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第1回認定要領の見直しに係るワーキンググループ議事録
日時
令和3年7月26日
場所
TKP新橋カンファレンスセンター
議題
第1回 認定要領の見直しに係るワーキンググループ
議題 (1)認定要領の見直しに係るワーキンググループについて
(2)認定要領の主な論点について
(3)その他
議事
- 議事内容
- 〇大城補佐 定刻になりましたので、ただいまから、身体障害者補助犬の訓練および認定等のあり方検討会第1回認定要領の見直しに係るワーキンググループを開催いたします。
皆様にはご多忙のところ本ワーキンググループにご出席いただきありがとうございます。
本日は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための対応としまして、Webでの開催となり、江藤座長と事務局は会場からの参加となります。
続いて構成員の出席状況についてご報告いたします。本日は全ての構成員にご出席いただいております。
吉田構成員においては遅れてのご出席となります。また日本聴導犬パートナーの会の松本構成員におかれましては、UDトークを使用してご参加いただいております。
構成員の皆様におかれましては、明瞭にご発言くださるようご協力をお願いいたします。
次に事務局を紹介いたします。
自立支援振興室長の奥出です。自立支援振興室福祉用具専門官の周藤です。
〇周藤専門官 周藤です。よろしくお願いします。
〇大城補佐 自立支援振興室社会参加活動支援係長の田中です。
〇田中係長 田中です。よろしくお願いいたします。
〇大城補佐 私は自立支援振興室長補佐の大城です。以上、よろしくお願い致します。
まず初めに、自立支援振興室長の奥出よりご挨拶申し上げます。
〇奥出室長 皆様おはようございます。
厚生労働省の障害保健福祉部自立支援振興室長の奥出と申します。
本日はご多忙の中、身体障害者補助犬の認定要領の見直しに係るワーキンググループにお集まりいただきまして誠にありがとうございます。
身体障害者補助犬法は平成14年の法施行以降、指定法人、ユーザーの皆様を初めとして多くの方々のご尽力によりまして、この法律の目的といたします障害のある方の自立、社会参加に寄与してきたところでございます。
一方で、昨年度実施いたしましたヒアリング調査におきまして介助犬および聴導犬に係る認定要領さらに訓練基準の課題というものを、多くのご意見をいただいたところでございます。
このワーキンググループにつきましては、認定要領の見直しに向けた検討を行うため設置したものでございます。
本日は有識者の先生のほか指定法人の皆様、あと介助犬および聴導犬のユーザーの皆様にお集まりいただいております。
来年は制度開始から20年という節目を迎えます中で、さらに身体補助障害者補助犬に関する理解を広め、社会における受け入れを促進することが必要かと考えております。本日はぜひそれぞれの立場で忌憚のないご意見を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
〇大城補佐 続きまして、本ワーキンググループの取り扱いについてご説明いたします。
本ワーキンググループの議事については公開とさせていただき、また議事録については後日、厚生労働省のホームページに掲載することとしておりますのでご承知おき願います。
それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきたいと思います。
構成員の皆様には事前に資料を送付させていただいておりますが議事次第、資料1、資料2、参考資料1から2となります。
今回はWeb開催としておりますのでミュート機能を設定していただき、ご発言される際は、手を挙げるというアイコンを画面に表示していただく、もしくは実際に挙手してお知らせ願います。
それでは本題に入らせていただき、江藤座長に議事を進めていただきたいと思います。江藤座長、よろしくお願いいたします。
〇江藤座長 おはようございます。あり方検討会で座長をさせていただきまして、引き続きこのワーキングでも座長を務めさせていただきます。
現在は日本リハビリテーション連携科学学会の理事長をしております。もう相当昔になりますけども、国立障害者リハビリテーションセンターで結構長いこと勤務いたしまして、補助犬にも関わっておりましたので、いろいろと構成員の先生がたからご意見いただくなかで、多少過去の仕事が役に立てばと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。それでは本題に入らせていただきますが、今回はワーキンググループの初回開催ということでございますので、まずは構成員の皆様がたに自己紹介をお願いしたいと思います。事務局、よろしくお願いいたします。
〇大城補佐 各構成員の皆様からご挨拶をいただきたいと思います。簡潔に自己紹介、所属法人のご紹介などをお願いいたします。
資料1の2ページ目の名簿順に沿ってお願いいたします。それでは、日本聴導犬協会 有馬もと委員、よろしくお願いいたします。
〇有馬構成員 日本聴導犬協会会長の有馬もとと申します。
このように検討会に参加させていただけてとても嬉しいです。後ろのロゴは、ADI(アシスタンス・ドッグ・インターナショナル)といいまして、世界最大の補助犬育成団体の総会になります。昨年までは133育成団体が認定団体として加盟しておりまして、日本聴導犬協会が現在までは、日本で唯一のADI認定試験合格団体になります。多分日本介助犬協会さんも今年、アプライをされると思うんですが。よろしくお願いいたします。
〇大城補佐 ありがとうございました。続きまして兵庫県社会福祉事業団の飯塚哲也委員、よろしくお願いいたします。
〇飯塚構成員 おはようございます。兵庫県社会福祉事業団の飯塚哲也といいます。よろしくお願いいたします。私ども法人については私が今現在おるところでは、身体障害者、あと高次脳機能障害者の自立訓練事業の施設であります。他にいろいろありまして、リハビリ病院であるとか、知的障害の施設であるとか、高齢者の施設在宅サービスであるとか、いうところで県内、幅広く運用している法人となっております。その部分で私ども自立生活訓練センターで介助犬、補助犬等の認定事業を行っている事業をしております。
今回どうぞよろしくお願いいたします。
〇大城補佐 ありがとうございました。
続きまして、横浜市リハビリテーション事業団の小田芳幸委員、よろしくお願いいたします。
〇小田構成員 おはようございます。よろしくお願いいたします。横浜リハセンターの小田といいます。横浜リハセンターは昭和62年にセンターオープンしまして、今現在はですね、横浜市の指定法人としてリハビリテーション事業団が運営しております。
赤ちゃんからお年寄りまで、障害もしくはその疑いのある方たちに対してのリハビリテーションを行う横浜市の中核施設になっております。
介助犬、聴導犬の認定に関しては、平成15年ですかね6月に指定法人を受けまして介助犬、聴導犬の認定に取り組んできました。
今回このワーキンググループを通してですね、皆さんからの意見を聞きながら、今後の認定のあり方について検討できると思っています。特にですね、補助犬法の目的である自立と社会参加、この目的と我々の認定ということをどう位置付けていくのか、さらには認定の透明性をどう確保していくのか、このような取り組みが必要だと思ってますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〇大城補佐 ありがとうございました。続きまして日本介助犬福祉協会の川﨑元広委員、よろしくお願いいたします。
〇川﨑構成員 皆さん、初めまして。今年の4月から元理事長が残念ながらちょっと急に他界してしまいまして、私が理事長を務めさせていただくことになりました。
当法人は、社会福祉法人としてですね、育成からスタートして、もう15年経つんですけれども。その後の認定法人の介助犬と聴導犬の認定法人を取得いたしまして、現在に至っております。活動はいたってシンプルに身体障害者の方の社会進出を助ける、そのために何ができるか。生活に自由を与え、お届けするそのために何ができるかっていうことを、とてもシンプルに考えながら進めていっている法人であります。私自身はこの法人に、立ち上げのときから関わっていますが本格的に関わったのがここ、6年ぐらいですね。
皆様、新入りかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
〇大城補佐 ありがとうございました。
続きまして、日本介助犬使用者の会の木村佳友委員、よろしくお願いいたします。
〇木村構成員 おはようございます。日本介助犬使用者の会の木村佳友です。私は交通事故で頸髄を損傷して車椅子の生活になって、補助犬法が成立する前の1996年から初代の介助犬のシンシアとの生活を始めて、現在は3代目の介助犬のデイジーと生活しています。
介助犬の使用者歴は25年になりまして、現役では一番古い介助犬使用者になっています。
現在の介助犬の訓練基準や認定要領を作成する際の検討会にも委員として参加していました。
日本介助犬使用者の会は、2001年に厚生労働省が介助犬の訓練基準の検討会を設置するにあたり、介助犬の公的認知を求める活動をしていた使用者が中心になって、使用者の意見を訓練基準に反映できるように、設立した団体で、現在は使用者の交流や情報交換を目的に活動しています。
今回は皆さんのいろいろな意見を伺いながら、よりよい認定要領ができるようによろしくお願いします。今日はよろしくお願いします。
〇大城補佐 ありがとうございました。
続きまして、日本理学療法士協会の佐藤史子委員、よろしくお願いいたします。
〇佐藤構成員 皆様おはようございます。日本理学療法士協会から出席しております佐藤史子です。どうぞよろしくお願いします。
日本理学療法士協会は12万人を超える会員からなっている職能団体です。
介助犬、聴導犬等、補助犬に関わっている理学療法士はその中でも本当に一握りの状況です。
PTは、理学療法士は障害の回復ですとか、障害がある中で生活をどう組み立てていくかっていうところが主な関わりとなります。
現在は医療・福祉から予防というふうに職域を拡大しつつあるところですけれども、そういった立場で補助犬に関しては、生活をどう支えるかっていうことを含め、マッチングですね、マッチングと生活を支える一つの方法として、どう構築していくかっていうところが理学療法士としてはポイントになる点と考えています。
日常業務の中で、あの認定・訓練等に関わっておりますので、その辺も含めて、今回意見が出せればというふうに思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
〇大城補佐 ありがとうございました。続きまして、日本言語聴覚士協会の立石雅子委員、よろしくお願いいたします。
〇立石構成員 日本言語聴覚士協会の立石と申します。よろしくお願いいたします。
言語聴覚士は聴覚障害、言語障害、摂食えん下障害などのコミュニケーションに関わる障害のある方のサポートをする、そういう専門職種、リハ職種になります。
私共が主に関わるものは、おそらく聴覚障害の方の聴導犬というところで、あの関わるということになると思います。
ここに関わっている言語聴覚士がすごくたくさんいるわけではございませんけれども、聴覚障害の方はたくさんいらっしゃるので聴導犬というところについての養成・育成とかそういうところに関しまして、協会としてどういうことがサポートできるかというところでぜひ勉強させていただきながら、加えていただいたことで良い方向性が出せればいいなというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
〇大城補佐 ありがとうございました。続きまして日本補助犬協会の朴善子委員、よろしくお願いいたします。
〇朴構成員 皆さんおはようございます。日本補助犬協会朴と申します。今日、日本介助犬福祉協会の川﨑さんがお亡くなりになられたということを聞いて本当に大変残念に思っております。ご冥福をお祈り申し上げます。
今回のワーキングに参加させていただくに当たりまして、日本補助犬協会は、盲導犬も育成認定している団体です。
私自身盲導犬の訓練士指導員として35年携わっております。
そういった立場で考えると盲導犬の育成認定と、介助犬聴導犬の育成認定が、同じ身体障害者補助犬法に基づく立ち位置という意味では、あまり離れていかないよういいところをどんどん吸収しながら考えていきたいなと思っております。
そしてもう一つ、育成団体と認定団体を日本補助犬協会はかねております。
その立場から、育成と認定は両輪だと思うんですね。
認定団体としてどういった良い認定ができるかと同時に、良い育成団体が育つためのお手伝い、育成団体の負担というものを私達認定団体が理解して、私達の立場で何かできることがないだろうかといったことにも今後繋がっていければいいなと思いながら、ワーキングに参加をさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〇大城補佐 ありがとうございました。
続きまして、名古屋市総合リハビリテーション事業団の松井和夫委員、よろしくお願いいたします。
〇松井構成員 よろしくお願いします。皆さんおはようございます。
名古屋リハから来ました松井和夫と申します。
よろしくお願いします。名古屋リハでは、脳血管障害の方とか、交通事故による頭部障害の方、主に高次脳機能障害の方が多く利用されておりまして、入院から社会復帰までの支援をさせていただいています。
自分自身は生活の支援とか就労の支援、福祉用具とか住宅改造の業務を担当させていただいてきています。
今回参加させていただきながら、よりよい方向へと、皆さんからいろいろ学びながら情報共有とか、連携とかしていきながら取り組んでいければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〇大城補佐 ありがとうございました。
続きまして、日本聴導犬パートナーの会の松本江理委員、よろしくお願いいたします。
〇松本構成員 日本聴導犬パートナーの会松本と申します。
本日はワーキンググループ参加させていただきましてありがとうございます。
私は先ほどの木村さんと同じように補助犬法の成立前から聴導犬と生活をしておりまして、今年で26年目になります。やはり最古参のパートナーとなっています。
日本聴導犬パートナーの会につきましては、出身の育成団体に関わらず、現在、聴導犬と一緒に生活している人たちということで、SNSなどを通して交流をし、また、情報を共有することによって、きちんとユーザーとしての意識を高めていこうということで、5年前に結成いたしました。
聴覚障害者という点でも、なかなか正しい理解が進んでいない状態と、また聴導犬という特性を踏まえて、これからも聴覚障害者が社会参加をしていくに当たって本当に聴導犬との暮らしが役に立つ物であるような形での訓練並びに認定が行われるといいなとパートナーの皆で思っておりますので、そのことに少しでも寄与できればと思っております。
よろしくお願いします。
〇大城補佐 ありがとうございました。
続きまして、日本獣医生命科学大学の水越美奈委員よろしくお願いいたします。
〇水越構成員 よろしくお願い致します。水越と申します。日本獣医生命科学大学獣医学部で教授をさせていただいております。私は障害であるとか補助犬に直接関わる仕事をしておりませんが、犬側の立場、獣医師として参加させていただくと認識しております、獣医師としては一般臨床を20年弱、また大学に来てから10年少し経っておりますが、大学では人と動物の関係学研究分野という分野で仕事をしております。
また獣医師としての専門は臨床動物行動学で、現在も獣医行動診療認定医として医療センターで診療を行っております。
獣医師として補助犬に関わるのは、多くの方は衛生管理と思われると思いますけども、衛生管理だけではなく補助犬としては心身ともに健全であることが第一であると考えております。
現在、人と動物の関係学を専門にしておりますが、その中でも特に動物福祉も補助犬において当たり前に重要だと思っております。
補助犬に関しては専門ではありませんけども、何か動物側、犬側として意見を言わせていただければというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
〇大城補佐 ありがとうございました。
続きまして、千葉県身体障害者福祉事業団および日本社会福祉士会の森戸崇行委員、よろしくお願いいたします。
〇森戸構成員 おはようございます。千葉県身体障害者福祉事業団の森戸です。よろしくお願いします。
当事業団は千葉リハビリテーションセンターということで重度心身障害のお子さんや疾患があるお子さん、あと、肢体不自由の方とかですね、そういった小児から成人。成人の方は脳血管障害、高次脳機能障害の方や脊髄損傷の方などのリハビリテーションを行う医療施設と障害福祉の福祉施設のある複合施設になっています。
そこで介助犬の認定を行うということで指定法人を引き受けているところになります。よろしくお願いします。
それとあと、日本社会福祉士会ということで、専門職の立場でも私の方が参加させていただくことになっておりますので、二つ使い分けるってわけではないですけれども、一応両方の立場で参加させていただきますのでよろしくお願いします。
〇大城補佐 ありがとうございました。それでは江藤座長よろしくお願いいたします。
〇吉田構成員 すみません、日本作業療法士協会の吉田ですが、一番最後に名前が載っているかと思うんですが。
〇江藤座長 はい、吉田文構成員ですよね。今ちょうど構成員の皆様に自己紹介をお願いしたところなので、今回ワーキング最初ということですので、自己紹介をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
〇吉田構成員 はいすみません。途中で話を遮りまして、申し訳ございません。自己紹介が一番最後だったので待っておりましたら、次の話題に移りそうになったので、あわてて紹介をさせていただこうと思いまして口をさし挟みました。失礼いたしました。
一般社団法人日本作業療法士協会の吉田と申します。よろしくお願いいたします。
もちろん私、作業療法士というリハビリテーションの専門職の一つの職種であります。全国に9万人以上作業療法士おりますが、およそ70%の方がこの日本作業療法士協会に所属しておられます。多くの会員を抱えたリハビリテーション専門職の団体の一つと言えると思います。
私達、作業療法士は、障害のある方や病気の方、それからその障害や病気をお持ちになる可能性のある方、そして健康な方の生活、そして生活の中の作業がその方が望まれる作業がその人の人生の中でスムーズに、そして効率よくその方が生きたいと思う方向性で構築されていくことをサポートする仕事をしております。
心身機能といって体の状態を回復させること。それから、直接的に日常生活ですね。お風呂に入ったりトイレに行かれたりっていうような練習をしていくこと、そして社会参加ですね。その方がどんな役割を持って社会の中で生きていきたいと思っておられるのか、それを実現するということ。それをサポートするのを、仕事としております。
主に補助犬の中では介助犬に関わることが多い職種です。手や足に障害のある肢体不自由のある方の日常生活をどのようにしたらスムーズに送れるようになるのかをもともと仕事の中で考えていますので、その中で介助犬をいかに有効に使うと、この方の生活や人生が豊かになるのかということを一緒に考えて、もちろん、障害をお持ちの方、それから育成団体の皆さんと一緒に考えてですね、その方の人生が豊かになるようにサポートするというところが、私達の役割になっております。
今後、補助犬全般にですね、リハビリテーションという観点で、専門職がどのように関われるのか、そしてそれを有効に育成事業者の皆さんに使っていただくにはどうしたらいいのか。
そういう観点で認定のあり方について考えていきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
〇江藤座長 どうもありがとうございます。認定要領はそもそも平成14年にまとめられ、もう長いこと見直しがなされなかったということで、今回いろいろと課題を指摘されてきております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
それでは議事次第に沿って進めさせていただきます。「議題の1、認定要領の見直しに係るワーキンググループについて」「議題の2、認定要領の主な論点について」
これらについて事務局より資料のご説明をお願いいたします。
〇周藤専門官 事務局の周藤です。
資料1および資料2をご説明させていただきますのでよろしくお願いします。
まず資料1の1ページを御覧ください。
身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方検討会認定要領及び訓練基準の見直しに係るワーキンググループの開催スケジュールになります。
あり方検討会は、第1回が平成31年4月に開催されましてこれまで第4回まで実施しております。今年の10月頃に第5回を予定しており、来年令和4年の2月から3月頃に第6回の開催を予定しています。
資料の中央赤枠のところですが、この認定要領に係るワーキンググループは、第4回のあり方検討会等を受けまして発足されました。回数は3回を予定しており、本日が第1回目ということです。
2回目につきましては、約1ヶ月後の8月27日金曜日を予定しています。
第3回目には9月頃ということで、また改めて日程調整をさせていただきます。
ワーキンググループで検討された内容を第5回の身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方検討会で報告する予定で考えています。
続きまして、資料2ページの構成員ですが、皆様から先ほどご挨拶いただきましたのでご説明は省略します。
続きまして資料3ページ、「令和3年度障害者総合福祉推進事業、身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方に関する調査研究」を社会システム株式会社が、調査研究を進めています。今回配布しました資料2に、速報ということで一部データを掲載しています。
事業の目的は、「身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方について具体化する介助犬、聴導犬の訓練基準ならびに介助犬・聴導犬の認定要領の見直し検討に向けた分析及び課題の整理」「今後の政策の方向性など」を目的として、今年度1年かけて調査研究する予定となっています。
資料1については、以上になります。
続きまして、資料2をご確認ください。
資料2、指定法人の現状と認定要領の主な論点についてということで1ページ目です。
身体障害者補助犬実働頭数の推移をご参考までに載せています。
右側、介助犬、聴導犬につきましては青の折れ線グラフが介助犬、赤が聴導犬で、令和3年度4月1日時点のデータは、介助犬60頭、聴導犬 63頭です。
続きまして、2ページ目です。身体障害者補助犬法第15条に基づく指定法人の数は、介助犬は7法人、聴導犬は6法人です。訓練事業者は介助犬は24事業者、聴導犬は19事業者です。
続きまして、3ページ目、身体障害者補助犬法第15条に基づく指定法人の法人名や住所等の資料です。
続きまして、4ページ目、訓練事業者の法人名や住所等の資料です。
続きまして、5ページ目です。
指定法人の運営状況のデータ等になります。資料1でお伝えしましたが、今年度、社会システム株式会社が調査している調査の速報値と、平成30年度に実施しましたみずほ情報総研株式会社の調査結果です。
まず、指定法人の運営状況Ⅰですが、申請書の添付書類を身体障害者補助犬法施行規則で定められているもの、認定要領に記載されているもの、上記以外を取り纏めた一覧です。
こちらも文字が細かくて恐縮ですが、事前にご確認いただいたということで一つ一つのご説明は、省かせていただきます。
続きまして、6ページ目、指定法人の運営状況のⅡです。Ⅱが認定審査の実施マニュアルの作成状況で、介助犬、聴導犬それぞれ「作成している」「作成してない」「未回答」でデータをお示ししています。
続きまして、Ⅲ書類審査の審査事項は、みずほ情報総研株式会社で調査されたデータです。
続きまして、7ページ目です。
指定法人の運営状況Ⅲで、Ⅳ基礎動作の検証、屋内と屋外のデータです。
「必ず実施している」「一部未実施」「未実施」「無回答」で示しています。
続きまして、スライドの下部、Ⅵ介助動作の検証、屋内と屋外で、こちらも同じように「必ず実施」「一部未実施」「未実施」「無回答」でデータを示しています。
スライドの8ページ目です。指定法人の運営状況Ⅳ、Ⅷ聴導動作の検証を屋内、Ⅸ屋外のデータでこちらも先ほどのスライドと同様に「必ず実施」「一部未実施」「未実施」「無回答」で調査しております。
Ⅹ審査委員会の構成員は、「配置している」「配置していない」「無回答」で調査しており、各専門職の配置を示したデータです。
続きまして、スライドの9ページ指定法人の運営状況Ⅴです。
Ⅺ認定審査におけるリモートの活用状況で、「導入している」「導入していない」「無回答」で、調査したデータです。
このデータは、リモート審査を今後導入を予定している場合や録画による場合も「導入している」方に含めて示しています。
以上が、社会システム株式会社とみずほ情報総研株式会社が調査したデータです。
続きまして、スライドの10、認定要領に関する主な意見ご説明します。
これは第1回から第4回の身体障害者補助犬の訓練および認定等のあり方検討会の意見を取り纏めたものです。
また、今年の3月に訓練事業者や指定法人へのヒアリング結果も取り纏めたもの、順にご説明します。
認定手続きについてのご意見です。
「訓練事業者ごとではなく、統一した記載フォームを用いて指定法人が確認評価できるようにしてはどうか。」
「使用者の行動が制限されないよう認定証は速やかに数日以内に発行してほしい。(または仮認定証の当日発行)」
「介助犬を使用できる使用者認定と介助の認定を別途で行い、使用する段階でマッチングを行うのはどうか。」
「申請書類に記載された内容で認定しても審査後に事情変更と、例えば使用者の意見書が事実と異なる内容を申し出により認定が取り消しになってしまう。」
以上が認定手続きについての主な意見です。
続きまして、犬の動作検証についての意見です。
「リモートや録画を活用した認定審査については柔軟に取り扱うことを考えても良いのではないか。」
「補助犬の認定について、コロナ禍で特に緊急事態宣言などが発出されると医療従事者との日程調整が難航する。このような場合はリモートや録画、電子的な情報のやりとりで進めさせてほしい。」
「コロナ禍で工夫していることとして、ユーザーの孤立を防ぐため、リモートでの相談や面談を行っている。」
「基礎疾患のある障害のある方が、コロナ禍でも補助犬の認定のため、感染者数の多い地域の指定法人に出向くのは困難である。」
「面談や合同訓練を指定法人で行う負担が大きく、改善が必要である。的確な審査が確保されれば、質の確保は可能である。」
「リモートの限界も踏まえた上で導入することについては検討してはどうか。」
続きまして、スライド11ページ、認定要領に関する主な意見Ⅱで、審査員(専門職の役割)についてです。
「指定法人に関わる専門職は選ばれる基準や専門職も審査会の中で、認定の基準が理解できているのか。」
「専門職が補助犬をどのような観点で評価すべきか、評価すべき内容を具体的に提示する必要がある。」
「審査委員会の構成要員については、どの職種が必要条件となるか、また、職種に応じた役割について共通認識も必要ではないか。」
続いて、統一的な評価に基づく認定についての意見です。
「他団体の専門職との連携も不明で共通認識で認定が実施されているか確認すべき。」
「認定基準を設ける必要があるのではないか。」
「合同訓練指導に向け、適切な訓練を行うため、認定審査基準や試験項目を明文化してほしい。」
「ユーザーの状態をどう評価して認定していくかを盛り込むことで、訓練事業所の理解も深まるのではないか。」
「認定審査の透明性を確保する方法として、第三者(外部機関)が関与するできる仕組みや、議事録作成等のルールが必要ではないか。」
「指定法人による認定の質、補助犬の質、利用者の生活の質を担保するための協議が必要ではないか。」
「育成犬の質を確保するには、指定法人間で意見交換や研修の機会等環境整備が必要ではないか。」
続きまして、スライドの12ページです。
認定要領に関する主な意見、Ⅲということで、最後になりますがその他の項目になります。
「使用者の生活環境や身体状態の変化などによりフォローアップが不十分となりやすい項目がある。」
「フォローアップに係る費用負担の在り方について検討すべき(特に訪問対応が必要になった場合や審査に1度で通らなかった場合など)。」
「自治体担当者に補助犬に関わる研修を受けていただき、使用者からの報告等の際に関与してほしい。」
「社会福祉法に基づく第二種社会福祉事業である訓練事業所に対する運営指導等はある程度実施しやすいが、訓練事業と認定事業を兼ねた事業所については、認定の部分まで踏み込めない。」
「一度で認定審査を通らなかった場合、繰り返し実施することがある。その際の費用請求について明確にしないとならない。」
以上、認定要領に関する主な意見ⅠからⅢで、第1回から第4回の身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方検討会及びヒアリングで調査した内容を御説明しました。
以上を踏まえ、最後のスライドになります。
13ページ目をご覧ください。
「介助犬、聴導犬の認定要領の見直しに係るワーキンググループで議論していただきたいこと」です。
現状は、身体障害者補助犬は平成14年に身体障害者補助犬法が成立し、着実に社会に浸透し、法律の目的とする身体障害者の自立および社会参加に寄与してきました。
介助犬、聴導犬は訓練事業者において訓練を受けた後、指定法人による認定を受けて身体障害者補助犬となりますが、これらの実働頭数は近年、介助犬聴導犬ともに70頭前後で推移をしております。
介助犬、聴導犬の認定を行う指定法人については、厚生労働大臣が身体障害者補助犬の種類ごとに身体障害者補助犬の訓練または研究を目的とする一般社団法人もしくは一般財団法人または社会福祉法人としておりますが、平成26年度に聴導犬に係る指定を行ったところが直近となります。
現在は介助犬に係る指定法人は7法人、聴導犬に関わる指定法人が6法人となっております。こちらが現状で、最後、論点(案)をご説明します。身体障害者補助犬の訓練および認定等のあり方検討会においては、身体障害者補助犬の適正な訓練、認定の実施に資すること等を目的として、これまで4回にわたり議論を行ってきました。その中で認定要領に関して、主に「認定に関わる申請書類の様式の統一をしてはどうか」「犬の動作検証時におけるリモート審査(録画もしくはリアルタイム動画)の活用をしてはどうか」「審査員専門職の役割の計画をしてはどうか」「統一的な評価に基づいて犬の認定は行われているのか」といった点に多くの意見が寄せられております。
これらについては介助犬、聴導犬の育成に関わる方や有識者の方たちにおいて、優先的に検討が必要な事項として、認識されていると考えておりますが、主にこれらについてどのような方策を考えたらよいのかということを今回のワーキンググループにおいて皆さんにご議論いただきたいと思っております。
資料1と2の説明は、以上になります。
〇江藤座長 はい資料の説明ありがとうございました。それでは認定要領の見直しに係る意見について構成員の皆様からお願いしたいと思います。
ただ今ご説明いただいた資料2の論点に沿って、幅広にご意見をいただきたいというふうに考えておりますがよろしくお願いいたします。
それではご発言がございましたら、順番にして指名してまいりますので、挙手、手を挙げるかあるいはアイコンで手を挙げるというのがございますが、それでお知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
いかがでしょうか。どうぞ。木村さんですね。
〇木村構成員 日本介助犬使用者の会の木村です。よろしくお願いします。論点の中にリモートの件があったんですが、使用者にとって指定法人に行くっていうのは、僕は兵庫県に住んでいて兵庫リハが近くにあるので比較的苦ではないんですけれども、指定法人が全国いたるところにあるわけではないので、認定試験を受けるってことは、すごく負担になります。
ですから、面接とか最初の相談なんかはオンラインで、ZOOMとかの会議でさしていただければ、すごく楽になると思うんです。しかし認定審査となると、審査委員の先生方が実際に介助犬の健康状態とか、使用者の健康状態とかを、きちんと対面して審査をしなければならないのですが、委員の先生方が全員集まって動作検証を見なければならないということはないと思うので、動作検証の部分については代表した審査委員の方がビデオ撮影をしておいて、それを皆さんで見て、審査していただくっていうことにすれば、使用者の負担と、審査委員の先生方の負担が減るんじゃないかと思うんですけれども。いかがでしょうか。
〇江藤座長 はい、どうもありがとうございます。
使用者の方々のお住まいの地域もそれぞれですので、負担をいかにして減らすかということを配慮する。それから先ほどの論点の説明にもありましたけども、動作検証等はリモートを使っていけるのではないかということかと思いますが。その他いかがでしょうか。有馬委員どうぞ。
〇有馬構成員 木村さんがおっしゃってること本当によくわかります。やはり認定試験受験に来ていただくのは、ユーザーの方にとって、とても負担が重いと思うんですね。
ただ犬の行動に関しては、実際に見させていただかないとわからないという部分があるのと、ビデオって嘘つきですよね。
私どももよくわかってるんですけど、SNSに上げるときだけはいいとこ撮りをアップしていることもあるので。やはり認定試験の際には、もしできましたら、指定法人の方から1人は派遣してその方が直に候補犬を見ることをお勧めします。ただその際には、認定委員の方たちに支払う交通費と謝礼は、認定試験を受ける育成団体側が支払っていただきたいです。
それともう一つなんですけど、根本的なご質問というか、私自身は補助犬は「リハビリ」を含む「福祉」だと考えているんですね。「福祉」は「生きる」ということになります。もう、少し福祉関係の方が認定委員に入ってもいいのではないかと、前々から思っています。また、認定試験が、海外から比べると厳しいと感じています。「だから日本の補助犬は素晴らしいんだ」と言われる方もいらっしゃいますが、受験するユーザーさんたちへの負担をもう少し軽減させていただきたい。補助犬は「ユーザー・ファースト」だとすると、国が決めた「規制、規制」ではなくて、ユーザーさんご自身で、補助犬をコントロールする力を上げていただき、ユーザーさんの自主選択、自己決定に任せられる国にしていきたい。それは、補助犬法の当初から申し上げてますが、ここでもお伝えしたいと思います。
認定試験を厳しくすれば、頭数が増えるのかというと、それは逆だと考えています。
〇江藤座長 ありがとうございます。頭数も70頭前後で推移しているという状況で、実際のニーズ調査ではもっとかなりのギャップがありそうなデータもあり、ユーザーの人たちを増やすためにそれから試験についてもう少し配慮が必要なんではないかというご意見かと思います。ありがとうございます。はい、どうぞ朴さん
〇朴構成員 はい、補助犬協会朴でございます。
最初に木村さんからご提案いただいた、認定試験のときの検証ですけれども代表する委員が検証を見させていただいて、それを認定審査会の全員が集まったところでビデオで見るということをご提案されましたか?実際にその方法はいくつかの、認定団体でされてると思います。ですからご提案いただいた内容は大丈夫かなと思っております。そうなっております。
有馬さんのご意見に関して賛成です。
質の確保というところで認定団体ができるだけのことをやろう、ということは大切ですけれども、補助犬を育成しているのは、訓練事業者です。
ですから、訓練事業者のクオリティというものがユーザーの満足度であったり社会の認知に直結すると思うんです。ですから、現場に介在していない認定団体が細かくやると、限界があると思うんです。
あくまでも育成団体がしっかり育て、それからユーザーと繋がり、それを認定団体は言葉ちょっと誤解されるかもしれませんけれども追認をさせていただくというような。しっかり見るけれども、細かくすれば頭数が増えるかというと私はそれは逆だと思っています。
ですから、福祉の方であるとか専門職の介在というのが育成団体でなされていなければならないと思っております。私日本補助犬協会の意見とさせていただきます。以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。
福祉の視点からの専門職がもっと育成の段階から関わっていくというようなことも含めて、いくつか課題を指摘されたかと思いますがいかがでしょうかそのほかにご意見。小田構成員、どうぞよろしくお願いします。
〇小田構成員 すいません、横リハ小田です。
あり方検討ワーキングですでに話し合いをされてるんですけども、指定法人がこうやって集まってですね、話をする機会っていうのは、これまであまりなかったですね。
そう考えるならば、本来ならばですね、方法論の議論の前に、認定というものについての考え方をきちんとおさらいしていくことが必要ではないかと思うんです。
それができていない段階で、細かいこと、例えばリモートでやろう、うんぬんかんぬんこれは悪いことじゃないと思いますし、すでに横リハも導入してますけども、そういったものを考えた中ですね、もっとその認定はどうあるべきなのかっていう議論をしっかりしなきゃならない。
先ほどお話があった、訓練事業者と指定法人の関係であるとかをどう考えていくのか、またはどうして補助犬が増えてこないのか。
この辺も踏まえながら、認定というものを、もう一回、一から考え直すことを丁寧にしていかなきゃならないと思うんですね。
おそらく育成団体も含め、この認定法人もそうなんでしょうけどもこれに関わる費用の課題ってのも結構大きい、例えば補装具で言うならば、ある程度認められたものとして補助金が出てきますけども、そういうのも自治体任せになってる段階で全てを使用者さんであったり、訓練団体であったり指定法人だったりが何らかの形で賄っていく、それもどういうふうに賄われているのかも明確になっていないような気もするんです。
その辺のところも踏まえて認定というものを、指定法人そのものをもう1回考え直す機会、それを最初にやらないといけないんじゃないかと思いますが、その次の段階として、手段をどうしていくのか、例えば認定基準であったり、認定のやり方であったりっていうのを揃えていかないとならないかと思います。
それとこれまでの経過の中でそれがどうなっているのか、もし経過の中で説明ができればお願いしたいと思います。
以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます認定のあり方の本質的な段階からもう1回考え直さなくてはということ。それから、事業者と指定法人等、一堂に会して意見を交換するような会は今まではなかったというようですけども。
今ご指摘したいただいた点についてこれまでの経緯で何かございますか?事務局の方で。引き続き、ご意見ございますので、どうぞ松本様よろしくお願いします。
〇松本構成員 日本聴導犬パートナーの会の松本です。
私は3頭の聴導犬とこれまで一緒に暮らしておりまして、訓練事業者は2か所なんですけれども、認定を行っていただいた指定法人は1か所でしたので、認定のあり方というのはそちらの指定法人のやり方しか知らなかったんですね。
でも今回こちらの資料も拝見していると、例えば書面審査などの内容を見たときに、「使用者の意見を確認しており、問題がないこと」っていう項目に対して85.7%しか出してないということ、それ以外の10何%の方は場所は、そういうことをしてないのかなということも考えてしまうんですね。
つまり、同じように認定を受け、認定された補助犬でありながら、その認定されるまでの過程がそこまで指定法人によって違いがあるのかということがちょっと私、1人のユーザーとしてはとても怖く感じたんですね。
きちんとした書類審査、動作検証なども行われた上で、それも、いろいろな方々の意見を通して認定を勝ち取った、認定を取った犬もいれば、もっと、あまりにもシンプルな経過を通して認定をされた犬というのが同じように認定犬として世の中に出るということに対して、私は一つの過程しか経験していないので知らなかったんですけれども、そこまで違いがあるということが今回ちょっとこのデータを拝見してみてちょっと怖く感じました。
なので、認定の方法は、いろいろこれからも決定していかなければいけないと思うんですが、どの指定法人でどの団体で認定受けた場合でも、きちんと昔の大学の共通一次試験のように、どこの団体で受けても同じような書類を提出し、同じような内容を審査されるような形で、一定基準をきちんと満たしておくべき、その基準を決めていかなければならないかなと。
そうすれば逆を言えば、わざわざ訓練事業者が指定したこの認定法人まで遠くまで行かなければいけないということもなくなって、自分が一番行きやすい場所、やりやすい、受けやすいシステムをとっているところをチョイスして認定を受けるということができるようになると思うのでどこの認定団体で受けても同じ経過をたどっての認定になるようなことを検討していただかないとユーザーとしては、不安が募りました。
以上です。
〇江藤座長 はいどうもありがとうございます。
これまでにも指摘されていたことかと思いますけども、申請書類に関してもう少しきちっと統一させていくことが必要だろうというご意見かと思います。
それぞれによって検証内容がバラバラであって、やっていたり、やってなかったりとそういうことがないようにしていくということかと思います。
いかがでしょうか、他に。木村委員、どうぞ。
〇木村構成員 別件になるんですけれども、認定の方法は訓練事業者が指定法人に、使用者と一緒に申請して認定審査を受けることになってるんですけれども、指定法人と訓練事業者が一体になってる団体の場合は、その辺があまり透明性がないように思うんですね。僕自身としては、一番いいのは訓練事業者が指定法人と連携をとりながら、きちんと指定法人が審査するっていうのがいいんですけども、それが一体になってると、どうしても何か内部的に処理されてしまったりして、自団体だけが優遇されてしまうんじゃないかという誤解を招いてしまうので、できれば自団体認定がなくなればいいなというふうに個人的には思っています。
〇江藤座長 ありがとうございます。指定法人と育成事業が一体になっているところが実際にあって、そこの辺の区別というか、役割を明確にして、もっとユーザー中心に運営されるようにということかと思いますがいかがでしょうか。朴さん、どうぞ。
〇朴構成員 育成団体と認定団体を兼ねている法人として貴重なご意見いただきました。ありがとうございます。
これを機会にご理解をいただきたいのは、当然、物事にはメリットとデメリット両方ございます。
ですから、育成団体と認定団体が違うところを受験されるユーザーの方がそう思わないような、心配にならないようなことは考えていきたいと思います。そのうえで、育成団体と認定団体が同じということのメリットも、私ども3団体は大きく感じてるところも事実なんです。
例えば、ここで細かいことをご説明すると時間の関係がありますから、皆さんちょっと盲導犬の育成を想像してみてください。
全国の日本補助犬協会を含む11ある盲導犬協会というのは、育成と認定が一緒です。
そして現在、この日本の文化の中で900頭割ってしまいましたけれども、だいたい1000頭程度の盲導犬の実働実績があるわけです。
ですから、育成団体と認定団体が同じである場合の透明性、具体的にその透明性をどうやったら透明だと思っていただけるのかというのはまた意見交換させていただくとしまして、そのメリットとデメリットの両方をテーブルの上に出して考えていきたいなと思っております。
以上でございます。
〇江藤座長 はい、どうもありがとうございます。
育成事業団と認定の団体、盲導犬の例では皆さん一緒だということで、先ほどご意見のあったような疑念を抱かれないようなそういう仕組みをきちっと作っていくことが必要ということですね。はい、有馬委員。
〇有馬構成員 アシスタンス・ドッグ・インターナショナルで、以前、理事を3年させていただきまして、多くの海外の育成団体に訪問させていただきました。
国際的に見ても、育成と認定は同じ団体さんでやってらっしゃいます。日本のように、分離しているところは世界的にも珍しいと思います。
先ほど、「認定試験が不透明性」とおっしゃったんですが、私どもの認定委員には障害に精通したキャリアのある先生に入っていただいております。そうそうたる認定委員のメンバーに試験をしていただいております。それらの先生たちのご自身の見解は、とても尊重すべきものであって、「不透明」ということばは失礼かなと思います。特定の団体へのユーザーさんたちに忖度みたいなことをされると認定委員ご自身の地位、今までの見識を疑われてしまうので、そういったことはないと思うんですね。
ただもう一つあるのは、一番は犬の素質というものがあって、認定試験は、本当に短時間なので、その時間だけ訓練士が良く見せるコントロールは結構できることなんですね。日本聴導犬協会は、訓練団体と指定法人を兼ねていますが、それだからこそ本当に責任を持って「この子たちは大丈夫です」という試験結果を出せると思うんですね。ユーザーさんからのフィードバックだけでは、本当は、どんなことが起こっているのかとか、悪い部分を隠されてしまえば、経験のある訓練士でも、判断がしにくいです。ユーザーさんと候補犬、育成団体との関係性っていうのはすごい重要だなと考えています。申し上げたように国際的には、育成団体とは別団体が認定するというのはとても珍しいと思います。
〇江藤座長 ありがとうございます。国際的には盲導犬でやられてるように両者一体が普通であるということですね。
その辺で疑念を持たれないようなシステムにしていくということだと思うんですけども。川﨑さん、よろしくお願いします。
〇川﨑構成員 木村様に先ほどのお話で、もう少しご説明いただきたいなと思った点があるんですけれども。
今回、使用者様の意見を聞くという機会はとても私達に、私にとってすごく貴重な機会なので、とても興味があるんですが、その認定と育成が同じ団体で行われること、このデメリット、使用者の方、受験者の方のデメリットは同じだとどこなんでしょうか。
〇木村構成員 日本介助犬使用者の会の木村です。答えてよろしいでしょうか?
訓練事業者が、日本の場合、かなり弱小な団体があるんですね。
ですから、補助犬法ができる前には訓練がすごくいい加減で、使用者の意見が通らずにまだまだ訓練して欲しいって言っても、訓練事業者が勝手に認定っていうような形で、訓練されてしまって、実際に介助犬が家に来ても役に立たなかったという例がいくつかあったので、そういうことがあると使用者としては役に立たない介助犬を持たなければならなくなりますので、きちんと介助犬が訓練されているかっていうことを第三者に見てもらいたいっていうのが気持ちです。
ですから、介助犬使用者と訓練事業者っていうのは、車の両輪とは言われるんですけれども、どうしても訓練事業者が介助犬を訓練して下さるという立場で、僕たち使用者はどうしても従うような状況になってしまいますので、訓練事業者にきちんと意見を言えないんですよね。そのため、それを第三者が上からチェックしていただくっていうことが、必要だなと思っています。
〇江藤座長 はいどうぞ。
〇川﨑構成員 とても貴重な意見ありがとうございます。今のお話で非常によくわかりました。
確かにうちの方で訓練してる方の中でも、もっとやってほしい、認定が終わってからもフォローしてくれますかとか、一生懸命になってやる方がやっぱいらっしゃいましたので。
例えば、同じような意見を言っている方もいらっしゃいましたなんか中途半端に何もできない状態で犬が来たことがあると。
うちで訓練した方ではなかったんですけども。使用者の方はとてもそこがなんか必死なところだと思うんですね。
ですので、これはそうしますと、訓練状況をもっとユーザー目線に沿って確認したり、追加して、よりユーザーの求めているものに、介助犬が近づくようにっていうものをどこかで途中で調べるような、そういう機関があるとか、そういう何か制度があるとよりユーザー目線に沿った訓練になるっていうことなのかなと理解しました。ありがとうございます。
〇江藤座長 ありがとうございます。その他にどうでしょうか。朴さんどうぞ。
〇朴構成員 木村さん、大変1頭目はご苦労をされたということで。同じ育成団体として申し訳ないと思います。
確かに盲導犬も同じなんですね。私も20代の頃から盲導犬の育成、協会に入ってやってきましたけれども全く今の介助犬、聴導犬と同じような経過をたどってきました。
弱小のところがあって、私が勤務しました日本盲導犬協会もその当時は掘っ立て小屋で、本当にもう、弱小ですよね。
ですから、候補犬のクオリティ、繁殖とか人を育てるっていうところが不十分であってご迷惑をおかけしたこともいっぱいあると思うんです。
でもその経過をたどっていって育成団体が育っていくということも事実なんです。
もう一つ、木村さんがおっしゃったことで育成団体に物が言えない。
確かにそれはあるのかもしれないですけど、それは育成団体とユーザーが必ず関係を構築していかなければならない問題だと私は思っております。
育成団体に物が言えない雰囲気、そういう環境があるということは、否めませんし、駄目ですそれは。でもこれは何とかしなきゃいけない問題なんです。そこを認定法人に補填というか保証というか、そこを介在ということは、お気持ちはわかるんですけれども、それはやりきれない、難しいことだと思うんです。
あくまでも補助犬の育成は育成団体が責任を持って、そして認定団体がそれを第三者機関として認定していく。この構図はこれから皆さんで話し合っていかなければならないと思います。
ですから、認定団体も育成団体と一緒に育っていくという関係である必要があると思います。以上でございます。
〇江藤座長 はいどうもありがとうございます。それでは有馬構成員。
〇有馬構成員 本当に木村さんには申し訳ないというか、初めの子ですごくね、皆さんに知れ渡ってることなんですけど。木村さんに逆にご質問したいんですけど、今もご自身とか使用者の会の方たちで育成団体とのお話ができないような状況というのは、続いてらっしゃるんですかね。
〇江藤座長 木村さん、いかがですか。
〇木村構成員 今は補助犬法ができて、訓練基準とかがある程度整ってきているので、補助犬法ができる前と比べればすごくやりやすくはなってますけれども、やはり使用者と育成団体、僕みたいに使用者を25年やってても、やはり訓練事業者の人と話すときには、遠慮ってのが出てきます。本当に必要なことは言いますけれども、初めて介助犬を持つ人にとってはなかなか使用者の方から、訓練事業者に意見を言えないっていう人は、かなりたくさんいます。
〇江藤座長 ありがとうございます。先ほど横浜の小田構成員が手を挙げておられたかと思いますが、
〇小田構成員 はい、すいません。横浜リハセンターの小田です。
いずれにしても、訓練事業者、認定法人どちらかがやったとしても明確にその基準が示されたりですね、透明性があって誰でもわかりやすいものを作っていかなきゃならないってことは残されてる課題だと思います。
それからもう一つ、特に介助犬に関して言うと、身体の障害であったりご本人の生活の再構築であったり、様々な課題を抱えてプランニングしていくことの一環として、介助犬は必要になってくると思います。
ですから、その辺のきちんとした評価、ご本人たちへの評価とご本人たちの自覚、そういうものを育てていくための支援というのも含めてやっていくためには、ここには多くのリハ専門職の方が関わっていく、リハセンター系列の認定法人もいますので、これらの法人というのはそういう形で認定にも関わっていかなければならないと思いますが、そういうことも皆さんの中でも連携しながらやっていく必要性を感じています。
以上です。
〇江藤座長 はい、松本構成員。どうぞ。
〇松本構成員 ありがとうございます。松本です。
育成団体と認定団体が一緒である、別であるということの是非なんですけれども。それはきちんと認定の、例えば、提出する書類であったりとか、審査委員会の構成員であったりとかそういうものが、きちんと統一されていて、どこであっても、例え自団体の延長、育成団体の同じ団体が認定している場合であっても、別の指定法人であったとしても、きちんとそこが統一された提出書類が出されて、統一されたメンバーによって審査されてるんであれば、そこに不透明さはなくて、別に同じ団体であっても、そこはきちんと審査されるんだなというふうになるんですが、今は訓練事業者が出すフォーマットもみんなまちまちなので、自分たちに、悪く言えばですけど自分たちに都合のいい書式を提出してそれを自分たちの都合の良いメンバーで審査をして認定ってこともできてしまうってことになりますよね。そうではなくて、どこの認定団体でも、認定団体が認定する場合でも出すべき書類の内容であったりとか、審査すべきメンバーがきちんと同じであれば、そこはたとえ同じ団体であろうが別団体であろうが、そこは不透明だっていうふうに言われることはない。
現状は、延長でそのまま出せて、やってるんじゃないかと思われてしまうのは、そこに統一性がないからではないかなというふうに思います。
そして訓練と認定が両輪ということをよくお聞きするんですが、そうであれば、今回認定に関して検討するこのワーキンググループに認定だけを行っている指定法人さんと認定と訓練を行っている指定法人さんがいて、その両輪である訓練だけを行っている団体はいないわけですよね。
そうすると、ここで訓練のその先にある認定について意見を言えるのは両方をやってらっしゃる団体さんしか言えない状態になってしまってるので、自分たちで訓練をやって、よその方に託さなければいけない。認定を託さなければいけない訓練事業者の意見は認定に反映できないってことなってしまうんですね。
そこが私はちょっと今回のメンバーを拝見したときに、不整合だなっていうふうに思いました。自分たちで訓練をして、自分たちで認定されていることはそれはそれでいいんですけれども、訓練だけしてあとは認定をお任せしなければいけない訓練事業者も現状あるわけですから、そういう人たちにとっての認定がこうあるべきという意見ももっと汲んでもらうべきではないかなというふうに私は思いました。
以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。はい、有馬構成員、どうぞ。
〇有馬構成員 実はですね、初めに指定法人にさせていただいた当初に厚労省にお伺いを立てて、松本さんがさっきおっしゃったように、例えばですが、チェックのポイントが違うとか、そのフォーマットは効率的であるとか、指定法人を集めてお話をさせてくださいってお願いしたんですね。
そうしますと、厚労省の方からの返事は「自分たちでやってください」とおっしゃったんで。
すぐにその当時の指定法人にお声かけたんですが、兵庫リハさんだけが「会をやってもいいですよ」っていうお返事があったのですが、その他はお返事さえ全くなかったんです。
でも、やっぱりやらなきゃいけないと思い、またもう1回お声かけたんですがそのときにも、残念ながらお返事がなくて、このままでいいのかって思ったんですが、一応イギリスと国際認定の方の両方で、日本聴導犬協会は審査項目を作っていますのでそれで実施させていただきました。
特にパブリック・アクセスでは、バス30分、電車40分、買い物訓練が20分、飲食が20分ということでフルコースの実地試験をやらせていただいてるんですね。
そうしましたら、他の認定団体さんでは、そこまでは行っていない団体があるとお聞きしています。提出書類の内容はもちろん統一すべきなんですが、日本聴導犬協会ではやはり訓練の質が最も問われると考えます。
兵庫リハさんで聴導犬の認定委員をさせていただいていますが、兵庫リハさんの方には電車で動いて買い物していただくというパブリック・アクセス試験を入れていただきました。
他の団体様がどういうふうに実施されてるのか、存じあげないので、過去に2回、皆さんで集まりませんと、お誘いしたのですけど残念ながら、厚生労働大臣指定法人の会を持てなかったというのが現状なんですね。だから松本さんが述べられたことは、おっしゃる通りだと思います。やっぱり受ける方はとても不安だと思いますし、今申し上げたように、ここは厳しくて、ここは甘いというような団体があるのは、受験するユーザーさんにとっても不平等だとは思います。ぜひ、今後、厚生労働大臣指定法人同士で集まらせていただいて、試験内容の照らし合わせたりし、内容をちょっと精査させていただけたらありがたいなと思っています。
〇江藤座長 ありがとうございます。はい、それでは朴委員どうぞ。
〇朴構成員 朴でございます。力の不均衡について、木村さんがご意見をおっしゃられて、これはユーザーと育成団体の力の不均衡、そしてもう一つは育成団体と認定団体の力の不均衡についてもいつも意識しないといけないと思うんです。
ユーザーと育成団体も対等であれば、育成団体と認定団体も対等であります。
育成団体にユーザーが気を使われるようにユーザーの中には少なくない方が認定団体にも気を使います。認定されなかったらどうしよう。
ですから認定する側される側で、そういった精神的な負担がかかるものだということを念頭において、私たちは認定をしなければいけないし、認定団体の役割ということも考えないといけないと思っております。木村さん、大変いいご意見いただきましてありがとうございました。
以上でございます。
〇江藤座長 はい、それでは次に、松井構成員、よろしくお願いします。
〇松井構成員 皆様の貴重なご意見ありがとうございます。
名古屋の方からも厚労省の方に認定事業所の皆さんで意見交換とか実際に具体的にどのような工夫をされてらっしゃるのかとか、そういう情報交換の場が欲しいということを挙げさせていただいてます。今回もいろいろアンケートの結果でわかりやすくまとめていただいてはいると思うんですけども、ただその中で具体的にどのようなアセスメントをしながらやっているのかとか、そのような情報とかもやっぱり共有していけると良いと思います。認定をさせたい、補助犬を増やしていきたいっていうところは共通な目的だと思いますので、まずは情報共有しながら、中身は知らないとなかなか具体的にワーキングに集まっても、提案内容とか見えてこないのかなっていうところと、あと今後第2回第3回とやっていく中で、訓練事業所の方々からも、実際に認定事業所の方にどういったことをしてほしいのかっていうところとかも、紙とかではなく、具体的な中身の意見交換とかもうちょっと深くしていきながら、ユーザーの方の負担を減らしつつよりよい形へと取り組んでいくのがいいのかなとは思っています。ありがとうございます。
〇江藤座長 ありがとうございます。はい、森戸構成員、どうぞ。
〇森戸構成員 千葉リハの森戸です。
実際に指定法人の立場でって形になりますけれども、介助犬の2頭目3頭目っていう、その切り替えのときに指定法人を変えたいっていう方がいらっしゃるんです。
その理由も様々で、実際に近くの指定法人で受けたいっていうことで来る方はいますし、また違う理由で相談っていうのもあります。前回受けた指定法人での内容っていうものが、同じように自分のところでできるのかっていうところに非常に不安を覚えながらやらないといけないのが今の状況になっています。以前やったときには前の指定法人の状況とかがよくわかったので、どういう社会参加をしているのかとか、どういう目的で介助犬を使用するのかっていうことも含めてですね、できたんですけれども。
やはり指定法人同士の認定、先ほどから皆さんが発言されてるような共通した内容っていうのが透明性をもってできてくると指定法人が変わったときにも使用者の方にも迷惑かからないと思いますし、育成団体にも迷惑がかからず認定できるんじゃないかと思いますので、そうしたことも含めて、検討をこれからしていけるといいんじゃないかと思います。
以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。川﨑構成員いかがでしょうか。はい、どうぞ。
〇川﨑構成員 皆様の意見を聞いていて、感じたんですが、例えば訓練団体にしろ、訓練と認定が一緒になっている事業者にしろ、ユーザーさんがいて、その人が何をして欲しいかっていうことを一番重要だと思うんですが、先ほど意見が通らないとおっしゃってたんですけども、もしかしたら訓練する側はユーザーさんがこういうことをしてほしいとか意見が出たときにいやそれは犬の世界では無理だとか、犬の世界の目線であまりにものを決めつけすぎているっていうことも起こってはいるとは思います。
ですからそれは違うよと上から目線になってしまって、ユーザーさんが意見が言えないとか、そういうことになるのかなと思うんですよ。
身体障害だったり聴覚障害だったり、その障害を、一番理解している人がユーザーさんが何が必要かっていう意見を吸い出して、そして訓練事業者と打ち合わせできるような、そういった流れが作れればユーザーさんの意見を代弁するような形がとれるんじゃないかと。その上で、やはり犬にも限界があるんだよ、そこまでできないよってことであれば良いと思うんですけども。
犬の訓練事業者とユーザーさんがダイレクトに話をする、そこで全部が完結してしまう。認定試験のときだけ他の方が関わる。そういうシステム自体がちょっと良くないのかなと思いますので、本当は認定試験ってみんな落ちたら困るんですよね。お金の面でも矛盾があって、例えば自治体からお金が出ます。補助金が委託事業として出ますけども、不合格をしてしまったら3月31日でお金は出ませんよっていう基本的にはそういう考えですよね。そうしましたら事業を絶対終わらせなきゃいけないってことになってしまうので、とてもそこも矛盾だらけだと思うんで、私としては訓練に入る前にその委託事業を決める段階で使用者の方とリハビリの方とか、そういった方たちが社会福祉士の方とかが、そこの段階に関わってしっかり面談してそこで訓練進んでいいよっていう基準をしっかり作る。何をして欲しいっていうし使用者の意見をそこでしっかり吸い出す、そういうシステムが最初にあった方がとてもいいんじゃないかなと思います。
以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。松本構成員いかがでしょうか。
〇松本構成員 松本です。ありがとうございます。
聴導犬ユーザーになる聴覚障害者の特性として幼少期に言語を獲得する段階を除くと、リハビリとか生活訓練とかいう場で専門職の方と関わる機会がほとんどないことが多いですね。介助犬ユーザーさんの候補になるような方たちは、リハビリテーションであったり、そういう段階で専門の方が見てという機会があると思うんですけれども。
聴覚障害者の場合は先天性であれ、中途失聴、私は中途失聴なんですけれども、リハビリテーションや訓練を受けた経験がありません。
なので、そういう場合に、自分の生活にとって聴導犬がどのように役に立つのかということを気付けないでいる場合もあるんですね。
だからもっと先ほどおっしゃってたような専門的な方が関わることによって、あなたの生活はあなたが考えている以上に、聴導犬によって、QOLが上がりますよ。生活が楽になりますよ、安全になりますよということを見出す必要があると思うんですね。
私が以前関わっていた訓練事業者のときは社会福祉士が、希望者のところを訪問していて、その方の生活状況を見たり、家庭環境を見たり希望を聞くことによって、ご本人が思うイメージ、聴導犬に期待すること以上のものを、その社会福祉士が全部見てこんなところも役に立ちますよということで、潜在的なニーズを引き出すという役割をしていました。
そういうことによって、聴導犬という、他の介助犬とまた違う特性を踏まえたニーズが広がることになりますし、同じように、認定の段階においてもそのような専門家の方が関わることによって、いかにその聴導犬がその人の生活を安全に、安心に広げていくかということを認定していくことに繋がると思うので、障害をおったときに、自分から専門家と関わる機会が少ないからこそ、この補助犬との関わりを通して自分の社会参加ということを考えるような場になってほしいなと。そうすることによってニーズが広がり、それが結果として数が増えるっていうことになっていくんではないかなとユーザーの1人として考えます。
以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。はい、小田構成員、どうぞ。
〇小田構成員 横浜リハの小田です。冒頭で話をしました。この補助犬法の目的が自立と社会参加ということを目的にしています。
犬がメインな法律ではなくて、人がどう生活していくのかを考えていく法律だと思うんですね。
その中で例えば犬がいるとこんなふうに良くなるだろう、でも本当にその人にとって必要なものは何かってことをきちんとした評価に基づいて生活を作っていき、その中にどう犬を入れていくのか、それがきちんとなくてはならないと思うんです。今日ここにいらっしゃるPT OT STそれぞれの立場のリハ専門職の立場でこの補助犬法もしくは介助犬、聴導犬をどうみているのかということについて意見を聞きたいなと思ってますが、いかがでしょうか。
〇江藤座長 はい、補助犬はユーザーさんの生活あるいは活動の支援で、活動を広げていくそういう役割が基本であるということを盛んにご指摘いただいてます。
それでここにきて専門職の関わりについてもいろいろご意見がありましたので、今日まだご発言されていない専門職PT OT STの方で、福祉の方はお話もされてますけども。
いかがでしょうか、専門職の方ご意見いかがでしょうか。はい、立石委員、よろしくお願いします。
〇立石構成員 はい、言語聴覚士協会の立石です。
先ほど利用者の立場から松本委員が、ご発言なさいましたけれども、おっしゃる通りの部分があります。つまりまだ聴導犬を障害のある方、聴覚障害がある方がどう活用していくかということについて、本当に知られていないという状況があります。ですから、まだ私たちとしては、まずは知らせていくという、啓発の部分もとても重要な部分というふうに思います。
ただそれはおそらく一気に広げられるという感じではないと思うので、個々の事例をやはり大事にして、この方にこういうふうに犬が関わった結果、この方のQOLかもしれませんし、生活の広がりとかそういうことがどう変わったっていうような、事例を丹念に集めていくところかなというふうに思います。関わる場としてはすでにお話が出ているようにリハセンターというような専門職もそこに存在するそういう場所が上手く機能をするとですね、そういう場面を増やすことに繋がるのではないかと考えます。
以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。それではPTの佐藤構成員いかがでしょうか。
〇佐藤構成員 はい、理学療法士の佐藤です。あり方検討会の最初にもお伝えしたんですけれども。
補助犬法とか介助犬、聴導犬っていうと介助犬、聴導犬に何をしてほしいかとか、これをやってほしい、介助犬が欲しい聴導犬が欲しいんだっていう思考にどうしてもユーザーさんを含めて、関係職種がなりやすいというふうに考えています。
ただそうではなくて、小田構成員もおっしゃってましたけれども、その人の生活をどう組み立ててその人がめざす生活をどう支援するかっていうことが専門職の役割であり、PT OT STがそれぞれの専門性から関わるということになるんだと思うんですね。そうすると私たちは、その人が目指す生活を共有してその人の生活に本当に介助犬が必要なのかどうか、介助犬がベストなのかっていうところも含めて考える必要があるというふうに思いますし、それを介助犬ユーザーさんになろうとしている人たちと共有して、ここは介助犬ね、ここは福祉ね、ここは人ねっていうところの整理もしつつ、どういうふうに生活全体を組み立てるかっていうところを支援する必要があると思います。
ユーザーさんの中には、さっきおっしゃってましたけれどもリハビリテーションから離れてる人たちも多くいて、そのことを知らない人たちも多いよということは、身体障害に対しても同じで、急性期とか医療の範囲でのリハビリテーションを受けたことがあるけれども、回復期以降の生活期になった場合に、なかなかリハビリテーションの専門職と関わってる人が多くないっていうふうに思っています。
そうすると、生活をどう組み立てるかっていうことに対する思考がユーザーさんにも少ない。
そこの啓発の部分としてはとても良いチャンスなんですね、補助犬とか介助犬が欲しいっていうふうに思ってくれたことはとてもいいチャンスなので、そこはしっかり専門職に入ってもらって、自分の生活について考える機会になる。それを支えるのがやっぱり専門職としては必要であるので認定とか訓練とかも必要なんですけど、一番最初のところが、リハビリテーションとしては最も重要な部分になるのかなというふうに思いました。
以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。それではOTの吉田構成員、いかがでしょうか。
〇吉田構成員 日本作業療法士協会の作業療法士の吉田です。
皆様のご意見を今までずっと拝聴しておりまして、まずこういう場で例えば「認定団体と訓練事業者が別の方がいいのか」とか、「同じでも大丈夫なんじゃないか」とか、それから「ユーザーはこう考えている、認定団体としてはこう考えている」、そういう意見がここで出されたことが、まず非常に貴重な機会になっているなということについて、お聞きしながら、少し感銘を受けておりました。
こういう場がこれまでなかったこと自体が、もしかしたら、今お話されているような問題を生じさせる一つの原因になっていたのではないかなというふうに思います。
ですから、この場で専門職としてですね、意見を言わせていただけるということも私自身にとっても、作業療法士の団体にとっても非常にありがたいことだなと思います。
そこでですね、これまでのご意見を伺ってまして、やはり私はリハビリテーションの専門職の一つである作業療法士ですのでリハビリテーションの観点で見たときに、何が大事なのかなあということを考えて聞いておりました。
先ほど松本構成員がおっしゃいました、まず入口のところで、川﨑構成員もおっしゃってましたが、入り口のところで、補助犬のことを知る期間や、それからその使用したいと言っている希望者の方の生活の状態を聞いたり気持ちを引き出していくっていう、そのあたりがとても大事じゃないかと。これは佐藤構成員も今、リハビリテーションの観点からも最初の入り口のところがとても大事だろうというふうにおっしゃっていました。
私もやはりそう思います。まず入り口のところで本当にこの方にとって生活を豊かにしていくために補助犬が必要なのかどうなのか、そしてそれをこの方は本当に望んでおられるのか、一時の気持ちではなくてですね、望んでおられるのかどうなのかっていうところを確認していく作業やそれから他の選択肢を提示するというチャンスを専門職がいただけるのであれば、その選択肢を並べてみたときに、やっぱり補助犬なんだということをご本人さん、それから支援するスタッフが合意できるという、そういう場面が入り口のところであるのが大事じゃないかなというふうに思います。
生活全体に関わることですし、動物の福祉にも関わることでもあります。それから道具と違って、一旦引き受けてしまうと、かわいいので機能していなくても、飼い続けるというようなことも起こってくる場合があります。そのような不幸な状態を作らないためにも、入り口がまずは重要だなというのはとても感じています。さらに、認定のことを考えるとこれは出口の評価ということになるかと思うんですが、出口のところで、大事なのも、おそらく今皆様がおっしゃってたことと同じなんじゃないかなと思うんですね、本当にこの方にとって役に立つような、そういう補助犬に育っているのかということとか、それをユーザーさんが望んでおられるのかということ。これをみんなの目で確かめる。
そこが大事なのじゃないかなというふうに思います。みんなで納得したよねというところで、じゃあ生活をスタートさせましょうと。その中でもちろんユーザーの方の希望や生活の上での価値観ですね、選択するのかどうかというところはとても重要だと思うんですけれども、違う選択肢もあるよっていうことをご存知ないまま補助犬を選んでいる方もいらっしゃると思いますので、そこはいろいろな専門家がですね、この選択肢もあるんだっていうことをお示しした上で、入り口をスタートさせる。
それから出口のところも、これで生活していけるよねって、みんなの目で確かめて生活をスタートさせるっていうことがその後の幸せな生活に繋がっていくのかなと思いますので、基準を統一することや、専門職がどのように関われるのかというところをこれからの議論の中で見極めていきたいなというふうに思います。
以上です。
〇江藤座長 ありがとうございます。それでは朴構成員。そろそろ時間が迫ってきてますが、よろしくお願いします。
〇朴構成員 発言はもうしないでおこうと思ったのですが、どうしてもこれだけはわかっていただきたい。
これから介助犬、聴導犬を持とうかなと考える方が一番最初にアクセスするところはどこだと思われますか。
育成団体です、たいていの場合は。もちろんリハセンターに行っても構わないんです。介助犬の場合はリハセンが多くても構わないんです。要は、一つに決めるべきではないと私は思っています。
実際、介助犬、聴導犬を持つときに、盲導犬もそうですけれども多くの場合、全部とは言いませんよ。
まずは「介助犬ってどんな犬ですか?」「聴導犬はどんな犬ですか?」と、育成団体に体験に来られる希望者もいらっしゃいます。
その育成団体の中に、専門性があるのは当たり前です。なかったら育成できないし、貸与できないんです。
しかし、その入り口がリハセンだけになると、希望者はリハセンターに行って評価を受けて話して、今度は育成団体に相談されて、再び認定団体に行く、その形が安心な方もいらっしゃれば、そうでない方もいらっしゃるということです。
意見は、ここにいる委員が話していることが全てではありません。必ず両方あります賛成の意見と反対の意見と、なぜならば経験が違うからです。
育成団体と認定団体が同じ団体で犬を取得した人はそれが経験になりますからその基準で話をします。
確かに日本は介助犬聴導犬の育成と認定が違うという世界的に見ても珍しい形になっています。
だから100%それでいこうとか、それはなくそうという、0か100かの考えではなく、今の現状、これを広げていくことが大事だと思うんです。
そうすることで間違いを避けられますし、ユーザーが自身の環境を考慮し育成事業者を選べる。育成団体も認定団体を選べる、というようなバランス、何事もバランスが大事だと思います。今日は長くお話してしまいました。失礼いたしました、以上でございます。
〇江藤座長 はいどうもありがとうございます。本日は第1回のワーキングということで非常に活発に幅広のご意見をいただけたかと思いますが、最後にまだ言い残したということで、有馬さん。
〇有馬構成員 すいません二つだけです。
数が増えないのは、認定試験が難しいとか、込み入っているということではなくて、私どもの経験では、5名の希望者さんが地方行政の窓口で「聴導犬はもらえない」「盲導犬と同じで2年待つよ」「あきらめた方がいいよ」と拒否するような助言をされています。現実には、日本聴導犬協会の場合は、希望者さんからの必要書類提出後、半年で訓練に入っていますが、地方行政の担当者の見識のなさで、あきらめる希望者さんがいるという現実もご理解ください。ここで申し上げたいのは、聴導犬・介助犬が増えないという問題と、認定試験の内容の精査を絡ませるのはちょっと論点が違うかなというのが、一つです。
二つ目は、さっき朴さんがおっしゃったように、ぜひ厚生労働大臣指定法人で集まっていただいて、一緒にもう一度認定試験の内容のスタンダードの照らし合わせをさせていただき、ユーザーさんファーストとして、ユーザーさんがご納得いただけるような形で、プロセスを踏んでいけたらというふうに思っております。ありがとうございます。
〇江藤座長 ありがとうございます。それでは最後ちょっと時間が短くて申し訳ありませんが松本構成員短めによろしくお願いします。
〇松本構成員 すいません。一言だけ。先ほど、専門職が入り口という話があったんですけど、それは必ずしもリハセンターに行ってから訓練所を紹介するという話ではなくて相談を受ける訓練事業者がきちんと専門的にその話を聞けるような体制を訓練事業者が持てばいいだけの話であってそこで社会福祉士の資格の有無は別としてでもきちんとその人のニーズを把握できるようなインテークの面談などが行われれば、そこに専門的な介入があったということなので、単に犬が欲しいって来た人に対して、その人の生活の質をあげるために必要なものは何かを訓練事業者の方は考えることができれば、何もリハセンターを経由しろということではないのでそこはちょっと誤解だけあったようだったので訂正をしたいと思いました。失礼します。
〇江藤座長 どうもありがとうございます。このワーキングは認定要領の見直しということですけれども補助犬一般に関する啓発も必要であるし、それから入り口の問題での専門職の関わりも含めていろいろご意見をいただきました。
まだご意見のある方あるかと思いますけども、一応限られた時間ですのでここまでで、本日の議論は終了させていただきたいと思います。事務局には今日いろいろご意見をいただきましたけどもこれを整理して、また次回の資料等のご準備をお願いしたいと思います。それではここで進行を事務局にお返ししたいと思います。事務局よろしくお願いします。
〇大城補佐 江藤座長、ありがとうございました。
また、構成員の皆様におかれましてはご多忙の中ご出席をいただき、ご意見を賜り誠にありがとうございました。合わせまして事務局の進行に不十分な点がありましたことをお詫びいたします。次回の第2回認定要領の見直しに係るワーキンググループは資料1に記載の通り、8月27日金曜日14時から16時にWebで開催予定です。本日ご議論いただいた内容を踏まえまして事務局で資料を取りまとめさせていただきます。本日は以上になります。ありがとうございました。
照会先
障害保健福祉部企画課自立支援振興室