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第17回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会 議事録
健康局 健康課予防接種室
日時
令和3年4月20日(火)10:00~12:00
場所
中央合同庁舎5号館 専用第21会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)
議事
- 議事内容
- ○元村室長補佐 それでは、定刻なりましたので、第17回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会を開催いたします。
本日の議事は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
本日はウェブ会議での開催となりますが、会議の進め方について御説明をさせていただきます。御発言される場合は、まず名前をおっしゃっていただき、委員長から御指名されてから発言をお願いいたします。ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承ください。会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
初めに、本小委員会の委員に改選がありましたので、御報告いたします。金川委員が御勇退され、新たに国立国際医療研究センター国際感染症センタートラベルクリニック医長の氏家委員が御就任されました。よろしくお願いいたします。
続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。本日、委員8名の全委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会令の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
本日は、参考人としまして福岡看護大学基礎・基礎看護分野基礎・専門基礎分野教授の岡田賢司参考人、また、国立感染症研究所感染症疫学センター長の鈴木参考人に御出席をいただいております。
また、本日の議題の資料1につきまして、ファイザーR&D会同会社ワクチンリサーチ部部長の小河原参考人、ファイザー株式会社ワクチンメディカル・アフェアーズ部の速水参考人、また、資料2につきまして、MSD株式会社代表取締役上級副社長、グローバル研究開発本部長の白沢参考人、同じくMSD株式会社グローバル研究開発本部クリニカルリサーチ領域統括部長の田中参考人に御説明をいただく予定となっております。
それでは、申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。これ以降の写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
それでは、議事に先立ちまして、資料の確認をさせていただきます。本委員会の資料は、あらかじめ送付させていただいた資料を閲覧する方式で実施いたします。番号1の議事次第及び委員名簿から番号9の利益相反関係書類を用意しております。
資料の不足等、御不明な点等がありましたら、事務局のほうにお申し出ください。
それでは、ここからの進行は大西委員長にお願いいたします。
○大西委員長 皆様、おはようございます。御出席ありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。
それでは、まず最初に事務局から審議参加に関する遵守事項等について、報告をお願いします。
○元村室長補佐 審議参加の取扱いについて御報告いたします。本日御参加いただきました委員及び参考人から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受取状況、申請資料への関与について申告をいただきました。各委員・参考人からの申告内容については、資料として配布しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の審議事項は、「沈降l3価肺炎球菌結合型ワクチン」「組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン」を予定しております。
こちらのワクチンの製造販売業者は、ファイザー株式会社、MSD株式会社となっております。
岡田参考人より、沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)について、また、MSD株式会社の白沢参考人、田中参考人より、9価HPVワクチンについての申請資料等の作成に関与しているとの申告をいただいております。これら該当するワクチンについて審議参加規程第5条の規定により「審議又は議決が行われている間、審議会場から退出する」に該当することから、この取扱いについてお諮りいたします。
また、ファイザーR&D会同会社の小河原参考人、ファイザー株式会社の速水参考人につきましても、利害関係を有する者として、審議参加規程第6条の規定により、第5条を準用して「審議又は議決が行われている間、審議会場から退室する」に該当いたしますので、併せて取扱いについてお諮りいたします。
○大西委員長 ただいま事務局より審議参加についての説明がございました。事前に事務局に確認したところ、先ほどの予防接種・ワクチン分科会参加規程第5条において、「申請資料作成関与者である委員等は、当該ワクチンについての審議又は議決が行われている間、審議会場から退室する。ただし、当該委員等の発言が特に必要であると分科会等が認めた場合に限り、当該委員等は出席し、意見を述べる事ができる」とされているとのことです。
今回は当委員会より参考人の出席をお願いしていることから、審議に御参加いただき、議決の部分については加わらないということで、本委員会として議論を進めていくこととしてはどうかと考えておりますが、いかがでしょうか。御異論、ないですか。
(委員首肯)
○大西委員長 それでは、御異論がないようですので、この形で御参加いただき、議決の部分については加わらないということで進めていきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、議事に入りたいと思います。議題1が「沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン」について。審議を始めたいと思います。
前回の議論について、まず初めに事務局から経緯等について説明をお願いいたします。
○矢野評価分析専門官 参考資料1を御覧ください。こちらは前回提出資料となります。沈降13価肺炎球菌結合型ワクチンについては、令和2年5月にハイリスク者への効果・効能が追加承認されております。追加となった対象は、具体的には3ページに記載のとおりです。適応が対象となった対象に関する治験について、ファクトシートに追加可能な情報があれば追加していただくことを感染研に依頼することについて、前回8月の本小委員会で審議を行っていただきました。
参考資料2、議事概要を御覧ください。議題2でありますが、審議の結果、ハイリスク者への接種の在り方についての議論が途上であり、こうした議論の途上で具体的な接種対象者の検討のためにファクトシートの作成依頼を行うことは難しいのではないか等の意見があり、継続審議となっております。
経緯については以上です。
○大西委員長 ありがとうございます。
効能追加があった後に、前回は持ち回り審議で、御説明いただく機会を設けることができませんでしたので、本日はファイザー株式会社参考人より適応追加に関する主要な臨床試験成績等の概要について、御説明いただきたいと思います。準備ができましたら、よろしくお願いいたします。
○速水参考人 それでは、スライド1枚目からお願いいたします。本日は、ワクチン評価に関する小委員会において、2020年5月29日に適応追加させていただきました沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン、プレベナー13につきまして御紹介の機会をいただき、誠にありがとうございます。本日は、今回の適応追加で得られました臨床試験データ並びに変更されました添付文書について説明させていただきます。
2枚目をお願いいたします。我が国においてプレベナー13は、2013年に小児、及び2014年に高齢者への適応取得をいたしました。海外では2009年に欧州で乳幼児を対象に承認を取得以降、全年齢に対象が拡大されており、2020年12月の時点で128の国または地域において承認されています。一方、国内では6歳以上65歳未満については、肺炎球菌性肺炎のハイリスク者の適応を有していなかったため、海外とのワクチンギャップが存在する形となっておりました。
そのような状況の中、アカデミアからは予防接種推進専門協議会より2017年に厚生労働省に対し接種対象者拡大の要望書も提出されました。弊社としても海外とのワクチンギャップを補うために、肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者への治験を実施し、昨年2020年5月29日に追加適応を取得することができております。
次のページをお願いいたします。改めて我が国の肺炎球菌感染症の疫学を巡ってみますと、65歳以上の侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の罹患率は、10000人・年当たり0.496、65歳以上の非侵襲性の肺炎球菌性肺炎の罹患率は10000人・年当たり79.524と多くを占めていることが分かります。
現在高齢者の肺炎球菌感染症の定期接種において、肺炎球菌感染症の最も重症な病態がIPDであり、予防接種はIPDの予防が最も重視されるべきであるとされております。
肺炎球菌感染症として重篤な疾患であるIPDの予防が重要であることは言うまでもありませんが、疫学上多数を占める肺炎球菌性肺炎の予防、特に肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高い高齢者への予防は、高齢社会における我が国にとって重要であると考えられます。
次のスライドをお願いします。こちらは、複数の健康保険組合より寄せられた疫学レセプトデータベースにより解析した肺炎球菌性肺炎の危険因子を示したデータになります。スライド左側は50~64歳、右側は65歳以上の肺炎球菌性肺炎の発症率です。横軸のスケールがそれぞれ異なっておりますので、御注意いただきますよう。
慢性心疾患、慢性肺疾患、糖尿病、がんなどの基礎疾患は、基礎疾患がない場合と比較し肺炎球菌性肺炎の発症比率が高くなっていることが示されています。特に高齢者で基礎疾患がある人は肺炎球菌性肺炎のハイリスク者であり、肺炎球菌性肺炎の予防は重要になります。
次のページをお願いいたします。さて、プレベナー13は莢膜多糖体抗原にキャリア蛋白を結合させた結合型ワクチンです。T細胞依存型の免疫応答により、抗原親和性の高いIgG抗体を産生するとともに、将来の感染に備えるメモリーB細胞ができるのが特徴となっております。プレベナー13の有効性データとして、オランダで実施されたCAPiTA試験がございます。65歳以上の基礎疾患を有する成人を含む8万4496人を対象に、多施設共同、プラセボ対照、無作為化、二重盲検比較試験で実施され、ワクチン血清型の肺炎球菌性市中肺炎、肺炎球菌性非菌血症性/非侵襲性市中肺炎、IPDに対して、スライドのように高い有効性が示されております。
次のスライドをお願いします。続きまして、このたび国内で実施しました第III相臨床試験の結果を紹介いたします。
次のスライドをお願いいたします。治験デザインは、単群による非盲検の多施設共同試験で実施しております。肺炎球菌疾患罹患リスクを有する肺炎球菌ワクチン接種歴のない6~64歳の日本人を対象として、治験ワクチンを上腕三角筋に1回のみ筋肉内接種を行いました。なお、年齢につきましては、以降6~17歳を小児、18~64歳を成人として説明させていただきます。
次のスライドをお願いいたします。治験スケジュールですが、治験ワクチン接種後、小児では7日間、成人では14日間、電子日誌による局所反応と全身反応に関する安全性を収集しております。免疫原性の確認のため、ワクチン接種前及びワクチン接種約1か月後に血液を採取しております。
次のスライドをお願いいたします。次に、本治験の主要目的と副次目的について御紹介いたします。今回の治験の主要目的は安全性であり、接種部位の疼痛や発赤、腫脹の局所反応、発熱、疲労、頭痛等による全身反応の重症度とその割合を評価しております。
また、事前に定義している局所反応や全身反応とは別に認められた有害事象や重篤な有害事象も治験機関で収集しております。また、本治験の副次目的は免疫原性であり、プレベナー13を単回接種したときの血清型特異的オプソニン化貪食活性、いわゆるOPAの幾何平均抗体価等で評価しております。
主要目的及び副次目的の具体的評価項目は、資料の別添にお示ししておりますので、御確認ください。
次のスライドをお願いします。本治験への組入れ基準について説明をさせていただきます。治験実施計画書には「記録された病歴、診察、及び治験責任医師の医学的判断に基づき、肺炎球菌感染症に罹患するリスクを有すると判断された者」と記載し、幾つかのリスクについてスライドのとおり記載いたしましたが、最終的には治験に参加された先生方の御判断により症例を登録いただいております。
次のスライドをお願いします。本治験に参加した被験者の基礎疾患の分類は、小児では肺疾患が30.2%、糖尿病が18.9%などであり、成人では糖尿病が26.1%、免疫抑制療法が22.9%などでございました。
次のスライドをお願いいたします。次に、安全性として局所反応と全身反応、そして局所・全身反応以外に認められた有害事象について御説明いたします。
局所反応ですが、小児では52例中43例、82.7%の頻度で局所反応が認められました。接種部位の疼痛が主に認められ、程度は腫脹の高度の1例以外、軽度もしくは中等度でございました。成人では146例中98例、67.1%の頻度で局所反応が認められました。接種部位の疼痛が主に認められ、程度は接種部位の疼痛の高度な2例以外、軽度もしくは中等度でございました。
次のスライドをお願いいたします。全身反応ですが、小児では52例中31例、60.8%の頻度で全身反応が認められました。疲労及び頭痛の高度各1例以外は軽度もしくは中等度でございました。成人では145例中85例、58.6%の頻度で全身反応が認められました。下痢、筋肉痛及び関節痛の高度各1例以外は軽度もしくは中等度でございました。
次のスライドをお願いします。こちらが全身反応の詳細の続きでございます。
次のスライドをお願いいたします。局所・全身反応以外に認められました有害事象について説明いたします。全被験者で有害事象を報告した被験者の割合は16%であり、重篤な有害事象やアナフィラキシーなどの即時性の有害事象、また、死亡例、治験中止に至った報告はございませんでした。
次のスライドをお願いします。続いて、本治験の副次評価項目である免疫原性として、OPA、GMFR、抗体価の上昇率、上昇倍率についてお示しします。ワクチン接種前から接種1か月後のOPA、GMFRは、13の血清型において5.5~61.7の範囲で上昇いたしました。詳細なデータは資料に入れておりますので、御確認をお願いいたします。
次のスライドをお願いいたします。次に、臨床試験結果を基に改訂されましたプレベナー13の添付文書について御説明いたします。
次のスライドをお願いいたします。用法及び用量ですが、今回承認を受け、新たに「肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者」が追加されました。用量は「1回0.5mLを筋肉内に注射する」でございます。
次のスライドをお願いいたします。「効能又は効果」にも同様に追加をされております。
次のスライドをお願いいたします。今回の適応追加により、肺炎球菌の疾患に罹患するリスクが高いと考えられる方は、年齢を問わず接種いただくことが可能になり、海外とのワクチンギャップを補うこととなりました。また、今回のプレベナー13の適応拡大に現行の予防接種法施行令で、「肺炎球菌感染症(高齢者がかかるものに限る)」の予防接種対象者として規定されている65歳の者、そして60歳以上64歳未満の対象者をカバーできることとなりました。
次のスライドをお願いいたします。今回の適応追加にて添付文書の「効能又は効果に関連する注意」の中に「肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者とは、以下のような状態の者を指す」として、スライドに示す具体的な疾患、状態とともに、最後に「上記以外で医師が本剤の接種を必要と認めた者」の記載がされております。
今回適応で追記された疾患等は、別添の資料にございます2009年に示された新型インフルエンザ発生時の優先接種の対象となる基礎疾患と多くが重なるだけでなく、現在発生しております新型コロナウイルスに対する新型コロナワクチンの接種において、高齢者以外で基礎疾患を有する方の疾患として、現時点の科学的知見に基づいて検討された基礎疾患と多くの疾患が共通しております。このことからも、このたびの適応追加により添付文書に記載された疾患等は、肺炎球菌性肺炎のハイリスク疾患であると私どもは考えております。
次のスライドをお願いいたします。プレベナー13は、高齢者の適応を取得した2014年より、予防接種・ワクチン分科会において、高齢者に対する定期接種化に向けた御評価をいただいております。現在はプレベナー13がカバーする血清型による肺炎の発症予防の観点から、肺炎球菌性肺炎の罹患のハイリスク者に対する定期接種化について御評価をいただく途上にあると理解しております。
今回の追加適応により、私どもは高齢者を含めた肺炎球菌性肺炎に罹患するリスクが高い国民の皆様への公衆衛生の向上に弊社のプレベナー13が貢献できると考えております。
以上でございます。御清聴ありがとうございました。
○大西委員長 どうも御説明ありがとうございました。
ここからは委員での議論に移りますけれども、お時間が許せばこのまま聞いていただければと思います。ありがとうございました。
本件については今後も引き続き議論することになると思いますが、委員の先生方から御発言等がございますでしょうか。
○林予防接種室長 委員長、すみません。事務局ですけれども、よろしいでしょうか。
○大西委員長 どうぞ。
○林予防接種室長 もし差し支えなければ、せっかくファイザーの方が来ていただいていますので、御質問等を受けていただいたらどうかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○大西委員長 はい。質問の時間を設けたいと思います。何か御質問等ございますでしょうか。氏家先生、よろしくお願いします。
○氏家委員 御説明いただいた中で、ハイリスク者での1回の筋肉注射が新しく追加承認されたということですが、小児、15歳未満に関しては、本来の定期接種の接種スケジュールが期待されているところだと思います。2013年に肺炎球菌が導入されたところですけれども、15歳未満の方でまだ肺炎球菌ワクチンを打っていないハイリスク者の方がいた場合においては、小児であっても1回の筋肉注射というのが可能なのでしょうか。
○速水参考人 可能でございます。
○氏家委員 分かりました。では、定期接種は下の小児のやつで見るけれども、それで打っていないような方については医学的適応で見るということですね。
○速水参考人 そうでございます。
○氏家委員 ありがとうございます。
○大西委員長 ほかに。岡田先生、よろしくお願いします。
○岡田参考人 ファイザーの方にお伺いしたいのですけれども、小児の領域は、今、PCV13でカバーできる血清型での感染はほとんどなくなってきましたが、今回の治験の中で血清型、特に侵襲性の肺炎球菌の血清型というのは解析をされているのですか。
○速水参考人 岡田先生、それは血清型、感染を見ているということですか。ではなくて。
○岡田参考人 いや、カバー率が、小児の領域はほとんどPCV13でカバーできる血清型が分離できなくなっていますけれども、今回の治験に入られた方々で分離された肺炎球菌の血清型というのは検索されているのですか。
○小河原参考人 岡田先生、小河原のほうから御説明申し上げると、今回の場合は、肺炎球菌の分離、同定は行っておりません。単純にプレベナー13を1回接種いたしまして、免疫原性の評価と安全性を評価しただけでございます。
○岡田参考人 ありがとうございました。
そういう意味では、国内の6~64歳までの肺炎球菌の分離の血清型というのがPCV13でどれくらいカバーできるかという基礎的なデータというのは、菅先生の研究班とか幾つかで6~64歳のところの血清型というのが。たしか大石先生の成人のところでありましたね。
それから、結局、今からPCV13を6~64歳にやっていくときに、カバー率が接種する前と接種後どれくらい変わっていくかというのは、どこかでモニタリングをしていかないといけないのかなと思ったのですけれども、そういうきちっとしたモニタリングがなかなかできないのかなと思って発言をさせていただきました。
以上です。
○大西委員長 ありがとうございます。非常に難しいですが、重要な点だと思います。
ほかにございますでしょうか。池田先生。
○池田委員 池田でございます。
御説明を聞き逃していたとしたら申し訳ございません。適応追加、海外のほうの御事情を御紹介いただいているのですけれども、海外ではこうした全年齢に対して、ハイリスクの方に対しては、日本で言うところの定期接種のようなワクチンのプログラムでカバーされるものなのか、そうではないのかということ。あと、もしカバーされるとしたら、例えば何年に1回打つとか、そういったことが決められているのか。聞き逃していたら申し訳ございません。
○速水参考人 ありがとうございます。
米国ですと、19~64歳の方に対しては、ハイリスクの方、免疫不全状態であるような方については、ACIPのほうで定期接種が推奨されておりまして、公費助成がされているという状態でございます。
また、骨髄移植とかをされた方につきましては、米国ではプレベナーを移植後6か月間経過した方に対して、3回接種をするという形で定期接種をされることが推奨されております。
○池田委員 分かりました。
ヨーロッパのほうではいかがなのでしょうか。
○速水参考人 今、全世界的には30か国以上でリスクベースでの接種が推奨されておりまして、ヨーロッパでも広く推奨されております。
○池田委員 ありがとうございました。
○大西委員長 今のところをもう一度確認なのですけれども、定期接種というか、接種が推奨されていて、公費助成がされているという理解でよろしいですか。
○速水参考人 そうです。30か国以上では接種が推奨されていて、公費助成でカバーされているというところになっております。
○大西委員長 全額公費助成という形ですか。
○速水参考人 そこは国によって保険の制度が違いますので、全額ですとか一部助成という形になっていると考えております。
○大西委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。原先生、お願いします。
○原委員 原です。
質問ですけれども、免疫原性と安全性を評価されたということですが、その後どれぐらい持続するとか、そういった情報はお持ちでしょうか。
○小河原参考人 開発のほうからお伝えいたします。今回データを示しておりませんけれども、速やかに消失しておりますので、軽度も重度もございませんので、特に問題の点の長期持続をするような事象はございませんでした。
○原委員 すみません。有害事象でなくて、抗体の上昇、免疫応答が上がって、その後の抗体がどれぐらいの期間持続されるのかなどの情報がありますかという質問でした。
○小河原参考人 申し訳ございません。抗体の持続性については今回の試験で確認しておりませんので、どの程度持続するかについてはお答えできません。申し訳ございません。
○原委員 海外の治験などでは、例えばハイリスク者の抗体についても結構長い期間持続しているとか、そういう情報があるのでしょうか。
○小河原参考人 すみません。ちょっとハウリングしているので、もう一度お答えいただいてよろしゅうございますでしょうか。
○原委員 海外の治験などの情報でハイリスク者の方で抗体が長い期間持続できたとか、そういう情報もありますかという質問です。
○小河原参考人 調べなければいけませんけれども、私の今、確認しているデータでは、長期の免疫原性、抗体の持続性についてはございません。
○大西委員長 大藤先生、よろしくお願いします。
○大藤委員 大藤です。
私も海外の状況についてデータがあれば教えてほしいのですが、結構長いこと海外のほうでは使われてきていることかと思うのですが、海外でハイリスク者に使われたときの有効性とか安全性のデータは何か出ていますでしょうか。
○小河原参考人 大藤先生、申し訳ありません。お問合せの件は臨床試験でございましょうか。それとも臨床試験に限らず。
○大藤委員 臨床試験に限らず、もし市販後とかでも。
○速水参考人 海外のハイリスク者に対するデータというのは、論文になっているものが少なくて、なかなか情報がないのですけれども、骨髄移植の患者様ですと、一応3回打ってちゃんと免疫原性が上がっているというデータとかございまして、あとはCAPiTA試験でも半数以上が基礎疾患を持っている方が組み入れられておりまして、追跡のところで事後解析まで含めますと、5年間程度は免疫というか、抑制、予防効果が持続するという形でデータは出てございます。
○小河原参考人 臨床試験につきましては、米国のほうで今回のデータパッケージも入れているのですけれども、HSCT患者さん、HIV患者さん、鎌状赤血球症の患者さん、幾つかの試験でございますが、そういった臨床試験は行っております。
○大西委員長 菅沼先生、よろしく。
○菅沼委員 先ほどお話が出たのですけれども、各国によって定期接種といいますか、公費の助成があるというお話があったのですが、それについてどれくらいカバーされているのか。もちろん全額から、何割かというのはあると思うのですけれども、そういったもののデータはあるのでしょうか。
どうしてこんな質問をするかというと、一つに、今、肺炎球菌ワクチンが例えば脾摘の患者さんに保険適用で使われていると思います。実質そういうことでやると、保険適用でカバーされているところは、助成されているのと似たような形になるかと思いますので、今回の基礎疾患を有する方に対するワクチン接種についても、脾摘のときと同じような形で接種という方法も考えつつあるのかなと思っていまして、そういう意味で言うと、海外でどれくらいカバー、実際助成されているのかというデータがあると、一つ考える資料になるかなと思って御質問させていただきました。
○速水参考人 ありがとうございます。
今、すぐに回答できるもの、手持ちに資料がないのですけれども、例えばドイツですと、このコロナ禍におかれまして、肺炎球菌の感染症の予防を一般市民の方がすごい意識されて接種が多くなりまして、もともとドイツは公費助成で、ニューモバックス、PPV23があったのですが、どうしても出荷調整等がありまして、今回のコロナ禍ではプレベナー13も一応保険適用という形で、接種された方は保険でカバーされるという状態でございます。
すみません。答えになっていなくて申し訳ございません。
○菅沼委員 ありがとうございました。
○大西委員長 いかがでしょうか。ファイザーさんがいらっしゃっているので、聞きたいことはいっぱい聞ける状況でありますけれども、よろしいですか。
この後どうやって進めていくのか、難しいところではありますが、目的を明確にして議論を進めていくのがいいのかなと思っています。
それでは、もし追加で質問等がないようでしたら、委員での議論を少ししたいと思いますが、いかがでしょうか。ファイザー社さんはこのまま聞いていただければと思います。委員の間での議論という時間を取りたいと思いますが、いかがでしょう。氏家先生。
○氏家委員 先ほどの御質問の中でも、肺炎球菌の血清型のカバー率であるとか、保険適用としての脾摘患者への接種であるとか、かなり23価のワクチンと関連した、オーバーラップしたようなトピックが多いかなと理解しています。現状、日本では65歳以上の高齢者を対象に、23価の肺炎球菌の接種がされているほか、60歳以上の方に対して、インフルエンザと同等にハイリスク者であるとされる方に先に1回の接種が認められているという現状であると思います。今回追加適応が獲得されたのがハイリスク者の方への接種ということですので、通常の高齢者の議論は既に制度設計のところで終わっている状況ですから、もし新しく追加適応を取ったハイリスク者の接種について、どのように対応するかという議論であれば、60~65歳に実施している23価の肺炎球菌ワクチンの在り方を一緒に議論しないと、23価のワクチンだけでの議論が進みにくいのではないのかなと思います。
この中身としては、23価でやっているハイリスク者の定義というのが必ずしも肺炎球菌の特性にかなったものとなっていない部分もありますし、なぜ60歳以上なのかというのも、インフルエンザに絡めての制度設計だったと理解していますので、もしこれについて前向きに議論するのであれば、23価を含めた議論が必要になってくるのではないかと思います。というのが1点目。
逆に60歳以上にしかハイリスクは打っていないので、そこは23価自体も2歳からハイリスク者に適応がありますから、それでも60歳以上にしか打っていない現状がありますので、13価は小児でかなり接種が進んで、13価でカバーされる血清型は社会的に問題になっていないということが、今回高齢者に定期接種にならなかった大きな原因だと思いますので、そういう観点からすると、議論自体もあまり必要ないという考え方もできるのかもしれないなというのが2点目です。
私からは以上です。
○大西委員長 ありがとうございます。
先生方、ほかにいかがでしょうか。氏家先生の御意見の議論はこの後引き続きやっていかなければいけない点かなと思いますが、そのほか、いかがでしょう。よろしいですか。
じっくりと議論しないと、すぐファクトシートをつくるといっても、何をつくるのかというのが明確でない現状ではあるのかなと思っています。
それでは、委員から御発言がないようでしたら、次の議題に進みたいと思います。次は議題2の「組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン」の議論に入りたいと思います。MSD株式会社が製造する9価HPVワクチンが薬事承認されたことを受けまして、前回のワクチン評価小委員会において、ファクトシートを作成の上、それに基づき審議を行うことといたしました。今回はファクトシートが完成いたしましたので、審議を行っていくことになりますが、まずは事務局からその辺りの経緯について説明いただき、その次にMSD株式会社参考人より製品の概要について御説明いただきたいと思います。その後にファクトシートを多屋委員から御説明いただき、その後、今後議論すべき点等について、各委員から御意見をいただきたいと思います。
それでは、事務局より資料2-1の前半部分について説明をお願いします。事務局からお願いいたします。
○田中予防接種専門官 事務局です。よろしくお願いします。
HPVワクチンの9価のHPVワクチンについての今までに至る経緯というところで、2価、4価を含めてお話しさせていただければと思います。まず、平成22年7月にヒトパピローマウイルスワクチンに関するファクトシートのほうを報告していただきまして、その後議論していただきまして、平成25年4月から2価と4価のHPVワクチンについての定期接種が開始されております。
また、9価HPVワクチンにつきましては、昨年7月に製造販売のほうが承認されたことを受けまして、先ほど委員長のほうからもお話がありましたが、昨年8月のワクチン評価に関する小委員会におきまして2点了承いただいているというところになります。1点目が9価HPVワクチンを定期接種で使用することの是非について検討するという方針について、まずお認めいただいておりまして、それに加えまして、ファクトシートの作成を感染研のほうにお願いするという形の方針を御了承いただきました。また、ファクトシートに関しましては、前回のファクトシートの作成から時間が経過していることや、また、ワクチンの特性が大きく異なること等の理由から、新たにファクトシートの作成をお願いした次第になります。
そのファクトシートのほうですけれども、今年の1月31日に感染研より提出いただいているという状態になっております。膨大な作業をしていただいた先生方には本当にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
経過に関しては以上になります。
○大西委員長 ありがとうございます。
それでは、MSD株式会社参考人より製品の概要について御説明いただきたいと思います。準備ができましたら、よろしくお願いいたします。
○田中参考人 それでは、説明させていただきます。私、MSDの臨床開発の責任者をしております田中と言います。どうぞよろしくお願いします。
まず最初のスライドからです。このたびは説明させていただく機会をいただき、感謝申し上げます。まず初めに、昨年8月の本委員会における委員からの御指摘として、2価・4価の直近の治験を含め、ファクトシートを作成するべきという趣旨の御指摘があったことを議事概要にて拝見いたしましたが、まさに御指摘のとおり、9価ワクチンの有効性及び安全性の論議を行うには、2価・4価ワクチンと完全に切り離すことは不可能です。現在の定期接種ワクチンである2価・4価ワクチンについて、既に有効性、安全性共に積極的勧奨差し控え以降に複数の重要な報告が出され、エビデンスが十分に蓄積しております。それらの治験についての評価と議論を公式に行わぬまま、9価ワクチンの単独で評価を進めることは不可能であり、適切でないと考えております。
御存じのとおり、積極的勧奨差し控えがされていても、自治体は予防接種法及び政令に定められているはずの周知と勧奨の義務を負っていますが、実態としてはほぼ行われておりませんでした。昨年10月の厚生労働省におけるリーフレットの改正に伴う個別送付の依頼によって、多くの自治体で周知については行われたものの、一部の自治体ではいまだに実施されていません。さらに積極的接種勧奨が再開されていない状況下では、勧奨はほとんどの自治体で行われていないのが現状であると認識しています。
2013年にHPVワクチンの積極的接種勧奨が差し控えられて以降、2000年以降に生まれた女子のHPVワクチン接種率は、それまでの約70%から1%以下に激減いたしました。これによる超過罹患や超過死亡、すなわちワクチンを接種しなかったことによる子宮頸がんの罹患や死亡の公衆衛生上のインパクトは極めて深刻です。2000年から2003年に生まれた女子にHPVワクチンを接種していれば、約1万7000人の罹患、約4,000人の死亡が将来的に予防できるはずであったとの研究結果もあります。
安全性について、御存じのとおり、国内の研究としてNagoya Study、また、海外でも近年発表されたデンマーク、韓国の大規模な研究でも、HPVワクチンと接種後の症状との間に有意な関連が見られなかったことが証明されています。
有効性についても、昨年、New England Journal of Medicine誌に掲載されたスウェーデンの報告で、4価HPVワクチンの接種により浸潤性子宮頸がんの発症リスクが低下したことが証明されました。国際的にも子宮頸がんワクチンの有効性と安全性のエビデンスは十分蓄積した今、一刻も早くこれらの評価を行い、積極的勧奨を再開すべきと考えます。ワクチンによって予防できるはずの子宮頸がんから国民を守り、救えるはずの命を救う必要があります。
次に、9価HPVワクチンの製品特性等について御説明させていただきます。2枚目のスライドをお願いします。HPVは、男女共、多くの人が当該のいずれかの時期に感染し、多くは一時的なものですが、持続感染した場合、一部で異形成が生じ、その一部ががんになると考えられています。全世界の約5%のがんにHPVが関連しているとされています。
3枚目のスライドをお願いします。現在、本邦では2価及び4価のHPVワクチンが定期接種として用いられておりますが、9価HPVワクチンは、4価HPVワクチンに含有される6、11、16、18型に加え、新たに5つのHPV型、31、33、45、52、58型のVLP、ウイルス様粒子を含有する製剤です。6、11型は低リスク型で、尖圭コンジローマなどの原因となります。残りの7つの型は高リスク型で、子宮頸がんなどの原因となります。
4枚目のスライドをお願いします。本邦においてHPV16及び18型は、子宮頸がんの65.4%に寄与しています。9価HPVワクチンはさらに5つの型に対応しており、子宮頸がんの原因となるHPV型の88.3%をカバーします。
5枚目のスライドをお願いします。9価ワクチンの本邦での承認申請に当たり、スライドに示す7つの臨床試験を実施いたしました。本日は第II/III相国際共同試験である001試験、及び国内小児を対象とした008試験の結果について説明させていただきます。
スライド6枚目をお願いします。001試験の概要です。本試験では9価ワクチンの免疫原性、有効性、安全性を4価ワクチンと比較して評価いたしました。対象は16~26歳の女性約1万4000人で、本邦からも参加しております。4つの共通型に関しては、3回接種後、1か月時点の免疫原性について、4価ワクチンとの非劣性を検証しました。5つの追加型については、子宮頸部、外陰及び膣の高度病変の複合発生率を評価項目として有効性の検証を行っております。
7枚目のスライドをお願いします。こちらのほうは解析計画ですので、スキップさせていただきます。
8枚目のスライドをお願いいたします。まず、5つの追加HPV型の有効性の検証に係る主要評価結果をお示しします。9価ワクチン群及び4価ワクチン群の疾患イベントの発生例数は、それぞれ1例及び30例であり、疾患イベントの発生率から算出した発症予防効果の両側95%信頼区間の下限値は、事前に設定された優越性の評価基準25%を上回ったことから、9価ワクチン群の4価ワクチン群に対する優越性が検証されました。
スライド9枚目をお願いします。次に4つの共通HPV型の有効性の検証に係る主要評価結果をお示しいたします。治験薬3回目接種1か月後の4つの共通HPV型に対する血清抗体価のGMTについて、9価ワクチン群と4価ワクチン群の比の両側95%信頼区間の下限値は、いずれのHPV型においても事前に設定された非劣性限界値0.67を上回ったことから、9価ワクチン群の4価ワクチン群に対する非劣性が検証されました。
10枚目のスライドをお願いいたします。安全性について、治験薬各回接種5日後までに発現した注射部位の有害事象及び治験薬各回接種15日後までに発現した注射部位以外の有害事象のうち、いずれかの群で5%以上に認められた有害事象及びその副反応を表に示しています。全集団と比較して、日本人部分集団では注射部位紅斑の発現割合に高い傾向が認められました。一方、日本人集団における頭痛及び悪心の発現割合は、全集団より低い傾向にありました。
スライド11枚目をお願いします。スライド11には誤記がありまして、上段の最後の文章「治験薬との因果関係が否定されなかった9例16件」というのは誤りでして、「8例15件」ですので、こちらのほうを訂正させていただきたいと思います。
こちらのスライドは、治験期間中に発現した死亡、重篤な有害事象、中止に至った有害事象について示しています。死亡に関しては全ての治験薬との因果関係は否定されています。中止に至った有害事象は因果関係が否定されたか、否定されなかった事象についてはいずれも回復しております。重篤な有害事象についても因果関係が否定されたか、否定されなかった事象については、治験薬接種完了後6か月以上たって発現した3例3件を除き回復しております。この3例3件については転帰未回復のまま追跡終了し、その後、情報は得られておりません。
スライド12枚目をお願いします。008試験の概要です。本試験では9~15歳の日本人女性100例を対象として、9価ワクチンの免疫原性、安全性を評価いたしました。
13枚目のスライドをお願いします。免疫原性の主要評価項目は、治験薬3回目接種1か月後の各HPV型に対する血清抗体価の抗体陽転率で、いずれのHPV型の抗体陽転率も100%でした。
スライド14枚目をお願いします。安全性について。本剤各回接種5日後までに発現した注射部位の有害事象及び本剤各回接種15日後までに発現した注射部位以外の有害事象のうち、5%以上に認められた有害事象及びその副反応を表に示しています。治験期間中に死亡、重篤な有害事象及び治験中止に至った有害事象は認められませんでした。
最後、15枚目のスライドになります。以上、主要な結果として審査が行われ、9歳以上の女性を対象として9価HPVワクチンの承認が得られております。また、9価ワクチンの安全性については、既に世界的にも広く確認されており、日本の薬事承認においても特段の懸念はないと判断されていますが、慎重を期して市販後において一般使用成績調査を実施するとともに、全例登録を行いながら注意深く使用を勧めていっているところです。この全例登録は少なくとも発売後2年間、つまり、2023年前半まで継続する予定です。
なお、9価HPVワクチンの供給については、現時点では現に9価ワクチンが予防接種プログラムに採用されている国を優先して供給しております。その上で、今後本邦での定期接種を支えるに十分な程度の供給が物理的に可能になるのは、早くても2023年頃になるであろうと想定しています。
9価ワクチンの世界的な需要の高まりを受け、新たに工場建設を進める等、順次生産体制を強化しているところです。世界的に需要が高まり、供給が逼迫する状況が続いている中、残念ながら日本においてHPVワクチンの積極的勧奨が差し控えられている現状がこれ以上続くことは、9価ワクチンの日本への供給が2023年よりもさらに遅れるリスクを増す可能性が懸念されている状況でございます。
最後にもう一度、9価の有効性や安全性の評価、そして定期接種化についての御議論は、当然ながら2価・4価ワクチンと切り離すことができない点。2価・4価ワクチンの有効性と安全性について、既に十分蓄積したエビデンスを速やかにしかるべき場において評価した上で、速やかに接種勧奨の再開を実現すべきであることを重ねて申し上げて、御説明を終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。
○大西委員長 ありがとうございました。非常にクリアな御発表をありがとうございます。
ただいまの発表につきまして御質問等ございますでしょうか。氏家先生。
○氏家委員 何度もすみません。
非常に重要な点を言及されたかと思うのですが、世界的な需要が増している中で、ワクチンプログラムを実施している国を優先して供給する予定であるということを指摘いただいたところだと思いますが、仮にHPV9が日本で定期接種化された場合においても、2023年までは日本国内で供給が困難な状況であるという御説明内容でよかったでしょうか。
○白沢参考人 MSDの白沢です。私のほうから答えさせていただきます。
9価、シルガード9のワクチンの供給については、現実的に定期接種に十分な程度の供給が可能になるのは2023年頃になるだろうと我々は考えております。というのも、先ほど田中のほうが話しましたように、9価ワクチンの世界的な需要の高まりを受けて工場建設を進めたり、順次生産体制を非常に強化しているわけですが、日本で承認されたのは昨年の末ですが、そのはるか前から長年にわたって9価のワクチンが予防接種プログラムに採用されている国に対して、数年前からそこへの製造、供給の計画を立ててずっと動いているわけですので、日本も承認されて至急動いているわけですが、こちらの国を優先して、日本も今、順次生産の体制、供給の体制に入るように準備しているところですので、現実的には2023年頃に十分な量が安定供給できるのではないかと考えております。
○氏家委員 ありがとうございます。
○大西委員長 ほかに。池田先生、よろしくお願いいたします。
○池田委員 池田でございます。
今回の臨床試験の話と少しずれてしまうかもしれないのですが、私の理解だと、諸外国では9価のワクチンを含め、接種は2回というプログラムが大半だと理解していまして、今のように大変品薄な状況で日本で3回定期接種というのは、世界的な標準からずれているように思うのですが、2回接種でどの程度の効果があるかということについてのデータなどはお持ちなのか。日本で3回接種という形で進めるのは、世界的に見ると違和感があるのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○田中参考人 御質問ありがとうございます。本日、2回接種の有効性のデータに関しては資料を持ち合わせておりませんので、御質問に関しては、本日の答えを厚生労働省を通じて御連絡させていただこうと思います。よろしくお願いいたします。
○白沢参考人 白沢です。
今の御指摘に関しては、世界的に9~14歳の年齢層に関して、会社がやったものとは違って、国際的ないろんな研究機関等のデータに基づいて、免疫原性に基づいてそのような使い方が国のプログラムとして使われている国々があるのは確かでございます。
○大西委員長 多屋先生、手が挙がっていました。
○多屋委員 御説明ありがとうございました。
今のとも少し関連するのですが、2023年になれば定期接種を実施するに十分量の供給ができるというお話でした。今の2回接種、3回接種の問題もありますが、定期接種として実施できるに足りる十分量というのは、どれだけの年齢層をカバーして考えておられるのでしょうか。標準的な接種年齢、例えば中学校1年生の女性分は大丈夫、あるいは小学校6年生から高校1年生の女性分の供給は大丈夫。それはどちらのほうで考えて23年というふうにおっしゃっていただいたのでしょうか。
○白沢参考人 白沢のほうからお答えさせていただきます。
実際どのような使われ方をするかということは、現時点では2価・4価に関しても積極的な接種の勧奨が再開されていない状況で、今後どのように実際実臨床の中で使われていくか、また、勧奨が再開されたらどうなるかというのは、正確に分かるわけではないですけれども、我々なりにこれまでの過去の実績等を踏まえた上で、それなりの相当な量が必要と考えております。そういう前提でそれで可能な量を出せるのはこれぐらいの時期ではないかと思っております。ただ、具体的なものに関しては、今後厚労省の議論の中で、結局、定期接種に入り、積極的に接種をするという状況下でどのような使い方をするかということが決まっていきますので、今後密に厚生労働省とは議論しながら、我々の供給計画は考えさせていただきたいと思っております。
○大西委員長 多屋先生、よろしいですか。
○多屋委員 はい。ありがとうございます。
○大西委員長 ほかにいかがでしょうか。
ないようでしたら、ファクトシートのほうの。氏家先生。
○氏家委員 先ほどの規制当局の承認に関する接種スケジュールですが、MSDとしては3回接種で、開発を日本でやっているというのはそのとおりだと思うのですが、EMAなどでは2回接種等で承認されているという理解だったのですが、それは違うのですか。3回接種で規制当局が推奨したものを、WHOのポジションペーパーなどに基づいて国が独自に2回接種をしているのですか。それともEMAの承認自体が2回の接種で適応になっているということではないのでしょうか。
○田中参考人 9価のHPVワクチンについて、海外においては9~14歳、2回接種のデータがありますので、代替療法として承認されておりますが、現時点では日本で承認されている療法ではありません。なお、9価のHPVワクチンの2回接種については、現在開発を行っている途中でございます。
○氏家委員 分かりました。なので、日本では3回で承認されているところですが、海外では2回での承認があるという理解でよろしいですね。
○田中参考人 はい。
○氏家委員 ありがとうございます。
○大西委員長 ほかにいかがでしょうか。MSDさんに確認しておきたいことがあれば、ここのタイミング。池田先生。
○池田委員 海外では4価もそうですが、9価も男性への接種が行われている、あるいは積極的に推奨されているところもあると理解しておりますけれども、日本での開発状況が分かれば教えていただきたいと思います。それによって例えば有効性の観点とか費用対効果の観点が大きく変わってまいりますので、その辺りについてはいかがでしょうか。
○田中参考人 現在、ガーダシル、4価のほうは男性適応のほうを既に取得しておりますけれども、9価のほうにつきましても臨床試験を今、実施中です。承認申請の予定については現時点ではまだ決まっておりませんので、お答えすることができません。簡単な答えですが、これでよろしいでしょうか。
○池田委員 分かりました。ありがとうございます。
○大西委員長 ほか、よろしいでしょうか。多屋先生。
○多屋委員 もう一つ、2月の終わりから実際に販売されていると思うのですが、全接種登録を2年ぐらいされると伺いました。2か月ぐらいたっているのですが、現在どのぐらいの接種が登録されているのでしょうか。
○田中参考人 今、そちらの接種状況に関してのデータを持ち合わせておりませんので、こちらに関してもまた厚生労働省のほうを通してお答えさせていただきたいと思います。申し訳ありません。
○大西委員長 原先生。
○原委員 御説明ありがとうございました。
HPVワクチンに関しては、安全性の面も非常に慎重にすべきかと思うのですけれども、日本人の治験のほうで、10枚目に有害事象、副反応を示していただきましたが、特に回復が悪いとか、これまでに報告されてきたような問題になる症状、そういったものの報告はなかったのでしょうか。
○田中参考人 日本人の症例ではそういったものはございませんでした。ただ、これまで報告にあったようなというものが、どういった内容を指しておられるのかということですけれども。
○原委員 多様な症状ですけれども。
○白沢参考人 国内臨床試験ではそういうのは認められていない。
○田中参考人 ないです。
○原委員 気になるようなものはなかったということですね。ありがとうございます。
○大西委員長 いかがでしょう。よろしいでしょうか。
それでは、御説明ありがとうございました。
ここからは委員での議論に移りたいと思います。お時間が許せばこのまま聞いていただければと思います。
MSD社の参考人のお二人には大変お世話になりました。ありがとうございました。
それでは、9価HPVワクチンのファクトシートが提出されておりますので、多屋委員と池田委員に御説明をお願いしたいと思います。資料2-3ということになろうかと思います。まず、多屋先生、よろしくお願いします。
○多屋委員 よろしくお願いいたします。
私のほうから医療経済学的な部分以外のところを御説明させていただきたいと思います。
5ページ目の目次をお開きください。目次の大きな柱の1つ目として対象疾患の基本的知見、疾患の特性と国内疫学状況。2つ目の観点として有効性の観点。6ページ目、安全性の観点。もう一つが諸外国の導入状況。この4つの観点について、おおむね5分ずつぐらいで概要を御説明させていただきたいと思います。
最初に7ページ目です。対象疾患の基本的知見ですけれども、HPVワクチンによって予防可能な疾患としては、201行目から206行目にあるような疾患の予防ということが考えられています。ヒトパピローマウイルスは、ヒト以外の動物には感染せず、200種類以上の遺伝子型があって、粘膜型のうち、少なくとも15種類はハイリスク型と呼ばれています。
また、9価のほうは、HPVの16、18以外に6、11もありますが、これらは尖圭コンジローマの原因となると言われています。性行為を介して感染し、そしてゲノムが核内のエピゾームで維持する潜伏状態となります。子宮頸部の移行帯は特に細胞増殖が速いので、ここでHPVの潜伏・持続感染が起こる。そしてHPVの増殖時にCIN1が生じてくると考えられています。
8ページ目に行きます。HPVの感染は極めて一般的で、生涯に8~9割の女性がいずれかは感染すると言われています。通常5~10年以内にCIN2/3のような前がん病変が生じ、その後10年以上の経過を経て、一部の方で子宮頸がんが発生してくると考えられています。
次に9ページ目です。検査法としては子宮頸がん検診として実施されているものがありますが、検体中のHPVのDNAの検出はPCR法で行われていることが多いです。我が国でも体外診断用医薬品として認可されているものが幾つかあります。また、HPVが検出された後はタイピングなどが行われて、ハイリスク型なのか、そうでないのかの検討が行われると思います。
10ページ目に行きます。現在、日本では子宮頸がん検診としては細胞診という方法が推奨されています。検診にHPV検査を追加あるいは代替的に用いる試みは、先進国を中心に行われています。333行目です。HPVが陽性の方の中でCIN3に進展するのは年2%程度であって、長期の追跡が必要です。コンプライアンスの低さが各国共通の課題となっています。
11ページ目に行きます。344行目。CIN3と呼ばれる高度異形成及び上皮内がんに相当する段階では、浸潤がんの除外診断を兼ねた子宮頸部円錐切除術というものが行われることが多いです。CIN2/3に対してレーザー蒸散法による治療が行われることがあります。352行目です。子宮頸がんとなりますと、手術療法、放射線療法が主体で、そこに化学療法が組み合わされた治療が行われています。
373行目に行きます。一方、子宮頸がんではない尖圭コンジローマの場合は、外科的切除、あるいは電気焼灼、レーザー治療、あるいはイミキモドのクリームを使うという治療が行われています。
12ページ目に行きます。予防法としてはHPVワクチンを接種することと、子宮頸がん検診を行うこと。この2つが考えられています。
その他としては、389行目、潜伏感染状態では、HPV抗原はほとんど産生されず、免疫系からは逃れていますので、感染したヒトの抗HPV抗体価は一般に低いと言われています。HPVは男性の生殖器にも感染します。394行目です。ブラジルやメキシコ、米国の男性のコホート研究からは、男性の生殖器からのHPV検出率として、何らかのHPVが50%、ハイリスク型のHPVが30%検出されていると報告されています。
次に国内の疫学状況に移っていきたいと思います。12ページ目の404行目です。2018年に全世界では年間約57万人が子宮頸がんに罹患して、約31万人が死亡されています。西アフリカ、南アフリカ、東南アジア、中南米、カリブ海沿岸地域、東欧で多いということが、13ページ目の図1を御覧いただくと分かるかと思います。開発途上国で罹患率が高く、先進国では罹患率が低いという傾向があります。
13ページ目に行きまして、図1の下です。我が国ではどうか。我が国の子宮頸がんの罹患者は年間2万8183人。このうち子宮頸がんは1万1012人と報告されています。これは2017年の全国がん登録です。
420行目です。頸がんの罹患率は、20代の後半から40代まで増加した後、徐々に下がる傾向があるというのが、13ページ目の下の図2に掲載しております。子宮頸がんは女性のがん全体の3%ですが、20歳代では甲状腺がんと並んで最も多いがんの一つであり、30代では乳がんに次いで多いものとなっています。
14ページ目に行ってください。図3は小児AYA世代のがんの内訳ですけれども、ここで子宮頸がんはオレンジの色になっていますが、20代、30代にオレンジの色が目立つことが分かります。図4に示しておりますが、特に東アジアでは韓国で罹患率が高かったのですけれども、ここ数十年で大きく減少しておりまして、米国、英国、オーストラリアでも罹患率は緩やかに減少しています。これに対して対照的に日本は子宮頸がん罹患率の増加が続いており、2010年には韓国とほぼ同レベルになって、直近では日本のほうが高い値となっています。
435行目です。2017年、日本は14.1、韓国は9.1。日本における子宮頸がんの罹患率は、1980年代には高齢層にピークがあったのですけれども、それが若年層に移っているというのが、15ページ目の図5を御覧いただければ分かるかと思います。2010年代になりますと、30~40代に罹患率のピークが来ています。
次に15ページ目です。子宮頸がんは前がん病変として発見されることが多いわけですけれども、CIN3以上の子宮頸部異形成と子宮頸がんを合わせて子宮頸部異常診断の中でCIN3が65%を占めるということが図6に書かれています。なので、この段階で見つかることが多いということが分かります。
16ページ目に行きます。尖圭コンジローマですけれども、国内の感染症発生動向調査では20代の後半に男性も女性もピークがあるということが図7で分かります。
17ページ目、図8を御覧いただきますと、性器クラミジア感染症に比べると頻度は低いですが、最近は男女共にほぼ横ばいの発生状況となっています。
18ページ目に行きます。季節性ですけれども、そんなに大きな季節性はなく、毎月定点当たり報告数で男性と女性では若干男性のほうが多いですが、このような発生状況となっています。
海外の尖圭コンジローマの疫学情報は18ページ目と19ページ目に書いていますので、これは後で御参照ください。
20ページ目に行きます。死亡者数ですけれども、子宮頸がんによる死亡数は年間6,800人ですが、このうち子宮頸がんは2,871人。2018年の人口動態統計からのデータです。
527行目に行きまして、子宮頸がんの年齢調整死亡率は、欧米諸国では長期的に減少していますが、東アジアで死亡率が高かった韓国でもここ数十年大きく減少しており、対照的に日本では死亡率が微増している。最近では先進国で最も高い水準になっていることが分かっています。30代から50代前半までで顕著で、高齢層では逆に死亡率が減少する傾向があるというのが、21ページ目の図12を御覧いただくと分かるかと思います。
欧米や韓国における子宮頸がん罹患者・死亡率の減少には、細胞診による子宮頸がん検診の普及が寄与しているわけですが、日本の子宮頸がん検診の受診率を見ますと、図13にありますが、40%程度にとどまって、欧米諸国や韓国と比較して低い状態となっています。
22ページ目に行きます。次に、疾患別では子宮頸がんは96%なのですが、それ以外の肛門がん、膣がん、外陰部がん、陰茎がん、口腔咽頭がんがHPVに関連していると言われています。565行目です。
23ページ目に行きます。2004年から2008年の米国では、肛門周囲93%、子宮頸部96%、中咽頭部、陰茎、膣、外陰部、このようなところでHPVが関連しているがんの報告があります。図14に示すとおりです。なので、子宮頸がんだけではなくて、様々ながんと関連しているということが分かっています。
次に、世界におけるHPVの分布ですけれども、586行目です。HPVの遺伝子型分布には地理的な違いがありまして、検出された遺伝子型の中で最も割合が高いのがHPV16です。588行目です。次いで31、51、53と続くのですが、アフリカ地域の扁平上皮がんでのHPV16の検出割合はヨーロッパの2分の1。18については、ヨーロッパや南/中央アメリカが北米の2分の1。593行目です。子宮頸部扁平上皮がんのほうが軽度扁平上皮内がんよりHPV16が2倍、18が1.5倍。ハイリスク型は他の遺伝子型よりも進行して発見されることが多いということが図15に報告されています。
24ページ目です。最も頻度の高い15遺伝子型の地域別分布を見ますと、ヨーロッパ、北米、中南米、アフリカ、アジアというふうに検出されるHPVの型が違うということが分かります。
次に、ミスプリントで申し訳ない。601行目の「女性10万人あたり16.2」。その次が「致死率」となっていますが、これは「死亡率」の間違いです。世界における子宮頸がんの発生率は、女性10万人当たり16.2、死亡率は10万人当たり8.9、55~64歳の年齢群が最も高い発生率ということが、図16を御覧いただければ分かるかと思います。浸潤の子宮頸がんについては、毎年約49万人が診断され、約27万人が死亡しているというのが世界の状況です。
606行目に行きます。全世界の1万例を超える浸潤子宮頸がんの調査では、85%にHPVが確認されて、91%でハイリスク型が関連していることが報告されています。
25ページ目に行きます。どの遺伝子型が検出されているかということが記載されています。
26ページ目も引き続きですが、左上が日本を含めたアジアですけれども、ほかの地域と比べまして若干分布が異なっているということが分かります。
では、日本でのHPVの分布がどうかといいますと、625行目です。HPVの陽性率は、細胞診が正常の女性で約10.2%、子宮頸がんの方で87.4%が陽性であったということが言われています。浸潤がんで検出されるHPVは、頻度の高い順に16、18、52、58、33と続いています。
27ページ目に行きます。648行目です。WHOで精度・信頼性が確認されたタイピングを用いた報告では、日本人の女性の子宮頸部病変で、浸潤がんで検出されるHPV型は、頻度の高い順に16、18、52、58、33となっています。日本人女性の子宮頸がん及びCINでHPV型分布を調べた最近の報告では、浸潤がんでは16、18、52、58、31と、同じような結果が報告されています。
28ページ目に移ります。約90%の子宮頸がんが今回の9価のHPVワクチンの標的となるということが示されました。
次に、HPV16に対する抗体保有状況を御覧ください。これは予防接種法に基づく感染症流行予測調査事業で調べられるものですが、2011年から子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業が始まりましたので、現在20代前半の女性となっています。図20を御覧いただきます。右側が女性ですが、年によって全て重ね合わせていますが、2015、16、17、18、19と見ていただきますと、HPV16に対する抗体保有率はどんどん上がってきており、2019年度の調査では77.5%まで抗体保有率が上がってきています。
30ページに移りたいと思います。目的については(1)に書いてあるとおりです。
次に、有効性の観点で、31ページ目になります。2価または4価HPVワクチンを接種して6か月から6年のフォローアップをした第三相試験。HPV16/18に未感染の女性の場合、16/18型による持続感染、CIN2以上の病変、AISに対する非常に高い予防効果が報告されています。
一方、既感染の女性に対しては、779行目から32ページ目にまたがっていますが、HPVワクチンにつきましては、ウイルスを排除する効果はないということが示されております。
788行目からですが、最近フィンランドでの研究で2価及び4価HPVワクチンの臨床試験のフォローアップ検査が公表されまして、HPV関連浸潤がんに対する有効性が初めて報告されています。
33ページ目に行きます。表3は2価のHPVワクチン接種10年後の抗体陽性率と抗体価ですけれども、10年後もこのように高い抗体価が維持されていることが分かります。
34ページ目に行きたいと思います。接種スケジュールです。性交渉を開始する前の男女小児9~14歳が主な接種対象年齢となっています。851行目ですが、2回接種の場合、少なくとも6か月の間隔を空けて接種することが推奨されていますが、15歳以上になりますと、3回接種が推奨されているところが多いです。
4価HPVワクチンを最初に接種してから7か月の時点で2回接種と3回接種では抗体価に差がないというデータも示されています。
860行目です。13~19歳の女性に5か月以上の間隔を空けて2回接種した場合、3回接種と比較してCIN2以上の病変を発症するリスクに差がないということも報告されています。
36ページ目に行きます。9価の臨床試験成績。これは先ほど既にかなり詳しくお話を伺いましたので、時間の関係から省略させていただきますが、高い抗体価の維持、そして4価と9価については非劣性が証明されているということが、先ほどお話しされたとおりかと思います。
次に、安全性についてお話を進めたいと思います。44ページ目です。安全性の観点からは様々な症状が認められているわけですが、一番まとまっているものとして、表14からの表を御覧いただきたいと思います。今回の評価ではメタアナリシス、介入研究、コホート研究、症例対象研究の論文を中心にまとめさせていただきました。I番からIXまでの論文です。論文のデザインや対象国、対象集団、ワクチン、そして文献を表14に記載しています。
表15を御覧ください。50ページです。これは接種部位の症状です。痛み、腫れ、紅斑、そのうち重症例の割合が9価あるいは4価との比較で記載されています
表16を御覧ください。これも先ほどの文献番号が一緒で、それぞれI番の文献にはこのような結果が書かれてあるということをまとめたものとなります。
52ページ、表17です。重篤な全身症状があったものは、I番の論文だと0%であったとか、II番の論文だと9価と4価について比較して、9価だと3.3%、4価だと2.6%。このように御覧いただければと思います。
最後に海外での接種状況を御紹介したいと思います。64ページ目を御覧ください。2020年10月27日現在、110か国、全体の57%でHPVワクチンが国の予防接種スケジュールに導入されています。グリーンに色をつけている国々です。WHOの提言に基づいて2回接種スケジュールを導入している国が圧倒的に多いです。
表25を御覧ください。370行目となっていますが、これは現在HPVが導入されているかどうか、あるいはNIPにいつ入ったかどうかというのを全ての国で表にまとめてもらったものになります。これで御覧いただきますと、ほとんどの国が定期接種のスケジュールは2回接種です。3回接種となっているのは、372行目、14~26歳の男女では3回接種であるとか、67ページ目ですと備考欄にそういうのが載っていますが、3回接種となっているのは、リスクの高い人ですとか、あとは年齢が上の人ですとか、それ以外はほとんどが2回接種というスケジュールになっているということが分かります。68ページ目、69ページ目に各国の接種状況を記載してもらっていますが、多くが2回接種。3回接種というのは72ページ目と73ページ目にありますが、日本の3回、もう一つがシンガポール。このような状況となっています。
74ページ目を御覧いただきますと、2020年5月4日現在、WHOのメンバーの中で107か国が国のスケジュールとしてHPVワクチンを導入しています。
75ページ目はHPVワクチンの推定接種率を示したものですが、地域によって若干異なります。日本はWPR、左から3つ目に入りますが、JAPANというのは下から2番目にあります。紫色がHPVのFirst dose。グレーがHPVのLast doseを示して、接種率が横軸。縦軸に国が表記されております。非常に高い接種率がもう既に達成されている国から、ほとんど接種されていない日本のような国まで各国様々あるということが分かるかと思います。
以上のことをかなり詳しく各国ごとにまとめたものが76ページ目から80ページ目に記載されていますので、御覧いただければと思います。
80ページ目は国別に見たHPVワクチンのスケジュールへの導入ですが、2価も4価も9価も、3つとも導入されている国もある一方で、4価だけの国あるいは9価だけの国があるということが分かるかと思います。
最後に97ページ目を御覧ください。今回のファクトシートの担当は、国立感染症研究所の病原体ゲノム解析研究センターと疫学センターが中心になってまとめたのですが、子宮頸がんということもありまして、今回国立がん研究センターの片野田先生に大変お世話になりました。執筆を分担してくださいました。また、子宮頸がんの臨床の観点では昭和大学の松本先生に大変お世話になりました。この後、池田先生、そして五十嵐先生に医療経済学的なところを御執筆いただきました。
非常に短い時間で、飛ばしてしまいましたが、以上、ファクトシートの概要となります。ありがとうございました。
○大西委員長 ありがとうございます。
池田先生。
○池田委員 池田でございます。
では、医療経済学的な観点というところについて簡単に説明をさせていただきます。今、御説明がありましたように、執筆メンバーの多屋先生をはじめ、先生方の御指導をいただきながら、私と横浜市立大学の五十嵐准教授が担当させていただきました。54ページ、1214行目辺りからになります。まず、海外文献を調べてみたのですが、数十件ありまして、全部レビューをいたしましたが、そもそもワクチンの値段とか医療費が違うとか、あるいは先ほども議論があったように、多くの国では2回接種で計算をしているとか、あるいは男性の適応も含めているということで、日本にそのまま当てはめられるような研究というのは見つかりませんでした。
国内の研究でございますが、表18のところに主なものをまとめてございます。9価のワンクを取り扱ったものは一番右にある141番の文献でございます。これらの文献の分析、費用対効果というのは、実測は無理なので、長期的な予後予測に基づいた推計ということになるのですが、推計法も異なっておりまして、これまでの文献では、例えばいわゆるジェノタイプの分布を、海外のデータを用いているものであるとか、あるいは費用対効果の指標としてQALY、質調整生存年を使うのですが、QOLの値を海外データを使っているものとか、国内にそのまま当てはめるには難しいのではないかというものがほとんどでございました。
そこで、今回可能な限り日本のデータを使って分析を行ったという結果が55ページ以降で示しております。検診の受診率とかワクチンの効果の持続期間とか、ジェノタイプの分布、QOLのデータといったものは本来国内データが必要で、可能な限りそういうものを使ったのですが、それらの使ったパラメータにつきましては、57ページ以降の表で示してございます。今回分析をいたしましたのは三通りの戦略の比較ということでございまして、55ページの1238行目のところにございますワクチンの接種をしないというのが1つ。4価のワクチンの接種をするというのが2つ目。9価のワクチンの接種をするというのが3つ目ということで、この3つの戦略に関して相対的な費用対効果の比較を行いました。
56ページにその分析のモデル、HPVの感染から子宮頸がんに至るまでの自然史のモデル。このような形で先行研究を参考にモデルを構築いたしました。ここにそれぞれ可能な限り日本のパラメータ、データを導入していったというところでございます。
詳細な分析の方法とか、あるいは使用したデータについては、こちらのファクトシートを後ほど御参照いただければと思います。
1257行目にありますように、長期的なワクチンの持続効果というのは、まだ全くデータもなく、研究によって様々な設定をしているところでございますが、今回はワクチンの効果は10年間持続する。その後5年間で減衰してゼロになるということを初期設定といたしまして、持続期間を変更した形での感度分析も実施しております。
医療費はもちろん日本のデータを使いまして、日本システム技術株式会社の御協力をいただきまして、こちらで収集しているレセプトのデータベース、数値を使用しております。
QOLのデータは、先行研究、Murasawaらの数値を利用しております。
その他の設定につきましては、基本的に日本で標準的に行われている方法。日本の中医協のほうでもガイドラインが出ておりまして、そのガイドラインに準拠した形で分析を行っております。
結果でございますが、59ページ、表22でございます。3つの戦略です。ワクチンの接種をしない。4価を打つ。9価を打つ。それぞれについての1人当たりの生涯のワクチン並びに子宮頸がんに関連した平均医療費、「コスト」と書いてあるところにそれぞれ6万4157円。11万347円。13万2824円。これが推計結果となっております。
それぞれの戦略での平均の質調整生存年(QALY)が右のところに書いてございます。それぞれ相対的な増分費用効果比(ICER)、つまり、1QALY獲得するのに幾らの追加の費用が必要になるのかという割り算の結果でございますが、通常日本では1QALY獲得するのに500~600万円というのが費用対効果、保険では妥当だということで判断されていることが一般的でございます。中医協のほうでも500万円というのを一つの基準値としております。そういった観点から見ますと、ワクチンを接種しない場合に比べて、4価のワクチンを使いますとICERの値が712万2586円/QALYということで、これは基準値をちょっと超えているという状況でございます。
ワクチンを接種しない場合に比べて、9価のワクチンを使いますと420万111円/QALYということで、これは基準値に入っている。費用対効果がよいということになります。
9価をQALY当たり227万8757円となりまして、これも費用対効果の点では良好と解釈できます。
ただ、ここでの推計は、ワクチンの価格。これは先行研究を参考にいたしまして、接種料も含めて、9価のワクチンは7万1154円と設定をしております。その他、先ほど申しましたように、長期的な有効性についても一定の仮定を置いて計算をしているということなので、もちろんこの仮定を変えますと結果も変わってまいります。その感度分析の結果はそれ以降のページに書いてございます。
詳細は、本日時間のため割愛いたしますが、一つだけ申し上げておきますと、62ページ、63ページのところで書いておりますのが、実は検診の受診率が上がれば、相対的にワクチンの費用対効果が悪化するということで、だから検診を受けなくていいということでなくて、むしろそうではないのですけれども、先ほど御紹介いただいた検診の40数%というところが日本の現状の受診率かと思いますが、これを仮に検診の受診率が80%まで向上したといたしますと、図25の一番右のところにございます1QALY当たり1149万円ということで、費用対効果としては悪化をするということになります。将来検診受診率が上がってくるとなりますと、そういった時点では現状想定しているワクチンの価格では費用対効果の点で課題があるということも示されております。
その他、確率感度分析等、より詳細な分析も行っていますので、後ほど御確認いただけると思います。
今回はあくまでもワクチンを3回打つという想定で行っておりますが、海外では2回接種で計算をしているものが大半であるということを改めて申し上げておきたいと思います。
以上です。
○大西委員長 非常に重厚なファクトシート作成、御苦労さまでした。ありがとうございました。
それでは、次に事務局から論点について、資料2-1の後半部分の説明をお願いします。事務局、よろしくお願いします。
○田中予防接種専門官 事務局です。よろしくお願いします。
資料2-1の3枚目と4枚目になります。
○大西委員長 近藤先生。
○近藤委員 ファクトシートに質問があるのですけれども。
○大山委員長 では、お受けします。近藤先生、よろしくお願いします。
○近藤委員 ファクトシートで、今、池田先生から費用対効果のほうで非常に重要なファクトが提示されたということで、特に前半のところでやったベースケースの増分費用効果比の報告については大変興味深くて、重要なことが報告されたと思うのですが、1点質問です。最後の検診率向上というところでシミュレーションされているのですが、多分2011年の山本さんの論文とかで記録しているので、されたと思うのですけれども、検診の受診率を上げるための費用というのは入っているのでしょうか。表を見ると入っていないのですけれども。
○池田委員 例えば検診の受診率を上げるための宣伝をするとか、そういう費用は入っておりませんが、検診の費用は入っております。
○近藤委員 今、検診42%とか40数%のところを70%、80%に上げるというのは、莫大な費用をかけないといけないかもしれないし、ましてやそれを上げるための努力は何をやったらいいのかが分からなくて御苦労されている状況で、20年先はどうか分かりませんが、ディスカウントであまり効かないのかもしれないのですが、それはあまり結果に影響しないわけですから、5年とかそういう段階で80%ぐらいになるというのは、あまり意味がある分析ではなくて、ファクトとして書いていいのかというのが若干疑問に思って、少なくともそういうことが起こり得るというふうに誤解されるとなると、ファクトシートとしてどうなのかなと思ったのですが。
○池田委員 御指摘ありがとうございます。
今回説明を十分申し上げておりませんでしたけれども、公費医療費支払者の立場からの分析ということで分析しておりまして、これは56ページの1259行目に書いてございますが、先生御指摘のように、それ以外の立場からの様々な社会的なコストを入れる分析というのもデータさえあれば可能でございます。これは実際ワクチンの接種率を上げるためにも多分ワクチン代以外の費用がかかるわけで、現状4価のワクチンも十分に打たれていないところを、4価を接種するのに対して、9価にしたらどうかというところにも実は想定に無理があったりしますので、そういう意味では、先生おっしゃるように、公的医療費、その部分の財源のみを対象にした分析でございますので、それ以外の社会的コストというものを含めて、また必要であれば分析はさせていただきたいと思います。御指摘ありがとうございました。
○近藤委員 ポイントはよく分かったのですけれども、ワクチンの費用は公的医療費ですが、国の一般財源から手当てするということで、検診強化の費用については今回は入れていないという話なのですね。
○池田委員 ワクチン接種推奨の費用は入れていませんが、ワクチン代は入っております。だから、それも同様です。検診を受けさせるための宣伝の費用は入っていない。ワクチンを受けていただくための接種の勧奨の費用は入っていない。いずれも入っていないです。
○近藤委員 分かりました。結構です。
○大西委員長 ありがとうございます。
それでは、事務局、続けてよろしくお願いします。
○田中予防接種専門官 よろしくお願いします。
3枚目と4枚目に大きく2つに分けて論点を6点、2点挙げさせていただいております。1つ目が定期接種化の是非について検討を要する論点の案としまして、接種の目的、疾病負荷の大きさ、国民の免疫の保有状況、ワクチンの有効性、安全性、費用対効果という6点についての論点という形で案を挙げさせていただいております。
4枚目が、仮に定期接種のワクチンとして用いることになった場合に検討を要する論点としまして、2点挙げさせていただいておりまして、接種対象者と定期接種に用いるワクチンの種類というところで2点挙げさせていただいております。こちらの論点の案というところに対しまして、これで過不足ないかとか、この論点を議論するに当たって追加で調べておくべき情報等を御議論いただければと考えております。よろしくお願いします。
○大西委員長 ありがとうございます。
それでは、案として出ております論点。こういう論点でよいのかどうか。もしこういうデータが追加で必要だということがあれば、併せて御意見をいただければと思います。論点案、1番目が接種の目的。氏家先生、どうぞ。
○氏家委員 コメントをさせていただきたいと思います。まず、この小委員会が審議会での成り立ちとして、科学的な安全性、有効性を評価するための論点整理の場所という特性を持っていたかと思いますので、安定供給の問題であるとか定期接種化に際した課題というのが残されているということは、今回明らかになったわけですが、あくまでHPVワクチンの性質から広く接種を推進すべきかどうかという議論にフォーカスして議論を進めていくのがよいのではないかと思います。
この論点の中に記載がされていないことについて、先ほどから議論が出ています2回接種のものですが、費用対効果に関しても、当然3回より2回のほうが費用が少なくて済みますし、副反応の観点からも当然接種回数が少なくなれば、そのリスクというのも減るわけです。実際に今、2回接種で接種されている国がほとんどということですが、アメリカやオーストラリアなどでは1回接種でも2回接種と同様の免疫原性が得られるというデータが近年出ているところですので、日本だけ3回接種で承認を得ているという状況については、メーカーの努力等も含めて是正していくべきではないかと思います。
プラス事務局のほうから出ています論点ですが、既にHPVの2価と4価が定期接種化されているところですので、どうしてもこれをベースとした議論というのがあるかと思います。そういう意味では、接種の目的、今、女性だけに子宮頸がんを中心とした尖圭コンジローマとなっているところですが、そのほかの頭頸部がんであるとか、性器のがんということも含めて予防が可能ということですので、こういったものを含めての議論が必要になるのかなと思います。
有効性に関しては、4価、2価よりもカバー率が広がって、有効率が上がっているという状況ですので、費用対効果のところでも4価からの変更でICERが非常に低く出ているということを考えると、かなり前向きに広く接種を勧めることを検証してもいいのかなと思います。
最後の想定される論点の接種対象者のところですが、9歳から接種の適応があるところですけれども、オランダなどではかなり思春期の女性に接種をすることでの機能性身体障害の問題などを避けるために、少し低い年齢での接種を開始したらどうかという議論が数年前されていたと理解しています。結局、まだ変わっていないですが、ドイツなどでは9歳から接種がされているところですので、接種対象年齢と機能性身体障害の問題も含めて議論がされてもいいのかなと思います。
すみません。長くなりましたが、私からは以上です。
○大西委員長 ありがとうございます。
たくさんあって、一個一個が重かったですけれども、大丈夫かな。
2回接種の話をこの論点の中に入れ込んでいくかということですが、多分それは定期接種として用いることになった場合の検討項目ということですか。2ページ目に当たるのですか。
○氏家委員 定期接種化が可能かどうかというところは、この小委員会で議論する問題ではないと思うのですが、実際問題安定供給ができるのがまだ少し先ということになりますので、それに向けて3回ではなく、2回での接種が可能となるようなワクチンの開発というのは、今、MSDさんもこの場にいらっしゃいますので、お願いしていくということは議論があってもいいのかなと思った次第です。
○大西委員長 この委員会で議論するのか、外なのか、僕は理解できないのですが、事務局、どんな感じなのでしょう。
○林予防接種室長 ありがとうございます。
もともとのルールで言うと、薬事承認が得られたワクチンについてここで議論するという成り立ちですので、薬事承認が得られていない用法について議論するということが、もた状況とか、氏家委員からいただいた話などもお伺いしていくと、ここの議論における費用対効果などとも若干関連するところでありますので、取扱いについてはちょっと検討させていただきたいと思います。
○大西委員長 了解しました。ほかに委員の先生方、論点案について過不足があれば、御意見をいただきたいと思います。この論点案はこんなものかなという感じでしょうかね。
4ページ目にある定期接種のワクチンとして用いることになった場合に検討を要する論点。ここでは2つ挙がっていますが、接種対象者と切り替ともとの成り立ち上、想定されているわけではないのですけれども、今日お話しいただいえるか、追加なのかというところの種類の話というところですが、論点としてほかにありますか。氏家先生、どうぞ。
○氏家委員 定期接種でカバー率が上がるという制度設計自体は、小児の肺炎球菌で7価から13価に切り替えたという経緯があったと理解しています。そのときの議論では、7価と13価を併用することは、有効性が明らか高いワクチンがあるのに7価を使えるようにしておくことは望ましくないという議論がされていたと理解しています。安定供給の問題もありますので、その辺りは上の部会や分科会等で議論されることなのかなと思いますが、一つの参考としてそういった7価から13価のスイッチということも同じような議論として参考になるのかなと思いますので、コメントさせていただきます。
○大西委員長 ありがとうございます。
他の委員の先生方、いかがでしょう。
特段ないようでしたら、この論点6点、その他の論点としてプラス2つということで、8点に関して今後議論をしていくということにしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○大西委員長 ありがとうございます。
本日は、氏家委員からも様々な点で意見をいただきましたので、事務局には改めて資料を整理していただきまして、引き続き議論をしていきたいと思います。
以上で本日予定していた議事は終了ということになりますが、その他、事務局から何かございますでしょうか。
○元村室長補佐 ありがとうございます。
次回の開催につきましては、追って御連絡をさせていただきます。
事務局のほうからは以上になります。
○大西委員長 ありがとうございます。
それでは、よろしいですか。本日の第l7回ワクチン評価に関する小委員会を終了したいと思います。活発な議論をいただきまして本当にありがとうございました。多屋先生、何か。
○多屋委員 申し訳ないです。前回、帯状疱疹のワクチンの帯状疱疹ファクトシートを出しましたときに、同じようにこのようにファクトシートを紹介した後、次の委員会が9か月後とか10か月後だったのですね。なので、次の委員会はなるべく早めに開催をしていただけますと、先生方の記憶も新しいと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。最後にすみません。
○大西委員長 ありがとうございます。
それでは、本日のところはこれで終了したいと思います。本当にありがとうございました。