2021年4月26日第5回「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」議事録

日時

令和3年4月26日(月)17:00~19:00

場所

オンライン会議(厚生労働省 省議室)

出席者

議題

  1. (1)ワーキンググループにおける議論等の整理の報告
  2. (2)論点(案)に係る意見交換
  3. (3)その他

議事

議事内容

○駒村座長 こんにちは。定刻になりましたので、ただいまから、第5回「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」を開催いたします。
委員の皆様方には御多忙のところ、御参集いただきましてありがとうございます。
本日の検討会については、オンラインで開催いたします。事前にお送りしている会議の参加方法についてを御参照ください。
また、議事に入る前に皆様からの発言についてお願いがあります。まず、議事進行中は皆様のマイクをミュートとさせてください。最初に私が発言を希望される方を募りますので、「手を挙げる」機能を使用してください。手を挙げた方の中から御発言される方を指名させていただきますので、指名された後にマイクをオンにして発言を開始してください。御発言の際には、まず、お名前を名のっていただき、可能な限りゆっくり分かりやすくお話をお願いいたします。また、発言後は必ずマイクをミュートにしてくださるようお願いいたします。
操作などについて質問がある場合は、事務局に問い合わせください。円滑な議事運営に御協力をお願いいたします。
それでは、事務局より構成員の交代及び出席状況、資料の確認をお願いいたします。
○日髙障害福祉課課長補佐 事務局でございます。障害福祉課の日髙と申します。私は4月に石井の後任で参りましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、構成員の交代等について御報告をさせていただきます。
一般社団法人日本経済団体連合会の池田三知子構成員が退任され、同じく一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部長の新田秀司構成員に新たに就任いただいております。
一言御挨拶をお願いいたします。
○新田構成員 ただいま御紹介いただきました経団連労働政策本部長の新田と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
○日髙障害福祉課課長補佐 ありがとうございました。
また、鈴木構成員におかれましては、御所属が福島県特別支援教育センター企画事業部長となられております。
続きまして、本日の構成員の出席状況について御報告させていただきます。
本日は、菊池構成員、眞保構成員が御都合により欠席です。なお、阿部正浩構成員は所用により遅れて出席される予定です。
続いて、資料の確認です。本日の資料は、議事次第、資料1-1から1-2、資料2-1から2-2、資料3-1から3-2、資料4、参考資料1から参考資料4、以上となっております。
もしこれらの資料に不備がございましたら、事務局にお申しつけください。
事務局からは以上になります。
○駒村座長 それでは、議事に入ります。
今回は、この検討会の下に立ち上がった3つのワーキンググループについて、3月に一度中間報告をしていただきました。その後、議論を進めていただき、取りまとめができたようですので、まずその内容について御報告いただきたいと思います。その後、今後の検討会の進め方や論点について共有をした上で、意見交換をしていきたいと思います。
それでは議題1、ワーキンググループにおける議論等の整理の報告について、まず第1ワーキンググループの倉知主査、その後、第2ワーキンググループの長谷川主査、第3ワーキンググループの菊池先生は御欠席なので、代わりに事務局からこの順番で御説明をお願いいたします。
まず、倉知先生からお願いできますでしょうか。
○倉知構成員 九州産業大学の倉知です。
第1ワーキンググループ、障害者の就労能力等の評価の在り方に関するワーキンググループの今までの議論の整理について御報告させていただきます。
まず、就労能力や適性の評価に係る現状の課題について共有したいと思います。今、障害のある方がどのようなサービスを利用することがふさわしいのか、この判断が現場の個々の担当者に任されているのではないか。つまり、最初にどこの相談窓口に行くかによって、その担当者の判断によってその後のその方の支援が大きく決まってしまうということがあるのではないか。また、障害のある方の就労能力とか一般就労の可能性だとか、そういう障害者本人とか、本人だけではなく支援する者が十分に把握できていない。だから適切なサービスにつなげられていない、こんな場合もあるのではないか。そういうことから、このワーキンググループでは、働くことを目指してサービスの利用を希望する最初の段階を念頭に置きながら、ニーズの把握と就労能力や適性の評価、これをアセスメントと言いますが、この在り方について検討いたしました。
次に、議論の整理に入ります。
まず、アセスメントの目的や対象者についてです。アセスメントの目的は、障害のある方本人のニーズを踏まえた上で、どうすれば就労の実現に向けてそれが達成できるのかを検討するために行うものであり、納得感のあるサービスなどを提供するために行うものです。そのために、障害のある方の能力だけではなく、その方を取り巻く環境面、どんな環境があれば達成できるのかを明らかにすることも重要になります。あくまでもアセスメントというのは、この方が働けるのかどうなのか、一般雇用が可能かどうかを判断するものではなく、さらに、障害のある方の就労能力の適性や可能性を一方的に支援者が決めて、特定のサービスに振り分けることにならないように留意する必要があります。これをまず目的として整理しました。
次に、対象者などの実施体制になりますが、まず、福祉・雇用それぞれのサービスを選択・決定する前の段階で、障害者福祉も障害者雇用支援も共通の枠組みでアセスメントを実施する必要があります。
では、どういう体制でやるのかですが、職業リハビリテーションの仕組みと障害福祉サービスの仕組みが違うのです。ですから、そこを踏まえて、まずはそれぞれの体系の中でより実効性のあるアセスメントの仕組みを考えることが必要です。今後段階的に対応策を考えていく必要がありますが、まずはそれぞれのサービスの体系の中で検討していきます。アセスメントを活用する場面ですが、福祉や雇用や教育だけではなく、医療までも含めて、それぞれで共有して活用される、ここが望ましいだろうと思われます。
次に、アセスメントの方法や運用面での留意点です。まず障害のある方やその方を取り巻く環境についての情報収集を行うわけですけれども、面接や情報収集で行うだけではなく標準的なツールを活用して、障害のある方本人の事実を把握します。そして、その事実をどう解釈するかが非常に重要で、例えば関係機関や本人が集まって、ケア会議を通じてみんなで共有して検討していく。この把握したものをどう解釈するか、ここが結構重要になると考えます。
では、この標準的なツールは何を使うのかということですが、JEEDのほうで開発された、または開発しているアセスメントツールなどを使う、これが考えられます。そして大事なことは、そのツールの普及や活用方法について情報提供して、研修もする。こういう体制の確保も要るのではないかと思われます。
次に、切れ目のない支援を実現するためには、雇用や福祉や教育、医療という各分野の関係者間における共通言語が必要であり、みんなが共通の目標設定を持つことが重要になります。また、アセスメント結果について次の実施機関に引き継がれていくことも重要です。このように、本人の情報をみんなが共有していくためには本人の同意が必要であって、本人が同意するものについてみんなで共有し、引き継いでいく。これが切れ目のない支援の実現にとって重要ではないか、こう考えます。
実施主体ですが、まずはアセスメントを行う主体が自分のサービスに誘導するようにならないようにしておく必要があります。そのため、第三者的な立場の者がアセスメントを行うようにして少し独立性を持たせることが必要なのではないかと考えます。それを雇用や障害福祉サービスの中でどう実現していくのか、またさらに検討を加える必要があるだろうと思います。
質の担保も重要で、アセスメントをする人たちのスキルを上げていく、そういうことを育成することも重要ではないかと思われます。このような整理をいたしました。
 
○駒村座長 ありがとうございます。
では、次に第2ワーキングの長谷川先生より御報告いただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○長谷川構成員 皆さん、こんにちは。福島大学の長谷川です。
第2ワーキンググループの主査を務めさせていただきました。
私は、資料2-2を見ながら第2ワーキングでの議論を御紹介したいと思いますので、可能であれば画面共有もしていただけますでしょうか。
ありがとうございます。これを見ながらお話を聞いていただければと思います。
第2ワーキングでは、障害者就労を支える人材の育成や確保について検討しましたが、この資料にもありますように、専門人材を育成するに当たって、研修体系をどのように設計するかといった点が検討の中心となりました。
以下、主に3点説明していきたいと思います。
まず1点目として、雇用と福祉の分野横断的な基礎的知識やスキルを付与する研修として基礎的研修を設定するということについて、第2ワーキングとして意見が一致したところです。この図ですと、図の真ん中よりやや下に横串を刺すようにオレンジ色で囲まれているところがあるかと思いますが、ここが基礎的研修ということになります。この基礎的研修では、障害者雇用・福祉の理念や倫理を学ぶとともに、雇用から福祉あるいは福祉から雇用へという移行がスムーズに行われるよう、相互に理解を深めるといったことや、福祉側には企業に関する理解を促すこと、また、雇用側・福祉側に限らず、就労支援全体の体系やプロセスの知識を付与するといったこと、さらに、就職後の雇用管理や定着支援に関する知識・スキルを付与するといったことを研修の主な内容にすると考えております。
この基礎的研修が非常に重要であるといったことや、雇用と福祉の両方の側から参加するべきことについては全員意見が一致したのですけれども、この研修の受講を必須とすべき対象者については若干の意見の相違がありました。
対象者について見ますと、図の左下の部分から障害者就業・生活支援センター(ナカポツセンター)の就業支援担当者や、右に行っていただいて、ジョブコーチ(職場適応援助者)といった方々については必須の受講とすべきであること。また、福祉的就労においても、就労定着支援事業の就労定着支援員や就労移行支援事業の就労支援員についても受講を必須とすべきということで意見がまとまりました。
これに対して、就労継続支援のA型やB型の支援員については、まさにA型、B型において一般就労に関する理解あるいは知識が進んでいない。だからこそA型、B型の支援員について受講必須の対象とすべきといった強い意見があったのですけれども、それに対しては、研修を提供する体制やキャパシティー、受講者の枠などから考えて、A型やB型の支援員を直ちに受講必須とすることは現実的ではないのではないかといった意見が多く見られました。
もちろんA型やB型の支援員について受講必須としないというだけで、それらの方々が希望すれば基礎的研修を受講できるようにするといった点、また、直ちには難しいとしても、新しい基礎的研修が開始された後に、将来的にはA型やB型の支援員についても受講必須を検討すべきであるといったことについては意見が一致しております。この点は、オンラインでの研修など実施方法を工夫することで、より多くの基礎的研修の受講枠を確保できるのではないかと考えています。
次に2点目ですが、専門的な人材を育成するための階層的な研修の重要性も確認されました。基礎的研修を受講した後、どんどん専門性を高めていっていただこうということです。階層的な研修というのは現在でも行われているところなのですけれども、基礎的研修を新しく創設した後は、現行の研修との重複や不足が出ないよう、研修内容をそれぞれ再整理することが必要になります。
また、就労支援に携わる人材の確保やそれらの方々の社会的地位の向上等を目的として、例えばジョブコーチを国家資格にすることなどについても検討を始めるべきであるといった意見が見られました。
さらに、研修受講に対するインセンティブとして、階層研修を受講し専門性を高めた場合には、福祉報酬の報酬加算を新たに創設するなどの対応も必要であるといった意見も出ています。
最後に3点目ですけれども、サービス管理責任者と相談支援事業所の相談支援専門員に
対する就労に関する研修の在り方です。サビ管や相談支援専門員は利用者のニーズを把握して、個別支援計画やサービスなどの利用計画を策定する立場にあるにもかかわらず、これらの方々が就労支援に関する知識や経験が乏しく、その結果、適切な支援につなげられていないといった問題があることがワーキンググループの複数の構成員からも指摘があったところです。この点は、前回の検討会でも同様の意見があったと理解しております。
今回第2ワーキンググループとして提案している研修体系では、そういったサビ管や相談支援専門員に関する課題を直接解決できるものとは必ずしもなっておりませんが、サビ管や相談支援専門員についても就労支援に関する知識を身につけられるよう、それぞれに設定してある研修の中でしっかりと就労に関する研修を盛り込んでいっていただきたいということや、新たに設定する基礎的研修が始まった後には、それとの連携について今後しっかりと検討していくべきだと、第2ワーキングとしても強くお願いしたいと思っております。
私は現在、第2ワーキングでどういった議論があったかということを説明する立場におりますので、少しその立場を超える発言となりますが、例えば先ほど倉知先生が第1ワーキングで課題というように御説明されましたように、障害者にとってどのようなサービスがふさわしいかといった判断が現場の個々の担当者に任せられているのだけれども、実際には支援者は就労支援に関する知識・経験が乏しいということで、適切なサービスにつなげられていないといった場面があるということを第1ワーキングでも指摘されているところです。
この検討会では、ワーキングの枠を超えた横断的な議論が必要とされていると思いますので、そういったことからも、サビ管や相談支援専門員に関しての研修の在り方について検討していきたいと思っております。
私からは以上です。
○駒村座長 ありがとうございました。
続いて第3ワーキングは、菊池先生の代わりに竹内課長よりお願いいたします。
○竹内障害福祉課長 それでは、第3ワーキングについて御説明をさせていただきます。障害福祉課長の竹内でございます。
資料3-1をお手元に御用意いただきたいと思います。第3ワーキングにおけるこれまでの議論等の整理でございますが、まず1番目のところ、障害者の就労支援体系に係る現状の課題でございますが、一番下の○でございます。この第3ワーキンググループにおきましては、雇用施策と福祉施策の連携強化に係る課題を中心に、それに関連する教育等他分野との連携も含め、就労支援体系の在り方について検討を行ってございます。あわせて、雇用・福祉施策それぞれの現行制度についても課題把握等を行っております。
「2.論点を踏まえた議論等の整理」でございますけれども、まず、雇用・福祉施策双方の課題についてでございます。
2ページを御覧いただきたいと思います。3つ目の○でございますけれども、就労支援における基本的な考え方についてでございます。一番下の○を御覧いただきたいと思いますけれども、雇用・福祉施策双方が共通認識として持つべき、障害者の就労支援における基本的な考え方や支援の方向性については、本ワーキンググループの「雇用施策と福祉施策の連携強化に係る課題について検討を重ねるものである」という開催趣旨から、次のとおり整理する。
「障害のある人もない人も共に働く社会」を目指し、多様な働き方が広がる中、障害者本人のニーズを踏まえた上で、「一般就労」の実現とその質の向上に向けて、障害者本人や企業等、地域の就労支援機関を含む全ての関係者が最大限努力することと整理されております。この点につきましては、資料3-2の別紙1として、それぞれの文言について補足的に解説も入れてございますので、また後ほど御参照いただければと思います。
2点目は、3ページの下から2つ目の○でございますけれども、企業等での就労中における就労継続支援事業の利用についてでございます。
5ページを御覧いただきたいと思います。上から1つ目の○でございますけれども、企業等で就労しつつ、就労継続支援事業を利用することにつきましては、企業等での働き始めの時期など短時間雇用から段階的に働く時間を増やしていく場面や、企業等での就労中の一時的な不調の受け皿として、体調等が以前の状況に戻るまで一定期間利用する場面等において、一定のニーズや必要性が認められると思われることから、取組として進めていくことが適当である。
また、この取組の設計に当たっては、障害者本人や企業等の意向等を踏まえ、企業等での就労を支える支援として機能するよう、福祉施策・雇用施策双方において詳細な検討を進める必要がある。特に、その取組を活用するに当たっては、本人の意向等を十分に踏まえつつ、十分なアセスメントを実施するとともに、ハローワーク等の行政機関を含め、第三者的な立場の参画により必要性等を精査することが必要であると整理されてございます。
また、3点目といたしまして、5ページの下から2つ目の○でございます。括弧書きで書いてございますが、定着支援の実態とその実施体制についてでございます。
6ページの上から1つ目の○の中ほどでございますけれども、おのおのの支援を効果的に実施したりしていくためには、雇用・福祉施策それぞれにおける定着支援の特徴や支援の方向性、役割や両者の関係などを整理し、関係者間で共通認識を持っていることが重要だと指摘がありました。
特に、就労定着支援事業につきましては、本来の制度内容は就業に伴う生活面での支援であり、雇用施策における就業面の定着支援との重複はないはずだが、実態としては、就業面の支援がメインになっている印象がある等々の支援の内容やその質に関する指摘があったところでございます。
このような指摘からは、本来の就労定着支援事業の制度内容等が十分に浸透していない様子がうかがえるということで、そのような実態が定着支援における各支援の役割分担等を分かりにくくしている原因の一つであると言えるのではないかと整理されております。
このため、就労定着支援事業におきまして、制度内容等が十分浸透していない課題に対して、改めて、本来の業務内容や担うべき役割、支援の方向性、関係機関との連携などを示すことが必要と整理されてございます。
7ページの一番下の○でございますけれども、定着支援につきましては、現行の取扱いに基づき、各支援の関係等を改めて整理すると、次のとおりとなる。まずは、この整理について、就労定着支援事業所を中心に、関係者間で十分理解していただくことが重要であると整理されております。
各支援につきましては、8ページのちょうど中ほどの辺りでございますけれども、就業面の支援について、民間企業に就職した者のうち、職場適応が困難であり、具体的な課題解決のために集中的な支援が必要な方は、ジョブコーチ支援を活用する。
また、生活面の支援について、特に就職後の生活環境の変化に対応していく支援が必要である就労移行支援事業等から企業等に就職した方については、就労定着支援事業を活用する。
さらに、これらジョブコーチ支援や就労定着支援事業の活用がなじまない場合や利用できない場合は、地域の拠点である障害者就業・生活支援センターにおいて、就業面または生活面の支援を必要に応じて実施すると整理されてございます。
9ページの一番最初の○でございますが、特別支援学校等の卒業生に対する就職後の定着支援についても議論がございました。この点につきましては、地域の実情に応じ、それぞれの取組を考えていく必要があるということで、9ページの中ほどの部分でございますが、雇用・福祉・教育の連携につきましては、まずは、各地域での自立支援協議会や就労支援に関する会議等に教育分野からも参画し、就労支援に係る課題を共有するなど、連携強化を着実に図るところから始める必要があると考える。その中で、就職後の定着支援についても、各地域でどのような取組をさらに進めることができるか、関係者間で認識を共有する機会を設けることを検討していく必要があると。また、特別支援学校等の卒業生に対する定着支援につきましては、今後引き続き議論していくことが必要であるとされてございます。
4点目でございます。9ページのその下でございますけれども、障害者就業・生活支援センターと地域の関係機関との連携についてでございます。
10ページを御覧いただきたいと思います。最初の○、3行目でございますけれども、障害者就業・生活支援センターにつきましては、地域の支援ニーズに対し、各支援機関における取組が効果的かつ円滑に実施されるよう、今後、就業支援・生活支援双方における基幹型としての機能も担う地域の拠点として、地域の支援ネットワークの強化・充実を図っていくことも求められるのではないかと整理されています。
なお、基幹型としての機能として、例えば、生活支援においては、地域の就労定着支援事業所に対して助言するなど、地域の支援機関に対するスーパーバイズ的な役割も必要ではないかとの指摘があったところでございます。
一方、障害者就業・生活支援センターにおいて、これらの対応に当たっていくためには、地域の支援機関で対応が困難な事例などを中心に、各センターも相当程度の個別支援を実施し、実践力を維持し続けることが重要だということについて指摘がありました。
ただし、全国の障害者就業・生活支援センターについて、「その支援の質にバラツキがある」との指摘もあることから、地域の拠点としての役割と個別支援の実施機関としての役割とのバランスについては十分留意する必要がある。このため、まずは両者のバランスをどのように取っていくか等について、各センターの支援実績や地域の実情等に応じて、個々に検討していくことが必要ではないかと整理されています。
また、障害者就業・生活支援センターと地域障害者職業センターとの関係につきまして、障害者就業・生活支援センターが持つ連携拠点としての機能と地域障害者職業センターが持つ高い専門性とを相互補完的に持ち寄るなどの連携を図ることで、地域の支援ネットワークの強化、充実がさらに進むと考えられることから、そのような連携についても進めていくことが求められるとされておりまして、この障害者就業・生活支援センターでの定着支援と就労定着支援事業の関係についても引き続き議論していくことが必要であると整理されてございます。
11ページ以降でございます。13ページにおきましては雇用施策における課題について、また、14ページ以降、福祉施策における課題についてそれぞれ記述をしてございますが、15ページの中ほどでございます。就労継続支援A型につきましても議論がございました。このA型につきましては、訓練の場、働く場のいずれの観点においても就労継続支援A型が地域において果たしている役割について改めて整理が必要ということでございます。
16ページでございますけれども、A型の役割につきまして、これらを一くくりで取り扱うのではなく、その内容や機能に応じ類型化するなどの整理の下、今後の就労継続支援A型の進む方向性について引き続き議論する必要があると整理してございます。
また、その検討に当たりましては、通常の事業所で雇用されることが困難な障害者に対して実施されている福祉的支援とは具体的にどのようなものであり、就労継続支援A型でなければ実施することができない支援なのか。特例子会社をはじめとする障害者雇用に積極的に取り組む一般企業においても取り組むことが難しいものなのか。そのような支援のノウハウを一般企業における障害者雇用に活用することはできないのかなども併せて整理する必要があると整理されてございます。
17ページでございます。(2)として新しい就労支援ニーズへの対応について。ここでは短時間雇用への対応、それからキャリアトランジションへの対応について記載してございます。
また、19ページにはテレワーク等の働き方への対応について記載をしてございます。
20ページからは、(3)他分野との連携について記載をしてございまして、教育分野との連携、21ページの下からは医療分野との連携、さらには22ページに参りまして、障害年金その他生活困窮者自立支援制度といった隣接する施策との連携が関係整理についても御意見がございましたので、まとめていただいてございます。
第3ワーキングについては、かなり多岐にわたる論点について様々御議論いただいたところでございまして、菊池主査のほうからも、このまとまったものが全てであるということでしたので、細かいところを見ればたくさんの御意見をいただいて、コメントを載せております。各委員の先生方の思いが入ってございますので、ぜひ御一読いただければと思っております。
私からの説明は以上でございます。
○駒村座長 ありがとうございました。
各ワーキンググループにおいては、短い期間で取りまとめいただきまして、大変ありがとうございます。それでは、ただいまの各ワーキンググループからの報告を踏まえて、議題2、論点案に係る意見交換に進んでいきたいと思います。
事務局から、資料4について説明をお願いいたします。
○竹内障害福祉課長 事務局、障害福祉課長の竹内でございます。
資料4、資料4別紙を御覧いただきたいと思います。「今後の検討会の進め方及び視点(案)」と書いてございます。
本検討会におきましては、各ワーキンググループにおける議論等の整理がなされたことを受けまして、下記のスケジュールも念頭に、別紙の論点(案)について意見交換を行いながら、雇用施策と福祉施策の連携強化に向けた対応策を中心に具体的な方向性を取りまとめていってはどうかと考えております。
検討会の今後の開催スケジュールでございますが、本日、第5回でございます。各ワーキンググループにおける議論等の整理の報告、また別紙の論点(案)に係る意見交換を行った上で、次回、第6回、取りまとめに向けた議論、そして第7回、6月でございますけれども取りまとめということで、今回を含め3回の検討会において議論を取りまとめさせていただきたいと考えてございます。
別紙のほうを御覧いただきたいと思いますけれども、各ワーキンググループにおける議論等の整理を踏まえた論点(案)でございます。
まず1つ目といたしまして、障害者の就労支援における基本的な考え方、2点目として、雇用施策と福祉施策の連携強化に関する対応策の具体的な検討の方向性ということで、ここではそれぞれのワーキンググループで御議論いただいたテーマを書かせていただいてございます。
最初の○ですが、障害者のニーズの把握と就労能力や適性の評価の在り方ということで、先ほど倉知先生のほうから御報告いただきましたけれども、議論等の整理の方向性として、まずは福祉・雇用それぞれのサービス体系におけるアセスメントについて実効あるものとなるよう、仕組みの構築または機能の強化を行うなど、実行可能性等も考慮して段階的な対応策を検討すると。その上で、福祉・雇用それぞれのサービス等を選択・決定する前の段階で、「共通の枠組み」により実施することが望ましいということで、最終的にはここを目指していこうということでございます。
2つ目として、障害者就労を支える人材の育成・確保ということで、これは第2ワーキンググループで御議論いただいた内容でございますけれども、議論等の整理の方向性については、先ほど長谷川主査から御報告いただいたとおりでございます。雇用と福祉の両分野の基本的な知識等を分野横断的に付与する基礎的な研修の確立が必要だということ。専門人材の高度化に向けた階層的な研修制度の創設が必要だということ。3点目として、専門人材の社会的認知度の向上や社会的・経済的地位の向上等による専門人材の確保が重要だといった点について御議論いただきました。
そして、第3ワーキンググループでございます。障害者の就労支援体系の在り方ということで、先ほど取りまとめのほうで御報告いたしましたとおり、議論の整理といたしましては、企業等で就労しつつ、就労継続支援事業を利用することについては、一定のニーズを踏まえて取組として進めることが適当である。2点目として、定着支援について、現行の取扱いに基づく各支援の関係を就労定着支援事業所等の関係者間で十分に理解することが重要だということ。3点目といたしまして、地域の関係機関との連携について、障害者就業・生活支援センターは基幹型の機能として地域の支援ネットワークの強化、充実を図ることも必要。ただし、地域の実情等に応じて個別支援の実施機関としての役割とのバランスにも留意する必要があるということで、また、地域障害者職業センターとも連携を進めていくことが必要ということが書かれてございます。
今申し上げました3つのワーキンググループで取り上げていただいたそれぞれの議論の整理に加えまして、その他ということで最後の○でございますが、各ワーキンググループ間で相互に関連する内容、さらには一番下のポツですが、各ワーキングで議論したテーマ以外で雇用と福祉の連携に関する内容がございましたら、こうした点につきましても御意見を賜れればと思っております。
資料4についての御説明は以上でございます。
○駒村座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局からの説明を踏まえて、意見交換に入っていきたいと思います。
お手元で資料を確認しながらやっていきたいと思いますが、資料4の別紙を見ていただきたいと思います。2ポツの雇用施策と福祉施策の連携強化に関する対応策の具体的な検討の方向性についてまず議論をするわけですが、最初の3つのワーキンググループ、それぞれ資料が先ほど主査、事務局から御紹介されたように、またお手元にはそれぞれ資料1~資料3がこれに対応するように作られていると思います。
それから、資料3-2は後で説明しますか。それとも、これもお手元にあったほうがいいのでしょうか。
○竹内障害福祉課長 先ほど資料3-2の御説明が十分ではなかったのですが、先ほど御説明した資料3-1の中で大きなテーマとして4つほど御議論いただいて点がございまして、1つが就労支援における基本的な考え方についてが別紙1、企業等での就労中における就労継続支援事業の利用についてが別紙2でございます。別紙3が定着支援の実態とその実施体制についてということで、最後に4点目といたしまして、障害者就業・生活支援センターと地域の関係機関との連携についてということで、それぞれについての参考資料としてイメージ図といった形で整理させていただいたものでございますので、取りまとめと併せて御参照いただければと思います。
○駒村座長 今説明がありましたように、それぞれのワーキングが資料1、2、3、それから関連資料という形でセットになっているということで、まずお手元に置いていただいて、それでは最初に第1ワーキング、障害者のニーズの把握と就労能力や適性の評価の在り方について御発言予定の方は、手挙げ機能を使って合図をしていただければと思います。まず、全体の御発言予定者を把握させていただきたいと思います。いかがでしょうか。
小さいのであれですが、事務局にも助けていただいて、酒井さんと阿由葉さんと久保さんと阿部さんと山口さんですね。
では、順番がいい加減になりますけれども、私の画面で近くに見えるほうから指名させていただきます。まず酒井さん、その次に阿由葉さんという順番で、その次に久保さんに行きますので、5人ぐらい手を挙げられていると思いますので、まず酒井さんから御発言をお願いいたします。
○酒井(大)構成員 ありがとうございます。
全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井でございます。よろしくお願いします。
この第1ワーキングについて、福祉分野におけるアセスメントの活用については本当に具体的で、イメージができるところまでまとめていただいたと思います。倉知主査をはじめワーキングの委員の皆様、どうもありがとうございました。
私からは、この第1ワーキングに関連することとして大きく分けて2点、意見を申し上げたいと思います。1つは当面の取扱いに係ることといたしまして、福祉分野について、まずは誰がアセスメントを担うのか。現行のB型に係る就労アセスメントの実施体制が参考になると思うのですけれども、現場では、このB型の就労アセスメントが形骸化しているという実感もあります。問題点の把握や整理をして、それを発展させるイメージで進めてほしいなと考えているところです。
また、アセスメントの結果の活用については支給決定する基礎自治体の役割も非常に大きいと思います。ですから、実施時期についても基礎自治体がしっかり対応できるよう、準備期間を設けていただく必要があるのではないかと思います。例えば一斉のスタートの前に一部の自治体においてモデル的な取組を予算事業化するとか、そんなことも考えられるのではないかと思います。
あと、細かい話なのですけれども、新しい就労アセスメントについては障害福祉サービスの一部として実施するものなのか、それとは別枠で実施するものなのか、整理が要るのではないかなと思います。現行の就労アセスメントや暫定支給決定の仕組みは障害福祉サービスの一部で実施されていて、そうしますと、人によっては利用料が発生したり、例えば離職をされて改めて就労アセスメントを受けようとする人とか、就労継続支援のA型の利用者に利用者負担が発生するという可能性がございます。また、18歳未満の特別支援学校とかの在校生についても、みなしの手続が必要になりますので、果たしてそのようなものにするのか。あるいは現行、障害支援区分の決定に先立ちまして、自治体が認定調査をやるわけですけれども、そういう仕組みを活用するのか。その辺りも、障害部では今申し上げました仕組みも参考にしながら制度設計をしていただきたいと思います。
あと、対象者については、更新する方も含め、やはり就労系サービスを希望する全員で行うということがいいのではないかと思います。既に就労系サービスを利用している人は不要という意見もあると承知していますけれども、それは一元的な就労アセスメント制度ができる前の話でありまして、実際にはいろいろと経過措置なども設けて行っていければいいのではないかと考えています。なお、その際、特別支援学校の生徒については現行の就労アセスメントをバージョンアップするような形でシフトできればいいのではないかと思います。
2点目が、最終的にアセスメントの一本化に向けてというところです。全体的なことになりますけれども、最終的な絵姿、すなわち雇用・福祉の一体化を見据えたときに早い段階から一本化を意識したアセスメントの運用も必要であるのではないかと思います。福祉分野で行う就労アセスメントについても、雇用施策との連携をこのタイミングで考えてよいのではないか。例えば地域障害者職業センターがアセスメントの取り方についてアドバイスするということはもとより、企業実習をし、企業からコメントをいただくなどの連携も考えてよいのではないかと思います。こういった就労アセスメントに協力した企業には、もにす企業の認定において評価をしたり、特例子会社にはそういった協力を依頼したりするなど、雇用施策側でもアイデアを出してほしいなと思います。
その就労アセスメントについて、自分としては福祉施策の活用・運用はイメージが湧くのですが、雇用施策施策側のイメージがつきにくいなと感じます。企業の合理的配慮に係る助言にも活用するとのことでしたけれども、ハローワークにおいて職業紹介を希望した人について、どのような状態・状況ならばアセスメントが必要であり、誰がどのように実施するのかとか、この辺りも整理しておく必要があるのではないかと思います。
就労アセスメントと聞くと福祉施策のイメージが強いのですけれども、そもそも働くことを希望する人のアセスメントであるのならば、雇用施策としてもこのタイミングでしっかりタイアップというかビジョンを持って対応していただきたいなと思います。最終的には一本化についても、一義的に雇用施策側からも音頭を取ってもらうというか、イニシアチブを取ってもらって、せっかく雇用と福祉の連携の下でつくる仕組みなので、福祉側だけで終わってしまわないよう、検討をお願いしたいと思います。そして、それらを確実なものにするために、そして取組を強化するためにも、前回申し上げましたが、やや理念的なことにもなりますけれども、障害者雇用促進法の中にもしっかりと位置づけていただきたいなと思います。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございました。
次に阿由葉さんからお願いいたします。
○阿由葉構成員 全国社会就労センター協議会の阿由葉です。
この議論の取りまとめ、ありがとうございました。
本議論は、就労における雇用と福祉の連携が前提になっていることを踏まえた上で意見出しをさせていただきます。
この第1ワーキングでの議論では、当面は福祉・雇用それぞれのサービス体系におけるアセスメントについて、実効あるものとなるよう仕組みの構築または機能の強化をするとされています。その上で整備の方向性としては、記載されているとおり、福祉・雇用それぞれのサービスを選択・決定する前の段階で共通の枠組みにより実施できるように進めていくということをぜひ大前提としていただきたいと思います。
共通の枠組みでは、障害のある方の働くことと暮らすことを同時にコーディネートする必要がありますので、就労も含めた生活全般をコーディネートできる体制を整えることが有効と考えています。最終的なゴールとして、就労を含めた生活全般をコーディネートできるようなワンストップの相談窓口の整備を視野に入れ、今回の議論、体制整備を進めていっていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
では、次に久保委員、お願いします。
○久保構成員 ありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
この第1ワーキングでございますけれども、2点ぐらいございます。
1点目につきましては、企業側から求められる就業能力を確認するだけではなくて、重度障害者であっても働くことができるという道筋を整えるという視点もぜひ押さえていただきたいなとは思っております。
それと、ずっと読ませていただきまして、とても前向きないい提言を整理していただいたなと、ありがたく思っておりますけれども、先ほどの方も何かおっしゃっておりますが、この検討会は福祉と雇用の連携のことを行いますので、どんなふうに具体的に連携を取っていくのか。まとめていただいていることはとてもいいことで、これが実現できたらいいなと本当に楽しみに読ませていただいたのですけれども、では具体的にどう連携を取っていくのかというところが私の頭ではもう一つ理解ができにくかったので、どう連携を取っていったらこれが実現できるのかというところをもう少し明確にお示しいただけたらありがたいと思っております。
以上でございます。
○駒村座長 ありがとうございます。
続けて、阿部一彦委員、お願いします。
○阿部(一)構成員 障害当事者団体、日本身体障害者団体連合会の阿部です。
第1ワーキングの説明をいただきまして、とても分かりやすい説明だと思いました。福祉と雇用の連携という中で、アセスメントの必要性、共通のアセスメント、そして入り口から関わって、本人のニーズ、能力、そして環境というお話をいただきました。すごく大事なことだと思います。その中でやはり本人の意欲、そしてそのときに当事者の視点から見るとやはり家族の考え方、家族の影響というのもまだ経験が浅いときは大きいものですので、その辺も踏まえた上で、本人の意欲、家族に寄り添いながらアセスメントを行って、到達できる目標をお互いに共有しながら支援する視点が大切です。ただし、その到達できる目標に到達したら次に向かっていく意欲も湧いてくるわけですから、現状、そして目標とのギャップをしっかりと把握しながら、次の目標にも向かっていくという視点が大事だと思います。
その中で、御説明の中にもありましたし、阿由葉委員のお話にもありましたけれども、働くことは生活全体の一部であって、生活全般というお話もいただきましたけれども、忘れるはずはないと思いますが、よりよい生活、より有意義な人生を送るための仕事だという視点を大事にしていきながら取り組んでいく必要があると思いました。
また、アセスメント、取り組む姿勢、御本人・御家族と対応するときにはコーチングの視点がとても大事なのかなと思います。時間をかけても本人の意欲、そして持てる力を引き出すという視点で取り組むことによって、障害があってなかなかうまくいかないなと思った時期があっても、やがてそれらが自信になって、本当は様々な力を持っているということに気づいていただけるような取組になることを期待します。
第1グループの視点の重要性を理解した上で、当事者の視点、また家族も踏まえた上で目標を明確にしながら、段階的に目標を高めていくというのも大事ではないかということを発言させていただきました。
以上です。ありがとうございます。
○駒村座長 ありがとうございました。
続けて、山口委員の代理の久富様、お願いできますでしょうか。
○久富代理(山口構成員) 佐賀県の山口の代理で参りました、就労支援室の久富と申します。
福祉の現場では、特定相談支援事業所や就労移行支援事業所、就労継続支援事業所等における複数のアセスメントが現在行われているところです。しかし、障害者の就労能力や一般就労の可能性について十分に把握ができておらず、適切なサービス等につなげられていない場合もあることが考えられております。このため、現場での混乱が起こらぬよう、また、現場の負担が増えぬよう、現行のアセスメントの仕組みやサービス利用計画との関係を整理した上で、共通のアセスメントを実施し、きちんと評価を行って、真に本人に合った支援をしていく仕組みを検討していただきたいと考えております。
あわせて、アセスメントする人材の能力・スキルが最も重要であることから、その実施主体や人材の育成・確保についても十分に検討をしていただきたいと考えております。
また、現行制度では、学校新卒者などの就労経験がない障害者が直接B型事業所を利用する場合は、就労移行支援事業所等が実施する就労アセスメントが要件になっており、そのアセスメントのために、就労移行支援事業所利用の支給決定が要るということになっております。これは学校新卒者などの就労経験がない障害者が直接B型事業所を利用することは基本的に想定されていない中で、例外を認めるためのハードルとして設けられていると考えておりますが、今後どの施設利用が最適かを見極めるために共通のアセスメントをしていくということは、学校新卒者などの就労経験がない障害者が直接B型事業所を利用することもあり得るものとして、考え方を変えていくことも必要だと考えております。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
長谷川先生の手が挙がっていると思います。長谷川先生で最後でよろしいでしょうか。
長谷川先生からどうぞ御発言ください。
○長谷川構成員 福島大学の長谷川です。第1ワーキンググループの取りまとめ、どうもありがとうございました。
質問させていただきたいのですけれども、障害者本人のニーズの把握と就労能力適性の評価でアセスメントをしていく。それをその後のサービスの利用や一般就労であれば一般就労での合理的配慮につなげていくということで、必要な枠組みだと思いますし、ほかの方々も前向きに受け取っていらっしゃってそうだと思うのですけれども、ただ一方で、本人の意向とその人の就労能力等に乖離がある場合、つまり、就労能力は非常に高いのだけれども、自分はB型でゆっくり働き続けたいんだということが起こった場合に、この枠組みの中ではどのように促していくのかということと、御家族の御意見・御意向も大事だというのはそのとおりなのですけれども、本人、家族、そしてアセスメントが一致しない場合というのは、どのように考えていらっしゃるか教えていただけますか。
○駒村座長 ありがとうございます。
質問に関しては事務局がいいのか、それともワーキンググループの先生がいいのか。
では、倉知先生のほうからお願いいたします。
○倉知構成員 今までいろいろとコメント、質問をありがとうございました。
その上で、私の個人的な見解も入ってくると思いますが、少しコメントさせていただきます。
まず、阿部委員や長谷川委員の質問にもあると思うのですけれども、要するに、企業で働きたいという思いがあるにもかかわらず、担当者の判断で福祉的就労だとかに行ってしまっているケースを、何とかニーズを達成できる方法はないだろうかということが一つと、今までの支援の影響で、自分は企業で働けると思っていないと初めから諦めてしまっている方々に、そんなことはない、もっと可能性があるのではないかと、このような方々をきちんと拾い上げるというのが大事なことです。
今、長谷川委員がおっしゃったように、そういうことを分かった上で私はB型を選択したい、福祉的就労を選択したい、それはニーズに基づいてやっていただければいいのではないかと思っています。ただ、十分に分からない。本当は企業で働きたいのだけれども、そのような支援になっていないとか、今までの支援者にあなたは働けないとずっと言われ続けているから、自分は働けないと思い込んでいる方を、何とかそうではない可能性を見いだしてあげたい、この点を御理解いただければと思います。
もう一つ、では実施体制のところで、この中でもいろいろ議論して、結局十分固まっていないものなのですが、私としては、とにかくどこかがしなくてはいけないわけで、今までやっていないことをやるわけですから当然負担増があるわけで、それから、今まで全くそういうスキルがない中でやっていたことを、スキルを持ってやるわけですから、当然スキルを身につけることもしなければいけない。その上でどうするかということですが、障害福祉サービスで言えば特定相談支援事業所の相談支援専門員が窓口になって、責任を持つ。ただし、アセスメントスキルの無理だと。そうだとしたら、就労移行支援事業所とか就業生活支援センターとか障害者職業センターの協力を得て、その上で、でも責任は相談支援事業所が持つという仕組みになるというのが一番分かりやすいのではないかと思っています。
また、教育機関においては学校の先生方にやっていただいて、雇用支援機関については今までもやっていらっしゃるので、それは障害者就業・生活支援センターや地域障害者職業センター、またはハローワークの雇用トータルサポーター辺りでやってもらう。この辺りが久保委員とか酒井大介委員の御発言に関するコメントになります。
あと、働くことは生活の一部で、ワンストップでというご意見ですが、これは本当にそのとおりだと思っていて、第1ワーキングだけで検討できないので、第3ワーキングも含めて考えていく必要があると思っています。
重度障害者でも働ける。これは私が冒頭に申し上げたように、今まで自分が働けないと思っていて、根拠のないまま周りも無理ではないかと思っている。そこを何とか拾い上げたいなと思っているので、ここは非常に大事にしたいなと思っています。
あと、阿部委員がおっしゃった家族のところは非常に難しくて、実は家族に寄り添うということの難しさは、本人にとってプラスになる部分もマイナスになることもあるので、ここは慎重に考えていかなければいけないのではないかなと思っています。
以上、私のコメントです。ありがとうございました。
○駒村座長 ありがとうございます。
アセスメントが自らの可能性を知るという前提の上で、長谷川委員からの御質問については、その上で選択をしていただく。家族についてはなかなか難しい問題であるということで、また少し議論を深める必要があるということでございます。
第1ワーキングについて、追加の御質問はありますか。もしよろしければ、最後に全体を通じて串刺しにして議論をしますので、第2ワーキングのテーマについて御質問、御意見をいただきたいと思います。発言予定の方、挙手で反応していただけますでしょうか。今、竹下さんと久保さんと酒井さんが手が挙がっています。
暫定的に竹下さん、次に久保さん、酒井さん、その後もう一人の酒井さん。酒井大介さんが先に手を挙げていましたが、この順番で進めていきたいと思います。
竹下さんからどうぞ御発言ください。
○竹下構成員 日視連の竹下です。
1点だけ質問ないしは意見を述べさせてもらいます。
専門的人材の養成が極めて重要であることは当然なのですが、その中で1つ議論で落ちているのではないかと思われたのは、実際に福祉と雇用の連携の中で、障害者を支援する支援者の専門性というところで落ちている部分があるのではないか。例えば昨年10月からスタートした重度障害者支援特別事業の中でも、重度訪問介護者あるいは同行援護従事者が職場介助や従業者の支援をするというときの専門性とは何なのか。例えば重度訪問介護をやっていた人が本当に職場での支援ができるのか。あるいは、同行援護の事業に従事していた人たちが、本当に自営業者や職場での介助ができるのか。そういうことを考えますと、そういった人たちの専門性を養成することも視野に入れていただきたいというのが1点です。
2番目には、ジョブコーチであれ何でもそうなのですけれども、障害の分野ごとでの専門性がどのように意識されているのかということが見えてきません。例えばジョブコーチはこの間、非常に大きな役割を果たしつつあるのですけれども、視覚障害者に特化したといいますか、視覚障害者の分野を見た場合のジョブコーチというのは、ほとんど育成されてきていないのです。そういうことを考えますと、障害の種別・部位別での専門性も意識されているのかどうかについて、議論があれば教えていただきたいと思います。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
次に久保さんからお願いいたします。
○久保構成員 ありがとうございます。
私のほうからは、ここのワーキングでまとめていただきました専門人材の育成につきましては、既存の専門の資格などに重度障害者の就労と職場定着に着目した専門性をプラスするという方向もあるかなとも思いますし、あるいは、重度障害者の就労と職場定着に重点化した専門性の資格を創設するという点もあるかと思います。そんなことで、様々な専門性をどう見るか、今、専門の資格を持っておられる方だけでうまくいくのかなという部分も少し感じますので、新たに創設するということも視野に入れて考えていただきたいとは思っております。
以上です。
○駒村座長 続けて、酒井大介さんからお願いいたします。
○酒井(大)構成員 全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井です。
第2ワーキングにつきましても、研修体系の再整理をいただきまして、ありがとうございます。その中で、研修の実施主体についてはJEEDさんが記載されているところですが、前回も申し上げましたが、こういった研修は地域ごとのばらつきがあってはあまりよくないので、JEEDさんがしっかりセーフティーネットを担ってもらって、その上で民間機関が研修を実施するということが望ましいのではないかと考えます。
それから、研修の対象者ですけれども、先ほども御説明がありましたが、どこまで膨らませるかで研修内容も若干変わるような気がします。就労系サービス全体でとなると、例えば福祉的就労と一般就労の支援の違いであるとか、個人の権利擁護を追求する視点に加えて、個々の権利調整の視点であるとか、若干ベースラインが違うので、内容が変わってくるようにも思うのです。まずはお話がありましたように、なかぽつや移行支援、定着支援員の職員で企業につないでいく、そういう職種に対してどのような研修の内容がいいのかを今後さらに検討していく方向がよいのではないかと私自身は思っています。
あと、相談支援専門員に対する就労支援の研修の必要性もワーキングで挙げられておりましたし、先ほど御説明もあったと思います。まさに相談支援従事者の就労支援の感度を高めてもらうということはとても大事なことですけれども、この基礎的な受講をしっかりというよりは、希望者があれば研修にも参加いただくということは大事だと思うのですが、相談支援専門員の研修の中で就労支援として知っておかなければならないことを改めて押さえていくことが必要なのではないかと思います。
そして、就労支援機関と相談支援事業所の連携を深めていく中で、先ほどの新しい第1ワーキングの就労アセスメントが機能すれば、実践的場面でも感度は自然に上がっていくのではないかと思います。
あと、就労支援者の人材確保について、ワーキングではブランディングの必要性や資格について意見が寄せられたと認識しています。人材の確保という観点からも、やはり就労支援については何かしらの資格化を検討することが急務だと思っています。資格化を考える際には、まずは唯一資格としてある障害者職業カウンセラーが一つの組織に入らないとなれない職種になっていますが、それをオープン化するということも検討してはどうかと思います。
さらに、障害者職業カウンセラーというのはちょっと敷居が高いということもあるかもしれませんし、地域で資格を持った就労支援の実践者を増やしていくという観点から、先ほど説明にもありましたように、ジョブコーチを公的資格化として位置づけていくことも必要なのではないかと思います。
そして、ジョブコーチの資格化を検討する際には、やはりジョブコーチの制度の問題もセットで考えないといけないと思っています。昨年度厚労省で開催されていた職場適応援助者の養成研修の在り方研究会で示されている資料を見ますと、訪問型・企業在籍型ともに非常に制度の利用が低調であって、特に訪問型ジョブコーチは衰退しているようにも思います。これはニーズの問題なのか、仕組みの問題なのか、ほかの制度との兼ね合いの問題なのか、様々な要素を分析していく必要があると思うのですけれども、少なくとも現在の養成研修の研修ニーズの状況であるとか、あるいはなかぽつワーカーがプレーヤー化している実態を考えても、人的支援のニーズが少なくなっているとは私は思えないわけでして、実践現場で支援をするジョブコーチ的な支援に関して制度としてしっかり活動を保障するべきだと思います。
第3ワーキングの報告の中で、なかぽつのハブ化・基幹型化などが出ていますが、ジョブコーチの問題を解決しないと、結局なかぽつにしわ寄せが行くと思いますし、ジョブコーチ制度の活性化なしに、なかぽつのハブ化・基幹型化の実現はなかなか難しいのではないかとも思います。どうしたら民間がこの制度を活用するか、雇用施策だけでは限界があるのであれば、まさにそこは連携強化の中で、福祉サービスで一体的に考えられることはないか、そういう観点で制度の構築を考えることも必要ではないかなと思います。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
では、続けて酒井京子委員、お願いいたします。
○酒井(京)構成員 全国就業支援ネットワークの酒井です。
研修体系の取りまとめ、どうもありがとうございました。
私のほうからはサビ管の件で1つお聞きしたいのですが、御説明にあったように、サビ管についても就労支援の専門性の向上について何らかの方法を検討する必要があるというところは全くそのとおりだと思っています。サビ管研修については一昨年度から研修体系が大きく変わりまして、今までは就労とか介護とか分野別だったものが、従来の分野という概念がなくなっていますので、就労支援の専門性についてサビ管研修で盛り込むということが今はなくなっていますので、専門別研修というのは必要であると思っております。
実際に専門別研修としては、例えば昨年度は権利擁護であるとか、本年度も幾つかの専門別研修は用意されていますので、就労のコース別研修についてもぜひ早くスタートしていただきたいなとは思っているところですが、先ほどの説明で、対象とか内容についてはこれから検討されていくことになるかと思うのですけれども、先ほどのお話だと、基礎研修は就労定着支援と就労支援員は受講必須で、A型とかB型については希望される人ということで、恐らくこの基礎的知識のところは就労支援ということで、アセスメントも含めてどちらかというと一般就労に向けた支援になるのであろうと思われます。
実際に就労系サービスのサビ管の専門別研修となったときに、例えばA型、B型の生産活動をどうやって効率よくするかとか、経営、分析的な要素であるとか、そういったことも本来の就労系全体のサービスの研修であれば専門コースのところに入ってくるのであろうと思うのですけれども、今イメージされているのは、どちらかというと一般就労に向けた支援に特化したコース別研修ということになるのでしょうか。A型とかB型はまた別立てでやるというイメージでおられるのか。多分そこまで詳細については、ワーキングの中では恐らく議論されていないと思うのですけれども、イメージだけでも、もし現段階であれば教えていただければと思っています。
○駒村座長 ありがとうございます。
酒井京子委員は御質問でございましたが、長谷川先生から、今の各委員のお話について、ワーキングを代表するというのは必ずしも議論していない内容については難しいかもしれませんけれども、今の個人的なというか感想でもいいですので、御意見をいただけますでしょうか。よろしくお願いします。
○長谷川構成員 皆様、御意見、御質問をどうもありがとうございました。
まず、お二人の酒井委員から御意見、御質問に関わるところだと思うのですが、基礎的研修のところで、どういったことを研修内容とするのかというのは、まさにこれから検討すべきところだということになっています。ただ、方向性については、もちろん一般就労につないでくための研修が大事だというのはそのとおりだと思います。ワーキングの中でもそういった意見もありました。ただ、私自身あるいは別の委員の方々の中でも、雇用と福祉がお互いの立場でお互いのことを分かり合うことがまさに大事なのではないかと思っているので、一般就労に行ったらどういった支援が必要かということだけを学ぶ場ではないと私自身は理解しています。雇用の側が福祉としての就労体系がどうなっているのかということをちゃんと理解していけるようなものにすべきだと思っています。
その上で、A型、B型に研修の対象を広げていくかどうかといったことについては、就労体系の全体をA型やB型の人たちに分かっておいていただきたいという意味では、今後研修を広げていきたいと思います。
今ので御質問にお答えできていますか。たくさんの御意見をいただいて、メモが追いつかず混乱しています。
○駒村座長 取りあえずは可能な範囲で結構だと思います。最初のお二人からは専門性の話があったように記憶しております。
○長谷川構成員 ありがとうございます。
竹下委員からは障害種別の人材、障害種別においても支援していけるような、さらに専門性を高めるような支援、研修が必要なのではないかといったことについては、取りまとめの9ページに、障害種別に対応した人材の育成や確保の重要性も書いてあるところですので、今後対応していきたいと思います。
また、久保委員から御指摘のあった重度障害者の方の職場定着について新たな制度を設けるべきかどうかといったところは、ワーキングでは十分な議論ができてはいないのですけれども、今後検討すべきなのかなという気はします。
今回のワーキンググループでは、まず横断的な基礎的研修が必要だよねというところ。そこの対象者を誰にするかといったことと、今あるジョブコーチとか、職業支援担当者とか、そういった人たちに対して階層的な研修をどう設定していくかといったところに検討の中心がありましたので、御意見をいただいたことについては、そのとおりだと思っております。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございました。
続けて、山口委員の代理の久富さんからも手が挙がっていましたので、お待たせしました。どうぞ御発言ください。
○久富代理(山口構成員) 佐賀県の就労支援室の久富です。
雇用施策と福祉施策の縦割りによる課題をなくすために、基礎的な知識を習得した人材を育成し、そうした基礎的なスキルを身につけた上で、さらに各就労支援機関の役割に応じた知識やスキルを身につけた専門的な人材を育成することが非常に重要なことであると考えております。こうした人材の不足については、県としても認識しているところでございます。
現場の職員が研修を受けやすいよう、また、できるだけ多くの人が受講できるよう、オンライン方式の研修等の実施方法もぜひ検討していただきたいと考えております。
地域の支援機関、支援事業に携わる専門人材の育成に当たっては、現在、それぞれの研修体系の中で階層的な研修が設定されていることから、重複しないよう再整理をしていただいて、受講者にとって分かりやすい研修体系を検討していただきたいと考えております。
また、研修の受講について、報酬の加算等を行うなどのインセンティブを与えるような措置も必要ではないかと思われます。このほか、人材の裾野を広げるために、人材確保のための手厚い仕組み、例えば地域医療介護総合確保基金のような取組などを考えていくことも必要ではないかと考えております。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
第2ワーキングについては、ほかに御質問、御意見はいかがでしょうか。もしよろしければ、次の第3ワーキングのほうに移りたいと思います。
今、阿部さんと、続けて新田さんが手を挙げられているということですので、阿部さん、新田さんの順番で御発言ください。まだ第2ワーキングでよろしいですね。
○阿部(一)構成員 日本身体障害者団体連合会の阿部でございます。
今回の取組、第2ワーキングのところでは専門人材ということで、その育成には時間もかかるので、法人の経営の中でその時間をきちんと割いていく必要があります。全体に言いたいことは、今回の取組は障害がある人の生活全体に大きく影響を与えることだと思います。従来の仕組みよりも、この仕組みによって生活にすごく意欲を持って取り組めるというようなことが、お話を伺っていく中で私も気づいてまいりました。ですから、要は専門人材が育成されたら、安易に法人の都合で別部署に行ったりしないようにというか、専門性を持って、ここに社会的・経済的地位の向上というのも書いてありますように、私たちはというか、国もですけれども、今回のこの仕組みが成立することによって障害がある私たちの生活が大きく変わるのだよという視点を基に、きちんとした財源の投下をしていただく必要があるのではないかと思います。
その結果、今イメージしているような生活、就労が実現したときには、その投下した財源は十分に回収できる。素人的な言い方ですけれども、そのようなことも踏まえて、先ほども基金とか報酬加算も含めて、今必要な財源を投下することが、これから先に障害がある人の生活などを含めて大きく変化するという意識を持って取り組んでいただきたいと思いました。
意見です。とても大事な取組ですから、実現できるようによろしくお願いいたします。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
続けて新田さん、お願いします。
○新田構成員 すみません、私は次の第3ワーキンググループでの発言をしたいと思って挙げてしまいましたので、今回は取下げをさせていただきます。
○駒村座長 分かりました。
では、第2についてはこれで終えたいと思います。非常に重要な議論があったと思います。人材間の相互理解の議論もありましたし、研修ツール、オンラインなんかを使うという新しいアイデアも提示されたと思いますし、あとは専門職、ジョブコーチ等のふさわしい身分、ふさわしい専門性の議論があったと思います。
恐らく障害福祉雇用の分野だけではなくて、厚労省全体あるいは政府全体でも困難や課題を抱えた人に対して寄り添う、伴走するような新しい役割が求められてくるだろうと思いますので、このジョブコーチの資格の話や処遇の話というのはとても重要な議論だったと思います。
皆さんのリアクションが少し遠いような感じになっていますけれども、入っていますか。
○事務局 途中から入っていました。
○駒村座長 すみません、皆さんのリアクションを見て聞こえていないのかなと思っておりましたが、聞こえたようです。切れた部分は後で議事録を見ていただくということで、続けたいと思います。
では、第3ワーキングの話に移りたいと思います。第3ワーキングに関して御意見、御質問がある方は合図をしてください。最初に、先ほど新田さんが挙げられていましたので、新田さんから行きたいと思いますが、ほかはいかがでしょうか。では、仁平さん、倉知さん、阿部正浩さん、久保さん、長谷川さん、酒井大介さん、竹下さん、酒井京子さん、代理の久富さんも手を挙げていただいている。久富さんは最後にしてしまっているので申し訳ないので、まず新田さんからいって、次に久富さんという順番でいきたいと思います。
では、新田さんからどうぞ。
○新田構成員 経団連の新田でございます。先ほどは失礼いたしました。
まず、今回の取りまとめに御尽力されたワーキンググループの委員の方々に感謝を申し上げたいと思います。その上で、2点コメントを申し上げます。
まず1点目は、本検討会の目的は、第3ワーキングの資料でも整理されておりますように、障害のある人もない人も共に働く社会を目指すことと承知をしております。具体的には、一般就労が可能な方については福祉から雇用へスムーズに移行できるようにすること。他方で、体力の低下などにより一般の就労が困難となった方については、段階的に雇用から福祉に移行できるようにするシームレスな環境を整備していくべきだと考えております。そのためには障害者を中心に据えて、雇用・福祉における共通のアセスメントの構築や、雇用・福祉双方に精通した人材の育成を積極的に進めるとともに、企業のニーズを踏まえながら、企業と各支援機関の連携促進を図っていくべきと考えております。
2点目は、今回第3ワーキングからは、企業等に就労しながらA型事業所など就労継続支援事業を利用できるようにすることが提案されている点についてでございます。この実現には、例えば企業で就労しながらA型事業所のサービスを受ける場合に、雇用契約の取扱いやサービス利用料の負担、雇用率のカウントの方法などについて検討することが必要と考えております。労働政策審議会の障害者雇用分科会あるいは社会保障審議会の障害者部会の双方でこの点について審議されることが想定されます。
現在の障害者雇用分科会では、雇用率あるいは納付金制度の見直しの議論が行われております。使用者側としては、雇用率の計算式や納付金制度におけるA型事業所の取扱いの見直しなどを求めているところでございます。
先ほど申し上げた点を含めまして、分科会と部会が密に連携をして、今後のA型事業所の取扱いについてしっかりと議論できる環境を整えていただき、有意義な議論が行われるよう、お願いをしたいと思います。
私からは以上でございます。
○駒村座長 ありがとうございます。
そうしましたら、山口委員の代理の久富さんからどうぞ御発言ください。その後、仁平さんに行きます。
○久富代理(山口構成員) 佐賀県就労支援室の久富です。
先ほど就労継続支援A型の話が出てきましたけれども、一般就労に行ったばかりの人や企業の第一線から引いた人につきましては、企業等での就労と就労継続支援A型の併用ができるように、ぜひ検討していただきたいと考えております。
また、障害者就業・生活支援センターにつきましては、今後、地域の拠点、個別支援の実施機関等の様々な役割を担っていくことを検討されているところですが、現在、県内のセンターなのですけれども、運営に係る費用が足らずに手出しをしているセンターもあったりすることから、国の財源的な支援について、ぜひ御検討をお願いしたいと考えております。
以上です。
○駒村座長 次に仁平委員、お願いします。
○仁平構成員 連合の仁平です。
ワーキンググループでの検討、ありがとうございました。
資料4でいろいろな制度が関連しているという現状を改めて認識しているところですが、私からは基本的考え方に関して、雇用と福祉の連携が何のために必要なのかという観点から意見を申し上げたいと思います。
障害の症状や取り巻く環境が様々であるため、障害者の働き方の選択肢もある程度幅があって良いと考えますが、まずもって障害のある人も障害のない人も共に働き続けられる社会を目指すという観点から言えば、本人の希望を踏まえつつ、一般就労を目指すことが基本ではないかと考えております。そのうえで、例えば、一般就労に移行できる能力を持った障害者が一般就労に移行できずに、A型事業所に留め置かれてしまうような実態があるとすれば、本人の希望を尊重した上で一般就労にスムーズに移行するべきだと考えております。
雇用施策と福祉施策が連携を強化することで、障害の有無にかかわらず働くことを希望する誰もが働き続けられる社会を目指すべきではないか。賃金や労働条件、人間関係、障害者自身が希望する働き方などを踏まえながら、最終的に一般就労の実現、一般就労への移行を目指していくという制度の全体像が重要だと思います。
以上、意見でございます。
○駒村座長 ありがとうございます。
次は倉知委員、お願いします。
○倉知構成員 倉知です。2点ほど意見を申し上げたいと思います。
1点が就労定着支援事業の件なのですけれども、就労定着支援事業が就労に伴う生活面での支援が本来の制度内容だということですが、実態として就業面での支援がメインになっていると思います。就業面の支援がメインになるのは、実態として求められているからではないかと。だから、これを否定的に捉えるのはどうかと私は思っています。実態として、就業面の支援を求められているからそういう支援になっているのであって、それを違うようなコメントをするのは違うのではないかと感じたことを一つ申し上げたいと思います。
もう一点が、就労継続支援A型事業についてというところです。ここでも改めて整理が必要だと書いてありますので、私のコメントをさせていただきますが、就労継続支援事業A型で働く多くの方が企業で働ける可能性があるのではないかと思っています。その機会が与えられていない、または自分では無理だと思い込まされているということが多いのではないかと推測されます。
では、A型の役割について私はそんなに意義を見いだせていないので、もし意義があるとしたら、今、就労継続支援B型事業所の中で、工賃アップをしっかり目指しているところがあると思うのですけれども、恐らくそこにA型は収れんされていくのではないか。そこに収れんされていくか、一般雇用に向かっていくのか、そういうふうにA型事業所は分かれていくのではないか。そういう整理が必要ではないかと思いました。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
次に阿部正浩委員、お願いいたします。
○阿部(正)副座長 中央大学の阿部でございます。
第3ワーキンググループの取りまとめ、ありがとうございました。
その上で、私のほうから3つほど御意見を言いたいと思います。
まず1つは短時間就労についてでございます。3ページ目で、短時間については企業等で短時間勤務、それ以外の時間は就労支援事業の中で働くということが書いてありますけれども、これだと企業で短時間勤務し、就労支援事業の中でももっと短時間でやって、合計で短時間になるのかというところがどういうことなのかよく分からなかったということなので、この辺りは文言の整理も必要なのではないかと思いました。超短時間、超短時間を合わせて短時間にするという意味なのか、それとも企業では短時間だけれども、就労支援事業の中では短時間ではないのか、合計すると短時間にならないのか、ちょっと曖昧だなという気はしましたのでコメントをさせていただきました。
それから、短時間のところで、雇用率が週20時間未満を対象外としていることから雇用が進まないというような書きぶりがございましたが、果たしてそういったエビデンスがあるのでしょうかというのが疑問です。
これは先週の金曜日にも労働政策審議会障害者雇用分科会で議論がありましたけれども、その中で出てきているのは、そもそも週20時間未満で就業を希望されている方というのは、就労困難性が高いから、そういう短い時間で働きたいという方々なので、なかなか就職につながらないのではないかという別の因果があるのではないかという御指摘もあったように思います。
そういう意味で、果たして雇用率が障害となって雇用が進まないのか、そもそも就労困難性が高い方々なので雇用が進まないのか、どちらの因果関係が影響しているのか・支援の関係がどういうものなのかをしっかり把握した上で、エビデンスベースで政策を考えないと、単に雇用率を適用したからいいのかというような議論にはならないような気がいたします。そういう意味で、もう少しエビデンスを積み上げることは重要ではないかと思います。
それから、先ほどA型の継続支援のところがありましたけれども、今回様々なアイデアが出されていて、特に4ページ目だったでしょうか。何ページだったかは忘れましたが、参考資料2のところであったような入職時の辺りで、企業と就労継続支援との行ったり来たりがあったらいいのではないかという話があったのですけれども、その際の就労継続支援というのはAなのかBなのかというのはあまり触れられず書かれていて、どうなのだろうなといったところがありました。
その後、14ページ以降は継続支援について書かれていますけれども、個人的に言わせていただくと、A型が今本当に必要なのだろうかというのは長くなるのでやめますけれども、そこに書いてあるような話も含めてA型の在り方は本当に考えていく必要があるのではないかと思います。
最後にもう一つだけ、皆様もお使いになりますが、いわゆる一般就労という言葉です。一般就労と言うと、確かに福祉ではなくて雇用で働く人たちのことを皆さんイメージされると思いますが、私のイメージはそれよりもっと幅広くて、就労と言うと自営業とかフリーランスとか、そういったものも含めての就労形態ということになりますので、一般就労という言葉が今までは雇用というイメージで語られていますけれども、労働市場で今起こっていることは、就労の多様性が進んでいると。特にフリーランスとかギグワークといったものが今後増えてくると言われています。
そうした中で、一般就労の意味合いをどのように我々は考えていくべきなのか。そうしますと、雇用政策だけではなくて、いわゆる就労政策も含めて障害者の就労促進を考えていくべきなのか、それとも今までどおりに雇用政策の中で障害者雇用を考えていくべきなのか。かなり大きなポイントになるのではないかと思いますので、一般就労という言葉の使い方も今後よく考えていくべきではないかと思いました。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
今、18時40分です。手を挙げている方が6人いらっしゃる。さらに全体を串刺しした議論がまだ残っているということですので、もしかしたら少し時間オーバーになる可能性もありますけれども、それも踏まえて御発言いただければと思います。久保委員、長谷川委員、酒井京子委員の順番でいきたいと思います。
では、久保委員からどうぞ。
○久保構成員 ありがとうございます。
私は先ほどからずっと重度障害者という話をさせていただいておりますけれども、その思いのバックには、知的障害者が身体障害の方や精神障害の方よりも賃金が低いとか、雇用率がもう一つ伸びないということがあるという意味でお話をさせていただいております。
重度障害者が就職した際のことですけれども、そのことを想定した体制整備が必要であると。例えば一般就労と就労継続支援との関係では、重度障害者のための週20時間未満の雇用になっている場合には、休業日の就労継続支援利用みたいなものも認めるといった併用も考えていただけたらと思っています。そして、今後の取りまとめに際しましては、ぜひ重度障害者の就労という点を見ていただきながら横串を刺していただきたいと思いますし、知的障害者が長期にわたって働き続けるためには、その余暇活動支援というものも大変重要になってまいりますので、その視点の部分もぜひ後押しをしていただきたいと思っております。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
長谷川委員、お願いします。
○長谷川構成員 福島大学の長谷川です。幾つか意見を述べさせていただきます。
私は第2ワーキングの主査で、それについてはもちろん毎回出ていたのですが、そのほか第1、第3ワーキングについてもできる限り傍聴をさせていただきました。その時々の議論を聞いている中でも気になっていたことですし、今回取りまとめが出てきて、それを読ませていただいた上で気になっていることなのですけれども、この検討会というのは、雇用と福祉の連携強化を目的としているということだと思うのです。それにもかかわらず、議論を聞いていると、連携というよりも、雇用は動かない。福祉の側が雇用に近づいてこいというような議論に聞こえる場面が私には多々ありました。雇用の側としては、就労の準備をしてきてください、ちゃんと福祉の側で培ってきてください、そうでないと雇いませんよと。そこは福祉がやることだよというようにどうしても聞こえて、連携というのはそういうことではないのではないかなというような印象をこれまでも持ってきました。連携というのは、お互いのことを理解した上で密接に関わっていくとか、支え合って、補い合っていくということなのではないかと思っているところです。
その上で、各ワーキンググループの議論の整理の中で、一般就労への移行、その実現という言葉がいろいろなところで出てきます。確かに障害者が望む場合に、障害者のニーズに応じて一般就労の実現を図っていくことは非常に重要だと思います。
先ほど倉知先生がおっしゃったように、一般就労が可能なのに、これまでの経験の中でそれが自分は無理だというふうに思い込んでしまっている人に対して、そうではないのだよと働きかけていくことも大事だと思っています。その上で、福祉の側だけにそれを担わせるのではなくて、企業の側、雇用の側もこれまでに以上に障害者を広く受け入れていくというような体制整備あるいは覚悟といったものもしっかり持っていただく必要があるのではないかと思います。
加えて、就労継続支援のA型やB型での就労、福祉的就労と言われている場面、そういった働き方にも非常に大きな意味があるということをしっかり確認する必要があるのではないかと思います。
今の取りまとめでは、行間を読めばそういうことが伝わってくるのかもしれないのですけれども、それをはっきりした形でこの検討会の報告書に書いていくべきなのではないかと私自身は思っております。
もう一点あるのですけれども、今、就労系の障害福祉サービスについてはいろいろあって、それぞれの役割が見えにくくなってきているというのはそのとおりかなと思います。特に一般就労への移行というのは、本来、就労移行支援事業所の役割だったのではないかと思うのです。なのに、A型とかB型の事業所にもそれを強く求めるようになってきていて、それぞれの事業所の役割をもう一度整理すべきなのではないかなと思います。
あと、A型については、その存在をどうするかというのを今後検討すべきというのはほかの委員の方々からも御意見があったところなので、ちゃんと検討すべきだなと思うのと、加えて、現在A型事業所は雇用義務の対象となっていて、雇用率にカウントされるのですけれども、そのことについてももう一度考え直すべきなのではないかと。もっとはっきり言えば雇用義務制度の対象から外して、雇用率カウントを受けないようにし、したがって法定雇用率の計算式にも反映されないというような枠組みをしっかり考えていくべきなのではないかと思っております。
時間がない中、長くなりました。以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
次に酒井京子委員、その後、竹下委員、酒井大介委員という順番、お待たせしましたけれども、最後に永松委員という順番になりますので、御準備しておいてください。
酒井京子委員、どうぞ御発言ください。
○酒井(京)構成員 酒井です。なかぽつセンターの役割について、感じたことを述べさせていただきます。
障害者就業・生活支援センターの役割について、これまでハブ的機能ということがずっと言われてきていましたが、今回、基幹型という概念が示されています。取りまとめの文書の中では、例えばということで地域の就労定着支援事業所に対する助言やスーパーバイズ的な役割ということが書かれてはいますが、これについてはこれまでの支援の中でなかぽつの機能としてやってきたかなと思います。
基幹と言うとイメージとしては、相談支援における基幹センターのようにやはり困難事例への対応とかスーパーバイズという役割が想像されるところですけれども、基幹的な役割というのが明記されたことで、さらに地域における支援のセーフティーネットの役割をなかぽつセンターがこれまで以上により一層果たせるようになるということで、支援に厚みを持たせるということができるようになる一方、これまでもなかぽつセンターはいろいろなところの丸投げということをたくさん経験してきています。困難事例に対しても丸投げということがないように、どういうケースだったら当てはまるのかということについてもしっかりと精査していく必要があるのではないかと思っています。
もう一点、地域の拠点としての役割と直接支援をする役割との両者のバランスをどのように取っていくかということが今後検討が必要というふうに書かれています。もちろん拠点としての役割とプレーヤーとしての役割のバランスはすごく大事なのですが、それとともに私は雇用と福祉のバランスが悪いなと感じていまして、というのは生活支援の部分が小さい。今後、就労定着支援事業等の助言がウエートを増すのであれば、生活支援のところをもう少し厚くしていく必要があるかなと思っていまして、今は雇用と福祉の財源によるいろいろな扱いの違いがあって、雇用の部分は雇用保険事業によりいろいろな制約の中で法人の持ち出しもしながら運営をされて、ただ、就業のほうのワーカーは3人から7~8人と比較的多いのに対して、生活支援のワーカーは現行では1.5人の配置で、しかも0.5人の部分は地活の予算が不安定な状況もありますので、イメージ的には、私は生活支援のワーカーは3人ぐらいまで増やすべきではないのかなと感じています。今回御提案があったように、そこを就労定着支援事業でという考えもあるかと思いますので、それは今後の検討になるのではないかなと思います。
以上です。
○駒村座長 竹下委員、お願いします。
○竹下構成員 日視連の竹下です。2点について意見を述べさせていただきます。
1点は、中途障害者に対する支援の在り方という議論があまりされていないのではないかと思うわけです。中途視覚障害であれ、交通事故なんかでの高次脳機能障害であれ、非常に増えてきているかと思うのですけれども、また場合によってはメンタルによる障害も増えてきていると思うのです。そうした在職者に対する福祉的な支援についての在り方が大事だと思っています。例えば中途視覚障害者がその処遇のまま、就労支援のための就労移行支援事業を利用するだとか、場合によってはA型のところに籍を置くことがあってもいいかもしれませんが、そういう形での在職者支援の在り方という組み立てについての議論が必要ではないかと思うのが1点です。
2点目は、第3ワーキングの議論の位置づけとして、支援の枠組みの再編を含めた検討をするということがあったと思います。この点がどれほどの議論がされたのかなということが少し見えてきていないように思います。私が特に重要だと思っているのは、これまで雇用納付金制度による支援は企業・事業者支援としての成り立ちになっていると思うのです。それに対して福祉による支援というのは、まさに個別給付を中心に障害者に対する直接的な支援という立てつけになっているわけです。それを1つにして行おうとするときに、極めて複雑な状況が生まれています。これも先ほど触れました昨年10月からスタートした重度障害者の就労特別支援事業でもそうであります。そうしたこれまでの支援の在り方の位置づけそのものとは大きく本質が違うものを1つにして議論する。それを連携するというときには、そう単純にはいかない部分があるかと思うので、これらをどういう形で新たな理念づくり、枠組みづくりをするかという議論がぜひ必要だろうと思っています。
当然それを支える財源ということも考える必要があります。その財源の組合せがまさに複雑性を生んでいることからしても、今後、財源の在り方も含めた議論をぜひお願いしたいと思っております。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
酒井大介委員、お願いします。
○酒井(大)構成員 何度もすみません。委員の酒井大介です。
自分自身は、この第3ワーキングについては委員でもありましたが、就労支援体系については本当に幅広く、多岐にわたって様々な問題意識が委員から挙がりまして、どこに焦点を持っていくかが非常に難しいワーキングではあったかと思うのですけれども、菊池主査のおかげでうまくまとまったものになったかなと思っています。中でも論点で示されている方向性については、委員の中で意見が大きく分かれることはなかったように認識しています。その中で、自分としましては就労定着支援について、なじみの事業所が就労定着支援を実施するのが原則としつつも、地域で支援に穴が生じないよう、なかぽつセンターにも就労定着支援を実施するようにすべきではないかという主張をさせてもらいました。
しかしながら、就労定着支援の実施については、それを望んでいるなかぽつセンターもあれば、後ろ向きな意見のなかぽつセンターもあると聞いていますし、実際に第3ワーキングでもそのような意見も挙がりました。地域によっても定着支援のリソースの状況も違うため、一律に実施の方向でということではなしに、指定を受ける権限を付与するといいますか、一律に指定を受けられるよう整備をしておくことが必要ではないかと改めて発言させてもらいます。
あと議論の中で、先ほど倉知先生からもありましたが、就労継続支援A型について、時間の制約もあって十分に議論を深めることができなかったように思います。私もこの場で改めて自分の意見を発言させていただきますと、A型については、今般の報酬改定で様々な諸課題について一応対応する形になったのではないかと思っています。それは1つ目が、一般企業と同じ障害者雇用であるにもかかわらず、一般企業との差というか垣根が大きいA型事業所が多いという指摘があるわけですけれども、垣根を小さくすべくスコア化を図って1つの基準を示したという点、2つ目は、生産活動の基盤を強くするために、企業や地域との連携を強化する仕組みを導入したということです。
この報酬改定の内容が実際のところ機能すれば、A型としての雇用・支援の質は上がり、働く場としてはいよいよ一般企業との違いが分からなくなってくるものだと思います。違いがあるとするならば利用者の違い、つまり対象者層の違いであり、一般企業での雇用が難しい方が利用しているかどうか。そうなのであれば、次の段階として、一般企業での雇用が難しいとはどのような状態であり、どのような支援が必要であるか、就労の困難性を整理していく必要があるのではないかと思います。
A型で行われている支援がしっかりと体系立って整理ができれば、その支援のノウハウを一般企業における障害者雇用に持ち込むことで、結果として今までA型で雇用されていたような方が一般企業での雇用が進むのではないかなと思いますし、A型自体も、これらのノウハウを基に、障害のある方だけではなく対象者も拡大して、いわゆるユニバーサル就労を目指すとか、今後のウイングを広げることにもつながっていくのではないかなと思っているところです。
先ほど阿部先生から、短時間カウントの在り方について御意見されていました。私はこのワーキングで、これについても賛成の意見を述べさせていただいておりますので、その立場から私の意見も改めて申し上げさせていただきますと、もちろんエビデンスということは本当に大切だと思います。それに加えて、私はふだん実践の場面ではA型も運営しているわけですけれども、そこから一般就労につなげていこうと思うときに、利用者さんからすると不安やためらいが往々にございまして、福祉と雇用の両方に足をかけながら進めていくということは、その不安やためらいの解消の一つにはなるのではないかと思いまして、一つには並行利用ということを賛成させていただきました。その上で、そういう方々を少しでも多く企業が受け入れていっていただくために、こういうカウントの在り方も必要ではないかということで、賛成意見を述べさせていただいたところです。
もちろん、これもエビデンスが必要ですし、簡単に20時間以下の雇用をさらに進めて、そこを雇用率のカウントとして障害者雇用を進めていこうという企業が、そういう制度があればそれだけこれに乗り出してやっていただけるのか。そういう調査なんかも必要なのかもしれないなと思って、阿部先生のお話を伺っていました。
ありがとうございます。
○駒村座長 お待たせしました。永松委員、お願いします。
○永松構成員 全国市長会の大分県杵築市長の永松と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
3つのワーキンググループの発表を大変すばらしく拝聴いたしました。私のほうは、企業側の取組についての意見というか感想です。
先ほど長谷川先生のほうから御意見がありましたけれども、重なるかもしれませんが、企業側が障害者雇用に向けて要求する水準というものももちろん分かるのですけれども、やはりAIやICT環境、リモートワークの環境整備が急速に進歩しておりますので、企業側が求める雇用の水準をだんだんと下げられていくべきかと思っております。障害者雇用に対して、やっと光が当たってくるなというのが基礎自治体としての意見で、これを利用しない手はないと思っております。
例えば「OriHime」という分身ロボットを吉藤さんという方が開発したのですけれども、あれも重度障害の方が使って、ウエイトレス、ウエイターをやっているというのは感動しました。そういうことで、これを取り入れる企業側の好事例を、障害のある方、家族、こういう事業所なんかは当然ですけれども、医療現場とか教育現場にも広く周知していただければなと思います。
特に企業で働いている人、現場の人たち、人事部局は別にして、現場にいる企業で働く人たちが持っているアイデアというのは、ICTであるとかAIであるとか、そういうものについてのアイデアは現場でなければ出ないものがある。つまり、アイデアは無限にあると思います。ですから、共生社会の実現は取りも直さず企業側の理解者、職員、社員の理解者の絶対数を増やすことにつながると思いますので、ぜひこういったことをあらゆる分野の人に紹介していただければと思います。
以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。
第3ワーキングについては、A型が少し議論の深掘りが残っていると。今後の課題になるかもしれませんけれども、そういう御指摘も多かったと思います。
大変申し訳ないです。時間が少しオーバーしそうな感じでありますけれども、もう一つ、全体を通じて、あとは資料4別紙を見ると、その他も含めて御意見、御議論があればと思います。この部分だけ少しはみ出していますけれども、もし御都合がよろしければ最後、この部分についての御発言があればと思いますが、いかがでしょうか。
全体を串刺ししての議論でございますが、特段よろしいでしょうか。どなたも手が挙がっていないような感じがします。
失礼しました。倉知さん、どうぞ。
○倉知構成員 九州産業大学の倉知です。
就労能力等の評価の在り方のところで、アセスメントをする人材をどう育成していくのかということが出たと思うのですけれども、その辺りを人材育成のワーキングの中でどう取り込んでいけるのか。この辺り、長谷川先生から御意見をいただければと思います。
○駒村座長 長谷川さん、ありますか。
○長谷川構成員 ありがとうございます。
私たちの第2ワーキンググループで議論していたのは、例えば一般就労になってからどういうった支援が必要かということを学ぼうとか、枠組みはどうなっているかということを理解しようといって制度の理念とか、そういったまずは大事だよねというところをどうするかという議論だったので、アセスメントに関しての議論は残念ながらやっていなくて、それについての研修も、少なくとも私たちの議論の中での念頭にはほとんど置いていなかったものなのではないかと思います。
それこそ、少なくとも今回の基礎的研修の必須事項とすべき対象者がアセスメントをする立場になることが想定しにくいのではないかなと思うのです。だから、連携はもちろん必要なのですけれども、別途また議論が必要なのではないかという印象を持っています。
以上です。
○倉知構成員 別途も含めて、その体系の中に組み込みたいという思いはありますので、また検討したいなと思います。
○駒村座長 ほかはいかがでしょうか。
今日、各ワーキングから大きなフレームについては出していただいて、まだ深掘りする部分が残っているということも確認したと思います。
第3ワーキングについては、今日は菊池先生が御欠席なので、事務局から今日の御意見も伝えていただく。私が見せていただいて、資料3-2の3ページにあるように今後のイメージというのも非常に分かりやすいので、このように変化の方向が出てきているということも非常に分かりやすく見せられるのではないか。これはあくまでも一例だと思います。
もうこれで終わりにして今後の予定に入っていきたいと思いますけれども、働くことというのは健常な方でも障害のある方でも人生の陶冶というか可能性を広げる場であるので、なるべく保障したいと。ただ、一方で労働市場の制約というか経済的な制約もあると。ぎりぎりまでその可能性を詰めていくのが我々の仕事であると。長谷川先生から、ワーキンググループの委員の中での共有みたいな話もありましたし、本検討会の委員の中での福祉・労働の認識の共有というのもますます必要だと思います。
それでは、今日の議論はこれで終わらせていただいて、今後は次回においてさらに取りまとめに向けた議論を行っていきたいと思います。本日の各ワーキンググループからの報告と、各委員からの御意見などを踏まえた形で取りまとめの素案を提出できるよう、事務局は準備を進めてください。
最後に議題3、その他について事務局からお願いいたします。
○日髙障害福祉課課長補佐 事務局でございます。
本日は御多忙の中、また少し時間を超過する中、皆様、大変ありがとうございました
次回の開催は、5月21日を予定しております。詳細につきましては、改めて事務局から御連絡をいたします。
また、次回において取りまとめに向けた議論を円滑に行えるよう、今、座長からもございましたが、しっかりと座長と相談の上、資料等をお示しさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
事務局からは以上です。
○駒村座長 それでは、5分ほどオーバーしまして、大変申し訳ございません。
本日の検討会はこれで終了したいと思います。
残り2回で、この検討会としては一定の取りまとめを行うことになりますので、活発な議論の御協力をよろしくお願いいたします。
本日はこれで閉会といたします。皆さん、大変ありがとうございました。
失礼いたします。