2021年7月20日 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会 議事録

日時

令和3年7月20日(火)14:00~

出席者

出席委員(10名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理
 

欠席委員(1名)

行政機関出席者
 

 鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
 山本史(大臣官房審議官)
 吉田易範(医薬品審査管理課長)
 新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事・審査センター長事務取扱)
 田宮憲一(独立行政法人医薬品医療機器総合機構執行役員) 他

 


 

議事

○医薬品審査管理課長 ただいまから「薬事・食品衛生審議会日本薬局方部会」を開催させていただきます。委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。はじめに、本部会は基準に関する審議を行いますので、公開にて開催させていただきます。
 また、今回が委員改選後初めての開催となりますので、電子媒体として配布している委員名簿に従い、委員の先生方を御紹介いたします。この名簿の順で読み上げさせていただきます。荒戸照世委員、伊藤美千穂委員、太田茂委員、木内文之委員、黒川洵子委員、嶋澤るみ子委員、出水庸介委員、深澤征義委員、本間正充委員、村田幸久委員、安原眞人委員です。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、部会長ですが、1月25日の薬事分科会において、この日本薬局方部会については太田茂委員が部会長として選任されておりますので、御報告申し上げます。太田部会長から一言、お願いいたします。
○太田部会長 太田でございます。日本薬局方は、既に130年以上の歴史を持ち、昨月だと思いますが、第十八改正の告示があるということで、非常に伝統と歴史のある日本薬局方ということで承知しています。
 しかしながら、この伝統、歴史というものは、不断の見直し、修正、改正の積み重ねでなっているものだと思いますので、以降もいろいろと見直しをしながら、より良い日本薬局方を作っていくために、皆様の御協力を是非ともよろしくお願いしたいと思います。私からの挨拶は以上です。皆様、よろしくお願いいたします。
○医薬品審査管理課長 ありがとうございました。続きまして、部会長代理の選任をさせていただきます。薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理するとされております。太田部会長、御指名をよろしくお願いいたします。
○太田部会長 日本薬局方の作成に、非常に重要な役割を果たしていただいている国立医薬品食品衛生研究所の副所長である本間委員に、部会長代理をお願いしたいと思います。
○本間部会長代理 国立医薬品食品衛生研究所の本間です。今回、初めて部会に参加させていただいて、また部会長代理ということで荷が重いのですが、これも職務と考えて務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○太田部会長 どうぞよろしくお願いいたします。
○医薬品審査管理課長 ありがとうございます。本間先生、よろしくお願いいたします。
 続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。伊藤美千穂委員より御欠席の連絡を頂いております。したがいまして、現時点で委員11名のうち10名に御出席いただいていますので、定足数に達していることを御報告いたします。
 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。まずは厚生労働省ですが、医薬・生活衛生局長の鎌田です。大臣官房審議官の山本です。私は医薬品審査管理課長の吉田です。よろしくお願いします。次に、機構ですが、審査センター長の新井です。執行役員の田宮です。よろしくお願いいたします。
 部会を開始する前に、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、報告させていただきます。薬事分科会規程第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定しております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に該当する事項はない旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 それでは太田部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○太田部会長 改めまして、本日は委員の先生方におかれましては、大変お忙しいところ、日本薬局方部会に御出席いただき誠にありがとうございます。
 ただいまから議事に入ります。最初に、事務局から本日の資料の確認をお願いします。
○事務局 資料については、先般、メールにて電子データをお送りしております。各委員におかれましては、各自お持ちの端末で資料を御確認いただければと思います。事前送付した資料として、議事次第、資料1、委員名簿のファイルがあるかと思います。配布資料については以上です。
 本日はWebでの審議ですので、対面での進行と一部異なる部分があります。審議の進行方法について、簡単に御説明いたします。審議中に御意見、御質問をされたい委員は、まず、御自身のお名前と発言をしたい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、部会長から発言者を御指名いただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、発言をお願いいたします。なお、発言者が多いときには、チャット機能を御使用いただくことで、部会長より順番に指名させていただきますので、そちらの機能も適宜、御利用いただければと思います。
○太田部会長 今の事務局からの説明に、特段の御質問等はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、審議議題に移ります。審議事項「第十九改正日本薬局方作成基本方針(案)について」、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 はじめに、前回の日本薬局方部会で御審議いただいた第十八改正日本薬局方について、分科会の審議を経て本年の6月7日に告示されたことを御報告申し上げます。改めて御礼を申し上げます。
 本日は、第十九改正日本薬局方作成基本方針について御審議いただきたく思います。資料No.1を御用意いただければと思います。5年後の第十九改正に向けて、機構の日本薬局方原案検討委員会において、その基本方針案を御検討いただきました。6月23日付けで、厚生労働省宛てに御報告を頂いたところであり、その基本方針案を資料1-1に示しており、第十八改正の基本方針からの変更点の比較表を資料1-2として示しております。本日御審議いただき御了承いただけましたら、パブリックコメントを実施の上、薬事分科会に御報告させていただいた後、確定という流れになっております。資料1の具体的な改正内容等については、機構から御説明いたします。
○医薬品医療機器総合機構 第十九改正日本薬局方作成基本方針(案)について御説明いたします。機構では、日本薬局方の原案検討のために、専門分野ごとに14の委員会及び小委員会のほか、検討議題に応じたワーキンググループを設置しており、それぞれの委員会、小委員会等で日局十九に向けての課題、検討方針について議論いただきました。これらの議論の結果を踏まえて、最終的に全体を統括する総合委員会において取りまとめたものが、本日御審議いただく日局十九作成基本方針(案)です。
 最初に、作成基本方針の構成を簡単に御説明します。資料1-1を御覧ください。2ページの冒頭の「1.日本薬局方の役割と性格」では、日本薬局方の果たすべき役割と位置付けを明確化しております。
 次に、「2.作成方針」です。日本薬局方がその役割を果たすための課題を明確化し、最終的に「日本薬局方作成の5本の柱」としてまとめております。その上で、3ページからの「3.作成方針に沿った第十九改正に向けての具体的方策」を記述しており、最後、8ページに、「4.施行時期」を記載しております。以後、資料1-2に基づき日局十八作成基本方針からの変更点について、御説明いたします。
 11ページを御覧ください。「1.日本薬局方の役割と性格」です。日本薬局方は、これまでも公衆衛生の確保に貢献してきましたが、新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行していること、及び公衆衛生の確保がWHO作成の薬局方作成指針(GPhP)において、薬局方の使命とされていることを踏まえて、ここでは改めて「公衆衛生の確保に資するため」という文言を追記いたしました。
 また、「2.作成方針」については、1番目の項に「保健医療上重要な医薬品を優先して収載することによる収載品目の充実」という文言を取り入れ、最終的に12ページになりますが、「第十九改正日本薬局方作成の5本の柱」を改めることといたしました。
 次に、「3.作成方針に沿った第十九改正に向けての具体的な方策」について、12ページの下の方から記載しております。「(1)保健医療上重要な医薬品を優先して収載することによる収載品目の充実」については、12ページの下から13ページに記載しております。
 主な変更点を申し上げます。12ページの下の「マル1収載方針」については、最先端の医薬品について、保健医療上重要な医薬品に位置付けることを盛り込みました。また、日局十八作成基本方針では、「全面的収載を目指す」と記載しておりましたが、収載数だけではなく収載品目の質的充実という観点を盛り込み、「収載品目の充実を目指す」に変更しております。
 13ページの「ア.新規収載について」の「b)の収載時期」において、「再審査期間が終了した医薬品」については速やかな収載を検討することとしております。また、同ページの「イ.既収載品目について」ですが、収載時期が古く国際的水準と懸け離れている場合の試験法や項目、規格値の優先的な見直しを図ることとしております。
 次のページを御覧ください。「(2)最新の学問・技術の積極的導入による質的向上」については、14ページ~16ページの上の方に記載しております。主な変更点について御説明します。14ページの「マル2一般試験法の改正」では、これまで日局では触れられていなかった「天秤の精度と最小計量値の関係」について規定すべきとの御意見、また、海外薬局方の動向を考慮して、「キ.最小秤量値と使用されるべき天秤の考え方の整理」を検討することを盛り込みました。
 14ページの下から15ページの上の部分の「マル3医薬品各条の整備」では、製造要件の項等を活用する方向性が日局十八作成基本方針で示されたことを踏まえて、「コ.製造要件の活用による、工程で管理される重要品質特性の明示」を盛り込みました。
 また、15ページの「マル5生物薬品に係る整備」においては、日局十八作成基本方針に引き続きバイオ医薬品の各条収載を図りつつ、一般試験法及び参考情報の整備に取り組む姿勢を盛り込みました。また、同じく15ページの「マル6国際的動向を踏まえた不純物の管理に係る整備」においては、ICH-Q3D(元素不純物ガイドライン)を踏まえた元素不純物の管理の実行に加えて、ICH-M7(DNA反応性不純物ガイドライン)についても、日本薬局方として考慮していく姿勢を盛り込みました。
 16ページには、「(3)医薬品のグローバル化に対応した国際化の一層の推進」について記載しております。マル1において、医薬品各条に関する国際調和の推進を掲げました。また、マル4においては、日本薬局方の国際化を一層推進するための方途として、医薬品各条における類縁物質情報に関する記載及びカラム情報の全面的開示を実施することを示しております。
 16ページの下の「(4)必要に応じた速やかな部分改正及び行政によるその円滑な運用」については、変更はありません。
 17ページの「(5)日本薬局方改正過程における透明性の確保及び日本薬局方の国内外への普及」については、マル1において、これまで機構のWebサイト等で行っていました原案の検討内容や経緯の説明について、学会誌等も活用し、更に積極的に進めていく姿勢をお示ししました。また、マル5においては、薬学教育の拠り所となるような日本薬局方を目指し、国内外への普及を図ることとしました。以上が、「第十九改正日本薬局方作成基本方針(案)」の主な内容です。御審議、御確認のほど、よろしくお願いいたします。
○太田部会長 ただいまの内容に関して、委員の先生方から御質問、御意見がございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○木内委員 最後の所ですが、「薬学教育における日本薬局方の活用」というのがありますが、それ以前のところは、薬局方を作る側が主体的に動く事柄が書いてあるのです。最後だけ、厚労省側がどこかに働きかけて、やってもらうというようなことになっているような気がするのですが、先ほど国内外への普及ということを最後におっしゃったので、それはそれでいいのですが、この部分は具体的に何をやるかなど、そうしたことは何かお考えでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 この教育における日本薬局方の活用については、日本薬局方の原案検討委員会でも議論するとともに、学会等のシンポジウムにおいても、その適正使用や活用について議論していただくことを考えていますし、アカデミアの先生方に原案検討委員会で御議論いただいていますので、その内容を薬学教育の場で活用していただくことを考えております。
○木内委員 私も作る側の人間だったので、大学在職中は自分の講義の中ではいろいろと活用はしていたのですが、薬局方の作成に関与されている先生というのは非常に限られていると思うのです。ですから、薬学会等に積極的に働き掛けていくことが必要だと思います。委員の先生方だけに頼るのではなくて、そうした観点もお考えいただければよいのかと思います。
 それと、私は薬学部にずっといるのですが、新しい薬局方が出たという情報を、例えば、大学に積極的に通知等はされているのでしょうか。新しい薬局方が出たという情報が、大学にきたことは余りなかったような気がするのですが。
○事務局 通知という形ではないのですが、薬局方の冊子については、全国の薬学部のある大学にお配りするなどの対応は行っているところです。今後、もう少し周知の方法等を考えていきたいと思っております。
○木内委員 ありがとうございます。以上です。
○太田部会長 ほかに何か、御意見等はございますか。
○荒戸委員 荒戸ですが、よろしいですか。何点か教えていただきたいのですが、一つずつのほうがよろしいでしょうか。
○太田部会長 一つずつお願いできますでしょうか。
○荒戸委員 作成方針の第3の所で、今回添加物に特化した書き方をされているのですが、あえて、ここで添加物を強調されている背景があれば教えていただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 「添加物」と記載しているのは、PDG、日・米・欧の薬局方の調和の会議なのですが、そこで主に調和されているのが添加物の各条と一般試験法になるので、ここは事実と相違がないように、「主に添加物」というように記載しております。
○荒戸委員 分かりました。ありがとうございます。
 次に、3.の(1)のアのb)の収載時期の所ですが、これは特に今回新しいわけではないのですが、「新規開発医薬品については、承認後一定の期間を経た後に」とあるのですが、この「一定の期間」というのは、何かしら取り決めのようなものがあるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 すみません、聞き逃したのですが、先生がおっしゃっている「一定の期間」というのは、どのページのどの部分になるでしょうか。
○荒戸委員 13ページのb)の収載時期、その収載時期の下から2行目ですが。
○医薬品医療機器総合機構 すみません。失礼いたしました。
 この「承認後一定期間を経た後に収載すること」としているのは、特許等がありまして、その関係で原案作成会社が原案作成のためのデータをなかなか提出できないということがあります。
○荒戸委員 特に取り決めがあるわけではなく、普通に考えればいいということですか。
○医薬品医療機器総合機構 そうです。
○荒戸委員 三つ目ですが、14ページの(2)の「マル2一般試験法の改正」のキの天秤の所です。これは、先ほどの御説明では、ほかの国の局方には記載されてあるという御説明だったのですか。その理解でよろしかったでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 欧米の薬局方では、どちらも、この点について記載がございます。
○荒戸委員 ありがとうございます。次に、15ページの一番上です。「工程で管理される重要品質特性の明示」という書き方をしているのですが、これは製法にも依存してくると思うのです。品目によっては各メーカーで必ずしも製法が一定でない場合もあると思うのですが、この場合の重要品質特性をどのように考えていくのか教えてください。
○医薬品医療機器総合機構 この「製造要件」については、最終製品の規格だけでは品質確保が極めて難しい項目について、ここは必要に応じて設定されるということになっております。
 例えば十八局ですと、19個の不斉炭素原子を持つエリブリンメシル酸塩は、製造要件の中で立体構造の保証と、異性体を含む不純物管理に必要な出発物質、中間体の管理規定等が記載されていますので、そういうように必要に応じて設定するということです。
○荒戸委員 ありがとうございました。イメージできました。
 最後の質問ですが、16ページの下から1/3ほどの所の「カラム情報を全面的に開示」という所ですが、今も機構のホームページに、ある程度の情報が開示されているのですが、この「全面的」というのは、どういう意味なのでしょうか。今ある情報よりも、どういうところを詳しくされるのかということと、後は、こういう情報というのは、厚生労働省の日局のホームページからもリンクできたらいいのではないかと思うのですが、その辺りを教えていただけないでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 このカラム情報の全面的開示ですが、これまで先生がおっしゃったように、機構のサイトで開示してきましたが、その情報をこれまで同様、引き続き全面的に開示していくということです。
○荒戸委員 「全面的」というのは、品目数が増えていくというようなイメージでいいのでしょうか。それとも、今は試験法名とカラム情報だけなのですが、追加の詳細情報が加わるということなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 例えば各条において類縁物質を定めたものについて、その類縁物質のカラム情報を新たに追記していくということです。
○荒戸委員 ありがとうございます。これに関連して、先ほどの厚生労働省の日局のホームページからのアクセスの必要性については、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○事務局 御指摘を踏まえて、今は厚生労働省のホームページからは機構のホームページ自体へのリンクはあるのですが、そういった細かい、より使いやすいようなリンクについては、今後検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○荒戸委員 ありがとうございました。私からは以上です。
○太田部会長 ほかの委員からの御質問、御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
○深澤委員 感染研の深澤です。頂いた第十九改正作成方針を考えるうえで基本的な質問なのですが、第十八の方針があって、実際の第十八改正日本薬局方ができたと思うのですが、元の第十八の基本方針を踏まえて、第十八改正日本薬局方でその方針をどの程度反映されたのか、あるいは課題が残ったのかという総括のようなことはしているのでしょうか。恐らく、それを踏まえて第十九の作成方針は作られていると思うのですが、そういうものは非公開でもいいのかもしれないのですが、もし、そのような資料があれば、この方針を立てた理解が、より進むかと思い質問させていただきました。
○医薬品医療機器総合機構 第十八改正の基本方針に対して、何が実現できて、何が課題になったかという、まとめのような資料は作成しておりません。
○深澤委員 分かりました。できれば作成したほうがいいように個人的には思います。その上で、今回の第十九改正の方針を立てるほうが、よりいいと思います。
 それを踏まえて伺いますが、例えば12ページの3の(1)の所ですが、第十八の方針では「全面的収載」という所が、第十九では「収載品目の充実を目指す」というように、何となくトーンダウンしているような印象を受けてしまうのですが、全面収載というのは本当に大変だと思うので、現実的には、全面収載に向けて収載品目の充実を目指すということなのかと思ったのですが、そこら辺はどうなのでしょうか。どういう考えなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 まず、「全面的収載」から「充実」という文言の変更については、原案提出の強制性が担保されていないということと、後、バイオ医薬品ですと、例えば規格や一般名、品質管理戦略が異なっておりますので、先発品と後続品をまとめて収載することが難しいということがありまして、全面的な収載が難しくなっているという状況ですので、優先的に新規収載をすべき保健医療上重要なものの品目の充実を図りたいというように考えています。
○深澤委員 その説明を伺って、分かりました。
○太田部会長 ほかの委員からの御質問、御意見がございましたらお寄せください。いかがでしょうか。
○安原委員 今の御説明にあったバイオ医薬品の所なのですが、前回の部会のときに、十八局にはインフリキシマブやトラスツズマブは載らなかったということで承認されて20年近くが経過し、そうしたエッセンシャルな薬が収載できないのかをお尋ねして、そのときの回答で、メーカー側の協力を十分に得られないからというお返事があったかと記憶しております。
 今回、医療上重要なものを積極的に収載するというのは大事な方針だと思うのですが、その辺りの、モノクローナル抗体等の薬について収載するということは、何らかの方法のアプローチの仕方の改善等は想定されているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 生物薬品の各条の収載については、これまでと状況は余り変わっておりませんで、個別の各条として収載することが難しい状況ではあります。例えば抗体医薬品、インスリン類といったような括りで、ジェネラルモノグラフのようなものとして、各品目群のCQAや、その評価方法の項目を参考情報で示していくという方法等を引き続き検討していきたいと思います。
○安原委員 各条として載せられないというところは、局方としては忸怩たるものがあるように感じるわけです。今の実際の医療の現場で、すごく大事なポイントになっている医薬品が載らないというところは、引っ掛かるのですが、これは海外でも同じような状況なのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 インフリキシマブについては、EPでは収載されておりますが、USPでは収載されていない状況で、海外でもなかなか収載は難しいという状況です。
○安原委員 分かりました。それでは、各条では無理にしても、ある程度まとめた形で大事な要項を示していくということは、バイオシミラー等を考える上でも、すごく大事なことだと思いますので、よろしくお願いします。
○太田部会長 安原委員の御指摘は大変重要だと考えております。ほかの委員の先生方から、御質問、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは議決に入ります。第十九改正日本薬局方作成基本方針については、案のとおりとすることとしてよろしいでしょうか。
 御異議がないようですので、承認とさせていただきます。薬事分科会での審議に進めさせていただきます。
 以上で、本日の審議と報告事項は終了いたしました。事務局から何かございますか。
○事務局 本日御審議いただいた第十九改正日本薬局方作成基本方針については、先ほども少し御説明しましたとおり、今後、パブリックコメントを行いまして、薬事分科会へ報告の上、事務連絡を発出させていただく予定です。
 次回の部会の日程ですが、事務局にて調整しまして、改めて御連絡させていただきます。
○太田部会長 本日は、これで終了とさせていただきます。委員の先生方、どうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局 

医薬品審査管理課 課長補佐 高畑(内線2737)