令和3年6月28日 第32回 社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会(議事録)

日時

令和3年6月28日(金) 16:00~18:00

場所

Web開催
日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8F

出席者

委員 ※五十音順

議題

1.令和3年度介護従事者処遇状況等調査の実施について
2.その他

議事録

 
○新田介護保険データ分析室長 それでは、定刻になりましたので、第32回「社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会」を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、誠にありがとうございます。
本日は、前回同様、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、ウェブ会議システムを活用しての実施とさせていただきます。
また、傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により、一般公開する形にしております。
初めに、本日の委員の出席状況ですが、全ての委員に御出席をいただいております。
続きまして、事務局に異動がありましたので、御紹介させていただきます。
高齢者支援課長の須藤明彦でございます。
次に、老人保健課長の平子哲夫です。
最後に私、介護保険データ分析室長の新田惇一です。
議事に入る前にお手元の資料の確認と、ウェブ会議の運営方法の確認をさせていただきます。
まず、資料の確認を行います。
本日は、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページにも掲載しております。
まず、議事次第と委員名簿がございます。
次に、令和3年度介護従事者処遇状況等調査の実施についての資料といたしまして、資料1、令和3年度介護従事者処遇状況等調査の実施について、資料2、調査票(案)を掲載しております。
資料の不足等がございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。
次に、ウェブ会議における発言方法等について、確認させていただきます。
御発言される場合は、通常の会議と同様に挙手をお願いいたします。画面で田中委員長に御確認をいただき、指名していただきますので、指名に基づき御発言をいただくようお願いいたします。
挙手しているにもかかわらず、発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合は、ウェブ会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能ですが、原則としては、挙手にて意思表示をお願いいたします。
なお、チャット機能等で記載いただいた内容については、ウェブの画面及び配信動画においても表示されますので御承知おきください。
それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。
本日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、報道の皆様には、ここで御退室いただくこととなりますので、よろしくお願いいたします。
では、以降の進行は田中委員長にお願いいたします。
○田中委員長 委員の皆さん、こんにちは。久しぶりの方もいらっしゃるし、初めての方もいらっしゃるのですね。よろしくお願いいたします。
では、ただいまから議事次第に沿って進めてまいります。
本日の議題1「令和3年度介護従事者処遇状況等の調査の実施について」、事務局から資料の説明を伺います。その後に質疑を行うことといたします。
いつものことですが、事務局においては資料説明を簡潔に行ってください。各委員におかれても、御発言は論点に沿って簡潔に行うよう、お願いいたします。
では、事務局から資料の説明をよろしくお願いいたします。
○説明者 早速ではございますけれども、令和3年度介護従事者処遇状況等調査の実施案について説明させていただきます。
本日は、資料1及び資料2の2種類の資料を御用意しております。
まずは資料1を御覧いただけますでしょうか。初めに1ページを御覧ください。
まず「1.調査の目的」でございますけれども、介護従事者処遇状況等調査は、介護従事者の処遇の状況及び介護職員処遇改善加算の影響等の評価を行うとともに、介護報酬改定の基礎資料を得ることを目的としている調査でございます。この調査はこれまで3年ごとの介護報酬の改定年に実施することを基本としつつ、その時々の政策上の必要性を踏まえて臨時で追加的に実施してきたところでございまして、昨年度も実施しております。本年度は報酬改定年でございますので、定期で調査を実施する周期に当たります。令和3年度の介護報酬改定の影響等を把握することとしております。
「2.調査時期及び公表時期」でございますけれども、これまでの定期調査の年と同様、10月に調査を実施し、翌年の3月に公表する予定としております。
「3.調査対象及び抽出方法・抽出率」でございますけれども、まず調査対象につきましては、前回の令和2年度調査では特定処遇改善加算の影響等をきめ細かく把握する観点から、介護職員が多く配置されているサービス、具体的には通所リハビリテーション、特定入居者生活介護、小規模多機能型居宅介護でございますけれども、これらを追加させていただきました。
その一方で、特定処遇改善加算等の対象とはなっていない居宅介護支援事業所は対象外としたところでございますけれども、引き続き、特定処遇改善加算の影響や介護職員の賃金をきめ細かく把握する必要がございますので、今回は令和2年度調査と同様とする予定でございます。
抽出方法は前回と同様でございます。具体的な抽出率につきましては、資料4ページから5ページに掲載しておりますので、こちらについては後ほど御説明いたします。
次に2ページ、「4.調査項目」、「5.調査項目等の変更について」でございます。
調査項目につきましては、前回調査で特定処遇改善加算に関する項目を追加いたしましたけれども、今回も同様の項目とする予定としておりますが、令和3年度介護報酬改定におきまして、介護職員処遇改善加算の算定要件の一つでございます職場環境等要件の見直しを行いましたので、それに併せて給与等の引上げ以外の処遇改善の取組に関する調査項目を見直しいたしました。具体的な変更点につきましては、3ページを御参照いただければと思います。
また、介護医療院の調査票につきまして、施設数が増加してきたということで、転換前の施設による差異を確認するために、転換前施設に関する質問を追加しております。その他の調査項目につきましては、調査年度の修正等、形式的な変更を除いて変更はございません。
次に、4ページの施設・事業所票と5ページの従事者票の抽出率でございます。基本的には前回の定期調査でございます平成30年度調査と同様の抽出率としつつ、令和2年度調査で追加したサービスにつきましては、令和2年度調査と同様の抽出率としております。いずれにしても、前回の調査と同程度の目標精度を達成できるような標本数となるように設定しております。
なお、4ページの表の下の2番目の※で記載しておりますけれども、この調査は政府統計の一般統計調査でございますので、調査の実施に先立ち総務大臣の承認を受ける必要がございます。したがいまして、これまで御説明させていただいた調査事項につきましては、総務省による審査の過程で変更があり得るということで、あらかじめ御承知おきいただければと思います。
続きまして、資料2を御覧いただければと思います。資料2は、令和2年度調査の調査票案になります。時間の関係もありますので、一つ一つ御説明はさせていただきませんけれども、概要を説明させていただきます。
1枚目が表紙でございますけれども、1ページ目から2ページ目が、介護従事者の給与等の引上げの状況に関する質問でございます。1ページ目の最後の質問の選択肢につきまして、時点に合わせた表現、選択肢に修正しておりますが、内容は従来と同様でございます。
3ページからが介護職員処遇改善加算の届出等の状況についてということで、こちらは年度の記載を除いて変更はございません。
7ページは介護職員等特定処遇改善加算の届出の状況についてでございます。こちらも年度の記載を除いて、前回から変更はございません。
10ページと11ページが、先ほど御説明させていただきました給与等の引上げ以外の処遇改善に関する調査項目でございます。これらの項目につきましては、先ほど申し上げたとおり、介護職員処遇改善加算の算定要件の一つである職場環境等要件の事項に合わせた記載としております。
12ページから21ページ目までが各サービス別の調査票になります。先ほど御説明したとおり、15ページに介護医療院の調査票がございますけれども、こちらの一番下に転換状況についての項目を追加してございます。
最後に22ページから23ページ目が職員ごとの給与を把握する従事者票となっておりますが、こちらにつきましては、年度の記載を除いて変更はございません。
調査票は以上でございます。こちらにつきましても、総務省の審査の過程で変更があり得るということであらかじめ御承知おきいただければと思います。
事務局からの説明は以上になります。
○田中委員長 説明ありがとうございました。
ただいま説明を伺った事項について、御意見、御質問があれば、お願いいたします。
千葉委員、どうぞ。
○千葉委員 ありがとうございます。千葉でございます。
2つばかり質問をさせていただきたいと思うのですが、まず1点目でございますが、今回の処遇状況調査で資料1の3ページに、前回、令和2年度の調査との対比が出ているかと思います。聞きたいことは何かといいますと、調査対象の施設・事業所の範囲です。これにつきまして、先ほどの御説明でも処遇改善加算とか特定加算の状況を引き続き把握したいために、前回と同様の対象にしているという話があったかと思います。
そこの意図は十分分かったつもりなのですが、そこであえて質問したいのは何かといいますと、ちょうど当会議の質疑の中で私も質問させていただいたのですが、前回の令和2年度調査はある意味臨時調査だったということで、一部調査時点とか、前回は4月調査だったとか、調査対象についても居宅介護支援が抜けたりという話があったかと思います。今回の調査時点については、また定例の10月調査に戻っているのはいいのですけれども、問題は、その調査対象の事業所種別について、居宅介護支援が前回の臨時調査では一旦抜けたのですが、あのときに私から質問したのは、また定例調査に戻したときに臨時調査のときに外した居宅介護支援はどうするかということでした。当時の議事録にも残っていると思います。そのときに御回答いただいたのは、基本は定例調査に戻すときには、調査対象も元に戻るのではないかと当時の課長からのご回答がありました。そのなかで原則戻すとはいえ、政策上の必要性から必ずしも全部戻るということではないとも御回答があったように記憶しています。
そこで質問なのですけれども、今回は定例調査であることも踏まえて、居宅介護支援はまた調査対象に戻すものと思っていたのですが、これを戻さないのは何か理由があったのかということです。もちろん、今回の調査でも介護職員の処遇改善加算や特定加算の状況を知りたいということはいいのですけれども、一方で居宅介護支援は介護サービスの中では非常に重要な職種であり、その前の平成30年の定例調査のときまでは調査していたという経緯があったにもかかわらず、今回除外するということはどういう理由があったのかお聞きしたいと思います。これが1点です。
それから、質問の2点目です。今回の調査の中身について、例えば従事者票について、いろいろな実際の具体的な給与額等を書くところがあるかと思うのですが、質問は何かといいますと、今回このような社会環境の時点の中で、コロナ禍の影響をどう踏まえるべきか。また、コロナ禍によって給与や手当等に何らかの影響がないのか、あるのか、事務局としてはどう認識されているのか、まずその点をお伺いしたいと思います。この2点でございます。
以上です。
○田中委員長 事務局から、なぜケアマネ事業所を外したかについてお答えください。
○説明者 御質問ありがとうございます。
居宅介護支援事業所を対象から除外した理由ですけれども、今回、改めて調査対象をどうするかということを検討させていただきましたが、介護従事者の処遇の状況ですとか介護職員処遇改善加算の影響の評価を行うという本来の目的に立ち返って検討させていただきましたところ、やはり特定処遇改善加算の影響をきめ細かく把握しなければいけないということで、調査の対象につきましても、介護職員の精度を確かにするために、昨年度と同様のものとしたいということで考えております。
介護支援専門員の給与そのものにつきましては、各事業所、例えば介護保険施設に配置されている介護支援専門員の給与は把握できますし、別の調査としまして、例えば賃金構造基本統計とかそういったところでケアマネの給与そのものは把握できますので、そういったところで対応していきたいと考えております。
2つ目の質問でございますけれども、コロナの影響ということでございますが、私どもとしましては、今回、介護従事者の処遇の状況ですとか加算の影響の評価を行うという調査の目的を踏まえ、コロナに特化した質問というのは考えておりませんでしたけれども、皆様、いろいろ御意見があると思いますので、この場での御議論を踏まえて検討させていただきたいと思っております。
○田中委員長 今の千葉委員が提起した問題は両方とも重要なので、ほかの委員の方も、もし御意見があればお願いします。コロナについては私も後で意見を言いたいと予定しています。
どうぞ、ほかに委員の方、いかがですか。千葉委員、どうぞ。
○千葉委員 ありがとうございます。引き続きの発言で申し訳ございません。
まず、ケアマネのほうにつきましては、事情と状況については理解したつもりでありますが、できましたら関係の方々のコンセンサスというのも必要かなと思います。特に職種としてのケアマネというのもそうなのですが、それは多分、雇用されている事業場の特性に引っ張られるところがあるので、例えば特養にケアマネ−ジャーがいるから特養を調査すればケアマネージャーの給与が分かるというのではちょっと違うのかなと感じます。やはり居宅介護支援事業所におけるケアマネージャーの処遇状況は調査すべきだと思います。この点については、例えば給付費分科会等々でも居宅介護支援事業所の業界に関連する方がおいでかと思うので、ぜひそういう方々の意見も聞くべきではないかなと感じました。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
今回落とした理由は何かについて、ほかの職種が重要だ、ではこれを落とす理由にはなりませんからね。逆に言うと、重要でないと言っていることになりますので、ちょっと苦しい答弁だったかなと感じます。
○千葉委員 ありがとうございます。
○田中委員長 堀田委員、お願いします。
○堀田委員 ありがとうございます。
今、まず、千葉委員が提起くださった点については、ケアマネを除いていいのかというのはまさに議論を尽くしたほうがいいのではないかなと思います。
それから、2点目のコロナの影響は、私はちゃんと事前に全部眺めていなかったのですけれども、今の調査票だと全く入っていないというふうに理解しましたが、少なくとも陽性者もしくは陽性疑いの方が利用者もしくは職員などの中に発生したのか否かといったことは確認しておいていいのではないかなと思います。もしかすると、今回お尋ねするような賃金あるいはそのほかの処遇改善ということに関連して特段の影響はないかもしれないですけれども、実際はこうした形でコロナの対応ということが何らか職場環境に、これは短期的なというよりも今回のようなことはある程度の戦略を持って賃金のことでも職場環境のことでも検討しておられると思いますけれども、影響しているのかどうかということが十分に今のところ検討されていないと思いますので、入れておいたほうがいいのではないかなと思いますというのが、千葉委員が提起くださった点についてのコメントです。
もう一つは、今回の調査についてということではないので差し当たり黙っていたのですけれども、申し上げてしまいますと、今回、職場環境等要件の見直しが行われたということで、それに対応する調査項目を今回の調査票でも入れてくださっているということになるかと思います。これ自体は、このように職場環境等要件が見直された後に行う調査ですから、この調査自体は結構だと思うのですけれども、田中委員長もですが、昨年度、老健事業の中でこの職場環境等要件の見直しの議論に加わらせていただいた際に、結構この見直しのしていき方というのは難しいところがあるなと感じました。とはいえ、短期的な検討としてこの見直しが行われた上での調査なのですが、今後もこの職場環境等要件あるいは処遇の改善ということを考えたときに、そもそも今回のこういった手立てというのは、介護職員の確保、定着、能力発揮みたいなことができるための手立てとして行われていることだと思いますので、その規定要因となる処遇というものがどのような因子から成り立っているのかということをもう一度実証的に検討してみるということをやったほうがいいのではないかなと考えています。これは今回の調査でということよりも、この先の検討の必要性としてあえて今のタイミングでお伝えしておければと思います。
以上です。
○田中委員長 昨年度の老健事業の経験からの御発言でした。ありがとうございます。
岩下委員、お願いいたします。
○岩下委員 御説明を丁寧にしていただいてありがとうございました。
2点あるのですけれども、1点目は、千葉委員、堀田委員がおっしゃられたコロナの影響に関して、私も同じ点を疑問に持っておりました。この調査でコロナに対応したことによる影響がデータとして反映されて、含まれてしまうのか、含まれた場合にまたそれを排除しながら分析ができる形になっているのかという点については確認をさせていただきたいと思っております。
2点目ですけれども、前回も介護職員処遇改善加算の取得届出をしていない事業所における理由の調査があったかと思います。結果としては、事務作業が繁雑ですとか、利用者負担の発生、算定要件が達成できないということが主な理由として挙げられていましたけれども、今回も同じ項目で調査をするとしたら、この間に取得届出をしやすいような何か施策が取られてきているのか、またはそうではないのかというところで、確認事項として教えていただければと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
コロナについては後でまとめてもう少し議論しましょう。今の後段の確認事項についてお答えください。
○説明者 加算を届出しやすいようにということですけれども、一応厚生労働省で補助事業を設けて、ちゃんと届けていただくような仕組みづくりはしております。
○田中委員長 岩下委員、よろしいですか。
○岩下委員 補助事業というところをもう少しお話しいただければ助かります。
○田中委員長 総務課長、お願いします。
○竹林総務課長 総務課長でございます。
加算の取得が進まない要因について、昨年の調査でもいろいろ調べていて、ちょっと今手元にはないのですけれども、大きく分けて手続が大変だという話と、もう一つは、先行していろいろベテランの方にちゃんと処遇できるような賃金カーブでつくっていたような事業所が、加算の要件としてさらに10年以上の介護福祉士等に重点配分するようなもともとの要件でやると、ぐっと差がついてしまって賃金のバランスが崩れてしまうという御指摘があったと承知しています。
手続的な問題については、先ほど説明者から申し上げましたように、厚労省の補助事業、これは介護報酬の枠外で社会保険労務士みたいな方がそれぞれ事業所に対して申請のお手伝いをするとか、様々な手続が進むような助言をできるような事業をやっております。
それは元から令和2年度予算でもやっておりましたが、一部の都道府県でまだ実施ができていないところもあったので、3年度はさらに予算を大幅に拡充しまして、国が直轄でできる。もちろん国といってもどこかの民間団体に委託することになると思うのですけれども、国が直轄でもできるように予算を大幅に拡充して、そういう手続面での社会保険労務士等の助言による促進はやっていると。
もう一つ、賃金テーブルみたいなものがもともとの要件ではかなりの変更を強いられるということで手を挙げるのを諦めていたという問題については、昨年、介護給付費分科会でいろいろな角度から議論いただきまして、結局、10年以上の介護福祉士のようなベテランの介護福祉士に配分する額とその他の介護職員に配分する額、もともと2対1の差をつけなければいけないというのが導入時の要件だったわけですけれども、そこをわずかでもベテランのほうに重点配分していたらいいと、不等号が成り立っていたらいいと、2倍の差をつける必要はないと、このような制度的な対応もしたということでございまして、その2つの要素によって届出、加算取得が進むように手立てをしたところでございます。
○岩下委員 御丁寧に説明いただきましてありがとうございます。よく理解できました。
以上です。
○田中委員長 野口委員、お願いします。
○野口委員 大変丁寧に説明していただいて、どうもありがとうございました。
私、ちょっと別件で、今回のことにあまり関係ないといえば関係ないのですけれども、別の検討会で介護分野の文書に係る負担軽減みたいな検討会をやっているのです。そこで報酬請求について、例えばこれは令和元年度にやった取組なのですけれども、今回のコロナのこともあり、提出時のルールに対する手間の簡素化ですね。押印や原本証明は要らないとか、あるいは勤務表の様式を簡素化するとか、もちろん処遇改善加算とか特定処遇改善加算の報酬請求の手続を簡略化するみたいなこともやったのですけれども、この調査票に、文書に関することですけれども、そういった軽減の影響というか、実際それによって業務負担がどれぐらい軽減したのかみたいなところは、すみません、私がもっと項目をしっかり見ればよろしいのですけれども、何か反映されていたりするのでしょうかというのが質問です。お願いします。
○説明者 今回の調査では、文書負担の軽減の影響というのは特に記載しておりません。
○野口委員 当該検討会では、やはりすごく処遇改善とかそういうところの文書の負担が非常に重いと、そういうところの文書提出に非常に時間がかかるということでしたので、この調査ではなくてもいいのですけれども、その辺りのところも今後意識して項目を立てていただければなと思います。
○田中委員長 課長、お願いします。
○竹林総務課長 総務課長でございます。
今、野口先生御指摘の件については、この調査の調査票には直接反映されていないということなのですけれども、別途、改定検証の枠組みで年間何本かやることになっていると思うのですが、その中の1個に文書負担軽減の影響を調査する項目が立っていますので、そちらで先生の問題意識に沿ったような、どれぐらい報酬改定でルールを変えたことが現場の負担軽減につながっているのかという調査をさせていただくことになると思います。よろしくお願いいたします。
○野口委員 どうもありがとうございました。
○田中委員長 中医協と同様、介護給付費分科会も改定検証委員会を別立てで持っていますので、そこで取り上げてくださるようです。説明ありがとうございました。
では、コロナのことについて少し皆さんの意見を伺います。最初に説明されたこの調査の目的は、政策上の必要性があった場合には臨時の調査もあると目的の説明をうかがいました。それからすると、コロナに対してどうしたかは、政策上の必要性としては最も重要ですね。答えとしては2つあり得て、この質問の中に取り入れていく方法と、コロナの影響を受けてしまった、例えば集団でクラスターが発生してしばらく閉鎖した事業所が当たった場合には外す方法案、つまり、コロナの影響を抜いた事業所だけで調査する案と、2つ方法はあり得ます。けれども、それらを曖昧にして、コロナのことを聞かないで、しかし、コロナの影響を受けたものも入っていると、統計数値が何とも言えなくなるのではないかと私は危惧しています。とりわけ1ページ目と2ページ目には、処遇を改善した、給与等を引き上げたことについては細かく聞いていますが、引き下げた場合の選択項目が例えば問1(1)にありますが、引き下げた理由の中にコロナが入っていないのです。明らかに事業所によってはしばらく閉鎖を余儀なくされたとか、通所事業所系を中心に、特に緊急事態宣言の間などではお客さんが激減あるいは減ったところが存在します。施設はさっき言ったようにクラスターが発生していなければあまり影響はないかもしれませんが、お客が減ったところがあるのは皆さん御存じのとおりです。そうすると、引き下げた理由の中にコロナの影響についての選択肢がないのですね。これは事業所としては書くのに困ってしまうはずです。
したがって、私の意見、見解としては2つあって、そういう選択肢も入れた質問票にするか、そもそも最初のところに、本事業所はコロナの影響を受けていませんね、では回答してください、受けた場合はパスしてくださいとするか、どちらかにしないと、コロナの影響でお客さんが減ったので引き上げられなかったとの答えを書けない。つまり間違った回答になりかねないと私は危惧していますが、いかがでしょうか。賛成の演説をしてくださると助かるのですけれども。
千葉委員、どうぞ。
○千葉委員 ありがとうございます。
本当に田中先生がおっしゃるように非常に大きなノイズ項目ですし、重要な問題だと思います。私も、調査実施方法として、先生のおっしゃるように調査客体に入れるか入れないかのところは明確にした上で、入れるのだったら識別化できるように、入れないのだったら別に質問を取るように、そのような形で何らかの対応は絶対必要なのかなと思いました。
あとは、これは多分この調査票に影響しないのか、私も制度の理解不足でお恥ずかしいのですけれども、例えば従事者票の中でも給与額について、先ほどちょっと言いかけましたけれども、給付金とかああいうものが入ったところの影響はちゃんとこれを除外できるのかとか、できないのだったらその分は除いてくださいということを言うのか、言わないのか。この辺は、もともとそれはこういうところにカウントされないものだから聞いても入ってこないよというのなら構わないのですけれども、そこのところは私の事実認識が間違っているかどうかも含めて御教示いただきたいと思っているのです。もしこれが混ざるようだったら、そこの部分も識別して外さなければいけないのかなと思いました。
以上です。
○田中委員長 後段の1人5万円あるいは20万円の給付金については、この調査の外になるのかどうかという御質問でした。
○説明者 今の御質問ですけれども、コロナの慰労金につきましては、給与とは別という扱いでございます。あくまで国から給付するものということになりますので、今回の調査対象からは基本的に外させていただきたいと思います。その旨は記入要領のほうにしっかりと書きまして、間違いのないようにしたいと思っております。
○千葉委員 分かりました。ありがとうございます。
○田中委員長 堀田委員、お願いします。
○堀田委員 ありがとうございます。
先ほどのプラスアルファというか延長ということになると思いますが、私は識別できるようにしたほうがいいと思います。コロナの何らかの影響を受けたところを全部除外すると、何らかの影響とすると結構幅広く除外されてしまうことになると思いますので、例えば去年の5月に自主調査として実施して、介護給付費分科会でも報告させていただきました事業所運営への影響というものを見ますと、去年の4月末段階までなのですけれども、全く事業所運営への影響がなかったというところは34%とかで、行政の要請からの休業とか利用者御家族の事情による利用控え・キャンセル、定員縮小、訪問回数・時間数縮小とか、いろいろとそういったことを全部入れると、影響がなかったというだけにすると、そのときは34%だけになってしまうということなので、随分客体が少なくなることからすると、受けたか受けなかったかという質問を含め、さらに、委員長がおっしゃってくださったように、選択肢の中に確実にコロナの影響があり得るだろうというものは加えていただくという形での対応をしたほうがいいのではないかなと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
今年の10月なので、実は影響がなくなっているといいのですけれども、何とも今のところは分かりません。
ほかにいかがでしょうか。
野口委員、お願いいたします。
○野口委員 いや、ただ単に、田中先生に大賛成です。
○田中委員長 ありがとうございます。別に事前に打ち合わせたわけではないですけれどもね。
岩下委員、お願いします。
○岩下委員 私も今の議論の流れに賛成なのですけれども、クラスターが起こって閉鎖されてしまっているところはもちろん時間、給与等々が減っていると思うのですが、クラスターで閉鎖されないまでも、陽性者が発生して濃厚接触者の調査ですとか家族への通知、そういった辺りで運営を継続されていた事業所の職員の負荷が物すごくかかっているのだというふうに理解をしています。なので、減ってしまうほうの項目の抽出、それから、増えてしまうことへのデータの影響というものも配慮した調査の仕方が必要なのかなと考えています。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
千葉委員、どうぞ。
○千葉委員 ありがとうございます。
私も、先ほど堀田委員の御指摘があったように、何らかの影響のある人を除外するというのはちょっと、客体から外すべきではないと思います。やはり影響があったら影響があったということを含めて客体として抱え込んで、その実態を調査票の中でむしろ聞いていくというスタンスのほうが適切ではないかと思います。先ほどの委員長のお話があったような事項も含めて、設問項目を見直したほうがいいかなと感じました。
○田中委員長 ありがとうございます。
本当に10月ですから、オリンピックがあるなしどころではなくて、10月に感染状況がどうなっているかは現時点では想定できませんが、質問票として、まだ感染がある場合のことを入れておかないと答えが来ない可能性があるので、少し工夫が必要かなと感じました。
それは対応可能ですか。老人保健課長、どうぞ。
○平子老人保健課長 老人保健課長でございます。
御意見ありがとうございました。いただきました御意見を踏まえまして、確認をさせていただきたいと思うのですけれども、今、コロナの影響については何らかの項目を入れるべきということで事務局としては検討させていただきたいと思いますが、その際にコロナの影響というときに、陽性者が施設に発生したか、していなかったかというところが一つ取れるようにしてはどうかというお話と、もう一つ、先ほど委員長のほうからも御指摘がありました2ページ目の問1(7)のように、項目で少し入れたほうがいい部分というところと2つ大きく御議論があったと承知しておりますが、そのような形で精査をさせていただいた上で、改めて確認をさせていただけたらどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
○田中委員長 修正提案ありがとうございます。
堀田委員、どうぞ。
○堀田委員 ありがとうございます。
1回目に発言したときに申し上げたのは、今、課長がおっしゃってくださったように、コロナの影響について、陽性者あるいは濃厚接触とかその疑いがあったのかどうか、利用者と職員も含めてというところを申し上げたのですけれども、恐らく2問必要ではないかと思っていて、その点に加えて、委員長が御指摘くださった点にもつながると思いますが、実際に事業所運営への影響というと、陽性者もしくは濃厚接触、感染が疑われて対応が必要になった人がいたかどうかというだけではない影響があり得るので、途中で2回目に発言のときに申し上げたように、休業だとか提供日、提供時間の縮小といった事業所運営としての対応なり影響、この2つに分けて聞いたほうがいいのではないかなと思います。
その上で、もう一つのほうは課長がおっしゃったように既に設定されている質問の中で選択肢として追加することの御検討ということになるかなと思います。
以上です。
○田中委員長 ありがとうございます。
課長、どうぞ。
○平子老人保健課長 御指摘ありがとうございました。御指摘を踏まえて検討したいと思いますが、一方で、記入者負担等の観点もございますので、項目数等については改めて精査をさせていただいた上で御相談させていただければと考えてございます。
○田中委員長 陽性者だけではなくて濃厚接触者も入れたほうがいいですね。自分の大学の経験からすると、濃厚接触者が出ただけでも2週間登校停止とか、関係者を調査するとかが入るので、運営への影響は、陽性者以外は大丈夫とはならない。
それから、おっしゃるとおり、単にお客さんによってしばらく利用控えが起きたなどは、問1(7)か何かで書けばいいですね。
用意していたら10月には全然影響がなかったとなることを祈りますけれども。
○堀田委員 でも、これは10月に御回答いただくに当たって、過去に遡ってということになるのですよね。10月の段階で10月1か月分ではなくて、影響を受けたかどうかというのも、少なくともこれは1年前と比べるとかになっていましたっけ。だとすると、この1年間でということになるのかなどといった検討も必要かなと思います。10月にはもうフルに再開しているかもしれないけれどもというところも配慮した形での聞き方がいいのではないかなと思います。
○田中委員長 ありがとうございます。
昨年の9月は緊急事態宣言がなかったときにあたり、ですね。もう終わっていたところですね。ちょっと感染者が減っていた時期ですね。コロナという、政策の背景にある環境要因としては今は一番重大なので、皆さん、御意見ありがとうございました。そこは事務局に最後委ねて工夫をしていただくようお願いいたします。
ほかの点ではいかがでしょうか。
これは紙での提出ではなくてオンラインでもできるようになっていますが、前回、アップロードして答えてきたのはどのぐらいのパーセンテージだったのですか。今の時代、できるだけ、一々これを手書きで書くとかPDF化するよりも、オンラインで答えられるほうがいいでしょうから。
○説明者 申し訳ありません。今、ちょっとデータがありませんので、後ほど調べて。
○田中委員長 別に今すぐ知りたいという質問ではなくて、そういうものが広がるといいとの希望を述べた意味です。オンラインでもいいとは説明でも伝えるわけですね。
ほかによろしいですか。
今日出た大きな議論は、居宅介護支援事業所を今回から、臨時調査は別とすれば、本調査としては初めて今回外すことになる提案だったので、その意味が伝わるかどうかに関して疑問が出ました。それを世の中に、なぜ落としたかを説明できないのだったら入れたほうがいいし、落とすのだったらクリアに居宅介護支援事業所の調査は要らない理由を説明しなくては駄目ですね。
2つ目のコロナについては、10月の段階のことなので何とも言えませんが、もし影響があった場合にはそれをどこかで聞くことと、もう少し間接的な影響なのだったら答えのところで売上が減ったからなどの選択肢をつける御提案がありました。今後それを事務局に考えていただく提案でよろしいですか。
(「異議なし」と声あり)
○田中委員長 では、本日の議題については、今議論してきた内容、皆様から頂戴した御意見を踏まえて、具体的な対応や修正については事務局に考えていただき、私に一任する扱いでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○田中委員長 事務局と相談した上で、後日開催される介護給付費分科会に報告をいたします。
ほかになければ、本日の会合はここまでですが、よろしいですか。
では、事務局から、次回の予定について説明をしてください。
○新田介護保険データ分析室長 次回の日程は、事務局から追って御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日はこれで閉会いたします。お忙しいところ、ありがとうございました。