2021年6月4日第7回「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」議事録

日時

令和3年6月4日(金)15:00~17:00

場所

オンライン会議(厚生労働省 職業安定局第1会議室)

出席者

議題

  1. (1)報告書(案)について
  2. (2)その他

議事

議事内容

○駒村座長 こんにちは。定刻になりましたので、ただいまから第7回「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御参集いただきまして、大変ありがとうございます。
今日の検討会については、オンラインで開催いたします。事前にお送りしている「会議開催、参加方法について」を御参照ください。すみません。今日は私もオンラインで参加させていただいております。諸般の関係で、初めてですけれども、オンラインということでございます。
議事に入る前に皆様からの発言についてお願いがあります。まず、議事進行中はマイクをミュートとさせてください。最初に私が発言を希望される方を募りますので、「手を挙げる」機能を御使用ください。御発言される方を指名させていただきます。指名された後にマイクをオンにして発言を開始してください。ただ、今日、私も座長を初めてオンラインでやります。会場と違って、もしかしたら画面の関係で、手を挙げているにもかかわらず気がつかない可能性もあります。気がつかないようでしたら、私のほうに注意してください。チャットで発言希望と送っていただければと思います。
御発言される方を指名させていただきますので、指名された後にマイクをオンにして発言を開始してください。御発言の際には、まずお名前を名乗っていただき、可能な限りゆっくりと分かりやすくお願いいたします。また、発言後は必ずマイクをミュートにするようにお願いいたします。
操作など質問がある場合は事務局にお問合せをお願いします。円滑な会議運営に御協力をお願いいたします。
それでは、本日の構成員の出欠状況や資料の確認を事務局よりお願いいたします。
○竹内障害福祉課長 事務局でございます。
本日の構成員の出席状況について御報告させていただきます。山口構成員の代理として久富様に御出席いただいておりますが、本日は全員出席となっております。
なお、眞保構成員、長谷川構成員が所用により遅れて御出席される予定でございます。
また、障害保健福祉部長の赤澤が公務により欠席させていただいております。
続きまして、資料の確認です。本日の資料は、議事次第、資料1、参考資料1から参考資料6までです。これらの資料に不備がございましたら、事務局にお申しつけください。
以上でございます。
○駒村座長 ありがとうございます。
それでは、議事に入りたいと思います。
頭撮りはここまでになっておりますので、カメラ取材の方は御退室をいただくようよろしくお願いいたします。
では、議事に入っていきます。前回の検討会では報告書の素案について、皆様から意見を出していただきました。それを踏まえて、本日は報告書(案)が作成されておりますので、議題1のとおり、これについて最終的な議論を行い、内容を取りまとめることができればと思います。
なお、参考資料の「ワーキンググループのこれまでの議論等の整理について」は、一部形式的な修正をしておりますので、念のため申し添えます。
それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○日髙障害福祉課課長補佐 事務局、障害福祉課の日髙でございます。
それでは、私のほうから資料1につきまして御説明をさせていただきます。こちらは検討会報告書(案)ということで、表紙と目次もつけた上でまとめさせていただいております。基本的に前回の検討会での修正意見を反映させていただいております。また、前回座長から言及もございましたが、冒頭の「はじめに」と結びの「おわりに」というところを新たに加えさせていただいております。また、全体を通じまして趣旨を明確にしたり、あるいは誤解のないよう分かりやすい評価にするといったような観点からの修正もさせていただいております。
それでは、順に内容を御説明させていただきます。まず、1ページ目「はじめに」というところを読み上げで御説明をさせていただきます。
障害者の就労支援は、雇用施策と福祉施策との連携の下、その取組を進め、近年、障害者雇用は着実に進展し、同様に「福祉から雇用」への移行促進も図られてきた。一方で、両施策の制度が縦割りになっていることから生じる課題や「制度の谷間」から十分に対応できていない状況等が顕在化するなど、雇用・福祉施策の双方で整理、対応していくべき課題も引き続き存在している。また、医療面や生活面の支援が必要な重度障害や精神障害、発達障害、高次脳機能障害、難病がある方、高齢化など支援対象者の多様化及び短時間勤務等の働き方の多様化に加え、技術革新等による障害者就労を取り巻く環境も変化してきており、新たな支援ニーズが増大している。さらに、新型コロナウイルス感染症への対応として、テレワークでの在宅勤務などへの対応が模索されている中で、新たな生活様式の定着を見据えた取組も求められており、今後、障害者就労の可能性の拡がりが予想される。
これらの課題や変化に対応し、障害者本人を中心としたシームレスな就労支援を提供することを通じて、障害者がより働きやすい社会を実現していくためには、雇用施策と福祉施策が引き続き連携し、課題解決に向けた具体的な対応策を検討していくことが必要となる。
このため、厚生労働省では、令和元年7月に「障害者雇用・福祉連携強化プロジェクトチーム」を発足させ、中長期的な視野に立ち、障害者就労支援の更なる充実・強化に向けた主な課題を整理するとともに、今後の検討に必要な論点を議論し、令和2年9月に障害者就労に係る雇用施策と福祉施策の連携強化について中間報告を取りまとめた。
本検討会は、この中間報告で示された今後の検討の方向性も踏まえつつ、雇用施策と福祉施策の更なる連携強化に向け、必要な対応策についてより具体的な検討の方向性を議論することを目的として、厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官及び社会・援護局障害保健福祉部長が、それぞれの施策に関わる有識者等を構成員として参集し、令和2年11月に立ち上げたものである。
本検討会においては、関係者からのヒアリングを行ったほか、3つのテーマについて集中的に論点整理等を行う目的で、以下のワーキンググループを同年12月から開催し、各WGから本検討会への議論の中間報告も行いつつ、令和3年3月に各WGとしての議論等の整理をまとめた。
ワーキンググループの名称は省略いたします。
その後、本検討会においては、各WGにおける議論等の整理について報告を受けた上で、今和3年4月から6月にかけて、さらに議論を重ね、本報告書の取りまとめに至ったところである。
以上のような経過から、本報告書は、各WGにおいて議論等の整理がなされた内容を基本的な土台としつつ、その具体性をさらに高める等の内容になっている。このため、本報告書は、以下に続く本文はもとより、各WGの議論等の整理も併せて参照することで、全体像としての理解をより一層深めることができるものである。
なお、3つのWGも含めた本検討会は、障害者本人のニーズを踏まえた上で雇用施策と福祉施策とがシームレスに提供され、障害者本人が両施策間を円滑に移行できるよう、両施策の連携強化に係る課題について検討を行うために設置、開催されたものである。
その趣旨から、常に「一般就労」の可能性を探りつつ、それを希望する方については、その実現に向けてどういった支援等が必要かという観点から多くの議論が行われた。特に、企業等で働く可能性があり、障害者本人にも意欲があるにもかかわらず、十分な情報や支援等が提供されなかったために、障害者本人も含めた関係者が思い込みを持ってしまったことやそうした選択肢に気付かなかったことにより、企業等で働くことを諦めていた者について、両施策の連携の強化により、実際に選択肢があることを障害者本人も含めた関係者が認識し、挑戦できることの重要性が強調されたところである。
併せて、特に第3WG及び本検討会において繰り返し確認された目指すべき方向性は、障害の有無にかかわらず、地域において働くことを希望する人がその能力や適性に合わせて働くことにチャレンジできる社会であり、そこにおける働き方はいわゆる「一般就労」のみならず、福祉的就労を含むものであり、多様な働き方の中で、社会全体で共に働くことである。
本検討会において積み重ねてきた議論をとりまとめた本報告書を通じて、雇用施策と福祉施策の連携強化に関する対応策の具体的な検討の方向性が、働くことを目指す障害者本人や、それを支援する全ての関係者に広く理解されるとともに、それぞれの施策が直面する課題の解決に向けて動き出す原動力となることを期待する。
「はじめに」は以上でございます。
続きまして、3ページ以降、第1、第2と続きます。ここは前回からの修正点の要点を順に御説明申し上げたいと思います。3ページ目の「第1 障害者の就労支援における基本的な考え方」でございますが、こちらは前回からの修正はございません。
4ページ目以降、第2、対応策の具体的な検討の方向性の部分でございます。(1)の2の「アセスメントの目的」の上から3つ目のポツ、ワーキンググループの整理が少し抜けている部分がございましたので、アセスメントのプロセスや結果を本人と共有ということが整理をされたという点を書き加えております。
その下、段落が変わりましたところ、「さらに具体的に言えば」というところから一部追記をしてございます。本人の強みをしっかりと整理する、ですとか、一般就労に向けて必要となるサポートなどを明確化する、それが確実に提供されるようにするという御指摘がございましたので、追記をしております。
5ページ目の中ほどに「アセスメントの結果の活用」という項目がございます。この部分の一番下から3行辺り、アセスメントの結果の本人へのフィードバック、それで自己理解を促すということも必要という御指摘があった点を追記してございます。
6ページ目の中ほどに「アセスメントの実施主体や質の担保」という項目がございます。こちらの部分も一番下の3行を書き加えてございます。アセスメントの実施主体について、基礎的研修の受講などといったことも必要だという御指摘があった点を追記してございます。
7ページの下から4行目、ワンストップ相談体制の整備ということについて、素案の段階でも書き入れてございましたが、前回の議論を踏まえまして、少し表現を修正させていただいております。
8ページの(2)人材の育成・確保という部分でございます。2の当面の対応策に関する事項につきまして部分的に修正がございます。9ページ目に「人材確保の方策」という項目がございます。こちらもワーキンググループの整理で、上から3ポツ目、高等教育における部分につきまして少し記述が抜けておりましたので、ワーキンググループで整理をいただいたことを踏まえて具体的に加筆をしております。
「人材の確保の方策」の項目、10ページ目の2段落目「さらに」というところでございます。ジョブコーチの資格化ということに関しまして、前回さらに御指摘がございましたので、追記をさせていただいております。例えば高等教育における養成の促進、それによる裾野の拡大、そういったことがございましたので、追記をしております。
この部分の一番下のまた書きの段階でございます。こちらにつきましては、趣旨を明確にするということで、「障害者の就労支援を行う機関において」という文言を追加させていただいたとともに、下から2行目、法人の経営者等への理解の促進、周知といったようなこともございましたので、追記をしております。
このページの真ん中に「その他」という項目がございますが、こちらもこの部分の最後の3行「さらに」から続くところについて加筆をさせていただいております。教員に対する研修と基礎的研修との相互受講といった御指摘がございましたので、その部分でございます。
その下、なお書きの部分は、サービス管理責任者あるいは相談支援専門員の就労支援に関する専門性の向上という部分について、これまでの御指摘等々書いてございましたが、11ページ目の最後の3行の部分でございます。アセスメントの実施に関わることも想定されるということを踏まえて、研修の在り方を検討することが必要ではないかという御指摘がございましたのを追記しております。
12ページ目からは(3)就労支援体系の在り方という柱でございます。こちらも2の当面の対策等に関する事項という部分で修正が幾つかございます。
1点目は、12ページから始まります「企業等で雇用されている間における就労継続支援事業の利用」という項目の部分です。13ページの3行目から、前回複数御指摘をいただきましたので、それぞれ追記をさせていただいております。上から申し上げると、例えば加齢等による影響のため企業等で雇用継続が困難になる場合、短時間であっても就労継続支援事業を併用しながらといったことですとか、その現状における企業の短時間雇用の部分についての指摘も書いてございます。
また、併用に当たってはということで、企業と継続支援事業所の十分な連携ということですとか、あとは企業の雇用管理の中での継続的な就労能力のモニタリング、あるいは本人へのフィードバックといったことの重要性。それから利用中における状況の変化等を踏まえたモニタリングということも指摘がございましたので、書いております。
その下、また書きの部分も3行追記をしておりまして、就労定着支援事業所ですとかナカポツセンター、ジョブコーチといった機関との役割を整理といったことも御指摘があった点を追記しております。
その下「今後」からの5行でございます。ここは素案の段階でも書いておった部分でございますが、下から2行目、企業と福祉施設との契約の取扱いといったことについても検討すべき事項として御指摘がございましたので、追記をしております。
その次の項目「定着支援の実態とその実施体制」というところでございます。14ページ目の上から3行目、また書きの2行「特別支援学校等の卒業生に対する就労定着支援の在り方の検討にあたっては、学校や教育の役割や負担を考慮することが必要」という御指摘を書いてございます。
次の項目、ナカポツセンターと地域の関係機関との連携という部分でございます。14ページ目のポツ4つの下の部分「これらに加えて」というところ、追記をしている部分がございます。具体的にはその段落の後半の「このように」というところからでございますが、ナカポツセンターが基幹型としての機能、就労支援の拠点として機能していくためにはということで、人員体制の確保や財政支援も必要ではないかという御提案があった点を追記してございます。
その下の段落、また書きの部分も文章の後半「加えて」というところからの最後の3行を加えております。こちらも特に就労支援業務についてはということで、法人が自己負担をする必要があるので、財政支援等が必要であるというところに少し追記をしてございます。
14ページ目の下「雇用施策・福祉施策それぞれの現行制度に関する課題」という項目の部分でございます。15ページの上から3つ目のポツは、ワーキンググループで整理をいただいた部分の中で、職業能力開発という観点の部分が抜けておりましたので、ここを追加してございます。
その下にポツが並んでいるところの下の段落「これらを踏まえ」というところからでございます。1つは地域センターの役割というところで、地域の支援機関に対する後方支援にその役割をシフトチェンジといった御指摘がございましたので、ここを追記しております。
その下、また書き以降は、いわゆる就労継続支援A型事業所の役割、在り方について、これまでの議論、御指摘などをまとめておった部分でございますが、ここについても2点ほど追記をさせていただいております。
1点は「具体的には」というところから始まる段落の最後のまた書きの部分でございます。本来一般就労が可能な障害者がA型事業所に留め置かれることがないよう、一般就労にスムーズに移行できる仕組みが必要であるという御指摘を追記しております。
次の「加えて」というところは、障害者雇用率制度や納付金制度におけるA型事業所の取扱いの見直しという点について、素案の段階でも指摘があった旨を書かせていただいておりましたが、ここについて少し表現を整理させていただいております。
15ページ目の下「一方で」というところからさらにA型に関する指摘の部分、素案の段階でも書いておった部分が続いておりますが、この辺りも趣旨がより明確になるように少し表現を整理をさせていただいております。
16ページ目の中ほど「新しい就労支援ニーズへの対応」という項目がございます。こちらにつきましては、17ページ目の上から3行目、また書きのところから幾つか表現の修正などをさせていただいております。
1点は、また書きから始まるところの2行目からになります。「企業側は技術の活用により障害者雇用の可能性を広げていくべき」という指摘を、前回から表現を修正させていただいているのと、それに続く「他方で」というところでございますが、技術の進展に伴ったような障害者の能力開発が必要であるという御指摘もございましたので、ここも追記をしております。
さらにその下の段落「加えて」からの7行ほどでございますが、こちらはテレワークによる在宅就労が進んでいるというところから、支援機器導入の支援とか、デジタル化を踏まえた職業訓練の必要性、こういった点の御指摘があったというところです。障害者雇用率制度においては、雇用率として算定するのは「雇用型テレワーク」のみとすべきだといったような御趣旨の御指摘がございましたので、これを追記しております。
その下「さらに」からの段落5行の部分でございますが、1点は、中途障害者だけではなくて、障害者の重度化や環境変化に直面した障害者ということも明示して加えたというところと、その後ろに続く文章も趣旨を明確にするという観点で少し表現を整理させていただいております。
17ページの3につきましては、17ページ目の下から3行のところでございます。こちらも素案の段階で企業において障害者を広く受け入れる体制整備ということに関して指摘があったというところを書いてございましたが、より趣旨を明確にするということで、「各支援機関と連携しながら、合理的配慮の提供をさらに進めるなど」といった文言を追加させていただいております。
18ページ目の上から3行「さらに」のところです。個々の障害特性に応じた専門人材やピアサポーターについての御指摘があったところも追記をさせていただいております。
その下のなお書きのところは、雇用施策と福祉施策の連携に当たっての御指摘の部分でございますが、ここも少し趣旨を明確にするために文章表現を整理させていただいております。
最後の2行、余暇活動の支援の部分でございますが、こちらは素案の段階では「知的障害者」という形で書いてございましたが、知的障害者に限るものではないという御指摘がございましたので、「障害者」という表記に改めさせていただいております。
第2の部分は以上でございます。
19ページ目の「おわりに」という部分を新たに書き加えております。こちらも読み上げで御紹介させていただきます。
本検討会においては、雇用施策と福祉施策の連携強化に向けた対応策の具体的な検討の方向性を見出すために、関係者からのヒアリングや3つのWGを含め、雇用施策と福祉施策に関わる多くの方の協力を得て議論を進め、本報告書を取りまとめたところである。
これまでには行われてこなかったような形で、雇用施策と福祉施策のそれぞれの関係者が会議体を構成し、その連携について集中的に議論を行ったことは、両施策間での連携により解決すべき課題や検討の方向性を整理することができただけでなく、雇用施策、福祉施策それぞれに携わる関係者双方の相互理解の深化にも寄与するものとなった。
各WGにおける議論等の整理及び本報告書の第2において提示した対応策の具体的な検討の方向性は、その実現に向けて、今後、労働政策審議会障害者雇用分科会及び社会保障審議会障害者部会において制度所管ごとに具体的な議論を進めていくこととなる。それぞれの審議会における議論においても、本検討会及び3つのWGに参画した雇用、福祉双方の関係者間の議論等により深化した相互理解や双方の施策、支援等に対して相互に寄せられた様々な期待等を十分に踏まえ、本検討会の成果を確実に引き継ぎ、その成果が活かされることを期待したい。
さらに、本検討会の開催を通じて醸成された、雇用施策と福祉施策のそれぞれの関係者が連携して、両施策の進捗や課題を把握・整理し、その解決に取り組む機運が継続するよう、今後も、両施策による検討の場を設けることが求められる。
そして、障害者に関する雇用施策と福祉施策の連携と障害者の就労を支える関係者の調和がより一層強化され、様々な支援が進展するための基盤が構築されることを通じて、障害者本人が能力や適性にあわせて働くことができ、ひいては障害のある人もない人も共に働く真の共生社会が一日も早く実現することを祈念する。
資料1の御説明は以上になります。
○駒村座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局からの説明を踏まえた上で、議論を進めていきたいと思います。
前回の素案から第1及び第2の部分については、皆様の御発言を踏まえた修正が加えられているほか、冒頭に「はじめに」、結びには「おわりに」が新たに追加されています。まず、第1及び第2について改めて内容を確認していただき、次に「はじめに」と「おわりに」についての御意見があればお伺いしたいと思います。
この辺は大事な点ですけれども、御発言に当たりましては、文案の修正意見なのか、修正を求めているわけではなく、コメントなのか、趣旨をはっきりと述べていただきたいと思います。本日取りまとめということでございますので、その辺を確認して進めていきたいと思います。
なお、本日の議論により修正が必要となる場合、この場でその内容を明確にしておきたいと思いますので、文案の修正意見については、具体的にどのような修正が必要なのか、その理由とともに該当部分の文案も簡潔に御発言いただければと思います。
併せて、修正案に対する御意見についても同様に受け付けたいと思いますので、賛否があれば御発言をお願いいたします。
以上、円滑な議事運営に御協力をお願いいたします。
それでは、まず「第1 障害者の就労支援における基本的な考え方」及び「第2の(1)障害者のニーズの把握と就労能力や適性の評価の在り方」について、御発言のある方はお願いいたします。挙手の機能を使ってください。
事務局は、私が見落としていたらチャットで教えてください。御本人でも、私が御指名していないような状態であれば、チャットで合図をしてください。構わないのでお願いいたします。どうぞ。いかがでしょうか。今、阿由葉さんが手を挙げられています。もう少し様子を見ます。あとはどうでしょうか。手を挙げている方はいらっしゃるか。見つかりません。事務局、どうでしょうか。今、阿由葉さんだけでよろしいですか。今日フロアのほうで参加されている委員はいらっしゃいましたか。倉知先生がいらっしゃる。
○竹内障害福祉課長 倉知先生がおられます。
○駒村座長 では、まず阿由葉さんの御発言をと思います。どうぞ。
○阿由葉構成員 ありがとうございます。
コメントになります。15ページの31行目に就労継続支援A型事業について記載があります。「A型事業所を利用する多くの障害者が企業で働ける可能性があると思われる」。33行目「今後、工賃アップを目指しているB型事業所か一般就労に収れんされていくのではないか」という記述につきまして、A型事業を運営する立場からコメントさせていただきたいと思います。確かにA型事業を利用する障害者の中には、企業で働ける可能性のある方も存在する。その一方で、一般就労になじめない方が利用している実態というのも多くあります。併せて、A型事業は一般就労が困難になった方を受け止めるセーフティーネットとしての機能も併せ持っています。今後、A型事業所の役割を検討する際には、A型事業を利用されている方の状況やA型事業が持つ特性なども十分に把握して検討を進める必要があると考えておりますことをお伝えしておきます。
以上です。
○駒村座長 コメントということで、議事録にも残されたいという趣旨で、今の部分についてコメントがありました。
山口構成員の代理の久富さんから手が挙がっているという状態だと思います。ほかにいかがでしょうか。取りあえず久富さんから発言をと思いますが、いかがでしょうか。お願いいたします。
○久富代理(山口構成員) 佐賀県の山口の代理の久富と申します。
14ページの「障害者就業・生活支援センターと地域の関係機関との連携」のところです。よければ文章の追加をお願いしたいと思っています。障害者就業・生活支援センターは、地域のハブ機能を担うだけでなく、特に生活面においては直接支援の担い手としてのニーズも高く、働く障害者のセーフティーネットとしても重要な役割を担っております。また、今後は基幹型としての機能も担う地域の拠点として、地域の支援ネットワークの強化・充実を図ることも求められております。
そのため、現状の職員配置等では今後十分に機能できないと危惧されることから、地域の実情に応じた職員配置等を可能とするよう、総合支援法において都道府県が行う事業として明確に位置づけるなどの見直しと安定的な財源を確保していただきたいと考えております。
文章の入れ込みとしましては、14ページのこの項目の最後のところで結構ですので、地域の実情に応じた職員配置等を可能とするよう、総合支援法において都道府県が行う事業として明確に位置づけるなどの見直しが必要であるという指摘があったというような感じではいかがかと思います。
法律に明確な位置づけがなければ、現状以上の財源確保は見込めないと考えております。また、雇用促進法、総合支援法の双方に位置づけることで、雇用と福祉の連携の先駆的な支援機関と位置づけることが可能となると思われます。
以上です。
○駒村座長 分かりました。
修文で文章を少し追加してもらいたいという趣旨だと思いますので、今の御意見について追加の御意見や賛否があれば、もちろん受け付けますし、ほかの部分でも結構でございますが、ほかの委員から何か御発言ありますか。
では、待っている間に、事務局、今の久富代理からの御意見というのは御理解いただけますか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、障害者雇用対策課長の小野寺でございます。
14ページで総合支援法上の位置づけを含めてという御指摘があった点につきまして、その前提として基幹型としての機能を行っていく上でのつながりかと思いますので、一番最後というよりは、「また」の前の「人材体制の確保や財政支援も必要ではないかという指摘があった」のところに加えて、その際にということで、地域の実情に応じてという形でつながせていただくのがいいかなと思っておりますが、そのような形でもよろしいでしょうか。
○駒村座長 久富さん、どうですか。
○久富代理(山口構成員) それで結構です。
○小野寺障害者雇用対策課長 では、そのように対応させていただきます。
○駒村座長 お願いします。
ほかの委員から何かございますか。
特にないという状況でありましたら、次に「はじめに」と「おわりに」のほうに取りあえず移っていきたいと思います。もし1、2番についてあれば、少し戻ってくるということで。
では、次に「はじめに」と「おわりに」について、先ほどと同様に御発言のある方は挙手でお願いいたします。いかがでしょうか。では、酒井大介さんから手が挙がっていて、竹下さんからも手が挙がっている。新田さんからも手が挙がったということで、今、3人から手が挙がっていらっしゃるということです。
では、酒井さん、竹下さん、新田さんの順番で御発言願います。最初に酒井大介さんからお願いします。
○酒井(大)構成員 全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井でございます。よろしくお願いします。
私からは「おわりに」の9段目以降でございますが、今後の具体的な検討は、障害者雇用分科会並びに障害者部会で議論を進めていくことになる、そういう趣旨のことが記載されております。全体的なその流れには全く異論がなく、この文章の修正ということではなく、この報告書を受けてですけれども、人材確保と資格化については、第2ワーキングでは時間の制約もあってあまり議論を深めてこられなかったという印象があります。それは私自身、傍聴している限りですけれども。この親会でも同様の受け止めでいます。このままの材料で審議会で議論というよりは、研究会などで再度議論をもんで、案を整理して審議会に諮っていくという流れのほうがいいのではないかと思いますので、そのことも御検討いただければなと思います。意見です。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
それでは、竹下さん、お願いします。
○竹下構成員 日視連の竹下です。
修文の提案ではありません。結論としては「おわりに」の内容の確認です。ここでは今後障害者雇用分科会と障害者部会でというふうに検討の場が示されているのですが、不満ではないのだけれども、今回このように福祉施策と雇用施策の連携をという形で大きな枠組みとしての議論がされたのに、また元に戻るのではないかという不安を感じたわけです。すなわち、今後そういう枠を超えた枠組がなくなるのか、雇用施策と福祉施策を別々にというのではなくて、そこを統合的なというか、総合的なというのか、よく分かりませんが、議論をする場というのはなくなってしまうのではないかという懸念を持ったので、その点は今後どういうことになるのでしょうかという質問です。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
今の点は後で確認したいと思いますので、先にもう一人手が挙がっている新田さんからと思います。新田さん、どうぞ。
○新田構成員 経団連の新田です。
私は、修正の意見ではございません。コメントということで受け止めていただければと思います。まず、今回報告書の取りまとめに当たって、事務局の皆様には様々な意見を御調整いただきまして、感謝申し上げます。その上で、「はじめに」あるいは「おわりに」の部分に関して、これまでの本検討会において、使用者側として、企業の障害者雇用の実情を踏まえながら、福祉から雇用への移行だけではなく、雇用から福祉へのシームレスな移行の実現が重要との意見を述べてまいりました。我々が目指す多様で柔軟な働き方というのは、何も一般就労に限られるものではなくて、福祉的な就労を選択することも尊重されるべきと考えております。したがいまして、「はじめに」に盛り込まれている趣旨に何ら違和感はございませんので、この内容で進めていただければと思っております。
加えて、報告書(案)では、企業で雇用されながらA型事業所等のサービスを利用できるようにするといったことなど、雇用施策と福祉施策の連携による新たな仕組みづくりということが提案をされております。この検討に当たっては、A型事業所の役割や在り方の整理が不可欠と考えております。
本報告書の取りまとめを受けて、今後社保審の障害者部会あるいは労政審の障害者雇用分科会において、A型事業所の在り方を含めて様々な観点から具体的な検討が行われると承知をしております。先ほど竹下構成員のほうからも御質問がありましたけれども、今回「おわりに」に記述されておりますように、厚労省の事務局におかれては、障害者部会と障害者雇用分科会それぞれの会合の検討状況を共有するなど、引き続きどのような連携が取れるのかをぜひ御検討いただいて、連携が途絶えることのないように進めていただければと思っております。
私からは以上でございます。
○駒村座長 今までのお3人の方は、今後の議論の展開の確認だったと思います。
続けて、仁平委員、お願いします。
○仁平構成員 連合の仁平です。報告書の取りまとめ、ありがとうございました。
私からは、全体的なコメントと、今後に向けての意見を述べたいと思います。本検討会は、雇用と福祉の縦割りによって生じた課題や制度の谷間に留め置かれていた課題について、雇用側と福祉側の双方が連携を強化して、障害者本人の希望に沿った就労や支援につなげていくための重要な会議であったと思っております。雇用の施策と福祉の施策は、それぞれ目的や趣旨があり、その実現に向けて各施策が展開されておりますが、報告書ではその施策の目的の違いを理解しつつ、今後の検討課題とか方向性を今回取りまとめるに至ったことは画期的なことであり、意義が大きいことなのではないかと思っております。
雇用の施策、福祉の施策、双方の強みを最大限に発揮して、今回の課題認識を踏まえながら、今後も双方の理解の下、解決の道を探っていくことが重要だと思います。いずれにしましても、福祉と雇用の連携を通じて障害を抱える人が必要な支援を受けながら、一般就労などで賃金を得つつ、地域で安心して生活することができる環境整備に向け、必要に応じて、雇用と福祉の連携の場を再度活用し、さらに検討を深めることが必要ではないかと思います。感想も含めた意見として申し上げておきたいと思います。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
ほかに御意見ございますでしょうか。いかがでしょうか。
では、待っている間に、今の4人の方の御意見というのは、修文ではなくて、コメントをそれぞれおっしゃったと。全ての委員のコメント内容はほぼ同じ内容だと思います。竹下委員だけ少し確認をしたいという趣旨でしたので、今後の議論の進め方について、竹下さんの問題意識について、事務局から補足説明があればお願いできますでしょうか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、障害者雇用対策課長の小野寺でございます。
竹下委員を含め、それぞれの委員の方からの御指摘についてまとめてコメントをさせていただきたいと思います。酒井委員からありました、特に第2ワーキンググループでの人材確保と資格化について議論が十分ではなかったということもあって、改めてそういった場をということがございました。これは全体スケジュールを踏まえ、研究会という形が良いのかどうか、その持ち方につきましては少し検討したいと思っておりますが、いずれにしても、御指摘のようなテーマにつきまして、関係者間でしっかりと問題の深まりと、検討を進めることができるような何らかの形を考えさせていただきたいと思います。
そのほか3人の委員の方からは、検討に当たっての連携あるいは情報共有の観点からの御指摘をいただいたかと思っておりまして、今の「おわりに」の部分で、特に検討の場を設けることにつきまして記載がございますが、その前提となるような情報の共有について具体的に記載がございませんでしたので、ここにつきましては改めて追記をさせていただきます。
それから、この検討会で御議論いただいた成果について、相互理解の深化も含めまして今後もしっかりと引き継がれなければいけないことだと思っておりますので、この検討会を改めて開催するのか、新たな会議体のような形でお集まりいただくのか、その辺りはまた追って検討したいと思っております。いずれにいたしましても、連携が途絶えないように、引き続き双方理解の下で必要な検討がなされるような形について、事務局としてもしっかりと認識を持って対応してまいりたいと思っております。
以上でございます。
○駒村座長 ありがとうございます。
今、事務局から情報共有について追記をしたいという趣旨だったと思います。具体的にはどの辺になりますか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、障害者雇用対策課長の小野寺でございます。
「さらに」の部分で検討の場を設けるというところの記載がございますので、その前辺りに適宜追記をさせていただきたいと思っております。
○駒村座長 分かりました。
ほかに委員から御発言の御希望がありますか。いかがでしょうか。見落としがなければいいのですが。見落としていないですね。
この時点では特段ないということでございますので、あえて延ばす必要もないので、本日のこの報告書に関する議論はここまでとさせていただいて、本日皆様から発言があった修正部分については、私が事務局と確認して最終的な報告書として取りまとめるということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○駒村座長 皆さん、御納得いただいているというふうに見えましたので、そのようにいたします。ありがとうございます。
それでは、事務局は、本日の議論を踏まえて、最終的な報告書になるように修正作業を進めてください。
皆様の御協力により報告書につきましては無事取りまとめることができました。改めてお礼を申し上げます。阿部さん、手を挙げていますね。ごめんなさい。
○阿部(正)副座長 一言皆さんにお礼を申し上げたいと思いまして手を挙げました。
○駒村座長 では、阿部さん、どうぞ御発言ください。
○阿部(正)副座長 委員の皆さんから今日のお話もお伺いしまして、本当にこの会議を開いてよかったなと思っております。実は今から1年半ぐらい前、コロナがこのような状況になる前、2020年1月に所沢の国立障害者リハビリテーションセンターの40周年記念式典がありまして、そこで私と駒村さんが会う機会がありまして、その場で社会保障審議会障害者部会と一緒に議論したら、もっともっといいことがあるという意見が障害者雇用分科会の委員の皆様から出ているので、ぜひこういった会議をやりませんかという話をしたら、駒村さんもそういうのはぜひやろうよという話になって、意気投合したことを今、たまたま思い出しました。
こうした我々の意見を真摯に受け止めていただいて、こうした場をつくっていただいた厚生労働省の事務局の皆さんにも感謝申し上げたいと思っております。
今日も委員の皆様からいろいろありましたけれども、私個人もこれまで雇用政策として障害者雇用政策を考えてきましたが、今回の会議で雇用と福祉の間でいろいろと議論すると、まだまだやれることはあるのだなと感じました。多分皆さんもそうだろうと思います。
事務局からもありましたけれども、これからも雇用施策と福祉施策とがそれぞれの課題や取組を共有していこうということでございますので、どういう形かは分かりませんが、こうした場を今後つくって、働きたいと希望する全員の就労が促進するように取り組んでいただければと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
皆様、本当にありがとうございました。
以上です。
○駒村座長 阿部先生、ありがとうございます。
私もセンターでの議論は覚えております。個人的には阿部さんとは大学院以来30年のお付き合いなのですが、一緒にそういう仕事ができて。センターに陛下御臨席の場ということで、私も緊張したところでございましたけれども、そのとおりと思っておりましたので、今日こういう形でまとめることができたのは本当に皆様のおかげだと思っております。私も改めてお礼を申し上げたいと思います。
報告書については、今、阿部先生からも御紹介されましたように、無事取りまとめることができました。改めてお礼を申し上げます。
議事次第ではその他ということで、この後、阿部先生のみならず、一言お話をしたいという方がいらっしゃれば募るということでありますけれども、いかがでしょうか。3つの分科会をつくっていただいて、それぞれのワーキングの座長3先生にも大変御負担をかけていました。ワーキングの座長からも何かありましたら一言いただければと思いますが、どうですか。お願いいたします。
○倉知構成員 九州産業大学、倉知です。
第1のワーキンググループの座長を担当させていただきました。いろいろありがとうございます。報告書をまとめるところまでできてよかったなと思いますし、ここから始まるなというのが実感です。これからこの報告書にあるものをしっかりとした形に持っていくために、本当にみんなで努力しなければいけないなと思っていますので、今後のスタートというふうに私は考えたいと思います。
ありがとうございました。
○駒村座長 ありがとうございました。今日、私が会場に行っていれば御一緒できたのですけれども、申し訳ございません。
全部というわけにはいかないですけれども、もし座長のほうから御発言の希望がありましたらと思いますが、いかがでしょうか。両ワーキンググループは。今日は長谷川先生は入っていらっしゃいますね。指名で申し訳ないです。
○長谷川構成員 皆さん、こんにちは。福島大学の長谷川です。今日は先ほどまでゼミをやっていたので、遅れて参加になりました。申し訳ありません。
第2ワーキングで座長を務めさせていただきましたが、こういった経験は初めてで、非常に不慣れな中、構成員の皆様のおかげで第2ワーキングとして意見をまとめることができました。非常にいい経験ができたと思っていますし、私も障害者雇用について研究してきた中で、いろいろな立場の方々と話をしながら、議論しながら、もっとよい制度はどうやったらできるのだろうかということを考えていけた、こういう機会が持てたことは本当にありがたく思っています。倉知先生もおっしゃったように、これがスタートだと思いますので、今後も報告書に基づいて、すごくすばらしいアイデアが詰まっているものだと思うので、実現に向けて頑張っていきたいと思っています。
ワーキングでは座長ということで、自分の意見はなるべく言わないように黙っていたこともあって、この検討会ではいろいろと不規則な発言とかもしていましたけれども、いろいろ聞けてよかったです。本当にありがとうございました。今後もよろしくお願いします。
○駒村座長 ありがとうございました。
では、菊池先生、いかがでしょうか。
○菊池構成員 菊池です。
検討会はしばらくお休みで、最後に参加させていただきました。第3ワーキングで委員の皆様から非常に活発な御議論をいただきまして、二巡目、三巡目と議論をしていただきたかったのですが、それでも3時間コースで、本当に活発な議論をいただいて、相当なボリュームのある内容だったのですけれども、一定のメッセージのあるものが皆さんのお力で出せたのではないかと思っています。検討会報告書を拝見して、様々な御意見が加わってさらに充実したものになったなと思っています。
立場的にあれこれ言うのはどうかとも思うのですが、ワーキングでも様々な御意見が出て、障害者部会でもそうなのですが、感じるのは、特にA型を中心に議論が出ていたかなとは思うのですが、2005年自立支援法、その後総合支援法。15年たって、特に就労系の障害福祉サービスの役割や在り方についての再整理という文言がこの報告書にも入っていますけれども、やはりどこかで立ち止まって在り方を考えてみるという時期になっているのかなという気はいたします。ただ、総合支援法は、来年の改正に向けた議論がもう始まっているので、それとの関係でどうなのかというのは何とも言えないのですが、皆さんの御議論を伺っている中で、そういうお考えをお持ちの方は多いなと率直に感じた次第です。
この検討会とは直接関係ないのですが、ある意味で就労施策に当たって、この障害者分野というのは、日本の雇用と福祉の各施策の中でトップランナーだと思うのです。その中で連携強化という形でこのように一緒に議論ができたというのは非常に実り多いものであったと思いますし、私も今後さらに継続していただきたいと思うのですが、トップランナーであればこそ、ほかの施策、例えば求職者支援制度と生活困窮者自立支援制度といった部分では、ここはまだ雇用と福祉と縦割りだと思っています。しかし、実質的にはかなり重なりが出てくるのではないか。特にコロナの中で感じているところで、これは御当局への要望ですけれども、今回の検討会を、障害施策にとどまらず、雇用と福祉の連携ということを広く考えていただく好事例として、広く他部局にもお伝えいただきたいなというのが、所管課というか、事務局に対する要望でございます。
どうも皆様、とりわけ第3ワーキングの皆様、御協力いただきましてありがとうございました。
以上です。
○駒村座長 菊池先生、ありがとうございました。
この議論を引き継いでいただく分科会と部会長、それぞれ固い決意をおっしゃったと御理解しましたので、ぜひとも引き継いでいただいて、より。この検討会の結果というのは今日スタートするということでございますので、期待をしております。
それでは、土屋厚生労働審議官に御出席いただいていると伺っております。取りまとめに当たっての御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○土屋厚生労働審議官 ありがとうございます。厚生労働審議官の土屋でございます。
報告書の取りまとめに当たりまして一言御挨拶を申し上げたいと思います。委員の皆様方には昨年11月のこの検討会の立ち上げ以来、大変精力的に御議論いただきまして誠にありがとうございました。御案内のとおり、雇用部局と福祉部局が一体となって検討会を設け、両分野を通じて知見を広くお持ちの委員の皆様方に御検討いただくというのは、今回が初めての試みでございました。約7か月間という限られた期間で、今、議論が十分に深められなかったというお話も出たわけでございますけれども、しかしながら、検討会の下に3つのワーキンググループということで、現場での実務経験も豊かな方々から御意見をいただくなど、非常に有意義な御議論をいただいたと思っておりますし、また、今、お話が出ておりましたように、この検討会の意義を皆様方にも高く評価していただき、そして、また、双方の分野の共通理解を深める議論をしていただいたということは、本当に有意義なことであったと思っております。大変ありがとうございました。
この報告書では障害者雇用と障害福祉の連携を深めていくために、3つの大きな課題につきまして大変多くの具体的な方向性をお示しいただいたと思っております。今後についてでございますが、先ほどもここから始まるというお話が出ておりましたが、まさにそのとおりでございまして、この報告書を踏まえて、労働政策審議会障害者雇用分科会と社会保障審議会の障害者部会で、先ほどお話が出たような元に戻るということのないように、両者の連携をしっかり取りながら、制度所管ごとではございますが具体的な議論をさらに進めていって、施策に反映をさせていただきたいと考えております。
両分野の連携というのはまだ始まったばかりということだと思いますが、連携が途絶えることのないように、共通の理解を深める、あるいは課題や情報の共有を図るといったことを通じまして障害者の就労支援施策、ひいては我が国の障害者施策を着実に前進をさせていきたいと考えておりますので、今後とも皆様方には引き続きの御指導をよろしくお願い申し上げます。
どうもありがとうございました。
○駒村座長 審議官、どうもありがとうございました。
それでは、最後に私からも座長として御挨拶をさせていただきたいと思います。障害がある方でもない方でも働くということは、人生の陶冶のチャンスと自分の可能性を知り、学び、人と協力して自分の人生を豊かにするものだと思っております。誰にとっても就労する、働く機会というのは保障されるべきだろうと思います。そういった中で、福祉的あるいは市場労働というふうに2つの労働が、これまでは必ずしも政策的にうまく連携できていなかった部分があったということだと思います。しかしながら、高齢化あるいは技術の進歩の中でその可能性や必要性がどんどん高まってきているという状況だと思います。この両政策が連携して深化していくという転換になる報告書、検討会だったと思っておりまして、こういう検討会に参加することができまして大変うれしく思っております。後々これが障害者雇用政策、福祉政策が大きく転換したきっかけということになると思いますので、今後この議論が停滞することのないように厚労省にも叱咤激励と。この構成員あるいはワーキンググループの構成員の皆さんでこの報告書を生み出したのだと言う以上、厚生労働省にあるときは厳しく、あるときは優しく応援していく必要があるのではないかと思います。
拙い座長でございましたが、11月から7回にわたって御協力をいただきまして大変ありがとうございます。これでこの会の終了の御挨拶とさせていただきたいと思います。大変お世話になりました。
それでは、本日はこれで閉会といたします。皆さん、大変ありがとうございました。失礼いたします。