第28回労働政策審議会人材開発分科会 議事録

人材開発総務担当参事官室

日時

令和3年8月25日(水)10:00~11:00

場所

WEB会議

議題

  1. 1 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
  2. 2 その他

議事

議事内容

○武石会長  おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第28回労働政策審議会人材開発分科会を開催いたします。本分科会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、労働政策審議会運営規程第3条第1項に基づきオンライン会議の開催といたします。

本日の出欠状況を申し上げます。公益代表の海老原委員と橋本委員、労働者代表の上野委員、使用者代表の美野川委員、渡邉委員が御欠席です。それでは、増田委員が427日付けの新任でして、前回は御欠席で、今回初めての御出席となります。増田委員から一言、御挨拶をお願いしたいと思います。
○増田委員  私は、埼玉県の産業集積都市である川口の商工会議所より参加させていただいています。株式会社TOMOEの増田学と申します。川口の商工会議所では、産業労働委員会の委員長を務めております。産業労働委員会では、企業を牽引する人材の確保、定着化及び育成支援などをテーマとして活動しております。どうぞよろしくお願いいたします。
○武石会長 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、議事に入ります。議題(1)「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」です。人材開発政策担当参事官から、資料の説明をお願いします。
○篠崎参事官 議題1について説明いたします。資料は1-11-2です。まず、資料1-1を御覧ください。今回、諮問させていただく省令案の概要でございます。1枚目は省令の概要について各項目ごとに沿ったもので、2枚目は参考資料となります。

先に、2枚目の参考資料の御説明を行います。オンデマンド訓練(eラーニング)についてです。今回、諮問いたしますオンデマンド型訓練を可能にする省令案ですが、背景と経緯について説明いたします。左側は公共職業訓練、右側は求職者支援訓練を示しております。真ん中の点線で囲んで記載しているものは、昨年来のオンライン化の措置の状況です。
 まず、左の公共職業訓練ですが、オンライン化は令和25月に、学科について同時双方向型を可能にする省令改正を行いました。その後、令和32月には、実技についても同時双方向型を可能にする改正をしております。それから、右の求職者支援訓練は公共職業訓練よりは遅れてしまったのですが、昨今のコロナの感染状況、オンライン化の活用の状況を踏まえまして、公共職業訓練より遅れてではありますが、令和32月に学科の同時双方向型を可能にいたしました。また、令和32月に、実技についても同時双方向型を可能にいたしました。実技といっても介護などできない実技がありますが、デジタル関係ですとオンラインでできる実技もあるということで、実技についても同時双方向型を可能にしたというところです。

今回の議題のeラーニングについては、左の公共職業訓練ですが、令和34月の段階で行政の要領改正で対応したところです。eラーニングコースはオンデマンド型ということでありますが、もともと公共職業訓練にあったオンデマンド型のeラーニングコースについて対象者を拡大いたしました。具体的には、シフト制労働者を対象に追加するということです。

公共職業訓練の状況が下段の枠囲みの中にあります。公共職業訓練におけるオンデマンド型のeラーニングコースの対象者については、育児・介護で外出が制限される方、通所可能な範囲に訓練機関がないへき地や離島に住む方向けのコースとして、公共職業訓練のほうで実施できるコースがありましたが、令和34月にシフト制労働者などについて通所が困難である方向けに対象者を拡大いたしました。

もともとの公共職業訓練におけるeラーニングコースの実施状況を下段の右に書いておりますが、それほど大規模にはやっておりませんでした。実施実績として、令和元年度は8コース25名で就職率45.8%、令和2年度は21コース95名です。直近ですと、これから年度後半の部分もありますが、現時点では8コースの設定です。もともと対象者を限定していることや、育児・介護の方向けのコースとして募集しても定員が充足しないこともあるので、例えば令和元年は25名を募集したわけではなく、100名程度の規模で募集しておりましたが、結果としてはこれくらいの受講者であったという状況です。

訓練内容ですが、ワード・エクセル等の民間の資格の取得を目指すコース、ファイナンシャルプランナー・簿記を勉強するコースで、既にeラーニングコースがあります。そういう状況でしたが、今般は、右上にある求職者支援訓練においてもeラーニングコースを設定できるようにする省令改正を諮問させていただくものです。

公共職業訓練と若干形が異なるのは、同じような訓練コースになると思いますが、求職者支援訓練の場合は事前に認定基準を定めて、それに合致した場合は認定するというのが、これまでの公共職業訓練の委託とは違う形になると思います。そういう意味では、行政側としても認定基準を今まで以上に定めなければいけないということがありました。

それから、省令案の所で説明いたしますが、奨励金の支払の方式は日数を念頭に置いておりまして、特定の日に訓練を実施しない可能性があるようなeラーニングコースを念頭にした省令ではなかったので、そうした技術的な部分を解消するために、今般、省令改正をした上でeラーニングコースを設置できるようにということとなります。

1枚目を御覧ください。省令案の概要です。左が認定基準で、右が今回のオンデマンド型訓練の基準等です。まず、対象者はハローワークの指示を受けた者ですが、育児中など特に配慮を必要とする方ということで、省令上は、育児中など特に配慮を必要とする特定求職者等であって、厚生労働省人材開発統括官が定めるものとするとさせていただきたいと思っております。具体的には欄外に記載していますが、公共職業訓練でも対象者になっている育児・介護中の方、通所可能な範囲に訓練機関がない方、シフト制労働者の方等ということで、人材開発統括官定めをしていきたいと思っております。

このうち、①育児・介護中の方、②通所可能な範囲に訓練実施機関がない方については、公共職業訓練でも恒久的措置をしております。それから、③在職中の方、シフト制労働者を念頭においた配慮を必要とする方については、令和4年度末までの暫定措置とさせていただきたいと思っております。当然、公共職業訓練もそうですし求職者支援訓練もそうですが、実施状況を見ながらということでして、公共職業訓練のeラーニングコースも暫定措置で行っているということを踏まえ、まずは期間限定で措置をしたいということです。

それから、訓練期間及び訓練時間です。左にあるように、訓練期間は3月以上6月以下、訓練時間は原則として月100時間以上という形になっておりますが、今回のオンデマンド型コースについては2月以上6月以下、訓練時間は月80時間以上を原則といたします。その上で、暫定措置として令和4年度末までは月60時間以上でよいということにいたします。これは今、いろいろな暫定措置が走っておりますが、短時間・短期間というコースを設けて月60時間以上というような緩和をしておりますので、暫定措置としてそういうものを入れたいということです。

それから、これも欄外ですが、今回オンデマンド型訓練において、育児・介護中の方向けのコースについて2月以上6月以下といたしますので、併せて、通所型についても選択肢を拡大するという意味で、育児・介護中の方向けのコースの場合は訓練期間を2月以上6月以下と改正させていただきたいと考えております。その他いろいろな暫定措置が走っており、今、期間については2週間以上ということになっておりますが、育児・介護の方については2月以上を設定可能とするというような改正でございます。

それから、左側にある「欠格の基準となる就職率35%」というものは、オンデマンド型訓練についても基本は同じですが、期間や時間が短いコースについては、欠格の基準となる就職率を30%とさせていただいております。これは、各種暫定措置においても短い期間や時間のものについては、若干欠格の就職率を下げておりますので、それを踏襲するものです。

次に、奨励金の関係です。基本的には今までと同じですが、先ほど申し上げたように、訓練実施日の8割以上であれば奨励金を支払うということになっていますが、オンデマンド型では実施日が特定されない場合があるという特徴があるので、訓練実施機関が定める時間数の8割以上を受講していれば、奨励金を訓練実施機関に払うというものです。若干テクニカルな部分ですが、端数が出たとき、28日未満の場合ということで、大体、平日換算で奨励金を支払うというようなものです。付加奨励金の基準についても、原則は通所の場合と同じですが、各種特例措置の短時間・短期間については若干の率を変えることで、同様の考え方に沿って措置したいというものです。下段ですが、施行日は省令改正をした上で令和3101日を予定しております。資料1-1は以上です。

資料1-2は省令案の要綱です。今、御説明したものを省令案要綱にしているものです。第一は訓練の認定基準です。第二は奨励金及び付加奨励金の支給基準です。繰り返しになりますが、今回のオンデマンド型、具体的にはeラーニングコースですが、省令上は育児中など特に配慮を必要とする方という記載をさせていただいて、具体的には人材開発統括官が定めるということにさせていただいております。対象者は、先ほど申し上げたとおりのことを予定しております。訓練の期間や時間等については、先ほど概要で説明させていただいたとおりです。以上です。よろしくお願いいたします。

○武石会長 ただいまの説明に対して御質問や御意見がありましたら、Zoom機能の「リアクション」から「手を挙げる」マークを押していただいて、指名された方はマイクをオンにして御発言をお願いしたいと思います。では、仁平委員、お願いいたします。

○仁平委員 オンデマンド型の訓練の導入で、現状よりも受講しやすくなるということは良いことだと思っております。ただ、オンデマンドで受講できる環境が整っていないと受講することは難しいでしょうし、受講できても十分な成果には結び付かないということも考えられるのではないかと思っております。そういう意味では、研修のためにパソコンの貸出制度があるとお伺いしていますが、スマートフォンで受講する方もいらっしゃるのではないかと想定されるため、必要に応じて、Wi-Fiルーターなどのインターネットの接続機器も貸出しすることも含め、貸出機器の個数などを十分に確保することを検討していただきたいと思います。

また、コロナ禍で、リモートであっても成果を高めることのできる訓練の内容や環境の整備に向けて、これまで蓄積してきたノウハウをもとに、PDCAサイクルを回すなどして更なる改善を是非図っていただきたいと思います。改正内容については妥当であると考えます。以上です。

○武石会長 機器の関係等について、事務局から説明することはありますか。

○篠崎参事官 御指摘がありましたように、システム環境が整っていない方だと受講できないというのは、今のオンラインのコースでもそうですし、eラーニングもそうだと思います。それから、仕組み上は訓練実施機関で貸出しなどの準備をしていただくことは可能ですが、義務化しているものではありません。こちらからお金の補填をするという形は取っておりませんので、現状としては、用意できる方に応募していただくことになっているかと思います。ただ、これはほかの分野でもそうですが、そうしたデジタルの環境がない方へどう対応するかというのは共通の課題かと思っております。

それから、御指摘のとおり、効率化のお話はいろいろな事例などを集めながら、良い訓練、効率的な訓練、良いスキルを身に付けて就職につながるようにということは、PDCAを回すように努めていきたいと思っております。以上です。

○武石会長 仁平委員、よろしいでしょうか。貴重な御意見ありがとうございました。

○仁平委員 是非、オンデマンドで受けたいという方が受けることができるように、引き続き検討をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○武石会長 ありがとうございました。では、平田委員、お願いいたします。

○平田委員 特定求職者が職業訓練を受けやすくするために、オンデマンド型の訓練を導入すると理解しております。使い勝手が良くなって、受講者が増えることは好ましいことだと思いますが、費用の観点から考えると、95%が労使折半の負担であることや、雇用保険財政が非常に逼迫していることに照らすと、新たな取組も持続可能性という観点で限界があるのではないかと思っております。

また、本分科会での議論の対象ではないと認識しておりますけれども、厚労省は雇調金の特例措置を11月まで延長するとプレスリリースしておりますが、雇用保険二事業を含めた雇用保険の財政の安定化についても、新しい取組と併せて検討していくことが必要だと考えていますので、意見として申し上げておきます。以上です。

○武石会長 ほかに御意見や御質問がある方はいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。特にないようであれば、議題(1)「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」について、本分科会として妥当と認める旨を労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(了承)

○武石会長 ありがとうございます。それでは、事務局から報告文()の配布をお願いします。

(報告文()を共有)

○武石会長 今、共有されていますが、この報告文で労働政策審議会会長宛てに報告することとしてよろしいでしょうか。

(了承)

○武石会長 それでは、特にないようですので、この内容で報告させていただきます。この議題についてはここまでといたします。

次に、議題(2)「その他」です。訓練企画室長より資料の説明をお願いします。

○平川室長 訓練企画室長の平川でございます。資料の御説明をさせていただきます。議題の2つ目ですが、「その他」ということで、ハロートレーニングの実施状況、求職者支援訓練の周知の状況について御説明させていただきます。

資料2-1を御覧ください。公共職業訓練、それから求職者支援訓練につきましては、なるべく多くの方に職業訓練を活用していただき、ステップアップを図っていただきたいということで、令和3年度は受講者数の目標を掲げて、受講の促進に取り組んでいるところです。求職者支援訓練につきましては、令和3年度の新規受講者の目標が5万人、公共職業訓練につきましては15万人ということで、令和2年度の実績を上回る目標を掲げて受講促進に取り組んでいるところです。

そこで、直近の実績ということで、46月の3か月間の実績を見てまいりますと、求職者支援訓練につきましては、この3か月間の前年同期比で52.3%増、公共職業訓練は10.5%の増ということになっております。なお、公共職業訓練につきまして、月ごとの前年同月比を見ていただきますと、月ごとでばらつきがあり、特に5月の伸び率が大きくなっておりますが、こちらにつきましては、特に昨年5月ですけれども、緊急事態宣言が出ていた関係で受講者数が大きく落ち込んだということもありましたので、前年比で見ますと、5月は大きくなっております。ただ、3か月間で見ますと10.5%ということで、若干昨年より増えているという状況になっております。

下のグラフは昨年4月からの状況になります。前年同月比のグラフでして、水色のほうが求職者支援訓練、赤いほうが公共職業訓練です。求職者支援訓練のほうを見ていただきますと、昨年7月から前年比プラスがずっと続いているという状況です。公共職業訓練につきましては、プラスになったりマイナスになったりということですが、大体昨年の9月辺りからプラスになる月が多く見られるようになってきているという状況です。直近3か月の状況は以上でございます。

続きまして、資料2-2を御覧ください。こちらはハロートレーニングの特例措置の実施状況です。ハロートレーニングは、今現在はコロナ対策の関係で特例措置を2つ実施しております。1つは介護関係の特例で、内容としましては介護分野の訓練コースに、職場見学や企業実習を組み込んでいただきますと、実施機関にお支払いする奨励金は通常5万円ですが、こちらに1万円を上乗せしてお支払いするという特例です。

もう1つは、短期間・短時間の特例でして、先ほどのオンデマンドの御説明のところでも若干お話が出ましたけれども、訓練期間につきまして、通常は26か月となっておりますものを、下限を引き下げまして、2週間~6か月、訓練時間につきまして、通常100時間以上となっているものを月60時間以上ということで柔軟化をしたものです。これの詳細につきましては、次ページに参考として付けておりますので、御参照いただければと思います。

この短期間・短時間の訓練コースですが、目的としましては、シフト制の労働者の方などが働きながら訓練を受けやすくするということ、そういった方が受けやすい訓練コースが設定できるようにということで要件を柔軟化したものです。この特例措置の実施状況といたしまして表にまとめております。上半分の表が求職者支援訓練、下が公共職業訓練の中の委託訓練の表です。まず、介護分野の特例についてです。介護コースと書いてあるものが介護分野の通常の訓練全体を指します。その下に「うち介護パッケージ」と書いてある所が今回の特例措置の部分になります。一番右の受講者数の欄を見ていただきますと、求職者支援訓練は介護コースで595人の受講者中296人が特例の対象であったということで、大体半分ぐらいの方が対象になっております。それから、下の委託訓練の表を見ていただきますと、284人が特例の対象でして、16.4%を占めております。

次に、短期間・短時間コースの特例についてです。右側の受講者数の欄、短期間・短時間コースと書いてある所が全体の特例の合計になりますけれども、こちらは563人ということでして、一番下にありますが、同じ期間に求職者支援訓練を受けられた全体の人数が7,267人ですので、10%弱、8%ぐらいが、この特例措置を活用いただいているということになります。それから、委託訓練のほうにつきましては、1,061人が短期間・短時間コースということで、全体が17,670人ですので、大体6%ぐらいの方が受講されています。

特例措置を具体的にどういった方たちに御利用いただいているかということで、事例として調べましたのが資料2-3になります。受講事例ということで、この特例措置はシフト制労働者の方などを想定して設定した措置ですので、まず在職中の方ですけれども、清掃の仕事に従事している方で、午前中に仕事が入っていて通常の昼間に行う職業訓練の受講がなかなか難しかったということで、夕方6時から始まる介護分野の訓練を受けられた方の事例があります。それから、子育て中の方ということで、こちらは母子家庭のお母さんですけれども、長期間働ける仕事への早期の就職を希望ということで、働きながら訓練を受講されたという事例ですとか、子供の夏休み期間と重なるので受講が難しく、夏休み前に終わる短期間・短時間訓練を受講されたという事例、家事をしながら夜間にアルバイトをしておられる方で、2か月程度であれば時間調整が可能だったので、短期の訓練を受講されたという事例があります。それから、実家の手伝いを不定期に行うことになったために並行してパート職を探しながら訓練を受講された方ですとか、あるいは精神障害者の手帳をお持ちの方で、1日の時間が長い訓練が不安ということで短時間訓練を受講されたケース、それから、人工透析の治療で通院されている方で、昼間の通常の訓練が時間的に困難だったので短時間訓練を受講された方、コロナの影響でホテルの仕事を離職された方が、介護職への早期就職を希望して受講された事例などということで、様々な事情に応じて訓練の特例を活用いただいております。

それから、受講に至らなかった事例もあります。短期間・短時間のカリキュラムでは授業のスピードについていけるか自信がなかったとか、この期間にじっくりと学びたかったということで、短期間・短時間訓練の受講に至らなかった方というのもいらっしゃいますので、それぞれの事情に応じて活用いただいているのかなと考えております。

次に、資料2-4です。求職者支援制度の周知・広報についてということで、先ほど求職者支援訓練については、5万人の目標を掲げていると御説明いたしましたけれども、特にこういった方たちの受講促進を図るためには、ハローワークを利用されない方への周知が必要であるということで、周知・広報に積極的に取り組んでいるということの御紹介です。利用者目線に立った周知ということで、ホームページとかリーフレットのほうを見直しまして、制度について、より分かりやすくしたりとか、あるいは訓練コースのリーフレットにつきましても、次ページに幾つか付けておりますが、訓練内容を単に紹介をするだけでなく、訓練修了生の声や、どういった所に就職されているかとか、就職率なども盛り込みまして、具体的にイメージが湧くものにしています。それから、厚生労働省の予算だけではなくて、政府広報なども活用してバナー広告を掲載したり、23分程度の動画を作成して政府広報のページに掲載するなどしています。それから、社会福祉協議会や地域若者サポートステーションと連携して周知に取り組んだりとか、あるいはSNS、官邸のメルマガなどを活用した周知といったことで、あらゆる方法で周知に取り組んでいるところです。この周知につきましては、引き続きいろいろ工夫しながら取り組んでいきたいと考えております。資料の御説明は以上でございます。

○武石会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に対する御質問や御意見がありましたら、Zoomの機能のリアクションから「手を挙げる」のマークを押していただいて、指名された方はマイクをオンにして御発言をお願いいたします。では、熊野委員、お願いします。

○熊野委員 資料2-4、求職者支援制度の周知・広報についてです。求職者支援制度の周知に当たっては、現在も様々な団体との協力や機会を利用しながら周知していただいていると認識しております。ただ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、今後雇用情勢の悪化もまだ想定されます。求職者支援制度などの支援も重要性が高まっている中で、制度を知らないということで、適切な支援が受けられない求職者も多くいると考えています。まずは、就職を希望される求職者や事情があり就職に至らない方が、該当制度のこういった情報が適切に手に入れられるということが必要だと思います。

例えば、貧困やひきこもり当事者の支援団体や、自殺予防のゲートキーパーを担うような団体を含め、様々な事情により生活が困難な当事者を支援する団体との連携など、より広範なネットワークを広げて、これまで以上の効果的な情報発信と制度の周知をお願いしたいと思います。私からは以上です。

○武石会長 ありがとうございました。では、御意見ということで承りたいと思います。

増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 先ほどの熊野委員と内容が似通ってしまう可能性がありますが、今現在、雇用調整助成金などの足元の雇用維持への取組に加えて、コロナ収束後の産業構造への変化への対応に官民を挙げて取り組んでいく必要があると考えております。

一方で、コロナ禍におきましても、建設や介護、この後の就職者支援でも出てきますけれども、弊社のような製造業でも人手不足が深刻な状況が続いております。つきましては、人手不足の業種など雇用吸収力がある産業やデジタル産業などへの分野へ、失業なき労働移動を円滑に進めていくことが重要ではないかと考えております。そのためには、こちらの内容の職業訓練の強化、拡充を通じて、コロナ禍でやむを得ず離職した人材が新たなスキルを習得していくことが必要ではないかと考えます。

しかしながら、御説明いただきました資料2-1を見ますと、求職者支援、公共職業訓練も、46月で受講者は前年比増加はしているようですが、令和3年度の目標人数と比較すると、まだまだ低調な実績になっているのではないかと感じます。したがいまして、最後に熊野委員がおっしゃっていましたように、資料2-4の就職者支援制度、私は今、携帯を開いて見ましたけれども、こういった利用者目線に立った積極的な周知、広報などを、より一層強化してこの認知度を上げていくというのが重要になってくるのではないかと感じました。以上でございます。

○武石会長 ありがとうございます。良い制度なので、是非、周知・広報をというお二人の委員からの御意見だったと思います。では、早川委員、お願いします。

○早川委員 早川です。私からはハロートレーニングについて、これは今回の議題よりも広い意味でのハロートレーニングの周知・広報の必要性の観点から発言します。外国人の方にもこういった制度の参加利用を進めるための周知を図っていただければと思っています。

1つは、その前提として、外国人の方もこのトレーニングが利用できるということ、その範囲を明確に示していただいた上で、例えば昨今のコロナの問題の中で技能実習生を含めて不本意な離職者が出ております。そういった方に対し、現在、入管庁による救済措置として、在留資格「特定活動」で人手不足の産業分野と言われる特定産業分野、例えば介護とかの分野において、従来と職種を転換した上での在留を一時期可能にする特例もあります。そうしますと、こうした外国人の離職者が、次の雇用してくれる企業、雇用主を見付けるまでの間、ハロートレーニングの制度を使って、もちろん入管庁と連携しつつということになると思いますが、今のコロナの中で非常に困窮している外国人の方にもこうした制度が使えるということを上手に周知していただいて、その間の住宅問題なども含めてどのように対応していくか、政府の間で協議していただければと思います。よろしくお願いします。

○武石会長 ありがとうございます。外国人の方への周知も含めて制度の対応をという御意見でした。3人の方から御意見を中心に御発言がありましたが、事務局から何かあればお願いします。

○平川室長 熊野委員、増田委員から、訓練が今、非常に大事だということで御指摘いただきまして、ありがとうございます。ポストコロナということで、まずはコロナで離職された方の再就職というところですが、それに加えまして、産業構造の転換に対応できるように、人手不足分野は特に大事だということで取り組んでおります。特に介護分野につきましては、先ほど申し上げました特例措置などもありますし、デジタル分野などにも、引き続き取り組んでいきたいと思っております。

熊野委員からは、各種団体とも連携してということですけれども、今のところ地域若者サポートステーションや社会福祉協議会に御協力いただいているのですが、引き続き周知のあらゆる方法ということで、在り方を検討していきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

早川委員から御指摘がありました外国人の関係で、職業訓練については、外国人の方は在留資格の関係で働けるもの、働けないもの、それから在留期間等もありますので、ケース・バイ・ケースになったりすることが多いのですけれども、外国人の方も職業訓練は受けられることになっております。コロナの特例で特定活動が付与されたりということがありますが、例えば在留期間より訓練期間が長かったりするようなケースですと、当然訓練は受けていただけないのですが、一定程度訓練を受けていただいて、働けるようなものかどうかということを入管のほうにも問い合わせたりしながら、ハローワークのほうでいろいろ決めているところです。引き続き、外国人の方でも、受けていただくべき方には受けていただけるようにということで、運営のほうもしっかり行ってまいりたいと思います。以上でございます。

○武石会長 ありがとうございます。3人の委員の方、よろしいでしょうか。

○早川委員 ありがとうございます。

○武石会長 では、玄田委員、お願いします。

○玄田委員 職業訓練のことで一言お願いがあります。今年は、最賃の引上げへの対応策として、公共職業訓練及び求職者支援制度は極めて重要だというところを、より強くアピールいただけないでしょうか。最賃引上げにこれだけ多くの注目が集まる中で、全体的にどれだけの雇用に影響を与えるかというのは、いろいろ意見は分かれているところですが、いわゆる最賃近傍、比較的これまでスキルの蓄積をする機会に恵まれてこなかった方々には、かなり大きな影響があるのではないかという、一部に集中的な影響があるのではないかというのは、恐らく経済学者の中でも比較的コンセンサスが集まりつつあるところで、正に今、最賃のことで、仮に働けなくなった人は再就職と同時に、ここで職業訓練をすることが極めて重要なのだという、最賃と公共職業訓練のパッケージの部分をより強調をしていただくということ、特に今年は重要な局面であると思います。この10月以降、社会的な混乱が広がらないために、少しPRする部分の中で、特に最賃の影響がというところを強調されるのはいかがでしょうか。それは、政策としてもすごく受皿になっているということで、多くの方の安心感にもつながると思いますし、特に今年はその局面について是非御検討いただけると、大変有り難いなと考えるところです。以上です。

○武石会長 ありがとうございます。大変重要な点だと思いますが、事務局からいかがでしょうか。

○平川室長 訓練につきましては、就職の促進という面もありますし、ステップアップですとかスキルアップということで、正にスキルを身に付けていただいて、スキルが上がっていくという側面が大きな柱としてありますので、周知の在り方という点につきましては、どういった打出し方がいいかというのは検討というか、考えさせていただきたいと思います。基本的には、訓練の目標が正にそういうことですので、そういったことを頑張っていくということがありますけれども、説明ぶりでどういう文脈かというところは、御意見を承りましたので、引き続き検討させていただきたいと思います。

○武石会長 玄田委員、追加で御意見でしょうか。

○玄田委員 もちろん担当を超える話になると思いますが、絶対やらなければいけないです、それは。調整して、うまくなりませんでしたという問題ではないので、特にこれだけ最賃の引上げが大きな社会問題になる可能性があるときに、ここでやらないと、局内の調整とかという問題では絶対ないので、特に今年については、大きく考えているということを是非とも打ち出していただきたいということを、改めてお願いしたいと思います。ですので、調整の結果うまくできませんでしたということであれば、大変残念なことだと思いますので、是非ともこの職業訓練と最賃がパッケージの問題だということは、強く強調していただきたいということを、改めてお願いしたいと思います。以上です。

○武石会長 ありがとうございます。最賃の制度改正の受皿として非常に重要な訓練制度だと思いますので、今、強い御意見がありましたが、是非ともよろしくお願いしたいと思います。ほかに御意見がある委員の方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。特にないようであれば、この点については以上としたいと思います。

議題は以上になりますが、全体を通して委員の皆様から何かございますでしょうか。特にないようであれば、本日の議論は以上といたします。次回の開催日程につきましては未定となっておりますので、別途事務局から御連絡、調整させていただきます。

それでは、以上をもちまして、第28回労働政策審議会人材開発分科会を終了いたします。皆様、お疲れさまでした。ありがとうございました。