第一種健康診断特例区域等の検証に関する検討会(第5回)議事録

日時

令和3年7月9日(金)15時00分~

場所

TKP新橋カンファレンスセンター 14階 ホール14A
(東京都千代田区内幸町1ー3-1)

出席者(五十音順)

構成員
  • 荒井 史男
  • 一ノ瀬 正樹 《web出席》
  • 岩崎 俊樹 《web出席》
  • 鎌田 七男 《web出席》
  • 木戸 季市 《web出席》
  • 小池 信之 《web出席》
  • ◎佐々木 康人
  • 柴田 義貞 《web出席》
  • 永山 雄二 《web出席》
  • 増田 善信
  • 山澤 弘実 《web出席》
  • ◎は座長
  • 荒井構成員の「荒」の草冠は、正しくは間が空いている四画草冠

議題

  1. (1)検証の進捗状況及びこれまでの議論の経過について
  2. (2)その他

議事

議事内容
○南川課長補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第5回「第一種健康診断特例区域等の検証に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
本日の出欠について御案内いたします。一ノ瀬構成員、鎌田構成員、小池構成員、永山構成員、岩崎構成員、木戸構成員、柴田構成員、山澤構成員はオンライン参加になっております。
誠に恐縮ですが、健康局長においては別の公務の都合により欠席させていただいており、代わりに大臣官房審議官の宮崎が出席しておりますので御了承ください。
本日の傍聴ですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、マスコミの方のみの傍聴とし、会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、御承知おきください。
ここでYouTube配信に関する注意事項を御連絡いたします。この動画は本検討会の公式記録ではございません。公式記録である議事録は厚生労働省ホームページ内に会議終了後に追って掲載いたします。また、配信している画面、あるいは内容につきましては、今後会場におられるマスコミの方々の冒頭のカメラ撮り終了時までは使用することが可能です。
オンラインでの参加の方に何点かお願いさせていただきます。ビデオカメラはオンにしてください。マイクはミュートにしていただき、御発言のときのみマイクをオンにしてください。御発言時には名前をおっしゃった上で御発言ください。御発言が終わりましたらマイクをミュートにしてください。
以上よろしくお願いします。
操作方法等につきましては、御不明な点ございましたら事前にお伝えしている電話番号におかけいただければ御案内いたしますので、いつでもお問い合わせください。
冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでといたします。

                                                               (カメラ退室)

○南川課長補佐 それでは、以降の進行は佐々木座長にお願いいたします。
○佐々木座長 佐々木です。皆様、本日もどうぞよろしくお願いをいたします。
早速ですが、事務局より本日の資料の確認をお願いいたします。
○南川課長補佐 それでは資料の御確認をさせていただきます。座席表、議事次第、資料、参考資料として1-1、1-2、参考資料2がございます。それに加えて第4回までの検討における資料は別途1冊のファイルにまとめて御用意しております。資料の不足等がございました議事の途中でも結構ですので事務局までお声がけください。
○佐々木座長 ありがとうございました。
それでは議事に入ります。本日予定しております議事は、本件検証の進捗状況及びこれまでの議論の経過についてのみであります。前回、十分な議論が尽くせませんでしたので改めて議論の時間を設けたものであります。
事務局から資料の説明をお願いいたします。
○南川課長補佐 それでは、資料1の趣旨説明と参考資料も併せて御説明させていただければと思っております。
資料1を御確認ください。基本的には前回お出ししました資料7とほぼ変わりなく、前回の御指摘を踏まえて一部修正した点、そして改めて、前回早口での御紹介になりましたので、この資料の作成の仕方を中心に御説明させていただければと思っております。
本資料において「1.検討にあたっての背景・目的」につきましては、これまでの検討会の設置要綱であったり、これまでの事実関係を踏まえた検討会を開催して、検討を始めるに当たった経緯を基本的に記載させていただいているところでございます。
次に「2.検討におけるこれまでの意見」につきましては、第1回から第3回までの議事録につきまして、事務局のほうで構成員の意見を基本的に改めて確認させていただきまして、構成員の御意見の中で、なるべく2~3行に収まるような形で(1)検証にあたっての考え方という部分と(2)検証の進め方、実際の具体的な研修の進め方、それの総論的な部分を2点、そして、気象シミュレーション・土壌調査の進め方についての御意見を4点、そして、健康影響調査についての御意見を4点、それぞれ記載させていただいております。これにつきましては、名前等はこの資料に書いておりませんが、基本的には1つの○について1人の方の御意見をなるべく事務局のほうで趣旨となるような部分を想定してまとめたものとなっております。
続きまして3ページ目でございます。現在の状況の検証そのものを基本的な考え方を議論しながら、検証そのものもこれまで様々進めてまいりましたので、それぞれの検証について、ア、イ、ウ、エ、オという形で、具体的な現状がどうなのかということを整理させてもらった上で、ここは今日の御議論の中で、今後の方向性についてはこれまでの議論を踏まえて事務局から記載させてもらっているものですので、これについては構成員の皆様方が今日いろいろ御議論いただいた上で、さらに今後の方向性についての記載は修正されてくるのかなと思っております。
前回からの変更点につきましては(1)のアの気象シミュレーション・土壌シミュレーションにつきましてなのですけれども、今後の方向性の3つ目のところに、その上で、イ、ウの結果を踏まえて、これまでの検討会の議論も踏まえという、この検討会での議論を踏まえてちゃんと検証するのだということを入れさせていただいたのと、前回、いつまでこの検証をやるのかというような御意見等もありまして、私のほうから迅速にとしか申し上げませんでしたが、今も同じような答えになるのですが、少なくとも定期的に検討会に報告するという文言を入れさせていただきましたので、今、資料1でここまでにと言えないのですけれども、定期的にこの検討会において御報告させていただいた上で、いろいろな御意見を伺いながら進めていきたいと思っているところでございます。変更点について1つ目は1つです。
もう一つの変更点は、イの部分の今後の方向性で、4ページ目を御確認ください。一番上の行に、今回、放射線影響研究所(旧ABCC委員会)にかなり大事な資料があるのではないかというような御意見を前回いただきましたので、我々はどちらかというと健康影響の部分については適宜放射線影響研究所の資料等も確認しながらも、また、御提示しながら出していましたけれども、気象という観点ではまだ確認をしておりませんでしたので、そこについては放射線影響研究所のほうにあるかないかも含めて確認してまいりたいと思い、前回のワーキングの御指摘を踏まえて追加したところでございます。
続きまして、ウの祈念館の調査につきましても、前回の御議論の中で、雨だけではなくて飛散物も大事なのではないかというようなことを御指摘いただいたと思っております。ですので、現在の検証状況、「雨等」にさせてもらっていますけれども、これはまとめたというか、今後まとめるので、前回との違いは、現在検証状況の2つ目のマルで「また、登場地等で、雨等の場所が特定される体験記について、地図上にプロットし、資料としてまとめた」と記載していますが、これは今後まとめるということでございます。これは一部事務局で後ほど修正させてもらいますが、前回、雨だけではないのではないかというような御指摘がありましたので、ここに「等」という形で入れさせてもらっています。この具体的な内容については、また後ほど参考資料のほうで御説明させていただければと思っております。
基本的には、オの相談支援事業、疾患罹患状況調査の今後の方向性の3つのマルについても、先ほどの気象ワーキングのところと同じように、これまでの検討会での議論を踏まえて定期的に報告するというような記載をさせていただいているところです。
前回の資料7からの主な変更点については以上になります。
続きまして、参考資料を御確認ください。参考資料の1-1、1-2は、基本的に前回と同じです。前回御指摘いただいたのが参考資料1-1の5ページ目の部分について、赤だったり青だったり、もともとプロットしている部分が雨しか拾っていないのか、それとも、飛散物、ちりだったりも拾っているのかというような御質問に対して、私のほうから雨だけですというお話をさせていただいて、それで十分なのかというような御指摘をいただいたと思っております。
もう一つは、6ページ目の雨の降り始めの時刻で、もう少しこれを細かくできないのかというような御指摘も前回の会議でいただいたと思っております。これにつきまして、事務局のほうで可能な範囲で確認していただいたところ、資料1-2を見ていただきますと、これが実際に祈念館の体験記から転写するときの調査表になります。ここの中に雨以外の飛散物という形で、別紙4という形になりますが、こういうような形で転記をする部分があるので、我々はここの描写そのものは一定程度現時点で把握している部分がございます。
ただ、実際にそれがどういうような記載なのかというのが、今回御用意させていただきました参考資料2になります。例えば雨の記述につきましては1ページ目を御確認いただければと思いますが、一番上、風が吹き、黒い雨が降ってきました、午後十時過ぎにはという形で、こういう記載であれば、午前に降ったという話と、これは強弱という記載はない形ですし、3つ目の例えば昼過ぎなのにというところ、これは昼過ぎを午前ではなく午後と取ったり、ポツポツと黒い雨というような叙述的な証言だと弱いと取ったり、このような形で一つ一つの体験記の記述について、可能な限り分類しているような状況ですので、具体的な時刻が明確に10時と書いてある場合もあれば、昼過ぎと書いてある部分もあるので、時間単位について分けるのはなかなか難しいのかなとは思っているところです。これがまず1点目です。
次の飛散物のほうなのですけれども、2ページ目を御確認いただければと思いますが、雨以外の飛散物の記述について、少なくとも今の調査の中で同定しているものは、例えばいろいろな飛散物、紙切れであったり灰であったりとか、タンゼンの切れ端であったりとか、草木だったり、ふすまの紙だったり、それこそ白い粉のようなものとか、トタン状のものだったりとか、これは一部を抜粋してきたもので、このようなものが我々のところで確認できているものです。
ただ、基本的にはほとんど雨が書いてあるところとニアリーイコールで、飛散物も書いてあることも多いので、飛散物だけが書かれているというものはかなり少ないのと、飛散物といったときに、どこまでを拾ってプロットすべきかというような前回の御指摘の部分については、今日また、今後の方向性の部分で御議論いただければと事務局としては思っているところでございます。
事務局からの資料1及び参考資料についての説明は以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
ただいま御説明がありましたように、今回出された資料は、前回資料7として出されていたものについて、一部修正を加えて改めて出していただいております。この資料は昨年11月以来、本検討会での各構成員からこれまで出された御意見とか、同時並行で行っていた検証の現状及び今後の方向性などについてまとめていただいております。これについて前回の検討会において十分議論をする時間が取れませんでしたが、これまでの議論の振り返り及び検証の現状や今後の方向性について、今後、さらに進められる検証を着実に行っていく上でも、この検討会としてしっかり確認することが重要であると考えております。
そこで、今回事務局から提示されたこれまでの本検討会の取組を「1.検討にあたっての背景・目的」「2.これまでの御意見」「3.検討課題の進捗状況と今後の方向性」の3つの項目について整理をしていただいておりますが、前回も申し上げましたけれども、1と2を最初に議論し、3はその後で議論をしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
まず1及び2の項目について、これは基本的には、これまでの事実関係をまとめて要約していただいていると考えます。検証課題に関するこれまで出された御意見が適切にまとめられているかなどの観点から、構成員から改めて御意見をいただきたいと思っております。いかがでしょうか。
まず「1.検討にあたっての背景・目的」「2.検討会におけるこれまでの意見」の資料の1~2ページでありますが、便宜上、最初に「1.検討にあたっての背景・目的」に4つのマルの文章がありますけれども、これについて御質問とか、あるいは修正等の御意見があれば御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
増田構成員、どうぞ。
○増田構成員 増田です。このところは、この検討会の基本のところだと、何をやるかということの基本を決めておられると思うのです。そういう意味で非常に大事な点ではないかと思っています。
私は特に被爆者援護法の基本は何かという点は、放射能を受けているかどうかということが基本になっていると思います。したがって放射能との関係ということをきちんとしていくことが、大事だろうと思います。それが地域の拡大の問題であるとか、そういうようなところにも必ず放射能の影響を受けているかどうかということが非常に大事だと思うのです。そういう意味では、ここにありますように被害者が受けた放射能による健康被害ということが、実は被曝者かどうかということを決めている基本だと思うのです。私たちは現在のいろいろな知識でそれを整理、あるいは分類することができるのかどうかということが非常に大事なことではないかと思います。
そういう意味では、率直に申し上げて、原爆による放射能というのは直達放射能と言われて、DS02とかDS86で決められておりますように約2キロまでは少なくとも放射線が届いていたということになっています。これについては少なくとも放射能の影響があったということは確認できると思います。
しかし、それ以遠のところについては、率直に言ってデータがほとんどない。あるとすれば、私は宇田道隆先生のお宅が広島市の己斐というところあったと思いますが、そのところにかなりの雨が降って、そして、戦時中疎開をしておられた次男が帰ってこられて、雨戸の近くに寝ていたら髪の毛が抜けたということから、これは大変だというのでちょうど来ておられた理科学研究所のたしか清水先生だったと思いますが、その先生に測ってもらったら、かなりの放射能が出ていた。それが今、あの付近で一番高い放射能になっているのではないかと思います。それが一つ。
さらにもっと遠いところでは、これは原爆資料館に黒い雨の壁のしみになって残っているのが展示してありますが、あれは3,700mぐらい爆心から離れたところにあったのだそうですが、もう乾いてしまっています。その汚れた黒い雨の痕跡から放射能を測ることができて、放射能が含まれていたとことが確認されています。それくらいしか2キロ以内のところで放射線、あるいは放射能が実際に測定されているものはないと思います。
したがって私はここをどのようにして科学的に考えるかということが、特に大事だと思うのです。そういう点では宇田先生、あるいは先の黒い雨の痕跡のように、雨、あるいは同時に降ってきたちり、紙切れなど、そういうものに放射能が含まれていたと考えるのが至当ではないかとおもいます。そういう意味で、まず雨だとか、そういう現象をきちんと押さえると、少なくともその直後に降った雨などには放射能を含んでいたということが分かるのではないかと思います。
それから、もう一つ大事なのは、実際に影響を受けた人というのは歯茎から血が出たとか、あるいは下痢をしたとか、嘔吐したなどといういろいろな症状を表明しておられるわけです。だから、そのこと自体がすぐさま放射能の影響かどうかというのは、かなり疑問がありますが、やはりそのことは非常に大きなエビデンスになり得ると思うのです。そういう意味で先ほど言いました雨などというのは、放射能が含まれていた可能性があるということを示すものであり、歯茎からの血だとか、そういうものについては放射能の影響を受けている身体的な状況が現れていると考えるのが至当ではないかと思うのです。
したがって、この検討会ではそういう問題をきちんと、今のできる範囲で最大限に調査していくことが一番基本ではないかと思います。そのことをまず私はこの構成員の1人として、ぜひ確認をしていただきたいと思って提案をいたしました。
以上です。
○佐々木座長 この現在の書き方ではまずいという御意見でしょうか。
○増田構成員 まずいということではなく、こういうことがこの中に含まれているのではないでしょうかという意味です。
○佐々木座長 その点は、今までそういう議論をしてきているわけなので、今のお話のことは、この中には含まれていると理解してよろしいですか。
○南川課長補佐 おっしゃるとおり、1については淡々とファクトを書いているつもりなのですけれども、今、増田先生がおっしゃったことは、実は1回から3回でもおっしゃっていただいていまして、それについては、例えば健康影響の話につきましては、2の(1)の4つ目の「放射性の起因性について、科学的根拠ではなく、健康影響が出ていると結果をもって判断してもいいのではないか」というのは増田先生が当時おっしゃった御意見について事務局のほうでまとめたものですし、2ページ目の気象シミュレーションの1の2つ目のマル、原爆のいわゆる黒い雨だけでなく、泥雨やちりにも放射能が含まれており、また発生源もキノコ雲本体と火災積乱雲などによる2種類がある。これらを考慮したデータの上でシミュレーションは大事ということの前段部分については、先生がおっしゃったこととかなり重なっていると思っています。
そのほか、ちゃんと調査をすべきではないかということにつきましては、1ページ目の(1)のマル、これは増田構成員の御発言ではないですが、日進月歩に進む科学技術を踏まえてやるという話だったりとか、そういうような御意見もいろいろな先生からいただいていますので、我々はそういう意味で、ちゃんと御意見を捉えられているかということをいわゆる2の部分のほうでしっかり確認していきたいと思っている次第です。今の指摘だと、この中に含まれているのかなと御拝聴しました。
以上です。
○佐々木座長 関連して、構成員の方々から御意見、今の問題について、多分、増田構成員の言われたことは皆さん共通の認識の下でワーキンググループの検証が行われていると理解しておられるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。もし御発言があれば、お願いいたします。
荒井構成員、どうぞ。
○荒井構成員 荒井でございます。
先ほど増田構成員が御指摘になりましたことを含めて異存ございません。前回、十分検討ができていないというような感想が自分自身でありましたので、改めて送っていただいたものを含めて読み直してみたのですが、ここの整理していただいている部分というのは、特に第1回から第3回までの議論をできるだけ要約した形で整理していただいていると思います。増田構成員が先ほど御指摘になったことを含めて全く異存ございませんで、項目的にポイントは全部拾っていただいていると思いますので、この形でおまとめくださることに全く異存ございません。
○佐々木座長 ありがとうございます。
ほかに御意見はありますでしょうか。
木戸構成員、お願いいたします。
○木戸構成員 「1.検討にあたっての背景・目的」という点です。4点整理されていると思いますが1番目と3番目、これは本当に経過で、私がこれはそのとおりだろうと思っております。
ただ、非常に重要なのは2番目のまとめです。3行ほど読みますけれども、当該区域に原爆投下時にいた住民においては、被爆者と同様に健康診断を受けることができていると、それはもう事実としてできている。その結果、健康管理手当の対象となる障害に該当した場合は、被爆者健康手帳が交付されるという、すなわち法律に基づく被爆者と認定されるということなので、実は私たちのこの検討会というのは、この黒い雨の被害者が、私を被爆者と認定してくださいと、それに対してどう検討会として基準をつくり答えるのかということで、実はここが検討会の使命というか、まさに核になる、やらなければならないことではないかという具合に思いました。その点、2番目の指摘というのを確認いただきたいということです。
それと併せまして4番目ですけれども、本検討会は最新の科学技術云々と書いてあります。先ほどからも意見も出ていますように、やはり原爆被害の科学的解明というのは不可欠だろうと、これからやっていかなければならないだろう、だけれども、この検討会に課せられた課題であるのかどうかいうのは一考の余地があるのではないかと、専門家でないのでそういうことを思うのかもしれませんけれども、むしろ厚労省がやるべきなのか、文部科学省、あるいは学術会議など、そういうところでやるのが妥当なのかというのはちょっと分かりませんけれども、この検討はもちろん必要だと、だけど当面する本検討会の課題よりちょっと重いといいますか、科学的な検討課題なのではないかという具合に思いましたという私の意見です。どうもありがとうございました。
○佐々木座長 ありがとうございます。
最初の点は皆様御了解しておられると思いますが、御意見があればまた伺います。2番目の点は最新の科学技術の活用も含めた新たな調査を追加的に行うこと等によりというところが、この検討会の役割を超えているのではないかという御意見と理解してよろしいでしょうか。
○木戸構成員 それは4番目のところです。2番目のところが私は一番重要だと思う。健康管理手当の対象となる障害に該当した場合は被爆者健康手帳が交付されるということ、このことは、実は黒い雨被害者を被爆者と認定するかどうかなのです。ここが現在のいろいろな問題のポイントなのです。中心課題なのです。やはりそれにまっすぐこの検討会は向き合わなければいけないのではないかという問題提起です。
○佐々木座長 ここに書いてあるのは事実を書いてあるわけですね。
○木戸構成員 そうです。
○佐々木座長 現状が書かれているという理解でいいかと思います。それが重要だということはもちろん。
○木戸構成員 だから、その現状にどう答えるかがこの検討会の使命だと、この1回から4回目の議論を聞きまして、これはそうなのだなと思ったのです。最初から分かっていたわけではないので。いろいろな勉強会も含めた議論を踏まえた上で、実はこの検討会の課題はここなのだなと、使命がここなのだなと思いましたという意見です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
ほかに御発言はございますでしょうか。特にこの「1.検討にあたっての背景・目的」についてこのままでよろしいか、あるいは修文等の必要があるかということについて御意見があればお願いいたします。
木戸構成員、どうぞ。
○木戸構成員 私は事実が書いてあるので文章としてはいいと思うのです。ただ、2番目の私が申し上げた意見、これが今後の課題だよということを確認いただければ、文章はいいと思います。
○佐々木座長 ありがとうございました。
これが文章になれば、当然皆さんは確認をしたことになると思いますが、特段御意見がありますでしょうか。もしなければ、1については特段ここで修正ということの御意見はなかったことにして「2.検討会におけるこれまでの意見」というのがあります。これは先ほど御説明がありましたように、基本的にはこれまでの議事録の中から大事なところを要約していただいている。それぞれの発言者の方たちがおられるわけですけれども、ここに特に取り上げたこういった点が適切であるかどうか、あるいは書き方について議事録から要約してはあるのですけれども、修正の必要があるかどうかというようなことについて御発言をいただきたいと思います。お願いいたします。2の(1)(2)であります。
柴田構成員、お願いします。
○柴田構成員 ちょっと確認させていただきたいのですけれども、ここにまとめられたことは、あくまでもまとめであって、何か自動的に決まっていくというものではないと理解してよろしいですね。
○南川課長補佐 おっしゃるとおりです。これまで1回から3回、様々な御議論がある中で、まず、我々は御議論を踏まえた形で検証して、その検証の結果を踏まえて、この第一種健康診断特例区域等の在り方について、もちろん御意見を改めていただくことになりますが、まずこれまでいただいた御意見について、可能な限り重複がなく網羅的な形で記載させている資料となります。
○柴田構成員 分かりました。
○佐々木座長 ほかに御発言がありますでしょうか。
鎌田構成員、その後、木戸構成員、お願いいたします。
○鎌田構成員 私が申し上げたいのは、科学的知見とか、これまでの知見とか、いろいろありますけれども、今回のフォールアウトに関して大事なことは、内部被曝というものについて、どこまでちゃんと調べることができるか、その概念を明らかにしなくてはいけないのではないかなと考えます。その意味で、これをもう一度読んでみたのですけれども、確かに放射能の影響とかそういうことは入っているけれども、私が申し上げたいのは、内部被曝等についても考えるのだよというのをこの文書にどこかで追加するようなことをしていただければ、この検討会の方向性が出てくるのではないかなと思うのです。
以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
内部被曝については、鎌田構成員をはじめ、今まで何度か話題になっているのですが、議事録の中からその点が。
○南川課長補佐 その点は2ページの2)健康影響調査についての4つ目のマル、いわゆる放射線が例えば食物の中に入ってきた場合の内部被曝に関する放射線医学の科学的知見も踏まえて検討すべきではないかという形で、反映させていただいているつもりでございます。
○佐々木座長 いかがでしょうか。2ページの一番下の文章でございます。ここに内部被曝に関することが書かれておりますが、鎌田構成員、それではいかがでしょうか。
○鎌田構成員 放射性降下物ということで、人体の内部被曝ということも含まれておりますので、そういう意味では文章的には問題ないと思います。内部被曝の問題を取り上げないと、この検討会は本当に意味がないと私は思うのです。ぜひそれを考えていただきたいと思います。
以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
内部被曝の課題というのが重要であるという御指摘だと思います。
私が気になっているのは「放射線医学の科学的知見も踏まえて」という「放射線医学」という言葉は得てして非常に狭く取られて、放射線診療ということを思い浮かべる方が多いと思うのですけれども、いかがなものでしょうか。例えばもう少し広く言うと、放射線医科学とか放射線科学と言ってしまえば医学も入る、少しこの言葉を、放射線医学というのは、私は放射線医学をやっているのですけれども、もう少し広い意味があるので、あるいは放射線影響科学と言うと、医学が入らなくなってしまうかな、医科学ぐらいでどうでしょうかね。
○南川課長補佐 分かりました。「放射線医科学の科学的知見も踏まえて」という形に。
○佐々木座長 ちょっと気になるところであります。
ついでに申し上げますと、健康影響調査についての2つ目のマルのところで「院内がん登録は、郵便番号まで特定できるため、生活習慣の影響なども含めて解析するのは難しいが、作業のしやすさも含めて積極的に活用すべきではないか」という。院内がん登録を積極的に活用すべきではないかという趣旨だと思うのですけれども、間の郵便番号が特定できるために生活習慣の影響などの解析が難しいと、ちょっとつながらないように思うのですけれども、いかがなものでしょうか。
○南川課長補佐 これはちょっとやり取りの部分をまとめてしまった部分がございますので、日本語的につながりやすいような形の検討を、趣旨をちゃんと反映した形で日本語的につながるように考えさせていただきます。
○佐々木座長 文章のつながりの問題だと思います。
ほかにいかがでしょうか。
木戸構成員、お願いします。
○木戸構成員 「2.検討会におけるこれまでの意見」ということなのですけれども、やはり検討会としては、一定の考え方をまとめて提示していくことが大切なので、合意できたものは、やはり合意の形成に努力するべきではないかと、そういう中で、全体の合意できたものは答申といいますか、何かそういうまとまったものとして提出できるだろうと、少数意見も大切ですから必ず付記するとか、やはり合意形成に私たちは努めなければならないのではないのかなというのが第一の印象です。個々についてはまた後で発言させていただきます。
○佐々木座長 おっしゃるとおりであると思いますが、ここにはこれまでの。
○木戸構成員 それは分かるのです。これからの努力課題として。
○佐々木座長 御趣旨はよく理解しております。
ほかに御発言はございますでしょうか。
私が申し上げましたけれども、細かい文章の書き方等についても、もしお気づきの点があれば御発言いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
木戸構成員、どうぞ。
○木戸構成員 私ばかりで大変恐縮なのですが、1、2、3、4、5、検証にあたっての考え方というのが、これまでの意見が紹介されております。そういう中で、今まで私が申し上げたことと重なるわけですけれども、基本懇の考え方が一番上に出ております。この間の議論の中で、基本懇に基づいて議論を展開するのはふさわしくないのではないかというのが、多くの意見だったのではないかと思いますので、その点を御考慮いただきたいということです。
それと、3番目ですけれども、データによる科学的根拠を踏まえた合理性が必要であり、それがなければ戦災者との不均衡の問題が起こるという、このことが実は拡大しすぎて、不均衡ですから、これとこれを見比べるわけですけれども、黒い雨被害者が被爆者であるかどうかということを他の戦災者と比較するということは、あまりふさわしくないではないか。黒い雨の被害者と被爆者、法律に基づいて被爆者とされているものを比較する。それで不合理なのかどうなのかということを検討すべきではないかと思いますので、これはかなり重要な点ではないかという具合に思います。
そのことと関連して5番目ですけれども、基本懇の考え方は現在でも納得できる。これはいいのですが、国民的合意を得るための重要な担保として科学的・合理的根拠が必要ではないかと、本当にそうなのかと、勉強会でも出ましたけれども、現在の被爆者として認めてくださいと言っている黒い雨被害者を被爆者とすることに国民は反対しませんよという意見がありました。だから、それで国民的合意というのは、これは非常に抽象的に納得させるような議論ですけれども、国民的合意は事実としてどうなのかと、これは国民的合意が得られる状況に今あるのではないかと思いました。
以上、私の意見です。どうもありがとうございました。
○佐々木座長 ありがとうございました。
今、お話が出ましたような議論を今後、本当に検討会として合意が得られるのか、得る方向へ議論をしていくことになると思うのですが、ここでは、これまでに発言された異なる御意見もむしろ拾い上げて記載をしているというところであります。そういう観点からみたときに、最初に言われた基本懇の考え方を議論の前提とするという1と反対の考え方というものは拾われているのでしょうか。
○南川課長補佐 基本的に事務局のほうから、ここの部分は主に第2回にかなり御議論があったところで、ほぼ第2回のそれぞれの方の発言という形で御確認いただければと思います。木戸構成員の御発言も第2回に資料でも御提出いただきましたが、この2つ目の○の部分に記載されております。それ以外の部分を、基本的にこれは座席順に一応意見は並べておりまして、名前の順に近い形で、ここは特に大きな議論があったところだと思っていますので、なるべくそれぞれ1人ずつの2回の御意見についてあった発言を基に要約をした上で、上から並べているものでございますので、もちろんこれをさらにこの検討会の中で集約していくための議論していくことそのものは、座長がおっしゃったとおりだと思いますが、つくり方としてはそういうものであると御理解いただければと思います。
○佐々木座長 よろしいでしょうか。異なる御意見がそれぞれピックアップされて記載をされているところでありますので、木戸構成員が最初に言われた基本懇の考え方、1とは違う立場が2のマルのところに書かれているということであります。よろしいでしょうか。
ほかに御発言はありますでしょうか。
それでは、2については一部修文の意見も出ましたので、その点は事務局で文章を考えていただくことにします。
次に、各検証課題の進捗状況と今後の方向性について進捗状況が適切に記載されているか及び各検証の進め方の今後の方向性として、このような形で進めていいかという観点で御意見をいただきたいと思います。「3.検証課題の進捗状況と今後の方向性について」は3~5ページにかかっておりますが、ここについての御意見をいただきたいと思います。御発言をお願いいたします。
荒井構成員、お願いします。
○荒井構成員 意見というよりもむしろ、まず質問をさせていただきたいと思うのです。
この3の部分に関連して、前回、多少は御発言がどなたかからあったかもしれないのですけれども、この検討会での検討のスケジュール感といいますか、およそ時間的に、あるいは内容的にどの程度の深さで検討するのかといったところが、私自身もそうですし、多くの構成員の方々の頭の中におありだろうと思うのです。そういったことを何かこれまでの議論で触れたことがあったかどうか。つまり今回、これまでの議論を整理していただいているわけですけれども、そこにスケジュール感に関係するような議論が、このペーパーに取り込むべき程度にあったか、なかったか、そこは私自身、ちょっとこれまでの議論を振り返って自信がないものですから、まずそこを一つ、お答えをお願いいたします。
○南川課長補佐 ありがとうございます。
まず、これまでの議論にあったかどうかという意味で言うと、2ページの検証の進め方の1の特に気象シミュレーションの部分について、やはり相当な困難を伴うシミュレーションのため、一定の期間を区切って実現性を評価した上で議論を行う必要があるという御意見をいただいていますので、特に難しいので、難しいのでずっと出ない出ないで進めるなというような御意見を既にいただいていると我々事務局としては認識しております。
その上で、今回の3なのですけれども、最初に第1回で御提示した検証という意味で言うと、アの気象・土壌シミュレーション、イの文献調査、そして、ウは増田構成員の御発言の上で追加した調査ですけれども、エの病院カルテ調査、そして、オの疾患罹患状況調査という、これが最初に我々は昨年の11月の段階で、こういう調査をしていきたいと思いますという形を御提示した上で、やはり体験記の調査も大事なのではないかという御発言を受けて、このウをやっているという状況です。
一応それぞれの進捗については書いていますが、基本的には迅速にと言っていますけれども、迅速というのはいつまでに終わるのかというところについては、科学性だったりとか、そこも含めてどこまで突き詰めていくかということとの一定のトレードオフはあると思っております。
その中で、少なくとも定期的に報告していくということであったりとか、皆様方の御意見をしっかりと我々として認識した上で、例えば2ページ目の一番上に(2)の検証の進め方で、これまでいただいた御意見の中で新たな調査をしてもいいけれども、これまでの様々な調査や研究をできるだけ網羅的に探索・整理した上で報告してほしいというような御意見もいただいていますので、今回、それぞれのアからオの調査について、例えば病院カルテ調査については、もう一旦ここで終わりにさせていただいて、この疾患状況調査をしっかりやった上で、それをまとめて評価して報告するということではどうかという形で、今後の方向性についてそれぞれ御提示させていただいているところです。
お答えになっていただければ、また言っていただければと思います。
○佐々木座長 荒井構成員、どうぞ。
○荒井構成員 ありがとうございました。
ただいま御説明いただいたことで、かなり了解できたのですが、まさにそのスケジュール感に関しての記述をこのペーパーに整理していただくかどうかということを私なりに前回以来考えてみたのですが、結論的に申し上げると、この段階ではここにお書きいただいている程度で収めておくのが一番適当なのかなと、つまり3ページ以下の各項目をそれぞれ拝見しますと、それぞれある特定の調査についてはこれで終了とするとか、なお、このテーマについてはこれから検討を続けるというような形で、ある程度の見通しといいますか、今後の予定も触れておられるのです。
そうしますと、初めの頃に議論があったかと思うのですが、被爆者の方々の高齢化の問題などもありますから、遅きに失するというようなことがないようにというのは、恐らくこの構成員メンバーの共通の認識だろうと思いますので、この段階でいわゆる具体的なスケジュール的なことにまで触れることは、むしろ今の段階では適当ではないのではないかというのが、先ほどの御説明もいただいた上での私の意見でございます。
○佐々木座長 ありがとうございました。
小池構成員、御発言ください。
○小池構成員 ありがとうございます。関連で、私からも一言申し上げたいと思います。
今のスケジュール感についてなのですけれども、この紙に書くか書かないかという話で言えば、今、荒井構成員がおっしゃったとおりだと私も思っていて、前回も申し上げましたけれども、最終的にこの検討会でいろいろ議論している中身でもって制度を変える、拡大するかどうかという判断は、結局最後は厚生労働省さんがいろいろな客観的なデータとか知見を持って対外的に説明できるかどうかというところにかかっているのだと思っているのです。ですから、この検討会で幾らスケジュールを議論してもあまり意味がないと思っていて、いずれかの段階で厚生労働省さんがここまでの資料が集まったのであれば、これでもって世の中に説明できますということで最終的にまとめて、検討会を終わりにしてもいいのではないかとか、そういう御提案をいただけるのではないかなと私は思っていますので、それに向けてできるだけ迅速に作業を進めていただきたいと思っています。
以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
関連して厚労省から何か御発言はありますか。
○南川課長補佐 いずれにしても今荒井構成員と小池構成員がおっしゃったとおり、まずそれぞれの課題について一定程度今後の方向性を示しながら、検討会の構成員のこの調査は終わりにしてこちらに集中したほうがいいとかというような御意見であったりとか、最終的にこの第一種健康診断特例区域の今後の在り方等の意見集約に当たって、やはり科学的な部分であったりとか、説明できるものが集まるどうかも含めて、我々は調査をするに当たって迅速かつ着実に、どんな形でやれるかを相談しながら進めていきたいと思っております。
○佐々木座長 ありがとうございました。
ほかに御発言がありますでしょうか。
岩崎構成員、お願いします。
○岩崎構成員 ありがとうございます。
シミュレーションに関しては、私が以前スケジュールについて発言したと思います。そのときの趣旨をもう一度繰り返しておきますと、結局非常に不確実性が大きいので、不確実性を完全に潰すまでシミュレーションをやるということはたいへん時間がかかる。だから、早く結論を出せというと短絡的なシミュレーションになって非常にまずいし、かといって、シミュレーションを徹底的にやるというと、これはとんでもない時間がかかる可能性がある。だから、そこのところは、やはり社会的な問題をしっかり考えて、社会的にいつまで答えを出すのだということを持っておくのが望ましいのではないかと思います。
○佐々木座長 前にも御発言いただいているのを思い出しながら伺いました。ありがとうございます。
ほかに御発言はありますでしょうか。
まず、一ノ瀬構成員、その後で増田構成員からお願いします。
○一ノ瀬構成員 今日お話を伺っていて、今後どういう日程で進めるかについて、一般的な観点なのですけれども、ちょっと疑問というか、確認しておいたほうがいいかなと思う点があるので発言します。
この検討会でやるべきタスクというか、ミッションというか、それはもう指定されている範囲外の方々に放射線被曝の健康影響があるということを示したいのか、それとも、なかったとは言えないということを示したいのかという、そこだったと思うのですけれども、いただいた今日の資料の1ページ、これはどの構成員の発言か分かりませんが「2.検討会におけるこれまでの意見」の(1)の検証にあたっての考え方の2つ目のマルのところです。被爆者の立場からすれば、科学的な根拠・合理性ではなく、合理性が否定されない限り、被害の事実に対して定めるよう努めることを基本的な考えとすべきということですから、被曝の健康影響があったということが合理的に考えられるというのではなくて、被曝の健康影響がなかったとは言えないという、なかったということは論証できないというか、証明できないという、そういうところにポイントがあるように読めるのです。
もしこの考え方を受け入れるとするならば、要するに被曝の健康影響はなかったとは言えないと言える場合には補償すべき、あるいは対象を拡大すべきということになるかと思うので、我々がやろうとしていることが、健康影響があったことを示そう、そのために気象のシミュレーションや土壌の調査をしているのか、それとも、健康影響がなかったとは確定できないということを示そうとしているのか、そこは大分違いがあると思うのです。だから、そのあたりを確認しておいたほうがよいのかなと思います。
健康影響がなかったとは言えないというところまで認定の対象を拡大するのか。それとも、健康影響があったと言えるところまでにとどめるのか。そのあたり、そもそもシミュレーションや土壌調査をすることの目的は何であるのかということを確認するためにも、考え方として確認しておいたほうがいいのではないかなとちょっと思いました。
以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
大変難しい御質問だと思いますが、事務局は何か御発言ございますか。
○南川課長補佐 御意見ありがとうございます。第1回のときから、これまでの第一種健康診断特例区域を定めるときと、そして、その後様々な検証、土壌調査であったり気象シミュレーションであったりとか、そして、健康に関する広島県・市がやった調査もありますし、それらを踏まえて今があるというようなところがあるのですけれども、それに加えて、今があるに当たって、2の(1)であるように、やはり科学的・合理的だったりという基本懇というような考え方も含めて今がある中で、今回、どちらの立場に立ってしても新しいデータをしっかり取って、過去のデータもしっかり取っていこうというのが今の事務局の立場でございます。
その上で、最終的な検証についての意見の集約の在り方については、2の(1)が今回これをまとめた理由でもあるのですけれども、やはりこの構成員の皆様の中でもどちらの立場もある。ポジティブに取っていくべきではないか、もしくは否定できなければいいのではないか、どちらもあるのではないかというのが今認識しているところでございます。ただ、いずれにしても、しっかりとした検証を進めていくべきということそのものについて御異論はないと思っていますので、そこも含めて最終的にデータをしっかり取った上で、また改めてここで2の(1)に関する議論もなされた上で、この検討会としての御意見をいただけるものかなと事務局としては思っています。
以上です。
○一ノ瀬構成員 追加的に確認しますと、多分ポジティブなというのは健康影響があったということが示されるというのがポジティブということだと思うのですけれども、それは先ほどの岩崎先生からの御発言にもあるように非常に不確実で、多分完璧に健康影響がありましたと言える状態ではないと思うのです。そうだとすると、健康影響はなかったとは断定できないというところになると思うのですけれども、それは健康影響があったという言い方に比べると物すごく範囲が広がると思うのです。だからそのあたり、方針をある程度決めておいたというか、やっておかないと、どこで区切るのかという話に最終的になると思うのですけれども、難しいのではないかなと、ちょっとそんなことを感じました。
以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
非常に重要な点ですが、またなかなか難しい判断になるのではないかという気もいたします。
増田構成員、御発言をお願いします。
○増田構成員 今お話があった、いつまでにやるかという問題とも実は関係があるのではないかと思いますが、シミュレーションが本当に役立つと考えていいのかどうか、私は非常に疑問に思うのです。というのは、五十嵐さんから提案されているシミュレーションのレシピなどが出されておりますが、具体的にああいうやり方ができるのかどうかという点で、私自身が大変疑問に思っているのです。
御存じのように1988年に広島県と市がやりました黒い雨に関する検討会では、吉川さんたちがシミュレーションをやったのです。しかし、その内容を見ても、本当にこれが原爆の雲のシミュレーションといえるかどうかという点で大変疑問に思っています。ということは、五十嵐さんも最初の爆発は、爆発のシミュレーションだとか、あるいは火の玉が拡大していくようなシミュレーションまでやるのだとおっしゃっていますが、果たしてそういうことが実際にできているのかどうかというところに私自身は疑問に持っています。そういうまだ全く海のものとも山のものとも言えないようなことで、果たして今の例えば範囲の拡大だとか、そんなことが議論できるものにはなり得ないのではないかと思うのです。
そういう点で、本当にシミュレーションの問題は、もう少し虚心坦懐に議論を闘わせないと、いつまでたっても結果が出るまでなどいうことになっていったら大変なことになると思うのです。というのは、先の吉川さんのシミュレーションについて言えば、原爆は火の玉が拡大していって成層圏でキノコ雲になるのですが、その後を追っていわゆる衝撃雲が上昇していきますが、この衝撃雲はキノコ雲がある限り上昇しているのですが、吉川さんたちのシミュレーションはある瞬間の原爆雲や衝撃雲を置いておいて、それでシミュレーションをやっていらっしゃるのです。こんなものは正直言って原爆のシミュレーションにはなり得ないのです。
そういうことをきちんと検証して、本当にシミュレーションで、そういう原爆のシミュレーションできるのかどうか。そういうところまで議論しないと、私はいつまでたっても“やります、やります”のままで通っていくのではないかと危惧しています。これはもちろん私が危惧しているだけですから、ほかの方はどうお考えか知りませんけれども、私はこのシミュレーションによって、放射能の影響があったかなかったかを決めるという手法そのものに疑問を持っておりますので、一言発言させていただきました。
○佐々木座長 ありがとうございます。
3の項目で言うと(1)の今後の方向性に関わる御発言だと思いますが、今のことについて山澤構成員、お願いします。
○山澤構成員 私も何度も同じことを申し上げているのですけれども、シミュレーション自体極めて難しいシミュレーションになって、計算結果は何らか出てくると思うのですけれども、それが現実をどの程度再現しているかの確認というのはもうできないのです。そうすると、そこから何か判断しましょうというのは多分無理だろうとまず思っています。シミュレーション自体は吉川さんがやられた段階に比べればかなり進行しているというのは確実なのですけれども、ただ、シミュレーション結果のみから何か言えるかというと、多分難しいでしょうというのを現時点で考えております。
一方で、土壌の調査については新たな手法が出てきて、それについて、新たな知見でここでも降っていたのかといったような事実が見つかる可能性は十分にあるのではないかなと思っています。ただ、こちらのほうも研究的な側面は結構ありそうに見受けますので、これについても、この検討会での議論の進み具合と五十嵐先生がやられている部分での進み具合でのすり合わせを結構しっかりやる必要があるのではないかなと考えていますので、そのような形で全体を運営していただければありがたいかなと思っております。
以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。
関連して何か御発言がありますか、気象シミュレーション、土壌も含めてです。
それでは、事務局からお願いします。
○南川課長補佐 御意見をいただきありがとうございます。
今日の資料の2ページ目の(2)の1)の2つ目のマルであったり3つ目のマルのところを以前もいただいておりますので、我々としてはしっかり御意見を受けとめているということをまず改めて申し上げさせていただいております。
その上で、増田構成員がおっしゃった黒い雨に関する専門家会議についても、気象シミュレーションだけではなくて、土壌調査だったりとか、健康調査も含めて、当時広島県・市でやられた調査だと私は理解しております。
今回も気象シミュレーションだけではなく土壌調査、健康影響調査も併せてやらせていただきたいと思っていますし、気象シミュレーションだけなくて土壌調査も含めた形の評価を今回させていただくという形で、今後の方向性について記載させていただいておりますし、それも併せて両方の健康影響、土壌・気象調査を併せた結果を踏まえて、ここの検討会において、改めて御議論いただければと思っているところでございます。
事務局からは以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。
アの今後の方向性の最後のところにありますように、定期的にタスクグループ、ワーキングループの御報告をこちらにいただきますので、そういうところでまた議論をすることになろうかと思います。よろしいでしょうか。
一ノ瀬構成員、どうぞ。
○一ノ瀬構成員 今の山澤先生や先ほどの岩崎先生の発言にもあるように、かなりシミュレーションや調査によって何事かこうであるという主張を根拠づけることは結構難しいのだということは、現場の専門家ではない立場からも感じられます。
それで、厚生労働省が原発の作業員の白血病が発生した場合の労災の認定を年間被曝線量5ミリシーベルト以上としていますよね。だから、それと似たように、結果的にどういう病気になって、どういう因果関係によって健康影響が出たかということは、シミュレーションだとか、土壌調査によって一定程度の推測はできると思いますので、それ自体意味はあると思うのですけれども、最終的にはこの原発作業員の白血病の5ミリシーベルト以上を労災認定するというような形の一定の作為的というか人為的にこれ以上は認定するという形で何か制度的な決定をする以外にないのではないかなと私は感じ始めました。
つまり科学的に合理的にここまでの健康影響は放射線由来であるというようなことは今となってはかなり難しい。しかし、何か補償をということであるならば、一定の合理性のところで、科学的合理性というところはもうとどめてというか、それ以上は求めずに、上からばちっとどこかで決めるという、だから、科学的合理性というのは、もちろん補足的な担保になるのは間違いないと思いますけれども、それ以上、科学的合理性によって根拠づけるというのはかなり難しいのであるならば、原発作業員の白血病の労災認定と同様に、これまでというように人為的に最終的に決めてしまうというやり方しかないだろうし、そういうやり方であるならば、高齢が目立つ被爆者に対するやり方としてもあり得るのかなと、今日お話を伺ってきた中で思い始めた思いつきに過ぎませんが、以上、意見として申し上げます。
○佐々木座長 ありがとうございました。
鎌田構成員、続いて木戸構成員に御発言をいただきます。
○鎌田構成員 一ノ瀬構成員の意見、とても大事なところだと思うのです。作業者については5ミリの線がありますけれども、実は原爆被爆者については1ミリなのです。というのは、がんなどになった場合に認定をするかしないかというときに、3.5キロメートル以内の者については認定して認めようというのがあるのです。3.5キロというのは中性子線で1ミリが到達するところを取っているわけなのです。ですから、そういう意味では5ミリより遠くまで原爆被爆者認定については受けとめているのだと考えられます。
実はその話は、私は当時、認定の在り方の検討委員会をやっていたのですけれども、1ミリでやったときに、本当に厚労省はもちますかと言ったのです。労災の問題で、必ずこれは問題になるのですけれども、そのときは1ミリでいいですということで、認定の中の第1番目の項目に3.5キロ以内の者を認定の条件とするということを言っています。それはいいのです。
私が申し上げたいのはその件と、一ノ瀬構成員が、あったということを証明するのか、あるいはなかったとは言えないということ、どちらのほうで目指すのかということを言われましたけれども、フォールアウトに関しては、4.2キロメートル以内では直接被爆者ではなくて、フォールアウトで4.2キロメートル以内では間違いなく影響は出ています。これははっきり言えます。それで8キロぐらいの辺りは軽いやけどをしたということで、これも客観的なものとして見られます。それ以遠に関しては、あったとも言えない、あったかもしれないという灰色なわけです。
そこのところが問題で、この検討会の大事なところ、まさに検討されるところなのですけれども、私の感じでは、人体に関して、これが放射線によるものだよという根拠は、がんであってもあり得ないわけですから、何キロのところで被爆した人でも、それは放射線によるものかしれない、でも、そうともはっきり言えない、これは事実そうなのです。そういう現状を踏まえながら、この検討委員会ではまとめていただきたいと考えています。
以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
木戸構成員、御発言いただけますか。
○木戸構成員 一ノ瀬先生、ありがとうございました。非常に難しい問題ですが、実は現在の法律で、どういう被害者を原爆被爆者というのかというのが4つ定められておりますので、それを申し上げて参考にしていただきたい。
一つは、いわゆる直接被爆者と言われる人で、そのとき広島・長崎の一定指定された区域におって、熱線だとかいろいろなものを浴びたという方を1号被爆者という言い方で、直接被爆者と言っております。
2つ目が、救援に入ったりとか、あるいは家族を探しに入ったという方々で、一定の期間があるわけですけれども、入市被爆者、放射線が残っているそういったところに入ってきて、そして、放射線を浴びたという方。
それから、実は3つ目が僕は非常に重要だなと思っている。その2つのもののほか、原子爆弾が投下された際、またはその後において、身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情にあった者という、これが一番多いのは医療従事者なのです。多くの被爆者が病院に運ばれてきます。そのとき被爆者に接したことによって、その被爆者から衣服だとかいろいろなものを通して放射能被害を浴びた。
これはサリン事件を思い出すと非常によく分かりやすい。国際聖路加病院で服などを全部ビニール袋に入れてサリンの影響を受けないようにしたわけですけれども、そういう可能性があるということで決められていると。これなどは科学的とか何とかで決めたのではなくて、広島・長崎の被爆者の実態がそこにあった。それで放射能の影響、放射線の影響があるのだということで定められたという意味で、現在の法律がどういう方を被爆者とみなしているかということ。やはりそのときの実態に即して考えることが大切だなと。
もう一つは、今申し上げた3つの被爆者の体内にあったものということで体内被爆者。
この4種類がありますので、これは意見というよりは御紹介して、この考えの参考にしていただけると思って参考意見です。ありがとうございました。
○佐々木座長 ありがとうございます。
ほかに御発言はありますでしょうか。いかがでしょうか。
私はちょっと細かいことなのですが、先ほども申し上げましたが、4ページの今後の方向性の2つ目のところに、ここにも「放射線医学」というのがありますので、これは先ほどと同じように「放射線医科学」としたほうがいいのではないかと思います。
それから、オの今後の方向性の最後のマルの5ページのところですけれども「科学的検証もした上で」というのは、何をというのはないのですが、これは調査結果の科学的検証でしょうか。
○南川課長補佐 そうです。
○佐々木座長 それは、例えば「調査結果の」と入れておいたほうが明確になるのではないかと思いました。
私からは以上であります。
いかがでしょうか。御発言があればお願いいたします。
柴田構成員、お願いします。
○柴田構成員 最後に佐々木先生がおっしゃった何か文言を加えるということなのですけれども、この頭に「調査結果については」と書いてあるので、それが科学的検証をする目的、対象になっていると思うので要らないと思いますが。
○佐々木座長 おっしゃるとおりです。失礼いたしました。最初に、調査結果についてはワーキンググループにおいて、だから、調査結果ということは最初に書いてあるということですね。
○柴田構成員 はい。
○佐々木座長 御指摘ありがとうございました。それでは、私が申し上げたこと撤回いたします。
ほかに御発言はありますでしょうか。
「3.検証課題の進捗状況と今後の方向性について」は、1が原爆由来の放射性物質を確認する課題(気象・土壌ワーキンググループにおける検証課題)」として、気象シミュレーション・土壌調査、イの原爆投下時の気象状況等に関する文献等調査、エの広島赤十字原爆病院におけるカルテ調査、オの相談支援事業受診者の疾患罹患状況等の調査について、それぞれ現在の状況と今後の方向性が書かれておりますが、基本的にこれで現在までの状況のまとめとしてよろしいでしょうか。
鎌田構成員、どうぞ御発言ください。
○鎌田構成員 ウの祈念館の体験記のことについて意見を言ってもよろしいでしょうか。
○佐々木座長 どうぞお願いいたします。
○鎌田構成員 祈念館の皆さん方が大変努力されて、後にも資料があるのでそのときに説明があるのではないかと思いますけれども、先に申し上げますが、ウの2つ目の○で「また、登場地等で、雨等の場所が特定され」と書いていますけれども、もう少し明確に雨及び飛来物とか、そういう言葉を付け加えていただきたいなと思うのです。「雨等」と言ってしまうと今までと同じように雨だけみたいな感じがしましたので、それを加えていただきたい。それに関してですけれども、後でこの資料2のときに申し上げたいと思います。
○佐々木座長 どうぞ、今御発言いただけますか。
○鎌田構成員 今日の参考資料1-1を開いているのですけれども、前回、増田構成員のほうから要望地域を基準にして体験記を取ってきたということに対して、それにとどまらなくて、要望地域以外のものも入れるべきではないかということを受けて、今回、祈念館のほうから出てきたのだと思うのです。
それで、実際にこの資料1-1の5ページを見ますと、前回と違って薄緑のところ上のほうに新しく付け加えられた美和村というのが3件あった。要望地域の1時の方向に草色の八重町というのが3月18日の資料よりも加えられているのです。同じように幾つか加えられているのですが、3ページに戻っていただきたいのです。そうしますと、ここに「抽出された体験記:3,346件」からスタートしてる数値が出てありますけれども、この数値は3月18日の資料3-1と比べましたら1,500ぐらい下がっているのです。この3月18日は5,880あったのが3,346件になっているのです。
先ほど申し上げたように、増田構成員が言われるように要望地域よりも外側を入れなさいよと言ったら、入ってきたのは入ってきたのですけれども、実際に数値が1,500ぐらいも減っているということです。それから、下の「被曝後の降雨:143件」と書いていますけれども、以前は1,685件あったのです。それが143件と今日の資料には小さく出てきている。ほかの地域も大事です。数値が10分の1ぐらいになってしまっている。一体これは何で、拡大したから数が増えているだろうと思ってこの数値を見たら、何のことはない、実際の数が少なくなってしまっている。しかも1,500とか、そういうレベルで、これは私は分からないのです。それをぜひ明快にしていただいて、教えていただきたいなと思います。
以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。
これは事務局のほうから。
○南川課長補佐 事務局のほうから説明させていただきます。資料のつくりが少し分かりにくい形になっていて大変恐縮です。
まず、前回の3月18日に出させていただいたものについては、全部で計5,880件をフィルタリングした上で確認したということを出させていただいています。今回と前回は同じなのですけれども、参考資料1-1の1ページ目、合計3,346件という形になっています。これを足した数字が今回の資料1の4ページにありますとおり、9,226件という形で合わせた数字を今回のまとめの資料には書かせていただいております。
昨年度の調査と今年度の調査という形で分けてしまったので混乱を生んでしまったのは大変恐縮ですが、昨年度は拡大要望地域だけに絞った形の調査させていただいたものが5,880件になっております。それに今回その拡大要望地域以外のものも含めてやらせてもらった調査が1~3ページ目まで書いてあります。ただ、そのプロットそのものにつきましては、基本的には5ページ目にまとめた形でさせていただいております。
そういう意味では資料のつくり方が非常に混乱を生むような形になっていましたが、減ったということではないということだけ御理解いただければと思います。
その上で、ここにプロットされているものは、これも拡大要望地域だけではなくて、全広島県であるだけではなく、この5ページ目を見ていただければ、島根県であったりとか、山口県であったりとか、こういうような近県の体験記も含めて今回プロットさせていただいているところでございます。
事務局からは以上になります。
もう一点、御指摘がありました飛散物のところなのですけれども、本日出しました参考資料2の部分で、我々は雨以外の飛散物と記載することそのものも、もともと最初は検討したのですけれども、飛散物数についてかなりバリエーションがある飛散物の抽出状況になっていますので、何をもって飛散物というかといような部分を1週間しかなかったので分析できていないのですけれども、もう少し分析した上でここにプロットするかどうかについて検討させていただきたいということも踏まえて、今回記載は「雨等」という形にさせていただいたところです。
以上になります。
○佐々木座長 ありがとうございました。
鎌田構成員、いかがでしょうか。
○鎌田構成員 飛散物については別個数値が出てくると受けとめましたけれども、それでよろしいでしょうか。
○南川課長補佐 飛散物については中身を見た上で改めて、ただ、今後の方向性においては雨だけというつもりではなく、飛散物について、どれぐらい飛散物だけ書いてあるものがあるのかとか、飛散物の内容なのかも含めて検討させていただきたいと思います。
○鎌田構成員 もう一つ、地域を拡大しましたという言葉があって、ですけれども、それに対して数値が少なくなったということについて、私はまだ解せないのですけれども、拡大したのだよと、でも、数を見ると減っているわけです。
○南川課長補佐 そこは我々資料のつくり方の問題でして、鎌田構成員が見られている3月18日の5,880は昨年度の調査でございまして、今ここにお示しした、両方出せばよかったものの、今回、片方しか出せなかった我々に問題があったのかなと思いますが、今回出した3,346件につきましては、今年度改めて拡大要望地域の外側のものをやったものですので、足すと、基本的に9,226件の調査が終了しているということになります。そこの数字については、4ページ目の今回の資料1の取りまとめという形になっていますので、次回、昨年度の調査と今年度の調査を合わせた形の資料を提出させていただきたいと思いますが、現時点で数が減っているというわけではないということを御理解いただければと思います。
○佐々木座長 鎌田構成員、よろしいでしょうか。
○鎌田構成員 言葉が全く同じでありながら数値だけが違っているということで、もう少し明確に言うならば、3月18日の雨の数字と飛来物も含めた数値という格好で今度出しいただきたいと思います。
以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
資料の4ページの9,226件というのはこのままでいいですか。それとも何か注釈がつく。
○南川課長補佐 数字そのものは間違っていないと思うので、これに対応するような形の参考資料を改めて、昨年度の調査と今年度の調査を合わせた形のもの、そして、今御指摘いただいた飛散物についての整理をしたものを改めて出すという形になるのかなと事務局のほうでは考えております。
○佐々木座長 よろしいでしょうか。
増田構成員、どうぞ。
○増田構成員 国立広島原爆死没者追悼平和館の皆さんの御苦労でこういう資料が出てきたことに感謝いたします。
ただ、この雨の問題にしても、それから、飛散物とか、紙切れの分け方の問題にしても、私は宇田先生の調査を基本にしているのです。そういうところから、できれば宇田先生の調査のやり方を踏襲なさるような方向がいいのではないかと思います。私は宇田先生のものにそのまま私の調査を加えたのです。新しいものを加えていけば今までのものも生きてくるし、新しいものも生きてくるわけです。私はそういう意味で、たしか2回目のときに、私が最初の60人のうちから8人だったですか、ひな形として、エクセルで出した結果を出してありますが、そういうまとめ方も含めて、できれば統一して、今までのやり方に近いものにしていかれる方がいいのではないかと思います。
というのは、例えば雨の強さも強い、弱いとなっていますが、宇田先生は1時間以上雨が降った場合は強雨、30分から1時間の間が中雨、そして、30分以内が小雨という分け方をしていらっしゃいます。もしそういう分け方をするなら今日出されています資料1-2のまとめ方の中で、やはり雨の時間などもある程度は記載がされていますから、そういうのを入れて整理されれば、宇田先生の資料がそのまま生きると思うのです。したがって、できれば、私も参加させていただいて、どのようにまとめたらいいかというような点を統一してやっていく方向を出させていただければいいのではないかと思っています。
以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
ただいまの御意見に対してはどういたします。参考にして。
○南川課長補佐 参考資料2に記載されていますとおり、宇田先生はまさしく雨の調査をされたということで、多分当時聞き取り調査をされたと理解されているのですけれども、今回ある意味で体験記という形で、調査の目的で書かれたものではないところの中で、なるべく雨が強いとか、弱いとかいう形をいわゆる参考資料1に書いてあるようなこういう記述的なものですので、これをどこまでやるかも含めて少し確認させていただき、また、宇田先生の調査そのものをどうやられたかとか、そのときの飛散物の定義が書かれているかとかについては参考にさせていただきたいと思います。
○佐々木座長 増田構成員、どうぞ。
○増田構成員 今のお話ですけれども、宇田先生がおやりになったもののほかに、実は私も調査をしたのはアンケートだけではなくて、被爆者の手記集を読むところから最初は調査をしたのです。それは今の被爆者の手記集から選ぶというのと全く同じやり方、暫定的な降雨図を出したのは実は手記集だけで、もちろん宇田先生の資料は使いましたけれども、そういう手記集から選んで暫定的な降雨図をつくり、さらにそれを確かめるために現地調査をやってアンケートを取る、そういうことをやって、私の黒い雨の図はできているのです。
したがって、手記集とかアンケートとか関係なくたくさんのデータを入れれば、個々のアンケートにはばらつきがあるにしても、ある程度科学的に認められるような分布図ができると思うのです。私はぜひそれを統一的にやっていただければ、さらにすばらしいものになるのではないかと思っておりますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
○佐々木座長 ありがとうございました。
ほかに御発言がありますでしょうか。
柴田構成員、お願いします。
○柴田構成員 今、例えば資料3-2とかという話には行っているわけですか。これはまだこの先ですか。
○佐々木座長 資料の話ですか。
○柴田構成員 資料3-2というのは、まだこれから議論する話ですか。
○佐々木座長 参考資料について何か追加の御説明はありますか。
○南川課長補佐 もう既に参考資料の最初のときに一緒に説明したつもりでしたので、分かりづらくてすみません。
○柴田構成員 これについて議論して構わないですか。
○佐々木座長 どうぞ御発言ください。
○柴田構成員 資料3―2というか、参考資料の1-2なのですけれども、ここにはこの手記を書いたのがいつかというのが入っていないのですけれども、これはその手記をいつ書いたというのが一番大事だと思うのです。
○南川課長補佐 お答えさせていただきます。これについては、この調査票とこの調査票の下となった資料についてはひもづけされていますので、いつ書かれたどうかについては分かるようになっております。実際にいつ書かれたかどうかというのは参考資料1-1の2ページ目に様々な手記が書かれている部分が判明できるようになっています。
以上です。
○柴田構成員 分かりました。
○佐々木座長 よろしいでしょうか。ほかに御発言がありますでしょうか。
ほぼ御意見は尽きたようでございますので、よろしいでしょうか。特に追加の御発言がなければ、本日の議論をまとめておきたいと思います。今回、事務局から提示されましたこれまでの議論の経過及び今後の方向性についていただいた様々な御意見を踏まえまして、一部加筆修正の点がありますが、ごく小さなことであります。私の記憶では資料の2ページの健康影響調査についての○の2、4の表現、それから、4ページの相談支援事業受診者の疾患罹患状況等の調査の今後の方向性の○の2、ちょっと言葉の修正をするという程度だと思いますので、これは事務局のほうでお願いをしたいと思います。
○南川課長補佐 あと、祈念館の調査のところで「雨等」の部分について、雨及び飛散物みたいな部分のところについて、飛散物をどこまでにするかどうか分かりませんけれども、宇田先生のものを参考にしつつ、どこまで宇田先生とできるか分からないので、そういうような文言をここの部分のところに。
○佐々木座長 今は「雨等」になっていますけれども、付け加えられますか。
○南川課長補佐 飛散物といった部分について、どこまでやれるかあれですけれども「雨等」でよろしければ「等」の中で最終的に飛散物の部分についての確認はもちろんさせていただいた上でここで出しますので、ただ、飛散物といったときに何するかというのはまだ明確にできないので、このままの文言でよければ、このままの文言で次回、飛散物のところを分析した資料を出させていただくという形で。
○佐々木座長 現状では「雨等」の「等」の中に飛散物も含まれているということで、さらに飛散物の内容についての分析結果等は、また改めて御提示いただくということでよろしいでしょうか。
○南川課長補佐 文言そのものは、そのままでいただければありがたいです。
○佐々木座長 増田構成員、どうぞ。
○増田構成員 先ほど出された資料については議論されましたが、文献調査のことについては全く発言がなかったのです。文献調査をやっていただいているのですが、例えば資料として出されたのは原子爆弾だとか、非常に大きなテーマで検索をかけていらっしゃる。どうもシミュレーションのための初期の気象資料が得られるかどうかというようなことから始められたようですが、率直に申し上げて、当時は日本本土は沖縄を除いて、まだ日本の施政下ですから、気象事業も全部日本がやっていたのです。したがって、その頃のデータは日本が一番たくさん持っているはずなので、外国へ行って当時の気象資料を調べるなどということは、ほとんど意味がないと思います。
やはりそういう意味で言えば、本来はABCCからこの前資料が出されていて、ABCCの調査の例えば確か5マイル以上のところまで行って土壌を採取しただとか、そういうのが資料として出されているわけですから、もう少し掘り下げていただくと、先ほどの実際に放射能があったとか、なかったかなどという点も、米軍はたしか1950年頃、まだ核実験がなされていない前に調査しているわけです。そういう点も文献調査をされる。特にそれは外国、アメリカの国防総省などがやっているわけですから、そういうところへ行ってちゃんとしたデータを取ってくるというようなことが本当は残されているのではないかなと思いますので、発言をさせていただきました。
○佐々木座長 ありがとうございます。
今日の資料の中では、3ページの一番下から4ページの上のところに関連することでありますが、ここでは前回の御意見を踏まえて「放射線影響研究所(旧ABCC委員会)における関連資料も併せて探索し」というのを入れていただいているということですね。よろしいでしょうか。
それでは、そろそろ時間となりますので、本日いただいた、先ほどちょっと申し上げました二三の修正を加えた上で、本日配付されました資料1を本検討会における検証の進め方についての現時点での本検討会の意見としたいと思いますので、御承認をいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(委員首肯)
○佐々木座長 ありがとうございました。
その他の議題が一応載っているのですけれども、その他について何かありますか。
その他の議題は特段ないということで、事務局からの御連絡をお願いいたします。
○山本室長 構成員の皆様、貴重な御意見等をありがとうございました。本日いただいた御意見、事務局としてしっかり受けとめさせていただきます。これらの御意見を踏まえた検証しっかり進めさせていただきたいと思っております。
事務連絡でございますけれども、参考資料のファイルにつきましては机上に置いたままにしていただければと思っております。
次回以降の日程につきましては、別途事務局より御連絡をさせていただくようにいたします。
以上でございます。
○佐々木座長 ありがとうございました。
本日の検討会はこれで終了いたします。オンラインで御参加の方はどうぞ御退出をお願いいたします。ありがとうございました。