生活保護制度に関する国と地方の実務者協議 第3回議事要旨

日時

2017年4月14日(金) 14:00~16:00

場所

航空会館 801会議室(8階)

議事要旨

事務局から資料について説明し、自治体から以下の意見が出された。
  1. 1.子どもの貧困対策等について
    • 大阪府の調査によると、世帯の困窮度が高いほど、子どもに対して経済的にしてあげられないことが多いという結果が出ている。(困窮度が高い世帯ほど、子どもの医療機関の受診、絵本等の購入ができないこと、進路の変更を余儀なくされる等の状況がみられる。)また、学習理解度が低いことや勉強時間の短いことなどの特徴もみられる。
    • 生活保護世帯の子どもの大学進学については、自立の助長や貧困連鎖防止の観点から有効である。
    • 生活保護世帯の子どもの大学進学については、低所得者世帯との均衡等の観点から、世帯内就学ではなく、給付型奨学金や資金貸付制度等を活用し、一般世帯と同様に対応するべきではないか。
    • 子どもの学習支援については、生活保護世帯の子ども等に特化した取組ではなく、一般施策や生活困窮者への子どもの学習支援制度の中で支援の仕組みを考える必要があるのではないか。
    • 大学等への進学をした子どもが世帯分離された際の住宅費について、経過措置などを設けて一定期間生活保護費を減額しない仕組みが必要なのではないか。
    • 高校生のアルバイトの収入認定除外について、費用の認定が複雑であるため、例えば一律5万円以下とする等、一定の収入について認定除外とするなど、簡素化すべきではないか。
    • 母子加算については、特に多人数世帯で保護を受給していない低所得世帯よりも恵まれている現状があり、加算ではなく高等学校等就学費など、必要な費用の充実で対応すべきではないか。
    • 教育扶助や高等学校等就学費、一時扶助については、子どものために確実に使用されるよう、必要なものを現物給付するような仕組みが必要ではないか。
  2. 2.医療扶助の適正化について
    • 頻回受診対策については、医師が必要と認める場合には頻回受診に該当しないこととなるため、ケースワーカーや福祉事務所が医療機関を指導することは困難である。
      現行の頻回受診対策について、その効果が一時的なものにとどまっていることがあるといった課題がある。(例.ケースワーカーの訪問の際の保健師の同行を行った際、受給者がその月は受診を控えるが、次の月に再び受診を開始してしまう 等)
    • 頻回受診指導の対象者について、同一の規模の自治体であっても対象者数にばらつきがあることから、抽出方法について具体的に指示すべきではないか。また、レセプト管理システムを用いて頻回受診対象者をより効果的に抽出するため、レセプト上に診療科目ごとの傷病名を記載することを義務化するべきではないか。
    • 後発医薬品の使用の更なる促進のためには、生活保護受給者は使用を原則義務化する等の措置が必要なのではないか。その際、薬局における後発医薬品の在庫不足等の解消や受給者以外の後発医薬品の使用促進もあわせて行っていくべきではないか。
    • 医療の一部自己負担化については、頻回受診等に対する効果があると考えられるが、導入に当たっては、最低生活費を割り込むことがないよう配慮する仕組みを導入すべきではないか。(例えば償還払いによる措置等)
      また、頻回受診の指導に従わなかった者や、後発医薬品の使用を拒否した場合の先発医薬品との差額について負担を求める等の負担のあり方については、福祉事務所、調剤薬局、医療機関での事務等が複雑になることから、一律に一定金額を窓口負担させるなど、福祉事務所等の事務が煩雑とならない仕組みとすべきではないか。
    • 生活保護受給者が利用することができる薬局を一元化することについては、遠方にある薬局への移送費の支給、薬局における在庫不足や閉店時に必要な薬剤の受取りができない等の課題がある。
    • 重複処方等の防止のため、調剤を受けるにあたってお薬手帳のような仕組みを義務化すべきではないか。