2021年9月10日 薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全企画課

日時

令和3年9月10日(金)15:00~17:00

開催方法

オンライン会議

出席者

委員(敬称略)

 

事務局(9月10日時点)
  • 浅沼   一成 (生活衛生・食品安全審議官)
  • 小谷   聡司 (生活衛生・食品安全企画課長補佐)
  • 近澤   和彦 (食品基準審査課長)
  • 三木 朗  (食品監視安全課長)
  • 小池 紘一郎(食品基準審査課残留農薬等基準審査室長)
  • 今川   正紀 (食品基準審査課新開発食品保健対策室長、食品監視安全課食中毒被害情報管理室長)
  • 蟹江   誠      (食品監視安全課輸入食品安全対策室長)

議題

(1)審議事項
  1.食品中の農薬等の残留基準の設定について
  2.農薬等の告示試験法の設定について
(2)報告事項
  1.食品中の農薬等の残留基準の設定について
(3)文書による報告事項
  1.食品中の農薬等の残留基準の設定について
(4)その他の報告事項
  1.食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について
 

議事


○小谷補佐 大変お待たせいたしました。ただいまより、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会を開催させていただきます。本日の司会を担当する生活衛生・食品安全企画課の小谷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
今回の分科会についても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、Webでの審議とさせていただきます。不具合がございましたら、お電話又はチャット機能にて御連絡いただければ、随時対応させていただきます。また、Web会議に際し、マスクを着用したまま説明させていただく場合がありますので、御了承ください。
本日の分科会委員の出席状況ですが、御欠席の連絡を頂いている委員の方々は、今村委員、松嵜委員、二村委員、曽根委員、高橋委員です。また、堀内委員からは途中退室の旨、御連絡を頂いております。また、引き続き、回線の接続などについても継続的に取り組ませていただきたいと思っております。現在、分科会として15名の御出席を頂いておりまして、過半数を越えておりますので、本日の分科会が成立いたしますことを御報告申し上げます。また、今回の審議事項において、利益相反の確認対象となる案件はございません。
続きまして、事務局の職員を御紹介させていただきます。浅沼生活衛生・食品安全審議官です。近澤食品基準審査課長です。三木食品監視安全課長です。小池食品基準審査課残留農薬等基準審査室長です。蟹江食品監視安全課輸入食品安全対策室長です。今川食中毒被害情報管理室長兼新開発食品保健対策室長です。なお、宮崎大臣官房審議官、巽生活衛生・食品安全企画課長につきましては、別の公務のため欠席させていただきます。申し訳ございません。
本日の議題ですが、お手元の議事次第にごさいますように、食品中の農薬等の残留基準の設定について、農薬等の告示試験法の設定についての2件について御審議いただいた後、事務局から何点か御報告を申し上げたいと考えております。
本分科会は原則公開とさせていただいていることから、一般傍聴についても、Web会議システムによる音声のみでの傍聴とさせていただいております。一般傍聴者の方については、厚生労働省のホームページに分科会の資料を公開しておりますので、各自で御確認のほどお願いいたします。
審議の進行方法について御説明いたします。審議中に御意見、御質問されたい委員におかれましては、まず、カメラがオンになっていることを御確認の上、挙手をしていただきますようお願いいたします。その後、分科会長から順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言ください。また、ノイズを減らすため、御発言が終わりましたら、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いします。なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混雑した場合には、一度皆様の発言を控えていただき、発言したい委員については、メッセージに記入していただくよう、事務局又は分科会長からお願いする場合がございます。その場合には、記入されたメッセージに応じて分科会長より発言者を御指名いただきます。
現在、村田分科会長におきましては、引き続き接続に取り組ませていただいております。当面、分科会長代理の脇田国立感染症研究所所長に、分科会の進行をお願いしたいと思います。突然の御連絡になり大変恐縮ですが、どうぞお願いいたします。
 
○脇田分科会長代理 委員の皆様、よろしくお願いいたします。突然の御指名でして、進行方法も整っていない状況ですので、御容赦ください。通常はシナリオ等に従っていくわけですが、事務局から頂いていないのでよく分かりませんが、とにかく審議事項に入っていくということでよろしいですか。
○小谷補佐 申し訳ございません。今、まさにお送りさせていただいております。まず、審議事項①「食品中の農薬等の残留基準の設定について」と、審議事項②「農薬等の告示試験法の設定について」の御審議をお願いできればと思います。
○脇田分科会長代理 分かりました。そうしましたら、まず事務局から説明をお願いします。
○小池室長 資料1を御覧ください。2ページをお願いいたします。今、御説明いたしましたとおり、食品中の農薬等の残留基準の設定、それから農薬等の告示試験法の設定について御説明いたします。本日、対象となるのはゲンチアナバイオレットという農薬です。
3ページを御覧ください。昨年の12月及び本年の5月に開催された農薬・動物用医薬品部会で御審議いただいたゲンチアナバイオレットに関する不検出基準と告示試験法に関するものです。3ページに書いているように、ゲンチアナバイオレットは、用途としては動物用医薬品、魚介類に対する寄生虫駆除剤ですが、国内の承認はなく、使用実績は国内ではないという状況です。今般、食品安全委員会の健康影響評価において、「遺伝毒性を示す可能性を否定できず、発がん性が示唆されたことから、ADIを設定すべきではない」との評価がされました。これを受けまして、私どもの食品中の農薬残留基準においても、食品において「不検出」とされる農薬等の成分である物質とするという、つまり食品中には当該農薬は残留してはいけないという形の基準を設定させていただきたいと考えております。
併せて、同資料の6ページを御確認ください。先ほど御説明しましたとおり、不検出の基準となりますので、その不検出というのは、どういう試験法で検査したときに不検出なのかという検査法もセットで定めなければ意味がないものとなってしまいます。
従いまして、6ページに記載している試験法ですが、専門家の先生方に試験法を開発いただきまして、農動薬部会で国衛研の先生方を中心に御確認いただきまして、6ページ、7ページに記載しているような試験法として、セットで併せて設定させていただきたいと考えております。ゲンチアナバイオレットに関する不検出基準と試験法に関して、事務局からの説明は以上です。御審議よろしくお願いいたします。
○脇田分科会長代理 ありがとうございました。まず、部会での審議状況を確認したいと思います。穐山委員から御説明いただけますか。
○穐山委員 星薬科大学の穐山です。事務局の御説明のとおり、ゲンチアナバイオレットが食品安全委員会において食品健康影響評価がなされたことを踏まえ、食品中の残留基準を不検出とし、併せて試験法を設定するものであります。昨年12月及び本年5月に開催した農薬・動物用医薬品部会において審議を行い、幾つかの報告書の記載整備についての指摘がありましたが、食品安全委員会の報告では、本剤が生体にとって問題となる遺伝毒性を示す可能性が否定できないこと、肝臓等に対する発がん性が示唆されたこと、さらには、その還元代謝物であるロイコゲンチアナバイオレットも発がん性を有する可能性を否定できないということから、ADIを設定すべきではないということで、不検出基準を設定することが適切であるとの結論に至りました。私からのコメントは以上です。
○脇田分科会長代理 ありがとうございました。委員の先生方、御質問、御意見等はございますでしょうか。
○藤原委員 函館大学の藤原です。教えていただきたいのですが、海外での使用自体は認めるという意図でよろしいですよね。もし、使用を認める場合で、使用して不検出にするためには、実際に使用する方々は何をどうすれば不検出になるのでしょうか。よろしくお願いします。
○小池室長 御指摘のとおり、海外における当該動物薬の使用禁止というのは、日本の国内法ではできないというのは間違いございません。ただ、国内使用については、先ほどのとおり、動物薬の承認を取得していませんので、国内使用がまず禁止されているということです。
海外の状況ですが、先ほども御説明いたしましたが、科学的に健康影響評価で国際的にも遺伝毒性は否定できないというような結果が出ていますので、大多数の国においては使用が禁止されているように聞いております。その一方で、発展途上国を中心に使われていないと断言することは難しい状況ですし、また、使用実態があると、どうしても残留として出てきてしまうということがあります。なので、国内流通品はないのですが、海外でたまに残留しているという話が出てきてしまうという形になっているので、使ったケースで残留しない方法というのは考え難く、また、そのような品物が日本に入ってこないような形で、今般、不検出基準として定めていただいて、農薬の監視の中で検出されるような、つまりは使われているようなお魚が入ってこないような形で規制させていただきたいと考えているものです。
○脇田分科会長代理 ありがとうございます。そのほかにいかがでしょうか。
○五十君委員 ただいまの御説明の中で、別紙に試験法が示されていて、この方法をもって判断するということでしたので、試験法を拝見いたしました。そうしましたところ、対象となっているのは畜水産物なのですが、食品検査で一番重要なマトリックス効果、いわゆる食品から最初の段階の抽出法等が示されていないようです。これは畜水産物で行った場合、こういった値がここに示されたとおりに測定可能なものなのでしょうか。確認させていただきます。
○穐山委員 私からよろしいでしょうか。試験法の所を見ていただいて、抽出法の所に抽出方法が書いてあるかと思います。試料を正確に測って、そこに書かれたような溶液で抽出して精製するという方法なのですが、こちらでは問題がありますでしょうか。対象と思われる食品に関しては、検査法として妥当性を評価しております。
○五十君委員 その辺の確認が取れていればいいのですが、食品からの抽出過程で試験結果が左右される検査法かと思いますので、その辺りの注釈ないしは何か注意事項等を付けておいたほうがよろしいと思います。いかがでしょうか。
○穐山委員 これは不検出基準なので、告示検査法に載るわけですが、本省の担当室とご相談しまして併せて注意事項を事務連絡あるいは通知で示していければなと思っております。
○五十君委員 よろしく御検討をお願いしたいと思います。
○小池室長 穐山先生、御説明いただきましてありがとうございました。今の御懸念点、試験を実施する方にどうやって伝えていくのかという話については、今頂いたように、事務連絡等を含めて検討させていただきます。
○脇田分科会長代理 そのほかにはいかがでしょうか。特にございませんか。そうしましたら、この案件については分科会として承認させていただくことになりますが、よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。事務局には答申に向けた手続を進めていただくようにお願いいたします。その他の経過については、次回以降の本分科会で御報告をお願いいたします。
次に報告事項に移ります。食品衛生分科会規程第8条第1項によって、部会の議決をもって分科会の議決とされた事項については、同条第8条第3項に基づいて、その決定事項を分科会に報告することとされております。では、報告事項①「食品中の農薬等の残留基準の設定について」につきまして、事務局から報告をお願いいたします。
○小池室長 資料2を御覧ください。3ページです。その他の食品中の農薬等の残留基準の設定ですが、本年5月及び7月に開催された動物用医薬品部会で御審議いただいた品目でございます。ここの記載のとおり、農薬6品目、動物用医薬1品目について、いずれもADI又はARfDの範囲内ということで御評価を頂きました。
食品安全委員会の食品健康影響評価によりまして、ADI、ARfDがここに示すような値で設定いただきまして、また、今回の基準値に基づく暴露評価をさせていただいたところ、一番右側の列にあるように、全てADI又はARfDの範囲内ということで、特段の問題はないものとの評価を頂いています。詳細な基準値については、後ろのページに品目ごとに記載されておりまして、御説明は省略させていただきますが、全てのものについて基準値を設定しております。
見直している基準値の品目というのは、農薬登録やインポートトレランス申請によって申請要望があったものに加えて、その他の食品にあっても、基準値を過去に設定しているものについて、新しい作物残留等のデータがあるものは基準値を見直して、今般併せて設定させていただいているというものです。事務局からの説明は以上です。
○脇田分科会長代理 ありがとうございます。ただいまの報告について、委員の先生方から御意見、御質問等はございますか。特にございませんか。ありがとうございました。
次に進みます。文書配布による報告事項です。「食品衛生分科会における確認事項」において、特に定められた事項については、文書配布により分科会に報告を受けることとされています。この資料に関しては、事前に委員の先生方の所に配布されていますが、部会長からの補足の説明、あるいは委員から御意見、御質問等があればお願いいたします。資料3についてということになりますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。特段の御意見はないようですので、次に進みます。
その他の報告事項として、食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について、事務局から御報告をお願いいたします。
○小池室長 資料4を御覧ください。3ページです。毎回の分科会において進捗報告をしているもののアップデートとなります。3ページに記載されているように、前々回の3月5日及び前回の6月17日の分科会において、審議又は御報告させていただいた農薬等の品目です。処理状況は記載のとおりでして、いずれもパブリックコメント又はWHO通報を進めているところです。進捗については今のところ問題なく進んでおりますので、引き続き取り組んでいきたいと思います。事務局からの説明は以上です。
○脇田分科会長代理 委員の先生方から、御意見、御質問はございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
以上で審議事項と報告事項は終了となります。最後に事務局から何かございますか。
○小谷補佐
本日は大変お待たせしてしまい、申し訳ございませんでした。次回以降、もう少しスムーズに会を進行できるよう努めさせていただきたいと思います。脇田先生には急遽、議事進行をお願いさせていただきまして、大変ありがとうございました。
○脇田分科会長代理 委員の皆様、御審議お疲れさまでした。また次回、よろしくお願いいたします。これをもちまして閉会とさせていただきます。ありがとうございました。