2021年8月4日 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第41回) 議事録

日時

令和3年8月4日(水)15:25~16:48

場所

労働委員会会館612会議室(6階)

出席者

今村主査、酒井構成員、志藤構成員、宮崎構成員、安井構成員、関口構成員、土井構成員、土橋構成員、三宅構成員

議事

議事内容
○事務局
 それでは、15時25分になりましたので、ただいまから「第41回独立行政法人評価に関する有識者会議労働WG」を開催いたします。構成員の出席状況については先ほど説明したとおり、大木構成員が退席されています。また関口構成員、土井構成員、土橋構成員、三宅構成員がオンラインでの御参加となります。
 続いて、本日の議事について説明いたします。本日の資料に関しては、お手元のタブレットに収納してありますので、そちらを御覧ください。本日は、議題として「高齢・障害・求職者雇用支援機構」の「令和2年度業務実績評価」に係る意見聴取を行うこととなっています。この後の進行は、当WGの主査である今村先生にお願いしたいと思います。それでは今村先生、よろしくお願いいたします。

○今村主査
 どうぞよろしくお願いいたします。議事に入りたいと思います。それでは「高齢・障害・求職者雇用支援機構」の「令和2年度業務実績評価」について御議論いただきたいと思います。
 まず初めに、法人から「法人の業務概要」及び自己評価について御説明いただきます。この2つの説明が終わってから、質疑応答という流れで進めていきたいと思います。それでは、法人から「法人の業務概要」及び自己評価について説明をお願いいたします。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
 着座で失礼いたします。私は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の奥村でございます。早速ですが、私どもの業績評価の概要と自己評定案について御説明を差し上げたいと思います。大部でありますので御説明に少々お時間を頂くことになりますが、御容赦いただきます。
 当機構においては高齢者の雇用の確保、障害者の職業的自立の推進、求職者をはじめとする労働者の職業能力の開発及び向上のために総合的な支援を行っております。資料1ページを御覧ください。当機構が実施しております事業の一覧になります。3分野あって、緑色が高齢者、橙色が障害者、紫色が職業能力開発に関する事業になります。本日は、このうち重点化対象項目の8項目について令和2年度の業務実績を、新型コロナウイルス感染症による影響にも触れながら御説明を差し上げたいと思います。
 6ページを御覧ください。この業務(1-1-2 高年齢者等の雇用に係る相談・援助、意識啓発等)は、65歳超雇用推進プランナー等の専門家が企業に対して高年齢者雇用に関する制度改善の提案や、専門的な相談・援助を実施しているものです。また、高齢者雇用に関する実践的手法の開発・提供や、生涯現役社会の実現に向けた啓発活動を行っております。
 7ページ、この評価項目の自己評価は、Sとさせていただいております。Ⅰを御覧ください。この評価項目の指標は、事業主に対する「制度改善提案件数」と「制度改善提案により見直しを進めた事業主の割合」の2つが設定されております。
 8ページです。Ⅱを御覧ください。この評価項目の令和2年度における指標の達成状況は、お示ししているとおり、いずれも120%を大きく上回る結果となりました。要因としましては、本年4月から施行の改正高齢法に係る事業主の関心の高まりといった要因もありますが、こうした関心の高まりなどを的確に捉えて努力した機構の取組も大きかったものと考えています。
 9ページのⅢを御覧ください。評定の根拠として、この評価項目における令和2年度の取組を掲げています。まず制度改善提案に係る取組について、相談・援助活動の制限を余儀なくされた緊急事態宣言が解除されて以降、それまでの落ち込みを挽回すべく積極的に事業主にアプローチを行い、例年同程度のアプローチ件数を確保することができました。その結果、目標を大きく上回る数の制度改善提案につなげることができ、改正高齢法施行に向けた高齢者雇用への関心の高まりに的確に応えたと考えています。
 なお、制度改善提案に当たっては、改正高齢法施行に向けて法改正の趣旨と内容の周知などを行い、下半期からは法施行に先駆けた制度の改善提案を行うなど、改正法の円滑な施行に向けて尽力いたしました。
 次に、提案内容の質の向上に向けた取組についてですが、プランナーなどによる制度改善提案を機構の支部と本部の間で事前事後に確認し、個別に助言を行うなど、きめ細かなフィードバックを行い、提案内容の質の向上に努め、また、プランナーなどに好事例紹介、企業訪問時におけるノウハウなどの助言、研修などを行い、これらのプランナーなどの訪問提案スキルの向上に努めたことにより、コロナ禍において経営環境が厳しい事業主が多くみられる中でも、制度改善提案を受け入れてもらえることにつながり、目標を大きく達成することができました。
 参考事項を御覧ください。下から2つ目の黒ポツですが、コロナ禍に対応しつつ我が国が目指す生涯現役社会の実現に向けて、高年齢者雇用開発フォーラムの実施に当たり、来場者を限定しつつ、一般向けに動画配信を実施しました。ポツの一番下ですが、シンポジウムを全国5か所、東京、新潟、愛知、大阪、福岡で、感染防止対策を講じた上で開催しました。最後に実施した東京開催については、Webのオンデマンド配信とすることにより、例年を大きく上回る数の視聴者を得て、積極的な啓発広報活動に取り組んだところです。
 また、今年度においては、一定の来場者の参加を求めることに加え、また、東京だけでなく、他の会場を含め、ライブオンデマンド配信も行い、一層の発信に努めることとしています。
 次に、障害者部門に移ります。14ページ(1-2-1 地域障害者職業センター等における障害者及び事業主に対する専門的支援)を御覧ください。機構の地方施設である地域障害者職業センター(地域センター)において、障害者に対する専門的な職業リハビリテーションサービス、事業主に対する障害者の雇用管理に関する相談・援助を行う業務です。15ページ、ここでの自己評価は、Aとしています。Ⅰを御覧ください。この指標は、精神、発達、高次脳機能障害者の支援対象者数、障害者の雇用管理に係る支援の実施事業所数、職業準備支援の修了者のうち精神、発達、高次脳機能障害者の方の就職率、ジョブコーチ支援終了者のうち精神、発達、高次脳機能障害者の方の支援終了6か月後の職場定着率の4つが設定されています。
 16ページ、Ⅱを御覧ください。ここでの指標の達成状況はお示ししているとおり、コロナ禍の中、支援対象者数、支援対象事業所数は未達でしたが、就職率、職場定着率は達成となりました。
 17ページ、Ⅲを御覧ください。評定の根拠として、令和2年度の取組等を掲げています。障害者に対する専門的支援に係る取組について、コロナ禍により施設への通所を制限せざるを得ない中で、対面支援やグループワークなどに代わる支援効果が得られる方法を、機構本部・各地域センターで、好事例を共有しながら検討し、ホームワーク用の課題の設定や、一部の講座については、自席や自宅で学習できる動画を作成し、通所及び集合的な研修・訓練によらない支援が可能になるよう工夫しました。また、コロナ禍により集合的な研修・訓練の受入れ人数を制限せざるを得ない中で、午前または午後の二部制に分けて受講者の分散を図ったほか、外部の会議室の借上げなどにより通所機会の確保を図りました。
 参考指標にあるとおり、緊急事態宣言の影響により、第1四半期における利用者数は大きく落ち込みましたが、上記により、第2四半期以降は支援対象者数の落ち込みを最小限に抑えることができました。
 次に、事業主のニーズを踏まえた専門的支援の実施に対する取組についてです。コロナ禍により事業所訪問の制限、地域センター主催のワークショップへの参加キャンセル、ハローワークの達成指導の休止などが影響し、事業所への支援数が大きく減少する中で、コロナ禍で事業主が直面する新たな課題、例えばテレワークの適応に課題が生じる障害者の方への支援などを捉えて、支援につなげるために地域センターの取組を情報共有し、好事例を全国のセンターに展開し、効果的な事業主支援の強化に取り組みました。コロナ禍で課題を抱える事業主に対しては、オンラインも活用しつつ研修や情報交換の場を設けるとともに、体系的な支援計画も提示しながら丁寧に対応するなどして、支援事業所数は、参考指標にありますように、第4四半期には前年同期の水準まで回復しました。
 次に、就職率及び職場定着率の向上に係る取組については、コロナ禍により合同就職面接会の中止や事業所の採用控え、職場実習が制限される中、ハローワークなどの関係機関や機構支部との情報共有、これまで関わりのあった事業所を通じて新規雇入れニーズの収集を行い、職業準備支援修了生一人一人の個別支援を実施しました。また、ジョブコーチ支援についても訪問による対面支援が忌避される中、電話やメールなどでの支援に切り替えたり、訪問頻度や期間が空いても振り返りが可能となるように、ツールの提案を行いながら、支援を継続できるように工夫しました。
 こうした取組の結果、就職率、職場定着率については目標を達成しました。中でも、支援関係者が多岐にわたり、対応が一様でない職場定着率については過去最高の実績であり、自己評価をAとした要因の1つです。
 18ページの参考事項を御覧ください。量的質的の両面から成果を上げるべく、様々な取組を行いました。2つ目のポツですが、コロナ禍の中、「雇用のセーフティネット」としての役割を果たすため、在職障害者の状況把握、自宅待機や入社時期が遅れる障害者への不安軽減、意欲、習慣維持のための支援、離職した障害者への再就職支援に努めました。
 ポツの8つ目では、事業主が自主的に継続して障害者支援に取り組めるよう、課題、解決方法、見込まれる効果などを「提案書」として書面にまとめて提示する新たな手法、「提案型事業主支援」を取り入れ、事業主支援ニーズが高い13センターにおいて積極的に実施しました。
 次に、1-2-2(地域の関係機関に対する助言・援助等及び職業リハビリテーションの専門的な人材の育成)の26ページを御覧ください。地域センターが関係機関に対して行う職業リハビリテーションに係る助言・援助や、ジョブコーチなどの人材育成の業務です。27ページ、ここでは自己評価をBとしています。Ⅰを御覧ください。この評価項目の指標は、助言・援助などを実施した就労移行支援事業所などの設置総数に占める割合、助言・援助などを受けた関係機関からの評価、ジョブコーチ養成研修などの受講者数、その養成研修などの受講者の所属長からの評価の4つが設定されています。
 28ページ、Ⅱを御覧ください。この評価項目の指標の達成状況は、受講者数を除き全て達成となりました。受講者数の目標が未達となった要因としては、とりわけ緊急事態宣言に伴う研修中止などにより、第1四半期における前年度比279人減となった影響が大きかったものと考えています。
 29ページ、Ⅲを御覧ください。評定の根拠として、ここの項目における取組を掲げています。まず、関係機関に対する助言・援助などに関する取組については、コロナ禍での新たなニーズや支援方法について関係機関と情報交換を行いながら、支援ノウハウが不足している新設の就労移行支援事業所などを中心に、助言・援助を実施しました。その中で助言・援助の柱の1つとなる研修については、新たに策定したコロナ対策に係るガイドラインに沿って、グループワークや実習、実践的なケーススタディなどを行ったほか、オンラインを活用した研修を積極的に開催しました。外部との接触を避ける関係機関も多く、訪問によるケース会議や助言が制限されるなど、例年に比べて助言・援助の機会が失われる大変厳しい状況にありましたが、こうしたことを通じて目標を達成することができました。 
 次に、ジョブコーチの養成及び研修などに関する取組についてです。緊急事態宣言により第1四半期は、研修を計5回ほどですが中止せざるを得ず、第2四半期以降は、臨時開催を8月に2回ほど追加開催するなど、受講機会の確保を図ったものの、研修会場の制約や実技研修の協力事業所への配慮のために受講者数を制限したこと、受講決定後の直前キャンセルも多かったことなどから、目標達成には至りませんでした。
 その中で、厚生労働大臣が定める研修のため、研修効果を担保できるよう、グループワークなどでの感染防止対策を工夫したり、Web機器を使用しての複数の研修会場をライブ映像でつなぐなどの工夫を重ねました。こうした工夫もあり、関係機関や受講者の所属長からの研修内容・効果に対する評価については、目標を大きく上回ることができました。感染防止対策を講じた研修に対して、「安心して受講することができた」旨の感想も多く頂くなど、高い評価を得ることができました。
 30ページの参考事項を御覧ください。4つ目のポツです。全国の地域センターにおいて、ジョブコーチ支援の実践的なノウハウ付与を目的としたサポート研修を、コロナ対策を講じつつ、前年度と同回数を開催し、ケーススタディやコロナ禍での支援の現状や課題を踏まえた意見交換などを行うなど、質的量的の両面から支援を上げるべく取り組んだところです。
 次に、1-2-3(職業リハビリテーションに関する調査・研究及び新たな技法等の開発の実施とその普及・活用の推進)、34ページを御覧ください。職リハに関する調査・研究及び技法の開発を行い、その成果の普及・活用を図る業務です。35ページ、ここでは自己評価をAとしています。Ⅰを御覧ください。ここでの指標は、外部の研究評価委員による各研究テーマの評価の平均点、評価を受ける研究テーマ数、マニュアル・教材・ツールなどの作成件数の3つが設定されています。Ⅱを御覧ください。この評価項目の令和2年度における指標の達成状況は、全て達成となりました。
 36ページのⅢですが、評定の根拠とし、この評価項目の取組を掲げています。まず質の高い調査・研究の実現に向けた取組については、コロナ禍の影響により関係機関や企業から対面での面接調査を断られるなど、調査活動に支障が生じましたが、面接調査をWeb会議方式で実施したり、電話やメールで行うなど代替策を講じて取り組みました。また関係委員会などの開催ができなくなったものもありましたが、Web会議方式で有識者の方から助言を得て、研究報告書に反映しました。
 こうした取組により、目標どおり6本の研究報告を取りまとめ、外部の研究評価委員による評価についても目標を上回る評価を得ることができました。また研究成果については、研究要望先からの意見などを踏まえ、マニュアル・教材・ツールなど利用しやすい成果物を作成し、令和2年度は目標を超える9件を作成しました。
 次に、研究・開発成果の普及活動に係る取組について。コロナ禍に対応するため、その発表会をHPで実施し、視聴者が関心のあるテーマを視聴できるよう利便性の向上を図ったり、双方向性を持たせるなど工夫しつつ、特別講演等の動画や発表資料を掲載しました。動画閲覧件数、ダウンロード数も多くにわたっています。加えて、発表会の地方開催はWeb会議方式を含む19か所で実施し、参加者から高い評価を得ることができました。
 また、発達、精神、高次脳機能障害者に係る支援技法の開発を行うとともに、支援技法を広範かつ速やかに普及するため、広域及び地域センター向けの普及講習を、Web会議方式を含む26か所で実施し、関係機関向けの講習については双方向性を考慮しながら、HPでの公開を含む3件を実施したところです。
 コロナ禍による制約がある中でもこうしたオンラインを活用した取組を通じて、職リハに関する幅広い普及を行うことにより、これまでの対面方式では参加できなかった方が視聴するなど、従来よりも多くの視聴者を得ることができ、地域の就労支援機関や企業が障害者雇用に独自に取り組めるような一層の環境・体制整備を図ることができました。
 このほか、厚生労働省の労働政策審議会障害者雇用分科会において、今後の障害者雇用施策の検討が進められる中で、4本の調査研究に係る報告を行い、委員からは、「海外での取組が明らかとなり非常に参考となった」、また、「実態調査結果は障害者雇用制度を考える上で、とても有意義なものであり今後の施策に活かしてほしい」などの御意見を頂くなど、高い評価を得たところです。
 次に能開分野です。1-4-1(離職者を対象とする職業訓練の実施)、54ページを御覧ください。離職者を対象に早期再就職に必要な技能・技術、関連知識を習得できるよう、「雇用のセーフネット」の観点から全国のポリテクセンターにおいて、標準6か月の職業訓練を実施しています。55ページ、ここでの自己評価はAとしています。Ⅰを御覧ください。この指標は第4次産業革命の進展に対応した離職者訓練コースの受講者数と、離職者訓練修了者の就職率の2つが設定されています。Ⅱを御覧ください。この評価項目の指標の達成状況を示していますが、全て達成となりました。
 56ページ、Ⅲを御覧ください。評定の根拠としてこの評価項目における取組を挙げています。まず第4次産業革命の進展に対応した離職者訓練コースの実施に係る取組についてですが、令和2年度は新型コロナによる昨年4月と5月の緊急事態宣言により、訓練の中止を余儀なくされた影響で、当初の定員が1,013人から962人に変更したという厳しい状況の中で、目標を上回る受講生を受け入れることができました。
 また、就職率向上に係る取組としては、人材ニーズに即した実技中心の訓練を実施するとともに、相対的に就職困難度の高い50歳以上の方が増加傾向で、特別の配慮を要する方が一定数おり、更にはコロナ禍の影響により求人が減少する非常に厳しい状況にありながら、Web会議システムを活用した企業説明会などを開催し、加えてオンライン面接を意識した面接指導をするなど、時節に応じた就職支援にも努めた結果、目標を上回る就職率を達成することができました。
 なお、積極的な求人開拓などに取り組んだ結果、正社員求人が減少している中にありながら、就職者のうち正社員の割合は64.8%。正社員として就職を希望する方の正社員就職率は、サンプル調査において85.0%と成果を挙げることができました。
 参考事項を御覧ください。1つ目のポツの第4次産業革命の進展に対応した訓練カリキュラムの開発・見直しや、それらの訓練を担う指導員の育成、3つ目のポツの女性のものづくり分野への就業促進のための女性受講者の積極的受入れを行うなど、こうしたことも含めて質的量的の両面から成果を上げるべく取り組んだところです。
 次に、1-4-2(高度技能者養成のための職業訓練の実施)、62ページを御覧ください。産業の基盤となる高度なものづくりを支える人材を育成するための訓練を、高校卒業者などを対象に各地のポリテクカレッジなどにおいて実施しています。63ページ、この評価項目の自己評価は、Aとしています。Ⅰを御覧ください。この指標は、生産ロボットシステムコースの実施校数、生産ロボットシステムコースの修了者数、高度技能者養成訓練修了者のうち就職希望者の就職率の3つが設定されています。Ⅱを御覧ください。この評価項目の令和2年度における指標の達成状況は、全て達成となりました。
 64ページ、Ⅲを御覧ください。評定の根拠として、この評価項目における取組を掲げています。まず生産ロボットシステムコースに係る取組についてですが、令和2年度においては、計画どおり新たに3校を追加して6校で実施するとともに、令和3年度設置校と先行6校とのノウハウ共有を目的とした事例集の改訂や、訓練機器の見直しなどに取り組んだほか、指導員(テクノインストラクター)に対して、ロボットコースを指導するために必要な研修を実施するなどにより、指導体制を構築しました。なお、当該コースの修了者数は、目標を上回る45人となり、就職率100%、うち正社員就職率100%と高い実績を挙げることができました。
 また、高度技能者養成訓練の就職率向上に係る取組として、即戦力となる実学融合の授業カリキュラムによる指導や、授業時間の65%が実技・実習による指導や、きめ細かなキャリアコンサルティング、職業意識を高めるインターンシップ(企業実習)などを実施したほか、新しい生活様式を踏まえてオンライン面接に対応した就職支援などを取り組んだ結果、コロナ禍の影響にあり求人が減少する厳しい状況にありながら、目標を上回る就職率を達成するとともに、正社員就職率98.1%と高い実績を挙げることができました。
 このほかに、地域社会と連携等の取組として、コロナ禍において対面での活動が制約される中で、ポリテクカレッジが有するノウハウ・技術等を活用し、地域の中小企業などが抱える課題解決を図る共同・受託研究を実施したほか、参考事項にあるとおり、ポツの1つ目の第4次産業革命及び技術動向の進展に対応した新技術の利活用に関する訓練カリキュラムの見直しを行い、ポツの2つ目の入校生を確保するためのコロナ禍における広報の一環として、Webオープンキャンパスやバーチャルリアリティ(VR)を活用したバーチャルキャンパスツアーの開催など、質的量的な面から成果を挙げるよう取り組んだところです。
 次に、1-4-3(在職者を対象とする職業訓練及び事業主等との連携・支援の実施)70ページを御覧ください。生産性向上人材育成支援センターを通じた職業能力の開発及び向上に関する相談・援助を実施するとともに、専門的知識及び技能・技術の向上を図るための在職者訓練などを行っています。
 71ページ、ここでの自己評価はAとしています。Ⅰを御覧ください。この指標は、在職者訓練受講者数、在職者訓練利用事業主からの評価、生産性向上人材育成支援センター利用事業所数の3つが設定されています。Ⅱを御覧ください。この項目の令和2年度における達成状況はお示ししているとおり、受講者数を除き、全て達成となりました。受講者数の目標が未達となった要因としては、コロナ禍の影響に尽きるものと考えています。特に在職者訓練について、例年は年度初めの4月5月に利用者が多く、緊急事態宣言がまさにその時期と重なり、前年同時期比で約2万人の減と、多大な影響を受けたところです。
 72ページ、Ⅲを御覧ください。評定の根拠として、ここでの令和2年度の取組を挙げています。まず、在職者訓練の実施などに係る取組について、当初は緊急事態宣言の影響により訓練受講者数が伸び悩みましたが、感染防止対策に万全を期して受入体制を確保し、ホームページなどにより安心して訓練を受講できることを積極的に周知するとともに、中止コースの再設定、追加コースの設定など訓練機会の提供に努めたところ、第2四半期以降は持ち直すことができました。資料の中にもその状況をお示ししています。
 また、ものづくり分野におけるIoT技術などに対応した訓練コースを新たに20コース開発し、計243コースを整備するとともに、受講者アンケート結果を訓練カルテにより分析し、必要な改善を図ることにより訓練コースの質の向上に努めました。結果、在職者訓練を利用した事業主のうち、目標90%を大きく上回る94.1%の事業主の方から、生産性向上につながった旨の評価を得ることができました。これは今中期目標期間中、最高の実績であり、コロナ禍の中で企業の操業環境が非常に厳しく、これまで以上の生産性向上が求められる中で、企業からの質的な評価を向上させたものであり、自己評価をAとした要因としています。
 次に、生産性向上支援訓練に係る取組について、在職者訓練と同様に前年度と比べて厳しい状況でありましたが、コロナ禍の下でも安心して訓練を受講していただくための防止対策の周知を行い、オンラインによる訓練コースの実施、テレワークに係る訓練コースや65歳超の高齢者の方の継続雇用支援のための訓練など、時節に応じたコースの開発・実施に努めたことにより、第3四半期以降は前年度と同程度の実績を確保することができました。これも資料にございます。また、IT活用セミナーについても生産性向上支援訓練と同様の、コロナ禍における取組を実施し、前年度と同程度の実績を確保できました。
 以上の在職者訓練、生産性向上支援訓練のコロナ禍を踏まえた取組のほか、参考事項にもあるとおり、人材育成の総合窓口としての人材育成の相談、訓練コーディネートから実施に至るまでの一貫した支援などについて、都道府県労働局や地方公共団体、商工関係団体、経済産業局等の関係機関と連携し、広く中小企業に向け展開した結果、生産性向上人材育成支援センターの利用事業所数は3万477事業所と、目標の3万事業所を上回ることができました。
 最後です。1-5(障害者職業能力開発業務)、84ページを御覧ください。機構が運営する埼玉県所沢市、岡山県吉備高原の2校の障害者職業能力開発校の業務です。85ページ、ここでは自己評価をBとしています。Ⅰを御覧ください。この指標は職業訓練上特別な支援を要する障害者(特別支援障害者)の定員に占める割合、訓練終了後3か月時点の就職率、訓練技法等の提供に係る支援メニューの受講機関数、支援メニューの利用機関からの評価の4つです。86ページ、Ⅱを御覧ください。この評価項目の指標の達成状況はお示ししているとおり、定員に占める割合を除き、全て達成となりました。
 87ページ、Ⅲを御覧ください。評定の根拠として評価項目における取組を挙げています。まず、特別支援障害者の受入れに係る取組について、訓練生の募集活動については年間を通じて全国の関係機関への訪問により取り組んでいます。緊急事態宣言など、コロナ禍でありましたが、各地域、関係機関の感染防止対策の方針等に配慮して実施しました。また、毎年実施しているオープンキャンパスは中止になりましたが、見学説明会を毎月開催し、訓練内容の説明や見学に加え、丁寧な相談対応を行うなど、機会の確保を図りました。加えて、訓練内容を紹介する動画を作成し、ホームページで公開し、訓練内容をより具体的に周知を行うなど、訓練生の募集に取り組みました。しかし、コロナ禍での都道府県をまたぐ移動に関する抵抗感は強く、応募者全体の減少、特別支援障害者の減少となり、僅かながら目標達成に至りませんでした。
 次に、就職への取組についてですが、施設内訓練で習得した技能を実際の職場で活かせるように行っている特注型企業連携訓練の対象者を訓練期間の中盤から選定し、事業所とのマッチングの検討の状況を踏まえ早期に開始しました。また、コロナ禍により就職希望地域の合同就職面接会が中止となる中、ハローワークのミニ面接会の情報を収集し、訓練生に迅速に提供し、オンラインによる会社説明会の実施や地域を限定した採用準備講座を開催しました。さらに感染防止に努めながら可能な限り就職先地域に出向き、面接同行や企業に対して訓練状況の説明を行いました。こうした取組により目標を達成することができました。
 次に、交流プラザの開催及び指導技法等体験プログラムの実施に係る取組についてです。コロナ禍の影響により、交流プラザは集合形式から動画配信形式に変更し、事例発表や訓練技法の紹介については動画配信を行いました。これにより、本来の開催趣旨である参加者相互の情報交換などは行えなかったものの、参加機関数、参加者数ともに過去最高となるなど、参加機関の裾野の拡大に寄与することができたと考えます。
 また、指導技法体験プログラムについては、第1四半期は中止とせざるを得ない状況となりましたが、第2四半期以降は受講ニーズも鑑み、7月に追加日程を設定するなどして、職業訓練の取組の紹介や職場訓練場面の見学、体験や意見交換等を目的別のコースに分けて複数回実施しました。こうした取組により受講機関数は目標を大きく上回り、これらの機関から目標を超える高い評価を頂いたところです。
 最後に、令和2年度においては、新型コロナウイルスが我が国の社会経済活動に大きな影響を及ぼしたところです。当機構としては、これまでに経験のない新たな事態に直面する中で、現場と本部が一体となって手さぐりのところはありましたが、様々な層の利用者の方々のために最善を尽くしたと考えています。本日はこうした当機構の取組について、今申し上げたことに加えて、更に補足すべきことがあれば補足をしたいと思います。是非とも、私どもの業績評価について、今申し上げた状況を踏まえながら御審議いただくよう、お汲み取りの上、御評価いただければと思います。以上です。

○今村主査
 ありがとうございました。それでは、御意見、御質問等がありましたら、お願いします。法人から説明という形でも構いません。いかがでしょうか。オンラインの先生方、いかがでしょうか。どうぞ、安井委員。

○安井構成員
 御説明いただき、ありがとうございます。私が千葉市に住んでいることもあり、先日は、千葉の施設を案内してくださり、本当にありがとうございました。離職者訓練において、様々なバックグラウンドの女性が、3D-CADを学んでスキルを高めていらっしゃったり、また、在職者訓練においても、生産工程の中でAIを使ったロボットをいかに活用するかという先進的・先端的な訓練をされたりしていることについて大変感銘を受けました。ありがとうございました。
 2つ質問をさせていただきたいのですが、1つは、コロナ禍がマイナスに働いたという中でも、例えばWebを活用するなど、様々な努力をされて目標を達成した点もあれば、又はコロナのために目標が達成できなかった点もあるということでした。
 具体的には、5ページの給付金の支給業務に関して、新型コロナウイルス感染拡大防止による給付金説明会への影響ですが、令和2年度の実施状況をみると第3四半期以降は前年を上回っています。他方で、これは訓練なので、直接比較するのはどうかという部分はあるのですが、73ページの新型コロナウイルス感染症による訓練の影響を見ますと、前年の実施状況は第1四半期以降ずっと前年度を下回っています。給付金の説明会では、いろいろWebを活用されて努力されてきたということですが、こういった訓練に関しても、例えばIT関連であればWebを使って、もっと積極的に受講者数を増やすことはできなかったのかと思うところでもあります。私は昨年大学院に入学し、プログラミング等の授業を在宅で受けたのですが、全部Webで宿題や課題を提出することができました。訓練についてそういった取組をされたのかどうかに関して、お伺いしたいのが1点目です。
 もう1点が、55ページの離職者を対象とする職業訓練の実施ですが、訓練修了者の就職率について、令和2年度の達成度は104.8%となっており、令和1年度が108.3%、平成30年度が109.4%に対して、やや低下しております。この下がった要因は、特別な配慮を要する50歳以上の方が増えたことなのか、それとも労働市場が厳しかったことなのか、それとも訓練がコロナの中でなかなかできなかったことなのか、お考えを教えていただけると助かります。以上です。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
 公共職業訓練部の小竹と申します。先日、私どもの施設にいらしてくださり、ありがとうございました。御質問いただきました在職者訓練、特にIT分野でのWebの実施についてですが、在職者訓練といいますか、在職者を対象とした訓練としまして、我々が在職者訓練と呼んでいるもの、そして生産性向上支援訓練と呼んでいるもの、さらにその一部ではありますが、ITコースと呼んでいるものがあります。生産性向上支援訓練とITコースのほうでは出足が遅かったのですが、9月からオンラインの活用を始め、これは生産性とか、IT訓練のほうなのですが、トータルとしましては、僅かではありますが、125コースについて受講者の数では1,762名の方に活用していただいております。
 同じく、在職者訓練のほうでは、ものづくりと呼んでいるものなのですが、そちらではITの関係するものもあるのですが、どちらかというと生産現場を想定したITのものですから、いわゆるパソコン、コンピューター関係だけではなくて、どちらかといいますと生産ラインを模したような実機が必要になってまいりますので、これはオンラインでのやり方がなかなか難しいと、いろいろ検討はしたのですが。さらに、国の基準でも在職者訓練については、ある程度の通所が必要だということを決められておりますので、実績としてはありません。ですので、生産性支援とITのほうで実績を上げているだけになります。
 ただ、オンラインをやっていますと、良い点はたくさんありますので、今年度も、私どもの職業大の基盤整備センターという研究センターがありますので、そちらのほうでオンラインの効果的な活用についても研究して普及させていく予定です。以上が在職者のほうになります。

○安井構成員
 ありがとうございました。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長
 求職者支援訓練部長の青田です。先ほどの離職者訓練の関係ですが、就職率が令和2年度は下がっているということですが、当機構のポリテクセンターといたしましては、通年実施している合同説明会をできないということで、個別企業に振り替えて開催したとか、オンラインでの企業説明会など、様々な工夫を凝らして実施してきたところです。
 また、先ほど説明いたしましたが、オンラインの面接が増えてきましたので、その辺の取組についても、受講者が使えるように環境整備を提供してあげたということです。様々な所での工夫を凝らしながら頑張ってきたところですが、やはり一番の影響は、雇用情勢が大変悪化してしまったということです。特に、4月と5月は訓練を中止したことで、訓練受講生に対して就職支援が全くできないという状況があったものですから、その辺でかなり就職率が落ちた要因ではないかということと、併せまして、このコロナ禍で訓練受講生自身は、なかなか求人が少ないという影響もあり、就職活動を控えるという状況であったことも原因ではないかと思います。
 また、先ほどお話にありました50歳以上の方ですが、これについても、昨年度よりも受講者数が増えております。就職率も78.4%で下がっているということで、これも全体としての就職率を下げた要因となっている状況だと思っております。いずれにいたしましても、このコロナ禍で、私どもは可能な限り、訓練受講生が就職できるように、いろいろな好事例の収集も含めて支援をしながら積極的に就職率を上げてきたと思っているところです。以上です。

○安井構成員
 ありがとうございました。職業訓練は、今後ますます社会人の学び直しということで重要になってくると思いますので御尽力いただければと思っております。また、人生百年時代のなか、高年齢者雇用安定法の改正により企業は70歳までの就業機会を確保する努力義務が課されたこともあり、今後訓練参加者の中に50歳以上の方々が増えてくると思われますので、そういった方々に、どういったサポートをすればスキルアップに効果的かという点も、引き続き考えていただければと思っています。以上です。

○今村主査
 ありがとうございました。オンラインで関口構成員から発言を求められています。関口先生、どうぞよろしくお願いします。

○関口構成員
 このような状況の中で非常に努力されていることは、よく承知しているのですが、自己評価に関してということで質問をさせていただければと思います。全体にもそうなのですが、特にということで、今ほども御指摘があった部分と関連するのですが、例えば、1-4-1の「離職者を対象とする職業訓練の実施」、あるいは1-4-3の「在職者を対象とする職業訓練及び事業主との連携・支援の実施」ですが、それぞれ55ページと70ページです。1-4-1の「離職者を対象とする職業訓練の実施」は、自己評価がAとなっているのですが、指標の達成状況を見ますと、いずれも104.5%、104.8%ということで、これまでであるとか、ほかの評価を見ても、達成状況からすると、B評価が適当かと考えております。
 71ページです。1-4-3の自己評価がA評価になっているのですが、こちらも達成度から見ると、特にかなり苦戦されたことは重々承知しているのですが、達成度が62.7%、104.6%、101.6%といった状況ですので、A評価とするには若干厳しいのではないかと感じました。その辺りについて、先ほどの御説明でもあったのですが、今一度ここに評定から関してというか達成度から関して、この評定で整合性が取れるのかどうかについて、今一度御説明をお願いできればと考えております。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
 企画部長の奥村です。能開分野についての御指摘を受けましたが、評価の枠組みという点なので、私どもの考えを説明したいと思います。1-4-1、1-4-3についても、重要度、難易度が、こちらに書いてあるように「高」となっております。私どもの自己評価については、総務省、厚労省の評価指針に基づいて自己評定をさせていただいております。難易度が付いているものについては、その業務の性格上、さらに評定を1段上げることができるとなっております。そういう考え方に加え、またコロナ禍においては、コロナの状況をよくみて、その評価の在り方については考えるということとされており、そこでの頑張りも評価していただけるということですので、そういった考え方に基づいて、1-4-1、1-4-3については、評定をAとさせていただいています。

○関口構成員
 説明ありがとうございました。これは、この状況下でということが前提条件になると認識しておけばよろしいのでしょうか。その点については、私のほうで余り把握していなかったので確認をさせていただいて、質問は終わりにしたいと思います。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
 難易度に「高」が付いているということについては、これまでの評価でも、それを踏まえて、Aという御評価を頂いております。そういったことも踏まえながら、私どもは今回、御案内をさせていただいているところです。

○今村主査
 難易度が高いから1ランク上げるということ、そういう自動的なエレベーターではないと思いますが。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理
 御指摘のとおりだと思いますが、1-4-1で言えば、平成30年度、令和元年度、令和2年度、達成率100%を超えている中で、我々の指摘、努力も御評価いただいて、前年度評価でAを頂いていると、認識しております。今年、それと同等、ないしはそれを上回る努力をしているかどうかというところがあることになろうかと思うのですが、コロナの関係で、いろいろと活動に制約がある中で、1-4-1については、平成30年度、令和元年度に比べて、若干数字は下がっていることは事実ですが、我々としては、できる限りの努力をし、質的な評価も上げたのではないかということで判断して、A評価ということで自己評価を付けさせていただいております。
 また、1-4-3については、先ほど御指摘のとおり、在職者訓練についての達成率100%を下回っているところです。ただ、これはコロナの影響が本当に色濃く出たこともあり、その中で第2四半期以降、我々としてはできる限りの努力をして、この数字を掲げたということです。いろいろな御意見はあろうかと思いますが、我々の判断として自己評価Aを付けさせていただいたということです。質的な取組については、先ほど企画部長から御説明を申し上げましたが、企業の訓練に対する取組状況が、こういったコロナ禍の中で、かなりマインドとしても後ろ向きになっている中で、我々としてできる限りの働き掛けをし、こういう数字をあげることができ、また、実際に受けていただいた企業においては、こういった在職者訓練を実施してよかった等々の高い評価を頂いていることを、是非お酌み取りいただければと思っております。

○今村主査
 関口先生、大丈夫ですか。

○関口構成員
 いろいろ御苦労がおありになったことはよく分かるのですが、評定は、基本がBということを認識しておりましたので、それからすると、少し高めかと感じたということです。以上です。

○今村主査
 関口先生の御意見には同感するところはあるのですが、一生懸命努力しました、精一杯努力した、コロナ禍だったのです、そういう情緒的な部分もあることはわかります。でも具体的に、コンピューターをこのように増強して、ネットワークをこれだけ太くして、人員をこういうふうに入れ替えたとか、もう少し具体的な話をしていただくと、頑張ったねと分かるのですが。お気持ちの面は分かるのですが、もう少し具体的に何か説明できる方はいらっしゃいますか。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
 1-4-3を担当しております公共職業訓練部の小竹と申します。御指摘はもっともなところだと思います。私どもは、在職者訓練をやっている中で、達成度は上がっていかなかったけれども、自己評価をAとさせていただきました。結論から申しますと、非常に在職者訓練、いわゆる職業訓練、ものづくりの中でやる訓練において、コロナ禍は非常にやりづらいといいますか、ハードルが高く、障害が非常に大きかったと考えております。
 オンラインのできるところはやりたいと思いましたが、どうしても職業訓練は、指導員がやってみせることをやらなければいけません。大きな機械を使ったり、小さな工具であったり、あるいは測定器だったり、それを受講生の方に提示して、そして説明していく。それによって理解が深まっていく、理解できるという仕組みです。
 そうしたときに、果たしてコロナ禍、密を避ける状況の中で、どうやったらいいのか、そこを事業主の方は心配されたのだと思うのです。ある事業主の方は、社外での研修は受けさせない。一切出さない。また、ある事業主の方は、いや、普段接したこともない他社の従業員と一緒に訓練を受けさせられない。昨年の4月、5月は訓練をやりませんでしたが、その後のお話として、そういう御意見を頂きました。
 当然、我々は、手探りの中で、コロナ対策をして、一般的に行われるような対策、さらには、自前でパーティションを作って遮断して、安心していただけるような環境をつくりました。ただ、非常にネックになりましたのは、訓練としてどう提示していくのか、ものを見せていくのか、操作を伝えていくのか。これは集まらざるを得ないものですから。お話をすると、ありきたりかもしれませんが、1つの方法としては、集まらなくていいように、指導員がマイクを持って、携帯スピーカーを持って、そしてお話する。ですから、多少離れていても話は聴ける。想像として工場内を想像してください。私どもの実習場というのは工場と一緒のものですから。工場内で集まっていただいて、機械のある中で説明していく。ですから、スピーカーやマイクによって、ある程度緩和される、解消される。さらには機械を操作していく、測定器を操作していくのです。そういった中で、手元を見ていただかなくてはいけない。我々も、「よく見てください」「近づいてください」と言い、近くに寄っていただいて、なおかつ、大きな声を出してしゃべっていかなくてはいけない。それができないのです。
 では、どうしたかといいますと、これは現場の知恵なのです。我々、本部が言ったわけではないのです。各現場が考えてやってきてくれたのです。ある現場ではどうしたかといいますと、手元をカメラで写して、それを大きなモニターに投影して見ていただく。そうすると、受講者の方は、離れていても見ることができます。
 ただ、苦労したと聞きましたのは、立体的なものを平面で見ますから、よく分からないのです、特に初めての人ですと。形が複雑な形状の材料であったり、複雑な装置が付いている機械だったりしますと、平面で見ると、一体何なのだろうと。ですから、そこで工夫したのが、例えば、材料を見せるときに背景を工夫するとか、見やすい背景にする、材料の角度を変えて見せる、あるいは、カメラの前で「ここです」と指で指しますと見えませんので、あらかじめ1番、2番、3番、4番、5番というシールを貼っておき、その番号を伝える。これは、現場としては非常に手間の掛かることです。普段はそのようなことはしません。それをやって、伝わるようにと現場が努力をしてくれた。我々本部は何をしたかというと、こうしましょうというのは分かりませんでしたから、そういった現場の知恵を横展開して、そして全国でそれを活用していく。
 ただ、私の申し上げたいのは、頑張ったと言いたいわけではないのです。頑張ったのは頑張ったのですが、それによって事業主の方々や、受講者の方から評価していただいた。要するに、今までより以上に訓練が良かったと。良かったのは、安心したということではなくて、習得度なり、得たものが大きかったと。振り返ってみますと、もしかしたら、これまでの訓練のやり方よりもいいやり方ができたのかもしれないと。そういう意味では、今後、この成果は平常時になっても使っていきたいと思いますし、使えるものはもっと多いのだと思います。質的なものを上げることができたということが、このAに値するのではないかと思っております。少し長くなりまして申し訳ありません。以上です。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長
 続きまして離職者訓練の関係ですが、まず55ページの第4次産業革命に対応した訓練コースの実施ですが、令和2年度の目標は915名以上となっていますが、これについては基本的に、年度当初の計画定員1013人に対しての915人ということで、基本的に訓練定員の9割とするという計画を立てていたのですが、4月と5月に訓練を休止した影響で、令和2年度の訓練定員が962名と下がってしまったことで、その962名に対しての956名ということで、本来の1013人の定員に対しての目標だと915人ですが、962人に対しての9割となると800幾つということで、それを考えると達成度は110%を超えるという実績になっています。
 併せて、就職率との関係ですが、各ポリテクセンターにおいては新型コロナの感染防止に配慮しながら合同企業説明会などは全てオンライン開催を行ったこと、先ほど説明していましたがオンライン面接も取り組んでいたこと、併せて全施設ですが、訓練受講生のアピールポイント等をまとめた求職情報誌を作り、企業を訪問したり、企業宛に郵送し、求職情報として各企業に伝えたということも行いました。また併せて、1施設の例ですが、マッチングを図る目的で毎年訓練受講生が作成した課題の発表会というものを、企業さんに見ていただくために行っていたのですが、今回コロナのことで参加できないという企業がたくさんありましたので、発表会自体を録画し、動画として希望する企業に貸し出しを行ったり、施設ごとにそのような様々な工夫を行った結果、目標を達成できたということですので、それについても評価していただければと思います。以上です。

○今村主査
 ありがとうございました。具体的に大分理解した部分もありますが、なお御質問などはいかがでしょうか。

○酒井構成員
 御説明ありがとうございます。私からは、今回の評価に直接的に関係することではないかもしれませんが、今後の議論のために質問させていただきたいのですが、先ほどから能力開発事業について多くの質問が出ていて、大変な中での受講者数の確保、就職率の達成ということで非常に評価できるかなというように私自身としては思っています。この能力開発ということに関しては、現在は非常に期待が高まっているのではないかという気がしています。というのも、コロナ禍の雇用対策としては雇調金の特例措置ということがメインになっているかと思いますが、これも大分長くなってきていることにより雇用維持策から労働移動策へシフトしたほうがいいのではないかという意見が高まってきているのが現状かと思います。その中で、特に離職者訓練といったものへの期待というのは非常に高いかと思いますが、そのような観点から今回これだけの就職率を達成したということに加え、例えばコロナで影響を受けたような業種、そういった分野で失業を余儀なくされた、そのような人たちの労動移動、新たな就職に貢献したといったようなことを、もし把握されていれば、どのように把握されているか、あるいはどのように分析されているかということに関して教えていただきたいです。もし把握されていなければ結構ですが、もし把握されていれば少し御見解を教えていただきたいと思います。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長
 先ほどコロナ禍の影響により失業を余儀なくされた方々の関係ですが、今回説明していませんが、求職支援訓練制度というものがあります。3月に「新たな雇用・訓練パッケージ」というものが国から出され、当機構としては新型コロナの影響を受けて休業を余儀なくされた方やシフトが減少した方が働きながら訓練を受講しやすくするために、9月30日までの時限措置として出ているものですが、これについては当機構として、求職者支援訓練として「短期・短時間特例コース」というものを作りました。約1か月から2か月のコースになっていて、その訓練を受けて就職に結び付けているという状況です。以上です。

○酒井構成員
 すごく重要な分野かと思うので、是非、結果の評価というか、今後の分析をしていただけたらと思います。ありがとうございました。

○今村主査
 どうもありがとうございます。今、オンラインの土井構成員から御発言を求められています。土井先生、いかがでしょうか。どうぞ。

○土井構成員
 どうも御指名ありがとうございます。質問が2点あり、1点目は先ほどから話題になっていますが、コロナ禍において様々な研修などをオンラインで対応できるようにしたということですが。逆に、コロナ禍が終わっても、遠隔からそのような研修を受けられるようになれば、場所的な制約をなくして多くの人数を受け入れられると思います。特にIoTやロボットのような研修はDXを考える上で非常に重要だと思うので、今後コロナの収束した後で、遠隔の研修を増やして、受講生を増やしていくというお考えはあるのかどうかというのを教えていただきたいというのが1点目です。
 2点目は評価に関することですが、先ほどから評価に関して少し質問がありましたが、私も教えていただきたいのですが、1-1-2がS評価になっていて、このS評価の結果として、1が全体値としてSとなっていますが、ASであればAにしておくというのが、関口先生もそうですけれど、私も独法評価制度委員会におりましたが、それが正しい評価のような気もするのです。あえて、ここが全体として、どうしてSになっているかということを教えていただきたいというのが2点目です。よろしくお願いいたします。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構公共職業訓練部長
 御質問ありがとうございます、公共職業訓練部の小竹です。まず1点目のコロナ禍でのオンラインの研修、訓練について、今後の見込みという御質問だったかと思います。おっしゃるように、それほど私どももたくさん効果が言えるほど実施していない、少ないわけですが、その中でもおっしゃるように、やはり場所や時間などの制約がない、あるいは移動の経費などもないというメリットが大きいというのはあります。大勢の方が一緒に受けられるということもあったかと思います。そのようないい点が非常に多いと思っていますので、これをコロナが終わったからといってやめるというのは少しもったいないのではないかと考えていて、先ほども少し申し上げましたが、私どもでも今年度と来年度に、研究のテーマとして、このオンライン訓練の効果、あるいはこのようなITの技術を使った新たな教育の手法について検討することとしていますので、今後も何らかの形で続けていければと考えています。ただ、ロボット、IT、DXの関係というのは非常に重要ですし効果的だと思いますが、私どもはどうしても実習的なものが入るので、オンラインとの組み合わせということになろうかと思いますので、これまで行ってきたことを、もう一度検証して分析し、今後のやり方を模索していきたいと思っています。以上です。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長
 補足ですが、求職者支援訓練部長の青田です。オンライン訓練の関係ですが、現在離職者訓練については実技実習が基本的に多いということで、今現在は対応が難しいということで、一部の座学学科を対象としたオンライン訓練を今実施しているところですが、今後、実技実習についても、どこまで効果的にオンライン訓練を取り入れていくことができるかを訓練効果も含めて検討しているところです。併せて、オンライン訓練に関する指導員研修やICTを活用した訓練技法、訓練指導技法の開発にも今取り組んでいるという状況です。以上です。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
 評価の点について御質問を受けました。例えば、高年齢者の雇用の関係で御質問を受けたのですが、このような各事業の個別の評価と、一方、緑の部分で言うと、そこにある事業の一まとまりをどのように評価するかというまとまった評価の出し方ですが、こちらについては、厚生労働省の独立行政法人の評価実施要領という評価の出し方の考え方を示した文書があり、その計算式を申し上げると、例示のあった高齢者の雇用関係ですが、AというものとSというものがあります。このまとまった評価をどのようにするかというと、例えば、Aは4点、Sは5点になるのですが、Sは重要度「高」が付いている場合は2倍にするということになります。その項目が2つありますので、それを項目数の2と更にその重要度という点をもう1点として足して割るというような計算式があって、それで計算すると、S評価の数値になるということで、計算式に基づいて計算します。一言で言うと計算式でSになり、Sの部分はダブルカウントするので、それを項目数で割ると、Sの水準に達するという計算式で、それぞれの個別項目をまとめたAやSやBは計算しています。

○土井構成員
 御説明をありがとうございます。遠隔、オンラインでの研修に関しては、そのようなものが増えれば今回コロナ禍の中で離職を余儀なくされている、特に女性の雇用者が多いという中でそのような方たちがスキルを身に付けられる機会になるのかなと今後に期待していますので、是非よろしくお願いします。今の評価に関しては、先ほどの御質問に対しての情緒的な判断をしていますという話と真逆のお答えなので、計算式にのっとって行っている部分と情緒的に行っている部分が混合して、何となく割り切れないところがあるなというのが正直な感想です。どうもありがとうございます。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理
 すみません。それぞれの個別のAやSなどについては質的な評価も踏まえてということですが、まとまった所に、S、A、B、Aという形で入っていますが、それは計算式に当てはめて入れるということで、ここの部分は機械的になっているということで御理解いただきたいと思います。

○今村主査
 分かりました。これは重要度と難易度が付いているから、Sのほうに分があるということですね、計算式上のことで。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理
 四捨五入の関係でそうなったということです。

○今村主査
 分かりました。いかがですか。別件でも。

○志藤構成員
 すみません。意見というよりは質問です。高齢者雇用に係るプランナー、アドバイザーの制度改善の所で、数字が出ています。12万の会社にアプローチをして、そして高齢者の雇用に関する理解を深め、そして制度を変えていくという取り組みというように理解しています。少子化の中で、その労働力不足は高齢者によってという割とシンプルな考えでずっと行ってきたし、高齢者の社会貢献や社会的な参加ということがフレイル予防にもというようなこともあって、高齢者というものを本当に社会資源として捉えるという考え方が続いてきましたが、このコロナ禍でそのような考え方は一変しているというように感覚的には受け止めています。そうしたときに、このような形で訪問したとき、数がどうとか、そのことによって制度を変更しようとしている企業がどれぐらいいるかという数の問題ではないような気がしています。アンテナとして、あるいは直感的にそのような高齢者が社会の資源としてという流れがこのまま続行していけるのかどうか、それともそんなのんきな話ではなく、企業がどんどん、あるいは若い人で自殺をする人、職を奪われている人がいる中で、この動きがこのまま行けるのかどうかというようなことのアンテナとしてのお役のようなものを高障機構さんの、特に高齢の部分では果たしていただくことが私はとても大事なことだと思っています。データということではなく感覚的なもので何か受け止めていることも是非お知らせいただければと思います。職場の空気としてというその辺りのところのキャッチ昨日を是非私は期待させていただきたいと思っておりますので、どなたか何かもし教えていただけることがあればと思い、コメントさせていただきました。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事
 高齢者事業を担当しております理事の森川と申します。御質問ありがとうございます。今回はコロナということで、一番は外国人の方がいなくなっていて、新たに入って来るということがなくなっているということと、コロナ禍なので高齢者施設や福祉施設などには訪問していなかったのですけれど、それ以外でも人手が必要という部分と、それから技能継承という部分は残るのだろうなと思っています。あとは主に、どちらかというと中小企業を訪問することが多いのですが、訪問先企業からは、高齢法の改正もありますけれど、やはり同一労働同一賃金の流れというのがあって、それは高齢者になったからどうという話ではなくて、ある程度、現役採用の60歳未満のところから、賃金制度をきちんと考えないといけないというニーズがあります。そうすると、賃金と人事評価を考えないといけないなということになって、それに応じた雇用管理制度をつくっていくという流れができてきているなというのが実感です。そうすると、これまで多かったような、急に60歳を過ぎたから給料がいきなり下がるという話ではなくて、雇用環境整備については、引き続きニーズはあるのだろうなと思っています。
 あと、もう1つ申し上げると、雇用だけでもないかなと思います。今回の法改正の内容に入っていますけれども、就業、具体的には業務委託みたいな形についても問い合わせが若干ありますので、企業の人事労務担当者の方もすごく悩んで、どうやっていくべきかという検討はしていただいているのかなというところでございます。御説明になっているかどうか、ちょっと分からないのですが。以上です。

○今村主査
 大分、予定の時間が過ぎております。1つだけ最後に、ちょっと妙な質問をさせていただきたいのです。先ほどからいろいろ頑張っていらっしゃるというのはよく分かるのですが、例えば、機構全体のリモートワーク率というのはどのぐらいなのでしょうか。つまり、機構自体が先駆者として新しい働き方を提案されているわけですね。だから、機構の中で、そういうR&Dというような研究開発を自分たちもされていらっしゃるのかなというように期待しながら話を聞いているのですが。どうも、そこのところで、もやもやした感じで伝わってくるというところがあって、その辺の先駆者としての役割に対する意識というのはどうなんでしょうか。 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理
 今、手元で何%という数字は持っていません。現実では、そこら辺のリモートワークがどこまでできているかというと、残念ながら十分とは言えない状況だと思います。要因は幾つかあるのでしょうけれども、1つは、対面サービスを主とする、特に、本部はいいのですが、やはり現場の仕事は、例えば訓練の指導をしたり、障害者の就職・復職支援をするとか、人と人とがFace to Faceでやる部分が、まだまだたくさん残っています。リモートを少しずつ入れていますけれども、なかなか全部、そちらのほうに切り替えるということは難しいということで進んでいるのがございます。
 リモートワークについては、以前から課題ということで、年度をかけて進めることにしていますけれども、そのスピードが実は今回のコロナには残念ながら間に合っていなかったということです。これは、急いでやらなければいけないということですが、、なかなか、民間企業のように、一斉に設備を入れて、パソコンを入れて、システム構築をしていけない中で、どのようにリモートワークを進めていくか、これからも考えていく必要があると思っております。

○今村主査
 ありがとうございます。これは大学でも同じことで、私はハーバード式Zoom授業入門というのを共訳して結構売れているのですが。あと、実際に教室にガンマイクを持って行って教室の音声を入れたハイフレックス授業をやったりしています。そういうところの研究開発も必要かと思います。是非よろしくお願いしたいと思います。もし、特に何かあれば。コメントでも結構です。

○宮崎構成員
 御説明ありがとうございました。特に質問ということではないのですが、内容を伺っておりまして、非常に大きな成果が、雇用での求職者支援に関しましても障害者支援にしても出ているのかなと思っています。特に、資料の21ページ等に書いてあるのですが、障害者向けの職業支援の中で、在宅勤務に出勤変更になって精神障害が出ている方の支援についての記載がございますが、これは本当に、社会的に今リモートワークが広がっていく中で、メンタルに不調をきたす方が増えているのではないかなと思っていますので、非常に良い取組事例だと思います。意見としては、こういった内容をより広く、広報というか、周知していただくような取組も是非お願いしたいなと思っております。以上でございます。

○今村主査
 ありがとうございます。それでは残念ながら時間も限られておりますので、この辺で議論を打ち切らせていただければと思います。それでは次に、法人の監事及び理事長から、年度の中期目標期間における目標の達成状況等を踏まえまして、今後の法人の業務運営等についてコメントを頂ければと存じます。まず最初に法人の監事から、続いて法人の理事長より、どうぞよろしくお願いいたします。 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構監事
 監事を務めております中山と申します。資料は2-4になります。この中で特に、ⅡとⅢが重要な部分でございまして、各項目につきましては適正に実施されているということを御報告させていただきます。以上です。

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長
 それでは、続きまして理事長の和田でございます。先生方におかれましては、この夏一番の暑さの中で、また緊急事態宣言にもかかわらず、本会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。いつも申し上げていることなのですが、当機構の強みというのが、1番目として、全国をカバーしている組織だということです。それから2番目は、訓練指導員、職業カウンセラーをはじめとする極めて高い専門性を持っていることです。3つ目は、高齢者雇用、障害者雇用支援、それから職業能力開発と各種の違った業務を通じてシナジーを発揮しているということで、この3つが当機構の強みだと思っております。この強みを活かして、働く意欲と能力のある全ての人が生涯にわたって、その能力を発揮していける社会の実現を支援すると、これが機構のミッションなのです。そういう意味で、第4期中期目標期間の中間年に当たる令和2年度においても、このミッションを踏まえつつ目標達成に向けて役職員が一丸となって取り組んできたということですけれども、残念ながら、昨年はコロナですね、やはり。
これまで縷々説明させていただきましたけれども、特に年度の前半は、日本全体が経済活動から人の移動も止めてしまって、ほとんど何もできなかったというのが正直な感想でございます。後半には、それを取り戻すべく、先ほども御説明しましたように、様々な工夫を凝らして、情緒的じゃなくて具体的に様々な工夫を凝らして何とか回復に努めたのですが、一部回復できなかったのもあったということで、少し厳しい御意見も頂きました。
 ただ、このコロナというのが必ずしも悪いことばかりじゃなかったなというように今は思っております。今年に入っても、コロナは引き続き拡大を続けていますけれど、そういう中で我々が工夫をしたことで得たものというのは非常に大きなものがあるなと。この得たものを今後もきちんと活かしていくということが大事なのではないかなと、そのように考えております。さらに、いろいろな工夫を凝らしながら目標の達成に向けて邁進してまいりたいと考えております。
 最後になりますけれども、非常に私ごとで恐縮なのですが、実は、この9月末をもって理事長を辞任することにいたしました。就任以来6年間、先生方には大変お世話になりました。評価基準が変わった以降は、厳しい御意見や御指摘を頂いておりますけれども、これも当機構に対する期待が非常に高いということの裏返しだなと理解しております。今後とも御指導と御支援のほど、よろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。

○今村主査
 どうもありがとうございました。ただいまの監事及び理事長の御発言内容について御意見、御質問等がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。非常に厳しいお願いをして申し訳ございません。こちらの期待に応えていただいて本当に感謝しております。特になければ、よろしいでしょうか。オンラインの接続不良等は特になかったですね、大丈夫ですね。それでは、本日の議事を終了させていただきたいと思います。最後に、事務局からお願いいたします。

○事務局
 事務局でございます。今後の流れについてですが、本日御議論いただいた実績評価につきましては、この後、厚生労働大臣による評価を決定し、法人及び独立行政法人評価制度委員会に通知し、公表いたします。なお、評価に関しては、法人へのインセンティブとしての試行的な実施につきましても、評定に影響しないものの、コメントについて取りまとめたいと思います。事務局からは以上です。

○今村主査
 どうもありがとうございます。この夏一番暑い日だったようです。その中で、皆様、本当に御苦労さまでした。ありがとうございました。長時間にわたり熱心な御議論を本当にありがとうございました。どうも、お疲れさまでした。失礼します。

(了)