第2回認定要領の見直しに係るワーキンググループ議事録

日時

令和3年8月27日

場所

TKP新橋カンファレンスセンター

議題

第2回 認定要領の見直しに係るワーキンググループ

議題 (1)認定要領の見直しの方向性について
    (2)その他
   

 
              

議事

議事内容
〇大城補佐 定刻になりましたので、ただいまから、身体障害者補助犬の訓練および認定等のあり方検討会第2回認定要領の見直しに係るワーキンググループを開催いたします。皆様にはご多忙のところ本ワーキンググループにご出席いただき、ありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための対応としまして、Webでの開催となり、座長と事務局は会場からの参加となります。続いて、構成員の出席状況についてご報告いたします。本日は、水越構成員からご欠席との連絡をいただいております。また前回同様に日本聴導犬パートナーの会の松本構成員におかれましては、UDトークを使用してのご参加となります。加えて今回は手話通訳が必要な方が傍聴されておりますので、手話通訳を配置しております。皆様ご承知おきをお願いいたします。続きまして、本ワーキンググループの取り扱いについてご説明いたします。本ワーキンググループの議事については、公開とさせていただき、また、議事録については、後日、厚生労働省のホームページに掲載することとしておりますのでご承知おき願います。なお、前回のワーキンググループの議事録を、本日、厚生労働省のホームページに掲載いたしましたので、併せてご報告いたします。それでは本日の議事に入る前に資料の確認をさせていただきたいと思います。構成員の皆様には事前に資料をお送りさせていただいておりますが、資料は議事次第、認定要領の主な論点についての資料と参考資料の計3点となります。今回もWeb開催としておりますので、ミュート機能を設定していただき、ご発言される際は、手を上げるというアイコンを画面に表示していただく、もしくは実際に挙手してからお知らせ願います。それでは本題に入らせていただき、江藤座長に議事を進めていただきたいと思います。江藤座長、よろしくお願いいたします。
〇江藤座長 はい、江藤です。それでは議事次第に沿って進めさせていただきます。議題の1、認定要領の見直しの方向性について、事務局に資料の説明をお願いいたします。
〇周藤専門官 はい、事務局周藤です。
本日もよろしくお願いします。それでは、資料のご説明をさせていただきます。「認定要領の主な論点について」をご覧ください。資料の1ページ目になります。資料4ページまで同じような形式で続きますが、下線の部分が前回皆様にいただいたご意見ということで、掲載をさせていただいております。
その他、下線のないところは、これまでのあり方検討会等においていただいたご意見を参考までに掲載しております。
まず、認定手続きについてご説明します。ご意見として、「かつてフォーマットの統一に向けて指定法人に声をかけたがほとんど集まらなかったが、今回を機にお互いの内容を精査してはどうか」二点目が「申請内容を共通化すれば、他の指定法人で認定を受けたとしても、使用者や育成団体に迷惑がかからない」といったご意見をいただきました。
続きまして、統一的な評価に基づく認定についてご説明します。こちらも下線の方ご説明いたします。
「申請内容の共通化によって、審査の統一化やユーザーの負担軽減が期待できるため、どの指定法人で認定を受けた場合でも、同じような書類を提出し、同じような内容を審査されるような形を検討する必要がある」「指定法人間で具体的なアセスメント等の情報も共有しながらユーザーの負担軽減に資する認定を考える必要がある」このようなご意見いただきました。
続きまして、「認定要領に関する主な意見のⅡ」となります。
こちらは、犬の動作検証についてのご意見になります。
「面接や最初の相談はオンラインでできれば遠方のユーザーの負担は軽減される」、「代表の審査委員がビデオ撮影し、それを確認して動作検証することにすれば、ユーザーや審査委員の負担が軽減されると考えられる」、「代表者が撮影したビデオを見て、動作検証することについては、既にいくつかの指定法人で行われており、差し支えないのではないか」といったご意見を頂戴しました。
続きまして、「認定要領に関する主な意見Ⅲ」になります。
「障害を一番理解している人がユーザーに何が必要かを吸い出し、訓練事業者と打ち合わせするといった流れが作れれば良い。訓練に入る前の段階で、専門職が関わって利用希望者の意見を吸い出すシステムがあると良い」「以前関わった訓練事業者では、社会福祉士が利用希望者の潜在的なニーズを引き出す役割を果たしていたが、認定の段階においても専門職が関わることで、その人の生活を広げていくことに繋がるのではないか」、「その人の生活をどう組み立てて、その人がめざす生活をどう支援するかが専門職の役割であり、その人がめざす生活を共有して、その人の生活に本当に介助犬が必要なのかどうかも含めて生活全体を組み立てる支援をする必要がある」、「他の選択肢もあることを知らないまま補助犬を利用している場合もあると考えられるので、入り口でいろいろな専門職が他の選択肢を示すとともに、出口でも、皆の目で確かめて生活をスタートさせることが幸せな生活に繋がっていくのではないか」
続きまして、資料の4ページ目「認定要領に関する主な意見Ⅳ」になります。
こちらはその他の意見として整理しました。「補助犬の活用について知られていない状況があるので、障害のある方への啓発も重要と考える」、「リモート審査などの方法論について議論する前に補助犬の認定そのものについて考える必要があるのではないか」
以上が、「認定要領に関する主な意見」というところで資料を整理させていただきました。
続きまして、スライドの5ページ目になります。
以上の意見を踏まえ「認定要領に関する議論の方向性(案)」ということで論点を三つ整理させていただきました。
まず一つ目が「指定法人に対する申請内容の共通化等について」になります。これまでのご意見を踏まえると、例えばどの指定法人に対して申請を行ったとしても、同じような審査が行われるように、指定法人間で共通の申請内容となるような方策、書式や項目の共通化等を検討することが考えられるのではないかと思います。また、これまで申請書に添付する書類については、各指定法人に委ねてきたという経緯や、今回のワーキンググループでは、本日を含めると残り2回しかございませんのでコンセンサスを得るのは難しいと思われます。よって検討に当たっては、各指定法人の皆様のご協力のもと調査研究事業を活用するといったことも考えられるかと思います。
2点目です。「犬の動作検証方法について」になります。
犬の動作検証に際して指定法人の遠隔地に在住する補助犬使用者の負担軽減となると考えられることから、例えば犬の動作検証に際して録画やリアルタイム動画等の活用可能であることを何らかで明確にすることが考えられるかと思います。
しかしながら、あり方検討会などにおいてリモートによる審査の限界について、良い場面だけ録画するのではないかなどのご意見があったことから、例えば現地で審査する人が必要な確認を行うことなども含めて検討していくことが考えられます。
最後3点目になりますが、「審査員(専門職)の役割について」です。
これまでのご意見を踏まえますと、認定の段階において指定法人の専門職、審査員が使用者の生活を支援する観点から使用者の生活の向上に寄与するような形で介在していくことが考えられます。具体的には認定審査に際しては、介助犬、聴導犬が必要なのかどうかについても明確にし、審査員において、使用者の状況等を踏まえて、介助犬、聴導犬の適切な利用について助言等を行うことが考えられるかと思います。
事務局としては以上のような方向で考えましたが構成員の皆様においても本日ご議論いただければと思っております。なお、参考資料につきましては前回第1回で配布したこともあり省略をさせていただきます。資料の説明は以上になります。
〇江藤座長 ありがとうございました。
ただいまのご説明の中に「認定要領に関する議論の方向性(案)」として「指定法人に対する申請内容、申請内容の共通化等」それから「犬の動作検証の方法」それから「審査委員(専門職)の役割」がございましたので、主にこのことについて構成員の皆様より忌憚なくご議論いただきますようお願いいたします。
また本ワーキンググループは次回第3回ワーキンググループが最終となりますので、今回は皆様のご意見をまとめられるように進めていきたいと考えております。効果的に議論を進められるよう、これらの論点ごとに区切ってご意見をいただく形式で進めさせていただきたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。ご意見どうぞ。
〇木村構成員 構成員の木村です。
ちょっとお伺いしたいんですけれども、今回の論点が申請書類のことになってるんですけども、前回添付された社会システムの調査報告書を見ると、認定審査の実施マニュアルを作成してない指定法人があったり、審査委員会の構成員に医師や獣医師、訓練士が配置されていない指定法人があったんですね。それと、各指定法人の今までの累計の認定実績でいうと介助犬では4頭から34頭、聴導犬では3頭から63頭と大きな差があって、認定の経験にも大きな差があると思うんですけども。そういうことがあって、どこの指定法人においても同等の認定審査が受けられるように指定法人の認定とか能力とか、全部を統一する必要はないと思うんですけども、一定以上になるような方法を検討することも必要なんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
〇江藤座長 はい、ありがとうございます。議論を今から進めさせていただきますけれども。まず最初に今ご指摘があった指定法人に対する申請内容が法人によっては異なっていたりまちまちであるというようなご発言だったと思います。それでは最初にこの指定法人に対する申請内容について議論をしていきたいと思います。それではご発言がございましたら、順番に示してまいりますので挙手または、手をあげるのアイコンでお知らせください。朴構成員、どうぞ。
〇朴構成員 木村委員のご質問が大変大切なところなので、確認をさせてください。
認定法人の中で、認定審査会の中に法令で定められた委員がいない状態で認定をしている団体がある。それも、何かの事情で急に来れなかったとかではなく、後の追認もなく、それがあるということであれば、それはそもそもここで議論する内容ではないと思っておりますので、厚生労働省からご指導をいただければよろしいのではないかと思います。
それから日本補助犬協会はこれまで聴導犬含め、たくさんの認定をしてきたのですけれども、どの指定法人も年間10頭ぐらいは認定できる体制はないと難しいと思っています。木村委員の質問の内容から一つ目の質問に対してはいかがでしょうか、ここで議論しなくちゃいけないでしょうか。
〇江藤座長 どうでしょうか。ご指摘いただくということで今後検討していけばと思いますけども、いかがでしょうか。事務局の方から。
〇周藤専門官 ご指摘ありがとうございます。まずこの場では幅広くご意見ちょうだいできればと思いますので、今おっしゃったことも踏まえてご議論できればと思っております。よろしくお願いします。
〇江藤座長 ということで申請内容について、申請内容の共通化等も含めてご議論いただきたいと思っております。いかがでしょうか。
〇有馬構成員 日本聴導犬協会の有馬でございます。朴さんがおっしゃったように、本来規定されている審査委員を揃えていない指定法人があること自体は問題ですが、この会で議論する問題ではないと考えます。
〇江藤座長 ありがとうございます。いかがでしょうか。
〇有馬構成員 以前、どなたかから既定の専門家を揃えてない団体が「16.7%も」あるといったご指摘があったと思うのですが、たしかに16.5%は大きな割合になりますが、指定法人の数が6団体ととても少なく、16. 7%が示しているのは1団体だけのことなんですね。1つの団体さんが、補助犬認定試験において既定の専門家を揃えてないということです。そのことについては、厚労省の方でご指導をお願いしたいと思っております。
〇江藤座長 指定法人の体制についてきちんと整備されるようにということだと思いますけれども、広く申請内容を指定法人についてご議論いただきたいと思います。松井構成員どうぞ。
〇松井構成員 名古屋リハの松井です。よろしくお願いします。
1番目の申請書類を揃えたらどうかということについては、今回の調査等である程度申請書類は提出をさせていただいておりますので、例えば厚労省の皆様がそれを見て統一化できそうということであれば、皆さんの意見を伺いながら、統一化を図っていければいいのかなと思っております。
もう一つは木村さんが先程おっしゃっていただいた、委員が欠けてるっていうのはもちろんきちんとしていかないといけないことだと思います。また、申請をされたときに、関わる人が揃った段階できちんと必要なアセスメントをしてその人に大切なニーズとかの確認や掘り起しをしたりとか、その中できちんと標準化していけるのかどうか、どういったところが標準化していけそうかというところを確認していくことは必要かなと思っております。そのあたりは3番目の専門家の役割とかを話し合っていく中で、必要なところを固めていくのがよいのではと思います。以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。まず最初は指定法人に対する申請内容ということでご議論いただきたいと思います。その他、犬の動作検証方法とか、あるいは審査員の役割等につきましては、次の話題として議論を進めさせてさせていただきたいと思っております。
指定法人につきましていかがでしょうか。小田構成員、どうぞ。
〇小田構成員 横浜リハセンター小田です。申請内容、申請書類ですね、その共通化って事は必ずやらなきゃならないことだと思いますが、それともう一つ必要なのはそれからきちんとアセスメントする視点っていうのを共通化していかないといけないのかなと思います。当然のことながら皆さんも申請された書類に対してそれを見て評価しているはずです。その共通化を図っていくことも必要かなと思ってます。以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。アセスメントする場合の視点についてもちろん共通化して統一していくということは大切であるというご意見かと思いますが。その他にいかがでしょうか。朴構成員。
〇朴構成員 小田さんがおっしゃられた通りだと思います。書式を統一するのは、いいとは思いますけれども統一した書式をどういうふうに運用していくのかを話し合っていないと、同じ書式を使っても目的を達成しないことになるのではないかと思います。
実は以前、認定日数や時間を測る調査ときに、私どもの協会では、遠距離の方のときには関西とかいろんなところに認定法人が出向いて認定試験の前に事前調査をやって、「いいですね。このレベルだったら受けていただきましょう」と進めています。横浜の認定試験会場に来て1日で帰れるようにしているんですけれども、その事前調査の部分が認定日数の中に入らなかったんです。ですから前回、横リハがおっしゃいました、そもそも認定っていうのをどういう定義づけするのか、どういう範囲でそれを図っていくのか、評価の基準っていうのも、話し合わなければいけないと思います。これにつきましては、提案ですけれども、認定法人が集まってのワーキングを継続していただけないかなって思っております。そこで共通の書式の運用の仕方等も、つまり、認定団体同士の連携っていうものをこのワーキングでより深めていって良い認定をしていきたいと思っておりますが、委員の皆様いかがでしょうか、ご意見をいただきたいです。
〇江藤座長 朴構成員から法人の間で認定の視点あるいはアセスメントのやり方も含めて、法人同士の間で話し合いを継続していく必要があるんではないかということだと思いますがいかがでしょうか。小田構成員からどうぞ。
〇小田構成員 書式に関しては、厚生労働省の方でも様々な調査を行ってきているはずです。ある程度のひな形っていうのを作って出していくことでそれに基づいた議論をしていかないと1から作るってものは大変だと思います。
それがゆえに厚労省の方でも調査していますから、それに合った雛形を出していただきたいなと思います。議論しなきゃならないのは、それをもって何を見ていくのかというところに時間を費やすべきだと思っています。以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。続いて、木村構成員どうぞ。
〇木村構成員 使用者の立場から言うと、認定に係る申請書類とかが共通化されていれば。どこの指定法人で、審査を受けても同じような書類を準備すればいいので、使用者だけじゃなくて訓練事業者もすごく手間が省けると思うのでいいと思います。僕が今まで受けた指定法人ではいつも事前に面接や動作検証を一度しておいて、ある程度の状況になって初めて認定試験を受けるというような形になってるので、使用者としてはそういう形できちんと身体的な評価なども事前にしておいて、最後の最後に認定試験を受けるという形できちんとリハビリテーションの観点から審査していただけるとありがたいです。
〇江藤座長 ありがとうございます。吉田構成員どうぞ。
〇吉田構成員 日本作業療法士協会の吉田でございます。
二つお聞きしたいことがありまして、今、書式の申請内容の共通化というようなお話をされているんですが、私は指定法人に関わっているわけではないのでちょっとお聞かせいただきたいんですが、「第3号ホ:身体障害者の意見」というものが添付書類の中に含まれております。これについては訓練を受けた訓練事業者から一緒に提出されるものなのか、それとも使用者となるべき訓練をされている方がご自身で提出されるものなのか。どちらなのかまず一点お聞かせいただけたらと思います。いかがでしょうか。
〇江藤座長 事務局から答えてもらえますか。使用者の方から提出するものなのか。
〇周藤専門官 事務局です。どちらでも構わない認識でおります。
〇吉田構成員 なるほど、承知いたしました。では使用者の方になるべく方がご自身で提出される場合もあるということでしょうか。それは指定法人によって違っているということですか。
〇周藤専門官 そこまでの話になるとこちらでは把握できてないところです。
〇吉田構成員 そうですか。申請書を共通化するということの一つの中に申請方法についても共通化するというのがあった方がいいのかなというふうに若干感じているところがございます。木村構成員、松本構成員にもご意見をお伺いしたいところなんですが、訓練事業者さんの方ですね、訓練している際に不都合が生じたような場合でディスカッションできる場合は構わないかと思うんですけれども。
ディスカッションが何らかの事情によってできないような状況になっているときに、それを使用者側から意見を申請するところが今のところなかなかないように感じていますんで、これをご本人さんから出していただくというのが良いのではないのかなというふうに感じた点がございます。ただ、書くのには負担がかかるというような場合もございますので、そこは使用される方との調整が必要かと思いますが、その点またご議論いただけたらと思いますがいかがでしょうか。
〇江藤座長 ありがとうございます。具体的な申請方法あるいはフォーマット等については今後まとめていくことになるかと思いますけども、非常に貴重な論点だと思います。いかがでしょうか他に。有馬構成員どうぞ。
〇有馬構成員 前回もお話しいたしました。盲導犬もそうだと思いますが、育成団体とユーザーさんの連帯責任というか、育成団体は「その犬が本当にそのユーザーさんに合ってる」のか、「候補の犬に、きちんとユーザーさんの身体能力にふさわしい訓練を受けている」のかという責任を持たなくてはなりませんし、ユーザーさんは自分の補助犬に対する管理をこれはもう盲導犬、聴導犬、介助犬関係なく、しなくてはなりません。社会的にも、ユーザーさんを保護するとか、ユーザーさんの選択肢は大事なんですが、やはり補助犬に関してはユーザーさんの自己責任があります。認定を受けた後の管理は、育成団体から手が離れ、すべての責任をユーザーご自身たちが持たなくてはいけないんですね。でもそのときに、本当にユーザーさんの管理不足なのか、本当は育成団体の訓練が未熟だったのかということもあり、それは連帯責任でやっていかないとならないと考えています。ですので、日本聴導犬協会では提出いただくものは、ユーザーさんと育成団体が連名で署名捺印をして認定試験への申請をしていただいた上で受験していただいています。「受験できるまでの訓練のクオリティに達してる」と、連名でやっていただいてます。毎回申し上げてますが、各々の状況で価格は変わりますが、一例で、補助犬が原因で飛行機を止めてしまうと8000万、電車を止めると2000万の損害賠償が求められる。そういう責任はいつも問われると考えます。訓練はしっかりしていたとしても社会に対する責任、損害賠償を求められるような事故を考えたときにユーザーさんだけが悪いとか、育成団体だけが悪いっていうことは考えられません。連帯で協力して補助犬と暮らしていただかなければ成らないと考え、認定試験受験用の書類は全てではないですが、ほとんど連名で提出していただいております。
〇江藤座長 はい、ありがとうございます。朴構成員どうぞ。
〇朴構成員 なるほど、そういう方法もあるんですね。有馬さんの意見を聞いてその大切さも理解しました。
日本補助犬協会は認定審査会に、育成団体として意見書を出します。そして受験されるユーザー候補の方にもご自分で意見書を出していただきます。双方から認定審査会に出すという方法です。どの認定法人が、どのやり方でやってるのかは今回は全認定法人が集まってますので、それぞれに皆さんが言っていただければ、明確になると思います。先ほどの有馬さんのご質問なんですけれども、責任の所在について、いま一度確認をさせてください。先ほど損害賠償請求という言葉がございました。そういった事例が発生した場合、育成団体と認定団体の責任の割合はどのようになっているのか厚生労働省の方に確認させていただきたいのですがよろしいでしょうか。
〇周藤専門官 ご質問ありがとうございます。今の話だと、我々の方で答えられる内容ではございません。以上です。
〇江藤座長 どうぞ、有馬構成員。
〇有馬構成員 オリ・パラ時の海外からの補助犬受入れについて協力をさせていただきました。結局7名の海外ユーザーから問い合わせがありました。ほとんどの方が育成団体ではなくユーザーご自身での訓練で、どなたにも期間限定証明書の発行はできませんでした。事前に、ADIに加盟する海外の育成団体に損害賠償が求められるような事故の際には、共同責任を担ってもらうということで署名捺印して提出書類を出してくださいとお願いしておきました。育成団体でも共同責任として書類を提出できるユーザーさんにのみ期間限定証明書を出すことにしたんです。海外渡航の保険は少額で、高額な傷害賠償を果たせますので、ユーザーさんと育成団体で支払いはケースバイケースだとは思うんですが、国内外のユーザーさんを問わず、損害賠償の発生するような状況が起こったときに、どうするか指定法人として考えています。
〇江藤座長 はい、朴構成員どうぞ。
〇朴構成員 私の質問がうまくなかったようで。育成団体と認定団体の今の制度上、認定団体がどの程度責任を持つのかということを確認したかったということです。
〇江藤座長 こういった責任問題はすごく重要なことなんですけども、まだ今の段階で事務局の方で実際の事例等の経験も含めて情報が不足してる段階であります。他にいかがでしょうか。木村構成員どうぞ。
〇木村構成員 木村です。先ほどの損害賠償のことなんですけども、今まで僕は3回認定試験を受けてるんですけども、その際にいつも個人賠償保険に加入していることを証明する用紙も訓練事業者に提出しています。個人賠償ができるということが、介助犬を持つことの条件になってると、僕は思ってるので、そういうものも申請書類にあった方がいいんじゃないかと思います。
〇江藤座長 ありがとうございます。松井構成員どうぞ。
〇松井構成員 名古屋リハ松井です。やっぱりこうして皆さんで集まるだけでもいろんな意見が出てきますし、それぞれの意見についてとても勉強になります。一つ目の申請書類のところにまた焦点を絞って、先ほど小田さんがおっしゃっていただいたように書式を決めたときに、どんなところに着目してアセスメントを共通化していくかとか、そのあたりを大事にしながら話していくといいのかなと感じております。以上です。
〇江藤座長 はい、どうもありがとうございます。朴構成員。
〇朴構成員 繰り返しで申し訳ないんですが、認定法人がどの範囲で事業をやっていくのかっていうときに責任の所在というのはとても大切だと思っています。木村構成員は過去3回、個人賠償保険に入ってその証明を出すのが認定を受ける条件って言いましたけれども、当協会では、そうではないんですね。ですからその辺りも含め育成団体の責任の範囲、認定団体の範囲っていうのも決めていかないと、避けては通れないところだと私は思います。これはまた別の機会にでも結構です。
〇江藤座長 川崎構成員どうぞ。
〇川崎構成員 はい、日本介助犬福祉協会の川崎です。損害賠償や個人補償の話が出ましたけれども、犬が貸与犬でありますので貸与犬が使用者の方のお家に行って働く形になりますが、あくまで使用者の方が一緒に行動して使用している間はその方が個人賠償責任に入っていただくように私どももお願いをしております。その場合、育成団体や認定団体に損害賠償が直接責任が分散されてくるというよりは、使用者がしっかりとした使用方法を学んだ上で認定試験を受けて合格する、その認定をしっかり判断して出すわけですから、そこから先は、使用者が個人賠償責任入ってカバーしてくださいねというふうにお願いしております。自動車もそうだと思うんですけども、免許証センターが責任を負うというよりは個人が保険入っていますので、うちはそういうふうにしております。
〇江藤座長 ありがとうございます。責任の所在についてはまた今後詳しく議論したいと思いますけど。朴構成員どうぞ。
〇朴構成員 既に日本では盲導犬が861頭活動してるわけです。盲導犬ユーザーが個人賠償入るのが条件です、ということにはなっていないんですね。万が一何かあったとき、飼い主責任というのはハンドラーつまりユーザーにありますけれども、貸与ですから、その犬の責任は育成団体にも及ぶことがあると思います。ですから第1回目のときに私、盲導犬とあまりかけ離れない、同じ身体障害者補助犬の枠の中で、考えたいと申し上げました。盲導犬は既に基準が見直されてるから今回は除外しますと、介助犬聴導犬でやりますということでしたが、前例を学ぶということも大切なんじゃないかなと思います。ぜひ厚生労働省の皆様にその辺りを牽引していただいて、私達、委員もそちらの方を見ていただきたいと思っています。
〇江藤座長 ありがとうございます。盲導犬では長い歴史があって、介助犬、聴導犬に関してはまだ平成14年ぐらいからということなので盲導犬での実績を含めて検討が必要ということかと思いますけれども。松本構成員どうぞ。
〇松本構成員 はい、松本です。何かあったときの責任所在については確かに大事な問題があって、今後も考えていかなきゃいけないことですし、私達ユーザーとしても何かあったときに全責任を自分が負うのかっていうことを考えると、自主的にでも補償に入るべきかなって気持ちにはなるんですが、そのことを必須とするか、任意とするかっていう話し合いに関しては今回のこの論点の一番の「申請内容の共通化に関して」の討議からは外れてしまって、それだけを話すと本当それだけで2時間終わってしまうと思うので。今回はそのことに関しては置いておかなければ、先に進めないかなと私は思います。正直、ユーザーとしては、例えば責任を負うことになるから認定を厳しくしますとか、認定をしたくないとか、そういうふうに言うような法人だったら、ちょっとお願いしたくないなというのが本音ではあるんですけれども、両輪であるならば訓練も認定もユーザーも、みんなで考えていかなきゃいけない問題だと思うんですが、今回のワーキンググループにおいて特に今、三つ挙げられた論点に関しての話し合いではちょっと一旦置くべきではないかなと思いました。
話を戻して、論点の部分の申請内容についてなんですけれども。今回の参考資料の中の指定法人の運営状況というところの申請書の添付書類ということを7つの指定法人別で一覧になっているのを改めて拝見したんですけれども。法律の施行規則と、認定要領でこういう書類を最低限出しましょうね、というざっくりとした決まりがある中、それをそれぞれの指定法人の解釈が、皆さんやっぱりまちまちで、先ほどの障害者の意見という第三号に関しても、使用者からの意見、使用者意見書として出している法人もあれば、契約書という形で出している法人もあったり。それはかなり意味合いが違ってくると思うんですね。使用者意見書というのも、連名で。ある意味、訓練をしてくれた人とユーザーが連名で、つまり共通認識にまとめたもので出す型式と、使用者個人が自分の意見を出す場合とでは全く意味合いが変わってくると思うんですね。そういう点で、形式上使用者による自己評価を出しているところもありますし、使用者って障害を持つ使用者もまちまちです。
生育歴も障害を負ってからの長さも意識も、皆さんまちまちな中でどのような使用者本人の意見を提出するべきなのか、変な話、訓練事業者からこう書いたら、こういうふうに書いたらっていうふうに言われて書いてしまうってこともなきにしもあらずだと思うんですね。
だからそこをきちんと本人がどう思っているのか、実は本人は自信がなくてまだ不安を持っているんですということをどこに吐露できるかっていうところが、とても大事なんじゃないかなというふうに思うんです。訓練事業者が、「もうこれで訓練終わり、大丈夫よ、認定に行きましょう」と言われても、使用者本人にまだ不安があったりとか、でもそれを訓練事業者に言えないままに認定審査に進んでしまうということもあると思うんですね。だからそういう点できちんと使用者本人が自分が今、最初の訓練に入る前の段階の補助犬持ちたいと思った段階での自分の意見もありますし、訓練の経過を経ての、自分の意見、認定をこれからするよという段階での自分自身の意見っていうのを、訓練事業者とは切り離したところで、申請書類として出すのか、面談などの方法で個別に聞くのか方法はあると思うんですが、そういう意見を聞く場があるべきではないかなと。それが認定にきちんと評価されるべきではないかなと。
やはり訓練事業者とユーザーの関係っていうのは、必ずしも手を取り合ってやって、心底信頼しあってというのは理想の形ですがやはり遠慮があったり、言いたいことが言えないというのも、使用者の立場ではあると思うので、そこを指定法人、認定団体がどこまで汲み取ってくださるかというところは意外にユーザーとしては大事なところではないかなと。それがこの意見書というところの、どのような形で、誰の名前で出すのかということもある程度統一していかなければ意味がないものになってしまうのではないかなと思いましたので、ちょっと共通化の中での項目と内容をどのようにして指定法人が解釈しているかというところを統一していくべきではないかなと思いました。以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。使用者さんがまず中心にあるわけですから使用者さんの意見をどういうふうに申請書類の中にも反映させていくかということかと思いますけれども。いかがでしょうか、このご意見につきまして他の構成員。有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 松本さんのご意見はまとまっていらして、本当に松本さんは素晴らしい方だなと感じています。ただ、日本聴導犬協会のユーザーさんの場合、3頭目の方もいらっしゃいますけど、ほとんどが初めての方で、松本さんのように整理された、経験豊かなご意見を言える方は何人いらっしゃるのかなと一瞬思いました。日本聴導犬協会では、育成団体と指定法人を兼ねている育成団体として、受験を受ける方たちの考えを整理して、作文の提出もしていていただいてますが、やはり初めての方ではなかなかそこまで自分の訓練修得レベルがどうであるとか書ける方がいらっしゃるのかなと。朴さんどうですか。
〇江藤座長 どうですか、朴構成員。
〇朴構成員 育成団体に気を遣うっていうのはあると思います。でも反対に育成団体とは訓練を通して信頼関係があるけど、認定団体には気を遣うという人もいる。いろんな人がいるっていうことだと思います。
一つだけ前回のことで。育成団体と認定団体を兼ねていることは不透明じゃないかという意見がございました。それについては持ち帰って、法人内でも話し合いをしました。ユーザー会の三つの代表の方とも話しました。その結果、認定団体に特化している団体でも、受験する方の犬を訓練した、育成団体の訓練士や関係者が認定審査員に入っていたら、場所が違うだけで同じなわけです。それを不透明でないと証明しろって言われても、証明しきれないと思うんです。なぜこの話を出したかっていうと、そもそも私達補助犬の世界は小さく、介助犬聴導犬なんて60頭、63頭しかいない、そして育成団体も実働している育成団体は、私は10程度だと思うんです。つまり、みんな顔見知りって言うか、本当に第三者評価っていう観点でいうと、みんな「あ、どうも」っていうような仲ですから、しきれないと思っているんですね。私の意見としてお伝えしておきたいと思います。
〇江藤座長 どうぞ、松本構成員。
〇松本構成員 松本です。先ほど有馬構成員の方から、松本さんのように意見を言うことは初めての人だったら難しいんじゃないかというようなコメントをいただきましたが、こんな私でも皆さんの前で話すときはドキドキもしますし、自分が言ってることが正しいのかということはもちろん考えながら話をしてますし、認定審査の場では審査員を前にして、声が震えることも多々あるんです、長くやってても。なので必ずしも、初めての方には難しいというのはある意味ちょっと失礼な話ではないかなと私は思います。初めてだからこそ、そこに専門職が関わることで、その人が自分で気づいていない自分の希望であったり、描いてる生活というものに対してのイメージを引き出すような専門的な関わりがそこにあればいいわけですよね。言葉が通じないとか、コミュニケーション上の困難は確かにあるかもしれません、特に聴覚障害者の場合は。語彙が足りなかったりとか、いろんなところで思うように自分の想いを表出できないときもあるとは思うんですが、それを自分の中でイメージさせ、自分がどういう生活を今後この補助犬と一緒に暮らしていきたいかということを引き出す専門的な関わりが最初のインテークの段階からもそうですし、認定の、つまり訓練をしている中でも、また訓練の終盤で認定を前にした段階でも、そういう意味でも専門的な関わりが必要だということを第一回のとき私はお話させていただいたんですね。
私の場合はある程度キャリアもあり、何回も認定も受けてますし、自分自身も社会福祉士でもあることから、言われないことまで言ってしまったりとかして墓穴を掘ることもあるくらいなんです。ですが、ほとんどの初めて補助犬を持ちたいと思った方にとって、聴導犬がどのような役割を果たすかも実は、全て思い描けているわけではないわけです。それによって自分の生活はどうプラスになるのか、またデメリットはどういうことがあるのかということもわからずに手を上げてる人もいるはずです。そこを組み込んで引き出していくのが専門職の関わりだと思うので、それがない訓練だったり、認定であれば意味がないと私は思うんです。だから私のように言えるからとか、表出できるだけの人ばかりではないということでそれを外すのではなく、表出できるようなものを作っていくべきではないかなと私は思います。26年もユーザーをやっておりますので、言いたいこと言わせていただくんですが、それは個々の問題ではなくて、制度の問題、もしくは組織や環境の問題だと思いますので、その点は誤解をいただきたくないなと思いましたので、ちょっと付け加えさせていただきました。ありがとうございました。
〇江藤座長 ありがとうございます。指定法人に対する申請内容についてご議論いただいているんですけども、利用者さんの意見をどういうふうに反映させるかということでいくつかご議論があって。初めての方、経験のある方ということでありますけども。こういった点について今後内容をまとめていきたいと思います。時間も限られておりまして、指定法人に対する申請内容についていろいろとご議論いただいたんですけども。続いて犬の動作検証方法は。有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 松本さんちょっと誤解されてると思います。というのは、私が申し上げたのは、各々の訓練レベルの段階について、ユーザーさんがどこまでご自身で判断できるのかなということについてだけです。さきほども申し上げましたけれど、ユーザーさんからのお手紙とか文章とかそういうものは提出していただいます。介助犬の場合は、作業療法士とか理学療法士の方にも指導をいただいています。聴導犬の場合は障害者相談員、聴導犬のユーザーさんでもあるんですけど。そういう方がついてます。ユーザーさんの意見や気持ちの洗い出しは、元々行っていることです。ここでは、認定試験でご自身が受験できるレベルかどうか、どなたも不安で、特に初回の方はご自身の段階で受験できるのか、受験はまだまだなのかご自身で判断するのは難しいんのではないか、ということを申し上げたんです。初回の方については特に、育成団体が後押しして「大丈夫ですよ、ここまで行ったら絶対大丈夫ですよ」と、受験していただく場合が多いです。ほとんど皆さん自信がない。そういう意味のことを申し上げただけです。障害者の方の意見を出してるとか、障害者の方と話し合ってないってことは一切なくて、それよりも岸本さんって日本聴導犬ユーザーの会の会長さんですけど、大阪市の障害者相談員でもあるのでそういう方が関わって洗い出しをさせていただいてます。そこはご理解ください。
〇江藤座長 この点に関しましては、この次の次に専門職の役割というところでも関わってくるので、改めてそこでもご意見いただけるかと思います。時間の関係もございますので、続きまして「犬の動作検証方法」についてご意見をいただきたいと思います。小田構成員どうぞ。
〇小田構成員 横浜リハセンター小田です。動作検証の方法に特化した話のように聞こえてしまいますが、認定審査そのものをどうするのかの話ではないでしょうか。認定はおそらく書類の評価があり、動作検証があり、認定審査会があって、そういう構成の中で出来上がってくるものだと思います。そうすると、動作検証は、例えばここで言う「録画もしくはリアルタイムの活用」云々の議論というよりも、認定審査っていうのをどういうふうに手続きを踏んでいって、何をしていくものなのか、どう行っていくものなのかってことを確認しなければならないんじゃないかなって気がしていますが、やり方の違いは様々あるかもしれませんけども、その辺のところって大切かなと思いますがいかがでしょうか。以上です。
〇江藤座長 認定のあり方のことに関わってくるかと思いますけども、犬の動作検証方法と具体的なあのテーマになってますけども、今のご意見も含めてご意見をいただければと思います。木村構成員どうぞ。
〇木村構成員 介助犬使用者の木村です。認定審査の形態っていうものを、小田構成員が言われたように考えていただければと思います。現在の認定審査というのはある程度合同訓練が進んだ段階で、指定法人に行って、相談したり事前のチェックをしたりするんですけども、それではもし合同訓練を受けているのに、指定法人の専門職の方の判断では、この方は介助犬を持つよりも、別の補装具とかの手段を選んだ方がいいっていうふうに選択されてしまうと、合同訓練が無駄になってしまいます。
認定審査の場合に、そういうことを考えると、合同訓練に入る前に、一度指定法人に、審査の相談に行って訓練事業者の専門職の話と指定法人の専門職の話も交えた形で合同訓練に入らないといけないっていうことになるので、その辺のことから決めていかないといけないんじゃないかと思います。
〇江藤座長 はい、ありがとうございます。合同訓練に入る前の手順も含めてということと思いますけど。朴構成員。
〇朴構成員 育成団体ですけど、二十何団体あって、実際育成卒業させて認定まで持ち込めている法人は、10ほどしかないわけですからいろんな団体があります。それはそれで問題ですから、育成団体の育成基準とか訓練指導員の認定基準は、今後、別のところで相当考えていかなきゃいけない問題だと思います。
その上で、育成団体の中に専門性が必要なわけですよね。ですから、木村さんが育成団体でOKだったけれども認定団体に行って駄目って言われたら困るっていうところは、育成団体の方に勉強してもらわなきゃいけないわけです。ただ、反対もあるんです。認定団体がOKしても、育成団体がマッチングの問題で、いえ、この方に貸与する犬はうちにはいませんと。なぜならば、盲導犬を例に上げて言いますと、皆さん盲導犬は同じだと思われてるんですけれども地域によって違うんです。海外で言えばオーストラリアとかニュージーランド歩いてる犬と、ニューヨークのマンハッタン歩く犬。つまり日本でいうと、東京とか横浜とのどかな地域では選ぶ犬も違います。それぞれいい犬なんですけど。周りの環境によって求められる資質が違うんです。介助犬も聴導犬も郊外であればもうちょっとアクティブな犬、大きい犬も出したいけれども、特にレスキューしている犬は、長野の有馬さんのところであれば、中型犬もいっぱいいると思うんですけど、日本補助犬協会は、横浜市の動物愛護センターからレスキューしていくので、その犬の中にはチワワという小型犬もいるんです。全然違うんです状況が。ですから、木村委員が育成団体がOKで、認定団体で駄目って言われたらユーザーが困るんですというのはその通りだと思います。でも、その反対もあるんです。念頭に置いていただきたいと思います。
〇江藤座長 はい、小田構成員どうぞ。
〇小田構成員 今の朴さんの話の前に木村さんの話で少し話したいと思います。3団体の方は訓練事業者と認定が一緒だということで、リハセンター系列の人たちは同じやり方をしていると思います。介助犬・聴導犬の相談は、合同訓練に入るもっと前の段階から相談を行っていくし、相談を行った結果としてこの人の障害の状況について、専門職もしくは医者がきちんと評価をして、それに基づいて訓練事業者にもこういうようなことに配慮してほしいと依頼をするはずです。
その後、合同訓練をやっていく中で、合同訓練の一部を見せてもらうとか総合評価を一緒にやるとかして、その次の段階として認定に入っていくというような手順を踏んでいると思います。そういう形でやっていくためには、ご本人達のきちんとした評価に基づき訓練事業者ともやりとりしながら進めていかなくてはならなくてはならないはずで、それの専門機関が行える認定のあり方だと思っています。名古屋・兵庫・千葉それぞれいかがでしょうか。
〇江藤座長 それでは飯塚構成員、どうぞ。
〇飯塚構成員 はい、飯塚です。今の小田構成員がおっしゃったように、リハセンターどこもそうだと思うんですけど、事前に面談というところで、私どもであれば、私と社会福祉士、他にもPOTは最初に確認をさせてもらって、本当に本人さんが補助犬を持ちたいかどうかいうのも確認しながらお話して、体の状態を確認して、本当に犬じゃなければできないということもあるだろうし、物を使ってできることもあろうかなというところは作業療法士とか理学療法士とか、私達も今所属しているのが身体障害者の訓練施設になりますのでその辺どうなのかなと犬以外の方法も選択肢として、ユーザーに提案をさしてもらっています。それでも犬を持ちたい、補助犬を持ちたいということであれば、次に進める形を取らしてもらってます。
先ほどの松本構成員からもありました、ユーザーのプラスの面とか、マイナスの面も引き出しながら、本人に選択していただくのが非常に大事なのかな思いますので、最初ご相談に来る前は育成事業者さんと関係性を持った上で来られますんで、補助犬を持つっていう視点で来られますんで、違う視点を持つことで補助犬を持つのを止められたという方も中にはいらっしゃいます。ですから、他の認定事業者もリハセンター系は同じかと思うんです。面談をして、その上で合同訓練に進んでいただいて、なおかつ最終的に認定試験というところでさしてもらってます。兵庫の場合はこのようになっております。以上です。
〇江藤座長 森戸構成員、お願いします。
〇森戸構成員 千葉リハの森戸です。小田構成員と飯塚構成員がお話した通り、うちも同じようにやっております。内容は重なりますので省略しますが同じようにやらせていただいております。以上です。
〇江藤座長 それでは松井構成員、どうぞ。
〇松井構成員 名古屋リハの松井です。皆さんがおっしゃっていただいたような形で名古屋の方もやっております。また、最初の相談についてもオンラインをどんどん導入していければというところもありますが、やはり評価とか、きちんとしたアセスメントは実際にお会いしてきちんと見させていただく必要はあるかと思います。それも含めてどのような形でやっていくのがいいのかとか、具体的な方法をしっかりと皆さんで話し合って固めていけるといいかなと思っております。以上です。
〇江藤座長 それでは有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 元々、補助犬は、リハビリだけではなく「生きてくため」のものだと私は考えています。それも「当事者主権」で障害者の方が選んでやっていくものだと考えています。以前、厚労省の方にご訪問いただいて、初めて私も気づいたんですが、日本聴導犬協会で貸与した介助犬が今、6頭活躍しております。そのユーザーさんたちのほとんどが難病の方だったんですね。その中の何人かに他の育成団体さんで貸与するか否かの審査において、難病だからという理由で、リハビリとは関係ないと断られた方がいらっしゃいます。それでも、その方たちの意思がすごく強くて、あきらめずに介助犬と暮らすことで「生きるエネルギーが欲しい」と、日本聴導犬協会に貸与申請をされました。難病なので、リハビリはそれほど受けられてません。当協会でも、貸与するかどうかの決定には、作業療法士も理学療法士の方も入っていただいています。ただ、貸与するか否かという決定については、障害のある方の意思や選択がすごく大事だと考えています。さっき木村さんがおっしゃった「相談に行ったら他のものを勧められる」っていうのは勧めてもらうのはいいんですけど、それを強いられるのは「人権侵害」なのではないでしょうか。
〇江藤座長 犬の動作検証方法について、一つ。先ほどありましたけども、録画やリモートを使うというような方法論についてもご議論いただきたいかなと思ってもおりますけどいかがでしょうか。朴構成員、どうぞ。
〇朴構成員 リハセンターの方のお話、わかるんです。でもそれって従来のリハビリの流れというか、皆さんはその現場にいらっしゃるので。介助犬については、なるほどと思うところもあります。
でも、盲導犬や聴導犬そして介助犬使用者でも、リハビリを離れている、障害が固定して医学的なリハビリテーションから離れてる人もいらっしゃっる。それを評価で、入り口をリハセンターに戻したらどうかっていう意見も、前回あったようですけれども、それはやっぱりメリットとデメリット両方あると思います。いろんな情報があっていいですよねっていう意味では、イエスです。でも、その情報は、育成団体にもあるんです。それでなくても新たに補助犬と生活する生活様式が変わるという、いろんなハードル、変化があるときに、一つリハセンに戻るっていうのは、私はハードルに感じるところもあると思うんです。
ですから、そういう入り方もあるし、育成団体の入り方もある。
私は先ほどの盲導犬ユーザーの話にあった、保険や、使用者との契約、委託事業のときの(責任の)所在とか、そういうところは3種類同じで良いと考えます。けれども、介助犬ユーザーの医学的なリハビリテーションと聴導犬ユーザーを同じに考えるのはよろしくないんではないかなと思います。
2番の動画のリモートはあまり形を決めずに、大いにやっていって、それを情報共有するために先ほど申し上げた通りこのワーキングを継続するとか、任意で厚労省がまとめてくださった書式や運用方法について話し合うとか、評価の仕方についてお互い勉強するとか、そういう尽力をしたいと思います。
〇江藤座長 ありがとうございます。佐藤構成員、どうぞ。
〇佐藤構成員 いろいろご意見を伺わせていただいて、考えさせられるところいっぱいですが、PTの佐藤です。今のお話いろんなことに論点がいっちゃってるなっていう気がしていますが、朴構成員がおっしゃってるように、前回の誤解があったかもなって後悔もしてるところですが、リハセンターに戻せという話をしていたわけではなくて、最初の入り口のところで、介助犬とか補助犬ありきの話だけで進んでは最終的に利用者さんのメリットだけに繋がるのかというのが心配だっていうことでお伝えしました。なのでリハセンターに戻せ、という話ではなくて、最初のインテークのところで補助犬以外のものも含めて情報提供が十分にできて、その上でそれぞれの補助犬を生活の中に入れるということで合意ができれば、進んでいくということでいいのかなっていうふうにPTですけど思っています。
もう一つ、認定審査の話が出てますけども、認定審査がどういうものか、何をすべきところかっていうところが、共通になれば木村構成員がおっしゃったような不安はなくなるのかなと思います。
育成団体と一緒に学んできて、調整をしてきて、これでいけるっていうふうになった。
そこで認定審査会は何をするのかということが、皆さんの共通になっていないので木村構成員の不安になるんじゃないかなと思ってます。
私は認定審査に関わることもあるんですけれども、一つ一つの細かい介助動作を、これは生活に必要なんでやりますというふうに聞いて動作の確認はしていますが、一番大事にしてるのは、ユーザーさんと補助犬のマッチング、コミュニケーションがちゃんと取れてるか、コントロールできてるかっていうところが、認定審査会で一番重きを置いている点です。動作検証もするので、そこは評価の基準を変えて立ち会うということになりますけど、そうすると介助犬に対して今更何か違う道具であってという話にはなかなかならない。認定審査のところではマッチングということになろうかと思います。そうすると、動作検証では何を確認するかっていうと、動作の確実性ですとか、この障害の人にこういう動作の形でいいのかっていうところを理学療法士としては見てしまう。
そこに修正を入れたりとかお願いすることはあります。右からじゃなくて左からお願いしますとかですね。すでにその前に訓練の段階で助言をすることもあるので当日っていうのは少ないですけどそういう視点で見ることになります。なので、そういうことを考えると動作検証の方は、動画を一部導入してもいいように思っています。必ずしも実際の動きを見なくても、確実に動作ができているというところの確認ができればいいんですけど。そこの確率の問題ですね。訓練の最後のところ、100%できているのか。20%なんだけど、動画ではうまくいったところが提出されてます、っていうようなことになると、動作検証が成立しないと思うんで、そこのルール決めをして守るっていうところも検討の中に入れる必要があるかなっていうふうには思ってます。以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。動作検証の項目だけではなく、その中身ですね。それからユーザーさんは1人ひとり違っていて生活の中での活動をどうやって拡大していくか、生活のサポートにどれだけパートナーとしてやっていけるのかということも含めて動作検証、いろいろ項目があるんだろうと思いますけれども。朴構成員、どうぞ。
〇朴構成員 皆さんそれぞれ専門家なわけです。私も専門家だし、犬の訓練士も専門家なんですね、それぞれ深いわけです。認定審査会のときの動作検証なんですけど、例えば今、確実性とおっしゃいましたけど、ビデオでも当日でも100%完璧にできたらいいですよね。
でも、新しいペアは、盲導犬の場合はユニットって呼んでるんですけど、ユニットは完璧にできないんです、まだ。卒業して、1か月、3ヶ月、6ヶ月、1年、育成団体がベタ付きしてやっと初心者マークが取れる。ですから、認定審査会のときに失敗する場合に、認定審査会のときに犬が座りました、伏せました、何かを取りました、音を知らせました、っていうのが「できた」「できない」という評価であれば、専門性はいりません、誰でもできます。でも、人が緊張するし、それが犬に伝わって、その時犬が緊張してできなかったときに、犬が緊張すると多動になる犬と固まる犬と両方います。その右か左に行くのかで、おだてるのか、抑制するのかっていうのも対応が違ってくるんです。ですから、動作検証っていうのは、犬の動作検証というのはものすごく難しくて、チームの中で経験のある訓練士、指導員っていうのがものすごく大きな発言をするわけなんです。誰が見てもうまくいったケースは難しくないんです。
法人の定める合格ラインがここだとしたら、当日はこのあたりだったときに、これはもともとできてないのか、このユニットだったら上がっていくんだとか。それは育成団体に対しても同じで、この育成団体だったらできるだろうとか、この育成団体はやらないから認めないとか、があるんですね。
ですから、今検証の仕方について、リハの観点からという言葉が今まで何回も出てきてますけれども、リハの観点から見ることも当然大事。でももう1つ、有馬さんが言ったように生活の中での補助犬というところ、医療を外した中での補助犬の役割っていうことも念頭におかないと、何か私はアンバランスな気がします。
〇江藤座長 それでは川崎構成員。
〇川崎構成員 介助犬福祉協会の川﨑です。話を伺って、犬の動作検証方法について、私の意見、アイディアというか思ったことがあるんですけれども。朴さんがおっしゃるように確かに認定試験とか緊張してできないケース結構あると思うんです。
本来、介助犬を使用するときって本人が生活の中で自然体の中でうまく息が合ったときに段々できていく、成長していく。1年2年3年と経っていけばもっともっと成長していくものなんですけれども。試験だから、いろんな人が評価するために見に来たり、そういうのは仕方がないと思うんですけども。身体障害を負ってしまって、心の問題、生きる上で問題を乗り越えてきてる方で、多少引っ込み思案の方もいらっしゃいますし、いろんな方いらっしゃいますけども、私なんかも緊張する方なのでこうやって皆さんの前で話すだけでもうまく喋れない、そういうことありますけれども、なるべくそういった自然体をしっかりビデオで動作を撮影できれば、そしてそれが検証に使えればそんなに問題はないのかなと思いますので。あともう一つの問題は、そのビデオは誰が撮るかっていうことだと思うんです。私のところは育成と認定を両方やってるので、同じ立場であるので特に問題はないんですけれども、育成団体の方が撮って編集しますと、それを例えば認定団体に持ち込まれても、確かにそれは本当にどこまでできるのかわからないよねっていうのがまずありますし、一度ありましたけれども、訓練事業者の方と使用者の方が認定試験にいらっしゃったときに、最終的にお話したら、訓練事業者の方のお話がとてもちぐはぐだったり申請書には書いてあることと違ってたり、実際はユーザーの方も試験で緊張して全然できなかったりとかそういうこともありましたけれども。ビデオを誰が撮るかっていうのもすごく認定団体にとっては問題なんですね。
コロナウイルスで例えばお医者さんが忙しいから認定試験に行きづらいとか、日程調整が大変とかそういうのもあるのでビデオの活用はぜひした方がいいと思うんですけれども。その撮影や検証方法は、例えばご自宅にカメラを設置させていただいて、その部屋には犬とその方だけがいらっしゃって、決めた項目を部屋の中でやってもらって、それを3分なら3分の中で、どれだけの確率で成功できているか、そういうのをご覧いただくことはできると思うんですね。屋内は可能だと思うんですけども、屋外に限ってはなかなかそういうこともできないと思うのでそれはまた議論しなきゃいけないところであると思うんですけども。こういうふうに、もう少し具体的に意見を出していけたらいいんじゃないかなと思いますので、他にいいご意見をお持ちの方がいらっしゃったらどうぞ発言をお願いいたします。
〇江藤座長 録画を利用するということについては良いことだけど、具体的に誰が撮るか、どういうふうにするかっていうことについては今後もっと詰めなくてはということだと思いますが。はい、小田構成員。
〇小田構成員 横リハセンターの小田です。リハビリテーションに対する誤解があるのではないかなって気がします。多分リハの専門職は理解していると思いますが、医学的リハビリテーションがリハビリテーションではなく、社会リハもあれば職業リハもあれば、本人の生活を作り上げていくのがリハビリテーションであって、その関わりをしていくってことについての理解を持っていただきたいなと思います。それから佐藤構成員が言っていたことですが、「できる」「できない」の評価というよりも、マッチングであって、その人との関係性をきちんと見ていくっていうスタンスで評価をしていくことだと思います。たまたまできなかったとしてもこれはたまたまであって、本来ならばこの関係性からいけば可能性があるってところをちゃんと見ていく視点というのを持っていくことが大切かと思います。
それからさっき言ったようにビデオの関係では、気になっているのは、録画したものだけでは、ご本人たちとのやりとりができなくなってしまうので、やりとりができる状況は作った方がいいかなって思っています。ご本人の意見もありますし、そういうのを聞きながらできるようなものを加えていく必要があるのではないでしょうか。以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。木村構成員、どうぞ。
〇木村構成員 介助犬使用者の木村です。使用者としてすべての動作検証をビデオにしてもらいたいとは思ってないですね。介助動作が少しぐらいできなくても、家でやることなので、そんなに困らないんですけども。どちらかというと、社会参加した時に、電車に乗ってるときとか、レストランや病院に行ったときに問題が起きると、すごく大変なことになりますので、そういう社会参加の場面は実際に電車に乗るとかの動作研修をしなければいけないんじゃないかというふうに、僕自身は思っています。ですから、家での介助動作も先ほど言われたように、いいところ撮りしたものでは意味がなくなりますけれども、家の動作ぐらいは、事前に審査委員の代表の方が行って、実際に家の環境とかも一緒に見ることで、障害者にとって介助犬が負担になってるかっていうことまでも見られるので、家の動作検証はビデオで可能じゃないかというふうに思ってます。以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます、ビデオを使うにしてもそれですべてが完結できるわけではないと。部分的にどう使うかっていうことは今後もう少し詳しく詰めていく必要があるということかと思います。これまで専門職の役割も含めてお話いただいておりますから、リハビリという言葉自体が日本では訓練という意味で普及してしまった懸念がありますが、もう少し広く社会参加、生活の活動拡大していくという意味があるということは皆さんご存知のことと思いますけど。有馬構成員どうぞ。
〇有馬構成員 日本聴導犬協会では動作検証だけとは思ってはおりません。何か起こった時、うまくいかなかったときの「ユーザーの管理能力」をチェックしてます。朴さん、川崎さんがおっしゃったように受験時にはユーザーさんも、候補犬も緊張してます。リードは「へその緒」と同じなので、ユーザーさんの緊張も全部犬に伝わってますので、100%なんてことはありえない。ありえないんですが、それをその場でユーザーがどのように管理して、どのように持ち直して、やり直させるかということが大事なポイントであって、「動作検証」だけに重点を置くのはちょっと認定試験の査定とは違うのではないでしょうか。(重要なのは)ユーザーさんの管理能力であって、私達はグライダーの牽引役と変わりません。ある程度になったら「ユーザーさん、頑張って社会へ行ってください」というスタートラインでしかない。とすると、ユーザーさんが何かあったときに、どれほど持ち直させるかっていうことの方が大事だと思います。なので、認定試験が「動作検証」だけのようにとらえられるのは、私には違和感があります。日本聴導犬協会では「ユーザーの管理能力」ということで査定させていただいております。すごく良い訓練ができた犬でも、ユーザーの管理能力が低ければ落ちますし、逆にこの子ヘタレだけど大丈夫なのかなと思っていたら、ユーザーさんのことを守りたくてものすごいしっかりした介助犬になった例もあります。それはマッチング、ペアの力なので、そこがポイントではないでしょうか。皆さんどうですか。動作を見るだけでしたら、育成団体でいいと思うんですね。指定法人の役割は、ユーザーさんの管理、ユーザーさんが社会に出たときに、どこまでちゃんとした補助犬として社会に認めてもらえるかと、いうことだと考えますけど。
〇江藤座長 マッチングの観点でユーザーさんの管理能力が重要なんで、検証方法あるいは項目はいろいろあるだろうということだと思います。ユーザーさんの管理能力をどう評価していくかも含めてとても大切だというご意見と思いますけども。専門職の役割も含めてですね、これからまた議論を続けたいと思いますので、いかがでしょうか。松本構成員、どうぞ。
〇松本構成員 はい、松本です。この論点の三つ全てにまたがってしまうことだとは思うんですが、認定審査会が補助犬誕生までにどこから関わるかというところだと思うんですね。ある程度訓練が終わって、それがちゃんとできるかどうかっていうことを審査するという意味で認定するという考え方なのか、そうではなくて、最初に補助犬との暮らしを考えた障害ある人に対して補助犬という道だけではなくていろんな選択肢も含めて情報提供をして、それでもやっぱり補助犬との生活をしたいという人に対してのサポートを継続的にして、もちろん訓練事業者との連携もしながら、本人の話を聞きながら、ときに軌道修正をしながら、最終的に社会に出る一歩手前で本当にこのペアを社会に出していいかということのお墨付きを出すところまで全部を通しての認定なのだと私はずっと思っていたんですね。
だから試験に合格するかどうかの最後のテストだけっていうイメージは全くなかったので、途中で困ったことがあったり、不安があれば訓練事業者だけではなくて、認定法人に話が行くこともあるでしょうし、訓練事業者さんがちょっと困ったことがあって認定法人の方に相談することもあるのかなっていうふうに思いながら、ずっと訓練の入り口から合格が出る最後まで関わっていくのが認定事業だと思っていました。
その中で専門職の方関わりっていうのももちろんありますし、特に聴導犬を希望する聴覚障害者の場合は、先ほども何度か出てますが、リハセンターというところと縁がどうしても薄いので、最初の入り口が訓練事業者になるということがやっぱり多いんですね。訓練事業者に相談をすると、そうするとその時点で補助犬ありきになってしまうところはありがちなのかなっていうふうに思うんです。
そこで訓練事業者が「他の方法の方があなたは適してるんじゃないですか」っていう提案をするということはあまり想像できなくて。
そこで、リハセンターに戻すって言い方があったんですけど、リハセンターに戻さないまでも、専門的な関わりをそこで持ってほしいということ繰り返しお話していました。なので、認定というものが果たしてどういうものなのか、どこから関わり、どこまでがゴールなのかと、もちろん認定した後も関わりを持ち続けていかれると思いますので、そこの感覚がもし、今まで認定試験をして合格証を出すだけっていうイメージからは切り離していきたいなというふうに思います。
ビデオの検証とか動作検証、私は使用者さんの管理能力、「管理」って言葉に私はちょっと引っかかる部分はあるんですけど。確かに補助動作によってその障害者の生活、クオリティオブライフが上がるかどうか、生活の安心とかゆとりが出てくるかどうかという補助動作の検証、ちゃんとできるのかどうかってことの検証も一つの柱ですけれども、先ほど話も出ましたように、社会に参加し得るペアなのかという検証というのもとても大事だと思うんですね。家の中で仕事をするときにちょっと失敗があってしまったりとかしても、そこをリカバリしていくチャンスもありますし、方法もあると思うんですが、社会に出ていって補助犬に理解のない人もいるような社会の中で補助犬とユーザーとして社会参加していけるかどうか、ということを認定の段階でチェックしていただきたい。それによってそれをクリアしたということが私達ユーザーにとっても自信と責任を感じていくことになると思うので、「訓練しました、はいどうぞ」ではなくてきちんとした認定審査を経て、自分たちは自信を持って社会に出ていこうという気持ちにも繋がり、そこに責任感も生まれてくるのかなっていうふうに思うので。動作検証というのは、聴導動作の検証だけではなくて社会参加の検証という点も並行して入れていっていかなければいけないんではないかなというふうに思いました。以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。「社会参加を拡大していく」そういった視点からの検証、とても大切だというご意見かと思いますが総括的なご意見も含めていかがでしょうか。朴構成員、どうぞ。
〇朴構成員 話が戻って申し訳ないんですけれども、小田さんが言ったリハの定義については私も理解してると思っています。私は盲導犬の指導員なので、仮にですが、そうなったとしたらやっぱり盲導犬の方も同じような扱いになるんですか?
〇江藤座長 いかがでしょうか。小田構成員のご意見に対するご質問のように感じたんですが、小田構成員、いかがでしょうか。
〇朴構成員 そのリハの人たちとの関わりということで今話が出てるんですけど。先ほども申し上げた通り、私は医学的リハという言葉を安易に出してしまったので、誤解を与えたかもしれませんけど。リハとの関わりとか専門員との関わりっていうときに、盲導犬のときも同じように皆さんお考えになられているのかどうかをお尋ねしたいと思ってるんですが。
盲導犬は育成団体が認定をしています。介助犬、聴導犬については認定団体が入り口のところから犬ありきじゃなくって、あなたにはこういう方法があるんじゃないですか、とか、その情報もいいんですよ、必要なんですよ。でも一方で、さっき有馬さんがおっしゃったように、犬の管理能力、つまり意識も大切ですよ。犬を愛護する気持ちとか、私達、犬のプロはその人が最初に介助犬、聴導犬興味がありますっていらっしゃったときに、その人の今までの犬の飼育歴とか日常の会話とか、そういう中からその人がどういうような価値観を犬に持っているのか、中には、犬をほしいという言い方をしてくる人(がいます)、そういう人には渡せないわけですよ。今日はここまでにしますけれども、盲導犬の事業をしているものの感覚からすると、あくまでも育成団体が育成に責任を持つ、フォローアップもする。(認定団体が)年に1回きちっと調査して問題があったら、育成団体に言って、育成団体がフォローアップする。認定団体がフォローアップするんですか、これから?育成の入り口のところから関わって、出口まで、当然フォローアップまでするんですかって話なんですよ。育成団体のクオリティーが補助犬のユーザーの満足度にもQOLにも直結すると私は思っているので、いかに日本の介助犬、聴導犬の育成団体を認定団体になりうるような、団体にしていくのかというのが、私は大切だと思っております。
〇江藤座長 はい、認定団体で育成団体の育成養成充実ということが大きな課題であるのは確かだと思うんですけど。認定要領の見直しに係る議論というところに焦点を戻して。松本構成員どうぞ。
〇松本構成員 認定した後のフォローという点では、確かに犬の訓練としてのフォローは育成団体がするとは思うんですが、認定をしてくださった指定法人も状況をきちんと定期的に把握をしていただいて、その後認定の状況が継続されているのか、それは犬に対しての問題点もそうですし、そのユーザーである人に対しても評価も必要だと思うんですね。認定試験の時は良かったけれども、1年経って状況を把握、それは訓練士がではなくて、認定法人がきちんと状況を把握して、このペアは1年前の認定試験のときはきちんと機能していたけれども、これはもう社会参加に値しないということがあれば、すぐ剥奪ではなくて、きちんと訓練事業者へのフォローであったり、ユーザーへのフォローという経過をたどって、このままでは駄目ですよっていうことをきちんと評価するのが認定団体の役割であってほしいと私は思っているんですね。
実際に評価を得て、訓練事業者がフォローをするのかしないのか、ユーザーが心を入れ替えてやるのかどうかは、その次の段階であって、それをしなければ、もうこのまま認定状態、補助犬としては認められませんよという権限があるのも認定事業者。ある意味、社会に出すお墨付きを与えたからには、そのお墨付きの効果がきちんと継続されてるのかということを認定事業者としてきちんと評価すべきではないかなと。そこは訓練をするのもやり直しをするのも本人たちかもしれないんですけれども、そこは認定団体のきちんとした評価が必要だと私は思うので、意見させていただきました。
〇江藤座長 松井構成員、どうぞ。
〇松井構成員 名古屋リハの松井です。こうした場でいろんな意見交換できるのは本当にすごくいいことだなとは思っています。動画の活用だけに絞って意見を述べさせていただきますと、名古屋リハとしては審査の時はリアルタイムでこうしたZoomで実際にやりとりしながら評価する形が望ましいかなとは思っています。ただリアルタイムで評価ができない部分、商業施設だとか電車の部分だとか、その時間帯や環境で設定できない部分は事前に録画したものを認定審査のときに審査員で確認ができればと思っています。ただそれを誰が録画すればいいのかという、先ほどのご意見でもありましたけども審査の代表の人が撮るのはもちろん透明性で言えば、一番いいことだとは思います。しかし、県外からの申請者の場合、コロナ禍で県をまたいで行き来ができなかったりする場合とかも含めて考えると、例えばなんですけども、行政の方はなかなか登場されないっていうのもあって、都道府県の福祉課の人に間に入ってもらう形も良いのではと思っています。商業施設とかにも一緒に入ってもらって、実際にユーザー希望者の方がどういうことで困っているのか、社会の問題とかも一緒に見ていただくと良いのではと思います。実際にすぐ解決できるかはわからないですけれども、行政の方にも入っていただきながら、補助犬について知ってもらいつつ、広報の仕方とか一緒に考えていきながら、より良い方法を作っていけると良いのでは、というように感じています。以上です。
〇江藤座長 はい、ありがとうございます。朴構成員、どうぞ。
〇朴構成員 2点あります。1点はフォローアップの件ですけれども、補助犬のユーザーの方って認定団体の近くにいないですよね。実際にフォローアップに行ったり、責任を持つのは育成団体なので、松本さんがおっしゃったような相談が普段からできる育成団体との信頼関係の構築っていうのがあって初めて成り立つのがフォローアップなんですよね。
ですから、言葉はちょっと語弊ありますけど、育成団体を信じて共に育っていくというかそういうことをみんな望んでるんだと思います。そのためには規制をかけていくということではなくて、規制があってはならないって思っています。
最後に3番目の専門職の役割についてなんですけれども、まだまだ育成団体って体制も整っていない小さいところが多いんですよね。年間数百万でやってるところもあるんです。そういった団体が、やりたくてもやれないところの一つの中に専門職とどうやって関わっていいのかっていう問題があります。ですから、提案ですけれども、OTとかPTの方とか資格者の方に、先生がたの団体さんの方に、補助犬についての講習を受けていただいて、認定審査会に参加、協力できるような知識を得た先生方の連絡先を厚生労働省や認定団体のホームページなどにアップをして、育成団体がアクセスできる(ようにする)育成団体が近くにこういう先生がいたなと連絡を取れるようにする。法人と先生方とのマッチングもあると思いますが、そうやって連絡が取れるようにしてはどうかと思います。
そのときにくれぐれもお願いですけれども、その講習を受講した先生でないと認定試験に参加できないとかそういった規制になると、またハードルが上がってしまいます。今育成頭数が伸び悩んでるときには規制は時期尚早だと思いますので、もっと柔らかく応援、ご協力いただければと思います。業界団体で補助犬の講習を受けてくださいとか情報発信していただくことで、潜在希望者にもその方々を通して情報が行けばいいと思いますので、そういう提案をしたいんですが、皆さんいかがでしょうか。
〇江藤座長 はい、補助犬のことについて、専門職の役割はとても重要ではあるんだけども、専門職団体の間で介助犬、聴導犬にしてもどの程度知られているのかということも含めてのご意見かと思いますが。有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 三つあります。一つは、動画のポイントなんですけど、日本聴導犬協会ではアメリカとイギリスの認定式試験のようにパブリック・アクセス・テスト、つまりさっき言った社会参加っていうので、(ショッピング)モールに行ったり、電車やバスに乗ったりとか、そういうのを全てパブリックアクセスと言うんですが、それのチェックをしてます。そのビデオ撮って見ていただく。自宅での補助動作ももちろん撮っています。直に補助動作をお見せできない場合は、木村さんがおっしゃったように、自宅でどういう作業をしているかという動画も撮って認定員の先生たちにお見せできます。
二つ目が、訓練に関する動画を撮りに行くのは、専門官の中でも補助犬訓練士でなければ、撮影のポイントは訓練士でなければわからないんですね。朴さんは、すごくポイントを見抜く力がおありになると思うんですが、犬に精通した人じゃないとわからないシグナルっていうのがあって。私は朴さんと一緒に行ったときに「あの人警察犬の訓練してるわ」っておっしゃったことがあって、私にはどなたが警察犬の訓練している方なのかわからなかったんですが。やはり、そういう方が行かないと撮影は無理なんです。見抜けないんですね。
三つ目なんですけど、育成団体への支援としてもコロナでまだ企画中なんですが、元国リハの理学療法部の部長でいらした「岩崎先生を囲む会」というのを企画しています。介助犬ユーザーさんたちに来ていただきますが、育成団体でも興味のある方には呼びかけて参加してもらえる会を計画しています。朴さんがおっしゃったように、良い育成団体が増えることはユーザーにとっては利益になるので、そういうお手伝いをしていきたいと考えています。ぜひ皆様もよろしかったら出ていただけたらと思います。ありがとうございます。
〇江藤座長 ありがとうございます。小田構成員、どうぞ。
〇小田構成員 もう時間がなくなってしまいましたが、今動作検証の話としていますが、3番の専門職の話にちょっと踏み込んでいくと、それぞれ専門職がどんな機能やどんな役割を果たしていくのかってことをもう少し明確にしておく必要があります。そういう人たちがいるが故にそれをどう使っていくのかっていうところがないといけないかなと思います。今日はそこまでの議論はできないかもしれませんけども、例えば理学療法士だったらば何を見るのか、言語聴覚士だったら何を見ていくのかっていうところが当然あり、そこが大切な視点になってきます。それを認定審査の中に入れ込んでいくということを明確にしなくてはならないと思いますので、今後の継続課題かなと思っています。以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。専門職もそれぞれありますけれども、専門職ごとに役割をもう少し明確にできればということかと思いますが、いかがでしょうか。木村構成員、どうぞ。
〇木村構成員 介助犬使用者の木村です。前に戻るんですけども、申請書類の中に各訓練途中での専門職の評価とか、判定をした書類を出すことになってるんですね。朴構成員からお話があったように、現在介助犬は60頭いるんですけども、実働犬のいる訓練事業者は9団体しかないんですね。その中には理学療法士や作業療法士などの専門職の方に常に協力してもらえる団体もありますが、協力してもらえない団体もあるんですね。そういうときにその書類を作ろうと思っても、書類が作れない団体があると思うんですけども、これを指定法人に相談に行ったら、指定法人の専門職の方が総合評価とか、判定をしていただけるんでしょうか。そうしていただけると今の弱小の介助犬育成団体でも書類の提出ができるようになると思います。
〇江藤座長 佐藤構成員、どうぞ。
〇佐藤構成員 専門職という言葉が中途半端に動いてるなっていう気がしています。皆さんの中で、専門職っておっしゃっているのがPT、OT、STだとすると、それはリハビリテーション専門職というのが正式です。朴構成員もおっしゃってましたけど、犬を育成するのも専門職だと私は理解しているつもりで、認定審査も検証も訓練も関わっています。また、社会福祉職の方も声を聞く調整をするという意味では立派な専門職です。ここのペーパーの中には審査員(専門職)と書いてあるので、それぞれの専門職が何をするかっていうことが必要なんじゃないかなって思っています。なので、そこを共通化しないとPT、OT、STだけが足りない、どこの施設にもいないかもしれないので、いるところは…みたいな話になっちゃうのかもしれないですけど。これは日本の補助犬を見守る専門職が、これだけいるので、リハビリテーション専門職ということではなく、それぞれの専門性をどう生かすかっていう話を3番では今後していければいいのかなというふうに思います。以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。専門職は単に専門職って書くと、確かに捉え方によってかなり狭く捉える方もあるし、今のご発言の通りだと思います。今日は認定要領の見直しということで、ワーキングの2回目なんですけどいろいろとご意見をいただきました。今後いただいたご意見は整理していくことになりますけども、最後に一言だけでも言い忘れたという構成員の方おられましたら、どうですか。よろしいでしょうか。司会の不手際があって、少し議論が散乱してしまった側面もございますけれども、認定要領に関わるいろいろな課題があるということがはっきりして、今日いろいろなご意見をいただいたことで、大変ありがたく感じております。本日のワーキングにつきましては、ここまでとさせていただきたいと思います。事務局の方で今回の議論を踏まえて、次回の資料等の準備をお願いできればと思います。それでは事務局の方へ、進行をお返しいたします。
〇大城補佐 江藤座長ありがとうございました。また構成員の皆様にはご多忙の中ご出席並びにご意見をいただきありがとうございました。次回の第3回認定要領の見直しに係るワーキンググループは9月24日金曜日13時から15時にWebで開催予定です。本日ご議論いただいた内容を踏まえて、事務局で資料を取りまとめさせていただきます。本日はありがとうございました。
 

照会先

 

障害保健福祉部企画課自立支援振興室