2021年7月14日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会 議事録

日時

令和3年7月14日(水)16:00~

出席者

出席委員(20名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(2名)五十音順
行政機関出席者
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  髙橋暁子(安全使用推進室長)
  •  山本晴子(独立行政法人医薬品医療機器総合機構医務管理監)
  •  池田三恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他

議事

○医薬安全対策課長 それでは、若干、定刻を過ぎておりますが、令和3年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医療機器・再生医療等製品安全対策部会を開会いたします。本日、御出席の先生方におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、どうもありがとうございます。
 本日の部会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、一般傍聴は制限させていただき、報道関係者の皆様に限り傍聴可としておりますが、カメラ撮りは冒頭から禁止とさせていただきます。御理解、御協力のほどよろしくお願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
 また、今回もWeb開催としておりまして、対面での進行と一部異なる部分があります。前回と同様ではありますが、議事に先立ち、審議の進行方法等について事務局より御説明申し上げます。
○安全使用推進室長 御説明申し上げます。まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問を頂く際は、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。御発言のタイミングが重なったりした場合は、部会長から順に発言者を御指名いただきます。会議中、マイクの調子が悪かった場合などは、音声の代わりにメッセージに御記入いただくようお願いをする場合がございます。システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡ください。また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
 それでは、以降の議事進行を荒井部会長にお願いいたします。
○荒井部会長 荒井です。それでは、始めさせていただきます。まず、議事に入る前に、委員の方々の出欠状況、審議への参加等について、事務局から説明をお願いします。
○安全使用推進室長 最初に、本日の委員の出欠状況について御報告します。征矢委員、脇田委員より御欠席との連絡を頂いております。齋藤委員、山本委員は少し遅れて入られるとのことです。本部会の委員22名中、現時点で18名の委員に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 続いて、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告します。薬事分科会規程第11条には、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員より適合している旨を御申告いただいております。報告は以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。ここまでの事務局からの説明について、御意見、御質問はございますでしょうか。今日はこういう形なものですから、画面の方で、手上げのものはマークの右から3番目の顔のマークだと思いますので、そこを、分からなかったら、いきなりミュートを解除して御発言でも結構です。改めて指名させていただきますので、若干ラグが生じますが、どうぞお許しください。よろしいでしょうか。
 それでは、事務局から配付資料について説明をお願いします。
○安全使用推進室長 資料はあらかじめ郵送及びメールにてお送りしております。議題1に関して、資料1-1から資料1-3、議題2に関して、資料2-1から資料2-3-2、議題3に関して、資料3-1-1から資料3-2-2、議題4に関して、資料4-1から資料4-2があります。このほか、議事次第、資料一覧、委員一覧をお送りしています。お手元に御用意のない方がいらっしゃいましたら、事務局までお知らせください。なお、本日の議題は全て報告事項となっておりますので、よろしくお願いします。
○荒井部会長 よろしいでしょうか。それでは、議題の1番目、「医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について」を始めます。それでは、事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題1の医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について、資料1-1から資料1-3について御説明します。まずは、資料1-1を御覧ください。今回は本年度初回の部会になりますので、昨年度、令和2年度の安全対策について概要を説明します。1ページです。1.過去5年間の不具合等の報告数の推移では、(1)にて、医療機器についてお示ししております。一番左の列、製造販売業者からの不具合報告の件数は年々増加しており、令和2年度は外国症例も含めて全部で12万9,159件でした。前回部会時に頂いた御指摘を踏まえ、今回より、国内・外国症例の件数について、それぞれ記載をしております。不具合件数が増加した主な品目については、後ほど御説明します。研究報告については、その適切な運用について講習会等で継続的に周知してきたことに伴い、平成28年度以降、増加傾向が見られておりましたが、令和2年度は令和元年度と同水準の報告数でした。外国措置報告の件数が平成31年(令和元年)度以降、減少している理由についてですが、従前は、複数国における措置内容の報告については、国ごとに1件の報告を求めていたところ、不具合報告制度の効率的な運用のために、平成31年度からは、「同一措置報告の内容はまとめて1報告」としたことによるものと考えております。
 続いて、(2)にて、コンビネーション医薬品の機器部分における不具合の報告の件数の推移についてお示ししております。資料には、国内及び外国に分けて報告数を示しております。外国の報告とあるのは、国内承認されたコンビネーション医薬品と同一のものが外国で使用され不具合等が発生したことを国内の製造販売業者が知ったときに報告するものであり、その件数をお示ししております。令和2年度の報告件数は国内症例1,429件、海外症例2,622件でした。コンビネーション医薬品については、平成28年11月25日から報告が義務化されており、義務化された後の平成29年度以降は、年間2,500件から3,000件の水準を維持しております。今後、大きな増減が生じた場合には、その原因について、適宜、調査する予定としております。
 続いて、2ページの(3)再生医療等製品については、令和2年度の不具合報告の件数は、国内・外国を合わせて1,951件でした。半期ごとの不具合報告の詳細は、資料2-1の12ページに記載しておりますので、資料2-1の説明の際に御確認ください。大幅に不具合報告が増加している要因としては、平成30年度までは海外不具合報告の報告はありませんでしたが、平成30年度末に「チサゲンレクルユーセル」(キムリア点滴静注)が承認されて、平成31年度以降に海外不具合報告が多数報告されたこと、それ以降も新たな再生医療等製品が承認されており、国内不具合報告、海外不具合報告ともに増加しているためと考えております。それに伴い、海外措置報告も6件報告されております。
 次ページです。2.令和2年度の安全対策についてを御覧ください。(1)にて、令和2年度に発出した医療機器関連の安全対策通知を示しております。今回こちらに示しております通知については、令和3年3月25日までに発出したものですが、発出した通知及び事務連絡については、前回の部会において内容を御紹介しておりますので、今回は御紹介を割愛させていただきます。令和3年3月30日に発出した通知、「「使用上の注意」の改訂について」は、資料1-2として添付しております。こちらは、「オナセムノゲン アベパルボベク」(ゾルゲンスマ)に関して、「血栓性微小血管症」に関する国内及び外国症例が集積されたことを踏まえて、添付文書の使用上の注意における「重大な基本的注意」の項目に血栓性微小血管症に関する記載を、「重大な副作用」の項に「血栓性微小血管症」を追記することを指示する通知となっております。
 また、昨日、令和3年7月13日に発出しました「手術器具を介するプリオン病二次感染予防策の遵守について」は、資料1-3(当日配付資料)として添付しております。当日配付資料を御覧ください。こちらは、厚生労働科学研究「プリオン病のサーベイランスと感染予防に関する調査研究班」において、プリオン病を疑われる患者に使用された再使用可能な手術用器械器具が、製造販売業者等へ返却された後に、次の医療機関での再使用に至る一連の工程において、滅菌等のプリオン不活化処理がなされずに別の医療機関に貸し出された事例が確認・報告されたことを踏まえて発出した通知です。本通知では、医療機関に対して、ガイドラインに従い、脳、脊髄等に接触する可能性がある再使用可能な医療機器について、プリオン不活化のための洗浄、滅菌を行うこと。製造販売業者に対して、添付文書の記載を点検、改訂するとともに、ガイドラインに従ったプリオン不活化のための洗浄、滅菌の条件について、医療機関に説明すること。QMS省令第72条の2第2項第2号の規定による医療機器の貸与業者における品質の確保に関する手順に、「本件医療機器をハイリスク手技に使用した場合には、医療機関が添付文書に従いガイドラインに従った洗浄、滅菌を行うよう、貸与業者が医療機関に説明をすること。」等を含め、当該内容を貸与業者に対して指示すること。貸与業者に対しては、製造販売業者から受けた指示を遵守すること。等を求めております。
 続いて、令和2年度に医療機器不具合報告件数が増加した主な品目について御説明します。5、6ページを御覧ください。平成31年(令和元年)度と比較して、令和2年度の不具合報告件数は、国内症例については約3,000件、外国症例については約5万件増加しております。5ページにお示しした表には、前年度と比較した際に報告件数が増加した製品群を、国内・外国それぞれ上位3位まで示しております。国内症例については、「脊髄くも膜下・硬膜外麻酔キット」「ポータブルインスリン用輸液ポンプ」「成人用人工呼吸器」が挙げられます。
 「脊髄くも膜下・硬膜外麻酔キット」では、約400件報告が増加しております。主な不具合状況としては、約8割で液漏れ、約5割で亀裂が発生しておりました。増加した理由の一つとしては、既に対策済みではありますが、製造不良により、神経麻酔に使用するキットの構成品であるフィルタやコネクタから薬液が漏れる事例が増加したことによるものと考えられます。続いて、「ポータブルインスリン用輸液ポンプ」については、約300件報告が増加しており、破損又は故障の報告が約9割を占めておりました。これは、部品の破損に関する情報提供を実施したところ、使用者が製品交換の必要性を認識し、かつ苦情が増加したことによるものと考えております。次に、約300件報告が増加した「成人用人工呼吸器」については、その約9割が機能停止に関する報告でした。生じた不具合について、重篤な健康被害が生じるおそれも踏まえて、不具合報告を行うよう機構から指導したことによるものと考えております。
 続いて6ページに、外国症例について報告件数が増加した上位3位までの製品群を挙げております。「ポータブルインスリン用輸液ポンプ」「心内膜植込み型ペースメーカリード」「植込み型除細動器・ペースメーカリード」です。
 「ポータブルインスリン用輸液ポンプ」については、増加件数が約2万件と大幅に増加しております。不具合の状況としては、約9割が破損であり、考えられる理由としては、リテーナの部品の破損に関する情報提供の実施後に苦情が増加したこと、海外でのQMS調査での指摘を踏まえ、製造元から外国症例の情報提供が増加したことが考えられます。「心内膜植込み型ペースメーカリード」「植込み型除細動器・ペースメーカリード」は、それぞれ800件、2,000件報告が増加しておりますが、その理由としては、先ほど御説明しましたポータブルインスリン用輸液ポンプと同様に、海外でのQMS調査での指摘を踏まえて、製造元からの外国症例の情報提供が増えたことによると考えております。
 そのほか、企業の安全性情報収集体制の見直し等により不具合報告件数が増加していると考えられる部分もあります。また、今回の部会での報告対象である、令和2年10月1日から令和3年3月31日までの6か月間の不具合報告については、次の議題2にて御説明いたします。資料1-1の御説明は以上になります。
○荒井部会長 ありがとうございます。流れるように説明していただきましたが、この部会でも一番のポイントのところですので、一応、項目ごとに順番に御意見、あるいは御質問等を伺いたいと思います。まず最初に、5年間のいわゆる報告件数の推移について説明していただきました。この点について、何か御発言はありますでしょうか。もしあれば、手上げのマーク、顔のマークの所にありますので、それをクリックしていただくか、ミュートを外していただいて御発言いただいても結構です。よろしいでしょうか。そこでは、医療機器、コンビネーション医薬品、再生医療等製品に分けて説明いただきました。よろしいでしょうか。そうしますと、次に、資料の中にもありますが、この期間中の安全対策についての説明を頂き、最後のところで、最新のプリオンの二次感染予防のことについても説明を頂きました。よろしいでしょうか。
○城守委員 すみません、城守ですが、よろしいでしょうか。
○荒井部会長 城守先生、どうぞ。
○城守委員 資料1-3のプリオン病に関することについてです。この通知が今回、発出されるということで、この記載内容に関しては特に異論はないわけですが、この内容において、手術器具等のメーカーが、医療機関、また添付文書の改訂や対処をする業者に対して、しっかりと情報を伝えるという内容になっているわけです。恐らく、手術のときに使う器具というのは、中枢神経系の手術をするときに使う器具としても、特殊な器具だけではなくて、一般的な器具も含まれるでしょうし、そうしますと、ほとんどの医療器具のメーカーがこの対応をとらなければいけないことになると思います。そのときに、この文章に予防ガイドラインに沿ってという記載が多くありますが、そのガイドラインは確か170ページぐらいあったと思うのです。その中で、どこをポイントにしてという見方がなかなか分かりにくかったり、また、この通知自体がスルーされる可能性も非常に強いことを懸念します。ですので、例えば従来の手術器具を洗浄してオートクレーブで滅菌をする定型的な操作、これの何を変えていけばいいのかということを、もう少し分かりやすく周知するという形で、しっかりと広報していただかないと、病院によってはこれを見落としてしまう、ないしは、気付かないという所も出てくる可能性があると思いますので、その辺りを配慮した形の通知としていただければ有り難いと思います。意見です。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。かなり重要な御指摘かと思います。よろしいですか、お願いします。
○事務局 事務局から補足します。通知の内容については、既に発出している内容で業界にも御連絡しているところです。医療機器業界とは定期的に意見交換等も行っていますので、その中で、この通知の中でお示ししている滅菌方法等について、適切に医療機関で実施していただけるように、医療機器業界と適切に意見交換等をしていきたいと思います。御意見、ありがとうございます。
○荒井部会長 城守先生、よろしいでしょうか。これについては、出口が、いわゆる医療機関、本来は医療機関がちゃんとやらなくてはいけないことなのですが、それと企業の方と二つ対象があるように思われます。医療機関に対するアクションとしては何か変わりがありますか。
○事務局 厚労省全体としてという御説明になりますが、学会等の機会を通じて、医療機関にも周知していきたいと思いますし、我々、医薬局としては、先ほど申し上げたとおり、医療機器メーカーを通じて適切な周知というところで進めていきたいと思います。
○城守委員 すみません、城守ですが、よろしいでしょうか。
○荒井部会長 どうぞ。
○城守委員 事務局、ありがとうございます。基本的に、メーカーからの説明という形が中心にはなると思いますが、それだけではなくて、非常に重要な問題だろうと思いますので、厚労省としても、できるだけ分かりやすい周知の仕方を、様々な媒体、また方法を使ってしていただければと思いますので、漏れのないようによろしくお願いしたいと思います。以上です。
○事務局 御指摘、ありがとうございます。厚労省全体として、医薬局だけではなく、医政局、健康局も含めた医療機関への直接の周知ということも含めて対応していきたいと思いますので、今後とも是非、よろしくお願いします。
○荒井部会長 ありがとうございます。城守先生、貴重な御意見をありがとうございます。そういう取組をしていただくということで、今、事務局からも説明を頂きました。そのほか、よろしいでしょうか。
○外園委員 よろしいですか。手がうまく挙がっているのか、外園です。
○荒井部会長 外園先生、ごめんなさい、どうぞ。
○外園委員 質問なのですが、医療機関に通知となると、関心の低い医療機関はそもそもそういう通知を見ていなかったりしますので、学会の方にも通知はされるのでしょうか。関連学会はかなり明確な部分もあると思うのですが、どうなのかなと思いまして質問させていただきました。
○事務局 御指摘ありがとうございます。関連学会についても、昨日付けで発出しております。すみません、今、個別に学会名等を申し上げることができませんで恐縮ですが、学会についても周知しておりますので、学会の総会ですとか、そういった所でも周知できればいいなとは考えております。
○外園委員 分かりました。ありがとうございます。
○荒井部会長 ありがとうございます。城守先生が御指摘のように「うっかり」と言われても困るのですが、要は、関心が低いなどの理由で漏れてしまうと、稀でしょうが大変重篤なことにつながります。全体として、先ほど申し上げたように、デリバリーする側とともに使う側に対してきちっとした情報提供を、丁寧に継続的にやらなくてはいけないと思います。その点についての御指摘があったことを事務局の方も御理解いただければと思います。よろしいでしょうか。そうしましたら、今の最初の部分では、その後、不具合報告の主な増加品目というものをお話いただきました。主だったもの6品目についてですが、ここについて何か御質問、御意見はございますか。
○中川委員 中川ですが、よろしいでしょうか。
○荒井部会長 どうぞ。
○中川委員 6ページになります。一番最後のペースメーカに関する所、「植込み型除細動器・ペースメーカリード」という所で、令和元年度は約100件に対して、令和2年度は約2,000件ということで、大変、大きく増加している分野です。私どもの医療機関では、年間1,200名程度のペースメーカ・植込み型除細動器の患者様のチェックを行っているところですが、約4割でセンシング不全が起きたということで、主な不具合状況で報告がありますが、植込み型除細動器でセンシング不全というものが起きると、大変重篤なことが起きる。これはどういうことかと言いますと、頻拍が起きたときに、その頻拍を検出できないことになるのです。これはかなり重篤で重要なことなのですが、我々、医療機関に対して、このような情報提供がなされていないということと、また、約4割で健康被害がなかったということなのですが、基本、センシング不全があると結構、健康被害が起こるものではないかと考えています。その辺について御回答いただければ幸いです。お願いします。
○医療機器品質管理・安全対策部長 機構から御説明します。今、先生から御指摘がありました6ページのものですが、これは外国の症例でして、外国の症例のうちの約4割がセンシング不全ということで報告を頂いているところです。確かに、センシング不全についてきちっと情報提供がなされているのかということについては、後ほどきちっと確認をしていきたいと思っております。それと、2,000件増えたというもののほとんどのものが、隣の増加理由という所にありますが、海外でのQMS調査における指摘によるものです。QMS調査というのは、クオリティマネジメントシステム、いわゆる実地で各国の規制当局、あるいは認証機関が調査に入るのですが、そのときに、この症例については情報提供、あるいは不具合の報告がきちっと必要なのではないかということで数が増えた、たくさん増えたと我々としては認識しております。先生から御指摘を受けたセンシング不全、これは非常に重篤な不具合につながる可能性がありますので、この点についてはきちっと確認して、必要な情報提供がなされるように企業に指導していきたいと考えております。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○中川委員 ありがとうございます。調査すると、恐らく国内でもこのぐらいの件数が出る可能性もありますので、是非、こちらの方は国内でも調査をしていただいて、安全な医療ができるような対策を講じていただければ幸いです。以上です。ありがとうございました。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは、一つずつ分割させていただきましたが、議題1全般について、少し戻っていただいても結構ですが、御質問、御意見等はよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、ここで議題1の報告は以上となります。
 次に議題2に入ります。議題2「医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について」です。それでは、事務局から説明をお願いします。
○事務局 議題2の医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について御説明いたします。資料2-1を御覧ください。令和2年度の下半期である、令和2年10月1日から令和3年3月31日までの6か月間の報告状況について御報告いたします。
 2ページを御覧ください。不具合等報告の全体の概要となります。医療機器及び再生医療等製品の不具合報告制度は、製造販売業者等からの報告である企業報告制度と、医療機関等の医薬関係者からの報告制度の二つから成り立ち、1.は、医薬品医療機器等法第68条の10第1項に基づく製造販売業者等からの不具合等報告について、3ページの2.は、医薬品医療機器等法第68条の10第2項に基づく医薬関係者からの不具合等報告になり、それぞれについて報告いたします。
 まず、2ページの1.製造販売業者等からの不具合等報告ですが、医薬品医療機器等法第68条の2第1項において、医療機器及び再生医療等製品の製造販売業者又は外国製造医療機器特例承認取得者等は、医療機器及び再生医療等製品の有効性及び安全性に係る事項、その他製品の適正な使用のために必要な情報について、能動的に収集するよう規定されております。
 国内にて、医療機器又は再生医療等製品の不具合が原因、又はその不具合が原因と疑われる死亡や重篤な健康被害が発生した場合、又は不具合によりそれらが発生するおそれのある症例が発生した場合、製造販売業者等がそのことを知ったときには、医薬品医療機器等法第68条の10第1項に基づき、厚生労働大臣に報告する義務がございます。報告の対象や情報を入手してから報告するまでの期限については、医薬品医療機器等法施行規則第228条の20により定められております。
 また、海外で使用される医療機器又は再生医療等製品にて、死亡又は重篤な健康被害が発生した症例又はそれらのおそれがあると判断された症例に関する不具合に関する情報については、医療機器等が使用されている国の規制に従って各国の規制当局に報告等をされることとなりますが、日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法、効能、効果、性能等が同一性を有すると認められる医療機器については、それらの海外における医療機器の不具合等に関する情報を日本の製造販売業者が入手したときには、日本においても外国症例の不具合報告として、不具合報告の対象となります。この場合の報告者は、日本の製造販売業者となります。
 今回の資料では、令和2年度の後期である令和2年10月1日から令和3年3月31日までの医療機器の不具合報告について、各項目の報告件数を示しております。1.(1)の1)不具合等報告の件数については、国内と外国の合計が7万4,301件、前回の令和3年3月の部会で報告した、令和2年度前期である令和2年4月1日から令和2年9月30日の件数である5万4,906件と比較して、約1万9,400件の増加となっております。今回の7万4,301件の内訳ですが、九つの製品の分類で言いますと、多いものは分類(4)の「生体機能補助・代行機器」の4万34件と、分類(3)の「処置用・施設用機器等」の2万9,691件で、この二つで全体の約94%を占めております。国内報告と外国報告の件数ですが、国内報告が1万3,669件、外国報告が6万632件となっており、前回の国内報告である1万844件から約2,800件の増加、海外報告については前回の4万4,062件から約1万6,600件の増加となっております。また、コンビネーション医薬品の医療機器部分における不具合報告は、国内報告は808件、外国報告が1,517件の計2,325件がありました。また、再生医療等製品の不具合報告は、国内報告は212件、外国報告が1,013件の計1,225件の報告がありました。
 続いて、2)感染症報告ですが、医療機器、コンビネーション医薬品、再生医療等製品の報告件数は、いずれも0件です。
 3ページに入ります。(2)の海外の規制当局や外国製造元等が行った措置を報告する外国措置報告については、医療機器が505件、再生医療等製品は3件でした。(3)の研究報告は、医療機器については1,580件、再生医療等製品は0件です。(4)の感染症定期報告は、医療機器については41件、再生医療等製品は37件でした。感染症定期報告の詳細については、次の議題で御説明させていただきます。
 また、2.医薬関係者からの不具合等報告は、医療機器は238件、再生医療等製品は0件でした。3.副作用救済給付又は感染救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告は、医療機器、再生医療等製品ともに0件でした。
 次に、全体の報告件数の推移等について御説明いたします。4ページを御覧ください。4ページ、5ページには、過去3年分の不具合報告件数の推移をグラフ及び表で示しております。こちらは国内報告と外国報告を合わせた件数となります。医療機器不具合報告の全体の報告件数の傾向としては、令和元年度前期の3万5,774件から今回の報告までで、3万8,527件増加の7万4,301件となっており、大きな増加傾向を示しております。この傾向は、グラフの上から2番目の青印の折線グラフでいう分類(4)の「生体機能補助・代行機器」及び薄紫の分類(3)の「処置用・施設用機器等」の外国報告件数が増加していることが、主な原因です。この理由は、先ほど1-1で御説明しましたとおり、企業の安全性情報の収集体制の見直し等により、不具合報告件数が増加しているものと考えております。
 続いて、5ページのコンビネーション医薬品については、平成30年度前期から2,000件前後の水準となっており、報告件数のペースとしては落ち着いています。
 再生医療等製品については、平成31年度前期以降に大きく件数が増加しています。これは、平成30年度以降に薬事承認された製品が上市され、特にその製品の海外の不具合報告件数が上乗せされたことが要因と考えられます。令和2年度後期の国内外の不具合報告の内訳は、国内が212件、海外が1,013件でした。再生医療等製品は令和3年6月30日現在で13品目存在しており、今後も増加していくことから、不具合報告の件数は今後も増加すると考えられます。一方、市販後において新たに確認された不具合については、添付文書改訂指示を行う等、引き続き対応してまいります。具体的な再生医療等製品の品目別不具合発生件数の推移については、12ページに記載しておりますので、適宜御参考ください。
○医薬品医療機器総合機構 6ページ以降については、製品の分類ごとの不具合について、機構から御説明いたします。6ページ以降ですが、資料2-2-1から資料2-2-2の膨大なラインリストより、主要なものをピックアップして御説明いたします。
 まず、6ページを御覧ください。2.令和2年度後期の不具合報告の概況の2-1の各分類における国内不具合報告には、各分類における国内の不具合報告件数と、その中でも特に報告件数の多かった品目の一般的名称、その主な不具合又は健康被害状況をピックアップして記載しております。表の左側には、一般的名称ごとの不具合等報告の件数のうち、多いものから順に第1位から第3位までの一般的名称を掲載しております。主な不具合又は健康被害状況の欄には、それぞれの一般的名称の製品群で報告された不具合又は健康被害のうち、多いものから順に第1位から第3位を記載しております。なお、同数で同順位となる一般的名称や不具合名についても、全て掲載しております。
 まず、分類(1)画像診断用機器になりますが、据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置、OCT画像診断装置等、国内では合計23件報告されております。続いて、分類(2)生体監視・臨床検査機器等として、再使用可能な高周波処置用内視鏡能動器具、再使用可能な内視鏡用能動処置具、硬性手術用ランバースコープ等、合計620件報告されております。次に分類(3)処置用・施設用機器等として、中心循環系血管内塞栓促進用補綴材、ポータブルインスリン用輸液ポンプ、バルーン拡張式血管形成術用カテーテル等、国内では5,389件報告されております。分類(4)生体機能補助・代行機器として、成人用人工呼吸器、大動脈用ステントグラフト、脊椎内固定器具等、合計6,322件となっております。分類(3)と分類(4)については、リスクの高い医療機器が多く分類されていることもありまして、報告件数が多くなっております。
 続いて7ページを御覧ください。分類(5)治療・鋼製機器等として、骨手術用器械、脊椎手術用器械、治療用電気手術器等、合計1,144件報告されております。分類(6)歯科用機器・材料として、歯科用インプラントフィクスチャ、歯科用骨内インプラント材等、合計7件となっております。分類(7)眼科用機器として、多焦点後房レンズ、後房レンズ、挿入器付後房レンズ等、合計140件となっております。分類(8)衛生材料・避妊用具・家庭用機器等として、子宮内避妊用具、医療用スポンジ、家庭用電気マッサージ器で、合計4件となっております。8ページを御覧ください。分類(9)プログラム医療機器は、ホウ素用中性子捕捉療法用治療計画プログラム等、合計20件となっております。
 なお、これらの国内での不具合の報告及び外国での不具合の報告については、資料2-2-1にてまとめております。
 続いて9ページを御覧ください。9ページでは、平成30年4月1日から令和3年3月31日までに新医療機器として承認された品目の国内での主な不具合報告の状況について、御説明いたします。不具合等報告の件数のうち、多いものから順に第1位から3位までの品目を掲載しており、平成30年度から令和2年度までで、分類としては3、4となっております。多くが添付文書に記載されている既知の事象となっております。また、未知の事象については、今後も注視し、必要に応じて添付文書の改訂をするとともに、医療現場への情報提供を行っていきます。引き続き、不具合、健康被害の情報を注意深く収集している状況になっております。
 次に、コンビネーション医薬品の医療機器部分の不具合報告として、国内報告は808件となっております。これらの不具合報告の詳細につきましては、資料2-2-2のコンビネーション医薬品不具合報告にまとめております。
○医薬品医療機器総合機構 続きまして、再生医療等製品について説明させていただきます。10ページを御覧ください。再生医療等製品は、国内不具合報告で212件の報告がされております。期間中の不具合報告件数の多いものから3品目を資料としてお示ししております。また、主な不具合又は健康被害状況については、報告件数の上位3位の事象を記載しております。これらの報告については、資料2-3-1の再生医療等製品不具合報告にまとめております。
 続きまして、10ページの下の段から11ページにかけて、平成30年4月1日から令和3年3月31日までに新たに承認された品目の国内不具合報告について、説明させていただきます。主な不具合又は健康被害状況について、こちらも報告件数の上位3位までの事象を記載しております。なお、チサゲンレクルユーセル(商品名:キムリア)、オナセムノゲン アベパルボベク(商品名:ゾルゲンスマ)、ベペルミノゲン ペルプラスミド(商品名:コラテジェン)、ヒト(自己)角膜輪部由来角膜上皮細胞シート(商品名:ネピック)以外に承認された品目が3品目ございますが、他の品目については、期間中に不具合報告はありませんでした。資料2-1の説明は以上となります。
○医薬品医療機器総合機構 続きまして、資料2-2-1から資料2-2-3の説明をいたします。資料2-1の中で、主要な不具合について御説明させていただきましたので、内容の御説明については、先の説明をもって代えさせていただき、ここではラインリストの見方について御紹介いたします。
 まず、資料2-2-1の1ページに、注意事項として、不具合報告リストの見方を記載しております。この報告については、医療機器との因果関係が不明なものも含め、製造販売業者等から報告されたものです。2)のとおり、報告に関する分類は(1)から(9)までの9分類に分類されておりまして、次に目次が記載されており、その次から表の下にページ番号を記して一覧を記載しております。一覧の掲載順については、医療機器の一般的名称、企業名、販売名の順に、五十音順で掲載しております。
 3)として、それぞれの件数については、提出された報告書の件数を示したものになっております。同一の症例で複数の医療機器が関与している場合には、複数の企業からそれぞれ報告されることがありますので、このような場合には同一の症例を重複してカウントすることになります。したがいまして、報告件数がそのまま症例数にはならない場合があります。
 4)として、報告症例の中には、「不具合状況」が「なし」又は「不明」であり、かつ、「健康被害状況」が「不明」のケースがあります。これは、健康被害状況が不明で、医療機器との因果関係を否定できないと判断するだけの情報が得られなかったために、不具合報告がされたものです。
 5)として、「対応状況」の欄に、対応措置の項目として、原則として令和3年3月31日時点での措置の内容を簡潔に記載しております。「回収(改修)」と記載しているのは、製品を医療現場等から引き上げる「回収」をした場合、又は修理や検査の実施等を行った「改修」の措置をとったことを示しております。「情報提供」と記載したものは、添付文書の改訂、あるいは書面による注意喚起文書を医療機関等に配布したなどの措置を取ったものです。この中には、既に添付文書等で、関連する注意喚起の記述がなされているものも含んでおります。資料2-2-1の医療機器の不具合報告のまとめと同様に、資料2-2-2では、コンビネーション医薬品の医療機器部分に関する不具合を一覧表にまとめております。
 続いて、資料2-2-3について御説明いたします。医療機器に関する外国措置報告については、企業が外国でも同一性を有する製品、つまり日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法、効能、効果、性能等が同一性を有すると認められる、外国で使用されている医療機器を製造販売している場合に、外国の規制当局などでとられた措置について、日本の行政当局にも報告するというものです。令和2年度後期では、505件の報告が来ております。資料の一番右の2列には、国内外での対応状況について記載しております。外国で措置を行った結果について、日本の対象製品がない場合を除き、おおむね日本においても同様な対応がとられているという状況です。
 続きまして、資料2-2-4について説明いたします。医療機器の研究報告は、不具合の発生頻度、発生条件などの疫学調査や集計・分析等に関する内容の文献報告等があった場合に報告されるもので、今回は文献数にして1,580本ありました。なお、今回の報告により、安全対策上の特段の措置が必要になったものはありませんでした。
○医薬品医療機器総合機構 続きまして、再生医療等製品不具合報告についてです。資料2-3-1を御覧ください。こちらは、再生医療等製品における不具合報告の一覧をお示ししたものです。ラインリストの見方については、先ほど説明させていただきました医療機器の不具合報告と同様ですので、割愛させていただきます。
 続きまして、再生医療等製品の外国措置報告、研究報告について説明いたします。資料2-3-2を御覧ください。こちらは外国措置報告をお示ししたもので、今回は3件ございました。当該報告については、3件ともゾルゲンスマに関する報告で、1件は令和3年3月に、国内の添付文書を改訂した血栓性微小血管症(TMA)に関する報告です。残る2件については、それぞれ肝障害に関するステロイドの投与方法に関する報告、感染症を合併している患者への投与に関する報告となっております。なお、当該期間中に、研究報告はございませんでした。説明は以上です。
○荒井部会長 この資料2の部分は非常に重いと言うか、内容的には膨大な量なのですが、議論を単純化するために、主に資料2-1で御質問等を分けて受けたいと思います。まず、前段のところで、いわゆる不具合報告の仕組みですが、どのような形で報告が上がってくるのか、それについては、内容的には企業からの報告、医療機関からの報告等と分けていただいて報告いただきました。これは件数の羅列という形になりますが、その後、今度は不具合報告の概要、時間的な推移、主に件数の増加ですが、その変化についての御説明を頂きました。まず、ここまでの辺り、資料2-1の1ページから5ページまでの所、全体像について、御質問、御意見等はありますでしょうか。
○中川委員 資料2-1から質問いたします。1)の不具合報告の分類(2)の生体監視・臨床検査機器等が1,459件、分類(9)のプログラム医療機器は21件という報告がなされていますが、例えばOTC機械とか、その他の画像用の診断装置というものが、厚生労働省から本年の3月31日に「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン」というものを通知で受けている次第ですが、こちらのプログラム医療機器というものが、分類(2)と分類(9)と混在する、内容が被るものがあるのではないかと思います。また、プログラム医療機器は、私どもの経験では不具合が非常に多いところです。そこで、この不具合報告をするに当たって、プログラム医療機器がどのような状態になったら不具合と判定していいのかということが明確になっていない部分もありますので、そこについてお知らせいただければ幸いです。よろしくお願いします。
○医療機器品質管理・安全対策部長 機構からお答えいたします。まず、1点目は、プログラム医療機器が分類(2)に入っているもの、分類(9)に入っているものがあって、いろいろなところに入っているのではないかという御質問だと思います。その点については、先生の御指摘のとおり、まだ明確にうまく分かれていないところもあるのかなと思います。しかしながら、プログラム医療機器として近年承認されたものについては、分類(9)の方にあると考えています。
 もう一つは、どういう場合に不具合報告が上がってくるのかということです。まず、不具合の定義ですが、何かおかしなことが起こった、あるいは健康被害が起こった可能性があるというものについて、不具合報告を上げていただくことになっております。機構としては、迷ったら不具合報告をしてもらうという形で対応しているので、何かおかしなことがあった場合には不具合報告を頂くというような形になろうかと思います。これで回答になっていますでしょうか。
○中川委員 分かりました。それでは、我々医療機関としましても、こういったプログラム医療機器は多く導入されておりますので、そういった異常等を発見、又は経験した場合には、報告させていただくということで理解いたします。ありがとうございました。
○医療機器品質管理・安全対策部長 それと、この場を借りて大変恐縮でございますが、国際的に、これまで私どもは海外の規制当局と一緒に不具合の用語というものをまとめてきて、昨年に出来上がったところです。これは既に公表されておりますので、そちらも御覧いただければと思います。
○荒井部会長 そのほか、前段の全体の区分けについて御質問、御意見はございますか。よろしいですか。
 そうしましたら、資料2-1の後半、6ページ以降です。ここでは、それぞれ分類(1)から分類(9)について、主立ったものを御説明いただきました。ここではいかがでしょうか。
○渡邉委員 6ページの上の方で、画像診断用機器(23件)の中の一番上の所に、骨折、穿孔というのがありまして、恐らく健康被害があったもの、因果関係は不明なものも報告しろという定義に基づいて出されて、実は背景要因は例えば検査台から落ちて骨折したとか、そういったことがあるのかなと見たのですが、骨折、穿孔というのはレポートで出てくると、アクシデントに相当する重篤な事例です。それで、資料2-2-1の方で、フィリップス・ジャパンの製品に、二つ、穿孔、骨折というのが書いてあり、これは全く同じ製品で上がっているようなのですが、これは企業からの報告ですよねということと、分かる範囲でいいのですが、もう少し具体的な情報を教えてください。これだけではよく分からなかったので、お願いいたします。
○医療機器品質管理・安全対策部長 機構です。まず、一つ目のこの報告がどこから上がってきたのか、企業からなのかということについては、不具合報告は企業から上がってくることになるので、そのとおりです。
 もう一つの具体的な状況については、今調べさせておりますので、状況が分かりましたら御報告させていただきます。
○渡邉委員 分かりました。同じ製品なので、同じときに報告をされたのか、その辺が知りたいので。
○医療機器品質管理・安全対策部長 分かりました。その点について、個別の症例を調べさせておりますので、分かりましたら報告させていただきます。
○荒井部会長 分かったようですので、続けて報告をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 先ほどのX線透視装置については、患者の台が移動した際に、機器と左指の所が挟まって骨折につながったという事例でした。
○渡邉委員 分かりました。
○荒井部会長 穿孔の方は調べていただいておりますので。
○渡邉委員 分かりました。
○荒井部会長 その他の委員の方々、よろしいでしょうか。今の穿孔の中身がどういったものかということは、分かり次第御報告させていただくとして、先に進ませていただきます。
 この後段では、医療機器だけではなくて、新医療機器、コンビネーション医療機器、再生医療機器等について、同じ形で報告いただきました。この辺について、6ページから12ページについて、御意見、御質問はどうでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 穿孔の症例について分かりました。こちらについては、脳血管内治療の予定症例の中で、医師が透視のためにX線を出そうと試みたところ、X線が出ない、又はX線が出るまでにレスポンスが悪くて、その間にカテーテルが脳血管の動脈瘤を穿孔したとの報告を受けたということで、企業から報告が上がってきたものです。ですので、この装置の不具合と言うよりは、その間で脳動脈瘤のカテーテルが穿孔したという事例でした。以上です。
○渡邉委員 分かりました。ありがとうございました。
 ただ、先ほどの骨折だと、機械に挟まれたというところがあるので、我々も検査をするときに注意をするポイントかなと思いました。ありがとうございました。
○荒井部会長 正に御指摘のとおりで、X線の検査関係の台の移動のときに、指等が挟まれることはこれまでにも報告がありますし、また、後段の穿孔も、機械自体のせいではないだろうと言ってしまえばそれまでなのですが、こういった処置のときに、突然電源が落ちて見えなくなれば相当危ない状況が生じるので、直接の関係ではないにしても、遠因と言うか、誘因にはなっていると考えます。ですから、大変重要な御指摘かと思います。
 それでは、資料2の後段の所です。ものすごい量ですから、どういうルールで書き出してあるかを伺って、御説明いただきました。この中で、特にここは確認しておきたい、聞いておきたい、おかしいのではないか等、何か御意見はございますか。資料2-2-1から始まる、資料3の手前までの部分です。外国措置報告、研究報告等、いろいろあります。
○正宗委員 東京女子医大の正宗です。資料2-3-1の再生医療等製品のベペルミノゲン ペルプラスミドの死亡(1)というのが気になって、具体的に何かあっての事象かなと思いましたので、もし何か分かればと思います。
○医薬品医療機器総合機構 機構です。御指摘の症例について確認させていただきますので、少しお時間を頂ければと思います。
○正宗委員 よろしくお願いします。
○荒井部会長 そのほか、御意見はございますか。ここは結構細かいので、今のような御指摘になりますと、それぞれ時間を頂くことになるかと思います。その他の委員から御質問等はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。大原則として、特に今日は対面ではありませんので、御質問がないようでしたら次に進んでいきますが、もし後で資料を御覧になっていて、どうしてもということがあれば、逐次そこに戻るようにしますので、お気付きになりましたら遠慮なく御発言いただければと思います。
○佐藤部会長代理 資料2-1の12ページのキムリアなのですが、令和2年度後期が大きく増えているのは、患者数が増えているからと解釈してしまっていいでしょうか。総患者数が増えているというだけですか。それまでは500弱で推移しているのですが、いきなり上がっているのは、品質など何かがあるわけではなくて、施設数が増えているとか、患者数が増えているということでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構です。キムリアの不具合報告の数が増えているという話ですが、こちらは、推定使用患者数も少しずつ増加しているところが理由になっていると思います。
○佐藤部会長代理 分かりました。ありがとうございます。
○荒井部会長 正宗先生の御質問も分かったようですので、報告していただきます。
○医薬品医療機器総合機構 お待たせいたしました。機構から説明いたします。先ほど御指摘いただいた不具合報告のうち、コラテジェンの死亡例1例についてですが、報告書の中身を確認いたしましたが、現時点では、本品を使用した後に患者が死亡したという情報だけで、剖検もされておりませんので、詳細が分からない状況です。今後、企業の方で詳細調査がされた場合は、追加で報告があるかと存じます。
○正宗委員 ありがとうございました。
○荒井部会長 その他の委員の方から御質問等はよろしいでしょうか。そうしましたら、一応前に進ませていただきますので、後でお気付きのことがあれば、そのときに御発言いただければと思います。議題2の報告は、ここで切らせていただきます。
 続いて、議題3に入ります。「医療機器・再生医療等製品の感染症定期報告について」です。よろしくお願いいたします。
○事務局 それでは議題3の感染症定期報告についてです。資料は資料3のシリーズになります。まず、感染症定期報告について、制度の概要を説明いたします。ヒトや動物等に由来し、保健衛生上、特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する生物由来製品については、その原材料が細胞組織等であることから、未知の感染因子である細菌、ウイルス等を有している可能性が否定できません。また、感染症については、一般的な医薬品・医療機器の副作用、不具合等と比べ、製品との因果関係が明確になる以前から潜在的に感染が進行するおそれがあり、さらに、感染した後は、時間の経過に伴い軽減することなく一定期間経過後に顕在化するおそれもあります。このような背景も踏まえ、生物由来製品については医薬品医療機器等法において、製造販売業者等に対し、製品への直接的な影響がまだ不明の原料動物等の感染症に関する最新の知見を常に把握し、それを集積した上で感染症のリスクを多角的に評価・検討し、その結果を報告するよう義務付けられております。これが感染症定期報告になります。感染症定期報告で寄せられた情報については、本部会も含めた薬事・食品衛生審議会に報告し、措置が必要ないか御検討いただいております。以上が感染症定期報告の概要です。
 資料は資料3-1と資料3-2に分かれており、資料3-2は重複を含む期間中の全ての報告になります。そのうち、重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものをまとめたものが資料3-1になります。また、資料番号の末尾が1の3-1-1及び3-2-1が医療機器、末尾が2の3-1-2及び3-2-2が再生医療等製品の報告をまとめたものとなります。
 それでは資料3-1-1、医療機器の報告を御覧ください。今回は、令和2年10月1日から令和3年3月31日までに報告されたものをまとめております。こちらについては、今回新たに報告された文献は23件ありました。詳細な説明は省略させていただきますが、全体の傾向といたしましては、インフルエンザ関係が8件報告されております。次に資料3-1-2、再生医療等製品の報告を御覧ください。こちらについては、今回新たに報告された文献は6件ありました。詳細な説明は省略させていただきますが、インフルエンザ等が報告されています。
 これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員、宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に御確認いただいております。この場で御紹介すべき御意見は特段ありませんでした。議題3の感染症定期報告に関する説明は以上です。
○荒井部会長 ありがとうございました。今御説明いただきました医療機器・再生医療等製品の感染症定期報告について、御質問、御意見はいかがでしょうか。あるいは今、既に御意見を頂いています専門の先生方から、追加の御発言などはありますでしょうか。よろしいでしょうか。
○宮﨑委員 感染研の宮﨑ですけれども。
○荒井部会長 お願いいたします。どうぞ。
○宮﨑委員 今回、特段皆さんにお知らせしなければならない内容というのはなかったということで、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは一応御意見がなさそうですので、ここで議題3が終わりまして、議題4に進ませていただきたいと思います。
 次は、「医療機器・再生医療等製品の回収報告について」です。よろしくお願いいたします。
○事務局 医療機器等の回収報告の状況について、資料4-1及び資料4-2に基づいて御説明します。医薬品医療機器等法第68条の11に基づき、医薬品・医療機器等の製造販売業者等は、その製造販売をし、製造をし、又は承認を受けた医薬品・医療機器等を回収する際には、回収に着手した旨及びその回収の状況を厚生労働大臣に報告しなければならないとされています。また、製造販売業者等から回収の着手の報告がなされた場合には、全ての事例をインターネット上で公表しています。本件は、医薬品医療機器等法第68条の12の規定に基づき、薬事・食品衛生審議会に報告を行うものです。
 資料4-1の1ページに、回収件数の年次推移を示しています。令和2年度に関しては、医療機器が367件、再生医療等製品が1件となっており、過去の件数と比較して報告数に大きな変動はないと考えられます。また、2ページに、令和2年度の回収件数及びクラス分類を示しています。医療機器については、クラスIが4件、クラスIIが331件、クラスIIIが32件の計367件、再生医療等製品は、クラスIIが1件でした。資料4-2には、令和2年度に行われた自主回収について、それぞれの製品名及び回収理由を記載しています。報告は以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。ここの回収のそれぞれの概要、仕組みというか、どういうまとめ方をしていただいているかということも御説明いただきました。この回収の報告について御意見はいかがでしょうか。
○宮地委員 よろしいでしょうか。愛知医大の宮地ですけれども。
○荒井部会長 お願いいたします。どうぞ。
○宮地委員 今の回収の報告は、日にちずつにずっとなっているのですけれども、この中でロット番号が問題で、一時的に一部を回収したものと、本当に重大なもので、全部回収して、もうこれ以上は出てこないだろうというようなものと、要するに重要度が違うものが混在しているのではないかと思うのですけれども、それは何か分けて出していただくことはできるのでしょうか。
○事務局 重要度については、クラス分類でクラスI、II、IIIというのがあるのだと思います。
○宮地委員 そうですか。一覧が見にくいので、例えば一番重大なものから順番に並ぶとか、そういう提示をしていただけるとちょっと分かりやすいかなと思うのですけれども。
○事務局 重篤なものから順にクラスI、II、IIIと付いていまして、資料ですと1ページから2ページがクラスIで、一番重篤度の高いものになっています。
○宮地委員 そういうことですか、すみません、分かりました。了解です。
○荒井部会長 このクラスは回収のクラスですね。そこをちょっとみんな誤解しているという。
○安全使用推進室長 補足させていただきます。クラス分類には大きく2種類あり、医療機器自体のクラスI~IVというのがありますけれども、もう一つは回収のクラスで、重篤、生命等に影響があるかもしれないというのがクラスIです。資料の1ページが12月から始まっているので若干分かりにくかったかもしれませんが、12月から3月の4件がクラスI回収で、クラスII回収が3ページから始まっております。記載が4月から始まっているので続きのようなのですけれども、そうではなくて、年度の最初の4月からということです。以上です。
○荒井部会長 よろしいでしょうか。
○宮地委員 ありがとうございます。分かりました。
○荒井部会長 今、医療機器の話をしている中でクラスという表現が出てきますと、ついついクラスIVがないではないかという話になってしまうので、今の御説明のとおりです。そのほか御質問、御意見はいかがですか。よろしいでしょうか。そうしますと、これで議題4の報告が終わりますので、予定していた議題は以上なのですけれども、どなたか手を挙げていらっしゃいますか。齋藤先生、どうぞ。
○齋藤委員 東邦大学佐倉病院の心臓外科の齋藤です。本日は遅れての参加で申し訳ありませんでした。この一番最後の報告の全体を見ていて、恐らく今後の医療や診療なり診断なりのメインになるのが、ナビゲーションシステムや、情報処理、それらを処理していくワークステーションの性能等、そういうところが重要になってくるように思うのですが、それに関連した不具合が結構多いように感じます。今後の対策というか、今回の報告を基に、どんなフィードバックをされることを考えていらっしゃるか、若しくは、製品の精度を上げるように指導していくのか、それとも、情報提供をもっとしっかりしていく方向にかじを取るのか。その辺を教えていただければと思って御質問させていただきました。
○医薬安全対策課長 事務局から御説明申し上げます。不具合にせよ回収にせよ、そういう事例がありましたら、医療機器の場合、QMS(Quality Management System)の中において、その事象を挙げてその製品にフィードバックするというシステムがあります。これについては、承認時にそういうシステムをちゃんと動いていることを確認するというルールがあります。それから、承認後、5年に1度程度その製造所の査察を行い、当局が見るというルールになっていて、その中で改善をちゃんとやっているかどうかというのを見ていくというルールになっております。そういう形で、今回のいろいろな不具合とか回収とかについて、個別に改善に向けてということをやっているという理解です。以上です。
○荒井部会長 情報提供に関しては。
○安全使用推進室長 不具合も回収もなのですけれども、改善に必要なものがあれば、基本的にはメーカーから納入先医療機関等への情報提供がなされますし、メーカーがその機器自体を改善すべきということであれば、いろいろと工夫して改善していくということかと思います。少なくともクラスI回収ですと、情報提供や部品の交換、本体の回収など必要な対応を徹底しているというところです。
○荒井部会長 齋藤先生、よろしいでしょうか。
○齋藤委員 ありがとうございます。
○荒井部会長 御指摘のところは結構微妙なところで、特にそういうソフトウェアというか、そういったシステムですと、不具合と言ってもいろいろなレベルがあると思います。たとえ不具合と言い切れるかどうか分からないようなものでも、ユーザー側には結構迅速に伝えなくてはいけませんし、その上で、改良するならば、改良についてきちんと監視していかなければいけないと思います。従来の医療機器というか、出来上がった形のあるものとは違い、この辺はなかなか対応の難しい展開があるかとは思いますが、現在のところは今お話したような形で取り組んでいただいているという理解でよろしいかと思います。よろしいですか。
○齋藤委員 ありがとうございました。了解いたしました。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは、以上をもって予定の議題が終わりましたが、途中で申しましたように、戻っていただいて構いませんので、この点を聞き忘れた、ちょっと確認したいということがあれば、御発言いただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○齋藤委員 よろしいでしょうか。
○荒井部会長 どうぞ。
○齋藤委員 またかなり最初の方の議題に戻ってしまうかもしれないのですが、不具合件数の近年の増加、特に去年の前期後期の不具合報告件数の増加についてです。特に今のCOVID-19のパンデミックとの兼ね合いで、特に治療に関係する「デバイスの不具合報告」が必ずしも医療機器不具合との関連性が明らかではないものも報告されているとなった場合に、治療を受けている患者さん側のバックグラウンド若しくはそのリスクの程度の変化も不具合報告件数に実は影響している可能性があるのではないかと思うのですが、その方面からの解析や情報収集等は可能なものなのでしょうか。というのは、その医療機器のクオリティそのものが過小評価されてしまう可能性もありますし、特に去年は医療現場の状況ががらっと変わったこともありましたので、環境の変化というものがどのように加味されていくのだろうかということについて、もし何かお考えがあればお教えいただければと思います。
○医薬安全対策課長 ありがとうございます。このCOVIDの件でどれぐらい環境が変わってどういうふうになったか、ちょっと私も今全て説明しきれるわけではないのですが、不具合報告にせよ感染症報告にせよ、個別の事例が詳細に上がってきますので、その中で、どういう状態でどう使われてどんなことになったのかというのが出てきます。その蓄積を踏まえて、必要であれば何らかの安全対策ということになりますので、そういう意味でいきますと、先生の言われてる環境が全て不具合報告に書かれているかどうかというのは定かではないのですけれども、一定程度、どういう症例があって、どういうふうに治療経過をたどって、どんな転帰だったのかが書かれた上で上がってくることになりますので、その上で評価をすることになっています。ですので、十分かどうかは別にして、先生方の御指摘については、それも含めて評価をして安全対策をしているということになっている状態です。もし、先生の方で、例えば特にこういうことを気にすべきだという点があれば、御指摘いただければ参考にさせていただきたいと思っております。
○齋藤委員 ありがとうございました。
○荒井部会長 よろしいですか。御存じかと思いますけれども、こちらの方に上がってきているデータ自体については、かなり詳しいものが上がってきています。今日の部会の中では、それを非常にかい摘んだ形で、あるいは総合的に羅列した形になっていますが、比較的詳しい情報が上がってきていますので、今課長の方からも説明がありましたような、環境の変化によるものかどうか分かりませんが、ちょっと際立った変化があれば、ある程度はきちんとつかまえていくことができるかと私も見ています。
 その他の委員の方々から御質問、御意見はありますでしょうか。よろしいですか。そうしましたら、予定した議題は以上になりますので、事務局の方から何かありますか。
○安全使用推進室長 次回の部会の日程については令和4年3月頃を予定していますが、別途部会での審議等が必要な議題が生じた場合には、開催予定が早まることがありますので、御承知おき願います。なお、日程調整等については、改めて事務局から先生方の御都合を伺って決めさせていただきたいと思います。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは、これをもちまして令和3年度第1回の医療機器・再生医療等製品安全対策部会を閉会いたします。次回は一応3月が予定ということですけれども、願わくばこういう形ではなく、フェースツーフェースでお目に掛かって相談をさせていただきたいと思っております。どうも長時間ありがとうございました。終わらせていただきます。
( 了 )
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬安全対策課 安全使用推進室 室長補佐 冨田(内線2751)