第40回 社会保障審議会生活保護基準部会議事録

日時

令和3年9月7日(火) 10:00~12:00

場所

AP虎ノ門11階A室
(東京都港区西新橋1-6-15NS虎ノ門ビル)

出席者(五十音順)

議題

  • 生活保護基準における級地区分の検証について
  • その他

議事

(議事録)
■小塩部会長 皆さん、おはようございます。
それでは、定刻となりましたので、ただいまから第40回「社会保障審議会生活保護基準部会」を開催いたします。
事務局より、本日の委員の出欠状況と、資料の確認をお願いいたします。また、本日もオンラインで出席されている委員の方々がいらっしゃいますので、会議での発言方法等についても改めて御説明をお願いいたします。
■大熊社会・援護局保護課長補佐 よろしくお願いします。
本日の委員の御出席状況でございますが、全ての委員に御出席をいただいております。なお、高橋総務課長については、公務のため欠席となっています。
なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本日は一般の方の傍聴は御遠慮いただいており、報道機関の方のみの傍聴とさせていただいております。
議事録につきましては後日ホームページに掲載いたしますので、御承知おき願います。
続いて、本日の資料ですが、議事次第に続きまして、資料1「生活保護基準における級地区分の検証に係る分析結果のまとめ(案)」、資料2「今後の生活保護基準部会のスケジュール(案)」、参考資料1「被保護者調査(概数)の結果(令和3年6月分)」、参考資料2「第39回資料 生活保護基準における級地制度の検証について(案)」、参考資料3「級地区分の検証に関する主な意見と補足」、参考資料4「第39回資料 家庭の生活実態及び生活意識に関する調査について」、参考資料5「家庭の生活実態及び生活意識に関する調査についての意見(報告)」となっています。
資料に不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。
会議の進行に当たっては、お手元の資料を御覧になりながら御参加いただければと思いますが、事務局からの資料説明の際にはZoomの画面にも資料を表示するようにいたします。
また、会議中、発言を希望される際は、カメラに向かって挙手をお願いいたします。部会長の指名を受けた後、マイクのミュートを解除して御発言いただき、御発言終了後は再度マイクのミュートをお願いいたします。
それでは、これからの議事運営につきましては、小塩部会長にお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。
■小塩部会長 分かりました。
カメラ撮影の方はこれで御退室をお願いいたします。
それでは、始めます。まず、本日の議事につきまして、部会長の私から一言申し上げます。
前回、生活保護基準における級地区分の検証につきまして、色々御審議をいただきました。そこで、様々な御意見を先生方からいただきましたので、最初に事務局からそのうち主な意見に対する補足の説明をしていただき、その後、分析結果のまとめに向けた審議をお願いしたいと思います。
これまで調査研究事業で色々検討して参りました。それに加えて、この部会におきましも、前回と今回、2回の審議を重ねるということになります。これから事務局から説明していただきますように、級地区分の検証につきましては、今後の事務局における自治体等との調整作業のスケジュール等々を考えますと、そろそろ本部会でも方向性を示す必要がございます。従いまして、特段の事情がない限り、本日の審議をもって分析結果のまとめを行いたいと思います。それを念頭に置いて先生方に御意見をいただきたいと思っておりますので、御協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日の議事に入りたいと思います。最初に、事務局から関連する資料について説明をお願いいたします。
■大熊社会・援護局保護課長補佐 よろしくお願いします。資料の説明をさせていただきます。
まず、本日の審議に当たりまして、資料2「今後の生活保護基準部会のスケジュール(案)」について説明させていただきますので、資料2を御覧いただければと思います。
本日も、前回に引き続き、「級地区分の検証」について御審議いただければと思います。生活保護基準部会において級地区分に関する分析結果がまとまりましたら、その内容を踏まえまして、厚生労働省において級地制度の見直しを検討し、令和4年にかけて自治体等と調整を行っていく予定となっています。
また、家庭の生活実態及び生活意識に関する調査については、前回の生活保護基準部会の後に委員の皆様から御意見をいただきました。厚生労働省では、本調査の担当において調査項目について検討し、現在、総務省への承認申請に向けての調整中となっています。これに関しては、後ほど、委員の皆様からいただいた御意見を報告させていただければと思います。
今後の生活保護基準部会での審議事項としましては、「級地区分の検証」の後には、「過去の基準見直しの影響分析」や、「検証に用いる全国家計構造調査のデータの評価」などを予定しています。
次に、2ページには、「級地区分の検証スケジュールについての補足」をつけています。補足として、まず1つは《級地制度の見直し時期について》になります。
1点目として、生活保護基準部会においては、生活扶助基準について、一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られているか否かの定期的な検証が実施されているところで、こうした中、2019年全国家計構造調査の結果が利用可能になることを受けまして、この統計データに基づいて生活扶助基準の水準や較差の設定についての検証を実施していただくことになります。
この検証結果を踏まえて生活保護基準の見直しを行う場合には、できるだけ速やかに実施することが重要となりますので、生活保護基準部会における検証結果は令和4年中をめどに取りまとめていただいて、その後、厚生労働省において必要な見直しを検討し、一定の準備期間は設けますが、令和5年度には見直し後の基準を施行するということがあります。
2点目として、その検証については、生活保護基準が法の趣旨に沿って年齢別、世帯構成別、所在地域別に設定されていることから、その体系に応じた検証が実施されているところです。その中で、級地制度はこの基準体系の一部であることから、その見直しをする場合には、令和5年度の基準体系の見直しの中で実施することとなります。
次に3ページ、補足の続きとなります。《級地区分に関する検証の時期について》です。今御説明したような5年ごとのサイクルがある一方で、1点目ですが、級地制度、特に級地区分は極めて地域的な問題でもありますので、その見直しに当たっては統計分析だけではなく、様々な地域の実情を踏まえる必要があります。このため、級地区分に関する検証結果等を踏まえて厚生労働省において見直しの方向性を検討しますが、その方向性に関しては、現場の実態を把握し、保護の実施責任を持つ自治体等と十分な期間を設けて調整することが必要となります。次の※印にも記載がありますが、個別の自治体との「級地区分の指定」に関する調整は、昭和62年の級地制度の見直しの際も1年程度の期間を要しています。
2点目です。こうした事情から、生活保護基準部会においては、令和4年末に予定される報告書の取りまとめに先立って「級地区分に関する分析結果のまとめ」を示していただく必要があると考えているところです。
次に4ページです。参考として、上段には生活保護の関連条文があります。下段のほうに、昭和62年の級地見直しの際のスケジュールをつけています。下の枠囲みの中の当時の審議会の意見具申におきましても、アンダーラインのところで、「級地制度は極めて地域的な問題でもあるので、その指定について各都道府県・指定都市等地方公共団体の意見を十分聴取する必要があることはいうまでもない」という指摘があったところです。
5ページ以降には、参考として生活保護基準部会の趣旨について、4月の基準部会でお示しした資料になっています。
資料2の説明は以上です。
続きまして、審議事項ではありませんけれども、参考資料3「級地区分の検証に関する主な意見と補足」として、前回の基準部会での御意見と、それに関する補足をまとめていますので、参考資料3について御説明させていただきます。
2ページになります。前回お示しした資料の項目に沿って御意見をまとめています。まずは上段の【地域の生活水準を示す指標について】です。1点目として、過去は人口規模に応じて自治体の区分を設定する考え方を採っており、これは人口規模と地域の実情に応じて自治体単位で決めてきたということだが、今回はそれに加えて世帯要因を考慮して検証したというのは、より精査されたものと考える、という御意見。2点目は、回帰分析による市町村別の理論値についての留意点の御指摘となります。
下段の【級地の階級数について】です。1点目、2点目は、分析方法についての留意点の御指摘。3点目は、枝番を取るかどうかという具体案はともかく、級地の階級数を3区分とすることが適切と理解すべきと考える、という御意見。4点目が、どのように区分するかというのは議論があるところではあるが、少なくとも6区分である必要があまりないということは言えるのではないか、という御意見になります。
次に3ページ、【各市町村の級地区分の指定について】です。1点目として、どの市町村をどの階級に区分するかという議論については、昨年度の調査研究ではあまり議論されなかったため、もう少し詳細な議論が必要なのではないか、という御意見がありましたほか、2点目以降で、前回、検証の一つの考え方として提案しました分析の前提や考え方に対していくつか御意見がありました。
4ページに、級地区分の検証についての全体的な御意見を【その他】としてまとめています。1点目として、約35年間、級地区分は変更されてこなかったが、社会の進展によって人々の生活実態も変化してきている中で、今回の級地区分の検証を行うことは大変意義があると思う、という御意見。2点目として、検証結果を踏まえて個別の市町村の級地の在り方を判断するということだが、自治体個々の関係者からヒアリングすることを検討していただきたい、という御意見。3点目として、自治体から様々な要望があったというのは、多分に感性論だけではなく、実態から見た懸念や意見であると考える、という御意見など、実施責任を持つ自治体との関係の重要性を御示唆いただいているほか、統計分析の全体的な留意点としては4点目になりますが、統計的に有意な差がないからといって現実に差がないとは言い切れない。級地区分の変更は、人々の生活に直結するものであるため、少し慎重にあらねばならない、という御意見。5点目ですが、級地区分に関してここで何か決めてしまうと、今後の基準検証の議論を縛ってしまう、という御懸念などが示されていました。
次に、こうした御意見のうちいくつかの点について、御審議に当たって受け止める上での補足を6ページ以降につけています。
6ページです。「市町村別の理論値の算出に用いる3つの地域要因のうち、『消費者物価地域差指数』は、データの制約上、政令市と県庁所在地以外は都道府県で同じ値となっていることには留意が必要。」という御意見がありましたが、これに関する補足になります。
下の枠の中の1点目です。令和2年度に実施した委託事業「生活保護基準における級地制度に係る調査研究等」におきまして、地域要因の説明変数がどのような考え方で選択されるかという話ですが、これについてはある低所得の世帯を収入や世帯構成等の世帯条件を変えずに他の市町村に移転させた場合に、必要な生活費がどのように変化するかという観点から選択されているものとなります。
2点目です。このうち、『消費者物価地域差指数(家賃を除く総合)』は、「物価水準は最低生活に必要な金額に直接的に影響する」という考え方により説明変数として選択していますが、その際に、「県庁所在市・政令市以外では都道府県単位でしか数値が得られないため、都道府県内の物価差をもたらすと考えられる変数を追加で投入する必要がある」ことが昨年度の調査研究で既に指摘されているところです。
3点目です。これを踏まえて、このほかの地域要因の説明変数として、「人口が密な地域では高い地価が物価に反映され、必要な生活費が増えやすい」という考え方により、『可住地面積当たり人口(自然対数)』を、また、「失業率が高い地域では物価が低くなりやすい等のために必要な生活費が減りやすい」という考え方により、『完全失業率』を選択したものとなっています。そのため、調査研究事業において採用した回帰式は御指摘の点は考慮したものとなっていますが、その報告書においては、「このような回帰式を採用してもなお、3つの地域要因で生活に要する消費支出の地域差がすべて説明されるわけではないことは留意が必要である」ことが指摘されておりますので、こうしたところを留意点として受け止めるべきと承知しています。
7ページは、参考として昨年度の調査研究事業の報告書の抜粋をつけています。
8ページです。【各市町村の級地区分の指定について】の検証方法に関するところで、下線を引いていますが、階層化の分析結果のデータから、現行の1級地-1と1級地-2の間には有意な差があると見込まれるとの御指摘がありました。
これに関する補足としまして、枠の中の1点目、1級地-1と1級地-2の間の消費支出の差の有意性を含めまして、現行の級地区分に係る隣接階級間の較差については、調査研究事業において分析を実施していないところですが、当該内容について御指摘がありましたことから、この点について事務局において改めて集計し、確認を行いました。
2点目にありますように、この確認には、御指摘の背景とされた分析と同じ方法、調査研究事業において階層間較差の有意性の確認に用いた回帰分析によって、現行級地の隣接階級間の消費水準の較差の有意性を判定しました。その結果は下段の表のとおりになりますが、1~3級地の各級地内における枝番1の区分と枝番2の区分はいずれも有意な差があるとは言えなかったところです。機械的に確認させていただいたものを御報告させていただきます。
9ページになります。枝番を廃止して級地を統合することについては、厚生労働省の判断による部分である、ということ。そして、下線の部分ですが、これを前提とした以降の議論を切り分けることも難しいと思う。生活保護基準部会として枝番の廃止を前提とした議論はできないのではないか、という御意見がありました。
これに関する補足として大きく2つありますが、枠内で、まず、「枝番を廃止して級地を統合することを分析の前提とすることについて」です。1点目として、級地の在り方については、統計的な分析結果のほか、「前回の見直しから30年以上たっていることや、各自治体に居住する生活保護受給者等への影響を考慮する観点、前回の見直しでは既存の級地内で区分した経緯など」を踏まえて検討するものでありまして、保護の実施責任を持つ自治体等と調整しつつ、厚生労働省において適切な選択肢を検討するものとなり、客観的な根拠の整理も含めて厚生労働大臣の責任において決定することとなります。
2点目として、その中で、前回お示しさせていただいたように、統計的な分析に当たって、「枝番を廃止して級地を統合すること」を一つの前提とする検証方法を提案したことについては、厚生労働省の判断による部分です。
次に、枝番を廃止して級地を統合することを前提としない統計的な分析についてです。3点目になります。御指摘を踏まえて、「各市町村の級地区分の指定について」の分析のうち、こうした厚生労働省の判断を前提としない形で統計的な分析に関する部分を切り分けるとすれば、次のページに示す内容となります。
4点目ですが、これは調査研究事業の報告において、実際に個別の市町村の級地指定の見直しを判断していくに当たっては、回帰分析による理論値やそれに基づく階層化結果について一定の幅をもって参照する必要があることが指摘されていたことを受けまして、「市町村の消費支出の理論値に係る標準誤差」を一定の仮定の下で評価し、個別市町村の階層化結果に係る統計的な有意性についての示唆を得ることを試みるものとなります。
10ページです。1点目として、前回の資料でもお示ししましたが、まず回帰分析による各市町村の理論値の対数について、標準誤差を評価する場合、一つにはこちらに示している算式による方法が考えられます。
なお、前回お示ししました資料で、自由度に関する算式の表記に誤りがありましたので、参考資料2を含めて訂正しています。
2点目として、個別の市町村について、階層化結果の有意性の検証として「結果的に区分されなかった階層、(例えば第2位階層に区分された市町村については、第1位階層と第3位階層)と有意な差があるかという観点から、こちらの式による検定を行った場合、結果は下の表のとおりとなります。
11ページは、参考として、検定に係る標準誤差の算出過程を記載しています。
12ページです。3階層設定時のクラスタリングによる階層化結果と現行級地の1級地、2級地、3級地の市町村数と人口の対応関係を示したほうが説得力があるのではないかという御指摘がありましたので、補足にも記載していますが、下の表のとおり、その関係性を示しています。
前回の資料で提案しました検証について、こちらの表において、対角線上の青色網かけのセルから外れる市町村について、そこに統計的な意味があるのかを検証すると理解するのがよいと考えるということを併せて御指摘いただいています。御指摘の解釈によって、先ほどと同様の方法で階層化結果の有意性を検定した場合は、いずれの市町村についても階層化結果が有意であるとは言えない、という結果になります。
13ページです。各市町村の級地区分の指定について提案しました検証方法の前提に関してですが、「仮に枝番を廃止して区分を統合する場合に、新たな1~3級地の基準額を、枝番が1の区分と2の区分の単純平均により設定すると、枝番が1の区分の基準額が引き下がり、枝番が2の区分の基準額が引き上がるということになる」という御指摘をいただいています。
これに関しての補足ですが、1点目、今後、生活保護基準部会において、級地間較差のほか、年齢区分による較差や世帯人員数による逓減率などを含め、その基準額の検証について議論され、令和4年12月をめどに検証結果がまとめられる予定となっています。
2点目、級地間較差を含めた今後の生活扶助基準額の設定については、この令和4年の報告を踏まえて厚生労働省において検討するものでありますので、仮に級地区分を見直すとしても、現時点で各級地に係る基準額にどのような影響があるのか、引き上がるのか、引き下がるのかを示すことはできないということについて、改めて補足させていただきます。
14ページです。「統計的に有意な差がないからといって現実に差がないとは言い切れない。級地区分の変更は人々の生活に直結するものであるため、少し慎重にあらねばならないという御意見があったことに関しての補足です。
1点目、級地間の保障水準較差は、本来、なだらかであるほど望ましいものとなるため、その観点から、級地区分を粗くすることについては慎重に検討しなければならないというところがあります。
2点目として、一方で、消費実態に基づいて基準額を設定するという現在の前提に鑑みれば、「現行の区分数を設けるには、消費水準に相当程度の地域差が認められない」、あるいは「区分間で統計的に消費水準の差が認められない」という場合には、「合理的根拠に基づく較差の設定が困難となる可能性があること」や、「不必要に制度が複雑化されている可能性があること」には留意が必要であるということがあります。
また、「慎重であらねばならない」ということに関しては、3点目になりますが、級地区分に限らず、生活保護基準は人々の生活に直結するものです。その中で、生活保護基準における級地制度は極めて地域的な問題を有する部分でもあるため、その見直しに当たっては統計分析の結果だけではない様々な地域の実情を踏まえる必要があり、厚生労働省が生活保護基準における級地制度の在り方を検討するに当たっては、現場の実態を把握し、保護の実施責任を持つ自治体等と十分に調整することが重要となるものと受け止めています。
参考資料3の説明については以上になります。
次に、こうした御意見を踏まえまして、資料1になります。本日の審議事項となりまして、資料1「生活保護基準における級地区分の検証に係る分析結果のまとめ(案)」を整理していますので、その説明をさせていただきます。
1ページです。分析結果のまとめ案として、こちらの内容を提案させていただきます。
1点目で、級地の階級数に関しては、令和2年度に実施した委託事業「生活保護基準における級地制度に係る調査研究等」の取りまとめによれば、「一般低所得世帯の生活扶助相当支出額の階層間較差と1987年当時の基準額の級地間較差を比べると、地域間の較差が小さいことや、級地の階級数を4区分以上とした場合には、隣接級地間で有意な較差が認められないことを踏まえると、級地の階級数を3区分程度にまで減らすことも検討されるべきではないか」とされている。
本部会では、この調査研究事業で取りまとめられた結果を基に審議を行った結果、階層化結果を用いた分析手法に留意点はあるものの、少なくとも階級数については6区分とする必要があるという結果は得られなかったことを確認した。
2点目として、もとより級地制度は極めて地域的な問題でもあるので、厚生労働省において級地の在り方を検討するに当たっては、本部会における審議結果を踏まえ、また、その基となった分析内容と矛盾のないように留意しつつ、現場の実態を把握し保護の実施責任を持つ自治体等と適切かつ丁寧に調整されたい。
以上、御審議をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
■小塩部会長 御説明、ありがとうございました。
今、大熊補佐からの御説明がありましたように、今日の私たちの審議事項は、資料1の2ページ目にあります「分析結果のまとめ」、これでいいかどうかというのが最終的な議論のテーマになります。それを頭に置いていただいて、ただいまの事務局からの説明について御質問、御意見等をいただきたいと思います。
ただ、前回、私の審議の進め方の不手際で、全ての委員の方々から御発言をいただくことができませんでした。
そこで、今回は最初に前回発言していただけなかった新保委員から、参考資料2として配付されている前回の説明資料の内容も含めて御意見をいただいて、あと、そのほかの委員の方々から御意見、御質問を頂戴したいと思います。
それでは、恐縮ですけれども、新保委員、お願いいたします。
■新保委員 御配慮いただきましてありがとうございます。
この段階で級地区分を検討することの必要性は、前回の議論からも認識しているところです。今日の御説明と資料1の「生活保護基準における級地区分の検証に係る分析結果のまとめ(案)」についてですけれども、2つ目のマルの「本部会における審議結果を踏まえ、また、その基となった分析内容と矛盾のないように留意しつつ、現場の実態を把握し保護の実施責任を持つ自治体等と適切かつ丁寧に調整されたい」という方向性については了解いたしました。
もしできれば、2つ目のマルの中にぜひ、「被保護世帯の生活実態を十分に考慮する」というような内容も加えていただけたらというのが私の意見です。
以上です。
■小塩部会長 ありがとうございます。
それでは、ほかの委員の方々の御意見を頂戴したいと思うのですけれども、前回に引き続きまして、今回も渡辺委員の御発言も歓迎しますので、よろしくお願いいたします。
それでは、どなたか、挙手をしていただけますでしょうか。
山田委員、お願いいたします。
■山田委員 まずは、前回、部会長に色々と時間配分の面で御苦労をかけてお詫び申し上げるとともに、あと、私の色々な意見に対して、コロナ禍の中、補足意見として参考資料3という非常に丁寧な資料をつくっていただいた事務局に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。
まず資料1の2つ目のマルです。ここに、私も新保委員と同じく、被保護世帯の生活実態を十分考慮するようにと入れることについては大賛成です。
その上で少し気になったのは、「その基となった分析内容と矛盾のないように」と書いてあるのですけれども、これは政策判断と部会の委員の意見との狭間で、事務局が部会長も併せて考え抜かれた表現であるというのは理解しています。ただ、矛盾という部分について、どういった場合に矛盾となるのか。念のため、そうした理解に齟齬があってはいけませんし、ここの部分が独り歩きしてはいけないと思いますので、この部分についてどういう意味が込められているのか、差し支えない範囲で御説明いただければと思います。その上で、非常に多大な御尽力で御準備していただいた参考資料3についていくつかコメントを差し上げたいと思いますので、まずその点について事務局のほうにお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。
■小塩部会長 今、山田委員から御質問がありました。2つ目のポツで、「その基となった分析内容と矛盾のないように」という文言がございますが、この趣旨について事務局から説明をしていただけますでしょうか。
■森口社会・援護局保護課長補佐 山田先生、どうも御意見ありがとうございます。
分析結果のまとめの2点目の「基となった分析内容と矛盾のないように留意しつつ」というところでございますが、この文言が入っている趣旨というのが、今回の分析結果のまとめに当たりまして、部会で御審議いただくに当たって、主に昨年度の調査研究事業など、審議の基となった分析内容がございます。基本的には審議の結果を踏まえて検討するということですけれども、この審議の中で必ずしも明示的に言及がなかったような分析結果であって、実際には分析内容として提示されているようなものは、最大限我々どものほうとしても考慮した上で検討を進めていかなければならないという趣旨で書かせていただいているものとなってございます。
具体的に個別にこれが矛盾して、これは矛盾しませんということを網羅的に整理しているものではなくて、あえて「こういうのは矛盾するのではないか」というものを例示するとすれば、例えば、級地の区分数を2区分にするとか、そういう検討をするとなると、もう既に分析結果でも示されていると思いますけれども、「3区分とした場合には隣接階層間で有意な差が認められます」というような分析結果が出てございますので、それを「やはり2区分を検討しましょう」ということになると分析の内容とは矛盾する、といったことを想定して書かせていただいているものとなってございます。
■小塩部会長 山田委員、よろしいですか。
■山田委員 ありがとうございます。
■小塩部会長 それでは、今の御質問については基本的に了解していただいたというふうにして、参考資料についてコメントをいただければと思います。
■山田委員 それでは、なるべく手短に発言するように努力したいと思います。
分析内容全体で気にかかる点は、前回の発言とも重なるところですけれども、統計的に有意な差がないから生活扶助相当支出が同じである、従って級地を統合しても良いというロジックに全般的になっているのですね。
ただ、前回も申し上げたのですが、統計的に有意な差がないというのは、現実に差がないということを保証するわけではなくて、そもそも仮説検定の基本的な考え方として、統計的な有意な差がないということは、その級地間の生活扶助相当支出が同じであることを積極的に証明しているわけではないわけですね。
統計的な有意な差がないから同じであるという検定結果の解釈の誤用については、ネイチャー誌でも数百名の科学者の署名とともに2019年3月に声明を出しているところで、統計的な有意な差がないから同じであるというロジックに基づいて3区分以上というふうにしているのですけれども、その解釈は本当に統計的な解釈として正しいかどうかというのは、報告書で一番気になったところです。
したがって、例えば3区分以上に設定した場合、私は人口ウエートありのクラスター分析で6階層に分けたときに、3つミシン目が入るので、少なくとも3つミシン目が入るということは、いわゆる植木算ですから4区分以上にしてもいいと、前回も4区分と申し上げたのです。つまり、4区分以上に設定した場合でも、統計的に正しい解釈としては矛盾にはならないということだと思うのですね。
あとは、委託事業の分析内容自体は非常に重要なエクササイズで、前回の級地改定には反映されていなかった要素も入ってきて、そういう意味では分析としてはより精緻なものになったというのは私も賛成なのですけれども、これはあくまで一つのデータに基づく一つのエクササイズなわけですね。
前回も申し上げましたように、委託事業の分析では、市区町村別の物価指数がないため、政令市と都道府県庁所在市以外、都道府県レベルの粗い物価指数のデータを用いているということで、今回の参考資料でも引用してくださいましたけれども、結局、都道府県レベルの粗い物価指数に基づいて、可住地面積当たりの人口自然対数とか完全失業率などの2つの変数によって調整できるのではないかという楽観的な考えに基づいて入れているわけですけれども、本当にそれで十分、市区町村レベルの物価指数、市区町村レベルの生活扶助相当支出になるようコントロールできているかというのは全く保証の限りではなくて、そこも慎重にしなくてはならない。
もう一つ、これも参考資料で追加でコロナ禍の大変な状況の中でしていただいて、大変ありがたく、また参考になったのですけれども、それと関連して、前回も申し上げたように1級地-1と1級地-2に重なる部分の大きい、新たに区分された地域間で統計的に有意な差が見いだされたということは逆に注目に値するわけです。これは、人口ウエートありでも、なしでも、同じ結果が出ている。
ですから、新たに追加集計していただいた8ページでは、現行の1級地-1と1級地-2の間に統計的な有意な差がありませんとなっていますが、この推計自体は非常に重要なエクササイズだと思うのですけれども、この追加推計はクラスター分析によって新たに新1級地-1と新1級地-2が分類される前、要するに、それらが入り交じった段階での推計なので、有意な差が出てこないというのも、そういった理由があるのではないかなと。
しかも、先ほど申し上げましたように、統計的な解釈として、有意でないから1級地-1と1級地―2に生活扶助相当支出に違いがないことがこれで証明できたというのであれば、解釈として踏み込み過ぎているのではないかということです。
短くすると言ってまた長くなっているのですけれども、参考資料2の7ページを御覧いただくと、現在の生活扶助基準における級地較差というのは、これを見ていただくと、1級地-1と1級地-2では傾斜がついているわけですね。3級地-1と3級地-2でもやはり傾斜がついている。2級地-1と2級地-2のほうでどうやら差が小さくなっているということは言えそうなわけですね。
ですから、単に差がないだけではなくて、点推定で見たとき、仮に隣接級地間で統計的に有意な差がなくても、どれほど傾斜がついているのかどうかというのを見て、それで一緒にしていいのかどうかというのを判断することが非常に重要なところではないかと思います。
と申しますのも、例えば7ページで、1級地-1と1級地-2は5%差がついているわけですけれども、これが今度はまた参考資料3に戻りますけれども、【各市町村の級地区分の指定について】というところで、13ページのところに、枝番を廃止した場合の基準が引き下がるか引き下がらないかというのは示すことはできない、ということですけれども、定性的に考えて、今6級地なので5つダミー変数を入れて、一番高いところの係数があります。そして統合して3級地に仮にしましたと。3つの区分なので2つダミー変数を入れた場合の、その一番上の係数を比べた場合には、これは確実に全ての条件が一定であれば6級地の一番上の係数より、3つの区分の一番上の係数の方が低くなるのですね。ですから、枝番1のほうの係数が高いのに、もし枝番を統合するのであれば定性的には係数が低くなるということが気になっていて。
点推定での値が真の値なら1級地-2より1級地-1というのは5%、基準を高くしなくてはいけない。しかも、そこでようやく最低限度の生活が送れるということであれば、統合して、仮に平均して1級地-1の基準を2.5%下げるのであれば、最低限度の生活がその地域で守れるかどうか、そういう懸念が出てくるわけです。
そうした意味で、冒頭に新保先生からも御指摘がありましたように、被保護世帯の生活実態を考慮する。特に、隣接区間で統計的な有意な差がないから統合していいのだとか、あとは隣接級地間で有意な差がないからといって、点推定での傾斜を無視していいということにはならないということを改めてコメント差し上げたいと思います。
重ねて、参考資料3をコロナ禍の大変な中で作成していただきましてありがとうございました。私からは取りあえずは以上です。
■小塩部会長 ありがとうございます。
続きまして、阿部委員にお願いいたします。
■阿部委員 ありがとうございます。
山田委員と同じように、丁寧な資料をありがとうございました。
その上でいくつか申し上げたいことがございます。まず、審議事項については、まさに審議事項にありますように、6区分とする必要があるという結論が得られなかった、恐らくそこは合意事項だと私も思いますので、この記述については異論ありません。
ですけれども、前回のお話にあったように、ではそれを何区分にするのか。それを私は3区分にしてはいけないという結論もなかったので、3区分にするというのはあるかなと思いますけれども、その決断はこの部会の中で行われたものではない。
これは厚生労働省さんの資料の中でも、級地制度というのは極めて地域的な問題でもありというふうに資料の中でも何遍もありますし、これは厚生労働省の中で決めるというふうに書いてあります。
ですので、何区分にするのか、6区分から3区分にするのか、4区分にするのかという結論もそうですし、その区分の中にどの自治体が振り分けられるのか。例えば3区分としたときでも、先ほど山田委員がおっしゃったような懸念事項があるのであれば、1級地-1で切って、それから1級地-2と2級地-1を一緒にするというような切り方もあるわけですよね。ですけれども、それを枝番を取るというやり方をするという。
私は、時間的な制約もありますし、これは自治体間で政治的な取引とか調整が必要だということも重々理解しているつもりです。でも、そこは厚生労働省マターとしてやっていただくということで、基準部会の中でこのようにするのが統計的に妥当だと言ったわけではないということはきちんと記録に残していただきたいと思います。
もう一つが、3区分にした場合に、それがこの後の展開にどのような影響を及ぼすか、それについて私たちはまだ分からないところが多いです。この後、2つのところで影響が出てくる可能性があります。
1つが、この後、私どもはモデル世帯において、丈比べと私たちが通常呼んでいる一般世帯の消費実態と生活保護基準を比較するという作業を行うわけですけれども、当然ですけれども、級地の配置の方、級地のシェアの方々というのは生活保護受給世帯と一般世帯で違うわけです。ですので、データを使うときに、どの世帯の方がどの級地に住んでいるかということをコントロールしなければいけないわけですけれども、そのコントロールを今まではウエートつきの分析をするといったことをやってこなかったのですね。ですが、同じやり方をすると、それを例えば前は5つのダミー変数があったのを、2つのダミー変数がないとしたときに、ウエートも違うのか、抽出率も違うのか、どう違ってくるのか、丈比べのところで影響してくる可能性がある。ですので、以前と全く同じ丈比べの方法であったら妥当でなくなってしまう可能性もあります。なので、そこのところで今回もし区分の数を変えるのであれば、どういう影響が出るのかということを、いま一度、丈比べの議論をするときに議論させていただきたいというのが一つ。
もう一つの点が、モデル世帯での基準が決まりましたと。その後にそれを展開するわけですね。展開というのは、各級地とか、いろいろな世帯人数とか、そういった形で、全ての保護世帯に行き渡るように傾きを作っていくというところですね。そのときにも、3区分にしてしまうということと、もともと6区分で検証していたということで、どのように手法が違ってくるか。そこに、ウエートなどのつけ方をきちんとしているのかとか、以前と同じ方法をしたら間違ったやり方になってしまう可能性があるかなと思います。
ですので、例えば6区分でも前と同じ6区分で検証してみる、また3区分で検証してみるといったような、非常に丁寧な展開のやり方をする必要があるかなと思います。
丈比べのところは、結構基準部会の中で議論するのですけれども、展開のところはかなりスタンダードになっていて、これまでの経過でいくとあまり議論していないのですね。ですので、その展開のところでも、区分の数が変わることによってどのような影響が出るのかというのをきちんと議論する必要があるかなと思います。
ですので、私が言いたいことは、3区分にするのであれば、それは行政判断としてやっていただきたいということと、3区分とした場合であっても、この後の丈比べのところと展開のところの議論のところで、この問題にもう一度帰ってこなければいけない。もう一度議論するような余地といいますか、議論するべきだということをきちんと申し上げたいと思います。
■小塩部会長 阿部委員、どうもありがとうございました。
他に御意見はございますでしょうか。
岡部委員、お願いいたします。
■岡部委員 私は極めて原則的な意見を述べさせていただきます。
資料1、差し替えの箇所です。1つ目のマルです。基準については、基準の判断というのはあくまでも技術的に可能な科学的、合理的な統計データに基づいて判断されるものであるとの理解でよいかの確認です。
2つ目のマルです。今、新保委員、山田委員がおっしゃられましたが、制度利用者である被保護者、また、行政の担当者、関係者に意見を聞くということを考慮する、または調整していくことについてです。
基準部会の基本的な合意事項だと思うのですが、基準はあくまでも科学的、合理的な判断に基づいてデータを出す。その場合は一定の考慮・調整をするということも認めるのだということがある、国民感情、政治的あるいは財政的な事情によって左右されることなく、それぞれの方からお話を聞くときには、あくまでもそういう観点からお話を聞くということで進められるということで理解してよいのかです。この点について確認をさせていただきたいということです。
1点目は、科学的、合理的な判断の下でデータをベースにする。2点目は、考慮・調整するということで判断してよいかどうか。3点目は、意見を聞くということは、政治的、財政的事情、あるいは一般の国民意識を排除して、基準はどの程度妥当なのかどうかということで進められるのかどうかについて確認です。
■小塩部会長 今、岡部委員から確認しておく必要がある事項について御指摘がありました。これは事務局から回答していただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
■大熊社会・援護局保護課長補佐 御質問ありがとうございます。
御質問をちゃんと理解できているかという部分はあるのですけれども、あくまでも基準部会は統計的、科学的なデータを見ていただくというところになるというのはお答えとして一つあると思います。基準部会は、3点目でおっしゃっていた、政治的とか国民の意見というのを外れて、そういったところは厚生労働省のほうで対応するという部分は言えると思います。なので、あくまで基準部会においては、一般低所得者との均衡を科学的、統計的に見ていただくという位置づけになるということでお願いしたいと考えています。
■小塩部会長 岡部委員、よろしいですか。
■岡部委員 結構です。
2点目、3点目はその通りということでよろしいわけですね。
■大熊社会・援護局保護課長補佐 はい。
■小塩部会長 ありがとうございます。
他に御意見はいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、今、委員の方々から御意見を頂戴いたしました。
今、コメントがありまして、山田委員が聞きづらかったということですので、今の岡部委員の御質問に対する事務局の回答をもう一度お願いいたします。
■大熊社会・援護局保護課長補佐 まず、基準部会では科学的、統計的に見ていただくところが役割となっているので、政治的なところとかは排除してというところの御質問はそのとおりですという話をいたしました。それ以外も、岡部委員からいただいた御質問は、おっしゃるとおりだということをお答えさせていただきました。
■小塩部会長 よろしいでしょうか。
■岡部委員 どうもありがとうございます。
■小塩部会長 他に御意見はありますでしょうか。
山田委員、お願いします。
■山田委員 先ほどの阿部先生のコメントで、私も同じく。やはり新しいデータが出てくるわけですね。分析結果のまとめの分析内容というのは、平成26年の全国消費実態調査に基づくわけですね。この部会の権能としては、一旦決められた級地がどういうふうにまとめられようとも、それに対する検証というのが一つ任せられていることかと思います。特に、これから使用するのは令和元年の全国家計構造調査です。また、かなり内容も変わったと思いますので、当然ながら新しいデータで区分が妥当か、どのような影響があるかというのはぜひ本体の部分でも検証するというのは、阿部先生がおっしゃるとおり重要なことだと思います。
2点目ですけれども、この分析内容には実はもう一つ限界がございます。どういうことかというと、前回の岡部委員の御発言とも絡むのですけれども、自治体が広域化するということは、その地域内での較差、もしくは生活扶助相当支出に違いがあるにも関わらず、市町村レベルでの行政、市町村レベルでのデータということで、その部分が実は全く、今回の分析内容としては、見ることができていないという問題があります。そのことこそが実は基準が級地間でフラット化しているように一見見せているだけかもしれませんので、そこの部分はデータによる解析が難しいのであれば、質的な、例えば市町村への聞き取りなどで丁寧に埋め合わせていく必要があるかなと。それは被保護世帯の実態をいかに考慮するかというふうな新保委員の御意見にもつながっていくのかなと思いました。
追加でのコメントです。以上です。
■小塩部会長 ありがとうございます。
阿部委員からも追加の御意見があると思いますので、よろしくお願いします。
■阿部委員 追加の質問ではなくて、先ほどの私のコメントですけれども、たとえ区分の数を変えるとしても、そのことによる丈比べのところの手法と展開のところの手法、そこのところでもう一度様々な、何区分に分けるかというのをもう一度やるということではなくて、丈比べの手法のところについて、例えばウエートをつける必要があるとか、そういったことを議論させていただけるという理解でよろしいでしょうか。そこを事務局から回答をいただきたいと思います。
■小塩部会長 今後の検証の仕方についての御質問がありましたけれども、この点についていかがでしょうか。
■森口社会・援護局保護課長補佐 阿部先生、御意見どうもありがとうございます。
今後の生活保護基準部会において、生活扶助基準の水準の検証や較差の検証を行うに当たって、ということかと思います。こちらにつきまして、級地区分が変更されたことによって検証手法を何ら縛るというものではございませんので、その際にどのように級地区分の変更というものを配慮して検証いただくかということは、まさに基準部会の中で御考慮いただいて検証を行っていただくということでよろしいのかと思っております。
■阿部委員 ありがとうございます。
■小塩部会長 ありがとうございました。
ほかに御意見はございますか。
渡辺委員、お願いいたします。
■渡辺専門委員 級地の議論からは少し離れるのですけれども、今後の部会のスケジュール案の資料の6ページ目に、38回の部会の資料をつけていただいていて、38回のときにも同様の発言をしましたけれども、6ページに「上記の評価・検証については、生活保護において保障すべき最低生活の水準が、一般国民の生活水準との関連においてとらえられるべき相対的なものであるという基本的な考え方を踏まえて行うものである」と書かれています。平成19年の報告書に基づいて記載されているようですけれども、平成29年の報告書も引用されるべきところかと思います。そこでは、生活保護において保障すべき最低生活の水準を相対的に捉えていては、下支えとなる水準を下回ってしまう懸念があることが指摘されています。そこが重要なポイントです。
ですので、今回の検証では、生活保護において保障すべき最低生活の水準が相対的なものであってよいかというところから、議論を進めていかなければならない。改めてここについては指摘しておきたいと思います。
それから、参考資料3で新たな検証を行っていただいたのですけれども、例えば10ページと12ページにその結果が示されているのかと思いますが、分析内容と結果の解釈について改めて分かりやすく御説明いただけたらと思います。
以上です。
■小塩部会長 ありがとうございます。
それでは、今回のテーマに関係する御質問として、10ページ目の結果についてもう少し説明してほしいという御要望がありましたので、それについて事務局から説明していただけますでしょうか。
■森口社会・援護局保護課長補佐 渡辺先生、御意見をありがとうございます。
そうしましたら、参考資料3の10ページについて少し御説明を補足させていただきます。
まず、こちらで書かせていただいている内容は、これは前回も御説明しました市町村別の理論値、回帰分析に基づいて算出した理論値、これに関する標準誤差を、まず10ページの上の段のところで、一つにはこういう式で考えられるのではないかということで、自治体レベルでの標準誤差として見込んでいる計算式となってございます。
これを標準誤差として見込むことを前提とすると、その下の段でございますけれども、個別自治体、例えば「A市が第2位階層に区分されました」となったときに、この「第2位階層」というのが統計的に有意な結果なのかということを検証するために、ほかの階層とはちゃんと離れていますね、統計的に有意な差がありますね、ということを検証しているものとなってございます。なので、今回、例えば第2位階層に区分された市で言えば、「第1位階層と有意な差があるか、第3位階層と有意な差があるか」ということで、それぞれの平均値、中心値と有意な差があるかという検定を行っているというものでございます。
その結果が10ページの下の表です。左下はクラスタリングによる階層化を行った場合の結果でございますけれども、それぞれ第1位階層から第3位階層、79、387、1,246というふうに区分された結果がございますが、例えば、第3位階層1,246のうち、第1位階層と有意な差があるという自治体が49、第2位階層とも差があるというのが4という結果となっているということで、この考え方に基づいて、第1位階層にも第2位階層にも入らずに、第3位階層に有意に入るだろうという結果が4自治体だという見方になっております。
12ページにつきましては、これを1,700の全部の自治体についてやったわけではなくて、現行級地との関係性を見て、その対応表の中で対角線上の青い網かけに入っていない、白い欄に入っている市町村について、その階層化の結果が有意かどうかということを先ほど申し上げた方法によって判定したものでございます。その結果としましては、いずれの結果も有意ではなかったという結果となってございます。
■小塩部会長 渡辺委員、よろしいでしょうか。
■渡辺専門委員 ありがとうございました。そういう追加的な分析をされて、事務局としては今の御説明のとおりの解釈をされているということで理解しました。
もう一点御説明いただきたいと思ったのが、同じ参考資料3で、14ページのその他の意見のところで、補足の御説明の1ポツ目ですけれども、「級地間の保障水準較差は、本来、なだらかであるほど望ましいものとなるため」と書かれていますけれども、これはどういうことで望ましいという判断になるのですか。
■小塩部会長 お願いいたします。
■森口社会・援護局保護課長補佐 その点については、過去の審議会でそのように指摘されているので、ここに掲載させていただいています。
■小塩部会長 よろしいですか。
事務局の見解ではなくて、こういう発言をした委員がいらっしゃるということです。
■渡辺専門委員 事務局の見解ではない、事務局として、級地間の保障水準較差は、本来、なだらかであるほど望ましいというふうには考えていないということですか。どういった趣旨でここの資料に盛り込まれたかなということを確認したかったのです。
■森口社会・援護局保護課長補佐 過去に審議会の意見具申でそのような指摘があったことから、事実関係としてこちらに、こういった考え方ですよ、ということで記載させていただいております。
■渡辺専門委員 分かりました。ありがとうございます。
■小塩部会長 ありがとうございます。
他にいかがですか。
それでは、多くの委員の方々から御意見を頂戴いたしました。
それで、最終的に私たちが決めないといけないのは、分析結果のまとめが今日御提案のあったとおりでいいかということです。新保委員、山田委員、それから他の何人かの先生方からも、支持をする御意見をいただいたのですけれども、1つ目のマルについては特に修正意見はございませんでした。
2つ目につきましては、被保護世帯の生活実態を十分考慮してというふうな文言を入れるべきではないかという御意見がありました。
それで、頂いた御意見を踏まえて修正をしたいと思います。その修正を前提とした上で、この分析結果のまとめについては委員の方々の了承を得たということでよろしいでしょうか。
それから、具体的にどういうふうな文言で修正するこということが問題になるのですが、これにつきましては、もしよろしければ部会長の私に一任していただきたいと思うのですけれども、それについてもいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、そのようにさせていただきます。
それから、今日は参考資料について色々先生方の御意見をいただきました。これについてはしっかりと議事録に残っておりますので、これから級地の検討を事務局でしていただくことになるのですけれども、その際に十分に配慮、考慮していただきたいと私も思います。よろしいでしょうか。
山田委員、お願いします。
■山田委員 必ずしも以前の部会を踏襲することは必要ないとは思うのですけれども、もちろん最終的には部会長一任ということに問題ないのですけれども、どういうふうにこの後変更したかに関しては、決定される前に部会のメンバーに回覧などをしていただき、万が一意見があれば意見を差し上げると。その上で、部会長のほうで取りまとめという理解であれば、部会長取りまとめということで賛成します。
とりわけ、「分析内容と矛盾のない」という書き方については、先ほど申し上げましたように、3区分にしなければいけないというふうに受け止められると困る。どうしてかというと、政策判断として枝番を取るということは、我々部会の委員の決定とは別に、厚生労働省が行うということは重々承知していますけれども、繰り返しになりますけれども、統計的に有意な差がないから生活扶助相当支出が同じであるというふうなロジックで組み立てられているので。仮にそれが4区分でも、5区分でも、6区分でも、場合によっては介護保険と同じように8区分でもひょっとしたら矛盾がないかもしれないので、3区分にしなくてはいけないということを我々は議論していたのではないということが分かるような形で、この「矛盾のない」ということが受け止められるようにしていただければと、これは一委員からのお願いでございます。
以上です。
■小塩部会長 ありがとうございます。
これは、文言の修正というよりも、解釈について我々はコンセンサスを、今山田委員がおっしゃったような形でしたという形で理解したいと思います。
ただ、文言の修正につきましては、先ほど御指摘がありましたように、被保護世帯の生活実態を十分配慮するというふうな文言を入れるという修正をしたいと思います。
それから、今、山田委員から御指摘がありましたように、修正については事務局から皆さんにメール等々で確認をするというプロセスを踏むということでよろしいですね。
それでは、恐縮ですけれども、後日、できるだけ早く皆さんに修正案をお送りいたしますので、それを確認していただきたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、次の議事に移りたいと思います。
前回の議事にありました、家庭の生活実態及び生活意識に関する調査について、事務局から関連資料の説明と、委員からいただいた主な意見を御報告していただきます。お願いいたします。
■大熊社会・援護局保護課長補佐 まず、「家庭の実態及び生活意識に関する調査について」ですが、参考資料4から御説明させていただきます。
前回6月25日の生活保護基準部会で議事として予定していたところですけれども、1ページを御覧いただいて、上のところに【検討事項】として、ここにある「『家庭の生活実態及び生活意識に関する調査』について、これまで不定期に実施していたものを定期的な実施とするほか、社会的必需項目に関する調査項目を充実する等の見直しを検討する必要があるのではないか」という事項が挙げられていたところです。
この調査の概要は、下の枠に記載していますが、生活保護受給世帯の生活実態及び生活意識を把握することにより、生活保護基準の検証及び今後の生活保護制度の検討に向けた基礎資料を得ることを目的としたもので、一般世帯と生活保護世帯それぞれに《家庭の状況》や《生活実態・生活意識》について聞く調査となっています。
この調査の次回調査が令和4年に実施予定となりますので、それに向けて今後調査すべき社会的必需項目にどういったものがあるか、といった点について御意見をいただきたいという趣旨のものでした。
2ページ以降には調査票、8ページ以降には直近の調査結果をつけています。
この調査項目に関しまして、6月25日の基準部会終了後に委員の皆様から御意見を頂戴しておりまして、それを参考資料5に整理しています。
参考資料5「家庭の生活実態及び生活意識に関する調査についての意見(報告)」になります。委員の皆様からありました御意見を報告させていただきます。
1ページです。まず、【普段の生活について】の質問項目に関する御意見です。
「あなたの世帯では外に着ていける服をどの程度の頻度で購入していますか」「あなたの世帯では下着をどの程度の頻度で購入していますか」という設問について、家庭内の差が大きく、世帯全体で聞く項目ではないため、質問を削除してはどうか、という御意見。
「あなたの世帯ではどの程度の頻度で入浴しますか」という設問について、問題なのは回数ではなく自由に使える環境であるかどうかであり、それは【住まいの状況について】の質問で把握できることから、削除してはどうかという御意見。
「あなたの世帯では、必要なときに医者、歯医者にかかっていますか」という設問について、生活保護受給者は医療扶助の適用を受けているため、選択肢として「金銭的に余裕がないから」は不必要であり、この選択肢を削除してはどうかという御意見。
「あなたの世帯では、必要なときに医者、歯医者にかかっていますか」という設問について、歯科診療と一般の医師の診療を受ける受療行為については、急な痛みなどで受診する場合と予防を目的に定期的に受診している場合が想定されるため、選択肢を分けてはどうか、という御意見がありました。
次に2ページになります。【耐久財の保有状況について】の質問項目に関する御意見です。
「(1)衣類だんす(2)茶だんす・食器戸棚(3)整理だんす(9)家族全員が座れる食卓(15)電話(固定電話)」は、一般世帯との比較検討する上では必要であるが、現在の生活様式においてこれらの家具を所有することの必要性を判断することは難しいのではないか、という御意見。
「(1)衣類だんす(2)茶だんす・食器戸棚(3)整理だんす」について、作り付けの普及などで、これらの有無が生活水準を表すとは言えないため、項目から削除してはどうかという御意見。また、炊飯器は普及率が高いため、項目から削除してはどうか、という御意見。
「(12)パソコン」は、本体のみでは意味がないことやタブレットの普及率を踏まえると、「インターネットにつながるパソコンまたはタブレット」の有無を確認する形に変更してはどうか、という御意見。
「(13)ベッド・ソファーベッド(作り付けを除く)」については、「家族が睡眠する場所の確保」や「生活水準」を把握するためには「家族全員分のベッドまたは布団」の有無を確認する形に変更してはどうか、という御意見。
洗濯機やテレビの普及率自体は高いが、社人研の「支えあい調査」やEUの「所得と生活水準の統計」に合わせるために、項目を追加してはどうかという御意見がありました。
3ページです。【親族・近隣とのおつきあいについて】の質問項目に関する御意見です。
1点目として、これらの各質問項目は、社会関係、社会的活動、教養娯楽費、情報化への対応についての項目であり、経済的困窮により生活保護受給者に対して制約が生じる社会関係、社会的行動をどの程度まで容認するかの判断材料として必要な数値である、という御意見。
2点目として、「あなたの世帯では、別居の家族・親族の中で、親しくおつきあいしている方がいますか」「あなたの世帯では、近所の方の中で、親しくおつきあいをしている方がいますか」という設問について、「親しくおつきあい」の定義が曖昧なため、こちらの記載のある形の質問を見直すとともに、対象人数を回答する形にしてはどうか、という御意見。
3点目として、新たな質問として、「あなたは何かあったときに相談できる人がいますか」「家族1人1人のプライバシーを保てるような個別の部屋等の確保や工夫によりプライバシーを保てる空間となっていますか」「家族が団らんを過ごせるような場所がありますか」「直接会ってではなくとも、遠いところで暮らす人を含めて、色々な相談や頼み事をすることが出来る人はいますか」という質問を追加してはどうか、という御意見。
4点目として、親族・近隣・友人、それぞれについての交流を把握するために、人つながりの有無や現状を把握する質問として、「あなたの世帯では生活上の困りごとを抱えた時に、誰に相談しますか」という質問を追加してはどうか、という意見がありました。
4ページです。【レジャーや社会参加について】の質問項目に対する御意見です。
1点目は、前ページで報告した御意見の再掲となります。
2点目以降については、「あなたの世帯では新聞を購入していますか」という設問について、近年は新聞の定期購読者は減少しており、市役所の広報等がちゃんと届いているかどうかのほうが生活上は重要と考えられることから、質問を削除してはどうか、という御意見。
同じ設問について、ネット契約も含む形に質問を変更してはどうか、という御意見。
「あなたの世帯では週刊誌や月刊誌などの雑誌を購入していますか」という設問について、週刊誌や月刊誌は一般家庭においてもあまり購入しなくなってきており、生活水準や情報へのアクセスを示しているとは思えないため、質問を削除してはどうか、という御意見。
「あなたの世帯では自宅でパソコンやスマートフォンなどによりインターネットを利用していますか」という設問について、選択肢に「ルーターなどWi-Fi環境が無い」を追加してはどうか、という御意見がありました。
下段の【住まいの状況について】の質問項目に関しては、「冷暖房などで部屋を快適な温度に保っているかどうか」の質問を追加してはどうか、という御意見がありました。
5ページです。上段が【家計の状況について】の質問項目に関する御意見です。
1点目として、「あなたの世帯の家計の状況について伺います」という箇所について、注書きとして「『赤字』とは、支出が収入を上回ることをいいます」とあるが、これは生命保険などの支払いもこの支出に含まれるか否か、誤解のないように記載してはどうか、という御意見。
2点目として、「あなたの世帯では、貯蓄をしていますか」という設問については、意味が分かりにくいので表現を修正してはどうか、という御意見。
3点目として、「公共料金の未払い、家賃・住宅ローンの滞納、債務の滞納の状況」の質問を追加してはどうか、という意見がありました。
下段が【育児・子育て・子どもの教育について】の質問項目に関する御意見です。これらの設問については、子どもに関わる経費をどれだけ支出しているかを問うものであり、生活保護受給世帯の子どもに対して、一般世帯の子どもと比較してどの程度まで子どもに関わる経費の支出を容認するかの判断材料として必要な数値である、という御意見。
【レジャーや社会参加について】の設問の中に、「あなたの世帯では自宅でパソコンやスマートフォンなどによりインターネットを利用していますか」という設問があるが、このほかに、子どもの情報化への対応についての設問を設ける必要がないか、検討の余地があるのではないかと考える、という御意見がありました。
6ページです。個別の質問項目に関するものではない御意見を【その他】としてまとめています。1点目として、「コロナウイルス感染拡大に伴い支出が増えましたか」のような質問や「衛生用品の支出は増えましたか」のような質問をしておくことは、生活保護基準の話とも密接に関わるので重要なのではないか、という御意見。また、「リモートワークをしていますか」「そのための設備はありますか」という質問も検討してはどうか、という御意見。
2点目として、家事をする時間というのは実は大切であり、1年に1回行く旅行などよりも「情報アクセスや入手、家の環境を守る安全網」や「毎日の家事を行う時間」のほうがよほど重要、という御意見。
このほか、統計一般の話として、3点目にあるように、時系列での比較も必要となる可能性があるため、なるべく前回と同じ項目が望ましく、逆によほどの理由がなければ、同じ設問項目でも順番の入れ替え、選択肢の追加は避けたほうがよいのではないか、という御意見。
4点目として、社会保障生計調査の標本設計に関する御意見がありました。
御意見の報告は以上となります。
なお、本調査の担当におきまして、いただいた御意見を踏まえて調査項目の検討をして、現在、総務省への承認申請に向けての調整中でありまして、今後、承認された事項により来年度調査を実施することとなります。
事務局からの報告としては以上になります。
■小塩部会長 ありがとうございました。
本件は報告事項でございますが、特に御質問、御意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問、御意見はないようでしたら、これでおしまいにしたいと思います。
それでは、本日の審議を終了いたします。
次回の開催については事務局から連絡をお願いいたします。
■大熊社会・援護局保護課長補佐 次回は調整中でございますので。
■阿部委員 先ほどの生計調査の件ですけれども、よろしいでしょうか。
■小塩部会長 阿部委員から。
■阿部委員 最後の意見は私のものではないのですけれども、どなたかが指摘されました。この後で、基準の丈比べをするときにこの調査を使うわけですよね。被保護世帯と一般世帯の実質的な生活の質の差があるかどうかを見るわけなのです。そうしたときに世帯タイプごとに見ますので、どうしても、例えば独り親世帯とか母子世帯はすごく少なくなってしまうという問題はあると思うのですね。ですので、最後の意見は、ぜひともサンプル数を多くするということを検討していただきたいと思います。そこをよろしくお願いしたいということです。
■小塩部会長 阿部委員、どうも失礼しました。
渡辺委員もお手が挙がっています。お願いします。
■渡辺専門委員 次回のこの調査ですけれども、令和4年に実施予定ということは、国民生活基礎調査の大規模調査の後続調査になるという理解でよろしいですか。
■小塩部会長 御質問がありましたけれども、いかがでしょうか。
■森口社会・援護局保護課長補佐 一般世帯対象の調査はおっしゃるとおりです。
■渡辺専門委員 分かりました。そうすると、国民生活基礎調査はオンライン調査の導入も検討されているようですけれども、一般世帯については国民生活基礎調査でオンラインが導入されたら、後続調査であるこちらの調査も一部オンラインになるのですか。
■小塩部会長 オンライン化はどうでしょうか。
■森口社会・援護局保護課長補佐 今はまだ企画・検討中ですので、現時点では当方で把握していないので分からないです。
■渡辺専門委員 分かりました。現時点ではまだ分からないということでしたら、もし仮にオンラインが導入されるようでしたら、オンラインで回答された方と今までのように紙の調査票で回答された方がちゃんと区別できるような調査方法、調査様式にしていただきたいなというところです。
以上です。
■小塩部会長 ありがとうございます。
実は、私、国民生活基礎調査の委員会にも入っていまして、確かにオンライン化をどのように進めるかというのを現在検討中です。それに伴ってこの調査もどのようにするかというのは議論が出てくるかもしれませんね。
あとはいかがですか。御質問はよろしいですか。
宇南山委員、お手が挙がっているようですが、いかがでしょうか。
■宇南山委員 宇南山です。
もう一度確認ですが、国民生活基礎調査のほうは一部オンラインが導入されるという話で、そちらのほうは私が聞いている限りだと地域ごとによって導入を変えるというような話なので、ある質問項目について全員がオンラインになるということはないと思うので、しかも、そちらのほうでは多分フラグみたいなものが立つのだと思うのですけれども、確認ですが、社会保障生計調査のほうはオンライン化は予定されていないという理解でよろしいのでしょうか。
もし、社会保障生計調査のほうがオンライン化されてしまうと、あなたのところにインターネットはありますかというのを聞くこと自体に意味がなくなってしまうので、こちらについては基本的には調査の方法としては福祉事務所からの面接みたいな形になるという理解でよろしいでしょうか。
■小塩部会長 調査方法について、今、宇南山委員から御質問がありましたけれども、これについて検討は進んでいるのでしょうか。
■森口社会・援護局保護課長補佐 社会保障生計調査のほうでオンライン調査を検討しているかという点だと理解しましたが、そこについてはオンラインでの調査は現時点では検討していなくて、基本的に紙で直接調査をするということで進めているところでございます。
■小塩部会長 宇南山委員、よろしいですか。
ほかに御意見、御質問はありますか。よろしいでしょうか。
では、本件はこれで皆さんに承認していただいたということで理解させていただきます。
本日予定しておりました案件は以上でございます。ありがとうございました。
先ほど御連絡がありましたように、次回は調整中ですので、追って日時等は御連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、本日の議論は以上とさせていただきます。御多忙の中、ありがとうございました。