生活保護制度に関する国と地方の実務者協議 第2回議事要旨

日時

2017年3月21日(火) 14:00~16:00

場所

コンベンションルームAP新橋虎ノ門11階 B会議室
 

議事要旨

事務局から資料について説明し、自治体から以下の意見が出された。
1. 就労関係事業について
・ 被保護者就労準備支援事業については、被保護者の就労意欲喚起の観点から効果的な事業である。
・ 被保護者就労準備支援事業については、支援団体等の地域資源が全国的に十分ではないことや、事業の対象となる者が少ない地域もあることから、事業の必須化は困難ではないか。
・ 被保護者就労準備支援事業については、生活困窮者自立支援制度における就労準備支援事業との一体的な実施や広域的に事業を行うことができるような仕組みにより、事業の実施促進や活用を図ることが効果的ではないか。
・ 費用負担についても見直すべきではないか。
・ 高齢者等については、就労支援のみならず、社会参加による自立の促進を図るべきではないか。
・ ハローワークにおける支援の対象者については、積極的に生活保護受給者を受け入れているハローワークがある一方で、対象者の要件が厳しいハローワークもあることから、対象者の範囲を拡大するべきではないか。
 
2.就労自立給付金、勤労控除について
・ 就労自立給付金については、受給後すぐに保護を脱却した人には支給されないなど、短期に保護を脱却することへのインセンティブになっていないことから、保護を脱却することにつながるような仕組みに見直すべきではないか。(例えば、一定期間継続的に就労した者の方への給付金創設 等)
・ 生活保護受給者やケースワーカー等の職員が制度を理解していないことから、周知が十分進んでいないのではないか。
・ 就労意欲喚起のため、勤労控除の額の見直しも必要ではないか。
 
3. 職場定着について
・ ハローワーク等による就労後の職場定着指導を確実に行うとともに、定期的に行う就労状況の確認の期間を短くすること等の取組が必要ではないか。
 
4. 被保護者の家計管理の支援について
・ 生活保護受給者の家計管理への支援は、生活保護費の計画的支出や浪費傾向のある受給者への浪費の防止、債務管理が必要な方への管理等に対して効果的である。
・ 生活困窮者自立支援制度の家計相談支援事業の活用についても、事業の一体的な実施による人材の確保やスケールメリットの観点から有効ではないか。
・ 生活保護受給者の家計管理については、家計簿管理や計画的な支出に対する支援等、相談業務にとどまらない支援が必要になるため、生活困窮者自立支援制度の家計相談支援事業の内容とは異なる支援が必要なのではないか。
・ 浪費傾向のある受給者等の特に支援が必要な者に対しては、強制力のある措置を講じない限り、事業化しても効果がないのではないか。
・ 生活保護受給者に対する家計管理支援については、どのような者に対してどのような支援が必要なのか、検討する必要があるのではないか。
 
5. 生活困窮者自立支援制度との連携について
・ 生活保護制度から生活困窮者自立支援制度へ対象者をつなぐ場合において、生活困窮者自立支援制度の実施者(委託事業者も含む)との間でつなぐ対象者についての情報共有の枠組みが必要ではないか。
・ 生活保護制度、生活困窮者自立支援制度の窓口の担当者が対象者像を明確にできず、対象者が適切な制度につながらないことがある。各制度の職員等に対する研修の実施などにより、対象者像を明確化し、相談に来た方が適切な制度につながるようにすべきではないか。
・ 相談業務については、生活保護制度は福祉事務所が行い、生活困窮者自立支援制度は委託による実施があるので、両制度が縦割りになりがちであり、連携が課題である。保護の決定等、公権力の行使の問題があるが、生活保護の相談機能だけ切り出せれば、生活困窮者自立支援制度と一体的な委託が可能になり、相談窓口を一本化して、ケースワーカーの負担も減らすこともできるのではないか。
・ 生活保護を脱却した方に対しては、ケースワーカー等が生活困窮者自立支援制度につなぐ努力をしているが、ケースワーカー等の知識不足や通常業務の負担が大きいため、十分に生活困窮者自立支援制度につなげていない。
・ 保護の実施機関等の現場では脱却後も継続支援が必要と考える方が、生活困窮者自立支援制度の利用を希望せず、継続的な支援がなされない場合がある。そのような支援が必要と判断される方の継続的な支援のため、両制度間の連携体制を確保すべきではないか。