかという点をお聞かせいただければと思います。
以上です。
○柏女座長 それでは、日本自閉症協会さんお願いします。
○今井(日本自閉症協会) まず、それだけの機能を果たそうと思ったら職員は足らないと思います。
2点目は、専門性とも関係するのですけれども、直接支援もやらなければいけない、かなり重篤な人については直接支援をやることがなるべく望ましいと。「望ましい」と書いてあるのは、それだけの実力を必ず備えることが現実的かという問題があるわけです。
しかし、その地域をよく見ますと、放デイであったり、事業所であっても、かなり進んだことをやっている事業所があるところが結構ありますので、そういったことを連携してやるべきであって、全部を自前でやる必要は必ずしもないのではないか。そういう意味で中核と思っております。
津田さん、追加があれば、短くお願いします。
○津田(日本自閉症協会) 今の困難性が高い人ということが特にございました。困難性が高い人について、支援センターなら支援ができて、事業所ではできないということではないのだろうと思います。事業所によって相当違いがあると思います。実際に困難性が高い人への支援につきましては、直接関わって支援をしないといけないわけであります。支援センターの定員は基本的には10名程度でございまして、困難性が高い人を全て支援センターに連れていくことはもちろん無理でございますし、支援センターがたくさんの方の支援に関われるかどうかということも問題がございます。
そういう意味合いでは、具体的に困難性が高い方については、適切な事業所につなげることができるかどうかということが特に大事なのではないか。支援センターが全部負うというものではないのだろうと、現実的にはそう思っております。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、全国重症児者デイサービス・ネットワークさんお願いいたします。
○伊藤(全国重症児者デイサービス・ネットワーク)
又村さん、御質問ありがとうございます。ご無沙汰しています。
先ほどあった統合という話につきましては、意見が出たのは、まず地域目線で見ると、地域に1つそういうセンターがあると安心感というか、地域に、各市町村に1つつくるというところを大きな目的に考えたいと思って、御提案させていただきました。分散型という考えもあるのでしょうけれども、集約することによって、そこにあるという安心感と、あとは、共通する例えば事務部門であったり、そういうシェアできるようなところは各地域でシェアをして、一つの総合支援センターをつくるのがいいのではないかという意見がありました。
とりあえずは、以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
○又村構成員 ありがとうございます。
今の伊藤さんの話で、都道府県、政令市単位で設置する医療的ケア児センターとか発達障害者支援センターとちょっと切り口が違うらしいことは理解できました。ありがとうございました。
○伊藤(全国重症児者デイサービス・ネットワーク) 申し訳ございません。よろしくお願いします。
○柏女座長 では、北川さん、お願いします。
○北川構成員 ヒアリングありがとうございました。
日本自閉症協会にお聞きしたいのですけれども、児童発達支援の在り方と一般施策との関係ですが、ここには児童一般施策との連携が必要であると書いてあります。実際、一般施策との連携とかインクルージョンとか、みんなが求めていることだと思います。自閉症協会さんとしては、自閉症の特性を考えたときに、すごく大きな集団で、環境の中で刺激がすごくあって、混乱しやすく、それが原因でいろいろなトラブルになったりするお子さんもいると思うのですけれども、そういった辺り、社会的養護のほうでは、保育園の刺激があまりにも大き過ぎるから、逆に、小さな保育園をつくってはどうかという意見も出ている中で、自閉症協会さんとしては、発達障害の敏感な子供たちにとっての集団の在り方とか、大人の関わりとか、どんなふうにお考えになっているのか教えてください。
○今井(日本自閉症協会) 自閉症スペクトラムと言ってもいろいろなタイプがあるので、どっちかこっちかとはどうも言えないのですね。それで、確かに集団が苦手な子は相対的には多いのですけれども、そこに書いたのは、今、分断が起きていて、発達障害とか何かが分かったら保育所が受け入れないとはっきり言うところもあるのですよ。それはやはり行き過ぎだろうと思うのですね。受入れ判断は個々の児童で見ていくべきだと。そういう意味で書きました。集団が苦手な人はそうではないところでやるべきだと思います。
なお、確かに集団に合わせるための訓練みたいなことが、発達障害支援のスペックの中に入っていたと記憶していますが、その考え方そのものがもともとずれているのではないかと思います。
以上ですけれども、津田さん、何か追加がありますか。簡単に。
○津田(日本自閉症協会) 今の一般施策との連携は、今いろいろお話にありましたので、あとは、例えば普通の小学校の中にも自閉症スペクトラムの方が結構いますし、幼稚園の中にも結構いることは事実であります。その中で、みんなと遊び時間の中で一緒に関わってはいないけれども、勉強などは一緒にできるという方もいるわけですし、常にみんなと一緒に活動しなければいけないというふうに全ての場面について強制をせずに、配慮をしていただくことができれば、普通の幼稚園や学校で過ごせる方もたくさんいると私は見ております。そういう意味合いで、その方についても何らかの配慮が必要です。何でも集団の中に入りなさいということで関わるように取り組むと難しくなったり、あるいは黒板の筆記とか勉強の面とかいろいろなところで何らかの配慮が必要なこともございますので、そういう意味合いでは、一般施策の中でもぜひ御配慮をお願いしたいと思っております。
○北川構成員 ありがとうございました。
○柏女座長 では、小川(陽)さんお願いします。その後、加藤さん、手が挙がっていますので、加藤さんにお願いいたします。
○小川(陽)構成員 皆さまお疲れさまです。ヒアリングどうもありがとうございました。
私のほうからは、一般社団法人日本自閉症協会様と、全国重症児者デイサービス・ネットワーク様に、それぞれ一点ずつ質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず一般社団法人自閉症協会様ですけれども、児童発達支援センターの位置づけについての部分の文章を拝読させていただくと、相談支援の機能に期待されているところが多いとの印象をうけました。特にお聞きしたいのが、コンサルテーションという記載がありますけれども、このコンサルテーションの機能として具体なイメージがあれば、ぜひ、具体的に教えていただければ幸いです。
続きまして、全国重症児者デイサービス・ネットワーク様ですが、児童発達支援センターの位置づけについての中核機能について、相談支援専門員を配置し、相談支援事業も担うとあります。私の知っている範囲では、そうしたことも大分進んでいるのではないかと思っている一方で、あえて、ここを強調していただいた背景として、どんなことが課題として思われているのかについてお聞かせいただければ幸いです。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、日本自閉症協会の方、お願いします。
○今井(日本自閉症協会) そこのコンサルテーションという言葉の前についているのは、いずれも、障害児もそうでない児童も通うところを書いています。ですから、そこに実際に存在する児童たちに対する助言などをコンサルテーションとしました。
○小川(陽)構成員 これは、いわゆる既存にある保育所等訪問とか巡回相談とかと分けずにということですね。
○今井(日本自閉症協会) そういうところから、その相談を受けるということなのです。巡回相談なども含みます。
○小川(陽)構成員 ありがとうございます。
○柏女座長 では、全国住所児者デイサービス・ネットワークさん、お願いします。
○伊藤(全国重症児者デイサービス・ネットワーク) 御質問ありがとうございます。
相談支援事業の件は、この中の児童発達支援センターとの違いというところで明確なところだと思って、ちょっと強調させていただきました。基本的に、児童発達支援事業は、児童の現場色が強いものですから、支援センターとなると、中核組織は、こういう相談支援事業になるところの位置づけとしては、児童発達支援事業とは違うところということの強調性でございます。
○小川(陽)構成員 どうもありがとうございました。確認できました。
○柏女座長 では、加藤さんお願いします。
○加藤構成員 今日は、意見出しありがとうございました。時間もあまりないようですので、日本自閉症協会さんに2点、それから、全国医療的ケア児者支援協議会さんに1点質問させていただきたいと思います。
1点目の日本自閉症協会さんの意見で、異業種からの参入の見直しというようなことは、文脈からすると何となく否定的な表現で書かれているのですが、これは具体的にはどういうことなのか。これに対して、何かいい改善策等があれば教えていただきたいというのが1点目です。
それから、もう一点、最後のページのグラフの点ですが、これは別の方がやられた研究ですので、日本自閉症協会さんは直接は関係ないと言えば関係ないのですけれども、これから私自身が日頃ちょっと疑問に思っているのは、この図Ⅱのトップにある、相談支援事業所の相談員による情報提供が25%とあるのですけれども、何となく発達障害系の方たちの場合に、セルフプランでやられることが多いような気がするのですけれども、その辺、日本自閉症協会ではどういう認識をされているのか、ちょっとお伺いしたいなと。
セルフプランがシェアとして大き過ぎると、結局、地域でのコントロールが効かなくなるという、今の例えば放デイなどの混乱自体は、まさにその辺が大きな原因になっているのではないかと私自身は考えるのですけれども、その辺についてどういうふうに認識されているのかということが、ちょっと御意見としてお聞きしたいというのが日本自閉症協会さんに対してです。
それから、全国医療的ケア児者支援協議会さんでは、3ページの「保育園では医ケア児の預かりがほとんどない」というところで、たった一つ、港区立の1園だけが受け入れをしているというデータをお示しくださったわけですが、区立なんていっぱいあるはずですけれども、大体似たようなフォーマットで動いていると思うのですが、それが、なぜ、そこの区立の1か所だけがオーケーだったのか。一般的に何となく分かるのですけれども、なぜオーケーになったその背景といいますか、そこから拡大解釈できることがあれば教えていただきたいということです。よろしくお願いします。
○柏女座長 では、日本自閉症協会さん、お願いいたします。
○今井(日本自閉症協会) 最初の異業種の参入問題は、きっと首都圏特有の問題があると思うのですけれども、これは確認し後日紙で出させていただきます。
さっき、コンサルテーションのことを申し上げましたけれども、追加で一言答えさせてください。保育所とか何かについても、さっきのインクルーシブの話から、発達障害児を排除しないで慣れてもらわなければ困るのです。ですから、それも含めて、指導というかレベルアップを図るという機能が重要だと思っているということです。
では、相談支援のこと、津田さんお願いします。
○津田(日本自閉症協会) ちょっと一言だけ異業種の件ですが、私は、専門性の問題が大きいと。ただ、事業の形だけして参入して来られても、適切なことはできませんので、そこがどう確保されるかが大事だと思っています。
それから、相談支援事業所の関係でございますが、セルフプランのところと、それから、相談支援事業所を使っているところもあると思いますが、例えばセルフプランであったときに、そこの事業所をどれだけ知っているか。事業所が分からないと、セルフプランでも結局書けないわけですよね。その辺りは私も難しいと思います。
私が住んでいる地域では、ほぼ皆さんセルフプランではなくて、どこがいいかということも含めて、相談支援事業所がアドバイスします。ですから、この問題は相当ばらつきがあると思います。おっしゃるとおり、適切な情報がないのに、セルフプランでつくるということがいいかどうかと言われますから、そういう意味合いで適切な情報をどう提供できるか。ただ、相談支援事業所として、実は3つの事業所があったときに、どこがいいと明確に言えるのか言えないのかという問題もありまして、この辺りはなかなか難しい問題はあるのだろうと思いますが、適切な事業所につなぐことが大事だということは考えております。
以上です。
○柏女座長 では、全国医療的ケア児者支援協議会の方、お願いいたします。
○森下(全国医療的ケア児者支援協議会) 港区の件ですが、こちら元麻布保育園は確かに区立ですが、実は運営しているのは民間の団体になりまして、区が独自の予算を立てて、医療的ケア児を20名最大で預かるというのをうたい、それに伴った職員配置も区の予算の中でやると。なので、その運営委託を受けた民間の会社は、区から委託金をもらうことで充分な職員配置を可能とし、一般の認可保育園では配置できないような多くの看護師だったり保育士を配置することで、安全を担保して運営しているという形です。なので実現できているのかなと理解はしております。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。検討の参考になるかもしれませんね。
では、秋山さんお願いいたします。
よければ、時間的な関係もあるので、これで最後にしたいのですけれども、あと、どうしてもという方は、また、お手をお挙げください。
秋山さんお願いいたします。
○秋山構成員 秋山です。プレゼンありがとうございました。
日本自閉症協会と全国重症児者デイサービス・ネットワークの方に同じ質問をお願いしたいと思います。
インクルージョンに向けて、児童発達支援事業所はどのような役割ができると考えられているかを教えてください。
○柏女座長 日本自閉症協会さんお願いします。
○今井(日本自閉症協会) 十分な議論をしているわけではないですけれども、今、現実に起きていることは、通常のところでの受け入れがむしろ進まない、学校以上に進まないという傾向があって、一般児童が使っているところでの受入態勢を強化することが、そのセンターの重要な機能だと思っております。
津田さん、追加ありますか。
○津田(日本自閉症協会) インクルージョンについてはなかなか難しくて、みんなが同じところで同じように活動するということではなく、一人ひとりに応じた合理的な配慮が大切だと考えます。事業所においては、その人に合った個別的な配慮を行うことで、その人の支援をしていきますが、いろいろなところに出て行って、例えば就職するとか、将来いろいろなことがございますので、合理的な配慮、個別的な配慮をどういうふうにすれば、その方が社会の中で健やかに活動していけるかということがあろうかと思います。そのようなことを利用者一人一人について、その方に必要な配慮をきちんと整理して、そのことを次のところ、一般の方たちに広げていくということが私は大事なのではないかと考えております。
○今井(日本自閉症協会) すみません。もう一点だけちょっと言わせてください。
そこで一般の児童が通っているところには、保育士さんとかいるわけですけれども、その社会的地位が低く見られ過ぎだと私は思っています。障害児支援かどうか以前に、そもそも子供を育てる力を持った職員さんは非常に大事であり、そのことをもっと重視しなければいけないのではないかと思っております。
○柏女座長 全国重症児者デイサービス・ネットワークの方、今の御質問にお答えください。
○伊藤(全国重症児者デイサービス・ネットワーク) 秋山先生、御質問ありがとうございます。
抜本的に、なかなか難しい御意見だと思うのですけれども、私たちは、基本的に、児発・放デイという現場を支援させていただいているのですけれども、児発が終われば放デイという形で事業所が移っていくのですね。これが中核という意味を成すのであれば、やはり0歳から18というところの児発・放デイで、移り変わることなく、先ほどあった一元管理というところでは非常に期待はさせていただきたいなと思っております。
事業所というのは基本的に受け皿というか、地域の受け身的なところでございますので、その発信をしていただくセンターは非常に大きな役割を担っていると思います。ですから、先ほどちょっと話しました相談支援であったり、もちろん親の支援は我々も交流はあるのですけれども、それよりももうちょっと大きな長い視線を見た一元管理というところを期待させていただきたいなと思っております。
拙い話で申し訳ございません。以上です。
○柏女座長 よろしいでしょうか。
では、末光さんお願いいたします。お待たせしました。
○末光構成員 全国重症児者デイサービス・ネットワークの方と全国医療的ケア児者支援協議会の方に御質問させていただきます。
まず、全国重症児者デイサービス・ネットワークです。私、重症心身障害児日中活動支援協議会の会長をしておりますが、全国重症児者デイサービス・ネットワークの方々は小規模で、住んでおられるところ、身近なところで頑張っておられる。我々は、もともと重症心身障害児施設にいわゆる併設の通園で始まり、肢体不自由児施設併設、さらには、知的障害、その他の入所、通所の施設に併設という形でやっております。そういった意味である程度専門的な職員を抱えております。
そういうことでお尋ねしたいのは、全国重症児者デイサービス・ネットワークとして、センターのことを提案なさいましたけれども、我々重症心身障害児日中活動支援協議会との連携、その辺りについて、どのようにお考えなのかお伺いさせていただきたい。
もう一つは、全国医療的ケア児者支援協議会の方にお教えいただきたいのですが、先ほども加藤先生が港区のことを質問されました。前回もお話ししたのですけれども、私は岡山で2年前から保育所を始めて、その中に障害児を15%以上積極的に受け入れている。そして、さらには医療的ケア児についてもチャレンジしようということでやってまいりました。その医療的ケア児2人ですけれども、1人は胃ろうだったのでそれほどではないのですけれども、1人は呼吸管理の必要な子です。多分、東京都ではたくさんやっておられると思っていたのでありますけれども、先ほど伺いますと、東京都内で呼吸管理の人を1か所しか受けていない。これは私にとっては大変ショックでありました。
お母さん方は、医療的ケア児が生まれても、働き続けたい。そして、可能であれば、インクルーシブにと願っていると思います。もちろん専門的なところで、我々の重症児施設とか、デイネットのようなところでというのはありますけれども、できたら保育所でもというお考えをお持ちの方もおられると思います。それに国はどのように応えようとしておられるのか。港区のように、特別な予算を加えて手厚くやるところはやるけれども、そうでないところはどうなのか。医療的ケア児の中にもいろいろレベルがありますけれども、呼吸管理の必要な子は保育所ではやる必要はないと国はお考えなのかどうか、お伺いさせていただきたい。国の方に伺うわけではなくて、どのように受け止めておられるのか。
と申しますのは、私どものところでは、3歳の医療的ケア児で呼吸管理の必要な子を受け入れるためには、ベテランの看護師、これは大体年俸七百四、五十万円、2人を配置しており、かなりの持ち出しですけれども、きっと頑張れば国はバックアップしてくれるのではないか、市も頑張ってくれるのではないかと思ってやっております。私どものところは、さらに、喀たん等の研修を受けた保育士がおりますので、その人にも加わってもらっております。そうしますと、国のお考えでは、看護師がおるのであれば、そのような補助者は必要ないと。年間200万少々のお金ですけれども、それを出す必要はないという御回答が岡山市にあったやに伺っております。限られた人的配置では、トイレさえ行けないのですね。
ということは、逆に言うと、国のほうでは、呼吸管理の必要な子を保育所でインクルーシブにやる必要がないというお考えなのかということを、今、市に尋ねているところであります。その辺りについて、全国医療的ケア児者支援協議会の代表の方々はどのように受け止めておられるのか、ぜひお伺いしたい。もちろん、今までモデル事業時代に努力なさったからこそ、ここまで整備をしていただいた。看護師につきましても、現在、532万円まで上げていただいた。その御努力に敬意を表しますとともに、もう一頑張りしていただかなければいけないのではないかなと思っております。
その2点、お尋ねとお願いだと思っておりますけれども、よろしくお願いします。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、全国重症児者デイサービス・ネットワークさんお願いいたします。
○伊藤(全国重症児者デイサービス・ネットワーク) 末光先生ありがとうございました。
全国重症心身障害児日中活動支援協議会様との関わりということだったので、この議題から少し逸脱するかもしれませんが、前回4月1日に報酬改定がございました。そこに目指す議案であったり、項目に関しまして、同じ意見というか、方向性を示させていただきながら、事務局の木村様にも大変お世話になり、方向性をまとめさせていただきました。
今後ですけれども、ちょっと流れが違うのですが、児が者に変わるというところの流れの中で、重心型の生活介護事業に関する大きな問題がまだちょっと取り残されておりますので、ここを重点的に重症児者デイサービス・ネットワークとしては、次回の報酬改定に向けて、木村様並びに末光様の団体と手を合わせて活動を具現化していただきたいなと思っております。
以上です。よろしくお願いします。
○柏女座長 では、全国医療的ケア児者支援協議会の方、お願いします。
○森下(全国医療的ケア児者支援協議会) まず一般の保育園で進まない理由について、国がどう考えているかというのは、国でないと分からないのですけれども、ただ、例えば本当に先月ですかね、医療的ケア児支援法が可決されまして、その中で、国や基礎自治体は医療的ケア児のための施策を打つことが1つ責務になりました。これまで努力義務だったのが責務になったというだけで大きく変わってくると思いますし、それが一つ国のスタンスなのかなと考えております。
つまり、保育園で今まで予算がつかないから預かれませんと言うだけで終わっていたのが、しっかり予算を取ろうという話になりますし、予算を取った上で、今度、看護師なり保育士がプラスで配置されると思うのです。一方で、そういった職員の方々がしっかりと障害児保育についての知識をインプットする必要があるのではないかと思っておりまして、予算がついて、いざ障害児を預かろうとなっても、結局、現場の方々が、「そんなのはとても無理だよ」とか、「私には全然知識がないから無理です」と言うケースは、今、都内でも頻発しております。ですので、先進的に障害児保育を行っている施設は、例えば先ほどの元麻布保育園もそうですけれども、幾つか都内にはありますので、そういった施設の知見をどんどん認可保育園に広げていくのが良いと思います。例えば研修を提供するとか、あとは、実地研修を自分たちの施設で受け入れるとか、そういったふうに情報をどんどん共有してオープンにしていくことで、全国的に医療的ケア児とか重症心身障害児の認可保育園での預かりは進むのではないかと思っております。なので、まだまだ物すごく時間と労力がかかることですが、そこから一つずつ始めていくことが、今僕らができることではないかと考えております。
以上です。
○柏女座長 末光さん、短くお願いいたします。
○末光構成員 ぜひ、先進的に道を切り拓いていただく。その後に我々もついて行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○森下(全国医療的ケア児者支援協議会) こちらこそ、よろしくお願いいたします。
○柏女座長 ありがとうございました。
構成員の方々からたくさんの御質問も頂戴しました。丁寧にお答えをいただきました。各団体の皆様、本当にありがとうございました。皆様方の御意見を貴重な糧にしながら、議論を進めていきたいと思います。本当にありがとうございました。
御退室いただいても結構ですし、また、こちらでの議論これからも続きますので、お聴きいただいても構いません。ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
それでは続いて、議事の2「児童発達支援センターの現状と課題について」、前回1回目の議論をしておりますが、少し補足をして、短い時間ですけれども、15分か20分ぐらいそれに充てて補足的な御意見を頂戴できればと思います。
それに際しては、全国児童発達支援協議会の加藤さんから、資料4が意見として出されておりますので、加藤先生、恐縮ですけれども、5分程度で御報告をいただいて、そして、その後10分ほど、皆様方から追加の御意見があれば頂戴するという形にさせていただきたいと思います。
なお、ヒアリングのときにも児童発達支援センターの在り方については、構成員の方々から御意見は出ておりましたので、それらの御意見については事務局でしっかりと拾ってくださると思いますので、それ以外の御意見を頂戴できればと思います。
では、加藤さん、短い時間で恐縮ですが、お願いいたします。
○加藤構成員 このような機会をいただいて、ありがとうございます。
まず最初に、前回初回のときに、ちょっと私がフライングを犯しまして、ちょっと時間を取って、本題に入り過ぎてしまって、座長さんから叱られたという経緯があるのですが、皆さんには本当に御迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
私たち、今、御指摘いただきましたように、この検討会も、幾つかある子供の支援の在り方に関する課題について検討をしているわけですけれども、その中の1つに、児童発達支援センターの果たすべき役割といいますか、それは今後どう在るべきかということが大きなテーマになっていますので、皆さんの御議論のネタになればということでちょっとお時間をいただいて御紹介させていただければと思います。
前回にもフライングの中でちょっと申し上げたのですが、近年、一気に少子化が進むとか、児童虐待が飛躍的な拡大をしているとか、あるいは先ほど来出ています親の就労の拡大とか、子供の貧困だとか、いろいろ子供に関するあまり肯定的には捉え切れない、ある意味では本当に困った状態が、昨今は子供を取り巻いているという状況の中で、我々の団体は、基本的には児童発達支援センターあるいは児童発達支援事業、保育所等訪問、障害相談支援、あるいは放課後等々、その地域の子供の生活、暮らし、育ちを支える関係者の一元的な団体として、今から10年ぐらい前に立ち上がったという経緯です。その前には、それぞれの通園施設としての長い歴史があるのですけれども、今、少子化の中でこういう一元的な効率化を目指す。あるいは、地域間格差とか施設間格差は、今の前半のお話にもありましたように、大変な問題になっている中で、これを何とか、日本のどこに生まれようとも、必要な支援サービス、相談などが受けられるようにということで、私たちもいろいろなエビデンスを提出しながら、御意見を出してきた、提案をさせていただいてきたという経緯があります。
それは2008年の「障害児支援の見直しに関する検討会」。この検討会を3回目と名づけて、言うならば、第1回目が2008年、その6年後2014年には「障害児支援の在り方に関する検討会」、そして、今回の検討会という形で、この13年間の間に、今回を入れて3つの検討会が立ち上がっています。まさにこの間に、ある意味では今回のこの検討会でも、今後どう在るべきかということが議論されるところであるとしても、私たち的には、今日お示ししたこの資料にもございます。
特に(2)のところですね。ここについて特に集中的に皆様に考えていただきたいということで、今日は御報告させていただきたいのですが、これは実は、5月17日に、社会保障審議会の障害部会がありまして、そこに意見を出したときの各地の理事の皆さんから出た意見を集約してまとめたものであります。それを6つのカテゴリーの中で集約的にまとめているというものです。
特に2番目の、今日の本題であります児童発達支援センターの在り方については、今申し上げましたこの間の経緯の中で、議論としては出尽くしているような気がします。要するに、芽出しはもう終わっているのではないか。ただ、その芽出しが十分育っていないとか、あるいは勝手勝手にあちこち収拾がつかない状態でこんがらがって、それぞれの役割を十分果たしていないというようなことが課題ではないかと考えるところです。
特に基本的な役割としては、これはもちろん発達支援は地域の拠点的機能として、ソーシャル・インクルージョンの中心的な役割を果たすことが大きな命題としてあろうかと思いますが、そうしたベーシックな、また、大きな時代的な流れを受けて、⓵~⓹まで、高次専門支援機能ということで、今日では、様々な先ほど来出ていますパラメディカルスタッフといいますか、子供の育てに関する様々な専門分野の方たちのチームアプローチによって展開が行われている。これはもちろん先ほど来申しているように、ばらつきは残念ながらまだまだあります。
それから、発達相談・評価機能ですね。これもそれぞれのところで勝手に評価して、勝手にやっているわけですよね。だから、それも一定の水準で、一定のスタッフによって、信頼度の高い評価に基づくプログラム、育ち計画が立てられる必要がある。そういう意味では、今新たにここで、新しいそういう機関を構築するのはほとんど不可能に近いわけで、そういう意味では、その機能が最も託せる場としてセンターがあるのだろうと。
それから、3番目のコンサルテーション機能ですね。これも今、地域には一応いろいろな子育てに関する様々な機関はできてきているのですね。ばらつきはあるのですけれども、一応あるという中で、しかし、それらを一定の水準で、面として子供の育ち環境を確保するという意味では、人的な背景の中で、センターがまとめ役をしていくというのが最も最短コースにあるだろうと。
それから、専門支援。地域の様々な機関へのサポート。
それから、連携ですね。これも地域の中で、しっかりと子供が安心安全のうちに育っていく、学んでいく、生きていくというためには、一機関で自己完結的にはできませんので、本当にいろいろな機関がそれぞれの役割をということが大事ですけれども、しかし、最終的にはそのマネジメントが今はなかなか効かないというのが、大きな問題だと思います。そのマネジメントを誰がどこで、どんな形で、どんな権限でやるかというところの位置づけを、この検討会でぜひ議論して、いいところに落としどころを決めていただけたらいいなと期待している次第です。
ありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございました。
2枚目のところに各論が書かれておりますので、それもぜひ参考にさせていただきたいと思います。
それでは、児童発達支援センターの関係について、できれば、その事業について1時間ほど議論をする時間を取りたいと思っておりますので、児童発達支援センターの在り方については、これまで出た意見以外のところで何かございましたら、構成員の方から御発言をお願いしたいと思いますが、大塚さんと又村さんから手が挙がっておりますので、最初に大塚さんお願いいたします。
○大塚代理人 どうもありがとうございます。
加藤先生、ありがとうございます。
加藤先生の児童発達支援センターの発達支援地域拠点ということを前からおっしゃっているということで、すばらしいものだと思っております。加藤先生の実践の中から生まれてきた考え方だとも思います。
ただ、全国的に見ると、地域差とか、あるいは、私、群馬県に住んでいるのですけれども、高次専門支援機能とか発達相談・評価機能、コンサルテーション機能、理想ではありますけれども、とても困難でしょうし、これからも困難だと思っております。つまり、人材の養成と支援のシステムをきちんと法的に担保して、それがない限りは、子供の支援はなかなか置いてきぼりになるのではないかと思っています。
いろいろありますけれども、例えば先ほども出た児童指導員と保育士が、これは戦後の養護施設や精神薄弱児施設の支援をそのまま継いで今にも来ているわけですね。国はそういうことについての今までの検討も全然してないわけです。この中でやることはほとんど不可能です。保育士と児童指導員で、何で高次専門支援機能や発達支援やコンサルテーションできるかと。また、OT、PT、STを配置すれば加算がつくと。これもただ言えば加算だということで、全然見通しのない政策決定だと思っています。
ぜひ、国は法律の面からもきちんとした児童発達支援の定義と人材の配置を考えていただきたいと思います。加藤先生の団体などが、例えば児童発達支援士のような国家資格をつくる。あるいは、それを団体として強力にやる。その専門性を担保するということがない限り、このまま何十年も行ってしまうと思います。
以上です。もし、加藤先生御意見があったらどうぞ。
○加藤構成員 ありがとうございます。釈迦に説法で、すみませんでした。
いずれにしろ、手をこまねいていたのでは、地域に子育てに困り感を持った親子はなかなか安心して生きていられませんので、そういう意味ではできる人ができるところから始めるのが基本だと思うのですけれども、さりとて、あだ花的に点で存在していていいか。その点が線になり、面になり、地域の子育て力といいますか、そういうものを何とか養成していかない限り、あだ花的にどこかで何かすごいことをやっているね、でも、我々はところでみたいな話で、別格の別次元のことをやっているという事態がもちろん何十年と続いてきました。
だけど、そうは言っても、少なくともこの13年間、私的に言えばこの半世紀やってきて、確実に、充実拡大の方向に進んでいます。ゼロではありません。後ろ向きでもないです。確実に前進している。芽出しまではできているのですけれども、問題は、そこをうまく収れんさせる。国家的に機能化させるマネジメントができていない、やるところがない、勝手勝手にみんなが足引っ張ったり、たたき合ったり、潰し合ったりいるみたいな話で終わってしまっているから、これを何とか制度的にきちんと位置づけていけば、今のこの流れといいますか、このスピード、この伸びが一層ファシリテートされていくだろうと、私は確信する。そんなに悲観的には考えておりません。そういう意味では、ぜひ、その方向で踏み出せたらいいなと思っています。もう、今ある様々な制度だけで十分、それが本当にきちんと目的どおり機能すれば、話はそう難しいことではないというのは、そこをきちんと仕組みをつくらなければいけない。それがしっかりできていないというのが今の状況ではないかと、我々CDSの認識ですね。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、又村さんお願いいたします。
○又村構成員 ありがとうございます。全国育成会連合会 又村でございます。
これまでの皆様のお話は全て非常に重要な視点であるという前提で、ちょっと違う切り口から2点ほど、育成会の立場で御意見申し上げたいと思います。
1つは児発センター、児発事業も本来そうなのですが、特にセンターについては、17歳までのお子さんを幅広く対象とするのかどうかという課題です。これについてはこれまであまり議論はされていないと理解していますけれども、例えば高校に在籍していない障害のある子供の通所先として、もちろん63条通知等でみなし成人にするという考え方もありますが、そうでない場合、放デイは使えませんで、児発を使うことになります。この児発を使うことになった場合の報酬について、前々回の報酬改定からこれを切り分ける整理がなされたわけですが、しかし一方で、いわゆる不登校状態等になっている子供たちの受け入れとして、高校生児発とあえて言いますが、高校年齢児発については一定の役割を果たしているといったときに、児発センターとしてこういったところまでカバーするのかしないのかというところは一点議論があってもよいかと考えております。
もう一点ですが、これは第1回にも申し上げましたが、児発センターには今、加藤先生、大塚先生がお話をされたような、ソフト面といいますか、コーディネート面といいますか、そういったようなあるディレクション面の役割も重要ですが、いわゆる実サービスとしては短期入所が足らないので、親御さんが病気で倒れても預けられる場所がないという問題があるので、地域支援機能としての短期入所の機能をどのように考えるかということも、1つ議題としてお考えいただければと思います。もちろん、つければいいというものではなく、これによってより一層負担が重くなることは承知しているので、あくまでも課題として御提案申し上げるものですので、つけなければ駄目だという趣旨でないことは御理解いただければと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。大切な御意見を頂戴したかと思います。
北川さん、お願いいたします。
○北川構成員 私も、前回も申し上げたのですけれども、児童発達支援センターだけが点として障害のある子だけが来るのではなくて、子供たちにとって地域拠点の機能のソーシャル・インクルージョンを推進していく形はすごく大事だと思っていて、今、本当に地域に困っている子供と家族がいるわけで、そういう子供たちや家族のために、私たちがどんなことができるのかという発想が大事だと思っています。
それは、加藤先生の資料にもありますけれども、子育て世代包括支援センターとか、子ども家庭総合支援拠点とか、新たにつくられるわけですから、日本の全体の子育て施策のデザインの中で、障害児の特に児童発達支援センターが中核になるのであれば、どんな役割を果たすのかという、それをしっかりと法整備も含めてデザインしていく必要があると思います。ここだけ分断ではなく。
フィンランドへ行ったときに、普通のポピュレーションアプローチでネウボラがあるわけですけれども、例えば離婚した家庭のお子さんのケアのこととか障害のある子とか、それは違う専門のネウボラでサポートするのですね。でも、子供施策として一線上にあるわけです。いろいろなニーズに合わせたサポート体制が分かるようになっているというのかな。面でつながっています。そういうふうに障害児施策だけ孤独に特化しないで、本当にグラデーションの子供たちをみんなで手をつないでいく。保育園で見る場合も、保育園を応援するし、こちらで見る場合もあるでしょうし、いろいろな形で手をつないでいくというのがいいと思います。
その中では、大塚先生がおっしゃるように、私たちがその面的な役割の中で、そこの障害のある子とか、発達に心配のある子や家族を支えるだけの力量があるのかというと、それはこれからつくっていかなくてはいけないし、専門職の配置もなされていないので、法的な整備が必要かなと思います。
あと、又村さんのおっしゃる不登校の子供たち、例えば児童発達支援センターが地域を支援しようと思ったら、実際、放デイも支援しなくてはいけないわけですよ。継続的な発達の在り方、幼児期だけでなく、思春期、高校生も含めて見ていく力も必要になってくると思うし。スウェーデンに行ったときに、そういうところとショートステイと隣り合っていたから、お母さんたち、お父さんたちは、すごくショートステイを使っていたので、まさに又村さんがおっしゃるように、そういう社会的サービス、ただ療育するだけでなくて、生活支援もしっかりしていくことが大事なのだという視点も大事だと思っております。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
大塚さん、短くお願いいたします。
○大塚代理人 加藤先生のお話も聞いて、確かに進歩していると思います、否定的ではなくて前向きということで。例えば高齢者の分野は介護保険ですけれども、地域包括ケアシステムということでこれだけのものができて、今、高齢者については、どこにおいてもということになりました。それから、障害においても、精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムと同じようなものがつくられています。児童はいろいろな試みが遅かったのだと思います。ぜひ、児童の障害児の地域包括支援あるいはケアシステム、これを全国に広げるようなモデル的なものでやってみる。そこに職員の配置とか養成、専門性を担保すれば、すばらしいものができると思います。ぜひ、やっていきたいと思います。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
多くの御意見、補足的な御意見も含めて頂戴いたしました。児童発達支援センターの在り方について、その機能の在り方、あるいは、ウイングをもう少し広げたらどうか。さらには人材の問題、周辺領域として短期入所の問題、様々な問題が出ましたので、これについて、事務局で児童発達支援センターの在り方についての意見をまとめていただいた上で、もう一度議論をしていくという形になるかと思います。
若干の感想ですけれども、子供分野で、今、厚生労働省では子ども家庭福祉士(仮称)の国家資格の議論が行われております。そういう意味では、先ほど大塚さんがおっしゃった子ども発達支援士とか、あるいは保育士の養育版、言わば養育福祉士のような国家資格の議論もできるわけですけれども、でも、さすがに、そこのところは縦割りの問題で議論ができておりません。そういう意味では、ここも子ども家庭局との連携を取りながら考えていく必要があるのかなと思いました。様々な御意見を頂戴いたしまして、これからの議論に生かしていきたいと思います。
では、続きまして、議事の(3)に入らせていただきます。「児童発達支援事業の現状と課題について」のテーマになります。事務局より資料の説明をお願いいたします。
○鈴木障害児支援専門官 事務局でございます。それでは、資料5を中心に参考資料4、5、6を適宜使いながら簡単に御説明させていただきます。
まず、資料5を御覧ください。資料5の【現状】です。
(1)「児童発達支援の役割・支援内容等」。1ページ目は、確認でございますが、法律上、また、ガイドライン上どうなっているかを御説明いたします。
1つ目の○です。「児童発達支援は法令上以下のとおり規定されている」ということで、児童福祉法第6条の2の第2項にあります。下線の部分ですけれども、「日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与するこという」となっています。
次のポツですけれども、人員、設備及び運営に関する基準に関しましては、第4条で「障害児が日常生活における基本的動作及び知識技能を習得し、並びに集団生活に適応することができるよう、当該障害児の身体及び精神の状況並びにその置かれている環境に応じて適切かつ効果的な指導及び訓練を行うもの」とされております。
これをガイドラインでは、さらに細かくなっておりますけれども、2つ目の○です。具体的な役割や支援内容は、「児童発達支援ガイドライン」に示しております。
(※1)御覧ください。児童発達支援の提供すべき支援は、大別しますと、発達支援(本人支援及び移行支援)、続きまして、家族支援及び地域支援から成っております。
⓵「本人支援」は、障害のある子供の発達の側面から、下線部分ですけれども、「健康・生活」、「運動・感覚」、「認知・行動」、「言語・コミュニケーション」、「人間関係・社会性」の5領域を重視して支援を行ってくださいとなっております。
「移行支援」に関しましては、インクルージョンの議論がございましたけれども、可能な限り地域の保育、教育等の支援を受けられるようにし、同年代の子供との仲間づくりを図っていくこととなっています。
⓷「家族支援」です。家族が安心して子育てができるようということで、様々な家族の負担を軽減し、物理的及び心理的というところがポイントかと思いますけれども、この2つを支援することになっております。
⓸「地域支援」ですけれども、地域支援に関しましては、関係機関と連携、地域の子育て支援力を高めるためのネットワークを構築することとなっております。
続きまして、2ページに行きたいと思います。
2ページ目ですけれども、そのまま役割・支援内容等の続きです。1つ目の○ですけれども、それでは、児童発達支援事業が、今現在、どのようになっているかを簡単に御説明させていただきたいと思います。
現状、児童発達支援の支援内容や提供時間については様々となっておりまして、典型的にはということで、事務局で、まず大別を2つに記載させていただいています。⓵で、比較的長時間・生活全般にわたり、総合的な支援を児童発達支援から受ける場合、⓶としまして、保育所や幼稚園等に生活の主軸を置き、スポット的に児童発達支援を利用する場合ということで、提供時間と支援の内容に着目すると、以下の図のような関係になるということで、図で簡単ですけれども、整理させていただいています。
縦軸が、総合的な支援とよく言われていますけれども、生活全般をする総合的な支援、下に特定のプログラムによる支援、横軸に、長時間の支援と短時間の支援で大別しております。
中には、児童発達支援の報酬の対象と考えた場合に、必ずしもふさわしくないと考えられる支援等がされているという指摘もございます。
すみません。ページを少し先に飛ばさせていただきまして、資料5の8ページを御覧ください。
こちらは、「障害児の発達支援として必ずしもふさわしくないと考えられる事業運営・支援内容の具体例」ということで、自治体様にアンケートをさせていただきました。四角囲みの中ですけれども、支援内容の多様性は否定しないものの、都道府県・指定都市・中核市の担当者の目線で見た場合に、指定権者でありますし、身近なところで事業所との関係が深いので、担当者の目線で見た場合に、管内の児童発達支援事業所(児童発達支援センターを含む)及び放課後等デイサービス事業所において実際に行われているまたは行われていた事業運営・支援内容であって、法令違反までは行きませんけれども、障害福祉サービス等報酬の対象として必ずしもふさわしくないと考えられるものについて、理由を付して回答を求めました。
その結果、たくさん御意見をいただいたのですけれども、この3つに大別されるかなということで、3つにまとめております。
⓵ですけれども、支援内容が安全な預かりに偏っており、発達支援が適切に行われていないと見られるもの。
⓶として、学校の宿題をみる等、支援内容が学習塾的な支援に偏っていると見られるもの。
⓷として、(学習塾以外の)一般的な習い事とほとんど変わらない支援を行っていると見られるもの。
といった事例が寄せられております。⓵で、安全な預かりに偏って見られる事例ですけれども、2つ例がありますけれども、自由に遊ばせて見られているだけということで、個別支援計画の発達支援からは外れているのではないかということ。また、遊具やタブレットでDVDや動画を見せているだけではないかということで、ガイドラインにある「遊び」を通して適切に支援することとは合致しないのではないかということ。
⓶で、学習塾的な支援に偏っていると見られる事例では、未就学児向けの早期学習塾で、1回1時間程度の提供時間で運営を行っているということで、一般的な学習塾とあまり変わらないので障害児支援としてはふさわしくないのではないかということ。2つ目が、学習塾が児童発達支援事業を経営していますが、塾と児童発達支援事業との境目がよく分からないということが理由としても挙げられております。3つ目で、習い事と変わらない支援を行っていると見られる事例として、1週間に数回、1回当たり1時間程度で音楽や絵画の技術を教えるだけであるということで、特定の指導だけになっているのではないかということの報酬が請求に見合っていないのではないかということ。一般の英会話スクールのような指導のみを行っていて、英会話技術の教授だけでは知識技能の付与とは言わないのではないか。1つのスポーツに限定した運動療法ではないか。こちらも同じですね。1つに限定しているのではないかということです。そのほかの事例として、近隣で畑を借りて種まき等の農作業のみをさせたり、調理のみをさせているということ。次が、サービス提供時間は1日6時間ですけれども、基本マンツーマンで利用児童が入れ替わり立ち替わりであるため、一律に児童1人当たりの支援時間は45分~50分となっているのではないか。支援計画が紋切り型ではないかというような意見が挙げられています。御参考までに御承知おきください。
続きまして、すみません、お戻りいただきまして、2ページ目にお戻りください。
次の○ですけれども、財務省の令和3年度予算執行調査の結果が公表されております。全国的に様々な提供時間となっていることが示されております。
すみません。資料があちこち行くのですけれども、参考資料6を御覧ください。参考資料が、財務省が行った予算執行調査のまとめになります。1ページは、事業所数が伸びていますよという全体の構図となりまして、2ページ目は、放課後等デイサービス事業の説明は割愛させていただきまして、3ページ目「児童発達支援におけるサービスの利用状況」を御覧ください。その中の(2)「利用者別・事業所別のサービス利用実態」を中心に御説明いたします。
1つ目のポツですけれども、利用者ごとの利用時間については、センター・その他の事業所とも大きなばらつきがあるということで、図7を説明しております。1時間以下の短時間利用から7時間を超える長時間利用まで多様な利用実態となっているということで、図7を見ていただきますと、青がセンター、赤がその他の事業所ですけれども、傾向としましては、センターが割と4時間以上が多いかなと思うところ、その他の事業所は3時間超、4時間以下から1時間以下が多くなっているという実態かなと思います。
2つ目のポツですけれども、平均利用時間にも大きなばらつきがありまして、平均利用時間が6時間超の事業所が全体の約7%を占める一方、1時間以下の事業所が約13%を占めるなど、事業所ごとのサービス提供実態に大きな差異があったということで、図9を見ていただきますとおり、6時間超と、1時間以下はその他の事業所では13.3%を占めているという形です。
最後ですけれども、営業時間が長い、6時間以上の事業所においても、利用時間に大きな差異があったという場合で、これは同額の報酬となってしまいますので、サービス提供に係るコストを適切に反映できていない可能性があるということで、図8、図10になりますので、御覧ください。
そのまま続けて、4ページ目も先に説明させていただきます。
これは市町村による支給決定の状況になっていますけれども、図11を見ていただくのが一番分かりやすいかと思うのですけれども、支給決定は、基本、障害児相談で利用計画案をつくりながら、その子に合わせて支給の日数を勘案しながら最終的に支給決定をするのですけれども、見ていただきますと、児発・放デイともに、5日、10日、15日、23日と、このような実態になっております。ということは、考えますと、大体週1回、週2回、週3回、そして、ほぼ週5日というような形で支給決定が行われているのではないかと考えられるかと思います。
すみません。簡単ですけれども、参考資料6は以上になります。
では、お戻りになられまして、資料5の3ページを御覧ください。
今までの資料を見ていただきましたところ、1つ目の○ですけれども、指定基準やガイドラインでは、こうした提供時間や支援内容に応じた類型化はしておらず、報酬では、様々な支援について一律の単価となっています。質の高い発達支援や、支援時間の長短による手間が適切に評価されていない可能性があります。
(2)「児童発達支援の利用状況」ですけれども、こちら1つ目の○ですけれども、出生数は減少傾向にございますけれども、利用児童数は、平成26年から令和元年度まで3.3倍となっています。また、20~44歳の女性の就業率が、平成26年から令和元年にかけて7%上昇していますけれども、保育所の利用児童数は平成26年度から令和元年度で1.2倍、障害児保育の利用児童数は1.4倍という形になっています。
2つ目の○です。国保連データを見ますと、児童発達支援の令和元年度における1か月の利用日数の平均は約8日ですけれども、先ほど見ていただきましたとおり、財務省の予算執行調査では様々な支給決定の日数になっています。ちょっと割愛させていただきます。
続きまして、4ページ目を御覧ください。保護者のニーズに移りたいと思います。
1つ目の○ですけれども、前回も御紹介しました推進事業で、保護者がサービス利用に際し重視している事項としては、保護者の就労形態にかかわらず、子供の情緒や感性の発達を促進することが重視されていまして、長時間預かってくれることの回答割合は20.9%となっています。
2つ目の○ですけれども、長時間預かってくれることの回答割合について、4~6歳の子供の保護者で、併行用通園しているお子さんがあるかどうかで見ますと、併行がある倍は回答率10.4、併行がない場合は28.1%で、保育所等を利用していない場合が長時間預かってくれることを重視していましたが、調査項目が就労に限ってないので、レスパイトを希望している可能性もあることは否めないと思います。
3つ目の○は、予算執行調査なので割愛させていただきます。
参考資料4の11ページだけ御説明させていただきます。
11ページは、国民生活基礎調査について、障害保健福祉部において特別集計したものですけれども、「手助けや見守りが必要な児童を持つ母親の就業率の推移」で、手助けや見守りが必要な児童(末子で6歳以上に限る)を持つ母親の就業率は、手助けや見守りを必要としない児童の母親の就業率と比べて低いものの、平成25年度以降上昇してきているということで、青が手助けや見守りが必要ない児童のお母さんたちの就業率ですけれども、赤が手助けや見守りが必要な末子の児童がいる場合ですけれども、平成25年からカーブがぐんと伸びているというのがポイントになります。平成25年ですので、サービスの利用が、児童福祉法の改正が行われた後なので、その辺の影響もあるかなということも考えられます。
すみません。資料5にお戻りください。(4)「インクルージョンの実現に向けた一般施策との連携」になります。
1つ目の○は、インクルージョンを推進することが大切であるということで、報酬においても、移行したときの加算を設けておりますが、令和2年度の算定者数合計は262人となっております。
2つ目の○ですけれども、インクルージョンを推進していく上で、ガイドラインに移行支援のねらい等はありますけれども、具体的にどのような方法で保育所等との連携に関しましては、先ほどからの議論がありますとおり、各事業者に委ねられております。
次の5ページですけれども、(4)の続きですけれども、推進事業で調べますと、連携自体、引き継ぎ等はありますけれども、ケースを通じた会議はそれほど多く実施されていないという現状になっております。
6ページを御覧ください。【論点】になります。
1つ目の○ですけれども、ガイドラインに示す児童発達支援の役割・支援内容等に対して、現状の様々な実態を踏まえてどう考えるかということで、まず1ページ目で御説明しました児童発達支援の役割・支援内容等を考える場合に、ガイドラインにおける現在の4つの役割、本人支援における5つの領域について、見直すべき点があるかどうかをお願いいたします。
次のポツですけれども、ガイドラインでは、個々の障害の状態及び発達の過程・特性等に応じた発達上の課題を達成させていくための本人への発達支援を行うほか、家族への支援、地域支援等を行わなければならないとされていますけれども、
2つ目の段落のところです。「このように」からです。⓵「個々の障害の状態及び発達の過程・特性等に応じた」本人への発達支援を行うべきとされ、本人の5領域ですね。先ほど児童発達支援でお示ししました5領域を行うとされていますけれども、現状のサービス提供の実態をどう考えるかということで、5領域を必ずしもカバーしないで一部のプログラムに特化した事業所が多く存在し、個々の子どもの状態等に対するアセスメントが十分ない中で、利用する事業所の得意とする支援に偏ってしまう点はないのか等の論点です。
次のポツですけれども、さらに、ガイドラインが示していますことが現場ではなかなか浸透されていないのですけれども、ガイドラインで示している事項の位置づけをどう考えるかということですね。
最後ですけれども、ガイドラインが示している児童発達支援の役割・支援内容等が適切に果たされるための報酬や基準等の在り方をどう考えるかとなっております。
続きまして、7ページです。(2)保護者のニーズの論点です。児童発達支援は、基本的な動作の指導、知識技術の付与、集団生活への適応訓練を提供するサービスですけれども、先ほど来ありますように、保護者のニーズについてどう考えるか。
また、併行通園していない、または難しい障害児も多い中、保護者の就労実態を踏まえて、支援時間が長くなる児童に対する支援について、支援時間の長短による手間の適切な評価など、支援の在り方をどう考えるか。
(3)では、インクルージョンですけれども、インクルージョンの実現に向けた一般施策との連携として、どのような取組が考えられるか。
また、1回目の議論でもありましたとおり、保育所等との連携を強化していく上で、児童発達支援センターが旗振り役を担うべきではないかという議論がありましたけれども、要は、センターと事業所との関係性・役割分担についてはどう考えるかという論点にさせていただいています。
駆け足で申し訳ございませんが、資料の御説明は以上になります。
○柏女座長 ありがとうございました。ポイントを絞って報告をしていただきました。
30分ほど時間が取れますので、どなたからでも結構ですので、児童発達支援事業の在り方について御意見を頂戴できればと思います。
大塚さん、お願いいたします。
○大塚代理人 ありがとうございます。何回もすみません。短くお話しします。
児童発達支援事業の現状と課題ということで、児童発達支援センターとも関係しているのですけれども、児童発達支援をどう捉えるかと。法律上の文言が出ています児童福祉法第6条「日常生活における基本的動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練」これは全く時代に合ったものとなっていません。むしろ、差別と偏見を助長するようなものでありますので、ぜひ、早急に変えていただきたい。特に「指導」という文字は適切ではない。それから、集団生活の適応訓練は、特に発達障害の方たちについては、「訓練」という言葉があることによって、過剰な強制みたいなのが全国の事業所で行われているとう報告もあります。この訓練も含めて適切な言葉ではないということですので、時代に合ったものとしていただきたいと思っています。具体的には、ガイドラインにも書きましたけれども、発達支援、家族支援、地域支援、これを法律の文言にきちんと入れて、具体的な支援の内容の定義としてほしいと思っています。
2番目は、それに応じた支援の職員体制ということで、先ほどから言っている児童指導員と保育士は、この人たちに別に恨みがあるわけではないですけれども、これは戦後そのままの時代を引きずっているもので、適切ではないということですので、例えば、資格としては、発達支援を行うのだったら、教育や心理、あるいは家族支援や地域支援を行うのはソーシャルワーカーであったり、あるいはコミュニケーションソーシャルワークの課題ですよね。こういう仕事がきちんと反映されて、専門職が来られるような仕組みをぜひつくっていただきたいと思っています。
最後に、ソーシャル・インクルージョンのことは、障害のある方のことについてこれから大きな課題にますますなると思っています。そのとき、障害者の権利条約、そして、障害者差別解消法の観点から、平等の措置を求めるということですので、障害のある方がない方と一緒に生活しないのはまさに差別であるとか、あるいは合理的配慮のこととしてないということだと思っていますので、そういう観点から仲良くやったほうがいいのですけれども、障害の分野から一般施策のほうに、ぜひ仲良くソーシャル・インクルージョンを権利条約に基づいて支援としていただきたいと思います。今まで見ていると、ほとんど関連なく一般施策と障害者施策はずっと関連なくやっていくのが現状だと思います。
以上です。
○柏女座長 大切な点も御指摘いただいております。ありがとうございます。
ほかの方はいかがでしょうか。
又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 全国手をつなぐ育成会連合会 又村でございます。ありがとうございます。
児発事業の部分も、先ほどのセンターの話と少し重なるのですが、今の論点に少し沿っていない部分もありますが、私の中ではいわゆる高校生児発ですね。高校年齢児発のところは、何らかの形で整理をする必要があるのではないかという認識でいます。
そして、もう一つは御紹介をいただいた参考資料5の、今日は表現を分かりやすく言います。いわゆる不適切事例で挙がっていた取組のうち、⓵も駄目だと思いますけれども、安全性を重視し過ぎたがゆえに、子供の育ちのところに悪影響が出ているという理解を百歩譲ってします。
問題は⓶と⓷だと思っていまして、これは放デイにも当然関わってくるお話ですが、いわゆるソーシャル・インクルージョンの話までこれ含めていくと、これは塾であり、カルチャーセンターであるべきものですので、それを、今は児発ですけれども、児発もしくは放デイで掲げて、実質的に学習塾と変わらない、実質的にピアノ教室と変わらない、実質的に絵画教室と変わらない、実質的にスポーツクラブと変わらないという、障害児専用の塾やスポーツクラブをつくることが、この制度をつくった趣旨ではないと理解していますので、そこの部分については、少し踏み込んだ、例えばですけれども、事業所の指定要件とか、あるいは事業所における実地指導等の権限の付与等を通じて、むしろ、インクルーシブな塾があることは望ましいし、インクルーシブなスポーツクラブがあることも望ましいので、そっちに行っていただくと。当然、そこの部分の経費は、経費面で安く通えるから使うというインセンティブは働く可能性はあると思いますが、これは障害のあるなしに関わらず、障害がないと言われているお子さんは、スポーツクラブに通えば月謝を払っているわけですから、この点については、月謝を支払うということは、逆に、これは障害者団体側としても、誤解がないように親御さんに伝えていく必要があると考えています。その辺りを少し議論の俎上に上げていただければと考えます。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
高橋さんの次に、秋山さんにお願いします。
○高橋構成員 神奈川県の障害サービス課長 高橋でございます。1回目参加できずに、申し訳ありませんでした。私は行政の立場で都道府県ですので、指定という立場で発言させていただきます。
今、大塚代理人、又村構成員からお話のあったこともごもっともだと思っていまして、我々の現場としても、指定をする中では、かなり歯がゆい思いをしながら指定をしているところです。障害に関する知識がないところで、さっき又村構成員からあった塾に毛が生えたようなところが来たり、様々来る中で、今、神奈川県としてできることとしては、ガイドラインを用いて、開設前説明会、こういったものをやらせていただいて、この説明会を聴いてから、指定の相談に来てくれというようなことも繰り返しやったりはしているのですが、必ずしも理解が進んで、やることがしっかり、専門性をもったものをやることができるかというと、やはりそうはならない。
かと言って、指定申請の中で基準を満たしてさえしまえば、指定をせざるを得ないという現状がある中で、先ほど来お話があった法律、基準等のある程度の専門性を持てるような人員配置にしろ、いろいろなやる内容にしろ、位置づけていただく。それをもってこちらも指定をしていくことが、担保がないと、行政指導を我々のレベルでやろうと思っても、なかなか専門性を維持できるような事業所を指定するのは難しい現状にあると思いますので、ガイドラインということではなくて、一歩進んだ権限がもう少しできるような指定ができるようになれば、もう少し専門性を持ったものもできるのではないかと考えてございます。
以上でございます。
○柏女座長 ありがとうございます。指定する側からの貴重な御意見をありがとうございました。
では、秋山さん、加藤さん、小川(陽)さん、北川さんの順でお願いできますでしょうか。
○秋山構成員 秋山です。児童発達支援についての対象児童について発言をさせてください。
現在、診断を必須としないという点においては、柔軟性があり、間口を広く取っている点で十分に評価をしています。一方で、利用者の増加の大きな要因の1つとなっているとも考えられます。医師に対して、意見書に記載する内容を、事業者のニーズに合うような形で要望してくるような保護者の例も複数経験したことがあります。子供の障害に通じた医師によって関与できるような仕組みをつくっていただいて、対象児童を適切な療育につなげられるようにしていただきたいと思っています。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、加藤さんお願いいたします。
○加藤構成員 ありがとうございます。1点だけです。
この事業所というのは、センターに比べると、より小さなエリアの中で、数的にもエリアの中にはたくさんあるのですけれども、例えば、私のこのエリアを考えてみた場合にもかなりあるのですね。あるのですけれども、全くそれらが非連続に、先ほど来申し上げているように勝手なことをやっているのですね。まさに地域ネットワークの中に入ってきていないのですね。その辺の意識といいますか、その辺の低さみたいなものが、最初のこの事業が始まるときの基準ですね。事業所基準のハードルの低さがもたらしてしまっているという気がしないではないですね。放課後デイがそうであったように。
それは、また一方では、最初の日本自閉症協会の指摘にもあった異業種の参入は、長い歴史の背景でいけば、要するに、本人主体のオーダーメイドの暮らし、人生、学びをという、その流れの中で、要するに、そうは言っても、地域の中に本当に選択肢はあるのかと。何もないのに選べ選べなんて言うのは、それは論外だという議論の中で、結局、ハードルを下げて、選択肢を増やそうという中で始まったこの流れなので、ある意味では、一旦下げたハードルを上げるのは大変なことではあるとしても、それについては厳しいラインを設定して、質的にも量的にも、ハード、ソフト両面からの厳しいフレームといいますか、そういうものを設ける必要がそろそろあるのではないかと思います。
ただただ量を拡大する、量の拡大が質的な向上を担保するというようなことも昔は考えられていたのですけれども、決してそれは何も根拠がなかったといいますかね。やはり量の拡大は量の拡大のままで、質的な向上にはつながっていないというのが、今日の現状ではないかなと思いますので、その辺についての基準の見直しなど、質的・量的なハード、ソフト両面の見直しをきちんとするべきだろうと思います。
ありがとうございました。
○柏女座長 ありがとうございました。
では、小川(陽)さんお願いいたします。
○小川(陽)構成員 ありがとうございます。NSKの小川です。
皆様がお話しされていることに近い部分もあろうかと思いますが、私からも1点だけお伝えをさせていただきます。
児童発達支援事業については、地域支援機能が非常に弱いという見方をさせていただいております。この現状については分析をする必要があるかと思います。今後については児童発達支援センターの機能とも併せて、各地域の実情の把握とかマネジメントを児童発達支援センターがしていくということ。児童発達支援事業所はそれに協力する義務というか役割があるのだということをさらに明確化すること。
それから、それらが集まるプラットフォームといいますか、前回の会議でも、地域自立支援協議会の活用等のご意見もあったかと思いますが、そうしたものも含めて、先ほど加藤先生からも話があったように、勝手バラバラではなくて、地域の中でニーズを把握しながら、それぞれが役割を自覚的に共有認識の上で、一体的に進めていくという風土をつくるために制度的なインセンティブも含めて考えていく必要があるのではないかと思っているところです。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、北川さんお願いいたします。
○北川構成員 児童発達支援事業に関しては、すごい短時間で塾のようなところからガイドラインにきちんと沿ったトータルな発達支援をしているところと、それは同じ報酬というのはやはりおかしいかなと思いますので、その辺は今回考えていくところだと思います。
あとは、大塚先生の意見にありました保育士のことですけれども、私、常々重心の子たちを見ていて、TPとかナースとか医療的ケアをしていし、いろいろな専門職がそこにSTなどもいますが、子供を育てる専門家というのがやはり保育士だと思います。障害に特化するだけでなくて、子供としてこの子をどう育てていくかという役割を保育士が担ってくれています。保育士そのものも熟練しないといけない面もありますけれども、保育士の大事な専門性を、子供としてしっかり育てていく、障害に特化しないで子供として育てていくというところもあるのではないかなと思って聞いておりました。
本当に差別とかそういうことも考えたらあれなのですけれども、まず私は子ども施策一つになってほしいなというか、その中で、配慮の必要な子は配慮が必要だし、私の所は、午前中は児童発達にして、それから、午後は保育園に行くとか、保育園だけだと、人材的にあまり構えなくて、どうしても自傷とかが多くなるので、そこは保育園と連携していくとか、本当にいろいろな役割をそれぞれに地域で果たしていくというのが大事なのではないかなと思っています。乳幼児の育ちの時期なので、どういう育ちを保障して、地域で連携していくか。子ども施策の一つとして児童発達も障害児施策もやっていくのがいいのではないかと思います。遠くの特別支援学校とかそういうことのほうが、一緒に学べないわけですから、そっちのほうが問題で、児童発達はそこまで地域で分断されていないのではないと、協力し合ってもっともっと強めていく必要があると思います。
支給決定ですけれども、今、誰でもいいというわけではなくて、保健センターの保健師がこの子心配だったり、家族も支援したほうがよくて、発達に心配なところが出ているという気づきの段階から利用できるのはすごくいいと思うのですね。お医者さんが関与することはとても大事だと思うのですけれども、お医者さんが診断して、使えるとなるとやはりハードルが高くなるので、児童発達を気づきの段階から使っていただいて、その後にお医者さんにつなげるという連携。もちろん医師の診断書があって今利用している子もいます。ただ、保健センターの保健師辺りの気づきの段階からというのが、非常に支給決定としては大事だと思います。今はすごく使いやすくて、サポートしやすい体制ができているかなと思うので、お医者さんの役割はとても大事だと思っているのですけれども、診断あってのというのはちょっと厳しいかなという感じがいたしました。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
あと10分ほど時間が取れますけれども、柏市の小川(正)さんお願いいたします。
○小川(正)構成員 それでは、児童発達支援事業の現状と課題について、1点だけ意見を述べさせていただきます。
前回、又村構成員からも御意見があったかと思うのですが、8ページの障害児の発達支援として必ずしもふさわしくない事例があったり、利用する人が増加している根本としまして、利用者負担の在り方の問題があると思っております。現在、世帯所得がおおむね850万円までの世帯は月額の上限が4,600円、それを超えると一気に3万7200円になっていることから、多くが4,600円となっており、セルフプランで上限の基準額のサービスを利用している実態があって、カルチャー的な利用も多いというところが、現場では実際ございます。そういったことからも、障害児支援サービス費の大きな伸びの要因になってしまっているのではないかと思っております。
このようなことから保育園同様に、利用者負担の段階をもう少し細分化すべきではないかと思っております。また、親御さんの就労状況や療育支援の中身をしっかり把握してもらい、真に必要なサービス量と質の確保が図られる仕組みづくりとなるよう検討していくべきものと考えております。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
田中さん、お願いいたします。
○田中構成員 ありがとうございます。
量的な拡大から質的な向上といったところが課題になっている中で、今回お示しいただきました時間と支援内容の4象限の資料につきまして、データも含めまして、大変貴重なものだったと思っております。
その上でですけれども、今回、ふさわしくない事例というものの中で、この4象限の図につきまして御説明いただいたわけですけれども、本来であれば、スポット的な支援とか、生活全般の支援を含めて行う支援とかこういったものについて、もう少し、逆に言うと、積極的にどういうふうに位置づけるかということが多分問われるようになると思っておりまして、そういった議論がこれからの課題になるのではないかと思っております。
加えて、それが現場に何らかの形で影響を与えるとするならば、それが頑健な定義でありながらも、現場の方々の負担にならないようなものにしなくてはならないわけですので、そういった実務的なところも課題になるかなと考えています。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。課題は大きいなと思う感じで聞かせていただきました。ありがとうございます。
ほかには、いかがでしょう。
北川さんからインクルージョンの話は出たのですけれども、資料の5ページですが、「インクルージョンの実現に向けた一般施策の連携」の具体的な仕組みをどうつくったらいいかということについては、何か御提言はありますか。ほかのところは割と意見が出てきているのですけれども、ここだけちょっと乏しいような気がしたので。
北川さん、お願いします。
○北川構成員 やはり、何よりも子供を通じた連携が一番大事ですよね。だから、それほど多く実施されていないのではなくて、いっぱいいっぱい両方通っているお子さんとか、保育園だけに行っているお子さんの困り感とか、先生の困り感に応えられるような連携を丁寧にしていくというのが一番大事だと思っています。私も、明日、保育園に行くのですけれども、お母さんの話をよく聞いたり、保育園の先生の話をよく聞いたりしながら、子供の育ちをしっかり保障していくということが一番大事ではないかなと思っています。
○柏女座長 ありがとうございます。
では、秋山さんと又村さんから手が挙がっていますので、お願いいたします。
○秋山構成員 秋山です。お願いします。
私の児童発達支援事業所は重心ですけれども、重心の子供たちを通常の一般保育園に併行保育するような試みを5年ほど続けています。それまで重心の子供たちに触ったことがない、見たことがないという保育士たちが、この5年間かけてやっと受け入れられるようになり、公立保育園でも、今は重心の子供たち、医ケアの子供たちを受け入れてくれるようになりました。実際に児童発達支援事業所に通っている子供たちを、アウトリーチで地域に連れていくという役割は、児発にあっていいのではないかと思います。待つ姿勢ではなくて、子供たちを一緒に連れていく。そして、子供たちのライフサイクルに合ったものに沿っていくという計画を立てていくという役割があるのではないかと思います。
以上です。
○柏女座長 そうした積極的なアウトリーチをしていくことが大事だということですね。ありがとうございます。
又村さん、お願いいたします。
○又村構成員 全国育成会連合会 又村でございます。ありがとうございます。
先ほど加藤先生が、少しずつ前に進んでいるということに対して、つながりがコーディネートされていないのでバラバラだということの表れだと思っています。今、秋山先生がおっしゃったように、そのようにアウトリーチをして、地域の中で障害があるなしに関わらず、社会資源が豊かに使えるように働きかけている事業所もあれば、うまいこと囲い込んでしまおうというスタンスが懸念さる事業所もある。
ということを考えると、事業所はある。受け入れるであろう地域の社会資源も一定程度そろっている。それをつなぐ人はどこなのかという問題の中で、例えば児発事業所の指定基準等にそういった地域との交流、5つの機能の中にもありましたから、そういうものを強化していく考え方もあろうかと思いますし、したほうがいいとも思うのですが、併せて、先ほど北川構成員がおっしゃったような、例えば地域子育て包括支援センターにこそその役割を求めるとか、例えばですけれども、障害児にあっても、今のサービスでいうところの障害児版の基幹相談支援センターというようなものを地域の中で展開することで、まずはそこに橋頭堡を築くような考え方であるとか、いずれにしても、これはどちらかというともう既にある相談の機能とかがそこにきちんとコミットできるかどうかの課題かなと感じています。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。子供子育て支援制度と障害児支援制度の廊下がまだ遅いので、そこの渡りを強く太くしていくことが大事なのだろうと思います。障害児支援のところでの議論、予算の議論もできますけれども、子供子育て支援センターのほうでも障害児支援についての強化をしていただかないと、これは渡り廊下がうまくつながらないということだと思いますので、そうしたソーシャル・アクションも必要かなと思って聞かせていただきました。
大塚さんと小川(陽)さんですね。お願いいたします。
○大塚代理人 ありがとうございます。
先ほどの議論からつながりとか、あるいはなかなか面になっていないということで、お話が出ていますように、今日、小川(陽)さんがいらしていますけれども、やはり相談支援だと思うのですね。障害のある子供の相談支援をまさに代弁していくわけですから、地域をつなぐ役割があると思っています。ある意味でコミュニケーション・ソーシャルワークがきちんとできないとつながらないということですので、ぜひ、医療的ケア児コーディネーターというのもつくりましたけれども、相談支援専門員で、専門的に医療的ケアの方が地域で生活できるようにする。それぞれの障害種別ということは必要ないかもしれませんけれども、そういういろいろな相談支援の試みをぜひやっていただきたいと思っています。
厳しいことを言えば、相談支援はそこまでになっていないと思っておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
○柏女座長 では、挑戦状を突きつけられた小川(陽)さん、お願いいたします。
○小川(陽)構成員 ありがとうございます。
今、図らずも私の発言の前に大塚先生から、相談支援に対しての叱咤激励も含めて御発言をいただきました。厳しく受け止める部分は受け止めていきたいと思います。
又村構成員のご意見もそうですけれども、私も相談支援の機能の充実がこれについては必要だろうと思っています。そのためには、少し議論が戻りますが、児童発達支援センターの相談支援の機能が、量的なものも含めて、それは人員配置も含めてですが、一体どの程度のものが必要なのかということを具体化することがとても大事な視点だと思っています。
それから、相談支援とともに、アウトリーチの機能として持っている保育所等訪問とか、巡回支援専門員整備事業とか、今あるものをどのように使っていくのかということについては、そこも再活用という意味も含めて、視点が必要なのではないかと思っているところです。
以上です。
○柏女座長 ありがとうございます。
保育所等訪問支援は別の機会に議論ができますので、そこに強化策をぜひ盛り込んでいければと思っております。
もうそろそろ時間になるのですけれども、どうしても伝えておきたいということがございましたら、お一人ぐらいは大丈夫かと思いますが。
よろしいでしょうか。
ありがとうございます。とても貴重な御意見をいただきました。特にまとめることはいたしませんけれども、基準の見直しだったり、事業の類型化の話とか、あとは、参入のハードルを高める、低める、支給決定の方法を少し工夫する、いろいろな御意見が出てきました。その中には、少し意見が分かれるようなところもありましたけれども、事務局のほうでそれらをまとめていただいて、いずれ方向性は出していかなければなりませんので、その中では事業者側の方々に場合によっては影響の大きい決断などもこの検討会としてしていかなければならないなと、今、ちょっと責任の重さにおののいてはおりますけれども、でも、正しい方向性を求めていきたいと考えてお話を聞かせていただきました。
それでは、議事の「その他」については、何かございますか。
事務局はございませんか。
構成員から、「その他」で何かございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、2時間半にわたって熱心な御議論をいただきまして、ありがとうございました。
これにて、今日の議事は全て終了とさせていただきます。
事務局から、今後のスケジュールについて御説明をお願いいたします。
○田野障害児・発達障害者支援室長補佐 事務局でございます。
次回の検討会は7月15日(木)午前10時から12時半までを予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
○柏女座長 10日後の、また、2時間半の長いスケジュールになりますけれども、ぜひよろしくお願いいたします。
今日はありがとうございました。