2021年8月6日 独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG(第26回) 議事録

日時

令和3年8月6日(金)15:20~16:50

場所

厚生労働省専用第15会議室(12階)

出席者

真野主査、石井構成員、五十嵐構成員、石渡構成員、梅里構成員、河村構成員、橋田構成員、松原構成員、三田構成員

議事

議事内容

○事務局
 それでは、定刻より5分ほど遅れておりますが、ただいまから「第26回独立行政法人評価に関する有識者会議医療・福祉WG」を開催いたします。本日の出席状況ですが、前回と変更はございません。資料については、お手元のタブレットに収納してありますので、そちらを御覧いただきますようお願いいたします。
 本日は、議題として、「福祉医療機構」の令和2年度業務実績評価に係る意見聴取を行うこととなっております。この後の進行は、当WGの主査である真野先生にお願いしたいと思います。それでは真野先生、よろしくお願いいたします。

○真野主査
 御紹介ありがとうございました。では早速、議事に入りたいと思います。今日は福祉医療機構の令和2年度業務実績評価ということで議論していこうと思いますが、最初に、法人のほうから、業務概要及び自己評価について御説明いただければと思います。よろしくお願いします。

○福祉医療機構企画管理部長
 福祉医療機構の林田と申します。よろしくお願いいたします。資料はタブレットの資料1、資料2-1をお開きいただきたいと思います。業務の実績につきましては、資料2-1のパワーポイントの資料で御説明させていただきます。ページ番号につきましては、それぞれ資料の右上に振っております資料全体の通しページで御案内をさせていただきます。
 それでは、まず3ページをお開きください。こちらは機構の事業体系図になります。上段の法体系図のとおり、憲法の理念に基づく社会福祉法や医療法など個別の目的に即して、国により地域共生社会や地域医療構想などの各種政策・計画が策定されております。独立行政法人は、国の行政活動の実施機関として位置付けられておりますので、下の事業体系図のとおり、機構は福祉医療貸付事業や退職手当共済事業など大規模な福祉医療制度を支える4事業と、多様な社会課題に応えるための7事業の全11事業を一体的に実施することで、主務官庁であります厚生労働省の政策実現に取り組んでいるところです。これらの活動のアウトカムは、独法通則法に定められた独立行政法人としての使命である国民生活の安定と社会経済の健全な発展への貢献という形で表されることとなります。
 続きまして4ページをお願いいたします。評価項目の一覧になります。令和2年度自己評定につきましては、福祉医療貸付事業をS評価、福祉医療経営指導事業、退職手当共済事業、WAM NET事業をA評価、そのほかはB評価としております。昨年度からの変更ですが、福祉医療貸付事業について、令和2年度新型コロナ融資対応などの質的な取組の成果を加味いたしまして、AからSに引き上げております。また、項目2-2の経費の節減ですが、こちらは年度削減計画値を令和2年度は達成いたしましたので、CからBに引き上げたところです。
 それぞれの業務の実績、並びに評価の根拠につきましては、各目標項目の実績資料により説明させていただきます。
 5ページをお願いいたします。「福祉医療貸付事業」の概要となります。当該事業は、民間の社会福祉施設や医療施設の整備に必要な資金を、政策融資の役割を踏まえ、長期・固定・低利で融資しております。政策優先度に則して介護基盤整備、待機児童の解消、また地域医療構想に基づく整備などへの融資に加えまして、令和2年度は新型コロナウイルス対応の緊急融資など、様々なニーズに対応する融資メニューを提供して、地域における福祉医療施設の基盤整備を支援しているところです。右側のグラフのとおり、令和2年度末の残高は、合計4兆8,000億円になっております。今回、新型コロナ対応融資により、令和元年度末の残高3兆4,000億円から大幅に伸びたところです。
 続きまして6ページをお願いいたします。こちらが福祉医療貸付事業に係る評価の概要となります。まず、Ⅰの中期目標の内容につきましては、貸付制度の周知・広報、協調融資金融機関数の拡大、債権悪化未然防止のためのフォローアップの3つの目標が設定されております。
 達成状況につきましてはⅡを御覧ください。こちらに記載のとおり、これら全ての目標項目におきまして、120%以上を達成したところです。これらの達成の要因分析は一番下です。まずは周知・広報ですが、新型コロナウイルス対応支援資金制度を全ての利用対象者に漏れなく周知する必要がありましたことから、各関係団体等に対しまして積極的に広報活動を実施したこと。イの協調融資金融機関数につきましては、個々の金融機関に対しまして、継続的かつ積極的なアプローチを行ったこと。また、ウの債権管理は、リスク管理債権化未然防止のために、イエローゾーン先に対する積極的なフォローアップに取り組んだこと。これらはいずれも、②「法人の努力」によるものと考えているところです。
 なお、各指標につきまして、2か年連続で120%を超えておりますが、いずれの指標におきましても、国において次期中期目標を策定する際に、連携して検討したいと考えているところです。
 続きまして7ページをお願いいたします。こちらは評定の根拠となります。まず、上段の赤枠で囲ったところは、定量指標の全ての項目で達成度が120%を超えたことに加えまして、新型コロナの影響により減収となった福祉医療施設への支援を最優先とし、感染拡大に伴い激増した緊急的な資金需要に迅速に対応するなど、質的にも顕著な成果を上げたことを評定の総括として書かせていただいております。
 具体的な取組はその下の表の中になります。まず1つ目、緊急時における資金需要への対応ということで、新型コロナ対応支援資金を速やかに創設し、補正予算で十分な予算枠を確保するとともに、融資条件を適宜拡充するなど、機動的に対応したところです。令和2年度は約3万件、1兆6,000億円と、通常年度の融資件数に比べますと30倍を超える案件に対応したところです。
 また、②に記載のとおり、コロナ融資の福祉医療の内訳では、医療貸付が件数で7割、金額では8割を占めております。中でも特に病院は、機構の融資対象であります民間病院、約7,000施設のうち3割強の2,150施設が利用されているほか、診療所につきましても高い利用率となるなど、今回のコロナが特に医療機関に多大な影響を及ぼしていることが見て取れるところです。新型コロナ対応の最前線であります医療基盤の維持確保は極めて重要なものであり、機構といたしましては、政策融資による経営基盤強化と安定化支援に取り組むことで、地域の医療提供基盤の崩壊を防ぐセーフティネットとしての重要な役割を果たしたと考えているところです。
 2つ目は、緊急融資対応のための体制整備といたしまして、急激なペースで増加しておりました融資相談や借入申込みに最優先で対応するため、専任部署を新たに設置し、貸付担当職員の増員配置など人的資源の重点的な投入、さらには利用者の利便性向上のため「コールセンター」の開設を迅速に行うなど、急増・集中する資金ニーズに的確に対応可能な体制を速やかに整えたところです。
 3つ目は、新型コロナの影響で経営が悪化した既往貸付先に対しましても、経営支援の一環として、当面6か月の返済猶予に加え、必要に応じて更に3年間の延長にも対応するなど、新規融資のみならず既往貸付先に対する経営安定化に向けた支援も行ったところです。
 以上のとおり、定量指標の達成に加え、緊急・迅速性が求められたコロナ対応に機動的に取り組み、これらの質的な取組と合わせて、令和2年度における福祉医療貸付事業の自己評定はS評価としたところです。
 続きまして8ページをお願いいたします。こちらは新型コロナウイルス感染症への対応の参考資料を付けさせていただいております。まず1つ目、新型コロナウイルス対応支援資金につきましては、グラフのとおり4月の最初の緊急事態宣言後から資金ニーズが急激に増加いたしまして、受診控えによる診療報酬の減収の影響を受けた年度上半期に集中したことから、全国の施設経営者の方の資金ニーズが最も高まった時期に、迅速かつ適切な資金供給を行うことができたと考えております。
 また、下段左側に緊急融資の推移グラフを載せております。新型コロナウイルス対応支援資金の融資は、累計で3万件、1兆6,000億円と、これまでのリーマンショックや、東日本大震災時の緊急融資の実績を大幅に上回っておりまして、機構にとっては過去に類を見ない融資規模となっています。
 9ページをお願いいたします。9ページは定量実績の参考資料を付けさせていただいております。まず左側1の周知・広報です。新型コロナウイルス融資制度の積極的な広報活動を展開いたしまして、本来この融資を必要とする方へ広く漏れなくお知らせができるように、日本医師会や四病院団体協議会、私立医科大学協会などに御協力を頂きながら、周知の徹底を図ったところです。
 また右側の2の協調融資機関の拡大に向けた取組は、制度未加入の金融機関に個別にアプローチをいたしまして、貸付事業や協調融資制度の案内を行うとともに、引き続き大型案件の協調融資の原則化や、メインバンクによる支援体制構築のための全申込先に対する協調融資制度の利用案内の徹底などを行ったほか、民間金融機関への積極的なノウハウの提供など、協調融資の利用促進に努めたところです。さらに、銀行協会とは定期的な意見交換や勉強会を続けておりまして、民間金融機関との連携体制は確立されていると考えております。
 施設経営の安定には、機構の政策融資でリスクを軽減しつつ、自由度の高い民間金融機関との協調が不可欠と考えておりますので、今後も利用促進を徹底しつつ、引き続き民間金融機関との連携と更なる拡充に努めてまいりたいと考えております。
 10ページをお願いいたします。こちらは債権管理に係る取組です。まず1つ目、適切な期中管理の取組の一環といたしまして、イエローゾーン先や大口先など、きめ細かな個社別管理を徹底し、特にイエローゾーン先につきましては、経営悪化の未然防止のため71貸付先についてフォローアップを実施し、目標を達成したところです。
 また、右側2の経営悪化先への対応です。(1)リスク管理債権比率は、令和2年度末5.48%となっておりまして、令和元年度末から見ますと大幅に上昇しておりますが、これは(2)貸出条件緩和債権推移グラフのとおり、令和2年度は新型コロナの影響を受けた既往貸付先への返済猶予を行ったことにより、貸出条件緩和債権額が大幅に増加したことが影響したものです。今後は今回のコロナ対応支援資金融資で大幅に増加した債権残高を踏まえまして、効率的な信用リスク管理にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。以上が福祉医療貸付事業となります。
 続きまして11ページをお願いいたします。「福祉医療経営指導事業」の概要です。この事業はセミナー・リサーチ・コンサルティングという3つの手法を用いて、全国の福祉医療施設の経営の安定化、効率化を支援しています。また、福祉医療貸付事業と連携して、貸付先から毎年、御提出いただいております事業報告書に基づき施設の経営状況を分析し、その分析結果を貸付事業で蓄積した知見と合わせまして、リサーチレポートやセミナーという形で、広く全国の福祉医療施設の経営者に向けて発信しています。
 12ページをお願いいたします。福祉医療経営指導事業の中期目標の内容です。この事業にはセミナーの受講者数やリサーチレポートの公表数など、4つの項目の指標が設定されています。それぞれの実績につきましては、中段のⅡの指標の達成状況を御覧ください。まず、アのセミナーです。令和2年度は新型コロナの感染拡大リスクを考慮して、集合セミナーを開催できませんでしたので、実績値はありません。したがいまして、表の実績値と達成度の欄につきましては「-」表記とさせていただいております。また、イからエのリサーチレポート、マスコミ等の引用回数、個別経営診断の件数につきましては、それぞれ目標を達成したところです。
 目標達成の要因分析です。まず、アのセミナーですが、今回、集合形式で開催できなかったことは、新型コロナの影響によるものですので、③「外部要因」を理由に評価の対象から除外しております。しかしながら、代替措置として実施いたしましたオンラインセミナーは、質的な成果に資する取組と自己評価をしていますので、こちらにつきましては次のページで説明をさせていただきます。
 また、ウのマスコミによる引用回数につきましては、コロナ禍における経営環境や人材確保等に関する特別調査を実施し、その結果をレポートとして発信するなど、時宜を得た内容での情報発信は、福祉医療の関係者に対するプレゼンスを高めるための取組であったと考えておりますので、②「法人の努力」と評価しております。また、エの経営診断件数も、診断対象の施設を拡大するとともに、診断種類の充実を図るなどの取組の結果ですので、こちらも②「法人の努力」と自己評価したところです。
 13ページをお願いいたします。こちらが評定の根拠です。まず1つ目、コロナ禍でのセミナーの代替開催です。新型コロナの影響で集合セミナーが開催できませんでしたので、無料のオンラインセミナーを開催することにより、コロナ禍でセミナー等の受講機会が減った施設経営者の方のニーズに応えたところです。また、新型コロナが施設経営に及ぼす影響や、その対策など、時宜を得たテーマ設定により、結果1万件を超えるログイン数となり、アンケートにおきましても99%の有用度を頂くなど、集合セミナーが開催できない状況下でも福祉医療施設の経営支援に取り組んだところです。
 2つ目、機構独自の取組による安定的かつ効率的な経営支援として、リサーチ業務におきまして新型コロナの影響に関する特別調査を実施し、その調査結果に基づきレポートを発信しております。また、これらの活動で蓄積された独自のノウハウにつきましては、外部団体への講師派遣や外部媒体への記事執筆など、多様な方法で積極的な情報発信に努めたところです。
 3つ目は、地域医療構想の推進を支援する取組といたしまして、前年度から継続中の和歌山県のほか、新たに大分県、横浜市などの、地方公共団体から業務を受託しておりまして、地域における地域医療構想の推進等を後押ししているところです。
 以上のとおり、新型コロナの影響により集合セミナーが開催できない状況に陥ったものの、代替措置としてオンラインセミナーを開催するなど、質的な充実にも取り組んだことから、自己評定は昨年度に引き続きA評価としたところです。以上が福祉医療経営指導事業になります。
 少し飛びますが、17ページをお願いいたします。「退職手当共済事業」です。社会福祉施設職員等退職手当共済法に基づき、社会福祉施設に従事する職員が退職した際の退職手当金を支給している事業です。この事業を安定的に運営することで、健全な施設経営が図られることにより、職員の処遇向上と福祉人材の確保・定着につながり、ひいては福祉サービスの向上が図られるという効果を生み出すものです。
 18ページをお願いいたします。こちらは中期目標の内容となります。本事業につきましては、重要度が「高」とされており、さらに定量指標のうちアの退職手当金の支給期間の短縮に係る目標につきましては、政府が人材確保を進める中で、本制度は加入者・給付者ともに増加傾向にあり、前中期と同水準の維持は困難であるという理由から、目標の難易度が「高」に設定されているものです。そのほかには、イの利用者の利便性向上を図るためのシステムの利用促進が目標として設定されております。
 指標の達成状況です。アの平均処理期間につきましては、目標値42日以内に対しまして実績値は41日、達成度は102%となっています。また、イのシステム利用率につきましては、目標値30%以上に対しまして実績値49.4%、達成度は165%と、いずれも目標を達成したところです。また、達成の要因分析ですが、イのシステム利用率につきましては、システムの利便性や操作方法の積極的な周知に取り組むなど、利用促進を図るための②「法人の努力」によるものと考えているところです。
 19ページをお願いいたします。評定の根拠になります。まず1つ目、コロナ対策の取組といたしまして、①資金繰りが悪化した共済契約者について掛金の納付期限の延長措置を講じたこと、②社会福祉法人が新型コロナによる感染拡大防止のための出勤調整を行った場合には、基本方針に基づきまして「業務に従事した日」とする措置を講じています。新型コロナの影響を受けた社会福祉施設への支援や施設従事者の不利益回避のため、厚生労働省と連携して迅速な対応に努めたところです。
 2つ目です。積極的な周知広報活動を展開することにより、共済契約者及び加入職員の増加を図り、制度の安定運営に努めております。下のグラフのとおり、緩やかではありますが増加基調にあり、令和2年度末、契約者1万7,000法人、加入職員数は87万5,000人という状況になっております。
 3つ目です。本制度による人材確保への貢献として、制度の安定的運用や利用者の利便性の向上への取組により、利用者アンケートでは96%の方から、この制度が職員の安定的な確保に役立っているとの回答を頂いているところです。定量指標の達成に加え、以上のとおり質的な取組と合わせて、この事業を前年度に引き続き自己評定をAとしたところです。以上が退職手当共済事業となります。
 また、少し飛んでいただきまして23ページをお願いいたします。「WAM NET事業」です。WAM NET事業は福祉・保健・医療に関する制度や施策を一元的かつ正確に情報提供する総合情報サイトで、国が進めるデジタル・ガバメント計画を踏まえ、情報セキュリティ対策をしっかりと講じた基盤により、事業を実施しているところです。また、近年におきましては独立行政法人としての信用力を活かしまして、国の施策に基づく社会福祉法人の財務諸表等電子開示システムや障害福祉サービス等情報、子ども・子育て支援情報などをWAM NET基盤上で管理・運営しているところです。
 続きまして24ページをお願いいたします。中期目標には、アの提供情報の整備充実や機能見直しへの取組と、イの年間ヒット件数の確保の2つの目標が設定されております。指標の達成状況につきましては中段に記載のとおり、いずれの目標も120%を超える達成度となっております。達成の要因分析ですが、まずアの提供情報の整備充実につきましては、情報の質の向上を図るため、コンテンツの開発に積極的に取り組み、新型コロナ関連や保育士関連など新たに5本の新規コンテンツを立ち上げるとともに、利用される方の利便性向上の観点から、各種委員会や利用者アンケートで頂いた御意見を踏まえまして、トップページの見直しや検索機能の改善など2点の機能見直しを行ったことによるものです。
 また、イのヒット件数ですが、提供情報の質並びに利便性の向上に継続的に取り組んでいることに加えまして、国の施策に基づく情報システムを安定的に運営していること、さらには新型コロナ関連の行政情報などのまとめサイトの立ち上げなど、利用者ニーズと合致したことなど、複合的な要因によるものと考えております。本年度の達成につきましては、いずれも②「法人の努力」によるものと考えております。
 25ページをお願いいたします。評定の根拠です。1つ目、提供情報の質の向上と利便性向上に向けて、利用者アンケートや各種委員会での御意見を踏まえ、コンテンツの開発・改善に取り組み、利用者の方からは98%の満足度を得たという回答を頂いたところです。
 2つ目、国の施策に基づく情報システムの運用・管理です。現在こちらは(1)から(3)まで、社会福祉法人の財務諸表電子開示、障害福祉サービス情報、子ども・子育て支援情報の3つのシステムの運用管理を行っているところです。これらのシステムへの事業者情報の登録率は、いずれも90%を超えるなど非常に高いもので、安定的な管理・運用を続けているところです。これらに加えまして、令和3年度から、(4)にあります厚生労働省からの要請を受けました障害者支援施設と児童福祉施設の災害時情報共有システムの運用を開始することとしております。これら国のシステムを安定的かつ適切な運用管理を行うことで、国民の皆様が安心して一元的に情報を入手できる環境を整えています。
 3つ目は、機構の各事業と連携したWAM NET基盤を活用することによる業務の円滑かつ効率的な実施を推進したことを記載しております。
 以上、定量指標の達成に加え、これら質的な取組により、WAM NET事業につきましては、前年度に引き続き自己評定をAとしたところです。
 26ページをお願いいたします。参考資料になりますが、まず1つ目、提供する情報の質の向上を図るため、先ほど申しました5本の新規コンテンツの立ち上げ、また、利便性向上のための2つの機能見直しを行っております。新規コンテンツにつきましては、利用者のニーズを踏まえまして、新型コロナ関連の情報を一元的に情報発信する「まとめサイト」を新設し、タイムリーかつワンストップで必要な情報を提供することで、福祉医療関係者の支援に努めております。
 また、機能見直しにつきましては、昨年度の有識者会議でも御意見いただきました、WAM NETの見やすさや探しやすさについての改善というところに重点を置きまして、トップページをリニューアルし、利用される方の利便性の向上に努めたところです。以上がWAM NET事業です。
 ここまでが自己評定をAとした事業の実績となります。そのほか社会福祉振興助成事業、心身障害者扶養保険事業、年金担保・労災年金担保貸付事業、承継年金住宅融資等債権管理回収業務、さらには一時金・補償金支払等業務がありますが、こちらにつきましては中期目標に定められた事項を確実に実施いたしまして、それぞれの目標を達成しておりますので、前年度と同様B評定としたところです。本日、個別の説明は省略させていただきます。
 また、共通事項であります業務・システムの効率化、財務内容の改善、その他業務運営に関する事項等の各項目につきましては、指標設定困難の項目です。これらは、いずれも定性目標を着実に実施しておりますことから、前年度に引き続きB評定としたところです。こちらも個別の説明は省略させていただきます。
 なお、最後になりますが、冒頭で申し上げましたとおり、「経費の節減」につきましては、前年度のC評定からB評定に引き上げをしておりますので、資料で説明をさせていただきます。ページを飛んでいただきまして、33ページをお願いいたします。「経費の節減」です。まず、中期目標につきましては、運営費交付金を充当する業務につきまして、平成29年度の第3期中期目標の最終年度と比較して一般管理費を15%程度、業務経費を5%程度削減することとされております。また、各年度におきましては、それぞれ一般管理費は毎年3%、業務経費は毎年1%ずつを削減する計画となっております。
 達成状況です。令和元年度に経費削減を目的として見直しを行いました人員配置の最適化計画、これを令和2年度は着実に実行したことにより、一般管理費におきましては年度目標値7,500万円のところを7,300万円で達成度は103%、業務経費は年度目標値3億200万円のところ3億170万円で達成度100%と、いずれも年度の計画値を達成しておりますので、前年度のC評定からB評定に引き上げたところです。
 34ページをお願いいたします。経費削減につきましては非常に厳しい状況が続いておりますが、一般管理費、業務経費のうち、高いウェートを占めております人材派遣料と再雇用職員の賃金につきまして適正な執行としていくために、人員配置の最適化シミュレーションを実施したところです。そのシミュレーション結果に基づいて最適化計画を策定し、対象となる再雇用職員や人材派遣職員を業務の繁閑に応じた柔軟な人員配置を行うなど、着実に計画を実施したことにより、令和2年度は目標値を達成することができたところです。
 今後も経費削減が厳しい状況については変わりませんが、右側のグラフのとおり、中期目標最終年度である令和4年度に向けまして、引き続きこの人員配置計画を着実に実行し、削減目標を確実に達成したいと考えております。
 時間が長くなりまして申し訳ございません。説明は以上となります。よろしくお願いいたします。

○真野主査
 ありがとうございました。それでは構成員の方々、御質問はいかがでしょうか。では河村先生、お願いします。

○河村構成員
 御説明くださり、ありがとうございます。コロナ禍で、非常に国全体が大変な中、そして医療機関等、やはり経営的に非常に大変な昨年1年間だったと思うのですけれども、すごく福祉医療機構のほうで、しっかりと役割を果たしてくださったお蔭で、本当に助かった所がたくさんあったのではないかと思います。そうした中でもいろいろな業務、本当にいろいろ工夫してやってくださっているのが非常によく分かりましたので、全体として高く評価できると思います。
 それで、私のほうからちょっと質問して議論させていただきたいのが、評価するときの「質的に顕著な評価」と言ったときの、その「質的な成果」というのは、何をもってそれに該当するのかというところです。これは評価項目の1-1と1-2にもちょっと関係するのですが、項目1-1の所で今回はS評価で出してくださっていて、120%以上で質的に顕著な成果がなくては駄目ということに基準としてなっているではないですか、御説明が7ページの所で書いてあって、御説明もくださったのですけれども、この「機動的な対応」であるとか、「体制の整備」であるとかというのが、「質的な成果」に該当するとお考えでしょうか。すみません、そこをまずお尋ねしてから、こちらの意見を言わせていただければと思います。

○福祉医療機構企画管理部長
 こちらにつきましては、まず、今の目標の設定において定量的な指標というものは、数字で明確な基準を示すことができるものを定量的指標とするよう位置付けられておりますので、そこに該当しない定量以外のことで業務を実施することにより、成果が表れるものについては定性的なものということで考えております。それらを今回の評定の根拠のほうに記載させていただいております。

○河村構成員
 ありがとうございます。ちょっとここは考え方が分かれるところなのかもしれません。私が思いますのは、まず1-1の項目について申し上げると、本当に役割をすごくしっかり果たしてくださって、高く評価できると思うのです。だけれど、昨年度1年間の評価をするときに、これは質的に顕著な成果なのかなと、そうではないのではないか。昨年度は、私はこれは量的に顕著な成果なのではないかなと思います。それは何か駄目だとか、そういうことではなくて、この項目で将来的に、今後、WAMさんとしてS評価が付くことはあるかもしれないと思うのですが、それは多分、昨年度1年間の局面ではないのではないかなと、これから先の局面なのではないかなという気がします。
 昨年度についてはいろいろ政策金融ではもちろんやってくださっていますから、8ページの所でどういう財政的なバックがあって、いろいろ融資とか出してくださった方の全部に補正が付いたりとか、財投がもちろん付いてやるわけですけれども、国の方針があって、そこを使いながら最大限やってくださっていると本当によく分かります。でも、それが例えばWAMさんとしての努力的なところよりは、どちらかというと量的な意味であって、量的に顕著な成果なのではないかなと。
 それで私が思いますのは、この項目で質的に顕著な成果が付くとすれば、これからの局面のところなのではないですか。やはりコロナが始まって、これから2年目、3年目、4年目となってきたときに、いろいろな問題が出てくるところが多分ありますよね。それでWAMさんはいろいろなデータとか知見をお持ちですから、そういうものを使って、国の財投とかの一般会計のバックをもって、いろいろな政策事業をやってくださっているわけですけれども、そこのロスを最小化させる上で、WAMさんのノウハウを使って、そこを最小限にとどめることができた成果というのが、コロナ後の2年目、3年目、4年目などで出てくることになれば、そういうところが質的な顕著な成果として評価されるのではないのかなという気がします。ですので、私の意見としては昨年度の分については「質的」というよりは、「量的」に顕著な成果と、それは間違いないのではないかなというところで、ちょっとここのS評価はどうかなという感じがいたします。
 逆にですが、1-2の項目の福祉医療経営指導事業という12ページの所で、指標の達成状況などもお示しくださっていますし、昨年はいろいろ御事情があって、ほかの法人でもそうですが、普通の対面でやるようないろいろなこと、セミナーとかができなかったけれども、逆にこうやって、13ページの所に書いてくださっているオンラインセミナーをやってくださったと。これは有料・無料という違いもあるから、何か今までのものと直接には比べられないと伺いましたけれども、やはりこのログイン数の多さ、それから受講者のアンケートの結果の高さですよね。それからその下にも書いてある、いろいろな施設の経営の支援の話であるとか、地方公共団体からいろいろお話が来るというのは、これはやはりWAMさんの実力があるということが評価されて、みんなに頼りにされていることの表れではないかと思うのです。こういうものこそ本当に、質的な成果というのはこの辺なのではないかなと思います。
 ですから逆に言うと、この1-2の項目というのはA評定というふうにしてくださっているのですが、私は逆に、こちらの項目をもう1つ上げてもいいくらいなのではないかなと思っております。すみません、意見は以上です。

○真野主査
 ありがとうございました。WAMさんのほうからコメントはありますか。お願いします。

○福祉医療機構理事長
 結果を出す。これが質的な評価だと思います。この膨大な流動性供給の実務というのは大変なのです。もちろん量は捌いた、だけれども、今まで2万の融資先が3万増えて、5万になるという規模の変化です。
 昨年度のこの場でもお話がありましたけれども、、P/L勘定の補填というのにはすごく時間が掛かっているのです。それでP/Lに対しては、昨年度6月の補正予算で補助金が1兆6千億ぐらいつきましたけれども、大半の交付は年度後半から年度末にかけてでした。これはWAMの融資ではなく自治体を通じて補助金が入る仕組みです。

○松原構成員
 すみません、ちょっと聞きづらいので、もう少しマイクを近付けるか何かしていただけますか。

○福祉医療機構理事長
 P/L勘定を支援する。赤字を埋める。施設へのこの補助金の方は、交付まで時間を要するということです。

○松原構成員
 PLの、何とおっしゃったのですか。PLの補填、PLの何とか、ちょっと聞こえなかったのですが。

○福祉医療機構理事長
 要は、WAMのやったことというのは支援資金を融資したということでして、これで流動性を繋ぎ、資金繰破綻の防止に貢献しましたけれども、流動性というのは、その場で時間を稼ぐということですので、。どこかで福祉医療施設のP/L(損益)勘定の大きな赤字を埋めていかなくてはいけないと。WAMの融資は、「5年据置き」、「トータル15年」での弁済ですから、少し時間を稼ぎながら、返していただき、経営の安定化を図ってもらおうということでやっていたわけです。。
 なかなかそのP/Lの補填のスピードがうまくいかないので、これは融資の立場として圧倒的なスピードを心がけました。業務量のピークは、5月、6月、7月でした。

○真野主査
 理事長、マスクはしてもらっても大丈夫ではないかと。

○福祉医療機構理事長
 松原先生、これは今、聞こえていますか。

○松原構成員
 よく聞こえますから大丈夫です。

○福祉医療機構理事長
 マスクはしたほうがいいですか。

○真野主査
 念のために、すみません。ごめんなさい、何かいろいろ言って。

○福祉医療機構理事長
 それで、この量を捌くには、相当な智慧の出し合いなのです。迅速に体制を強化するというのは、ものすごく必死でやりましたが、それには質の向上というのが前提にあって、業務プロセスも、そう簡単に効率化できなくて、顧問弁護士とも協議を重ねたうえで、このプロセスを減らせるか、そういうことをやるわけです。そういうところはすごく質的なものがあって、事務フローを変え、それからシステムも中をいじらないと、人手でやったのでは間に合わない。そこも相当に質的なものがありました。 だから、そういう意味では、見解の相違かもしれませんけれども、私は質的に相当な進化があったということは、最後の私の挨拶の中でも申し上げるつもりですけれども、そのように理解をしております。以上です。

○真野主査
 ほかの先生、よろしいですか。

○河村構成員
 それはいろいろお考えがおありだと思いますが、でしたら、その辺を7ページにもうちょっとお書きいただいたほうがよかったのではないかなと思います。何かここだと全部、量的なことしか書いていないように私は思いました。もちろん量だけ単純に増えれば増えただけ簡単にできるものではないというふうに、実務面でと理事長がおっしゃるのは本当にそのとおりなのだろうなと思いますけれども、ただ、そこをもう少ししっかり書いていただいたほうがよかったのではないかなと思います。

○福祉医療機構理事長
 そういう御意見は事前に、御相談に行ったときに頂いてもよかったのかもしれませんね。

○真野主査
 ありがとうございました。ほかの構成員の方はいかがですか。では梅里構成員、お願いします。

○梅里構成員
 今の関連かもしれないのですが、融資の申請があって、これを受けられなかった状況、要するに貸付けができないという状況ですが、これは実際にはどのぐらいあったのかということと、その理由と、これだけ業務が増えてしまった昨年度の状況では、通常の平年時と、何かその状況について変わりがあったのかどうかという辺りについてお聞きできましたら。よろしくお願いいたします。

○福祉医療機構企画管理部長
 今回、新型コロナ対応支援資金につきましては、原則的には、利用者・患者の減など、新型コロナの影響により減収となった福祉医療関係事業者の資金繰りを支援することを最優先としておりますが、貸付審査に当たりましては、通常融資と同様に総合的な判断の下で御融資をさせていただいているというところでございます。
 ただし、基本的には、事業が継続することを前提としておりますので、全く事業を行っていないであるとか、行政処分を受けているような先については、貸付の対象とはなりませんので、そのような先から申込があった場合には御融資を行わないというケースはあり得ると思います。

○真野主査
 梅里先生、よろしいですか。大丈夫ですか。ほかの構成員の方はどうでしょうか。お二人の手が挙がりましたが、松原構成員からお願いします。松原先生、ちょっと聞こえないですね。さっきはよく聞こえたのですが、今度は聞こえないですね。

○松原構成員
 失礼しました。大丈夫ですか。私の意見の前に、これも意見ですが、この場でいろいろお話を伺っていて、「こうじゃないかな」と考えることは当然あるので、先ほどの委員の意見に対して、そういうことは事前のレクのときにおっしゃってくださればいいというのは、違うのではないかなと思います。そうなると、この場を持っている意味が余りなくなってくるので、事前に言えばいいというのは、そのコメントはちょっと間違いではないかなと考えております。

○真野主査
 そういう意見でいいですか。

○福祉医療機構理事長
 もちろん、この場を尊重して、しっかりと受け止めます。

○松原構成員
 是非、お願いいたします。委員の意見に対して、それは事前に言えというのは、ちょっと失礼ではないかなと、聞いていて思いました。
 私のWAMさんに対する全体の感想ですけれども、まず、本当にすばらしいお取組だったなと思っています。私の多くの医療法人や社会福祉法人の知人も、どれほどこの迅速な対応に助けられたか、皆さん感謝していて、私もその話を聞いて大変感激しております。それからWAMさんの職員の頑張りというのは、特にこの1-1の項目に対して、量的にも質的にもすばらしいものがあったなというのは非常に、一部の例に過ぎないかもしれませんけれども、そのように感じております。それは一部の例ではなくて、全体にそうなのだろうと思っております。
 あともう1つ、すばらしかったのは、コロナによって事業の状態はいったいどうなっているのかというのがつかめなくなったのです。例えば、毎年、厚労省で病院の経営評価の調査をしているのですけれども、それが取りやめになったりして、どうなってしまっているのか分からない中で、WAMがレポートを定期的に出してくださるお蔭で、「あっ、こういう経営状態にあるんだ」ということがタイムリーに分かることもできましたので、この点もすばらしかったと思います。正に、WAMが、市中銀行とは違って政策金融機関としての役割を融資の面でも調査の面でも本当によく発揮してくださったなと、存在意義というものが見事に証明された1年間だったと評価しております。
 その中で、緊急融資のための体制整備として、例えばコールセンターを設置なさっているのですけれども、全体に経費が節減された中で、このコールセンターには幾らぐらい掛かっているのでしょうか。これは質問です。

○福祉医療機構企画管理部長
 今回、新型コロナ対応支援資金融資への対応のために、コールセンターを急遽立ち上げることとなりましたけれども、このコールセンター経費といたしましては、令和2年度で5,600万円の支出をしているところでございます。

○真野主査
 よろしいですか。松原構成員の御質問と御意見は、よろしいですか。

○松原構成員
 はい、結構です。以上です。

○真野主査
 ありがとうございました。では石渡先生、お願いします。

○石渡構成員
 はい、石渡です。私もいろいろお話を聞いて、社会福祉法人などが本当にWAMのこの1年の努力に関しては高い評価をされていたので、松原先生と全く同じような意見を持っています。
 ここからは、また違う、今後についてのお願い的なこと、WAMとともに厚生労働省にということにもなるかなと思います。この前のPMDAの議論の中で、薬剤被害について、いろいろな意見交換があったのですが、やはり救済というのは、被害を受けた人がきちんとその救済につながらなければならないというようなお話が、随分いろいろな方から御意見をいただきました。そして、私もこのWAMの事前評価でもって、今日の説明にはなかったのですけれども、31ページの一時金の給付もWAMが担っているのだということを、すみません、再認識しました。
 私は障害福祉に40年ぐらい関わっていますので、今、優生保護法の裁判で、いろいろな議論がなされているというようなことで、原告の方の声とか弁護をやっている方のお話などをいろいろ聞く機会があります。7月15日だったと思うのですが、日弁連の荒会長が被害者の救済をということで声明を出されています。強制的に不妊手術等をなされた方は2万5,000人ぐらいいるという中で、多分、今、支給につながっている方が1,000人に満たない、4%を切っているというようなことを、荒会長も強調されていました。薬剤被害も本当に救済がと思うのですけれども、優生保護法の去勢・不妊手術などは、非常に人生を奪われてしまったというような厳しい状況があると思います。
 ただ、被害に遭った方がそれを認識されていないというのが、一時金を支給するお立場では本当に難しいことだと思いますので、被害に遭った方が気付いてくれるような働き掛けが何とかできないものかというのが一つ思うところで、当事者団体の方たちなどとも協力して、少しでも被害に遭った方にきちんと一時金も届くし、救済の方法などについても更に検討していただけたらというのが、私のお願いというか意見です。以上です。

○真野主査
 ありがとうございました。では、WAMさんのほうからお願いします。

○社会・援護局福祉基盤課長
 すみません、厚生労働省のほうから説明させていただきます。法人所管の福祉基盤課長の宇野でございます。今、御質問のあった一時金支払等業務、補償金支払等業務、これは確かにWAMの業務ではございますけれども、実は、これは一時金をどなたに支払うか、補償金をどなたに支払うかは、国のほうがやっております。国のほうで対象者の方をお決めしまして、それをWAMのほうが実際にお金を振り込むというのが、WAMの支払業務でございます。
 そういう意味で、今、構成員の石渡先生からお話があった件は、むしろこの一時金支払を担当している所管課ですとか、補償金の支払を担当している所管課のほうの課題というか問題だと思いますので、それは今日の御意見をちゃんと私たちのほうが責任を持って、担当課のほうにお伝えしますので、どうか御理解いただければと思っております。以上です。

○石渡構成員
 すみません、私もそのように認識しているので、大変恐縮ですが、でもこのような場で、先ほどのPMDAの議論なども踏まえて、是非お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○真野主査
 ありがとうございました。ほかの構成員はいかがですか。よろしいですか。

○五十嵐構成員
 私も職業柄、医療法人や社会福祉法人の現場に関わっておりまして、先ほどの融資について、私は質的に非常に変化があったと思っています。要は、以前は銀行と変わりがないような、貸すときには非常に慎重にといいますか、迅速性よりも安全性を優先してやっていたように思います。あとは新しい事業などに対して、過去の経緯がないので、なかなか話が前に進まないということがあったのですが、今回、コロナに関しては、本当に全く姿勢が変わって、必要があって、それが本当に必要なのかというような変な分析はせず、融資をしていただいたというのを肌感覚でいろいろな所で見ていますので、私は、これは本当に質的な変化もあったと評価します。以上です。

○真野主査
 ありがとうございました。松原構成員は再度御意見ですね。お願いします。

○松原構成員
 もう1点、本当に迅速に御対応いただいて、それはこのような時期においては、まずはサービスの継続という意味で、先ほどと同じで大変重要なお取組だったと評価しています。
 ただ一方で、地域で役割が終わっている所に対しても融資が続いている可能性は否定できませんので、今後はその辺の見極め方とか又は応援の仕方、どうやって新たな価値をそのサービスに付加していくのかとか、そういう取組を更に頑張っていただきたいと思います。以上です。

○真野主査
 ありがとうございました。そうですよね。リスクが増えたという見方もちょっとあるかもしれないので、その辺りを最後に法人からお伺いして、あるかもしれませんが、よろしくお願いします。

○福祉医療機構企画管理部長
 今、松原構成員から御指摘がありましたように、今回、リスクという部分をどのように審査しているかということですが、当然、政策的にはスピードを求められるところもありましたが、リスクが高いと思われる申込先に関しては、その経営改善計画をきちんと確認するなど、リスク量に応じた的確な審査を行っております。先ほどの説明の中でも申しましたが、今後においてはしっかりと債権管理に努めてまいりたいと考えております。
 それと1点だけ、最初の河村構成員の御質問に戻りますが、私の説明が言葉不足だったのですが、もともと質的な部分をどういったところで表していくかですが、目標の設定は基本的に総務省の評価の指針に基づいており、この評価の指針の中で質的な面としては、1つ目は当該法人の自主的な取組による創意工夫があること、2つ目は目標策定時に想定した以上の政策実現に対する寄与があること、それからもう1つ、重要度や困難度の高い目標達成があることと決められております。したがいまして、今回のコロナ融資に関しては、この目標策定時に想定した以上のものが政策的に私ども福祉医療機構に求められ、それに対する取り組みが質的な取組であろうということで、実績にあげているところです。以上です。

○真野主査
 ありがとうございました。よろしいでしょうか。では、梅里構成員お願いいたします。

○梅里構成員
 大きなところは大変よくやっておられるので、少し細かい話で恐縮です。WAM NETのトップページがリニューアルされて、非常に検索しやすく良く改善されていると思いました。ただ1点、その中にRSSというサービスがあり、その情報更新した部分だけを提供しています。これはマイクロソフトのEdgeからトライしたら機能しませんでした。それで、説明を見ましたら、Outlookの2013とInternet Explorerの11についての説明があるのですが、いずれもかなり古いですよね。Internet Explorerについては、もうサポートが終了する状況ですので、これについてはもう少し今の状況に見合ったものに対応できるようにしておいていただけると有り難いと思います。
 もう1点は、私の記憶が違っていたら申し訳ありませんが、コンサル業務の中でWAMさんのガバナンスの評価と指導に関するプログラムがあったのではないかと記憶しているのですが、それは本年の報告では消えていますが、これはもう終了したということなのか、その状況はいかがでしょうか。

○福祉医療機構企画管理部長
 ガバナンスプログラムについては、昨年度をもちまして、一応、業務としては終了しております。

○梅里構成員
 理由があったのですか、終了というのは、余りニーズがなかったなど、そのようなことですか。ありがとうございます。

○福祉医療機構企画管理部長
 基本的には、ニーズも併せて見ながら実施しており、今年度、その代わりとして14ページのとおり、介護医療院の移行支援プログラムを新たに令和3年度から立ち上げるなど、利用される方のニーズを踏まえて常にプログラムの見直しを行っております。

○梅里構成員
 ありがとうございます。

○福祉医療機構企画管理部長
 それと、WAM NETにつきましては御意見ありがとうございます。御指摘を踏まえ、改善に努めてまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

○真野主査
 何か補足がありますか。大丈夫ですか。ほかの構成員の方は大丈夫ですか。WAM NETの話は、前と比べると非常に良くなったと皆さん思っていると思います。松原構成員お願いいたします。

○松原構成員
 何度もすみません。先ほどの項目1-1の評価で定量か定性かという話では、本当に両方だと思うのでS相当だと思っています。そのほか1-2は、WAMさんの医療経営指導の力というのは本当に素晴しいものがあり、メガバンクが病院に乗り出す前までは、本当に皆さん、WAMが貸すなら貸すよという、そのようなスタイルでくるほどWAMの指導の仕方や見方に頼ってきたほどの実力があります。ただ、それがWAMに埋もれていたのが、こうやってオープンに無料オンラインセミナーをバンバン出してくれたり、本当に世の中にそれを還元してくださり、従来であれば集合セミナーでなければ駄目だったのが、オンラインですから世界中からアクセスできて、本当にWAMの底力をこのコロナのときにパッと解放してくださり、素晴らしい質的な取組をしてくださったと思います。ですので、先ほど河村構成員がおっしゃったとおり、私は1-1、1-2の両方がS相当だと考えています。以上です。

○真野主査
 ありがとうございました。有り難いお言葉が幾つか出てきました。もちろん、最終的には主務大臣ということになりますが。何かありますか、大丈夫ですか。それでは、ほかの委員はよろしいですか。では、ありがとうございました。インセンティブという言葉も後で出て来るかもしれませんが、良い意見が多かったのは、本当に月並ですが、やはりコロナという未曾有の状況を、いろいろな形で医療法人や社会福祉法人にサポートいただけたと思っております。
 では、最後に、法人の監事及び理事長から、年度・中期目標期間において、目標達成状況を踏まえて、今後の法人の業務運営等についてコメントを頂ければと思います。最初に法人の監事、次いで理事長からお願いしたいと思います。

○福祉医療機構理事長
 真野主査すみません。急に喉がおかしくなり、理事長のコメントは原口から対応しますので、失礼ながらご了解ください。

○真野主査
 大丈夫です。では、まず監事から。

○福祉医療機構監事
 福祉医療機構監事の吉野です。私から令和2年度の監事監査結果など、当機構の業務運営の状況等について御説明いたします。まず、令和2年度の監事監査結果については、お手元の資料2-4、全体ページですと469ページの監査報告に記載のとおりです。こちらの監事監査報告では、厚生労働省令で定められた記載事項に準拠し、総務省発出の記載例等を参考に作成しております。
 私ども監事は、役員会、経営企画会議、ガバナンス委員会のほか、融資決定の場である貸付審査会などの主要な会議や委員会に出席し、積極的に意見を述べるとともに、全ての理事長決裁文書の内容確認等を通じて当機構の意思決定過程や業務執行状況を常に確認しております。その中でも特に、当機構の業務が法令等に従い適正に実施されているか、中期目標の達成のため効果的かつ効率的に実施されているか、さらに、業務の適正を確保するための内部統制システムが機能しているかなどに着目し、会計監査人や内部監査部門と協力しながら毎年度重層的な監査を実施しております。
 当機構においては、先ほど申し上げた経営企画会議及びガバナンス委員会を軸とした適切なガバナンス体制のもとに業務運営がなされており、目標に対する業務の進捗状況や実績管理を経営陣がマネジメントし、理事長のリーダーシップのもと、各部門それぞれが求められる役割を適切に果たし、しっかりと成果に結び付けていると評価しております。
 なお、当機構のお客様である社会福祉法人や医療法人等は、近年、職員の採用難や建築費の高騰などに加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、総じて厳しい経営環境にあります。当機構においては地域の福祉医療基盤の維持存続を最優先のミッションとしつつ、先ほど構成員の方からも言われましたとおり、信用リスク管理にも注力しております。当機構内の各部門が連携・協力して福祉医療を取り巻く環境の変化をいち早く捉え、それらの情報の発信などにより、福祉医療事業者を総合的に支援する体制を一層強化していくことが課題と考えております。以上、簡単ではありますが、監事の意見とさせていただきます。

○真野主査
 ありがとうございました。それでは、理事長代理ということで、よろしくお願いいたします。

○福祉医療機構理事 理事長挨拶代読
 理事の原口から理事長の挨拶を代読いたします。
理事長の中村でございます。有識者会議委員の皆様には、緊急事態宣言下、WEB活用も含め、お時間を頂き有難うございました。また、本日の評価会議を通して多くの貴重な御意見を賜りましたこと誠に有難く、重ねまして御礼申し上げます。
 会議での様々な見地からのご意見は、今後の業務運営の改善と機構の更なる進化のための指針とさせていただきます。
 まず、I.「環境認識」と「コロナへの機構対応」です。
 令和2年度におきましては、「新型コロナウイルス」の感染拡大により、「国民生活を取り巻く環境」は劇的に変化致しました。多くの「経済活動」が停滞し、存亡の危機に至る組織も続出。福祉医療分野では、様々な施設の「サービス利用」が手控えられ、厳しい状況も多発しております。機構では、福祉医療施設の「存続」、現場事業運営の「安定確保」に向け、施設の資金繰り支援に尽力致しました。具体的には、「新型コロナ対応支援資金」の提供と「既存融資の返済猶予」を、最優先とする取り組みでございます。今回の「新型コロナ対応支援資金」の提供は、「圧倒的ボリューム」との戦いでした。全国各地から同時多発的に「支援資金」への申し込みが殺到しました。「金融危機」や「大震災」を凌駕する流動性枯渇進行の「想定外のスピード」と「地理的広がり」が現実となりました。感染症が人々の「心理・行動」を大きく変え、そのことが、キャッシュ創出の源泉となる「事業売上」を直撃しました。
 機構にとっての「最初の命題」は膨大な融資申込への対応力引き上げでした。
 具体的には、①「融資経験者の併任発令」があり、更に、②「電話照会対応のアウトソース」、③「派遣職員の確保」、戦力増に応じた④「システム端末確保」、更には、⑤「大会議室の執務スペース化」を決断・実行致しました。組織面では、「専任担当組織」として⑥「新型コロナ対策融資業務室」を設置し更なる対応力の強化を図りました。時系列で俯瞰しますと、令和2年の4月は「審査未了案件」が日々累積する展開でした。これに対しては、役職員の「智慧」と「行動」の総力で、5月以降の適正化を図りました。まず、5月ゴールデンウィーク中の業務取組がありました。更に、同時並行で、①「戦力増強」、②「業務フローの効率化」、③「システム改善」を実行しました。その上で、HP上では、①「動画案内」、②「申込書のダウンロード」、③「Q&Aの充実」等々、デジタル面での総合的な対応力強化にも努めました。
 融資申込みの「更なるピーク」は、翌月6月と引き続く7月でした。しかしながら、この時は、4月のような「未審査案件の累積」はありませんでした。瞬発力ある「対応力強化」の賜物でした。
 令和2年度の「コロナ対応支援融資」の実績は、件数3万件、金額1兆6千億円です。
 福祉では、①介護、②障害、③児童、各分野での、実に様々な施設。医療でも、①病院、②一般診療所、③歯科診療所、④介護老健施設等々、幅広い分野をカバーしています。まさに、全国の福祉医療施設の「経営の安定」を支えました。結果、通則法上の独立行政法人の使命「国民生活の安定」に大きく貢献致しております。「有難い言葉」も頂戴しました。①福祉医療施設、②事業者団体、③厚生労働省等、からでございます。また、④衆議院内閣委員会でも、「機構の活動を評価する発言」を頂戴致しました。これらの内容は、「危機時における迅速な対応」や「福祉医療専門の政策金融機関としての使命遂行」を評価するものでした。
 令和3年度におきましても、「新型コロナ対応支援資金」への需要は、継続しております。
 一方、大幅に増加した貸付先の「信用リスク管理」は、確りと実践せねばなりません。
 令和2年度末の「貸付先数」は対前年度比3万件増の5万先にまで拡大しました。また、「残高」では、対前年度比1兆6千億円増の5兆円でございます。この「規模の拡大」に対しては、コロナ以前より取り組んでいた「与信業務関連システムの高度化」で対応します。こちらは、今年度から本格稼働しております。機構では、融資先の「リスク管理債権化」の未然防止のため、その「予兆先」を抽出し、モニタリングと指導を行っております。高度化後のシステムでは、融資先財務データ入力後「予兆先の警戒レベル」(通称イエローランク)は、リアルタイムで判定されます。また、この予兆先の「抽出」と「ランク付け」を、従来のEUCから「与信業務・関連システム」に切り替えたことで、入力の手間も大きく軽減されました。更に、融資先の「債務者区分決定」、「引当金算出」においても、同様に、①「作業の迅速化」、及び、②「入力の軽減」があり、計算パート毎に今まで分断されていた③算出作業が「一気通貫」となる統合が図られています。機構内「人員配置」では、昨年10月と本年4月で「信用リスク管理態勢」の強化を図りました。一方、「新型コロナ対策融資業務室」は、本年4月に「スリム化」を図っております。本年度も①「予兆警戒レベル高位先」及び、②「リスク管理債権先」の「指導・支援・モニタリング」に確りと取り組んでいく所存です。
 また、コロナ以外の「通常融資業務」では、国の政策を踏まえた福祉医療提供体制の「骨格作り」に、確りと取り組まねばなりません。まず、①「2025年に向けた地域医療構想」があり、②「地域医療介護の総合確保」も支援して参ります。また、③「病院耐震化」、④「介護医療院への転換支援」、⑤「2040年に向けた社会保障改革」にも貢献して参ります。加えて、①「精神病院の分野」では、長期入院から地域共生への転換支援、②「児童分野」では待機児童解消、③「障害分野」では自立と共生の実現に尽力して参ります。平時の政策融資のもたらす効果では、医療福祉の「提供体制の進化」を、政策融資で支援することで、これらの「国の政策」と「地域における施設整備の整合性」が強化されます。結果、大きな方向性共有の下で、各地域のサービス提供体制は進化し、国民医療費、介護費用を始めとする、「社会保障費用」の増加を抑制する力を生み出します。
 機構では、「国の大掛かりな福祉医療の仕組み」を機能別の「4つの事業」で、支えております。まずは、すでに言及の①「福祉医療貸付事業」があり、国のビジョンのもとに福祉医療を提供する「骨格整備」に貢献しております。次に、福祉施設の「雇用安定」に資する②「退職共済事業」があります。加えて、施設経営の安定を「ノウハウ面」から支える③「経営指導事業」、福祉医療の「社会資源の効率活用」を、デジタル情報伝達で支える④「WAM NET事業」、以上の「機能別4事業」に、着実に取り組んで参ります。
 さらに機構では、「多様な社会課題」に対応する「7つの事業」も運営しております。こちらには、まず、公的制度の「狭間の課題」に取り組む市民活動を支援する①「助成事業」、次に、障害者の「上乗せ終身年金」を支える②「扶養保険事業」がございます。更に、旧優生保護法の手術等を受けた方への③「一時金支払事業」や、ハンセン病元患者家族への、④「補償金支払事業」もございます。また、年金関係の3つの事業を加え、「7つの事業」で「多様な社会課題」に対応し「国民生活の安定」に貢献しております。
 令和3年度の全11事業遂行と、機構のDXについて触れておきます。
 ①「国の福祉医療全般」を支える「機能別4事業」及び、②多様な「社会課題」に対応する「個別7事業」、総計11事業の本年度の活動については、コロナ支援融資に送り出した「助っ人」を復帰させ、今年度は「通常の配員」で事業展開です。更に、今年度も「全ての事業」において「感染防止」に努めながらの業務遂行になります。「オンライン面談・会議」や「動画配信」等「withコロナ」の事業モデルを進化させて参ります。
 機構のDX・デジタライゼーションに大きく貢献する「WAM NET」は、全国の児童・障害施設の「災害時・情報連絡システム」を今年度稼働させました。また、既に「国の公表・開示制度」として根付いた①社会福祉法人財務諸表開示システム(利用2万法人)、②障害事業所サービス開示(14万事業所)、③子ども・子育て支援システム(6万施設)のデジタル開示を支えております。更に、今後の「機構システムの更改」においても、「福祉医療分野」のDX・デジタライゼーションの推進への貢献を検討して参ります。
 Ⅱ.機構運営についてです。
 機構では、諸課題に迅速かつ適切に取り組むため、全役職員に対し、行動の指針を掲げております。これは①「能動性」、②「将来予見」、③「ダイバーシティーの活用」の3つの言葉から成り立っております。
 指針の2番目の「将来予見」とは、今後の社会経済情勢や福祉医療基盤の状況、更には、業務において次の展開を「予測・想定」しながら活動することです。今回のコロナ対応では「融資の電話照会」が、まず、あわただしくなり、次に「審査」がピークを迎え、その後、「契約締結業務」が、繁忙となりました。この「電話照会」のピークの最中に、次の「審査」の①体制強化を始め、②派遣職員の増強も図る。更には、「審査」が多忙を極め始めるとともに、「電話照会対応」をアウトソースし、「契約業務」の体制強化を図る。その上で、「大会議室の執務スペース化」でワーキング・スペースの確保に入る。というような矢継ぎ早の対応が求められました。「先行する業務」の状況を見ながら「次の持ち場」は、業務を受け継ぐまでに体制の「更なる強化」を図る展開でした。陸上競技の400Mリレーでは10Mの「テークオーバー・ゾーン」を活用し、次の走者は、加速した状態でバトンを受け取ります。このリレーの「バトンの受け渡し」のような、先行して体制強化のスタートを切る、という「組織運営」が続きました。「将来予見とは、こういうことですか、良く解かりました」との声を聞いた時、私としては、行動の指針の「言葉」が、業務運営に「今、落とし込まれた」という気分でした。
 また、3番目の「ダイバーシティの活用」は、「目的達成」のため、機構内外の「智慧」や「執行力」を最大限活用することを示しております。今回、多忙な中での①「弁護士相談を経た業務フローの効率化」、②「業務のアウトソースの実行」、更には、機構内で「事務フロー構築」や「システム改修」を得意とするメンバーが、③「集まり、智慧を出し合うプロセス」も、実現されました。「行動の指針」のトップバッター「能動性」も含め、3つの言葉の「精神」が、繁忙とコロナの緊張感の中、まさに究極の状況で、体現させるところを、目の当たりに致しました。今回の「コロナ対応」は「圧倒的・スピード」そのものでした。使命に基づき活動する組織・個人の底力を、改めて思い知りました。
 最後になりますが、私共役職員の一人ひとりが「国の政策の一翼を担う」という誇りを持ち、その上で、身近で、信頼でき、より役立つ組織となるよう、引き続き、一丸となって、業務に取り組む所存でございます。
 委員の先生方に於かれましては、今後も当機構に対して、「引き続きのご指導ご鞭撻」を賜りますようお願い申し上げます。
 本日は誠にありがとうございました。

○真野主査
 ありがとうございました。私もこのWAMさんをずっと、このような形で見させていただいておりますが、何かだんだん政策金融公庫といいますか、最初はそのような役割がどうなのかという議論も、本当に最初の頃はあったのですが、すごく明確になってきた感じのするコメントをありがとうございました。何か構成員の方から追加などありますか。松原構成員どうぞ。

○松原構成員
 ありがとうございます。最後の理事長挨拶は、正に、株式会社ではないので株主総会はありませんが、皆さんにどのような意識でやってきたのかということを御説明いただく、リーダー自らの言葉で御説明いただく場だと思いますので、理事長自らお話できなかったのは非常に残念だと思います。
 あと、1つ祈念するのは、職員が自由に安心して意見を言える場になっているのかというところです。そこが大丈夫なのかなと、今日の会議の進み方で少し不安になりました。率直に意見を言える場というのは、心理的安全性を確保する意味で非常に重要です。WAMさんみたいに、ルーティンのことをやっていればいいだけではなくて、その場その場で職員一人一人がしっかり自律して考えて動かなければいけない、そのような知的労働の場においては、特に、心理的安全性の確保というのはパフォーマンスを上げてリスクを減らす意味で非常に重要だと思います。
 そのような職場において心理的安全性、率直にものを言える場作りになっているか、仮に、そういう場を作ろうというリーダーシップと、職員一人一人が自分事と捉える、職員一人一人のリーダーシップの両方が必要だと思います。それが良いガバナンスにつながると思いますが、その点について、今日の会議の進め方に非常に危惧を持ったという点だけお伝えしたいと思います。以上です。

○真野主査
 ありがとうございました。体調に関しては、相当、喉が痛そうではありますので。

○松原構成員
 いや、体調のことではなくて、この場をどう捉えて、例えば、事前に言えばいいという御発言などです。

○真野主査
 理事長どうぞ。

○福祉医療機構理事長
 発言のしやすさは、相当、気に掛けているつもりです。私の理事長室にも、若い者が突然飛び込んで来るのはよくあることです。そういう意味では、発言の自由度は相当に確保されていると思います。監事はその辺、何かありますか。

○福祉医療機構監事
 私どもは、業務改善の取組ということを1つのテーマとして、毎年、各部から挙げさせてその内容を見ているのですが、今回のコロナ有事に関しては、担当からの意見でこのように業務改善をしたいということがかなり大きく取り入れられておりました。先ほどからの説明にありますが、前年度より10%、20%増やすのは頑張れば何とかなるのですが、倍に増やすのは、もう業務プロセスそのものを見直さないとできないことなのです。そのプロセスの見直しにおいては、かなり若い担当者からの意見を上に吸い上げて、それを生かして取り組んだ成果を監事としては見て取れましたので、そのような意味合いでは、非常に若い人の意見は取り入れられている組織ではないかと監事としては感じております。以上です。

○真野主査
 ありがとうございます。

○松原構成員
 それを聞いて安心しました。引き続きお願いいたします。WAMさんには大変期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○真野主査
 ありがとうございました。それでは、これで本日の議事を終了したいと思います。最後に事務局から今後の話をお願いします。

○事務局
 事務局です。今後の流れについて御連絡いたします。本日御議論いただいた令和2年度業務実績評価については、この後、本WGにおける御意見等を踏まえ、厚生労働大臣による評価を決定し、法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに、公表いたします。
 決定した内容については、後日、構成員の皆様にもお送りいたします。また、昨日説明いたしました評価に関しての法人へのインセンティブの試行については、今後、法人の運営の参考となる御指摘について取りまとめたいと思います。事務局からは以上です。

○真野主査
 ありがとうございました。それでは、これで有識者会議の医療・福祉WG全体が終了になります。WAMさん、今日はどうもありがとうございました。

(了)